(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】患者に在宅ケアを提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20230922BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G16H20/10
A61M5/142 530
(21)【出願番号】P 2020515075
(86)(22)【出願日】2018-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2018072848
(87)【国際公開番号】W WO2019052795
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-08-19
(32)【優先日】2017-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511241734
【氏名又は名称】フレゼニウス ヴィアル エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Vial SAS
【住所又は居所原語表記】Le Grand Chemin, 38590 Brezins, France
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】メルメ, エメリック
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0000997(US,A1)
【文献】特開2006-051244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0176984(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61M 3/00- 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に在宅ケアを提供するシステムであって、
患者に医療用流体を投与する投与動作を実行するようにプログラミング可能な医療用ポンプ装置(1)であって、該医療用ポンプ装置(1)は、前記医療用流体を投与する圧送機構(13)と、プログラミング情報を記憶するローカルの記憶デバイス(12)と、前記プログラミング情報に従って前記圧送機構(13)の動作を制御するプロセッサデバイス(11)と、医療用流体を含む流体容器(4)の識別マーク(40)の識別情報を読み取るリーダーデバイス(10)とを備える、医療用ポンプ装置と、
通信ネットワーク(3)を介して前記医療用ポンプ装置(1)と通信接続状態にある遠隔の通信デバイス(2)と、を備え、
前記通信ネットワーク(3)は、(i)低電力ワイドエリアネットワーク、(ii)パブリックモバイル通信ネットワーク、および、(iii)パブリック通信ネットワークのいずれかを含み、
前記通信デバイス(2)は、前記医療用ポンプ装置(1)に、特定の医療用流体に関連付けられたプログラミング情報を含む処方データセットを送信するように構成され、
前記医療用ポンプ装置(1)は、前記処方データセットの送信中にのみ、前記通信ネットワーク(3)への接続が必要とされ、
前記医療用ポンプ装置(1)は、前記処方データセットを受信し、該処方データセットに含まれる前記プログラミング情報を前記記憶デバイス(12)に記憶するように構成され、
前記医療用ポンプ装置(1)の前記プロセッサデバイス(11)は、前記記憶デバイス(12)が、前記リーダーデバイス(10)によって読み取られた識別情報から認識された前記特定の医療用流体に関する
プログラミング情報を記憶する場合に投与動作を実行するように、前記特定の医療用流体に関連付けられた前記記憶されたプログラミング情報を前記記憶デバイス(12)からロードするように構成される、システム。
【請求項2】
前記通信デバイス(2)は、プッシュメッセージにおいて前記医療用ポンプ装置(1)に前記処方データセットを送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プログラミング情報は、送達モード、投薬速度、投与容量、及び最大投薬量に関する情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記識別マーク(40)は、バーコード又はRFIDタグである、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサデバイス(11)は、ユーザーによって確認されると、前記ロードされたプログラミング情報に従って、投与動作を開始するように構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記リーダーデバイス(10)は、前記医療用ポンプ装置(1)のハウジング(100)内に埋め込まれる、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記医療用ポンプ装置(1)は、前記通信デバイス(2)から遠隔位置に配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
