(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】バッテリー制御装置およびモバイルバッテリー
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230922BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20230922BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20230922BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230922BHJP
H01M 10/46 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/10 B
H02J7/00 301D
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H01M10/46
(21)【出願番号】P 2020213745
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】杉原 敦史
(72)【発明者】
【氏名】中山 正人
(72)【発明者】
【氏名】長野 幸大
(72)【発明者】
【氏名】増岡 志寿香
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-288889(JP,A)
【文献】特開2014-007924(JP,A)
【文献】特開2015-061468(JP,A)
【文献】特開2014-107971(JP,A)
【文献】特開2012-055086(JP,A)
【文献】特開2008-228408(JP,A)
【文献】特開2009-254215(JP,A)
【文献】特開平08-140281(JP,A)
【文献】特表2017-509309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H01M10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーからの放電を制御する放電制御部と、
バッテリーへの充電を制御する充電制御部と、
を備え、
前記放電制御部は、予め定められたプリチャージSOCよりも高い予め定められた下限SOCまでバッテリーからの放電を少なくとも実施可能に構成されており、
前記充電制御部は、
バッテリーのSOCが、前記プリチャージSOCよりも低いときに、予め定められた第1充電レートよりも低い第2充電レートで充電
してプリチャージを行い、かつ、
バッテリーのSOCが、前記プリチャージSOC以上のときに、前記第1充電レートで充電
して急速充電を行うように構成された、バッテリー制御装置。
【請求項2】
前記プリチャージSOCと前記下限SOCとの差は、SOC5%~SOC30%である、請求項1に記載されたバッテリー制御装置。
【請求項3】
筐体と、
前記筐体内に配置され、5C以上の充電レートで充電可能なバッテリーと、
前記筐体内に配置された送電ユニットと、
前記バッテリーおよび前記送電ユニットに接続されたバッテリー制御装置と、
を備え、
前記バッテリー制御装置は、
前記バッテリーからの放電を制御する放電制御部と、
前記バッテリーへの充電を制御する充電制御部と、
を備え、
前記放電制御部は、予め定められたプリチャージSOCよりも高い予め定められた下限SOCまで前記バッテリーからの放電を少なくとも実施可能に構成されており、
前記充電制御部は、
前記バッテリーのSOCが、前記プリチャージSOCよりも低いときに、予め定められた第1充電レートよりも低い第2充電レートで充電
してプリチャージを行い、かつ、
前記バッテリーのSOCが、前記プリチャージSOC以上のときに、前記第1充電レートで充電
して急速充電を行うように構成された、モバイルバッテリー。
【請求項4】
前記送電ユニットは、ワイヤレス送電デバイスを含む、請求項3に記載されたモバイルバッテリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー制御装置およびモバイルバッテリーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、複数の電池ユニットを備え、電池ユニットに対して充放電を行う電池システムが開示されている。ここで開示された電池システムにおいて、複数の電池ユニットへの充電には、バランス充電モードと、通常充電モードとが含まれており、バランス充電モードの後に、通常充電モードが実行される。
【0003】
