(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】調理器具、調理器具に用いる調理小物及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A47J27/00 103Z
A47J27/00 109H
(21)【出願番号】P 2021570443
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2020071163
(87)【国際公開番号】W WO2020238240
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】201920836583.X
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910473447.3
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920830814.6
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920829157.3
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920830812.7
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黄韋銘
(72)【発明者】
【氏名】劉化勇
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼勝華
(72)【発明者】
【氏名】▲クゥァン▼堅
(72)【発明者】
【氏名】羊小亮
(72)【発明者】
【氏名】羅飛龍
(72)【発明者】
【氏名】瞿月紅
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/216277(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0133364(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105816009(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107007133(CN,A)
【文献】特開2007-135729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
A47J 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に調理チャンバーを有する本体部と、
前記調理チャンバー内に設けられる収容部と、
前記調理チャンバー内に設けられる媒体置換部と、を含み、
前記媒体置換部は第1媒体で前記媒体置換部内に位置する第2媒体を置換することにより、置換
された前記第2媒体が前記媒体置換部から排出されるように設けられ、さらに、前記調理チャンバー内の液位を変えるように前記第2媒体が前記媒体置換部から前記調理チャンバー内に排出され、
前記媒体置換部の外部にある前記第2媒体が前記媒体置換部内に入ることで前記第1媒体によって使用された少なくとも一部の空間を占めるように設けられ、
前記収容部が前記調理チャンバーに連通することで前記収容部内の液位は変更でき、
前記媒体置換部は気液置換部として構成され、前記気液置換部は気態の前記第1媒体で液態の前記第2媒体を置換するように設けられ、
前記気液置換部は第1媒体入口と、第2媒体出口とを含み、
前記第1媒体入口及び前記第2媒体出口は同じ開口で且つ前記気液置換部の底部に形成される、
ことを特徴とする調理器具。
【請求項2】
前記第1媒体入口を介して前記第1媒体が前記気液置換部内に入り、前記第2媒体出口を介して前記第2媒体が前記気液置換部内から排出される、
ことを特徴とする請求項
1に記載の調理器具。
【請求項3】
前記媒体置換部は前記収容部に接続される、
ことを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載の調理器具。
【請求項4】
前記媒体置換部は少なくとも部分的に前記収容部の下方に設けられる、
ことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項5】
前記媒体置換部は媒体置換部周壁を含み、前記媒体置換部周壁の上部は前記収容部の底面に密着する、
ことを特徴とする請求項
4に記載の調理器具。
【請求項6】
前記媒体置換部周壁の上部に環状のフランジが設けられ、前記環状のフランジは前記収容部の底面に密着し、前記環状のフランジは前記収容部の底面に対して取り外し可能に接続される、
ことを特徴とする請求項
5に記載の調理器具。
【請求項7】
前記媒体置換部には前記媒体置換部内に連通する排気用の排気微細穴がさらに配置される、
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項8】
前記媒体置換部は媒体置換部周壁を含み、前記排気微細穴は前記媒体置換部周壁に設けられ且つ前記媒体置換部周壁の中上部に位置する、
ことを特徴とする請求項
7に記載の調理器具。
【請求項9】
前記媒体置換部は媒体置換部周壁を含み、前記媒体置換部周壁は前記収容部の収容部底壁に接続され、前記排気微細穴は前記収容部底壁に開設される、
ことを特徴とする請求項
7に記載の調理器具。
【請求項10】
収容部周壁と、収容部底壁とを有し、周壁には周壁貫通穴が設けられる収容部と、
前記収容部底壁の下面に設けられ、水蒸気が入り且つ内部の液体が排出されるように下端が開放される
気液置換部と、を含む、
ことを特徴とする調理器具に用いる調理小物。
【請求項11】
調理器具が調理する過程において、沸騰段階を含む前記調理器具の現時点の調理段階を判断するステップと、
前記調理器具が前記沸騰段階にあると判断された場合、前記調理器具の加熱部を制御して、前記調理チャンバー内の液位を第1液位と第2液位との間で変化させるステップとを含む、
ことを特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載の調理器具の制御方法。
【請求項12】
調理器具が調理する過程において、沸騰段階を含む前記調理器具の現時点の調理段階を判断するステップと、
前記調理器具が前記沸騰段階にあると判断された場合、前記調理器具の加熱部を制御して、
前記調理器具の調理チャンバー内の液位を第1液位と第2液位との間で変化させるステップとを含む、
ことを特徴とする請求項
10に記載の調理小物を用いる調理器具の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、仏山市順徳区美的電熱電器制造有限公司が2019年5月31日に提出した、名称が「調理器具、調理器具に用いる調理小物及び制御方法」である中国特許出願第201920836583.X号、第201910473447.3号、第201920830814.6号、第201920829157.3号及び第201920830812.7号の優先権を主張する。
【0002】
本願は、家電分野に関し、特に、調理器具、調理器具に用いる調理小物及び制御方法関する。
【背景技術】
【0003】
瀝米飯(茹でた米を蒸して作ったご飯)は、中国で甑子飯とも呼ばれ、その製作で重要なステップは、研いだ米を水に入れて沸騰するまで茹で、一定の時間後にすくい上げて濾過し、残った米飯を蒸し器で蒸して熟成させることで、おもゆは残して後で飲む。
【0004】
従来の炊飯器では既に瀝米飯を作る機能が実現されており、炊飯器に入れた後、米が水に浸り、この状態で茹でて一定の時間沸騰させてから米と水の分離を行うようにしている。しかし、水に長時間浸っている米飯が、おもゆから糖分を充分に吸収するため、炊飯器で作った米飯は糖尿病患者に適さず、しかも米飯の糖含有量が高くなるため、ユーザーは米飯を食べた後、太りやすいのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度で解決するためである。そのために、本願は、食材と水の分離方式が改善される調理器具を提供する。
【0006】
本願はさらに、調理器具に用いる調理小物を提供する。
【0008】
本願はさらに、調理器具を提供する。
【0009】
本願はさらに、制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に係る調理器具は、本体部と、収容部と、媒体置換部とを含む。前記本体部内には調理チャンバーを有し、前記収容部は前記調理チャンバー内に設けられ、前記媒体置換部は前記調理チャンバー内に設けられ、前記媒体置換部は第1媒体で前記媒体置換部内に位置する第2媒体を置換することにより、置換られた前記第2媒体が前記媒体置換部から排出されるように設けられ、前記媒体置換部はさらに、前記媒体置換部の外部にある前記第2媒体が前記媒体置換部内に入ることで前記第1媒体によって使用された少なくとも一部の空間を占めるように設けられ、前記収容部が前記調理チャンバーに連通することで前記収容部内の液位は変更できる。
【0011】
本願の調理器具によれば、食材と水の分離方式が改善され、媒体置換部を利用して媒体の置き換えを実現することにより、調理チャンバー内の液位を調整することができ、食材と水の分離を制御できるようになる。
【0012】
本願に係る調理器具に用いる調理小物は、収容部と、媒体置換部とを含み、前記収容部及び前記媒体置換部はいずれも前記調理器具の調理チャンバー内に設けられ、前記媒体置換部は前記収容部に接続され、前記媒体置換部は第1媒体で前記媒体置換部内に位置する第2媒体を置換することに適するように設けられ、置換られた前記第2媒体が前記媒体置換部から排出されることで前記収容部内の液位を変える。
【0013】
本願の調理器具に用いる調理小物によれば、食材と水の分離方式が改善され、媒体置換部を利用して媒体の置き換えを実現することにより、調理チャンバー内の液位を調整することができ、食材と水の分離を制御できるようになる。
【0014】
本願に係る調理器具に用いる調理小物は収容部と気液置換部を含み、前記収容部は収容部周壁と、収容部底壁とを有し、前記収容部周壁には周壁貫通穴が設けられ、前記気液置換部は、前記収容部底壁の下面に設けられ、水蒸気が入り且つ前記気液置換部内の液体が排出されるように前記気液置換部の下端が開放される。
【0015】
本願の調理器具に用いる調理小物によれば、気液置換部内の液体が気液置換部から排出されると、調理器具内の水位が上昇し、沸騰する水が収容部に流入し、収容部内の水が米を洗い流し、水が米を洗い流す時、米から糖分を持ち去るため、調理器具で作った米飯は糖尿病患者でも食べることができ、しかも調理器具で瀝米飯を作る時は、水が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0016】
本願に係る調理器具は、前記調理小物を含む。
【0017】
本願の調理器具によれば、調理小物は調理器具に設けられ、食材と水の分離方式が改善され、食材と水の分離を制御できるようになる。
【0018】
本願に係る調理器具の制御方法は、前記調理器具が調理する過程において、沸騰段階を含む前記調理器具の現時点の調理段階を判断するステップと、前記調理器具が前記沸騰段階にあると判断された場合、前記調理器具の加熱部を制御して、前記調理チャンバー内の液位を第1液位と第2液位との間で変化させるステップとを含む。
【0019】
本願の調理器具の制御方法によれば、調理器具が沸騰段階にあると判断された場合、調理器具は調理器具の加熱部を制御して、加熱部に調理器具内の水を加熱させることにより、水を沸騰させて大量の気泡を発生させ、一部の気泡が媒体置換部に蓄積されるため、媒体置換部内の単位面積当たりの圧力が大きくなり、圧力の作用で、媒体置換部内の水が調理チャンバーに排出され、収容部内の水位が一定の高さに達すると、調理器具が直ちに加熱を停止し、媒体置換部内の水蒸気が速やかに溶解し、そして調理チャンバー内の水が媒体置換部に逆流することで、収容部内の水位が早く下降し、これにより調理チャンバー内の液位は第1液位と第2液位との間で変化する。
【0020】
本願の他の態様及び利点は次の説明で記載され、その一部は次の説明から明らかになり、又は本願の実施で把握されるものだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本願の実施例に係る調理器具の断面図である。
【
図2】本願の実施例に係る調理器具に米を入れる時の概略図である。
【
図3】本願の実施例に係る調理器具内の水が沸騰する前の概略図である。
【
図4】本願の実施例に係る調理器具内の水が沸騰する時の概略図である。
【
図5】本願の実施例に係る調理器具で米飯を蒸す時の概略図である。
【
図6】本願の実施例に係る調理器具の収容部及び媒体置換部の概略図である。
【
図7】本願の実施例に係る調理器具の収容部及び媒体置換部の別の実施例の概略図である。
【
図8】
図7における収容部及び媒体置換部の断面図である。
【
図9】本願の実施例に係る調理器具の収容部及び媒体置換部の別の実施例の概略図である。
【
図10】
図9における収容部及び媒体置換部の別の角度からの概略図である。
【
図11】
図9における収容部及び媒体置換部の断面図である。
【
図12】本願の実施例に係る調理器具の収容部及び媒体置換部の別の実施例の概略図である。
【
図13】
図12における収容部及び媒体置換部の断面図である。
【
図14】本願の実施例に係る調理器具の収容部及び媒体置換部の別の実施例の概略図である。
【
図15】
図14における収容部及び媒体置換部の断面図である。
【
図16】本願の実施例に係る調理器具の収容部及び媒体置換部の別の実施例の概略図である。
【
図17】
図16における収容部及び媒体置換部の別の角度からの概略図である。
【
図18】
図16における収容部及び媒体置換部の断面図である。
【
図19】
