(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】加圧されたセラミック構成体の接合および封止
(51)【国際特許分類】
C04B 37/00 20060101AFI20230922BHJP
G21C 3/10 20060101ALI20230922BHJP
G21C 21/02 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
C04B37/00 A
G21C3/10 200
G21C21/02 110
(21)【出願番号】P 2020522020
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(86)【国際出願番号】 US2018055704
(87)【国際公開番号】W WO2019089212
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-10-01
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591235304
【氏名又は名称】ゼネラル・アトミックス
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ATOMICS
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーダー,ジョナサン,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジーピン
(72)【発明者】
【氏名】デック,クリスチャン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】カリファ,ヘシャム,エザット
(72)【発明者】
【氏名】ステムケ,ロバート,ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】オースティン,ブライアン,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】バスデバマーシー,ゴクル
(72)【発明者】
【氏名】バカルスキ,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ソング,エリック
(72)【発明者】
【氏名】バック,クリスティーナ,アリッサ
【審査官】大西 美和
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-515094(JP,A)
【文献】国際公開第2016/084146(WO,A1)
【文献】特開2016-155751(JP,A)
【文献】実開昭62-071598(JP,U)
【文献】特表平04-505054(JP,A)
【文献】特開平06-160589(JP,A)
【文献】特開2012-233734(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0819797(KR,B1)
【文献】特表2016-531080(JP,A)
【文献】実公平06-022235(JP,Y2)
【文献】特開平08-129090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 3/10
G21C 3/18
C04B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック構造体とエンドプラグとを接合および封止する方法であって、
第1の封止材料を用いて、管状構造体を含むセラミック構造体と、エンドプラグの上面および底面を通過する孔を有し、前記エンドプラグは、前記エンドプラグの中心軸に沿って、徐々に先細りになるテーパ付きの第1のサブセクションを有し、前記管状構造体は、前記管状構造体の中心軸に沿って、徐々に先細りになるテーパ付きの第2の相応するサブセクションを有するように構成されて、前記管状構造体の内部に設置されている前記エンドプラグとの接合部を形成することと、
セラミック構造体とエンドプラグは、接合部によってのみ、接合されかつ密封されることと、
前記孔を通して前記管状構造体に所望のガス組成を充填することと、
熱源を用いて、第2の封止材料を局所的に溶融形態に加熱することと、
前記孔の中に前記第2の封止材料を導き、前記第2の封止材料が凝固して前記エンドプラグを封止することと、
を備え、
前記接合部を形成することは、
プレセラミックポリマーと複数の含有物とを含む前記第1の封止材料を、前記エンドプラグの前記第1のサブセクションと前記管状構造体の前記第2の相応するサブセクションとの間に適用されるように、前記セラミック構造体と前記エンドプラグとの間に塗布することと、
局所的に加熱して、前記第1の封止材料から固体セラミックを形成することと、
前記複数の含有物が結晶性マトリックスの内部に配置され、前記セラミック構造体および前記エンドプラグと同じセラミック多形体を備える前記結晶性マトリックスを形成するために前記固体セラミックを結晶化させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記含有物は、球体、薄片、ウィスカー、繊維、または前記セラミック多形体を備える不規則形状物を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の封止材料は、第1の温度で硬化し、前記第1の温度より高い第2の温度で熱分解して前記固体セラミックを形成し、前記固体セラミックは前記第2の温度より高い第3の温度で結晶化する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
局所的に加熱することによって、かつ、前記結晶性マトリックス上に、前記セラミック構造体および前記エンドプラグと同じセラミック多形体を備える実質的にガス不透過性の封止層を形成することによって、前記接合部を強化すること、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記接合部を前記強化することは、化学気相浸透(CVI)を用いて行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記結晶性マトリックスは、クラック、細孔、またはボイドをさらに備え、前記実質的にガス不透過性の封止層は、前記クラック、細孔、またはボイドを介して前記結晶性マトリックスの中に部分的にまたは全体的に浸透する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記溶融形態の前記第2の封止材料は、前記孔で流動しつつ凝固する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶融形態の前記第2の封止材料は、前記熱源が取り去られた後で凝固する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
接合された前記セラミック構造体と前記エンドプラグとを少なくとも摂氏1350度の温度で熱処理すること、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
セラミック構造体を接合および封止する方法であって、
第1の封止材料を用いて、セラミック構造体と、エンドプラグの中心軸に沿って、徐々に先細りになるテーパ付きの第1のサブセクションを有するように構成された、前記エンドプラグの上面および底面を通過する孔を含む本体および前記セラミック構造体の中心軸に沿って、徐々に先細りになるテーパ付きの第2の相応するサブセクションを有するように構成された、前記孔の中に位置決めされたピンを有する前記エンドプラグとの接合部を形成することと、
セラミック構造体とエンドプラグは、接合部によってのみ、接合されかつ密封されることと、
第2の封止材料を前記エンドプラグの前記孔の中に配置することと、
前記第1の封止材料を加熱するために、前記エンドプラグの近くの前記セラミック構造体の部分に局所的な熱を加えることと、
前記ピンに圧力を印加することにより、前記ピンが前記孔の中の前記加熱された第2の封止材料を押圧して、かつ、前記ピンと前記加熱された第2の封止材料が前記エンドプラグを封止するようにシールを形成することと、
を備え、
前記接合部を形成することは、
前記エンドプラグの前記第1のサブセクションと前記セラミック構造体の前記第2の相応するサブセクションとの間にプレセラミックポリマーと複数の含有物とを含む前記第1の封止材料を塗布することと、
局所的な加熱をし、前記第1の封止材料から固体セラミックを形成することと、
前記複数の含有物が結晶性マトリックスの内部に配置され、前記セラミック構造体および前記エンドプラグと同じセラミック多形体を備える前記結晶性マトリックスを形成するために前記固体セラミックを結晶化させることと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記含有物は、球体、薄片、ウィスカー、繊維、または前記セラミック多形体を備える不規則形状物を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記封止材料は、第1の温度で硬化し、前記第1の温度より高い第2の温度で熱分解して前記固体セラミックを形成し、前記固体セラミックは前記第2の温度より高い第3の温度で結晶化する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
局所的な加熱を用いることによって、かつ、前記結晶性マトリックス上に、前記セラミック構造体および前記エンドプラグと同じセラミック多形体を備える実質的にガス不透過性の封止層を形成することによって、
前記接合部を強化すること、をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記接合部を前記強化することは、化学気相浸透(CVI)を用いて行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記結晶性マトリックスは、クラック、細孔、またはボイドをさらに備え、前記実質的にガス不透過性の封止層は、前記クラック、細孔、またはボイドを介して前記結晶性マトリックスの中に部分的にまたは全体的に浸透する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記孔を通して前記セラミック構造体を所望のガス組成で充填すること、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
