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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】口腔内速崩壊性フィルム剤マトリックス
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/70 20060101AFI20230922BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230922BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230922BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230922BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20230922BHJP
【FI】
A61K9/70
A61K47/10
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/34
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021523566
(86)(22)【出願日】2019-07-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019041328
(87)【国際公開番号】W WO2020014431
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/696,359
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522428553
【氏名又は名称】キュア ファーマシューティカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ベルナルド, ホセ
(72)【発明者】
【氏名】ジジ, ベレッド
【審査官】柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-527198(JP,A)
【文献】Polyethylene Glycol-Polyvinyl Alcohol Graft Copolymer: A Peroxide-Free Binder, [online], November 30, 2015, American Pharmaceutical Review, [Retrieved on 2022-MAR-11]. Retrieved from the internet:<URL:https://www.americanpharmaceuticalreview.com/Featured-Articles/181803-Polyethylene-Glycol-Polyvinyl-Alcohol-Graft-Copolymer-A-Peroxide-Free-Binder/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00-9/72
A61K 47/00-47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の活性成分、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含む速溶解結合剤、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むフィルム形成性ポリマー
を含む均一混合物、および
第2の活性成分
から形成される口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスであって、
ここで、
前記均一混合物が、硬化させられて前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成し、
前記第2の活性成分が、3D印刷により、硬化させられた前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させられており、
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが、8重量%未満の水分含量を有しており、そして
口腔と接触すると、60秒以内に崩壊する、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項2】
第1の活性成分、湿潤防止ポリマー、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含む速溶解結合剤、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むフィルム形成性ポリマー
を含む均一混合物、および
第2の活性成分
から形成される口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスであって、
ここで、
前記均一混合物が、硬化させられて前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成し、
前記第2の活性成分が、3D印刷により、硬化させられた前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させられており、
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが、8重量%未満の水分含量を有しており、そして
口腔と接触すると、60秒以内に崩壊する、
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項3】
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、
(a)水、第1の活性成分、速溶解結合剤、およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、
(b)基材上に前記均一混合物を押し出すステップ、
(c)押し出された前記均一混合物を硬化させて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ
(d)押し出された前記均一混合物を硬化させて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後、3D印刷により、前記硬化された口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに第2の活性成分を含浸させるステップ、ならびに
(e)前記含浸された口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップ
を含み、
前記速溶解結合剤が、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含み、
前記フィルム形成性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、方法。
【請求項4】
(a)請求項1または2に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、
(b)封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム
を含むキットであって、
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが、前記封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム内に入れられている、キット。
【請求項5】
対象に第1および第2の活性成分を送達するための医薬の製造における、請求項1もしくは2に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、または請求項3に記載の方法により得られる口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの使用であって、ここで、前記医薬が前記対象に経口投与される、使用。
【請求項6】
アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む湿潤防止ポリマーをさらに含む、請求項1または2に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項7】
前記湿潤防止ポリマーが、EUDRAGIT(登録商標)EPO(アミノアルキルメタクリレートコポリマー)を含む、請求項6に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項8】
前記湿潤防止ポリマーが、1~4重量%のEUDRAGIT(登録商標)EPO(アミノアルキルメタクリレートコポリマー)を含む、請求項6に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項9】
前記速溶解結合剤が、Kollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマー)を含む、請求項1~2および6~8のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項10】
前記速溶解結合剤が、40~80重量%のKollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマー)を含む、請求項1~2および6~8のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項11】
前記フィルム形成性ポリマーが、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))を含む、請求項1~2および6~10のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項12】
前記フィルム形成性ポリマーが、5~20重量%のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))を含む、請求項1~2および6~10のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項13】
可塑剤、保存剤、溶媒、着色剤、着香剤、甘味剤、充填剤、増量剤、唾液分泌促進剤、安定化剤および増粘剤、ゲル化剤、味マスキング剤、顔料、滑沢剤、放出改変剤、アジュバント、可溶化剤および乳化剤、フレグランス、乳化剤、界面活性剤、脂質、流動促進剤、安定剤、抗酸化剤、粘着防止剤、酸、塩基、緩衝剤、ならびに保湿剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1~2および6~12のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項14】
口腔に接触すると、15秒以内に崩壊する、請求項1~2および6~13のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項15】
4重量%未満の水分含量を有する、請求項1~2および6~14のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【請求項16】
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスのpHを4.6~5のpHに調整するのに十分な量のクエン酸をさらに含み、前記マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含む、請求項1~2および6~15のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全内容が本明細書に組み込まれている、2018年7月11日に出願の米国仮特許出願第62/696,359号への優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
口腔内溶解性フィルム剤(ODF)とは、口(頬内でまたは舌下で)での吸収により、および/または小腸(経腸で)により、薬物を投与するための溶解フィルム剤またはストリップ剤を使用する剤形である。フィルム剤は、通常、舌の上または頬腔で迅速に溶解する親水性ポリマーを使用して調製され、液体(唾液)と接触すると、溶解により体循環に薬物を送達する。
【0003】
ODF薬物送達は、処方薬および店頭(OTC)薬、ならびに栄養補給食品に関わることが多い、従来的な錠剤、カプセル剤および液剤の代替的な先進的剤形として現れている。ODFストリップ剤は、経口投与用に、サイズ、形状および厚さが郵便切手に類似して設計されており、ユーザーは、舌の上もしくは下(舌下)に、または頬の内側(頬内)に沿ってストリップ剤を置く。これらの薬物送達の選択肢により、薬は、初回通過代謝を迂回することが可能となり、これにより、薬をより生体利用可能にする。ストリップ剤が溶解すると、薬物は、経腸で、頬内でまたは舌下で血流に入ることができる。
【0004】
口腔内溶解性フィルム剤は、活性成分の経口投与のための、次第に人気の高まりつつある剤形になっている。ODFの使用により、経口固形剤形を嚥下することに伴う喉を詰まらせることの不安もしくはリスク、輸送の容易さ、嚥下困難(嚥下障害)、経口固形剤形と共に水を摂取する必要性、および/または薬を服用する際の離散する能力などの経口固形剤形(例えば、錠剤およびカプセル剤)に伴ういくつかの共通した問題をなくすことができる。
【0005】
したがって、ODFは、経口吸収および生体利用率を増強すること、ならびに患者の服薬遵守を改善することなどの臨床的利益を実現するために使用することができる。したがって、ODFは、例えば高齢および小児患者、ならびに心理学的、退行性および/または神経学的障害に罹患している患者、ならびに寝たきりの、嘔吐患者、下痢に罹患している患者、アレルギー発作もしくは咳という突然のエピソードに罹患している患者、ならびに活動的な生活様式を有する患者などの患者集団にかなりの利益をもたらすことができる。ODFはまた、とりわけ、他人との同伴中に、秘密にして、こっそりと、気づかれないように、および/または人目につかないように薬を投与することを望むそのような患者にとってかなりの利益をもたらす。したがって、ODFは、水の使用なしに投与され、肝臓の代謝を迂回することによる生体利用率の向上を伴う作用の迅速な開始と共に、薬物投与における便利さを求める標的集団の必要性を満たし、最終的に、治療的応答の改善をもたらすことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
経口投与向けの他の剤形とまさに同じように、ODFは、通常、特定の活性成分(例えば、感湿性ではないもの)との使用に限定されてきた。したがって、必要なことは、ODFの標的とする審美性および性能特徴(例えば、所望の含量均質性、所望の厚さおよび/または所望の溶解)を維持すると同時に、商業的に製造されているODFには存在しない、追加的なクラスの活性成分(例えば、感湿性、酸素感受性、pH感受性、感熱性など)を含むことができる口腔内溶解性フィルム剤である。
【0007】
本発明は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを提供する。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤の形態にあることができ、対象に、1種または複数の活性成分を送達するために好適である。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、速溶解結合剤(例えば、Kollicoat(登録商標)Protect)、フィルム形成性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、必要に応じて、湿潤防止ポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)EPO)および必要に応じてpH調整剤(例えば、無水クエン酸)を含む。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、活性成分をさらに含むことができる(例えば、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1の活性成分を含むことができる)。代替的に、活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスには存在し得ない(例えば、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスには存在し得ない)。いずれの場合でも、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に、第2の活性成分が必要に応じて添加され得る。
【0008】
本発明はまた、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法を提供する。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤の形態にあることができ、対象に、1種または複数の活性成分を送達するために好適である。方法は、(a)水、速溶解結合剤(例えば、Kollicoat(登録商標)Protect)、フィルム形成性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、必要に応じて湿潤防止ポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)EPO)および必要に応じてpH調整剤(例えば、無水クエン酸)を接触させて、均一混合物を形成するステップ、(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、ならびに(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス(これは、口腔内溶解性フィルム剤の形態にあることができる)を形成するステップを含む。(a)における均一混合物(代替的に、「スラリー」とも称される)は、活性成分をさらに含むことができる(例えば、均一混合物は、第1の活性成分を含むことができる)。代替的に、活性成分は、(a)における均一混合物には存在し得ず(例えば、第1の活性成分は、均一混合物には存在し得ない)、したがって、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスには存在し得ない。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に、第2の活性成分が必要に応じて添加され得る。
【0009】
本発明はまた、対象に、1種または複数の活性成分を送達するのに好適な、口腔内溶解性フィルム剤の形態にある口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを提供する。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、速溶解結合剤(例えば、Kollicoat(登録商標)Protect)、フィルム形成性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、活性成分、必要に応じて湿潤防止ポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)EPO)、および必要に応じてpH調整剤(例えば、無水クエン酸)を含む。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に、第2の活性成分が必要に応じて添加され得る。
【0010】
本発明はまた、封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム内に入れられた、本明細書に記載されている口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス(口腔内溶解性フィルム剤の形態にある)を含むキットを提供する。
【0011】
本発明はまた、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法を提供する。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤の形態にあることができ、対象に、1種または複数の活性成分を送達するために好適である。方法は、(a)水、速溶解結合剤(例えば、Kollicoat(登録商標)Protect)、フィルム形成性ポリマー(例えば、ヒプロメロース)、第1の活性成分、必要に応じて湿潤防止ポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)EPO)、必要に応じてpH調整剤(例えば、無水クエン酸)を接触させて、均一混合物を形成するステップ、(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、および(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス(これは、口腔内溶解性フィルム剤の形態にあることができる)を形成するステップを含む。さらに、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に、第2の活性成分が必要に応じて添加され得る。第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させることができる(例えば、3D印刷による)。
【0012】
本発明はまた、それを必要とする対象に、1種または複数の活性成分を送達する方法を提供する。方法は、対象に、本明細書に記載されている口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス(口腔内溶解性フィルム剤)を投与するステップを含む。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1の活性成分を唯一の活性成分として含むことができる。代替的に、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第2の活性成分を唯一の活性成分として含むことができる。代替的に、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1および第2の活性成分の両方を含むことができる。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成される場合、第1の活性成分が存在する(例えば、スラリー中に存在する)。第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させることができる(例えば、3D印刷による)。
【0013】
本明細書に記載されている口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、重要で有利な特色(1)~(10)のうちの1つまたは複数を実現する利点を提供する:口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、(1)(a)感湿性、(b)酸素感受性、(c)pH感受性、(d)感熱性、(e)光(UV)感受性、(f)不快な味または臭いを有すること、(g)水不溶性および(h)少量で存在することのうちの少なくとも1つである、治療有効量の活性成分を含むように口腔内溶解性フィルム剤として製剤化されている、(2)好適な厚さを有する「薄層フィルム剤」として製剤化されている、同時に(3)口腔内溶解性フィルム剤は、所望の受食性速度を有する。口腔内溶解性フィルム剤を「薄く」し、このフィルム剤が口内に入れられると所望の(例えば、迅速な)溶解を有するようにすることは、少なくとも、経口投与される薬が喉に詰まるリスクにある小児、および嚥下障害に罹患している患者の場合に有利である。さらに、(4)口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、容易に刷り込む(例えば、3D印刷による)ことができる。これは、(5)口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに活性成分を含浸させる(例えば、3D印刷による)ことを含む。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤として、(6)低レベルの水分(例えば、残留溶媒)を含有する、(7)特定のpH範囲を標的とする(例えば、酸、塩基および/または緩衝剤を含ませる)、(8)味マスキング剤および/または甘味料の使用なしに、活性成分の味を効果的にマスクする、(9)同時に、非吸湿性であるよう製剤化される。
【0014】
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に活性成分が添加される実施形態では、(10)口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、フィルムロールとして製剤化され、保管(長期間にわたる)され得る。そのようにする際に、添加された活性成分は、フィルムロールの保管前にそのような活性成分を含ませた口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが安定性、物理的完全性、安全性および/または有効性を過度に損なうことなく、(a)感湿性、(b)酸素感受性、(c)pH感受性、(d)感熱性および/または(e)光(UV)感受性であるものを含むことができる。
【0015】
本明細書に記載されている通り、本発明の様々な実施形態は、上記の(1)~(10)の重要で有利な特色のうちの1つまたは複数を独立して含むことができる。具体的には、様々な実施形態が有する重要で有利な特色は、複数の実施形態にわたり、様々となり得る(または、同じままである)。より具体的には、様々な実施形態が有する重要で有利な特色は、他の実施形態が有する重要で有利な特色と同じであり得る。代替的に、様々な実施形態が有する重要で有利な特色は、他の実施形態が有する重要で有利な特色と異なり得る。より具体的には、任意の具体的な実施形態が有する重要で有利な特色は、任意の他の実施形態が有する、任意の重要で有利な特色と無関係で、かつ相互に排他的であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを含む口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを提供する。本発明はまた、第1の活性成分、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを含む口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを提供する。
