(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法、および推定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230922BHJP
G06Q 30/0202 20230101ALI20230922BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q30/0202
(21)【出願番号】P 2020006365
(22)【出願日】2020-01-17
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大屋 誠
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016321(JP,A)
【文献】特開2017-016625(JP,A)
【文献】特開2019-032904(JP,A)
【文献】特開2008-217502(JP,A)
【文献】特開2017ー168008(JP,A)
【文献】特開2018-092581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが
夫々所有する端末装置にて検索に用いた検索クエ
リおよ
び前記端末装置の位置データを取得する取得部と、
前記検索クエリ
のうち所定地域に係る不動産に関する検索クエリが入力された端末装置の位置
履歴に基づいて、各端末装置の利用者が多く居住する居住地域を
推定し、推定結果に基づいて、当該居住地域から前記所定地域への転居需要を推定する
、または、前記端末装置の
位置履歴に基づいて、所定期間の間に従前の居住地域から前記所定地域へ転居した利用者の端末装置を推定し、推定結果に基づいて、当該居住地域から前記所定地域への転居需要を推定する推定部と
を有することを特徴とする推定装置。
【請求項2】
前記推定部は、
不動産購入または不動産売却に関する検索クエリに
より検索され
た所定
の地域における前記
転居需要を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記端末装置の前記位置データに基づいて、
夜間における前記端末装置の位置履歴が最も残っている地点を含む地域を前記ユーザの居住地域
として特定し、前記居住地域から、
不動産購入に関する検索クエリに
より検索され
た所定
の地域への
前記転居需要を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記ユーザが前記端末装置にて検索に用いた不動産購入に関する前記検索クエリに
より検索され
た所定
の地域における不動産購入需要を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記端末装置の前記位置データに基づいて、
夜間における前記端末装置の位置履歴が最も残っている地点を含む地域を前記端末装置のユーザの居住地域
として特定し、前記ユーザが前記端末装置にて検索に用いた不動産売却に関する前記検索クエリに
より検索され
た前記居住地域における不動産売却需要を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記端末装置の位置履歴に基づいて、
夜間における前記端末装置の
位置履歴が最も残っている地点を含む地域
を居住
地域とした居住実績、および、
前記位置履歴に係る転居履歴に基づき前居住地域を特定し、前記前居住地域から前記
居住地域への
前記転居需要を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項7】
転居需要、不動産
購入需要または不動産売却需要
に係る推定データを提供する提供部
を更に有することを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項8】
推定装置が実行する推定方法であって、
複数のユーザが
夫々所有する端末装置にて検索に用いた検索クエ
リおよ
び前記端末装置の位置データを取得する取得工程と、
前記検索クエリ
のうち所定地域に係る不動産に関する検索クエリが入力された端末装置の位置
履歴に基づいて、各端末装置の利用者が多く居住する居住地域を
推定し、推定結果に基づいて、当該居住地域から前記所定地域への転居需要を推定する
、または、前記端末装置の
位置履歴に基づいて、所定期間の間に従前の居住地域から前記所定地域へ転居した利用者の端末装置を推定し、推定結果に基づいて、当該居住地域から前記所定地域への転居需要を推定する推定工程と
を含むことを特徴とする推定方法。
【請求項9】
複数のユーザが
夫々所有する端末装置にて検索に用いた検索クエ
リおよ
び前記端末装置の位置データを取得する取得手順と、
前記検索クエリ
のうち所定地域に係る不動産に関する検索クエリが入力された端末装置の位置
履歴に基づいて、各端末装置の利用者が多く居住する居住地域を
推定し、推定結果に基づいて、当該居住地域から前記所定地域への転居需要を推定する
、または、前記端末装置の
位置履歴に基づいて、所定期間の間に従前の居住地域から前記所定地域へ転居した利用者の端末装置を推定し、推定結果に基づいて、当該居住地域から前記所定地域への転居需要を推定する推定手順と
