(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】手で案内される工作機械及び手で案内される工作機械のための接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B24B 7/18 20060101AFI20230922BHJP
B24B 23/02 20060101ALI20230922BHJP
B25F 5/02 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B24B7/18
B24B23/02
B25F5/02
(21)【出願番号】P 2021539550
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2020071600
(87)【国際公開番号】W WO2021089207
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】102019129824.5
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518407205
【氏名又は名称】フェストール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トゥロジェキー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】アルブレヒト、ハンス-ペーター
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01970168(EP,A1)
【文献】特表2019-515806(JP,A)
【文献】特開2019-130645(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0184954(US,A1)
【文献】特開平03-292922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 7/18
B24B 23/02
B25F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式の
表面仕上げ工作機械(200)の工具ヘッド(202)とハンドル部としての機械モジュール(204)とを接続するための接続アセンブリ(10)であって、
前記接続アセンブリ(10)は、長手方向軸(12)に沿って互いに次に続く少なくとも2つの接続部(14、16、18)であって、それを介して接続部(14、16、18)が接続される接続セクション(20、22)を夫々備える接続部(14、16、18)を有し、前記接続セクション(20、22)は、夫々外側に向かって内側断面(24、26)を画定する接続アセンブリ(10)であり、
第1の接続部(16、18)の接続セクション(22)の断面(26)の内側には機械的なクランプ要素(34)が配置され、他方の接続部(14、16)の接続セクション(20)の断面(28)の内側には機械的なカウンタ要素(32)が配置され、
前記第1の接続部(16、18)の接続セクション(22)には、前記クランプ要素(34)を作動させるクランプ装置(82)が設けられ、
前記クランプ要素(34)と前記カウンタ要素(32)とは、接続セクション(20、22)が互いに差し込まれると互いに係合するように構成され、且つ
前記クランプ装置(82)を手の入力で作動させることによって、前記クランプ要素(34)が前記カウンタ要素(32)と係合したときに前記接続部(16、18)は互いに締め付けられることを特徴とする
接続アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記接続部(14、16、18)は互いに着脱自在に接続可能であることを特徴とする請求項1に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項3】
前記クランプ装置(82)は、手で操作可能なクランプレバー(80)を有し、且つ前記クランプレバー(80)を操作するだけでクランプ要素(34)とカウンタ要素(32)とを介して接続部(14、16、18)をクランプできるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項4】
前記クランプ要素(34)は前記クランプ装置(82)に回転可能に設けられ、且つ前記カウンタ要素(32)に対して相対的にバイアスされており、これにより、接続セクション(20、22)が互いに差し込まれると前記クランプ要素(34)と前記カウンタ要素(32)とが互いに自動的に係合することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項5】
前記クランプ要素(34)が第1の接続部(16)に、且つ/又は前記カウンタ要素(32)が第2の接続部(14)に夫々横方向ボルト(84、86)で固定され、前記横方向ボルト(84、86)は、前記接続部(14、16)の断面(24、26)に、夫々長手方向軸(12)に対して横方向又は斜めに突出し、且つ、端部において、前記接続部(14、16、18)の壁面に形成された凹部と係合するか、又は前記接続部(14、16、18)の壁面に形成された通路(88、90)に夫々係合することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項6】
前記クランプ装置(82)は、前記第1の接続部(16)の横方向ボルト(86)を囲繞し、且つ前記横方向ボルト(86)から離間するとともに横方向ボルト(86)の中心長手方向軸に直交するか斜めの向きの支承軸(98)を有する支承点(96)を画定する軸受部(94)を有することを特徴とする請求項5に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項7】
クランプレバー(80)は、前記軸受部(94)の支承点(96)にレバー軸(100)を介して回動可能に取り付けられ、前記クランプ要素(34)は、偏心輪(102)によってレバー軸(100)に連結されていることを特徴とする請求項6に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項8】
前記第1の接続部(16)の接続セクション(22)には、クランプ要素(34)に作用する手で操作可能な押しボタン(104)が設けられ、前記押しボタン(104)を操作することで前記クランプ要素(34)と前記カウンタ要素(32)との係合が解除されることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項9】
前記クランプ装置(82)は、手の入力でクランプレバー(80)の開方向への移動途中に前記クランプ要素(34)が受けていた引張力から解放されると、前記クランプ要素(34)と前記カウンタ要素(32)との係合を離間させて解除するために前記クランプレバー(80)を手の入力で更に開方向に移動させることができるように構成されていることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項10】
カウンタ要素(32)は、第2の接続部(14、16)上を移動可能に案内され、且つバネ(106)が介在して前記第2の接続部(14、16)上、又は前記第2の接続部(14、16)の接続セクション(20)上に取り付けられていることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項11】