所望のガス組成の圧力を増加させることにより、前記ピンに前記圧力を印加する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
接合された前記セラミック構造体と前記エンドプラグとを少なくとも摂氏1350度の温度で熱処理すること、をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
セラミック構造体の端部を封止するためのデバイスであって、
第1のセラミック材料を含み、第1の開口部を有する第1の面と第2の開口部を有する第2の面を含む形状を有し、セラミック構造体の1つの開口端に嵌合してその開口端を封止する形状を有する第1のデバイス本体を備え、
前記第1の開口部と前記第2の開口部とは、前記第1のデバイス本体の中に、前記セラミック構造体の内部領域の中に通路を提供する中空空間を形成し、封止材料による充填で前記通路を封止可能にし、
前記デバイスは、前記第1のデバイス本体の前記通路の一部としての中空空間に嵌合し、かつ、局所的な加熱を用いて、前記通路を封止すべく、第2の封止材料がシールを形成するように、前記第2の封止材料を押圧する、セラミック材料を含むピンとしての形状を有する第2のデバイス本体を備える、デバイス。
【請求項20】
前記第1のデバイス本体は、前記第1のデバイス本体の中心軸に沿って、徐々に先細りになるサブセクションを含む、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記ピンはセラミック材料を含む、請求項19に記載のデバイス。
【請求項22】
核燃料棒であって、
第1のセラミック材料を含む管状構造体と、
第1の封止材料を用いて前記管状構造体の第1の端部に接合されている第1のエンドプラグと、
第1の開口部を有する第1の面と第2の開口部を有する第2の面とを含む形状を有する本体を備え、前記第1の開口部と前記第2の開口部とは前記本体の中に中空空間を形成し、局所的に加熱された前記第1の封止材料を用いて前記管状構造体の第2の端部に接合されている第2のエンドプラグと、
局所的な加熱プロセスを用いて、第2のエンドプラグを封止するように前記第2のエンドプラグの前記中空空間の内部に配置されている第2の封止材料と、前記第2のエンドプラグが前記中空空間
をデバイス本体
の通路の一部に位置決めされ、前記第2のエンドプラグを封止する第2の封止材料を押圧する形状にされた、シリコンカーバイド材料を含んだピン又はインサート、
前記管状構造体の内部に位置決めされている1つまたは複数の核燃料ペレットと、
を備える核燃料棒。
【請求項23】
前記第1のエンドプラグの第1の封止材料を局所的加熱で処理する、請求項22に記載の核燃料棒。
【請求項24】
前記第1のエンドプラグは、前記第1のエンドプラグの中心軸に沿って、徐々に先細りになるテーパ付き本体を有する、請求項22に記載の核燃料棒。
【請求項25】
前記第2のエンドプラグの前記本体は、前記第2のエンドプラグの中心軸に沿って、徐々に先細りになる部分を含む、請求項22に記載の核燃料棒。
【請求項26】
前記第2のエンドプラグは、デバイス本体の通路の一部としての前記中空空間に嵌合し、前記第2の封止材料を押圧して前記第2のエンドプラグを封止する形状を有するピンまたはインサートを含む、請求項22に記載の核燃料棒。
【請求項27】
前記ピンまたは前記インサートは炭化ケイ素材料を含む、請求項26に記載の核燃料棒。
【請求項28】
エンドプラグによってセラミック構造体を封止するためのインサートであって、
第1の開口部を有する第1の面と、第2の開口部を有する第2の面と、前記第1の面と前記第2の面とを接続する側壁とを含み、前記セラミック構造体の1つの開口端と前記エンドプラグとの間に嵌合し、前記エンドプラグによって前記開口端を封止する形状を有する本体を備え、
前記第1の開口部と前記第2の開口部とは、前記本体の中に中空空間を形成し、前記エンドプラグの前記インサートへの連結を可能にするインサート。
【請求項29】
前記第1の面から延び、前記側壁から突出している隆起部をさらに備える、請求項28に記載のインサート。
【請求項30】
前記インサートは遷移金属から作られている、請求項28に記載のインサート。
【請求項31】
前記遷移金属はモリブデンである、請求項30に記載のインサート。
【請求項32】
エンドプラグとインサートとによってセラミック構造体を封止または接合する方法であって、
アセンブリを形成するために前記セラミック構造体と前記エンドプラグとの間に前記インサートを配置することと、
前記アセンブリを不活性ガス組成中に位置決めすることと、
前記アセンブリを第1の温度および第1の圧力の下で局所的に加熱することと、
界面残留応力を除去するために前記アセンブリをある継続時間の間アニールすることと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張および関連する特許出願
本特許文書は、2017年10月19日付提出で同一の発明の名称の米国仮特許出願第62/574、721の利益および優先権を主張する。
【0002】
本特許文書は、原子炉で使用するための核燃料物質を保持するためのケーシング、格納またはクラッド構造に関連する、あるいは、熱交換器、またはノーズコーンもしくはノズルに関連し、または流路インサートに関連する、システム、構造体、装置、および製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
原子炉においては、核反応のための燃料として核分裂性物質を使用して発電する場合が多い。その燃料は、通例、核反応の高い運転温度に耐え、強烈な中性子放射線環境の中で構造健全性を維持する燃料棒等の堅牢な容器に保持される。燃料構造体は、炉心内部で十分な期間(例えば、数年間)にわたってその形状と構造健全性を維持することによって、核分裂生成物の原子炉冷却材の中への漏出を防止することが好ましい。熱交換器、ノズル、ノーズコーン、流路インサート、または関連部品等のその他の構造体も、高温特性、耐腐食性、および高い寸法精度が重要である特定の、非平面形状が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本特許文書は、原子炉環境並びに高温環境および/または高腐食性環境に耐えることができる材料を必要とするその他の用途における使用に適したセラミックマトリックス複合材のためのシステム、構造体、装置、および製造プロセスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な一態様では、セラミック構造体とエンドプラグとを接合および封止する方法が開示されている。前記方法は、封止材料を用いて、エンドプラグの管状構造体を含むセラミック構造体と、上面および底面を通過する孔を含むように構成され、前記管状構造体の内部に設置されているエンドプラグとの接合部を形成することと、前記孔を通して前記セラミック構造体に所望のガス組成を充填することと、熱源を用いて、材料を溶融形態に加熱することと、前記孔の中に前記材料を導き、前記材料が凝固して前記エンドプラグを封止することとを備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記接合部を前記形成することは、プレセラミックポリマーと複数の含有物とを含む前記封止材料を、前記セラミック構造体と前記エンドプラグとの間に塗布することと、前記封止材料から固体セラミックを形成することと、前記複数の含有物が結晶性マトリックスの内部に配置され、前記セラミック構造体および前記エンドプラグと同じセラミック多形体を備える前記結晶性マトリックスを形成するために前記固体セラミックを結晶化させることとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記含有物は、球体、薄片、ウィスカー、繊維、または前記セラミック多形体を備える不規則形状物を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記封止材料は、第1の温度で硬化し、前記第1の温度より高い第2の温度で熱分解して前記固体セラミックを形成することができ、前記固体セラミックは前記第2の温度より高い第3の温度で結晶化する。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記セラミック構造体の内部に低圧を生成することと、前記所望のガス組成を前記充填することの前に、前記結晶性マトリックスに対して、前記セラミック構造体および前記エンドプラグと同じセラミック多形体を備える実質的にガス不透過性の封止層を塗布することによって、前記低圧下で前記接合部を強化すること、をさらに備えることによって実現できる。前記接合部を前記強化することは、化学気相浸透(CVI)を用いて行うことができる。いくつかの実施形態では、前記低圧は、前記セラミック構造体から相当量のガスを取り去ることによって生成可能である。前記結晶性マトリックスは、クラック、細孔、またはボイドをさらに備えてもよく、前記実質的にガス不透過性の封止層は、前記クラック、細孔、またはボイドを介して前記結晶性マトリックスの中に部分的にまたは全体的に浸透してもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記所望のガス組成はヘリウムガスを含む。いくつかの実施形態では、前記溶融された材料は高い溶融温度を有してもよい。たとえば、前記溶融された材料は、酸化物、シリコン、または遷移金属を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記管状構造体の中に低圧を生成することと、前記所望のガス組成を前記充填することの前に、前記低圧の下で前記接合部を強化することとをさらに備える。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記封止材料を前記エンドプラグの外表面に塗布することと、前記エンドプラグを第2の低圧力の下で強化することとをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、前記強化することは、化学気相堆積(CVD)を用いて行うことができる。いくつかの実施形態では、前記溶融形態の前記材料は前記孔で流動しつつ凝固する。いくつかの実施形態では、前記溶融形態の前記材料は、前記熱源が取り去られた後で凝固する。いくつかの実施形態では、前記接合されたセラミック構造体と前記エンドプラグとを少なくとも摂氏1350度の温度で熱処理すること、をさらに備える。