図16における収容部及び媒体置換部の分解図である。
【
図20】本願の実施例に係る調理器具の媒体置換部は媒体置換板として設けられることの概略図である。
【
図21】本願の実施例に係る調理器具の収容部の一実施例の概略図である。
【
図22】本願の実施例に係る調理器具の制御方法のフローチャートである。
【
図23】本願のいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、収容チャンバー内に液体がない。
【
図24】本願のいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、収容チャンバー内に液体が入っている。
【
図25】本願のいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、上蓋部が開かれている。
【
図26】本願のいくつかの任意選択の実施例に係る調理器具の収容アセンブリの構造概略図である。
【
図27】本願のいくつかの任意選択の実施例に係る調理器具の収容アセンブリの分解構造概略図である。
【
図28】本願のまたいくつかの任意選択の実施例に係る調理器具の収容アセンブリの分解構造概略図である。
【
図29】本願のまたいくつかの任意選択の実施例に係る調理器具の媒体置換部の構造概略図で、媒体置換部が縦に切断されている状態である。
【
図30】本願のさらにまたいくつかの任意選択の実施例に係る調理器具の収容アセンブリの構造概略図である。
【
図31】本願のさらにまたいくつかの任意選択の実施例に係る調理器具の収容アセンブリの分解構造概略図である。
【
図32】本願のいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図である。
【
図33】本願のまたいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、収容部内に液体が入っていない。
【
図34】本願のまたいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、収容部内に液体が入っている。
【
図35】本願のいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、水が沸騰していない。
【
図36】本願のいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、水が沸騰し始めたばかりである。
【
図37】本願のいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、水が一定の時間沸騰している。
【
図38】本願のまたいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、水が沸騰していない。
【
図39】本願のまたいくつかの実施例に係る調理器具の構造概略図で、水が一定の時間沸騰している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本願の実施例を詳細に説明し、図面には前記実施例の例が示され、常に同じ又は類似の符号で同じもしくは類似の部品又は同じもしくは類似の機能を有する部品を表す。図面を参照して説明された実施例は例示的なもので、本願の解釈に供するもので、本願に対する制限と理解されるものではない。
【0023】
なお、本願の説明で、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などで指示した方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係に基づくもので、本願の説明及び説明の簡素化のためのものに過ぎず、対象の装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位で構造又は操作されなければならないことを示すものでもこれを示唆するものでもなく、したがって本願に対する制限とは理解されない。
【0024】
また、用語「第1」、「第2」は説明するためだけに用いられるもので、相対的な重要性を示しもしくはこれを示唆するものとしても、対象となる技術的特徴の数量を暗黙的に示すものとしても理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定される特徴は1つ又は複数の当該特徴を明示的に含んでもよいし又は暗黙的に含んでもよい。本願の説明で、「複数」とは少なくとも2つを意味し、例えば2つ、3つなどであり、ただし他に明確で具体的な限定がなされる場合は除く。
【0025】
本願で、特に明確な規定又は限定がなされる場合を除き、「取り付ける」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義で理解されるべきであり、例えば、固定して接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、又は一体的であることであってもよく、機械的に接続されることであってもよいし、電気的に接続されることであってもよいし、又は互いに通信することであってもよく、直接的に接続されることであってもよいし、中間の介在物を介して間接的に接続されることであってもよく、2つの部品が内部で連通することであってもよいし、2つの部品の相互作用であってもよい。当業者であれば、状況に応じて前記用語の本願での意味を具体的に理解することができる。
【0026】
本願で、特に明確な規定又は限定がなされる場合を除き、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1特徴と第2特徴が直接的に接触することを含んでもよいし、第1特徴と第2特徴が直接的に接触するのではなくそれらの間にある別の特徴を介して接触することを含んでもよい。且つ、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」に位置するとは、第1特徴が第2特徴の真上にもしくは斜め上方に位置することを含み、又は第1特徴は第2特徴よりも水平面に対する高さが大きいことを表してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」に位置するとは、第1特徴が第2特徴の真下にもしくは斜め下方に位置することを含み、又は第1特徴は第2特徴よりも水平面に対する高さが小さいことを表してもよい。
【0027】
次に、
図1~
図22を参照して本願の実施例の調理器具10を説明する。
【0028】
図1~
図22に示すように、本願の実施例の調理器具10によれば、調理器具10は炊飯器、電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットであってもよく、本願では調理器具10が炊飯器であるのを例に説明するが、本願の保護範囲がこれに限定されない。当業者が本願の明細書を読み終え、本願の趣旨を把握すると、本願の調理器具10を電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットなどに用いることもできる。
【0029】
いくつかの実施例において、調理器具10は本体部1と、収容部2と、媒体置換部3とを含んでもよく、収容部2は食材、例えば米を収容するために用いられる。本体部1内には調理チャンバー11を有し、いくつかの実施例において、調理チャンバー11は本体部1の鍋体部12と上蓋部13とによって限定され形成された空洞部であってもよい。
【0030】
収容部2は調理チャンバー11内に設けられる。媒体置換部3は調理チャンバー11内に設けられ、媒体置換部3は第1媒体39と第2媒体31の置換を実現して、調理チャンバー11内の液位を変えるために用いられる。
【0031】
例えば、媒体置換部3は第1媒体39(
図4参照)で媒体置換部3内に位置する液態の第2媒体31(
図4参照)を置換することで、置換られた第2媒体31が媒体置換部3から排出され、第2媒体31が調理チャンバー11に流入することにより、調理チャンバー11内の液位を変えるように設けられる。なお、第1媒体39は媒体置換部3の外部から提供されてもよく、媒体置換部3内に入って第2媒体31の置換を実現し、又は、第1媒体39は媒体置換部3の内部から提供されてもよく、例えば媒体置換部3内の液体、例えば水を加熱することにより、内部で気態の第1媒体39が生成され、第1媒体39は内部から液態の水を媒体置換部3の外部に排出させることができ、なお、第1媒体39の提供は前記2つの形態の組み合わせであってもよく、しかもこれに限定されない。
【0032】
もう一例として、媒体置換部3はさらに、媒体置換部3の外部にあり且つ液態である第2媒体31が媒体置換部3内に入ることで第1媒体39によって使用された少なくとも一部の空間を占めることにより、調理チャンバー11内の液位を下降させるように設けられ、液位が下降する過程で、液体が米を洗い流すため、米の糖分が減少する。言い換えれば、液態の第2媒体31が媒体置換部3内に入って、第1媒体39によって使用されていた少なくとも一部の空間を占めることができ、例えば、調理器具10が加熱を停止し又は加熱電力が低減する場合に、媒体置換部3内の第1媒体39、例えば水蒸気が液化すると、媒体置換部3の外部の液態の第2媒体31、例えば水が媒体置換部3内に入って、第1媒体39によって使用されていた空間と置換する。
【0033】
且つ、収容部2は調理チャンバー11に連通でき、第2媒体31が調理チャンバー11に流入すると、収容部2内の液位が変更できる。なお、第1媒体39は水蒸気で、第2媒体31は水であってもよいが、本願はこれに限定されない。
【0034】
なお、調理器具10、例えば炊飯器の動作過程は主に沸騰段階と、米蒸し段階とを含み、沸騰段階において、炊飯器は主に周期的に加熱し、炊飯器の制御プログラムに周期Tが設定され、Tは関係式32秒≧T≧4秒を満たし、周期対電力調整比はaで、aは関係式1≧a≧1/8を満たし、沸騰段階の総持続時間はt1で、t1は関係式15分≧t1≧3分を満たす。沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムによりおもゆの温度がbに保持され、bは関係式110度≧b≧80度を満たし、米蒸し段階の総持続時間はt2で、t2は関係式30分≧t2≧3分を満たす。
【0035】
具体的には、炊飯器の具体的な動作過程は以下のとおりである。炊飯器で調理する過程で、まず適量の水を調理チャンバー11に注ぎ、次に収容部2及び媒体置換部3を調理チャンバー11内に入れ、調理チャンバー11内の水位は媒体置換部3をほぼ没入させており(なお媒体置換部3より適宜高くてもよいし又は媒体置換部3より適宜低くてもよい)、さらに洗った米を収容部2内に入れ、なお、米を収容部2内に入れた後は、米と水は完全に分離してもよいし、米の一部が水に没入してもよいし、全ての米が水に没入してもよい。
図3に示すように、この時に米と水は分離してもよく、つまり米が上方に、水が下方に位置し、米は水に浸っていない。
【0036】
図4に示すように、炊飯器が調理チャンバー11を加熱し始め、調理チャンバー11内の水が沸騰すると、調理チャンバー11内の水に大量の気泡が発生し、一部の気泡が媒体置換部3に蓄積されるため、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力が大きくなり、圧力の作用で、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に排出され、調理チャンバー11内の水面が上昇し、収容部2が調理チャンバー11に連通するため、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に流入した後、調理チャンバー11内の水は収容部2に流入し、この時に、収容部2内の水位は上昇して、米を没入し、
図4に示すように、米を初歩的に茹でることを実現する。
【0037】
収容部2内の水位が一定の高さに達すると、時間センサ又は信号センサによる検知で又は他の周知の手段により、炊飯器が直ちに加熱を停止し、媒体置換部3内の水蒸気が早く冷却され液化すると、媒体置換部3内の圧力が低減し、そして調理チャンバー11内の水が媒体置換部3に逆流することで、収容部2内の水位が早く下降し、収容部2内の水位が下降するうちに、収容部2内の水が米を通り抜けて下落し、収容部2内の水が米を洗い流し、また、炊飯器が調理する過程では、炊飯器は米と水の分離を間欠的に実現してもよく、例えば、炊飯器が加熱等価電力などの制御プログラムを制御することで、炊飯器は調理チャンバー11を繰り返し加熱しては停止し、炊飯器が調理チャンバー11を繰り返し加熱する過程で、収容部2内の水が繰り返し上昇しては落下し、水が繰り返し上昇しては落下する過程で米が洗い流され、そして水は次第におもゆになっていく。沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムによりおもゆの温度が80度以上に保持されることで、米飯は蒸され又は蒸し煮されて熟成する。
【0038】
しかも、炊飯器の沸騰段階において、水が米を繰り返し洗い流すことで、米の糖含有量が一層低減され、ユーザーはご飯を食べた後も、太りにくいのであり、また、米が均一に受熱し、水分を充分に吸収するため、米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0039】
しかも、米蒸し段階において、炊飯器内では初期の水の蒸発と米の吸水により、水位が下降し、米と水の分離及び米飯を効果的に蒸すことを保証し、米飯がおもゆに浸ることを防ぐために、最終的に調理チャンバー11内の水位と最下層の米飯の距離は4mm以上とする。
【0040】