バランス充電モードでは、例えば複数の電池ユニットに電圧差が生じているときに、複数の電池ユニットに対してプリチャージを実行する。バランス充電モードにおけるプリチャージによって、各電池ユニットの電圧差が小さくなり、各電池ユニットの電圧値を均等化することができる。通常充電モードでは、バランス充電モードで電圧値が均等化された各電池ユニットに対して、通常充電を行う。そのため、各電池ユニットにおける充電状態のばらつきを抑えながら、各電池ユニットを満充電することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、スマートフォンのような携帯端末の需要性が高まっている。携帯端末に電池切れが生じると、一定時間継続的に使用するのに必要な電力、例えばSOC25%程度の電力を充電するのに15分~30分程度の充電時間が掛かる。携帯端末の充電には、携帯可能なモバイルバッテリーも利用されている。仮に携帯端末に電池切れが生じた場合、電源コンセントに携帯端末を接続する、または、モバイルバッテリーに携帯端末を接続して、携帯端末に対して充電を行う。特に、利用者が移動する必要がある場合、携帯端末を充電するために、モバイルバッテリーが使用され得る。
【0006】
しかしながら、モバイルバッテリーにも充電切れが生じ得る。このように、携帯端末やモバイルバッテリーに対する充電容量が少なくなった場合、携帯端末やモバイルバッテリーに対して急速に充電できることが好ましい。例えばモバイルバッテリーに、特許文献1に開示されたバランス充電モードと、通常充電モードとを適用した場合、充電を行うことができるが、充電する時間を要する。急速に充電する場合、一定時間継続的に使用するのに必要な電力に達するまでに要する充電時間が、できるだけ短い方が好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで提案されるバッテリー制御装置は、バッテリーからの放電を制御する放電制御部と、バッテリーへの充電を制御する充電制御部と、を備えている。放電制御部は、予め定められたプリチャージSOCよりも高い予め定められた下限SOCまでバッテリーからの放電を少なくとも実施可能に構成されている。充電制御部は、バッテリーのSOCが、プリチャージSOCよりも低いときに、予め定められた第1充電レートよりも低い第2充電レートで充電され、かつ、バッテリーのSOCが、プリチャージSOC以上のときに、第1充電レートで充電されるように構成されている。
【0008】
ここで提案されるバッテリー制御装置によれば、バッテリーへの充電時において、バッテリーのSOCが、プリチャージSOCよりも低いときには、相対的に低い第2充電レートで充電が行われ、プリチャージSOC以上になると、相対的に高い第1充電レートで充電が行われる。ここで、プリチャージSOCは、放電における下限SOCよりも低く設定されているため、相対的に低い第2充電レートによる充電は、バッテリーのSOCが下限SOCよりも低いときに終了する。そのため、相対的に低い第2充電レートによる充電に要する時間を短くすることができるため、第1充電レートによる充電と、第2充電レートによる充電とを含めた総充電時間を短くすることができる。
【0009】
ここで提案されるバッテリー制御装置では、プリチャージSOCと下限SOCとの差は、SOC5%~SOC30%であってもよい。
【0010】
ここで提案されるモバイルバッテリーは、筐体と、筐体内に配置され、5C以上の充電レートで充電可能なバッテリーと、筐体内に配置された送電ユニットと、バッテリーおよび送電ユニットに接続されたバッテリー制御装置と、を備えている。バッテリー制御装置は、バッテリーからの放電を制御する放電制御部と、バッテリーへの充電を制御する充電制御部と、を備えている。放電制御部は、予め定められたプリチャージSOCよりも高い予め定められた下限SOCまでバッテリーからの放電を実施可能に構成されている。充電制御部は、バッテリーのSOCが、プリチャージSOCよりも低いときに、予め定められた第1充電レートよりも低い第2充電レートで充電され、かつ、バッテリーのSOCが、プリチャージSOC以上のときに、第1充電レートで充電されるように構成されている。
【0011】
ここで提案されるモバイルバッテリーでは、送電ユニットは、ワイヤレス送電デバイスを含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る充電システムを模式的に示すブロック図である。
【
図2】バッテリー制御装置によるバッテリーからの放電の制御の手順を示すフローチャートである。
【
図3】バッテリーの放電時における電流値および電圧値を示すグラフである。
【
図4A】バッテリー制御装置によるバッテリーへの充電の制御の手順を示すフローチャートである。
【
図4B】バッテリー制御装置によるバッテリーへの充電の制御の手順を示すフローチャートである。
【
図5】バッテリーの充電時における電流値および電圧値を示すグラフである。
【
図6】他の実施形態に係る充電システムを模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、ここで開示されるバッテリー制御装置およびモバイルバッテリーの一実施形態について図面を参照して説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本発明は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映しているものではない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略されるものとする。
【0014】
図1は、本実施形態に係る充電システム10を模式的に示すブロック図である。本実施形態では、バッテリー制御装置およびモバイルバッテリーは、
