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特許7353285取り外し可能に挿入可能な残留物収集装置を有するエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】取り外し可能に挿入可能な残留物収集装置を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/85 20200101AFI20230922BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20230922BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20230922BHJP
【FI】
A24F40/85
A24F40/46
A24F47/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020532682
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018085687
(87)【国際公開番号】W WO2019121811
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】17210380.6
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ルシオ ダニ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド キーサン ダスネイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】マーラー ボリス
(72)【発明者】
【氏名】モック エルマー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ランチ アントニーノ
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ビットミード ナオミ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】トロンツァ マリオ
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504670(JP,A)
【文献】特表2018-504134(JP,A)
【文献】特表2009-521950(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0275937(US,A1)
【文献】米国特許第02419509(US,A)
【文献】米国特許第04235252(US,A)
【文献】米国特許第04328795(US,A)
【文献】カナダ国特許出願公開第02252198(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーを有するエアロゾル発生装置であって、前記加熱チャンバーが、開口部を有する第一の端と、基部を有する第二の端と、前記開口部と前記基部との間に延びる側壁とを含む、エアロゾル発生装置を備え、
前記エアロゾル発生システムがさらに、前記加熱チャンバー内に取り外し可能に挿入可能であって、前記第二の端に、またはその近くに位置付け可能な残留物収集装置を備え、
前記加熱チャンバーがさらに、前記側壁内の第一の側面開口部と、前記第一の側面開口部とは反対側にある、前記側壁内の第二の側面開口部とを含み、前記残留物収集装置が、前記第一および第二の側面開口部を通して前記加熱チャンバー内に挿入可能であり、かつ前記加熱チャンバーから取り外し可能である、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記残留物収集装置が、エアロゾル形成基体が前記加熱チャンバー内に受けられた時に、前記加熱チャンバーの前記基部とエアロゾル形成基体との間に位置付け可能である、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記残留物収集装置が、第一の面と、第二の面と、前記第一の面と前記第二の面との間に延びる側壁とを有する本体を含み、前記残留物収集装置が前記加熱チャンバー内に位置付けられた時に、前記第二の面が前記加熱チャンバーの前記基部に隣接して位置付けられる、請求項1または2のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記システムがさらに、加熱組立品および前記加熱組立品に電力を供給するための電源を備える、請求項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記加熱組立品が、前記基部を通して前記加熱チャンバー内に突出するヒーターを含む、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記残留物収集装置が、前記第一の面と前記第二の面との間に延びるスロットを含み、前記スロットが、前記残留物収集装置が前記加熱チャンバー内に位置付けられた時に、前記ヒーターを受けるように構成される、請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記スロットが、前記ヒーターが前記側壁を通して前記スロット内に受けられうるように、前記残留物収集装置の前記側壁へと延びる、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記残留物収集装置が、前記スロットの両側上に複数の切り抜きを含む、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
リップが、前記第一の面の周辺部の周りに前記残留物収集装置の前記第一の面から突出し、開いたくぼみが前記第一の面および前記リップによって画定される、請求項3~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
複数の突出部が、前記残留物収集装置の前記第一の面から、前記第一の面および前記リップによって画定される前記くぼみ内に突出する、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記残留物収集装置が、前記第一の面と前記第二の面との間に延びる一つ以上のスリットを含む、請求項3~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記残留物収集装置が、残留物収集装置のアレイの一部として提供され、前記アレイ中の隣接する残留物収集装置が、前記側壁に一緒に取り外し可能に固定される、請求項3~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品を加熱することによって吸入可能なエアロゾルを形成するためのエアロゾル発生システムに関する。特に、本発明は、取り外し可能に挿入可能な残留物収集装置を含むシステムに関する。残留物収集装置は、エアロゾル発生システムの加熱チャンバーの基部に、またはその近くに位置付けられるように構成される。
【背景技術】
【0002】
ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを発生するための装置は、当業界で公知である。こうした装置は通常、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受ける加熱チャンバーを含む。また、こうした装置は通常、吸入可能なエアロゾルを発生するために加熱チャンバー内にエアロゾル形成基体を加熱するように構成されたヒーター組立品も含む。例えば、WO2013/102614号は、固体エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受けるための加熱チャンバーを含む、エアロゾル発生装置を開示している。使用時、エアロゾル発生物品を加熱チャンバー内に挿入して、チャンバー内に配置されたヒーター上に突き刺す。その後、ヒーターが起動して、エアロゾル形成基体を加熱し、エアロゾルを発生しうる。消費の後、エアロゾル発生物品は装置から取り外されて廃棄される。
【0003】
こうしたエアロゾル発生装置内のエアロゾル形成基体の挿入、取り外し、および加熱は通常、加熱チャンバー内に遊離した破片などの残留物を生成する。加熱プロセスからの残留物は、ヒーター上、特に基体内に貫通する内部ヒーター上に蓄積しうる。残留物はまた、加熱チャンバーの内壁上にも蓄積しうる。エアロゾル発生物品からのエアロゾル形成基体の粒子または断片は、エアロゾル形成基体が加熱チャンバー内に挿入された時に、または加熱チャンバーから取り外された時に、遊離して加熱チャンバー内に放出されうる。これらの破片の形態は、経時的に、そして装置の複数回の使用に伴い加熱チャンバー内に蓄積しうる。特に、破片は加熱チャンバーの基部または閉端部の周りに蓄積しうる。内部ヒーターがある場合、破片はヒーターの基部の周りにも蓄積しうる。蓄積された破片は、例えば、エアロゾル形成基体を加熱することが意図されているヒーターから熱の一部を吸熱することにより、または装置を通る気流に影響を与えることにより、またはエアロゾル発生物品の挿入および取り外しを阻害することによって、装置の有効な動作を妨げかねない。
