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特許7353321輸送機関のブレーキ装置で発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】輸送機関のブレーキ装置で発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/00 20060101AFI20230922BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20230922BHJP
   B01D 46/52 20060101ALI20230922BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
F16D65/00 C
B01D46/10 A
B01D46/52 A
B01D39/20 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021065727
(22)【出願日】2021-04-08
(65)【公開番号】P2022104774
(43)【公開日】2022-07-11
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0185420
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510242440
【氏名又は名称】韓國セラミック技術院
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】ファン、クァン タック
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジン‐ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、チョンスー
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0054121(US,A1)
【文献】特表2015-502905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00-71/04
B01D 46/00-46/90
B01D 39/00-41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送機関のブレーキ装置でロータとブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質を捕集するための装置であって、
前記ロータの外側面の一部を囲む第1コレクタ、
前記ロータの外周面の一部を囲む上部コレクタ、および、
前記ロータの内側面の一部を囲む第2コレクタ、を含み、
前記第1コレクタと前記第2コレクタは、多孔性セラミックフォームからなり、
前記多孔性セラミックフォームは、
微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル)、および、
前記気孔(セル)の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、
多数の針状のウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル)に向かって突出しており、
前記第1コレクタと前記第2コレクタは、蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブと、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネルを含むことを特徴とする、
捕集装置。
【請求項2】
前記捕集装置は全体の外観の形状が「U」字状に備えられ、前記「U」字状の内部に前記ロータを部分収容するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項3】
前記第1コレクタは前記ロータの外側面と向き合うように備えられ、前記第2コレクタは前記ロータの内側面と向き合うように備えられ、前記第2コレクタはディスク状のロータを基準として前記第1コレクタがある反対側に位置し、前記第1コレクタと前記第2コレクタは前記ロータを基準として互いに向き合うように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項4】
前記第1コレクタを覆って保護し、前記第1コレクタに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するための第1コレクタカバー、および、前記第2コレクタを覆って保護し、前記第2コレクタに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するための第2コレクタカバーをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項5】
前記上部コレクタを保護するための上部コレクタカバーが前記上部コレクタの上部にさらに備えられていることを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項6】
前記上部コレクタで濾過されたきれいな空気が外部に抜け出られるように、前記上部コレクタカバーに孔が形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の捕集装置。
【請求項7】
前記多孔性セラミックフォームはアルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)および炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上のセラミック材質であることを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項8】
前記多孔性セラミックフォームは気孔率が40~90%をなすことを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項9】
前記ウイスカーはムライト(mullite、3Al・2SiO)、ZnOおよび炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上の針状セラミック材質からなることを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項10】
前記多孔性セラミックフォームは、第2領域に比べて相対的に小さい大きさの気孔が分布する第1領域、および、前記第1領域に比べて相対的に大きい大きさの気孔が分布する第2領域を含み、前記第1領域は前記第2領域で捕集される微小粒子状物質より小さい大きさの微小粒子状物質を捕集できることを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項11】
前記第1領域より前記第2領域が前記ロータにさらに隣接して位置することを特徴とする、請求項10に記載の捕集装置。
【請求項12】
前記上部コレクタは多孔性セラミックフォームからなることを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項13】
前記第1コレクタおよび前記第2コレクタは、前記ロータの外周面の一部を覆うように突出した段差部を有する多孔性セラミックフォームからなることを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項14】
前記多孔性セラミックフォームは疏水性のコーティング膜で塗布されており、疏水性を示すことを特徴とする、請求項1に記載の捕集装置。
【請求項15】
前記リブは曲線形の形態をなすことを特徴とする、請求項に記載の捕集装置。
【請求項16】
前記第1コレクタと前記第2コレクタにおいて、リブの端部にはリブブロックが備えられ、前記リブブロックはリブとリブを連結する媒体であり、前記ロータと前記ブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質は前記チャネルの流入口を通じて流入し、前記ロータの回転軸であるX軸に垂直なY軸方向には前記チャネルの流入口とリブブロックの間の空いた空間が前記チャネルをなす領域であり、前記X軸およびY軸に垂直なZ軸方向にはリブとリブの間の空いた空間が前記チャネルをなす領域であることを特徴とする、請求項に記載の捕集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は捕集装置に関し、さらに詳細には、輸送機関のブレーキ装置でロータとブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送機関の増加によって非排気管(非排気系)により放出された粒子(微小粒子状物質)が増加している。
【0003】
排気系の微小粒子状物質の規制が強化されるにつれて、輸送機関の非排気管(非排気系)で発生する微小粒子状物質が最近のイシューとなっている。非排気系で発生する微小粒子状物質の発生源にはブレーキの摩耗、タイヤの摩耗などがある。ブレーキパッドとロータ(rotor)の摩擦によって微細な粉塵と人体に有害な物質が発生する。ブレーキパッドの摩耗によって発生する微小粒子状物質は粒子の大きさが小さいため、人体および環境に直接的な影響を及ぼしかねない。特に、都市地域で、交通量の増加によるブレーキ装置から出る微粒子の量が増加している。
【0004】
自動車などの輸送機関には、ブレーキパッド、タイヤなどの摩耗によって発生する微小粒子状物質を回収する装置が具備されていないため、大気の環境が汚染する問題点があった。このため、ブレーキパッド、タイヤなどの輸送機関の非排気系で発生する微小粒子状物質を捕集できるフィルタの開発が要求されている。
【0005】
ブレーキパッド、タイヤなどの輸送機関の非排気系で発生する微小粒子状物質を捕集するための捕集フィルタにおいて、関連環境の特殊性(温度、水分、振動など)により新しい概念のフィルタ素材と技術が要求されている。
【0006】
特に、ブレーキ装置で発生する微小粒子状物質を捕集するための捕集フィルタは、摩擦によって数百度以上(最高700℃)の表面温度の上昇が予想されるブレーキパッドの周辺に設置されなければならないため、耐熱性の確保が要求され、道辺の雨水およびホコリなどによるフィルタの汚染と車両の走行による振動の発生などに対する耐久性に優れたフィルタ素材の開発が必要である。
【0007】
NOxとSOxは触媒や自らの発火による除去が可能であるが、非排気系で発生する微小粒子状物質は酸化が難しい組成であるため、効果的な微小粒子状物質の捕集が可能な素材の開発とこれを適用した部品の開発、捕集ホコリを除去できる差別化された技術が適用されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】大韓民国公開特許公報第10-2017-0085015号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、輸送機関のブレーキ装置でロータとブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、輸送機関のブレーキ装置でロータとブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質を捕集するための装置であり、前記ロータの外側面の一部を囲む第1コレクタと、前記ロータの外周面の一部を囲む上部コレクタと、前記ロータの内側面の一部を囲む第2コレクタを含み、前記第1コレクタと前記第2コレクタは多孔性セラミックフォームからなる捕集装置を提供する。
【0011】
前記捕集装置は全体の外観の形状が「U」字状に備えられて前記「U」字状の内部に前記ロータを部分収容するように構成されることが好ましい。
【0012】
前記第1コレクタは前記ロータの外側面と向き合うように備えられ、前記第2コレクタは前記ロータの内側面と向き合うように備えられ、前記第2コレクタはディスク状のロータを基準として前記第1コレクタがある反対側に位置し、前記第1コレクタと前記第2コレクタは前記ロータを基準として互いに向き合うように配置されることが好ましい。
【0013】
前記捕集装置は前記第1コレクタを覆って保護し、前記第1コレクタに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するための第1コレクタカバーと、前記第2コレクタを覆って保護し、前記第2コレクタに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するための第2コレクタカバーをさらに含むことができる。
【0014】
前記上部コレクタを保護するための上部コレクタカバーが前記上部コレクタの上部にさらに備えられていてもよい。
【0015】
前記上部コレクタで濾過されたきれいな空気が外部に抜け出られるように、前記上部コレクタカバーに孔が形成されていてもよい。
【0016】
前記多孔性セラミックフォームは、アルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)および炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上のセラミック材質からなり得る。
【0017】
前記多孔性セラミックフォームは気孔率が40~90%をなすことが好ましい。
【0018】
前記多孔性セラミックフォームは、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含むことができ、多数のウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出していてもよい。
【0019】
前記ウイスカーはムライト(mullite、3Al・2SiO)、ZnOおよび炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上の針状セラミック材質からなり得る。
【0020】
前記多孔性セラミックフォームは第2領域に比べて相対的に小さい大きさの気孔が分布する第1領域と、前記第1領域に比べて相対的に大きい大きさの気孔が分布する第2領域を含むことができ、前記第1領域は前記第2領域で捕集される微小粒子状物質より小さい大きさの微小粒子状物質を捕集することができる。
【0021】
前記第1領域より前記第2領域が前記ロータにさらに隣接して位置することが好ましい。
【0022】
前記上部コレクタは多孔性セラミックフォームからなり得る。
【0023】
前記第1コレクタおよび前記第2コレクタは、前記ロータの外周面の一部を覆うように突出した段差部を有する多孔性セラミックフォームからなり得る。
【0024】
前記多孔性セラミックフォームは疏水性のコーティング膜で塗布されており、疏水性を示し得る。
【0025】
前記第1コレクタと前記第2コレクタは蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブと、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネルを含むことができる。
【0026】
前記リブは曲線形の形態をなすことが好ましい。
【0027】
前記第1コレクタと前記第2コレクタにおいて、リブの端部にはリブブロックが備えられ得、前記リブブロックはリブとリブを連結する媒体であり、前記ロータと前記ブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質は前記チャネルの流入口を通じて流入し得、前記ロータの回転軸であるX軸に垂直なY軸方向には前記チャネルの流入口とリブブロックの間の空いた空間が前記チャネルをなす領域であり、前記X軸およびY軸に垂直なZ軸方向にはリブとリブの間の空いた空間が前記チャネルをなす領域であり得る。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、輸送機関のブレーキ装置でロータとブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質を効率的に捕集することができる。輸送機関の制動時に発生する微小粒子状物質を減らすことによって大気環境の汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】輸送機関のブレーキ装置で発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置の一例を図示した図面である。
