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特許7353335波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイス、およびそれを配置する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイス、およびそれを配置する方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/20 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
F03B13/20
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021157457
(22)【出願日】2021-09-28
(62)【分割の表示】P 2018544497の分割
【原出願日】2017-04-05
(65)【公開番号】P2022000582
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】P-2016/0217
(32)【優先日】2016-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RS
(73)【特許権者】
【識別番号】510040075
【氏名又は名称】ドラギッチ,マイル
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ドラギッチ,マイル
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/010518(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/139395(WO,A1)
【文献】特表2010-522529(JP,A)
【文献】特表2009-533600(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101490341(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスにおいて、
浮力要素(52)と前記浮力要素(52)に固定された支持管(51)とを有する支持構造(50)であって、前記支持管(51)上をスライドするジョイント装置(30)を備えた、支持構造(50)と、
前記ジョイント装置(30)に結合された浮力体(20)と、
前記浮力体(20)を第2の装置(2,3,8,9)に接続する第1の可撓性要素(1)とを備え、
前記第1の可撓性要素(1)は、前記支持管(51)に結合された第1及び第2のプーリ(6b、6c)を通り、発電機に接続されている前記第2の装置(2,3,8,9)に接続された第3のプーリ(6a)を通り、
前記第2の装置(2,3,8,9)は、下部支持管(53)内に位置して接続された質量体(12)を含み、
前記第1の可撓性要素(1)は、第1の端部で前記浮力体(20)に結合され、前記第1のプーリ(6b)を通るとともに、前記支持管(51)内の前記第3のプーリ(6a)を通って第2のプーリ(6c)に向かい、第2の端部で前記浮力体(20)に結合されており、
前記浮力体(52)は、前記浮力要素(52)をアンカーウエイト(67)に取り付ける少なくとも1つの第2の可撓性要素(63)を含む、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記質量体(12)は、ラックの下側に取り付けられた、デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のデバイスにおいて、それは第3の可撓性要素(71)からなる前記浮力体(20)を制動するためのデバイスを備え、第1の端部で前記浮力体(20)の底部に、第2の端部で前記浮力要素(52)に取り付けられた、デバイス。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記アンカーウエイト(67)は、コンクリート製であり、アンカーベース(61)内に配置されており、前記アンカーベース(61)は、水で満たされるように適合された、デバイス。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記浮力体(20)は、スチール製フレーム(21)、閉じたチャンバ(22)、及び発泡コーティング(23)を含む、デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のデバイスにおいて、前記発泡コーティング(23)は、引張応力に対して耐性を有する外部層(24)と、衝撃吸収内部層(25)とを含む、デバイス。
【請求項7】
請求項1または2に記載のデバイスにおいて、前記浮力体(20)は、使用時に部分的に沈む、デバイス。
【請求項8】
請求項1、2、および7のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記質量体(12)は、前記浮力体(20)を水面上に保持して喫水深さを制限する、デバイス。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、第2の装置(2,3,8,9)は、一端が前記第1の可撓性要素(1)に接続され、歯車(4)およびラック(2)、ねじジャッキ(9)およびナット(7)、および、スプロケットホイール(5)およびチェーン(3)、からなる群から選択された、デバイス。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記第2の装置は、発電するのに用いられる、可動磁石(8)と固定された動かないコイル(10)とを含む、デバイス。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記第2の装置は、ねじジャッキ(9)およびナット(7)を含む、デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のデバイスにおいて、前記ナット(7)は前記発電機のロータを直接的に回転させる、デバイス。
【請求項13】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記第2の装置は、チェーン(3)およびスプロケットホイール(5)を含み、前記スプロケットホイールは、前記発電機のロータを回転させるように適合された、デバイス。
【請求項14】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記第2の装置は、ロープおよびスプロケットホイールを含む、デバイス。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記デバイスの安全対策を作動させるための自動システムを含む、デバイス。
【請求項16】
請求項15に記載のデバイスにおいて、前記自動システムは、前記安全対策が作動されたときに前記発電機をモータモードに変換させて、前記浮力体(20)をケーシング(80)内に引っ張り、前記安全対策が解除されるまで前記浮力体(20)は前記ケーシング(80)内にとどまる、デバイス
【請求項17】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、第3の可撓性要素(71)は、前記浮力体(20)が前記支持管(51)の上部に衝突するのを防止する、デ
バイス。