また、媒体置換部3の体積が変わらない場合には、ガス充填放出装置で媒体置換部3内にガスを充填することで、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力を上げて、調理チャンバー11内の液位を上昇させてもよく、調理チャンバー11内の液位を下降させたい場合に、ガス充填放出装置で媒体置換部3内からガスを引き出し、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力を下げることで、液位が下降する効果を得る。また、媒体置換部3の体積が変更できる場合には、ガス充填放出装置で媒体置換部3内にガスを充填し又は媒体置換部3内のガスを引き出すことで、調理チャンバー11内の液位が上昇又は下降する機能を実現することもできる。
【0041】
例えば、本願の特定のいくつかの例において、調理する過程で、外部のガス充填機構によって媒体置換部3にガスを充填することで、収容部2内の液位の変化を実現でき、且つ、媒体置換部3の体積はガス充填量に従って変化できる。これにより、媒体置換を行う必要がない場合には、媒体置換部3の体積が小さく、調理チャンバー11の使用分が減らされ、且つ、ガスを充填する時に体積を増加させて、ガスの収容量を増やすと、液体の置換量が一層増えており、収容部2内の液面がより明らかに上昇することで、調理効果の向上につながる。
【0042】
これにより、本体部1、収容部2と媒体置換部3の組み合わせで、食材と水の分離方式が改善され、媒体置換部3を利用して媒体の置き換えを実現することにより、調理チャンバー11内の液位を調整することができ、食材と水の分離を制御できるようになる。米を調理器具10内に入れた後、調理器具10で作った米飯は糖尿病患者でも食べることができ、しかも調理器具10で瀝米飯を作る時は、水が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0043】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部3は気液置換部3として構成されてもよく、気液置換部3は気態の第1媒体39で液態の第2媒体31を置換するように設けられてもよく、具体的には、炊飯器が調理チャンバー11内の水を加熱して沸騰させる過程では、気液置換部33内の水蒸気が次第に増加し、そして気液置換部33内の圧力が次第に大きくなり、気液置換部33内の水を調理チャンバー11に押し入れることにより、調理チャンバー11内の水位上昇という目的機能が実現され、さらには収容部2の水位上昇という目的機能が実現される。
【0044】
本願のいくつかの実施例において、
図10、
図12、
図14及び
図17に示すように、気液置換部33は、第1媒体入口32と、第2媒体出
口とを含んでもよく、第1媒体入口32より第1媒体39が気液置換部33内に入り、第2媒体出
口より第2媒体31が気液置換部33内から排出される。なお、炊飯器が調理チャンバー11内の水を加熱して沸騰させる過程では、水蒸気は第1媒体入口32より気液置換部33内に入り、そして気液置換部33内の圧力が次第に大きくなり、気液置換部33内の水を第2媒体出
口から調理チャンバー11に押し入れることにより、第1媒体39で気液置換部3内の第2媒体31を置換するという目的機能が実現される。
【0045】
本願のいくつかの実施例において、第1媒体入口32及び第2媒体出口は同じ開口として設けられてもよく、且つ第1媒体入口32及び第2媒体出口は気液置換部33の底部に形成され、このような設置により気液置換部33の構造が簡素化され、気液置換部33の加工時間が短縮されるため、気液置換部33の生産効率が高められ、しかも開口の加工数量が減り、大量の労力が節約されるため、気液置換部33の製造コストを削減できる。しかも、底部で開口を共用することで、水蒸気がより入りやすく、水がより排出しやすくなる。
【0046】
本願のいくつかの実施例において、
図6に示すように、媒体置換部3は収容部2に接続され、このような設置により媒体置換部3と収容部2とは一体的な構造として構成され、媒体置換部3と収容部2を一緒に調理チャンバー11に入れ又は取り出すことができ、媒体置換部3が洗浄しやすくなり、ユーザーの満足度も向上する。
【0047】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部3は少なくとも部分的に収容部2の下方に設けられ、つまり、媒体置換部3の一部の構造が収容部2の下方に設けられてもよいし、媒体置換部3の全ての構造が収容部2の下方に、上下方向に設けられてもよく、このような設置により媒体置換部3と収容部2の全体の投影面積を減らすことができ、調理チャンバー11の寸法が一定である場合に、媒体置換部3及び収容部2を調理チャンバー11に入れやすい。しかも、媒体置換部3及び収容部2の高さを調整することで、様々な種類の調理器具に一層適合するようになり、炊飯器、電気圧力鍋、電磁調理器などの様々な調理器具における要件が満たされる。
【0048】
本願のいくつかの実施例において、
図19に示すように、媒体置換部3は媒体置換部周壁34を含んでもよく、媒体置換部周壁34の上部が収容部2の底面に密着することで、ある程度密封が構成され、水蒸気の散逸が防がれ、これは媒体置換部周壁34の上部が収容部2の底面に接続されるように理解されてもよく、このような設置により収容部2の底面によって媒体置換部3の上端が閉鎖され、水蒸気が第1媒体入口32より媒体置換部3に入った後は、水蒸気が媒体置換部3の上端より媒体置換部3から流出することが避けられ、水蒸気が媒体置換部3内に貯蔵されることが保証され、さらには媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に押し入れられることが保証される。
【0049】
本願のいくつかの実施例において、
図19に示すように、媒体置換部周壁34の上部に環状のフランジ35が設けられ、環状のフランジ35は収容部2の底面に密着し、環状のフランジ35は収容部2の底面に対して取り外し可能に接続される。なお、媒体置換部3と収容部2が組み立てられると、環状のフランジ35が収容部2の底面に組み立てられ、環状のフランジ35と収容部2の接触面積は媒体置換部周壁34と収容部2の接触面積より大きく、環状のフランジ35の設置により、媒体置換部3の収容部2への取付け面積が増え、媒体置換部3と収容部2がより確実に組み立てられ、これにより媒体置換部3と収容部2の全体的な構造強度が高められる。しかも、媒体置換部3と収容部2の接続部位の密封性が確保され、さらには水蒸気が媒体置換部3の上端より媒体置換部3から流出することが避けられる。また、水が沸騰する過程で大量の水蒸気が発生し、水蒸気が浮力を有するため、このよう設置により媒体置換部3の振動を防ぎ、炊飯器の動作時のノイズを低減させることができる。
【0050】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部周壁34と収容部2とが一体的に融合され、このような設置により媒体置換部3と収容部2が一体成形部品として設けられ、媒体置換部3と収容部2の全体的な構造強度及び剛性が高められ、媒体置換部3と収容部2の分離を防ぐことができ、さらには調理器具10の動作の信頼性を保証できる。例えば、媒体置換部周壁34と収容部2は一体的に射出成形された部品である。
【0051】
いくつかの実施例において、媒体置換部周壁34は収容部2に係止され、溶接され又はかしめ接続されてもよく、このような設置により媒体置換部3と収容部2が確実に組み立てられ、媒体置換部3と収容部2の分離が一層避けられ、しかも媒体置換部3と収容部2が組み立てやすくなり、媒体置換部3と収容部2の組立効率が一層高められる。
【0052】
本願のいくつかの実施例において、
図9~
図11に示すように、媒体置換部3は媒体置換部周壁34を含んでもよく、収容部2は収容部周壁21を含んでもよく、媒体置換部周壁34は収容部周壁21の下端から下向きに延伸し、このような設置により媒体置換部3及び収容部2の構造の一致性を向上させ、媒体置換部3と収容部2の全体的な美観性を向上させることができる。
【0053】
本願のいくつかの実施例において、
図9~
図11に示すように、媒体置換部周壁34及び収容部周壁21はいずれも円環状に構成され、且つ媒体置換部周壁34と収容部周壁21は直径が等しく、このような設置により媒体置換部3の断面積が収容部2の断面積に等しく、媒体置換部3及び収容部2の構造の一致性を一層向上させるとともに、媒体置換部3の置き換え可能な体積を増やすことができる。
【0054】
本願のいくつかの実施例において、
図14及び
図15に示すように、媒体置換部周壁34の直径は漸次変化し、媒体置換部周壁34の細径端(
図15では上端)は収容部周壁21に接続され、媒体置換部周壁34の太径端(
図15では下端)は自在端であり、且つ媒体置換部周壁34の太径端は収容部2から離れる方向に向かって延伸する。なお、
図15に示すように、媒体置換部周壁34の細径端は媒体置換部3の上端で、媒体置換部周壁34の太径端は媒体置換部3の下端であり、このような設置により媒体置換部周壁34が媒体置換部3内の水蒸気と水が媒体置換部3から流出するのを止めることを避け、媒体置換部3内の水の流出速度を加速させることができ、これにより調理チャンバー11内の水位の上昇速度を加速させることができる。
【0055】
本願のいくつかの実施例において、
図7及び
図8に示すように、収容部2の底部には収容部凹部22が形成され、収容部凹部22は媒体置換部3として構成されてもよく、このような設置により媒体置換部3と収容部2が一体的に成形されるため、媒体置換部3を単独で生産することが避けられ、生産金型の開発が減り、さらに調理器具10の生産コストを削減できる。
【0056】
本願のいくつかの実施例において、
図8に示すように、収容部2は収容部底壁23と、収容部周壁21とを含んでもよく、収容部底壁23の少なくとも一部が上向きに起き上がって収容部凹部22が形成され、このような設置により収容部凹部22は収容部底壁23に設けられ、収容部2が調理チャンバー11内に入れられた後、収容部凹部22内に水が蓄積されることが保証され、これにより収容部凹部22の設置位置がより合理的である。しかも、このような集積式設計によりコストが削減されるとともに、ユーザーが使用しやすくもなる。
【0057】
本願のいくつかの実施例において、収容部凹部22は収容部底壁23の中央領域に設置されてもよく、なお、水蒸気が収容部凹部22に入った後、収容部凹部22内の圧力が大きくなり、水蒸気が収容部2に力を加え、このような設置により収容部2の受力がより均一になり(気圧が収容部に作用して上向きの浮力を生成させる)、収容部2が傾くことが避けられ、これにより米が収容部2内に均一に収容されることが保証され、しかも中央に設置するため、排出された水が四周に均一拡散し、調理チャンバー内の液面の上昇速度がより早くかつ均一になる。
【0058】
本願のいくつかの実施例において、
図12及び
図13に示すように、媒体置換部3は環状構造36として構成されてもよく、なお、媒体置換部3の周方向において、媒体置換部3は閉鎖された環状構造36であり、このような設置により媒体置換部3を形成させることができ、媒体置換部3の構造が一層シンプルになり、これにより媒体置換部3はより生産しやすくなる。
【0059】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部3は収容部2の収容部底壁23に設けられてもよく、収容部2が調理チャンバー11内に入れられた後、このような設置により水は媒体置換部3に流入しやすく、媒体置換部3内に水が貯蔵されることが保証され、これにより収容部2内の水位が上昇又は下降できることが保証され、さらには調理器具10の動作の信頼性が保証される。
【0060】
本願のいくつかの実施例において、
図12及び
図13に示すように、環状構造である媒体置換部3は、置換部外周壁37と、置換部内周壁38とを含んでもよく、置換部外周壁37及び置換部内周壁38はそれぞれ収容部底壁23に接続され、置換部外周壁37は置換部内周壁38の外側に嵌設され、且つ置換部外周壁37及び置換部内周壁38は半径方向に間隔をあけて設置される。
【0061】
本願のいくつかの実施例において、
図20に示すように、媒体置換部3は陥没構造を有する媒体置換板39として構成されてもよく、媒体置換部3が調理チャンバー11内に入れられた後、水は媒体置換部3の陥没構造内に貯蔵され、調理器具10が動作する時、水蒸気は陥没構造内に入り、さらに陥没構造内の水を調理チャンバー11に押し入れることができ、当該実施例の構造が一層シンプルである。
【0062】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換板39は内凹面391と、外凸面392とを有し、外凸面392は収容部2に向けられ且つ収容部2に接続され、内凹面391は収容部2と背中合わせに隔たり、このような設置により水と水蒸気が媒体置換板39の内凹面391によって形成された内凹空間内に貯蔵されることが保証され、第1媒体39と第2媒体31が媒体置換板39の内凹空間内に任意に入れ替わることが保証される。
【0063】
本願のいくつかの実施例において、
図18に示すように、媒体置換部3には媒体置換部3内に連通する排気用の排気微細穴5も配置される。なお、調理器具10内の水が沸騰する前に、収容部2内で米と水は分離しており、この時に、媒体置換部3内は水で満たされ又は一部が水によって満たされ、水が沸騰すると、媒体置換部3の下方の水から水蒸気が発生し、大量の水蒸気が発生すると、排気微細穴5から媒体置換部3内の水蒸気を直ちに外部に排出できず、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力が次第に大きくなり、媒体置換部3の水が次第に排出され、最終的には媒体置換部3内では水蒸気だけとなり、収容部2内の水位が上昇し米の表面を超えると、米が充分かつ均一に吸水し、水が一定時間(一般に4~10分)沸騰した後、加熱を停止し又は小電力で一定の時間(10~30分)加熱し、この時に媒体置換部3内の空気が冷却され、おもゆが下降し、排気微細穴5によっておもゆの逆流の速度が加速され、この場合におもゆが米の表面を没入させず、しかも米飯の温度が80℃又は80℃以上に維持されるため、米飯が蒸され又は蒸し煮されて熟成する。