前記カウンタ要素(32)は、保持セクション(108)と結合されているか又は一体化され、前記ばね(106)は、前記保持セクション(108)の端部と横方向ボルト(84)との間に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項12】
第1の接続部(16、18)の接続セクション(22)には突起(112)が形成され、前記突起(112)は、クランプレバー(80)が、前記クランプ要素(34)がクランプされる位置にあるときに、前記クランプレバー(80)の自由端に隣接することを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項13】
接続部(14、16)の夫々に形成されたプラグコネクタ(28、30)及び/又は、
表面仕上げ工作時のダストを吸引により排出する流路(40、42)への接続開口部(36、38)は、前記接続セクション(20、22)に夫々配置され、前記プラグコネクタ(28、30)及び/又は前記接続開口部(36、38)は、接続セクション(20、22)の夫々の断面(26、28)の内側に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項14】
プラグコネクタ(28、30)のうちの少なくとも1つは、前記接続セクション(20、22)上、又は接続部(14、16、18)に夫々弾性要素(64)を介して設けられていることを特徴とする請求項1~13の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項15】
前記プラグコネクタ(28、30)は、前記弾性要素(64)によって初期位置に戻り得ることを特徴とする請求項14に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項16】
1つ又は複数のダスト除去開口部が前記プラグコネクタ(28、30)内に形成されていることを特徴とする請求項13~15の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項17】
第1の接続部(16、18)の接続セクション(22)は、長手方向軸(12)に平行に突出するカラー(50)を有し、第1の接続部(16)と他の接続部(14)とを互いに差し込んだ時、前記第1の接続部(16)の接続セクション(22)は、カラーによって前記他の接続部(14)の接続セクション(20)を囲繞することを特徴とする請求項1~16の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項18】
各端部に接続セクション(20、22)を有する追加の接続部(16)が設けられており、前記追加の接続部(18)を2つの接続部(14、18)間に延長ピースとして挿入してこれに接続することができることを特徴とする請求項1~17に記載の接続アセンブリ(10)。
【請求項19】
請求項1~18の何れか1項に記載の接続アセンブリ(10)を有する
表面仕上げ工作機械(200)。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか1項に記載の接続アセンブリ(10)のための延長ピース(16)
。
【請求項21】
手持ち式の表面仕上げ工作機械(200)の工具ヘッド(202)とハンドル部としての機械モジュール(204)とを接続するための接続アセンブリ(10)用に、前記工具ヘッド(202)に取付けられた接続部(14)と、前記機械モジュール(204)に取付けられた接続部(18)とを接続する延長ピース(16)であって、
両端に接続アセンブリ(10)の接続部(14、18)に接続可能な接続セクション(20、22)を有し、前記接続セクション(20、22)は、内側断面(24、26)を外側に向かって画定する延長ピース(16)であり、
第1の接続セクション(22)の断面(26)の内側には機械的クランプ要素(34)が配置され、第2の接続セクション(20)の断面(28)の内側には機械的カウンタ要素(32)が配置され、前記第1の接続セクション(22)には対応するカウンタ要素(32)とクランプ要素(34)との係合を手の入力で作動させるクランプ装置(82)が設けられており、
前記クランプ要素(34)は、前記第1の接続セクション(22)を前記接続アセンブリ(14)の第1の接続セクション(20)に差し込んだとき、前記クランプ要素(34)が前記接続セクション(20)のカウンタ要素(32)と係合可能であり、前記クランプ装置(82)を手の入力で作動させることにより、前記クランプ要素(34)が前記カウンタ要素(32)に係合すると前記接続部(16)が前記接続部(14)に対して締め付けられ得るように構成されていることを特徴とす
る延長ピース(16)
。
【請求項22】
前記延長ピース(16)の前記接続セクション(20、22)は、互いに相補的に形成されていることを特徴とする請求項
20または21に記載の延長ピース(16)
。
【請求項23】
前記クランプ装置(82)は、手で操作可能なクランプレバー(80)を有し、且つ前記クランプレバー(80)を操作するだけでクランプ要素(34)とカウンタ要素(32)とを介して前記延長ピース(16)を接続部(14、18)のうちの1つにクランプできるように構成されていることを特徴とする請求項20~
22のいずれか1項に記載の延長ピース(16)
。
【請求項24】
前記クランプ要素(34)は、前記延長ピース(16)が前記接続部(14)に差し込まれると前記クランプ要素(34)が前記接続部(14)のカウンタ要素(32)に自動的に係合するように、前記クランプ装置(82)に回転可能に設けられ、且つバイアスされていることを特徴とする請求項20~
23の何れか1項に記載の延長ピース(16)
。
【請求項25】
前記クランプ要素(34)及び/又はカウンタ要素は、夫々横方向ボルト(84、86)を介して前記延長ピース(16)に固定されているとともに、前記横方向ボルト(84、86)は、前記延長ピース(16)の断面(26)に、長手方向軸(12)に対して横方向又は斜めに突出し、且つ、端部において、前記延長ピース(16)の壁面に形成された凹部と係合するか、又は前記延長ピース(16)の壁面に形成された通路(88、90)に夫々係合することを特徴とする、請求項20~
24の何れか1項に記載の延長ピース(16)
。
【請求項26】
前記クランプ装置(82)は、前記延長ピース(16)の横方向ボルト(86)を囲繞し、前記横方向ボルト(86)を包囲し、且つ前記横方向ボルト(86)から離間するとともに横方向ボルト(86)の中心長手方向軸に直交するか斜めの向きの支承軸(98)を有する支承点(96)を画定する軸受部(94)を有することを特徴とする請求項20~
25の何れか1項に記載の延長ピース(16)
。
【請求項27】
前記クランプレバー(80)は、軸受部(94)で画定される支承点(96)にレバー軸(100)を介して回動可能に取り付けられ、前記クランプ要素(34)は、偏心輪(102)によってレバー軸(100)に連結されていることを特徴とする請求項
23に記載の延長ピース(16)
。
【請求項28】
接続セクション(22)には、クランプ要素(34)に作用する手で操作可能な押しボタン(104)が設けられ、前記押しボタン(104)を操作することで前記クランプ要素(34)の前記接続アセンブリ(10)の接続部(14)のカウンタ要素(32)との係合が解除され、且つ/又は前記クランプ装置(82)は、手の入力でクランプレバー(80)の開方向への移動途中に前記クランプ要素(34)が受けていた引張力から解放されると、前記クランプ要素(34)の前記接続アセンブリ(10)の接続部(14)のカウンタ要素(32)との係合を離間させて解除するために前記クランプレバー(80)を手の入力で更に開方向に移動させることができるように構成されていることを特徴とする請求項20~
