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  • 特許-熱伝導性ポリマー組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】熱伝導性ポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20230922BHJP
   C08L 67/03 20060101ALI20230922BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20230922BHJP
   C08L 81/02 20060101ALI20230922BHJP
   C08K 7/04 20060101ALI20230922BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20230922BHJP
   F21S 45/48 20180101ALI20230922BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20230922BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20230922BHJP
   F21V 29/71 20150101ALI20230922BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230922BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20230922BHJP
【FI】
C08L101/00
C08L67/03
C08K3/34
C08L81/02
C08K7/04
F21S41/143
F21S45/48
F21V29/503
F21V29/76
F21V29/71
F21Y115:10
F21W102:00
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2020542382
(86)(22)【出願日】2019-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 US2019017846
(87)【国際公開番号】W WO2019164723
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】62/632,612
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500100822
【氏名又は名称】ティコナ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヤン・シン
【審査官】西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-088878(JP,A)
【文献】特表2018-502198(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0067739(KR,A)
【文献】特表2007-517968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0037790(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイカ粒子及び珪灰石ウィスカーがその中に分散しているポリマーマトリクスを含むポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物は、ASTM-E1461-13にしたがって求めて0.2W/m・K以上の面内方向熱伝導率を示し、
前記組成物が、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、及びグラファイトを含まず、そして
前記珪灰石ウィスカーが、前記ポリマーマトリクス100重量部あたり60~350重量部の量で使用される、
前記ポリマー組成物。
【請求項2】
前記組成物が、ASTM-E1461-13にしたがって求めて0.5W/m・K以上の面直方向熱伝導率を示す、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項3】
50W/m・K以上の固有伝導率を有する熱伝導性フィラーを含まない、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
前記組成物が、窒化ケイ素マグネシウム、炭化ケイ素、カーボンナノチューブ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、アルミニウム粉末、及び銅粉末を含まない、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記組成物が、ISO試験No.527-1:2012にしたがって23℃の温度で求めて、30~300MPaの引張強さ及び/又は10,000MPa~40,000MPaの引張弾性率を示す、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ISO試験No.178:2010にしたがって23℃の温度で求めて、30~500MPaの曲げ強さ及び/又は7,000MPa~40,000MPaの曲げ弾性率を示す、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項7】
前記マイカ粒子が、前記ポリマーマトリクス100重量部あたり1~60重量部の量で使用される、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項8】
前記ポリマーマトリクスが、前記ポリマー組成物の10重量%~50重量%を構成する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
前記ポリマーマトリクスが、40℃以上のガラス転移温度を有する芳香族ポリマーを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
前記芳香族ポリマーが200℃以上の融点を有する、請求項に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
前記ポリマーマトリクスが芳香族ポリエステルを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
前記ポリマーマトリクスが、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)、ポリ(1,3-プロピレンテレフタレート)、ポリ(1,4-ブチレン2,6-ナフタレート)、ポリ(エチレン2,6-ナフタレート)、ポリ(1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、又はそれらのコポリマー若しくは混合物を含む、請求項11に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
前記ポリマーマトリクスが第1の芳香族ポリマーと第2の芳香族ポリマーのブレンドを含み、前記第1の芳香族ポリマー/前記第2の芳香族ポリマーの重量比が1~20である、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項14】
前記第1の芳香族ポリマーがポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の芳香族ポリマーがポリブチレンテレフタレートである、請求項13に記載のポリマー組成物。
【請求項15】
前記ポリマーマトリクスが液晶ポリマーを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項16】
前記ポリマーマトリクスがポリアリーレンスルフィドを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項17】
前記マイカ粒子が4以上のアスペクト比を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項18】
前記珪灰石ウィスカーが2~100のアスペクト比を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項19】
前記ポリマーマトリクス100重量部あたり1~60重量部の量の強化繊維を更に含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項20】
前記強化繊維がガラス繊維を含む、請求項19に記載のポリマー組成物。
【請求項21】
前記ポリマーマトリクス100重量部あたり0.1~5重量部の量の成核剤を更に
含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項22】
前記成核剤が、C10~C36単官能性有機酸の塩を含む、請求項21に記載のポリマー組成物。
【請求項23】
請求項1に記載のポリマー組成物を含むヒートシンク。
【請求項24】
前記ヒートシンクが前記ポリマー組成物から形成された複数の離間した放熱部材を含む、請求項23に記載のヒートシンク。
【請求項25】
前記放熱部材がフィンである、請求項24に記載のヒートシンク。
【請求項26】
前記放熱部材が基部から外側に突出しており、前記基部は前記ポリマー組成物から形成されている、請求項24に記載のヒートシンク。
【請求項27】
請求項1に記載のポリマー組成物を含む、電子部品又は光源のためのハウジング。
【請求項28】
ライトアセンブリであって、
1以上の発光ダイオードを含むLEDモジュール;
前記LEDモジュールを収容するハウジング;及び
前記ハウジングの外部に配置されたヒートシンク;
を含み;
前記ヒートシンク、前記ハウジング、又はその両方が請求項1に記載のポリマー組成物を含む、前記ライトアセンブリ。
【請求項29】
前記ヒートシンクが、コネクタを介して前記LEDモジュールに取り付けられている、請求項28に記載のライトアセンブリ。
【請求項30】