患者に在宅ケアを提供する方法であって、
患者に医療用流体を投与する投与動作を実行するように医療用ポンプ装置(1)をプログラミングすることであって、該医療用ポンプ装置(1)は、前記医療用流体を投与する圧送機構(13)と、プログラミング情報を記憶するローカルの記憶デバイス(12)と、前記プログラミング情報に従って前記圧送機構(13)の動作を制御するプロセッサデバイス(11)とを備えること、
を含み、
(i)低電力ワイドエリアネットワーク、(ii)パブリックモバイル通信ネットワーク、および、(iii)パブリック通信ネットワークのいずれかを含む通信ネットワーク(3)を介して前記医療用ポンプ装置(1)と通信接続状態にある遠隔の通信デバイス(2)を用いて、前記医療用ポンプ装置(1)に、特定の医療用流体に関連付けられたプログラミング情報を含む処方データセットを送信することと、
前記医療用ポンプ装置(1)において、前記処方データセットを受信することと、
前記医療用ポンプ装置(1)は、前記処方データセットの受信中にのみ、前記通信ネットワーク(3)への接続が必要とされることと、
前記医療用ポンプ装置(1)において、前記処方データセットに含まれる前記プログラミング情報を前記記憶デバイス(12)に記憶することと、
前記医療用ポンプ装置(1)のリーダーデバイス(10)を用いて、流体容器(4)の識別マーク(40)の識別情報を読み取ることと、
前記記憶デバイス(12)が、前記リーダーデバイス(10)によって読み取られた前記識別情報から認識された前記特定の医療用流体に関する
プログラミング情報を記憶する場合に、前記医療用ポンプ装置(1)の前記プロセッサデバイス(11)によって、前記特定の医療用流体に関連付けられた前記記憶されたプログラミング情報を前記記憶デバイス(12)からロードすることと、
を含む、方法。
【請求項9】
患者に在宅ケアを提供するシステムであって、
患者に医療用流体を投与する投与動作を実行するようにプログラミング可能な医療用ポンプ装置(1)であって、該医療用ポンプ装置(1)は、前記医療用流体を投与する圧送機構(13)と、プログラミング情報に従って前記圧送機構(13)の動作を制御するプロセッサデバイス(11)と、医療用流体を含む流体容器(4)の識別マーク(40)の識別情報を読み取るリーダーデバイス(10)とを備える、医療用ポンプ装置、
を備え、
前記医療用ポンプ装置(1)の前記リーダーデバイス(10)は、前記流体容器(4)の前記識別マーク(40)から、前記流体容器(4)に収容される前記医療用流体に関連付けられたプログラミング情報を含む処方データセットを読み取るように構成され、前記医療用ポンプ装置(1)の前記プロセッサデバイス(11)は、投与動作を実行するように、前記医療用流体に関連付けられた前記プログラミング情報をロードするように構成され、
前記医療用ポンプ装置(1)は、(i)低電力ワイドエリアネットワーク、(ii)パブリックモバイル通信ネットワーク、および、(iii)パブリック通信ネットワークのいずれかを含む通信ネットワーク(3)と通信接続し、
前記医療用ポンプ装置(1)は、前記処方データセットの受信中にのみ、前記通信ネットワーク(3)への接続が必要とされる、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる患者に在宅ケアを提供するシステムと、患者に在宅ケアを提供する方法とに関する。
【0002】
この種のシステムは、患者に医療用流体を投与する投与動作を実行するようにプログラミング可能な医療用ポンプ装置を備える。本明細書における医療用ポンプ装置は、医療用流体を投与する圧送機構と、プログラミング情報を記憶する記憶デバイスと、プログラミング情報に従って圧送機構の動作を制御するプロセッサデバイスと、医療用流体を含む流体容器の識別マークの識別情報を読み取るリーダーデバイスとを備える。
【背景技術】
【0003】
一般に、患者に対するヘルスケアを、患者の自宅で提供することに対する要望が存在する。これは、患者にとっての快適性の向上を提供することに役立つことができ、患者が、潜在的には、通常の生活を営むことを可能にすることができる。
【0004】
しかしながら、患者に自宅でのケアを提供することは、患者が、病院内に勤める又は個人開業の医師又は看護師等の医療従事者から遠く離れて生活する場合があるという難題を伴う。加えて、複数の患者が互いに離れて生活する場合があるので、例えば看護師による患者のチェックは、複数の患者を順に訪問するのに長い移動距離を要する場合がある。この理由のために、患者は、自身の医療用ポンプ装置を自律的に操作する必要がある場合がある。それゆえ、患者は、医療従事者から得た処方に従って自身で送達動作を設定及び開始しなければならない場合がある。しかしながら、これは、医療従事者による定期的な監督及びチェックの必要性を軽減するわけではない。なぜならば、患者が処方された治療に厳密に従わない場合又は適切な操作を欠いたために送達動作中の動作不良が生じた場合、これは、深刻な影響をもたらす場合があり、潜在的には、患者の再入院を必要とするためである。