【請求項18】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記浮力体(20)はケーシング(80)と重なり、前記浮力体(20)の下降を遅くさせ、流体力学的抵抗により前記支持構造(50)に衝突するのを防止する、デバイス。
【請求項19】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスを配置する方法において、
浮力要素(52)および質量体(12)を前記支持構造(50)に組み立て、前記支持構造(50)を水中に入れるステップと、
前記質量体(12)によって前記支持構造(50)の安定性が達成される場所に前記デバイスを輸送するステップと、
前記アンカーウエイト(67)が配置されたアンカーベース(61)が浮いて前記アンカーウエイト(67)の前記場所への輸送を補助するように、前記アンカーベース(61)とともに前記アンカーウエイト(67)を輸送するステップと、
前記アンカーベース(61)のためのポール(62)固定するステップと、
バルブ(64a、64b、64c、64d)を開いて前記アンカーベース(61)に水を充填することによって前記アンカーベース(61)を下げるステップと、
前記アンカーウエイト(67)を前記支持構造(50)に接続するステップと、
前記支持構造(50)の深さを調整するステップと、を含む方法。
【請求項20】
請求項12または13に記載の波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスを配置する請求項19に記載の方法において、前記輸送段階が、低喫水の輸送として行われる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイス、および配置プロセスに適合したデバイスの特性を有する実施場所でのその配置するためのプロセスに関する。従来の解決策に関連したデバイスは、上下に移動する浮力体から電気を発生する発電機へのエネルギ伝達の分野において特に異なっている。配置プロセスは、波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスの配置場所で海底に投錨システムを投錨および適合させる場所への安価な輸送に適したシステムの構成に基づいており、偶発的な損傷を防止する安全システムを有している。IPC(International Patent Classification)によれば、このデバイスは海の波のエネルギを使用する動力機械に分類され、分類番号F03B 13/12に対応する。
【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギ源に基づく多くの既知の解決策がある。地球上の明らかな気候変動の観点から見れば、できるだけ早く有害なガスを環境に放出する発電所の使用を避ける必要があると思われる。本出願の発明者と同じ発明者による欧州特許第EP2183478号は、波から上下に動く浮力体へのエネルギの伝達に関連するいくつかの基本的な課題を解決するデバイスを示している。欧州特許第2183478号に記載されているように、さらに電気エネルギに変換され得る波から取り出されるエネルギの量は最大化されるが、このデバイスはエネルギ変換のための他の公知のデバイスに対して競争力があり、気候変動が激化する前に、大量の有害ガスを大気へ排出するエネルギ発生デバイスに置き換えられる必要がある。
【0003】
上述した従来技術に関して、本発明は、海底に固定された柱が必要ではなく、アンカーによって置き換えられ、またより良好な利用率を有するよりコンパクトでより信頼性の高いデバイスが、2つの装置の組み合わせにより得られることが特に異なっている。コンパクトで信頼性の高い構造は、浮力体と支持構造とのジョイントリンクを含む建設的な解決策によって達成される。剛性要素で作られた装置または可撓性要素で作られた装置で製造された、第1の可撓性装置と第2の装置との組み合わせを使用することにより、機械的運動の伝達機構が単純化および安価になる。それは座屈するように負荷されず、可撓性装置のみを使用することも可能であり、したがって長い可撓性装置に存在する負の振動を大幅に低減することができる。移動質量の正確な計算によって、システムは容易に共振領域に持ち込まれることができ、それによって浮力体の振動を増加させ、より多量の電気エネルギを得ることができる。これは、浮力体が上下に動くかどうかに関わらず、等しい量のエネルギを発生させる。伝達要素の質量が減少し、巨大な波破損による偶発的な損傷の保護が提供される。
【0004】
デバイスの構造が改良され、より簡単でより安価および簡素化され、それによってシステムの効率および有効性が向上する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明によって解決される技術的課題は、最大効率で波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスの建造方法、すなわち使用状況、動作状態に対する持続性、同時に経済的な要求を満たすための許容可能な材料および許容可能な部分組立品の数で構成されている、すなわち費用効果が高いことである。
【0006】
これらの課題は、従来技術において周知である。費用対効果の高い解決手段を見つけることは困難である。波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスに対する持続可能な解決策は、システムの信頼性が高く、安全に動作し、安価であるために、デバイスの最大効率と同時に材料の最小数およびアセンブリの最小数を必要とする。上下に移動する浮力体に作用する波力は、従来技術で知られているようにとても大きくてもよく、強力な支持構造と、浮力体から、例えば発電機への、力の伝達に関与する要素の強い連鎖とを必要とする。最大使用度に寄与する波エネルギを電気エネルギに変換するデバイスの別の重要な特徴は、この分野の当業者に知られているデバイスの支持構造に接続された浮力体の運動の最小限の制限である。浮力体の移動性の要件を考慮すると、構造がエネルギを発生させるために使用される高い波の力に耐えるだけの強さが必要であると同時に、遠洋での条件に耐えるほど強くなければならないという必要性とは矛盾するように思われる。
【0007】
本発明はまた、実施場所へのデバイスの配置の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による波エネルギ変換デバイスは、その上側に支持管が取り付けられた浮力要素からなる支持構造を備えている。このデバイスは、内周に上部支持管の外面との滑り接続を有する結合装置を含み、浮力体に枢動可能に取り付けられた結合装置の外面に球体が固定されている。このデバイスは、浮力体を第2のデバイスに接続するための第1の可撓性装置と、可撓性装置を発電機に接続するための装置との2つの装置を有する。可撓性装置は、単体であってもよいし、いくつかのタイプの可撓性装置、例えば合成ロープ、ケーブル、またはチェーンから構成されてもよく、第2の装置は、剛性デバイス等のいくつかの便利な方法、例えばピニオンおよびラックのセット、ジャッキねじおよびナット等のような、または可撓性の装置、例えばチェーンおよびスプロケットホイールであってもよい。可撓性装置または剛性装置の他に、浮力体の動きを発電機に伝達するために、デバイスは、適用された装置の適切な機能を確実にする支持要素を含む。第2の装置が剛性要素から作られる場合、それらは下部支持管内に配置される。第2の装置が可撓性装置、例えばチェーンおよびスプロケットホイールである場合は、浮力要素、すなわち支持構造、に配置されることができ、アンカー要素なしでデバイスの深さを著しく減少させる。支持構造は、直接的にまたはアンカーベースの球形状のくぼみ内に配置された転がり要素を介して、球体セグメントの形態で、または支持ベースによって支持されたウエイトの形態で構成されたアンカーウエイトにアンカーロープによって結合されている。