【0011】
他の実施形態では、セラミック構造体を接合および封止する方法が開示されている。前記方法は、封止材料を用いて、セラミック構造体と、エンドプラグの上面および底面を通過する孔を含む本体および前記孔の中に位置決めされたピンを有する前記エンドプラグとの接合部を形成することと、材料を前記エンドプラグの前記孔の中に配置することと、前記材料を加熱するために、前記エンドプラグの近くの前記セラミック構造体の部分に熱を加えることと、前記本体または前記ピンに圧力を印加し、前記ピンが前記孔の中の前記加熱された材料を押圧して前記エンドプラグを封止することとを備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記接合部を前記形成することは、前記セラミック構造体と前記エンドプラグとの間にプレセラミックポリマーと複数の含有物とを含む前記封止材料を塗布することと、前記封止材料から固体セラミックを形成することと、前記複数の含有物が結晶性マトリックスの内部に配置され、前記セラミック構造体および前記エンドプラグと同じセラミック多形体を備える前記結晶性マトリックスを形成するために前記固体セラミックを結晶化させることとをも含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記含有物は、球体、薄片、ウィスカー、繊維、または前記セラミック多形体を備える不規則形状物を含む。いくつかの実施形態では、前記封止材料は、第1の温度で硬化し、前記第1の温度より高い第2の温度で熱分解して前記固体セラミックを形成し、前記固体セラミックは前記第2の温度より高い第3の温度で結晶化する。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記結晶性マトリックス上に、前記セラミック構造体および前記エンドプラグと同じセラミック多形体を備える実質的にガス不透過性の封止層を形成することによって、前記低圧下で前記接合部を強化すること、をさらに備える。前記接合部を前記強化することは、化学気相浸透(CVI)を用いて行ってもよい。前記結晶性マトリックスは、クラック、細孔、またはボイドをさらに備えてもよく、前記実質的にガス不透過性の封止層は、前記クラック、細孔、またはボイドを介して前記結晶性マトリックスの中に部分的にまたは全体的に浸透してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記孔を通して前記セラミック構造体を所望のガス組成で充填すること、をもさらに含む。いくつかの実施形態では、前記所望のガス組成の圧力を増加させることにより、前記ピンに前記圧力を印加することができる。
【0016】
他の実施形態では、セラミック構造体の端部を封止するためのデバイスが開示されている。前記デバイスは、セラミック材料を含み、第1の開口部を有する第1の面と第2の開口部を有する第2の面を含む形状を有するデバイス本体を含む。前記第1の開口部と前記第2の開口部とは、前記装置本体の中に中空空間を形成し、そして前記第1の開口部と前記第2の開口部とは、前記装置本体の中に前記セラミック構造体の内部領域の中に通路を提供する中空空間を形成し、封止材料による充填で前記通路を封止可能としている。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記第1の開口部の直径および前記第2の開口部の直径は、実質的に同じである。いくつかの実施形態では、前記セラミック材料は炭化ケイ素(SiC)を含む。いくつかの実施形態では、前記デバイス本体は、前記デバイスの中心軸に沿ったテーパ付きサブセクションを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記デバイス本体の通路の一部としての前記中空空間に嵌合して、前記封止材料を押圧して前記通路を封止する形状を有するピンをさらに備える。いくつかの実施形態では、前記ピンはセラミック材料を含む。
【0019】
他の実施形態では、核燃料棒が開示されている。前記核燃料棒は、第1のセラミック材料を含む管状構造体と、第1の封止材料を用いて前記管状構造体の第1の端部に接合されている第1のプラグと、第1の開口部を有する第1の面と第2の開口部を有する第2の面とを含む形状を有する本体を備え、前記第1の開口部と前記第2の開口部とは前記本体の中に中空空間を形成し、前記第1の封止材料を用いて前記管状構造体の第2の端部に接合されている第2のプラグと、第2のプラグを封止するように前記第2のプラグの前記中空空間の内部に配置されている第2の封止材料と、前記管状構造体の内部に位置決めされている1つまたは複数の核燃料ペレットと、を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記セラミック材料は炭化ケイ素(SiC)を含む。前記第1の封止材料はプレセラミックポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、前記プレセラミックポリマーは複数の含有物を含む。例えば、前記プレセラミックポリマーはポリカルボシランであり、前記含有物は炭化ケイ素粉末の形態を有する。いくつかの実施形態では、前記第1のプラグはテーパ付き本体を有する。前記第1のプラグは炭化ケイ素材料を含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記第2のプラグの前記本体は、前記第2のプラグの中心軸に沿ったテーパ付きの部分を含む。前記第2のプラグは炭化ケイ素材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記第2のプラグは、前記デバイス本体の通路の一部としての前記中空空間に嵌合し、前記第2の封止材料を押圧して前記第2のプラグを封止する形状を有するピンまたはインサートを含む。前記ピンまたは前記インサートは炭化ケイ素材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記第2の封止材料は、酸化物、シリコン、または遷移金属を含む。
【0022】
他の実施形態では、セラミック構造体を封止するための装置が開示されている。前記装置は、前記セラミック構造体を保持するためのチャンバと、ガス組成を前記チャンバにまたはチャンバから導くために、前記チャンバに連結されているガス注入口と、前記チャンバの外側に配置されて、前記チャンバの内部に保持された前記セラミック構造体の部分の温度を上昇させるために、誘導加熱を引き起こすことができる複数のコイルと、を備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記チャンバは石英から作られている。いくつかの実施形態では、前記チャンバは一様な断面を有することができる。いくつかの実施形態では、前記チャンバは、第1の端部に小さい断面および第2の端部に大きい断面を有する。例えば、前記第1の端部の直径は約70mmである。他の例では、前記第2の端部の直径は約110mmである。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記ガス組成はヘリウムまたはアルゴンを含む。いくつかの実施形態では、前記コイルは無線周波数(RF)コイルである。いくつかの実施形態では、前記装置は、高い動作温度に対して堅牢な外部チャンバとフランジとをさらに備える。前記外部チャンバの高さは約540mmにすることができる。
【0025】
セラミック構造体を封止する方法が開示されている。前記方法は、前記セラミック構造体を封止装置のチャンバの中に位置決めすることと、封止材料が前記セラミック構造体とプラグとの間に位置決めされ、前記セラミック構造体の端部に前記プラグを配置することと、サセプタブロックを前記プラグに隣接して配置することと、前記セラミック構造体の前記端部と前記サセプタブロックを高温に加熱し、前記プラグと、前記セラミック構造体の前記端部の、前記プラグと接触している前記セラミック構造体の部分とを接合することによって、し、前記セラミック構造体の前記端部を封止するために、前記チャンバの外側に配置されている複数の誘導コイルを変動電流により駆動することとを備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記封止は、化学気相浸透(CVI)により得られる。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記封止が得られた後、前記サセプタブロックの部分を除去すること、をさらに備える。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記プラグと前記サセプタブロックとの間にシリコンの層を配置すること、をさらに備える。前記封止は液体シリコン流プロセスによって得ることができる。前記シリコンの層は、高温で溶融し、前記サセプタブロックと反応するように構成することができる。いくつかの実施形態では、前記セラミック構造体の前記端部を加熱する前に前記セラミック構造体の中にガス組成を導くこと、をさらに備える。
【0027】
さらに他の実施形態において、セラミック構造体を封止するシステムが開示され、前記システムは、ガス組成を供給するガス貯蔵部と、セラミック構造体を封止するための装置であって、前記セラミック構造体を保持するためのチャンバと、前記ガス組成を前記チャンバに導くための、前記チャンバに連結されているガス注入口と、前記チャンバの内部に保持される前記セラミック構造体の部分の温度を上昇させるために誘導加熱することが可能で、前記チャンバの外側に配置されている複数のコイルと、を備える装置と、前記装置の1つまたは複数の温度を監視するための1つまたは複数の温度モニタと、前記装置の圧力を制御するための1つまたは複数の圧力レギュレータと、を備える。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記1つまたは複数の温度モニタは、前記セラミック構造体の温度を監視するための熱電対を含む。いくつかの実施形態では、前記1つまたは複数の温度モニタは、前記セラミック構造体の前記部分の温度を監視するためのパイロメータを含む。前記1つまたは複数の温度モニタは、前記チャンバの温度を報告するための温度モニタをさらに含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記1つまたは複数の圧力レギュレータは背圧レギュレータを含む。いくつかの実施形態では、前記装置から排出される排出ガスをろ過するためのフィルタをさらに備える。いくつかの実施形態では、前記フィルタを通過する前の排出ガスの圧力を監視するためのフィルタ前ガス圧力モニタをさらに備える。前記システムは、前記フィルタを通過した後の排出ガスの圧力を監視するためのフィルタ後ガス圧力モニタをさらに備えてもよい。
