(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】復号器支援型の反復チャネル推定
(51)【国際特許分類】
H04L 27/00 20060101AFI20230922BHJP
H03M 13/27 20060101ALI20230922BHJP
H04B 1/713 20110101ALI20230922BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20230922BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H04L27/00 B
H03M13/27
H04B1/713
H04B7/08 800
H04L1/00 B
H04L1/00 F
(21)【出願番号】P 2020558035
(86)(22)【出願日】2019-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2019060006
(87)【国際公開番号】W WO2019202039
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】102018206132.7
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(73)【特許権者】
【識別番号】510035185
【氏名又は名称】フリードリヒ-アレクサンダー-ユニベルシタ・エアランゲン-ニュルンベルク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲルト・キリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーコブ・クナイスル
(72)【発明者】
【氏名】フランク・オベルノステラー
(72)【発明者】
【氏名】ライムント・マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】エーベルハルト・ガン
(72)【発明者】
【氏名】ヨーク・ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・ヴェクスラー
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュリヒト
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/048959(WO,A1)
【文献】特表2006-512808(JP,A)
【文献】特表2005-538659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/00
H03M 13/27
H04B 1/713
H04B 7/08
H04L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ受信器(110)は、信号(120)を受信するように構成され、前記信号(120)は少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)を含み、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)はシンボル(146)を含み、前記シンボル(146)は、送信器側において、データビットシーケンス(150)の冗長性導入符号化の結果として生じる符号化ビット(152)をマッピングすることによって取得され、前記マッピングすることは、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)に対して一緒に行われ、
前記データ受信器(110)は、第1のチャネル状態情報(128)を取得するために、受信信号に基づいて前記信号(120)の伝送チャネル(118)のチャネル状態を推定するように構成され、前記受信信号は前記信号(120)の受信されたバージョンであり、
前記データ受信器(110)は、前記第1のチャネル状態情報(128)を使用して、異なる部分データパケット(142)から、受信されたシンボルの第1の集合(130)を復調して、復調された符号化されたビットの第1の集合(132)を取得するように構成され、受信されたシンボルの前記第1の集合(130)は、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)の前記受信されたシンボル(146)の真部分集合であり、前記受信されたシンボルは、前記信号(120)の前記シンボルの受信されたバージョンであり、
復調された符号化ビットの前記第1の集合(132)は、
復調された符号化ビットの
前記第1の集合(132)に対応する
前記送信器側の符号化ビットの第1の集合(153)を決定することを可能にし、
前記データ受信器(110)は、前記送信器側の冗長性導入符号化を使用して、推定された符号化ビットの第1の集合(164)を決定するために、復調された符号化ビットの前記第1の集合(132)を復号することであって、推定された符号化ビットの前記第1の集合(164)が
前記送信器側の符号化ビットの
第1の集合
(153)に
一致する確率は、前記復調された符号化ビット
の第1の集合(132)が
前記送信器側の符号化ビットの第1の集合
(153)に
一致する確率よりも高い、ことと、推定された送信シンボルの第1の集合(134)を取得するために、送信器側のマッピングルールに一致するマッピングルールを使用して、推定された符号化ビットの前記第1の集合(164)を推定された送信シンボルにマッピングすることとを行うように構成され、
前記データ受信器(110)は、推定された送信シンボルの前記第1の集合(134)を使用して、第2のチャネル状態情報(128)を決定するように構成され、
前記データ受信器(110)は、前記第2のチャネル状態情報(128)を使用して、異なる部分データパケット(142)から、受信されたシンボルの第2の集合(136)を復調して、復調された符号化ビットの第2の集合(133)を取得する、ように構成され、受信されたシンボルの前記第2の集合(136)は、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)の前記受信されたシンボル(146)の真部分集合であり、
前記それぞれの部分データパケット(142)内の受信されたシンボルの前記第2の集合(136)は、受信されたシンボルの前記第1の集合(130)よりも、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)のパイロットシンボル(144)に対してより大きな時間間隔を含む、データ受信器(110)。
【請求項2】
前記それぞれの部分データパケット(142)における受信されたシンボルの前記第1の集合(130)は、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)のパイロットシンボル(144)に隣接して配置される、請求項1に記載のデータ受信器(110)。
【請求項3】
前記それぞれの部分データパケット(142)内の受信されたシンボルの前記第1の集合(130)の第1の部分は、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)の前記パイロットシンボル(144)の前に時間的に配置され、
前記それぞれの部分データパケット(142)内の受信されたシンボルの前記第1の集合(130)の第2の部分は、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)の前記パイロットシンボル(144)の後に時間的に配置される、請求項2に記載のデータ受信器(110)。
【請求項4】
前記それぞれの部分データパケット(142)内の受信されたシンボルの前記第2の集合(136)は、受信されたシンボルの前記第1の集合(130)に隣接して配置される、請求項3に記載のデータ受信器。
【請求項5】
前記それぞれの部分データパケット(142)内の受信されたシンボルの前記第2の集合(136)の第1の部分は、受信されたシンボルの前記第1の集合(130)の前記第1の部分の前に時間的に配置され、
前記それぞれの部分データパケット(142)内の受信されたシンボルの前記第2の集合(136)の第2の部分は、受信されたシンボルの前記第1の集合の(130)前記第2の部分の後に時間的に配置される、請求項3に記載のデータ受信器(110)。
【請求項6】
前記データ受信器(110)は、前記第1のチャネル状態情報(128)を取得するために、最初に、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)のパイロットシンボル(144)に基づいて前記伝送チャネル(118)の前記チャネル状態を推定するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項7】
前記データ受信器(110)は、前記第2のチャネル状態情報(128)を取得するために、推定された送信シンボルの前記第1の集合(134)を使用して前記チャネル状態を推定するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項8】
前記データ受信器(110)は、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)の各々について、前記伝送チャネル(118)の前記チャネル状態を推定するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項9】
受信されたシンボルの前記第1の集合(130)は、受信されたシンボルの前記第1の集合(130)が復調された符号化ビットの前記第1の集合(132)の再構築を可能にするように選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項10】
前記データ受信器(110)は、ビタビ復号器を使用して、復調された符号化ビットの前記第1の集合(132)を復号化するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項11】
前記データ受信器(110)は、前記データ受信器(110)に知られているインターリーブパターンに基づいて、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)の前記受信されたシンボル(146)から、受信されたシンボルの前記第1の集合(130)を選択するように構成されることができ、前記インターリーブパターンは送信器側インターリーブパターンと一致し、前記送信器側インターリーブパターンに基づいて、前記符号化ビット(152)は、前記送信器側で、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)間でインターリーブされて分割される、請求項1から10のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項12】
前記インターリーブパターンは、あらかじめ定められた数の符号化ビットの周期的なシフトを含む、請求項11に記載のデータ受信器(110)。
【請求項13】
前記データ受信器(110)は、復調された符号化ビットの前記第1の集合(132)に基づいて信頼性情報を、推定された送信シンボルの第1の集合(134)に提供するように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項14】
前記データ受信器(110)は、符号化ビットの前記第1の集合(132)の信頼性情報を追加で取得するために、受信されたシンボルの前記第1の集合(130)を復調することと、符号化ビットの前記第1の集合(132)または符号化ビットの前記第1の集合(132)の各符号化ビットの信頼性を推定することとを行うように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項15】
前記データ受信器(110)は、復調された符号化ビットの前記第1の集合(132)に基づいて、および復調された符号化ビットの前記第1の集合(132)の前記信頼性情報に基づいて信頼性情報を、推定された送信シンボルの第1の集合(134)に提供するように構成される、請求項14に記載のデータ受信器(110)。
【請求項16】
前記データ受信器(110)は、少なくとも2つのアンテナを含み、
前記データ受信器(110)は、少なくとも2つの受信された信号を取得するために、前記少なくとも2つのアンテナで前記信号を受信するように構成され、
前記データ受信器(110)は、前記少なくとも2つの受信された信号のシンボルを組み合わせ、復調するように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項17】
前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)は、時間および/または周波数において互いに離間する、請求項1から16のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項18】
前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)は、ビット送信層のデータパケットに対応する、請求項1から17のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項19】