【0005】
在宅ケア患者は、例えば注入(infusions)又は栄養溶液(nutritional solution)を投与することによる経腸栄養を含む種々の治療を受ける場合がある。投与動作を実行するために、患者は、医療用ポンプ装置をプログラミングする必要がある場合があり、この医療用ポンプ装置のために、患者は、従来的には、投与すべき医療用流体を指定しなければならないとともに、加えて、投薬量、投薬速度及び送達モード(例えば連続投与、又は、時間変動投与スキーム、例えばランプアップ等を含む)等の特定の投与パラメーターを指定しなければならない。そのようなプログラミングは、患者にとっては難しく、かつ時間がかかる場合があり、加えて、間違いを生じやすい場合がある。
【0006】
典型的に、患者は、自身がナース等の医療ケア提供者から受け取った処方情報に従って医療用ポンプ装置をプログラミングする必要があり、そのような処方情報は、投与すべき特定の医療用流体についての投薬量、投薬速度及び送達モードを指定する。容量注入ポンプ等の医療用ポンプ装置がいわゆる薬物ライブラリを含む場合、患者は、医療用ポンプ装置をプログラミングするとき、薬剤溶液又は経腸栄養溶液(enteral feeding solution)等の種々の所定の医療用流体から選択することができ、薬物ライブラリは、例えば、投薬速度等の投与パラメーターの限度値を指定する。それにもかかわらず、薬物ライブラリが医療用ポンプ装置上にインストールされている場合であっても、ユーザーは、医療用ポンプ装置をプログラミングするために、種々の医療用流体に関する多数の異なるエントリから選択しなければならず、これは、骨の折れる作業であり、潜在的に、間違いを生じやすい。
【0007】
ユーザー、特に患者にとって、特に在宅ケア環境において、可能な限り容易な医療用ポンプ装置のプログラミングを作成することが必要とされている。さらに、投与される医療用溶液のトレーサビリティを改善するとともに、実際の投与動作が処方に準拠していることを保証することによって安全性を高めることが可能であることが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、容易かつ効率的であるが、一方で高信頼度の方法において、患者が、投与動作を実行するために医療用ポンプ装置をプログラミングすることを可能にする、患者に在宅ケアを提供するシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を含むシステムを用いて達成される。
【0010】
したがって、通信デバイスは、医療用ポンプ装置に、特定の医療用流体に関連付けられたプログラミング情報を含む処方データセットを送信するように構成され、医療用ポンプ装置は、上記処方データセットを受信し、この処方データセットに含まれるプログラミング情報を上記記憶デバイスに記憶するように構成される。医療用ポンプ装置のプロセッサデバイスは、リーダーデバイスによって読み取られた識別情報が特定の医療用流体に関する場合に投与動作を実行するように、特定の医療用流体に関連付けられた記憶されたプログラミング情報を記憶デバイスからロードするように構成される。
【0011】
本発明は、ユーザー、特に患者が、投与動作を実行するために医療用ポンプ装置を容易にかつ効率的にプログラミングする能力を改善することに役立ち得る、ワークフローの変化を暗に意味する。さらに、医療用ポンプ装置のプログラミングにおけるエラーのリスクを低減するので、安全性の向上を達成することができる。
【0012】
現在に至るまで、第1のステップにおいて、医療用ポンプ装置に取り付けられたリーダーデバイスを用いて医療用流体を含む流体容器の識別マークの識別情報を読み取ることによって、投与動作を実行することが潜在的な慣習であった。識別情報に従って、医療用流体は、医療用ポンプ装置に識別される。その後、識別情報は、従来的には、例えば、患者データ管理システム(PDMS:patient data management system)又は処方ソフトウェアに通信され、その後、患者データ管理システム又は処方ソフトウェアは、医療用ポンプ装置を遠隔でプログラミングする。ユーザーによるチェック及びプログラミングの確認が行われると、その後、投与動作が開始される。
【0013】
この従来的な概念とは対照的に、提案されるシステムを用いて、プログラミング情報は、実行すべき実際の投与動作とは独立した処方データセットにおいて医療用ポンプ装置に送信される。処方データセットに含まれるプログラミング情報は、1つ又は複数の医療用流体に関連付けられ、このプログラミング情報は、医療用ポンプ装置において受信されると、医療用ポンプ装置の記憶デバイスに記憶される。本明細書において、1人又は複数人の患者に関する1つ又は複数の薬剤プロトコルに従う長期の治療過程(例えば数日)にわたって投与すべき1つ又は複数の医療用流体に関する1つ又は複数の処方データセットを医療用ポンプ装置に送信することができ、処方データセット(複数の場合もある)及びこの処方データセットに含まれるプログラミング情報は、1つ又は複数の医療用流体と関連付けられて医療用ポンプ装置の記憶デバイスに記憶される。