【0009】
本発明は、浮力要素を有する支持構造を備え、支持構造は、波の影響により支持構造の長手方向に上下に移動することができるように接続された浮力体の中心開口を通って延び、浮力体の運動は、波の運動を電気エネルギに変換する機構に伝達され、浮力体の中心開口の内側に配置された可動ジョイント装置を介して運動の伝達が得られ、可動ジョイント装置は、中央部にある滑り接続は、それに接するリングを有する球面の形状で構成されており、リングは、その外径によって浮力体の中心開口の形状に対応し、球面の内径は、幾何学的におよび寸法的に、滑り接続の球面形状に構成された中央部に対応する球面形状のセグメントがあり、浮力体とジョイント装置との間の接続は、浮力体を2つのリングの間に固定することによって得られる。
【0010】
球形状ジョイントは取り除かれることができ、浮力体は、滑り管に固定され、これを介して支持管に対して垂直運動の可能性がある。
運動伝達のためのシステムは、第1の可撓性装置と、いくつかの異なる形態で構成されることができる第2の装置とで構成され、追加質量体は、浮力体の並進振動運動の変換時に、発電機の回転運動に変換して第2の装置が締め付けるように常に引っ張ることを確実にする。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、ジョイント装置の球面上に2つのリングがあり、ジョイント装置の動きの間の支持構造の長手方向軸に対する相対運動を波の作用により制限し、運動制限は、水平面内の互いに直交する2つの軸の相対的な旋回による。
【0012】
本発明は、デバイスが電力網で使用されることができ、本発明によって生成された電力を最終使用者に分配することができ、または電力網の分配システムに使用されることができ、または国際的な電力分配網に使用されることができるように構成されていてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、極度に高い波の作用による偶発的な損傷に対する安全システムを含むシステムが示されている。
一実施形態によれば、本発明は制動システムを備えている。
【0014】
本発明はまた、実施場所にデバイスを配置するための方法も含む。記載されていない先行技術で知られている段階の他に、この方法は、従来技術に関して新規な段階も含み、その実現はデバイスの新しい構成によって可能になる。これらの段階は次の通りである。
【0015】
-浮力要素だけでなく追加質量体を支持構造内に組み立て、クレーンによって水中の支持構造を下げ、造船所のドックにそれを固定し;
-完成するまで、他の要素を支持構造に接続し;
-追加質量体によって安定性が達成される配置場所へ輸送し;
-アンカーベースが浮力し、アンカーベースをデバイスの配置場所に搬送するためのポンツーンとして作用するように、アンカーベースと共にアンカーウエイトを搬送し;
-アンカーベースのパイルを固定するか、またはコンクリートベースを構築し;
-バルブを開き、水で満たしてアンカーベースを沈め;
-アンカーウエイトを支持構造に接続し;
-デバイスの深さ調整、すなわち海底からの距離を調整する。
【0016】
浮力体の運動が可撓性装置によって(剛性装置を使用せずに)発電機に伝達されると、発電機と追加質量体との間の装置の可撓性要素が差動可撓性装置要素として実行され、小さなガーゼ(gauze)との輸送として輸送段階が行われる。
【0017】
本発明の基本的な特徴は独立請求項1および19に定義されているが、二次的な特徴および異なる構築可能性は従属請求項によって定義される。以下の図面によって説明される本発明の例は、本発明の唯一の構成であるという意味において制限ではなく、言及したように、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明による波エネルギの電気エネルギへの変換のためのデバイスは、添付図面を参照して以下により詳細に説明される。図面も添付されており、それらは本発明による方法、すなわち記載された組立体およびデバイスの移送段階によって可能にされるデバイスの構造的特性のより良い理解のために使用される。図面は、本発明の実施形態の例を示しており、特許請求の範囲によって規定される保護の範囲内にある他のありうる実施形態の限定として解釈されるべきではない。特許請求の範囲による技術的特徴は、構造の実施形態の他の例において相互に組み合わせることができる。図面は以下を示す。
図1】本発明の一実施例を示す等角図である。
図2】本発明の実施例の正面図を概略的に示す。
図3】本発明の実施例の正面図を概略的に示す。
図4】本発明の実施例の正面図を概略的に示す。
図5】本発明の実施例の正面図を概略的に示す。
図6a】無負荷装置の垂直振動と波との伝達関数のグラフを示す。
図6b】装填されたデバイスの垂直振動と波の伝達関数のグラフを示す。
図6c】装填された装置の垂直振動と共振場における波の伝達関数を示す。
図7】本発明の実施例の等角図である。
図8】本発明の実施例の等角図である。
図8a】本発明の実施例の等角図である。
図8b】本発明の一実施形態の等角図である。
図9図8bの詳細Aを示す。
図9a図8bの詳細Aを示す。
図10】本発明による浮力体の実施形態の一例の断面図を示す。
図11】衝撃応力の減価(吸収)におけるシステム応答のシミュレーションの機械的モデルを示す
図12】発泡コーティングの有無による球体の表面に対する力のグラフを示す。
図13】造船所から配置場所へのデバイス輸送の一形態の等角図である。
図14】アンカーウエイト用のアンカーベースの一実施形態を概略的に示す。
図15】アンカーウエイトが2つの部分、すなわちウエイトおよびアンカーベースから形成されている本発明の実施例の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明による波エネルギの電気エネルギへの変換のためのデバイスを示す。図示するように、この実施形態によれば、デバイスは部分組立品からなる。本発明のこの実施形態は、星形、円筒形、または他の適切な形態の閉鎖構造の形状であることができる浮力要素52を含む部分的に潜っている支持構造50からなり、上側で支持管51に強固に取り付けられており、いくつかの実施形態では、支持管53が下側にある。ジョイント装置30は、その内周が支持管51に取り付けられ、外周はボールジョイントを介して浮力体20に接続されており、浮力体20の可動連結は、支持構造50に関連して設けられている。浮力体20の垂直運動は、浮力体20に取り付けられた両端と、支持構造体50または支持管53の内側に位置する第2の装置に結合されたその中央部とによって、可撓性装置1を介して波の作用を伝達し、支持構造50内、または水の外または支持管53内にある支持構造50の部分に配置されてもよい発電機に配置されてもよい。上述の可撓性装置1という用語は、適合する回転支持要素(例えば、プーリ6a、6b、6c)の上を通過する可撓性のある弾性要素(例えば、ロープ、スチールケーブル等)を有して、および装置が浮力体20の動きに合わせて調整するとして用いられている。
【0020】