【0030】
例示的な一態様では、エンドプラグによってセラミック構造体を封止するためのデバイスが開示されている。前記デバイスは、第1の開口部を有する第1の面と、第2の開口部を有する第2の面と、前記第1の面と前記第2の面とを接続する側壁とを含み、前記セラミック構造体の1つの開口端と前記エンドプラグとの間に嵌合し、前記エンドプラグによって前記開口端を封止する形状を有する本体を備える。前記第1の開口部と前記第2の開口部とは、前記本体の中に中空空間を形成し、前記エンドプラグが前記デバイスに連結されていることを可能にする。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記インサートは、前記第1の面から延び、前記側壁から突出している隆起部をも備える。いくつかの実施形態では、前記インサートは遷移金属から作られている。前記遷移金属はモリブデンであってもよい。
【0032】
他の例示的な一態様では、エンドプラグによってセラミック構造体を封止または接合するためのインサートを製造する方法が開示されている。前記方法は、前記セラミック構造体の1つの開口端と前記エンドプラグとの間に嵌合し、前記エンドプラグによって前記開口端を封止する形状を有する本体を含む部品を製造することを含む。前記本体は、第1の開口部を有する第1の面と、第2の開口部を有する第2の面と、前記第1の面と前記第2の面とを接続する側壁とを含む。前記第1の開口部と前記第2の開口部とは、前記本体の中に中空空間を形成し、前記エンドプラグへの連結を可能にする。前記方法は、前記製造された部品を洗浄することと、表面欠陥を低減するために前記洗浄された部品を研磨することと、をも含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記洗浄することは超音波浴を用いて行われる。いくつかの実施形態では、前記洗浄された部品を前記研磨することは、酸浴中で前記洗浄された部品を電気研磨すること、を含む。
【0034】
さらに他の実施形態において、エンドプラグとインサートとによってセラミック構造体を封止または接合する方法が開示されている。前記方法は、アセンブリを形成するために前記セラミック構造体と前記エンドプラグとの間に前記インサートを配置することと、前記アセンブリを不活性ガス組成中に位置決めすることと、前記アセンブリを第1の温度および第1の圧力の下で加熱することと、界面残留応力を除去するために前記アセンブリをある継続時間の間アニールすることと、を備える。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記不活性ガス組成はヘリウムである。いくつかの実施形態では、前記第1の温度は摂氏1500度を超える。前記継続時間は2時間から4時間の間にすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記アセンブリを前記加熱することは、前記アセンブリに対して前記第1の圧力を生成するために力を加えることと、前記第1の温度と前記第1の圧力の下で前記アセンブリをホットプレスすることと、を含む。前記力は0.5kNから5kNまでの間であってもよい。
【0037】
上記およびその他の態様並びにその実装例については、図面、説明および請求項においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図2A】原子炉のためのSiC構造体の第1の端部を封止する例示的な概略図を示す。
【
図2B】2つのアーティクルを封止するための方法のフローチャートである。
【
図3A】充填孔を有するエンドプラグの例示的な概略図を示す。
【
図3B】充填孔を有する他のエンドプラグの別の例示的な概略図を示す。
【
図3C】充填孔を有する他のエンドプラグの別の例示的な概略図を示す。
【
図4B】X線断層撮影法(XCT)によって得られたエンドプラグの部分的充填孔を示す例示的な断面図を示す。
【
図5】SiC被覆材の第2の端部を別のエンドプラグを用いて封止する多工程手法についての例示的な概略図を示す。
【
図6】充填孔を封止するための例示的な構成を示す。
【
図7A】ピンを有する充填孔を封止するための例示的な構成を示す。
【
図7B】ピンを有する充填孔を封止するための別の例示的な構成を示す。
【
図7C】ピンを有する充填孔を封止するための別の例示的な構成を示す。
【
図7D】ピンを有する充填孔を封止するためのさらに別の例示的な構成を示す。
【
図8】セラミック構造体を接合し、封止する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図9】セラミック構造体を接合し、封止する別の例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図12】
図12Aはエンドプラグとともに、クラッド構造体の中に設置された例示的なインサートの側面図を示す。
図12Bはエンドプラグとともに、クラッド構造体の中に設置された例示的なインサートの斜視図を示す。
【
図13】
図13Aはエンドプラグとともに、クラッド構造体の中に設置された別の例示的なインサートの側面図を示す。
図13Bはエンドプラグとともに、クラッド構造体の中に設置された別の例示的なインサートの斜視図を示す。
【
図14】アニーリングプロセス後のインサートおよびSiCプラグの例示的なマクロおよびミクロ構造を示す。
【
図15】エンドプラグによってセラミック構造体を封止するためのインサートを製造する方法についての例示的なフローチャートを示す。
【
図16】エンドプラグとインサートとによってセラミック構造体を封止または接合する方法についての例示的なフローチャートを示す。
【
図17】本技術の1つまたは複数の実施形態に従うプロセスを用いて、セラミック構造体の両端部を接合し、封止した後の例示的な燃料棒を示す。
【
図18】セラミック部品を接合し、封止するためのいくつかの接合プロセスに対して使用することができる炉の例示的な概略図を示す。
【
図19】インナースリーブ、細い管状部分、およびコイルの例示的な概略図を示す。
【
図20】インナースリーブ、細い管状部分、およびコイルの別の例示的な概略図を示す。
【
図21】化学気相浸透(CVI)プロセスのための炉システムの例示的な構成を示す。
【
図22】液体シリコン流プロセスのための炉システムの例示的な構成を示す。
【
図23】炉システムに対する監視機構の例示的な概略図を示す。
【
図24】炉システムに対する排気監視機構の別の例示的な概略図を示す。
【
図25】SiC被覆材の端部を封止する方法についての例示的なフローチャートを示す。実施の形態
【発明を実施するための形態】
【0039】
原子炉で使用される核燃料は、通例、高い運転温度および強烈な中性子放射線環境に耐えることができる燃料棒に保持される。燃料構造体は、炉心の内部で長期間にわたってその形状と構造健全性とを維持する必要があり、それによって、核分裂生成物が原子炉の原子炉冷却材の中に漏出することを防止する。
図1Aは、原子炉で使用される一束の燃料棒101で形成される核燃料棒集合体100の例を示す。各棒は、中空の内部を有し、ウラニウム含有ペレット等の核燃料ペレット103を包含し、スペーサグリッド105は集合体の棒を保持するために使用される。原子炉は、原子炉が運転されるとき、発電のために十分な核燃料を供給する核燃料棒集合体を保持するように設計されている。様々な燃料棒が実装されてもよい。例えば、原子炉によっては、ジルコニウム被覆材が使用される。本文書の燃料棒には、性能改善のために、炭化ケイ素セラミックマトリックス複合材(CMCs)が使用される。
【0040】
炭化ケイ素(SiC)は、その高温強度および化学的不活性により、原子力用途に使用することができる。SiC繊維は、高純度のSiCマトリックス(SiC/SiC)にセラミックマトリックス複合材(CMCs)を構成するために使用して、破壊靭性を向上させることができ、また、高度な高温核分裂炉に対する被覆材料および核融合炉の第1の壁材料として使用することができる。SiC/SiC複合材料は、軽水炉(LWRs)等の様々な原子炉用の被覆材として、原子炉の安全性を高めるために設計することもでき、事故状況時、高温蒸気の酸化反応速度は、ジルコニウム合金に対して数桁優れている。
【0041】
SiC複合材料は、熱交換器等の様々な高温用途にも使用され、アルミニウムリサイクル、合成ガス製造、またはガス化複合サイクル発電所からの高温排熱を回収することができる。
図1Bは、様々な用途に使用される対向流型熱交換器構成の熱交換器の例を示す。本例において、1つまたは複数の高温流体チャネルを設けて、高温流体を熱交換器の左から熱伝導高温流体管の中に導き、熱交換器を通過させて右側から出して、熱交換器内部で高温流体の熱を放出させ、一方で、低温流体を、通例、熱伝導高温流体管の中の高温流体とは反対方向に熱交換器の中に導き、高温流体によって放出された熱の一部を吸収させ、次に、昇温された状態で熱交換器から出す。本例における低温および高温の流体(例えば、気体流または液体流)は、熱交換器に対して熱接触するが、別々にリサイクルされて、高温流体の熱エネルギは、所望の利用のために低温流体に移動される。SiC複合材料は、高温に適合するとともに良好な耐腐食性を発揮し、対向流型およびその他の様々な熱交換器に使用され、原油がナフテン酸、硫黄、二酸化炭素、および硫化水素で汚染されていることが多いために増大している腐食問題に効果的に対処することができる。
【0042】
航空宇宙分野においても、SiC複合材料の高温強度に対して理想的に合致する多種多様な用途―ノーズコーン、シュラウド、エアフォイル、タービン翼、およびその他のジェットエンジン構成部品―がある。全ての場合において、網形状部品に近いセラミックマトリックス複合材を生成するために、繊維プリフォームの形状は、製造プロセス中維持されなければならない。
【0043】