【0017】
本発明は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、(a)水、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、ならびに(d)必要に応じて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップを含む方法を提供する。
【0018】
本発明はまた、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、(a)水、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、(d)必要に応じて、第2の活性成分を口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させるステップ、ならびに(e)必要に応じて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップを含む方法を提供する。
【0019】
本発明はまた、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、(a)水、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、(d)口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを保管するステップ、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを輸送するステップまたはそれらの組合せ、(e)必要に応じて、第2の活性成分を口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させるステップ、ならびに(f)必要に応じて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップを含む方法を提供する。
【0020】
本発明はまた、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、(a)水、第1の活性成分、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、ならびに(d)必要に応じて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップを含む方法を提供する。
【0021】
本発明はまた、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、(a)水、第1の活性成分、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、(d)必要に応じて、第2の活性成分を口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させるステップ、ならびに(e)必要に応じて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップを含む方法を提供する。
【0022】
本発明はまた、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、(a)水、第1の活性成分、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、(d)口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを保管するステップ、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを輸送するステップまたはそれらの組合せ、(e)必要に応じて、第2の活性成分を口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させるステップ、ならびに(f)必要に応じて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップを含む方法を提供する。
【0023】
本発明はまた、(a)本明細書に記載されている口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス(口腔内溶解性フィルム剤)、または本明細書に記載されている方法により得られた口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス(口腔内溶解性フィルム剤)、および(b)封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システムを含むキットであって、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス(口腔内溶解性フィルム剤)が、封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システムに入れられている、キットを提供する。
【0024】
本発明はまた、それを必要とする対象に、活性成分を送達する方法を提供する。方法は、対象に、本明細書に記載されている口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、または本明細書に記載されている方法により得られた口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを経口投与するステップを含む。
定義
【0025】
用語、すなわち以下の用語は、特に指定しない限り、これらの用語に帰する意味を有する。
【0026】
用語「感湿性活性成分」とは、通常の周囲条件(例えば、約20℃)下、水または水分と反応する活性成分を指す。感湿性活性成分は、水または水分と直接接触すると、分解することができる。したがって、感湿性活性成分は、剤形の製造中に、水と直接接触するよう製剤化されないことが多い。これは、剤形の保管および輸送に伴う長期間の間の、水または水分との任意の直接接触にもあてはまる。
【0027】
用語「酸素感受性活性成分」とは、通常の周囲条件(例えば、約20℃)下、酸素と反応する活性成分を指す。酸素感受性活性成分は、酸素に直接接触すると、分解することができる。したがって、酸素感受性活性成分は、剤形の保管および輸送に伴う長期間の間、酸素と直接接触するよう製剤化されないことが多い。
【0028】
用語「pH感受性活性成分」とは、通常の周囲条件(例えば、約20℃)下、特定のpH範囲において分解しやすい活性成分を指す。したがって、pH感受性活性成分は、剤形の製造中に、特定のpH範囲となるよう製剤化されないことが多い。これは、剤形の保管および輸送に伴う長期間の間の、任意のpH範囲にもあてはまる。例えば、特定のpH感受性活性成分は、より低いpH範囲(例えば、7未満)で分解する傾向があり得る。そのようなpH感受性活性成分は、酸または酸性化合物との直接接触を回避すべきである。同様に、特定のpH感受性活性成分は、より高いpH範囲(例えば、7よりも高い)で分解する傾向があり得る。そのようなpH感受性活性成分は、塩基または塩基性化合物との直接接触を回避すべきである。
【0029】
用語「感熱性活性成分」とは、高温(例えば、約40℃よりも高い)で分解しやすい活性成分を指す。したがって、感熱性活性成分は、剤形の製造中に、高温で製剤化されないことが多い。これは、剤形の保管および輸送に伴う長期間の間の、任意の高温にもあてはまる。
【0030】
用語「光(UV)感受性活性成分」とは、通常の周囲条件(例えば、約20℃)下、光(UV)に長期間曝露されると分解しやすい活性成分を指す。したがって、光感受性活性成分は、剤形の製造中に、光(UV)と直接接触するよう製剤化されない(少なくとも、長期間の曝露ではない)ことが多い。これは、剤形の保管および輸送に伴う長期間の間の、光(UV)への任意の直接曝露にもあてはまる。
【0031】
用語「口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス」とは、口腔内における投与のために製剤化されて、所望の期間にわたり崩壊する、ポリマーフィルム剤マトリックスを指す。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1種または複数の活性成分を含有するように構成されている。口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された(例えば、活性成分を口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させることによる)後に、活性成分を添加することができる。活性成分は、代替的に、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの製造中に添加することができる(例えば、活性成分を含有するスラリーを形成し、続いて、硬化させてフィルム剤を形成することによる)。活性成分は、代替的に、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの製造中、および口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に、添加することができる。
【0032】
用語「速溶解結合剤」とは、口内に入れられると、比較的短期間で唾液に溶解することが可能な結合剤を指す。通常、速溶解結合剤は、口内に入れられると、20秒以内に溶解する。さらに、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス中に所望の量で存在する場合、速溶解結合剤は、唾液に効果的に溶解し、これにより唾液は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの残留部分(および、この中に存在する残留物質)を溶解および/または崩壊させることが可能となる。物質は、結合剤として、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの形成中および形成後に、その中に存在する(例えば、スラリー中に存在する)他の物質を結合し、使用前に口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを無傷のまま効果的に維持することが可能である。好適な速溶解結合剤の1つは、Kollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーおよびポリビニルアルコール(PVA))である。
【0033】
用語「フィルム形成性ポリマー」とは、口腔内フィルムを形成することが可能なポリマーを指す。通常、フィルム形成性ポリマーは、親水性および水溶性である。好適なフィルム形成性ポリマーの1つは、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))である。
【0034】
用語「水分含量」とは、物質(例えば、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス)中に存在する水の量を指す。水は、結合状態、非結合状態、またはそれらの組合せであり得る。その中に存在する水の量は、物質の重量パーセンテージとして都合よく表すことができる。
【0035】
用語「口腔」とは、これを介してヒトが食物を摂取し、音声を発する開口部を指す。口腔は、食物を受け、唾液を生成する消化管の第1の部分である。口腔粘膜は、口の内側を覆っている粘膜上皮である。
【0036】
用語「崩壊する」または「崩壊」とは、壊れるまたはばらばらになる物質(例えば、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス)を指す。物質は、凝集力または強度を失い、より小さい片に砕け得る。口内に入れられると、物質は唾液中でばらばらになる。用語「崩壊する」または「崩壊」は、物質が特異的にばらばら(例えば、より小さい片に砕ける)になり得ないが、口内に入れられると、単に唾液に溶解することができる程度の「溶解」という用語を包含する。そうである場合、特定の期間の溶解を有する物質は、その同じ特定の期間以下での崩壊も有することが理解される。
【0037】
用語「湿潤防止ポリマー」とは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス中に製剤化されている場合、水または水分が吸着されるのを実質的に防止するポリマーを指す。好適な湿潤防止ポリマーの1つは、Eudragit(登録商標)EPO(アミノアルキルメタクリレートコポリマー)である。
【0038】
用語「Kollicoat(登録商標)Protect」とは、水溶性Kollicoat(登録商標)IRとポリビニルアルコール(PVA)との組合せを指す。Kollicoat(登録商標)Protectは、ポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーおよびポリビニルアルコール(PVA)であり、BASF(Ludwigshafen、DE)から市販されている。この即時放出コーティング材料は、水に高度に不透過性であり、これにより、材料は感湿性活性成分に好適となり、製剤安定性を大きく向上させる。このポリマーは、容易に分離できない程度に互いにもつれ合っている。粉末は、良好な流動性を有しており、水に迅速に溶解する。Kollicoat(登録商標)Protectは、例えば、水分保護、安定性および味のマスキング効果をもたらす。
【0039】
用語「Kollicoat(登録商標)IR」とは、ポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)グラフトコポリマーを指す。Kollicoat(登録商標)IRは、BASF(Ludwigshafen、DE)から市販されている。
【0040】
用語「Eudragit(登録商標)EPO」とは、EUDRAGIT(登録商標)E100、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、タルク、二酸化ケイ素およびステアリン酸を含有する、調合済みの粉末を指す。Eudragit(登録商標)EPOは、Evonik(Essen、Germany)から市販されている。Eudragit(登録商標)EPO(EE)は、約150,000である平均相対分子質量を有する陽イオン性ポリマーを含み、これは、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-ジメチルアミノエチルおよびメタクリル酸メチルの共重合により調製される。メタクリル酸ジメチルアミノエチル基のメタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチル基に対する比は、約2~1:1である。したがって、Eudragit(登録商標)EPOは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む。Eudragit(登録商標)EPOは、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルをベースとする陽イオン性コポリマーである。化学名/IUPAC名は、ポリ(メタクリル酸ブチル-co-(2-デメチルアミノエエチル(demethylaminoeethyl))メタクリレート-co-メタクリル酸メチル)1:2:1である。
【0041】
用語「Eudragit(登録商標)E100」とは、2:1:1の比のメタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルをベースとする陽イオン性コポリマーを指す。モノマーは、コポリマー鎖に沿ってランダムに分布されている。SEC法に基づくと、EUDRAGIT(登録商標)E100;EUDRAGIT(登録商標)EPOおよびEUDRAGIT(登録商標)E12,5の重量平均モル質量(Mw)は、約47,000g/molである。Eudragit(登録商標)E100は、Evonik(Essen、Germany)から市販されている。
【0042】
用語「印刷表示」とは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス上に存在する任意の語または画像を指す。語は、例えば、文字、語、印、デザイン、ロゴ、記号、画像、製品名、活性成分、強度、製造会社名、販売会社名、製造会社のロゴ、販売会社のロゴ、使用指示書および製品の注意書きのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0043】
用語「対象」とは、ヒト、イヌ、ネコおよび他の哺乳動物などの生存生物を指す。本発明の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含まれる活性成分の投与は、対象の処置にとって有効な投薬量および期間で行われ得る。一部の実施形態では、対象はヒトである。別段の指定がない限り、ヒト対象は、男性または女性であり得、さらに成人、青年、子供、小児または幼児とすることができる。
【0044】
用語「経粘膜的」とは、本明細書で使用される場合、粘膜または粘膜表面を介する任意の投与経路を指す。例には、以下に限定されないが、頬内、舌下、鼻腔、膣および直腸が含まれる。
【0045】
用語「頬内投与」とは、局所投与経路であって、この経路によって頬内エリア(頬の内側)に保持または施用された薬物が、口腔粘膜(口の内を覆っている組織)に拡散して血流に直接入る、局所投与経路を指す。頬内投与は、薬が消化系を通過せず、それにより初回通過代謝を回避するので、経口投与に比べると、一部の薬物のより良好な生体利用率および作用のより迅速な開始をもたらし得る。
【0046】
用語「頬内空間」(頬筋空間とも称される)とは、頭頚部の筋膜空間(時として、筋膜組織空間または組織空間とも称される)を指す。それは、頬中の潜在的な空間であり、両側で対をなしている。頬内空間は、頬筋肉の表面、および広頸筋肉および皮膚の深くにある。頬内空間は、皮下空間の一部であり、これは、頭部からつま先までつながっている。
【0047】
用語「口腔粘膜」とは、口の内側を覆っている粘膜を指し、口腔上皮と呼ばれる層状扁平上皮、および固有層と呼ばれる下層結合組織からなる。口腔粘膜は、機能および組織学に基づいて、3つの主なカテゴリーに分けることができる:(1)舌背、硬口蓋および付着歯肉に見いだされる、ケラチン化した層状扁平上皮である咀嚼粘膜、(2)口腔内の他のほとんどすべての場所で見いだされる、ケラチン化していない層状扁平上皮である被覆粘膜:(a)頬内粘膜とは、頬の内側の被覆および口底を指し、被覆粘膜の一部であること;(b)口唇粘膜とは、唇の内側の被覆を指し、被覆粘膜の一部であること;および(c)歯槽粘膜とは、頬内粘膜と口唇粘膜との間の被覆を指すことを含む。口腔粘膜は、より明るい赤色で、滑らかで輝きがあり、多数の血管を有し、表皮突起によって下層組織に接続していない。さらに、(3)具体的には、一般的な感覚受容および味覚にとっての神経終末を含有する、舌の背表面にある舌乳頭の味蕾の領域の、特殊な粘膜。
【0048】
「舌の下」のラテン語に由来する用語「舌下投与」とは、これにより物質が舌の下の組織を介して血流に拡散する、薬理学的投与経路を指す。薬物が、舌の下の粘膜に接触すると、薬物は吸収される。上皮の下の結合組織は、多数の毛細血管を含有しているので、物質は、次いで、毛細血管に拡散して静脈の循環に入る。対照的に、腸に吸収された物質は、肝臓において初回通過代謝を受けた後に、全身循環に入る。舌下投与は、経口投与を上回るある特定の利点を有する。舌下投与は、より直接的なので、より速いことが多く、物質が、血流に入る前に唾液酵素によってのみ分解するリスクしかないのが確実となる一方、経口投与された薬物は、胃酸もしくは胆汁のいずれかによって、またはモノアミンオキシダーゼ(MAO)などの酵素によって、薬物が分解するリスクのある胃腸管の不適な環境の通過で残存しなければならない。さらに、そのような薬物は、胃腸管からの吸収後に、肝臓を通過しなければならず、ここで、薬物は、大幅に改変されることがある。これは、薬物代謝の初回通過効果として公知である。胃および腸の消化活性により、経口経路は、ある特定の物質には好適ではない。
【0049】
用語「歯肉投与」とは、物質が歯茎の組織を介して血液に拡散する、薬理学的投与経路を指す。歯茎または歯肉(gingiva)(複数:gingivae)は、口内の下顎および上顎の上にある粘膜組織からなる。
【0050】
用語「経腸投与」とは、ヒト胃腸管を介する薬物投与を指す。経腸投与は、食道、胃、ならびに小腸および大腸(すなわち、胃腸管)を含む。投与方法は、経口および直腸を含む。経腸投与は、GI管への入り口点に応じて、3つの異なる分類:経口(口による)、胃(胃による)および直腸(直腸から)に分けることができる。(胃への導入は、鼻腔経路(NG管)を介する管、または胃に直接至る腹部における管(PEG管)の使用を含む。直腸投与は、通常、直腸への坐剤を含む)。経腸薬は、例えば、嚥下する、咀嚼するまたは水に溶解する錠剤;カプセル剤およびチュアブルカプセル剤(胃または腸で溶解して、そこで薬を放出するコーティングを有する)、経口可溶性フィルム剤、時間放出または徐放性錠剤およびカプセル剤(これらは、薬を徐々に放出する)、浸透圧送達系、散剤または顆粒剤、ならびに液状薬またはシロップ剤を含めた、様々な形態で供給される。
【0051】
用語「経口投与」または「PO」とは、物質が口から摂取される投与経路を指す。多くの薬は、全身効果を有することが意図されており、血流を介して身体の様々な部分に到達するので、経口摂取される。
【0052】
用語「薬学的に許容される」とは、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしに、人間および動物の組織と接触して使用するのに好適な、妥当な医療的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合う、化合物、賦形剤、活性成分、材料、組成物および/または剤形を指す。
【0053】
単位剤形(例えば、口腔内溶解性フィルム剤)は、例えば、特定の疾患または障害の処置を必要とするヒト患者に投与され得る。本明細書に記載されている単位剤形内の活性成分の選択は、処置される特定の疾患または障害に依存する。The Physician's Desk Reference, 2018 Edition;The Merck Index, 15thEdition (2013) ;United States Pharmacopeia (USP) (2018) ;National Formulary asthe USP-NF (2018);およびthe International Pharmacopoeia (PharmacopoeiaInternationalis, Ph. Int.) (2017)は、特定の活性成分が、製品の上市および販売(例えば、米国または欧州内)に承認を受けた(例えば、米国FDAまたはEMAによる)疾患または障害の説明を提供する。したがって、当業者は、特定の目的の特定の疾患または障害の処置に基づいて、単位剤形内に存在する活性成分の選択の際のガイダンスのためのそのような参考文献を見ることができる(その逆も同様である)。
【0054】
用語「活性成分」は、任意の「薬物」、「生物活性剤」、「調製物」、「医薬」、「治療剤」、「生理的薬剤」、「栄養補給食品」または「医薬剤」を含むように使用され、疾患または障害の処置における使用のための物質を含む。栄養補助食品、ビタミン座位、機能性食物(例えば、生姜、緑茶、ルテイン、ガーリック、リコペン、カプサイシンなど)、カンナビノイドおよびテルペンも、この用語に含まれる。例えば、The Physician's Desk Reference, 2018 Edition;The Merck Index, 15thEdition (2013);およびUnited States Pharmacopeia (USP) (2018)などの標準参考文献は、特定の活性成分の説明を提供する。
口腔内溶解性フィルム剤
【0055】
口腔内溶解性フィルム剤(代替的に、ODF、口腔内フィルム剤、口腔内溶解性フィルムストリップ剤、可食性フィルム剤、可食性ストリップ剤、口腔内フィルムストリップ剤、経口薬ストリップ剤、頬内フィルム剤、舌下フィルム剤、経口可溶性フィルム剤などとして公知である)とは、フィルム剤が口腔に投与され、所望の期間にわたり崩壊する単位剤形を指す。
【0056】
用語「口腔内溶解性フィルム剤」とは、経口投与用に特別に構成され、製剤化され、かつ好適なフィルム剤を指す。口腔内溶解性フィルム剤は、可食性および/または摂取可能な1種または複数の薬学的に許容される成分から構成される単位剤形である。口腔内溶解性フィルム剤は、多方向または一方向放出するよう構成され得る。口腔内溶解性フィルム剤は、経口投与用に、サイズおよび形状が郵便切手に類似して設計されており、ユーザーは、舌の上(経腸)もしくは舌の下(舌下)に、頬の内側(頬内)に対して、または歯茎(歯肉)上にストリップ剤を置く。腸経路とは別に、これらの薬物送達の選択肢により、薬は、初回通過代謝を迂回することが可能となり、これにより、薬をより生体利用可能にする。フィルム剤が溶解すると、薬物は、経腸で、頬内で、歯肉で、または舌下で血流に入ることができる。したがって、口腔内溶解性フィルム剤は、唾液と接触すると、口腔(例えば、舌の下)で溶解し、溶解により薬物を体循環に送達する。したがって、口腔内溶解性フィルム剤による薬物送達は、口中(頬内で、舌下でまたは歯肉内で)での吸収により、および/または小腸(経腸で)により、薬物を投与するための溶解フィルム剤マトリックスを使用する。とりわけ、初回通過効果により大幅に代謝される薬物の場合、本明細書に記載されている口腔内溶解性フィルム剤は、より迅速な作用およびより良好な吸収プロファイルの機会を実現する。
【0057】
全身性送達(例えば、経粘膜送達)が望ましい場合、処置部位は、本明細書に記載されている粘着フィルム剤が、血中、リンパ液または他の体液中で医薬品の所望のレベルを維持することが可能である、任意のエリアを含むことができる。通常、そのような処置部位は、口腔粘膜(例えば、舌の上、舌の下、歯茎に対して、頬に対してなど)を含む。
【0058】