をコンピュータに実行させるための推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、推定方法、および推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不動産物件の需要者のニーズに合わせて、客観的に、且つ、現実に即した不動産物件情報及びその関連情報を紹介する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、ユーザの検索要求に応じた不動産物件を提供することができるが、不動産需要を推定することができなかった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、不動産に関連する位置データや検索内容をベースに転出や売却等の兆候を捉えることで、不動産需要を推定することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る推定装置は、ユーザが端末装置にて検索に用いた検索クエリ、および/または、ユーザの端末装置の位置データを取得する取得部と、検索クエリおよび/または位置データと関連性を有する不動産の需要を推定する推定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、エリア別の転居兆候や不動産売却ニーズ等を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報提供システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る推定処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る推定処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る推定処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る推定装置、推定方法、および推定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る推定装置、推定方法、および推定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報提供システムの構成〕
まず、
図1を用いて、推定装置の一例である端末装置100若しくは情報提供装置10を有する情報提供システム1の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供システム1の一例を示す図である。
図1に示すように、情報提供システム1は、情報提供装置10、検索サーバ20、および端末装置100を有する。なお、情報提供システム1は、複数の端末装置100を有する。また、情報提供装置10と、検索サーバ20とは、同一のサーバ装置やクラウドシステム等により実現されてもよい。ここで、情報提供装置10、検索サーバ20、および端末装置100は、ネットワークN(例えば、
図5参照)を介して有線または無線により通信可能に接続される。
【0011】
情報提供装置10は、不動産仲介業者等の端末装置100に対して後述する推定データを提供する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0012】
検索サーバ20は、端末装置100等からの検索要求に応じて、インターネットに存在するウェブページ、ウェブサイト、および/または、画像ファイル等のコンテンツを検索する機能を提供する情報処理装置(検索エンジン)であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、検索サーバ20は、ポータルサイト等を含む検索サイトを提供してもよい。ここで、検索サーバ20は、端末装置100等が検索サーバ20にアクセスした際に、端末装置100等からモバイルアプリケーションやウェブブラウザを介して、検索サーバ20とウェブブラウザとの間で状態を管理する通信プロトコル、またはそこで用いられるモバイルアプリケーションやウェブブラウザに保存されたデータであるHTTP Cookie等を取得してもよい。
【0013】
端末装置100は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置100は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者から指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、以下の説明では、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作と記載する場合がある。なお、端末装置100は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0014】
〔2.情報提供システムが実行する処理について〕
そこで、情報提供システム1では、情報提供装置10および端末装置100が、以下の推定処理を実行する。以下の説明では、端末装置100が実行する処理により、推定データが利用者に提供される処理の一例について説明するが、以下に説明する推定処理は、一部若しくは全てを情報提供装置10が実現してもよい。
【0015】
例えば、情報提供装置10は、ユーザが端末装置100にて検索に用いた検索クエリ、および/または、ユーザの端末装置100の位置データを取得し、検索クエリおよび/または位置データと関連性を有する不動産の需要を推定する。
【0016】
〔2-1.推定処理の一例について〕
以下、
図1を用いて、推定処理の具体例について説明する。なお、以下の説明では、
図1を用いて、情報の流れについて説明した後に、
図2~
図4を用いて、不動産需要を推定する態様の具体例について説明する。
【0017】
まず、複数のユーザの端末装置100は、端末装置100の位置データを情報提供装置10に定期的に送信する(ステップS11)。そして、情報提供装置10は、検索サーバ20にて複数のユーザの端末装置100からの検索要求に応じて検索された検索結果の検索データを定期的に受信する(ステップS12)。