信号(120)を受信するためのデータ受信器(110)であって、前記信号(120)は、少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)を含み、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)は、1/B・R・Nシンボル(146)を含み、前記シンボル(146)は、送信器側において、1/Rの符号化率でのN個のデータビット(150)の冗長性導入符号化の結果として生じるR・N符号化ビット(152)をマッピングすることによって取得され、前記マッピングは、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)に対して一緒に行われ、Bは、シンボルごとにマッピングされた符号化ビットの数を示し、
前記データ受信器(110)は、(k=1)番目のチャネル状態情報を取得するために、受信信号に基づいて前記信号(120)の伝送チャネル(118)のチャネル状態を推定するように構成されており、前記受信信号は前記信号(120)の受信されたバージョンであり、
前記データ受信器(110)は、k=1からKとして、K個の反復ステップのシーケンスの各反復ステップkにおいて、
-k番目のチャネル状態情報を使用して、異なる部分データパケット(142)から、受信されたシンボル(130)のk番目の集合を復調して、復調された符号化ビット(132)のk番目の集合を取得する、ことであって、受信されたシンボル(130)の前記k番目の集合は、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)のR・N受信されたシンボル(146)の真部分集合であり、復調された符号化ビット(132)の前記k番目の集合は、
復調された符号化ビットの前記k番目の集合(132)に対応する送信器側の符号化ビット(152)のk番目の集合
を決定することを可能にする、復調することであって、前記受信されたシンボルは前記信号(120)の前記シンボルの受信されたバージョンである、ことと、
-前記送信器側の冗長性導入符号化を使用して、推定された符号化ビット(164)のk番目の集合を決定することと、推定された送信シンボル(134)のk番目の集合を取得するために、送信器側のマッピングルールに一致するマッピングルールを使用して、推定ビット(164)の前記k番目の集合を推定された送信シンボルにマッピングすることとを行うために、復調された符号化ビット(132)の前記k番目の集合を復号化することと、
-推定された送信シンボル(134)の前記k番目の集合を使用してk+1番目のチャネル状態情報(128)を決定することと、
を行うように構成されている、データ受信器(110)。
【請求項20】
前記それぞれの部分データパケット(142)内の前記k+1番目の受信されたシンボル(136)の集合は、受信されたシンボル(130)の前記k番目の集合に隣接して配置される、請求項19に記載のデータ受信器(110)。
【請求項21】
前記データ受信器(110)は、k=1からKとして、K個の反復ステップのシーケンスの各反復ステップkにおいて、
-推定された送信シンボルのk-1番目の集合をさらに使用して、および/または前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)のパイロットシンボル(144)を使用して、前記k+1番目のチャネル状態情報(128)を推定するように構成される、請求項20に記載のデータ受信器(110)。
【請求項22】
前記データ受信器(110)は、前記(k=1)番目のチャネル状態情報(128)を取得するために、前記少なくとも2つの別個の部分データパケット(142)のパイロットシンボル(144)に基づいて前記伝送チャネルの前記チャネル状態を推定するように構成される、請求項19から21のいずれか一項に記載のデータ受信器(110)。
【請求項23】
送信器から信号を受信するための方法(200)であって、前記信号は少なくとも2つの別個の部分データパケットを含み、前記少なくとも2つの別個の部分データパケットはシンボルを含み、前記シンボルは、データビットシーケンスの冗長性導入符号化の結果として生じる符号化ビットをマッピングすることによって取得され、前記マッピングすることは、前記少なくとも2つの別個の部分データパケットに対して一緒に行われ、
第1のチャネル状態情報を取得するために、受信信号に基づいて前記信号の伝送チャネルのチャネル状態を推定し、前記受信信号は前記信号の受信されたバージョンである、ステップ(202)と、
前記第1のチャネル状態情報を使用して、異なる部分データパケットから、受信されたシンボルの第1の集合を復調して、復調された符号化ビットの第1の集合を取得する、ステップ(204)であって、受信されたシンボルの前記第1の集合は、受信された符号化ビットの第1の集合を取得するための、前記少なくとも2つの部分データパケットの前記受信されたシンボルの真部分集合であり、復調された符号化ビットの前記第1の集合は、
復調された符号化ビットの前記第1の集合に対応する送信器側の符号化ビットの第1の集
合を決定することを可能にし、前記受信されたシンボルは前記信号の前記シンボルの受信されたバージョンである、ステップと、
前記送信器側の冗長性導入符号化を使用して、推定された符号化ビットの第1の集合を決定するために、復調された符号化ビットの前記第1の集合を復号化するステップ(206)と、
推定された送信シンボルの第1の集合を取得するために、送信器側のマッピングルールに一致するマッピングルールを使用して、推定された符号化ビットの前記第1の集合を推定された送信シンボルにマッピングするステップ(208)と、
推定された送信シンボルの前記第1の集合を使用して第2のチャネル状態情報を決定するステップ(210)と、
前記第2のチャネル状態情報(128)を使用して、異なる部分データパケット(142)から、受信されたシンボル(136)の第2の集合を復調して、復調された符号化ビット(133)の第2の集合を取得する、ステップであって、受信されたシンボル(136)の前記第2の集合は、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)の前記受信されたシンボル(146)の真部分集合である、ステップと、
を含み、
前記それぞれの部分データパケット(142)における受信されたシンボル(136)の前記第2の集合は、受信されたシンボル(130)の前記第1の集合よりも、前記少なくとも2つの部分データパケット(142)のパイロットシンボル(144)に対してより大きな時間間隔を含む、方法。
【請求項24】
コンピュータまたはマイクロプロセッサ上で実行されるときに、請求項23に記載の方法を行うためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態はデータ受信器に関し、詳細には、反復チャネル推定を伴うデータ受信器に関する。さらなる実施形態はデータを受信するための方法に関し、詳細には、反復チャネル推定を伴うデータを受信するための方法に関する。いくつかの実施形態は、復号器支援型の反復チャネル推定に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、チャネル状態推定のシンボル支援型のセミブラインドおよびブラインドの方法を区別することができる。デジタル伝送システムにおけるシンボル支援型のチャネル状態推定には、確立されたアルゴリズム「二乗誤差の最小和」(LSSE)(参考文献[1]:非特許文献1)、「最小平均二乗誤差」(MMSE)(参考文献[2]:非特許文献2)などのいくつかの知られている方法がある。時変伝送チャネルの場合、よく知られている「最小平均二乗」(LMS)または「再帰最小二乗」(RLS)アルゴリズムなどの(初期)チャネル推定の反復推定または追跡が使用される(参考文献[2]:非特許文献2)。さらなる概要は、たとえば(参考文献[3]:非特許文献3)にある。
【0003】
時変伝送チャネルのチャネル推定値の生成または追跡のために、チャネル推定および復調を共同で反復的に実行することができる(「ジョイントシーケンスおよびチャネル推定(Joint Sequence and Channel Estimation)」)、たとえば、参考文献[4](非特許文献4)。送信されたシンボルの推定値は、追跡の基礎として機能する。
【0004】
しかしながら、従来は、反復チャネル推定は、復号の前に、復号とは独立して時間的に行われる。チャネル復号とチャネル推定の間に情報の流れはない。これは、ベースバンド表現におけるデジタル伝送システムの典型的な基本構造の例として
図1に示されている。
【0005】
詳細には、
図1は、反復チャネル推定を伴うデータ送信器12およびデータ受信器14を含むシステムの概略ブロック図を示している。データ送信器12は、データビット(d)15を符号化して符号化ビット(c)17を取得するよう構成されたチャネル符号器(たとえば、FEC、前方誤り訂正)16と、符号化ビット(c)17をインターリーブしてインターリーブ後の符号化ビット(b)19を取得するよう構成されたインターリーバ18と、インターリーブ後の符号化ビット(b)19を送信シンボル(a)21にマッピングするよう構成された変調器(たとえば、シンボルマッパ)20と、送信シンボル(a)21に基づいて送信信号23を生成するよう構成された送信信号発生器22とを含む。送信信号23は、データ送信器12から伝送チャネル24を介してデータ受信器14に送信され、データ受信器14は、伝送チャネル24によって修正された送信信号23のバージョンである受信信号25を受信する。データ受信器14は、受信信号25をフィルタリングしてフィルタリングされた受信信号27を取得するよう構成された受信フィルタ26を含む。さらに、データ受信器14は、復調器(たとえば、シンボル推定器またはシンボルデマッパ)30およびチャネル状態推定器32からなる反復チャネル推定28を含み、復調器30は、フィルタリングされた受信信号27を復調して、ハードビット31、またはLLR(対数尤度比)などのソフトビット31を提供するよう構成される。チャネル状態推定器32は、フィルタリングされた受信信号(27)に基づいて、および推定された送信シンボル(a)33に基づいて復調器30にチャネル推定値35を提供するよう構成される。データ受信器14はまた、デインターリーバ34およびチャネル復号器36を含む。
【0006】
デジタル伝送システムのパフォーマンスは、とりわけその電力効率によって決定される。GSM、UMTS、またはLTE標準に準拠したデジタル無線通信システムなどの多くの一般的なシステムでは、受信信号のコヒーレントな復調のための方法が使用され、これには、前提条件としてチャネル推定が必要である。チャネル推定の品質は、データ送信中の誤り率(たとえば、パケット誤り率)、したがってその電力効率に大きな影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際出願第PCT/EP2017/076939号
【文献】独国特許出願第102011082098号
【非特許文献】
【0008】
【文献】S.N. Crozier, D.D. Falconer, S.A. Mahmoud. "Least sum of squared errors (lsse) channel estimation". IEE Proceedings-F, 138:371-378, August 1991.
【文献】Karl-Dirk Kammeyer, "Nachrichtenubertragung", Teubner-Verlag, ISBN 3-519-26142-1, 3rd edition 2004,.
【文献】J.G. Proakis, "Digital Communications", New York, McGraw Hill, 1995.
【文献】K.-H. Chang, C.N. Georghiades, "Iterative Joint Sequence and Channel Estimation for Fast Time-Varying Intersymbol Interference Channels". In Proceedings of the International Conference on Communications (ICC'95), p. 357-361, Seattle, June 1995.
【文献】ETSI Technical Specification TS 103 357
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、チャネル推定の品質を改善するという目的に基づいている。
【0010】
この目的は、独立請求項によって達成される。
【0011】
有利なさらなる進展は、従属請求項の対象となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態はデータ受信器を提供し、データ受信器は信号を受信するように構成され、信号は少なくとも2つの別個の部分データパケットを含み、少なくとも2つの別個の部分データパケットは、少なくとも2つの別個の部分データパケットに対して共同で行われる、データビットシーケンスの冗長性を導入する符号化の結果として生じる符号化ビットを表すシンボルを含み、データ受信器[たとえば、チャネル状態推定器を含む]は、第1のチャネル状態情報を取得するために、受信信号に基づいて信号の伝送チャネルのチャネル状態を[たとえば、最初は、別個の部分データパケットのパイロットシンボルに基づいて]推定するように構成され、データ受信器[たとえば、復調器/デマッパを含む]は、第1のチャネル状態情報を使用して、異なる部分データパケットから、受信されたシンボルの第1の集合を復調するように構成され、受信されたシンボルの第1の集合は、受信された符号化ビットの第1の集合を取得するための、少なくとも2つの部分データパケットの受信されたシンボルの実数部分集合であり[たとえば、受信されたシンボルの第1の集合は、受信された符号化ビットの第1の集合の再構築を可能にするように選択される]、受信された符号化ビットの第1の集合[たとえば、別個に(たとえば、他の受信されたシンボルとは独立して、および/または他の受信された符号化ビットとは独立して)]は、符号化ビットの第1の集合が送信器側において受信された符号化ビットの第1の集合に対応することについての結論を引き出すことを可能にし、データ受信器(たとえば、送信シンボル推定器を含む)は、[たとえば、部分データパケットに含まれる他の符号化データビットとは独立して(部分復号)]復号化することと、送信器側の冗長性導入符号化[たとえば、おそらく符号化ビットの第1の集合に対応可能性が最も高い]を使用して、推定された符号化ビットの第1の集合を決定することと、推定された送信シンボルの第1の集合を取得するために、送信器側のマッピングルールに一致するマッピングルールを使用して、推定ビットの第1の集合を推定された送信シンボルにマッピングすることとを行うように構成され、データ受信器[たとえば、チャネル状態推定器]は、推定された送信シンボルの第1の集合を使用して、第2のチャネル状態情報[たとえば、更新または拡張されたチャネル状態情報]を決定するように構成されている。