27の何れか1項に記載の延長ピース(16)
。
【請求項29】
前記カウンタ要素(32)は、前記延長ピース(16)上を移動可能に案内され、且つバネ(106)が介在して前記延長ピース(16)上、又は前記延長ピース(16)の第2の接続セクション(20)上に取り付けられていることを特徴とする請求項20~
28の何れか1項に記載の延長ピース(16)
。
【請求項30】
前記カウンタ要素(32)は、保持セクション(108)と結合されているか又は一体化され、前記ばね(106)は、前記保持セクション(108)の端部と横方向ボルト(84)との間に配置されていることを特徴とする請求項
29に記載の延長ピース(16)
。
【請求項31】
プラグコネクタ(28、30)及び/又は、
表面仕上げ工作時のダストを吸引により排出する流路(40、42)への接続開口部(36、38)は、前記接続セクション(20、22)に夫々配置され、前記プラグコネクタ(28、30)及び/又は前記接続開口部(36、38)は、接続セクション(20、22)の夫々の断面(26、28)の内側に配置されていることを特徴とする請求項20~
30の何れか1項に記載の延長ピース(16)
。
【請求項32】
前記プラグコネクタ(28、30)のうちの少なくとも1つは、前記接続セクション(20、22)上、又は前記延長ピース(16)上に夫々弾性要素(64)を介して設けられ、これにより、前記プラグコネクタ(28、30)は、前記接続セクション(20、22)上、又は前記延長ピース(16)に対して移動可能とされていることを特徴とする請求項
31に記載の延長ピース(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分の特徴を有する接続アセンブリに関する。本発明はまた、追加の独立クレームの特徴を有する工作機械に関する。最後に、本発明は、他の追加の独立クレームの特徴を有する延長ピースに関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械は、先行文献、例えば本出願人のDE 10 2007 012 394 A1から公知である。この文献には、クランプ装置によって互いに接続可能な複数のハンドル部を有するハンドルバーを備えた手で案内される工作機械が記載されている。従って、ハンドルバーの長さは、機械を手元の作業に適応させるために変更することができ、ハンドルバーは輸送目的のために分解することができる。これにより、工作機械の取り扱いが容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】DE 10 2007 012 394 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、一定時間の使用後は、摩耗によるクランプ装置の再調整が必要である。又はハンドル部の着脱には、いくつかの手の動きが必要である。例えば、2つのタイロッドを後方から係合するための部品と係合させ、2つの手動操作レバーによって前記タイロッド及び係合部品をクランプするために、ハンドル部をこの位置に連結して保持しなければならない。さらに、電気コネクタプラグはプラグ接点に取り付ける必要がある。分解は逆の順序で行われ、そのためにはいくつかの手の動きも必要になる。この点で、最適化の可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、単純な構造手段を用いて、手で案内される工作機械、特にその組立及び分解の取り扱いを容易にすることである。また、再調整の労力をできるだけ低く抑えることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1に記載の特徴を有する接続アセンブリによって、この目的を達成する。前記請求項によれば、前記接続アセンブリは、第1の接続部の接続セクションの断面の内側に機械的クランプ要素(例えばクランプ爪)が配置され、他の接続部の接続セクションの断面の内側に機械的カウンタ要素(例えばフック)が配置されていることを特徴とする。クランプ要素に作用する作動可能なクランプ装置が、前記第1の接続部の接続セクション上に設けられる。クランプ要素及びカウンタ要素は、接続セクションが互いに差し込まれたときに互いに係合することができるか又は係合させることができるように構成されている。クランプ装置を作動させることにより、クランプ要素がカウンタ要素と係合するとき、接続部は互いに支持され得る。
【0007】
クランプ接続部(クランプ要素及びカウンタ要素)が外側に配置されるのではなく、接続セクションの断面の内側に配置される(内側クランプ接続)ので、このような構成は、省スペースな力の伝達に寄与する。これにより、接続アセンブリと工作機械の取り扱い及び運搬が容易になる。クランプ要素とカウンタ要素の内側配置は、これらの構成要素の汚染と摩耗とを減少させることができる。クランプ要素及びカウンタ要素は、夫々フック状のプロファイルを有してよい。
【0008】
このような接続アセンブリを備える工作機械は、例えば、手で案内される工作機械であってもよい。このこととは無関係に、接続アセンブリは、接続ライン、例えば、ホース又はパイプであってもよい。接続部は、例えば、管状セクションを有し、接続セクションは、管状セクションの一端部又は両端部に形成することができる。
【0009】
追加の機械モジュールは、ハンドル部であり得る。ハンドル部は、任意に、夫々、工作機械を監視又は操作するための表示要素及び/又は操作要素を有してもよい。接続部の(内側)断面は、例えば、内側チャンバとすることができる。
【0010】
好ましい実施形態では、接続部は、互いに着脱自在に接続可能であり得る。したがって、接続アセンブリは、簡単な方法で組み立て又は分解することができる。例えば、接続アセンブリは、工作機械の使用のために組み立て、輸送又は保管のために分解することができる。
【0011】
クランプ装置は、有利には、作動装置として手動操作可能なクランプレバーを有し、クランプ要素及びカウンタ要素を介して接続部(隣接する2つの接続部をクランプする)をクランプするためには、このクランプレバーのみを操作すればよいように構成することができる。これにより、2つの接続部をロック又はロック解除する(シングルレバー作動又はロック)ためにクランプレバーのみを作動させる必要があるため、接続アセンブリの取り扱いが容易になる。このことは、操作要素の数が少ないことを意味する。接続アセンブリの組立及び分解に必要な手の動きはわずかであるから、組立及び分解は1人のユーザだけで行うことができる。
【0012】
接続セクションが互いに差し込まれるとクランプ要素及びカウンタ要素が自動的に互いに係合するように、クランプ要素は、クランプ装置上に回転可能に取り付けられ、且つカウンタ要素に対してバイアスされると好都合である。したがって、接続セクションが互いに差し込まれるときに、クランプ要素とカウンタ要素とは、好ましくは互いに後ろで、自動的に係合する。したがって、クランプ装置によってまだクランプされていない場合でも接続部は互いに固定される。これにより、損傷の危険性や負傷の危険性が低減されるため、取り扱い時の安全性が向上する。例えば、クランプ要素に作用するばね要素を設けて、バイアスをかけることができる。ばね要素は、圧縮ばねとすることができる。
【0013】