図1に示す充電システム10によって実現されるものである。ここでは、まず充電システム10の構成について説明する。充電システム10は、給電装置20と、モバイルバッテリー50と、携帯端末80とを備えている。充電システム10では、給電装置20からモバイルバッテリー50に対して急速充電される。そして、例えば充電されたモバイルバッテリー50を使用して携帯端末80が充電される。
【0015】
給電装置20、モバイルバッテリー50および携帯端末80は、適宜に制御装置を備えている。制御装置は、各装置の種々の処理を制御する装置である。制御装置は、予め定められたプログラムに沿って駆動するコンピュータによって具現化され得る。具体的には、制御装置の各機能は、制御装置を構成する各コンピュータの演算装置(プロセッサ、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)とも称される)や記憶装置(メモリーやハードディスクなど)によって処理される。例えば、制御装置の各構成は、コンピュータによって具現化されるデータを予め定められた形式で記憶するデータベース、データ構造、予め定められたプログラムに従って所定の演算処理を行う処理モジュールなどとして、または、それらの一部として具現化されうる。各装置に組み込まれた制御装置は、互いにデータを通信し、協働して機能するように構成されていてもよい。
【0016】
給電装置20は、給電ユニット21と、電源ユニット22と、給電制御装置23とを有している。給電ユニット21は、モバイルバッテリー50に対して充電するように構成されている。給電ユニット21は、例えばモバイルバッテリー50に対して電力を送信可能(言い換えると、供給可能)なものであり、高出力での供給が可能なものが採用されているとよい。給電ユニット21は、例えばワイヤレス式、すなわち非接触型の給電デバイスである。ただし、給電ユニット21は、接触型の給電デバイスであってもよい。
【0017】
電源ユニット22は、外部電源30に接続されている。電源ユニット22は、外部電源30との間で電力を受け取り、かつ、給電ユニット21を通じてモバイルバッテリー50や携帯端末80のような外部装置に電力を供給する装置である。外部電源30は、100Vや200VのAC電源あってもよい。電源ユニット22は、AC/DCコンバータを備えていてもよい。
【0018】
給電制御装置23は、給電ユニット21および電源ユニット22に電気的に接続されている。給電制御装置23は、給電ユニット21からモバイルバッテリー50に供給される電力を制御する。また、給電制御装置23は、外部電源30から電源ユニット22への電力の受け取りを制御する。
【0019】
モバイルバッテリー50は、筐体51と、バッテリー52と、受電ユニット54と、送電ユニット56と、バッテリー制御装置60とを備えている。筐体51は、内部に所定の空間を有している。バッテリー52、受電ユニット54、送電ユニット56、および、バッテリー制御装置60は、筐体51内に配置されている。
【0020】
バッテリー52は、急速充電が可能な設計が施された仕様になっており、高出力型のバッテリーによって構成されている。例えばバッテリー52には、いわゆるハイブリット車の駆動用電源用のバッテリー技術が適宜転用されているとよい。かかるバッテリー52は、5C以上(例えば、8C以上、10C以上など)の充電レートで充電可能である。バッテリー52は、充電レートが5C以上の電流値での充電でも、劣化が小さく抑えられ得るように設計されているとよい。
【0021】
本明細書では、バッテリー52の理論容量を1時間で完全に充電または放電させる電流の大きさが1Cと定義されている。例えば、バッテリー52の容量が2Ahであれば、1Cは2Aになる。3Cは1Cの3倍の電流値に相当し、上述の例では、理論容量を20分で完全に充電または放電する電流値を意味する。例えばバッテリー52の充電レートが5Cである場合、3分程度の充電で理論容量の15%程度の充電を実現できる。5分程度の充電で、バッテリー52の理論容量の25%程度の充電を実現できる。今後、ハイブリッド車の駆動用電源用のバッテリー技術がさらに適用されれば、さらに高い充電電流値によってさらなる短時間での充電を実現することができる。このため、数秒から数十秒で所要の電力をバッテリー52に充電することができるようになるものと期待される。
【0022】
なお、図示は省略するが、本実施形態に係るモバイルバッテリー50は、高出力用のバッテリー52の他に、いわゆる高容量型のバッテリーを備えていてもよい。高容量型のバッテリーは、例えば充電レートが1C~3C程度の充電レートで充放電が許可されるものである。高容量型のバッテリーは、例えば400Wh/L~800Wh/L程度のエネルギー密度を有する。
【0023】
本実施形態では、バッテリー52は、バッテリーセル53を有している。バッテリー52が有するバッテリーセル53の数は、1つであってもよいが、ここでは複数である。バッテリーセル53の数は特に限定されない。バッテリーセル53の数が複数の場合には、複数のバッテリーセル53は、直列で接続されていてもよいし、並列で接続されていてもよい。
【0024】