【0013】
実施形態では、潜在的に時変の伝送チャネルの復号器支援型の反復推定が、デジタル伝送システムの受信器において行われる。チャネル状態推定は、推定されたシンボル、または前に知られているシンボルと推定されたシンボルの組合せに基づいて行われる。推定されるシンボルは、送信されるメッセージのソースビットから冗長性を導入するチャネル符号化、たとえば前方誤り訂正(FEC)によって送信器側で生成される。
【0014】
受信器に前に知られていなかったシンボルに基づくシンボル支援型のチャネル状態推定の推定精度は、シンボル推定の品質と強く相関する。
【0015】
本発明は、反復チャネル推定の過程で、それぞれの時点まで推定することができるシンボルの付随する連続的な部分的復号化を行うことによって、受信器に前に知られていなかった符号化(たとえば、FEC符号化)シンボルの推定の品質を(たとえば、著しく)向上させるという考えに基づく。したがって、復号利得は、チャネル推定中にすでに使用されうる。実施形態において、このことは、(チャネル状態推定の入力変数としての)送信シンボルの推定の品質を改善することができる。
【0016】
実施形態は、特に時変伝送チャネルに対して定性的に改善されたチャネル推定を提供し、したがって、伝送システム全体の改善されたパフォーマンスをもたらす。これにより、たとえば、所与の妨害における伝送の信頼性が高くなり(誤り率が低くなり)、または所与の誤り率における伝送の妨害に対する堅牢性が高くなる。
【0017】
本発明の有利なさらなる進展について以下に説明する。
【0018】
実施形態では、少なくとも2つの別個の部分データパケットは、(単一の)符号化データビットシーケンスから生ずる符号化ビット[または、符号化ビットを表すシンボル]を含む。
【0019】
実施形態では、データ送信器側での符号化は、少なくとも2つの別個の部分データパケットに対して一緒に実行され、すなわち、1つの(単一の)符号化のみが行われ、次いで、符号化データは部分データパケットに分割される。
【0020】
実施形態では、それぞれの部分データパケット内の受信されたシンボルの第1の集合を少なくとも2つの部分データパケットのパイロットシンボルに隣接して[たとえば、すぐ隣接して]配置されうる。
【0021】
実施形態では、それぞれの部分データパケット内の受信されたシンボルの第1の集合の第1の部分[たとえば、前半]は、少なくとも2つの部分データパケットのパイロットシンボルの時間的に前に[たとえば、直前に]配置されえ、それぞれの部分データパケット内の受信されたシンボルの第1の集合の第2の部分[たとえば、後半]は、少なくとも2つの部分データパケットのパイロットシンボルの時間的に後に[たとえば、直後に]配置されうる。
【0022】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器の復調器/デマッパ]は、第2のチャネル状態情報を使用して、異なる部分データパケットから、受信されたシンボルの第2の集合を復調するように構成されえ、受信されたシンボルの第2の集合は、受信された符号化ビットの第2の集合を取得するための、少なくとも2つの部分データパケットの受信されたシンボルの実数部分集合である。
【0023】
実施形態では、それぞれの部分データパケット内の受信されたシンボルの第2の集合は、受信されたシンボルの第1の集合よりも少なくとも2つの部分データパケットのパイロットシンボルへのより長い時間間隔を有することができる。
【0024】
実施形態では、それぞれの部分データパケット内の受信されたシンボルの第2の集合を、受信されたシンボルの第1の集合に隣接して[たとえば、すぐ隣接して]配置されうる。
【0025】
実施形態では、それぞれの部分データパケット内の受信されたシンボルの第2の集合の第1の部分[たとえば、前半]は、受信されたシンボルの第1の集合の第1の部分の前に時間的に配置されえ、それぞれの部分データパケット内の受信されたシンボルの第2の集合の第2の部分[たとえば、後半]は、受信されたシンボルの第1の集合の第2の部分の後に時間的に配置されうる。
【0026】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器のチャネル状態推定器]は、第1のチャネル状態情報を取得するために、最初に、少なくとも2つの別個の部分データパケットのパイロットシンボルに基づいて伝送チャネルのチャネル状態を推定するように構成されうる。
【0027】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器のチャネル状態推定器]は、第2のチャネル状態情報を取得するために、推定された送信シンボルの第1の集合を使用してチャネル状態を推定するように構成されうる。
【0028】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器のチャネル状態推定器]は、少なくとも2つの別個の部分データパケットのそれぞれについて、伝送チャネルのチャネル状態を推定するように構成されうる。
【0029】
実施形態では、受信されたシンボルの第1の集合は、受信されたシンボルの第1の集合が受信された符号化ビットの第1の集合の再構築を可能にするように選択することができる。
【0030】
実施形態では、受信された符号化ビットの第1の集合は、他の受信されたシンボルとは独立して、および/または他の受信された符号化ビットとは独立して、符号化利得を利用すること[部分復号化]によって送信される少なくとも1つの第1のデータビットについての結論を引き出すことを可能にすることができる。
【0031】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器の送信シンボル推定器]は、送信器側の冗長性導入符号化を使用して、受信された符号化ビットの第1の集合を復号化するように構成されうる。
【0032】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器の送信シンボル推定器]は、ビタビ復号器を使用して、受信された符号化ビットの第1の集合を復号化するように構成されうる。
【0033】
実施形態では、データ受信器は、データ受信器に知られているインターリーブパターンに基づいて、少なくとも2つの別個の部分データパケットの受信されたシンボルから、受信されたシンボルの第1の集合を選択するように構成されることができ、インターリーブパターンは送信器側インターリーブパターンと一致し、送信器側インターリーブパターンに基づいて、符号化ビットは、データ送信器側で、少なくとも2つの別個の部分データパケット間でインターリーブされて分割される。
【0034】
実施形態では、インターリーブパターンは、所与の数の符号化ビット[たとえば、48ビット]の周期的なシフトを有することができる。
【0035】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器の復調器]は、符号化ビットの第1の集合の信頼性情報を追加で取得するために、受信されたシンボルの第1の集合を復調することと、符号化ビットの第1の集合または符号化ビットの第1の集合の各符号化ビットの信頼性を推定する[ソフト決定復調]こととを行うように構成されうる。
【0036】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器の復調器/デマッパ]は、ハード/バイナリ決定(ハード出力)の形式で、または(さらに)信頼性情報(ソフト決定またはソフト出力)を提供しながら、受信されたシンボルの第1の集合から受信された符号化ビットの第1の集合を推定するように構成されうる。
【0037】
たとえば、信頼性情報のある復調またはシンボル推定(ソフト決定またはソフトビット復調)と、信頼性情報のない復調またはシンボル推定(ハード決定またはハードビット復調)を区別することができる。信頼性情報のある復調またはシンボル推定は、「ハード」決定ビットを提供しないが、信頼性情報を提供し、たとえば、P(ビット= 0)=P0、P(ビット=1)=1-P0である。対数尤度比(LLR)は、可能な対数表現であり、ここでは、たとえば、LLR=log(P0/(1-P0))である。
【0038】
実施形態では、データ受信器[または、データ受信器の送信シンボル推定器]は、受信された符号化ビットの第1の集合に基づいて信頼性情報を、推定された送信シンボルの第1の集合に提供するように構成されうる。
【0039】
たとえば、「ハード」シンボル(=信頼性情報のないシンボル)または「ソフト」シンボル(=信頼性情報のあるシンボル)は、送信シンボル推定器が「ソフト」シンボルを提供する場合、データ受信器のチャネル状態推定器の入力に存在し得る。実施形態では、「ハード」ビットまたは「ソフト」ビットがその入力に存在するかどうかに関わらず、送信シンボル推定器は、その出力において「ソフト」シンボルを提供することができる。「ソフト」ビットは、送信シンボル推定器の入力に存在することが好ましい。
【0040】
たとえば、いくつかの実施形態では、データ受信器は、信頼性情報のある推定された符号化ビットに基づいて推定された送信シンボルの信頼性情報を取得するために、(部分復号化の結果として)推定された符号化ビットに信頼性情報を提供するように構成されうる。
【0041】
実施形態では、データ受信器は、少なくとも2つのアンテナを含むことができ、データ受信器は、少なくとも2つの受信された信号を取得するために少なくとも2つのアンテナで信号を受信するように構成されることができ、データ受信器[または、データ受信器の復調器/デマッパ]は、少なくとも2つの受信信号のシンボルを組み合わせて[たとえば、最大比率の組合せによって]、復調するように構成されうる。
【0042】
実施形態では、少なくとも2つの別個の部分データパケットは、時間および/または周波数において互いに離間することができる。
【0043】
実施形態では、[OSIモデルにおける]少なくとも2つの別個の部分データパケットは、ビット送信層[物理層]のデータパケットに対応することができる。
【0044】
さらなる実施形態は、信号を受信するためのデータ受信器を提供し、信号は、少なくとも2つの別個の部分データパケットを含み、少なくとも2つの別個の部分データパケットは、冗長性を導入し、少なくとも2つの別個の部分データパケットに対して共同で行われる1/Rの符号化率でN個のデータビットを符号化することの結果として生じるR*N符号化ビットを表す(1/B)*(R*N)シンボルを含み、データ受信器は、(k=1)番目のチャネル状態情報を取得するために、受信された信号に基づいて信号の伝送チャネルのチャネル状態を推定するように構成されており、Bは、シンボルごとにマッピングされた符号化ビットの数を示す。データ受信器は、k=1からKとして、K個の反復ステップのシーケンスの各反復ステップkにおいて、
-k番目のチャネル状態情報を使用して、異なる部分データパケットから、受信されたシンボルのk番目の集合を復調することであって、受信されたシンボルのk番目の集合は、受信された符号化ビットのk番目の集合を取得するための、少なくとも2つの部分データパケットのR*N受信されたシンボルの実数部分集合であり、受信された符号化ビットのk番目の集合は、送信器側の冗長性導入符号化を使用して、符号化ビットのk番目の集合が送信器側において受信された符号化ビットのk番目の集合に対応することについての結論を引き出すことを可能にする、復調することと、
-送信器側の冗長性導入符号化を使用して、推定された符号化ビットのk番目の集合を決定することと、推定された送信シンボルのk番目の集合を取得するために、送信器側のマッピングルールに一致するマッピングルールを使用して、推定ビットのk番目の集合を推定された送信シンボルにマッピングすることとを行うために、受信された符号化ビットのk番目の集合を復号化することと、
-推定された送信シンボルのk番目の集合[および、たとえば、推定された送信シンボルの(k-1)番目の集合]を使用して(k+1)番目のチャネル状態情報を決定することと、
を行うように構成されている。
【0045】
実施形態では、Rは1より大きい自然数とすることができる。Rは、たとえば点線の場合、非自然数とすることもできる。
【0046】
実施形態では、Nは1より大きい自然数とすることができる。
【0047】
実施形態では、Kは1より大きい自然数とすることができる。
【0048】
実施形態では、Bは、1以上の自然数とすることができる。
【0049】
実施形態では、それぞれの部分データパケット内の(k+1)番目の受信されたシンボルの集合を、受信されたシンボルのk番目の集合に隣接して[たとえば、すぐ隣接して]配置されうる。
【0050】
実施形態では、データ受信器は、(k=1)番目のチャネル状態情報を取得するために、少なくとも2つの別個の部分データパケットのパイロットシンボルに基づいて伝送チャネルのチャネル状態を推定するように構成されうる。
【0051】
