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  • 特許-封入触媒およびオレフィン重合方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】封入触媒およびオレフィン重合方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/72 20060101AFI20230922BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
C08F4/72
C08F10/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020505769
(86)(22)【出願日】2018-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2018047083
(87)【国際公開番号】W WO2019036718
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-08-10
(31)【優先権主張番号】62/547,406
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】503060525
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギロンネ、ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ラブナワッツ、ムハンマド
(72)【発明者】
【氏名】イーヴン、ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】カッツ、ジョシュア
【審査官】中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-126635(JP,A)
【文献】特開2010-126554(JP,A)
【文献】特開2006-233214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/72
C08F 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散ブロックコポリマー粒子に触媒を封入する方法であって、
8族~11族の遷移金属含有触媒と、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル以外の(メタ)アクリル酸のエステル、ブタジエン、エチルエチレン、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコリド、ジメチルシロキサン、シクロオクテン、プロピレン、ノルボルネン、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、または上記のうちの少なくとも1つ組み合わせの繰り返し単位のみからなる第一ブロック、およびエチレンオキシド、メタクリル酸、アクリル酸、アクリルアミド、スチレンスルホネート、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、または上記のうちの少なくとも1つ組み合わせの繰り返し単位のみからなる第二ブロックを含む自己分散性ブロックコポリマーとを、水混和性有機溶媒中に溶解させることと、
水および任意に塩基を添加し、加熱して、動的光散乱により測定された10~300ナノメートルの母個数平均径(population number average diameter)を有する粒子を含む分散ブロックコポリマー封入触媒を形成することと、を含み、
前記第一ブロック及び前記第二ブロックが互いに異な
前記水混和性有機溶媒が、THF、DMF、DMSOまたはメタノールである、方法。
【請求項2】
粒子形成条件が、最大70℃での加熱、および水が50~75体積パーセントに達するまで5分~5時間にわたって水を添加することである、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記自己分散性ブロックコポリマーが、ポリエチレングリコール-ポリ(2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート)ジブロックコポリマーまたはポリエチレングリコール-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)ジブロックコポリマーである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒および自己分散性ブロックコポリマーが、0.01~0.05重量触媒/重量自己分散性ブロックコポリマーの量で存在する、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記8族~11族の遷移金属含有触媒が式:
【化1】
を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
塩を添加することをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