前記ヒートシンクが前記ハウジングに取り付けられている、請求項28に記載のライトアセンブリ。
【請求項31】
モース硬度が2未満の粘土鉱物を含まない、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、米国出願第62/632,612号(2018年2月20日出願)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]金属材料は、半導体パッケージング、ヘッドランプなどにおいて熱を放散するための熱伝導性のヒートシンクにおいて一般的に使用されている。これらの用途においては、金属材料は、通常はバルク金属から所望の形状に工具加工又は機械加工される。しかしながら残念なことに、金属物品から形成することができる幾何学的形状は、機械加工又は工具加工プロセスに関連する固有の限界に非常に限定される。これにより、ヒートシンク設計の効率に厳しい制限が生じる。而して、熱伝導性ポリマー組成物を使用してヒートシンクを形成する種々の試みがなされてきた。幾つかの状況では成功しているが、高い熱伝導率値を有するポリマー組成物は比較的劣った構造的完全性及び強度を有する傾向があり、逆に、高度の構造的完全性及び強度を有する組成物は比較的低い熱伝導率値を有する傾向がある。而して、高度の強度及び完全性を必要とする用途、例えば、自動車外装用途(例えばヘッドランプ)及び工業用途において熱伝導性ポリマー組成物を使用することは、伝統的に困難であった。したがって、高い熱伝導性及び良好な構造的完全性を有する熱伝導性ポリマー組成物に対する必要性が現在存在する。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明の一実施形態によれば、複数のフレーク形状の鉱物粒子及び鉱物ウィスカーがその中に分散されているポリマーマトリクスを含むポリマー組成物が開示される。このポリマー組成物は、ASTM-E1461-13にしたがって求めて約0.2W/m・K以上の面内方向熱伝導率を示す。
【0004】
[0004]本発明の他の特徴及び態様を下記においてより詳細に示す。
[0005]当業者に対するそのベストモードを含む本発明の完全かつ実施可能な開示を、添付の図面への参照を含む本明細書の残りの部分においてより詳細に示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】[0006]図1は、本発明にしたがって形成することができるヒートシンクの一実施形態の斜視図であり、この実施形態においては、ライトアセンブリに取り付けられているように示されている。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0007]当業者であれば、本議論は例示的な実施形態の説明にすぎず、本発明のより広い態様を限定することは意図しないことを理解する。
[0008]一般的に言えば、本発明は、鉱物繊維(ウィスカー)とフレーク形状の鉱物粒子の組み合わせを含むポリマー組成物に関する。本発明者らは、ポリマー組成物のこれら及び他の成分の特定の性質をそれらの相対濃度と一緒に選択的に制御することによって、得られる組成物は高度の熱伝導性を達成することができ、それによって、組成物は特定の部品(例えばLEDモジュール)から外への熱伝達のための熱経路を生成することができ、その結果、「ホットスポット」を迅速に排除することができ、使用中に全体の温度を低下させることができることを見出した。本組成物は、例えば、ASTM-E1461-13にしたがって求めて、約0.2W/m・K以上、幾つかの実施形態においては約0.5W/m・K以上、幾つかの実施形態においては約0.6W/m・K以上、幾つかの実施形態においては約0.8W/m・K以上、幾つかの実施形態においては約1~約3.5W/m・Kの面内方向熱伝導率を示すことができる。本組成物はまた、ASTM-E1461-13にしたがって求めて、約0.3W/m・K以上、幾つかの実施形態においては約0.5W/m・K以上、幾つかの実施形態においては約0.40W/m・K以上、幾つかの実施形態においては約0.7~約2W/m・Kの面直方向熱伝導率を示すこともできる。
【0007】
[0009]注目すべきことに、かかる熱伝導率は、驚くべきことに高度の固有熱伝導率を有する従来の材料を使用することなく達成することができることが見出された。例えば、本ポリマー組成物は、一般に、50W/m・K以上、幾つかの実施形態においては100W/m・K以上、幾つかの実施形態においては150W/m・K以上の固有熱伝導率を有するフィラーを含まなくてよい。かかる高い固有熱伝導率の材料の例としては、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素マグネシウム、グラファイト(例えば膨張グラファイト)、炭化ケイ素、カーボンナノチューブ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、アルミニウム粉末、及び銅粉末を挙げることができる。通常はかかる高い固有熱伝導率の材料の存在を最小にすることが望ましいが、それらは、特定の実施形態においてはポリマー組成物の約10重量%以下、幾つかの実施形態においては約5重量%以下、幾つかの実施形態においては約0.01重量%~約2重量%のような比較的小さい割合で存在させることができる。
【0008】
[0010]更に、従来は、高い熱伝導率を有する組成物はまた、十分に良好な機械特性を有し得ないと考えられていた。しかしながら、従来の考えに反して、本発明者らは、使用される特定の材料(例えば、ポリマーマトリクス、フレーク形状の鉱物粒子、鉱物繊維などの性質)及びそれらを処理する方法を慎重に制御することによって、未だ優れた機械特性を有するポリマー組成物から部品を形成することができることを見出した。例えば、本組成物は、ISO試験No.179-1:2010(ASTM-D256-10e1と技術的に同等)にしたがって23℃で測定して、約5kJ/mより高く、幾つかの実施形態においては約10~約50kJ/m、幾つかの実施形態においては約15~約30kJ/mのシャルピーノッチ無し衝撃強さを示すことができる。また、本組成物は、ISO試験No.179-1:2010(ASTM-D256-10e1と技術的に同等)にしたがって23℃で測定して、約0.5kJ/mより高く、幾つかの実施形態においては約1~約20kJ/m、幾つかの実施形態においては約2~約10kJ/mのシャルピーノッチ付き衝撃強さを示すことができる。また、引張及び曲げ機械特性も良好であり得る。例えば、本組成物は、約30~約300MPa、幾つかの実施形態においては約60~約200MPa、幾つかの実施形態においては約90~約150MPaの引張り強さ;約0.3%以上、幾つかの実施形態においては約0.4%~約3%、幾つかの実施形態においては約0.5%~約2%の引張破断撓み;及び/又は約10,000MPa~約40,000MPa、幾つかの実施形態においては約15,000MPa~約35,000MPa、幾つかの実施形態においては約18,000MPa~約30,000MPaの引張弾性率;を示すことができる。引張特性は、ISO試験No.527-1:2012(ASTM-D638-14と技術的に同等)にしたがって23℃で求めることができる。本ポリマー組成物はまた、約30MPa~約500MPa、幾つかの実施形態においては約80MPa~約500MPa、幾つかの実施形態においては約120MPa~約400MPa、幾つかの実施形態においては約130MPa~約250MPaの曲げ強さ;約0.5%以上、幾つかの実施形態においては約0.6%~約5%、幾つかの実施形態においては約0.7%~約2.5%の曲げ破断歪み;及び/又は約7,000MPa~約40,000MPa、幾つかの実施形態においては約10,000MPa~約40,000MPa、幾つかの実施形態においては約15,000MPa~約35,000MPa、幾つかの実施形態においては約18,000MPa~約30,000MPaの曲げ弾性率;を示すことができる。曲げ特性は、ISO試験No.178:2010(ASTM-D790-15e2と技術的に同等)にしたがって23℃で求めることができる。本ポリマー組成物はまた、ISO-75-2:2013(ASTM-D648-07と技術的に同等)にしたがって1.8MPaの規定荷重において求めて、約160oC以上、幾つかの実施形態においては約180oC~約240oCの荷重撓み温度(DTUL)を示すことができる。また、ポリマー組成物の比重は、ISO-1183-1:2012にしたがって求めて、約2.5g/cm以下、幾つかの実施形態においては約2g/cm以下、幾つかの実施形態においては約1.2~約1.9g/cmのように比較的低くすることができる。
【0009】
[0011]本発明者らは、かかる複数の特性の特有の組み合わせを有するポリマー組成物を達成する能力は、組成物において使用される成分の性質、及びそれらの相対濃度に対する選択的制御によって達成することができることを見出した。例えば、鉱物ウィスカーは、通常は組成物において使用されるポリマーマトリクス100重量部あたりの重量基準で約60~約350部、幾つかの実施形態においては約80~約300部、幾つかの実施形態においては約100~約250部の量で使用する。また、フレーク形状の鉱物粒子は、通常は鉱物ウィスカーよりも少ない量、例えば、組成物において使用されるポリマーマトリクス100重量部あたりの重量基準で約1~約60部、幾つかの実施形態においては約5~約50部、幾つかの実施形態においては約10~約40部の量で使用する。例えば、鉱物ウィスカーは、ポリマー組成物の約20重量%~約70重量%、幾つかの実施形態においては約25重量%~約65重量%、幾つかの実施形態においては約30重量%~約60重量%を構成し得、フレーク形状の鉱物粒子は、ポリマー組成物の約1重量%~約20重量%、幾つかの実施形態においては約2重量%~約18重量%、幾つかの実施形態においては約5重量%~約15重量%を構成し得る。
【0010】
[0012]ここで、本発明の様々な実施形態をより詳細に説明する。
I.ポリマー組成物:
A.ポリマーマトリクス:
[0013]ポリマーマトリクスは、通常は組成物の約10重量%~約50重量%、幾つかの実施形態においては約15重量%~約45重量%、幾つかの実施形態においては約20重量%~約40重量%を構成する。ポリマーマトリクスにおいては、一般に、任意の種々のポリマー又は複数のポリマーの組み合わせを使用することができる。好適なポリマーとしては、例えば、ポリオレフィン(例えば、エチレンポリマー、プロピレンポリマーなど)、ポリアミド(例えば、脂肪族、半芳香族、又は芳香族ポリアミド)、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(例えばポリオキシメチレン)、ポリフェニレンオキシド、ポリアリールケトン(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトンなど)、ポリカーボネートなど、並びにそれらのブレンドを挙げることができる。
【0011】
[0014]芳香族ポリマーは、かかるポリマーは比較的高いガラス転移温度及び/又は高い融点を有する「高性能」ポリマーと一般に考えられるので、特に好適である。而して、かかる高性能芳香族ポリマーは、得られるポリマー組成物に相当な程度の耐熱性を与えることができる。例えば、芳香族ポリマーは、約40℃以上、幾つかの実施形態においては約50℃以上、幾つかの実施形態においては約60℃~約320℃のガラス転移温度を有していてよい。芳香族ポリマーはまた、約200℃以上、幾つかの実施形態においては約210℃~約400℃、幾つかの実施形態においては約220℃~約380℃の融点を有していてよい。ガラス転移温度及び融点は、示差走査熱量測定(DSC)を使用して当該技術において周知なように求めることができ、例えばISO試験No.11357-2:2013(ガラス転移温度)及び11357-3:2011(融点)によって求めることができる。
【0012】
[0015]好適な半結晶性芳香族ポリマーの一例は、例えば、8~14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸と少なくとも1種類のジオールとの縮合生成物である芳香族ポリエステルである。好適なジオールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、及び式:HO(CHnOH(式中、nは2~10の整数である)の脂肪族グリコールを挙げることができる。好適な芳香族ジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2-ジ(p-カルボキシフェニル)エタン、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテルなど、並びにそれらの組み合わせを挙げることができる。また、1,4-、又は1,5-、或いは2,6-ナフタレンジカルボン酸のように、縮合環が存在していてもよい。かかる芳香族ポリエステルの特定の例としては、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(1,3-プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリ(1,4-ブチレン2,6-ナフタレート)(PBN)、ポリ(エチレン2,6-ナフタレート)(PEN)、ポリ(1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、並びに上記のコポリマー及び混合物を挙げることができる。
【0013】
[0016]更に、ポリエチレンテレフタレートポリマー及び/又はポリブチレンテレフタレートポリマーの変性物又はコポリマーを使用することもできる。例えば、一実施形態においては、変性酸又は変性ジオールを使用して、変性ポリエチレンテレフタレートポリマー及び/又は変性ポリブチレンテレフタレートポリマーを製造することができる。本明細書中において使用する「変性酸」及び「変性ジオール」の用語は、それぞれポリエステルの酸及びジオール繰り返し単位の一部を形成することができ、ポリエステルを変性して、その結晶化度を低下させることができるか、又はポリエステルをアモルファスにすることができる化合物を規定するように意図される。勿論、ポリエステルは非変性であってよく、変性酸又は変性ジオールを含まない。いずれの場合においても、変性酸成分の例としては、イソフタル酸、フタル酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,6-ナフタリンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、1,12-ドデカン二酸などを挙げることができるが、これらに限定されない。実際には、ジカルボン酸のジメチル、ジエチル、又はジプロピルエステルのようなその官能性酸誘導体を使用することがしばしば好ましい。これらの酸の無水物又は酸ハロゲン化物も、実用的な場合には使用することができる。変性ジオール成分の例としては、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル1,3-シクロブタンジオール、Z,8-ビス(ヒドロキシメチルトリシクロ-[5.2.1.0]-デカン(ここで、Zは、3、4又は5を表す);1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ジフェニルエーテル[ビス-ヒドロキシエチルビスフェノールA]、4,4’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルフィド[ビス-ヒドロキシエチルビスフェノールS]、及び鎖中に1個以上の酸素原子を含むジオール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限定されない。一般に、これらのジオールは、2~18個、幾つかの実施形態においては2~8個の炭素原子を含む。脂環式ジオールは、それらのシス又はトランス配置で、又は両方の形態の混合物として使用することができる。
【0014】
[0017]ポリアリーレンスルフィドもまた、好適な半結晶質芳香族ポリマーである。ポリアリーレンスルフィドは、ホモポリマー又はコポリマーであってよい。例えば、複数のジハロ芳香族化合物の選択的組み合わせによって、2つ以上の異なる単位を含むポリアリーレンスルフィドコポリマーをもたらすことができる。例えば、p-ジクロロベンゼンをm-ジクロロベンゼン又は4,4’-ジクロロジフェニルスルホンと組み合わせて使用した場合には、式:
【0015】
【化1】
【0016】
の構造を有するセグメント、及び式:
【0017】
【化2】
【0018】
の構造を有するセグメント、又は式:
【0019】
【化3】
【0020】
の構造を有するセグメントを含むポリアリーレンスルフィドコポリマーを形成することができる。
[0018]ポリアリーレンスルフィドは、線状、半線状、分岐、又は架橋型であってよい。線状ポリアリーレンスルフィドは、通常は80モル%以上の繰り返し単位:-(Ar-S)-を含む。かかる線状ポリマーはまた、少量の分岐単位又は架橋単位を含んでいてもよいが、分岐又は架橋単位の量は、通常はポリアリーレンスルフィドの全モノマー単位の約1モル%未満である。線状ポリアリーレンスルフィドポリマーは、上記に記載の繰り返し単位を含むランダムコポリマー又はブロックコポリマーであってよい。また、半線状ポリアリーレンスルフィドは、3つ以上の反応性官能基を有する少量の1種類以上のモノマーをポリマー中に導入した架橋構造又は分岐構造を有していてよい。例として、半線状ポリアリーレンスルフィドを形成するのに用いるモノマー成分に、分岐ポリマーの製造において用いることができる分子あたり2以上のハロゲン置換基を有する所定量のポリハロ芳香族化合物を含ませることができる。かかるモノマーは、式:R’X(式中、それぞれのXは、塩素、臭素、及びヨウ素から選択され、nは3~6の整数であり、R’は、約4個以下のメチル置換基を有していてよい価数nの多価芳香族基であり、R’中の炭素原子の総数は6~約16の範囲内である)によって表すことができる。半線状ポリアリーレンスルフィドを形成するのに用いることができる分子あたり2個より多いハロゲンで置換されている幾つかのポリハロ芳香族化合物の例としては、1,2,3-トリクロロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,3-ジクロロ-5-ブロモベンゼン、1,2,4-トリヨードベンゼン、1,2,3,5-テトラブロモベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、1,3,5-トリクロロ-2,4,6-トリメチルベンゼン、2,2’,4,4’-テトラクロロビフェニル、2,2’,5,5’-テトラヨードビフェニル、2,2’,6,6’-テトラブロモ-3,3’,5,5’-テトラメチルビフェニル、1,2,3,4-テトラクロロナフタレン、1,2,4-トリブロモ-6-メチルナフタレン
など、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
[0019]上記で参照したポリマーに加えて、ポリマー組成物中において結晶質ポリマーを使用することもできる。金型の小さな空間を有効に満たすことを可能にする高い結晶化度を有する液晶ポリマーが特に好適である。液晶ポリマーは、一般に、棒状構造を有し、それらの溶融状態(例えば、サーモトロピックネマチック状態)で結晶挙動を示すことができる限りにおいて「サーモトロピック」として分類される。このポリマーは、約250℃~約400℃、幾つかの実施形態においては約280℃~約390℃、幾つかの実施形態においては約300℃~約380℃のような比較的高い融点を有する。かかるポリマーは、当該技術において公知なように、1以上のタイプの繰り返し単位から形成することができる。液晶ポリマーには、例えば、通常はポリマーの約60モル%~約99.9モル%、幾つかの実施形態においては約70モル%~約99.5モル%、幾つかの実施形態においては約80モル%~約99モル%の量の1以上の芳香族エステル繰り返し単位を含ませることができる。芳香族エステル繰り返し単位は、一般に次式(I):
【0022】
【化4】
【0023】
(式中、
環Bは、置換又は非置換の6員アリール基(例えば、1,4-フェニレン又は1,3-フェニレン)、置換又は非置換の5又は6員アリール基に縮合している置換又は非置換の6員アリール基(例えば2,6-ナフタレン)、或いは置換又は非置換の5又は6員アリール基に結合している置換又は非置換の6員アリール基(例えば4,4-ビフェニレン)であり;