図2】輸送機関のブレーキ装置で発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置の一例を図示した図面である。
図3】捕集装置がブレーキ装置に結合された様子の一例を示す図面である。
図4】多孔性セラミックフォームの一例を概略的に図示した図面である。
図5】壁体の表面からウイスカーが突出した構造の一例を概略的に図示した図面である。
図6】多孔性セラミックフォームの他の例を概略的に図示した図面である。
図7】第1領域Aと第2領域Bをさらに明確に示すために図6に示した多孔性セラミックフォームの一部を切断して示した図面である。
図8】多孔性セラミックフォームのさらに他の例を概略的に図示した図面である。
図9】多孔性セラミックフォームのさらに他の例を概略的に図示した図面である。
図10図8および図9に示した多孔性セラミックフォームが適用された捕集装置を概略的に図示した部分分解斜視図である。
図11図8および図9に示した多孔性セラミックフォームが適用された捕集装置がブレーキ装置に結合された様子の一例を示す図面である。
図12】実験例1でポリマーフォームで使われたポリウレタンフォームを示す写真である。
図13】実験例1によりポリマーフォームにセラミックスラリーがディップコーティングされて乾燥された様子を示す写真である。
図14】実験例1により製造された多孔性セラミックフォームを示す写真である。
図15a】実験例1により製造された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM;scanning electron microscope)写真である。
図15b】実験例1により製造された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM;scanning electron microscope)写真である。
図15c】実験例1により製造された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM;scanning electron microscope)写真である。
図16】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームを示す写真である。
図17a】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図17b】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図17c】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図17d】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図18a】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図18b】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図18c】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図18d】実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明に係る好ましい実施例を詳細に説明する。しかし、以下の実施例はこの技術分野で通常の知識を有する者に本発明が十分に理解されるように提供されるものであり、多様な他の形態に変形され得、本発明の範囲は以下に記述される実施例に限定されるものではない。
【0031】
発明の詳細な説明または特許請求の範囲において、いずれか一つの構成要素が他の構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り当該構成要素のみからなるものに限定されて解釈されず、他の構成要素をさらに含むことができるものと理解されるべきである。
【0032】
以下で、輸送機関とは、自動車、トラック、バス、鉄道車両だけでなく、オートバイクなどの2輪車も含む意味で使う。また、多孔性セラミックフォーム(porous ceramic foam)で気孔とは、壁体と壁体の間のセル(cell)を形成する気孔だけでなく、壁体に形成された気孔も含むものとして使う。
【0033】
本発明の好ましい実施例に係る捕集装置は、輸送機関のブレーキ装置でロータとブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質を捕集するための装置であり、前記ロータの外側面の一部を囲む第1コレクタと、前記ロータの外周面の一部を囲む上部コレクタと、前記ロータの内側面の一部を囲む第2コレクタを含み、前記第1コレクタと前記第2コレクタは多孔性セラミックフォーム(porous ceramic foam)で構成される。
【0034】
前記捕集装置は全体の外観の形状が「U」字状に備えられて前記「U」字状の内部に前記ロータを部分収容するように構成されることが好ましい。
【0035】
前記第1コレクタは前記ロータの外側面と向き合うように備えられ、前記第2コレクタは前記ロータの内側面と向き合うように備えられ、前記第2コレクタはディスク状のロータを基準として前記第1コレクタがある反対側に位置し、前記第1コレクタと前記第2コレクタは前記ロータを基準として互いに向き合うように配置されることが好ましい。
【0036】
前記捕集装置は前記第1コレクタを覆って保護し、前記第1コレクタに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するための第1コレクタカバーと、前記第2コレクタを覆って保護し、前記第2コレクタに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するための第2コレクタカバーをさらに含むことができる。
【0037】
前記上部コレクタを保護するための上部コレクタカバーが前記上部コレクタの上部にさらに備えられていてもよい。
【0038】
前記上部コレクタで濾過されたきれいな空気が外部に抜け出られるように、前記上部コレクタカバーに孔が形成されていてもよい。
【0039】
前記多孔性セラミックフォームはアルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)および炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上のセラミック材質からなり得る。
【0040】
前記多孔性セラミックフォームは気孔率が40~90%をなすことが好ましい。
【0041】
前記多孔性セラミックフォームは、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含むことができ、多数のウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出していてもよい。
【0042】
前記ウイスカーはムライト(mullite、3Al・2SiO)、ZnOおよび炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上の針状セラミック材質からなり得る。
【0043】
前記多孔性セラミックフォームは第2領域に比べて相対的に小さい大きさの気孔が分布する第1領域と、前記第1領域に比べて相対的に大きい大きさの気孔が分布する第2領域を含むことができ、前記第1領域は前記第2領域で捕集される微小粒子状物質より小さい大きさの微小粒子状物質を捕集することができる。
【0044】
前記第1領域より前記第2領域が前記ロータにさらに隣接して位置することが好ましい。
【0045】
前記上部コレクタは多孔性セラミックフォームからなり得る。
【0046】
前記第1コレクタおよび前記第2コレクタは前記ロータの外周面の一部を覆うように突出した段差部を有する多孔性セラミックフォームからなり得る。
【0047】
前記多孔性セラミックフォームは疏水性のコーティング膜で塗布されており、疏水性を示し得る。
【0048】
前記第1コレクタと前記第2コレクタは蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブと、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネルを含むことができる。
【0049】
前記リブは曲線形の形態をなすことが好ましい。
【0050】
前記第1コレクタと前記第2コレクタにおいて、リブの端部にはリブブロックが備えられ得、前記リブブロックはリブとリブを連結する媒体であり、前記ロータと前記ブレーキパッドの摩擦によって発生した微小粒子状物質は前記チャネルの流入口を通じて流入し得、前記ロータの回転軸であるX軸に垂直なY軸方向には前記チャネルの流入口とリブブロックの間の空いた空間が前記チャネルをなす領域であり、前記X軸およびY軸に垂直なZ軸方向にはリブとリブの間の空いた空間が前記チャネルをなす領域であり得る。
【0051】
以下では、輸送機関のブレーキ装置で発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置をさらに具体的に説明する。
【0052】
<実施例1>
【0053】
図1および図2は、輸送機関のブレーキ装置で発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置の一例を図示した図面である。図3は、捕集装置がブレーキ装置に結合された様子の一例を示す図面である。図4は、多孔性セラミックフォームの一例を概略的に図示した図面である。
【0054】
図1図4を参照する。ブレーキ装置はブレーキパッド(brake pad)20とロータ(rotor)10の間に発生する摩擦によって制動を遂行する装置である。前記ブレーキ装置は車軸に連結されて回転するディスク状のロータ10と、ロータ10の回転を制動するためにロータ10に軸方向X(ディスク状をなす面に垂直な方向)に圧力を加えるためのブレーキパッド20と、ブレーキパッド20をロータ10に密着させたりロータ10と接触したブレーキパッド20をロータ10から離隔させてロータ10の回転を制御するためのブレーキキャリパー(brake caliper)30を含む。
【0055】
ロータ(rotor)10は車軸に連結されて回転するディスク状の装置である。ロータ10はX軸に垂直な第1ディスク面10aと、第1ディスク面に平行な第2ディスク面10bを含むことができる。第1ディスク面10aと第2ディスク面10bはリム(rim)等によって結合されていてもよい。
【0056】
ブレーキパッド(brake pad)20はロータ10に軸方向(X方向)(ディスク状をなす面に垂直な方向)に圧力を加えてロータ10の回転を制動するための装置である。ブレーキパッド20は第1ディスク面10aに圧力を加えるための第1パッド(図示されず)と、第2ディスク面10bに圧力を加えるための第2パッド(図示されず)を含むことができる。ブレーキパッド20は軸方向(X方向)に沿って移動できるようにブレーキキャリパー(brake caliper)30に実装される。
【0057】
ブレーキキャリパー30は、ブレーキパッド20をロータ10に密着させたりロータ10と接触したブレーキパッド20をロータ10から離隔させてロータ10の回転を制御するための装置である。ブレーキパッド20はブレーキキャリパー30の内部に収容され、第1ディスク面10aを見ながらロータ10と向き合うように備えられる第1パッド(図示されず)と、第2ディスク面10bを見ながらロータ10と向き合うように備えられる第2パッド(図示されず)を含むことができる。ブレーキキャリパー30はロータ10の一部を囲むように全体の外観の形状が「U」字状に備えられ得る。
【0058】
ブレーキパッド20とロータ(rotor)10の摩擦によって人体に有害な微小粒子状物質が発生する。特に、ブレーキパッド20の摩耗によって発生する微小粒子状物質は粒子の大きさが小さいため、人体および環境に直接的な影響を及ぼしかねない。特に、都市地域で、交通量の増加によるブレーキ装置から出る微粒子の量が増加している。
【0059】
輸送機関のブレーキ装置で発生した微小粒子状物質を捕集するための捕集装置は、摩擦によって数百度以上に表面温度の上昇が予想されるブレーキパッド20の周辺に設置されなければならないため耐熱性の確保が要求され、道辺の雨水およびホコリなどによる装置の汚染と車両の走行による振動の発生などに対する耐久性が優秀なフィルタ素材の開発が必要である。
【0060】
NOxとSOxは触媒や自らの発火による除去が可能であるが、ブレーキ装置で発生する微小粒子状物質は酸化が難しい組成であるため、効果的な微小粒子状物質の捕集が可能な素材の開発とこれを適用した部品の開発、捕集ホコリを除去できる差別化された技術が適用されなければならない。
【0061】
本発明の好ましい実施例に係る捕集装置は、ブレーキパッド20とロータ10の摩擦によって発生した微小粒子状物質(粉塵)を捕集する装置である。前記捕集装置は自動車の走行中にブレーキングする際に。ロータ10とブレーキパッド20が接触してブレーキパッド20やロータ10が摩耗して発生する微小粒子状物質(粉塵)を吸い込んで捕集する。本発明の好ましい実施例に係る捕集装置は取り換え可能であってもよい。本発明の好ましい実施例に係る捕集装置は、ある程度の時間の間使用後に取り換えるか微小粒子状物質を除去した後に再使用可能であってもよい。
【0062】
ブレーキパッド20とロータ10の間の摩擦で発生する微小粒子状物質を吸い込むために、捕集装置はブレーキパッド20とブレーキキャリパー30の位置によって形状、設置位置などが変わり得る。
【0063】
好ましくは、前記捕集装置は輸送機関の正方向に走行する方向から見る時、ブレーキパッド20の位置より後方(ロータの回転方向から見る時、ブレーキパッドより後方)に設置されることが好ましい。ブレーキパッド20の位置より後方に捕集装置を設置するのは、輸送機関が正方向に走行する時、ブレーキパッド20とロータ10間の摩擦によって発生する微小粒子状物質(粉塵)が風などによって捕集装置に流入するのが有利であり、より多くの微小粒子状物質を捕集できるためである。輸送機関が正方向に走行する時、ブレーキパッド20とロータ10間の摩擦によって発生した微小粒子状物質(粉塵)の大部分は風などによって後方に移動することになり、ブレーキパッド20の位置より後方に設置された捕集装置に流入して捕集され得る。前記捕集装置は電源がなくても微小粒子状物質を捕集できるように備えられ得る。自動車が走行中に流れる空気の方向(空気の流れ)により自然に微小粒子状物質(粉塵)が捕集装置に効率的に吸い込まれ得る。
【0064】
前記捕集装置はロータ10の一部を囲む形態で備えられ得る。前記捕集装置はロータ10の一部を囲むように全体の外観の形状が「U」字状に備えられ得る。捕集装置は「U」字状の内部にロータ10を部分収容するように構成される。
【0065】
前記捕集装置はロータ10の外側面(第1ディスク面10a)の一部を囲む第1コレクタ(collector)110、ロータ10の外周面の一部を囲む上部コレクタ130、ロータ10の内側面(第2ディスク面10b)の一部を囲む第2コレクタ(collector)120を含むことができる。第1コレクタ110はロータ10の外側面(第1ディスク面10a)と向き合うように備えられる。第2コレクタ120はロータ10の内側面(第2ディスク面10b)と向き合うように備えられる。第2コレクタ120はディスク状のロータ10を基準として第1コレクタ110がある反対側に位置するように設置される。第1コレクタ110と第2コレクタ120はロータ10を基準として互いに向き合うように配置される。第1コレクタ110と第2コレクタ120はロータ10と離隔するように配置される。