受電ユニット54は、給電装置20の給電ユニット21から電力が供給される。受電ユニット54は、高出力で受信可能なものであるとよい。ここで、受電ユニット54は、ワイヤレス受電デバイスを含む。ワイヤレス受電デバイスは、例えば給電装置20の給電ユニット21から非接触型の給電(ワイヤレス給電)方式で電力が供給されるものである。非接触型の給電方式には、電磁誘導方式や、磁界共鳴方式や、電界結合方式や、電波受信方式などが採用され得る。ただし、受電ユニット54は、接触型の受電デバイスであってもよい。
【0025】
送電ユニット56は、携帯端末80に対して充電するように構成されており、電力の送信が可能なものである。送電ユニット56は、ワイヤレス送電デバイスを含む。ワイヤレス送電デバイスは、例えば携帯端末80の後述の端末受電ユニット84へ非接触型の給電(ワイヤレス給電)方式で電力を供給するものである。ただし、送電ユニット56は、接触型の送電デバイスであってもよい。本実施形態では、送電ユニット56から携帯端末80への給電は、例えば携帯端末80の後述の内蔵バッテリー82の劣化が小さく抑えられる程度に低く抑えられた電流値で給電するように電流値が制御されるとよい。
【0026】
このようなモバイルバッテリー50によれば、給電装置20から急速充電によって、短時間で所要の電力を得ることができる。このため、利用者は、給電装置20が設置された場所で充電のために長時間待機する必要がない。そして、モバイルバッテリー50から携帯端末80へは、携帯端末80の内蔵バッテリー82が劣化しない程度に定められた電流値で、ゆっくりと給電されるとよい。例えば、給電装置20からモバイルバッテリー50に充電された後で、モバイルバッテリー50から携帯端末80に充電されてもよい。
【0027】
バッテリー制御装置60は、バッテリー52の充放電を制御する。ここでは、図示は省略するが、バッテリー制御装置60は、バッテリー52の充放電を制御する充放電制御回路と、バッテリー52に対して過充電や過放電が行われることを防止するためにバッテリー52を保護するバッテリー保護回路とを備えている。バッテリー制御装置60は、バッテリー52、受電ユニット54および送電ユニット56に電気的に接続されている。バッテリー制御装置60は、記憶部61と、放電制御部63と、充電制御部65とを備えている。記憶部61、放電制御部63および充電制御部65の詳細については、後述する。
【0028】
携帯端末80として、例えばスマートフォンや携帯電話やタブレット端末やモバイルPCなどが挙げられる。携帯端末80は、内蔵バッテリー82と、端末受電ユニット84と、端末制御装置86と、を備えている。
【0029】
内蔵バッテリー82は、携帯端末80に電力を供給する電源となるバッテリーである。内蔵バッテリー82は、携帯端末80をある程度の時間、連続的に使用するのに必要な所要の充電容量を備えているとよい。
【0030】
端末受電ユニット84は、モバイルバッテリー50と電気的に接続されている。端末受電ユニット84は、上記のようなワイヤレス受電デバイスを含む。ただし、端末受電ユニット84は、接触型の受電デバイスであってもよい。ここでは、モバイルバッテリー50の送電ユニット56から端末受電ユニット84に電力が供給されて、内蔵バッテリー82が充電される。
【0031】
端末制御装置86は、内蔵バッテリー82および端末受電ユニット84に電気的に接続されている。端末制御装置86は、端末受電ユニット84を通じて供給される電力を制御すると共に、内蔵バッテリー82への充電を制御する。ここでは、端末制御装置86は、例えば内蔵バッテリー82への充電を制御する充電制御回路と、内蔵バッテリー82が過充電されないように、内蔵バッテリー82を保護するバッテリー保護回路とを有する。
【0032】
次に、モバイルバッテリー50において、バッテリー制御装置60によるバッテリー52の充放電の制御について説明する。以下、バッテリー52の充電、放電は、それぞれ複数のバッテリーセル53の充電、放電を意味する。
【0033】
本実施形態では、バッテリー52の充電状態(以下、SOC(State Of Charge)という。)に基づいて、バッテリー52の充放電が制御される。ここで、バッテリー52の現在のSOCのことを、現在SOCという。
【0034】
図2は、バッテリー制御装置60によるバッテリー52からの放電の制御の手順を示すフローチャートである。
図3は、バッテリー52の放電時における電流値および電圧値を示すグラフである。次に、バッテリー制御装置60によるバッテリー52からの放電の制御について、
図2のフローチャートに沿って説明する。本実施形態では、バッテリー52の放電は、
図1に示すように、例えばモバイルバッテリー50の送電ユニット56と、携帯端末80の端末受電ユニット84とが電気的に接続されている状態のときであり、かつ、モバイルバッテリー50から携帯端末80に対して充電されるときに行われる。バッテリー52からの放電は、
図1のバッテリー制御装置60の放電制御部63によって実現される。放電制御部63は、バッテリー52からの放電を制御する。
【0035】
本実施形態では、バッテリー52には、
図3に示すように、予め定められた上限SOC71と、上限SOC71よりも低い、予め定められた下限SOC72とが設定されている。上限SOC71および下限SOC72は、