さらなる実施形態は、信号を受信するための方法を提供し、信号は少なくとも2つの別個の部分データパケットを含み、少なくとも2つの別個の部分データパケットは、少なくとも2つの別個の部分データパケットに対して共同で行われるデータビットシーケンスの冗長性導入符号化の結果として生じる符号化ビットを表すシンボルを含む。本方法は、第1のチャネル状態情報を取得するために、受信信号に基づいて信号の伝送チャネルのチャネル状態を推定するステップを含む。さらに、本方法は、第1のチャネル状態情報を使用して、異なる部分データパケットから、受信されたシンボルの第1の集合を復調するステップであって、受信されたシンボルの第1の集合は、受信された符号化ビットの第1の集合を取得するための、少なくとも2つの部分データパケットの受信されたシンボルの実数部分集合であり、受信された符号化ビットの第1の集合は、送信器側の冗長性導入符号化を使用して、符号化ビットの第1の集合が送信器側において受信された符号化ビットの第1の集合に対応することについての結論を引き出すことを可能にする、ステップを含む。本方法は、送信器側の冗長性導入符号化を利用して推定された符号化ビットの第1の集合を決定するために、受信された符号化ビットの第1の集合を復号化するステップをさらに含む。本方法は、推定された送信シンボルの第1の集合を取得するために、送信器側のマッピングルールに一致するマッピングルールを使用して、推定された符号化ビットの第1の集合を推定された送信シンボルにマッピングするステップをさらに含む。本方法は、推定された送信シンボルの第1の集合を使用して第2のチャネル状態情報を決定するステップをさらに含む。
【0052】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】反復チャネル推定を伴うデータ送信器およびデータ受信器を含むシステムの概略ブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態による、データ送信器およびデータ受信器を含むシステムの概略ブロック図である。
【
図3】図表により時間および周波数ホッピングパターンに従って、複数のサブデータパケットの送信中の伝送チャネルの占有を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による、反復チャネル推定を伴うデータ受信器の概略ブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態による、反復チャネル推定を伴うデータ受信器の概略ブロック図である。
【
図6】図表により、実施形態による、時間の経過とともにプロットされたチャネル状態、ならびに反復ステップkおよびk+1の受信信号のセクションおよび対応する推定された送信シンボルを示す図である。
【
図7】実施形態による、符号化率1/(R=3)を有する畳み込み符号化を使用して符号化ビットを形成するためのデータビットシーケンスの符号化、および符号化ビットの送信シンボルへのマッピングの概略図である。
【
図8】N個のデータシンボルを有するデータパケットの概略図である。
【
図9】実施形態による、3つの部分データパケットの概略図であって、N個のデータシンボルは、3つの部分データパケット間でインターリーブされて分割される概略図である。
【
図10】実施形態による、3つの部分データパケットの概略図であって、N個のデータシンボルは、3つの部分データパケット間でインターリーブされて分割され、3つの部分データパケットは、やはり3つの部分データパケット間でインターリーブされて分割され、それぞれの部分データパケット内のデータシンボルに先行する、M個のプリアンブルシンボルをさらに含む、概略図である。
【
図11】実施形態による、3つの部分データパケットの概略図であって、N個のデータシンボルは、3つの部分データパケット間でインターリーブされて分割され、3つの部分データパケットは、やはり3つの部分データパケット間でインターリーブされて分割され、それぞれの部分データパケット内のデータシンボル間の中央に配置される、M個のプリアンブルシンボル(ミッドアンブルシンボル)をさらに含む、概略図である。
【
図12】ある実施形態による、符号化率1/(R=3)の畳み込み符号化を使用して、576個の符号化ビットの周期的にシフトされたシーケンスを取得するために576個の符号化ビットのシーケンスの最後の48ビットを576個の符号化ビットのシーケンスの先頭に周期的にシフトして、192ビットのデータビットシーケンスを形成するためにゼロでパディングされた、186ビットの例示的なデータビットシーケンスの、576個の符号化ビットのシーケンスへの符号化の概略図である。
【
図13】実施形態による、24個の部分データパケットの概略図であって、周期的にシフトされたデータビットシーケンス(c
528、c
529、c
530、...、c
575、c
0、c
1、c
2、c
3、... c
527)153の576個の符号化ビットは、24個の部分データパケット142間でインターリーブされて分割され、24個の部分データパケット142はさらに、それぞれ12個のプリアンブルシンボル(ミッドアンブルシンボル)144(p
0、p
1、p
2、p
3、…、p
11)を含み、データシンボル146の間の中央にあるそれぞれの部分データパケット142に配置される、概略図である。
【
図14】実施形態による、信号を受信するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の実施形態の以下の説明では、同じ参照番号が、同一または同様に作用する要素の図面において使用されているので、それらの説明は互いに置き換えることができる。
【0055】
本発明の実施形態の以下の説明では、曖昧さを回避するために、「チャネル推定(channel estimation)」と「チャネル状態推定(channel state estimation)」という用語が区別される。したがって、実施形態では、シンボル支援型のチャネル状態推定は、チャネル推定の全体的なコンテキストにおける単一の処理ステップであり、これは、たとえば、受信信号および/または送信シンボルのシーケンス(たとえば、推定または前に知られている)の適切なセクションから所望の時点での伝送チャネルの(たとえば、瞬間的な)状態を推定する。さらに、実施形態では、チャネル推定という用語は、(おそらく多くの異なる時点で)知られていない伝送チャネルの推定を目的とし、具体的な方法のステップとしてチャネル状態推定を含むいくつかの処理ステップを有する方法を指す。
【0056】
図2は、データ送信器100およびデータ受信器110を含むシステムの概略ブロック図を示す。データ送信器100は、信号120を送信するように構成されることができ、信号120は、少なくとも2つの別個の部分データパケット142を含む。データ受信器110は、少なくとも2つの別個の部分データパケット142を含む信号120(または伝送チャネルによって修正された信号120のバージョン)を受信するように構成されることができる。
【0057】
図2に示すように、少なくとも2つの別個の部分データパケット142は、時間および/または周波数において互いに分離または離間している。時間および/または周波数における少なくとも2つの別個の部分データパケット142の分散は、ホッピングパターン140に従って行われうる。
【0058】
実施形態では、データ送信器100は、信号120を送信するように構成された送信手段(あるいは、送信器モジュールまたは送信器)102を含むことができる。送信手段102は、データ送信器100のアンテナ104に接続されうる。データ送信器100はまた、信号を受信するように構成された受信手段(あるいは、受信器モジュールまたは受信器)106を含むことができる。受信手段106は、アンテナ104またはデータ送信器100の別の(別個の)アンテナに接続されうる。データ送信器100はまた、複合トランシーバを含んでもよい。
【0059】
実施形態では、データ受信器110は、信号120を受信するように構成された受信手段(あるいは、受信モジュールまたは受信器)116を含むことができる。受信器116は、データ受信器110のアンテナ114に接続されうる。さらに、データ受信器110は、信号を送信するように構成された送信手段(あるいは、送信器モジュールまたは送信器)112を含むことができる。送信手段112は、アンテナ114またはデータ受信器110の別の(別個の)アンテナに接続されうる。データ受信器110はまた、複合トランシーバを含んでもよい。
【0060】
実施形態では、データ送信器100はセンサノードであり得、データ受信器110は基地局であり得る。典型的には、通信システムは、少なくとも1つのデータ受信器110(基地局)と、複数のデータ送信器(加熱計などのセンサノード)とを含む。もちろん、データ送信器100が基地局であり、データ受信器110がセンサノードであることも可能である。データ送信器100とデータ受信器110の両方がセンサノードであることも可能である。データ送信器100およびデータ受信器110の両方が基地局であることも可能である。
【0061】
データ送信器100およびデータ受信器110は、電報分割方法を使用してデータを送受信するように構成されうる。データを含むデータパケット(または、テレグラム)は、複数の部分データパケット(または、サブデータパケット)142に分割され、次いで、部分データパケット142は、時間および/または周波数において分散されたホッピングパターン140に従ってデータ送信器100からデータ受信器110に送信され、データ受信器110は、実際のデータパケットを取得するために、部分データパケット142を再構成(または、結合)する。部分データパケット142の各々は、データパケット120の一部のみを含み、データパケットは、チャネル符号化することもできるので、すべての部分データパケット142ではなく、部分データパケット142の一部のみが、データパケットのエラーのない復号化に必要とされる。
【0062】
すでに述べたように、部分データパケット142の大部分の時間的な分散は、時間および/または周波数ホッピングパターン140に従って行われうる。
【0063】
時間ホッピングパターンは、部分データパケットが送信される一連の送信瞬間または送信時間間隔を指定することができる。たとえば、第1の部分データパケットは、第1の送信瞬間(または、第1の送信タイムスロット)において送信されることができ、第2の部分データパケットは、第2の送信瞬間(または、第2の送信タイムスロット)において送信されることができ第1の送信瞬間と第2の送信瞬間は異なる。時間ホッピングパターンは、第1の送信瞬間および第2の送信瞬間を定義(または、あらかじめ決定または指定)することができる。あるいは、時間ホッピングパターンは、第1の送信瞬間と、第1の送信瞬間と第2の送信瞬間との間の時間間隔を指定することができる。もちろん、時間ホッピングパターンは、第1の送信瞬間と第2の送信瞬間との間の時間間隔のみを指定することもできる。部分データパケットの間に、送信が行われない送信一時停止が発生する場合がある。部分データパケットが時間的に重複する場合もある。
【0064】
周波数ホッピングパターンは、部分データパケットが送信される送信周波数または送信周波数ホップのシーケンスを指定することができる。たとえば、第1の部分データパケットは、第1の送信周波数(または、第1の周波数チャネル)において送信されることができ、第2の部分データパケットは、第2の送信周波数(または、第2の周波数チャネル)において送信されることができ、第1の送信周波数と第2の送信周波数は異なる。周波数ホッピングパターンは、第1の送信周波数および第2の送信周波数を定義(または、あらかじめ決定または指定)することができる。あるいは、周波数ホッピングパターンは、第1の送信周波数と、第1の送信周波数と第2の送信周波数との間の周波数間隔(送信周波数ホップ)を指定することができる。もちろん、周波数ホッピングパターンは、第1の送信周波数と第2の送信周波数との間の周波数間隔(送信周波数ホップ)のみを指定することもできる。
【0065】
もちろん、部分データパケット142の大部分は、時間と周波数の両方で分散されたデータ送信器100からデータ受信器110に送信されることもできる。時間および周波数における複数の部分データパケットの分散は、時間および周波数ホッピングパターンに従って行われうる。時間および周波数ホッピングパターンは、時間ホッピングパターンおよび周波数ホッピングパターンの組合せ、すなわち、部分データパケット142が送信される送信瞬間または送信時間間隔のシーケンスであり得、送信周波数(または、送信周波数ホップ)は、送信瞬間(または、送信時間間隔)に割り当てられる。
【0066】
図3は、図表で時間および周波数ホッピングパターンに従って、複数の部分データパケット142の送信中の伝送チャネルの占有を示す。縦軸は周波数を示し、横軸は時間である。
【0067】
図3に示すように、データパケット120は、例示的に、n=7個の部分データパケット142に分割され、時間および周波数ホッピングパターンに従って時間および周波数において分散されたデータ送信器100からデータ受信器110に送信することができる。
【0068】
図3にさらに示されるように、複数の部分データパケット142は、データ(
図3のデータシンボル146)に加えて、パイロットシーケンス(
図3のパイロットシンボル(または、同期シンボル)144)を含むことができる。部分データパケット内の時間的位置に応じて、これらはプリアンブル(データシンボルのシーケンスに先行する)またはミッドアンブル(データシンボルのシーケンスの間に埋め込まれている)とも呼ばれる。
【0069】
反復チャネル推定を伴うデータ受信器110の詳細な実施形態を、以下でより詳細に説明する。
【0070】
図4は、本発明の実施形態による、反復チャネル推定を伴うデータ受信器110の概略ブロック図を示している。データ受信器110は、(たとえば、データ送信器100から(