【0066】
上部コレクタ130はロータ10の外周面の一部を囲むように備えられる。上部コレクタ130は第1コレクタ110と第2コレクタ120に連結されていてもよい。上部コレクタ130もロータ10と離隔するように設置される。
【0067】
第1コレクタ110と第2コレクタ120を保護し、チャネルに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するためのコレクタカバー160、170がさらに備えられてもよい。コレクタカバー160、170は加工性が良好で重さが軽い合成樹脂、例えば熱硬化性合成樹脂などの材質で形成され得るが、金属、金属合金などのように耐久性が良好で衝撃に耐え得る材料が使われてもよい。コレクタカバーは第1コレクタ110を覆って保護し、チャネルに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するための第1コレクタカバー160と、第2コレクタ120を覆って保護し、チャネルに流入した微小粒子状物質が外部に流出することを抑制するための第2コレクタカバー170を含むことができる。第1コレクタカバー160は第1コレクタ110を基準としてロータ10の反対側に備えられ、第2コレクタカバー170は第2コレクタ120を基準としてロータ10の反対側に備えられる。コレクタカバー160、170はロータ10にホコリなどの異物が流入することを防止する役割をしてもよい。
【0068】
第1コレクタカバー160は第1コレクタ110の側面を完全に覆う形態で構成されており、第1コレクタ110の側面と密着するように構成されていてもよい。第2コレクタカバー170は第2コレクタ120の側面を完全に覆う形態で構成されており、第2コレクタ120の側面と密着するように構成されていてもよい。
【0069】
第1コレクタカバー160には第1コレクタ110で濾過されたきれいな空気が外部に抜け出られるように、孔が形成されていてもよい。ロータ10とブレーキパッド20の摩擦によって発生した微小粒子状物質は第1コレクタ110で捕集され、第1コレクタ110を通過したきれいな空気は第1コレクタカバー160の孔を通じて排出されるようにすることによって、ロータ10の周辺の温度が上昇することを抑制することができる。第2コレクタカバー170にも第2コレクタ120で濾過されたきれいな空気が外部に抜け出られるように、孔が形成されていてもよい。ロータ10とブレーキパッド20の摩擦によって発生した微小粒子状物質は第2コレクタ120で捕集され、第2コレクタ120を通過したきれいな空気は第2コレクタカバー170の孔を通じて排出されるようにすることによって、ロータ10の周辺の温度が上昇することを抑制することができる。
【0070】
上部コレクタ130を保護するための上部コレクタカバー180がさらに備えられてもよい。上部コレクタカバー180は加工性が良好で重さが軽い合成樹脂、例えば熱硬化性合成樹脂などの材質で形成され得るが、金属、金属合金などのように耐久性が良好で衝撃に耐え得る材料が使われてもよい。上部コレクタカバー180は上部コレクタ130の上部に備えられ得る。上部コレクタカバー180はロータ10の外周面に配置されてロータ10にホコリなどの異物が流入することを防止する役割をしてもよい。上部コレクタカバー180には上部コレクタ130で濾過されたきれいな空気が外部に抜け出られるように、孔が形成されていてもよい。ロータ10とブレーキパッド20の摩擦によって発生した微小粒子状物質は上部コレクタ130で捕集され、上部コレクタ130を通過したきれいな空気は上部コレクタカバー180の孔を通じて排出されるようにすることによってロータ10の周辺の温度が上昇することを抑制することができる。
【0071】
第1コレクタ110と第2コレクタ120は一端から他端までが直線形のものからなってもよく、さらに好ましくは、一端から他端まで曲線形(図2の210を参照)のものからなることが好ましい。さらに好ましくは、第1コレクタ110と第2コレクタ120はディスク状を有するロータ10のディスクの曲率と同一の曲線形の形態をなすことが好ましい。曲線形の形態をなす第1コレクタ110と第2コレクタ120の曲率はディスク状を有するロータ10のディスクの曲率(curvature)と同一であることが好ましい。
【0072】
ブレーキパッド20とロータ10間の摩擦によって発生する微小粒子状物質(粉塵)は第1コレクタ110と第2コレクタ120に流入する。第1コレクタ110と第2コレクタ120は多孔性セラミックフォーム(porous ceramic foam)からなる。ロータ10とブレーキパッド20の摩擦によって数百度以上に表面温度の上昇が予想されるロータ10の周辺に第1コレクタ110と第2コレクタ120が設置されるため耐熱性の確保が要求され、雨水やホコリなどによる汚染と車両の走行による振動の発生などに対して耐久性が要求される。このような点などを考慮して、第1コレクタ110と第2コレクタ120はアルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの混合物のように耐熱性を有する多孔性セラミックフォーム(セラミック多孔体)からなることが好ましい。第1コレクタ110および第2コレクタ120はロータ10の外周面の一部を覆うように突出した段差部200を有する多孔性セラミックフォームからなり得る。
【0073】
前記多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体である。前記多孔性セラミックフォームは微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含む。多孔性セラミックフォームで壁体と壁体間の大きな気孔をセル(cell)ともいい、壁体にも前記セルよりは小さな気孔が形成されており、多孔性セラミックフォームで気孔とは壁体に形成された気孔だけでなく前記セルも含む。
【0074】
前記多孔性セラミックフォームは気孔率が40~90%、さらに好ましくは、60~85%程度であることが好ましい。気孔率が過度に低い場合には微小粒子状物質のフィルタリング効率が低くなり得、気孔率が過度に高い場合には振動の衝撃などに容易にクラックなどが発生したりこわれたりして耐久性が低下し得る。前記多孔性セラミックフォームに分布する気孔(セル)の大きさは50μm~2mm程度であることが好ましく、壁体に形成される気孔の大きさは50nm~50μm程度であることが好ましい。
【0075】
前記多孔性セラミックフォームは、表面に水滴ができることを抑制するために疏水性(hydrophobic)コーティング膜で塗布されていてもよい。疏水性を有するようにするために、多孔性セラミック材質に疏水性を有する物質をコーティングして多孔性セラミックフォームを製造することができる。親水性(hydorphilic)を有する場合、多孔性セラミックフォームの表面に水滴が多量発生し得るためフィルタリング効果が低下し得る。疏水性コーティング膜は10nm~2μm程度の厚さで備えられることが好ましい。
【0076】
疏水性コーティング膜はペースト、懸濁液(suspension)またはコロイド(colloid)を多孔性セラミックフォームの外郭の表面にコーティングし、400~1000℃程度の温度で熱処理して形成することができる。疏水性コーティング膜を形成するための例として、べーマイト-TiOゾルをコーティングする場合を例に挙げることができる。
【0077】
べーマイト-TiOゾルは次のように製造することができる。
【0078】
べーマイト(boehmite)を蒸溜水などの溶媒に添加して60℃程度の温度で加水分解(hydrolysis)させ、ここに硝酸(HNO)等の酸(acid)を添加して溶液化(peptization)してべーマイトゾルを形成する。
【0079】
TiO前駆体を蒸溜水などの溶媒に添加して50℃程度の温度で加水分解(hydrolysis)させ、ここに硝酸(HNO)等の酸(acid)を添加して溶液化(peptization)してTiOゾルを形成する。前記TiO前駆体はTTIP(Titanium isopropoxide)等であり得る。
【0080】
前記べーマイトゾルと前記TiOゾルを混合してべーマイト-TiOゾルを収得する。
【0081】
上部コレクタ130も多孔性セラミックフォームからなり得る。上部コレクタ130はアルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの混合物のように耐熱性を有する多孔性セラミックフォームからなることが好ましい。上部コレクタ130はロータ10の外周面に配置されてロータ10にホコリなどの異物が流入することを防止する役割もする。
【0082】
以下で、多孔性セラミックフォームを製造する方法を具体的に説明する。
【0083】
多孔性セラミックフォームを製造するために、基板(substrate)として多孔性のポリマーフォーム(polymer foam)(例えば、ポリウレタンフォーム(polyurethane foam))を使う。前記ポリマーフォームはスポンジ(sponge)のように弾性がある多孔性物質である。前記ポリマーフォームの気孔率、気孔の大きさなどは、その後に製造される多孔性セラミックフォームの気孔率、気孔の大きさなどに影響を及ぼす。製造しようとする多孔性セラミックフォームの形状に対応するようにポリマーフォーム(polymer foam)を形成した後、超音波洗浄等を通して洗浄して乾燥する。多孔性セラミックフォームがロータ10の外周面の一部を覆うように突出した段差部200を有する場合、ポリマーフォームも段差部を有する形態で形成する。前記乾燥はポリマーフォームの溶融温度より低い30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0084】
セラミック原料、バインダーおよび溶媒を含む出発原料を準備する。
【0085】
前記セラミック原料は製作する多孔性セラミックフォーム(セラミック多孔体)の主素材である。前記セラミック原料はアルミナ(Al)粉末、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)粉末、ムライト(mullite、3Al・2SiO)粉末、炭化ケイ素(SiC)粉末またはこれらの混合粉末などであり得る。製造される多孔性セラミックフォームの気孔率、気孔の大きさ、強度などを考慮して、前記セラミック原料は10nm~40μm、さらに好ましくは、100nm~30μmである程度の平均粒径を有する粉末を使うことが好ましい。
【0086】
前記出発原料はガラスフリット(Glass frit)をさらに含むことができる。前記ガラスフリットは、前記出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して0.01~45重量部、さらに好ましくは、0.1~40重量部程度含まれることが好ましい。前記ガラスフリットは焼結温度を低くさせ、多孔性セラミックフォーム自体にSiを含有させる役割をするだけでなく、ウイスカーの成長性を向上させる役割をすることができる。
【0087】
前記溶媒(solvent)は蒸溜水などであり得る。
【0088】
前記バインダーはポリビニルアルコール(polyvinyl alchol;PVA)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol;PEG)等を使うことができる。前記バインダーはセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。前記バインダーは前記出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して1~50重量部程度含まれることが好ましい。
【0089】
前記出発原料は分散剤をさらに含んでもよい。前記分散剤は商業的に販売されている物質を使うことができ、その使用に特別な制限はない。前記分散剤は出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して0.1~25重量部含まれることが好ましい。
【0090】
前記出発原料を混合してセラミックスラリー(ceramic slurry)を形成する。
【0091】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)をポリマーフォームにディップコーティング(Dip coating)する。前記ポリマーフォームを前記セラミックスラリーに完全に浸け、真空雰囲気でディップコーティングを遂行することが好ましい。ディップコーティング後、ポリマーフォームに含まれた過量のスラリーを抜くために、外力を与えてポリマーフォームを圧縮してから圧縮を解除して本来のポリマーフォームの形態に復帰するようにし、このような方式によってポリマーフォームに含まれた一部のスラリーがポリマーフォームから抜け出るようにしてもよい。
【0092】
ディップコーティングが行われたポリマーフォームを乾燥する。前記乾燥はポリマーフォームの溶融温度より低い30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0093】
ディップコーティングが行われたポリマーフォームを焼結する。ディップコーティングが行われたポリマーフォームをファーネス(furnace)等に装入し、ポリマーフォームの燃焼する温度より高い第1温度(例えば、400~800℃)まで昇温させた後、所定時間の間維持してポリマー(polymer)成分が燃焼して除去されるようにし、焼結温度(例えば、1100~1600℃)まで昇温させた後、前記焼結温度で所定時間の間維持して焼結して多孔性セラミックフォームを得る。前記セラミック原料としてアルミナ(Al)粉末、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)粉末、ムライト(mullite、3Al・2SiO)粉末を使った場合に、前記焼結は空気(air)、酸素(O)のような酸化雰囲気で遂行することが好ましく、前記セラミック原料として炭化ケイ素(SiC)粉末を使った場合には、還元雰囲気で遂行することが好ましい。前記焼結温度までは1~50℃/minの昇温速度で上昇させることが好ましいが、昇温速度が過度に遅い場合には時間が長くかかって生産性が低下し、昇温速度が過度にはやい場合には急激な温度上昇によって熱的ストレスが加えられ得るため前記範囲の昇温速度で温度を上げることが好ましい。焼結工程を遂行した後、ファーネス温度を下降させるが、前記ファーネスの冷却はファーネスの電源を遮断して自然な状態で冷却されるようにするか、任意的に温度下降率(例えば、10℃/min)を設定して冷却されるようにしてもよい。ファーネス温度を下降させる間にもファーネス内部の圧力は一定に維持することが好ましい。前記焼結工程で有機物(またはポリマー)成分は燃焼してなくなることになり、焼結は有機物成分が燃焼する温度より高い温度で行われるため、焼結工程が完了すると有機物成分はすべて除去されることになり、ポリマーが位置する空間は気孔をなし、焼結工程を経た焼結体は多孔性を帯びることになる。
【0094】
このように製造された多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体である。前記多孔性セラミックフォームは微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含む。
【0095】
前記多孔性セラミックフォームにウイスカーが形成されていてもよい。さらに具体的には、前記多孔性セラミックフォームは、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含むことができ、多数のウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出していてもよい。
【0096】