支持構造50は、一端が支持構造50に接続されて他端がアンカーウエイト67にしっかりと取り付けられているロープ63によって固定されている。アンカーウエイト67は、例えば3つの別々のウエイトである、様々な方法で構成されることができる。図示された実施形態では、アンカーウエイト67は、三角形プレートの形態の1つのセグメントとして作られる。図14および図15は、アンカーベース61に配置されたアンカーウエイト67の別の実施形態を示している。この実施形態では、アンカーウエイト67は、球状セグメントの形態であり、適切な形状のアンカーベース61内に配置されている(図15参照)。
【0021】
支持構造50は、アンカーロープ63に対向する正の浮力(すなわち、水面に浮上する傾向がある)を有し、それによって支持構造50の安定した位置を確実にするように構成されている。
【0022】
図1は、円筒形の浮力体20を示す。浮力体20のこのような形状は、浮力体20のすべての側で均一な流体力学的圧力を有し、したがって浮力体20がその軸の周りを回転することを可能にする必要はないことは、当業者には周知である。上述した可撓性装置1の取り付けシステムはまた、可撓性装置1が浮力体20に直接取り付けられるように垂直荷
重伝達時にジョイント装置30を解放することを目的としている。
【0023】
ジョイント装置30は、浮力体20が全軸回りに回転し、支持管51に沿って並進移動することを可能にする球体を含むように作られている。ジョイント装置30は、摩擦力を低減し、ジョイント装置30が支持管51に亘って滑らかに動くことを可能にする要素を介して支持管51と接触することができ、これらの要素はホイール、ベアリング等である。
【0024】
図2は、波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスの一実施形態を示しており、システムの所望の剛性は、第2の装置(この実施形態では剛性要素からなる装置である)と第1の可撓性装置1との組み合わせによって達成される。可撓性装置1は、その両端で浮力体20に接続されており、浮力体20の垂直運動の大きな力を伝達しないジョイント装置30を解放するが、これはフロート体20に直接取り付けられた可撓性装置1によって達成される。この分野の当業者には、可撓性要素がそれ自体の剛性を有することが知られている、すなわちそれらが弾性的に変形する全負荷を受ける前に、そのような装置の弾性変形がその寸法に考慮されなければならない。
【0025】
スチールケーブルは破損に敏感であり、湾曲の大部分がプーリ6a上で発生するので、チェーンをこの部分に取り付けてプーリ6a上の可撓性装置1の多数の破損の領域で動作させることができ、スチールロープまたは可撓性装置の他の実施形態によってプロセスが進むことができる。
【0026】
可撓性装置1(例えば、スチールケーブル、複合材料からなるロープ、またはそれらの組み合わせ)はプーリ6b、6a、6c上を通過する。プーリ6aは、この実施例では剛性装置である第2の装置の1つの要素に枢動可能に取り付けられており、この実施例では、回転運動の増幅器の装置を介して発電機にさらに枢動可能に取り付けられた装置4に連結されたラック2に取り付けられている。この場合では剛性装置である第2の装置の他端では、追加質量体12はしっかりと固定され、支持管53内に案内される。プーリ6b、6cは、水の外にある支持管51の端部に配置され、プーリ6a、6cの支持部によって支持管51にしっかりと結合されており、プーリ6b、6cは可撓性装置1が動く時に自身の軸の周りを回る。
【0027】
動作している間に、浮力体20が波の影響下で上方に動き始めると、追加質量体12がそれを引っ張り、またそれが第2の装置を介して追加質量体12に接続されているため、および第2の装置を介して接続されるため、第1の可撓性装置1は引っ張られた状態を維持し、ラック2は第2の装置に接続され、ラック2は対応する装置4および増幅器を通って電気を生成する発電機に回転運動を伝達する。追加質量体12および可撓性装置1の導入は、浮力体20が上方または下方の両方に動くときに発電機の回転を提供する。これは、従来の解決手段に比べて、より大量の電気の発生、浮力体20のより大きい走行、および発電機への浮力体20の移動のより安価な伝達モードを提供する、より滑らかでより効率的な構造であり、これは浮力体20の両方の移動方向のための剛性装置または可撓性装置1で得られる。従来の解決手段では、剛性装置は、より大きく、より重く、より高価で複雑な構造が要求される、座屈を行うように負荷されていた。
【0028】
浮力体20は、下方に移動するときに、可撓性装置1を締め付け、滑車6b、6cを通ってそれを締め付けて、追加質量体12と共にラック2をプーリ6aの上方に持ち上げ、再び装置4の回転を得て発電機によって生成される電気エネルギを得る。
【0029】
可撓性装置1と第2の剛性装置との追加質量体12とのこのような組み合わせは、剛性装置を伸ばす一定の荷重を得て、それにより剛性装置の座屈の望ましくない発生を回避す
る。一方、可撓性装置1は、不規則な波の結果として発生するショック負荷を償却する可能性を有する。
【0030】
ここでは剛性装置である第2の装置は常に伸張するように負荷されているので、弾性を有する装置、すなわち例えば対応するスプロケットホイールまたは他の可撓性要素(ベルト)を有するチェーン等である可撓性要素、および円形運動を実現するための対応する要素で置き換えられる可能性がある。そのような実施形態の例を以下に説明され、第1の可撓性装置1と発電機とを接続する装置組立体の一般名は第2の装置である。
【0031】
球形ジョイントを省略すると、より簡単な構造が得られるが、管51により多く負荷が与えられ、より低い効率が得られる。球形ジョイントを省略して構成を簡略化することにより、プーリ6aの省略が可能となり、スライド管と支持管51とのクリアランスのために、プーリの代わりに両ケーブルの力を等しくするためのロッカ(rocker)を設ける必要がある。
【0032】
図3は、波エネルギを電気に変換するためのデバイスの次の実施形態を示す。この実施形態では、第2の装置として、可動磁石8と固定コイル10とからなる線形発電機が使用されている。浮力体20が移動すると、可撓性装置1およびプーリ6a、6b、6cを介して剛性装置にその移動が伝達され、剛性装置は線形発生器の磁石8を主要部として有する。本発明によるデバイスのこの実施形態を区別するものは、大きな質量を支配的な特徴とする磁石8が追加の余分な質量として使用されているので、追加質量体12を減らすか、または完全に省くことができるようになっている。
【0033】
これは、磁石8とコイル10との間に最小限の一定のクリアランスを提供することができる最も簡単な解決手段であり、したがって効率を高め、質量の適切な選択によって、振動の振幅が増加する。この解決手段は、維持するのが最も安価であり、改良されてより洗練された線形発電機の適用は、優れた技術的および経済的効果をもたらす。
【0034】
この解決手段は、コイル10および磁石8が保護領域内に配置されていることにより、線形発電機を用いた従来の全ての解決手段と比較して際立っており、移動部分のガイド、すなわち発電機の磁石8は、先行技術のすべての従来の特許による解決法の欠点であった水浸入のリスクを最小限にして、磁石8とコイル10との間の最小なクリアランスを確実にする最も容易かつ安全な方法で設けられることができる。この解決手段はまた、高出力線形発電機の構築も可能にする。
【0035】
図4は、波エネルギを電気に変換するデバイスの一実施形態を示す。この実施形態では、ボールの再循環を伴うジャッキねじ9およびナット7が使用され、これを介して並進運動が回転運動に変換され、さらに増幅器の有無にかかわらず発電機に直接的にもたらされる。
【0036】