具体的には、夫々横方向ボルトによって、クランプ要素は第1の接続部に固定することができ、且つ/又は、カウンタ要素は第2の接続部に固定することができ、横方向ボルトは、夫々の接続部の断面を通って長手方向軸に対して直交する方向又は斜めに突出し、接続部の壁に形成された凹部又は接続部の壁に夫々形成された通路にその端部で係合する。したがって、クランプ要素及びカウンタ要素は、夫々の接続部に安定した方法で接続される。接続部が比較的柔らかい材質あっても、横方向ボルトにより、確実に力を伝えることができる。例えば、接続部はアルミニウムで作ることができる。横方向ボルトは(管状)スリーブとして設計することができる。横方向ボルトは、接続部において半径方向を向いてよい。
【0014】
クランプ装置は、第1の接続部の横方向ボルトを囲繞し、横方向ボルトから離間され、横方向ボルトの中心の長手方向軸に対して斜め又は直交方向に配向された支承軸を有する支承点を規定する軸受部を備えると好都合である。このことは、支承軸が省スペースで力経路上好ましい方法で設けられていることを意味する。軸受部は軸受板として設計できる。軸受板は、安定性の理由から、好ましくは、U字形断面を有することができる。
【0015】
好ましい実施形態では、クランプレバーは、レバー軸を介して、軸受部の支承点上に回動可能に取り付けることができ、クランプ要素は、偏心輪によってレバー軸に連結されている。これにより、クランプ要素及び前記クランプ要素と係合することができるカウンタ要素に構造的に単純で費用対効果の高い方法で高い力を加えることが可能となる。
【0016】
任意に、第1の接続部の接続セクションには、手動で操作可能な押しボタンを設けることができ、この押しボタンは、クランプ要素に作用し、押しボタンを操作することによって、(クランプ装置が解除されると)クランプ要素及びカウンタ要素を解除することができる。このようにして、ユーザが負傷する危険性及び工作機械が損傷する危険性が低減される。従って、クランプ要素とカウンタ要素との係合を解除するためには、押しボタンを押す必要がある。クランプレバーが(偶発的に)作動する(クランプ装置が取り外される)場合、これが起こるためには押しボタンを操作しなければならないので、接続部が意図せずに互いに離れることを防止することができる。
【0017】
あるいは、又は付加的に、クランプ装置は、クランプ要素が解放された後、クランプ要素とカウンタ要素との係合を解除するために(クランプ装置が解放されたときに)、クランプレバーをさらに開方向に移動させることができるように構成することができる。このようにしても、接続部同士が意図せず外れてしまうことを防ぐことができる。このような構成に必要とされる部品及び動作要素は比較的少ない。
【0018】
カウンタ要素は、第2の接続部上に変位可能に案内され、ばねを介在させることによって第2の接続部、又は第2の接続部の接続セクション上に取り付けることができると有利である。これにより、ばねがあらゆる公差を補償し、構造公差補償が付与される。したがって、摩耗による再調整は不要である。バネの力の方向は、関連する接続部の長手方向に沿って、又はそれと平行に向けられる。ばねは、例えば、カウンタ要素の突起と横方向ボルトとの間に配置することができる。ばねは、例えば、圧縮ばねであり得る。
【0019】
カウンタ要素は、保持部に結合されるか、又は融合させ得ると好都合であり、ここで、保持部は、角度付き部を含み、ばねは、角度付き部と、第2の接続セクション上の横方向ボルトとの間に配置することができる。これにより、ばねとカウンタ要素と横方向ボルトとの構造的に簡単で安定した部品の少ない結合が得られる。これにより、全体的に好ましい公差補償の構成が齎される。
【0020】
好ましい実施形態では、クランプ要素が閉じる位置にクランプレバーがあるとき、クランプレバーの自由端に隣接し、特にその輪郭が連続する突起を、第1の接続部の接続セクション上に形成することができる。したがって、突起によってクランプレバーが誤って開く危険性を大幅に低減することができる。突起はラグとして設計できる。クランプレバーの自由端は、支承軸から離れる方向を向いている。
【0021】
電気プラグコネクタ及び/又は夫々の接続部に形成された流路への接続開口部を夫々接続セクション上に配置することができると有利であり、ここでプラグコネクタ及び/又は接続開口部は夫々の接続セクションの断面内に配置される。前記結合が生じるためには、接続部又はそれらの接続セクションを互いに差し込みさえすればよい。このようにして、インターフェースの単純な結合が可能になる。これにより、取り扱いが容易になり、省スペース設計に貢献する。断面内の配置により、汚れや摩耗が低減される。プラグコネクタは、多極コネクタとして設計することができ、例えば、2極以上(多線式)で設計することができる。
【0022】
任意に、プラグコネクタ、クランプ要素及びカウンタ要素及び/又は接続開口部は、夫々の接続セクションの端面に対して面一又は内方にオフセットして配置することができる。換言すれば、これらの要素は、関連する接続部の端面から突出することはない。これにより、けがや摩耗の危険性が軽減される。また、環境への影響からの一定の保護効果が得られる。
【0023】
プラグコネクタの少なくとも1つは、特にプラグコネクタが接続セクション又は接続部に対して移動可能であるように、弾性要素を介して接続部又は接続部に夫々取り付け得ると好都合である。このように、接続部を常に互いに差し込むことができるように、プラグコネクタは、ある程度の遊びを有している。
【0024】
具体的には、プラグコネクタは、弾性要素によって、好ましくは中央の初期位置に戻すことができる。これにより、定義された初期位置が設定される。プラグコネクタが中心から外れて回転した場合、戻り要素によって初期位置に戻すことができる。
【0025】
好ましい実施形態では、プラグコネクタ内に、特にそのプラグ接点に隣接して、1つ又は複数のダスト除去開口部を形成することができる。これにより、電気プラグコネクタの機能を損なうダスト堆積の危険性が低減される。ダスト除去開口部は、流路接続部によって関連する接続部に形成された流路(吸引チャネル)に流路接続することができる。
【0026】
第1の接続部の接続セクションは、長手方向軸に平行に突出するカラーであって互いに差し込んだ時に、第1の接続部の接続セクションが他の接続部の接続セクションを囲繞するカラーを有すると有利である。接続セクションはカラーを介して案内されるので、互いに差し込むことはこのように単純化される。これにより、接続セクションのインターフェースを互いに整列させることができる。カラーは、環境の影響から接続セクションのインターフェースを保護するのに貢献する。カラーは、好ましくは、全周カラーとして設計される。
【0027】
両端に夫々接続セクションを有し、第1接続部と第2接続部との間に延長ピースとして挿入することができ、これに着脱自在に接続することができる追加の接続部を設け得ると好都合である。したがって、接続アセンブリ及び手で案内される工作機械の長さは、必要に応じて調整することができる。接続部を挿入することで、長さを長くすることができ、接続部を外すことで長さを短くすることができる。
【0028】
また、最初に言及した目的は、追加の独立クレームの特徴を有する好ましくは手で案内される工作機械によって達成される。工作機械は、上記のように、工具ヘッドと、追加の機械モジュールと、工具ヘッドと機械モジュールとを接続するための接続アセンブリとを有する。工具ヘッドは、例えば、研削ヘッドとして設計することができる。追加の機械モジュールは、例えば、ハンドル部とすることができる。
【0029】
工作機械で達成できる利点に関しては、接続アセンブリに関する関連記述を参照する。接続アセンブリに関連して記載された手段を使用して、工作機械をさらに発展させることができる。