図1に示す記憶部61に記憶されている。上限SOC71および下限SOC72の具体的な数値は特に限定されない。上限SOC71は、例えばSOC80%~SOC95%であり、好ましくはSOC80%~SOC90%であり、特に好ましくはSOC80%~SOC85%である。下限SOC72は、例えばSOC0%~SOC15%であり、好ましくはSOC5%~SOC15%であり、特に好ましくはSOC10%~SOC15%である。
【0036】
ここで、上限SOC71に対応したバッテリー52の電圧値を上限電圧値V71といい、下限SOC72に対応したバッテリー52の電圧値を下限電圧値V72という。以下の説明において、SOCは電圧値に置き換えられることができる。例えば現在SOC70(
図2参照)、上限SOC71および下限SOC72は、それぞれバッテリー52の現在の電圧値(以下、バッテリー52の電圧値という。)、上限電圧値V71および下限電圧値V72に置き換えることができる。
【0037】
図1の放電制御部63は、現在SOC70(
図2参照)が少なくとも下限SOC72になるまで、バッテリー52からの放電を制御する。言い換えると、放電制御部63は、バッテリー52の電圧値が少なくとも下限電圧値V72になるまで、バッテリー52からの放電を制御する。本実施形態では、下限SOC72は、定電流(以下、CC(Constant Current)という。)放電でバッテリー52を放電するときの現在SOC70の下限値である。
【0038】
ここでは、まず
図2のステップS101では、
図1の放電制御部63は、バッテリー52の現在SOC70が下限SOC72より高いか否かを判定する。ここで、現在SOC70が下限SOC72以下であると判定された場合には、バッテリー52からの放電は行われず、
図2のフローチャートを終了する。
【0039】
一方、ステップS101において、バッテリー52の現在SOC70が下限SOC72よりも高いと判定された場合には、次にステップS103に進む。ステップS103では、放電制御部63は、CC放電の制御を行う。例えば
図3では、時間T10においてCC放電が開始される。
【0040】
次に、
図2のステップS105では、CC放電中において、放電制御部63は、バッテリー52の現在SOC70が下限SOC72以下であるか否かを判定する。ここで、現在SOC70が下限SOC72よりも高いままであると判定された場合には、ステップS105の処理を再度実行する。
【0041】
一方、ステップS105において現在SOC70が下限SOC72以下であると判定された場合には、次にステップS107に進む。
図3では、時間T11において、バッテリー52の現在SOC70が下限SOC72以下になる。
図2のステップS107では、放電制御部63は、バッテリー52に対して定電圧(以下、CV(Constant Voltage)という。)放電の制御を行う。
【0042】
次にステップS109では、CV放電中において、放電制御部63は、バッテリー52の現在の電流値(以下、現在電流値という。)A10が目標電流値A11以下であるか否かを判定する。目標電流値A11は、
図1の記憶部61に予め記憶されており、適宜に設定される。ここで、現在電流値A10が目標電流値A11よりも高いままであると判定された場合には、ステップS109の処理を再度実行する。一方、ステップS109において、現在電流値A10が目標電流値A11以下であると判定された場合には、次にステップS111に進み、バッテリー52からの放電の制御が終了する。なお、
図3では、時間T12において、現在電流値A10が目標電流値A11以下になり、バッテリー52からの放電が終了する。
【0043】
図4Aおよび
図4Bは、バッテリー制御装置60によるバッテリー52への充電の制御の手順を示すフローチャートである。
図5は、バッテリー52の充電時における電流値および電圧値を示すグラフである。次に、バッテリー52への充電の制御について、
図4Aおよび
図4Bのフローチャートに沿って説明する。本実施形態では、バッテリー52の充電は、
図1に示すように、給電装置20の給電ユニット21と、モバイルバッテリー50の受電ユニット54とが電気的に接続されている状態のときであり、かつ、給電装置20からモバイルバッテリー50に対して充電されるときに行われる。バッテリー52への充電の制御は、充電制御部65によって実現される。充電制御部65は、バッテリー52への充電を制御する。
【0044】
本実施形態では、充電制御部65は、バッテリー52に対してプリチャージと、急速充電とを行う。ここでは、バッテリー52には、
図5に示すように、予め定められたプリチャージSOC73が設定されている。プリチャージSOC73に対応するバッテリー52の電圧値のことを、プリチャージ電圧値V73という。以下の説明において、SOCを電圧値に置き換えるとき、プリチャージSOC73は、プリチャージ電圧値V73に置き換えられることができる。プリチャージSOC73は、下限SOC72よりも低いものであり、