本明細書に記載されている口腔内溶解性フィルム剤は、フィルム形成性ポリマー、結合剤、溶媒および1種または複数の活性成分(例えば、第1の活性成分、第2の活性成分またはそれらの組合せ)から形成されるポリマーマトリックスを含む。口腔内溶解性フィルム剤を製造するために使用される必要に応じた追加の賦形剤(代替的に、「添加物」と称される)には、例えば、可塑剤、充填剤、増量剤、唾液分泌促進剤、安定化剤および増粘剤、ゲル化剤、着香剤、味マスキング剤、着色剤、顔料、滑沢剤、放出改変剤、アジュバント、甘味剤、可溶化剤および乳化剤、フレグランス、乳化剤、界面活性剤、pH調整剤、緩衝化剤、脂質、流動促進剤、安定剤、抗酸化剤、粘着防止剤、保湿剤、ならびに保存剤のうちの1種または複数が含まれ得る。口腔内フィルム剤の製剤化に使用することができる好適な賦形剤は、例えば、Lachman, et al., "The Theory and Practice of IndustrialPharmacy," 4th Edition (2013);Rowe et al., "Handbook ofPharmaceutical Excipients," 8th Edition (2017);およびRemington, "The Scienceand Practice of Pharmacy," 22nd Edition (2015)に記載されている。規制の観点から、本明細書に記載されている口腔内フィルム剤の製剤化に使用される賦形剤はすべて、好ましくは、経口用医薬剤形における使用が承認されているべきである。
【0059】
特定の実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤である。そのような実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、フィルム剤マトリックスが口腔に投与されて、所望の期間にわたり崩壊する単位剤形である。しかし、代替的な具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤であり得るが、単位剤形で必ずしも存在する必要はない。例えば、一部の実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、必ずしも所望の表面積のサイズにされないが、長期間、保管することができるロール(代替的に、バルクロールとして公知)として存在してもよい。追加的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、必要に応じて、第1の活性成分を含むことができるが、後で第2の活性成分を含ませるよう製剤化および構成されてもよい。
【0060】
したがって、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスと口腔内溶解性フィルム剤との間の区別は、具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが任意の活性成分も含有しなくてもよく、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが第1の活性成分を含有し得るが第2の活性成分を含有しなくてもよく、および/または口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが、単位剤形で存在していなくてもよい(例えば、所望の表面積のサイズにされていなくてもよい)ように行うことができる。しかし、本明細書に記載されている通り、具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤であり得る。例示的な実施形態は、以下に例示されている。
【表1】
【0061】
口腔内溶解性フィルム剤の包装
包装を考慮することは、剤形の保管、保護および安定性にとって重要である。口腔内溶解性フィルム剤のための包装は、通常、ホイル紙またプラスチック製パウチ、単一パウチ、アルミニウム製パウチ、多回単位を含むブリスター包装、およびバリアフィルムを含む。バリアフィルムは、非常に感湿性の高い薬物に最も一般的に使用される。具体的な実施形態では、包装は、子供用安全性(例えば、子供用安全ホイル包装または子供用安全ポリエステル/ホイル積層パウチ)である。封止パウチから作製されている一次包装は、ロゴ、コード、指示書、強度または他の情報のための十分な空間を設ける。フィルムは、積層プロセスにより製造され得る。
【0062】
望ましいことに、一連の口腔内溶解性フィルム剤が、特定の治療に応じて、処方レジメンまたは処置(例えば、10~90日間の供給)に従って一緒に包装され得る。個々のフィルムが裏側に包装されて、使用のために剥がすことができる。具体的には、各フィルムは、パウチ、またはホイルおよび/もしくはプラスチック製ラミネートシートの間に個別に包まれ得る。代替的に、個々のフィルムは、互いに直接接触するよう包装され得る(例えば、フィルムは、互いに上に積み重ねられる)。例えば、粉末コーティング剤の使用により、個々のフィルムが、互いに張り付く、または付着する可能性を低減することができる。一緒に包装される多重フィルムを、ディスペンサー(例えば、カセット)内に置くことができる。そのようなディスペンサーは、所期の治療のために、通常、処方された薬の全供給分を含有することができるが、フィルムおよび包装の薄さにより、錠剤、カプセル剤および液剤に使用される従来的なボトルよりも小さく、かつ便利になる可能性が高い。
口腔内溶解性フィルム剤の投与
【0063】
一般に、口腔内溶解性フィルム剤は、指示書および/または処方を行う開業医により、示されている通りに投与される。好ましくは、口腔内溶解性フィルム剤は、任意の傷口または病変を有する口のエリアに施用されるべきではない。口腔内溶解性フィルム剤は、包装の封止部が破られている、または口腔内フィルム剤が裁断もしくは破損された場合もやはり使用されるべきではない。好ましくは、口腔内溶解性フィルム剤は、清浄で乾燥した手で、密封されている包装から取り出した直後に施用される。処方指示書にはまた、患者が口腔内溶解性フィルム剤全体を使用すること、およびフィルム剤を裁断または引き裂くべきではないことが示されていることがある。
【0064】
舌の上部に施用するよう設計されている口腔内溶解フィルム剤は、経腸経路により活性成分を効果的に送達することができる。患者は、通常、口を湿らせるために水を飲む。これは、フィルム剤が張り付き、より容易に溶解する一助となり得る。次いで、口腔内溶解フィルム剤は、舌の上部に置かれ、ここで、水と共にまたは水なしで溶解し、嚥下される。
【0065】
頬内フィルム剤は、活性成分の経粘膜送達を実現する。口腔内溶解性フィルム剤が頬内フィルム剤である場合、患者は、通常、頬の内側を湿らせる、または水で口をゆすいで、頬内フィルム剤を置くためのエリアを湿らせる。これは、フィルム剤が張り付き、より容易に溶解する一助となり得る。次いで、頬内フィルム剤は、頬の内側に対して施用され得る。
【0066】
頬内フィルム剤の全体が、清浄な乾燥した指で、約5秒間、所定の位置に保持されて、次いで、完全に溶解するまで頬の内側の所定の位置に放置される。好ましくは、頬内フィルム剤は、舌または指で操作されるべきではない。頬内フィルム剤は、湿った頬内粘膜に付着して、施用後、完全に溶解するはずである。好ましくは、頬内フィルム剤が溶解するまで、食物または飲料の摂取はやはり回避されるべきである。頬内フィルム剤は、かみ砕かれる、または嚥下される場合、指示されている通りに使用した場合よりも、ピーク血漿中濃度が低く、かつ生体利用率が低くなる恐れがある。
【0067】
口腔内溶解性フィルム剤が舌下フィルム剤である場合、患者は、通常、口を湿らせるために水を飲むこれは、フィルム剤が張り付き、より容易に溶解する一助となり得る。次いで、舌下フィルム剤は、中央部の左側または右側のいずれかの底部に近い舌の下に施用され得る。舌下フィルム剤の全体が、完全に溶解するまで、所定の位置に保持され得る。好ましくは、舌下フィルム剤は、舌または指で操作されるべきではない。舌下フィルム剤は、湿った舌下粘膜に付着して、施用後、完全に溶解するはずである。好ましくは、舌下フィルム剤が溶解するまで、食物または飲料の摂取はやはり回避されるべきである。舌下フィルム剤が、かみ砕かれる、または嚥下される場合、指示されている通りに使用した場合よりも、ピーク血漿中濃度が低く、かつ生体利用率が低くなる恐れがある。
投薬量
【0068】
活性成分は、「治療有効量」で口腔内溶解性フィルム剤に好ましくは存在する。用語「治療有効量」または「有効量」は、(i)特定の疾患、状態もしくは障害を処置または予防する、(ii)特定の疾患、状態もしくは障害の1つもしくは複数の症状を弱める、回復させるもしくはなくす、または(iii)本明細書に記載されている特定の疾患、状態もしくは障害の1つもしくは複数の症状の発病を予防または遅延させる、口腔内溶解性フィルム剤に存在する活性成分の量を意味する。
【0069】
活性成分が、口腔内溶解性フィルム剤に導入される場合、単位面積あたりの活性成分の量は、口腔内フィルム剤の一様な分布により決定される。例えば、口腔内溶解性フィルム剤が、個々の単位剤形として存在するので、単位剤形中の活性成分の量は、非常に高い精度で分かり得る。これは、所与の面積における活性成分の量が、口腔内フィルム剤の別の部分における同じ寸法(すなわち、長さおよび幅)の面積における活性成分の量と実質的に同一であるために実現される。投薬量の精度は、活性成分の精密かつ正確な量が望ましい場合に、特に有利である。
【0070】
本明細書に記載されている口腔内溶解性フィルム剤は、幅広い範囲の量の活性成分を収容することが可能である。したがって、フィルム剤は、必要な投薬量が多いか少ないかに関わらず、比較的正確かつ精密な投薬量(フィルム剤のサイズおよびスラリー中の活性物の濃度により決定される)を提供することが可能である。例えば、本明細書に記載されている口腔内溶解性フィルム剤は、最大で約10mg/cmの活性成分を含むことができる。
製造方法
【0071】
口腔内溶解フィルム剤の製造は、(1)キャスティング(例えば、溶媒ティングまたは半固体ティング)、(2)押出成形(例えば、ホットメルト押出成形または固体分散)、および(3)圧延などの様々な方法によって行うことができる。具体的な加工パラメーターは、所望の製品規格に基づいて選択され得る。好ましい実施形態では、方法は、以下に記載されているものを含み、好ましくは米国FDAの製造管理および品質管理に関する基準(GMP)のガイドラインに従う。
【0072】
手短に述べると、口腔内溶解性フィルム剤を製造する方法は、(1)原料を調剤して、調剤成分を得るステップ、(2)調剤成分を混合して、混合成分(「スラリー」または「生成物」と一般に称される)を得るステップ、(3)スラリーを硬化させて、仕掛品(WIP)製品(「バルクロール」と一般に称される)を得るステップ、および(4)バルクロールを変換し、包装して、包装製品を得るステップを含むことができる。代替的に、(5)仕掛品(WIP)製品(「バルクロール」)の包装は、バルクロールが市販されるように行われ得る。
【0073】
原料を調剤して、調剤成分を得るステップは、通常、製品に使用される原料を秤量するステップを含む。調剤することは、好ましくは、清浄および消毒された機器を用いて行われる。さらに、使用のための原料の容器はすべて、使用前に、好ましくはきれいに拭かれる(例えば、70%v/vエチルアルコールで)。原料は、好ましくは、ドラフト内の調剤室の内部から、一度に1つずつ調剤され、部屋に他の原料は存在しない。交差汚染から保護するため、各原料を秤量する間に、グローブを好ましくはきれいに拭く(例えば、70%v/vエチルアルコールで)。1つの回分の秤量を完了した後、および別の回分の成分を秤量する前に、表面、卓上、秤などのすべてが好ましくは清浄される。好ましくは、特定の回分用の各成分が秤量された後に、標識した容器に入れられて、密封される。密封容器内に含有される成分は、直ちに使用され得るか、または使用前に、長期間(例えば、最大約1か月間)、段階分けされ得る。
【0074】
調剤成分を混合して、混合成分を得るステップは、通常、高せん断ミキサーの使用を含む。例えば、ミキサーは、例えば、Rodem(登録商標)(Cincinnati、OH)から市販されている、Scott Turbonミキサーとすることができる。通常、類似した容量の2つのミキサーシステムをこの製造プロセスに使用することができる。一方のシステムは携帯式であり、他方は、固定され得る。混合することは、好ましくは、清浄および消毒された機器を用いて行われる。
【0075】
携帯式システムは、モーター(例えば、10amp)および混合用ヘッド(例えば、タイプA)を取り付けた1つの全体がステンレス鋼製のジャケットのない混合用容器(例えば、60ガロン)を含むことができる。固定システムは、モーター(例えば、20amp)およびミキサーヘッド(例えば、タイプA)を備えた、床に取り付けられた、ベルト型で油圧リフト式の、全体がステンレス鋼製のシステムとすることができる。2つの容器は、固定システムの一部とすることもできる。1つはジャケット付き槽(例えば、50ガロン)、および1つはジャケットなし槽(例えば、60ガロン)。どちらのミキサーも、例えば、60Hzの範囲にわたり出力調整部を備える、Allen Bradley可変周波数駆動(VFD)により制御され得る。
【0076】
混合する前に、調剤成分を加熱または冷却することができる。さらに、混合中、調剤成分を加熱または冷却することができる。代替的に、調剤成分を混合することは、ほぼ室温で行うことができる。
【0077】
成分は、好適な混合速度で、および任意の好適な期間にわたって、任意の好適な順序でミキサーに加えることができ、ただし、混合することが完全に行われ得ること、および混合成分が効果的に得られることを条件とする。
【0078】
好ましくは、調剤成分を混合することは、さらなる加工を可能にする粘度で一様かつ均質な溶液(混合成分またはスラリー)が得られるような混合速度、温度およびある期間行われる。
【0079】
混合成分またはスラリーが得られると、これは、直ちに使用され得る、保持用容器に移され得る、または後で加工するために混合用槽中に置かれたままとすることができる(好ましくは、溶媒喪失を制御するために覆われる)。
【0080】
使用後、および回分間に、混合機器(例えば、ミキサー)は、好ましくは、清浄、すすぎ、消毒、および乾燥される。任意の好適な清浄用製品が使用され得る。例えば、MP Biomedicals(Santa Ana、California)から入手可能な7×クリーニング用溶液100mlを混合用槽に使用することができる。好ましくは、清浄した後に、排出および米国薬局方の精製水ですすぐ。好ましくは、すすいだ後に、70%v/vエタノールで外部および内部表面を拭くことを含み得る消毒を行う。
【0081】
スラリーを硬化させて、仕掛品(WIP)製品(「バルクロール」)を得るステップは、通常、乾燥および硬化システムなどの適切な機器の使用を含む。好適な乾燥および硬化システムの1つは、Advanced Systems,Inc.(ASI)(Green Bay、WI)から入手可能なASI Dryerシステムである。スラリーを硬化することは、好ましくは、清浄および消毒された機器を用いて行われる。
【0082】
ASI Dryerシステムは、3つの主要構成要素:(1)巻出しステーション、(2)乾燥器、(3)巻取りステーション、ならびに(4)巻出し引張式ロールシステムおよびポンプカートを備える精密モジュラーコーティングヘッドを含む。巻出しステーションは、張力を自動制御する。コントローラーは、ロール直径に関わりなく、ウェブ張力を維持する。トルクは、摩擦ブレーキによって制御される。カンチレバー付きエアシャフトは、強固な軸受け筐体によって支持されている。乾燥器は、専用供給ファンを含む、内部プレナム部を備える、シングルゾーン高効率浮選乾燥システムである。供給ファンは、必要に応じて施用するための、所定のノズル出口速度で空気棒に空気を供給する。これらの空気棒を使用して、スラリーの乾燥(硬化前および/または硬化後の「生成物」とも称される)と乾燥器中でのウェブの支持/運搬の両方を行う。巻取りステーションは、乾燥器の後に生成物を集める。自動エッジ案内システムが、プロセスを通じて、ウェブを適切に案内する。デュアル式エアシャフトは、カンチレバー付きであり、強固な軸受け筐体によって支持されている。
【0083】
硬化プロセスに関しては、手短に述べると、基材は、最初に、巻出しステーションに入ることができる。次いで、基材は、生成物押出成形器に進む。基材は、スラリーでコーティングされると、次いで、スラリーが少なくとも部分的に硬化される乾燥器へと進むことができる。具体的な実施形態では、基材は、スラリーが本質的に完全に硬化される乾燥器へと進むことができる。硬化した生成物が乾燥器を出ると、水分分析器によって試料の水分含量を測ることができる。所望の場合、粉末コーティング剤(粉末ディスペンサーの使用により)を硬化した生成物の表面に施用することができる。次いで、硬化した生成物は、バルクロールへと巻き戻され得る。
【0084】
通常、基材のロールは、巻出しステーションに置かれ、ラインに張力をかける。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはシリコン加工紙などの任意の好適な基材を使用することができる。PETは、生成物をコーティングし、乾燥する場合、基材として使用されるポリエステルファミリーの熱可塑性ポリマー樹脂である。同様に、シリコン加工紙は、両側がポリエチレンで製造され、生成物をコーティングおよび乾燥する場合、基材として使用される片側にケイ素ポリマーでコーティングされた安定な剥離紙である。
【0085】
基材は、巻出しステーション、次いでに、生成物押出成形器、次いでに乾燥器に通され得る。粉末ディスペンサーが、必要に応じて、その上と巻取り器との間に存在し得る。適用可能な場合、基材は、次いで、粉末アプリケーターに通され得る。水分分析器が、必要に応じて、オーブンと粉末ディスペンサーとの間に存在し得る。所望の場合、試料の水分含量は、水分分析器によって測ることができる。次いで、基材は、巻取りステーションに通され得る。
【0086】
生成物は、押出成形器に適用され、ここで、基材がこの生成物でコーティングされる。ナイフが、必要に応じて、生成物押出成形器の上に存在し得る。生成物の水分含量および重量は、モニタリングされ得る。生成物重量および水分は、バルクロールに変換する後のステップに関する情報を提供するため、先行指標として乾燥プロセス全体にわたり検査される。
【0087】
使用後、および回分間に、硬化機器(例えば、乾燥および硬化システムの押出成形器)は、好ましくは、清浄、すすぎ、消毒および乾燥される。任意の好適な清浄用製品が使用され得る。例えば、MP Biomedicals(Santa Ana、California)から入手可能な7×クリーニング用溶液100mlを押出成形器ボックスに使用することができる。CIP100およびCIP200などのさらなる市販のクリーニング剤が、例えば、Steris(Minneapolis、MN)から入手可能である。好ましくは、清浄の後に、排出および水ですすぐ。好ましくは、すすぎの後に、70%v/vエタノールで外部および内部表面を拭くことを含むことができる消毒を行う。
【0088】
適切な硬化パラメーター(例えば、硬化温度、乾燥器を通るコーティングされた基材の速度など)は、所望の生成物の規格およびスラリーのレオロジーに基づいて選択することができる。例えば、オーブン内部の空気温度は、約100°F~約350°Fとすることができる。さらに、空気ノズル速度は、1秒あたり約3000フィート~1秒あたり約7000フィートに設定することができる。同様に、乾燥器を通るコーティングされた基材の速度は、スラリーの固体含量、厚さおよび残留水分の目標値に応じて、1分あたり最大で約6フィート(fpm)とすることができる。
【0089】
変換前の硬化した生成物(バルクロール)は、変換機械の能力に応じて特定のウェブ幅を生成するよう縁部が整えられる、切り込みプロセスに供される。このプロセスは、いかなる縁部または収縮欠陥も取り除き、特定の長さおよび幅の測定値に、正確にロールを裁断することが可能となる。
【0090】
バルクロールを変換および包装して、包装製品を得るステップは、通常、例えば、Delta ModTech(Minneapolis、Minnesota)またはOptima Machinery Corporation(Green Bay、Wisconsin)から市販されている、DeltaModTech PressまたはDoyen変換および包装機械などの適切な機器の使用を含む。バルクロールを変換および包装することは、好ましくは、清浄および消毒された機器を用いて行われる。
【0091】
手短に述べると、変換および包装することは、(1)事前清浄、(2)ラミネートの設置、(3)生成物ロールの設置、(4)変換、(5)サシェ形成、(6)加熱封止、および(7)後清浄を含むことができる。変換プロセスを開始する前に、すべての生成物の接触表面(例えば、Hartnett Gravureプリンターローラー、ローラーおよびダンサーアーム、マルチレーン切り込みアセンブリー、スリッターアンビル、レーン拡散アセンブリー、シュートおよびガイドローラー、クラッシュカットナイフステーション、カッティングブレードならびに真空アンビルのすべてを含む、剥離ライナー縁部巻取りユニット)は、好ましくは、70%v/vエタノールで拭かれ得る。
【0092】
事前清浄後、製品情報を含む印刷ラミネートおよび生成物ロールが、変換器に搭載され、機械に通され得る。機械がラミネートで適切に設定された後に、試験を行い、サシェの適切な配列、第1の物品試験および裁断による完全な封止を確認することができる。首尾よく設定した後、生成物ロールの加工を行って、ラミネートの前部分と後部分との間で封止された個々のストリップ剤を生成することができる。サシェ上へのロット番号付けおよび使用期限付けに、レーザーまたは熱プリンターを使用することができる。さらに、ロットおよび使用期限に、2Dバーコード、GTIN番号およびISO標識付けを使用してシリアル化を行うことができる。
【0093】
コーティングされた基材は、所望の寸法に裁断することができる。好ましくは、所望の寸法は、単位剤形(例えば、2インチ×3インチの口腔内溶解性フィルム剤)として患者への投与に好適である。代替的に、バルクロールは、さらに加工するため、または市販するため、気密バッグに入れ、密封することができる。
【0094】
使用後、および回分間に、変換および包装機器は、好ましくは、清浄、すすぎ、消毒および乾燥される。任意の好適な清浄用製品が使用され得る。例えば、MP Biomedicals(Santa Ana、California)から入手可能な7×クリーニング用溶液100mlを使用することができる。好ましくは、清浄の後に、水ですすいで残留物を除去する。好ましくは、すすぎの後に、70%v/vエタノールで外部および内部表面を拭くことを含むことができる消毒を行う。
【0095】
例えば、変換および包装機器の以下の部品が清浄および消毒され得る:Hartnett Gravureプリンター、縁部巻取り部の上に位置するスプライシングテーブル、ローラーおよびダンサーアームを含む縁部巻取り部エリア、ローラーと連動したマルチレーン切り込みアセンブリーおよび第2のダンサーアーム、スリッター、切り込み溝、スリッターアセンブリーの後に位置する製品引き抜きホイール、レーン拡散アセンブリー、シュート、無張力ループ器具、ガイドローラー、クラッシュカットナイフステーション、カットオフブレード、ブレードバッキングプレート、ブレードホルダー、ブレード、強化真空アンビル、回転式せん断スリッター、ならびに切り込みブレード。
特徴付けおよび評価
【0096】
口腔内溶解性フィルム剤は、一旦製造されると、流通され、対象により最終的に消費される世界市場に参入することができる。世界市場に参入する前に、口腔内溶解性フィルム剤の回分試料は、所望の審美的および性能特徴、ならびに任意の所望の機械的特性を有することを確実にするために、特徴付けおよび評価することができる。規制の観点から、口腔内溶解性フィルム剤は、関連する規制要件およびガイドラインに一致して、特徴付けおよび評価することができる。
感覚受容性の評価
【0097】
このin vivoでの味評価は、ヒト志願者に対して行う。in vivoでの技法は、製品の味および食感を分析する。
安定性
【0098】
安定性は、長期間の加速安定性条件下で行うことができる。典型的なプログラムは、1つまたは複数(例えば、1~8つ)の保管条件を含み、温度は、室温(19℃)~高温(例えば、25~80℃)の範囲、および相対湿度は、10~75%相対湿度(RH)の範囲である。
【0099】
好適な加速安定性条件は、例えば、25℃/60%RH、30℃/65%RHおよび40℃/75%RHを含む。試料は、長期間(例えば、3、6または9か月)の選択した安定性条件下で保管することができる。次いで、薬物製品安定性は、標準分析手順利用して得ることができる。例えば、溶媒に試料を溶解し、その中に存在する活性成分および/または不純物(例えば、洗剤)の定性的および定量的存在を測定することによる。これは、通常、標準分析機器(例えば、ガスクロマトグラフィーおよび質量分析)を利用して行うことができる。
引張強度
【0100】
引張強度は、フィルム剤の破壊時にかかる最大応力として定義される。基本的に、この試験は、フィルム剤の機械的強度を測定するために行われる。引張強度は、以下の方程式で与えられる、破裂時にかかる負荷をストリップ剤の断面積により除算して算出することができる:
引張強度=(破損時の負荷/ストリップ剤の厚さ×ストリップ剤幅)×100
水分の取り込みおよび水分喪失
【0101】
水分喪失率は、フィルム剤の吸湿性を決定するパラメーターである。通常、このパラメーターは、フィルム剤の初期重量を最初に見つけ、その後に、3日間、デシケーター中にこのフィルム剤を置くことにより決定する。デシケーターは、乾燥剤(例えば、炭酸カルシウム)を含有することができる。長期間(24時間、1日間、3日間など)後、ストリップ剤を取り出し、再度秤量する。水分喪失は、以下の式(Yellankiら、2011年)を適用することによって決定する。
水分喪失パーセンテージ=初期重量-最終重量/初期重量×100
【0102】
フィルム剤の水分の取り込みは、必要に応じて、フィルム剤を所望の寸法(例えば、2×2cm)のサイズにして決定する。後に、これらのストリップ剤は、長期間(例えば、最大で7日間)、室温で指定の相対湿度(例えば、60%、75%、90%など)を有する環境に曝露される。水分の取り込みは、ストリップ剤の重量増加率として決定される(A.P. Gorle, S.G. Gattani;"Design and evaluation of polymericocular drug delivery system;" Chem. Pharm. Bull., 57 (2009), pp. 914-919)。
含量均質性:
【0103】
フィルム剤の含量は、様々な薬局方で個々の薬物に対して指定された標準アッセイ法によって決定される。この試験は、分析技法を使用して、20の試料で行うことができる。試験の合格判定値は、日本薬局方に従い、15%未満とすることができる。米国薬局方27によれば、含量は、6%未満またはそれに等しい標準偏差で、85%~115%以下の範囲であるべきである(H. Chaudhary, S. Gauri, P. Rathee, V. Kumar; "Development andoptimization of fast dissolving orodispersible films of granisetron HCl usingBox-Behnken statistical design;" Bullet. Faculty Pharm., 51 (2013), pp.193-201)。含量均質性は、個々のフィルム剤中の薬物含量を推定するために役立つ(B. Bhyan, S. Jangra, M. Kaur, H.Singh; "Orally fast dissolving films: innovations in formulation andtechnology;" Int. J. Pharm. Sci. Rev. Res., 9 (2011), pp. 9-15)。
速度または受食性
【0104】
本明細書で使用する場合、用語「受食性速度」または「浸食速度」とは、口腔内溶解性フィルム剤から活性成分が放出される時機(放出プロファイル)、および経時的な口腔内溶解性フィルム剤自体の浸食の時機(口腔内フィルム剤の寿命または滞留時間)を指す。本明細書に記載されている通り、受食性速度は、口腔内溶解性フィルム剤中の成分のタイプおよび量、口腔内溶解性フィルム剤の厚さおよび層の数、ならびに口腔内溶解性フィルム剤中の添加物または賦形剤などの要因に基づく。口腔内溶解性フィルム剤の構成成分がすべて、非常に水溶性である場合に、受食性速度は、溶解速度とかなり類似する。
【0105】
本明細書に記載されている口腔内溶解性フィルム剤の滞留時間は、製剤中で使用される水受食性ポリマーの浸食速度、およびそれらのそれぞれの濃度に依存する。施用に際し、水の吸収は、口腔内溶解性フィルム剤を軟化させ、これにより、異物感が消える。組成物は粘膜表面にあるので、口腔内溶解性フィルム剤は、活性成分の送達を起こしながら浸食する。口腔内溶解性フィルム剤は、所望の滞留時間および放出プロファイルを実現するよう、溶解速度に基づいて選択される可溶性ポリマーを含む。
【0106】
浸食速度は、例えば、構成成分を様々な溶解度特徴のもしくは化学的に異なるポリマーと一緒に混合することによって、異なる分子量グレードの同じポリマーを使用することによって、または様々な親油性値もしくは水溶解度特徴の賦形剤もしくは可塑剤(本質的に不溶性構成成分を含む)を使用することによって調整することができる。これらの戦略は、口腔内フィルム剤の浸食速度を改変するため、単独でまたは組み合わせて用いられてもよい。
【0107】
滞留時間は、選択された活性成分の送達の所望の時機および担体の所望の寿命に応じて、幅広い範囲にわたり調整され得る。しかし、一般に、滞留時間は、約数秒~約数時間の間でモジュレートされる。好ましくは、口腔内溶解性フィルム剤が、口腔内薄層フィルム剤である場合、滞留時間は、約5秒~約3分間に調整される。より好ましくは、滞留時間は、約10秒~約2分間に調整される。薬物送達を提供することに加えて、口腔内溶解性フィルム剤が口腔に置かれると、必要に応じて粘膜表面に付着し、処置部位への保護をもたらし、受食性包帯として作用することができる。
【0108】
特定の理論に拘泥されることを望むものではないが、本明細書に記載されている口腔内溶解性フィルム剤の粘着特性は、ポリマー鎖の絡み合い、および粘膜表面のグリコタンパク質との相互作用の結果であると考えられる。鎖および側鎖基および架橋剤を含めた、生体接着性ポリマーの化学的性質により、物理的絡み合い、ファンデルワールス相互作用および水素結合などの、粘膜構成物とポリマーとの間に相互作用が生じる。
【0109】
口腔内溶解性フィルム剤のマトリックスは、一般に、3つの主要クラス:(1)即時溶解、(2)中程度の溶解、および(3)緩徐溶解に分類され、それらのそれぞれが、フィルム剤のマトリックスが溶解するのにかかる時間を特徴付ける。即時溶解用マトリックスは、一般に、最大で約60秒で溶解し、通常、約20秒未満である。緩徐溶解用マトリックスは、一般に、45分間よりも長く溶解し、通常、約60分よりも長い。中程度の溶解用マトリックスは、即時溶解用マトリックスと緩徐溶解用マトリックスとの間に収まる傾向がある。
【0110】
口腔内溶解性フィルム剤の活性成分は、一般に、3つの主要クラス:(1)即時溶解、(2)中程度の溶解、および(3)緩徐溶解に分類され、それらのそれぞれが、フィルム剤の活性成分部分が溶解するのにかかる時間を特徴付ける。即時溶解活性成分は、一般に、最大で約60秒で溶解し、通常、約30秒未満である。緩徐溶解活性成分は、一般に、30分間よりも長く溶解し、通常、約45分間よりも長い。中程度の溶解活性成分は、即時溶解活性成分と緩徐溶解性成分との間に収まる傾向がある。
崩壊時間
【0111】
口腔内崩壊性フィルム剤の崩壊時間を決定するために利用可能な公式なガイドラインは存在しない(B. Bhyan, S. Jangra, M. Kaur, H. Singh; "Orally fast dissolvingfilms: innovations in formulation and technology;" Int. J. Pharm. Sci.Rev. Res., 9 (2011), pp. 9-15)。しかし、公式な薬局方に言及されている崩壊装置を、フィルム剤の崩壊時間を決定するために使用することができる。大部分の場合、米国薬局方の崩壊装置が、この試験に使用されることが多い。通常、崩壊時間は、製剤により変動するので、フィルム剤の組成の関数である。口腔内薄層フィルム剤の崩壊時間および溶解時間を決定するために使用したいくつかの試験が本明細書の以下に提供されている。
崩壊および溶解試験
【0112】
本明細書に記載されている口腔内溶解性フィルム剤は、短いin vitroでの崩壊時間(例えば、およそ最大で約60秒)で、口腔内で迅速に崩壊する剤形であると考えられる。現在、米国薬局方(USP)も欧州薬局方もOTFに関する特定の崩壊試験を規定していない。
【0113】
米国薬局方崩壊試験<701>は、in vivoで見いだされる口腔の条件とは大きく異なる条件をもたらす、約900mLの水の崩壊用媒体および激しく振動する装置を使用しているので、この試験からの結果は、口内におけるin vivoでの崩壊時間と強い相関関係をもたらさないと考えられる。米国薬局方29(米国薬局方(USP)Convention、Rockville、MD)2670~2672頁における<701>崩壊を参照されたい。米国薬局方崩壊試験<701>は、口腔内溶解性フィルム剤の崩壊時間に関して、良好なin vitro-in vivo相関関係(IVIVC)をもたらさない。使用されている実験条件は、濡れた舌表面の状態または所与の時間における口内の唾液量をシミュレートしていない。したがって、これらの特定の特質を有するODFの崩壊時間を評価するための単純な代替方法を用いることが望ましい:
・ 試験条件は、口内、具体的には濡れた舌の表面および唾液の量の生理的条件を厳密にシミュレートする。
・ 様々な操作者による良好な再現性
・ 合理的なIVIVC
・ 剤形がOTFとして標識されるべきかを見極めるための迅速なスクリーニングツールとして好適。
【0114】
現在、口内でのin vivoでの崩壊時間を表す、OTFの崩壊時間を評価するための米国薬局方のin vitro方法はない。したがって、任意のそのような米国薬局方のin vitro方法の非存在下で、米国薬局方崩壊試験<701>の修正形態を開発し、用いることができる。
【0115】
以下に提供される提案試験方法は、最小限の機器を必要とし、その結果、それらにより、精査する科学者が、実験室の設定において、FDAによる承認のために提出されるODFの崩壊および/または溶解を評価することが可能となる。それらはまた、剤形がODFとして適切に標識されているかどうかを精査する科学者が決定するための迅速なスクリーニングツールとして働くこともできる。
【0116】
適切な崩壊または溶解試験の選択は、例えば、具体的な製品、製品の溶解または崩壊の速度などに応じて、様々となり得る。例えば、とりわけ、規制物質を用いた場合(その製造、所有または使用が、米国連邦政府の麻薬取締局により規制されている薬物)、以下の崩壊試験方法18-9-22-Zは、志願者の集団に行われるin vivo試験であるので、使用されない可能性が高い。したがって、いくつかの代替的かつ実現可能な試験が以下に提供されている。医師は、以下に提供されている単一試験を用いて、製品を試験する選択を行ってもよい。代替的に、医師は、複数の試験を用いて、製品を試験する選択を行ってもよい。そうする際、医師は、どれが好適かつ適切であるかを決定することができる。さらに、医師は、以下に提供されている複数の試験のうちの1つまたは複数を使用した、統計学的平均値、中央値および/または様式を得ることができる。
崩壊試験方法18-9-22-A
装置
【0117】
アセンブリーは以下からなる:200mlのガラス製ビーカー、および100rpmの撹拌能を有するオーバーヘッド型撹拌器。
手順
【0118】
1. 200mlのガラス製ビーカーに100mlの溶媒(例えば、水、唾液、胃液)を満たす。
2. 溶媒の温度を37℃に加熱する。
3. オーバーヘッド型撹拌器を100rpmに設定するが、ミキサーの電源は入れない。
4. ミキサーヘッドを溶媒に浸して、オーバーヘッド型撹拌器の下にビーカーを置く。
5. ODF試料の厚さを測定する(n>10;平均値および標準偏差)
6. ビーカーの内壁に試料を置く。試料が溶媒に完全に浸されていることを確認する。
7. オーバーヘッド型撹拌器の電源を入れる。
8. 薄層フィルム剤の試料が完全に崩壊するのにかかった時間を記録する。オーバーヘッド型撹拌器の電源を入れると、タイマーを開始する。
9. プロセスをさらに2回繰り返し、平均時間を算出する。
崩壊試験方法18-9-22-B
装置
【0119】
必要な機器:マイクロピペット
手順
【0120】
1. 溶媒(例えば、水、唾液、胃液)を37℃に加熱する。
2. ODF試料の厚さを測定する(n>10、平均値および標準偏差)
3. 清浄な平坦表面に試料を置く。
4. 試料の中央の上に溶媒150μlをピペットで置く。
5. 溶媒の液滴が試料を完全に貫通するのにかかった時間を記録する。液滴を試料に置くと、タイマーを開始する。
6. プロセスをさらに2回繰り返し、平均時間を算出する。
崩壊試験方法18-9-22-C
装置
【0121】
必要な機器:ペトリ皿
手順
【0122】
1. 溶媒(蒸留水、または任意の適用可能な媒体、例えば唾液、胃液)を37℃に加熱する。
2. 口腔内薄層フィルム剤試料の厚さを測定する(n>10、平均値および標準偏差)
3. ペトリ皿に溶媒2mlを入れる。
4. 溶媒の表面に薄層フィルム剤試料を置く。
5. 試料が小型粒子に壊れるのにかかった時間を記録する。試料をペトリ皿に入れると開始する。
6. プロセスをさらに2回繰り返し、平均時間を算出する。
修正溶解試験方法18-9-22-D
装置
【0123】
アセンブリーは以下からなる:HPLC、200mlのガラス製ビーカー、100rpmの撹拌能を有するオーバーヘッド型撹拌器、HPLC用バイアル、ピペット、タイマー、フィルター、シリンジ。
手順
【0124】
1. 200mlのガラス製ビーカーに100mlの溶解用媒体(活性体および開発研究に依存)を満たす。
2. 溶媒の温度を37℃に加熱する。
3. オーバーヘッド型撹拌器を100rpmに設定するが、ミキサーの電源は入れない。
4. ミキサーヘッドを溶媒に浸して、オーバーヘッド型撹拌器の下にビーカーを置く。
5. ODF試料の厚さおよび重量を測定する(n>10、平均値および標準偏差)。
6. ビーカーの内壁に試料を置き、試料を壁に付着させる。試料が溶媒に完全に浸されていることを確認する。
7. オーバーヘッド型撹拌器の電源を入れる。
8. 以下の時間点でまたは所定の通り試料の一定分量を採取し、分量を新しい媒体と確実に置き換える:
a. 1分間
b. 5分間
c. 10分間
d. 30分間
e. 60分間
f. 120分間
g. 180分間
必要な場合、製品プロファイルおよび開発計画によって規定されている通り継続する。
9. 媒体溶液を新しい培地で置き換え、各時間に、抜き取った培地と同量の試料を採取する。
10. 必要な場合、分析の前に、0.45μmのフィルターおよびシリンジを使用して試料を濾過する。
11. HPLCを使用して、各時間点に活性体の量を定量する。
12. 時間に対する活性体の濃度または経時的な%放出をグラフにする。最終的な累積薬物放出量を報告する。
13. 溶解速度は、時間の平方根に対して%累積薬物放出量をプロットすることにより算出することができる。
崩壊試験方法18-9-22-X
【0125】
ODFを評価する際の規制精査を行う科学者の一助となるよう、迅速かつ簡単な修正試験を設計した。使い捨てのシリンジを使用して、水1mLを平坦な表面に置いたフィルム剤の上に直接、送り込んだ。フィルム剤の崩壊の完全性は、所定の期間(例えば、90s、60sまたは30s)の終わりに、フィルム剤の手による触診によって確認する。
崩壊試験方法18-9-22-Y
【0126】
ODFを評価する際の規制精査する科学者の一助となるよう、迅速かつ簡単な修正試験を設計した。所与の体積の水を媒体として使用して、生理的条件を模倣する。直径10cmのペトリ皿に、水溶性色素であるエオシンを含有する水10mLを満たす。直径10cmの円形ティッシュペーパーをペトリ皿に置く。ODFを皿の中央に注意深く置き、フィルム剤が完全に崩壊する時間を崩壊時間として書き留める。
崩壊試験方法18-9-22-Z
【0127】
試料ODFのin vivo試験は、志願者の集団に行う。各志願者は、試料ODFを受ける。各志願者に、その口腔(例えば、舌の上)に試料ODFを置き、フィルム剤がいつ完全に崩壊するか示すように依頼する。崩壊の時間は、ストップウォッチを使用することにより測定する。参加者には、時間を測定しながら、何ができ、何ができないかを指示されて、標的患者による所期の摂取にできるだけ近づくよう模倣する(例えば、頬内ODFは、舌の動きを妨害すべきではない)。フィルム剤が完全に崩壊した直後に、ストップウォッチを止めて、時間を記録する。
具体的な範囲、値および実施形態
【0128】
以下に提供されている範囲および値を説明する具体的な実施形態は、例示目的に過ぎず、特許請求の範囲によって規定されている、開示された主題の範囲を別段限定するものではない。
【0129】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤として製剤化される。
【0130】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内薄層フィルム剤として製剤化される。
【0131】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内溶解性フィルム剤である。
【0132】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内薄層フィルム剤である。
【0133】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、フィルムロールとして製剤化される。
【0134】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、バルクロールとして製剤化される。
【0135】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、残留溶媒をさらに含む。
【0136】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、結合水および/または非結合水を含有する残留溶媒をさらに含む。
【0137】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で8重量%の残留水をさらに含む。
【0138】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で7.5重量%の残留水をさらに含む。
【0139】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で7重量%の残留水をさらに含む。
【0140】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で6.5重量%の残留水をさらに含む。
【0141】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で6重量%の残留水をさらに含む。
【0142】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で5.5重量%の残留水をさらに含む。
【0143】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で5重量%の残留水をさらに含む。
【0144】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で4.5重量%の残留水をさらに含む。
【0145】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で4重量%の残留水をさらに含む。
【0146】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、最大で3.5重量%の残留水をさらに含む。
【0147】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~8重量%の残留水をさらに含む。
【0148】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~7.5重量%の残留水をさらに含む。
【0149】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~7重量%の残留水をさらに含む。
【0150】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~6.5重量%の残留水をさらに含む。
【0151】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~6重量%の残留水をさらに含む。
【0152】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~5.5重量%の残留水をさらに含む。
【0153】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~5重量%の残留水をさらに含む。
【0154】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~4.5重量%の残留水をさらに含む。
【0155】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~4重量%の残留水をさらに含む。
【0156】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~8重量%の残留水をさらに含む。
【0157】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~7.5重量%の残留水をさらに含む。
【0158】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~7重量%の残留水をさらに含む。
【0159】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~6.5重量%の残留水をさらに含む。
【0160】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~6重量%の残留水をさらに含む。
【0161】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~5.5重量%の残留水をさらに含む。
【0162】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~5重量%の残留水をさらに含む。
【0163】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~4.5重量%の残留水をさらに含む。
【0164】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~4重量%の残留水をさらに含む。
【0165】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、8重量%未満の水分含量を有する。
【0166】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、7.5重量%未満の水分含量を有する。
【0167】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、7重量%未満の水分含量を有する。
【0168】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、6.5重量%未満の水分含量を有する。
【0169】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、6重量%未満の水分含量を有する。
【0170】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、5.5重量%未満の水分含量を有する。
【0171】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、5重量%未満の水分含量を有する。
【0172】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、4.5重量%未満の水分含量を有する。
【0173】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、4重量%未満の水分含量を有する。
【0174】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~8重量%水分含量を有する。
【0175】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~7.5重量%の水分含量を有する。
【0176】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~7重量%水分含量を有する。
【0177】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~6.5重量%の水分含量を有する。
【0178】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~6重量%水分含量を有する。
【0179】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~5.5重量%の水分含量を有する。
【0180】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~5重量%水分含量を有する。
【0181】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~4.5重量%の水分含量を有する。
【0182】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3~4重量%水分含量を有する。
【0183】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~8重量%の水分含量を有する。
【0184】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~7.5重量%の水分含量を有する。
【0185】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~7重量%の水分含量を有する。
【0186】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~6.5重量%の水分含量を有する。
【0187】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~6重量%の水分含量を有する。
【0188】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~5.5重量%の水分含量を有する。
【0189】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~5重量%の水分含量を有する。
【0190】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~4.5重量%の水分含量を有する。
【0191】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.5~4重量%の水分含量を有する。
【0192】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔に接触すると、60秒以内に崩壊する。
【0193】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔に接触すると、45秒以内に崩壊する。
【0194】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔に接触すると、30秒以内に崩壊する。
【0195】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔に接触すると、20秒以内に崩壊する。
【0196】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔に接触すると、15秒以内に崩壊する。
【0197】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔に接触すると、10秒以内に崩壊する。
【0198】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成される際に存在する第1の活性成分を含む。