ジャッキねじ9の端部に追加質量体12を含めると、ジャッキねじ9は、ジャッキねじ9の垂直方向移動の両方向に同じ効率をもたらし、ジャッキねじ9の断面がより小さくてもよい。これらの理由から、ジャッキねじ9は座屈するように負荷が与えられないので軽量で安価である。
【0037】
ジャッキねじ9のねじ山の角度の選択は、ナット7が発電機に直接的に接続されることができるように、または発電機のロータがナット7上に直接配置される構成であってもよいように、ボールの再循環によりナット7の所望の回転速度を決定することができる。この解決手段は、構成を単純化し、移送システムの損失を低減し、効率を高め、維持費を削減する。
【0038】
図5は、波エネルギを電気に変換するためのデバイスの別の実施形態を示す。この実施形態では、チェーン3およびスプロケットホイール5は、並進運動が回転運動に変換され、さらにそれを直接的に発電機に導く第2の装置として使用される。また、発電機の回転速度の調整は、平行装置のシステムによって達成されることができる。チェーン3の代わりに、直線運動を回転運動に変換するための関連要素(例えば、ベルトプーリ)を有するその他の可撓性移送要素(例えば、ベルト)を適用することができる。
【0039】
図5に示された実施形態の別の重要な特徴は、差動スプロケットホイールを適用することにより下部支持管53が不要になることである(管53は上述の図1,2,3,4,5に示されている)。これは、追加質量体12の減少をもたらす差動装置の適用によって達成され、それゆえ追加質量体12は追加質量体12の減少に比例してその速度が増加する。
【0040】
図2,3,4,および5に示された本発明によるデバイスのこの実施形態のもう1つの非常に重要な特徴は、追加質量体12の大きさと浮力体20の質量との組合せが、振動機械システムの固有振動数を嵐の波の中で揺れ動く共振条件に近づけるように制限する。
【0041】
すなわち、波型エネルギを変換するためのスポット型デバイスの既知の欠点の1つは、原則的に、エネルギ変換に重要な主要な(モーダル(modal)な)暴風の波の周波数をはるかに上回る固有振動数を有することである。そのため、デバイスは振動の亜臨界領域から離れて動作し、それらの有効性を大幅に低下させる。
【0042】
図6aは、発電機を有さない浮力体20またはブイの振動の典型的な例を示している。浮力体20の潜水(潜水の振幅と波の振幅の比)をΡζ(破線で示す)と、波の周波数ωの関数における波スペクトルS(一点鎖線で示す)とする縦振動の伝達関数として与えられている。振動の共振ピッチ(極値、最大値、上昇)は、波スペクトルのピークの遠く右端にあり、嵐の振動振幅は、波の振幅とほぼ等しい。
【0043】
発電機が発電するときに結合された浮力体20のスペクトルの典型的な例を図6bに示し、ここで、一点鎖線は波のスペクトルを示し、線はデバイスが電気を生成するときの浮力体20の潜水スペクトルを示す。発電機の強力な減衰により、振動の共振ピッチはもはや発生しないが、振動振幅と波の振幅との比は依然として1の値に近い。
【0044】
追加質量体12を有するデバイスでは、振動を行うシステムの質量が著しく増加し、システムの固有振動数が減少する。浮力体20の寸法(直径および喫水(draught))を変更することなく、システムが嵐のモーダル波(modal waves)と共振するように、追加質量体12および浮力体20の質量を調整することが原則として可能である。デバイスが電気を生成するときの浮力体20のそのような例は、図6cに示されており、ここでは、波のスペクトルは、一点鎖線で示され、ブイのスペクトルは、線によって示されている。このような重い追加質量体12を有するデバイスの振動の伝達関数は、発電機によって生成された強力な減衰に関わらず、共振ピッチを有する。共振ピッチは実質的に波のスペクトルのピークと重なり、追加質量体12を有さない場合と比較して最大で2倍高い効力を(計算上で示すように)引き起こす。追加質量体12の適用だけでなくいかなる質量の増加は、振動システムの固有振動数を減少させ、デバイスの効率に有益である。
【0045】
追加質量体12の導入により、浮力体20の喫水(水中に沈む浮力体20の高さ)を調節すること、すなわち、追加質量体12は、浮力体20を水中から引き出す。浮力体20は負の浮力を有しているので、追加質量体12によって引っ張られる部分を有していなけ
ればブイは沈む。
【0046】
波エネルギを電気に変換するためのデバイスのこのような構成は、歯車4と歯車ラック2との歯車付きセットに伝達されることができる衝撃荷重に関して良好な特性を提供する。一方、可撓性装置1の大きな長さによる損失は最大限減少され、浮力体20の運動方向のあらゆる変化により可撓性装置1は何らかの弾性変形を受けなければならず、次いで動力の伝達を開始し、上述の弾性変形は、可撓性装置1の長さに直接関係する。可撓性装置1の長さの短縮により、長い可撓性装置に生じる好ましくない振動の発生が回避され、波エネルギの電気への変換のためのデバイスの利用レベルが増大する。
【0047】
コイル6a(図2)を通過する可撓性装置1の1つのセグメントは、浮力体20の振動運動の結果として交互に曲がることによってその連続性を延ばすために、複合材料またはチェーンで作ることができる。
【0048】
図7は、可撓性ロープ71を備えた浮力体20の制動システムであって、例えばスチールまたはチェーンまたはダイニーマ(Dynemme)(高密度ポリエチレン)で作られ、一端が浮力体20の底部に接続され、他端が浮力要素52に取り付けられている。
【0049】
大振幅波が近づくと、浮力体20は上方に移動し、可撓性ロープ71を締め付ける。可撓性ロープ71が締め付けられ、浮力体20が上方に移動し続けると、支持構造体50の全体およびアンカーウエイト67を持ち上げようとし始める。
【0050】
安全システムは、より安価な構造を得るために導入され、極度の波に応答してシステムに損傷を与えないようにするために導入される。浮力体20のための電子デバイスは、許容される浮力体の動きの最大値でデバイスをセーフモードにすることを追跡する。
【0051】
安全モードは、浮力体が支持構造体の上部に衝突しないことを確実にするために使用される浮力体20の安全ロープ等の安全システムを作動させ、浮力体を受ける安全ベアリングは、支持構造の底部に当たることを防止し、および最も重要な安全対策、すなわちブイの自己潜水を作動させる。
【0052】
WECデバイス(波エネルギ変換器)の予測される作業ストロークよりも大きな振幅を有する波を伴う極度の嵐では、浮力体20を停止させると、浮力体20が上に動くときに図7に示すように支持構造50の損傷が防止される。
【0053】
また、大きな振幅の波が発生すると、浮力体20が、水の自由表面により近い支持構造50の浮力要素52の一部に衝突する危険性がある。
この問題は、図8に示すように解決され、ケーシング80は、支持構造50上に、すなわち浮力要素52上に配置される。
【0054】
浮力体20が下方(底部に向かって)に移動すると、その制動および停止は流体力学的抵抗による手段によって行われ、浮力体20は下方に移動するときケーシング80に入り、浮力体20に対して小さなクリアランスがあり、このクリアランスからケーシング80内にある水が出る傾向がある、すなわち浮力体20がそれを変位させ、小さなクリアランスにより大きな流体力学的抵抗が生じて浮力体20を制動する。ケーシング80の寸法は、浮力体20及び支持構造50が損傷を受けないように設計されている。
【0055】