【0014】
処方データセットは、例えば、特定の患者の治療のためのフル薬剤プロトコルを含むことができ、この薬剤プロトコルは、長期の治療持続時間にわたる、例えば数日にわたる患者の治療のための1つ又は複数の医療用流体の投与を規定する。
【0015】
それゆえ、1つ又は複数の処方データセットを医療用ポンプ装置に送信することによって、医療用ポンプ装置に処方が記憶され、異なる処方は、薬剤又は経腸栄養溶液等の1つ又は複数の異なる医療用流体に関する。
【0016】
実際の投与動作を開始するために、ユーザーは、医療用ポンプ装置のリーダーデバイスを用いて、投与すべき医療用流体を含む流体容器上の識別マークの識別情報を読み込ませる必要がある。識別情報を用いて、流体容器の医療用流体は、医療用ポンプ装置に識別され、この識別が行われると、医療用ポンプ装置のプロセッサデバイスは、識別情報によって識別されるとともに医療用ポンプ装置の記憶デバイスに記憶された特定の医療用流体に関連付けられた記憶されたプログラミング情報をロードする。記憶デバイスからプログラミング情報をロードすることによって、医療用ポンプ装置はプログラミングされ、そして、ユーザー、例えば患者によってプログラミング設定の確認が行われるとともに、流体容器を医療用ポンプ装置に接続すると、投与動作が開始される。
【0017】
それゆえ、提案されるシステムに従って、1つ又は複数の医療用流体に関するプログラミング情報を含む処方データセットが医療用ポンプ装置に事前に送信され、処方データセットは、例えば、患者の長期治療のための薬剤プロトコルに関する。処方データセットが関連する特定の医療用流体に関する識別情報が医療用ポンプ装置のリーダーデバイスによって読み込まれ、それにより、医療用ポンプ装置が、流体容器に収容される医療用流体を認識し、医療用ポンプ装置に記憶されるとともに医療用流体に関連付けられたプログラミング情報を含む処方データセットに関連付ける場合、プロセッサデバイスは、医療用流体に関するプログラミング情報をロードし、このようにして医療用ポンプ装置をプログラミングする。それゆえ、プログラミングは、流体容器に収容される医療用流体の、事前に記憶された処方データセットとの関連付けを識別及び認識すると、(事前に医療用ポンプ装置において受信された)記憶されたプログラミング情報に従って自動的に行われる。
【0018】
それゆえ、プログラミングは自動的に行われるので、エラーのリスクが低減するため、安全性が改善される。
【0019】
さらに、ユーザー、例えば患者がしなければならないことは、医療用ポンプ装置のリーダーデバイスを用いて流体容器上の識別情報を読み込ませることだけであるので、プログラミングは、ユーザーにとって容易かつ効率的となる。それゆえ、ユーザーインタラクションの必要性が最小に抑えられ、特に、プログラミング情報の手動入力の必要性が軽減される。
【0020】
更なる利点として、提案されるシステムを用いると、医療用ポンプ装置の接続性の要件が緩和される。詳細には、医療用ポンプ装置の接続性は、処方データセットの送信及び受信中にのみ必要とされ、これは、実際の投与動作とは独立している場合がある。実際の投与動作中、医療用ポンプ装置は、通信ネットワークに接続される必要はなく、オフラインで動作することができる。
【0021】
1つの実施形態では、例えばサーバー等によって構成される通信デバイスは、プッシュメッセージにおいて医療用ポンプ装置に処方データセットを送信するように構成される。それゆえ、処方データセットは、処方データセットを医療用ポンプ装置にプッシュすることによって、医療用ポンプ装置に送信される。それゆえ、処方データセットは、医療用ポンプ装置が事前の要求メッセージによって送信を開始する必要なく、医療用ポンプ装置に単方向に送信される。
【0022】
原理として、プログラミング情報は、患者の薬剤プロトコルのコンテキスト内で1つ又は複数の医療用流体の投与動作を実行するために、医療用ポンプ装置をプログラミングすることに関連する全ての情報を含むことができる。特に、プログラミング情報は、送達モード(例えば連続投与、又は、ランプアップ注入)、投薬速度、投与容量及び最大投薬量を含むことができ、投与動作に関連する他のパラメーターもプログラミング情報に含めることができる。処方データセット内のプログラミング情報は、1つ又は複数の医療用流体に関連し、リーダーデバイスを用いて、流体容器内の医療用流体のうちの1つが識別されると、識別された医療用流体との関連で用いられる。
【0023】
流体容器上の識別マークは、例えば、バーコード又はRFIDタグとすることができる。したがって、リーダーデバイスは、バーコードリーダー又はRFIDリーダーデバイスとして構成される。識別マークにおいて、流体容器に収容される医療用流体に関する識別情報が符号化され、識別マークをスキャンする際、リーダーデバイスを用いて読み取ることができる。