【0199】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に添加された第2の活性成分を含む。
【0200】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成される際に存在する第1の活性成分を含み、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが形成された後に添加された第2の活性成分を含む。
【0201】
具体的な実施形態では、活性成分は、医薬品有効成分(API)、栄養補給食品、栄養補助食品またはビタミン剤である。
【0202】
具体的な実施形態では、活性成分は、医薬品有効成分(API)である。
【0203】
具体的な実施形態では、活性成分は、栄養補給食品である。
【0204】
具体的な実施形態では、活性成分は、栄養補助食品である。
【0205】
具体的な実施形態では、活性成分は、ビタミン剤である。
【0206】
具体的な実施形態では、活性成分は、カンナビノイドである。
【0207】
具体的な実施形態では、活性成分は、テルペンである。
【0208】
具体的な実施形態では、活性成分は、感湿性、感熱性、pH感受性、酸素感受性、光(UV)感受性のうちの少なくとも1つであり、不快な味または臭いを有する。
【0209】
具体的な実施形態では、活性成分は、感湿性である。
【0210】
具体的な実施形態では、活性成分は、感熱性である。
【0211】
具体的な実施形態では、活性成分は、pH感受性である。
【0212】
具体的な実施形態では、活性成分は、酸素感受性である。
【0213】
具体的な実施形態では、活性成分は、光(UV)感受性である。
【0214】
具体的な実施形態では、活性成分は、不快な味または臭いを有する。
【0215】
具体的な実施形態では、活性成分は、水不溶性(例えば、1mg/水10ml未満の溶解度)である。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、水10mlに0.5mg未満の溶解度を有するような水不溶性である。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、水10mlに0.25mg未満の溶解度を有するような水不溶性である。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、水10mlに0.1mg未満の溶解度を有するような水不溶性である。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、水10mlに0.05mg未満の溶解度を有するような水不溶性である。
【0216】
具体的な実施形態では、活性成分は、少量で存在する(例えば、単位剤形あたり1mg未満で存在する)。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、単位剤形あたり0.75mg未満で存在する。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、単位剤形あたり0.5mg未満で存在する。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、単位剤形あたり0.25mg未満で存在する。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、単位剤形あたり0.1mg未満で存在する。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、単位剤形あたり0.075mg未満で存在する。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、単位剤形あたり0.05mg未満で存在する。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、単位剤形あたり0.025mg未満で存在する。さらに具体的な実施形態では、活性成分は、単位剤形あたり0.01mg未満で存在する。
【0217】
具体的な実施形態では、感湿性活性成分には、デスモプレシン(DDAVP)(D-アミノD-アルギニンバソプレッシン);ドロナビノール((-)-trans-Δ-テトラヒドロカンナビノール);アスピリン(アセチルサリチル酸);ペニシリン(PCN);ジピリダモール;ボラパクサール;プロカイン;アトルバスタチン;アジスロマイシン;プソイドエフェドリン;チアガビン;アシトレチン;レシンナミン;ロバスタチン;トレチノイン;イソトレチノイン;シンバスタチン;イベルメクチン;ベラパミル;オキシブチニン;ヒドロキシ尿素;セレジリン;エステル化エストロゲン;トラニルシプロミン;カルバマゼピン;チクロピジン;メチルドパヒドロ;クロロチアジド;メチルドーパミン;ナプロキセン;アセトアミノフェン;エリスロマイシン;ブプロピオン;リファペンチン;ペニシラミン;メキシレチン;ベラパミル;ジルチアゼム;イブプロフェン;シクロスポリン;サキナビル;モルフィン;セルトラリン;セチリジン;N-[[2-メトキシ-5-(1-メチル)フェニル]メチル]-2-(ジフェニルメチル)-1-アザビシクロ(azabicylco)[2.2.2]オクタン-3-アミン;アドレナリン;アミオダロン塩酸塩;アトロピン硫酸塩;ジアゼパム;エフェドリン;フロセミド;ハロペリドール;リグノカイン;メトクロプラミド;ノルアドレナリン;オメプラゾール;オンダンセトロン;フェニトイン;ベルクロニウム;アシクロビル;アモキシシリン;セフォテタン;セフォタキシム;メトロニダゾール;セフロキシム;フルクロキサシリン;ブピバカイン;シラザプリル;アムロジピン;フェロジピン;フェソテロジン;イスラジピン;ニフェジピン;ニモジピン;ニソルジピン;シクロスポリン;サキナビル;イトラコナゾール;およびケトコナゾールのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0218】
具体的な実施形態では、酸素感受性活性成分には、ドロナビノール((-)-trans-Δ-テトラヒドロカンナビノール);エピネフリン(アドレナリン(adrenalin)またはアドレナリン(adrenaline)としても公知);ドーパミン(3,4-ジヒドロキシフェネチルアミン);クロルプロマジン(CPZ);カプトプリル;アジスロマイシン;プソイドエフェドリン;チアガビン;アシトレチン;レシンナミン;ロバスタチン;トレチノイン;イソトレチノイン;シンバスタチン;イベルメクチン;ベラパミル;オキシブチニン;ヒドロキシ尿素;セレジリン;エステル化エストロゲン;トラニルシプロミン;カルバマゼピン;チクロピジン;メチルドパヒドロ;クロロチアジド;メチルドーパミン;ナプロキセン;アセトアミノフェン;エリスロマイシン;ブプロピオン;リファペンチン;ペニシラミン;メキシレチン;ベラパミル;ジルチアゼム;イブプロフェン;シクロスポリン;サキナビル;モルフィン;セルトラリン;セチリジン;N-[[2-メトキシ-5-(1-メチル)フェニル]メチル]-2-(ジフェニルメチル)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-アミン;アドレナリン;アミオダロン塩酸塩;アトロピン硫酸塩;ジアゼパム;エフェドリン;フロセミド;ハロペリドール;リグノカイン;メトクロプラミド;ノルアドレナリン;オメプラゾール;オンダンセトロン;フェニトイン;ベルクロニウム;アシクロビル;アモキシシリン;セフォテタン;セフォタキシム;メトロニダゾール;セフロキシム;フルクロキサシリン;ブピバカイン;メチルフェニデート;フェソテロジンフマル酸塩;モルフィン;ヒドロモルホン;プロメタジン;ドーパミン;エピネフリン;ノルエピネフリン;エステル化エストロゲン;エフェドリン;プソイドエフェドリン;アセトアミノフェン;イブプロフェン;ダノフロキサシン;エリスロマイシン;ペニシリン;シクロスポリン;メチルドーペート;セチリジン;ジルチアゼム;ベラパミル;メキシレチン;クロロチアジド;カルバマゼピン;セレジリン;オキシブチニン;ビタミンA;ビタミンB;ビタミンC;L-システイン;L-トリプトファン;モルフィン;ヒドロモルホン;プロメタジン;プソイドエフェドリン;チアガビン;アシトレチン;レシンナミン;ロバスタチン;トレチノイン;イソトレチノイン;シンバスタチン;イベルメクチン;ベラパミル;オキシブチニン;ヒドロキシ尿素;セレジリン;エステル化エストロゲン;トラニルシプロミン;カルバマゼピン;チクロピジン;メチルドパヒドロ;クロロチアジド;メチルドーパ;ナプロキセン;アセトアミノフェン;エリスロマイシン;ブプロピオン;リファペンチン;ペニシラミン;メキシレチン;ベラパミル;ジルチアゼム;イブプロフェン;シクロスポリン;サキナビル;モルフィン;セルトラリン;セチリジン;およびN-[[2-メトキシ-5-(1-メチル)フェニル]メチル]-2-(ジフェニルメチル)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-アミンのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0219】
具体的な実施形態では、pH感受性活性成分には、デスモプレシン(DDAVP)(D-アミノD-アルギニンバソプレッシン);ビタミンD3(コレカルシフェロール);オメプラゾール;およびエソメプラゾールのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0220】
具体的な実施形態では、感熱性活性成分には、ドロナビノール((-)-trans-Δ-テトラヒドロカンナビノール);アスピリン(アセチルサリチル酸);ビタミンD3(コレカルシフェロール);ジアゼパム;エピネフリン(アドレナリン(adrenalin)またはアドレナリン(adrenaline)としても公知);オメプラゾール;エソメプラゾール;およびジアゼパムのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0221】
具体的な実施形態では、光(UV)感受性活性成分には、ペニシリン(PCN);ジアゼパム;トレチノイン;イソトレチノイン;ナプロキセン;エリスロマイシン;ジアゼパム;ハロペリドール;アシクロビル;アムロジピン;イスラジピン;ニフェジピン;プロメタジン;ノルエピネフリン;プロメタジン;トレチノイン;ナプロキセン;ジゴキシン;ニトログリセリン;アミノフィリン;アムホテリシンB;マレイン酸クロルフェニラミン;クロルプロマジンHCl;シスプラチン;ダカルバジン;ジアゾキシド;ジフェンヒドラミン;ドーパミン塩酸塩;ドキシサイクリンハイクレート;ドロペリドール;エピネフリン塩酸塩;フルオロウラシル;葉酸;フロセミド;ヒドロコルチゾン;イソプロテレノール;酒石酸レバルテレノール;メナジオール二リン酸ナトリウム;メタドン;モルヒネ硫酸塩;ナロキソン;ネオスチグミンメチルサルフェート;ニトロプルシド溶液;フェニレフリン塩酸塩;フィトナジオン;プロクロルペラジンエジシレート;プロプラノロール塩酸塩;ストレプトマイシン硫酸塩;スルフィソキサゾールジオラミン;テルブタリン;テストステロンシピオネート;トリフルプロマジン塩酸塩;ビンブラスチン;ビンクリスチン硫酸塩;ビタミンB複合体;デキストロアンフェタミン;シプロフロキサシン;クラリスロマイシン;グリセオフルビン;イトラコナゾール;ケトコナゾール;テルビナフィン;テトラサイクリン塩酸塩;1,4-ジヒドロピリジン;4-ネロリジルカテコール;アボベンゾン;バルニジピン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;ドキソルビシン;フルオロキノロン;メラトニン;ナルトレキソン;セファロスポリン;レスベラトロール;セリシン;3-ヒドロキシフラボン;4-メチルベンジリデンカンファー;5-ヒドロキシフラボン;アンタゾリン;キシロメタゾリン;ナファゾリン;アスコルビン酸;カルベジロール;シルニジピン;ジクロフェナク;ジフルニサル;ドキシサイクリン;ランソプラゾール;マニジピン;メトトレキセート;ニカルジピン;オフロキサシン;オキソリン酸;フェニルプロパノイド;ケルセチン;ラニチジン;ライン、スルファニルアミド;およびトリプロリジンのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0222】
具体的な実施形態では、不快な臭いまたは味を有する活性成分には、アスピリン(アセチルサリチル酸);ペニシリン(PCN);ジピリダモール;プロカイン;ジアゼパム;プソイドエフェドリン;オキシブチニン;エリスロマイシン;ブプロピオン;イブプロフェン;ジアゼパム;オンダンセトロン;アセトアミノフェン;イブプロフェン;アルプラゾラム;マレイン酸クロルフェニラミン;ジフェンヒドラミン;シプロフロキサシン;クラリスロマイシン;ジクロフェナク;オフロキサシン;ランチジン;バレリアンエキス;イソメテプテン;ブシラミン;アジルサルタンメドキソミル、オルメサルタンメドキソミル;塩化ベンザルコニウム;ジアセチル/2,3-ブタンジオン;酢酸亜鉛二水和物;フェニルプロパノールアミン塩酸塩;ファモチジン;パチョリ(pogostemi herba);グアイフェネシン;チモール;ユーカリ油;塩化ベンゼトニウム;テオフィリン;抗コレステロール血症性サポニン;シメチジン;ガバペンチン;イソプロチオラン;クエン酸カルベタペンタン;ノスカピン塩酸塩;キニン;L-ロイシン;イソ-ロイシン;パパベリン;タランピシリン塩酸塩;インデロキサジン塩酸塩;臭化ピナベリウム;臭化プロパンテリン;トリプロリジン塩酸塩;ジメンヒドリネート;エノキサシン;スパルフロキサシン;ファモチジン;アモキシシリン三水和物;モルヒネ塩酸塩;アミプリロース塩酸塩;テルフェナジン;ベクラミド;セトラキセート;ビフェメラン塩酸塩;セフロキシムアキセチル;ピレンゼピン;ニコランジル;レボフロキサシン;gymnema sylvestre;ブフロメディル;オルビフロキサシン;クロロキンリン酸塩;ファモチジン;エトリコキシブ;ピボキシルスルバクタム;セチリジン二塩酸塩;セフポドキシムプロキセチル;デスロラタジン;デキストロメトルファン;アモバルビタール;クエン酸シルデナフィル;グラニセトロン塩酸塩;レボフロキサシン;クロピドグレル硫酸塩;テリスロマイシン;プリスチナマイシン;リン酸ジヒドロコデイン;グアイアコールスルホン酸カリウム;フロキセチン;プラジカンテル;エプシプランテル;リスペリドン;ロキシスロマイシン;ブロムヘキシン;パラセタモール;ピオグリタゾン;ドネペジルクロリド;およびシルデナフィルのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0223】
具体的な実施形態では、水不溶性活性成分には、ドロナビノール((-)-trans-Δ-テトラヒドロカンナビノール);ジアゼパム;トレチノイン;イソトレチノイン;カルバマゼピン;ナプロキセン;イブプロフェン;サキナビル;ジアゼパム;ニモジピン;アセトアミノフェン;カルバマゼピン;カルバマゼピン;ナプロキセン;イブプロフェン;シクロスポリン;サキナビル;エストラジオール;デキサメタゾン;デュタステリド;ドキセルカルシフェロール;カルシトリオール;タクロリムス;ロラゼパム;レパグリニド;シロリムス;アムホテリシンB;グリセオフルビン;イトラコナゾール;テトラサイクリン塩酸塩;アプレピタント;フェノフィブレート;パリペリドン;アリピプラゾールラウロキシル;プロゲステロン;スピロノラクトン;ジオスミン;セレコキシブ;ハロファントリン塩酸塩;リトナビル;メロキシカム;ニメスリド;ダナゾール;グリベンクラミド;テニポシド;プロパニジド;ロピナビル;ナビロン;エトラビリン;アプレピタント;メゲストロール;ナイスタチン;エトミデート;フルルビプロフェン;プロポフォール;クロファジミン;パリカルシトール;およびチプラナビルのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0224】
具体的な実施形態では、少量で存在する活性成分には、メシル酸ベンズトロピン;コルヒチン;デスモプレシンアセテート;エチニルエストラジオール;エストラジオール;エステル化エストロゲン;エストロピペート;レボチロキシンナトリウム;エベロリムス;アナグレリド塩酸塩;デキサメタゾン;クロナゼパム;ジエチルスチルベストロール;ジゴキシン;キネストロール;パロノセトロン塩酸塩;クロニジン塩酸塩;メシル酸ブロモクリプチン;共役合成bエストロゲン;エンテカビル;リオトリックス(t4;t3);デュタステリド;レシンナミン;ハロペリドール;ドフェチリド;ドキセルカルシフェロール;タムスロシン塩酸塩;トリアゾラム;デセルピジン;レセルピン;ザルシタビン;メシル酸エルゴロイド;カルシトリオール;カルシフェジオール;酢酸フルドロコルチゾン;アトロピン硫酸塩;レボノルゲストレル;酢酸ノルエチンドロン;エストラジオールアセテート;タクロリムス;リオチロニンナトリウム;ミソプロストール;ジフェノキシレート塩酸塩;カベルゴリン;フィンゴリモド塩酸塩;トポテカン塩酸塩;デュタステリド;タムスロシン塩酸塩;ロラゼパム;シアノコバラミンco-57;シアノコバラミンco-60;ヨウ化ナトリウムi-131;タラゾパリブトシレート;アロセトロン塩酸塩;ロフェキシジン塩酸塩;トラメチニブジメチルスルホキシド;マレイン酸メチルエルゴノビン;プラミペキソール二塩酸塩;メトラゾン;ニトログリセリン;ブプレノルフィン塩酸塩;ナロキソン塩酸塩;クエン酸フェンタニル;ノルゲストレル;メシル酸ペルゴリド;フルフェナジン塩酸塩;レパグリニド;シロリムス;メシル酸ラサギリン;ロピニロール塩酸塩;ブレクスピプラゾール;ナルデメジントシレート;セレキシパグ;ノルエチンドロン;クエン酸スフェンタニル;アルプラゾラム;クロニジン;トレプロスチニルジオラミン;アセチルジギトキシン;リオシグアト;ドロスピレノン;セリバスタチンナトリウム;ブメタニド;ベタメタゾン;バレニクリン酒石酸塩;およびフェンタニルのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0225】
具体的な実施形態では、活性成分は、カンナビノイドであり、THC(テトラヒドロカンナビノール)、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)、CBD(カンナビジオール)、CBDA(カンナビジオール酸)、CBN(カンナビノール)、CBG(カンナビゲロール)、CBC(カンナビクロメン)、CBL(カンナビシクロール)、CBV(カンナビバリン)、THCV(テトラヒドロカンナビバリン)、CBDV(カンナビジバリン)、CBCV(カンナビクロメバリン)、CBGV(カンナビゲロバリン)、CBGM(カンナビゲロールモノメチルエーテル)、CBE(カンナビエルソイン)、CBT(カンナビシトラン)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0226】
具体的な実施形態では、活性成分は、大麻からの蒸留物として得られるカンナビノイドである。
【0227】
具体的な実施形態では、活性成分は、大麻からの抽出物として得られるカンナビノイドである。
【0228】
具体的な実施形態では、活性成分は、大麻からの樹脂として得られるカンナビノイドである。
【0229】
具体的な実施形態では、活性成分は、大麻から得られるカンナビノイド単離物である。
【0230】
具体的な実施形態では、活性成分は、Cannabis indica、Cannabis ruderalisまたはCannabis sativaから得られるカンナビノイドである。
【0231】
具体的な実施形態では、活性成分は、大麻に由来する油として存在するカンナビノイドである。
【0232】
具体的な実施形態では、活性成分は、麻実油として存在するカンナビノイドである。
【0233】
具体的な実施形態では、活性成分は、合成的に調製されるカンナビノイドである。
【0234】
具体的な実施形態では、活性成分は、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)、CBD(カンナビジオール)、CBDA(カンナビジオール酸)、CBN(カンナビノール)、CBG(カンナビゲロール)、CBC(カンナビクロメン)、CBL(カンナビシクロール)、CBV(カンナビバリン)、THCV(テトラヒドロカンナビバリン)、CBDV(カンナビジバリン)、CBCV(カンナビクロメバリン)、CBGV(カンナビゲロバリン)、CBGM(カンナビゲロールモノメチルエーテル)、CBE(カンナビエルソイン)およびCBT(カンナビシトラン)のうちの少なくとも1つである。
【0235】
具体的な実施形態では、活性成分は、THC(テトラヒドロカンナビノール)である。
【0236】
具体的な実施形態では、活性成分は、CBD(カンナビジオール)である。
【0237】
具体的な実施形態では、活性成分は、テルペンである。
【0238】
具体的な実施形態では、活性成分は、セスキテルペンであるテルペンである。
【0239】
具体的な実施形態では、活性成分は、植物性物質からの蒸留物として得られるテルペンである。
【0240】
具体的な実施形態では、活性成分は、植物性物質からの抽出物として得られるテルペンである。
【0241】
具体的な実施形態では、活性成分は、植物性物質からの樹脂として得られるテルペンである。
【0242】
具体的な実施形態では、活性成分は、Cannabis sativa、Syzygium aromaticum(クローブ)、ローズマリーまたはホップから得られるテルペンである。
【0243】
具体的な実施形態では、活性成分は、合成的に調製されるテルペンである。
【0244】
具体的な実施形態では、活性成分は、ベータ-カリオフィレンである。
【0245】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、感湿性である。
【0246】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、酸素感受性である。
【0247】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、pH感受性である。
【0248】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、感熱性である。
【0249】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、少量で存在する。
【0250】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、カンナビノイドである。
【0251】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、テルペンである。
【0252】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、感湿性である。
【0253】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、酸素感受性である。
【0254】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、pH感受性である。
【0255】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、感熱性である。
【0256】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、少量で存在する。
【0257】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、カンナビノイドである。
【0258】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、テルペンである。
【0259】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、デスモプレシン(D-アミノD-アルギニンバソプレッシン)である。
【0260】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は存在し(すなわち、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1の活性成分を含む)、第2の活性成分は存在しない(すなわち、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第2の活性成分を含まない)。
【0261】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は存在し(すなわち、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1の活性成分を含む)、第2の活性成分は存在する(すなわち、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第2の活性成分を含む)。
【0262】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は存在せず(すなわち、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1の活性成分を含まない)、第2の活性成分は存在する(すなわち、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第2の活性成分を含む)。
【0263】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は存在せず(すなわち、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1の活性成分を含まない)、第2の活性成分は存在しない(すなわち、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第2の活性成分を含まない)。
【0264】
具体的な実施形態では、第1および第2の活性成分は、同じである。
【0265】
具体的な実施形態では、第1および第2の活性成分は、異なる。