【0004】
エアロゾル発生装置の加熱チャンバー通常、エアロゾル発生物品を密接に収容するようにサイズ設定および形状設定される。したがって、例えば、従来的な紙巻たばこのような形状のエアロゾル発生物品を収容するための加熱チャンバーは、物品の外側寸法よりもわずかに大きな寸法を有する円筒形の加熱チャンバーでありうる。一般的に、使用間にエアロゾル発生装置の加熱チャンバーを掃除して、残留物および破片の蓄積を最小化することが望ましい。エアロゾル発生システムに、使用間に加熱チャンバー内に挿入可能なブラシを提供して、蓄積された残留物を外して除去することは公知である。しかしながら、エアロゾル発生システム内の加熱チャンバーの一般的に小さなサイズ、さらに加熱チャンバー内のアクセス困難な隅部の存在により、ブラシが蓄積された残留物を除去するのに完全には有効でない場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によると、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーを有するエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システムが提供されている。加熱チャンバーは、開口部を有する第一の端と、基部を有する第二の端と、開口部と基部との間に延びる側壁とを含む。エアロゾル発生システムはさらに、加熱チャンバー内に取り外し可能に挿入可能であって、第二の端に、またはその近くに位置付け可能な残留物収集装置を備える。
【0006】
一般的に、加熱チャンバーの側壁は、基部の周辺部から延びうる。側壁は、実質的に基部の周囲全体の周りに延びてもよい。側壁は、実質的に基部に対して直角を成す方向に延びてもよい。本明細書で使用される場合、「直角を成す」という用語は、加熱チャンバーの基部と側壁との間の相対的な配向など、装置またはシステムの二つの部品の実質的に直交する相対的な配向に関する。側壁は、基部から離れて延び、加熱チャンバーのくぼみを画定する。側壁は、基部の周辺部から、基部の周辺部全体の周りに、基部に対して実質的に直角を成す方向に延び、それによって実質的に円筒形の管を形成する。基部が実質的に円形である場合、加熱チャンバーは実質的に直円形の円筒形の管を形成しうる。基部の反対側にある側壁の端または終端は、加熱チャンバーの第一の端に開口部を提供または画定しうる。この配置では、加熱チャンバーは、従来的な紙巻たばこに似ているエアロゾル発生物品の一部分を受けるように構成されうる。
【0007】
本発明の加熱チャンバーは、少なくとも一つの側壁を有する。加熱チャンバーが単一の側壁を有する場合、側壁は実質的に基部の周囲の周りに延びうる。加熱チャンバーが複数の側壁を有する場合、側壁は実質的に基部の周囲の周りに延びるように配置されうる。加熱チャンバーは、適切な任意の数の側壁を有しうる。当然のことながら、単一の側壁を有する加熱チャンバーの特徴への言及は、複数の側壁を有する加熱チャンバーにも等しく適用されうる。
【0008】
一部の実施形態では、側壁は、基部に物理的に接続されてもよい。一部の実施形態では、基部は側壁から分離可能であってもよい。本明細書で使用される場合、「隅部」という用語は、二つの表面が接する領域、例えば、側壁が基部と接する領域、または基部がヒーターの表面と接する領域を指す。加熱チャンバー内の典型的な隅部は、基部と基部から直角を成して延びる側壁との間に実質的に90度の角度を形成しうる。
【0009】
一般に、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体からの残留物は、基部に蓄積しうる。特に、基部を通って加熱チャンバー内に延びる内部ヒーターを含む実施形態では、残留物はヒーターの基部またはヒーターの周りに蓄積しうる。残留物収集装置は、エアロゾル形成基体からの残留物の大部分が、加熱チャンバーの要素上ではなく、収集装置上に蓄積するように、加熱チャンバー内に位置付けられてもよい。残留物収集装置が加熱チャンバーから取り外されると、その上に収集された残留物も除去されうる。これにより、掃除を必要とする加熱チャンバー内の残留物の量が減少する。
【0010】
残留物収集装置は、加熱チャンバーの基部と加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体との間に位置付けられるように構成されうる。この位置では、そうでなければ加熱チャンバーの基部上に蓄積しうるエアロゾル形成基体からの残留物が、代わりに残留物収集装置上に蓄積しうる。残留物収集装置は、加熱チャンバーの基部上に位置してもよい。
【0011】
残留物収集装置は、加熱チャンバーの基部に直接的に当接してもよい。残留物収集装置は、加熱チャンバーの基部に間接的に接触してもよい。残留物収集装置は、実質的に加熱チャンバーの基部を覆ってもよい。この位置では、残留物収集装置は、エアロゾル形成基体からの残留物から実質的に基部全体を保護しうる。残留物収集装置は、加熱チャンバーの側壁に当接してもよい。残留物収集装置は、実質的に残留物収集装置の周辺部全体の周りで加熱チャンバーの側壁に当接しうる。
【0012】
残留物収集装置は、加熱チャンバーの開口部を通して取り外し可能に挿入可能でありうる。この構成により、加熱チャンバーが単一の開口部を有することが可能となりうる。エアロゾル形成基体は、残留物収集装置と同一の開口部を通して挿入されてもよい。これにより、加熱チャンバーの構造がより単純となる。さらに、これにより、ユーザーの加熱チャンバーへのアクセスが単一の開端部に制限され、加熱チャンバー内に延びるヒーターは、開端部の遠位に位置付けられうる。これにより、ヒーターを損傷するリスクが減少し、ユーザーがヒーターと接触する可能性が減少しうる。
【0013】
加熱チャンバーはさらに、側壁内に側面開口部を含み、残留物収集装置が、この側面開口部を通して加熱チャンバーから取り外し可能であり、かつ加熱チャンバー内に挿入可能であってもよい。加熱チャンバーの側面開口部は、残留物収集装置での使用専用に構成されてもよい。側面開口部のサイズおよび形状は、残留物収集装置の挿入および取り外しのみを許容するように構成されてもよい。残留物収集装置とは異なる寸法を有する望ましくない物体が、側面開口部を通して加熱チャンバーに入ることが実質的に防止されうる。残留物収集装置は、加熱チャンバー内に挿入されると、側面開口部を覆う、充填する、または塞ぎうる。残留物収集装置の側壁は、残留物収集装置が加熱チャンバー内に完全に挿入された時に、側壁の外表面と同一平面上となってもよい。残留物収集装置が、加熱チャンバーの側壁の外表面を超えて、側面開口部を通して加熱チャンバーの外に延びない場合、残留物収集装置が加熱チャンバー内に完全に挿入されると、残留物収集装置は、実質的に加熱チャンバー内に保護されうる。側面開口部は、加熱チャンバーの基部に隣接して位置付けられてもよい。残留物収集装置は、側面開口部に挿入され、加熱チャンバーの基部上に位置付けられてもよい。開口部を加熱チャンバーの第二の端に隣接させて位置付けることにより、残留物収集装置が挿入された時に加熱チャンバー内で基部が移動しなければならない長軸方向の距離が減少、最小化、または実質的に除去されうる。
【0014】
加熱チャンバーはさらに、側壁内の第一の側面開口部と、第一の側面開口部とは反対側にある、側壁内の第二の側面開口部とを含んでもよい。残留物収集装置は、加熱チャンバーから取り外し可能であってもよく、第一および第二の側面開口部を通して加熱チャンバー内に挿入可能であってもよい。これらの実施形態では、第一の側面開口部を通して加熱チャンバーから残留物収集装置を取り外すことは、第一の側面開口部とは反対側にある第二の側面開口部を通して第二の残留物収集装置を挿入することによって達成されうる。同様に、第二の側面開口部を通して加熱チャンバーから残留物収集装置を取り外すことは、第一の側面開口部を通して第二の残留物収集装置を挿入することによって達成されうる。停止部または支台が、加熱チャンバー内、または、第一の側面開口部に、またはその周りに提供されて、第一の側面開口部を通して挿入された残留物収集装置が第二の側面開口部を通して加熱チャンバーから取り外されるのを防止してもよい。同様に、停止部または支台が、加熱チャンバー内、または第二の側面開口部に、またはその周りに提供されて、第二の側面開口部を通して挿入された残留物収集装置が第一の側面開口部を通して加熱チャンバーから取り外されるのを防止してもよい。これは、側面開口部のうちの一つを通して加熱チャンバー内に挿入された残留物収集装置が、挿入中に加熱チャンバーから押し出されることを防止しうる。一部の実施形態では、停止部または支台は、加熱チャンバー内に延びるヒーターによって形成されてもよい。こうした停止部または支台が提供された加熱チャンバーから残留物収集装置を取り外すために、第二の残留物収集装置を反対側にある側面開口部を通して挿入し、そうする中でそれを通して挿入された側面開口部から残留物収集装置を外に押し出してもよい。例えば、第一の側面開口部を通して挿入された残留物収集装置は、第二の残留物収集装置を第二の側面開口部を通して加熱チャンバー内に挿入することによって、第一の側面開口部を通して加熱チャンバーから取り外されうる。