重合条件下で、請求項1に記載の方法に従って調製された分散ブロックコポリマー封入触媒を1つ以上のモノエチレン性不飽和モノマーと接触させてポリオレフィンを形成することを含む、触媒オレフィン重合方法。
【請求項8】
前記モノエチレン性不飽和モノマーが、1つ、2つ、または3つの異なるモノエチレン性不飽和モノマーを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
モノエチレン性不飽和モノマーが、エチレンである、請求項またはに記載の方法。
【請求項10】
前記モノエチレン性不飽和モノマーが、エチレン、プロピレン、オクテン、または上記のうちの少なくとも1つを含む組み合わせである、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記重合条件が、圧力を加えることおよび撹拌することである、請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒オレフィン重合反応における触媒回転頻度が、毎時1500~5000である、請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
重合条件下で請求項1に記載の方法によって調製された分散ブロックコポリマー封入触媒をモノエチレン性不飽和モノマーと反応させて、ラテックスを形成することを含むラテックスの調製方法であって、前記重合条件が、圧力を加えることおよび撹拌することである、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
ポリマー製造には、オレフィン触媒重合および乳化重合プロセスが使用される。オレフィン重合に通常使用される前期遷移金属触媒は、非常に高い水溶性または感水性を持ち、つまり、触媒は水の存在下では不安定であり、したがって、これらの触媒は乳化重合プロセスには適さない。
【0002】
エマルション中のエチレンなどのオレフィン触媒重合に使用できる触媒が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
8族~11族の遷移金属含有触媒および自己分散性ポリマーを溶媒に溶解させることを含む、分散ポリマー粒子に触媒を封入する方法であり、粒子形成条件下で水および任意に塩基を添加して、10~300ナノメートルの母個数平均径(population number average diameter)を有する粒子を含む分散ポリマー封入触媒を形成する方法を提供する。
【0004】
重合条件下で分散ポリマー封入触媒を1つ以上のモノエチレン性不飽和モノマーと接触させてポリオレフィンを形成することを含む、触媒オレフィン重合方法を提供する。
【0005】
8族~11族の遷移金属含有触媒および溶媒に分散した自己分散性ブロックコポリマーを含む、分散ポリマー封入触媒を提供する。
【0006】
分散ポリマー封入触媒をモノエチレン性不飽和モノマーと重合条件下で反応させて、1,500~200,000ダルトン、10,000~100,000ダルトン、20,000~50,000ダルトン、または1,500~10,000ダルトンの数平均分子量を有するラテックスを形成する方法により製造されたラテックスであり、触媒が8族~11族の遷移金属含有触媒であり、ポリマーが自己分散性ブロックコポリマーであり、重合条件が圧力を加えることおよび撹拌であるラテックスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】様々な圧力での触媒回転頻度(TOF)のプロット(16マイクロモル(μmol)LPd-NR,430ミリグラム(mg)PEG(114)-b-PCF3(27)、85℃、1時間(h)で形成されたミセル)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らは、ポリオレフィンを製造するための乳化重合法で使用できる封入触媒を不意に発見した。触媒は、水中に分散したポリマー内に封入される。ポリマーは、水中で疎水性コアを有するポリマーミセルまたはポリマー粒子を形成する両親媒性ポリマーである。
【0009】
触媒は、後期遷移金属含有触媒である。後期遷移金属は、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、PtおよびAuを含む、8族~11族の遷移金属である。8族~11族の遷移金属含有触媒には、遷移金属およびホスフィノスルホネートおよび窒素含有化合物などの配位子の錯体が含まれる。一実施形態において、配位子は、芳香環および1つ以上のハロゲンを含む。一実施形態において、配位子は、窒素含有化合物である。一実施形態において、配位子はピリジンである。一実施形態において、配位子は、-NRであり、各Rは同じか、または異なり、1~10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基である。一実施形態において、-NRは、-N(CH(C11)である。一実施形態において、配位子は塩基である。一実施形態において、配位子はルイス塩基である。一実施形態において、配位子は、アミン、ピリジン、またはホスフィンである。一実施形態において、配位子は、ケトン、エーテル、ホスフィンオキシド、スルホキシド、アルコール、またはオレフィンである。