前記ウイスカーはムライト(mullite、3Al・2SiO)、ZnOおよび炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上の針状セラミック材質からなり得る。前記ウイスカーは人の鼻毛に、気孔は鼻の穴に、前記壁体は鼻壁(鼻の穴を囲む鼻の部分)に、それぞれ比喩され得る。人の鼻に鼻毛があるため鼻の穴に流入するホコリなどをさらによくフィルタリングできるが、本発明の発明者らはこのような点を考慮して壁体の表面からウイスカーが突出した構造を考え出した。図5は、壁体の表面からウイスカーが突出した構造の一例を概略的に図示した図面である。図5を参照する。多孔性セラミックフォームは微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))112と、気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体114を含み、多数のウイスカー116が壁体114の表面から気孔(セル(cell))112に向かって突出しており、これに伴い、微小粒子状物質のフィルタリング効果を最大化することができる。前記ウイスカーはフィルタリング時の差圧が高くなることを抑制しつつ、微小粒子状物質を効果的に捕集する役割をする。
【0097】
以下では、壁体の表面から突出したウイスカーが備えられた多孔性セラミックフォームを製造する方法を説明する。
【0098】
まず、ムライト(mullite、3Al・2SiO)材質からなるウイスカーを多孔性セラミックフォームの表面に形成する方法を説明する。
【0099】
ウイスカーを構成する成分のソース物質、バインダーおよび溶媒を含む出発原料を準備する。
【0100】
前記ソース物質は、製造するウイスカーの主素材を構成する成分のソース(source)を提供する役割をする。Alソースとしてはアルミナ(Alumina)、アルミニウムトリブトキシド(Alumininum tri sec butoxide)のようなAl金属塩などが使われ得、Siソースとしてはシリカゾル(Silica sol)、TEOS(Tetraethyl orthosilicate)、ガラス(Glass)、ガラスフリット(Glass frit)、フライアッシュ(Fly ash)、長石(Feldspar)、カオリン(Kaolin)、粘土(Clay)、キアナイト(Kyanite)等が使われ得る。前記ソース物質はムライト粉末をさらに含んでもよいため、前記ムライト粉末はムライト結晶成長のシード(seed)の役割をする。また、ソース物質はFソースとして作用するAlF、NHFのような物質をさらに含んでもよい。
【0101】
前記溶媒(solvent)は蒸溜水などであり得る。
【0102】
前記バインダーはポリビニルアルコール(polyvinyl alchol;PVA)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol;PEG)等を使うことができる。前記バインダーはセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。前記バインダーは前記出発原料に前記ソース物質100重量部に対して1~50重量部程度含まれることが好ましい。
【0103】
前記出発原料は分散剤をさらに含んでもよい。前記分散剤は商業的に販売されている物質を使うことができ、その使用に特別な制限はない。前記分散剤は出発原料に前記ソース物質100重量部に対して0.1~25重量部含まれることが好ましい。
【0104】
前記出発原料は増粘剤をさらに含んでもよい。前記 増粘剤は商業的に販売されている物質を使うことができ、その使用に特別な制限はない。前記増粘剤は後述するセラミックスラリーの粘度を高めて沈殿速度を減少させる役割をする。前記増粘剤は出発原料に前記ソース物質100重量部に対して0.1~25重量部含まれることが好ましい。
【0105】
前記出発原料を混合してセラミックスラリー(ceramic slurry)を形成する。
【0106】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)を多孔性セラミックフォームにディップコーティング(Dip coating)する。前記多孔性セラミックフォームを前記セラミックスラリーに完全に浸け、真空雰囲気でディップコーティングを遂行することが好ましい。
【0107】
ディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームを乾燥する。前記乾燥は30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0108】
ディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームを焼結する。ディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームをファーネス(furnace)等に装入し、焼結温度(例えば、1100~1600℃)まで昇温させた後、前記焼結温度で所定時間の間維持して焼結してウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームを得る。前記焼結は空気(air)、酸素(O)のような酸化雰囲気で遂行することが好ましい。前記焼結温度までは1~50℃/minの昇温速度で上昇させることが好ましいが、昇温速度が過度に遅い場合には時間が長くかかって生産性が低下し、昇温速度が過度にはやい場合には急激な温度上昇によって熱的ストレスが加えられ得るため前記範囲の昇温速度で温度を上げることが好ましい。焼結工程を遂行した後、ファーネス温度を下降させるが、前記ファーネスの冷却はファーネスの電源を遮断して自然な状態で冷却されるようにするか、任意的に温度下降率(例えば、10℃/min)を設定して冷却されるようにしてもよい。ファーネス温度を下降させる間にもファーネス内部の圧力は一定に維持することが好ましい。前記焼結工程で有機物(またはポリマー)成分は燃焼してなくなることになり、焼結は有機物成分が燃焼する温度より高い温度で行われるため、焼結工程が完了すると有機物成分はすべて除去されることになる。
【0109】
このように製造された多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体であり、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、多数のムライトウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出している。
【0110】
以下では、ZnO材質からなるウイスカーを多孔性セラミックフォームの表面に形成する方法を説明する。
【0111】
溶媒にウイスカーを構成する成分のソース物質を混合してシード溶液(seed solution)を形成する。前記ソース物質は製造するウイスカーの主素材であるZnOを構成する成分のソース(source)を提供する役割をする。前記ソース物質としてはZnのソース(source)の役割をする硝酸亜鉛6水和物(zinc nitrate hexahydrate;Zn(NO・6HO)等を使うことができる。前記溶媒はエタノールのようなアルコールなどであり得る。
【0112】
前記シード溶液を多孔性セラミックフォームにディップコーティング(Dip coating)する。前記多孔性セラミックフォームを前記シード溶液に完全に浸け、真空雰囲気でディップコーティングを遂行することが好ましい。
【0113】
ディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームをアニーリング(annealing)する。前記アニーリングによってシード溶液が多孔性セラミックフォームによく接着することができる。前記アニーリングは120~300℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0114】
ウイスカーを構成する成分のソース物質、成長促進剤、バインダーおよび溶媒を含む出発原料を準備する。
【0115】
前記ソース物質は製造するウイスカーの主素材であるZnOを構成する成分のソース(source)を提供する役割をする。前記ソース物質としてはZnのソース(source)の役割をする硝酸亜鉛6水和物(zinc nitrate hexahydrate;Zn(NO・6HO)等を使うことができる。
【0116】
前記成長促進剤はヘキサメチレンテトラミン(Hexamethylenetetramine)粉末などを使うことができる。前記成長促進剤は前記出発原料に前記ソース物質100重量部に対して50~200重量部程度含まれることが好ましい。
【0117】
前記バインダーはポリビニルアルコール(polyvinyl alchol;PVA)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol;PEG)等を使うことができる。前記バインダーはセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。前記バインダーは前記出発原料に前記ソース物質100重量部に対して1~50重量部程度含まれることが好ましい。
【0118】
前記溶媒はエタノールのようなアルコールなどであり得る。
【0119】
前記出発原料を混合して成長溶液を形成する。
【0120】
前記成長溶液をアニーリングされた多孔性セラミックフォームにディップコーティング(Dip coating)する。前記多孔性セラミックフォームを前記成長溶液に完全に浸け、真空雰囲気でディップコーティングを遂行することが好ましい。
【0121】
成長溶液としてディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームを多孔性セラミックフォームを焼結する。成長溶液としてディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームをファーネス(furnace)等に装入し、焼結温度(例えば、1000~1500℃)まで昇温させた後、前記焼結温度で所定時間の間維持して焼結してウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームを得る。前記焼結は空気(air)、酸素(O)のような酸化雰囲気で遂行することが好ましい。前記焼結温度までは1~50℃/minの昇温速度で上昇させることが好ましいが、昇温速度が過度に遅い場合には時間が長くかかって生産性が低下し、昇温速度が過度にはやい場合には急激な温度上昇によって熱的ストレスが加えられ得るため前記範囲の昇温速度で温度を上げることが好ましい。焼結工程を遂行した後、ファーネス温度を下降させるが、前記ファーネスの冷却はファーネスの電源を遮断して自然な状態で冷却されるようにするか、任意的に温度下降率(例えば、10℃/min)を設定して冷却されるようにしてもよい。ファーネス温度を下降させる間にもファーネス内部の圧力は一定に維持することが好ましい。前記焼結工程で有機物(またはポリマー)成分は燃焼してなくなることになり、焼結は有機物成分が燃焼する温度より高い温度で行われるため、焼結工程が完了すると有機物成分はすべて除去されることになる。
【0122】
このように製造された多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体であり、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、多数のZnOウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出している。
【0123】
以下では、SiC材質からなるウイスカーを多孔性セラミックフォームの表面に形成する方法を説明する。
【0124】
多孔性セラミックフォームをチューブ炉などの成長装置に装入する。ウイスカー(whisker)成長のソースとして使われるシリカ粉末(Silica powder)とカーボン粉末(Carbon powder)を準備する。前記シリカ粉末(Silica powder)とカーボン粉末(Carbon powder)は1:1~1:2の重量比をなすようにすることが好ましい。成長装置内の温度を反応温度(例えば、1350~1600℃)に上昇させ、キャリアガス(Carrier gas)を利用してシリカ粉末(Silica powder)とカーボン粉末(Carbon powder)を成長装置に流入するようにして多孔性セラミックフォームの表面からSiCウイスカーが成長するようにする。
【0125】
このように製造された多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体であり、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気(セル(cell))ゴング間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、多数のSiCウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出している。
【0126】
多孔性セラミックフォームを製造する方法と多孔性セラミックフォームにウイスカーを形成する方法を説明したが、多孔性セラミックフォームの製造方法とウイスカーの形成方法は多様であり得、前述した例に限定されるものではない。
【0127】
上部コレクタ130は前述した多孔性セラミックフォームからなってもよいが、セラミック繊維がネットワークの形態で絡まっているセラミック繊維フィルタからなってもよい。この場合、上部コレクタ130に分布する気孔は50nm~10μmの平均大きさを有することが好ましい。前記セラミック繊維はアルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの混合物のように耐熱性を有するセラミック材質からなることが好ましい。
【0128】
セラミック繊維材質の上部コレクタ130は、セラミック繊維を電気紡絲して製造するなどの方法で製造することができる。例えば、セラミック繊維を含む溶液を電圧差1~100kV、紡絲流速0.1~10ml/hr、紡絲距離2~50cm、ノズル孔の大きさ0.01~2.0mmの条件で電気紡絲を実施して、セラミック繊維がネットワークの形態で絡まっているセラミック繊維フィルタを製造することができる。
【0129】
<実施例2>
【0130】
捕集装置の構成は前記実施例1と同一であり、第1コレクタ110、第2コレクタ120または上部コレクタ130を構成する多孔性セラミックフォームのみが異なって構成される。したがって捕集装置についての説明は省略する。以下では、実施例1と異なる多孔性セラミックフォームについてのみ説明する。
【0131】
第1コレクタ110と第2コレクタ120は多孔性セラミックフォーム(porous ceramic foam)からなる。第1コレクタ110と第2コレクタ120はアルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの混合物のように耐熱性を有する多孔性セラミックフォームからなることが好ましい。第1コレクタ110および第2コレクタ120はロータ10の外周面の一部を覆うように突出した段差部200を有する多孔性セラミックフォームからなり得る。
【0132】
前記多孔性セラミックフォームは気孔率が40~90%、さらに好ましくは、60~85%程度であることが好ましい。気孔率が過度に低い場合には微小粒子状物質のフィルタリング効率が低くなり得、気孔率が過度に高い場合には振動の衝撃などに容易にクラックなどが発生したりこわれたりして耐久性が低下し得る。前記多孔性セラミックフォームに分布する気孔(セル)の大きさは50μm~2mm程度であることが好ましく、壁体に形成される気孔の大きさは50nm~50μm程度であることが好ましい。
【0133】
上部コレクタ130も多孔性セラミックフォームからなり得る。上部コレクタ130はアルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの混合物のように耐熱性を有する多孔性セラミックフォームからなることが好ましい。上部コレクタ130はロータ10の外周面に配置されてロータ10にホコリなどの異物が流入することを防止する役割もする。