【0015】
残留物収集装置は、加熱チャンバー内の空間の小さな割合を占めうる。残留物収集装置は、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体からのエアロゾルの発生を妨げない。
【0016】
好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーを有するエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システムが提供されている。加熱チャンバーは、開口部を有する第一の端と、基部を有する第二の端と、開口部と基部との間に延びる側壁とを含む。エアロゾル発生システムはさらに、加熱チャンバー内に取り外し可能に挿入可能であって、第二の端に、またはその近くに位置付け可能な残留物収集装置を備える。加熱チャンバーはさらに、側壁内の第一の側面開口部と、第一の側面開口部とは反対側にある、側壁内の第二の側面開口部とを含む。残留物収集装置は、加熱チャンバー内に挿入可能であってもよく、第一および第二の側面開口部を通して加熱チャンバーから取り外し可能であってもよい。
【0017】
残留物収集装置は、第一の面と第二の面との間に画定される本体を含みうる。第一の面は実質的に平面であってもよい。第二の面は実質的に平面であってもよい。第一および第二の面の形状およびサイズは、実質的に同一であってもよい。残留物収集装置は、第一の面と第二の面との間に実質的に一定の横断断面を有してもよい。言い換えれば、残留物収集装置の横断断面の形状およびサイズは、残留物収集装置の高さまたは厚さに沿って、第一の面と第二の面との間で実質的に一定でありうる。
【0018】
第一および第二の面は、適切な任意の形状を有しうる。例えば、第一および第二の面は、丸みのある長方形、円形、楕円形または長方形の形状を有しうる。典型的には、第一および第二の面は実質的に同一の形状を有しうる。ただし、第一および第二の面は異なる形状を有してもよい。第一および第二の面のサイズおよび形状は、加熱チャンバーのサイズおよび形状に対して相補的であってもよい。一部の実施形態では、第一および第二の面は、加熱チャンバーの基部と同一のサイズおよび形状を有してもよい。
【0019】
残留物収集装置は、適切な任意の高さまたは厚さを有してもよい。一部の実施形態では、残留物収集装置は薄くてもよい。言い換えれば、残留物収集装置は、第一の面および第二の面の寸法よりも実質的に小さい、第一の面と第二の面との間の厚さまたは高さを有しうる。残留物収集装置は、残留物収集装置が実質的に加熱チャンバー内に突出しないように薄くてもよい。薄い残留物収集装置は、プレートまたはシートであってもよい。薄い残留物収集装置は、挿入および取り外し中に残留物収集装置が変形または破壊しないように、剛直であることが必要とされうる。
【0020】
一部の実施形態では、残留物収集装置は、第一の面と第二の面との間に実質的な厚さを有してもよい。残留物収集装置は、実質的に立方体であってもよい。残留物収集装置が加熱チャンバー内に位置付けられた時、第二の面は加熱チャンバーの基部に隣接して位置付けられてもよい。残留物収集装置は、加熱チャンバーの基部によって支持されてもよい。残留物収集装置の第二の面は、残留物収集装置の基部として作用してもよい。残留物収集装置の第二の面は、残留物収集装置の第二の面を基部から離間させる脚またはリップを含みうる。これにより、挿入および取り外しの間に、基部と残留物収集装置との間の摩擦が減少しうる。残留物収集装置が加熱チャンバー内に位置付けられると、第一の面は、加熱チャンバーの第一の、開端部に向かって、またそのため、加熱チャンバー内のエアロゾル発生物品に向かって方向付けられうる。この位置では、第一の面は、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品の遠位端に当接するように構成されうる。残留物収集装置の第一の面は、エアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品から放出された破片を捕捉または妨害するように配置されうる。
【0021】
残留物収集装置は、第一の面と第二の面との間に延びるスロットを含みうる。スロットは、加熱チャンバーの内に延びるヒーターを受けるように構成されうる。残留物収集装置が加熱チャンバー内に位置付けられ、ヒーターがスロット内に受けられると、残留物収集装置の第一の面は、実質的にヒーターの遠位端または第二の端でヒーターを取り囲む、または囲みうる。特に、収集装置の第一の面はヒーターの近くに延びてもよく、またはヒーターの周囲の周りでヒーターに当接してもよい。この構成では、残留物収集装置は、ヒーターの周りから破片を収集し、破片が、ヒーターと残留物収集装置との間を通って加熱チャンバーの基部へと通過することを実質的に防止または阻害する。
【0022】
スロットは、残留物収集装置の本体の適切な任意の位置に配置されてもよい。一般に、スロットは、加熱チャンバー内に延びるヒーターを受けるように位置付けられる。一部の実施形態では、ヒーターは、基部から加熱チャンバー内の中央に延びる。これらの実施形態では、スロットは、残留物収集装置の本体の中央に位置してもよい。
【0023】
一部の実施形態では、スロットは閉鎖スロットであってもよい。言い換えれば、スロットは第一および第二の面で開いているが、残留物収集装置の側壁では開いていない場合がある。これらの実施形態では、残留物収集装置は、加熱チャンバーの開端部を通して挿入されてもよく、ヒーターの上部端が残留物収集装置内のスロットを貫通してもよい。一部の実施形態では、残留物収集装置が加熱チャンバー内に挿入されるとき、残留物収集装置は、残留物収集装置が加熱チャンバーの基部に達するまで、ヒーター上にその長さに沿って押され、ヒーターがスロットを通過してもよい。
【0024】
一部の実施形態では、スロットは開放スロットであってもよい。言い換えれば、スロットは第一および第二の面で開き、残留物収集装置の側壁でも開いてもよい。開放スロットにより、ヒーターを、残留物収集装置の側面を通してスロット内に挿入することが可能となりうる。スロットは、残留物収集装置の一方の側面から残留物収集装置の中心に向かって延びるように構成されてもよい。スロットは、残留物収集装置の前部から残留物収集装置の本体の中心へと延びるように構成されてもよい。これらの実施形態では、残留物収集装置は、加熱チャンバーの側面開口部を通して挿入されてもよい。これらの実施形態では、残留物収集装置の前部が加熱チャンバー内に挿入されると、加熱チャンバー内のヒーターが、側壁の開口部を通してスロット内に受けられうる。これらの実施形態では、残留物収集装置は、残留物収集装置の前部が加熱チャンバーの反対側にある側面に達するまで、ヒーター上をその長さに沿って押され、ヒーターがスロットを通過してもよい。
【0025】
スロットの縁部または側面は、残留物収集装置が加熱チャンバー内に受けられた時にヒーターに当接するように構成されうる。残留物収集装置がヒーターに当接する場合、破片などの残留物がヒーターと残留物収集装置との間をスロットを通して通過することが防止されうる。スロットは、ヒーターとの締まりばめを形成しうる。締まりばめは、使用中に残留物収集装置を所定位置に保持するのに役立ちうる。
【0026】
残留物収集装置は、スロットの各側面上に複数個の切り抜きを含みうる。切り抜きは、ヒーターの各側面上に複数の突出要素を画定しうる。突出要素は、残留物収集装置からヒーターに向かって突出しうる。突出要素の遠位端は、残留物収集装置が加熱チャンバー内に受けられた時に、ヒーターに当接しうる。残留物収集装置を加熱チャンバーから取り外す間に、突出要素の遠位端がヒーターに対して引き出されうる。突出要素は、取り外しの間にヒーターに沿って引き出されるにつれ、ヒーターを擦る、または拭ってヒーターから残留物を掃除するのを助けうる。突出要素は、弾性的に変形可能であってもよい。突出要素は、残留物収集装置が加熱チャンバー内かつヒーター上に挿入された時に変形しうる。突出要素は、変形した時にヒーターに力を加えうるが、これは使用中に残留物収集装置を所定位置に保持するのに役立ちうる。一部の実施形態では、突出要素は、突出要素がヒーターと残留物収集装置との間の摩擦を減少させうるため、加熱チャンバーからの残留物収集装置の取り外しを促進しうる。突出要素は、ヒーターの周りの残留物収集装置のさらなる柔軟性を提供しうるが、これにより、挿入および取り外しの間に残留物収集装置およびヒーターを変形または損傷する可能性が減少しうる。
【0027】
残留物収集装置の第一の面は、接着材料を含んでもよい。適切な任意の接着剤が使用されうる。接着剤は、実質的に残留物収集装置の第一の面全体を覆ってもよい。接着剤は、残留物収集装置の第一の面の限定されたセクションを覆ってもよい。接着剤は、破片が残留物収集装置に付着するのを促進しうるが、これにより、残留物収集装置の取り外しの間の残留物収集装置からの破片の喪失が低減または最小化されうる。
【0028】