【0024】
加えて、識別マークは、医療用ポンプ装置のプログラミングに関する情報、例えば、投薬速度、投与容量又は最大投薬量等のプログラミング情報を符号化することも考えられる。
【0025】
加えて又は代替的に、識別マークは、患者に関する情報、例えば、患者を識別する情報、及び/又は、患者の年齢、体重、性別等のデモグラフィック情報も符号化することができる。
【0026】
提案される解決策内で、通信デバイスは、処方データセット(例えば、その過程で患者に1つ又は複数の医療用流体が投与される患者に対する治療を規定する薬剤プロトコルに関する)をポンプ装置に、好ましくはプッシュメッセージを用いて通信する。その場合、ポンプ装置のリーダーデバイスを用いて、識別マークに従った医療用流体が識別され、例えば加えて、識別マークに含まれる患者情報が読み込まれ、処方データセットに含まれるとともに、識別された医療用流体及び患者に関するプログラミング情報がポンプ装置にロードされ、それにより、実際の注入動作を開始することができる。
【0027】
代替的に、サーバー等の通信デバイスからポンプ装置に事前に処方データセットを通信する代わりに、薬剤送達プロトコルに関する情報も、薬剤容器の識別マーク内に符号化することができ、それにより、識別マークをスキャンすることによって、そのような情報をポンプ装置に読み込ませることができ、ポンプをプログラミングするのに用いることができる。この代替的な解決策は、識別マークは、特定の患者のためにカスタマイズされることで、この患者に対する、薬剤容器に収容される薬剤の投与のための特定のプログラミング情報を含むことを暗に意味する。
【0028】
提案されるシステムを用いて、注入デバイスのプログラミングは、プログラミング情報を入力するためのユーザーインタラクションを必要とすることなく、自動的に行うことができる。リーダーデバイスを用いて識別マークの識別情報を読み取ることによって医療用流体を識別すると、識別情報によって識別された医療用流体に関するプログラミング情報が自動的にロードされ、このようにして、医療用ポンプ装置はプログラミングされる。しかしながら、ユーザー、例えば患者によるプログラミング設定の確認が必要とされるものとすることができ、この確認が行われると、(流体容器が医療用ポンプ装置に接続されているならば)投与動作を開始することができる。
【0029】
1つの実施形態では、リーダーデバイスは、医療用ポンプ装置と一体型とすることができる。特に、リーダーデバイスは、医療用ポンプ装置のハウジング内に統合することができ、それゆえ、医療用ポンプ装置に対する外部デバイスを表さない。リーダーデバイスは、例えば、バーコードをスキャンするのに適したカメラによって構成することができる。或いは、リーダーデバイスは、RFIDタグに結合するアンテナを含むことができる。
【0030】
医療用ポンプ装置は、在宅ケア使用に適したポータブルポンプとすることができる。
【0031】
医療用ポンプ装置は、特に、通信デバイスから遠隔位置に配置することができる。特に、医療用ポンプ装置は、患者の自宅に配置することができ、それゆえ、病院内に勤める又は個人開業の医師又は看護師等の医療従事者から遠隔して配置することができる。
【0032】
医療用ポンプ装置への接続を提供する1つの方法は、低電力ワイドエリアネットワーク接続を介したものである。低電力ワイドエリアネットワーク(略してLPWAN又はLPN)は、低エネルギーデバイス(例えばバッテリー駆動)をネットワークサーバーに接続するネットワークプロトコルの一クラスを指している。このプロトコルは、本事例では医療用ポンプ装置の低エネルギー消費での長距離通信を達成することができるように構成され、この通信は、医療用装置規制に準拠したセキュアなものである。
【0033】
低電力ワイドエリアネットワークの適したネットワークアーキテクチャは、例えば、LoRaWAN(長距離ワイドエリアネットワーク(Long-Range Wide Area Network)の略称)であり、これは、LoRaアライアンスによって規定され、LoRa変調を利用する産業標準規格である。LoRaWANは、双方向通信を可能にし、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)用に開発されてきた。LoRaWANは、欧州では約868MHz、及び米国では約915MHzの周波数を使用し、長距離、例えば最大40kmの通信を可能にする。
【0034】
原理的に、Symphony Link、LTE-M、狭帯域IoT(NB-IoT)、Weightless-N、Weightless-P、Weightless-W、又はWi-Fi HaLow等の他の通信プロトコルも用いることができ、これらも低電力ワイドエリアネットワークを代表する。
【0035】