様々な用途向けのSiC複合材料の製造には、通例、いくつかの工程が含まれる。第1に、SiC複合材料構造体は、封止される、SiC複合材料構造を通る内部中空通路を有して製造される。SiC複合材料構造体は、側壁と側壁により囲まれる内部中空通路とを有する、管状または非管状の形状を有してもよい。第2に、SiC構造体の第1の端部は、第1のSiCエンドプラグに接合され、封止される。第1の部材(例えば、SiC複合材料構造体)と第2の部材(例えば、SiCエンドプラグ)との間の接合部は、第1の部材と第2の部材との間に延びるセラミック多形体を備えるマトリックスを含んでもよい。セラミック多形体を含む複数の含有物がマトリックス全体にわたって分散していてもよい。実施形態によっては、セラミック多形体を含む封止層が、第1の部材(例えば、SiC複合材料構造体)と、第2の部材(例えば、SiCエンドプラグ)と、マトリックスとの接合面に塗布されてもよい。封止層は、マトリックスの中に部分的に伸張してもよい。マトリックス、複数の含有物、および封止層は、それぞれ、同じセラミック多形体を含んでもよい。
【0044】
図2Aは、SiC管の形状のSiC構造体の第1の端部を封止するためのプロセスの例示的な概略図を示す。この特定の例において、第1の開口端201はテーパ付きの開口部を有し、開口部寸法は、開口部の最も外側の部分からSiC管205の内部に向けて徐々に減少する。封止用エンドプラグ203は、SiC管205の第1の開口端201のテーパ付きの形状に適合するような形状と寸法とを有するように設計されている。例えば、SiC管205は、円形管または正方形等の別の幾何学的形状の管であってもよい。円形のSiC管205に関して、
図2Aの特定の例の第1の開口端201は、端部に大きな開口部を有し、SiC管205の内側に向けて徐々に減少するテーパ付きの管状の開口部である。封止用エンドプラグ203は、テーパ付きの管状の外側形状を有し、第1の開口端201のテーパ付きの管状の開口部の内側に嵌合し、その間に封止材料を収容するためのいくらかの空間を設けるためのいくらかの小さな隙間を有する。
【0045】
エンドプラグ203とSiC管205の開口端との間の傾斜境界面に充填するためにプレセラミックポリマー等の封止材料202が塗布されて第1の接合部が形成され、気密封止が形成される。
図2Bは、そのような封止材料を用いて2つの部材(例えば、SiC構造体205の第1の端部およびエンドプラグ203)を封止するための方法220のフローチャートである。方法220は222において、所望の含有物を有するプレセラミックポリマーのスラリーを調製することを含む。含有物がない場合、スラリーは、さもなければ、接合部の形成時、多数のクラックとボイドを形成する恐れがある。含有物は、少なくともかなりのそのようなクラックおよびボイドの発生をふさぎおよび/または防止することが可能であるので、接合部の全体的な密度を増大させ、接合部の強度と耐久性とを向上する。含有物には、球体、薄片、ウィスカー、繊維、および/またはナノメートルからミリメートルまでの範囲の直径および/または長さを有する部材(例えば、β‐SiC)の材料の不規則形状物が含まれていてもよい。実施形態によっては、高アスペクト比の(例えば、1:2以上、または1:5以上、または1:10以上のアスペクト比を有する)含有物は、接合部の機械的強度および堅牢性を向上するために特に有用であると考えられる。例えば、ウィスカー形状の含有物を有するマトリックスは、より小さく、丸いボイドを有する可能性があるので、より均質である。実施形態によっては、プレセラミックポリマーは、ポリカルボシラン(PCS)で、常温で粘性液体であり、含有物は、1つの例では、機械的混合および超音波処理を介して液体と混合されるSiC粉末である、粉末の形態をしている。
【0046】
方法220は、次に、224で、2つの部材にスラリーを塗布することを含む。ここで、2つの部材は、SiC管205および封止用プラグ203である。実施形態によっては、2つの部材は、実質的に同様な組成を有する。セラミック多形体は、例えば、β‐SiCであってもよい。実施形態によっては、前に説明したマトリックス、複数の含有物、および封止層は、99.0重量%を超えるβ‐SiC、または99.7重量%さえも超えるβ‐SiCから構成されてもよい。
【0047】
方法200は、226で、スラリーを硬化させることと、228で、スラリーから含有物を有する個体セラミックを形成することとを含む。実施形態によっては、塗布されたスラリーは熱分解されて個体セラミックを形成してもよい。使用される特定のプレセラミックポリマーに依存して、そのような熱分解は1つまたは複数の中間工程を含んでもよい。次に、個体セラミックは、230で、所望の結晶構造体に変換される。
【0048】
図2Cは、方法220の工程222、226、および228の間の中間構造体の概略図を示す。セラミックポリマーは、以下のプロセスによって、セラミック多形体に変換される。すなわち、(a)モノマーが比較的低い温度(例えば、摂氏100度)で重合し、(b)ポリマーが高温(例えば、摂氏200‐400度)で架橋し、そして(c)ポリマーがより高温(例えば、摂氏600‐850度)で熱分解してアモルファスセラミックの形成をもたらす。次に、アモルファスセラミックは、さらに高温(例えば、摂氏1100度を超える高温)で結晶性セラミックに変換される。実施例において、所望のセラミックの多形体を生成するために温度を選択してもよい。
【0049】
方法200は、232で、所望の材料で接合部を補強することも含む。
図2Dに示すように、実施形態によっては、接合部を補強し、封止するために、スラリーが完全に所望のセラミック多形体、例えば、β‐SiCに変換された後、化学気相浸透(CVI)の工程を実行して、封止層を形成してもよい。実際、スラリー由来のマトリックスの中の全ての残留開放気孔は、接合部の中へのCVI反応物のための反応物流路として使用してもよく、それによって封止層をマトリックスの中に部分的または完全に伸張させる。ヘリウムや核分裂生成物を保持する能力として接合部が構造上健全で実質的に不浸透性であることが必要であるので、このような工程は、原子炉級接合部に対して重要であると考えられる。実施形態によっては、化学気相堆積(CVD)の工程もさらに使用して接合部を実質的に不浸透性にしてもよい。
【0050】
第1の接合部を封止するには、例えば、General Atomics社に許可された米国特許第9、132、619B2号「セラミック部材間の高耐久性接合およびそれを作製し、使用する方法」において開示された技法と材料を含め、様々な方法で実施してもよい。米国特許第9、132、619B2号の全て開示は、本特許文書の一環として参照することにより織り込まれている。
【0051】
第1の端部に第1の接合部が形成された後、SiC管205を、管205の反対側端部の第2の開口部を介して、核ペレットおよび保持ばね、または熱交換器構成部品等の材料と一緒に搭載してもよい。次に、SiC管205の第2の端部は、同様な方法で第2のSiCエンドプラグによって接合および封止され、封止材料202を用いて第2の気密接合部および封止部が形成される。
【0052】
SiC構造体用の第2の接合部を生成するための課題がいくつか残っている。第1に、原子力分野における用途に関して、核ペレットおよび保持ばね等の構成部品は、第2の端部が封止される前に被覆材の内部に設置されている。第2の端部の封止においてクラッド構造全体を加熱する必要がある場合、これらの構成部品は高い動作温度に耐えることができないかもしれない。第2に、被覆内部の隙間をヘリウムガスまたはその他のガス組成で充填し、核燃料と被覆材との間のより良い熱的接触を可能にすることが通例である。従って、被覆材の中の上昇した内圧を維持しながら、封止および接合方法により被覆材を気密に封止することが望ましい。
【0053】
前に述べたように、セラミック部品を接合するために、ろう付け、プレセラミックポリマー、ガラス、およびCVIおよび/またはCVDを用いて沈着したセラミックスを含め、いくつかの方法を用いることが可能である。しかしながら、それらの方法を用いて内部加圧を維持する気密封止を生成することは困難な場合がある。耐腐食性、耐温度性、または耐照射性等の、SiCセラミック材料と同じ利点を提供することができる封止境界面を生成することは困難である。本特許文書では、これらの利点の組み合わせを示す接合部を生成し、気密弾性接合部を形成可能な多工程接合プロセスを説明する。
【0054】
セラミック構造体の中の上昇した内圧を維持するための機構の一部として、充填孔を有するセラミックエンドプラグを、クラッド構造体の第2の端部を封止するために使用することが可能である。
図3Aは、そのようなセラミックエンドプラグ301の例を示す。エンドプラグ301は、ガス組成がエンドプラグ301を通過することを可能にする小径の充填孔303を有する。エンドプラグ301は、SiC複合材料構造体と同じ材料で作製することができる。第1の開口部309を有する上面305と第2の開口部302を有する底面307とを含む形状を有する。第1の開口部309および第2の開口部302は充填孔303を形成する。第1の開口部309と第2の開口部302とが実質的に同じ形状を有して、充填孔303が一様な断面を有してもよい。実施形態によっては、第2の開口部302は第1の開口部309より小さく、テーパ付き充填孔303を形成する。実施形態によっては、エンドプラグ301の本体もテーパ付きにされ、エンドプラグ301とSiC構造体205の開口端との間の傾斜境界面を可能にする。
【0055】
本充填孔303によって、2つの工程で封止が行われる。最初に、エンドプラグ301は、
図2に示すようなSiC構造体205等のSiC複合材料構造体の開口端の中に挿入され、封止材料202がエンドプラグ301とSiC構造体205との間の境界面を封止するために使用される。充填孔303の存在によって、SiC構造体205の内部と外部との間にガス導管が設けられ、ガスシステムをSiC構造体205に連結することができる。充填孔303は、高溶融温度材料を塗布して充填孔303に流し込み、充填孔303の中で再凝固させることにより封止することができる。このような構成により、エンドプラグ301がクラッド構造上に設置された後、それが完全に封止される前に被覆材の内圧を調整することが可能になる。実施形態によっては、封止プロセスには、封止をさらに強化するために、接合されたセラミック構造体とエンドプラグとを少なくとも摂氏1350度の温度で処理することも含まれる。
【0056】
図3Bおよび