残留物収集装置の第一の面はリップを含んでもよい。リップは、第一の面から上向きに突出してもよい。リップは、第一の面の周辺部の周りに延びてもよい。リップは、周辺隆起または隆起した縁部であってもよい。リップは、第一の面の周辺部全体の周りに延びてもよい。リップは、収集面の周辺部の一部の周りのみに延びてもよい。リップは、適切な任意の形状およびサイズを有しうる。一部の実施形態では、リップは、残留物収集装置の中心に向かって第一の面にわたって延びて第一の面の大きな割合を覆う、幅広いリップであってもよい。幅広いリップは、第一の面の1/3にわたって覆ってもよい。幅広いリップは、第一の面の半分にわたって覆ってもよい。一部の実施形態において、リップは狭いリップであってもよい。狭いリップは、第一の面の10%未満を覆ってもよい。狭いリップは、第一の面の5%未満を覆ってもよい。リップは、残留物収集装置が取り外された時に、破片が収集面の側面から落下するのを防止しうる。リップは、リップを有さない残留物収集装置の縁部よりも、加熱チャンバーの側壁との大きな接触面積を提供しうる。
【0029】
リップおよび第一の面は、開いたくぼみを画定しうる。開いたくぼみは中央に配置されてもよい。開いたくぼみは、スロットに、またはその周りに配置されうる。開いたくぼみは、残留物収集装置の中央部分に全体が位置するスロットを囲みうる。開いたくぼみは、残留物収集装置の縁部から延びるスロットの中央部分を囲んでもよい。開いたくぼみは、破片が蓄積しうる、皿またはボウル型の領域を提供しうる。こうした開いたくぼみを提供することにより、取り外し中に残留物収集装置上に蓄積された破片の喪失が助けられる、または最小化されうる。
【0030】
複数の突出部は、第一の面から上向きに延びてもよい。複数の上向きの突出部は、第一の面の適切な任意の部分にわたって延びてもよい。一部の実施形態では、複数の上向きの突出部は第一の面全体にわたって延びてもよい。第一の面および第一の面から延びるリップによって画定される開いたくぼみを含む実施形態では、複数の上向きの突出部は、開いたくぼみ内に位置しうる。複数の上向きの突出部は、規則的なパターンで配置されてもよい。例えば、上向きの突出部は、ハニカムパターンで配置されてもよい。オリフィスが、隣接する突出部間に形成されてもよい。破片はオリフィス内に蓄積しうる。オリフィスは、残留物収集装置が加熱チャンバーから取り外された時に破片が喪失するのを防止しうる。
【0031】
一部の実施形態では、残留物収集装置は、一つ以上のスリットを含みうる。一つ以上のスリットは、第一の面から第二の面に向かって延びてもよい。一つ以上のスリットは、第一の面と第二の面との間に延びてもよい。挿入および取り外しの間に残留物収集装置を変形させて、挿入および取り外しを促進するように、一つ以上のスリットが提供されてもよい。例えば、スリットは、ユーザーが内向きの力を残留物収集装置の対向する側面に印加して、残留物収集装置の幅を圧縮または減少させることを可能にしうる。スリットの幅は、残留物収集装置が加熱チャンバーの開口部を通して挿入されうるように、十分に圧縮可能であるように選択されうる。残留物収集装置がヒーターを受けるためのスロットを含む場合、残留物収集装置は、スロットの両側にスリットを含みうる。スリットは、残留物収集装置の側壁から延びてもよい。スリットは、残留物収集装置の側壁から残留物収集装置の中央領域に向かって延びてもよい。スロットが残留物収集装置の前部から延びる実施形態では、残留物収集装置は、残留物収集装置の前部からスロットに平行な方向に延びるスリットをスロットの両側に含みうる。
【0032】
残留物収集装置は、取り外しツールと係合するための係合手段を含んでもよい。ツールは、加熱チャンバーから残留物収集装置を取り外すための適切な任意のツールとしうる。係合手段は、残留物収集装置の少なくとも一つの側面のノッチとしうる。これらの実施形態では、ツールは、ツールが残留物収集装置を加熱チャンバーから引き出すことができるように、ノッチと係合するためのフックまたはクリップを含んでもよい。係合手段は磁気部分であってもよい。これらの実施形態では、ツールは、ツールが残留物収集装置を加熱チャンバーから引き出すことができるように、磁気部分を残留物収集装置上に引き寄せるための磁気部分を含みうる。
【0033】
取り外しツールおよび取り外しツールと係合するための係合手段を提供することにより、取り外しまたは挿入中にユーザーが残留物収集装置に触れる必要性が減少しうる。このことは、残留物収集装置がその上に蓄積した残留物または破片を有する場合の取り外し中に特に有利である。さらに、残留物収集装置は、使用後に高温または熱くなりうるため、ツールの使用によって、ユーザーが熱い残留物収集装置と接触するリスクが減少しうる。取り外しツールの使用により、ユーザーが、加熱チャンバーから取り外す前に残留物収集装置が冷却されるのを待つ必要性が減少しうる。
【0034】
残留物収集装置は適切な任意の材料から形成されうる。例えば、残留物収集装置は、プラスチック材料から形成されてもよい。適切なプラスチック材料は、PEEKでありうる。PEEKから形成された残留物収集装置は、再使用可能であってもよい。PEEKから形成された残留物収集装置は、単回使用後に使い捨て可能であってもよい。一部の実施形態では、残留物収集装置は繊維質材料から形成されてもよい。適切な繊維質材料は、セルロースなどの天然繊維を含みうる。繊維質材料には、木板、museumskarton、木製パルプ板、エコウッドボード、チップボード、ならびに、マツ、エゾマツ、ブナ、およびその他の適切な任意の種類の木などの木そのままの木材を含みうる。一部の実施形態では、厚紙を使用して残留物収集装置を形成してもよい。厚紙は、一般的に軽量かつ安価な材料であり、通常廃棄が簡単である。
【0035】
残留物収集装置は再使用可能であってもよい。再使用可能な残留物収集装置を含む実施形態では、残留物収集装置が加熱チャンバーから取り外されて、破片および残留物が残留物収集装置から掃除されてもよい。例えば、残留物収集装置は、残留物収集装置の上に水を流すことによって掃除されてもよい。再使用可能な残留物収集装置は、掃除された後に加熱チャンバー内に再び挿入されてもよい。
【0036】
残留物収集装置は使い捨て可能であってもよい。残留物収集装置は、単回使用後に使い捨て可能であってもよい。有利なことに、使い捨て可能な残留物収集装置は、使用後に掃除を必要としない場合がある。使い捨て可能な残留物収集装置は、加熱チャンバーから取り外されて廃棄され、それによって、収集された破片を残留物収集装置と共に破棄しもよい。以前の使い捨て可能な残留物収集装置の取り外しおよび廃棄後、新しい使い捨て可能な残留物収集装置を加熱チャンバー内に挿入してもよい。
【0037】
残留物収集装置は、残留物収集装置のアレイの一部として提供されてもよい。アレイ中の隣接するまたは近接する残留物収集装置は、側壁に一緒に取り外し可能に固定されてもよい。例えば、残留物収集装置は、複数の残留物収集装置の細片の一部として提供されてもよい。複数の残留物収集装置は、細片の一部として同時に形成されてもよい。複数の残留物収集装置は、細片の一部として保管され、まとめて搬送されてもよい。アレイ中の個々の残留物収集装置は、穿孔によるなど、弱化された部分によって分離されてもよい。穿孔などの弱化された部分により、個々の残留物収集装置をユーザーがアレイの残りの部分から容易に取り外すことが可能になりうる。複数の残留物収集装置のアレイは、パケットの一部として形成されてもよい。パケットは、エアロゾル発生物品を保管するためのパケットであってもよい。
【0038】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱によって放出されてもよい。適切なエアロゾル形成基体は、ニコチン、植物由来材料、均質化した植物由来材料、または少なくとも一つのエアロゾル形成体、またはその他の添加剤もしくは成分(風味剤など)を含んでもよい。適切な基体は、たばこプラグなどの固体形態であってもよい。たばこプラグは、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。随意に、たばこプラグは、たばこプラグの加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含んでもよい。
【0039】
たばこプラグが均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料はシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で5パーセント超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥質量基準で5パーセント~30重量パーセントであってもよい。一部の実施形態では、均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕またはその他の方法で細分することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。一部の実施形態では、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱い、輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、その他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、一つ以上の内因性結合剤(たばこ内因性結合剤)、一つ以上の外因性結合剤(たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。一部の実施形態では、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、フィラー、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されうる。