【0010】
8族~11族の遷移金属含有触媒は、活性剤を必要とせずにエチレン重合を行うことができる、任意の8族~11族の遷移金属含有触媒であり得る。
【0011】
8族~11族の遷移金属含有触媒の例としては、を含む。
【化1】
【0012】
ポリマーは、両親媒性構造を有し、親水性または水溶性であるサブ部分および疎水性または水不溶性である他のサブ部分を含む。ポリマーは、8族~11族の遷移金属含有触媒も可溶性である溶媒に可溶である。溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、THFよりも水溶性が高い任意の溶媒、または上記のうちの少なくとも1つを含む組み合わせであり得る。例示的な実施形態では、ポリマーは、自己分散性である(本明細書では「自己分散性ポリマー」と呼ぶ)。自己分散性とは、界面活性剤またはコロイド安定剤がない状態で、ポリマーが、水中で安定粒子を形成できることを意味する。本明細書に記載の光散乱法により測定される安定なポリマー粒子の粒径は、25℃で24時間放置した場合、25%を超えて変化しないであろう。
【0013】
ポリマーは、ブロックコポリマーであり得る。水不溶性ブロックは、(メタ)アクリル酸のエステル、スチレン、ブタジエン、エチルエチレン(1-ブテンの重合またはポリ(1,2-ブタジエン)を調製し、残存不飽和を水素化することにより形成されるポリマー)、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコリド、ジメチルシロキサン、シクロオクテン、エチレン、プロピレン、ノルボルネン、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、または上記のうちの少なくとも1つを含む組み合わせの繰り返し単位を含むことができる。水溶性ブロックは、エチレングリコール、エチレンオキシド、メタクリル酸、アクリル酸、アクリルアミド、スチレンスルホネート、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、または上記のうちの少なくとも1つを含む組み合わせの繰り返し単位を含むことができる。
【0014】
自己分散性ポリマーは、くし型/グラフトポリマーであり得る。くし型グラフトポリマーは、複数の、通常はより短いペンダントポリマー鎖を有する比較的長いポリマー骨格を有し、ペンダント鎖は、主鎖の組成とは異なる組成を有する。主鎖またはペンダント鎖組成物の一方は、疎水性または水不溶性であり、他方は、親水性または水溶性である。一実施形態において、疎水性鎖セグメントは、(メタ)アクリル酸のエステル、スチレン、またはブタジエンの繰り返し単位を含む。一実施形態において、親水性鎖セグメントは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸のヒドロキシル官能性エステル、または(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステルの繰り返し単位を含む。
【0015】
一実施形態において、自己分散性ポリマーは、疎水性および親水性モノマー繰り返し単位のランダムコポリマーである。疎水性モノマーには、(メタ)アクリル酸のエステル、スチレン、およびブタジエンが含まれる。親水性モノマーには、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸のヒドロキシル官能性エステル、および(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステルが含まれる。一実施形態において、自己分散性コポリマーは、ポリエチレングリコール-PCFジブロックコポリマーである。
【0016】
ポリマーは、水中で粒子またはミセルを形成する。粒子またはミセル中の水分量は、例えば、触媒を所望の程度まで保護できるように、所望のレベルを提供するように調整することができる。ミセル内の水分量は、例えば塩を添加することで減少させることができる。
【0017】
触媒およびポリマーを含む8族~11族の遷移金属は、任意の所望の比率で存在できる。触媒の活性は、触媒およびポリマーを含む8族~11族の遷移金属の望ましい比率に影響を与え得る。触媒の活性がより高くなると、必要な触媒の量はより少なくなる。一実施形態において、触媒およびポリマーは、0.01~0.05重量触媒/重量ポリマーの量で存在する。
【0018】
ポリマー封入触媒は、溶媒に8族~11族の遷移金属含有触媒および自己分散ポリマーを溶解することにより形成でき、粒子形成条件下で水および任意に塩基を添加して、ポリマー封入触媒を形成する。粒子形成条件は、粒子の形成をもたらすのに有効な条件である。粒子形成条件の例は、加熱および水の添加である。粒子形成条件のさらなる例は、最大で70℃での加熱、および水が50~75体積パーセントに達するまで5分~5時間にわたって水を添加することである。粒子形成条件は、限定することを意図するものではなく、当業者は、過度な実験をすることなく粒子形成条件を特定することができる。以下に、粒子形成条件の追加例を示す。
【0019】