【0018】
そして、情報提供装置10は、複数のユーザが端末装置100にて検索に用いた検索クエリ、および/または、当該ユーザの端末装置100の位置データと関連性を有する不動産の需要を推定する(ステップS13)。
【0019】
そして、情報提供装置10は、不動産の需要の推定データを不動産仲介業者または情報サービス業者の端末装置100に配信する(ステップS14)。そして、不動産仲介業者または情報サービス業者の端末装置100は、不動産の需要の推定データを表示することとなる(ステップS15)。
【0020】
〔2-1-1.推定処理の一例について〕
続いて、
図2~
図4を用いて、推定処理の一例について説明する。
図2~
図4は、実施形態に係る推定処理の一例を示す図である。
【0021】
情報提供装置10は、複数のユーザが端末装置100にて検索に用いた検索クエリに基づいて、特定地域(
図2に示すB駅周辺)の不動産物件(
図2に示す検索物件)が検索された端末装置100を特定し、当該端末装置100の位置データに基づいて、当該端末装置100のユーザが多く居住する居住地域(
図2に示すA駅周辺の破線で示すエリア)を特定することで、当該居住地域から当該特定地域への転居需要を推定する。そして、情報提供装置10は、転居需要の推定データを
図2に示す検索物件を扱う不動産仲介業者に提供する。このように、情報提供装置10は、どこのヒトがどこの不動産を検索しているかを特定することで、転居需要を推定している。
【0022】
また、情報提供装置10は、複数のユーザの端末装置100の1~2年間の位置履歴に基づいて、特定地域(
図3に示すB駅周辺)における居住実績がある端末装置100のユーザを特定し、1~2年間に転居履歴がある当該端末装置100のユーザの多くが以前住んでいた前居住地域(
図4に示すA駅周辺の破線で示すエリア)を特定することで、前居住地域から特定地域への転居需要を推定する。そして、情報提供装置10は、転居需要の推定データを
図3に示す特定地域の物件および
図4に示す前居住地域の物件を扱う不動産仲介業者に提供する。
【0023】
なお、情報提供装置10は、夜間における端末装置100の位置履歴が最も残っている地点を、端末装置100のユーザの居住地として特定してもよい。
【0024】
ここで、情報提供装置10は、例えば、地図配信等のサービスを実行する外部サーバ等から、端末装置100のユーザの居住地(例えば、自宅等)や特定地域における検索物件の位置を特定するデータを取得してもよい。また、情報提供装置10は、不動産データを管理する外部サーバ(例えば、不動産仲介業者のウェブサーバ)等から、特定地域における賃貸物件および売り物件(例えば、新築物件や中古物件等)の物件データを収集してもよい。
【0025】
また、情報提供装置10は、多くのユーザの端末装置100にて検索に用いた検索クエリ(例えば、「B駅」+「賃貸マンション」等)から、B駅周辺における不動産の需要を推定してもよい。
【0026】
また、情報提供装置10は、端末装置100の位置データに基づいて、端末装置100のユーザの居住地を特定し、ユーザが端末装置100にて検索に用いた検索クエリの内容から、ユーザにより所有不動産の売却の可能性が高いこと推定することで、当該居住地における不動産売却需要を推定してもよい。
【0027】
なお、情報提供装置10が推定する需要に係る不動産は、賃借の対象または売買の対象であってもよく、住宅、商業施設、テナント、倉庫、工場またはその他不動産関連の需要の対象となるものであれば、任意の対象を含みうるものである。
【0028】
〔3.情報提供装置の構成〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の機能構成の一例について説明する。
図5は、実施形態に係る情報提供装置10の構成例を示す図である。
図5に示すように、情報提供装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0029】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100、および検索サーバ20との間で情報の送受信を行う。
【0030】
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部12は、位置データベース121、および検索データベース122を有する。
【0031】
位置データベース121には、端末装置100の位置データを記憶する。ここで、位置データは、GPS(Global Positioning System)、携帯基地局、およびアクセスポイント等に基づいて取得される位置座標等であってもよい。
【0032】
検索データベース122には、複数のユーザの検索データが登録される。ここで、検索データは、検索サーバ20にて複数のユーザの端末装置100からの検索要求に応じて検索された検索結果の検索履歴等のデータを含んでいてもよい。また、検索データは、検索サーバ20にて複数のユーザの端末装置100から取得されたHTTP Cookie等を含んでいてもよい。ここで、検索データは、検索エンジンである検索サーバ20において検索されたデータであって、検索文字データ、検索画像データ、検索時刻、検索ユーザの性別および/もしくは年齢等を含む検索ユーザデータ、ならびに/または、基地局、アクセスポイントおよび/もしくはIPアドレス等に基づく検索位置データを含むアクセス位置データ等を含んでいてもよい。
【0033】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図5に示すように、制御部13は、取得部14、推定部15、および提供部16を有する。