【0064】
本願のいくつかの実施例において、
図18に示すように、媒体置換部3は媒体置換部周壁34を含んでもよく、排気微細穴5は媒体置換部周壁34に設けられてもよく、且つ排気微細穴5は媒体置換部周壁34の中上部に位置し、つまり、排気微細穴5は媒体置換部周壁34の中上部に設けられる。なお、媒体置換部3を調理チャンバー11に入れる時、水が媒体置換部3に入る過程で、媒体置換部3内のガスが排気微細穴5より媒体置換部3から排出され、これにより水が順調に媒体置換部3に入ることが保証され、しかも、水が媒体置換部3内に逆流する過程では、収容部2内の水位の下降速度が加速される。
【0065】
本願のいくつかの実施例において、
図7、
図10、
図12、
図14及び
図17に示すように、媒体置換部3は媒体置換部周壁34を含んでもよく、媒体置換部周壁34は収容部2の収容部底壁23に接続され、排気微細穴5は収容部底壁23に開設される。なお、媒体置換部3を調理チャンバー11に入れる時、水が早く媒体置換部3に流入でき、媒体置換部3内にガスが保持されないことが保証され、これにより媒体置換部3と収容部2、媒体置換部3と調理チャンバー11が連通することが保証され、しかも、水が沸騰していない時は、媒体置換部3内のガスが排気微細穴5から早く排出されるため、収容部2内の水位が早く下降する。
【0066】
本願のいくつかの実施例において、排気微細穴5は1つ設けられ、且つ排気微細穴5が収容部底壁23の中心に設置され、このような設置により収容部2内の水は排気微細穴5から媒体置換部3に流入でき、収容部2内の水が米を均一に洗い流すことができ、米がより均一に受熱することで、米飯の口当たりが改善される。本願はこれに限定されず、排気微細穴5は複数設けられてもよく、且つ、排気微細穴5の形状も限定されず、例えば、排気微細穴5は丸穴、三角穴などである。
【0067】
本願のいくつかの実施例において、排気微細穴5の排気面積は3mm2~20mm2で、好ましくは5mm2~10mm2である。なお、排気微細穴5の排気面積が20mm2を超える場合には、水が沸騰する時は、媒体置換部3内の水蒸気は排気微細穴5より媒体置換部3から流出し、媒体置換部3内には水蒸気が貯蔵されず、排気微細穴5の排気面積が3mm2未満である場合には、水が沸騰していない時は、収容部2内の水が直ちに逆流することができず、したがって、このような設置により収容部2内の水位が上昇することが保証され、収容部2内の水も速やかに媒体置換部3内に逆流する。
【0068】
本願のいくつかの実施例において、
図4に示すように、収容部2には収容部貫通穴24が設けられてもよく、収容部貫通穴24は調理チャンバー11と収容部2の内部空間を連通させるために用いられる。なお、調理チャンバー11内の水位が上昇する場合に、調理チャンバー11内の水は収容部貫通穴24から収容部2に流入でき、沸騰する水で米を茹で米を洗い流すことになり、且つ、水が沸騰していない場合に、調理チャンバー11内の水は収容部貫通穴24より収容部2から流出でき、水と米は分離し、また、水が沸騰する時に大量の水蒸気が発生し、一部の水蒸気が収容部貫通穴24より調理チャンバー11から排出される。
【0069】
本願のいくつかの実施例において、
図17に示すように、収容部2は、収容部周壁21と、収容部底壁23とを含んでもよく、収容部貫通穴24は周壁貫通穴241を含んでもよく、周壁貫通穴241は収容部周壁21に設けられてもよく、周壁貫通穴241は複数設けられてもよく、このような設置により水は早く収容部2に流入し又は流出することができ、米が水に浸る時間が短縮される。
【0070】
本願のいくつかの実施例において、
図17及び
図21に示すように、収容部2は、収容部周壁21と、収容部底壁23とを含んでもよく、収容部貫通穴24は底壁貫通穴242を含んでもよく、底壁貫通穴242は収容部底壁23に設けられてもよく、調理器具10が水を加熱していない場合には、このような設置により底壁貫通穴242の水面との距離が最小になり、水は底壁貫通穴242から収容部2に流入しやすく、また収容部2内の水が底壁貫通穴242より収容部2から流出するため、水が米を一層洗い流すことになる。
【0071】
要するに、本願の好ましい実施形態は以下のとおりである。周壁貫通穴241及び底壁貫通穴242の両方が設置され、水は周壁貫通穴241及び底壁貫通穴242より収容部2内に入ることができ、底壁貫通穴242の一部が米によって遮られる可能性があるため、水の大半が周壁貫通穴241から入り、下向きに行って米を洗い流し、最後に収容部2内の水は底壁貫通穴242から調理チャンバー11に逆流する。周壁貫通穴241及び底壁貫通穴242という設定は、高位貫通穴241及び低位貫通穴242であって、高位貫通穴241の高さは低位貫通穴242の高さより大きいということにもなり、水は高位貫通穴241から収容部2内に入り、低位貫通穴242から排出されることにより、高位貫通穴241と低位貫通穴242との間に位置する食材、例えば米を洗い流し、攪拌する。
【0072】
本願のいくつかの実施例において、底壁貫通穴242は媒体置換部3の半径方向の外側を取り囲み、これは媒体置換部3の周方向において、複数の底壁貫通穴242が媒体置換部3の外側を取り囲むように理解されてもよく、このような設置により調理チャンバー11内の水は収容部2により早く流入でき、収容部2に流入した水の温度が維持され、水で米をより効果的に茹でることができる。
【0073】
本願のいくつかの実施例において、
図12に示すように、媒体置換部3は環状構造36として構成されてもよく、且つ媒体置換部3は、置換部外周壁37と、置換部内周壁38とを含んでもよく、置換部内周壁38は底壁貫通穴242を囲い、このような設置により媒体置換部3内の水は底壁貫通穴242から直接的に収容部2に流入し又は流出することができ、水の熱散逸が低減され、収容部2に流入した水の温度が一層保持される。
【0074】
本願のいくつかの実施例において、
図2に示すように、本体部1は、鍋体部12と、上蓋部13とを含んでもよく、収容部2は鍋体部12を支持し且つその内部まで延伸している。なお、調理器具10で米飯を調理する場合に、上蓋部13によって収容部2が閉められ、このような設置により調理器具10内の水の沸騰に要する時間が短縮され、米飯の調理時間が短縮され、しかも外部の物体が調理器具10内に入ることが避けられ、米飯の衛生と清潔性が保証され、これによりユーザーの飲食上の安全性が保証されるとともに、水蒸気がすぐに調理器具10から流出することが防がれ、媒体置換部3内のガスの単位面積当たりの圧力が保持され、水位が上昇又は下降できることが保証される。
【0075】
本願のいくつかの実施例において、本体部1は鍋体部12と、上蓋部13とを含んでもよく、収容部2は上蓋部13に設けられる。
【0076】
本願のいくつかの実施例において、調理器具10は炊飯器、電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットとして設けられてもよく、このような設置により炊飯器、電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器、ヘルスポットの動作性能を向上させることができ、炊飯器、電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器、ヘルスポットの市場競争力を高めることができる。
【0077】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部周壁34は円環状に設けられてもよく、媒体置換部3の内部空間の調理器具10の中心軸線に垂直の投影面における正投影面積はS1であり、調理器具10は加熱部を含んでもよく、加熱部の投影面における正投影面積はS2であり、S1とS2は関係式S1≧1/3S2を満たし、さらにS1≧1/2S2を満たす。
【0078】
なお、媒体置換部3の内部空間の調理器具10の中心軸線に垂直の投影面における正投影面積と加熱部の投影面における正投影面積とで重なる領域が小さすぎると、媒体置換部3の下方の水から生成される水蒸気の量が不足し、水蒸気が比較的少なく、媒体置換部3内の排水速度が遅く、つまり、調理器具10内で水位の上昇速度が遅く、このような設置により、媒体置換部3の下方に十分な水蒸気が生成されることが保証され、媒体置換部3内の排水速度を加速させ、そして調理器具10内の水位の上昇速度を加速させることができる。
【0079】
本願のいくつかの実施例において、媒体置換部3の内部空間の体積Vは関係式V≧80mlを満たし、さらにVは80Nml≦V≦200Nmlを満たし、さらにVは100Nml≦V≦180Nmlを満たす。なお、調理器具10で米飯を調理する場合に、最大調理量はN杯の米で、1杯の米は140g~160gである。
【0080】
具体的には、調理器具10で米飯を調理する場合、最大調理量が1杯の米である場合に、媒体置換部3の内部空間の体積Vは関係式100Nml≦V≦180Nmlを満たし、最大調理量が2杯の米である場合に、媒体置換部3の内部空間の体積Vは関係式200ml≦V≦360mlを満たし、最大調理量が3杯の米である場合に、媒体置換部3の内部空間の体積Vは関係式300ml≦V≦540mlを満たし、このような設置により媒体置換部3の内部空間内に十分な水が貯蔵されることが保証され、水が沸騰する時は、調理器具10内の水位が十分な高さに上昇することが保証され、沸騰する水に米が没入することが保証される。
【0081】
図1~
図21に示すように、本願の実施例に係る調理器具10に用いる調理小物4は、収容部2と、媒体置換部3とを含み、収容部2及び媒体置換部3はいずれも調理器具10の調理チャンバー11内に設けられ、媒体置換部3は収容部2に接続され、媒体置換部3は第1媒体39で媒体置換部3内に位置する液態の第2媒体31を置換することに適するように設けられ、置換られた第2媒体31が媒体置換部3から排出されることで収容部2内の液位を変える。
【0082】
図1~
図21に示すように、本願の実施例に係る調理器具10に用いる調理小物4によれば、調理小物4は調理器具10の内部に設けられることに適し、調理小物4は、
収容部2と、気液置換部3とを含み、
収容部2は前記実施例の収容部2で、気液置換部3は前記実施例の媒体置換部3である。
収容部2は
収容部周壁21と、
収容部底壁23とを有し、
収容部周壁21には周壁貫通穴241が設けられ、なお、
収容部周壁21は前記実施例の収容部周壁21で、
収容部底壁23は前記実施例の収容部底壁23である。気液置換部3は
収容部底壁23の下面に設けられ、水蒸気が気液置換部3に入り、且つ気液置換部3内の液体が気液置換部3から排出されるように気液置換部3の下端が開放される。
【0083】
なお、気液置換部3内の液体が気液置換部3から排出されると、調理器具10内の水位が上昇し、そして沸騰する水は周壁貫通穴241及び/又は排気微細穴5及び/又は底壁貫通穴242から収容部2に流入し、その後、米が水で茹でられ、調理チャンバー11、収容部2と媒体置換部3の組み合わせで、米が調理器具10内に入れられ、水が次第に沸騰すると、収容部2内の水が米を洗い流し且つ調理チャンバー11に逆流し、水が米を洗い流す時、米から糖分を持ち去るため、調理器具10で作った米飯は糖尿病患者でも食べることができ、しかも調理器具10で瀝米飯を作る時は、水が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0084】
本願のいくつかの実施例において、気液置換部3は気液置換部周壁34を含んでもよく、気液置換部周壁34は前記実施例の媒体置換部周壁34で、気液置換部周壁34は収容部底壁23に接続され、収容部底壁23には底壁貫通穴242がさらに設けられてもよく、底壁貫通穴242は気液置換部周壁34を取り囲む。なお、調理器具10が水を加熱していない場合には、このような設置により底壁貫通穴242の水面との距離が最小になり、水は底壁貫通穴242から収容部2に流入しやすく、また収容部2内の水が底壁貫通穴242より収容部2から流出するため、水が米を一層洗い流すことになる。
【0085】
本願のいくつかの実施例において、
図8に示すように、
収容部底壁23の少なくとも一部は上向きに起き上がり、起き上がった部分は気液置換部3として構成され、このような設置により気液置換部3と
収容部2が一体的に構成され、
収容部2の全体的な構造強度が高められる。
【0086】
図1~
図5に示すように、本願の実施例に係る調理器具10は前記実施例の調理小物4を含み、調理小物4は調理器具10に取り付けられ、本願の調理器具10によれば、食材と水の分離方式が改善され、媒体置換部3を利用して媒体の置き換えを実現することにより、調理チャンバー11内の液位を調整することができ、食材と水の分離を制御できるようになる。
【0087】
図22に示すように、本願の実施例に係る調理器具10の制御方法は、調理器具10で調理する過程において、沸騰段階を含む調理器具10の現時点の調理段階を判断するステップと、調理器具10が沸騰段階にある
と判断された場合、調理器具10は調理器具10の加熱部を制御して、加熱部で調理器具10内の水を加熱させることにより、水を沸騰させて大量の気泡を発生させ、一部の気泡が媒体置換部3に蓄積されるため、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力が大きくなり、圧力の作用で、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に排出され、収容部2内の水位が一定の高さに達した後、時間センサ又は信号センサによって検知されると、調理器具10が直ちに加熱を停止し、媒体置換部3内の水蒸気が速やかに溶解し、そして調理チャンバー11内の水が媒体置換部3に逆流することで、収容部2内の水位が早く下降し、これにより調理チャンバー11内の液位が第1液位と第2液位との間で変化するステップとを含む。