【0134】
前記多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体である。前記多孔性セラミックフォームは微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含む。
【0135】
前記多孔性セラミックフォームは第2領域Bに比べて相対的に小さい大きさの気孔が分布する第1領域Aと、第1領域Aに比べて相対的に大きい大きさの気孔が分布する第2領域Bを含む。
【0136】
図6は第2領域Bに比べて相対的に小さい大きさの気孔が分布する第1領域Aと、第1領域Aに比べて相対的に大きい大きさの気孔が分布する第2領域Bを含む多孔性セラミックフォームを概略的に図示した図面であり、図7は第1領域Aと第2領域Bをさらに明確に示すために図6に示した多孔性セラミックフォームの一部を切断して示した図面である。
【0137】
図6および図7を参照する。前記多孔性セラミックフォームは、第2領域Bに比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)が分布する第1領域Aと、第1領域Aに比べて相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)が分布する第2領域Bを含むことができ、第1領域Aは第2領域Bで捕集される微小粒子状物質より小さい大きさの微小粒子状物質を捕集することができる。第2大きさの気孔は第1大きさの気孔より平均粒径が大きく、第1領域Aより第2領域Bが前記ロータにさらに隣接して位置することが好ましい。
【0138】
第1領域Aと第2領域Bを含む多孔性セラミックフォームは表面に水滴ができることを抑制するために疏水性(hydrophobic)コーティング膜で塗布されていてもよい。疏水性を有するようにするために多孔性セラミック材質に疏水性を有する物質をコーティングして多孔性セラミックフォームを製造することができる。親水性(hydorphilic)を有する場合、多孔性セラミックフォームの表面に水滴が多量発生し得るためフィルタリング効果が低下し得る。疏水性コーティング膜は10nm~2μm程度の厚さで備えられることが好ましい。
【0139】
以下では、第1領域Aと第2領域Bを含む多孔性セラミックフォームを製造する方法を説明する。
【0140】
多孔性セラミックフォームを製造するために、基板(substrate)として多孔性のポリマーフォーム(polymer foam)(例えば、ポリウレタンフォーム(polyurethane foam))を使う。前記ポリマーフォームはスポンジ(sponge)のように弾性がある多孔性物質である。前記ポリマーフォームの気孔率、気孔の大きさなどは、その後に製造される多孔性セラミックフォームの気孔率、気孔の大きさなどに影響を及ぼす。製造しようとする多孔性セラミックフォームの形状に対応するようにポリマーフォーム(polymer foam)を切断した後、超音波洗浄等を通して洗浄して乾燥する。前記乾燥はポリマーフォームの溶融温度より低い30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0141】
セラミック原料、バインダーおよび溶媒を含む出発原料を準備する。
【0142】
前記セラミック原料は製作する多孔性セラミックフォーム(セラミック多孔体)の主素材である。前記セラミック原料はアルミナ(Al)粉末、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)粉末、ムライト(mullite、3Al・2SiO)粉末、炭化ケイ素(SiC)粉末またはこれらの混合粉末などであり得る。製造される多孔性セラミックフォームの気孔率、気孔の大きさ、強度などを考慮して、前記セラミック原料は10nm~40μm、さらに好ましくは、100nm~30μmである程度の平均粒径を有する粉末を使うことが好ましい。
【0143】
前記出発原料はガラスフリット(Glass frit)をさらに含むことができる。前記ガラスフリットは前記出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して0.01~45重量部、さらに好ましくは、0.1~40重量部程度含まれることが好ましい。前記ガラスフリットは焼結温度を低くさせ、多孔性セラミックフォーム自体にSiを含有させる役割をするだけでなく、ウイスカーの成長性を向上させる役割をすることができる。
【0144】
前記溶媒(solvent)は蒸溜水などであり得る。
【0145】
前記バインダーはポリビニルアルコール(polyvinyl alchol;PVA)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol;PEG)等を使うことができる。前記バインダーはセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。前記バインダーは前記出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して1~50重量部程度含まれることが好ましい。
【0146】
前記出発原料は分散剤をさらに含んでもよい。前記分散剤は商業的に販売されている物質を使うことができ、その使用に特別な制限はない。前記分散剤は出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して0.1~25重量部含まれることが好ましい。
【0147】
前記出発原料を混合してセラミックスラリー(ceramic slurry)を形成する。
【0148】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)をポリマーフォームにディップコーティング(Dip coating)する。前記ポリマーフォームを前記セラミックスラリーに完全に浸け、真空雰囲気でディップコーティングを遂行することが好ましい。ディップコーティング後、ポリマーフォームに含まれた過量のスラリーを抜くために、外力を与えてポリマーフォームを圧縮してから圧縮を解除して本来のポリマーフォームの形態に復帰するようにし、このような方式によってポリマーフォームに含まれた一部のスラリーがポリマーフォームから抜け出るようにしてもよい。
【0149】
ディップコーティングが行われたポリマーフォームを乾燥する。前記乾燥はポリマーフォームの溶融温度より低い30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0150】
ディップコーティングが行われたポリマーフォームを焼結する。ディップコーティングが行われたポリマーフォームをファーネス(furnace)等に装入し、ポリマーフォームの燃焼する温度より高い第1温度(例えば、400~800℃)まで昇温させた後、所定時間の間維持してポリマー(polymer)成分が燃焼して除去されるようにし、焼結温度(例えば、1100~1600℃)まで昇温させた後、前記焼結温度で所定時間の間維持して焼結し、炉冷して多孔性セラミックフォームを得る。前記セラミック原料としてアルミナ(Al)粉末、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)粉末、ムライト(mullite、3Al・2SiO)粉末を使った場合に、前記焼結は空気(air)、酸素(O)のような酸化雰囲気で遂行することが好ましく、前記セラミック原料として炭化ケイ素(SiC)粉末を使った場合には、還元雰囲気で遂行することが好ましい。前記焼結温度までは1~50℃/minの昇温速度で上昇させることが好ましいが、昇温速度が過度に遅い場合には時間が長くかかって生産性が低下し、昇温速度が過度にはやい場合には急激な温度上昇によって熱的ストレスが加えられ得るため前記範囲の昇温速度で温度を上げることが好ましい。焼結工程を遂行した後、ファーネス温度を下降させるが、前記ファーネスの冷却はファーネスの電源を遮断して自然な状態で冷却されるようにするか、任意的に温度下降率(例えば、10℃/min)を設定して冷却されるようにしてもよい。ファーネス温度を下降させる間にもファーネス内部の圧力は一定に維持することが好ましい。前記焼結工程で有機物(またはポリマー)成分は燃焼してなくなることになり、焼結は有機物成分が燃焼する温度より高い温度で行われるため、焼結工程が完了すると有機物成分はすべて除去されることになり、ポリマーが位置する空間は気孔をなし、焼結工程を経た焼結体は多孔性を帯びることになる。
【0151】
このように製造された多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体であり、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、第1領域Aに比べて相対的に大きい大きさの気孔が分布する第2領域Bと同一または類似の大きさの気孔(第2大きさの気孔)が分布する。
【0152】
第2領域Bに比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)が分布する第1領域Aを形成するためにセラミック原料、バインダーおよび溶媒を含む出発原料を準備する。前記セラミック原料は多孔性セラミックフォームの主成分であるセラミックと同一の材質の粉末を使うことが好ましい。前記セラミック原料はアルミナ(Al)粉末、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)粉末、ムライト(mullite、3Al・2SiO)粉末、炭化ケイ素(SiC)粉末またはこれらの混合粉末などであり得る。製造される多孔性セラミックフォームの気孔率、気孔の大きさ、強度などを考慮して、前記セラミック原料は10nm~40μm、さらに好ましくは、100nm~30μmである程度の平均粒径を有する粉末を使うことが好ましい。
【0153】
前記出発原料はガラスフリット(Glass frit)をさらに含むことができる。前記ガラスフリットは前記出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して0.01~45重量部、さらに好ましくは、0.1~40重量部程度含まれることが好ましい。前記ガラスフリットは焼結温度を低くさせ、多孔性セラミックフォーム自体にSiを含有させる役割をするだけでなく、ウイスカーの成長性を向上させる役割をすることができる。
【0154】
前記溶媒(solvent)は蒸溜水などであり得る。
【0155】
前記バインダーはポリビニルアルコール(polyvinyl alchol;PVA)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol;PEG)等を使うことができる。前記バインダーはセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。前記バインダーは前記出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して1~50重量部程度含まれることが好ましい。
【0156】
前記出発原料は分散剤をさらに含んでもよい。前記分散剤は商業的に販売されている物質を使うことができ、その使用に特別な制限はない。前記分散剤は出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して0.1~25重量部含まれることが好ましい。
【0157】
前記出発原料を混合してセラミックスラリー(ceramic slurry)を形成する。
【0158】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)を第2大きさの気孔が分布する多孔性セラミックフォームにコーティングする。前記コーティングは多孔性セラミックフォームをセラミックスラリーに完全に浸けるのではなく、コーティングしようとする多孔性セラミックフォームの終わり部分(表面部分)のみを浸けてから抜く方式で選択的に実施する。このような方式でコーティングすると、多孔性セラミックフォーム全体がコーティングされるのではなく、コーティングしようとする選択部分のみコーティングすることができ、多孔性セラミックフォームの表面から一定深さまでのみスラリーがコーティングされることになり、スラリーがコーティングされた部分はコーティングされていない部分より小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)が分布することになる。スラリーがコーティングされていない部分は第1領域Aに比べて相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)を有する多孔性セラミックフォームの領域(第2領域)になり、スラリーがコーティングされた部分は第2領域Bに比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)を有する多孔性セラミックフォームの領域(第1領域)になることになる。
【0159】
選択的コーティングが行われた多孔性セラミックフォームを乾燥する。前記乾燥は30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0160】
選択的コーティングが行われた多孔性セラミックフォームを焼結する。選択的コーティングが行われた多孔性セラミックフォームをファーネス(furnace)等に装入し、ポリマーの燃焼する温度より高い第1温度(例えば、400~800℃)まで昇温させた後、所定時間の間維持してポリマー(polymer)成分が燃焼して除去されるようにし、焼結温度(例えば、1000~1500℃)まで昇温させた後、前記焼結温度で所定時間の間維持して焼結して第1領域Aと第2領域Bが形成された多孔性セラミックフォームを得る。前記セラミック原料としてアルミナ(Al)粉末、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)粉末、ムライト(mullite、3Al・2SiO)粉末を使った場合に、前記焼結は空気(air)、酸素(O)のような酸化雰囲気で遂行することが好ましく、前記セラミック原料として炭化ケイ素(SiC)粉末を使った場合には、還元雰囲気で遂行することが好ましい。前記焼結温度までは1~50℃/minの昇温速度で上昇させることが好ましいが、昇温速度が過度に遅い場合には時間が長くかかって生産性が低下し、昇温速度が過度にはやい場合には急激な温度上昇によって熱的ストレスが加えられ得るため前記範囲の昇温速度で温度を上げることが好ましい。焼結工程を遂行した後、ファーネス温度を下降させるが、前記ファーネスの冷却はファーネスの電源を遮断して自然な状態で冷却されるようにするか、任意的に温度下降率(例えば、10℃/min)を設定して冷却されるようにしてもよい。ファーネス温度を下降させる間にもファーネス内部の圧力は一定に維持することが好ましい。前記焼結工程で有機物(またはポリマー)成分は燃焼してなくなることになり、焼結は有機物成分が燃焼する温度より高い温度で行われるため、焼結工程が完了すると有機物成分はすべて除去されることになる。
【0161】
このように製造された多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体であり、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、第1領域Aには第2領域Bに比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)が分布し、第2領域Bには第1領域Aに比べて相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)が分布する。
【0162】
第1領域Aと第2領域Bを含む多孔性セラミックフォームは次のような方法で製造してもよい。以下では、第1領域Aと第2領域Bを含む多孔性セラミックフォームを製造する他の例を説明する。
【0163】