一実施形態において、8族~11族の遷移金属含有触媒および自己分散性ポリマーをフラスコに入れ、有機溶媒を加え、混合物を撹拌する。混合物を加熱して、混合物が完全に溶解し、透明な溶液が形成されるようにする。溶液が透明になったら、脱気水を滴下する。次に、この溶液を重合に使用する。一実施形態において、脱気水の一部が添加され、有機溶媒が除去され、その後、脱気水の残部が添加される。一実施形態において、加熱は、最大で70℃までの温度で行われる。一実施形態において、水が50~75体積パーセントに達するまで、5分~5時間かけて水を添加する。実施形態において、ポリマー封入触媒は、動的光散乱の測定で、10から300ナノメートルの母個数平均径を有する粒子を形成する。
【0020】
分散ポリマー封入触媒は、触媒オレフィン重合を行うのに使用できる。一実施形態において、触媒オレフィン重合は、重合条件下で分散ポリマー封入触媒をモノエチレン性不飽和モノマーと接触させて、ポリオレフィンを形成する。一実施形態において、モノマーは、エチレンである。実施形態において、モノエチレン性不飽和モノマーは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、および他の2~8個の炭素原子含有モノオレフィンである。実施形態において、例えば、エチレンおよびプロピレン、またはエチレンおよびオクテンなど、2つ以上の異なるモノエチレン性不飽和モノマーを重合に使用することができる。実施形態において、1つ、2つ、または3つのモノエチレン性不飽和モノマーを使用して、ポリオレフィンを形成することができる。ポリオレフィンは、例えば、ホモポリマー、コポリマー、またはターポリマーであり得る。一実施形態において、重合条件は、本明細書でさらに記載されるように、圧力を加えることおよび撹拌することを含む。
【0021】
本明細書に記載される方法および触媒は、以下の非限定的な実施例によりさらに説明される。
【実施例
【0022】
以下の材料が使用された。
【表1】
【0023】
実施例1Pd触媒
すべての反応は、N下で行い、脱気水を使用した。7.6マイクロモルの1-NR(Pd触媒)および450ミリグラム(mg)のPEG-PCF(ジブロックコポリマー)を10ミリリットル(ml)のTHFに溶解させた。溶液を約5分間(分)50℃に加熱した。約5分間かけて、20mlの水をTHF溶液にゆっくりと添加した。溶液を正圧窒素でパージして、THFを除去した。60分間バブリングした後は、溶液のTHF臭があるべきではない。次に、この溶液を脱イオン水で100ミリリットルの最終体積に希釈し、圧力反応器に移した。溶液を急速に85℃に加熱した。反応器で激しく撹拌しながら、40バールのエチレンで加圧した。重合は45分間行われた。
【化2】
【0024】
乳白色のラテックスを反応器から回収し、動的光散乱(Dynamic Light Scattering (DLS))によって分析し、本明細書の他の場所に記載されている手順を使用して、ポリマー粒子の存在を確認した。触媒の活性は、重量測定によって特定され、ポリマーは、IRおよびNMR分光法によって特徴付けられた。前記の実験では、動的光散乱を使用して測定した母平均粒径(population average particle size)が51nmで、高温GPC法を使用して測定したモル当たり2100グラムの数平均分子量を有する、水ラテックスにて、0.5重量%の固形ポリエチレンが得られた。回収されたポリエチレンの総重量は、0.55グラムだった。触媒は、この反応に対して、1800の触媒回転頻度(TOF)の活性を有し、それは、合成されたポリエチレンの質量および触媒添加量から計算された。ミニエマルションを使用した比較実験の結果では、TOFは30だった。
【0025】
実施例2ニッケル触媒
すべての反応をN下で行い、脱気水を使用した。PEG-PCFジブロックコポリマーおよび以下に示すニッケル触媒を、45℃でブロックコポリマーのTHFに対する重量比を40mg/mlにしてTHFに溶解させた。
【化3】
【0026】
水が約67体積%に達するまで、45℃で水をゆっくりと添加した。サンプルを窒素下で約2時間(時間)45℃で加熱した。サンプルに水を追加して希釈し、実施例1で使用したのと同じ条件下で反応を行った。サンプルを重合反応器に移し、エチレンで加圧した。重合を行う前後のサンプルのDLSおよび重量分析を行った。
【0027】
表2に、ニッケル触媒を使用して調製された4つのサンプル組成を示す。表3に、重合前後の結果、ならびに合成されたポリエチレンの質量およびこれらのサンプルの触媒添加量から計算された触媒回転頻度を示す。動的光散乱法を使用して、Malvern Zetasizer ZS90粒子分析器で粒径を測定した。
【0028】
DLSによって生成される基本的な粒度分布は、強度分布であるが、これはMie理論を用いて、体積配分またはそれらの散乱(強度)に基づくというよりはむしろ、質量または体積に基づくサンプル内の複数の成分の相対的比率を表す分布に変換され得る。強度分布を体積/質量分布に変換する場合、すべての粒子は球形である、すべての粒子は均質である、粒子の光学特質(屈折率の実数成分および虚数成分)が既知である、および強度分布に誤差はないという一般に認められた4つの仮定がある。DLS技術自体が、固有のピーク広がりを有する分布を生成するため、これらの仮定を理解することが重要であり、したがって、強度分布の表現には、常に多少の誤差があるであろう。そのため、これらの強度分布から導出された体積分布および個数分布は、比較目的、または複数のモードがある相対比率またはピークの推定に使用するのに最善であり、絶対とは見なされない。通常、強度分析に基づくピークのサイズおよび体積分布分析からの相対的な割合のみ(粒径ではない)が報告される。