経腸栄養用のポンプ又は静脈内注入を提供する注入ポンプ等の医療用ポンプ装置は、長期期間、例えば(少なくとも)24時間の間バッテリーで稼働することができることが望ましい。それゆえ、サーバーとのワイヤレス通信は、デバイスのバッテリーに対して大きな影響を有することなく低エネルギーで行なわれるべきである。この理由のために、医療用ポンプ装置とサーバーとの間の接続は、低電力ワイドエリアネットワーク接続を利用して医療用ポンプ装置とワイヤレスに通信する、基地局とも称されるゲートウェイを介して確立される。LoRaWANを用いて、アクティブ通信中のエネルギー消費は、例えば、約10mAとすることができ、アイドルモードでは、約100nAとすることができる。
【0036】
低電力ワイドエリアネットワーク接続は、典型的には、かなりの低データレートでデータ通信を可能にする。例えば、LoRaWAN接続の場合、データレートは、0.3kbps~50kbpsとすることができる。これは、一般に、プログラミング情報を含む処方データセットを送信するために医療用ポンプ装置とゲートウェイとの間の情報を通信するのに十分とすることができる。
【0037】
低電力ワイドエリアネットワーク接続の使用は利点を提供するものの、医療用ポンプ装置のための他のネットワーク接続、例えばインターネット等のパブリック通信ネットワークを介した接続が適用可能であり、医療用ポンプ装置の接続性を提供することができる。
【0038】
加えて又は代替的に、医療用ポンプ装置は、特に、患者の薬剤プロトコルのコンテキストにおいて1つ又は複数の医療用流体に関する1つ又は複数の処方データセットを受信するために、通信デバイスと通信するために、GSM技術、3G/4G/5G通信技術等を用いて通信する通信設備を備えることができる。
【0039】
この目的はまた、患者に在宅ケアを提供する方法であって、
患者に医療用流体を投与する投与動作を実行するように医療用ポンプ装置をプログラミングすることであって、この医療用ポンプ装置は、医療用流体を投与する圧送機構と、プログラミング情報を記憶する記憶デバイスと、プログラミング情報に従って圧送機構の動作を制御するプロセッサデバイスとを備えることと、
通信ネットワークを介して医療用ポンプ装置と通信接続状態にある通信デバイスを用いて、医療用ポンプ装置に、特定の医療用流体に関連付けられたプログラミング情報を含む処方データセットを送信することと、
医療用ポンプ装置において、上記処方データセットを受信することと、
医療用ポンプ装置において、処方データセットに含まれるプログラミング情報を上記記憶デバイスに記憶することと、
医療用ポンプ装置のリーダーデバイスを用いて、流体容器の識別マークの識別情報を読み取ることと、
医療用ポンプ装置のプロセッサデバイスによって、リーダーデバイスによって読み取られた識別情報が特定の医療用流体に関する場合に、特定の医療用流体に関連付けられた記憶されたプログラミング情報を記憶デバイスからロードすることと、
を含む、方法を用いて達成される。
【0040】
システムについて上記で記載された利点及び有利な実施形態は、方法にも等しく当てはまり、それにより、方法についての利点及び有利な実施形態は、上記を参照するものとする。
【0041】
代替的な解決策によれば、患者に在宅ケアを提供するシステムが、患者に医療用流体を投与する投与動作を実行するようにプログラミング可能な医療用ポンプ装置を備え、この医療用ポンプ装置は、医療用流体を投与する圧送機構と、プログラミング情報に従って圧送機構の動作を制御するプロセッサデバイスと、医療用流体を含む流体容器の識別マークの識別情報を読み取るリーダーデバイスとを備える。ここで、医療用ポンプ装置のリーダーデバイスは、流体容器の識別マークから、流体容器に収容される医療用流体に関連付けられたプログラミング情報を含む処方データセットに関する情報を読み取るように構成され、医療用ポンプ装置のプロセッサデバイスは、投与動作を実行するように、医療用流体に関連付けられたプログラミング情報をロードするように構成される。
【0042】
この代替的な解決策に従って、患者の薬剤送達プロトコルに関するプログラミング情報は、薬剤容器の識別マーク内に符号化され、識別マークをスキャンする際、リーダーデバイスを用いてポンプ装置に読み込まれる。識別マークから読み取られたプログラミング情報に従って、ポンプ装置は、薬剤容器に収容される薬剤の投与動作を実行するようにプログラミングされる。
【0043】
これは、薬剤容器の識別マークは、患者及び投与すべき薬剤のためにカスタマイズされ、それにより、識別マークは、薬剤の投与のためのプログラミング情報を符号化することを暗に意味する。
【0044】
以下、本発明の根底にある構想を、図面に示す実施形態に関してより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】通信デバイスから送信された処方データセットを用いて自動的にプログラミング可能である医療用ポンプ装置を備えるシステムの概略図である。
【
図2】医療用ポンプ装置を自動的にプログラミングするワークフローのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、患者に対する在宅ケアを提供するための、在宅ケア環境において用いられる医療用ポンプ装置1を備えるシステムの概略図を示している。医療用ポンプ装置1は、例えば、流体容器4から患者に向けて医療用流体を投与するために流体容器4を接続することができるポンプ機構13(