【0030】
最初に言及した目的は、他の追加の独立クレームの特徴を有する接続アセンブリ用の延長ピースによっても達成される。延長ピースは、上述のように、接続アセンブリのための追加の延長部を構成する。
【0031】
延長ピースは、特に両端に夫々の接続セクションを有しているので、延長を目的として、延長ピースを2つの接続部の間に挿入し、接続することができる。延長ピースで達成できる利点に関しては、接続アセンブリに関する関連する記載を参照する。
【0032】
有利には、接続アセンブリ用の延長ピースは、工具ヘッドと、手で案内される工作機械の追加の機械モジュールとを接続するために使用することができる。延長ピースは、両端に夫々の接続セクションを有し、延長ピースは、この接続セクションを介して、夫々接続アセンブリの接続部に接続可能であり、延長ピースの接続セクションは、各々、内側断面(例えば、内側チャンバ)を外側に向けて画成する。前記延長ピースは、第1の接続セクションの断面の内側に、機械的クランプ要素(例えば、クランプ爪)が配置され、第2の接続セクションの断面の内側に、機械的カウンタ要素(例えば、フック)が配置されることを特徴とし、第1の接続セクションには、該クランプ要素に作用する作動可能なクランプ装置が設けられる。このようにして(追加の)接続部としての延長ピースは、上記の接続アセンブリの接続部と同様に有利に接続部に接続することができる。
【0033】
好ましい実施形態では、クランプ要素は、第1の接続セクションが接続アセンブリの(追加の)接続部の接続セクションと互いに差し込まれると、クランプ要素が接続セクションのカウンタ要素と係合可能であり、クランプ要素がカウンタ要素と係合するとき、クランプ装置を作動させることによって、延長ピースと接続部とが互いに締付可能であるように構成することができる。これにより、延長ピースがさらに接続部に接続し易くなる。
【0034】
延長ピースの接続セクションは、互いに相補的(部分的に相補的又は完全に相補的)に形成することができると好都合である。言い換えれば、延長ピースの接続セクションを互いに差し込むことができる。したがって、延長ピースは、接続アセンブリの追加の接続部の間に容易に挿入することができる。また、接続アセンブリを長くするために、複数の延長ピースを互いに差し込むことも考えられる。
【0035】
クランプ装置は、手動で操作可能なクランプレバーを有し、このクランプレバーを操作するだけでクランプ要素及びカウンタ要素を介して延長ピースが接続部の1つにクランプされるように構成すると有利である。これにより、簡単な方法で、しかも少ない部品でクランプが可能になる。
【0036】
好ましい実施形態では、クランプ要素は、クランプ装置に回転可能に取り付けられ、接続アセンブリの接続部に延長ピースが互いに差し込まれると、クランプ要素が接続部分のカウンタ要素と自動的に係合するようにバイアスをかけることができる。従って、延長ピースと接続部が互いに差し込まれているとき、クランプ要素とカウンタ要素とは、特に互いに後方で自動的に係合することができる。したがって、延長ピースと接続部とは、クランプ装置によってまだクランプされていない場合でも、互いに固定される。これにより、損傷の危険性や負傷の危険性が低減されるため、取り扱い時の安全性が向上する。例えば、クランプ要素に作用するばね要素を設けて、バイアスをかけることができる。ばね要素は、圧縮ばねとすることができる。
【0037】
具体的には、クランプ要素及び/又はカウンタ要素は、夫々、横方向ボルトを介して延長ピースに固定することができ、横方向ボルトは、延長ピースの断面を通って、長手方向軸に対して直交方向又は斜めに突出し、延長ピースの壁に形成された凹部又は延長ピースの壁に形成された通路に、夫々その端部において係合する。したがって、クランプ要素及びカウンタ要素は、安定した方法で延長ピースに接続される。横方向ボルトは、延長ピース用の比較的柔らかい材料でも、確実に力を伝達することができる。例えば、延長ピースは、アルミニウムで作ることができる。横方向ボルトは(管状)スリーブとして設計することができる。横方向ボルトは、延長ピース内で半径方向を向いてよい。
【0038】
好ましい実施形態では、クランプ装置は、横方向ボルトを囲繞し、横方向ボルトから離間され、横方向ボルトの中心の長手方向軸に対して斜め又は直交方向に配向された支承軸を有する支承点を規定する軸受部を備えることができる。これは、支承軸が省スペースで力経路上好ましい方法で設けられていることを意味する。軸受部は軸受板として設計できる。安定性の理由から、軸受板は、好ましくは、U字形断面を有することができる。
【0039】
有利には、クランプレバーは、レバー軸を介して軸受部の支承点上に回動可能に取り付けることができ、クランプ要素は、偏心輪によってレバー軸に連結されている。これにより、クランプ要素及び前記クランプ要素と係合することができるカウンタ要素に、構造的に単純で費用対効果の高い方法で高い力を加えることが可能となる。
【0040】
任意に、延長ピースの接続セクションには、手動で操作可能な押しボタンを設けることができ、この押しボタンは、クランプ要素に作用し、(クランプ装置が解除されると)押しボタンを操作することによって、クランプ要素を、接続アセンブリの接続部のカウンタ要素との係合から外すことができる。これにより、傷害及び損傷の危険が低減される。従って、クランプ要素とカウンタ要素とを係合させないようにするためには、押しボタンを押す必要がある。もし、クランプレバーが(偶発的に)作動し(クランプ装置が取り外される)ても、これが起こるためには押しボタンを操作しなければならないので、延長ピースが意図せず外れることを防止することができる。
【0041】
代替的又は付加的に、クランプ装置は、クランプ要素が解放された後、締付けレバーをさらに開方向に移動させて、クランプ要素を接続アセンブリの接続部のカウンタ要素との係合を解除する構成することができる。このようにしても、接続部同士が意図せず外れてしまうことを防ぐことができる。このような構成においては、比較的少ない部品及び動作要素しか必要とされない。
【0042】
カウンタ要素は、延長ピース上に変位可能に案内され、ばねを介在させることによって延長ピース、又は延長ピースの第2の接続セクション上に取り付けることができると有利である。これにより、構造公差補償(ばねが公差を補償する)が提供される。もはや摩耗に起因する再調整は不要である。バネの力の方向は、延長ピースの長手方向に沿って、又は平行に向けられる。ばねは、例えば、カウンタ要素の突起と横方向ボルトとの間に配置することができる。ばねは、例えば、圧縮ばねであり得る。
【0043】
カウンタ要素は、保持部に結合されるか、又は融合させることができると好都合であり、ここで、保持部は、角度付き部を含み、ばねは、延長ピースの第2の接続セクションにおいて、角度付き部と横方向ボルトとの間に配置することができる。これにより、構造的に簡単で安定したばね、カウンタ要素、及び横方向ボルトの少ない部品の結合が得られる。これは、公差補償の全体的に好ましい構成を齎す。
【0044】
好ましい実施形態では、電気プラグコネクタ及び/又は延長ピース内に形成された流路への接続開口部を夫々接続セクションに配置することができ、プラグコネクタ及び/又は接続開口部は、夫々の接続セクションの断面の内側に配置される。このようにして、延長ピースは、1つ又は2つの接続部に互いに差し込むだけでよいので、インターフェースの単純な結合が可能になる。取り扱いが容易になり、省スペース設計に貢献する。断面内の配置により、汚れや摩耗を低減する。延長ピースの両側の接続開口部は、流路を通して流路接続される。両側の電気プラグインコネクタは、特に互いに相補的に形成され、1つ以上の電気ラインによって電気的に接続される。電気ラインは、特に延長ピースの内側に延在し、例えば、延長ピースの、流路から離れた部分に延在する。