第1領域Aと第2領域Bを含む多孔性セラミックフォームを製造するために、基板(substrate)として多孔性のポリマーフォーム(polymer foam)(例えば、ポリウレタンフォーム(polyurethane foam))2個を使う。2個のポリマーフォーム(第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォーム)は互いに異なる気孔の大きさ(PPI;Pore per inch)を有するものを使うが、例えば第1ポリマーフォームの平均気孔の大きさは第2ポリマーフォームの平均気孔の大きさより小さいものを使う。前記第1および第2ポリマーフォームはスポンジ(sponge)のように弾性がある多孔性物質である。前記ポリマーフォームの気孔率、気孔の大きさなどは、その後に製造される多孔性セラミックフォームの気孔率、気孔の大きさなどに影響を及ぼす。製作される試片のサイズ(size)に合うように第1および第2ポリマーフォーム(polymer foam)を切断した後、超音波洗浄等を通して洗浄して乾燥する。前記乾燥はポリマーフォームの溶融温度より低い30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0164】
セラミック原料、バインダーおよび溶媒を含む出発原料を準備する。
【0165】
前記セラミック原料は製作する多孔性セラミックフォーム(セラミック多孔体)の主素材である。前記セラミック原料はアルミナ(Al)粉末、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)粉末、ムライト(mullite、3Al・2SiO)粉末、炭化ケイ素(SiC)粉末またはこれらの混合粉末などであり得る。製造される多孔性セラミックフォームの気孔率、気孔の大きさ、強度などを考慮して、前記セラミック原料は10nm~40μm、さらに好ましくは、100nm~30μmである程度の平均粒径を有する粉末を使うことが好ましい。
【0166】
前記出発原料はガラスフリット(Glass frit)をさらに含むことができる。前記ガラスフリットは前記出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して0.01~45重量部、さらに好ましくは、0.1~40重量部程度含まれることが好ましい。前記ガラスフリットは焼結温度を低くさせ、多孔性セラミックフォーム自体にSiを含有させる役割をするだけでなく、ウイスカーの成長性を向上させる役割をすることができる。
【0167】
前記溶媒(solvent)は蒸溜水などであり得る。
【0168】
前記バインダーはポリビニルアルコール(polyvinyl alchol;PVA)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol;PEG)等を使うことができる。前記バインダーはセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。前記バインダーは前記出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して1~50重量部程度含まれることが好ましい。
【0169】
前記出発原料は分散剤をさらに含んでもよい。前記分散剤は商業的に販売されている物質を使うことができ、その使用に特別な制限はない。前記分散剤は出発原料に前記セラミック原料100重量部に対して0.1~25重量部含まれることが好ましい。
【0170】
前記出発原料を混合してセラミックスラリー(ceramic slurry)を形成する。
【0171】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)を第1および第2ポリマーフォームにディップコーティング(Dip coating)する。前記第1および第2ポリマーフォームを前記セラミックスラリーに完全に浸け、真空雰囲気でディップコーティングを遂行することが好ましい。ディップコーティング後、第1および第2ポリマーフォームに含まれた過量のスラリーを抜くために、外力を与えて第1および第2ポリマーフォームを圧縮してから圧縮を解除して本来のポリマーフォームの形態に復帰するようにし、このような方式によって第1および第2ポリマーフォームに含まれた一部のスラリーが第1および第2ポリマーフォームから抜け出るようにしてもよい。
【0172】
ディップコーティングが行われた第1ポリマーフォームとディップコーティングが行われた第2ポリマーフォームを重ね、重ねた状態で乾燥する。前記乾燥は第1および第2ポリマーフォームの溶融温度より低い30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0173】
第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォームが重なって乾燥された結果物を焼結する。第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォームが重なって乾燥された結果物をファーネス(furnace)に装入し、第1および第2ポリマーフォームの燃焼する温度より高い第1温度(例えば、400~800℃)まで昇温させた後、所定時間の間維持してポリマー(polymer)成分が燃焼して除去されるようにし、焼結温度(例えば、1100~1600℃)まで昇温させた後、前記焼結温度で所定時間の間維持して焼結し、炉冷して第1領域Aおよび第2領域Bが形成された多孔性セラミックフォームを得る。前記セラミック原料としてアルミナ(Al)粉末、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)粉末、ムライト(mullite、3Al・2SiO)粉末を使った場合に、前記焼結は空気(air)、酸素(O)のような酸化雰囲気で遂行することが好ましく、前記セラミック原料として炭化ケイ素(SiC)粉末を使った場合には、還元雰囲気で遂行することが好ましい。前記焼結温度までは1~50℃/minの昇温速度で上昇させることが好ましいが、昇温速度が過度に遅い場合には時間が長くかかって生産性が低下し、昇温速度が過度にはやい場合には急激な温度上昇によって熱的ストレスが加えられ得るため前記範囲の昇温速度で温度を上げることが好ましい。焼結工程を遂行した後、ファーネス温度を下降させるが、前記ファーネスの冷却はファーネスの電源を遮断して自然な状態で冷却されるようにするか、任意的に温度下降率(例えば、10℃/min)を設定して冷却されるようにしてもよい。ファーネス温度を下降させる間にもファーネス内部の圧力は一定に維持することが好ましい。前記焼結工程で有機物(またはポリマー)成分は燃焼してなくなることになり、焼結は有機物成分が燃焼する温度より高い温度で行われるため、焼結工程が完了すると有機物成分はすべて除去されることになり、ポリマーが位置する空間は気孔をなし、焼結工程を経た焼結体は多孔性を帯びることになる。
【0174】
セラミックスラリーがコーティングされた第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォームが重なって焼結されると、一つの胴体からなる多孔性セラミックフォームが形成されることになる。第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォームは互いに異なる気孔の大きさ(PPI;Pore per inch)を有するものを使うが、第1ポリマーフォームが位置した領域と第2ポリマーフォームが位置した領域は互いに異なる気孔の大きさを有することになり、これに伴い、第2領域に比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)を有する領域(第1領域)と第1領域に比べて相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)を有する領域(第2領域)が区分された多孔性セラミックフォームを得ることができる。
【0175】
このように製造された多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体であり、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、第1領域Aには第2領域Bに比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)が分布し、第2領域Bには第1領域Aに比べて相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)が分布する。
【0176】
第2領域に比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)を有する領域(第1領域)と第1領域に比べて相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)を有する領域(第2領域)が区分された多孔性セラミックフォームにもウイスカーが形成されていてもよい。さらに具体的には、多孔性セラミックフォームの第1領域Aは微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、多数のウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出していてもよく、多孔性セラミックフォームの第2領域Bも微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、多数のウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出していてもよい。多孔性セラミックフォームの第1領域Aに形成された気孔は多孔性セラミックフォームの第2領域Bに形成された気孔に比べてその大きさが相対的に小さく分布する。
【0177】
前記ウイスカーはムライト(mullite、3Al・2SiO)、ZnOおよび炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上の針状セラミック材質からなり得る。多数のウイスカーが壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出しており、これに伴い、微小粒子状物質のフィルタリング効果を最大化することができる。前記ウイスカーはフィルタリング時の差圧が高くなることを抑制しつつ、微小粒子状物質を効果的に捕集する役割をする。
【0178】
多孔性セラミックフォームの表面にウイスカーを形成する方法は実施例1で説明した方法と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0179】
<実施例3>
【0180】
捕集装置の構成は前記実施例1と同一であり、第1コレクタ110、第2コレクタ120を構成する多孔性セラミックフォームのみが異なって構成される。したがって捕集装置についての説明は省略する。以下では、実施例1と異なる多孔性セラミックフォームについてのみ説明する。
【0181】
第1コレクタ110と第2コレクタ120は多孔性セラミックフォーム(porous ceramic foam)からなる。第1コレクタ110と第2コレクタ120はアルミナ(Al)、コーディエライト(cordierite、2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(mullite、3Al・2SiO)、炭化ケイ素(SiC)またはこれらの混合物のように耐熱性を有する多孔性セラミックフォームからなることが好ましい。
【0182】
前記多孔性セラミックフォームは気孔率が40~90%、さらに好ましくは、60~85%程度であることが好ましい。気孔率が過度に低い場合には微小粒子状物質のフィルタリング効率が低くなり得、気孔率が過度に高い場合には振動の衝撃などに容易にクラックなどが発生したりこわれたりして耐久性が低下し得る。前記多孔性セラミックフォームに分布する気孔(セル)の大きさは50μm~2mm程度であることが好ましく、壁体に形成される気孔の大きさは50nm~50μm程度であることが好ましい。
【0183】
前記多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体である。前記多孔性セラミックフォームは微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含む。
【0184】
第1コレクタ110と第2コレクタ120に適用される多孔性セラミックフォームは蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブ140と、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネル150を含む。
【0185】
リブ(rib)140は一列に整列して配列されるより図8図11に図示されたように、互いにジグザグに交差しながら配列される。リブ140は蛇行(serpentine type)する形態でくねくねに配列される。
【0186】
リブ140は一端から他端までが直線形のものからなってもよく、さらに好ましくは、一端から他端まで曲線形のものからなることが好ましい。さらに好ましくは、リブ140はディスク状を有するロータ10のディスクの曲率と同一の曲線形の形態をなすことが好ましい。曲線形の形態をなすリブの曲率はディスク状を有するロータ10のディスクの曲率(curvature)と同一であることが好ましい。リブとリブの間の隔離距離は同一であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0187】
ブレーキパッド20とロータ10間の摩擦によって発生する微小粒子状物質(粉塵)は、流入口155を通じてチャネル150に沿って流入する。チャネル150はリブとリブの間は空いた空間であり、微小粒子状物質が流入する経路を提供する。チャネル150は微小粒子状物質が流入する流入口155を通じて開放されており、リブとリブを連結するリブブロックによって塞がれた形態をなす。Y軸方向(ロータの外側面または内側面と平行でX軸に垂直な方向)には流入口155とリブブロック145の間の空いた空間がチャネルをなす領域であり、Z軸方向(X軸およびY軸に垂直な方行)にはリブとリブの間の空いた空間がチャネルをなす領域である。流入口155はブレーキパッド20に向かっている。
【0188】
図8図11は、8個のリブ(第1リブ、第2リブ、第3リブ、第4リブ、第5リブ、第6リブ、第7リブおよび第8リブ)を含む多孔性セラミックフォームの一例を示す。
【0189】
図8図11を参照する。第1リブ140aと第2リブ140bは一端で連結されており、第2リブ140bと第3リブ140cは他端で連結されており、第3リブ140cと第4リブ140dは一端で連結されており、第4リブ140dと第5リブ140eは他端で連結されており、第5リブ140eと第6リブ140fは一端で連結されており、第7リブ140gと第8リブ140hは他端で連結されている。第1リブ140aと第2リブ140bの間の隔離距離、第2リブ140bと第3リブ140cの間の隔離距離、第3リブ140cと第4リブ140dの間の隔離距離、第4リブ140dと第5リブ140eの隔離距離、第5リブ140eと第6リブ140fの隔離距離、第7リブ140gと第8リブ140hの隔離距離は同一に構成されている。リブ140の厚さは同一(一定)であり得る。
【0190】
リブ140の端部にはリブブロック145が備えられ、リブブロック145はリブとリブ140を連結する媒体である。例えば、第1リブ140aの一端と第2リブ140bの一端は第1リブブロック145aにより連結されており、第2リブ140bの他端と第3リブ140cの他端は第2リブブロック145bにより連結されており、第3リブ140cの一端と第4リブ140dの一端は第3リブブロック145cにより連結されており、第4リブ140dの他端と第5リブ140eの他端は第4リブブロック145dにより連結されており、第5リブ140eの一端と第6リブ140fの一端は第5リブブロック145eにより連結されており、第6リブ140fの一端と第7リブ140gの一端は第6リブブロック145fにより連結されており、第7リブ140gの一端と第8リブ140hの一端は第7リブブロック145gにより連結されている。第1リブブロック145a、第3リブブロック145cおよび第5リブブロック145eは多孔性セラミックフォームの左側端に位置し、反面第2リブブロック145b、第4リブブロック145dおよび第6リブブロック145fは多孔性セラミックフォームの右側端に位置した形態で構成されている。リブ140とリブブロック145は同一の材質からなることが好ましい。