図1に単に概略的に示す)を備えるポータブルポンプとすることができる。
【0047】
医療用ポンプ装置1を用いて、例えば、薬剤、又は栄養溶液等の経腸栄養溶液を患者に投与することができる。そのような薬剤は、例えば、在宅ケア環境において患者に鎮痛治療を提供するための鎮痛薬剤とすることができる。
【0048】
医療用ポンプ装置1は、医療用流体容器4の、バーコード又はRFIDタグ等の識別マーク40を読み取る、バーコードリーダー又はRFIDリーダーデバイス等のリーダーデバイス10を更に備える。リーダーデバイス10を用いて、医療用流体が医療用ポンプ装置1に識別されるように、医療用流体容器4に収容される医療用流体を識別する識別情報と、識別マーク40に含まれる他の情報とを読み取ることができる。
【0049】
加えて、医療用ポンプ装置1は、プロセッサデバイス11と、記憶デバイス12とを備える。
【0050】
投与動作を実行するために、医療用ポンプ装置1は、投与すべき特定の医療流体のための投薬速度、投薬容量、及び投与モード等の、投与パラメーターを規定するようにプログラミングされる。医療用ポンプ装置1をプログラミングするとともに、適した輸液ライン41を用いて医療用流体容器4を医療用ポンプ装置1に接続すると、例えばユーザーによる確認によって(例えば医療用ポンプ装置1上の専用ボタンを押下することによって)、投与動作を確立することができる。
【0051】
この状況において、通信デバイス2、例えば医療用ポンプ装置1から遠隔のサーバーから、パブリック通信ネットワーク、例えばインターネット又は低電力ワイドエリアネットワーク等の通信ネットワーク3を介して確立される適切なネットワーク接続を介して、医療用ポンプ装置1にプログラミング情報を含む処方データセットを送信することによって、医療用ポンプ装置1を遠隔で自動的にプログラミングすることが提案される。
【0052】
特に、
図2のフロー図に示すようなワークフローが提案される。
【0053】
ワークフロー内で、まず、例えば、医療ケア提供者が、通信デバイス2、例として通信ネットワーク3に接続されたサーバーに処方情報を入力することによって、通信デバイス2において処方データセットが生成される(
図2のステップS1)。処方データセットは、患者に対する潜在的に長期の治療のために、1つ又は複数の医療用流体の投与のための薬剤プロトコルに関連するものとすることができ、それゆえ、患者の治療のためのフルプロトコルを規定することができる。
【0054】
投与すべき1つ又は複数の医療用流体に関連付けられるとともに1つ又は複数の医療用流体に関連するプログラミング情報を含む処方データセットを生成すると、処方データセットは、通信接続3を介して確立された通信接続、特に医療用ポンプ装置1に向けた単方向送信におけるプッシュメッセージ(ステップS2)において医療用ポンプ装置1に送信される。処方データセットを含むプッシュメッセージを受信すると、医療用ポンプ装置1は、処方データセットに含まれるプログラミング情報を、医療用ポンプ装置1の記憶デバイス12に記憶する(ステップS3)。
【0055】
医療用ポンプ装置1が、例えば異なる薬剤プロトコルの状況において、患者に複数の異なる医療用流体を投与する処方を規定する複数の処方データセットを記憶することができるように、この種類の1つ又は複数の処方データセットを作成することができ、医療用ポンプ装置1にプッシュすることができる。処方データセットにおいて、特に、特定の医療用流体についての投薬容量、投薬速度及び投与モードの各場合に、特定の医療用流体に関するプログラミング情報が規定される。
【0056】
処方データセットの生成及び送信は、実際の投与動作とは独立して行うことができる。処方データセットを含むプッシュメッセージは、例えば、医療用ポンプ装置1のアイドルモードにおいて、すなわち、投与動作が実行されない時間において、医療用ポンプ装置1に送信することができる。
【0057】
実際の投与動作が実行される場合、ユーザー、例えば、患者は、リーダーデバイス10を用いて、投与動作に用いられる流体容器4の識別マーク40から識別情報を読み込むことができる(ステップS4)。このようにして、流体容器4に収容される医療用流体が識別され、医療用ポンプ装置1によって認識される(ステップS5)。特定の、認識された医療用流体に関する処方データセットが記憶デバイスに記憶される場合、その処方データセットに含まれるとともに、識別された医療用流体に関するプログラミング情報は、医療用ポンプ装置1をプログラミングするために、プロセッサデバイス11によってロードされる(ステップS6)。それゆえ、識別マーク14から識別情報を読み取るとともに、このようにして医療用ポンプ装置1に対して医療用流体を識別することによって、医療用ポンプ装置1の自動プログラミングが開始され、この自動プログラミングは、更なるユーザー入力を必要とすることなく、特に、医療用ポンプ装置1への追加データの入力を必要としない。
【0058】