【0045】
プラグコネクタの少なくとも1つは、接続セクション又は延長ピース上に、特に、接続セクション又は延長ピースに対して移動可能であるように、夫々弾性要素を介して取り付けると有利である。したがって、プラグコネクタは、パイプ部を常に一緒にプラグ接続することができるように、遊びを有している。プラグコネクタを弾性要素によって好ましくは中央の初期位置に戻すことができるようにすることも考えられる。
【0046】
接続アセンブリに関連して記載された手段は、延長ピースの接続セクションをさらに発展させるために使用することができる。
【0047】
本発明は、以下に、図面を参照してより詳細に説明する。同じ要素又は機能的に類似した要素には、同一の参照符号が付されているが、場合によっては1回のみである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】
図1は、手動式工作機械の一実施形態の斜視図であって、2つの接続部を備える接続アセンブリの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の工作機械において、接続アセンブリにおいて延長ピースを追加の接続部として使用するものを示す。
【
図3】
図3は、
図2の詳細Aの隣接する2つの接続部の2つの接続セクションを互いに差し込んだ拡大図である。
【
図4】
図4は、
図3の接続セクションの互いに差し込んでいないときの平面斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3の接続セクションの内側及び個々の接続部を示す。
【
図6】
図6は、
図3の接続セクション及び接続部の長手方向の部分断面図である。
【
図7】
図7は、
図3の接続セクション及び接続部の長手方向縦断面であり、切断面は、接続部の断面を2つの別々のセクションに分割する壁に平行に配置されている。
【
図8】
図8は、
図7と同様の断面図であり、切断面は、横方向ボルトと交差するように配置されている。
【
図9】
図9は、互いに接続された
図3の接続セクションのクランプ要素とカウンタ要素とを横切る切断面で切断した長手方向断面である。
【
図10】
図10は、
図3の接続アセンブリをクランプ装置、クランプ要素、及びカウンタ要素を分離したところを示す。
【
図11】
図11は、
図3の接続セクションの互いに接続していないときの長手方向断面であって、切断面がクランプ要素とカウンタ要素とを横切る断面図である。
【
図13】
図13は、
図3の接続アセンブリのカウンタ要素と接続コネクタとを単独で示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、符号200(以下、「工作機械」という。)によって全体として指定される手で案内される工作機械を示す。一例として、工作機械200は、ロングネックサンダの形態の表面仕上げ機械200として設計される。
【0050】
工作機械200は、研削ヘッド202の形態の工具ヘッド202を有する。加えて、工作機械200は、ハンドル部204の形態の追加の機械モジュール204を有する。また、工作機械200は、研削ヘッド202とハンドル部204とを接続するための接続アセンブリ10を有する。
【0051】
ホース部206が研削ヘッド202上に配置され、その一端部は研削ヘッド202上に配置された吸引点(図示せず)に流路接続されている。ホース部206の他端は、ハンドル部204上に、具体的には接続アセンブリ10によって配置されたホース出口208に流路接続される。ホース(例えば、吸引ホース)をホース出口208に接続することができ、このホースの他端は、例えば、真空掃除機(図示せず)に接続することができる。このようにして、研削ヘッド202上に形成される研削ダストは、吸引点で吸引され、ホース部206、接続アセンブリ10(流路又は吸引チャンネル)及びホース出口208を介して排出することができる。
【0052】
また、研削ヘッド202には、通電ライン(電力の供給;参照符号なし)及び制御ライン(制御信号の供給;参照符号なし)が存在する。ライン及び制御ラインは、一端が研削ヘッド202上に配置された構成要素に電気的又は電子的に接続される。他端では、これらの構成要素は、ハンドル部204上に、特に接続アセンブリ10(電気プラグ接続)を介して配置された制御装置及び供給装置(参照符号なし)に電気的又は電子的に接続される。ハンドル部204は、ハンドル部204をユーザの手で握るか握ることができるハンドルセクション210を有し得る。
【0053】
接続アセンブリ10は、接続部14及び追加の接続部18を有してよく、これらは互いに接続及び分離することができる(
図1参照)。換言すれば、接続部14、18は互いに着脱自在に接続可能である。接続部18は、ハンドル部204上に形成され、後述する接続セクション22(
図3f参照)に対応する接続セクションを有する。ハンドル部204及びその接続セクションは、例えばプラスチック材料で作ることができる。
【0054】
接続部14は、一端に、ハンドル部204上に形成された接続セクション(参照符号なし)に互いに差し込むことができる、後述する接続セクション20(
図3f参照)を有する。接続部14は、他端において研削ヘッド202を担持する接続ピース212に接続されている。
【0055】
任意に、接続組立体10は、延長ピース16として2つの他の接続部14、18の間に挿入することができる(
図2参照)、少なくとも1つの追加の接続部16を有することができる。延長ピース16は、この目的のために、以下にさらに説明するように、一端に接続セクション20を有し、他端に接続セクション22を有する。
【0056】
接続アセンブリ10について、具体的には、接続部14の接続セクション20及び接続部16の接続セクション22(
図2及び
図3fの「A」のマーク参照)を参照してより詳細に後述する。対応する接続アセンブリ10は、接続部14と接続部18との間、及び接続部16と接続部18との間に位置する(
図2にのみ示されている「A」のマークを付す)。
【0057】
接続アセンブリ10は全体として接続ライン、例えば接続管を形成する。接続部14、16は夫々管状セクション、例えばアルミニウムパイプのセクションを有し、その上に接続セクション20、22が夫々形成されている。
【0058】
既に示されているように、接続アセンブリ10は、ロングネックサンダの形成で、研削ヘッド202と手で案内される工作機械200のハンドル部204とを接続するために使用される。この目的のために、接続アセンブリ10は、長手方向軸12に沿って互いに続く(少なくとも)2つの接続部14、16を有する(
図3f参照)。接続部14、16は互いに着脱自在に接続可能である。
【0059】
接続部14は、接続セクション20を有する。接続部16は、接続セクション22を有する。接続部14、16は、接続セクション20、22を介して、具体的には接続セクション20、22を互いに差し込むことによって、互いに接続可能である。接続セクション20、22は、夫々、内側断面24、26を外側に向かって画成する(とりわけ
図5及び
図6を参照)。
【0060】
接続部14、16は、接続セクション20、22において、夫々関連する接続セクション20、22の内側断面24、26又は内側チャンバ24、26に夫々配置される3つの異なるインターフェースを有する。前記インターフェースは、電気プラグ接続部、機械的クランプ接続部、及び流路接続部である。クランプ接続部は、プラグ接続部と流路接続部との間に空間的に配置され、接続セクションのほぼ中央に位置する。