【0088】
本願のいくつかの実施例において、調理器具10の加熱部を制御して、調理チャンバー11内の液位を第1液位と第2液位との間で変化させるステップは、第1電力調整比及び第2電力調整比で加熱部を制御して交互に加熱させるステップであって、第1電力調整比で加熱部を制御して加熱させることにより、収容部2内の液位を第1液位に上昇させることができ、且つ第2電力調整比で加熱部を制御して加熱させることにより、収容部2内の液位を第2液位に下降させることができるステップを含み、第2電力調整比は第1電力調整比より小さく、第2液位は第1液位より低く、このような設置により収容部2内の液位が第1液位と第2液位との間で変化するという目的機能を実現できる。
【0089】
本願のいくつかの実施例において、第2電力調整比及び第1電力調整比の値の範囲は1/8以上且つ1以下であり、加熱部の加熱周期は4秒以上且つ32秒以下であり、なお、各加熱周期内で、第1電力調整比及び第2電力調整比で加熱部を制御して加熱させ、このような設置により収容部2内の液位が第1液位と第2液位との間で変化することが保証され、米が水に長時間浸ることが避けられる。
【0090】
本願のいくつかの実施例において、調理器具10の加熱部を制御して、調理チャンバー11内の液位を第1液位と第2液位との間で変化させるステップは、第1電力で加熱部を制御して加熱動作を行わせることにより、調理チャンバー11内の液位を第1液位に上昇させることができ、調理チャンバー11内の液位が第1液位に上昇した後、調理器具10が加熱部を制御して加熱を停止させ又は加熱部を制御して加熱電力を低減させることにより、調理チャンバー11内の液位を第2液位に下降させることができるステップであって、第2液位は第1液位より低いステップを含む。
【0091】
本願のいくつかの実施例において、調理器具10の調理段階は米蒸し段階をさらに含んでもよく、方法は、調理器具10が米蒸し段階にある場合に、調理器具10は調理器具10の加熱部を制御して、調理チャンバー11内のおもゆの温度を予め設定された温度範囲内に維持させることにより、米飯を蒸して熟成させるステップをさらに含んでもよい。
【0092】
本願のいくつかの実施例において、予め設定された温度範囲は80℃以上且つ110℃以下であり、このような設置によりおもゆの温度を適切な温度範囲内に維持させることができ、さらに米飯を蒸して熟成させることが保証され、米飯の調理の質が保証される。
【0093】
本願のいくつかの実施例において、調理器具10が米蒸し段階にある場合に、調理チャンバー11内の液位は収容部2の底壁より低く、且つ調理チャンバー11内の液位の収容部2の底壁との距離は4mm以上であり、このような設置により米とおもゆが分離することが保証され、米飯を効果的に蒸すことが保証され、米飯がおもゆに浸ることが防がれ、おもゆと米飯の接触が避けられる。
【0094】
本願のいくつかの実施例において、沸騰段階が第1設定時間持続した後、調理器具10は米蒸し段階に移行し、且つ米蒸し段階は第2設定時間持続し、このような設置により米がより均一に受熱し、米が十分な水分を吸収することができ、さらに米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0095】
本願のいくつかの実施例において、第1設定時間の値の範囲は3分以上且つ15分以下であり、第2設定時間の値の範囲は3分以上且つ30分以下であり、このような設置により米がより均一に受熱し、米が十分な水分を吸収することができ、さらに米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0096】
本願のいくつかの実施例において、
図23~31に示すように、調理器具10は炊飯器、電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットなどであってもよく、以下の説明では、調理器具10が炊飯器であるのを例に説明するが、本願の保護範囲がこれに限定されない。当業者が本願の明細書を読み終え、本願の趣旨を把握すると、本願の調理器具10を電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットなどに用いることもできる。
【0097】
図23から
図27に示すように、いくつかの実施例において、調理器具10は、本体部1と、収容アセンブリ230とを含んでもよい。本体部1内には調理チャンバー11を有し、いくつかの実施例において、調理チャンバー11は本体部1の鍋体部12と上蓋部13とによって限定され形成された空洞部であってもよい。収容アセンブリ230は調理チャンバー11内に設けられる。且つ、収容アセンブリ230は収容チャンバー231と、媒体置換チャンバー232とを有する。収容チャンバー231は、食材、例えば米を収容するために用いられる。
【0098】
収容アセンブリ230は第1媒体39と第2媒体31の置換を実現して、調理チャンバー11内の液位を変えるために用いられる。例えば、収容アセンブリ230は第1媒体39で媒体置換チャンバー232内に位置する液態の第2媒体31を置換することで、置換られた第2媒体31が媒体置換チャンバー232から排出され、調理チャンバー11内に入ることにより調理チャンバー11内の液位を変えるように設けられてもよい。
【0099】
なお、第1媒体39は媒体置換チャンバー232の外部から提供されてもよく、媒体置換チャンバー232内に入って第2媒体31の置換を実現し、例えば、外部から媒体置換チャンバー232内にガスを圧送する。又は、第1媒体39は媒体置換チャンバー232の内部から提供されてもよく、例えば、媒体置換チャンバー232内の液体、例えば水を加熱することにより、内部で気態の第1媒体39が生成され、第1媒体39は内部から液態の水を媒体置換チャンバー232の外部に排出させることができ、なお、第1媒体39の提供は前記2つの形態の組み合わせであってもよく、しかもこれに限定されない。
【0100】
媒体置換チャンバー232はさらに、媒体置換チャンバー232の外部にあり且つ液態である第2媒体31が媒体置換チャンバー232内に入ることで第1媒体39によって使用された少なくとも一部の空間を占めることにより、調理チャンバー11内の液位を下降させるように設けられ、液位が下降する過程で、液体が米を洗い流すため、米の糖分が減少する。言い換えれば、液態の第2媒体31は媒体置換チャンバー232内に入って、第1媒体39によって使用されていた少なくとも一部の空間を占めることができる。
【0101】
任意選択で、いくつかの実施例において、調理器具10が加熱を停止し又は加熱電力が低減する場合に、媒体置換チャンバー232内の第1媒体39、例えば水蒸気が液化すると、媒体置換チャンバー232の外部の液態の第2媒体31、例えば水が媒体置換チャンバー232内に入って、第1媒体39によって使用されていた空間と置換する。もう一例として、またいくつかの実施例において、媒体置換チャンバー232内の少なくとも一部の第1媒体39、例えば空気が引き出される場合に、媒体置換チャンバー232の外部の液態の第2媒体31、例えば水は媒体置換チャンバー232内に入って、引き出された第1媒体39と置換することができる。
【0102】
且つ、収容チャンバー231が調理チャンバー11に連通することで収容チャンバー231内の液位は変更できる。具体的には、第2媒体31が調理チャンバー11に流入した後、本体部1と収容アセンブリ230との間のギャップに入り、さらに収容チャンバー231内に入ることができ、収容チャンバー231内に入る液体の量が異なれば、収容チャンバー231の液面が変化する。任意選択で、第1媒体39は水蒸気又は空気であってもよく、第2媒体31は水であってもよいが、本願はこれに限定されない。
【0103】
米を収容部2内に入れた後、収容チャンバー231の液面が上下に変化する時、液体が収容チャンバー231内の米を繰り返し洗い流すため、米の糖含有量が一層低減され、ユーザーはご飯を食べた後も、太りにくいのであり、また、米が均一に受熱し、水分を充分に吸収するため、米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0104】
これにより、本体部1と収容アセンブリ230の組み合わせで、米を調理器具10内に入れた後、調理器具10で瀝米飯を作る時は、液体が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0105】
収容アセンブリ230は取り外し可能に接続される複数の分割部品233で構成されてもよい。取り外せない一体成形やあとから組み合わせて溶接させるなどの構造と比べて、本願の実施例に係る前記取り外し可能な分割構造はより製造しやすいもので、しかも外観には、例えば円形、角形や他の不規則な形状など、より多くの形態を選択することができ、使用上の柔軟性がより高く、また、ユーザーは容易に取り外して洗浄することができ、洗浄し切れないところが少ないため、ユーザーの体験が改善される。
【0106】
本願のいくつかの実施例によれば、任意の2つの分割部品233は係止構造又は磁気吸着構造によって接続されてもよく、確実に接続される上に取り外しも取り付けも便利である。本願では係止構造又は磁気吸着の構造が具体的に限定されず、様々な構造を用いることができ、これは当業者が理解しやすいことであるため、ここで詳細な説明を省略する。
【0107】
任意選択で、係止構造は回転係止構造、凹凸係止構造、上下嵌着係止構造又は左右摺動式係止構造であってもよい。これらの構造はいずれも効果的な係止を実現でき、しかも取り外しも取り付けも便利である。
【0108】
本願のいくつかの実施例において、
図23から
図27に示すように、複数の分割部品233は、収容部2と、媒体置換部3とを含んでもよい。収容部2内には上向きに開口する収容チャンバー231が設けられてもよく、これにより食材は入れやすい。媒体置換部3は収容部2の下方に位置し、且つ媒体置換部3は収容部2に取り外し可能に接続され、媒体置換部3内には下向きに開口する媒体置換チャンバー232が設けられ、これにより第1媒体39を収集しやすくなる。
【0109】
図27及び
図28が参照されるとおり、本願のいくつかの実施例によれば、媒体置換部3は置換部上壁32を有し、収容部2は収容部底壁23を有し、置換部上壁32と収容部底壁23の一方には係止凸部24が設けられ、他方には係止凸部24内への係止に適する係止凹部331が設けられる。これにより、製造しやすいだけでなく、効果的に係止できる。
【0110】
さらに、係止凸部24は1つ又は複数の凸点部25を含んでもよく、係止凹部331は1つ又は複数の貫通穴341を含んでもよく、凸点部25と貫通穴341とは一対一で対応し、凸点部25のそれぞれは対応する貫通穴341内に穿設されて係入される。なお、複数の凸点部25は収容アセンブリ230の周方向に沿って間隔をあけて設けられてもよく、効果的に係止できる。
【0111】
図28及び
図29に示すように、凸点部25は、柱部251と、先端部252とを含んでもよく、柱部251は貫通穴341に穿設されてもよく、先端部252は突出して柱部251の端部に設けられ、且つ先端部252は貫通穴341の片側に受け止められて、柱部251を受け止めて貫通穴341から脱出させない。任意選択で、柱部251の軸方向に沿って、先端部252の両端のうち少なくとも一方に面取り253が構成されてもよい。面取り253は凸点部25と貫通穴341が係合し又は係合が解除される時にガイドする役割を果たすことができ、力を加えて操作する場合に凸点部25は貫通穴341により挿入されやすく又は脱出しやすい。
【0112】
任意選択で、柱部251の軸方向寸法は貫通穴341の軸方向寸法以上であってもよい。これにより、収容部2と媒体置換部3との効果的な係合を実現でき、且つ柱部251の軸方向寸法が貫通穴341の軸方向寸法より大きい場合に、収容部2と媒体置換部3とが係止されている時、ある程度は可動であるため、収容部2と媒体置換部3との間の対象外領域が減らされる。
【0113】
図28及び
図29に示すように、収容部2には位置決め部26が設けられ、媒体置換部3には位置決め係合部35(前記環状のフランジ35)が設けられ、位置決め部26と位置決め係合部35との係合で、収容部2及び媒体置換部3が位置決めされ、収容アセンブリ230はより正確に組み立てられる。
【0114】
本願では位置決め部26及び位置決め係合部35の具体的な構造が特に限定されず、任意選択で、本願のいくつかの実施例において、位置決め部26は収容部2の周方向に沿って収容部底壁23の位置決め凸リブに設けられてもよく、置換部上壁32には開放口321が設けられ、位置決め係合部35は開放口321の縁部で形成されてもよく、開放口321の縁部は位置決め凸リブの外周面に外嵌されることが可能で、効果的に位置決めできる。
【0115】
本願のまたいくつかの実施例において、
図30及び
図31に示すように、複数の分割部品233は、収容筒234と、仕切り板235とを含んでもよい。収容筒234内には上下に貫通する筒チャンバー2341が設けられてもよい。仕切り板235は取り外し可能に収容筒234内に設けられ且つ筒チャンバー2341を収容チャンバー231と、収容チャンバー231の下方に位置する媒体置換チャンバー232とに上下に分割している。任意選択で、収容チャンバー231の内径と媒体置換チャンバー232の内径とは同じでもよいし異なってもよく、適宜設定することができる。
【0116】
次に、本願の特定のいくつかの実施例に係る調理器具10を説明する。当該調理器具10は炊飯器であり、炊飯器の具体的な動作過程は以下のとおりである。炊飯器で調理する過程で、まず適量の水を調理チャンバー11に注ぎ、次に収容部2及び媒体置換部3を調理チャンバー11内に入れ、調理チャンバー11内の水位は媒体置換部3をほぼ没入させており(なお媒体置換部3より適宜高くてもよいし又は媒体置換部3より適宜低くてもよい)、さらに洗った米を収容部2内に入れ、