【0266】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、0.01~100mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0267】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、0.1~100mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0268】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、5~100mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0269】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、5~50mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0270】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、50±20mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0271】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、50±10mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0272】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、25±20mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0273】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、25±10mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0274】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、1~30重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0275】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、2~30重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0276】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、10±5重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0277】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.01~1mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0278】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.01~0.75mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0279】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.01~0.5mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0280】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.01~0.25mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0281】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.05~1mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0282】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.05~0.75mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0283】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.05~0.5mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0284】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.05~0.25mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0285】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.03±0.25mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0286】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.03±0.1mgで口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0287】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.1~3重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0288】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.2~2重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0289】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、1±0.75重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0290】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、1±0.5重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0291】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、1±0.25重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0292】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.4±0.3重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0293】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.4±0.2重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0294】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、0.4±0.1重量%で口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに存在する。
【0295】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、CBDであり、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに、最大で50mgで存在する。
【0296】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、CBDであり、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに、最大で25mgで存在する。
【0297】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、CBDであり、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに、15±10mgで存在する。
【0298】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、CBDであり、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに、15±5mgで存在する。
【0299】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、CBDであり、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに、15±1mgで存在する。
【0300】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、スケジュールI、II、IIIまたはIVの原薬である。
【0301】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、麻酔薬(例えば、デキストロプロポキシフェンまたはトラマドール)である。
【0302】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、抑制剤(例えば、フォスプロポフォール、バルビタール、スボレキサント、メチルフェノバルビタール(メフォバルビタール)、メトヘキシタール、フェノバルビタール、クロラールベタイン、抱水クロラール、ジクロラフェナゾン、エトクロルビノール、エチナメート、パラアルデヒド、ペトリクロラール、アルファキサロン、クロナゼパム、クロルジアゼポキシド、ブロマゼパム、カマゼパム、クロバザム、クロチアゼパム、クロキサゾラム、デロラゼパム、エスタゾラム、ロフラゼプ酸エチル、フルジアゼパム、ハラゼパム、フルニトラゼパム、プラゼパム、ジアゼパム、フルアゼパム、クロラゼプ酸、ハロキサゾラム、ケタゾラム、ロプラゾラム、ロルメタゼパム、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、メブタメート、メプロバメート、ニトラゼパム、オキサゼパム、メダゼパム、ニメタゼパム、ノルディアゼパム、オキサゾラム、クアゼパム、アルプラゾラム、ピナゼパム、ミダゾラム、ロラゼパム、テトラゼパム、トリアゾラム、テマゼパムまたはカリソプロドール)である。
【0303】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、フェンフルラミン、ロルカセリン、ペンタゾシン、ブトルファノールまたはエルクサドリンである。
【0304】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、刺激薬(例えば、カチン(Cathine)、ジエチルプロピオン、フェンカンファミン、フェンプロポレクス、マジンドール、メフェノレクス、モダフィニルおよびエナンチオ純粋なアルモダフィニル、ペモリン、フェンテルミン、ピプラドロール、シブトラミンまたはSPA/(-)-1-ジメチルアミノ-1,2-ジフェニルエタンである。
【0305】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、少なくとも50mgの質量を有する。
【0306】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、少なくとも350mgの質量を有する。
【0307】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、200±50mgの質量を有する。
【0308】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、200±30mgの質量を有する。
【0309】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、200±20mgの質量を有する。
【0310】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、0.180mm未満の厚さを有する。
【0311】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、0.160mm未満の厚さを有する。
【0312】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、0.150mm未満の厚さを有する。
【0313】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、0.130mm未満の厚さを有する。
【0314】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、0.125mm未満の厚さを有する。
【0315】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、0.120mm未満の厚さを有する。
【0316】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、非吸湿性である。
【0317】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、25℃および60%の相対湿度のガラス気候室において、24時間後に吸着した最終水分含量が12重量%未満となるような非吸湿性である。
【0318】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、25℃および60%の相対湿度のガラス気候室において、24時間後に吸着した最終水分含量が10重量%未満となるような非吸湿性である。
【0319】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、25℃および60%の相対湿度のガラス気候室において、24時間後に吸着した最終水分含量が7重量%未満となるような非吸湿性である。
【0320】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、25℃および60%の相対湿度のガラス気候室において、24時間後に吸着した最終水分含量が6重量%未満となるような非吸湿性である。
【0321】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、25℃および60%の相対湿度のガラス気候室において、24時間後に吸着した最終水分含量が5重量%未満となるような非吸湿性である。
【0322】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2つまたはそれよりも多い試料の間で、第1の活性成分の量が、6%未満またはそれに等しい標準偏差で90%~110%の範囲となるような含量均質性を有する。
【0323】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2つまたはそれよりも多い試料の間で、第2の活性成分の量が、6%未満またはそれに等しい標準偏差で85%~115%の範囲となるような含量均質性を有する。
【0324】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2つまたはそれよりも多い試料の間で、第2の活性成分の量が、6%未満またはそれに等しい標準偏差で90%~110%の範囲となるような含量均質性を有する。
【0325】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.1mg/cm~10mg/cmで存在する。
【0326】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.5mg/cm~7.5mg/cmで存在する。
【0327】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.5mg/cm~5mg/cmで存在する。
【0328】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.75mg/cm~5mg/cmで存在する。
【0329】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの1mg/cm~5mg/cmで存在する。
【0330】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの5±3.5mg/cmで存在する。
【0331】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの5±3mg/cmで存在する。
【0332】
具体的な実施形態では、第1の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの5±2.5mg/cmで存在する。
【0333】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.001mg/cm~0.75mg/cmで存在する。
【0334】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.001mg/cm~0.5mg/cmで存在する。
【0335】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.01mg/cm~0.75mg/cmで存在する。
【0336】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.005mg/cm~0.75mg/cmで存在する。
【0337】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.005mg/cm~0.5mg/cmで存在する。
【0338】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.01mg/cm~0.75mg/cmで存在する。
【0339】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.01mg/cm~0.5mg/cmで存在する。
【0340】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.01mg/cm~0.25mg/cmで存在する。
【0341】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.01mg/cm~0.1mg/cmで存在する。
【0342】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.005mg/cm~1mg/cmで存在する。
【0343】
具体的な実施形態では、第2の活性成分は、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスの0.005mg/cm~0.075mg/cmで存在する。
【0344】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、セルロースエーテルを含む。
【0345】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、セルロースエーテルヒプロメロースを含む。
【0346】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコール(PEG)のブロックコポリマーを含む。
【0347】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコール(PEG)、Kollicoat(登録商標)IRのブロックコポリマーを含む。
【0348】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコール(PEG)、Kollicoat(登録商標)Protectのブロックコポリマーを含む。
【0349】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、ポリビニルアルコール(PVA)を含む。
【0350】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む
【0351】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーであるEudragit(登録商標)EPOを含む。
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、メタクリル酸コポリマーを含む。
【0352】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、メタクリル酸コポリマーであるEudragit(登録商標)Lを含む。
【0353】
具体的な実施形態では、速溶解結合剤は、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコール(PEG)のブロックコポリマーを含む。
【0354】
具体的な実施形態では、速溶解結合剤は、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコール(PEG)、Kollicoat(登録商標)IRのブロックコポリマーを含む。
【0355】
具体的な実施形態では、速溶解結合剤は、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコール(PEG)、Kollicoat(登録商標)Protectのブロックコポリマーを含む。
【0356】
具体的な実施形態では、フィルム形成性ポリマーは、セルロースエーテルを含む。
【0357】
具体的な実施形態では、フィルム形成性ポリマーは、セルロースエーテルヒプロメロースを含む。
【0358】
具体的な実施形態では、湿潤防止ポリマーは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む。
【0359】
具体的な実施形態では、湿潤防止ポリマーは、アミノアルキルメタクリレートコポリマーであるEudragit(登録商標)EPOを含む。
【0360】
具体的な実施形態では、湿潤防止ポリマーは、メタクリル酸コポリマーを含む。
【0361】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、Kollicoat(登録商標)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0362】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、Kollicoat(登録商標)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびpH改変剤(例えば、酸、塩基、および/または緩衝剤)を含む。
【0363】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、Kollicoat(登録商標)、EUDRAGIT(登録商標)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0364】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、Kollicoat(登録商標)、EUDRAGIT(登録商標)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびpH改変剤(例えば、酸、塩基、および/または緩衝剤)を含む。
【0365】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、Kollicoat(登録商標)を含む。
【0366】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、75.26±15重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0367】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、73.13±15重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0368】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、75.26±10重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0369】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、73.13±10重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0370】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、75.26±7.5重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0371】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、73.13±7.5重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0372】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、50~80重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0373】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、55~80重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0374】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、60~80重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0375】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、65~80重量%のKollicoat(登録商標)を含む。
【0376】
具体的な実施形態では、Kollicoat(登録商標)は、Kollicoat(登録商標)Protectを含む。
【0377】