図2参照))信号120を受信するように構成され、信号120は、少なくとも2つの別個の部分データパケット142を含み、少なくとも2つの別個の部分データパケット142は、少なくとも2つの別個の部分データパケット142に対して一緒に行われるデータビットシーケンス150(d
0、d
1、...、d
N)の(たとえば、1/Rの符号化率での)冗長性導入符号化の結果として生じる符号化ビット152(c
0、c
1、c
2、c
3、c
4、c
5、c
6、...、c
M-N)をマッピングするシンボル146(a
0、a
1、a
2、a
3、a
4、a
5、a
6、...、a
M-N)を含む。実施形態では、RおよびNは、1より大きい自然数であり得る。
【0071】
図4に例示的に示されるように、データ受信器110は、復調器(たとえば、シンボルデマッパ)122、送信シンボル推定器124、およびチャネル状態推定器126を含むことができる。もちろん、データ受信器110は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、または他のプログラマブル論理回路によっても実装することができ、その場合、
図4に示される回路ブロックは、たとえば、対応するアルゴリズムによって実装することができる。
【0072】
実施形態では、チャネル状態推定器126は、第1のチャネル状態情報128を取得するために、受信信号120に基づいて信号120の伝送チャネル118のチャネル状態を推定するように構成され得る。
【0073】
たとえば、チャネル状態推定器126は、第1のチャネル状態情報128を取得するために、最初に(すなわち、第1の反復ステップ(k=1)において)、少なくとも2つの別個の部分データパケット142のパイロットシンボル144に基づいて伝送チャネル118のチャネル状態を推定するように構成されうる。
【0074】
実施形態では、復調器122は、第1のチャネル状態情報128を使用して、異なる部分データパケット142から、受信されたシンボル130の第1の集合(a0'、a1'、a2')を復調するように構成されることができ、受信されたシンボル130の第1の集合(a0'、a1'、a2')は、受信された符号化ビット132の第1の集合(c0'、c1'、c2')を取得するための、少なくとも2つの別個の部分データパケット142の受信されたシンボル146'(a0'、a1'、a2'、a3'、a4'、a5'、a6'、...、aR-N-1')の実数部分集合である。
【0075】
たとえば、受信されたシンボル130の第1の集合(a0'、a1'、a2')は、受信された符号化ビット132の第1の集合(c0'、c1'、c2')の再構築を可能にするように選択されることができる。
【0076】
実施形態では、受信された符号化ビット132の第1の集合(c0'、c1'、c2')は、(たとえば、別個に(たとえば、他の受信されたシンボルとは独立して、および/または他の受信された符号化ビットとは独立して))、送信器側の冗長性導入符号化を利用することによって、符号化ビット153の第1の集合(c0、c1、c2)が送信器側において受信された符号化ビット132の第1の集合(c0'、c1'、c2')に対応することについての結論を引き出すことができる。
【0077】
たとえば、送信器側で符号化されたビット153の第1の集合(c0、c1、c2)は、送信器側のシンボルの第1の集合(a0、a1、a2)にマッピングされることができ、受信されたシンボル130の第1の集合(a0'、a1'、a2')は、データ受信器110によって受信されたシンボルの第1の集合(a0、a1、a2)のバージョンである。
【0078】
たとえば、受信された符号化ビット132(c0'、c1'、c2')の第1の集合(たとえば、他の受信されたシンボルとは独立して、および/または他の受信された符号化ビットとは独立して)は、符号化利得を使用して送信される少なくとも1つの第1のデータビット150(d0)についての結論を引き出すことを可能にする(たとえば、符号化利得を達成しながら送信シーケンスの部分復号を可能にする)ことができる。
【0079】
実施形態では、送信シンボル推定器124は、データ受信器(たとえば、送信シンボル推定器を含む)は、受信された符号化ビット132の第1の集合(c0'、c1'、c2')を(たとえば、少なくとも2つの別個の部分データパケット142(部分復号)に含まれる他の符号化データビットとは独立して)復号化することと、送信器側の冗長性導入符号化を使用して、推定された符号化ビットの第1の集合(たとえば、送信器側の符号化ビット153(c0、c1、c2)に対応する可能性が最も高いが、少なくとも受信された符号化ビット132(c0'、c1'、c2')よりも可能性が高い符号化ビットの第1の集合)を決定することと、推定された送信シンボル134の第1の集合
【0080】
【0081】
を取得するために、送信器側のマッピングルールに一致するマッピングルールを使用して、推定ビットの第1の集合を推定された送信シンボルにマッピングすることとを行うように構成され得る。
【0082】
たとえば、送信シンボル推定器124は、少なくとも第1のデータビット150(d0)の推定値を取得するために、受信された符号化ビット132の第1の集合(c0'、c1'、c2')を復号化するよう、および、推定されたビットの第1の集合を取得するために、推定された少なくとも第1のデータビット150(d0)を再符号化するよう、構成されうる。
【0083】
たとえば、送信シンボル推定器124は、畳み込み符号化が送信器側において適用されるとき、受信された符号化ビット132(c0'、c1'、c2')の部分復号化のために、ビタビ復号器を使用するよう構成されることができ、部分復号化の過程で、トレリス図において最も可能性の高いパスが決定され、このパスに関連付けられる符号化ビットが推定ビットの第1の集合として取得される。
【0084】
実施形態では、チャネル状態推定器126は、(たとえば、第2の反復ステップ(k+1=2)において)推定された送信シンボル134の第1の集合
【0085】
【0086】
を使用して、第2のチャネル状態情報128(たとえば、更新または拡張されたチャネル状態情報)を推定するよう、さらに構成されることができ、[送信が妨害された場合は]推定された送信シンボル134の第1の集合
【0087】
【0088】
は、受信されたシンボル130(a0'、a1'、a2')よりも送信されたシンボル146の第1の集合(a0、a1、a2)に対応する可能性が高い。
【0089】
たとえば、チャネル推定器126は、第2のチャネル状態情報128を取得するために、推定された送信シンボル134の第1の集合
【0090】
【0091】
を使用して(ならびに、たとえば、前の推定された送信シンボルの集合を使用して、および/またはパイロットシンボル144を使用して)チャネル状態を推定するように構成されうる。
【0092】
実施形態では、復調器122はまた(たとえば、第2の反復ステップ(k+1=2)において)、第2のチャネル状態情報128を使用して、異なる部分データパケット142から、受信されたシンボル136の第2の集合(a3'、a4'、a5')を復調するように構成されることができ、受信されたシンボル136の第2の集合(a3'、a4'、a5')は、受信された符号化ビット133の第2の集合(c3'、c4'、c5')を取得するための、少なくとも2つの部分データパケット142の受信されたシンボル146'(a0'、a1'、a2'、a3'、a4'、a5'、a6'、...、aR-N-1')の実数部分集合である。
【0093】
実施形態では、受信された符号化ビット133の第2の集合(c3'、c4'、c5')は、(たとえば、別個に(たとえば、他の受信されたシンボルとは独立して、および/または他の受信された符号化ビットとは独立して))、送信器側の冗長性導入符号化を使用して、符号化ビット154の第2の集合(c3、c4、c5)が送信器側において受信された符号化ビット133の第2の集合(c3'、c4'、c5')に対応することについての結論を引き出すことができる。
【0094】
図4に示すように、実施形態では、それぞれの部分データパケット142における受信されたシンボル130の第1の集合(a
0'、a
1'、a
2')を少なくとも2つの別個の部分データパケット142のパイロットシンボル144に隣接して[たとえば、すぐ隣接して]配置されえ、一方、それぞれの部分データパケット142内の受信されたシンボル136の第2の集合(a
3'、a
4'、a
5')は、受信されたシンボル130の第1の集合(a
0'、a
1'、a
2')よりも少なくとも2つの別個の部分データパケット142のパイロットシンボル144までのより大きな時間距離を含む。たとえば、それぞれの部分データパケット142内の受信されたシンボル136の第2の集合(a
3'、a
4'、a
5')は、受信したシンボル130の第1の集合(a
0'、a
1'、a
2')に隣接して[たとえば、すぐ隣接して]配置されうる。
【0095】
本発明は、すでにチャネル符号化によって達成可能な符号化利得(たとえば、導入された冗長性の形で)またはその少なくとも一部を反復チャネル推定に使用するという考えに基づいている。
図1に示されるデータ受信器とは対照的に、実施形態では、チャネル状態推定に必要な送信シンボル134の推定値は、追加の復号化プロセスにおいて送信されたメッセージの部分復号化を連続的に(繰り返し)実行することによって取得される。「部分的復号化(partial decoding)」という用語は、部分復号化のそれぞれの瞬間に利用可能な受信されたシンボル130、136に基づいて復号化することができるメッセージのその部分のみが復号化されることを意味する。
【0096】
推定された符号化ビットを生成する部分復号化の後、インターリーブおよびシンボルマッピングが実行され、部分復号化結果に基づいて推定された送信シンボル134が生成される。
【0097】
図5は、データ受信器110の詳細な実施形態を以下により詳細に説明する。
【0098】
図5は、本発明の実施形態による、反復チャネル推定を伴うデータ受信器の概略ブロック図を示す。言い換えれば、
図5は、ある実施形態に従って修正された伝送システムの受信器の構造の例を示す。
【0099】
図5に示すように、データ受信器110は、信号(受信信号)120を受信するように構成されることができ、受信信号120は、伝送チャネル118によって修正されたデータ送信器の送信信号119のバージョンであり得る。データ受信器110は、受信信号120に基づいてシンボル推定を実行し、受信された符号化ビット132の集合を提供するためにチャネル状態情報(チャネル推定)128を使用するように構成されたシンボルデマッパ122を含むことができる。さらに、データ受信器110は、受信された符号化ビット132の集合に基づいて、推定された符号化ビット(=送信器側の符号化ビットに対応する可能性が最も高いビット)の集合を決定することと、推定された送信シンボル134の集合を取得するために推定された符号化ビットの集合を送信シンボルにマッピングすることとを行うように構成されうる送信シンボル推定器124を含むことができる。さらに、データ受信器110は、推定された送信シンボル134の集合を使用してチャネル状態情報(チャネル推定値)128を更新するように構成されうるチャネル状態推定器126を含むことができる。
【0100】
図5に示すように、実施形態では、データ受信器110は、受信フィルタ136、デインターリーバ137、およびチャネル復号器138を含むことができる。チャネル復号器138は、推定されたデータビット139を提供するために最終チャネル復号化を実行するように構成されうる。
【0101】
任意で、シンボルデマッパ122は、フィルタリングされた受信信号を等化するように構成されうるイコライザを含むことができる。
【0102】
実施形態では、送信シンボル推定器124は、反復部分復号器160と、インターリーバおよびシンボルマッパ162とを含むことができる。反復部分復号器は、送信器側の冗長性導入符号化を使用して推定された符号化ビット164の集合を決定するために、受信された符号化ビットの集合(または、そのデインターリーブされたバージョン)を復号するように構成されうる。インターリーバおよびシンボルマッパ162は、送信器側のマッピング規則に一致するマッピング規則を使用して推定されたビット164の集合をインターリーブして、推定された送信シンボルの集合134を取得するためにそれを推定された送信シンボルにマッピングするように構成されうる。
【0103】
伝送システムの実装形態に応じて、実施形態では、インターリーブおよびシンボルマッピングの順序を逆にすることができ、すなわち、インターリーブは、ビットまたはシンボルレベルで行うことができる。これは、実施形態の適用および使用には関係がないので、本明細書では2つのケースのうちの1つだけが考慮される。
【0104】
部分復号化プロセスによって取得された送信シンボル134
【0105】
【0106】
の推定値は、先行技術のシンボル推定器からのものよりも、妨害されたチャネルを介した送信のより低い誤り率を含む(
図1を参照)。
【0107】
さらなる説明をよりよく理解するために、シンボル支援型の反復チャネル推定の基本的な機能原理を簡単に説明する。シンボル支援型の反復チャネル推定では、所望の瞬間T
kにおけるチャネル状態は、通常、期間T
sigの適切な受信信号セクション、ならびに時間的に関連付けられる推定された送信シンボルの長さLのシーケンスに基づいて推定される。これは、
図6に例示されている。
【0108】
詳細には、
図6は、図面において時間の経過とともにプロットされたチャネル状態170、ならびに反復ステップkおよびk+1の受信信号のセクション120
kと120
k+1および対応する推定された送信シンボル134
kと134
k+1を示している。言い換えれば、
図6は、反復チャネル推定の原理と、反復ステップkおよびk+1の例示的な表現を示している。