図3Cは、いくつかの充填孔を有するエンドプラグの概略図を示す。
図3Bは、他のセラミックエンドプラグ311の概略図を示す。エンドプラグ311は、幅広の本体313につながる管状の首部312を有する。実施形態によっては、本体313は、2つの部分―上部314および下部315-を有する。部分のそれぞれは、テーパ付きの形状を有し、2つの部分が一緒になって鏡面錐台を形成する。錐台形状により、エンドプラグ311とSiC被覆材205の開口端との間の傾斜境界面を可能にする。エンドプラグ311は、管状の首部312の上部にある第1の開口部316および本体313の下部315の底部にある第2の開口部317も含む。第1の開口部と第2の開口部とは充填孔318を形成する。第1の開口部316と第2の開口部317とが実質的に同じ形状を有して充填孔318が一様な断面を有してもよい。実施形態によっては、第2の開口部317は第1の開口部316より小さく、テーパ付き充填孔318を形成する。この例では、付加的なSiCピン319が充填孔318の中に設置され、封止プロセスが促進されるが、これについては
図7A乃至7Dに関連して説明する。
【0057】
図3Cは、他のセラミックエンドプラグ321の概略図を示す。エンドプラグ321は、幅広本体323につながる管状の首部322を有する。実施形態によっては、本体323は、2つの部分―上部324および下部325-も有する。この例では、上部324は、テーパ付きの形状を有し、一方下部325は一様な断面を有する。エンドプラグ321は、管状の首部322の上部にある第1の開口部326および本体323の下部325の底部にある第2の開口部327も含む。第1の開口部と第2の開口部とは充填孔328を形成する。第1の開口部326と第2の開口部327とが実質的に同じ形状を有して充填孔328が一様な断面を有してもよい。実施形態によっては、第2の開口部327は第1の開口部326より小さく、テーパ付き充填孔328を形成する。この例では、付加的なSiCピン329が充填孔328の中に設置され、封止プロセスが促進されるが、これについては
図7A乃至7Dに関連して説明する。上記の例において、エンドプラグはSiC管に連結されているが、エンドプラグは、同様に、様々な高温用途に適した他の種類のSiC複合材料構造体に連結されてもよい。
【0058】
図4Aは、例示的な充填孔を示す。充填孔401は、エンドプラグ403からレーザ穴あけ加工または放電加工(EDM)を用いて形成することができる。充填孔401は、エンドプラグ403をホットプレスすることにより一体的に形成してもよく、充填孔の形状は、いかなる余分な機械加工も無くエンドプラグに織り込まれる。充填孔の大きさは、封止材料の特性(例えば、粘度)と動作温度とに依存する。実施形態によっては、孔の直径は、1mmから2mmの範囲になる。充填孔401は、例えば、
図3および
図4Aに示されるように、実質的に一様な断面を有してもよい。代わりに、充填孔401は、再凝固プロセスのより良い制御を可能にするために充填孔401がエンドプラグ403の中で深くなるほど狭くなるテーパ付き断面を有してもよい。
図4Bは、X線断層撮影法(XCT)を用いることにより得られたエンドプラグ407の部分穴405の例示的な断面画像を示す。
【0059】
図5は、
図3の充填孔を有するエンドプラグを用いて、SiC複合材料構造体の第2の端部を封止する多工程手法の例示的な概略図を示す。本手法では、一連の工程を利用して、セラミック被覆材205等の複合材料構造体と、充填孔303を含む第2のセラミックエンドプラグ301とを接合し、封止する。セラミック被覆管205は、2つの対向する開口部を有し、第1の開口端は、
図2で示すように、第1のセラミックエンドプラグ203によって封止される。
図5は、
図3の充填孔を有するエンドプラグを用いて第2の開口端を封止する工程を示す。第1の工程501において、第2のセラミックエンドプラグ301は、核ペレット(図示せず)等の構成部品を被覆材205の中に設置した後、被覆材の第2の開口部に設置される。本プロセスの第2の工程502は、
図2で示した第1の接合部を形成するために用いた工程と同様である。本工程502では、上記で説明したプレセラミックポリマー等の封止材料202を使用して、エンドプラグ301と被覆材205との間に接合部を形成する。第2の工程502では、化学気相浸透(CVI)または化学気相堆積(CVD)等の手法を実行して接合部境界面を強化することができる。実施形態によっては、被覆管205の中に存在するガスを吸い出して、CVDがうまく完了するように低い内圧を生成する。次に、開口した充填孔304を介して、所望のガス組成509によってセラミック被覆管205を充填することができる。次に、所望のガス組成509がもたらす上昇した圧力レベルで、溶融した高溶融温度材料510(例えば、酸化物、シリコン、遷移金属等)を導いて充填孔304に流し込み、充填孔内部で再凝固させることによって、充填ガス509を被覆材205の中に封止する。工程504において、最終表面が実質的にマトリックスと同じになるように、付加的なCVD工程を同様に実行してもよい。
【0060】
図6は、充填孔303を封止する例示的な構成を示す。本構成では、封止を実現するために、エンドプラグ301の端部近くに与えられる急こう配の温度プロファイル601を利用する。急こう配の温度プロファイル601によって、エンドプラグ301の数インチ上方で非常に高い温度が維持されて、封止材料510が液体の形態に留まることを可能にする。急こう配の温度プロファイル601は、同時に、充填孔303の周りをずっと低い温度に保ち、封止材料510が充填孔303の中でうまく凝固することを可能にする。
【0061】
最初に、熱源を用いて、封止材料510は溶融して高温で液体の形態になる。次に、封止材料510はエンドプラグ301の数インチ上方からずっと温度が低い充填孔303を流れ下るので、温度プロファイルは高温から低温に急速に変化する。次に、封止材料510は、再凝固して充填孔303を封止する。実施形態によっては、封止材料は充填孔303の中を流れながら凝固する。実施形態によっては、封止材料は、熱源を取り去って充填孔303の周囲の温度がさらに下がるまで溶融したままであってもよい。
【0062】
図7Aは、ピンを用いて充填孔を封止する例示的な構成を示す。本例では、鏡面錐台形状を有するエンドプラグ701が使用される。
図5に示すプロセスの工程501と同様に、核ペレット等の構成部品706が複合材料構造体705の中に設置された後、上記で説明したプレセラミックポリマー等の封止材料(図示せず)を用いて、エンドプラグ701と複合材料構造体705とを接合することができる。充填孔の封止を始める前に、別の種類の封止材料702を充填孔703の中に設置してもよい。エンドプラグ701は、SiCまたは他の材料で作られているピン704も含む。充填孔703を封止するために、局所的な熱をエンドプラグ701の周囲の領域に印加して封止材料702を加熱してもよい。局所的な熱に関する特異性については、
図11乃至13に関連して詳細に説明する。ピン704が加熱された封止材料702を押圧して封止を形成することができるように、同時に、ピン704に圧力を印加してもよい。実施形態によっては、
図7Aに示すように、封止材料702がエンドプラグ701の底部に押圧されて、内部の封止を形成するように、ピン704の直径は実質的に充填孔703の直径とほぼ同じであってもよい。実施形態によっては、封止材料702がピン704の周囲に押圧されて充填孔703を封止することができるように、ピン704の直径は充填孔703の直径よりも小さくてもよい。
【0063】
図7Bは、ピンを用いて充填孔を封止する別の例示的な構成を示す。本例では、テーパ付きの形状を有するエンドプラグ711が使用される。
図5に示すプロセスの工程501と同様に、核ペレット等の構成部品706が複合材料構造体705の中に設置された後、上記で説明したプレセラミックポリマー等の封止材料(図示せず)を用いて、エンドプラグ711と複合材料構造体705とを接合することができる。充填孔の封止を始める前に、別の種類の封止材料702を充填孔713の中に設置してもよい。エンドプラグ711は、SiCまたは他の材料で作られているピン714も含む。充填孔713を封止するために、局所的な熱をエンドプラグ711の周囲の領域に印加して封止材料702を加熱してもよい。局所的な熱に関する特異性については、
図11乃至13に関連して詳細に説明する。ピン714が加熱された封止材料を押圧して封止を形成することができるように、同時に、ピン714に圧力を印加してもよい。実施形態によっては、
図7Bに示すように、封止材料702がピン714の周囲に押圧されて充填孔713を封止することができるように、ピン714の直径は充填孔713の直径よりも小さくてもよい。実施形態によっては、封止材料702がエンドプラグ711の底部に押圧され、内部の封止を形成するように、ピン714の直径は実質的に充填孔713の直径とほぼ同じであってもよい。
【0064】
図7Cは、ピンを用いて充填孔を封止する別の例示的な構成を示す。本例では、エンドプラグ721が使用される。エンドプラグ721は、上部に広い第1の開口部722を、底部に小さい第2の開口部723を有する。このため、充填孔726は二つの部分―円錐形の、広い第1の部分724と細い第2の部分725と―を有する。
図5に示すプロセスの工程501と同様に、上記で説明したプレセラミックポリマー等の封止材料(図示せず)を用いて、エンドプラグ721と複合材料構造体705とを接合することができる。充填孔の封止を始める前に、別の種類の封止材料702を充填孔726の広い部分724の中に設置してもよい。エンドプラグ721は、SiCまたは他の材料で作られているピン727も含む。本例では、ピン727は、対応する円錐形状を有する。充填孔726を封止するために、局所的な熱をエンドプラグ721の周囲の領域に印加して封止材料702を加熱してもよい。局所的な熱に関する特異性については、
図11乃至13に関連して詳細に説明する。ピン727が加熱された封止材料702を押圧して、充填孔726の中で封止を形成することができるように、同時に、円錐形状のピン727に圧力を印加してもよい。
【0065】
図7Dは、ピンを用いて充填孔を封止するさらに別の例示的な構成を示す。本例では、エンドプラグ731が使用される。エンドプラグ731は、上部に細い第1の開口部732を、底部に広い第2の開口部733を有する。このため、充填孔736は二つの部分―細い第1の部分734と円錐形状の、広い第2の部分735と―を有する。