図8aは、浮力体20がケーシング80に任意の角度で接近した場合を示している。WECデバイスのこの実施形態では、浮力本体20とハウジング80との間の接触が、浮力本体20とハウジング80の底面との接触中に抵抗を減少させるために、浮力本体20の
縁部が強化されていなければならず、浮力体20とハウジング80との接触が得られた後に、浮力体20は球状ジョイント30の中心の周りを回転し始めるので、浮力体20はケーシング80の底面と平行な位置になり、それによってケーシング80を通して伝達される浮力要素52における力の均等な分配を確実にする。
【0056】
図8bは、極度の波の形成による水が浮力体20をケーシング80と接触させる場合の例の概略が示されており、図8の詳細Aが図9に示されている。
ケーシング80は、もう一つのとても重要な特徴を有し、浮力体20のチャンバに閉じ込められた水の保持を確実にするように設計されており、その機能は同じ発明者の欧州特許第2,183,478号に詳細に記載されている。
【0057】
浮力体20のチャンバ内の水の保持性の確保は、ケーシング80を円周に沿って(図9)、それがロースト用鉄板に似ているように構成することによって達成される。水が後退し浮力体20が停止すると、ケーシング80の縁部と浮力体20との間の少量の水が浮力体20のチャンバからの水漏れを防止し、WECデバイスの適切かつ効率的な動作に必要である。
【0058】
図9および図9aは、大きな波が近づいた直後の図8の詳細Aを示し、水が引いて浮力体20をケーシング80内に残し、次の瞬間に新たな波が近づいて浮力体20を持ち上げさせ、浮力体20が跳ね返って構造物50に衝撃荷重を生じさせるのを防ぐために、浮力体20とケーシング80との間のクリアランスxによって、浮力体20が、速くではなくゆっくりと持ち上げられることが確実にされる。
【0059】
垂直波速度は、クリアランスxのリングを通って流れて浮力体20の下のリングの周囲を満たす水の能力よりも高く、それによって浮力体はケーシング80の底部に張り付いたままになる。
【0060】
浮力体20は、WECデバイスの安全性に寄与する別の重要な特徴を有する。浮力体20は、水の自由表面上に独立して浮く能力を有さず、独立して水中に潜水する場合には沈む、すなわち浮力体の重量は、移動した液体の重量よりも大きい。
【0061】
この分野の専門家には知られているように、極度の嵐の場合は数時間の間隔で徐々に発達し、気象観測によって予測することができるので、浮力体20のこの特徴は非常に重要である。したがって、WECデバイス保護の安全対策は、WECデバイスの強度によって損なわれる可能性のある予期される嵐で行われる。浮力体20が沈む特徴は、安全対策として用いられる。
【0062】
浮力体20は、水から出たときに、浮力体20の総質量よりも変位した液体の質量が小さいため、負の浮力を有している。
図8bは、極度の嵐に応じて浮力体20が沈む場合を示す。自動制御を使用することにより、発電機は発電モードからモータ運転モードに切り換えられ、装置2を介して、追加質量体12が浮力要素52の内側に設けられたロック位置まで持ち上げられる浮力体20を持ち上げると、重量12が浮力体20を持ち上げるプロセスの間に沈んでケーシング80に接触し、自動制御により固定されることができる。このようにして、WECデバイス全体は、水中にあるコンパクトなユニット、すなわち水粒子がより遅く移動する範囲で構成され、その結果、構造に影響を及ぼす合同の力がはるかに小さくなる。この安全手段は、極度の嵐の中の構造が損傷を受けないままでいることを確実にする。
【0063】
追加質量体12を保持する内側ブレーキ(図8b)は、極度の嵐が無くなった後に重量を解放し、追加質量体12が浮力体20をゆっくりと引き出し、水がクリアランスx(図
9および図9a)を通過し、浮力体を上昇させることによって形成された浮力体20の下方の空間を満たし、浮力体20を上方にゆっくりと変位させて水面、すなわち作用位置に移動させる。浮力体のチャンバ内の圧力を均等化するために、ケーシング80との接触面または浮力体20の縁部の間のクリアランスに溝がなければならない。
【0064】
密閉保護が管51の頂部に位置し、水が管51に入るのを防止する。
寸法がより小さく、したがって電力がより小さいデバイスでは、故障の影響を比較的受けやすいので自動制御は管51の頂部に位置し、点検で容易にアクセスできる。より大きな寸法およびより高い出力のデバイスでは、自動制御が浮力要素52の内部に配置され、点検は、この場合密閉された上部管51を介して行われる。
【0065】
図10は、スチールフレーム21と、スチールフレーム21の上に配置された閉鎖された浮力チャンバ22とを備えた説明する発明による浮力体20の一例を示しており、フローティングチャンバ22の外壁に発泡コーティング23が配置されている。浮力体20の実施において、スチールフレーム21は、波状の実線で示された水の自由表面の一部分の下に部分的に存在するので、浮力チャンバ22および発泡コーティング23からなる浮力体20の一部は、水の自由表面の下方にあり、他の部分は水の自由表面の上方にある。浮力体20への水の浸水により波が破れて衝撃荷重が発生した場合には、発泡コーティング23は、浮力体22の表面の水の衝撃を緩和して浮力体20の塑性変形を防止し、球形ジョイント32に伝達される力を十分に減少させる。
【0066】
発泡コーティング23は、浮力体20の損傷を防止する衝撃力のより良い償却を提供するために、複合材料の1つまたは複数の層24,25から構成されることができる。層24,25の組み合わせは、水の衝撃に最初にさらされる層24が張力に関して良好な機械的性質を有し、浮力チャンバ22の壁により近い層25が良好な弾性特性、すなわちエネルギの良い消散、を有するべきである。
【0067】
図11は、衝撃負荷の償却(吸収)時のシステムのシミュレーション応答の最終要素の機械的モデルを示している。2次元機械モデルは、浮力体20の浮力チャンバ22の外面に貼り付けられた発泡コーティング23からなる。そのようなモデルの反応のシミュレーション(計算)において、得られた結果が図12に示されており、点線は、発泡コーティングの償却がある場合に、浮力体20と装置30(図2)との間の接続が得られる球状ジョイントの面上の力を示し、実線は、発泡コーティング23がある場合に球32(図2)の表面上の反力を示す。図12に示すグラフから、発泡コーティング23が衝撃荷重の償却に非常に大きな影響を与え、反応が最大10倍少なくなるように緩和することができ、海の厳しい条件に耐えることができる、軽量で安価な構造が得られる。
【0068】
この分野の当業者に知られている造船所の比較的小さな深さのために、非常に重く、大きな喫水を有する大型寸法デバイスの配置場所への輸送形態を見出すことが必要である。これらの理由から、本発明はまた、波エネルギをその実施場所において電気に変換するためのデバイスの配置プロセスにも関する。この配置プロセスには、組み立ておよび輸送の特徴的な段階を含む。このデバイスは、従来技術で知られている方法で設置されることができるが、構造そのものが新たな設定モード、すなわちこれらの特性がこれまで知られているこの分野からのデバイスの設定モードとは異なる組み立ておよび搬送の段階、を有する。
【0069】
剛性装置を有するシステムでは、トルクの伝達場所の下の保護された空間が、通常は発電機レベルで、設けられていなければならず、支持管53は、最低でも剛性装置4(図2)と同じくらい長くなければならない。
【0070】
このためには、より頑丈な構造、より高い生産および配置場所への輸送コストが必要である。