【表2】
【表3】
【0029】
結果は、ニッケル触媒(実施例2)の場合、記載された方法を用いて調製されたポリマーと乳化重合反応を用いて調製された触媒との間での触媒回転頻度(TOF)が同等であることを示す。パラジウム触媒(例1)の場合、観察された(TOFとして測定された)活性は、従来の乳化重合を用いて得られた活性よりも大幅に高い。
【0030】
実施例3
後述のように、様々な触媒およびブロックコポリマーを用いて、追加の実験を実施した。使用した触媒を以下に示す。触媒LPd-NRは、左に示す構造であり、Ar=Lであり、X=N(Me)13であり、(NR)とも呼ばれる。
【化4】
ブロックコポリマー:一連の両親媒性ジブロックコポリマーが合成され、水中で球状ミセルを調製するために使用された。
【0031】
ジブロックポリマーは、モノメチルエーテルPEG-OHポリマー(5kg/mol)を原子移動ラジカル重合(ATRP)マクロ開始剤と反応させることで合成され、その後、異なるアクリルモノマーのリビングラジカル重合を実行するために使用された。すべての場合において、球状ミセルの形成を促進するために、疎水性ブロックの分子量は、親水性ブロックの分子量(約7000g mol-1)とほぼ同じになることを目標とした。
【0032】
2種類のブロックコポリマーが合成された:PEG-b-PEHA(PEHA;ポリ(エチル)ヘキシルアクリレート、PEG-b-PCF3(PCF3;ポリ(2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート))(スキーム1)。これらのBCPは、GPCで測定された狭く単峰性の分子量分布で示されているように正常に合成された(データは割愛する)。
【化5】
スキーム1
【0033】
ミセル形成:疎水性触媒をミセル内に封入するために、ミセルの形成は、触媒とブロックコポリマーの両方が、水混和性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミド)に溶解させて、水をゆっくり添加する間接的な方法で行われるべきである。この添加後にブロックコポリマーは崩壊し、安定したミセルを形成した。動的光散乱(DLS)測定を使用して、形成されたミセルの粒径および分布を特定した。均一なミセルを再現可能に形成するブロックコポリマーの能力を、任意の触媒を添加する前に試験した。ミセル溶液の透明な外観は、均一なミセルが形成されたことを示す最初の証拠となり、これは、良好なミセル化により透明な溶液が得られるためである(光回折なし)。合成されたブロックコポリマーから、PEG(114)-b-PEHA(25)およびPEG(114)-b-PCF3(27)により、透明なミセル溶液が形成された。PEG(114)-b-PCF3(27)は、平均粒径が26ナノメートル(nm)の均一で狭いミセル粒度分布が得られた。
【0034】
ミセルへの触媒の充填は、ブロックコポリマーを含む有機溶液に溶解させて、水を添加することで達成された。LPd-DMSOに水を添加すると、LPd-DMSOおよびPEG(114)-b-PCF3(27)の溶液が不透明になり、それは、触媒がミセル内にうまく封入されなかったか、またはミセルが均一に形成されなかったことを意味する。DMSOをより疎水性の高い、不安定な配位子であるN,N-ジメチルヘキシルアミン(LPd-NR)に置き換えた場合、THF中の触媒の溶解度が増加し、透明なミセル溶液が形成された。DLS測定により、平均粒径が25nmの分布の狭いミセルの単一集団が検出され、封入が成功したことが確認された。DLS測定による凝集体形成の証拠はないものの、ミセル溶液は、孔径450nmのシリンジフィルターを使用して体系的にろ過され、微小量の残渣のみがフィルターに収集された(質量欠損<1%)。
【0035】
ミセルでのエチレン重合:LPd-NRを添加したPEG(114)-b-PCF3(27)で調製されたミセルを使用して、エマルション中のエチレンの重合に触媒作用を及ぼした。最初の実験では、反応器に430mgのPEG(114)-b-PCF3(27)および16μmolのLPd-NRを含む100mLのミセル水溶液を入れ、40atmのエチレンで加圧し、温度を85℃に設定した。1時間後、乳白色の溶液が回収され、反応器内に凝固物は観察されなかった。ポリエチレン粒子の形成は、DLS分析によって最初に確認された。ラテックスは、84nmの平均径を有する粒子の単一集団で構成された(表3)。均一な粒径分布は、ミセル内で実際に重合が起こったことを示唆する。ラテックス溶液の重量分析によって特定された触媒の活性は、820TO h-1だった(表3、エントリ2)。この活性は、同一の触媒添加量、温度、および時間でのミニエマルション重合と比較して、30倍の改善を表す(データは割愛する)。
【0036】
いくつかのサンプルのTEM画像が取得され、粒子のサイズおよびこれらの均一性がDLSによって測定され、確認された(データは割愛する)。