図5に示すプロセスの工程501と同様に、上記で説明したプレセラミックポリマー等の封止材料(図示せず)を用いて、エンドプラグ731と複合材料構造体705とを接合することができる。充填孔の封止を始める前に、別の種類の封止材料702を充填孔736の広い部分735の中に設置してもよい。エンドプラグ731は、SiCまたは他の材料で作られているピン737も含む。本例では、ピン737は、対応する2つの部分―細い第1の部分738と円錐形状の部分739と―を有する。セラミック複合材料構造体705を、所望のガス組成740で充填することができる。充填孔736を封止するために、局所的な熱をエンドプラグ731の周囲の領域に印加して封止材料702を加熱してもよい。所望のガス組成740の圧力レベルが増大するように、セラミック複合材料構造体705の他の部分にも熱を印加してもよい。次に、所望のガス組成740がもたらす上昇した圧力レベルで、ピン737は加熱された封止材料702を押圧して充填孔736の中で封止を形成する。局所的な熱に関する特異性については、
図11乃至13に関連して詳細に説明する。
【0066】
図8は、セラミック構造体を接合し、封止する方法800についての例示的なフローチャートを示す。方法800は、802において、封止材料により、セラミック構造体と上面および底面を通過する孔を有するエンドプラグとの接合部を形成することと、804において、孔を通してセラミック構造体に所望のガス組成を充填することと、806において、熱源を用いて、材料を溶融形態に加熱することと、808において、材料が凝固してエンドプラグを封止する孔の中に流れるように材料を導くこととを含む。
【0067】
図9は、セラミック構造体を接合し、封止する方法900についての例示的なフローチャートを示す。方法900は902において、封止材料を用いて、セラミック構造体と、上面および底面を通過する孔を含む本体および孔の中に位置決めされたピンを有するエンドプラグとの接合部を形成することと、904において、材料をエンドプラグの孔の中に配置することと、906において、材料を加熱するために、エンドプラグの近くのセラミック構造体の部分に熱を加えることと、908において、ピンが孔の中の加熱された材料を押圧してエンドプラグを封止するように、本体またはピンに圧力を印加することとを含む。
【0068】
実施形態によっては、
図2に示したように、SiC構造体205の1つの端部においてプラグ203を容易に設置できるようにエンドプラグ203を、テーパ付きの設計を用いて実装してもよい。そのような、テーパ付きの設計におけるテーパの角度は、0度から45度までの間で変えてもよい。実施形態によっては、7度のテーパの角度が使用される。しかしながら、テーパ付きの設計は封止プロセスをより複雑にもする。その理由は、テーパ付きの設計では、エンドプラグ203と被覆材205との間の耐照射性および熱機械的に健全な気密封止を実現するために封止材料202の非一様塗布が必要となるからである。本特許文書は、SiC構造体の内面とエンドプラグとの間のインサートとして使用され、機械的強度、熱膨張性、および耐照射性を有する気密封止を提供可能な遷移金属環も説明する。インサートは、例えば、T型接合部または肘型接合部を有するSiC管の大きな集合体を形成すること等、様々な構成でSiC構造体を接合するために使用することも可能である。
【0069】
遷移金属インサートは、SiC構造体の内面とエンドプラグとの間に使用することができる。遷移金属インサートは、上面を有する。上面の直径は、構造体の内径と実質的に同じで、インサートは構造体の中にしっかりと嵌合することができる。上面は第1の開口部を有する。第1の開口部の形状および大きさは、テーパ付きのエンドプラグの大きい端部の形状および大きさに一致している。インサートは、上面の直径と実質的に同じ直径を有する底面も含む。底面は、テーパ付きのエンドプラグの小さい端部の形状および大きさと実質的に同じ形状および大きさを有する第2の開口部を有する。上面および底面は、1つまたは複数の側壁により接続されて立体を形成する。上面の第1の開口部および底面の第2の開口部は、エンドプラグをインサートにしっかり連結することを可能にする大きな中空空間を立体の中に形成する。
【0070】
図10Aは、例示的なインサート1000の側面図を示す。インサートの直径1001は、対応するSiC構造体の内径と実質的に同じである。SiC構造体は、様々な高温用途に対して様々な形状を有してもよい。
図10Bは、例示的なインサート1000の断面を示す。中空空間1003がインサート1000の立体1005の内部に形成され、そこへのエンドプラグの位置決めを可能にしている。
【0071】
図11Aは、別の例示的インサート1100の側面図を示す。本実施形態では、インサート1100はアウターリップ1101も含む。アウターリップ1101は、上面から延びてインサート1100の1つまたは複数の側壁に突出する隆起部1103を含む。隆起部1103は、インサート1100を、接合または封止プロセス中に構造体を滑り落ちることなく、SiC構造体の端部の上部に設置することができるように、インサート1100に対するサポートを提供する。隆起部1103の長さは、構造体の厚さと実質的に同じであるので、封止された接合部においてインサートと構造体の一様な外観を実現することができる。
図11Bは、例示的なインサート1100の断面図を示す。中空空間1105がインサート1100の立体1107の内部に形成され、そこへのエンドプラグの位置決め可能にしている。
【0072】
図10A乃至11Bにおける例に示されるインサートは、スカンジウム、チタニウム、クロム等の任意の遷移金属により製造することができる。実施形態によっては、モリブデンが使用される。インサートが製造された後、製造部品は洗浄される。実施形態によっては、製造部品は超音波浴を用いて洗浄してもよい。洗浄された部品は、次に、研磨され、表面欠陥が低減される。実施形態によっては、洗浄された部品は、酸浴槽で電解研磨される。研磨されたインサートは、次に、エンドプラグと構造体の間に設置することができる。
【0073】
図12Aは、エンドプラグ1005とともに、SiC構造体1007の中に設置された例示的なインサート1000の側面図を示す。エンドプラグ1005は、SiC構造体1007の内部にしっかり位置決めされたインサート1000に堅く連結されている。
図12Bは、エンドプラグ1005とともに、構造体1007の中に設置された例示的なインサート1000の斜視図を示す。インサート1000の使用により、構造体1007の端部に、機械的に強い、熱膨張する、耐照射性のある気密封止を形成することを可能にする。
【0074】
図13Aは、エンドプラグ1005とともに、構造体1007の中に設置された別の例示的なインサート1100の側面図を示す。本実施形態では、アウターリップ1101により、封止プロセス中、インサート1100が構造体1007を滑り落ちることはない。
図13Bは、また、エンドプラグ1005とともに、構造体1007の中に設置された例示的なインサート1100の斜視図を示す。
【0075】
実施形態によっては、インサート、エンドプラグ、およびSiC構造体のアセンブリは、不活性雰囲気中で、摂氏1500度を超える温度、0.5から5kNの間で変化する圧力で、ホットプレスされる。不活性雰囲気は、例えば、ヘリウムでもよい。ホットプレスされたアセンブリは、次に、2時間から4時間の範囲にわたる持続時間でアニールされ、界面残留応力が除去される。
図14は、アニールプロセス後のインサート1401とSiCプラグ1005の例示的なマクロおよびミクロ構造を示す。本実施形態では、インサート1401はアウターリップを有しない。SiCプラグ1005とインサート1401の境界面のミクロ構造は、優れたサーマルスティッチと、塑性変形およびアニーリングを示す固着とを明示している。
【0076】
図15は、エンドプラグによってセラミック構造体を封止するためのインサートを製造する方法1500についての例示的なフローチャートを示す。方法1500は1502において、第1の開口部を有する第1の面と、第2の開口部を有する第2の面と、第1の面および第2の面を接続する側壁とを含み、セラミック構造体の1つの開口端とエンドプラグとの間に嵌合し、エンドプラグによって開口端を封止する形状を有する本体を備え、第1の開口部と第2の開口部とは、本体の中に中空空間を形成し、エンドプラグの部品への連結を可能にする部品を製造することと、1504において、製造された部品を洗浄することと、1506において、表面欠陥を低減するために洗浄された部品を研磨することと、を備える。
【0077】
図16は、エンドプラグとインサートとによってセラミック構造体を封止し、接合する方法1600についての例示的なフローチャートを示す。方法1600は、1602において、アセンブリを形成するためにセラミック構造体とエンドプラグとの間にインサートを配置することと、1604において、アセンブリを不活性ガス組成の中に位置決めすることと、1606において、アセンブリを第1の温度および第1の圧力の下でホットプレスすることと、1608において、界面残留応力を除去するために、ホットプレスされたアセンブリをある継続時間の間アニールすることとを備える。
【0078】
図17は、本技術の1つまたは複数の実施形態に従うプロセスを用いてセラミック構造の両端部を接合し、封止した後の例示的な燃料棒1700を示す。今、燃料棒1700は、SiC管状構造体1701と、封止材料1705を用いて管状構造体1701に接合された第1のエンドプラグ1703と、同じ封止材料1705を用いて管状構造体1701に接合された第2のエンドプラグ1707とを含む。封止材料1705は、上記で説明したプレセラミックポリマーであってもよい。第2のエンドプラグ1707に対する充填孔は、第2の封止材料1709(例えば、酸化物、シリコン、遷移金属等)によって封止され、今、全ての構成部品は、1つまたは複数の核ペレット1711を含む封止された核燃料棒1700を形成する。
【0079】
図7A乃至7Dに図示した実施形態で示すように、局所熱はセラミック構造体の接合および封止に関して重要な役割を果たす。しかしながら、従来の封止または接合方法を適用して、所望の内圧の下で局所加熱を与えて気密接合部を生成することは適切ではない。本特許文書は、複合材料構造体の局所加熱を容易にする炉型装置も説明する。その装置は、制御された内圧を維持し、所望のガス組成を含む気密接合部を作製することを可能にする。これは、従来の接合加工装置を用いて実行することはできない。