及びYは、独立して、O、C(O)、NH、C(O)HN、又はNHC(O)である)
によって表すことができる。
【0024】
[0020]通常は、Y及びYの少なくとも1つはC(O)である。かかる芳香族エステル繰り返し単位の例としては、例えば、芳香族ジカルボン酸繰り返し単位(式Iにおいて、Y及びYはC(O)である)、芳香族ヒドロキシカルボン酸繰り返し単位(式Iにおいて、YはOであり、YはC(O)である)、並びにこれらの種々の組み合わせを挙げることができる。
【0025】
[0021]例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシビフェニル、ビス(4-カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4-カルボキシフェニル)ブタン、ビス(4-カルボキシフェニル)エタン、ビス(3-カルボキシフェニル)エーテル、ビス(3-カルボキシフェニル)エタンなど、並びにこれらのアルキル、アルコキシ、アリール、及びハロゲン置換体、並びにこれらの組み合わせのような芳香族ジカルボン酸から誘導される芳香族ジカルボン酸繰り返し単位を用いることができる。特に好適な芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸(TA)、イソフタル酸(IA)、及び2,6-ナフタレンジカルボン酸(NDA)を挙げることができる。用いる場合には、芳香族ジカルボン酸(例えば、IA、TA、及び/又はNDA)から誘導される繰り返し単位は、通常はポリマーの約5モル%~約60モル%、幾つかの実施形態においては約10モル%~約55モル%、幾つかの実施形態においては約15モル%~約50%を構成する。
【0026】
[0022]また、4-ヒドロキシ安息香酸;4-ヒドロキシ-4’-ビフェニルカルボン酸;2-ヒドロキシ-6-ナフトエ酸;2-ヒドロキシ-5-ナフトエ酸;3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸;2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸;4’-ヒドロキシフェニル-4-安息香酸;3’-ヒドロキシフェニル-4-安息香酸;4’-ヒドロキシフェニル-3-安息香酸など、並びにこれらのアルキル、アルコキシ、アリール、及びハロゲン置換体、並びにこれらの組み合わせのような芳香族ヒドロキシカルボン酸から誘導される芳香族ヒドロキシカルボン酸繰り返し単位を用いることもできる。特に好適な芳香族ヒドロキシカルボン酸は、4-ヒドロキシ安息香酸(HBA)及び6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(HNA)である。用いる場合には、ヒドロキシカルボン酸(例えばHBA及び/又はHNA)から誘導される繰り返し単位は、通常はポリマーの約10モル%~約85モル%、幾つかの実施形態においては約20モル%~約80モル%、幾つかの実施形態においては約25モル%~約75モル%を構成する。
【0027】
[0023]また、ポリマー中において他の繰り返し単位を用いることもできる。例えば幾つかの実施形態においては、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル(又は4,4’-ビフェノール)、3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニルエーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタンなど、並びにこれらのアルキル、アルコキシ、アリール、及びハロゲン置換体、並びにこれらの組み合わせのような芳香族ジオールから誘導される繰り返し単位を用いることができる。特に好適な芳香族ジオールとしては、例えばヒドロキノン(HQ)及び4,4’-ビフェノール(BP)を挙げることができる。用いる場合には、芳香族ジオール(例えばHQ及び/又はBP)から誘導される繰り返し単位は、通常はポリマーの約1モル%~約30モル%、幾つかの実施形態においては約2モル%~約25モル%、幾つかの実施形態においては約5モル%~約20モル%を構成する。また、芳香族アミド(例えばアセトアミノフェン(APAP))、及び/又は芳香族アミン(例えば、4-アミノフェノール(AP)、3-アミノフェノール、1,4-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミンなど)から誘導されるもののような繰り返し単位を用いることもできる。用いる場合には、芳香族アミド(例えばAPAP)及び/又は芳香族アミン(例えばAP)から誘導される繰り返し単位は、通常はポリマーの約0.1モル%~約20モル%、幾つかの実施形態においては約0.5モル%~約15モル%、幾つかの実施形態においては約1モル%~約10モル%を構成する。また、種々の他のモノマー繰り返し単位をポリマー中に導入することができることも理解すべきである。例えば幾つかの実施形態においては、脂肪族又は脂環式ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジオール、アミド、アミンなどのような非芳香族モノマーから誘導される1以上の繰り返し単位をポリマーに含ませることができる。勿論、他の実施形態においては、ポリマーは、非芳香族(例えば脂肪族又は脂環式)モノマーから誘導される繰り返し単位を含まないという点で「全芳香族」であってよい。
【0028】
[0024]必ずしも必須ではないが、液晶ポリマーは、ナフテン系ヒドロキシカルボン酸及びナフテン系ジカルボン酸、例えば、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸(NDA)、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(HNA)、又はそれらの組み合わせから誘導される繰り返し単位を最小含量で含む限りにおいて、「低ナフテン系」ポリマーであり得る。すなわち、ナフテン系ヒドロキシカルボン酸及び/又はジカルボン酸(例えば、NDA、HNA、又はHNAとNDAの組み合わせ)から誘導される繰り返し単位の総量は、通常はポリマーの30モル%以下、幾つかの実施形態においては約15モル%以下、幾つかの実施形態においては約10モル%以下、幾つかの実施形態においては約8モル%以下、幾つかの実施形態においては0モル%~約5モル%(例えば0モル%)である。高いレベルの従来のナフテン酸が存在しないにもかかわらず、得られる「低ナフテン系」ポリマーは、依然として良好な熱特性及び機械特性を示すことができると考えられる。
【0029】
[0025]1つの特定の実施形態においては、液晶ポリマーは、4-ヒドロキシ安息香酸(HBA)、並びにテレフタル酸(TA)及び/又はイソフタル酸(IA)、並びに種々の他の随意的な成分から誘導される繰り返し単位から形成することができる。4-ヒドロキシ安息香酸(HBA)から誘導される繰り返し単位は、ポリマーの約10モル%~約80モル%、幾つかの実施形態においては約30モル%~約75モル%、幾つかの実施形態においては約45モル%~約70モル%を構成し得る。また、テレフタル酸(TA)及び/又はイソフタル酸(IA)から誘導される繰り返し単位は、ポリマーの約5モル%~約40モル%、幾つかの実施形態においては約10モル%~約35モル%、幾つかの実施形態においては約15モル%~約35モル%を構成し得る。また、ポリマーの約1モル%~約30モル%、幾つかの実施形態においては約2モル%~約25モル%、幾つかの実施形態においては約5モル%~約20モル%の量の4,4’-ビフェノール(BP)及び/又はヒドロキノン(HQ)から誘導される繰り返し単位を使用することもできる。他の可能な繰り返し単位としては、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(HNA)、2,6-ナフタレンジカルボン酸(NDA)、及び/又はアセトアミノフェン(APAP)から誘導されるものを挙げることができる。例えば幾つかの実施形態においては、HNA、NDA、及び/又はAPAPから誘導される繰り返し単位は、用いる場合には、それぞれ約1モル%~約35モル%、幾つかの実施形態においては約2モル%~約30モル%、幾つかの実施形態においては約3モル%~約25モル%を構成し得る。
【0030】
[0026]幾つかの実施形態においては、ポリマーマトリクス内において複数のポリマーのブレンドを使用することが望ましい場合がある。例えば、ポリマーマトリクスに、第2の芳香族ポリマーよりも速い結晶化速度を有する第1の芳香族ポリマーを含ませることができる。一実施形態においては、第1の芳香族ポリマーとしてはポリエチレンテレフタレートを挙げることができ、第2の芳香族ポリマーとしてはポリブチレンテレフタレートポリマーを挙げることができる。異なる結晶化速度を有する複数の芳香族ポリマーを組み合わせることにより、種々の利点及び利益を与えることができる。例えば、より遅い結晶化速度のポリマー(例えばポリブチレンテレフタレート)は、部品の表面に移動して、良好な表面光沢及び審美性を与える傾向を有する可能性があり、一方でより速い結晶化速度のポリマー(例えばポリエチレンテレフタレート)は、機械特性を向上させることができる。かかるブレンドを用いる場合には、通常は、第1のポリマーが第2のポリマーよりも多い量で存在することが望ましい。例えば、第1のポリマー/第2のポリマーの重量比は、約1~約20、幾つかの実施形態においては約2~約15、幾つかの実施形態においては約3~約10であってよい。第1のポリマーは、例えば、約10重量%~約40重量%、幾つかの実施形態においては約15重量%~約35重量%、幾つかの実施形態においては約20重量%~約30重量%を構成し得、一方で第2のポリマーは、ポリマー組成物の約1重量%~約10重量%、幾つかの実施形態においては約2重量%~約9重量%、幾つかの実施形態においては約3重量%~約8重量%を構成し得る。
【0031】
B.フレーク形状の鉱物粒子:
[0027]上記に示したように、本ポリマー組成物は、熱伝導率と機械特性の所望の組み合わせを達成するのを助けるために、複数のフレーク形状の鉱物粒子を含む。この粒子は一般に、約4以上、幾つかの実施形態においては約8以上、幾つかの実施形態においては約10~約500のような比較的高いアスペクト比(例えば、平均径を平均厚さで割った値)を有する。粒子の平均径は、例えば、約5マイクロメートル~約200マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約8マイクロメートル~約150マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの範囲であってよい。また、平均厚さは、約2マイクロメートル以下、幾つかの実施形態においては約5ナノメートル~約1マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約20ナノメートル~約500ナノメートルであってよい。フレーク形状の粒子は、通常は天然及び/又は合成シリケート鉱物、例えばマイカ、ハロイサイト、カオリナイト、イライト、モンモリロナイト、バーミキュライト、パリゴルスカイト、パイロフィライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、珪灰石などから形成される。例えば、マイカが特に好適である。一般に、例えばモスコバイト(KAl(AlSi)O10(OH))、バイオタイト(K(Mg,Fe)(AlSi)O10(OH))、フロゴパイト(KMg(AlSi)O10(OH))、レピドライト(K(Li,Al)2~3(AlSi)O10(OH))、グローコナイト(K,Na)(Al,Mg,Fe)(Si,Al)10(OH))などをはじめとする任意の形態のマイカを使用することができる。モスコバイト系のマイカが、本ポリマー組成物において用いるのに特に好適である。
【0032】
C.鉱物ウィスカー:
[0028]本ポリマー組成物はまた、複数の鉱物繊維(「ウィスカー」としても知られる)も含む。かかる鉱物繊維の例としては、ネオシリケート、ソロシリケート、イノシリケート(例えば、珪灰石のようなカルシウムイノシリケート;トレモライトのようなカルシウムマグネシウムイノシリケート;アクチノライトのようなカルシウムマグネシウム鉄イノシリケート;アントフィライトのようなマグネシウム鉄イノシリケート;など)、フィロシリケート(例えば、パリゴルスカイトのようなアルミニウムフィロシリケート)、テクトシリケートなどのようなシリケート;硫酸カルシウムのような硫酸塩(例えば、脱水又は無水石膏);ミネラルウール(例えば、ロックウール又はスラグウール);などを由来とするものが挙げられる。Nyco MineralsからNYGLOS(登録商標)(例えば、NYGLOS(登録商標)4W又はNYGLOS(登録商標)8)の商品名で入手できる珪灰石繊維のようなイノシリケートが特に好適である。
【0033】
[0029]鉱物繊維は、約1~約35マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約2~約20マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約3~約15マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約7~約12マイクロメートルのメジアン幅(例えば直径)を有していてよい。鉱物繊維はまた、狭い寸法分布を有していてよい。即ち、繊維の少なくとも約60体積%、幾つかの実施形態においては繊維の少なくとも約70体積%、幾つかの実施形態においては繊維の少なくとも約80体積%が、上記の範囲内の寸法を有していてよい。理論によって限定されることは意図しないが、上記の寸法特性を有する鉱物繊維は、成形装置を通ってより容易に移動することができ、これによりポリマーマトリクス内の分布が増大し、表面欠陥の生成が最小になると考えられる。上記の寸法特性を有することに加えて、鉱物繊維はまた、得られるポリマー組成物の機械特性及び表面品質を更に向上させるのを助ける比較的高いアスペクト比(平均長さをメジアン幅で割った値)を有していてよい。例えば、鉱物繊維は、約2~約100、幾つかの実施形態においては約2~約50、幾つかの実施形態においては約3~約20、幾つかの実施形態においては約4~約15のアスペクト比を有していてよい。かかる鉱物繊維の体積平均長さは、例えば、約1~約200マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約2~約150マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約5~約100マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約10~約50マイクロメートルの範囲であってよい。
【0034】
D.強化繊維:
[0030]また、機械特性を向上させるのを助けるために、強化繊維を使用することもできる。使用する場合には、かかる強化繊維は、通常は組成物において使用するポリマーマトリクス100重量部あたりの重量基準で約1~約60部、幾つかの実施形態においては約5~約50部、幾つかの実施形態においては約10~約40部の量で使用する。例えば、強化繊維は、ポリマー組成物の約1重量%~約20重量%、幾つかの実施形態においては約2重量%~約18重量%、幾つかの実施形態においては約5重量%~約15重量%を構成し得る。電子コンポーネントにおいて使用するのにしばしば望ましい絶縁特性を維持するのを助けるために、強化繊維は、ガラス、セラミック(例えば、アルミナ又はシリカ)、アラミド(例えば、Kevlar(登録商標))、ポリオレフィン、ポリエステルなど、並びにそれらの混合物のような、同様に事実上一般に絶縁性である材料から形成することができる。E-ガラス、A-ガラス、C-ガラス、D-ガラス、AR-ガラス、R-ガラス、S1-ガラス、S2-ガラスなど、及びそれらの混合物のようなガラス繊維が特に好適である。繊維の体積平均長さは、約1~約400マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約50~約400マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約80~約250マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約100~約200マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約110~約180マイクロメートルであってよい。繊維はまた、約10~約35マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約15~約30マイクロメートルの平均径を有していてよい。使用する場合には、強化繊維は、通常は組成物の約1重量%~約25重量%、幾つかの実施形態においては約2重量%~約20重量%、幾つかの実施形態においては約5重量%~約15重量%を構成する。
【0035】
E.他の成分:
[0031]また、滑剤、成核剤、カップリング剤、顔料、酸化防止剤、UV安定剤、界面活性剤、ワックス、難燃剤、垂れ防止添加剤、更なるポリマー、並びに特性及び加工性を向上させるために加える他の材料のような広範囲の更なる添加剤をポリマー組成物中に含ませることもできる。例えば、組成物に、組成物において使用するポリマーマトリクス100重量部あたりの重量基準で約0.1~約5部、幾つかの実施形態においては約0.2~約3部、幾つかの実施形態においては約0.3~約2部の量の成核剤を含ませることができる。例えば、成核剤は、ポリマー組成物の約0.01重量%~約5重量%、幾つかの実施形態においては約0.05重量%~約2重量%、幾つかの実施形態においては約0.1重量%~約1重量%を構成し得る。好適な成核剤としては、例えば、テレフタル酸ナトリウム、ナフタレンジカルボン酸ナトリウム、及びイソフタル酸ナトリウムのようなジカルボン酸の塩(例えばナトリウム塩)を挙げることができる。好適な成核剤としてはまた、C10~C36一官能性有機酸、幾つかの実施形態においてはC30~C36一官能性有機酸の塩(例えばナトリウム塩)、例えばステアリン酸ナトリウム、ベヘン酸ナトリウム、エルカ酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせも挙げられる。かかる成核剤の例は、ClariantからLicomont(登録商標)NaV101の商品名で商業的に入手できるモンタン酸のナトリウム塩である。
【0036】
[0032]ポリオレフィンワックス(例えばポリエチレンワックス)、アミドワックス、脂肪酸エステルワックスなどのような滑剤を使用することもできる。かかるワックスは、通常は組成物において使用するポリマーマトリクス100部あたり約0.1~約20部、幾つかの実施形態においては約0.4~約10部、幾つかの実施形態においては約0.5~約5部を構成する。脂肪酸エステルワックスは、例えば、粗天然ワックスを酸化漂白し、続いて脂肪酸をアルコールでエステル化することによって得ることができる。アルコールは、通常は1~4個のヒドロキシル基及び2~20個の炭素原子を有する。アルコールが多官能性(例えば2~4個のヒドロキシル基)である場合には、2~8の炭素原子数が特に望ましい。特に好適な多官能性アルコールとしては、二価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及び1,4-シクロヘキサンジオール)、三価アルコール(例えば、グリセロール及びトリメチロールプロパン)、四価アルコール(例えば、ペンタエリトリトール及びエリトリトール)などを挙げることができる。また、o-、m-、及びp-トリルカルビノール、クロロベンジルアルコール、ブロモベンジルアルコール、2,4-ジメチルベンジルアルコール、3,5-ジメチルベンジルアルコール、2,3,5-クモベンジルアルコール、3,4,5-トリメチルベンジルアルコール、p-クミニルアルコール、1,2-フタリルアルコール、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、シュードクメニルグリコール、メシチレングリコール、及びメシチレングリセロールのような芳香族アルコールも好適である。本発明において使用するのに特に好適な脂肪酸エステルは、モンタンワックスから誘導される。例えば、Licowax(登録商標)OP(Clariant)は、ブチレングリコールで部分的にエステル化されたモンタン酸、及び水酸化カルシウムで部分的にケン化されたモンタン酸を含む。而して、Licowax(登録商標)OPは、モンタン酸エステルとモンタン酸カルシウムの混合物を含む。使用することができる他のモンタン酸エステルとしては、例えば、Licowax(登録商標)E、Licowax(登録商標)OP、及びLicolub(登録商標)WE 4(全てClariantから)が挙げられ、これらは原料モンタンワックスの酸化精製からの二次生成物として得られるモンタン酸エステルである。Licowax(登録商標)E及びLicolub(登録商標)WE 4は、エチレングリコール又はグリセリンでエステル化されたモンタン酸を含む。