【0037】
触媒およびブロックコポリマーの添加量を変化させた場合(表4、エントリ1~3)、ミセル内の触媒濃度が、形成されるポリエチレン粒子のサイズと直接相関することが示された。触媒の添加量を増やすか、またはブロックコポリマーの添加量を減らすことで、触媒濃度がより高くなり、体系的に、より大きな粒子が形成された。このことは、ミセル内で重合が起こることを確実にするために重要である。触媒およびブロックコポリマーの添加量は、触媒活性に中程度の影響を及ぼした。430mgのPEG(114)-b-PCF3(27)および16μmolのLPd-NRで調製されたミセルが、最も高い活性を示すことが確認された。
【0038】
触媒の安定性を、様々な時間で一連の重合を行うことによって研究した。触媒は、TON-時間の線形増加によって示されるような重合の最初の90分以内に微小の分解を示した(データは割愛する)。3時間の重合では、ある程度の活性の低下が見られたが、この重合はまた、凝固物の形成ももたらした。
【表4】
【0039】
ブロックコポリマーおよびミセル形成条件のバリエーション様々な添加剤を使用して研究した(表5)。興味深いことに、広い分子量分布(ただし類似のPEG/PCF比)を有する不明確なPEG-b-PCFブロックコポリマーを使用した場合、活性が50%向上した重合が得られた(1460h-1、表5、エントリ1)。いくつかのホモポリマー(PEG-OHおよびPCF)をミセル形成に加えた。追加の10重量%PEG-OHを使用した場合、触媒活性がわずかに改善された(920h-1、表5、エントリ4)。10重量%のPCFホモポリマーの添加により、不透明なミセル溶液が形成され、これは、いくつかのより大きな粒子が形成されたことを意味する。これらの大きな粒子は、重合前にろ過され、10%の活性の向上が観察された(960h-1、表5、エントリ5)。
【0040】
「不明確なBCP」に使用されたブロックコポリマーは、次の特性を有する。
【表5】
【0041】
ミセルの形成を目的とし、THFの代わりにDMFも使用した。第1に、DMFを溶媒として使用しても、封入の妨げにはならず、わずかに大きい粒径(31nm)の均一なミセルが形成された。これらのミセルでの重合は、THFで調製されたミセルで測定されたものに対して、活性のいかなる有意な変化は得られなかった(870h-1、表6、エントリ2)。DMFの使用により、ポリマー分子量が低下した。同じ手順に従って、DOで行われた重合では、いかなる活性の増強も得られなかった(830h-1、表6、エントリ2)。最後に、ミセル系に対するpHの影響を、リン酸を用いてミセル溶液のpHを約3に低下させて調査した。より低いpHでは、活性の有意な増強が予想外に観察された(1120h-1、表6、エントリ6)。
【表6】
【0042】
様々なエチレン圧(30、40および50バール)での重合では、圧力を上げると触媒の活性が線形増加することが示された(図1)。
【0043】
Pd-DMSO:封入戦略は、別のパラジウムホスフィノスルホネート触媒LPd-DMSOに適用された。この触媒は、以前にトルエンで非常に高い活性(774000h-1)を示すことが明らかになっているため、興味深い。LPd-DMSOは、均一なミセルの形成に脂肪アルキル配位子を使用する必要がないことに留意されたい。LPd-DMSOを用いたミセル内での重合は、最高2400TO h-1の活性を得た。この活性は、有機溶媒中の同じ触媒の活性よりも低いが、他の同一反応条件下にてLPd-NRよりも2倍高い。ラテックスの、反応器内でのある程度の凝固およびより広い粒径分布が認められた。このコロイドの不安定性は、ブロックコポリマーによるPE粒子の不十分な安定化に起因した。凝固は、触媒添加量を減少(表7、エントリ1)および/またはBCP添加量を増加(表7、エントリ4)することによって防ぐことができた。触媒添加量の減少は、活性のわずかな低下(1760h-1)を引き起こしたが、BCP添加量の増加は、2130h-1の高いTOFを維持した。重合中の凝固を防止できたとしても、LPd-DMSOで形成されたラテックスのポリエチレン粒径分布は、広いままだった。LPd-DMSOおよびブロックコポリマーの有機溶液に1当量のジメチルヘキシルアミンを添加することにより粒径を狭め、その場調製のLPd-NRを得た。これにより、1830h-1の触媒活性が得られた(表7、エントリ3)。
【表7】
【0044】
この開示は、以下の態様によりさらに説明される。
【0045】
態様1:8族~11族の遷移金属含有触媒および自己分散性ポリマーを溶媒に溶解させることを含む、分散ポリマー粒子に触媒を封入する方法であり、粒子形成条件下で水および任意に塩基を添加して、10~300ナノメートルの母個数平均径を有する粒子を含む分散ポリマー封入触媒を形成する、方法。
【0046】
態様2:粒子形成条件が、加熱および水の添加である、態様1に記載の方法。
【0047】
態様3:粒子形成条件が、最大70℃での加熱、および水が50~75体積パーセントに達するまで5分~5時間にわたって水を添加することである、態様1または2に記載の方法。
【0048】