具体的な実施形態では、Kollicoat(登録商標)は、Kollicoat(登録商標)IRを含む。
【0378】
具体的な実施形態では、EUDRAGIT(登録商標)は、EUDRAGIT(登録商標)EPOを含む。
【0379】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0380】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、17.14±5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0381】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、15.26±5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0382】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、17.14±3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0383】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、15.26±3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0384】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、17.14±1.5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0385】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、15.26±1.5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0386】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、8~25重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0387】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、8~20重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0388】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、8~18重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0389】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、8~15重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0390】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、10~25重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0391】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、10~20重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0392】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、10~18重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0393】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、10~15重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
【0394】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、EUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0395】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.87±1.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0396】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.87±1重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0397】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.87±0.7重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0398】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.87±0.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0399】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3.87±0.25重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0400】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、0.5~7.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0401】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、0.75~7.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0402】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1~7重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0403】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1~6.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0404】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1~6重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0405】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1~5.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0406】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1~5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0407】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1~4.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0408】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1~4重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0409】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2~7重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0410】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2~6.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0411】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2~6重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0412】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2~5.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0413】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2~5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0414】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2~4.5重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0415】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、2~4重量%のEUDRAGIT(登録商標)を含む。
【0416】
具体的な実施形態では、Kollicoat(登録商標)は、Kollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト-コポリマーおよびポリビニルアルコール(PVA))、Kollicoat(登録商標)IR(マクロゴール-ポリ(ビニルアルコール)グラフト-コポリマー、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト-コポリマー)、Kollicoat(登録商標)MAE100P(メタクリル酸-アクリル酸エチルコポリマー(1:1))、Kollicoat(登録商標)MAE30DP(メタクリル酸コポリマー分散液、メタクリル酸-アクリル酸エチルコポリマー(1:1)分散液30%)およびKollicoat(登録商標)SR30D(ポリ(酢酸ビニル)分散液30重量%、ポリビニルピロリドンで安定化したポリ(酢酸ビニル)およびラウリル硫酸ナトリウム)のうちの少なくとも1つである。
【0417】
具体的な実施形態では、Kollicoat(登録商標)は、Kollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト-コポリマーおよびポリビニルアルコール(PVA))である。
【0418】
具体的な実施形態では、EUDRAGIT(登録商標)は、EUDRAGIT(登録商標)E100、EUDRAGIT(登録商標)E12,5、EUDRAGIT(登録商標)EPOおよびEUDRAGIT(登録商標)EPO ReadMixのうちの少なくとも1つである。
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表2】
【0419】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表3】
【0420】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表4】
【0421】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表5】
【0422】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表6】
【0423】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表7】
【0424】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表8】
【0425】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表9】
【0426】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表10】
【0427】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表11】
【0428】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表12】
【0429】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含む:
【表13】
【0430】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、可塑剤、保存剤、溶媒、着色剤、着香剤、甘味剤、充填剤、増量剤、唾液分泌促進剤、安定化剤および増粘剤、ゲル化剤、味マスキング剤、顔料、滑沢剤、放出改変剤、アジュバント、可溶化剤および乳化剤、フレグランス、乳化剤、界面活性剤、pH調整剤、緩衝化剤、脂質、流動促進剤、安定剤、抗酸化剤、粘着防止剤、ならびに保湿剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0431】
具体的な実施形態では、保管は、最大で数日(例えば、1~5日)とすることができる。
【0432】
具体的な実施形態では、保管は、最大で90日とすることができる。
【0433】
具体的な実施形態では、保管は、長期間(例えば、最大で数か月)とすることができる。
【0434】
具体的な実施形態では、保管は、1~12か月とすることができる。
【0435】
具体的な実施形態では、保管は、1~6か月とすることができる。
【0436】
具体的な実施形態では、保管は、1~3か月とすることができる。
【0437】
具体的な実施形態では、pH調整剤は、酸(例えば、無機酸または有機酸)または塩基(例えば、無機塩基または有機塩基)を含むことができる。
【0438】
具体的な実施形態では、pH調整剤は、クエン酸を含むことができる。
【0439】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含む。
【0440】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含む。
【0441】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、バット重合法(VP)、粉末床溶融結合法(PBF)、材料押出法(ME)、材料噴射法(MJ)および指向性エネルギー堆積法(DED)からなる群から選択される3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含む。
【0442】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、ステレオリソグラフィー法(SLA)、デジタルライトプロセッシング法(DLP)、2光子重合法(2PP)、連続液体界面生産法(CLIP)、選択的レーザー焼結法(SLS)、選択的レーザー溶融法(SLM)、電子ビーム溶融法(EBM)、マルチジェットフュージョン法(MJF)、熱溶解積層法(FDM)、空気圧押出し法/シリンジ押出し法(PE/SE)、材料噴射法(MJ)、ナノ粒子噴射法(NPJ)、ドロップオンデマンド法(DoD)、バインダー噴射法(BJ)、レーザー工学ネット成形法(LENS)および電子ビーム添加剤製造法(EMAM)からなる群から選択される3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含む。
【0443】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、噴霧、リソグラフ印刷、インクジェット印刷、静電乾燥粉体コーティング、原子層堆積、コロナ帯電、摩擦帯電、磁気アシスト衝撃コーティング(MAIC)、真空フィルムコーティング、ガスジェット乾燥または電気流体力学的噴霧(EHDA)法により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含む。
【0444】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス上に目視可能な印刷表示を含む。
【0445】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた印刷表示を含む。
【0446】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた印刷表示を含む。
【0447】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、バット重合法(VP)、粉末床溶融結合法(PBF)、材料押出法(ME)、材料噴射法(MJ)および指向性エネルギー堆積法(DED)からなる群から選択される3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた印刷表示を含む。
【0448】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、ステレオリソグラフィー法(SLA)、デジタルライトプロセッシング法(DLP)、2光子重合法(2PP)、連続液体界面生産法(CLIP)、選択的レーザー焼結法(SLS)、選択的レーザー溶融法(SLM)、電子ビーム溶融法(EBM)、マルチジェットフュージョン法(MJF)、熱溶解積層法(FDM)、空気圧押出し法/シリンジ押出し法(PE/SE)、材料噴射法(MJ)、ナノ粒子噴射法(NPJ)、ドロップオンデマンド法(DoD)、バインダー噴射法(BJ)、レーザー工学ネット成形法(LENS)および電子ビーム添加剤製造法(EMAM)からなる群から選択される3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた印刷表示を含む。
【0449】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、噴霧、リソグラフ印刷、インクジェット印刷、静電乾燥粉体コーティング、原子層堆積、コロナ帯電、摩擦帯電、磁気アシスト衝撃コーティング(MAIC)、真空フィルムコーティング、ガスジェット乾燥または電気流体力学的噴霧(EHDA)法により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた印刷表示を含む。
【0450】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1の活性成分を含むスラリーから形成される(例えば、(a)における均一混合物は、第1の活性成分を含む)。
【0451】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、第1の活性成分を含まないスラリーから形成される(例えば、(a)における均一混合物は、第1の活性成分を含まない)。
【0452】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表14】
【0453】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表15】
【0454】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表16】
【0455】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表17】
【0456】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表18】
【0457】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表19】
【0458】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表20】
【0459】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表21】
【0460】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表22】
【0461】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表23】
【0462】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表24】
【0463】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表25】
【0464】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表26】
【0465】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表27】
【0466】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表28】
【0467】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、以下を含むスラリーから形成される。
【表29】
【0468】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、対象に経口投与される。
【0469】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1種または複数の活性成分が経口送達されるよう、対象に経口投与される。
【0470】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1種または複数の活性成分が経腸送達されるよう、対象に経口投与される。
【0471】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1種または複数の活性成分が舌下送達されるよう、対象に経口投与される。
【0472】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1種または複数の活性成分が頬内送達されるよう、対象に経口投与される。
【0473】
具体的な実施形態では、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスは、1種または複数の活性成分が経粘膜送達されるよう、対象に経口投与される。
【0474】
具体的な実施形態では、対象はヒトである。
【0475】
具体的な実施形態では、対象は、12歳未満の小児ヒトである。
【0476】
具体的な実施形態では、対象は、少なくとも18歳の成人ヒトである。
【0477】
具体的な実施形態では、対象は、12~18歳の青年ヒトである。
列挙される実施形態
【0478】
以下に提供されている具体的に列挙した実施形態[1]~[86]は、例示目的に過ぎず、特許請求の範囲によって規定されている、開示された主題の範囲を特に限定するものではない。これらの列挙した実施形態は、それらに記載されている、すべての組合せ、部分組合せ、および複数に参照されている(例えば、複数に依存する)組合せのすべてを包含する。
【0479】
[1.]
速溶解結合剤、および
フィルム形成性ポリマー
を含む、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスであって、
8重量%未満の水分含量を有しており、
口腔と接触すると、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスのフィルム剤が、60秒以内に崩壊する、
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0480】
[2.] 第1の活性成分を含まない、実施形態[1]の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0481】
[3.] 第1の活性成分をさらに含む、実施形態[1]の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0482】
[4.]
第1の活性成分
速溶解結合剤、および
フィルム形成性ポリマー
を含む、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスであって、
8重量%未満の水分含量を有しており、
口腔と接触すると、60秒以内に崩壊する、
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0483】
[5.] 口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、
(a)水、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、
(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、
(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、ならびに
(d)必要に応じて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップ
を含む方法。
【0484】
[6.] (a)における均一混合物が、第1の活性成分を含まない、実施形態[5]の方法。
【0485】
[7.] (a)における均一混合物が、第1の活性成分をさらに含む、実施形態[5]の方法。
【0486】
[8.] 口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、
(a)水、第1の活性成分、速溶解結合剤、およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、
(b)基材上に均一混合物を押し出すステップ、
(c)押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、ならびに
(d)必要に応じて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップ
を含む方法。
【0487】
[9.]