【0040】
エアロゾル形成基体は、担体または支持体に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填される場合がある。
【0041】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル形成基体を含む物品に関する。エアロゾル発生物品は、不燃性のエアロゾル発生物品であってもよい。不燃性のエアロゾル発生物品は、例えばエアロゾル形成基体を加熱することにより、化学反応により、またはエアロゾル形成基体の機械的な刺激により、エアロゾル形成基体を燃焼することなしに揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品である。エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品としてもよい。エアロゾル発生物品は、紙巻たばこなどの従来の喫煙物品と似ていてもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。エアロゾル発生物品は、部分的に再使用可能であってもよく、また補充可能または交換可能なエアロゾル形成基体を含んでもよい。
【0042】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体と相互作用してユーザーが吸入可能なエアロゾルを発生させるために、電源からエアロゾル発生手段にエネルギーを供給するために使用される一つ以上の構成要素を含みうる。電源は外部電源でもよく、またはオンボード電池などの装置の一部を形成してもよい。エアロゾル発生手段は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するための適切な任意の手段としうる。例えば、エアロゾル発生手段は電気ヒーターであってもよい。
【0043】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生手段を含みうる。エアロゾル発生手段、は適切な任意のエアロゾル発生手段であってもよい。例えば、エアロゾル発生手段は、装置の加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体を加熱するように構成されたヒーターを含みうる。ヒーターは、エアロゾル形成基体を加熱して、ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを発生するように構成されうる。ヒーターは、適切な任意のタイプのヒーターとしうる。
【0044】
ヒーターは加熱チャンバー内に延びてもよい。ヒーターは、基部を通って加熱チャンバー内に延びうる。ヒーターは、加熱チャンバー内の中央に配置されてもよく、基部の中央部分を通って延びてもよい。加熱チャンバー内に延びるヒーターは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体を貫通するように配置されうる。この種類のヒーターは、内部ヒーターと呼ばれうる。本明細書で使用される場合、「内部ヒーター」とは、エアロゾル形成基体が加熱チャンバー内に受けられた時にエアロゾル形成基体内に挿入されるように構成されたヒーターに関する。内部ヒーターは、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体に直接的に接触させるために、エアロゾル形成基体内に挿入されうる。内部ヒーターは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を内部から加熱するように構成される。内部ヒーターの使用は、基体を効率的に加熱するためにエアロゾル形成基体と直接接触しうるため、有利でありうる。基部の内側部分は、比較的平坦または平面な部分であってもよい。基部の内側部分は、基部の周辺部分の半径方向内側に位置する。
【0045】
基部を通って加熱チャンバー内に延びるヒーターを含む実施形態では、基部は、基部とヒーターの少なくとも一つの表面との間にまたは面取りされた交差部またはフィレットされた交差部を提供するような輪郭である。この構成は、ヒーターが基部から外向きに突出するときに、基部の底部とヒーターの一つ以上の表面との間の交差部を効果的に埋める。ヒーターが基部を通って実質的に基部に対して直角を成して加熱チャンバー内に延びる場合、ヒーターの表面と基部との間の交差部は90°の角度を有する。ヒーターが90°以外の角度で基部を通って延びる場合、ヒーターの表面と基部との間の交差部はヒーターの側面間で変化し、一方の側面上には、ヒーターと基部との間に鋭角が存在しうる。これらの構成の両方において、交差部内に蓄積する破片を、ブラシなどの掃除用ツールで掃除することは困難である場合がある。面取りまたはフィレットを交差部に提供することにより、鋭角が埋まる。面取りされた、またはフィレットされた交差部の角度は比較的開いているため、掃除するためにブラシなどの掃除用ツールでアクセスすることが容易でありうる。言い換えれば、ブラシは面取りされた、またはフィレットされた交差部により容易にアクセスして蓄積した破片を外しうる。
【0046】
ヒーターは、側壁と実質的に平行な方向に加熱チャンバー内に延びうる。ヒーターは、管状または円筒形の加熱チャンバーの長軸方向軸と実質的に平行に延びてもよい。ヒーターは、加熱チャンバーの長さの一部分に沿って延びてもよい。一部の実施形態では、ヒーターは、加熱チャンバーの実質的に全長に延びてもよい。エアロゾル形成基体が加熱チャンバー内に挿入される時、ヒーターは、エアロゾル形成基体の大きな割合と直接接触するように配置されうる。本明細書で使用される場合、「長さ」とは、加熱チャンバーの第二の端と加熱チャンバーの第一の端との間の距離(すなわち、基部と開口部との間の距離)などの、装置、基体または装置または基体の一部分または部分の最大の長軸方向寸法を指す。
【0047】
ヒーターは、加熱チャンバー内の中央に位置してもよい。言い換えれば、ヒーターは、加熱チャンバーの中心長軸方向軸に実質的に沿って延びてもよい。この構成では、ヒーターにおいて加熱チャンバー内で発生した最高温度は、加熱チャンバーの中心長軸方向軸に沿って発生しうる。この構成では、ヒーターは、中央領域から外向きに、加熱チャンバー内のエアロゾル形成基体を加熱し、エアロゾル形成基体の全ての側面を均等に加熱するように配置されうる。ヒーターは、すべての側面上で、加熱チャンバーの側壁から実質的に等距離に配置されてもよい。
【0048】
一部の実施形態では、ヒーターは、実質的に側壁と直角を成して加熱チャンバー内に延びてもよい。こうした構成では、ヒーターは、細長い加熱チャンバーにわたって横断方向に延びうる。本明細書で使用される場合、「横断方向」という用語は、加熱チャンバーの長軸方向軸に対して直角を成す方向などの、装置、基体、または装置または基体の一部分または部分に対して直角を成す方向に関する。
【0049】
ヒーターは外部ヒーターとしうる。本明細書で使用される場合、「外部ヒーター」とは、加熱チャンバー内のエアロゾル形成基体、または加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル発生物品の任意の部分を貫通しないヒーターを指す。外部ヒーターは、加熱チャンバーの内表面に、またはその周りに位置付けられうる。一部の実施形態では、外部ヒーターは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル発生物品の外表面と接触しうる。一部の実施形態では、外部ヒーターは、エアロゾル形成基体または加熱チャンバー内に受けられたエアロゾル発生物品の任意の部分に直接的または物理的に接触しない場合がある。外部ヒーターは、エアロゾル発生装置内であるが、加熱チャンバーの外側または外部に位置付けられてもよい。外部ヒーターを有する加熱チャンバーはオーブンと呼ばれる場合があり、外部ヒーターはオーブンヒーターと呼ばれる場合がある。
【0050】
ヒーターは、適切な任意のタイプのヒーターとしうる。例えば、ヒーターは電気抵抗性のある発熱体であってもよい。こうした発熱体は、装置の電源に直接接続されてもよく、装置の電源からの電流は、抵抗発熱体で熱へと直接的に変換されてもよい。このタイプのヒーターは、装置内に必要な部品の数を最小化しうる。
【0051】
ヒーターは加熱組立品の一部であってもよい。加熱組立品は、適切な任意のタイプの加熱組立品であってもよい。例えば、加熱組立品は電気加熱組立品であってもよい。加熱組立品が電気加熱組立品である場合、エアロゾル発生装置は、加熱組立品に電力を供給するための電源も含みうる。
【0052】