図23に示すように、この時に米と水は分離してもよく、つまり米が上方の収容部2内に、水が下方に位置し、米は水に浸っていない。
【0117】
この後、炊飯器が調理チャンバー11を加熱し始め、調理チャンバー11内の水が加熱されると、調理チャンバー11内の水に大量の気泡(水蒸気)が発生し、一部の気泡が媒体置換部3に蓄積されるため、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力が大きくなり、圧力の作用で、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に排出され、調理チャンバー11内の水面が上昇し、収容部2が調理チャンバー11に連通するため、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に流入した後、調理チャンバー11内の水は収容部2に流入し、この時に、収容部2内の水位は上昇して、米を没入し、
図25に示すように、米を初歩的に茹でることを実現する。
【0118】
収容部2内の水位が一定の高さに達すると、時間センサ又は信号センサによる検知で又は他の周知の手段により、炊飯器が直ちに加熱を停止し、媒体置換部3内の水蒸気が早く冷却され液化すると、媒体置換部3内の圧力が低減し、そして調理チャンバー11内の水が媒体置換部3に逆流することで、収容部2内の水位が早く下降し、収容部2内の水位が下降するうちに、収容部2内の水が米を通り抜けて下落し、収容部2内の水が米を洗い流し、また、炊飯器が調理する過程では、炊飯器は米と水の分離を間欠的に実現してもよく、例えば、炊飯器が加熱等価電力などの制御プログラムを制御することで、炊飯器は調理チャンバー11を繰り返し加熱しては停止し、炊飯器が調理チャンバー11を繰り返し加熱する過程で、収容部2内の水が繰り返し上昇しては落下し、水が繰り返し上昇しては落下する過程で米が洗い流され、そして水は次第におもゆになっていく。水沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムによりおもゆの温度が80度以上に保持されることで、米飯は蒸され又は蒸し煮されて熟成する。
【0119】
しかも、炊飯器の水沸騰段階において、水が米を繰り返し洗い流すことで、米の糖含有量が一層低減され、ユーザーはご飯を食べた後も、太りにくいのであり、また、米が均一に受熱し、水分を充分に吸収するため、米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0120】
しかも、米蒸し段階において、炊飯器内では初期の水の蒸発と米の吸水により、水位が下降し、米と水の分離及び米飯を効果的に蒸すことを保証し、米飯がおもゆに浸ることを防ぐために、いくつかの実施例において、最終的に調理チャンバー11内の水位と最下層の米飯の距離は4mm以上としてもよい。本願のまたいくつかの実施例において、水位線を最下層の米飯よりやや高くしてもよく、これにより上層に位置する米飯は依然として水に浸らず、米飯の最終的な糖含有量が減らされる点では同じである。
【0121】
任意選択で、本願のいくつかの実施例によれば、媒体置換チャンバー232の体積は変われてもよいし、変わらなくてもよい。いくつかの実施例において、媒体置換チャンバー232の体積が変わらない場合には、ガス充填放出装置で媒体置換チャンバー232内にガスを充填することで、媒体置換チャンバー232内の単位面積当たりの圧力を上げて、調理チャンバー11内の液位を上昇させてもよく、媒体置換チャンバー232内の液位を下降させたい場合に、ガス充填放出装置で媒体置換チャンバー232内からガスを引き出し、媒体置換チャンバー232内の単位面積当たりの圧力を下げることで、液位が下降する効果を得る。
【0122】
またいくつかの実施例において、媒体置換チャンバー232の体積が変更できる場合には、ガス充填放出装置で媒体置換チャンバー232内にガスを充填し又は媒体置換チャンバー232内のガスを引き出すことで、調理チャンバー11内の液位が上昇又は下降する機能を実現することもできる。例えば、本願の特定のいくつかの例において、調理する過程で、ガス充填放出装置で媒体置換チャンバー232にガスを充填することで、調理チャンバー11内の液位の変化を実現でき、且つ、媒体置換チャンバー232の体積はガス充填量に従って変化できる。これにより、媒体置換を行う必要がない場合には、媒体置換チャンバー232の体積が小さく、調理チャンバー11の使用分が減らされ、且つ媒体置換チャンバー232はガスを充填する時に体積を増加させて、ガスの収容量を増やすと、液体の置換量が一層増えており、調理チャンバー11内の液面がより明らかに変化することで、調理効果の向上につながる。
【0123】
これにより、本体部1、収容部2と媒体置換部3の組み合わせで、米を調理器具10内に入れた後、調理器具10で瀝米飯を作る時は、水が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0124】
次に、
図32~
図34を参照して調理器具10を説明する。なお、調理器具10は炊飯器、電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットなどであってもよく、以下の説明では、調理器具10が炊飯器であるのを例に説明するが、本願の保護範囲がこれに限定されない。当業者が本願の明細書を読み終え、本願の趣旨を把握すると、本願の調理器具10を電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットなどに用いることもできる。
【0125】
本願の実施例に係る調理器具は本願の考案者が関連技術から技術的課題を発見しその原因を分析することで得たものである。
【0126】
具体的には、調理時の米の量が多い場合に米飯が不均一でしかも糖分が効果的に浸出されないという関連技術における課題に対し、本願の考案者が鋭意検討を経て、関連技術で前記問題があることの主な原因として以下のことを発見した。米の量が多い場合に、蒸し器内の米が高く積み上げられ、蒸し器の底部からしか水が入らず、水位は全ての米を没入させることが難しく、上層の米が硬めであるいは半煮えになることがある。
【0127】
これに鑑みて、本願の考案者は関連の改善を行って、本願の実施例の調理器具10を得る。
図32から
図34に示すように、いくつかの実施例において、調理器具10は本体部1と、収容部2と、媒体置換部3とを含んでもよく、収容部2は食材、例えば米を収容するために用いられる。本体部1内には調理チャンバー11を有し、いくつかの実施例において、調理チャンバー11は本体部1の鍋体部12と上蓋部13とによって限定され形成された空洞部であってもよい。
【0128】
収容部2は調理チャンバー11内に設けられ、媒体置換部3は調理チャンバー11内に設けられる。媒体置換部3は第1媒体39と第2媒体31の置換を実現して、調理チャンバー11内の液位を変えるために用いられる。
【0129】
例えば、媒体置換部3は第1媒体39で媒体置換部3内に位置する液態の第2媒体31を置換することで、置換られた第2媒体31が媒体置換部3から排出され、調理チャンバー11内に入るように設けられる。第2媒体31が調理チャンバー11に流入すると、収容部2内の液位が変更できる。なお、第1媒体39は媒体置換部3の外部から提供されてもよく、媒体置換部3内に入って第2媒体31の置換を実現し、例えば、外部から媒体置換部3内にガスを圧送する。又は、第1媒体39は媒体置換部3の内部から提供されてもよく、例えば、媒体置換部3内の液体、例えば水を加熱することにより、内部で気態の第1媒体39が生成され、第1媒体39は内部から液態の水を媒体置換部3の外部に排出させることができ、なお、第1媒体39の提供は前記2つの形態の組み合わせであってもよく、しかもこれに限定されない。
【0130】
もう一例として、媒体置換部3はさらに、媒体置換部3の外部にあり且つ液態である第2媒体31が媒体置換部3内に入ることで第1媒体39によって使用された少なくとも一部の空間を占めることにより、調理チャンバー11内の液位を下降させるように設けられ、液位が下降する過程で、液体が米を洗い流すため、米の糖分が減少する。言い換えれば、液態の第2媒体31は媒体置換部3内に入って、第1媒体39によって使用されていた少なくとも一部の空間を占めることができる。
【0131】
任意選択で、いくつかの実施例において、調理器具10が加熱を停止し又は加熱電力が低減する場合に、媒体置換部3内の第1媒体39、例えば水蒸気が液化すると、媒体置換部3の外部の液態の第2媒体31、例えば水が媒体置換部3内に入って、第1媒体39によって使用されていた空間と置換する。もう一例として、またいくつかの実施例において、媒体置換部3内の少なくとも一部の第1媒体39、例えば空気が引き出される場合に、媒体置換部3の外部の液態の第2媒体31、例えば水は媒体置換部3内に入って、引き出された第1媒体39と置換することができる。
【0132】
且つ、収容部2は調理チャンバー11に連通でき、第2媒体31が調理チャンバー11に流入した後、本体部1と収容部2との間のギャップに入り、さらに収容部2内に入ることで、収容部2内の液面が変われ、且つ、収容部2内に入る液体の量が異なれば、収容部2の液面が変化する。
【0133】
米を収容部2内に入れた後、収容部2の液面が上下に変化する時、液体が収容部2内の米を繰り返し洗い流すため、米の糖含有量が低減され、ユーザーはご飯を食べた後も、太りにくいのであり、また、米が均一に受熱し、水分を充分に吸収するため、米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0134】
これにより、本体部1、収容部2と媒体置換部3の組み合わせで、米を調理器具10内に入れた後、調理器具10で瀝米飯を作る時は、液体が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0135】
図32に示すように、媒体置換部3は収容部2の下方に位置してもよく、且つ媒体置換部3及び収容部2は分割部品で、両者は一体的に接続されていない。これにより、収容部2を調理チャンバー11内に入れた後、媒体置換部3を選択的に入れてもよく、媒体置換部3も調理チャンバー11内に入れられた場合に、調理器具10で瀝米飯を作り又は他の調理を行うことができる。媒体置換部3が調理チャンバー11内に入れられていない場合には、収容部2は通常の蒸し器として使用できる。これにより調理器具10の使用上の柔軟性が向上し、様々な料理を作ることができる。
【0136】
また、媒体置換部3と収容部2が接続されていないため、両者に対する取り外し及び取り付けの操作が減り、より便利になる。且つ、媒体置換部3が収容部2の下方に位置するため、収容部2は上側から媒体置換部3を受け止めるように構成され、媒体置換部3が上方より調理チャンバー11から脱出することが避けられ、安全的である。
【0137】
また、このような構造は製造しやすく、しかも外観には、例えば円形、角形や他の不規則な形状など、より多くの形態を選択することができ、ユーザーは使用しやすく、洗浄し切れないところが少なく、洗浄しやすいため、ユーザーの体験が改善される。
図32に示す実施例において、媒体置換部3は下部に支持脚を備える構造として形成され、
図33に示す実施例において、媒体置換部3は下縁部に外フランジを備える構造として形成される。
【0138】
本願のいくつかの実施例によれば、媒体置換部3は気液置換部として構成されてもよく、気液置換部は気態の第1媒体39で液態の第2媒体31を置換するように設けられてもよい。このように、異なる媒体が互いに入れ替わるように設定することにより、効果的に入れ替わることができ、第1媒体の第2媒体に対する影響を緩和することができる。
【0139】
任意選択で、第1媒体39は水蒸気であってもよく、第2媒体31は水であってもよいが、本願はこれに限定されない。
【0140】
本願のいくつかの実施例によれば、
図32に示すように、媒体置換部3の下部には第2媒体39を排出させるための第2媒体開口33が設けられ、本体部1の下部には加熱部品6が設けられ、加熱部品6は第2媒体39を加熱して沸騰させることで第1媒体31を生成でき、つまり第1媒体31は水蒸気である。任意選択で、加熱部品6はコイルディスクアセンブリであってもよい。
【0141】
これにより、調理器具10が調理チャンバー11内の液体を加熱する過程で、媒体置換部3内の水蒸気が次第に増加し、そして気液置換部内の圧力が次第に大きくなり、気液置換部内の液体を調理チャンバー11に押し入れることにより、調理チャンバー11内の水位上昇という目的機能が実現され、さらには収容部2の水位上昇という目的機能が実現される。この場合に、液位上昇を実現できるだけでなく、収容部2内に入る液体が高温液体であるため、調理効果を向上させることができる。
【0142】
任意選択で、
図32及び
図33に示すように、第2媒体開口33は下向きに設けられ、これにより液体が排出される過程で媒体置換部3の揺れが緩和され、媒体置換部3がひっくり返るリスクが低減される。なお、本願のまたいくつかの実施例において、第2媒体開口33は側面に向けられてもよく、例えば、媒体置換部3の対向する2つの側面にはそれぞれ第2媒体開口33が設けられ、これにより媒体置換が行われる時は、媒体置換部3の両側は同時に力が加えられ、均一に力を受けることができ、媒体置換部3がひっくり返る確率を低減することもできる。
【0143】
図33及び
図34に示すように、本願のまたいくつかの実施例において、媒体置換部3は第2媒体31が沸騰する前に収容部2と間隔をあけてもよく、且つ第2媒体31が沸騰する時は第1媒体39の圧力に駆動されて収容部に当接するまで上昇できる。これにより、媒体置換部3が圧力を受ける時には、それに接触する収容部2によって制限することで、媒体置換部3の安定性を向上させ、さらには媒体置換部3がひっくり返るリスクを低減することができる。また、収容部2を調理チャンバー11内に入れる場合に、収容部2が媒体置換部3に接触していないため、収容部2と媒体置換部3との間の摩擦が減り、損傷が緩和される。