態様4:自己分散性ポリマーが、500~50,000ダルトン、好ましくは5,000~20,000ダルトンの分子量を有する水不溶性ブロックと、450~45,000ダルトン、好ましくは450~10,000ダルトン、より好ましくは1,000~5,000ダルトンの分子量を有する水溶性ブロックとを含むブロックコポリマーを含む、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0049】
態様5:水不溶性ブロックが、(メタ)アクリル酸のエステル、スチレン、ブタジエン、エチルエチレン、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコリド、ジメチルシロキサン、シクロオクテン、エチレン、プロピレン、ノルボルネン、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、または上記のうちの少なくとも1つを含む組み合わせの繰り返し単位を含み、水溶性ブロックが、エチレングリコール、エチレンオキシド、メタクリル酸、アクリル酸、アクリルアミド、スチレンスルホネート、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、または上記のうちの少なくとも1つを含む組み合わせの繰り返し単位を含む、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0050】
態様6:自己分散性ポリマーが、ポリエチレングリコール-PCFジブロックコポリマーである、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0051】
態様7:触媒およびポリマーが、0.01~0.05重量触媒/重量ポリマーの量で存在する、態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0052】
態様8:溶媒がTHF、DMF、DMSOまたはメタノールである、態様1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
態様9:8族~11族の遷移金属含有触媒が式:を有する、態様1~8のいずれか1つに記載の方法。
【化6】
【0054】
態様10:塩を添加することをさらに含む、態様1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0055】
態様11:触媒オレフィン重合の方法であり、重合条件下で、態様1~10のいずれか1つに記載の方法により調製された分散ポリマー封入触媒を1つ以上のモノエチレン性不飽和モノマーと接触させてポリオレフィンを形成することを含む、方法。
【0056】
態様12:モノエチレン性不飽和モノマーが、1つ、2つ、または3つの異なるモノエチレン性不飽和モノマーを含む、態様11に記載の方法。
【0057】
態様13:モノエチレン性不飽和モノマーがエチレンである、態様11または12に記載の方法。
【0058】
態様14:モノエチレン性不飽和モノマーが、エチレン、プロピレン、オクテン、または上記のうちの少なくとも1つを含む組み合わせである、態様11~12のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
態様15:ポリオレフィンが、1,500~200,000ダルトン、10,000~100,000ダルトン、20,000~50,000ダルトン、または1,500~10,000ダルトンの数平均分子量を有する、態様11~14のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
態様16:重合条件が、圧力を加えることおよび撹拌することである、態様11~15のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
態様17:触媒オレフィン重合反応における触媒回転頻度が、毎時1500~5000である、態様11~16のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
態様18:8族~11族の遷移金属含有触媒および溶媒中に分散した自己分散性ブロックコポリマーを含む、態様1~10のいずれか1つに従って調製された分散ポリマー封入触媒。
【0063】
態様19:重合条件下で、態様1~10のいずれか1つに従って調製された分散ポリマー封入触媒をモノエチレン性不飽和モノマーと反応させて、1,500~200,000ダルトン、10,000~100,000ダルトン、20,000~50,000ダルトン、または1,500~10,000ダルトンの数平均分子量を有するラテックスを形成する方法により調製されたラテックスであり、触媒が8族~11族の遷移金属含有触媒であり、ポリマーが自己分散性ブロックコポリマーであり、重合条件が圧力を加えることおよび撹拌である、ラテックス。
【0064】
一般に、本発明は、本明細書に開示される任意の適切な構成要素を代替的に含むか、それらからなるか、またはそれらから本質的になり得る。本発明は、追加的または代替的に、先行技術の組成物で使用されるか、もしは本発明の機能および/もしくは目的の達成に特に必要ではない任意の構成要素、材料、成分、補助剤または種を欠くか、または実質的に含まないように製剤化されてもよい。
【0065】