図13は、非常に高価な追加の大型船を使用せずに、所望の場所への比較的安価な輸送を提供する支持構造50の輸送モードを示し、次に浅い水中でのデバイスの正しい輸送を示す。このように、水力(静水圧)は大量に使用され、高性能クレーンがデバイスを操作する必要がないので、波のエネルギを電気に変換するデバイスの構造が大幅に安価になる。
【0071】
システムのより安価な構造と配置場所への安価な輸送を得るために、プーリ6aからウエイトの形態である追加質量体12(図5)までの第2の装置も同様に可撓性装置(例えばチェーンおよびスプロケットホイール)である新たな技術的解決手段を我々は紹介している。追加質量体12は、石、コンクリート等の安価な材料から作製されることができ、滑車システムは、第2の可撓性装置4の変位を低減するために使用される。このようにして、支持管51と発電機の下の長い管53とが同じ長さでなければならないことが回避される。浮力要素52が組み立てられた後、クレーンの使用によって容易に降下され、構造の他の部分の組立が継続される造船所の桟橋に取り付けられるので、図5に示す解決策はより安価な構成を可能にする。
【0072】
この場合、桟橋の隣に大きな水深を必要としないため、ほとんどすべての造船所で建造が行われ得る。
追加質量体12は、より短いストロークに起因して、システムの重心をより低くする増加した質量体を有する必要があり、比較的小さな喫水で設置場所への安定した輸送を提供する。増加した追加質量体12を使用することにより、構造体の重心は、水の自由表面に接近するか、またはその下にあり、投錨位置への輸送中の構造の安定性に大きく寄与する。
【0073】
建造中に、デバイスは、構造体の下部、すなわち浮力要素52、が終わった後に造船所内の海に設置され、追加質量体12が直ちに投入され、最終的な形態まで建造作業が継続される。このようにして実施される概念は、デバイスの所望の配置位置への輸送の間、水面上で着実に浮遊することができるという概念である。
【0074】
図14は、付属ベース61(図15も参照)を有するアンカーウエイト67の同様の断面を示す。造船所を出航するとき、アンカーベース61は浮いて、アンカーウエイト67がデバイスの設置位置に運ばれるポンツーンとして作用するように浮く。デバイスの配置位置に到着した後、ウエイト67を取り除かなければならない場合には、海底を準備することができる。海底の質に応じて(砂っぽく、泥や石で覆われている場合)、ポール62を固定されるまたはアンカーウエイト67のアンカーベース61を配置するためのコンクリートベースは、必要に応じて、ウエイトおよび/またはベースは海底から持ち上げられることができる。アンカーベース61の沈み込みのプロセスは、安定した位置で海底に沈むように均等に行われ、バルブ64a、64b、64c、および64dおよびバッフル68aおよび68bの手段によって達成される。アンカーベース61は、アンカーウエイト67に嵌り込んでその上を転がることができるアンカーウエイト67の形状に対応する、対応中空部を有して構成されている。アンカーベース61は、アンカーウエイト67を持ち上げたときに、意図した位置に円滑に復帰することを確実にするように構成されている。図12のサイズaは、極度の波の場合には、アンカーウエイト67がアンカーベース61から完全に出てこないように決定される。
【0075】
アンカーベース61及びウエイト67を搬送した後、アンカーベース61上にロープ63により支持構造50及びウエイト67を連結する。
図15は、アンカーウエイト67およびアンカーベース61が球形状を有し、ウエイト
67がアンカーベース61から再配置されたときに、極度の嵐の中で、それは球体の部分の形態で構成されているためそれ自体は元の位置に戻ることができる位置に配置されたデバイスの等角図を示す。
【0076】
実施場所にデバイスを配置する方法は、とりわけ、以下の段階を含む。
-浮力要素(52)を支持構造(50)に組み立て、追加質量体(12)を配置すると共にデバイスの特定の部品を組み立て、クレーンを用いて支持構造(50)の重なった部分を水中に降下させてそれを造船所のドックに取り付け;
-残りの要素を支持構造(50)に結合してデバイスの最終形態に至らせる段階と、
-追加質量体(12)によって輸送の安定性が達成される、水による配置位置へのデバイスの輸送;
-アンカーベース(61)が浮いてアンカーウェイト(67)を配置位置に運ぶためのポンツーンとして作用するように、アンカーウェイト(67)をアンカーベース(61)と共に水で運び;
-アンカーベース(61)のためにポール(62)を固定またはコンクリートベースの建設し;
-バルブ(64a、64b、64c、64d)を開き、それを水で充填することによってアンカーベース(61)を下げ;
-ロープ(63)を使用して、アンカーベース(67)を支持構造(50)に接続し;
-デバイスの深さを調整する、すなわち海底からの距離を調整する。
【0077】
この方法は、輸送が低い喫水で、比較的安価な曳船で行われることを特徴とする。
本説明は多くの詳細を含むので、保護が求められる発明または主題の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、様々な実施形態に特有の特徴の説明を表すものとする。具体的な実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、別の実施形態と組み合わせて適用することができる。また、その逆も可能であり、一実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、いくつかの実施形態において、別々にまたは選択された特性の任意の適切な組み合わせで適用され得る。当業者であれば、いくつかの技術的要素または組み合わせは、先行技術の変形および改良の対象となるだけでなく、特許請求の範囲によって規定される保護の範囲を逸脱することなく、既知の技術的同等物によって置き換えられることができる。
(項目1)
波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスにおいて、支持構造(50)であって、星形状、円筒形状、または任意の他の適切な形状の浮力要素(52)からなり、支持管(51)が前記支持構造(50)の頂部に固定された、支持構造(50)を備え、球体(32)がその外周で前記浮力体(20)にヒンジ結合または固定されるとともに前記支持管(51)の前記外面との滑り接続を内周に有するジョイント装置(30)を備えて前記デバイスは2つの装置を有し、第1の装置である可撓性装置(1)は、前記浮力体(20)を第2の装置に接続するために使用され、前記可撓性装置(1)は、ロープ、ケーブル等の形態である可撓性要素と、少なくとも2つのプーリ(6b、6c)であって、前記浮力体(20)の機能するストロークの終点の上方でそれらが回転できるように、前記支持管(51)にそれらの支持手段により固定されており、例えばケーブルである前記可撓性装置(1)の前記可撓性要素は、一端で前記浮力体(20)に結合されていると共に、前記中間プーリ(6a)は、その支持手段により前記可撓性装置(1)を前記支持構造(50)の前記下部管(53)にスライド可能に接続された追加質量体(12)を有する前記発電機に結合する前記第2の装置に固定され、次に、前記プーリ(6b)を越えて、および前記管(51)内の前記プーリ(6a)および前記プーリ(6c)を越えて通過し、他端で前記浮力体(20)に再び接続されている、または、前記可撓性装置(1)は、前記浮力体(20)に一端が取り付けられた2つの同一の可撓性要素で構成され、前記装置(1)の1つの可撓性要素はプーリ(6b)を越える一方、前記装置(1)の他の可撓性要素はプーリ(6c)を越え、他端によりそれらは前記第2の剛性装置の一端に枢動可能に取り付けられたレバーにより互いに接続され、前記可撓性装置(1)と前記浮力体(20)および2つの上側のプーリ(6b,6c)との前記接続点は互いに反対にあり、前記浮力要素(52)の前記端部の上部管(51)側にケーシング(80)が配置されており、前記可撓性ロープ(71)は、一端で浮力要素(52)に取り付けられ、前記浮力体(20)に他端で取り付けられ、これにより前記支持構造(50)は、ロープ(63)により、前記アンカーベース(61)内の前記支持部内に配置されることができる前記アンカーウェイト(67)に結合される、デバイス。