【0144】
本願のいくつかの実施例によれば、調理器具10内には媒体置換部3がひっくり返ることを防ぐためのひっくり返り防止構造がさらに設けられてもよく、ひっくり返り防止構造は本体部1、媒体置換部3及び収容部2のうちの少なくとも一方に取り付けられてもよく、媒体置換部3がひっくり返るリスクを一層低減することができる。
【0145】
本願ではひっくり返り防止構造の具体的な構造が特に限定されず、例えば、ひっくり返り防止構造はひっくり返り防止リブであってもよく、例えば、調理チャンバー11の内壁面及び/又は収容部2に突出するひっくり返り防止リブを設けて媒体置換部3を制限する。もう一例として、ひっくり返り防止構造3は磁気吸着構造であってもよく、磁気吸着構造と媒体置換部3との間に磁気作用力があるため、媒体置換部3がひっくり返るリスクが低減される。
【0146】
図32から
図34に示すように、本願のいくつかの実施例によれば、任意選択で、媒体置換部3の外径方向寸法L11と調理チャンバー11の半径方向寸法L21はL1≧0.2L2を満たしてもよい。任意選択で、媒体置換部3の軸方向寸法L12と調理チャンバー11の軸方向寸法L22はL12≧0.1L22を満たしてもよい。任意選択で、収容部2の外径方向寸法L31は調理チャンバー11の半径方向寸法L21より小さくてもよく、収容部2の軸方向寸法L32と調理チャンバー11の軸方向寸法L22はL32≧0.2L22を満たしてもよい。このような設置により媒体置換部3がひっくり返る確率を低減するために役立つ。
【0147】
なお、実際の設計において、前記パラメータの関係及び以下で説明するパラメータの値又はパラメータの関係は、矛盾がない限り同時に適用してもよいし、選択的に一部を適用してもよく、互いに矛盾がなければ互いに組み合わせて用いることができる。
【0148】
また、本願の説明で、「半径方向」というのは広義で理解され、構造が半径方向寸法を有するというのは、当該構造は必ず円形であるとは限らず、例えば、調理チャンバー11が半径方向寸法を有するのは、調理チャンバー11が必ず円形のチャンバーであるとは限らず、角形又は他の形状であってもよく、なお、調理チャンバー11の半径方向寸法は調理チャンバー11の軸方向に垂直で且つ調理チャンバーの略中心を通る方向における調理チャンバー11の両端の間の距離として理解されてもよい。例えば、調理チャンバー11が角形である場合に、調理チャンバー11の半径方向寸法は調理チャンバー11の軸方向に垂直で且つ調理チャンバー11の略中心を通る方向における調理チャンバー11の両端の距離として理解されてもよく、例えば、調理チャンバー11の対角線方向の両端の距離である。
【0149】
本願の特定のいくつかの例によれば、媒体置換部3の外径方向寸法L11、媒体置換部3の軸方向寸法L12、調理チャンバー11の半径方向寸法L21と調理チャンバー11の軸方向寸法L22は、L11<0.5L21且つL12>0.3L22、又は、L11≧0.5L21且つL12≦0.3L22を満たしてもよい。研究により、このような設置は媒体置換部3がひっくり返る確率を低減できることが判明した。
【0150】
本願のいくつかの実施例によれば、
図32から
図34に示すように、本体部1は、鍋体部12と、上蓋部13とを含んでもよく、上蓋部13は鍋体部12に覆設され、鍋体部12は筐体121と、筐体121内に設けられる内鍋122とを含み、内鍋122と上蓋部13の組み合わせで調理チャンバー11が形成されてもよく、収容部2及び媒体置換部3は内鍋122内に設けられてもよい。
【0151】
これにより、調理器具10の断熱性が改善され、安全性が向上する。また、調理器具10で米飯を調理する場合に、上蓋部13によって収容部2が閉められ、このような設置により調理器具10内の水の沸騰に要する時間が短縮され、米飯の調理時間が短縮され、しかも外部の物体が調理器具10内に入ることが避けられ、米飯の衛生と清潔性が保証され、これによりユーザーの飲食上の安全性が保証される。
【0152】
本願のいくつかの実施例によれば、
図32から
図34に示すように、収容部2の軸方向寸法L32、媒体置換部3の軸方向寸法L12と内鍋122の軸方向寸法L42は、L32+L12≦L42を満たしてもよい。これにより、収容部2及び媒体置換部3は調理チャンバー11内に一層入れやすく、しかも収容部2と上蓋部13の互いの干渉が緩和される。いくつかの実施例において、収容部2が内鍋122内に入れられると、収容部2の上部は上方から内鍋122のエッジから突出せずに済み、これにより上蓋部13で閉めやすい。
【0153】
任意選択で、
図32から
図34に示すように、内鍋121の内径方向寸法L41は14cm≦L41≦25cmを、内鍋の軸方向寸法L42は11cm≦L42≦13cmを満たしてもよい。前記寸法の内鍋121は殆どのユーザーのご飯を作るニーズを満たすことができ、適応性に優れる。例えば、L41は16cm、18cm、20cm、22cmなどであり、L42は11.5cm、12cm、12.5cmなどである。
【0154】
次に、本願の特定のいくつかの実施例に係る調理器具10を説明する。調理器具10、例えば炊飯器の動作過程は主に水沸騰段階と、米蒸し段階とを含み、水沸騰段階において、炊飯器は主に周期的に加熱し、炊飯器の制御プログラムに周期Tが設定され、Tは関係式32秒≧T≧4秒を満たし、周期対電力調整比はaで、aは関係式1≧a≧1/8を満たし、水沸騰段階の総持続時間はt1で、t1は関係式15分≧t1≧3分を満たす。水沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムによりおもゆの温度がbに保持され、bは関係式110度≧b≧80度を満たし、米蒸し段階の総持続時間はt2で、t2は関係式30分≧t2≧3分を満たす。
【0155】
任意選択で、炊飯器の具体的な動作過程は以下のとおりである。炊飯器で調理する過程で、まず適量の水を調理チャンバー11に注ぎ、次に収容部2及び媒体置換部3を調理チャンバー11内に入れ、調理チャンバー11内の水位は媒体置換部3をほぼ没入させており(なお媒体置換部3より適宜高くてもよいし又は媒体置換部3より適宜低くてもよい)、さらに洗った米を収容部2内に入れ、
図32に示すように、この時に米と水は分離してもよく、つまり米が上方の収容部2内に、水が下方に位置し、米は水に浸っていない。
【0156】
この後、炊飯器が調理チャンバー11を加熱し始め、調理チャンバー11内の水が加熱されると、調理チャンバー11内の水に大量の気泡(水蒸気)が発生し、一部の気泡が媒体置換部3に蓄積されるため、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力が大きくなり、圧力の作用で、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に排出され、調理チャンバー11内の水面が上昇し、収容部2が調理チャンバー11に連通するため、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に流入した後、調理チャンバー11内の水は収容部2に流入し、この時に、収容部2内の水位は上昇して、米を没入し、
図34に示すように、米を初歩的に茹でることを実現する。
【0157】
収容部2内の水位が一定の高さに達すると、時間センサ又は信号センサによる検知で又は他の周知の手段により、炊飯器が直ちに加熱を停止し、媒体置換部3内の水蒸気が早く冷却され液化すると、媒体置換部3内の圧力が低減し、そして調理チャンバー11内の水が媒体置換部3に逆流することで、収容部2内の水位が早く下降し、収容部2内の水位が下降するうちに、収容部2内の水が米を通り抜けて下落し、収容部2内の水が米を洗い流し、また、炊飯器が調理する過程では、炊飯器は米と水の分離を間欠的に実現してもよく、例えば、炊飯器が加熱等価電力などの制御プログラムを制御することで、炊飯器は調理チャンバー11を繰り返し加熱しては停止し、炊飯器が調理チャンバー11を繰り返し加熱する過程で、収容部2内の水が繰り返し上昇しては落下し、水が繰り返し上昇しては落下する過程で米が洗い流され、そして水は次第におもゆになっていく。水沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムによりおもゆの温度が80度以上に保持されることで、米飯は蒸され又は蒸し煮されて熟成する。
【0158】
しかも、炊飯器の水沸騰段階において、水が米を繰り返し洗い流すことで、米の糖含有量が一層低減され、ユーザーはご飯を食べた後も、太りにくいのであり、また、米が均一に受熱し、水分を充分に吸収するため、米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0159】
しかも、米蒸し段階において、炊飯器内では初期の水の蒸発と米の吸水により、水位が下降し、米と水の分離及び米飯を効果的に蒸すことを保証し、米飯がおもゆに浸ることを防ぐために、任意選択で、いくつかの実施例において、最終的に調理チャンバー11内の水位と最下層の米飯の距離は4mm以上としてもよい。本願のまたいくつかの実施例において、水位線を最下層の米飯よりやや高くしてもよく、これにより上層に位置する米飯は依然として水に浸らず、米飯の最終的な糖含有量が減らされる点では同じである。
【0160】
任意選択で、本願のいくつかの実施例によれば、媒体置換部3の体積は変化してもよいし、変わらなくてもよい。いくつかの実施例において、媒体置換部3の体積が変わらない場合に、ガス充填放出装置で媒体置換部3内にガスを充填することで、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力を上げて、調理チャンバー11内の液位を上昇させてもよく、媒体置換部3内の液位を下降させたい場合に、ガス充填放出装置で媒体置換部3内からガスを引き出し、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力を下げることで、液位が下降する効果を得る。
【0161】
またいくつかの実施例において、媒体置換部3の体積が変更できる場合には、ガス充填放出装置で媒体置換部3内にガスを充填し又は媒体置換部3内のガスを引き出すことで、調理チャンバー11内の液位が上昇又は下降する機能を実現することもできる。例えば、本願の特定のいくつかの例において、調理する過程で、ガス充填放出装置で媒体置換部3にガスを充填することで、調理チャンバー11内の液位の変化を実現でき、且つ、媒体置換部3の体積はガス充填量に従って変化できる。これにより、媒体置換を行う必要がない場合には、媒体置換部3の体積が小さく、調理チャンバー11の使用分が減らされ、且つ媒体置換部3はガスを充填する時に体積を増加させて、ガスの収容量を増やすと、液体の置換量が一層増えており、調理チャンバー11内の液面がより明らかに変化することで、調理効果の向上につながる。
【0162】
これにより、本体部1、収容部2と媒体置換部3の組み合わせで、米を調理器具10内に入れた後、調理器具10で瀝米飯を作る時は、水が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0163】
本願の実施例に係る調理器具10の他の構成及び操作は当業者にとって既知の内容であり、ここで詳細な説明が省略される。
【0164】
【0165】
なお、調理器具10は炊飯器、電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットなどであってもよく、以下の説明では、調理器具10が炊飯器であるのを例に説明するが、本願の保護範囲がこれに限定されない。当業者が本願の明細書を読み終え、本願の趣旨を把握すると、本願の調理器具10を電気圧力鍋、電気煮込み専用鍋、電磁調理器又はヘルスポットなどに用いることもできる。
【0166】
具体的には、調理時の米の量が多い場合に米飯が不均一であるという関連技術における課題に対し、本願の考案者が鋭意検討を経て、関連技術で前記問題があることの主な原因として以下のことを発見した。米の量が多い場合に、蒸し器内の米が高く積み上げられ、蒸し器の底部からしか水が入らず、水位は全ての米を没入させることが難しく、上層の米が硬めであるいは半煮えになり、糖分が充分に浸出されないことがある。
【0167】
これに鑑みて、本願の考案者は関連の改善を行って、本願の実施例の調理器具10を得る。
図35から
図37に示すように、いくつかの実施例において、調理器具10は本体部1と、収容部2と、媒体置換部3とを含んでもよく、収容部2は食材、例えば米を収容するために用いられる。本体部1内には調理チャンバー11を有し、いくつかの実施例において、調理チャンバー11は本体部1の鍋体部12と上蓋部13とによって限定され形成された空洞部であってもよい。
【0168】
収容部2は調理チャンバー11内に設けられ、媒体置換部3は調理チャンバー11内に設けられ、媒体置換部3は第1媒体39と第2媒体31の置換を実現して、調理チャンバー11内の液位を変えるために用いられる。
【0169】
具体的には、例えば、媒体置換部3は第1媒体39で媒体置換部3内に位置する液態の第2媒体31を置換することで、置換られた第2媒体31が媒体置換部3から排出され、調理チャンバー11内に入るように設けられる。第2媒体31が調理チャンバー11に流入すると、収容部2内の液位が変化する。
【0170】
なお、第1媒体39は媒体置換部3の外部から提供されてもよく、媒体置換部3内に入って第2媒体31の置換を実現し、例えば、外部から媒体置換部3内にガスを圧送する。又は、第1媒体39は媒体置換部3の内部から提供されてもよく、例えば、媒体置換部3内の液体、例えば水を加熱することにより、内部で気態の第1媒体39が生成され、第1媒体39は内部から液態の水を媒体置換部3の外部に排出させることができ、なお、第1媒体39の提供は前記2つの形態の組み合わせであってもよく、しかもこれに限定されない。
【0171】