図1の記憶部61に予め記憶されている。プリチャージSOC73は、例えばSOC0%~SOC15%であり、好ましくはSOC0%~SOC10%であり、特に好ましくはSOC0%~SOC5%である。プリチャージSOC73と下限SOC72との差は、例えばSOC5%~SOC30%であり、好ましくはSOC10%~SOC30%であり、特に好ましくはSOC15%~SOC30%である。
【0045】
充電制御部65は、現在SOC70が予め定められたプリチャージSOC73になるまで、プリチャージを行い、その後、急速充電を行う。
【0046】
ここでは、まず
図4AのステップS201では、充電制御部65は、バッテリー52の現在SOC70が保護SOC74よりも高いか否かを判定する。ここで、保護SOC74とは、バッテリー52が過放電の状態であるときの現在SOC70の上限値である。すなわち現在SOC70が保護SOC74以下のとき、バッテリー52は過放電状態になる。保護SOC74は、予め定められた値であり、
図1の記憶部61に予め記憶されている。
図5に示すように、保護SOC74は、プリチャージSOC73よりも低い。保護SOC74に対応するバッテリー52の電圧値のことを、保護電圧値V74という。以下、SOCを電圧値に置き換えるとき、保護SOC74は、保護電圧値V74に置き換えられることができる。
【0047】
本実施形態では、
図4AのステップS201において、バッテリー52の現在SOC70が保護SOC74以下であると判定された場合には、バッテリー52への充電は行われない方が好ましい。よって、現在SOC70が保護SOC74以下の場合には、バッテリー52への充電は行われずに、
図4Aおよび
図4Bのフローチャートを終了する。
【0048】
一方、ステップS201において、現在SOC70が保護SOC74よりも高いと判定された場合には、次に、
図4AのステップS203に進む。ステップS203では、充電制御部65は、バッテリー52の現在SOC70がプリチャージSOC73よりも低いか否かを判定する。ここで、現在SOC70がプリチャージSOC73以上であると判定された場合には、ステップS203の判定をNOとする。この場合、バッテリー52に対してプリチャージの制御を行わずに、次に
図4AのステップS209の急速充電の処理に進む。
【0049】
一方、ステップS203において、バッテリー52の現在SOC70がプリチャージSOC73よりも低いと判定された場合、次に、
図4AのステップS205に進む。ステップS205では、充電制御部65は、バッテリー52に対してプリチャージを行うため、第2充電レートR2で充電(ここでは、CC充電)するように制御する。
図5では、時間T20において、バッテリー52の現在SOC70がプリチャージSOC73よりも低いため、バッテリー52に対するプリチャージが開始される。
【0050】
次に、ステップS207では、プリチャージ中において、充電制御部65は、現在SOC70がプリチャージSOC73以上であるか否かを判定する。ここで、現在SOC70がプリチャージSOC73よりも低いと判定された場合には、ステップS207の処理を再度実行し、プリチャージを継続する。
【0051】
一方、ステップS207において、現在SOC70がプリチャージSOC73以上であると判定された場合、プリチャージを終了するために、次に、ステップS209に進む。ステップS209では、充電制御部65は、バッテリー52に対して急速充電を行うため、プリチャージにおける第2充電レートR2よりも高い第1充電レートR1で充電を行うように制御する。ここでの急速充電は、CC充電である。
図5では、時間T21において、バッテリー52の現在SOC70がプリチャージSOC73以上になるため、急速充電が開始される。
【0052】
ここで、急速充電における第1充電レートR1は、例えば5C~20Cであり、好ましくは10C~20Cであり、より好ましくは15C~20Cである。プリチャージにおける第2充電レートR2は、例えば0.05C~0.5Cであり、好ましくは0.1C~0.5Cであり、より好ましくは0.3C~0.5Cである。
【0053】
次に、
図4AのステップS211では、充電制御部65は、急速充電中、バッテリー52の現在SOC70が上限SOC71よりも低いか否かを判定する。現在SOC70が上限SOC71以上の場合、バッテリー52が過充電状態であるといえる。ここで、現在SOC70が上限SOC71よりも低いと判定された場合には、次にステップS213に進む。
【0054】
ステップS213では、充電制御部65は、バッテリー52の現在の充電容量である現在充電容量C10が目標充電容量C11よりも小さいか否かを判定する。目標充電容量C11は、充電によって得たいバッテリー52の充電容量であり、バッテリー52ごとに設定されるものである。目標充電容量C11は、
図1の記憶部61に予め記憶されている。ここで、バッテリー52の現在充電容量C10が目標充電容量C11よりも小さいと判定された場合には、ステップS211に戻り、急速充電を継続する。
【0055】
一方、ステップS213においてバッテリー52の現在充電容量C10が目標充電容量C11以上である場合には、ステップS215に進み、急速充電が終了し、充電制御部65によるバッテリー52への充電の制御が終了する。なお、
図5では、時間T22において、現在充電容量C10が目標充電容量C11以上になり、バッテリー52への充電が終了する。