当然のことながら、使用されうる多くの加熱組立品がある。例えば、加熱組立品は、加熱チャンバー内に延びるサセプタ素子の形態のヒーターを含んでもよく、加熱組立品はさらに、サセプタを加熱するように構成された加熱チャンバーに、またはその周りに配置されたインダクタを含みうる。例えば、インダクタは、加熱チャンバーの外側に配置される、またはサセプタ内の加熱用電流を誘発するように作用する加熱チャンバーを囲むコイルを含んでもよい。
ここで特定の実施形態を詳細に考察し、かつ以下の図で例証としてのみ示す。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1図1は、本発明の一実施形態によるエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
図2図2は、本発明によるエアロゾル発生システムの切断図を示す。
図3a図3aは、本発明による残留物収集装置の第一の実施形態を示す。
図3b図3bは、本発明による残留物収集装置の第二の実施形態を示す。
図3c図3cは、本発明による残留物収集装置の第三の実施形態を示す。
図3d図3dは、本発明による残留物収集装置の第四の実施形態を示す。
図4図4は、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システムの斜視図である。
図5a図5aは、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの切断斜視図を示す。
図5b図5bは、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの切断斜視図を示す。
図5c図5cは、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの切断斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1および2は、本発明の一実施形態によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置102を示す。装置102は、概して細長くて円筒形であり、第一の端に主本体部分103と、第一の端とは反対側にある第二の端に加熱部分104とを含む。主本体部分103は、電源、制御装置、および充電ポート(図示せず)を収容する外側ハウジング105を含む。加熱部分104は、概して円筒形の加熱チャンバー106を含むが、これは概して、主本体部分103の一方の端から突出する、主本体と同軸である円筒形の側壁108によって画定される。加熱チャンバー106は、主本体103の遠位にある第一の端112に開口部110を含み、主本体部分103に位置付けられた基部116によって、第一の端112とは反対側にある第二の端114で閉じている。加熱部分104はさらに、円筒形の側壁108上に取り外し可能に位置付け可能な抽出装置120を含む。図1は、抽出装置120が取り外された、部分的に分解されたエアロゾル発生装置102の斜視図を示す。図2は、抽出装置120が加熱チャンバー106上に受けられた、完全に組み立てられたエアロゾル発生装置102の切断図を示す。
【0055】
図1に示すように、円筒形の側壁108は、側壁108を通って延びる複数の通気孔109を画定する。通気孔109は、空気が外側から加熱チャンバー106に入ることを可能にするように構成される。各通気孔109は概して細長く、加熱チャンバー106の中心軸と実質的に平行に延びる。通気孔109は、第一の端112と第二の端116との間の実質的に中央において側壁108の周囲の周りに均等に間隙を介している。
【0056】
円筒形の側壁108はさらに、加熱チャンバー106の第二の端に側面開口部118を画定するが、これは後でより詳細に説明する。
【0057】
図2に示すように、ヒーター130は、閉じた第二の端114において基部116を通って加熱チャンバー106内に延びる。ヒーター130は、装置102の主本体部分103内の電源および制御ユニットに接続された抵抗発熱体(図示せず)を含む。ヒーター130は、加熱チャンバー106内に受けられたエアロゾル形成基体内に貫通させるための内部ヒーターとして構成される。ヒーター130は、テーパー付端、または基部116の遠位にある端における点で終端する、細長い平面の加熱ブレードの形態である。ヒーター130は、円筒形の側壁108と実質的に平行な方向に加熱チャンバー106内に延びる。ヒーター130は、ヒーター130が加熱チャンバー106の中心長軸方向軸と実質的に整列するように、加熱チャンバー106内の中央に配置される。ヒーター130は細長いが、これはヒーター130がその幅寸法およびその厚さ寸法よりも大きな長さ寸法を有することを意味する。また、ヒーター130は薄くてもよく、これはその厚さ寸法がその長さ寸法およびその幅寸法よりも実質的に小さいことを意味する。ヒーター130の第一および第二の対向する面は、ヒーター130の長さおよび幅によって画定される。この実施形態では、ヒーター130の長さは、円筒形の側壁108の長さの約半分である。言い換えれば、ヒーター130は、加熱チャンバー106内の約半分に延びる。ヒーター130は加熱チャンバー106の長さの一部にのみ延びるため、円筒形の側壁108は、側面からヒーター130へのアクセスを防止することによってヒーター130に対してある程度の保護を提供する。当然のことながら、その他の実施形態では、ヒーター130は異なる量で加熱チャンバー106内に延びてもよく、例えば、ヒーター130は加熱チャンバー内の約4分の3に延びてもよく、または実質的に加熱チャンバーの全長に延びてもよい。
【0058】
図1および2に示すように、抽出装置120は、円筒形の側壁108上に取り外し可能に受けられうる。抽出装置120は、外側スリーブ122と、外側スリーブ122内に受けられたスライド式容器124とを含む。
【0059】
外側スリーブ122は、両端で開いている、概して円筒形の管の形態である。外側スリーブ122は、主本体部分103のハウジング105の直径と実質的に同一の外径を有し、その結果、外側スリーブ122および主本体部分103のハウジング105は、抽出装置120が円筒形の側壁108上に受けられた時に実質的に連続的な円筒形の形状を形成する。
【0060】
スライド式容器124は、第一の端で開いており、第一の端とは反対側にある、第二の端で実質的に閉じている、概して円筒形の管の形態である。スライド式容器124は、エアロゾル形成基体を受けるためのチャンバーを画定する。スライド式容器124の第二の端は、抽出装置120が側壁108上に受けられた時にヒーター130を受けるように構成された中央開口部125を除いて、実質的に閉じている。スライド式容器124の第二の端の中央開口部125は、抽出装置120が円筒形の側壁108上に受けられた時にスライド式容器の第二の端とヒーター130との間に空気ギャップが提供されるように、ヒーター130よりもわずかに大きい。フランジ126は、開端部でスライド式容器124から外向きに突出する。スライド式容器124は、外側スリーブ122内に受けられ、第一の端のフランジ126で外側スリーブ122に固定される。
【0061】
スライド式容器124は、環状のギャップ127が外側スリーブ122とスライド式容器124との間に提供されるように、外側スリーブ122の内径よりも小さな外径を有する。環状のギャップ127は、円筒形の外壁108を受けるようにサイズ設定され、構成される。スライド式容器124の外径は、スライド式容器124が加熱チャンバー106内に容易に受けられうるように、円筒形の側壁108の内径よりもわずかに小さい。外側スリーブ122の内径は、抽出装置120が円筒形の側壁108上に受けられた時に、外側スリーブ122と円筒形の側壁108との間に空気ギャップが形成されるように、円筒形の側壁108の外径よりもわずかに大きい。フランジ126は、抽出装置120が円筒形の側壁108上に完全に受けられた時に、それに対して円筒形の側壁108の外側端が当接する停止部を提供する。
【0062】
図2では、抽出装置120は、抽出装置が円筒形の側壁108上に完全に受けられた、第一の位置、または動作位置にあるものとして示されている。この位置では、円筒形の側壁108は環状のギャップ127内に完全に受けられ、側壁108の端は抽出装置120のフランジ126に当接する。
【0063】
外側スリーブ122の第一の開端部、およびスライド式容器124の開端部は、実質的に相互に同一平面上に配置される。ただし、外側スリーブ122の長さは、スライド式容器124の長さよりも大きい。図2に示すように、外側スリーブ122は、抽出装置120が動作位置にある時に、主本体部分103のハウジング105に当接するのに十分な長さを有する。スライド式容器124は、抽出装置120が動作位置にある時に、加熱チャンバー106の基部114とスライド式容器124の実質的に閉じた第二の端との間に空間を提供するのに十分な長さを有する。ヒーター130の基部部分132は、空間を通って延びる。ヒーター130の発熱体(図示せず)は、ヒーター130の基部部分132上には延びない。円筒形の側壁108の側面開口部118は、基部114とスライド式容器124の第二の端との間の空間と整列される。
【0064】