(項目2)
項目1に記載のデバイスにおいて、前記浮力体(20)の前記質量とバランスを取り、前記波上の前記浮力体(20)の動きを調整するための前記追加質量体(12)は、前記第2の装置に取り付けられた前記下側にある、デバイス。
(項目3)
項目1および2の1項以上に記載のデバイスにおいて、それは単体または複合体の合成材料製である可撓性要素(71)からなる前記浮力体(20)を制動するためのデバイスを備え、一端が前記浮力体(20)の前記底部に取り付けられ、他端が前記浮力要素(52)に固定された、デバイス。
(項目4)
項目1乃至3の1項以上に記載のデバイスにおいて、前記アンカーウエイト(67)は、コンクリート製であり、前記アンカーベース(61)が前記投錨場所、すなわち前記デバイスの実施場所、にあるときに水で満たされた中空構造に形成された前記アンカーベース(61)内に配置された、デバイス。
(項目5)
項目1乃至4の1項以上に記載のデバイスにおいて、前記浮力体(20)は、スチール製フレーム(21)で基本的に構成され、閉じたチャンバ(22)が発泡コーティング(23)で被覆された、デバイス。
(項目6)
項目6に記載のデバイスにおいて、前記発泡コーティング(23)は、引張応力に対して高い耐性を有する材料で作られた外部層(24)と、衝撃吸収性の良い材料で作られた内部層(25)とで構成された、デバイス。
(項目7)
項目1及び2に記載のデバイスにおいて、前記浮力体(20)は、その質量がその浮力をもたらすその体積より大きくなるように自己潜水浮力体として構成された、デバイス。
(項目8)
項目1、2、および7に記載のデバイスにおいて、前記追加の質量体(12)は、前記浮力体(20)を水面上に保持して喫水深さを制限する、デバイス。
(項目9)
項目1乃至8の1項以上に記載のデバイスにおいて、第2の装置(2,3,8,9)は、一端が可撓性装置(1)に接続されるとともに、他端が電気エネルギ発生器に接続され、歯車(4)およびラック(2)式、または、前記支持構造(50)に取り付けられた前記下部支持管(53)に位置する、ねじジャッキ(9)およびナット(7)またはスプロケットホイール(5)およびチェーン(3)である要素として構成された、デバイス。
(項目10)
項目1乃至9の1項以上に記載のデバイスにおいて、前記フレキシブル装置(1)に一方の側で接続され、前記発電機に他方の側で接続された、前記第2の装置(8)は、線形発生器型装置としての剛性要素からなる、すなわち基本的に可動磁石(8)と固定された動かないコイル(10)から成り、前記支持構造(50)に取り付けられた前記下部支持管(53)に配置された、デバイス。
(項目11)
項目1乃至9の1項以上に記載のデバイスにおいて、前記第2の装置は、一方の側で前記可撓性装置(1)に接続され、他方の側で前記発電機に接続され、再計算ボールを有するねじジャッキ(9)およびナット(7)を備えた装置型である剛性要素からなり、前記下部支持管(53)内に配置され、前記支持構造(50)に取り付けられた、デバイス。
(項目12)
項目11に記載のデバイスにおいて、前記ナット(7)は前記発電機のロータを直接的に回転させる、デバイス。
(項目13)
項目1乃至9の1項以上に記載のデバイスにおいて、前記第2の装置は、一方の側で前記可撓性装置(1)に接続され、他方の側で前記発電機に接続されており、前記支持構造体(50)の前記浮力要素(52)内に配置されたチェーン(3)およびスプロケットホイール(5)で構成された可撓性要素からなる、デバイス。
(項目14)
項目13に記載のデバイスにおいて、前記第2の装置は、前記タックルシステムを介して前記追加質量体(12)と結合され、前記可撓性要素は、前記タックルの前記プーリを通過して、ロープ、スプロケットホイール、または任意の他の適切な形態に作られた前記追加質量体(12)に接続する、デバイス。
(項目15)
項目1乃至14のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、前記デバイスの安全対策を作動させるための自動システムを含む、デバイス。
(項目16)
項目15に記載のデバイスにおいて、前記自動システムは、前記安全対策が作動されたときにモータモードに変わる前記発電機を作動させ、前記追加質量体(12)を前記上端位置まで増加させてそれを固定して、これにより前記浮力体(20)を前記ケーシング(80)に入る自己潜水に導き、前記安全対策が解除されるまでそこにとどまる、デバイス
(項目17)
項目1乃至15の1項以上に記載のデバイスにおいて、前記可撓性要素(71)は、前記浮力体(20)が前記支持管(51)の前記上部に衝突しないことを確実にする、デ
バイス。
(項目18)
項目1乃至15の1項以上に記載のデバイスにおいて、前記浮力体(80)は前記ケーシング(80)と重なり、前記浮力体(20)の下降を遅くさせ、流体力学的抵抗により前記支持構造体(50)に衝突するのを防止する、デバイス。
(項目19)
項目1乃至18のいずれか1項に記載の波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスを実施場所に配置する方法において、
浮力要素(52)を前記支持構造(50)に組み立て、前記追加質量体(12)を配置するとともに前記デバイスのいくつかの部品を組み立て、クレーンを用いて前記支持構造(50)の重なる部分を水中に下げてそれを造船所のドックに取り付けるステップと、
前記デバイスの最終的な形態にするために、前記支持構造物(50)に残りの要素を結合するステップと、
輸送の安定性が増加された前記追加質量体(12)によって達成される実施場所に前記デバイスの水によって輸送するステップと、
前記アンカーウエイト(67)を前記デバイスの配置場所に運ぶために、前記アンカーベース(61)がポンツーンとして作用するように浮くように、前記アンカーベース(61)で前記アンカーウエイト(67)を水上輸送するステップと、
前記アンカーベース(61)のためのポール(62)またはコンクリートベースの構造を固定するステップと、
バルブ(64a、64b、64c、64d)を開き、それに水を充填することによって前記アンカーベース(61)を下げるステップと、
ロープ(63)を用いて前記アンカーベース(67)を前記支持構造(50)に接続するステップと、
前記デバイスの深さを調整する、すなわち海底からの距離を調整するステップと、を含む方法。
(項目20)
項目12または13に記載の波エネルギを電気エネルギに変換するためのデバイスを実施場所に配置する項目19に記載の方法において、前記輸送段階が、低喫水の輸送として行われる、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図8a
図8b
図9
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図10
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