【0191】
第1リブ140aと第2リブ140bの間の空いた空間は第1チャネル150aを構成し、第2リブ140bと第3リブ140cの間の空いた空間は第2チャネル150bを構成し、第3リブ140cと第4リブ140dの間の空いた空間は第3チャネル150cを構成し、第4リブ140dと第5リブ140eの間の空いた空間は第4チャネル150dを構成し、第5リブ140eと第6リブ140fの間の空いた空間は第5チャネル150eを構成し、第6リブ140fと第7リブ140gの間の空いた空間は第6チャネル150fを構成し、第7リブ140gと第8リブ140hの間の空いた空間は第7チャネル150gを構成する。
【0192】
蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブ140と、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネル150を含む多孔性セラミックフォームは、次のような方法で製造することができる。
【0193】
蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブ140と、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネル150を含む多孔性セラミックフォームは、表面に水滴ができることを抑制するために疏水性(hydrophobic)コーティング膜で塗布されていてもよい。疏水性を有するようにするために多孔性セラミック材質に疏水性を有する物質をコーティングして多孔性セラミックフォームを製造することができる。親水性(hydorphilic)を有する場合、多孔性セラミックフォームの表面に水滴が多量発生し得るためフィルタリング効果が低下し得る。疏水性コーティング膜は10nm~2μm程度の厚さで備えられることが好ましい。
【0194】
以下では、蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブ140と、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネル150を含む多孔性セラミックフォームを製造する方法を説明する。
【0195】
多孔性セラミックフォームを製造するために、基板(substrate)として多孔性のポリマーフォーム(polymer foam)(例えば、ポリウレタンフォーム(polyurethane foam))を使う。前記ポリマーフォームはスポンジ(sponge)のように弾性がある多孔性物質である。前記ポリマーフォームの気孔率、気孔の大きさなどは、その後に製造される多孔性セラミックフォームの気孔率、気孔の大きさなどに影響を及ぼす。製造しようとする多孔性セラミックフォームの形状に対応するようにポリマーフォーム(polymer foam)を製造する。ポリマーフォームは図8および図9に図示された通り、蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブと、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネルを含む形態の構造で製造する。前記ポリマーフォームの製造は複雑形状(図8および図9などに図示された、くねくねしていたりジグザグに配列された形態の蛇行(serpentine type)する形状)等を考慮して、射出成形などを利用することができる。蛇行(serpentine type)する形状(くねくねしていたりジグザグに配列された形態)を有するポリマーフォーム(polymer foam)を製造した後、超音波洗浄等を通して洗浄して乾燥する。前記乾燥はポリマーフォームの溶融温度より低い30~90℃程度のオーブン(Oven)で遂行することが好ましい。
【0196】
セラミック原料、バインダーおよび溶媒を含む出発原料を準備する。以降の工程は前記実施例1で説明した方法と同一に進行して多孔性セラミックフォームを形成する。
【0197】
このように製造された多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体である。前記多孔性セラミックフォームは微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、図8および図9に図示された通り、蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブ140と、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネル150を含む。
【0198】
蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブ140と、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネル150を含む多孔性セラミックフォームにウイスカーが形成されてもよい。さらに具体的には、前記多孔性セラミックフォームは、微小粒子状物質が流入する通路の役割をする気孔(セル(cell))と、前記気孔(セル(cell))の間で多孔性セラミックフォームの骨格(strut)をなす壁体を含み、また、蛇行(serpentine type)する形態で配列されたリブ140と、リブとリブの間の空いた空間をなすチャネル150を含み、多数のウイスカーが前記壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出していてもよい。
【0199】
前記ウイスカーはムライト(mullite、3Al・2SiO)、ZnOおよび炭化ケイ素(SiC)からなる群から選択された1種以上の針状セラミック材質からなり得る。多数のウイスカーが壁体の表面から気孔(セル(cell))に向かって突出しており、これに伴い、微小粒子状物質のフィルタリング効果を最大化することができる。前記ウイスカーはフィルタリング時の差圧が高くなることを抑制しつつ、微小粒子状物質を効果的に捕集する役割をする。
【0200】
多孔性セラミックフォームの表面にウイスカーを形成する方法は実施例1で説明した方法と同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0201】
以下では、本発明に係る実験例を具体的に提示するが、本発明は次に提示する実験例に限定されるものではない。
【0202】
<実験例1>
【0203】
多孔性セラミックフォームを製作するために、基板(substrate)として多孔性のポリマーフォーム(polymer foam)(さらに具体的にはポリウレタンフォーム(polyurethane foam))を使った。前記ポリマーフォームはスポンジ(sponge)のように弾性がある多孔性物質である。製作される試片のサイズ(size)に合うようにポリマーフォーム(polymer foam)を切断した後、超音波洗浄を通じて洗浄した後、オーブン(Oven)で70℃で24時間の間乾燥した。
【0204】
図12は、実験例1でポリマーフォームで使われたポリウレタンフォームを示す写真である。図10を参照する。ポリウレタンフォームは多孔性のスポンジの形状を帯びていることが分かる。
【0205】
溶質と溶媒を準備し、溶質(solute)と溶媒(solvent)の比は50:50の重量比で測量した。前記溶質はアルミナ粉末(Alumina powder)とガラスフリット(Glass frit)を使った。アルミナ粉末(Alumina powder)とガラスフリット(Glass frit)は47.5:2.5の重量比で使った。前記アルミナ粉末は製作する多孔性セラミックフォーム(セラミック多孔体)の主素材であり、前記ガラスフリットは焼結温度を低くさせ、多孔性セラミックフォーム自体にSiを含有させる役割をするだけでなく、ムライト(Mullite)の成長性を向上させる役割をすることができる。前記溶媒(solvent)は蒸留水を使用した。
【0206】
ビーカーに溶媒である蒸溜水を入れた後、マグネチックバーを利用して撹拌(stirring)しながら分散剤(Dispersant)(BYK-111)を前記溶質100重量部に対して1重量部添加した。分散剤を投入した後に30分の間撹拌した後、主材料であるアルミナ粉末を溶媒に投入して1時間の間撹拌した。アルミナ粉末が分散された溶媒にガラスフリットを添加して1時間の間撹拌した後、バインダーであるPVA(Polyvinyl alcohol)溶液(PVA solution)を前記溶質100重量部に対して5重量部添加して1時間の間撹拌してセラミックスラリー(ceramic slurry)を形成した。前記PVA溶液は分子量が89000~99000程度であるPVA(Polyvinyl alcohol)が蒸溜水に10wt%溶解された溶液を使った。前記PVA溶液はセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。
【0207】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)をポリマーフォームにディップコーティング(Dip coating)した。ポリマーフォームをセラミックスラリーに完全に浸け、真空雰囲気で5分の間ディップコーティングを遂行した。ディップコーティング後、ポリマーフォームに含まれた過量のスラリーを抜くために外力を与えてポリマーフォームの厚さの2/3以下に圧縮してから圧縮を解除して本来のポリマーフォームの形態に復帰するようにし、このような方式によってポリマーフォームに含まれた一部のスラリーがポリマーフォームから抜け出るようにした。
【0208】
ディップコーティングが行われたポリマーフォームをオーブンで80℃の温度で3時間の間乾燥した。図13は、ポリマーフォームにセラミックスラリーがディップコーティングされて乾燥された様子を示す写真である。
【0209】
ディップコーティングが行われたポリマーフォームを焼結した。ポリマーフォームをファーネス(furnace)に装入し、分当り5℃の速度で550℃まで昇温させた後、550℃で1時間の間維持してポリマー(polymer)成分が燃焼して除去されるようにし、分当り5℃の速度で1450℃まで昇温させた後、1450℃で3時間の間維持して焼結し、その後炉冷して多孔性セラミックフォームを得た。前記焼結は空気(air)雰囲気で遂行した。このように製造された多孔性セラミックフォームを図14に示した。
【0210】
図15a~図15cは、実験例1により製造された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM;scanning electron microscope)写真である。
【0211】
図13a~図13cを参照する。多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体であることを確認することができる。
【0212】
<実験例2>
【0213】
実験例1により製造された多孔性セラミックフォームをエタノールに浸けて超音波洗浄した後、オーブンで75℃の温度で24時間の間乾燥した。
【0214】
溶質と溶媒を準備し、溶質(solute)と溶媒(solvent)の比は34.66:65.34の重量比で測量した。前記溶質はムライト粉末(Mullite powder)、AlF粉末およびシリカゾルを使った。前記ムライト粉末(Mullite powder)、前記AlF粉末および前記シリカゾルは13.33:13.33:8の重量比で使った。前記ムライト粉末はムライト結晶成長のシード(seed)の役割をし、前記AlF粉末はAlとFイオンのソース(source)の役割をし、前記シリカゾルはSiイオンのソースの役割をする。前記溶媒(solvent)は蒸留水を使用した。
【0215】
ビーカーに溶媒である蒸溜水を入れた後、マグネチックバーを利用して撹拌(stirring)しながら分散剤(Dispersant)(BYK-111)を前記溶質100重量部に対して1重量部添加した。分散剤を投入した後に1時間の間撹拌した後、シリカゾル(Silica sol)をゆっくり添加して30分の間撹拌した。シリカゾルが添加された溶媒にAlF粉末を添加して1時間の間撹拌した。AlF粉末が添加された溶媒にムライト粉末(Mullite powder)を添加して1時間の間撹拌した。ムライト粉末が添加された溶媒に増粘剤であるCMC(Carboxylic methyl cellulose)溶液を前記溶質100重量部に対して5重量部添加して30分の間撹拌した後、バインダーであるPVA溶液を前記溶質100重量部に対して5重量部添加して1時間の間撹拌してセラミックスラリーを形成した。前記CMC溶液はCMC(Carboxylic methyl cellulose)が蒸溜水に0.1wt%溶解された溶液を使った。前記CMC溶液はコーティング液の粘度を高めて沈殿速度を減少させる役割をする。前記PVA溶液は分子量が89000~99000程度であるPVA(Polyvinyl alcohol)が蒸溜水に10wt%溶解された溶液を使った。前記PVA溶液はセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。
【0216】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)を実験例1により製造された多孔性セラミックフォームにディップコーティング(Dip coating)した。多孔性セラミックフォームをセラミックスラリーに完全に浸け、真空雰囲気で5分の間ディップコーティングを遂行した。
【0217】
ディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームをオーブンで80℃の温度で3時間の間乾燥した。
【0218】
ディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームを焼結した。多孔性セラミックフォームをファーネス(furnace)に装入し、分当り5℃の速度で1400℃まで昇温させた後、1400℃で3時間の間維持して焼結し、その後炉冷してウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームを得た。前記焼結は空気(air)雰囲気で遂行した。実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームを図16に示した。
【0219】
図17a~図18dは、実験例2によりウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームの微細構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【0220】
図17図18を参照する。多孔性セラミックフォームは数多くの気孔を有する多孔体であることを確認することができる。また、多孔性セラミックフォームにウイスカーが形成されているのを確認することができる。
【0221】
<実験例3>
【0222】
実験例1により製造された多孔性セラミックフォームをエタノールに浸けて超音波洗浄した後、オーブンで75℃の温度で24時間の間乾燥した。
【0223】
溶質と溶媒を準備し、溶質(solute)と溶媒(solvent)の比は20:80の重量比で測量した。前記溶質は前記多孔性セラミックフォームの主成分であるアルミナと同一の材質であるアルミナ粉末を使った。
【0224】