【0080】
図18は、セラミック部品を接合および封止するために使用することができる炉の例示的な概略図を示す。このような炉で使用されるプロセスの例として、プレセラミックポリマーの熱分解、化学気相堆積(CVD)、および溶融浸透が挙げられる。炉1800は、動作温度と圧力に対して堅牢な圧力容器1801を含む。圧力容器1801は、注入口配管機構1811に連結され、ガス組成が圧力容器に流入することを可能にする。注入口配管機構1811は、管の数とそのそれぞれの設置に関して様々な配置を有し、様々な封止要件に対応することができる。実施形態によっては、注入口配管機構1811は、複合材料構造体1809の底部の近くに数個の等間隔の管として配置され、ガス組成が並行して容器に流入することを可能にする。炉は、ガス排出口に連結されている細い管状部1803も含む。管状部は、封止する複合材料構造体を保持するインナーチャンバ1805に連結されている。実施形態によっては、インナーチャンバ1805は、石英スリーブまたは石英鐘である。加熱機構をインナーチャンバ1805の外側に設置して複合材料構造体1809の端部を加熱してもよい。例えば、
図18に示すように、電気絶縁フィードスルー(図示せず)を用いて、誘導コイル1807がインナーチャンバ1805の上部の外側に位置決めされている。誘導コイル1807は、RF周波数の振動電流を受けて作動し、誘導コイル1807中の変動電流が複合材料構造体中に渦電流を誘起する変動磁場の原因となり、加熱を引き起こす誘導加熱を介して、エンドプラグ1804の近くの、複合材料構造体1809の部分を加熱する。インナーチャンバ1805、細い管状部1803およびガス排出口は、CVD等のプロセスで使用される反応ガスの流れを導くために使用される。それらは、プロセスで生成された過剰な熱の除去のためにも使用することができる。炉の高さは封止される複合材料構造体の長さによって決められる。実施形態によっては、容器の高さは、約540mmである。実施形態によっては、様々な長さの複合材料構造体に対応するために、容器の高さを調整してもよい(例えば、容器にパイプのモジュール部を追加することによって)。
【0081】
図19は、インナーチャンバ1805、細い管状部1803、およびコイル1807の例示的な概略図を示す。インナーチャンバ1805において、ガス組成は炉1800の壁から切り離されている。実施形態によっては、インナーチャンバ1805において、ガス組成の流れは、また、被覆される複合材料構造体の全体にわたって導かれる。本実施形態では、インナーチャンバ1805は、スリーブ本体に沿った非一様な断面を有する石英スリーブである。コイル1807の近くの石英スリーブの直径は、約70mmであり、一方、石英スリーブのその他の部分の直径は約110mmである。
【0082】
図20は、インナーチャンバ1805、細い管状部1803、およびコイル1807の別の例示的な概略図を示す。特定の本実施形態では、インナーチャンバ1805は、本体に沿った一様な断面を有する。本例では、複合材料構造体2001は、インナースリーブの内側に設置される。複合材料構造体2001は、構造体2001の1つの端部に位置決めされたエンドプラグ2003を有する。
【0083】
図21は、CVIプロセスを実施するための炉システムの例示的な構成を示す。特定の本実施形態では、ポンプ2105が炉1800に接続されて炉1800内部の圧力を制御する。加熱機構は、炉1800の内部に位置決めされて局所加熱を複合材料構造体の端部に与える。例えば、加熱機構はRFコイルを用いて実装してもよい。電流は、RFコイル1807を通して導かれ、誘導加熱により石英スリーブ1805の部分を加熱して複合材料構造体2111の局所的封止を可能にする。本例示的配置において、サセプタブロック2101がSiCエンドプラグ2103の上に設置される。動作時、サセプタブロック2101は、RFコイル1807により放出される電磁エネルギを吸収し、SiC封止プラグ2103と複合材料構造体2111とを接合するために、サセプタブロック2101下のSiC封止プラグ2103の加熱および複合材料構造体2111の隣接領域の加熱を促進する熱に、吸収したエネルギを変換する。この加熱接合プロセスが完了すると、そのように形成されたSiC封止プラグ2103と複合材料構造体2111との間の接合部は、複合材料製造プロセスに有利な良好な機械的強度を示す。接合/封止プロセスが完了した後、サセプタブロック2101の上部は、例えば、切断または機械切削されて、除去されてもよい。
【0084】
しかしながら、CVIプロセスは長い時間がかかりまた費用がかかる場合がある。実施形態によっては、CVIプロセスに対する圧力要件のために、ヘリウム等の所望のガス組成を複合材料構造体の内部に封止することが困難な場合がある。
図22は、所望のガス組成の使用を可能にする液体シリコン流プロセスを実施するための炉システムの例示的な構成を示す。本実施形態では、最初に、SiCプラグ2203は、高温で多孔質材料(例えば、炭素)になる樹脂により被覆される。次に、薄いSi層2205が被覆されたSiCプラグ2203とサセプタブロック2201との間に設置される。Si層2205は、高温(例えば、摂氏1450度以上)で溶融し、多孔質材料(例えば、炭素)と反応してSiCを生成する。特定の本実施形態では、ガス注入口の細い管状部2211は、底側から石英スリーブ1805に連結されている。RFコイル1807は、石英スリーブ1805の一部を加熱して複合材料構造体2215の局所封止を可能にする。ポンプ2213も炉1800に接続されて、炉1800内部の圧力を制御する。この種類の構成の1つの有利な点は、加工時間が短いことである。さらに、Si層は、液体から個体への転移を経て転移中に拡張するので、一旦SiCプラグが封止されると構造的なボイドはほとんどない。本構成は、ヘリウムまたはアルゴン等の所望のガス組成を複合材料構造体の内部に封止することも可能にする。しかしながら、隙間にいくらかの未反応のSiがあるかもしれないので、封止端部の機械的強度は、
図21に示すCVI構成を用いて製造したものほど良好ではないかもしれない。
【0085】
封止プロセス中、炉システムの動作温度と圧力は、各種のモニタおよびレギュレータの使用により監視、制御することができる。例えば、
図23は、炉システム2300用の監視機構の例示的な概略図を示す。本実施形態では、いくつかの温度モニタが使用される。熱電対2301は、複合材料構造体の温度を監視するために使用される。石英サイトグラス2305を通して、パイロメータにより、接合部領域近くの領域2303の温度が読み取れる。領域2303は、サセプタブロック、サセプタブロックに隣接する複合材料構造体の領域、エンドプラグ、またはエンドプラグに隣接する複合材料構造体の領域であってもよい。さらに、温度の監視は、接触熱電対によって、石英サイトグラス2305、コイル2307用の電気フィードスルー、および/または炉2309の上部フランジで行ってもよい。本システムは、炉にガス組成を供給するガス貯蔵部2315も含む。炉の内圧を監視するために、圧力モニタ2311を使用してもよい。フィルタ後のガス圧力を監視するために別の圧力モニタ2313を使用してもよい。付加的な監視装置を実装してもよい。例えば、実施形態によっては、電流、周波数、および過熱を抑制するための適切な冷却剤流量を含む、RFコイルの様々な態様が監視される。
【0086】
図24は、炉システム用の排気監視機構の別の例示的な概略図を示す。排気監視機構は、フィルタ前ガス圧力を制御可能な背圧レギュレータ(BPR)2401と、2つの圧力変換器2403および2405とを含む。圧力変換器2403および2405を用いてフィルタ前ガス圧力およびフィルタ後ガス圧力の両方を監視することにより、フィルタ2407前後の圧力低下に基づき、フィルタ2407に何らかのレベルの障害物があるかどうかをシステムが判定することを可能にする。
【0087】
図25は、原子炉で使用されるセラミック構造体を封止する方法についての例示的なフローチャートを示す。方法は、2502において、封止装置のチャンバの中にセラミック構造体を配置することと、2504において、封止材料がセラミック構造体とプラグとの間に位置決めされ、セラミック構造体の端部にプラグを配置することと、2506において、サセプタブロックをプラグの上に配置することと、2508において、セラミック構造体の端部とサセプタブロックを高温に加熱し、プラグと、セラミック構造体の端部の、プラグと接触しているセラミック構造体の部分とを接合することによって、セラミック構造体の端部を封止するために、チャンバの外側に配置されている複数の誘導コイルを変動電流により駆動することと、を含む。
【0088】
本特許文書は多くの具体的内容を含むが、これらは全ての発明または請求することが可能な発明の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、むしろ、特定の発明に関する特定の実施形態に対して特有であってもよい特徴を説明するものと解釈すべきである。本特許文書において、個々の実施形態のコンテキストで説明した特定の特徴は、単一の実施形態の組み合わせにおいて実施することも可能である。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明した様々な特徴は、複数の実施形態において別々にまたは任意の適切な部分的組み合わせにおいて実施することも可能である。さらに、特徴が、特定の組み合わせにおいて作用するとして上記に説明されているかもしれないおよび当初はそのように請求されたかもしれないけれども、請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴を、場合によっては、組み合わせから削除してもよいし、また、請求した組み合わせを、部分的組み合わせまたは部分的組み合わせの変形例に割り当ててもよい。
【0089】
同様にして、動作を特定の順序で図面において示しているけれども、これにより、所望の結果を実現するために、そのような動作が示した特定の順序でまたは連続する順序で行うこと、または示した全ての動作を行うことが必要であると理解すべきではない。さらに、本特許文書で説明した実施形態の様々なシステムの構成部品を分離する場合において、全ての実施形態においてそのような分離が必要であると理解すべきではない。
【0090】
いくつかの実装例および実施例のみを説明したに過ぎず、本特許文書で説明し、示したことに基づいて他の実装例、改良例および変形例を実施することができる。