【0061】
接続部14は、電気プラグ接続部の構成要素を形成する電気プラグコネクタ28を内側断面24内に有する。プラグコネクタ28は、例えばソケット(メス部)として設計することができる。加えて、接続部14は、機械的クランプ接続部の構成要素を形成するカウンタ要素32を有する。カウンタ要素32は、例えば、フック状要素即ちフック32として設計することができる。また、接続部14は、接続部14(吸引チャネル)に形成された流路40に接続開口部36を有し、これによって流路接続部の一部が形成されている。
【0062】
接続部16は、内側断面26内に、電気プラグ接続部の構成要素を形成する電気プラグコネクタ30を有する。プラグコネクタ30は、例えば、プラグ(オス部)として設計することができる。さらに、接続部16は、機械的クランプ接続部の構成要素を形成するクランプ要素34を有する。クランプ要素34は、例えば、爪状要素即ちクランプ爪34として設計することができる。クランプ要素34は、クランプレバー80の形態の作動装置によって作動させることができる。また、接続部16は、接続部14に形成された流路42への接続開口部38を有し、流路接続部の一部が形成されている。
【0063】
接続部14については、以下により詳細に説明する。すでに示したように、接続部14は、管状セクションを有し、その両端の一方に接続セクション20が配置されている。接続セクション20は、接続部14を(その自由端において)区分するように囲むシース44を有する(
図5及び
図6参照)。シース44は、端面において、電気プラグコネクタ28、カウンタ要素32及び接続開口部36のための3つの通路(参照符号なし)を有する。
【0064】
シース44は、外側に即ち自由端に向かって特に円錐状に先細りする外面54を有している。また、シース44は、接続部14の端面(パイプ部の端面)を覆う静止セクション(resting section)56を有している。接続部14、16が互いに差し込まれると、静止セクション56は、接続部16の静止セクション58と当接し得る。シース44は、接続部14の自由端とは反対を向いている端部において半径方向に突出する突出部60を有する。接続部14の自由端とは反対を向いているその端部において、シース44は半径方向に突出する突出部60を有する。突出部60は、接続セクション20、22の差込み方向への互いの差込みを制限することができる。突出部60は、このこととは関係なく、シース44から接続部14の管状セクションへの輪郭の滑らかな遷移を生成する。
【0065】
接続部14の管状セクションには、長手方向軸12に平行に、又はそれに沿って延びる壁66が設けられており、この壁は、接続部14の(内側)断面を2つの別々のセクション70、72に分割する。第1のセクション70には流路40が配置されている。カウンタ要素32及び電気プラグコネクタ28は、もう一つのセクション72内に配置される。
【0066】
プラグコネクタ28は、弾性要素64(
図13参照)を介して接続部14に取り付けられている。弾性要素64により、プラグコネクタ28は、接続セクション20又は接続部14に対して移動可能である。プラグコネクタ28は、弾性要素64によって、好ましくは中央の初期位置に戻すことができる。プラグコネクタ28が回転して中心から外れた場合、弾性要素64によって戻すことができる。ダスト除去開口部は、プラグコネクタ28(図示せず)上に任意に形成することができる。これらの開口部は、プラグコネクタ28上のダストの堆積を減少させる。ダスト除去開口部は、流路40に流路接続することができる。
【0067】
カウンタ要素32は、横方向ボルト84によって接続部14に固定されている(特に
図6~
図10及び
図13を参照のこと)。横方向ボルト84は、接続部14の断面24を通って縦軸12に横方向に突出する。断面84は、夫々の端部と共に、接続部14の壁(管状セクションの壁)に形成された通路88に係合する(
図8参照)。
【0068】
カウンタ要素32は、接続部14上を移動可能に案内され、バネ106が介在して接続部14上に移動可能に取り付けられている。(フック状の)カウンタ要素32は、保持セクション108に遷移し、保持セクション108は、角度付きセクション110を有する(特に
図7及び
図8を参照のこと)。バネ106は、角度付きセクション110と横方向ボルト84(
図8参照)との間に配置される。ばね106は、ねじ11と、ばね106を前記ねじ上に螺合するように案内する案内ブッシュ113によって、角度付きセクション110に締結される。ばね106は、特に圧縮ばね106として設計される。
【0069】
接続部16については、以下により詳細に説明する。すでに示したように、接続部16は、管状セクションを有し、その両端の一方に接続セクション22が配置されている。接続セクション22は、接続部16を(ここに示されるその自由端において)区分するように囲むシース46を有する(
図4f.を参照)。端面には、シース46は、電気プラグコネクタ30、クランプ要素34及び接続開口部38のための複数の通路(参照符号なし)を有する。
【0070】
シース46は、長手方向軸12(
図6参照)に平行に突出するカラー50を有し、それによって、接続セクション22は、接続部14、16が互いに差し込まれるとき、反対側の接続セクション20を囲繞する。カラー50は、外向きに、特に円錐状に広がる内面52を有する。内面52は、特に、接続セクション20の円錐状のテーパ外面44に対応するように設計されている。
【0071】
接続セクション22は、接続部16の端面(管状セクションの端面)を覆う静止セクション58をシース46上に有する。静止セクション58は、接続部14、16が互いに差し込まれると、接続セクション20の静止セクション56と当接することができる。
【0072】
ラグとして設計することができる突起112が、シース46上の接続セクション22上に設けられる。突起112は、前記クランプレバー80が、クランプ要素34がクランプされる位置にあるときに、クランプレバー80の自由端に接続されるように設計される。これにより、突起112は、クランプレバー80の輪郭に連続する(特に
図6参照のこと)。
【0073】
作動可能なクランプ装置82が接続部16の接続セクション22に設けられ、クランプ要素34に作用する(特に
図7を参照)。クランプ要素34とカウンタ要素32は、接続セクション20、22が互いにプラグ接続されたときに互いに係合できるように設計されている。クランプ装置82を作動させることにより、クランプ要素34がカウンタ要素32と係合するとき、接続部14、16は互いにクランプ可能である。
【0074】
クランプ装置82は、手動で操作可能なクランプレバー80によって操作可能である。さらに、クランプ装置82は、クランプレバー80のみを作動させれば、クランプ要素34及びカウンタ要素32によって接続部14、16をクランプするように設計されている。
【0075】
クランプ要素34は、クランプ装置82上に回転可能に取り付けられており、カウンタ要素32に対して予荷重をかけられている。その結果、接続セクション20、22が互いにプラグ接続されると、クランプ要素34とカウンタ要素32とが互いに係合する。このために、クランプ要素34に作用し、例えば接続部16の管状セクションの内壁に支持されるバネ92が設けられる(特に
図8を参照のこと)。ばね92は、特に圧縮ばね92である。
【0076】