【0037】
[0033]更に別の好適な滑剤は、内部潤滑を向上させ、別の表面と接触する組成物の摩耗及び摩擦特性を強化するのも助けるシロキサンポリマーであってよい。かかるシロキサンポリマーは、通常は、組成物において使用するポリマーマトリクス100部あたり約0.2~約20部、幾つかの実施形態においては約0.5~約10部、幾つかの実施形態においては約0.8~約5部を構成する。一般に任意の種々のシロキサンポリマーを使用することができる。シロキサンポリマーは、例えば、骨格中に、式:
SiO(4-r/2)
(式中、
Rは、独立して、水素、又は置換若しくは非置換の炭化水素基であり、
rは、0、1、2又は3である)
を有するシロキサン単位を含む任意のポリマー、コポリマー、又はオリゴマーを包含し得る。
【0038】
[0034]好適な基Rの幾つかの例としては、例えば、場合によって置換されているアルキル、アリール、アルキルアリール、アルケニル、又はアルキニル、或いはシクロアルキル基が挙げられ、これらはヘテロ原子が介在していてもよく、すなわち炭素鎖又は環中に1つ又は複数のヘテロ原子を含んでいてもよい。好適なアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル及びtert-ペンチル基、ヘキシル基(例えばn-ヘキシル)、ヘプチル基(例えばn-ヘプチル)、オクチル基(例えばn-オクチル)、イソオクチル基(例えば2,2,4-トリメチルペンチル基)、ノニル基(例えばn-ノニル)、デシル基(例えばn-デシル)、ドデシル基(例えばn-ドデシル)、オクタデシル基(例えばn-オクタデシル)などを挙げることができる。また、好適なシクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基などを挙げることができ;好適なアリール基としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、及びフェナントリル基を挙げることができ;好適なアルキルアリール基としては、はo-、m-、又はp-トリル基、キシリル基、エチルフェニル基などを挙げることができ;好適なアルケニル又はアルキニル基としては、ビニル、1-プロペニル、1-ブテニル、1-ペンテニル、5-ヘキセニル、ブタジエニル、ヘキサジエニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、エチニル、プロパルギル、1-プロピニルなどを挙げることができる。置換炭化水素基の例は、ハロゲン化アルキル基(例えば、3-クロロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、及びペルフルオロヘキシルエチル)、及びハロゲン化アリール基(例えば、p-クロロフェニル、及びp-クロロベンジル)である。1つの特定の実施形態においては、シロキサンポリマーは、Si原子の少なくとも70モル%に結合したアルキル基(例えばメチル基)、及び場合によってはSi原子の0.001~30モル%に結合したビニル及び/又はフェニル基を含む。シロキサンポリマーはまた、好ましくは主としてジオルガノシロキサン単位から構成される。ポリオルガノシロキサンの末端基は、トリアルキルシロキシ基、特にトリメチルシロキシ基、又はジメチルビニルシロキシ基であってよい。しかしながら、これらのアルキル基の1つ以上が、ヒドロキシ基、又はメトキシ又はエトキシ基のようなアルコキシ基で置換されていることもあり得る。シロキサンポリマーの特に好適な例としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン、ビニルメチルポリシロキサン、及びトリフルオロプロピルポリシロキサンが挙げられる。
【0039】
[0035]シロキサンポリマーはまた、ポリマーのシロキサンモノマー単位の少なくとも一部の上に、ビニル基、ヒドロキシル基、ヒドリド、イソシアネート基、エポキシ基、酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、及びオクタノイルオキシ)、ケトキシメート基(例えば、ジメチルケトキシム、メチルケトキシム、及びメチルエチルケトキシム)、アミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、及びブチルアミノ)、アミド基(例えば、N-メチルアセトアミド、及びN-エチルアセトアミド)、酸アミド基、アミノ-オキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基(例えば、ビニルオキシ、イソプロペニルオキシ、及び1-エチル-2-メチルビニルオキシ)、アルコキシアルコキシ基(例えば、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、及びメトキシプロポキシ)、アミノオキシ基(例えば、ジメチルアミノオキシ、及びジエチルアミノオキシ)、メルカプト基などの1以上のような反応性官能基を含んでいてもよい。
【0040】
[0036]その特定の構造にかかわらず、シロキサンポリマーは通常は比較的高い分子量を有し、これによりそれがポリマー組成物の表面に移動又は拡散する傾向が減少し、したがって相分離の可能性が更に最小になる。例えば、シロキサンポリマーは、通常は、約100,000グラム/モル以上、幾つかの実施形態においては約200,000グラム/モル以上、幾つかの実施形態においては約500,000グラム/モル~約2,000,000グラム/モルの重量平均分子量を有する。シロキサンポリマーはまた、約10,000センチストークス以上、幾つかの実施形態においては約30,000センチストークス以上、幾つかの実施形態においては約50,000~約500,000センチストークスのような比較的高い動粘度を有していてもよい。
【0041】
[0037]所望であれば、シリカ粒子(例えばヒュームドシリカ)をシロキサンポリマーと組み合わせて用いて、組成物中に分散するその能力の向上を助けることもできる。かかるシリカ粒子は、例えば、約5ナノメートル~約50ナノメートルの粒径、約50平方メートル/グラム(m/g)~約600m/gの表面積、及び/又は約160キログラム/立方メートル(kg/m)~約190kg/mの密度を有していてよい。使用する場合には、シリカ粒子は、通常はシロキサンポリマー100重量部を基準とする重量基準で約1~約100部、幾つかの実施形態においては約20~約60部を構成する。一実施形態においては、シリカ粒子は、シロキサンポリマーと混合した後に、この混合物をポリマー組成物に加えることができる。例えば、超高分子量ポリジメチルシロキサン及びヒュームドシリカを含む混合物をポリマー組成物中に導入することができる。かかる予め形成された混合物は、Wacker Chemie, AGからGenioplast(登録商標)ペレットSとして入手できる。
【0042】
II.形成:
[0038]ポリマーマトリクス、フレーク形状の鉱物粒子、鉱物ウィスカー、及び他の随意的な添加剤は、一緒に溶融加工又はブレンドすることができる。成分は、バレル(例えば円筒形のバレル)内に回転可能に取り付けられて収容されている少なくとも1つのスクリューを含み、スクリューの長さに沿って、供給セクション及び供給セクションの下流に配置される溶融セクションを画定することができる押出機に、別々か又は組み合わせて供給することができる。通常は、押出機の混合及び/又は溶融セクション内で使用する分配及び/又は分散混合部材の数を最小にすることが望ましい。鉱物粒子及び/又はウィスカーは、1種類又は複数のポリマーが供給される点(例えばホッパー)の下流の位置で加えることができる。鉱物粒子及び/又はウィスカーはまた、1種類又は複数のポリマーの下流の位置で押出機に供給することもできる。押出機の1以上のセクションを、通常は、例えば約200℃~約450℃、幾つかの実施形態においては約210℃~約350℃、幾つかの実施形態においては約220℃~約350℃の温度範囲内で加熱して組成物を形成する。スクリューの速度は、所望の滞留時間、剪断速度、溶融加工温度などを達成するように選択することができる。例えば、スクリュー速度は、約50~約800回転/分(rpm)、幾つかの実施形態においては約70~約150rpm、幾つかの実施形態においては約80~約120rpmの範囲であってよい。また、溶融ブレンド中のみかけ剪断速度は、約100秒-1~約10,000秒-1、幾つかの実施形態においては約500秒-1~約5000秒-1、幾つかの実施形態においては約800秒-1~約1200秒-1の範囲であってよい。みかけせん断速度は、4Q/πR(式中、Qはポリマー溶融体の体積流量(m/秒)であり、Rはそれを通って溶融ポリマーが流れる毛細管(例えば押出機ダイ)の半径(m)である)に等しい。
【0043】
[0039]本発明者らは、それを形成する特定の方法には関係なく、得られるポリマー組成物は優れた熱特性を有することができることを見出した。例えば、ポリマー組成物を小さい寸法を有する金型のキャビティ中に容易に流入させることができるように、ポリマー組成物の溶融粘度を十分に低くすることができる。1つの特定の実施形態においては、ポリマー組成物は、1000秒-1の剪断速度において求めて約10~約600パスカル・秒(Pa・秒)、幾つかの実施形態においては約40~約300Pa・秒、幾つかの実施形態においては約50~約200Pa・秒の溶融粘度を有し得る。溶融粘度は、ISO試験No.11443:2005にしたがって、組成物の融点(例えば300℃)よりも少なくとも約15℃高い温度において求めることができる。