【0034】
取得部14は、端末装置100の位置データを取得する。また、取得部14は、端末装置における検索データを取得してもよい。また、取得部14は、検索サーバ20にて端末装置100からの検索クエリを含む検索要求に応じて検索された検索結果の検索履歴を取得してもよい。また、取得部14は、ユーザが端末装置100にて検索に用いた検索クエリを取得してもよい。
【0035】
推定部15は、不動産の需要を推定する。また、推定部15は、ユーザが端末装置100にて検索に用いた検索クエリ、および/または、端末装置100の位置データと関連性を有する不動産の需要を推定してもよい。また、推定部15は、ユーザが端末装置100にて検索に用いた検索クエリにて特定される特定地域における不動産の需要を推定してもよい。また、推定部15は、端末装置100の位置データに基づいて、ユーザの居住地域を特定し、居住地域から、検索クエリにて特定される特定地域への転居需要を推定してもよい。また、推定部15は、ユーザが端末装置100にて検索に用いた不動産購入に関する検索クエリにて特定される特定地域における不動産購入需要(不動産提供需要)を推定してもよい。また、推定部15は、端末装置100の位置データに基づいて、端末装置100のユーザの居住地域を特定し、ユーザが端末装置100にて検索に用いた不動産売却に関する検索クエリにて特定される居住地域における不動産売却需要を推定してもよい。また、推定部15は、端末装置100の位置履歴に基づいて、当該端末装置100のユーザの特定地域における居住実績、および、当該ユーザの前居住地域を特定し、前居住地域から特定地域への転居需要を推定してもよい。
【0036】
提供部16は、不動産の需要の推定データを提供する。ここで、提供部16は、特定地域におけるユーザの不動産購入需要の推定データを提供してもよい。また、提供部16は、ユーザの居住地域における不動産売却需要の推定データを提供してもよい。また、推定データは、ユーザの居住地域および/または特定地域の位置データ等を含んでいてもよい。
【0037】
〔4.端末装置の構成〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る端末装置100の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る端末装置100の構成例を示す図である。
図6に示すように、端末装置100は、通信部110と、入力部120と、出力部130と、物理センサ140と、制御部150とを有する。
【0038】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、情報提供装置10との間で情報の送受信を行う。
【0039】
入力部120は、利用者から各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。出力部130は、各種情報を表示するための表示装置であり、すなわち、画面である。例えば、出力部130は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、端末装置100にタッチパネルが採用される場合には、入力部120と出力部130とは一体化される。また、以下の説明では、出力部130を画面と記載する場合がある。
【0040】
物理センサ140は、端末装置100の各種の物理的な情報を検出するセンサであり、例えば、ジャイロセンサ、温度センサ、音量センサ、明度センサ、加速度センサ等である。なお、物理センサ140は、GPS等の測位システムを用いて、端末装置100の現在位置を特定するセンサであってもよい。
【0041】
制御部150は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報表示プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムは、ウェブブラウザと呼ばれるアプリケーションプログラムに該当する。また、制御部150は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0042】
図6に示すように、制御部150は、要求部151と、操作制御部152と、表示処理部153とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部150の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部150が有する各処理部の接続関係は、
図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0043】
要求部151は、操作制御部152から検索ワード等のテキストデータを受信した場合は、検索サーバ20に対して受信したテキストデータを含む、検索要求を送信する。
【0044】
操作制御部152は、入力部120を介して受け付けた利用者の操作にしたがって、各種制御を実行する。例えば、操作制御部152は、利用者が入力部120に対して各種選択操作を行った場合は、選択操作内容を表示処理部153に出力する。また、操作制御部152は、入力部120を介して受け付けたスクロール操作やタップ操作等、利用者の操作の内容を表示処理部153に出力する。
【0045】
表示処理部153は、受信した各種データを出力部130に表示する。例えば、表示処理部153は、各種の検索結果、または推定データを表示する処理を実行する。表示処理部153は、例えば、CPUやMPU等によって、RAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0046】