一般的に、図1および2の装置102と併用するのに適したエアロゾル発生物品(図示せず)は、概して従来の紙巻たばこの形態である。物品は、遠位端にたばこロッドなどのエアロゾル形成基体、および遠位端とは反対側にある近位端にフィルターを含む。物品は、物品が、スライド式容器124のチャンバー内に容易に挿入され、スライド式容器124のチャンバーから容易に取り外されうるように、抽出装置120のスライド式容器124の内径よりもわずかに小さな幅または直径を有しうる。エアロゾル形成基体は、基部部分132とテーパー付端との間のヒーター130の一部分(つまり、抽出装置120が第一の位置にある時に、スライド式容器124のチャンバー内に延びるヒーター130の一部分)の長さと実質的に類似した、またはそれよりもわずかに大きな長さを有しうる。このサイズ設定により、エアロゾル発生物品が装置102の加熱チャンバー106内に受けられた時に、ヒーター130が実質的にエアロゾル形成基体の全長を通して延びることが可能となる。
【0065】
使用時、抽出装置120が第一の(動作)位置で加熱チャンバー106上に受けられると、エアロゾル発生物品(図示せず)は、抽出装置120のスライド式容器124の開端部を通して装置102の加熱チャンバー106内に挿入されうる。物品が加熱チャンバー106内に挿入されると、ヒーター130のテーパー付端は、物品の遠位端でエアロゾル形成基体と遭遇し、基体を貫通する。エアロゾル発生物品は、物品の遠位端がスライド式容器124の実質的に閉じた第二の端に当接するまで、加熱チャンバー106内にさらに移動しうる。この完全に受けられた位置では、ヒーター130は、実質的にエアロゾル形成基体の全長に沿ってエアロゾル形成基体内に延びる。
【0066】
装置102がオンになると、電力が主本体部分103の電源(図示せず)からヒーター130に供給される。ヒーター130は、エアロゾル発生物品の遠位端でエアロゾル形成基体を加熱し、揮発性物質が、エアロゾル形成基体から発生または放出される。ユーザーがエアロゾル発生物品の口側端で吸い込むと、空気が装置102内に引き出され、エアロゾル発生物品を通して、ユーザーによる吸入のために遠位端から口側端へと引き出される。空気は、抽出装置120の外壁122内の空気吸込み口(図示せず)を通して装置102内に引き出され、加熱チャンバー106内に引き出されて、円筒形側壁108の通気孔109を通して円筒形の側壁108とスライド式容器124の外表面との間の空間内に入る。円筒形の側壁108とスライド式容器124の外表面との間の空気は、ヒーター130と閉じたスライド式容器124の閉じた第二の端との間の空気ギャップを通してスライド式容器124のチャンバー内に引き出される。スライド式容器124のチャンバーに入る空気は、遠位端を通してエアロゾル発生物品内に引き出され、その結果、空気はヒーター130によって加熱されているエアロゾル形成基体と遭遇する。加熱式エアロゾル形成基体から放出される揮発性物質は、遠位端においてエアロゾル発生物品に入る空気中に混入され、空気と共に物品の遠位端から口側端へと引き出される。揮発性物質が物品を通して引き出されると、それらは凝縮して吸入可能なエアロゾルを形成する。エアロゾルは、ユーザーによる吸入のために口側端で物品から引き出される。
【0067】
エアロゾル発生物品を加熱チャンバー120内に挿入する間に、およびエアロゾル発生物品120を加熱チャンバー120から取り外す間に、遊離した破片がエアロゾル形成基体から加熱チャンバー120内に放出されうる。特に、基体がヒーター130に対して移動するにつれて、ヒーター130の周りに遊離した破片が生成されうる。遊離した破片は、加熱チャンバー106の閉じた第二の端114に蓄積しうる。特に、破片は、基部116がヒーター130と接する、加熱チャンバー106の隅部に蓄積しうる。
【0068】
図1および2に示すように、本発明の一実施形態による残留物収集装置1は、装置102の加熱チャンバー106内に取り外し可能に配置される。残留物収集装置1は、基部116上に支持された、加熱チャンバー106の第二の端114に位置する。具体的には、残留物収集装置1は、基部114とスライド式容器124の実質的に閉じた第二の端との間の空間内に位置付けられる。残留物収集装置1は、実質的にヒーター130の基部部分132を囲む、または取り囲む。言い換えれば、残留物収集装置1は、実質的にヒーター130の周りの基部116の一部分を覆う。この位置では、残留物収集装置は、エアロゾル形成基体から放出された遊離した破片の大部分が蓄積する、基部116の位置に位置付けられる。したがって、本発明の残留物収集装置1は、加熱チャンバー106の基部116に達する前に破片を妨害するように位置付けられる。したがって、残留物収集装置1は、加熱チャンバー106からの破片の除去を促進しうる。
【0069】
残留物収集装置1は、実質的に平面の側面および湾曲した前部端および後部端を有する、丸みのある長方形のプロファイルを有する。前部端および後部端は、実質的に円筒形の側壁108と同じ湾曲で湾曲している。平面の側面の長さは、残留物収集装置1が加熱チャンバー106内に完全に受けられた時に、残留物収集装置の湾曲した前部端および後部端が円筒形の側壁108と同一平面上となるように、加熱チャンバー106の基部114のサイズに対して相補的である。残留物収集装置は、抽出装置120が円筒形の側壁108上に受けられた時に、残留物収集装置1が実質的に基部114とスライド式容器124の第二の端との間に延びるように、基部114と残留物収集装置124の第二の端との間の空間の高さよりもわずかに小さな、第一の面と第二の面との間の高さまたは厚さを有する。
【0070】
この実施形態では、残留物収集装置1は、加熱チャンバー106の基部116と抽出装置120のスライド式容器124との間の空間内に位置付けられる。しかし、当然のことながら、その他の実施形態では、残留物収集装置1は、スライド式容器124の実質的に閉じた第二の端とチャンバー内に受けられたエアロゾル形成基体との間に、スライド式容器124のチャンバー内に位置付けられる。これらの実施形態では、スライド式容器は、加熱チャンバー106の基部114へと延びうる。これらの実施形態では、外側スリーブ122およびスライド式容器は、残留物収集装置の挿入および取り外しを促進するための側面開口部を必要としうる。しかし、加熱チャンバー106の円筒形の側壁108は、側面開口部118を必要としない場合がある。抽出装置120を残留物収集装置を受けるように適合させることの利点は、そうでなければ抽出装置に蓄積しうる破片が残留物収集装置1から容易に除去されうることでありうる。
【0071】
装置102の円筒形の側壁108の側面開口部118は、加熱チャンバー106内への残留物収集装置1の挿入および加熱チャンバー106からの残留物収集装置1の取り外しを促進するために提供される。したがって、側面開口部118は、残留物収集装置1に類似した高さおよび幅を有し、残留物収集装置が側面開口部118を通して加熱チャンバー106内に挿入され、側面開口部118を通して加熱チャンバー108から取り外されることを可能にする。側面開口部118は細長く、加熱チャンバー106の中心軸に横断して延びる。側面開口部108は、残留物収集装置1の幅に実質的に等しい幅と、残留物収集装置1の高さに実質的に等しい高さを有する。側面開口部108は、抽出装置120が円筒形の側壁108上に受けられた時に、基部114とスライド式容器124の第二の端との間の空間に、通気孔109と加熱チャンバー106の第二の端との間に位置付けられる。
【0072】
この実施形態では、残留物収集装置1は実質的に円形のプロファイルを有しないが、そのため、残留物収集装置1が加熱チャンバー106内に完全に受け取られた時に、残留物収集装置は基部114の全体を覆わない。側面開口部118のいずれかの側における基部114の周辺部分は、残留物収集装置によって覆われない。基部のこれらの覆われていない周辺部分は、基部のこれらの部分がスライド式容器124の閉じた部分の直下にあるため、加熱チャンバー106内のエアロゾル形成基体からの残留物を蓄積する可能性は低い。一部の実施形態では、残留物収集装置は、加熱チャンバーのものと実質的に類似したプロファイルを有してもよく、残留物収集装置が実質的に基部全体を覆ってもよい。しかし、これらの実施形態では、加熱チャンバーの側壁の側面開口部は、残留物収集装置の挿入および取り外しを可能にするために、加熱チャンバーの幅全体に延びることが必要とされうる。残留物収集装置が挿入および取り外し時に残留物収集装置の幅を減少させるために圧縮される実施形態では、側面開口部のサイズを増大させる必要がない場合がある。
【0073】
図3a~3dは、本発明による残留物収集装置の特定の実施形態を示す。
【0074】
図3aは、残留物収集装置1の第一の実施形態を示す。残留物収集装置1は、第一の面16と第二の面18との間に画定される本体を含む。側壁14は、第一の面16と第二の面18との間に延び、残留物収集装置1の周辺部を画定する。残留物収集装置1は、残留物収集装置1が平面の側面および丸みのある端を有する概して細長い形状を有するように、実質的に丸みのある長方形の横断断面を有する。この実施形態では、丸みのある端の一つを前部端10とみなし、反対側にある丸みのある端を後部端11とみなしうる。
【0075】