【0044】
III.成形部品:
[0040]形成したら、ポリマー組成物は、広範囲の異なる用途において使用するための部品に成形することができる。かかる部品は、成形(例えば、射出成形、圧縮成形など)、キャスト、熱成形などによる種々の異なるプロセスを使用して形成することができる。例えば、成形部品は、ポリマー組成物から形成された顆粒を金型中に射出し、成形し、その後に冷却する一成分射出成形プロセスを使用して成形することができる。
【0045】
[0041]1つの特定の実施形態においては、例えば、ポリマー組成物を使用して、別の部品又は表面から熱を除去、伝導、及び/又は吸収することができる「ヒートシンク」を形成することができる。得られるヒートシンクのデザイン及び形状は、当該技術において公知なように変化させることができ、特定の用途、必要とされる熱伝達の程度、ヒートシンクの位置、及び利用可能な空間の量のような種々の異なるファクターに応じて定めることができる。例えば一実施形態においては、ヒートシンクに、ヒートスキンの全表面積を増加させる複数の離間した放熱部材(例えば、フィン、繊維など)を含ませることができる。放熱部材の数は変化させることができるが、通常は2~20、幾つかの実施形態においては4~18、幾つかの実施形態においては6~16である。放熱部材の高さは、通常は約1~約100ミリメートル、幾つかの実施形態においては約2~約60ミリメートル、幾つかの実施形態においては約5~約40ミリメートルである。放熱部材は、基部から外方に突出させることができ、これはほぼ平面であってよく、長方形、正方形、円形などのような任意の所望の形状を有していてよい。部材が基部から伸長する方向は、基部の主表面に対して垂直、基部から放射状などのように、必要に応じて変化させることができる。ヒートシンクを形成するために使用することに加えて、本発明のポリマー組成物はまた、ライト、トンネルライト、ヘッドランプなどのための光源(例えば発光ダイオード(LED))、又は例えばコンピュータ、電話、電子制御ユニットなどにおいて使用される他の電子機器のためのハウジングのような他のタイプの成形部品に成形することもできる。かかる熱伝導性ヒートシンク及び/又はハウジング構造は、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、又は推進のために電力を使用する他のタイプの車両(集合的に「電気自動車」と呼ばれる)のような乗物(例えば、自動車、バス、オートバイ、船舶など)において特に有用であり得る。
【0046】
[0042]例えば図1を参照すると、本発明のポリマー組成物を含ませることができるライトアセンブリ42の1つの特定の実施形態が示されている。示された実施形態においては、光アセンブリ42はヒートシンク18を含み、これは基部を含み、それから複数の放熱部材50(例えばフィン)が基部の主表面に対して垂直の方法に突出して高さ「I」を画定している。所望であれば、ヒートシンク18の任意の部分(例えばフィン及び/又は基部)を本発明のポリマー組成物から形成することができる。ヒートシンク18は、ライトアセンブリ26の外側ハウジング26の外部に配置され、その中にLEDモジュール12が取り付けられている。所望であれば、ハウジング26の任意の部分を本発明のポリマー組成物から形成することができる。また、コネクタ20を、一つの端部22においてヒートシンク18、別の端部24においてLEDモジュール12に取り付けて、熱をLEDモジュール12からヒートシンク18に伝導するように構成することもできる。コネクタ20は、スナップ、リベット、ボルト、ねじ、クランプ、スタッド、溶接、ろう付け、はんだ付け、接着剤などのような固定具58を用いて取り付けることができる。また、コネクタ20及び/又は固定具58が熱伝導性であってもよく、金属又は本明細書に記載されるような熱伝導性ポリマー組成物から形成することができる。勿論、ヒートシンク18はまた、ハウジング26又はLEDモジュール12に直接取り付けることもでき、又は更にはかかる構成要素と一体成形することもできる。LEDモジュール12には1以上(例えば2つ)の発光ダイオード36を含ませることができ、これらは基板38上に配置することができる。また、LED回路44も基板38上に配置される。反射器48は、LEDモジュールからの光を所望の方向に向けるのを補助する。反射器48には、金属コーティングのような反射コーティングをその内表面上に有するシェル34を含ませることができる。乗物のバッテリーからLEDモジュール12に電流を供給して、ダイオード36を発光させることができ、次にレンズ54を通過させ、反射器48によって光アセンブリ16から外側に投射する。LEDが発光すると熱も生成するが、これはヒートシンク18によって除去することができる。
【0047】
[0043]本発明は以下の実施例を参照することによってより良好に理解することができる。
試験方法:
[0044]熱伝導率:面内方向及び面直方向熱伝導率の値は、ASTM-E1461-13にしたがって求める。
【0048】
[0045]比重:比重は、ISO-1183-1:2012にしたがって求めることができる。
[0046]溶融粘度:溶融粘度(Pa・秒)は、ISO試験No.11443:2005にしたがって、例えばDynisco LCR7001毛細管流量計を用いて求めることができる。流量計のオリフィス(ダイ)は、例えば、1mmの直径、20mmの長さ、20:1のL/D比、及び180°の入口角を有していてよい。バレルの直径は9.55mm+0.005mmであり、ロッドの長さは233.4mmであった。溶融粘度は、通常は融点(例えば300℃)より少なくとも15℃高い温度、及び400秒-1又は1,200秒-1のせん断速度において求める。
【0049】
[0047]ガラス転移温度及び融点:ガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)は、当該技術において公知なように示差走査熱量測定(DSC)によって求めることができる。半結晶質及び結晶質の材料に関しては、融点は、ISO試験No.11357-2:2016によって求められる示差走査熱量測定(DSC)ピーク融解温度である。DSC手順においては、ISO標準規格において述べられているように試料を20℃/分で加熱及び冷却した。
【0050】
[0048]引張特性:引張特性は、ISO試験No.527:2012(ASTM-D638-14と技術的に同等)にしたがって試験することができる。試験片試料は、80mmの長さ、10mmの厚さ、及び4mmの幅を有していてよい。試験温度は23℃であってよく、試験速度は1又は5mm/分であってよい。
【0051】
[0049]曲げ特性:曲げ特性は、ISO試験No.178:2010(ASTM-D790-10と技術的に同等)にしたがって試験することができる。この試験は、64mmの支持スパンに関して行うことができる。試験は、未切断のISO-3167多目的棒材の中央部分について行うことができる。試験温度は23℃であってよく、試験速度は2mm/分であってよい。
【0052】
[0050]ノッチ無し及びノッチ付きシャルピー衝撃強さ:シャルピー特性は、ISO試験No.179-1:2010(ASTM-D256-10、方法Bと技術的に同等)にしたがって試験することができる。この試験は、タイプ1の試験片寸法(80mmの長さ、10mmの幅、及び4mmの厚さ)を用いて行うことができる。ノッチ付き衝撃強さを試験する場合には、ノッチはタイプAのノッチ(0.25mmの底半径)であってよい。試験片は、一枚歯フライス盤を用いて多目的棒材の中央部分から切り出すことができる。試験温度は23℃又は-30℃であってよい。
【0053】
[0051]荷重撓み温度(DTUL):荷重撓み温度は、ISO試験No.75-2:2013(ASTM-D648-07と技術的に同等)にしたがって求めることができる。より詳しくは、80mmの長さ、10mmの厚さ、及び4mmの幅を有する試験片試料を、規定荷重(最大外繊維応力)が1.8メガパスカルである沿層方向3点曲げ試験にかけることができる。試験片をシリコーン油浴中に降下させることができ、そこで0.25mm(ISO試験No.75-2:2013に関しては0.32mm)歪むまで温度を2℃/分で上昇させる。
【0054】
実施例1:
[0052]28.6重量%のポリエチレンテレフタレート(Adante(登録商標)13006)、5重量%のポリブチレンテレフタレート(Celanex(登録商標)2020-ED3002K40)、10重量%のガラス繊維(Owens Corning)、10重量%のマイカ、45重量%の珪灰石繊維(Nyglos(登録商標)8)、1重量%のペレット化シリコーン(Genioplast(登録商標)ペレットS)、0.2重量%のポリエチレンワックス(Licolub(登録商標)H12)、及び0.2重量%の成核剤(Licomont(登録商標)Nav 101)のブレンドからポリマー組成物を形成した。
【0055】
実施例2:
[0053]24.6重量%のポリエチレンテレフタレート(Adante(登録商標)13006)、5重量%のポリブチレンテレフタレート(Celanex(登録商標)2020-ED3002K40)、20重量%のマイカ、50重量%の珪灰石繊維(Nyglos(登録商標)4W)、0.2重量%のポリエチレンワックス(Licolub(登録商標)H12)、及び0.2重量%の成核剤(Licomont(登録商標)Nav 101)のブレンドからポリマー組成物を形成した。
【0056】
実施例3:
[0054]24.6重量%のポリエチレンテレフタレート(Adante(登録商標)13006)、5重量%のポリブチレンテレフタレート(Celanex(登録商標)2020-ED3002K40)、10重量%のガラス繊維(Owens Corning)、20重量%のマイカ、40重量%の珪灰石繊維(Nyglos(登録商標)4W)、0.2重量%のポリエチレンワックス(Licolub(登録商標)H12)、及び0.2重量%の成核剤(Licomont(登録商標)Nav 101)のブレンドからポリマー組成物を形成した。
【0057】
実施例4:
[0055]24.6重量%のポリエチレンテレフタレート(Adante(登録商標)13006)、5重量%のポリブチレンテレフタレート(Celanex(登録商標)2020-ED3002K40)、10重量%のガラス繊維(Owens Corning)、20重量%のマイカ、40重量%の珪灰石繊維(Nyglos(登録商標)4W、サイジング)、0.2重量%のポリエチレンワックス(Licolub(登録商標)H12)、及び0.2重量%の成核剤(Licomont(登録商標)Nav 101)の混合物からポリマー組成物を形成した。
【0058】
実施例5:
[0056]24.6重量%のポリエチレンテレフタレート(Adante(登録商標)13006)、5重量%のポリブチレンテレフタレート(Celanex(登録商標)2020-ED3002K40)、10重量%のガラス繊維(Owens Corning)、20重量%のマイカ、40重量%の珪灰石繊維(Nyglos(登録商標)8)、0.2重量%のポリエチレンワックス(Licolub(登録商標)H12)、及び0.2重量%の成核剤(Licomont(登録商標)Nav 101)のブレンドからポリマー組成物を形成した。
【0059】
実施例6:
[0057]29.6重量%のポリエチレンテレフタレート(Adante(登録商標)13006、5重量%のポリブチレンテレフタレート(Celanex(登録商標)2020-ED3002K40)、10重量%のガラス繊維(Owens Corning)、20重量%のマイカ、35重量%の珪灰石繊維(Nyglos(登録商標)8)、0.2重量%のポリエチレンワックス(Licolub(登録商標)H12)、及び0.2重量%の成核剤(Licomont(登録商標)Nav 101)のブレンドからポリマー組成物を形成した。
【0060】
実施例7:
[0058]29.6重量%のポリフェニレンスルフィド(Fortron(登録商標)0203)、5重量%の液晶ポリマー(Vectra(登録商標)E9500i)、10重量%のガラス繊維(Owens Corning)、10重量%のマイカ、45重量%の珪灰石繊維(Nyglos(登録商標)8)、0.08重量%の3-アミノプロピルトリエトキシシラン、0.2重量%の滑剤(Glycolube(登録商標)P)のブレンドからポリマー組成物を形成した。
【0061】
[0059]実施例1~7からの試料を熱特性及び機械特性について試験した。その結果を下表に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
[0060]本発明のこれら及び他の修正及び変形は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施することができる。更に、種々の実施形態の複数の態様は、全体的に又は部分的に交換することができることを理解すべきである。更に、当業者であれば、上記の記載は単に例示の目的であり、添付の特許請求の範囲に更に記載される発明を限定することは意図しないことを認識する。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
複数のフレーク形状の鉱物粒子及び鉱物ウィスカーがその中に分散しているポリマーマトリクスを含むポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物は、ASTM-E1461-13にしたがって求めて約0.2W/m・K以上の面内方向熱伝導率を示す、前記ポリマー組成物。
[請求項2]
前記組成物が、ASTM-E1461-13にしたがって求めて約0.5W/m・K以上の面直方向熱伝導率を示す、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項3]
50W/m・K以上の固有伝導率を有する熱伝導性フィラーを含まない、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項4]
前記組成物が、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素マグネシウム、グラファイト、炭化ケイ素、カーボンナノチューブ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、アルミニウム粉末、及び銅粉末を含まない、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項5]
前記組成物が、ISO試験No.527-1:2012にしたがって23℃の温度で求めて、約30~約300MPaの引張強さ及び/又は約10,000MPa~約40,000MPaの引張弾性率を示す、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項6]
前記組成物が、ISO試験No.178:2010にしたがって23℃の温度で求めて、約30~約500MPaの曲げ強さ及び/又は約7,000MPa~約40,000MPaの曲げ弾性率を示す、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項7]
前記鉱物ウィスカーが、前記ポリマーマトリクス100重量部あたり約60~約350重量部の量で使用される、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項8]
前記フレーク形状の鉱物粒子が、前記ポリマーマトリクス100重量部あたり約1~約60重量部の量で使用される、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項9]
前記ポリマーマトリクスが、前記ポリマー組成物の約10重量%~約50重量%を構成する、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項10]
前記ポリマーマトリクスが、約40℃以上のガラス転移温度を有する芳香族ポリマーを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項11]
前記芳香族ポリマーが約200℃以上の融点を有する、請求項10に記載のポリマー組成物。
[請求項12]
前記ポリマーマトリクスが芳香族ポリエステルを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項13]
前記ポリマーマトリクスが、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)、ポリ(1,3-プロピレンテレフタレート)、ポリ(1,4-ブチレン2,6-ナフタレート)、ポリ(エチレン2,6-ナフタレート)、ポリ(1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、又はそれらのコポリマー若しくは混合物を含む、請求項12に記載のポリマー組成物。
[請求項14]
前記ポリマーマトリクスが第1の芳香族ポリマーと第2の芳香族ポリマーのブレンドを含み、前記第1の芳香族ポリマー/前記第2の芳香族ポリマーの重量比が約1~約20である、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項15]
前記第1の芳香族ポリマーがポリエチレンテレフタレートであり、前記第2の芳香族ポリマーがポリブチレンテレフタレートである、請求項14に記載のポリマー組成物。
[請求項16]
前記ポリマーマトリクスが液晶ポリマーを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項17]
前記ポリマーマトリクスがポリアリーレンスルフィドを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項18]
前記フレーク形状の鉱物粒子が約4以上のアスペクト比を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項19]
前記フレーク形状の鉱物粒子がマイカを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項20]
前記鉱物ウィスカーが約2~約100のアスペクト比を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項21]
前記鉱物ウィスカーが珪灰石ウィスカーを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項22]
前記ポリマーマトリクス100重量部あたり約1~約60重量部の量の強化繊維を更に含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項23]
前記強化繊維がガラス繊維を含む、請求項22に記載のポリマー組成物。
[請求項24]
前記ポリマーマトリクス100重量部あたり約0.1~約5重量部の量の成核剤を更に含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
[請求項25]
前記成核剤が、C10~C36単官能性有機酸の塩を含む、請求項24に記載のポリマー組成物。
[請求項26]
請求項1に記載のポリマー組成物を含むヒートシンク。
[請求項27]
前記ヒートシンクが前記ポリマー組成物から形成された複数の離間した放熱部材を含む、請求項26に記載のヒートシンク。
[請求項28]
前記放熱部材がフィンである、請求項27に記載のヒートシンク。
[請求項29]
前記放熱部材が基部から外側に突出しており、前記基部は前記ポリマー組成物から形成されている、請求項27に記載のヒートシンク。
[請求項30]
請求項1に記載のポリマー組成物を含む、電子部品又は光源のためのハウジング。
[請求項31]
ライトアセンブリであって、
1以上の発光ダイオードを含むLEDモジュール;
前記LEDモジュールを収容するハウジング;及び
前記ハウジングの外部に配置されたヒートシンク;
を含み;
前記ヒートシンク、前記ハウジング、又はその両方が請求項1に記載のポリマー組成物を含む、前記ライトアセンブリ。
[請求項32]
前記ヒートシンクが、コネクタを介して前記LEDモジュールに取り付けられている、請求項31に記載のライトアセンブリ。
[請求項33]
前記ヒートシンクが前記ハウジングに取り付けられている、請求項31に記載のライトアセンブリ。
図1