(a)実施形態[1]~[4]のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、または実施形態[5]~[8]のいずれか1つの方法によって得られる口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、
(b)封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム
を含むキットであって、
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが、封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム内に入れられている、
キット。
【0488】
[10.] それを必要とする対象に、活性成分を送達する方法であって、対象に、実施形態[1]~[4]のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、または実施形態[5]~[8]のいずれか1つの方法によって得られる口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを経口投与するステップを含む方法。
【0489】
[11.] 湿潤防止ポリマーをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0490】
[12.] 湿潤防止ポリマーが、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む、実施形態[11]の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0491】
[13.] 湿潤防止ポリマーが、メタクリル酸コポリマーを含む、実施形態[11]の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0492】
[14.] 湿潤防止ポリマーが、EUDRAGIT(登録商標)EPOを含む、実施形態[11]の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0493】
[15.] 湿潤防止ポリマーが、0.5~5重量%のEUDRAGIT(登録商標)EPOを含む、実施形態[11]の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0494】
[16.] 湿潤防止ポリマーが、1~4重量%のEUDRAGIT(登録商標)EPOを含む、実施形態[11]の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0495】
[17.] 速溶解結合剤が、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコール(PEG)のブロックコポリマーを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0496】
[18.] 速溶解結合剤が、ポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)グラフトコポリマーを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0497】
[19.] 速溶解結合剤が、(a)ポリビニルアルコール(PVA)および(b)ポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)グラフトコポリマーの組合せを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0498】
[20.] 速溶解結合剤が、Kollicoat(登録商標)Protectを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0499】
[21.] 速溶解結合剤が、40~80重量%のKollicoat(登録商標)Protectを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0500】
[22.] フィルム形成性ポリマーが、セルロースエーテルを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0501】
[23.] フィルム形成性ポリマーが、ヒプロメロースを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0502】
[24.] フィルム形成性ポリマーが、5~20重量%のヒプロメロースを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0503】
[25.] 可塑剤、保存剤、溶媒、着色剤、着香剤、甘味剤、充填剤、増量剤、唾液分泌促進剤、安定化剤および増粘剤、ゲル化剤、味マスキング剤、顔料、滑沢剤、放出改変剤、アジュバント、可溶化剤および乳化剤、フレグランス、乳化剤、界面活性剤、脂質、流動促進剤、安定剤、抗酸化剤、粘着防止剤、酸、塩基、緩衝剤、ならびに保湿剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0504】
[26.] 口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0505】
[27.] 3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0506】
[28.] バット重合法(VP)、粉末床溶融結合法(PBF)、材料押出法(ME)、材料噴射法(MJ)および指向性エネルギー堆積法(DED)からなる群から選択される3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0507】
[29.] ステレオリソグラフィー法(SLA)、デジタルライトプロセッシング法(DLP)、2光子重合法(2PP)、連続液体界面生産法(CLIP)、選択的レーザー焼結法(SLS)、選択的レーザー溶融法(SLM)、電子ビーム溶融法(EBM)、マルチジェットフュージョン法(MJF)、熱溶解積層法(FDM)、空気圧押出し法/シリンジ押出し法(PE/SE)、材料噴射法(MJ)、ナノ粒子噴射法(NPJ)、ドロップオンデマンド法(DoD)、バインダー噴射法(BJ)、レーザー工学ネット成形法(LENS)および電子ビーム添加剤製造法(EMAM)からなる群から選択される3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0508】
[30.] 噴霧、リソグラフ印刷、インクジェット印刷、静電乾燥粉体コーティング、原子層堆積、コロナ帯電、摩擦帯電、磁気アシスト衝撃コーティング(MAIC)、真空フィルムコーティング、ガスジェット乾燥または電気流体力学的噴霧(EHDA)法により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0509】
[31.] 第1の活性成分が感湿性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0510】
[32.] 第1の活性成分が酸素感受性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0511】
[33.] 第1の活性成分がpH感受性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0512】
[34.] 第1の活性成分が感熱性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0513】
[35.] 第1の活性成分が光(UV)感受性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0514】
[36.] 第1の活性成分が不快な味または臭いを有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0515】
[37.] 第1の活性成分が水不溶性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0516】
[38.] 第1の活性成分が少量で存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0517】
[39.] 第2の活性成分が感湿性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0518】
[40.] 第2の活性成分が酸素感受性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0519】
[41.] 第2の活性成分がpH感受性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0520】
[42.] 第2の活性成分が感熱性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0521】
[43.] 第2の活性成分が光(UV)感受性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0522】
[44.] 第2の活性成分が不快な味または臭いを有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0523】
[45.] 第2の活性成分が水不溶性である、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0524】
[46.] 第2の活性成分が少量で存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0525】
[47.] 第1および第2の活性成分が同じである、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0526】
[48.] 第1および第2の活性成分が異なる、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0527】
[49.] 第1の活性成分が、カンナビノイド、テルペンまたはそれらの組合せを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0528】
[50.] 第1の活性成分がCBD(カンナビジオール)を含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0529】
[51.] 第1の活性成分が15mgのCBDを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0530】
[52.] 第1の活性成分がベータ-カリオフィレンを含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0531】
[53.] 第1の活性成分が5~70mgで存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0532】
[54.] 第1の活性成分が5~50mgで存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0533】
[55.] 第1の活性成分が15±10mgで存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0534】
[56.] 第1の活性成分が15±5mgで存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0535】
[57.] 第1の活性成分が1~30重量%で存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0536】
[58.] 第1の活性成分が2~20重量%で存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0537】
[59.] 第1の活性成分が10±5重量%で存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0538】
[60.] 第2の活性成分が0.01~1mgで存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0539】
[61.] 第2の活性成分が0.01~5mgで存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0540】
[62.] 第2の活性成分が0.3±0.25mgで存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0541】
[63.] 第2の活性成分が0.3±0.1mgで存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0542】
[64.] 第2の活性成分が0.1~3重量%で存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0543】
[65.] 第2の活性成分が0.2~2重量%で存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0544】
[66.] 第2の活性成分が1±5重量%で存在する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0545】
[67.] 200±50mgの質量を有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0546】
[68.] 以下の寸法:44±6mm×22±3mm×0.12±0.02mm(4.4±0.6cm×2.2±0.3cmx0.012±0.002cm)を有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0547】
[69.] 0.150mm未満の厚さを有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0548】
[70.] 2つまたはそれよりも多い試料の間で、第1の活性成分の量が、6%未満またはそれに等しい標準偏差で85%~115%の範囲となるような含量均質性を有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0549】
[71.] 2つまたはそれよりも多い試料の間で、第2の活性成分の量が、6%未満またはそれに等しい標準偏差で85%~115%の範囲となるような含量均質性を有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0550】
[72.] 0.5mg/cm~5mg/cmで第1の活性成分を含有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0551】
[73.] 0.001mg/cm~0.5mg/cmで第2の活性成分を含有する、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
【0552】
[74.] (a)における均一混合物が、第1の活性成分をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【0553】
[75.] (a)における均一混合物が、活性成分を含まない、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【0554】
[76.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに第2の活性成分を含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【0555】
[77.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに第2の活性成分を含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【0556】
[78.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに第2の活性成分を含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、3D印刷が、バット重合法(VP)、粉末床溶融結合法(PBF)、材料押出法(ME)、材料噴射法(MJ)および指向性エネルギー堆積法(DED)からなる群から選択される、方法。
【0557】
[79.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、3D印刷により、第2の活性成分を口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、3D印刷が、ステレオリソグラフィー法(SLA)、デジタルライトプロセッシング法(DLP)、2光子重合法(2PP)、連続液体界面生産法(CLIP)、選択的レーザー焼結法(SLS)、選択的レーザー溶融法(SLM)、電子ビーム溶融法(EBM)、マルチジェットフュージョン法(MJF)、熱溶解積層法(FDM)、空気圧押出し法/シリンジ押出し法(PE/SE)、材料噴射法(MJ)、ナノ粒子噴射法(NPJ)、ドロップオンデマンド法(DoD)、バインダー噴射法(BJ)、レーザー工学ネット成形法(LENS)および電子ビーム添加剤製造法(EMAM)からなる群から選択される、方法。
【0558】
[80.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、噴霧、リソグラフ印刷、インクジェット印刷、静電乾燥粉体コーティング、原子層堆積、コロナ帯電、摩擦帯電、磁気アシスト衝撃コーティング(MAIC)、真空フィルムコーティング、ガスジェット乾燥または電気流体力学的噴霧(EHDA)法により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに第2の活性成分を含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【0559】
[81.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに印刷表示を含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【0560】
[82.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに印刷表示を含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【0561】
[83.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、3D印刷により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに印刷表示を含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、3D印刷が、バット重合法(VP)、粉末床溶融結合法(PBF)、材料押出法(ME)、材料噴射法(MJ)および指向性エネルギー堆積法(DED)からなる群から選択される、方法。
【0562】
[84.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、3D印刷により、印刷表示を口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、3D印刷が、ステレオリソグラフィー法(SLA)、デジタルライトプロセッシング法(DLP)、2光子重合法(2PP)、連続液体界面生産法(CLIP)、選択的レーザー焼結法(SLS)、選択的レーザー溶融法(SLM)、電子ビーム溶融法(EBM)、マルチジェットフュージョン法(MJF)、熱溶解積層法(FDM)、空気圧押出し法/シリンジ押出し法(PE/SE)、材料噴射法(MJ)、ナノ粒子噴射法(NPJ)、ドロップオンデマンド法(DoD)、バインダー噴射法(BJ)、レーザー工学ネット成形法(LENS)および電子ビーム添加剤製造法(EMAM)からなる群から選択される、方法。
【0563】
[85.] 押し出された均一混合物を硬化させて、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップの後に、噴霧、リソグラフ印刷、インクジェット印刷、静電乾燥粉体コーティング、原子層堆積、コロナ帯電、摩擦帯電、磁気アシスト衝撃コーティング(MAIC)、真空フィルムコーティング、ガスジェット乾燥または電気流体力学的噴霧(EHDA)法により、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに印刷表示を含浸させるステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【0564】
[86.] 印刷表示が、文字、語、印、デザイン、ロゴ、記号、画像、製品名、活性成分、強度、製造会社名、販売会社名、製造会社のロゴ、販売会社のロゴ、使用指示書および製品の注意書きのうちの少なくとも1つを含む、実施形態[81]~[85]のいずれか1つの口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法。
【実施例
【0565】
(実施例1)
低水分速溶解フィルム剤を製造する方法
1. 水、Kollicoat(登録商標)Protect、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびクエン酸の量を秤量する。
2. 溶液が均一になるまで、水およびクエン酸を一緒にブレンドする。
3. 上記の溶液にヒドロキシプロピルメチルセルロースを加え、溶液が均一になるまで完全にブレンドする。
4. 上記の溶液にKollicoat(登録商標)Protectを加え、溶液が均一になるまで完全にブレンドする。
5. 溶液を400~800mcmで半透明の紙基材に押し出し、オーブンに入れてフィルムを硬化させる。
6. 温度範囲:180°F~260°F。
7. フィルムが乾燥した後に、活性成分を適用する。
8. シートを所望の表面積に裁断する(個々の投薬量)。フィルム剤の目標サイズ:24mm×31mm。
(実施例2)
低水分速溶解フィルム剤を製造する方法
【0566】
A. 調剤
以下の原料を、個々の容器にそれらの所与の量で調剤した:
【表30】
【0567】
B. ブレンド
材料のブレンドは、以下の通り行った:
1.オーバーヘッド式ミキサーを使用して、500mlのビーカー中で水のブレンドを開始する。
2.以下の材料を、順次、加える。スラリーが均一になるまで、各材料をブレンドする。
a. クエン酸(S1006)
b. Eudragit(登録商標)EPO
c. ヒプロメロース(S1167)
d. Kollicoat(登録商標)Protect(S1011)
【0568】
C. 硬化
以下の通り、R&D実験室のオーブン中でスラリーを硬化させた。
1.R&D実験室のオーブンを170°Fに設定する。
2.Gardco押出成形器を400~800mcmの間のピンゲージに調整する。
3.Gardco押出成形器を使用して、シリコン加工紙にスラリーを押し出す。
4.シリコン加工紙をR&D実験室のオーブンに10~20分間入れる。
【0569】
D. 裁断
フィルム剤は、以下の通りに裁断した:
1.カミソリ刃および直定規を使用して、フィルム剤を所望の寸法に裁断する。
(実施例3)
低水分速溶解フィルム剤を製造する方法
【0570】
A. 調剤
以下の原料を、個々の容器にそれらの所与の量で調剤する:
【表31】
【0571】
B. ブレンド
材料のブレンドは、以下の通り行った:
1.オーバーヘッド式ミキサーを使用して、500mlのビーカー中で水のブレンドを開始する。
2.以下の材料を、順次、加えた。スラリーが均一になるまで、各材料をブレンドする。
a. クエン酸(S1006)
b. ヒプロメロース(S1167)
c. Kollicoat(登録商標)Protect(S1011)
【0572】
C. 硬化
以下の通り、R&D実験室のオーブン中でスラリーを硬化させた。
1.R&D実験室のオーブンを170°Fに設定する。
2.Gardco押出成形器を400~800mcmの間のピンゲージに調整する。
3.Gardco押出成形器を使用して、シリコン加工紙にスラリーを押し出す。
4.シリコン加工紙をR&D実験室のオーブンに10~20分間入れる。
【0573】
D. 裁断
フィルム剤は、以下の通りに裁断した:
1.カミソリ刃および直定規を使用して、フィルム剤を所望の寸法に裁断する。
【0574】
(実施例4)
(i)低水分、(ii)速溶解性(<10秒)、(iii)4.6~5の標的pH、および(iv)味マスキング剤または甘味剤の添加なしの好適な味マスク剤の特定の組合せを標的とする例示的な口腔内溶解フィルム剤。
【表32-1】
【表32-2】
【表32-3】
【表32-4】
【表32-5】
【表32-6】
【0575】
(実施例5)
低水分速溶解フィルム剤、乾燥時の喪失量
温度:200°F
試料サイズ:8枚のストリップ
N=3
【0576】
手順:試料をビーカーに入れて、初期重量を記録した。ビーカーをオーブンに入れた。30分間および1時間の間隔で、ビーカーをオーブンから取り出し、デシケーターに入れて、室温に冷却した。次いで、最終重量を記録し、ストリップをオーブンに戻した。最終重量が一定になるまで、プロセスを繰り返した。
【表33】
【0577】
1 KarlFisher検定は、Micro Quality Labs, Inc. (Burbank, CA)で実施した。
(項目1)
ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含む速溶解結合剤、ならびに
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むフィルム形成性ポリマー
を含む口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスであって、
8重量%未満の水分含量を有しており、
口腔と接触すると、60秒以内に崩壊する、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目2)
第1の活性成分を含まない、項目1に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目3)
第1の活性成分をさらに含む、項目1に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目4)
第1の活性成分、
ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含む速溶解結合剤、ならびに
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むフィルム形成性ポリマー
を含む口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスであって、
8重量%未満の水分含量を有しており、
口腔と接触すると、60秒以内に崩壊する、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目5)
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、
(a)水、速溶解結合剤およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、
(b)基材上に前記均一混合物を押し出すステップ、
(c)押し出された前記均一混合物を硬化させて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、ならびに
(d)必要に応じて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップ
を含み、
前記速溶解結合剤が、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含み、
前記フィルム形成性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、方法。
(項目6)
(a)における前記均一混合物が、第1の活性成分を含まない、項目5に記載の方法。
(項目7)
(a)における前記均一混合物が、第1の活性成分をさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目8)
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、
(a)水、第1の活性成分、速溶解結合剤、およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、
(b)基材上に前記均一混合物を押し出すステップ、
(c)押し出された前記均一混合物を硬化させて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、ならびに
(d)必要に応じて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップ
を含み、
前記速溶解結合剤が、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含み、
前記フィルム形成性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、方法。
(項目9)
(a)項目1~4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、または項目5~8のいずれか一項に記載の方法によって得られる口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、
(b)封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム
を含むキットであって、
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが、前記封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム内に入れられている、キット。
(項目10)
それを必要とする対象に、活性成分を送達する方法であって、前記対象に、項目1~4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、または項目5~8のいずれか一項に記載の方法によって得られる口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを経口投与するステップを含む方法。
(項目11)
アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む湿潤防止ポリマーをさらに含む、項目1~4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目12)
前記湿潤防止ポリマーが、EUDRAGIT(登録商標)EPO(アミノアルキルメタクリレートコポリマー)を含む、項目11に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目13)
前記湿潤防止ポリマーが、1~4重量%のEUDRAGIT(登録商標)EPO(アミノアルキルメタクリレートコポリマー)を含む、項目11に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目14)
前記速溶解結合剤が、Kollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマー)を含む、項目1~4および11~13のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目15)
前記速溶解結合剤が、40~80重量%のKollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマー)を含む、項目1~4および11~13のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目16)
前記フィルム形成性ポリマーが、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))を含む、項目1~4および11~15のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目17)
前記フィルム形成性ポリマーが、5~20重量%のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))を含む、項目1~4および11~15のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目18)
可塑剤、保存剤、溶媒、着色剤、着香剤、甘味剤、充填剤、増量剤、唾液分泌促進剤、安定化剤および増粘剤、ゲル化剤、味マスキング剤、顔料、滑沢剤、放出改変剤、アジュバント、可溶化剤および乳化剤、フレグランス、乳化剤、界面活性剤、脂質、流動促進剤、安定剤、抗酸化剤、粘着防止剤、酸、塩基、緩衝剤、ならびに保湿剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、項目1~4および11~17のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目19)
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、項目1~4および11~18のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目20)
3D印刷により、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、項目1~4および11~18のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
本発明は、例えば、以下の項目Aを提供する。
(項目A1)
ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含む速溶解結合剤、ならびに
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むフィルム形成性ポリマー
を含む口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスであって、
8重量%未満の水分含量を有しており、
口腔と接触すると、60秒以内に崩壊する、口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A2)
活性成分を含まない、項目A1に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A3)
第1および第2の活性成分の少なくとも1つをさらに含む、項目A1に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A4)
第1および第2の活性成分の少なくとも1つ
ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含む速溶解結合剤、ならびに
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むフィルム形成性ポリマー
を含む口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスであって、
8重量%未満の水分含量を有しており、
口腔と接触すると、60秒以内に崩壊する、
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A5)
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、
(a)水、速溶解結合剤、必要に応じて第1の活性成分、およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、
(b)基材上に前記均一混合物を押し出すステップ、
(c)押し出された前記均一混合物を硬化させて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ
(d)必要に応じて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに第2の活性成分を含浸させるステップ、ならびに
(e)必要に応じて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップ
を含み、
前記速溶解結合剤が、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含み、
前記フィルム形成性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、方法。
(項目A6)
(a)における前記均一混合物が、第1の活性成分を含まず、(d)第2の活性成分を前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させるステップを含む、項目A5に記載の方法。
(項目A7)
(a)における前記均一混合物が第1の活性成分をさらに含み、必要に応じて、(d)第2の活性成分を前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させるステップを含む、項目A5に記載の方法。
(項目A8)
口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成する方法であって、
(a)水、第1の活性成分、速溶解結合剤、およびフィルム形成性ポリマーを接触させて、均一混合物を形成するステップ、
(b)基材上に前記均一混合物を押し出すステップ、
(c)押し出された前記均一混合物を硬化させて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを形成するステップ、ならびに
(d)必要に応じて、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを所望の表面積のサイズにするステップ
を含み、
前記速溶解結合剤が、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマーを含み、
前記フィルム形成性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、方法。
(項目A9)
(a)項目A1~4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、または項目A5~8のいずれか一項に記載の方法によって得られる口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、
(b)封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム
を含むキットであって、
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスが、前記封入可能な蒸気不透過性容器閉鎖システム内に入れられている、キット。
(項目A10)
それを必要とする対象に、活性成分を送達する方法であって、前記対象に、項目A1およびA3~4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス、または項目A5~8のいずれか一項に記載の方法によって得られる口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスを経口投与するステップを含む方法。
(項目A11)
アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む湿潤防止ポリマーをさらに含む、項目A1~4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A12)
前記湿潤防止ポリマーが、EUDRAGIT(登録商標)EPO(アミノアルキルメタクリレートコポリマー)を含む、項目A11に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A13)
前記湿潤防止ポリマーが、1~4重量%のEUDRAGIT(登録商標)EPO(アミノアルキルメタクリレートコポリマー)を含む、項目A11に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A14)
前記速溶解結合剤が、Kollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマー)を含む、項目A1~4およびA11~13のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A15)
前記速溶解結合剤が、40~80重量%のKollicoat(登録商標)Protect(ポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルアルコール(PVA)-ポリエチレングリコール(PEG)コポリマー)を含む、項目A1~4およびA11~13のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A16)
前記フィルム形成性ポリマーが、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))を含む、項目A1~4およびA11~15のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A17)
前記フィルム形成性ポリマーが、5~20重量%のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))を含む、項目A1~4およびA11~15のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A18)
可塑剤、保存剤、溶媒、着色剤、着香剤、甘味剤、充填剤、増量剤、唾液分泌促進剤、安定化剤および増粘剤、ゲル化剤、味マスキング剤、顔料、滑沢剤、放出改変剤、アジュバント、可溶化剤および乳化剤、フレグランス、乳化剤、界面活性剤、脂質、流動促進剤、安定剤、抗酸化剤、粘着防止剤、酸、塩基、緩衝剤、ならびに保湿剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、項目A1~4およびA11~17のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A19)
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、項目A1~4およびA11~18のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A20)
3D印刷により、前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスに含浸させた第2の活性成分をさらに含む、項目A1~4およびA11~18のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A21)
口腔に接触すると、15秒以内に崩壊する、項目A1~4およびA11~20のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A22)
4重量%未満の水分含量を有する、項目A1~4およびA11~21のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A23)
第1または第2の活性成分を含まず、前記マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含むよう構成されている、項目A1~2およびA11~21のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A24)
第1の活性成分を含まず、前記マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含む、項目A1、A3~4およびA11~21のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。
(項目A25)
前記口腔内崩壊性フィルム剤マトリックスのpHを4.6~5のpHに調整するのに十分な量のクエン酸をさらに含み、第1の活性成分を含まず、前記マトリックスに含浸させた第2の活性成分を含む、項目A1、A3~4およびA11~24のいずれか一項に記載の口腔内崩壊性フィルム剤マトリックス。