〔5.端末装置100の処理フロー〕
次に、
図7を用いて、制御情報を実行した端末装置100と情報提供装置10が実行する表示処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0047】
例えば、情報提供装置10は、複数のユーザが端末装置100にて検索に用いた不動産購入に関する検索クエリに基づいて、特定地域の不動産物件が検索された端末装置100を特定し、当該端末装置100の位置データに基づいて、当該端末装置100のユーザが多く居住する居住地域を特定することで、当該居住地域から当該特定地域への転居需要(居住地域における不動産売却需要および当該特定地域における不動産購入需要)を含む不動産需要を推定する(ステップS101)。
【0048】
そして、情報提供装置10は、端末装置100のユーザの居住地域および当該ユーザの不動産購入需要が推定される特定地域の位置データ等を含む、不動産需要の推定データを作成する(ステップS102)。
【0049】
そして、情報提供装置10は、不動産需要の推定データを、居住地域および特定地域の不動産を扱う不動産仲介業者、ならびに、物件情報を提供する情報サービス業者の端末装置100に配信する(ステップS103)。
【0050】
そして、不動産仲介業者および情報サービス業者の端末装置100は、受信した推定データを表示する(ステップS104)。
【0051】
〔6.変形例〕
上記では、推定処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、推定処理の変形例について説明する。なお、以下に説明する推定処理は、端末装置100側が発揮する機能により実現されてもよく、情報提供装置10側が発揮する機能により実現されてもよい。
【0052】
〔6-1.装置構成〕
上記実施形態では、情報提供システム1に、コンテンツを検索する機能を提供する検索サーバ20、および推定処理を実行する情報提供装置10が含まれる例について説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、コンテンツを検索する機能を提供する検索エンジンを備えていてもよい。このような場合、情報提供装置10は、端末装置100等からの検索要求に応じ、検索サーバ20に代わり、インターネットに存在するウェブページ、ウェブサイト、および/または、画像ファイル等のコンテンツを検索して検索結果を検索履歴として蓄積してもよい。このような構成を有する場合、情報提供システム1は、検索サーバ20を有さずともよい。
【0053】
〔6-2.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0054】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0055】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0056】
〔6-3.プログラム〕
また、上述してきた実施形態に係る情報提供装置10および端末装置100は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0057】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0058】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0059】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0060】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0061】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0062】
例えば、コンピュータ1000が端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部150の機能を実現する。また、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。
【0063】
〔7.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、不動産に関連する位置データと検索内容とをベースとして、転出や売却の兆候を捉えることができる。また、情報提供装置10は、端末装置100の1~2年スパンの位置履歴で居住地を特定し、特徴的な増減をみせる人流をとらえることで、国勢調査よりも短い期間で転居傾向を捉えることができる。それにより、情報提供装置10は、不動産の売却ニーズや購入ニーズのトレンドを不動産仲介業者や情報サービス業者に提供することができる。また、情報提供装置10は、ユーザの拠点コンテキストを推定することができる。また、情報提供装置10は、ユーザの位置データを特定することで、特徴的な短期間の人口増減をとらえることができるため、不動産の売却ニーズや提供ニーズのトレンドを推定することができる。
【0064】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0065】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 情報提供システム
10 情報提供装置
11、110 通信部
12 記憶部
121 位置データベース
122 検索データベース
13、150 制御部
14 取得部
15 推定部
16 提供部
20 検索サーバ
100 端末装置
120 入力部
130 出力部
140 物理センサ
151 要求部
152 操作制御部
153 表示処理部