【0056】
上記の
図4AのステップS211において、バッテリー52の現在SOC70が上限SOC71以上であると判定された場合には、バッテリー52が過充電状態であるため、次に
図4BのステップS217に進む。ステップS217では、充電制御部65は、バッテリー52への急速充電において、CC充電からCV充電に切り替える。
【0057】
その後、
図4BのステップS219では、充電制御部65は、
図4AのステップS213と同様に、バッテリー52の現在充電容量C10が目標充電容量C11よりも小さいか否かを判定する。ステップS219において、バッテリー52の現在充電容量C10が目標充電容量C11よりも小さいと判定された場合には、ステップS219を再度実行し、CV充電を継続する。
【0058】
一方、ステップS219において、バッテリー52の現在充電容量C10が目標充電容量C11以上であると判定された場合には、ステップS221に進み、急速充電(CV充電)が終了し、充電制御部65によるバッテリー52への充電の制御が終了する。
【0059】
次に、本発明者は、下記の表1の例1~例4におけるモバイルバッテリーを準備し、モバイルバッテリーが備えるバッテリーの充電容量が目標充電容量C11(
図4A参照)までに到達するまでの総充電時間について測定した。ここで、総充電時間とは、プリチャージによる充電時間と、急速充電による充電時間との合計時間のことである。
【0060】
例1~例4では、モバイルバッテリーのバッテリーセルとして、正極活物質にニッケルマンガンコバルトを含有する、いわゆるNMC三元系のリチウム含有遷移金属複合酸化物を用い、負極活物質にグラファイトを用い、セパレータにポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)を用い、かつ、電解液にエチレンカーボネートやエチルメチルカーボネートを用いた。例1~例4における急速充電における第1充電レートR1は、11Aであり、プリチャージにおける第2充電レートR2は、0.2Aである。
【0061】
例1および例2において使用されたモバイルバッテリー50では、本実施形態の充電制御部65による充電の制御を実行するバッテリー制御装置60によって構成されており、
図5に示すように、プリチャージSOC73が下限SOC72よりも低く設定されている。例1および例2において、上限SOC71は、85%であり、上限SOC71に対応する上限電圧値V71は、3.9Vである。下限SOC72は、5%であり、下限SOC72に対応する下限電圧値V72は、3.3Vである。プリチャージSOC73は、0%であり、プリチャージSOC73に対応するプリチャージ電圧値V73は、3.0Vである。
【0062】
一方、例3および例4において使用されるモバイルバッテリーでは、プリチャージSOCと下限SOCとが同じに設定されている構成が、例1および例2のモバイルバッテリー50と異なっているが、その他の構成は同じである。例3および例4における下限SOCとプリチャージSOCは、共に5%であり、対応する電圧値は、3.3Vである。なお。例3および例4における上限SOCは、例1および例2における上限SOC71と同じく、85%であり、対応する上限電圧値は、3.9Vである。例1および例3では、充電の開始電圧を3.0Vとし、例2および例4では、充電の開始電圧を2.5Vとした。
【0063】
例1~例4のモバイルバッテリーに対して、充電を行い、そのときの総充電時間を計測した。下記表1において、例1~例4における総充電時間を示している。
【0064】
【0065】
表1に示すように、例1と例3とを比較すると、例3よりも例1の方が、総充電時間が短いことが分かる。また、例2と例4とを比較すると、例4よりも例2の方が、総充電時間が短いことが分かる。これは、例1および例2では、本実施形態のようにプリチャージSOC73が下限SOC72よりも低く設定されていることで、プリチャージから急速充電に移行するタイミングが、例3および例4に比べて早くなったためであると考えられる。その結果、例1および例2では、プリチャージにおける充電時間が短くなったため、総充電時間が短くなったと考えられる。
【0066】
以上、本実施形態では、
図1に示すように、モバイルバッテリー50は、筐体51と、バッテリー52と、送電ユニット56と、バッテリー制御装置60とを備えている。バッテリー52は、筐体51内に配置され、5C以上の充電レートで充電可能なものである。送電ユニット56は、筐体51内に配置されている。バッテリー制御装置60は、バッテリー52および送電ユニット56に接続されている。バッテリー制御装置60は、バッテリー52からの放電を制御する放電制御部63と、バッテリー52への充電を制御する充電制御部65とを備えている。放電制御部63は、
図3に示すように、予め定められたプリチャージSOC73よりも高い予め定められた下限SOC72までバッテリー52からの放電を実施可能に構成されている。充電制御部65は、
図4AのステップS203のように、バッテリー52のSOC(ここでは、現在SOC70)が、プリチャージSOC73よりも低いときに、予め定められた第1充電レートR1よりも低い第2充電レートR2で充電される(
図4AのステップS205参照)ように構成されている。充電制御部65は、