【0109】
反復ステップkにおいてチャネルが推定される時間Tkは、エッジ(本明細書に示されるように)とチャネル状態推定に使用される信号セクションの外側の両方に配置されうる。2つの連続する反復ステップ間の時間間隔(Tk+1-Tk)は、通常、シンボル期間Tsの整数倍である。
【0110】
反復チャネル推定のパラメータ、たとえば、(Tk+1-Tk)/Ts、Tsig、L、ならびに正確な方法は、パラメータ、および伝送システムのそれぞれの動作点、たとえば、ノイズと干渉による妨害の量と種類(Es/N0、信号対妨害電力比CIR)、ならびに変化するチャネルの速度(ドップラ拡散などのモバイル無線チャネルの場合)によって決定されうる。
【0111】
シンボル支援型の反復チャネル推定の可能な限り最良の機能のために、特に非常に時変チャネルの場合、以下のことを目指す必要がある。
(1)チャネル推定に使用される推定された送信シンボルは、ギャップレス、すなわち時間的に連続するシーケンスとして利用可能であること、
(2)最後に推定された送信シンボルは、チャネル推定の所望の瞬間に可能な限り時間的に近い(低遅延である)こと、および
(3)推定された送信シンボルは、可能な限り最も高い信頼性または低い誤り率を有すること。
【0112】
ポイント(1)および(2)は、チャネル符号化(たとえば、FEC)の構造に特定の要件をもたらし、これは、復号器支援型のチャネル推定では(たとえば、常に)、後続のインターリーバとともに考慮される必要がある。したがって、復号器160は、k番目の反復ステップを完了するために、反復ステップ(k+1)におけるチャネル推定に必要なすべてのL(=(1/B)-(R-N))送信シンボル146の推定を提供することができる。
【0113】
最初に、これを説明するために簡単な例を使用する。
図7に例示的に示されるように、ここでは、符号化率1/(R=3)の従来の畳み込み符号化とバイナリシンボルマッピング(BPSKシンボルマッピング)がチャネル符号化(たとえば、FEC)に仮定されている。この例ではインターリーバは省略されている。
【0114】
詳細には、
図7は、符号化率1/(R=3)を有する畳み込み符号化を使用して符号化ビット152のシーケンス(c
0、c
1、c
2、c
3、...c
R-N-1)を形成するためのデータビットシーケンス150(d
0、d
1、d
2、...、d
N-1)の符号化、および符号化ビット152のシーケンス(c
0、c
1、c
2、c
3、...c
R-N-1)の送信シンボル146(a
0、a
1、a
2、a
3、...a
R-N-1)へのマッピングの概略図を示している。言い換えれば、
図7は、1/(R=3)レートの畳み込み符号化とBPSKマッピングを使用したデータビットと送信シンボルを示しており、
図7の接続線156と158は依存関係を表している。
【0115】
図7は、送信シンボルa
0、a
1、a
2(146)の内容が、畳み込み符号器の(通常は知られている)初期状態、および符号化される第1のデータビットd
0(150)のみに依存することを示している。送信シンボルa
3、a
4、a
5(146)の内容は最初の2つのデータビットd
0、d
1(150)に依存し、送信シンボルa
6、a
7、a
8(146)の内容は最初の3つのデータビットd
0、d
1、d
2(150)などに依存する。これは、選択された例では、畳み込みコードを復号化するために通常使用されるビタビ復号器が、(早くても)それぞれの第1の3*N受信されたシンボルの後の第1のNデータビットについて決定を下すことができることを意味する。それにもかかわらず、部分復号化の信頼性は、第1のN個のデータビットを決定するために3*N個を超える受信されたシンボルを処理することによって改善されうる。この態様については後述する。
【0116】
第1のN個のデータビットd0...dN-1について決定するために、復号器は、入力におけるシンボルデマッパ122からのいわゆるソフトビット(たとえば、LLR)またはハードビットを必要とし、これは、仮定されるBPSKマッピングにおける送信シンボルの推定値
【0117】
【0118】
(134)から直接導出することができる(
図5を参照)。部分復号化の過程で、復号器160は、各反復ステップにおいて、最も可能性の高い送信された部分データビットシーケンスについて新しい決定を下すことができる。チャネル符号化(たとえば、FEC)によって導入された冗長性により、異なるシンボルシーケンス
【0119】
【0120】
(推定されたシンボル134の集合)は、部分復号化プロセスとその後のインターリーブおよびシンボルマッピングの後に、シンボルデマッパ122によって推定されたシーケンス
【0121】
【0122】
(受信されたシンボルの集合)よりも可能性が高いことが判明する場合がある。復号利得により、部分復号化から導出されたシーケンス
【0123】
【0124】
(134)は、シンボルデマッパ122によって推定されたシーケンス
【0125】
【0126】
よりも信頼性が高く、したがって、チャネル状態推定器126の入力量として使用される。
【0127】
チャネル符号化(たとえば、FEC)とインターリーブの組合せの要件を以下に説明する。
【0128】
すでに上述したように、反復チャネル推定の最適な機能のために、この目的のために使用される推定された送信シンボルは、可能な限り小さなギャップを有するシーケンスにおいて、すなわち、時間的に直接連続して利用可能であるべきである。チャネル符号化(たとえば、FEC)とインターリーブの組合せの場合、これは、連続するシンボルに基づくシンボルデマッパ122からのソフトビットまたはハードビットが供給されるときに、符号化利得で部分復号化プロセスが可能であるという要件をもたらす。
【0129】
以下では、チャネル符号化(たとえば、FEC)およびインターリーブを実装するいくつかの特定の実施形態が、説明の目的で(一般的な有効性を制限することなしに)示されている。理解を深めるために、以前と同様に、レート1/(R=3)の畳み込み符号化とBPSKシンボルマッピングが仮定されている。
【0130】
以下の表記が仮定される。
図1によれば、チャネル符号化(FEC)によって符号化されたビットは、cn、n=0...N-1、c
n∈{0,1}で示され、インターリーブ後のビットは、bn、n=0...N-1、b
n∈{0,1}で示される。BPSKシンボルマッピングにより、送信シンボルには以下が適用される:a
n=(2*b
n-1)、n=0...N-1、a
n∈{-1,+1}。インターリーバの割当ては、送信シンボルが生成されることに基づいて、それぞれのシンボル位置(送信シンボルインデックス)に対応する符号化ビットc
nを指定することによって、次の
図8から
図13に図式的に示されている。
【0131】
第1の例によれば、
図8に示されるように、メッセージはインターリーブなしにデータパケットの中で送信されうる。
【0132】
詳細には、
図8は、N個のデータシンボル146(c
0、c
1、c
2、...、c
N-1)を有するデータパケット141の概略図である。言い換えれば、
図8は、インターリーブなしの実施形態を示しており、メッセージは、1つのデータパケットから構成され得る。
【0133】
図8に示すように、インターリーバは、チャネル符号化(たとえば、FEC)の後にここでは省略され、これは、符号化ビットcの線形に増加する索引付けからわかる。復号化プロセスは、
図7に示される例と同様に行われうる。
【0134】
第2の例によれば、メッセージは、ブロックインターリーブを使用していくつかの部分データパケットに分割して送信されうる。
【0135】
図9は、3つの部分データパケット142の概略図であって、N個のデータシンボル146(c
0、c
1、c
2、...、c
N-1)は、3つの部分データパケット142間でインターリーブされて分割される概略図を示している。言い換えれば、
図9は、インターリーブを伴う実施形態を示しており、メッセージは、3つの部分データパケット142から構成され得る。
【0136】
図9では、ブロックインターリーバ(第1の符号化ビットから開始する)が、符号化ビットc
0、c
1、c
2、...、c
N-1のシーケンスの3ビットごとに第1の部分データパケット142に関連付けられていることがわかる。対応する関連付けは、それぞれ第2および第3の符号化ビットから開始して、第2および第3の部分データパケット142に対して行われる。
【0137】
3つの部分データパケット142が、送信中にそれぞれ異なる時変伝送チャネルの対象となる場合、個々の反復チャネル推定を、部分データパケット142ごとに受信器110において行うことができる。たとえば、第1の部分データパケットにおいて、反復チャネル推定器は、符号化ビットc3-n、n=0、1、...(N/3-1)に属するシンボルに基づく送信シンボル146の推定値を連続的に要求する。この例ではビタビ復号器がシーケンス推定器として有利に使用される部分復号化プロセスでは、符号化ビットc3*n+1およびc3*n+2に基づく送信シンボルも含まれる。したがって、第2および第3の部分データパケット142のシンボルはまた、第1の部分データパケット142からの送信シンボルの推定に含まれ、これにより、3つのすべての部分データパケット142の送信シンボルのより信頼性の高い推定がもたらされ、これにより、反復チャネル推定の信頼性が高まる。
【0138】
第3の例によれば、メッセージは、プリアンブルを含む複数の部分データパケット142に分割されて送信され得る。
【0139】
図10は、3つの部分データパケット142の概略図を示しており、N個のデータシンボル146(c
0、c
1、c
2、...、c
N-1)は、3つの部分データパケット142間でインターリーブされて分割され、部分データパケット142は、やはり3つの部分データパケット142間でインターリーブされて分割され、それぞれの部分データパケット142内のデータシンボル146の上流に配置される、M個のプリアンブルシンボル144(p
0、p
1、p
2、p
3、...、p
M-1)をさらに含む。言い換えれば、
図10は、メッセージが3つの部分データパケット142からなる、プリアンブルを含む実施形態を示している。
【0140】
この実施形態では、各部分データパケット142において、受信器110に知られていないデータ依存送信シンボル146の前に、長さM/3のプリアンブル(参照またはトレーニングまたはパイロットシーケンスも)144を付けることができ、そのシンボルは、事前に受信器に知られている。部分データパケット142が同一または異なるプリアンブルシーケンス144を使用するかどうかは、実施形態の適用には無関係である。
【0141】
この実施形態では、初期チャネル状態推定は、受信器110に知られているプリアンブルシンボル144に基づいて、部分データパケット142ごとに最初に行われうる。プリアンブルシンボル144と知られていないデータシンボル146との間の遷移領域において、チャネル状態推定は、プリアンブルシンボル144および(反復部分復号化を使用して)推定されたデータシンボル146の両方からなるシーケンスに基づいて行われうる。
【0142】
第4の例によれば、メッセージは、ミッドアンブルおよびインターリーブを伴ういくつかの部分データパケット142に分割して送信されうる。
【0143】
図11は、3つの部分データパケット142の概略図を示しており、N個のデータシンボル146(c
0、c
1、c
2、...、c
N-1)は、3つの部分データパケット142間でインターリーブされて分割され、3つの部分データパケット142は、やはり3つの部分データパケット142間でインターリーブされて分割され、それぞれの部分データパケット142内のデータシンボル146間の中央に配置される、M個のプリアンブルシンボル144(p
0、p
1、p
2、p
3、...、p
M-1)をさらに含む。言い換えれば、
図11は、メッセージが3つの部分データパケット142からなる、ミッドアンブルを伴う実施形態を示している。
【0144】
図11に示すように、転送されるシンボル(データシンボル146)は、インターリーバによって「列ごとに」、ミッドアンブルの周りに内側から外側に連続して配置されうる。部分データパケット142の構造における正確な対称性、すなわち、ミッドアンブルの前後の同数のデータシンボル146は、必要ではないが、有用である。
【0145】
部分データパケット142のそのような構造により、部分データパケット142の前半の反復チャネル推定は、逆の時間方向(「逆方向」)で、後半では通常の時間方向(「順方向」)で有利に実行することができる。逆方向のチャネル推定の実行のために、たとえば、信号セクションおよびシンボルシーケンスの時間的に逆の配置、ならびに特定の量の共役が行われうる。
【0146】
なお、インターリーバ定義のシンボル配置により、たとえ部分データパケット142の前半の反復チャネル推定が逆時間方向であっても、部分復号プロセス自体は常に通常の(正の)時間方向である。
【0147】
上記の実施形態に対応して動作する、可変数の部分データパケット(サブパケット番号)を有する電報を送信するためのインターリーバは、参考文献[5](特許文献1)に記載されている。
【0148】
第5の例によれば、メッセージは、チャネル符号化後に周期的にシフトされたビットで送信されうる。
【0149】
この実施形態は、特に、ETSI規格(参考文献[6]:非特許文献5)による部分データパケットにおけるメッセージの送信に言及している。186ビットの長さ、1/3レートの畳み込みコード、7の長さの制約、最後の「ゼロターミネーション」のメッセージが符号化され、576個の符号化ビット(c0...c575)のシーケンスになる。
【0150】
第1のステップにおいて、参考文献[5](特許文献2)、参考文献[6](非特許文献5)で説明されているように、インターリーバは第1のステップにおいて48ビットの周期的なシフトを行うことができる。これは
図12に示されている。