図3aの実施形態では、残留物収集装置1は、スロットが第一の面16および第二の面18で開いているように、第一の面16と第二の面18との間に延びるスロット13を画定する。スロット13は、残留物収集装置1の本体を通る細長い開口部である。スロット13は、残留物収集装置1の前部端10における側壁14から残留物収集装置1の中央部分に向かって延びる。言い換えれば、スロット13は前部端10で開いている。さらに、残留物収集装置1は、第一の面16の縁部の周りに突出するリップ9を含む。リップ9は、第一の面16から離れて上向きに突出し、スロット13の周りに窪み部分または開いたくぼみ8を画定する。この実施形態では、リップ9は幅広く、第一の面16の大きな割合にわたって延びる。従って、開いたくぼみ8は狭い窪み部分である。残留物収集装置が加熱チャンバー内に完全に受けられた時に、開いたくぼみ8は、スライド式容器124の第二の端の開口部の直下に配置される。開いたくぼみ8は、開口部を通して落下する破片の大部分が開いたくぼみ8内に受けられうるように、スライド式容器の第二の端の開口部と同様のサイズを有する。
【0076】
装置102の使用準備のために、図4に示すように、抽出装置120が円筒形の側壁108上に受けられる前に、残留物収集装置1を、円筒形の側壁108の側面開口部118を通して装置102の加熱チャンバー106内に挿入する。残留物収集装置1の前部10が側面開口部118内に挿入されると、スロット13がヒーター130の基部部分132を受ける。残留物収集装置1が加熱チャンバー106内に完全に挿入されると、図2に示されるように、ヒーター130はスロット13の端に当接し、前部10が円筒形の側壁108に当接し、後部11が円筒形の側壁108と同一平面上に位置付けられ、第二の面18が加熱チャンバー106の基部114上に支持される。残留物収集装置1の後部11が円筒形の側壁108と同一平面上にあるため、側壁の外側スリーブ122は、残留物収集装置1と接触することなく、側面開口部118上をスライドし、残留物収集装置1を通過する。装置102の使用中、加熱チャンバー106内に挿入されたエアロゾル発生物品から落下した破片は、残留物収集装置1の第一の面16上に収集される。窪み部分8に蓄積する破片は、特に装置102から残留物収集装置1を取り外す間、リップ9によって保持されうる。加熱チャンバー106からの残留物収集装置1の取り外しは、抽出装置120および物品が加熱チャンバー106から取り外された後に実施されてもよい。
【0077】
本発明による残留物収集装置1の第二の実施形態を図3bに示す。第二の実施形態では、残留物収集装置1は、図3aに示す残留物収集装置1の第一の実施形態と実質的に同じ形状を有するが、図3bに示す残留物収集装置1は、二つの追加的な細長いスリット17を画定する。細長いスリット17は、スロット13と同様に、残留物収集装置1の第一の面16と第二の面18との間に延びる。細長いスリット17は、スロット13の両側に位置し、実質的にスロット13に平行に延びる。細長いスリット17は、残留物収集装置1の前部10から延びる。細長いスリット17は、エアロゾル発生装置のヒーターを受けるように構成されず、むしろ残留物収集装置1の幅を圧縮して挿入および取り外しを促進するように構成される。
【0078】
残留物収集装置1を加熱チャンバー106内へ挿入する間、残留物収集装置1の前部10と後部11との間に、残留物収集装置1の両側の側壁14に内向きの力を印加することができる。こうした内向きの力が印加されると、各細長いスリット17の側面が近づき、その結果、残留物収集装置の幅が減少しうる。残留物収集装置1の幅を減少させることで、残留物収集装置1を装置102の側面開口部118内により簡単に挿入することが可能となりうる。
【0079】
本発明による残留物収集装置1の第三の実施形態を図3cに示す。図3cに示す残留物収集装置1は、図3bに示す残留物収集装置1の第二の実施形態に実質的に類似しているが、図3cに示す残留物収集装置1は、スロット13の両側に二つずつ、四つの細長いスリット17を含む。二つの追加的な細長いスリット17により、残留物収集装置1の幅をさらに圧縮することが可能になりうる。
【0080】
本発明による残留物収集装置1の第四の実施形態を図3dに示す。図3dに示す残留物収集装置1は、図3aに示す残留物収集装置1の第一の実施形態と実質的に類似した横断断面形状を有する。しかしながら、図3dに示す残留物収集装置1は、残留物収集装置1の第一の実施形態に対していくつかの異なる特徴を有する。
【0081】
図3dに示す残留物収集装置1のリップ9は狭く、残留物収集装置1の周辺部の周りに延びる。リップ9は、残留物収集装置1の第一の面16から上向きに延び、残留物収集装置1の第一の面16は開いたくぼみ19を画定する。また、複数の突出部17が、開いたくぼみ19内の第一の面16から上向きに延びる。上向きの突出部17は、くぼみ19の突出部17間の空間がハニカムパターンのオリフィスを形成するように、規則的なパターンで開いたくぼみ19全体にわたって規則正しく間隙を介している。上向きの突出部17およびリップ9は、第一の面16から実質的に同一の距離に延び、そのため、リップ9の端と突出部17は概して平面上に置かれる。
【0082】
使用時、残留物収集装置1上に蓄積する破片は、上向きの突出部17間に、第一の面16上のくぼみ19内に落下しうる。残留物収集装置1の取り外しの間、残留物収集装置1によって収集された破片は、くぼみ19内に捕捉されてもよく、これは実質的に破片が残留物収集装置1から外れて、加熱チャンバー106からの残留物収集装置1の取り外し中に加熱チャンバー106内へ落下することを防ぎうる。
【0083】
図3dの残留物収集装置1のスロット13はまた、スロット13の両側に切り抜き15を含む。切り抜き15は、スロット13から残留物収集装置1の側壁14に向かって延びる。切り抜き15は、スロット13と同様、第一の面16と第二の面18との間に延びる。しかし、当然のことながら、一部の実施形態では、切り抜き15は、第一の面16から第二の面18に向かって部分的にのみ延びうる。切り抜き15間の領域は、櫛状構造を画定し、各領域は残留物収集装置の本体からスロット13の中心軸に向かって延びる突出要素15’を含む。
【0084】
図3dに示す残留物収集装置1が装置102の加熱チャンバー106に挿入されると、突出要素15’の端がヒーター130の基部部分132に当接する。そのため、加熱チャンバー106から残留物収集装置1を取り外す間に、突出要素15’の端が、ヒーター130の基部部分132に対して引き出される。これにより、突出要素15’が、取り外し中にヒーター130の基部部分132から残留物を拭うことが可能になる。突出要素15’は、残留物収集装置1が加熱チャンバー106内に挿入された時に変形しうる。このように、突出要素15’は通常、挿入および取り外し中に損傷しないように、弾性的に変形可能であるように構成される。
【0085】
上記の実施形態のすべてにおいて、残留物収集装置1は実質的な厚さを有する。しかしながら、当然のことながら、一部の実施形態では、残留物収集装置は薄いプレートまたはシートであってもよい。残留物収集装置が薄いプレートまたはシートである場合、残留物収集装置の剛直さが、挿入および取り外し中に残留物収集装置が変形または破壊しないように、必要とされる場合がある。
【0086】
エアロゾル発生装置102の別の実施形態を図5a~5cに示す。図5a~5cに示す装置102は、図1および2に示す装置102と実質的に同一であり、同様の特徴を示すために、同様の参照番号が使用される。しかしながら、図5a~5cに示す装置102は、円筒形の側壁108に対向する二つの側面開口部118a、118bを含む。明瞭とするために、抽出装置120は図5a~5cには示さない。二つの対向する側面開口部118a、118bは、残留物収集装置1を装置102のどちらかの側面から挿入し、取り外すことを可能にする。特に、第一の側面開口部118aを通して挿入された加熱チャンバー106内に位置付けられた第一の残留物収集装置1は、第二の側面開口部118bを通して挿入された第二の残留物収集装置1’によって第一の側面開口部118aから押し戻されることによって第一の側面開口部118aを通して加熱チャンバー106から取り外される。こうした交換プロセスを図5a~5cに示す。
【0087】
より詳細には、図5a~5cの装置102の加熱チャンバー106から第一の残留物収集装置1を取り外すために、新たな第二の残留物収集装置1’の前部10’を、図5aに示すように、第二の側面開口部118bで使用済みの残留物収集装置1の前部10に当接するように位置付けうる。第二の残留物収集装置1’が第二の側面開口部118bを通して加熱チャンバー106内に移動するにつれて、図5bおよび5cに示すように、第一の残留物収集装置1は、第一の側面開口部118aを通して加熱チャンバー106から押し出されうる。従って、挿入および取り外しは、単一の行為に組み合わせることができる。
【0088】
上記の実施形態の両方では、エアロゾル発生装置は抽出装置を含む。しかし、当然のことながら、本発明の一部の実施形態では、エアロゾル発生装置はこうした抽出装置を含まない場合がある。これらの実施形態では、残留物収集装置は、加熱チャンバーの第二の端において、またはそれに向けて位置付け可能であって、残留物収集装置がエアロゾル発生プロセスを干渉しないようにサイズ設定されうる。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5a
図5b
図5c