図4AのステップS207のように、バッテリー52のSOC(ここでは、現在SOC70)が、プリチャージSOC73以上のときに、ステップS209のように、第1充電レートR1で充電されるように構成されている。
【0067】
本実施形態では、バッテリー52への充電時において、現在SOC70がプリチャージSOC73よりも低いときには、第2充電レートR2でプリチャージが行われ、現在SOC70がプリチャージSOC73以上になると、第1充電レートR1で急速充電が行われる。ここで、従来では、上記の例3および例4に示すように、プリチャージSOC73と下限SOC72とが同じ値に設定されていた。すなわち、CC放電が終了するときのバッテリー52のSOCと、急速充電が開始されるバッテリー52のSOCとが同じであった。そのため、プリチャージによる充電時間が長くなることで、バッテリー52の総充電時間も長くなっていた。
【0068】
しかしながら、本実施形態では、
図5に示すように、プリチャージSOC73は、放電における下限SOC72よりも低く設定されている。そのため、従来と比較して、プリチャージによるバッテリー52への充電は、現在SOC70が下限SOC72よりも低いときに終了する。そのため、プリチャージに要する充電時間を短くすることができるため、バッテリー52の総充電時間を短くすることができる。
【0069】
なお、本実施形態では、プリチャージは、バッテリー52に含まれる複数のバッテリーセル53(
図1参照)の電圧差を小さくして、複数のバッテリーセル53の電圧値を均等化するために行われる。そのため、電圧値が均等化された複数のバッテリーセル53に対して急速充電が行われるため、バッテリーセル53の充電状態のばらつきを抑えながら、バッテリー52を満充電の状態にすることができる。本実施形態では、上述のように、
図5に示すように、プリチャージSOC73を下限SOC72よりも低く設定することで、プリチャージに要する充電時間を短くすることができる。ここで、プリチャージによる充電時間を短くした場合であっても、プリチャージによって複数のバッテリーセル53の電圧値を均等化することができる。よって、本実施形態であっても、バッテリー52を安定して充電することができる。
【0070】
本実施形態では、プリチャージSOC73と下限SOC72との差は、SOC5%~SOC30%である。例えばプリチャージSOC73と下限SOC72との差をSOC5%よりも小さくすると、プリチャージに要する充電時間が相対的に長くなり、バッテリー52の総充電時間が、多くの利用者にとって長いと感じられる時間になる。例えばプリチャージSOC73と下限SOC72との差をSOC30%よりも大きくすると、プリチャージによってバッテリー52が安定化しない、すなわちバッテリー52が有する複数のバッテリーセル53の電圧値が均等化し難い。しかしながら、本実施形態では、プリチャージSOC73と下限SOC72との差を、SOC5%~SOC30%とすることで、プリチャージに要する充電時間を短くしつつ、バッテリー52を安定化させる、すなわちバッテリー52が有する複数のバッテリーセル53の電圧値を均等化し易くすることができる。
【0071】
本実施形態では、
図1の送電ユニット56は、ワイヤレス送電デバイスを含む。このことで、モバイルバッテリー50を持ち運びしている間に、送電ユニット56から、例えば携帯端末80に電力を供給し、携帯端末80(詳しくは内蔵バッテリー82)に対して充電を行うことができる。また、モバイルバッテリー50と例えば携帯端末80との接続状態を気にすることなく、携帯端末80から所定の範囲にモバイルバッテリー50を配置することで、携帯端末80を容易に充電することができる。
【0072】
なお、本実施形態では、バッテリー52およびバッテリー制御装置60は、モバイルバッテリー50に備えられており、モバイルバッテリー50によって実現されていた。しかしながら、バッテリー制御装置60は、モバイルバッテリー50による実現に限定されない。
【0073】
図6は、他の実施形態に係る充電システム10Aの概念図である。
図6に示すように、充電システム10Aは、給電装置20と、携帯端末80Aを備えている。充電システム10Aでは、
図1に示すようなモバイルバッテリー50は省略されている。携帯端末80Aは、高出力用のバッテリー52と、受電ユニット54と、バッテリー制御装置60とを備えている。この携帯端末80Aのバッテリー52、受電ユニット54、バッテリー制御装置60は、それぞれ
図1のモバイルバッテリー50のバッテリー52、受電ユニット54、バッテリー制御装置60と同じものである。このように、高出力用のバッテリー52、受電ユニット54およびバッテリー制御装置60が携帯端末80Aに備えられている場合であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0074】
10、10A 充電システム
20 給電装置
50 モバイルバッテリー
51 筐体
52 バッテリー
54 受電ユニット
56 送電ユニット
60 バッテリー制御装置
61 記憶部
63 放電制御部
65 充電制御部
70 現在SOC
71 上限SOC
72 下限SOC
73 プリチャージSOC