【0151】
図12は、符号化率1/(R=3)の畳み込み符号化を使用して、576個の符号化ビット153(c
528、c
529、c
530、...、c
575、c
0、c
1、c
2、c
3、...c
527)の周期的にシフトされたシーケンスを取得するために576個の符号化ビット152のシーケンスの最後の48ビットを576個の符号化ビット152のシーケンスの先頭に周期的にシフトして、192ビットのデータビットシーケンスを形成するためにゼロで満たされた、186ビットの例示的なデータビットシーケンス(d
0、d
1、d
2、...、d
185)の、576個の符号化ビット152(c
0、c
1、c
2、c
3、...c
575)のシーケンスへの符号化の概略図を示している。言い換えれば、
図12は、第1のステップにおける符号化ビットシーケンス152の最後の48ビットの周期的なシフトを示している。
【0152】
続いて、周期的にシフトされたビットシーケンス153は、24個の部分データパケット142に分割される。各部分データパケット142は、以下のように構造化された36個のシンボルを含む:12個のデータシンボル146、12個のミッドアンブルシンボル144、12個のデータシンボル146。
図11と同様に、(周期的にシフトされた)符号化ビットシーケンス153の関連付けは、ミッドアンブルに対して内側から外側へ「列ごとに」行われる。
【0153】
インターリーバ全体の構造(周期的なシフトを考慮)が
図13に示されている。
【0154】
図13は、24個の部分データパケット142の概略図であって、周期的にシフトされたデータビットシーケンス(c
528、c
529、c
530、...、c
575、c
0、c
1、c
2、c
3、... c
527)153の576個のビットは、24個の部分データパケット142間でインターリーブされて分割され、24個の部分データパケット142はさらに、それぞれ12個のプリアンブルシンボル144(p
0、p
1、p
2、p
3、…、p
11)を含み、データシンボル146の間の真ん中にあるそれぞれの部分データパケット142に配置される。言い換えれば、
図13は、ETSI標準(参考文献[6]:非特許文献5)に従ったインターリーバの実施形態を示しており、ここで、メッセージは、それぞれ36個のシンボルを有する24個の部分データパケット142からなる。
【0155】
明確性のため、送信シンボル146(符号化ビットに割り当てられる)のシンボルインデックスは、ミッドアンブルの前に位置するシンボルについては-12...-1に、またミッドアンブルの後に配置されたシンボル146については+1...+12に番号付けされる。
【0156】
原則として、反復チャネル推定の過程は、第4の例で説明した通りであり、すなわち、部分データパケット142の最初の12個のシンボルの反復チャネル推定は、時間的に逆方向(「逆方向」)で、後半では通常の時間方向(「順方向」)で行われる。
【0157】
しかしながら、この例において上記の説明と比較した特別な特徴は、
図12による48ビットの周期的なシフトである。次に(一般性を制限することなく)、ビタビ復号器は、単一の反復ステップについて48個の符号化ビット(2*24の送信シンボルに対応する)の推定値を提供すると仮定する。
【0158】
したがって、第1の反復ステップにおいて、復号器160は、送信シンボルインデックス「-1」の24個のシンボル、および送信シンボルインデックス「+1」の別の24個のシンボルの推定値を提供することができる。これは、
図13に示されるインターリーブ構造による符号化ビット{c
528、c
529、...c
575}の推定に対応する。これらは、符号化ビットシーケンスの最後の48ビットを表し、データビット{d
180、d
181、...d
185}の内容によってのみ決定される。ビタビ復号器のトレリス図で初期状態が知られておらず、最終状態が知られている場合、畳み込み符号器の「ゼロターミネーション」により、(送信シンボルインデックス「-1」および「+1」の推定受信されたシンボルが存在する場合)送信データビット{d
180、d
181、... d
185}の部分復号化が可能である。最終的には、符号化ビット{c
528、c
529、...c
575}の推定の改善が目的であるため、トレリス図において最も可能性の高いパスを決定することと、このパスに関連付けられる符号化ビットを符号化ビット{c
528、c
529、...c
575}の推定値として使用することとによって、ビタビ復号器における部分復号化の過程において送信されたデータビット{d
180、d
181、...d
185}の明示的な決定を回避することができる。この手順は、以降のすべての反復ステップにおいても可能であり、以下では明示的に言及されない。
【0159】
第2の反復ステップでは、送信シンボルインデックス「-2」と「+2」に関して、ビタビ復号器は、データビット{d0、d1、...d15}の結果として生じる符号化ビット{c0、c1、... c47}を推定する。この場合、ビタビ復号器は、知られている初期状態(「0」)と知られていない最終状態で部分復号化中に行われる。知られていない最終状態によって引き起こされるシーケンス推定の信頼性の損失を減らすために、たとえそれらが最後のチャネル状態推定の時点から必然的に少し離れていても、「-3」および「+3」の時点でシンボルデマッパ122によって推定された48個のシンボルを含めることが推奨される。
【0160】
説明されている手順は、以降のすべての反復ステップに対して行われる。第3のステップ(k=3)から開始して、ビタビ復号器の初期状態の確率情報は、前の復号器呼出しのそれぞれの時間的に関連付けられた確率情報で事前設定される。
【0161】
上記の実施形態のうちのいくつか(
図9、
図10、および
図11)では、明確性のため、本発明の原理、特に、本発明の意味で有利である符号化ビットと、インターリーバによって与えられる送信シンボル位置との関連付けが、3つの部分データパケット、符号化率が1/3の畳み込み符号化、およびバイナリ(BPSK)シンボルマッピングに対して提示された。
【0162】
当業者によれば、示された原理を、1/3の例において選択されたものとは異なる数の部分データパケットまたは異なる符号化率に適用することは、容易に理解できる。これは、送信シンボルが複数の符号化ビットで構成される、より高レベルのシンボルマッピングの適用にも当てはまる。畳み込み符号化とは別のタイプの符号化も、選択したインターリーバと組み合わせて、対応する符号化利得を達成するために部分復号化中に使用できる場合、FECと考えられ得る。
【0163】
図14は、信号を受信するための方法200のフローチャートを示し、信号は少なくとも2つの別個の部分データパケットを含み、少なくとも2つの別個の部分データパケットは、少なくとも2つの別個の部分データパケットに対して共同で行われるデータビットシーケンスの冗長性導入符号化の結果として生じる符号化ビットをマッピングするシンボルを含む。方法200は、第1のチャネル状態情報を取得するために、受信信号に基づいて信号の伝送チャネルのチャネル状態を推定するステップ202を含む。さらに、方法200は、第1のチャネル状態情報を使用して、異なる部分データパケットから、受信されたシンボルの第1の集合を復調するステップ204であって、受信されたシンボルの第1の集合は、受信された符号化ビットの第1の集合を取得するための、少なくとも2つの部分データパケットの受信されたシンボルの実数部分集合であり、受信された符号化ビットの第1の集合は、送信器側の冗長性導入符号化を利用することによって、符号化ビットの第1の集合が送信器側において受信された符号化ビットの第1の集合に対応することについての結論を引き出すことを可能にするステップ204を含む。方法200は、送信器側の冗長性導入符号化を使用して、推定された符号化ビットの第1の集合を決定するために、受信された符号化ビットの第1の集合を復号化するステップ206をさらに含む。方法200は、推定された送信シンボルの第1の集合を取得するために、送信器側のマッピング規則に一致するマッピング規則を使用して推定されたビットの第1の集合を推定された送信シンボルにマッピングするステップ208をさらに含む。方法200は、推定された送信シンボルの第1の集合を使用して第2のチャネル状態情報を決定するステップ210をさらに含む。
【0164】
実施形態は、反復復号器支援型のチャネル推定を提供する。ここでは次のことが行われる。
-(連続的な)部分復号化を使用した反復チャネル推定、
-送信シンボルのより信頼性の高い推定のためのコーディング利得の活用、および、
-復号器によるチャネル状態推定、ならびにその後のインターリーブおよびシンボルマッピングのためのシンボルの提供。
【0165】
実施形態は、原則として、送信器側に適用されるあらゆる種類のFEC符号化に適用可能である。
(1)符号化利得で送信シーケンスの部分復号化を可能にする、
(2)部分復号化のコンテキストにおいて、符号化ビット、したがって送信されたシンボルの推定値を提供することができる、
(3)インターリーバおよびシンボルマッピングと組み合わせて、反復法で推定された送信シンボルは、連続的に(正または負の時間方向に)進行するチャネル推定に役立つように互いに成功する。
【0166】
実施形態は、ビタビ復号器を使用して部分復号化を提供する。送信器側で畳み込み符号化をチャネル符号化(たとえば、FEC)として使用する場合、ビタビ復号器を部分復号化に使用することができ、これにより、特定の状況下で畳み込みコードを最適に復号化することができる。
【0167】
以下では、ビタビ復号器による部分復号化の入力変数について説明する。ビタビ復号器は、部分復号化の入力変数として、シンボルデマッパによって提供されるハードビット(バイナリ)またはソフトビット(たとえば、LLR)の形式の信頼性情報を必要とする。さらなる入力変数は、部分復号化の最初と最後に関連付けられるトレリス図において状態ごとの確率(たとえば、実装形態に応じて線形または対数形式)にすることができる(たとえば、実際には、現在の呼出しに対して、次の呼出しにおいて入力変数としてのみ機能する出力変数)。
【0168】
以下に、部分復号化の開始と終了の状態確率について説明する。部分復号化のすべての可能な初期状態に関する確率情報は、ビタビ復号器の連続呼出しとシームレスに連続するデータビットシーケンスの場合のビタビ復号器のそれぞれの先行呼出しの内部状態確率で構成されるか、それらから直接導出される。部分復号化の初期状態および/または最終状態が先験的に知られている場合、それらはそれに応じてビタビ復号器を呼び出すときに考慮される。
【0169】
以下では、復号器ラグを伴う部分復号化について説明する。最適なシーケンス推定のために、ビタビ復号器は理想的には知られている最終状態を必要とする。この条件は通常、部分復号中には満たされない。このため、シーケンス推定の信頼性を高めるために、部分復号を実際に必要なシーケンスの長さ(復号器ラグ)を超えて拡張することができる。専門家の文献では、推定されるシーケンスを超えて、畳み込みコードの制約の長さの約5倍まで復号プロセスを拡張することが推奨されている。符号化データビットのシーケンスの終わりに近づくと、通常知られている最終状態を復号化プロセスにおいて使用できる場合、このラグは連続的に減少する。
【0170】
実施形態は、いくつかの部分データパケットの中でメッセージを送信する際に反復チャネル推定を提供する。これの前提条件は、FECによって符号化されたメッセージ(データパケット)がいくつかの部分データパケットに分割されて送信されることである(たとえば、
図9、
図10、および
図11を参照)。各部分データパケットは、送信中に個別の時変伝送チャネルの影響を潜在的に受ける可能性がある。これは、部分データパケットごとに個別のチャネル状態推定が必要とする場合がある。受信器では、部分データパケットごとに個別のチャネル状態推定を実行することができるが、この目的に必要な推定された送信シンボルは、関連するすべての部分データパケットに共通の部分復号化プロセスに基づいている。これは、複数の伝送チャネルのチャネル状態を同時に推定する共同クロスパーシャルデータパケットチャネル推定(多次元反復チャネル推定)と呼ぶことができる。
【0171】
実施形態は、多様な受信を提供する。受信の多様性があり、したがって受信器にいくつかの受信信号がある場合、たとえば、複数のアンテナを使用することによって、本方法は次のように適用することができる。シンボルデマッパは、すべての受信信号から取得された受信されたシンボルに対して、いわゆる「最大比率結合」(MRC)を実行することができる。チャネル状態推定は、受信信号ごとに個別に行うことができる。
【0172】
実施形態は、データビット推定のための部分復号からの結果の使用を提供する。反復チャネル推定のコンテキストにおける部分復号は、主に、チャネル状態推定に、可能な限り確実に推定された送信シンボルを提供することを目的としている。それにもかかわらず、反復部分復号化において、送信されたデータビットの推定値を連続して取得することができる。部分復号化によるチャネル推定のすべての反復ステップを実行した後、送信されたすべてのデータビットの推定が利用できる場合、推定されたデータビットが正しいかどうかを決定するために、チェック値(たとえば、巡回冗長検査、CRC)を使用することができる。肯定的なチェック結果の場合、処理ステップ「最終チャネル復号化」(
図5、138を参照)を省略できるため、受信器における対応する労力を節約することができる。
【0173】
実施形態は、異なるパラメータを用いたいくつかのチャネル推定の実行を提供する。実際の伝送システムでは、チャネル変更頻度の速度は事前にわからないことがよくある。たとえば、無線システムでは、チャネル変更の速度は、無線参加者のほとんど知られていない移動速度と直接相関し、チャネルのいわゆるドップラ拡散につながる。速いチャネル変更(たとえば、高速で移動する無線参加者による)の場合、チャネル状態推定器は、遅いチャネル変更の場合とは異なるパラメータ化(たとえば、評価された信号セクションの長さ)を必要とする。