クランプ要素34は、横方向ボルト86によって接続部16に固定される。横方向ボルト86は、接続部16の断面26を通って長手方向軸12に横方向に延びる。横方向ボルト86は、各端部において接続部16の壁に形成された通路90(
図8参照)に係合する。
【0077】
クランプ装置82は、U字状の断面を有する軸受板として設計されている軸受部94を有する(特に
図7~
図10を参照)。軸受部94は、横方向ボルト86を包囲し、横方向ボルト86から離間し、横方向ボルト86の中心長手方向軸に直交する向きの支承軸98を有する支承点96を画定する(特に
図10参照)。クランプレバー80は、レバー軸100によって軸受部94の支承点96に回動可能に取り付けられており、クランプ要素34は、偏心輪102(特に
図8乃至
図10参照)によってレバー軸100に連結されている。
【0078】
クランプ装置82は、クランプ要素34が解放された後(例えば、
図4において反時計回りに)、クランプ要素34とカウンタ要素32とを係合させないようにクランプレバー80をさらに開方向に移動させることができるように設計することができ、したがって接続部14、16は互いに着脱可能である。
【0079】
任意に、手で(例えば、指で)操作可能な押しボタン104を接続部16の接続セクション22に設けることができ、これはクランプ要素34に押しボタン104が作用し、押しボタン104を作動させることによって、クランプ要素34とカウンタ要素32(クランプ装置82が解除されたとき)を係合から外すことができる(
図9、11及び12参照)。
【0080】
接続部16の管状セクションにおいて、接続部16の(内側の)断面を2つの別個のセクション74、76に分割する壁体である長手方向軸12に平行に、又はそれに沿って延びる壁68が設けられている。流路42は第1のセクション74に配置される。クランプ要素34及びクランプ装置82及び電気プラグコネクタ30は、もう一つのセクション76に配置される(
図6参照)。
【0081】
接続部16のプラグコネクタ30は、任意に接続部16上の弾性要素を介して取り付けることができる。このようにプラグコネクタ30は、接続部16(図示せず)に対して移動可能である。プラグコネクタ30は、弾性要素によって、好ましくは中央の初期位置に戻すことができる。プラグコネクタ30が回転して中心から外れたときは、弾性要素によって初期位置に戻すことができる。
【0082】
任意に、プラグコネクタ30内に、特にそのプラグ接点に隣接して、1つ又は複数のダスト除去開口部を形成することができる。ダスト除去開口部は、接続部16内に形成された流路42に任意に流路接続することができる。
【0083】
図14~
図17は、延長ピースの形の接続部16を独立に示す。延長ピース16は長手方向12に延在する。延長ピース16は、一方の端部(
図14の左側)に接続セクション22を有し、他方の端部(
図14の右側)に接続セクション20を有する管状セクションを有する。
【0084】
延長ピース16の接続セクション22は、上述した接続部16の接続セクション22に対応して設計される(同じ又は機能的に類似した要素には、同一の参照符号が設けられる)。従って、繰り返しを避けるために、接続部16の接続セクション22に関する上記の文言を参照する。
【0085】
延長ピース16の接続セクション20は、上述した接続部14の接続セクション20に対応して設計される(同一又は機能的に類似した要素には、同一の参照符号が設けられる)。従って、繰り返しを避けるために、接続部14の接続セクション20に関する上記の文言を参照する。
【0086】
上記にもかかわらず、以下のことを留意すべきである。延長ピース16の管状セクションには、長手方向軸12に平行に、又はそれに沿って延在する壁68が設けられ、この壁は、延長ピース16の断面を2つの別々のセクション74、76に分割する。
【0087】
流路42は第1のセクション74に配置される。流路74は、延長ピース16の接続セクション22と接続セクション20との間に延在する。接続開口部36及び38はいずれも流路42に向かって開口する。
【0088】
もう一つのセクション76において、電気プラグコネクタ28及びカウンタ要素32が接続セクション20上に配置され、クランプ要素34及びクランプ装置82及び電気プラグコネクタ30が接続セクション22上に配置される。電気プラグコネクタ28及び電気プラグコネクタ30は、もう一つのセクション76を通って延びる電気的又は電子的ラインによって互いに電気的又は電子的に接続される。従って、電流及び/又は制御信号は、電気プラグコネクタ28、30によって延長ピース16を介して伝送することができる。
【0089】
接続アセンブリ10又は接続アセンブリ10を装備した手で案内される工作機械は、以下のように動作する(接続部14及び16を参照して説明する)。
【0090】
接続のために、接続部14、16は、まず、接続セクション20、22が互いに差し込まれ得るように、接続セクション20、22が互いに整列されるように、互いに対して位置決めされる(例えば、
図4、6又は11を参照)。
【0091】
次いで、接続セクション20、22を互いに差し込み、クランプレバー80を閉じることができる(例えば、
図3又は9を参照)。クランプ要素34は、バネ92によってカウンタ要素32に対して予め荷重が掛けられているから、接続セグメントが一旦互いにプラグ接続されると、クランプ要素34とカウンタ要素32は互いに(互いに後ろに)係合する(例えば、
図8参照)。
【0092】
加えて、接続セクションが互いに差し込まれるとき、プラグコネクタ28、30もまた、互いに接続される。接続セクションが互いに差し込まれ、接続部が終了位置に到達したとき、例えば接続セクション20の静止セクション56が接続セクション22の静止セクション58に当接したときに、接続開口部36、38も、流路40と流路42とが互いに流路接続されるように、互いに整列される。
【0093】
クランプレバー80を枢動させることにより、クランプ装置82が作動し、この装置はクランプ要素34に作用し、クランプ要素は後方からカウンタ要素32と係合する(
図9参照)。これにより、クランプ要素34は、接続部16内の偏心輪102によって、長手方向12に内側(軸方向)に引っ張られる。接続部14、16が、例えばタスクセクション56、58によって、接続セクション20、22で互いに接して静止し、クランプ要素34がカウンタ要素32に引張力を加える結果、接続部14、16が互いに締め付けられる。
【0094】
この状態において、プラグコネクタ28、30間に電気プラグ接続が確立される。機械的クランプ接続は、カウンタ要素32及びクランプ要素34によって確立される。相互に位置合わせされた接続開口部36、38によって、接続部14、16間に流路接続もまた確立される。
【0095】
脱着のためには、クランプレバー80を開方向に枢動させなければならず、その結果、クランプ装置82が作動し、クランプ要素34が解放される(引っ張り力が解放される)。クランプ要素34及びカウンタ要素32は、依然として互いに係合されている。
【0096】
クランプ要素34及びカウンタ要素32を係合から外すためには、クランプレバー80を更に開方向に枢動させるか、又は、その代りに押しボタン104を作動させなければならない。その結果、クランプ要素34は、カウンタ要素32から外れるように枢動される。このようにして、機械的クランプ接続が解除される。
【0097】
次いで、接続部14、16を互いに分離したり、引き離したりすることができる。電気プラグコネクタ28、20と接続開口部26、38とを分離することによって、電気プラグ接続及び接続部14、16間の流路接続も解放される。