医療用流体容器4を医療用ポンプ装置1に接続するとともに自動ロードプログラミング設定を確認すると、その後、投与動作が開始される。
【0059】
医療用ポンプ装置1と通信デバイス2との間のネットワーク接続は、1つ又は複数の処方データセットの送信中にのみ必要とされる。実際の投与動作中、医療用ポンプ装置1は、通信デバイス2に接続される必要はなく、オフラインで動作することができる。それゆえ、医療用ポンプ装置1の接続性の要件は、実質的に緩和され、特に、実際の投与動作を実行するのに接続性は必要とされない。
【0060】
医療用ポンプ装置1は、例えば、患者の経腸栄養用のポンプ、又は、薬剤等の医療用流体の静脈内注入用の注入ポンプとすることができる。医療用ポンプ装置1は、例えば、患者の自宅に配置することができ、患者に在宅ケアを提供するように機能することができる。医療用ポンプ装置1を用いて、患者は、自律的に、送達動作を設定及び実行することができ、それゆえ、患者が、医師又は看護師等の医療従事者を必要とせずに自宅で自身を治療することが可能になる。
【0061】
1つの実施形態では、医療用ポンプ装置1は、標準化LoRaプロトコルに従ったLoRaWAN接続を介してネットワーク3のゲートウェイと通信することができる。LoRaWANは、ワイヤレス通信を対象とした、特に、バッテリー駆動の、それゆえ低エネルギー消費を有すべきであるデバイスを対象とした低電力ワイドエリアネットワーク(略してLPWAN又はLPN)である。LoRaWANは、双方向通信を可能にし、ローカライゼーションサービスも提供する。
【0062】
LoRaWANは、典型的には、ゲートウェイが、医療用ポンプ装置1と中央サーバーとの間のデータ通信を中継する(透過)ブリッジとして機能するスターネットワークトポロジーを有する。ゲートウェイは、標準的なネットワーク接続、特に、ゲートウェイとサーバーとの間のIP接続を提供するインターネット等のパブリック通信ネットワークを介してサーバーに接続される。LoRaWANは、0.3kbps~50kbpsの範囲内のデータレートを使用し、ここで、データレートは、医療用ポンプ装置1のバッテリー寿命と、ネットワーク全体の容量とを最大化する適応的データレート(ADR:adaptive data rate)スキームを用いて管理することができる。
【0063】
一方、低電力ワイドエリアネットワーク接続の代わりに、GSM又は3G/4G/5Gモバイル通信技術等又はインターネット等のパブリック通信ネットワークを介した別のネットワーク技術に従った接続性も提供することができる。
【0064】
言及したように、医療用ポンプ装置1のリーダーデバイス10は、例えば、バーコードリーダー又はRFIDリーダーデバイスとすることができる。バーコードリーダーは、例えば、リーダーデバイス10が医療用ポンプ装置1に完全に統合されるように、医療用ポンプ装置1のハウジング100に統合されたカメラを用いることができる。RFIDリーダーは、例えば、RFIDタグに結合するための磁気ループアンテナ等のアンテナを用いることができ、アンテナは、ハウジング100に統合される。
【0065】
代替的な解決策では、患者に薬剤を投与する薬剤プロトコルに関するプログラミング情報は、医療用ポンプ装置1のプログラミングを、容器4の識別マーク40から読み込まれたプログラミング情報に基づいて行うことができるように、容器4の識別マーク40から直接読み取ることもできる。この事例では、通信デバイス2から処方データセットが事前に送信される必要はないものとすることができる。
【0066】
これらの2つの手法は、組み合わせ可能でもあり、それにより、医療用ポンプ装置1のプログラミングを、通信デバイス2から受信された処方データセットに含まれるプログラミング情報に基づいて行うことができ、加えて、容器4の識別マーク40に符号化されるとともに、リーダーデバイス10によってスキャンされると識別マーク40から読み込まれるプログラミング情報に従って行うことができるようになっている。
【0067】
本発明の根底にある思想は、上記で記載された実施形態に限定されない。
【0068】
医療用ポンプ装置は、例えば、容量ポンプ装置又はシリンジポンプ装置によって、異なる方式で構成することができる。容量ポンプを用いることによって、医療用流体は、フレキシブルバッグ等の流体容器から送達される。シリンジポンプを用いて、医療用流体は、シリンジのバレルの形状の流体容器から送達される。
【0069】
特定の医療用流体に関するプログラミング情報を含む処方データセットを医療用ポンプ装置に事前に送信することによって、ユーザーインタラクションが最小になる注入ポンプの容易な自動プログラミングが可能になる。これは、特に在宅ケア環境において、プログラミングにおける誤差を低減し、それゆえ、投与動作を実行するための安全性を改善することに役立つ。
【符号の説明】
【0070】
1 医療用ポンプ装置
10 リーダーデバイス
100 ハウジング
11 プロセッサデバイス
12 記憶デバイス
13 圧送機構
2 通信デバイス
3 通信ネットワーク
4 流体容器
40 識別マーク(バーコード、RFIDタグ)
41 投与ライン
S1~S6 ステップ