【0174】
この問題は、チャネル状態推定の異なるパラメータ化を用いて、いくつかの反復チャネル推定を完全に(すなわち、すべての反復ステップにわたって)実行することによって解決することができる。したがって、たとえば、低速のチャネル変更に最適化された1つのチャネル状態推定が実行され、さらに、高速のチャネル変更に最適化された別のチャネル状態推定が行われる。
図5による表現では、これは、範囲166内のすべてのブロック、ならびに「最終チャネル復号化」138が、異なるパラメータ化を用いて数回行われることを意味する。
【0175】
異なるパラメータ化のバージョンは、次々に有利に行われる。パラメータ化のための反復チャネル推定の実行が完了するたびに、たとえば、推定されたデータビットが正しいかどうかをチェック値によって決定することができる(データビット推定のために部分復号化からの結果を使用する実施形態への説明を参照されたい)。推定されたデータビットがチェック値に従って正しい場合、異なるパラメータ化を用いた同じ受信信号のさらなる反復チャネル推定の実行を省略することができる。
【0176】
実施形態は、逆時間方向におけるチャネル推定を提供する。多くの伝送システムでは、信号の検出または受信器における(初期)チャネル推定のために、事前に知られているデータシンボル(参照シンボル)が送信される。これらの参照シンボルの前に知られていないデータシンボルがある場合、信号のこの部分のチャネル推定は、逆時間方向(「逆方向」)で有利に実行することができる。この場合でも、復号器は、反復部分復号化中に正の時間方向において推定されるデータビットシーケンスを処理することができる。これには適切なインターリーバが必要である。
【0177】
知られていないデータシンボルが知られているシンボル(たとえば、ミッドアンブル)のシーケンスの前後の両方で送信される場合、チャネル推定は、参照シンボルの時間的に前にあるデータシンボルの部分に対して逆方向に、また同時に参照シンボルの後にあるデータシンボルの部分に対して順方向に実行することができる(
図11を参照)。これにも、適切なインターリーバが必要である。
【0178】
実施形態は、信頼性情報を含むシンボルの生成を提供する。推定された符号化ビット
【0179】
【0180】
の信頼性情報が部分復号化において利用できる場合(
図5を参照)、たとえば、符号化ビットに関する信頼性情報を提供する復号化(ソフト出力復号化)が使用される場合、(インターリーブ後)シンボルマッパは、チャネル状態推定の入力変数として使用されるハードシンボルの代わりにこのソフトシンボルから生成することができる。このようにして、チャネル状態推定は、「ハード決定」シンボルの場合と比較して改善することができる。
【0181】
実施形態は、送信器から受信器にデータを送信するためのシステムにおいて使用される。本明細書で説明する概念は、以下のすべての送信に適用される。
-送信器と受信器の間に潜在的に時変の伝送チャネルがあり、
-このチャネルの継続的な推定(たとえば、振幅と位相による)が必要または有利であり、
-送信中に送信されるデータに冗長性を提供する前方誤り訂正(FEC)が使用され、
-シンボル支援型のチャネル状態推定が使用される。
【0182】
典型的な応用分野は、たとえば、送信器および/または受信器の動きのために伝送チャネルが時変であり得、たとえば、コヒーレント復調を使用することによってチャネルの継続的な推定が必要とされる、デジタル無線通信システムにおけるメッセージの送信である。本発明は、メッセージ(データパケット)がいくつかの部分データパケットの中で送信されるシステム(いわゆるテレグラム分割、たとえば、独国特許出願第DE102011082098号(特許文献2)を参照)において特に有利であり得る。
【0183】
いくつかの態様は、装置のコンテキストにおいて説明されてきたが、これらの態様は、装置のブロックまたはデバイスもそれぞれの方法ステップまたは方法ステップの特徴であると理解されるべきであるように、対応する方法の説明も表すことは明らかである。同様に、方法ステップのコンテキストにおいてまたは方法ステップとして説明される態様はまた、対応するブロックまたはアイテム、あるいは対応する装置の特徴の説明を表す。方法ステップのいくつかまたはすべては、たとえば、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ、または電子回路などのハードウェア装置によって(または、使用して)実行され得る。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップのうちのいくつかまたは複数は、そのような装置によって実行することができる。
【0184】
特定の実装形態要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実装することができる。実装形態は、それぞれの方法が実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協調するか、または協調することができる、デジタルストレージ媒体、たとえばフロッピーディスク、DVD、Blu-Rayディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリ、電子的可読制御信号が記憶されたハードドライブあるいは別の磁気または光メモリを使用して実行することができる。したがって、デジタルストレージ媒体はコンピュータ可読であり得る。
【0185】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協調することができる、電子的可読制御信号を含むデータキャリアを含む。
【0186】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを含むコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法のうちの1つを実行するために動作可能である。
【0187】
プログラムコードは、たとえば、機械可読キャリアに記憶され得る。
【0188】
他の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、機械可読キャリア上に記憶される。
【0189】
言い換えれば、本発明の方法の実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムである。
【0190】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上に記録した、データキャリア(または、デジタルストレージ媒体またはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタルストレージ媒体、またはコンピュータ可読媒体は、通常、オブジェクトおよび/または非一時的である。
【0191】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、たとえば、データ通信接続を介して、たとえばインターネットを介して転送されるように構成され得る。
【0192】
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するように構成または適合された処理手段、たとえば、コンピュータ、またはプログラマブル論理デバイスを含む。
【0193】
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータを含む。
【0194】
本発明によるさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信器に転送するように構成された装置またはシステムを含む。送信は、電子的または光学的に実行することができる。受信器は、たとえば、コンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイスなどであり得る。装置またはシステムは、たとえば、コンピュータプログラムを受信器に転送するためのファイルサーバを含み得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法の機能のうちのいくつかまたはすべてを実行するために、プログラマブル論理デバイス(たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGA)が使用され得る。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためにマイクロプロセッサと協調し得る。一般に、いくつかの実施形態では、本方法は、好ましくは、任意のハードウェア装置によって実行される。これは、コンピュータプロセッサ(CPU)などの普遍的に適用可能なハードウェア、またはASICなどの方法に固有のハードウェアとすることができる。
【0196】
本明細書に記載の装置は、たとえば、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組合せを使用して実装され得る。
【0197】
本明細書に記載の装置、または本明細書に記載の装置の任意の構成要素は、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェア(コンピュータプログラム)において実装され得る。
【0198】
本明細書に記載の方法は、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組合せを使用して実装され得る。
【0199】
本明細書に記載の方法、または本明細書に記載の方法の任意の構成要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアによって少なくとも部分的に実行され得る。
【0200】
上記の実施形態は、本発明の原理を単に例示するものである。本明細書に記載の配置および詳細の修正および変形は、当業者には明らかであることが理解される。したがって、本発明は、本明細書の実施形態の記述および説明として提示された特定の詳細によってではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図されている。
【0201】
略語のリスト
BPSK バイナリ位相シフトキーイング
CRC 巡回冗長検査
FEC 前方誤り訂正
LLR 対数尤度比
LMS 最小平均二乗
MRC 最大比率の組合せ
RLS 再帰最小二乗
【0202】
参考文献
[1] S.N. Crozier, D.D. Falconer, S.A. Mahmoud. "Least sum of squared errors (lsse) channel estimation". IEE Proceedings-F, 138:371-378, August 1991.
[2] Karl-Dirk Kammeyer, "Nachrichtenubertragung", Teubner-Verlag, ISBN 3-519-26142-1, 3rd edition 2004,.
[3] J.G. Proakis, "Digital Communications", New York, McGraw Hill, 1995.
[4] K.-H. Chang, C.N. Georghiades, "Iterative Joint Sequence and Channel Estimation for Fast Time-Varying Intersymbol Interference Channels". In Proceedings of the International Conference on Communications (ICC'95), p. 357-361, Seattle, June 1995.
[5] 国際出願第PCT/EP2017/076939号
[6] ETSI Technical Specification TS 103 357
【符号の説明】
【0203】
12 データ送信器
14 データ受信器
15 データビット(d)
16 チャネル符号器
17 符号化ビット(c)
18 インターリーバ
19 インターリーブ後の符号化ビット(b)
20 変調器
21 送信シンボル(a)
22 送信信号発生器
23 送信信号
24 伝送チャネル
25 受信信号
26 受信フィルタ
27 フィルタリングされた受信信号
28 反復チャネル推定
30 復調器
31 ハードビットまたはソフトビット
32 チャネル状態推定器
33 推定された送信シンボル(a)
34 デインターリーバ
35 チャネル推定値
36 チャネル復号器
100 データ送信器
102 送信手段
104 アンテナ
106 受信手段
110 データ受信器
112 送信手段
116 受信手段
118 伝送チャネル
119 送信信号
120 受信信号
122 復調器(シンボルデマッパ)
124 送信シンボル推定器
126 チャネル状態推定器
128 第1のチャネル状態情報
130 受信されたシンボル
132 受信された符号化ビット
134 推定された送信シンボル
136 受信フィルタ
137 デインターリーバ
138 チャネル復号器
138 最終チャネル復号化
139 推定されたデータビット
140 ホッピングパターン
142 部分データパケット
144 プリアンブルシーケンス
144 プリアンブルシンボル
146 送信シンボル
146 データシンボル
150 データビットシーケンス
150 データビット
152 符号化ビットシーケンス
153 符号化ビットシーケンス
156 接続線
158 接続線
160 反復部分復号器
162 インターリーバおよびシンボルマッパ
164 推定された符号化ビット
166 範囲
170 チャネル状態
200 方法