ビーカーに溶媒である蒸溜水を入れた後、マグネチックバーを利用して撹拌(stirring)しながら分散剤(Dispersant)(Darvan C)を前記溶質100重量部に対して10重量部添加した。分散剤を投入した後に1時間の間撹拌した後、アルミナ粉末を添加して1時間の間撹拌した。アルミナ粉末が添加された溶媒にバインダーであるPVA溶液を前記溶質100重量部に対して50重量部添加して1時間の間撹拌してセラミックスラリーを形成した。前記PVA溶液は分子量が89000~99000程度であるPVA(Polyvinyl alcohol)が蒸溜水に10wt%溶解された溶液を使った。前記PVA溶液はセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。
【0225】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)を実験例1により製造された多孔性セラミックフォームの表面にコーティングした。前記コーティングは多孔性セラミックフォームをセラミックスラリーに完全に浸けるのではなく、コーティングしようとする多孔性セラミックフォームの終わり部分(表面)のみ浸けてから抜く方式で選択的に実施した。このような方式でコーティングすると、多孔性セラミックフォーム全体がコーティングされるのではなく、コーティングしようとする選択部分のみをコーティングすることができ、多孔性セラミックフォームの表面から一定深さまでのみスラリーがコーティングされることになり、スラリーがコーティングされた部分はコーティングされていない部分より相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)が分布することになる。スラリーがコーティングされていない部分は相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)を有する多孔性セラミックフォームの領域(第2領域)になり、スラリーがコーティングされた部分は相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)を有する多孔性セラミックフォームの領域(第1領域)になることになる。
【0226】
選択的コーティングが行われた多孔性セラミックフォームをオーブンで80℃の温度で3時間の間乾燥した。
【0227】
選択的コーティングが行われた多孔性セラミックフォームを焼結した。選択的コーティングが行われた多孔性セラミックフォームをファーネス(furnace)に装入し、分当り5℃の速度で550℃まで昇温させた後、550℃で1時間の間維持してポリマー(polymer)成分が燃焼して除去されるようにし、分当り5℃の速度で1250℃まで昇温させた後、1250℃で3時間の間維持して焼結し、その後炉冷して多孔性セラミックフォームを得た。前記焼結は空気(air)雰囲気で遂行した。
【0228】
このように製造された多孔性セラミックフォームは第2領域Bに比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)を有する第1領域Aと第1領域Aに比べて相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)を有する第2領域Bを含む。
【0229】
<実験例4>
【0230】
第1領域Aと第2領域Bを含む多孔性セラミックフォームを製作するために、基板(substrate)として多孔性のポリマーフォーム(polymer foam)(さらに具体的にはポリウレタンフォーム(polyurethane foam))2個を使った。2個のポリマーフォーム(第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォーム)は互いに異なる気孔の大きさ(PPI;Pore per inch)を有するものを使ったが、例えば第1ポリマーフォームの平均気孔の大きさは第2ポリマーフォームの平均気孔の大きさより小さいものを使った。前記第1および第2ポリマーフォームはスポンジ(sponge)のように弾性がある多孔性物質である。製作される試片のサイズ(size)に合うように第1および第2ポリマーフォーム(polymer foam)を切断した後、超音波洗浄を通じて洗浄した後、オーブン(Oven)で70℃で24時間の間乾燥した。
【0231】
溶質と溶媒を準備し、溶質(solute)と溶媒(solvent)の比は50:50の重量比で測量した。前記溶質はアルミナ粉末(Alumina powder)とガラスフリット(Glass frit)を使った。アルミナ粉末(Alumina powder)とガラスフリット(Glass frit)は47.5:2.5の重量比で使った。前記アルミナ粉末は製作する多孔性セラミックフォーム(セラミック多孔体)の主素材であり、前記ガラスフリットは焼結温度を低くさせ、多孔性セラミックフォーム自体にSiを含有させる役割をするだけでなく、ムライト(Mullite)の成長性を向上させる役割をすることができる。前記溶媒(solvent)は蒸留水を使用した。
【0232】
ビーカーに溶媒である蒸溜水を入れた後、マグネチックバーを利用して撹拌(stirring)しながら分散剤(Dispersant)(BYK-111)を前記溶質100重量部に対して1重量部添加した。分散剤を投入した後に30分の間撹拌した後、主材料であるアルミナ粉末を溶媒に投入して1時間の間撹拌した。アルミナ粉末が分散された溶媒にガラスフリットを添加して1時間の間撹拌した後、バインダーであるPVA(Polyvinyl alcohol)溶液(PVA solution)を前記溶質100重量部に対して5重量部添加して1時間の間撹拌してセラミックスラリー(ceramic slurry)を形成した。前記PVA溶液は分子量が89000~99000程度であるPVA(Polyvinyl alcohol)が蒸溜水に10wt%溶解された溶液を使った。前記PVA溶液はセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。
【0233】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)を第1および第2ポリマーフォームにディップコーティング(Dip coating)した。第1および第2ポリマーフォームをセラミックスラリーに完全に浸け、真空雰囲気で5分の間ディップコーティングを遂行した。ディップコーティング後、第1および第2ポリマーフォームに含まれた過量のスラリーを抜くために外力を与えて第1および第2ポリマーフォームの厚さの2/3以下に圧縮してから圧縮を解除して本来のポリマーフォームの形態に復帰するようにし、このような方式によって第1および第2ポリマーフォームに含まれた一部のスラリーが第1および第2ポリマーフォームから抜け出るようにした。
【0234】
ディップコーティングが行われた第1ポリマーフォームとディップコーティングが行われた第2ポリマーフォームを重ね、重ねた状態でオーブンで80℃の温度で3時間の間乾燥した。
【0235】
第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォームが重なって乾燥された結果物を焼結した。第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォームが重なって乾燥された結果物をファーネス(furnace)に装入し、分当り5℃の速度で550℃まで昇温させた後、550℃で1時間の間維持してポリマー(polymer)成分が燃焼して除去されるようにし、分当り5℃の速度で1450℃まで昇温させた後、1450℃で3時間の間維持して焼結し、その後炉冷して多孔性セラミックフォームを得た。前記焼結は空気(air)雰囲気で遂行した。セラミックスラリーがコーティングされた第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォームが重なって焼結されると、一つの胴体からなる多孔性セラミックフォームが形成されることになる。第1ポリマーフォームと第2ポリマーフォームは互いに異なる気孔の大きさ(PPI;Pore per inch)を有するものを使ったが、第1ポリマーフォームが位置した領域と第2ポリマーフォームが位置した領域は互いに異なる気孔の大きさを有することになり、これに伴い、第2領域に比べて相対的に小さい大きさの気孔(第1大きさの気孔)を有する領域(第1領域)と第1領域に比べて相対的に大きい大きさの気孔(第2大きさの気孔)を有する領域(第2領域)が区分された多孔性セラミックフォームを得ることができる。
【0236】
<実験例5>
【0237】
実験例1により製造された多孔性セラミックフォームをエタノールに浸けて超音波洗浄した後、オーブンで75℃の温度で24時間の間乾燥した。
【0238】
ビーカーに溶媒であるエタノールを入れた後、硝酸亜鉛6水和物を添加して1時間の間撹拌してシード溶液(seed solution)を形成した。硝酸亜鉛6水和物とエタノールが6:94の重量比をなすように前記硝酸亜鉛6水和物を添加した。前記硝酸亜鉛6水和物(zinc nitrate hexahydrate;Zn(NO・6HO)はZnのソース(source)の役割をする。
【0239】
前記シード溶液を実験例1により製造されたポリマーフォームにディップコーティング(Dip coating)した。多孔性セラミックフォームをシード溶液に完全に浸け、真空雰囲気で20分の間ディップコーティングを遂行した。
【0240】
ディップコーティングが行われた多孔性セラミックフォームをオーブンで200℃の温度で3時間の間アニーリング(annealing)を遂行した。前記アニーリングによってシード溶液が多孔性セラミックフォームによく接着することができる。
【0241】
ビーカーに溶媒であるエタノールを入れた後、硝酸亜鉛6水和物とヘキサメチレンテトラミン(Hexamethylenetetramine)粉末を添加し、ここにPVA溶液を添加した後1時間の間撹拌して成長溶液(growth solution)を形成した。硝酸亜鉛6水和物、ヘキサメチレンテトラミン粉末およびエタノールが0.004:0.002:99.994の重量比をなすように前記硝酸亜鉛6水和物とヘキサメチレンテトラミン粉末を添加した。前記硝酸亜鉛6水和物(zinc nitrate hexahydrate)はZnのソース(source)の役割をし、前記ヘキサメチレンテトラミン粉末はAlとFのソースの役割をする。前記PVA溶液は分子量が89000~99000程度であるPVA(Polyvinyl alcohol)が蒸溜水に10wt%溶解された溶液を使った。前記PVA溶液は成長溶液の接着力を向上させる役割をする。
【0242】
前記成長溶液にアニーリングされた多孔性セラミックフォームを浸けてコーティングした。前記成長溶液の温度を95℃になるようにして多孔性セラミックフォームを24時間の間浸けてコーティングした。
【0243】
成長溶液でコーティングされた多孔性セラミックフォームを蒸溜水が入っているビーカーに入れてゆっくり振って洗浄した。
【0244】
洗浄された多孔性セラミックフォームを焼結した。多孔性セラミックフォームをファーネス(furnace)に装入し、分当り5℃の速度で1200℃まで昇温させた後、1200℃で1時間の間維持して焼結し、その後炉冷してZnO材質のウイスカーが形成された多孔性セラミックフォームを得た。前記焼結は空気(air)雰囲気で遂行した。
【0245】
<実験例6>
【0246】
多孔性セラミックフォームを製作するために、基板(substrate)として多孔性のポリマーフォーム(polymer foam)(さらに具体的にはポリウレタンフォーム(polyurethane foam))を使った。前記ポリマーフォームはスポンジ(sponge)のように弾性がある多孔性物質である。製作される試片のサイズ(size)に合うようにポリマーフォーム(polymer foam)を切断した後、超音波洗浄を通じて洗浄した後、オーブン(Oven)で70℃で24時間の間乾燥した。
【0247】
溶質と溶媒を準備し、溶質(solute)と溶媒(solvent)の比は50:50の重量比で測量した。前記溶質はシリコンカーバイド粉末(Silicon carbide powder)とガラスフリット(Glass frit)を使った。シリコンカーバイド粉末とガラスフリット(Glass frit)は47.5:2.5の重量比で使った。前記シリコンカーバイド粉末は製作する多孔性セラミックフォーム(セラミック多孔体)の主素材であり、前記ガラスフリットは焼結温度を低くさせ、多孔性セラミックフォーム自体にSiを含有させる役割をするだけでなく、SiCの成長性を向上させる役割をすることができる。前記溶媒(solvent)は蒸留水を使用した。
【0248】
ビーカーに溶媒である蒸溜水を入れた後、マグネチックバーを利用して撹拌(stirring)しながら分散剤(Dispersant)(BYK-111)を前記溶質100重量部に対して1重量部添加した。分散剤を投入した後に30分の間撹拌した後、主材料であるシリコンカーバイド粉末を溶媒に投入して1時間の間撹拌した。シリコンカーバイド粉末が分散した溶媒にガラスフリットを添加して1時間の間撹拌した後、バインダーであるPVA(Polyvinyl alcohol)溶液(PVA solution)を前記溶質100重量部に対して5重量部添加して1時間の間撹拌してセラミックスラリー(ceramic slurry)を形成した。前記PVA溶液は分子量が89000~99000程度であるPVA(Polyvinyl alcohol)が蒸溜水に10wt%溶解された溶液を使った。前記PVA溶液はセラミックスラリーの接着力を向上させる役割をする。
【0249】
前記セラミックスラリー(ceramic slurry)をポリマーフォームにディップコーティング(Dip coating)した。ポリマーフォームをセラミックスラリーに完全に浸け、真空雰囲気で5分の間ディップコーティングを遂行した。ディップコーティング後、ポリマーフォームに含まれた過量のスラリーを抜くために外力を与えてポリマーフォームの厚さの2/3以下に圧縮してから圧縮を解除して本来のポリマーフォームの形態に復帰するようにし、このような方式によってポリマーフォームに含まれた一部のスラリーがポリマーフォームから抜け出るようにした。
【0250】
ディップコーティングが行われたポリマーフォームをオーブンで80℃の温度で3時間の間乾燥した。
【0251】
ディップコーティングが行われたポリマーフォームを焼結した。ポリマーフォームをファーネス(furnace)に装入し、分当り5℃の速度で550℃まで昇温させた後、550℃で1時間の間維持してポリマー(polymer)成分が燃焼して除去されるようにし、分当り5℃の速度で1450℃まで昇温させた後、1450℃で3時間の間維持して焼結し、その後炉冷して多孔性セラミックフォームを得た。前記焼結は還元の雰囲気で遂行した。
【0252】
このように製造された多孔性セラミックフォームをエタノールに浸けて超音波洗浄した後、オーブンで75℃の温度で24時間の間乾燥した。
【0253】
乾燥された多孔性セラミックフォームをチューブ炉の中央に入れ、チューブ炉の入口にはウイスカー(whisker)の成長ソースとして使われるシリカ粉末(Silica powder)とカーボン粉末(Carbon powder)をアルミナプレート上に装着した。前記シリカ粉末と前記カーボン粉末は1:1.6の重量比をなすようにした。キャリアガス(Carrier gas)としてアルゴン(Ar)を使い、キャリアガスの流量は0.2L/minにした。反応温度は1450℃にして4時間の間実施してSiCウイスカーが成長するようにした。
【0254】
以上、本発明の好ましい実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、当分野で通常の知識を有する者によって多様な変形が可能である。
【符号の説明】
【0255】
10 ロータ(rotor)
20 ブレーキパッド
30 ブレーキキャリパー
110 第1コレクタ
120 第2コレクタ
130 上部コレクタ
140 リブ
150 チャネル
155 流入口
160 第1コレクタカバー
170 第2コレクタカバー
180 上部コレクタカバー
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