組成物、方法、および物品は、本明細書に開示される任意の適切な構成要素またはステップを代替的に含むか、これらからなるか、またはこれらから本質的になることができる。組成物、方法、および物品は、追加的または代替的に、先行技術の組成物で使用されるか、もしくは組成物、材料、および物品の機能ならびに/もしくは目的の達成に特に必要ではない任意の構成要素、材料、成分、補助剤または種を欠くか、または実質的に含まないように製剤化され得る。
【0066】
本明細書に開示されるすべての範囲は、端点を含み、端点は互いに独立して組み合わせ可能である。「組み合わせ(combination)」には、ブレンド、混合物、合金、または反応生成物が含まれる。さらに、本明細書における用語「第1(first)」、「第2(second)」などは、いかなる順序、量、または重要性を示すものではなく、ある要素と別の要素を示すために使用される。本明細書における用語「a」および「an」ならびに「the」は、量の制限を示すものではなく、本明細書で特に明記しない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数と複数のどちらも包含すると解釈されるものとする。「または(or)」は、特に明記されていない限り「および/または(and/or)」を意味する。記載された要素は、様々な実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよいことを理解されたい。
【0067】
本明細書で使用される「アルキル(alkyl)」とは、1~20個の炭素原子、好ましくは2~10個の炭素原子を有する炭化水素基を指し、「置換アルキル(substituted alkyl)」には、1つ以上のヒドロキシ、(低級アルキル基の)アルコキシ、(低級アルキル基の)メルカプト、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ニトロン、アミノ、アミド、C(O)H、アシル、オキシアシル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリル置換基をさらに有するアルキル基が含まれる。「低級アルキル(lower alkyl)」とは、1~6個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子を有するヒドロカルビルラジカルを指し、「置換低級アルキル(substituted lower alkyl)」には、本明細書に記載されるような1つ以上の置換基をさらに有する低級アルキル基が含まれる。「アルキレン(alkylene)」とは、1~20個の炭素原子、好ましくは2~10個の炭素原子を有する2価のヒドロカルビル基を指し、「置換アルキレン(substituted alkylene)」には、前記に記載の1つ以上の置換基をさらに有するアルキレン基が含まれる。「シクロアルキレン(cycloalkylene)」とは、3~8個の炭素原子を含む2価の環状環含有基を指し、「置換シクロアルキレン(substituted cycloalkylene)」とは、前記に記載の1つ以上の置換基をさらに有するシクロアルキレン基を指す。「アリーレン(arylene)」とは、6~最大14個の炭素原子を有する2価の芳香族基を指し、「置換アリーレン(substituted arylene)」とは、前記に記載の1つ以上の置換基をさらに有するアリーレン基を指す。「ポリアリーレン(polyarylene)」とは、複数(すなわち、少なくとも2、最大10)の2価の芳香族基(それぞれ6~最大14個の炭素原子を有する)を含む2価部分を指し、この2価の芳香族基は、直接または1~3個の原子リンカーを介して互いに結合し、「置換ポリアリーレン(substituted polyarylene)」とは、前記に記載の1つ以上の置換基をさらに有するポリアリーレン基を指す。「ヘテロアリーレン(heteroarylene)」とは、環構造の一部として1つ以上のヘテロ原子(例えば、N、O、P、S、またはSi)を含み、3~最大14個の炭素原子を有する2価の芳香族基を指し、「置換アリーレン(substituted arylene)」とは、前記に記載の1つ以上の置換基をさらに有するアリーレン基を指す。「ポリヘテロアリーレン(polyheteroarylene)」とは、2~4個のヘテロアリーレン基(それぞれが少なくとも1個のヘテロ原子および3~14個の炭素原子を含む)を含む2価部分を指し、ヘテロアリーレン基は、直接または1~3個の原子リンカーを介して互いに結合し、「置換ポリヘテロアリーレン(substituted polyheteroarylene)」とは、前記の1つ以上の置換基をさらに有するポリヘテロアリーレン基を指す。「(メタ)アクリレート((meth)acrylate)」とは、アクリレートおよびメタクリレートを総称したものである。
【0068】
すべての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
特定の実施形態について説明したが、出願人または他の当業者には、現在予期されていない、または現在予期されていない可能性がある代替、修正、変形、改善、および実質的な同等物が生じ得る。したがって、提出され、修正される可能性のある添付の特許請求の範囲は、そのようなすべての代替、修正、変形、改善、および実質的な同等物を包含することを意図している。
図1