もう一例として、媒体置換部3はさらに、媒体置換部3の外部にあり且つ液態である第2媒体31が媒体置換部3内に入ることで第1媒体39によって使用された少なくとも一部の空間を占めることにより、調理チャンバー11内の液位を下降させるように設けられ、液位が下降する過程で、液体が米を洗い流すため、米の糖分が減少する。言い換えれば、液態の第2媒体31は媒体置換部3内に入って、第1媒体39によって使用されていた少なくとも一部の空間を占めることができる。
【0172】
任意選択で、いくつかの実施例において、調理器具10が加熱を停止し又は加熱電力が低減する場合に、媒体置換部3内の第1媒体39、例えば水蒸気が液化すると、媒体置換部3の外部の液態の第2媒体31、例えば水が媒体置換部3内に入って、第1媒体39によって使用されていた空間と置換する。もう一例として、またいくつかの実施例において、媒体置換部3内の少なくとも一部の第1媒体39、例えば空気が引き出される場合に、媒体置換部3の外部の液態の第2媒体31、例えば水は媒体置換部3内に入って、引き出された第1媒体39と置換することができる。
【0173】
米を収容部2内に入れた後、収容部2の液面が上下に変化する時、液体が収容部2内の米を洗い流すため、より多くの糖分が液体に入り、これにより米の糖含有量が低減され、ユーザーはご飯を食べた後も、太りにくいのであり、また、米が均一に受熱し、水分を充分に吸収するため、米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0174】
これにより、本体部1、収容部2と媒体置換部3の組み合わせで、米を調理器具10内に入れた後、第1媒体39が液態の第2媒体31を置き換える時は、液態の第2媒体31が収容部2内に入り、米が浸され、しかも調理器具10で瀝米飯を作る時は、液体が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0175】
さらに、
図35から
図37に示すように、ギャップ101の少なくとも一部において、同じ高さにおける収容部2の外周面によって取り囲まれる面積S1と本体部1の内周面によって取り囲まれる面積S2は、0.9≦S1/S2≦0.98を満たす。例えば、本願の特定のいくつかの例において、S1/S2は0.91、0.93、0.95、0.97などである。
【0176】
これにより、媒体置換部3から置き換えられた液体が、可能な限り収容部2内に押し入ることが保証され、収容部内の液位変化がより明らかになり、しかも収容部2内の米飯を洗い流し、糖分を浸出させ、調理するために、収容部2内に液位の高さが十分であることが実現され、これにより、瀝米飯又は低糖分の米飯を作る調理器具で調理時の米の量が多い場合に米飯が不均一で、糖分が効果的に浸出されないという関連技術における課題を解決する。
【0177】
本願のいくつかの実施例によれば、
図38及び
図39に示すように、ギャップ101の少なくとも一部において、ギャップ101の幅L1は、L1≦5mmを満たしてもよい。これにより、調理チャンバー11が同じでありながら、収容部2の内部容積は可能な限り大きいことが実現され、これにより米の量が同じである場合に、収容部2内での高さが最も低く、水が入ると全ての米を没入させやすいことが実現され、全ての米が洗い流され、糖分が浸出され、調理される確率が最大になり、米飯の均一性及び糖分浸出効果が一層向上する。例えば、本願のいくつかの例において、L1は1mm、2mm、3mm、4mmなどであってもよい。
【0178】
本願のいくつかの実施例によれば、媒体置換部3は気液置換部として構成されてもよく、気液置換部は気態の第1媒体39で液態の第2媒体31を置換するように設けられてもよい。このように、異なる媒体が互いに入れ替わるように設定することにより、効果的に入れ替わることができ、第1媒体の第2媒体に対する影響を緩和することができる。
【0179】
任意選択で、第1媒体39は水蒸気であってもよく、第2媒体31は水であってもよいが、本願はこれに限定されない。任意選択で、調理器具10は加熱部品6を含んでもよく、加熱部品6は媒体置換部3内の第2媒体31を加熱して第1媒体39を生成させることに適し、つまり第1媒体39は水蒸気であってもよい。これにより、炊飯器が調理チャンバー11内の水を加熱して沸騰させる過程では、気液置換部内の水蒸気が次第に増加し、そして気液置換部内の圧力が次第に大きくなり、気液置換部内の水を調理チャンバー11に押し入れることにより、調理チャンバー11内の水位上昇という目的機能が実現され、さらには収容部2の水位上昇という目的機能が実現される。この場合に、液位上昇を実現できるだけでなく、収容部2内に入る液体が高温液体であるため、調理効果を向上させることができる。
【0180】
図35から
図37に示すように、本願のいくつかの任意選択の実施例において、加熱部品6は連続加熱モードを有し、連続加熱モードにおいて、加熱時間はTで、収容部2内には液体が入ることができ且つ収容部2内の液位A2の調理チャンバー11の初期液位A1に対する高さの差はHであり、即ちA2-A1=Hである。なお、初期液位A1とは沸騰する前の液位である。なお、H≧10mm、T≧10秒である。
【0181】
これにより、収容部2内の米の処理効果を一層向上させることができる。一般にはTの値が大きいほど、Hの値が大きく、効果的に米を洗い流し糖分を浸出させることができる。任意選択で、加熱部品6はコイルディスクアセンブリであってもよい。
【0182】
また
図38及び
図39に示すように、本願のいくつかの実施例によれば、ギャップ101の少なくとも一部の内側面及び外側面は平行に設けられ、且つそれぞれ鉛直方向に沿って延伸してもよい。これにより、液体はギャップ101で鉛直に昇降することができ、行程が短くなるため、収容部2内に一層入りやすい。
【0183】
本願のいくつかの実施例において、
図38及び
図39に示すように、収容部2は、収容部周壁21と、収容部底壁23とを含んでもよく、収容部周壁21の上部にはギャップ101と収容部2を連通させる周壁貫通穴241が設けられ、これにより、水が相対的に高い位置から収容部2内に入ることができ、入ってきた水でより効果的に全ての米を洗い流し、糖分を浸出させ、調理することができる。任意選択で、周壁貫通穴241は複数設けられてもよく、このような設置により水は早く収容部2に流入し又は流出することができ、米が水に浸る時間が短縮される。
【0184】
引き続き
図38及び
図39に示すように、収容部2は収容部底壁23と、収容部周壁21とを含み、ギャップ101の少なくとも一部は収容部周壁21と本体部1の内周面とによって形成されてもよく、媒体置換部3は収容部底壁23に取り付けられてもよい。これにより、媒体置換部3のギャップ101に対する影響が緩和され、ギャップ101を小寸法で設置することに役立つ。
【0185】
任意選択で、
図38及び
図39に示すように、収容部周壁21には底壁貫通穴242が設けられてもよく、収容部底壁23と本体部1との間の液体が収容部2に入るように、底壁貫通穴242は媒体置換部3の半径方向の外側に位置する。これにより、調理器具10が水を加熱していない場合には、このような設置により底壁貫通穴242の水面との距離が最小になり、水は底壁貫通穴242から収容部2に流入しやすく、また収容部2内の水が底壁貫通穴242より収容部2から流出するため、水が米を一層洗い流すことになる。
【0186】
要するに、本願の一実施形態は以下のとおりであってもよい。周壁貫通穴241及び底壁貫通穴242の両方が設置され、水は周壁貫通穴241及び底壁貫通穴242より収容部2内に入ることができ、これにより水を取り込む効率が高められる。
【0187】
本願のいくつかの実施例によれば、
図38及び
図39に示すように、調理器具10には初期液位線が設けられ、初期液位線102は収容部底壁23より低く且つ媒体置換部3の下端より高い。これにより、ユーザーは初期液位線102を基準に水を加えることができ、水を加えすぎ又は水が不十分で、調理効果に影響を与えることが防がれる。特定のいくつかの例において、初期液位線102は、観察しやすいように内鍋の内周面に設けられてもよい。任意選択で、初期液位線102は内鍋の周方向に沿って広がる円環であってもよいし、1本の線分であってもよい。
【0188】
本願のいくつかの実施例において、
図35に示すように、本体部1は、鍋体部12と、上蓋部13とを含んでもよく、収容部2は鍋体部12を支持し且つその内部まで延伸している。なお、調理器具10で米飯を調理する場合に、上蓋部13によって収容部2が閉められ、このような設置により調理器具10内の水の沸騰に要する時間が短縮され、米飯の調理時間が短縮され、しかも外部の物体が調理器具10内に入ることが避けられ、米飯の衛生と清潔性が保証され、これによりユーザーの飲食上の安全性が保証される。
【0189】
本願のまたいくつかの実施例において、収容部2は上蓋部13に取り付けられてもよい。これにより、上蓋部13が収容部2に覆設されるとともに収容部2を取り付けることが実現され、操作しやすい。
【0190】
なお、調理器具10の媒体置換部3は
図35から
図39に示す構造に限定されず、他の構造であってもよい。例えば、
図8に示す実施例において、媒体置換部3と収容部2とは一体的な構造として構成され、具体的には、媒体置換部3は収容部2の底壁が上向きに起き上がって形成されてもよく、このような設置により媒体置換部3と収容部2とは一体的な構造として構成され、媒体置換部3と収容部2を一緒に調理チャンバー11に入れ又は取り出すことができ、媒体置換部3が洗浄しやすくなり、ユーザーの満足度も向上する。
【0191】
もう一例として、
図20に示す実施例において、媒体置換部3は陥没構造を有する媒体置換板39として構成されてもよく、媒体置換部3が調理チャンバー11内に入れられた後、水は媒体置換部3の陥没構造内に貯蔵され、調理器具10が動作する時、水蒸気は陥没構造内に入り、さらに陥没構造内の水を調理チャンバー11に押し入れることができ、構造はシンプルである。
【0192】
さらに任意選択で、
図20に示すように、媒体置換板39は内凹面391と、外凸面392とを有してもよく、外凸面392は収容部2に向けられ且つ収容部2に接続され、内凹面391は収容部2と背中合わせに隔たり、このような設置により水と水蒸気が媒体置換板39の内凹面391によって形成された内凹空間内に貯蔵されることが保証され、第1媒体39と第2媒体31が媒体置換板39の内凹空間内に任意に入れ替わることが保証される。
【0193】
次に、本願の特定のいくつかの実施例に係る調理器具10を説明する。調理器具10、例えば炊飯器の動作過程は主に水沸騰段階と、米蒸し段階とを含み、水沸騰段階において、炊飯器は主に周期的に加熱し、炊飯器の制御プログラムに周期Tが設定され、Tは関係式32秒≧T≧4秒を満たし、周期対電力調整比はaで、aは関係式1≧a≧1/8を満たし、水沸騰段階の総持続時間はt1で、t1は関係式15分≧t1≧3分を満たす。水沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムによりおもゆの温度がbに保持され、bは関係式110度≧b≧80度を満たし、米蒸し段階の総持続時間はt2で、t2は関係式30分≧t2≧3分を満たす。
【0194】
任意選択で、炊飯器の具体的な動作過程は以下のとおりである。炊飯器で調理する過程で、まず適量の水を調理チャンバー11に注ぎ、次に収容部2及び媒体置換部3を調理チャンバー11内に入れ、調理チャンバー11内の水位は媒体置換部3をほぼ没入させており(なお媒体置換部3より適宜高くてもよいし又は媒体置換部3より適宜低くてもよい)、さらに洗った米を収容部2内に入れ、
図35に示すように、この時に米と水は分離してもよく、つまり米が上方の収容部2内に、水が下方に位置し、米は水に浸っていない。
【0195】
この後、炊飯器が調理チャンバー11を加熱し始め、調理チャンバー11内の水が沸騰すると、調理チャンバー11内の水に大量の気泡(水蒸気)が発生し、一部の気泡が媒体置換部3に蓄積されるため、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力が大きくなり、圧力の作用で、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に排出され、調理チャンバー11内の水面が上昇し、収容部2が調理チャンバー11に連通するため、媒体置換部3内の水が調理チャンバー11に流入した後、調理チャンバー11内の水は収容部2に流入し、この時に、収容部2内の水位は上昇して、米を没入し、
図37に示すように、米を初歩的に茹でることを実現する。
【0196】
収容部2内の水位が一定の高さに達すると、時間センサ又は信号センサによる検知で又は他の周知の手段により、炊飯器が直ちに加熱を停止し、媒体置換部3内の水蒸気が早く冷却され液化すると、媒体置換部3内の圧力が低減し、そして調理チャンバー11内の水が媒体置換部3に逆流することで、収容部2内の水位が早く下降し、収容部2内の水位が下降するうちに、収容部2内の水が米を通り抜けて下落し、収容部2内の水が米を洗い流し、また、炊飯器が調理する過程では、炊飯器は米と水の分離を間欠的に実現してもよく、例えば、炊飯器が加熱等価電力などの制御プログラムを制御することで、炊飯器は調理チャンバー11を繰り返し加熱しては停止し、炊飯器が調理チャンバー11を繰り返し加熱する過程で、収容部2内の水が繰り返し上昇しては落下し、水が繰り返し上昇しては落下する過程で米が洗い流され、そして水は次第におもゆになっていく。水沸騰段階の終了後、炊飯器は米蒸し段階に移行し、米蒸し段階において、米と水が分離し、制御プログラムによりおもゆの温度が80度以上に保持されることで、米飯は蒸され又は蒸し煮されて熟成する。
【0197】
なお、米を収容部2内に入れた後で、炊飯器が調理チャンバー11を加熱していない時は、収容部2内の米は水に浸らず、しかも、炊飯器の水沸騰段階において、水が米を繰り返し洗い流すことで、米の糖含有量が一層低減され、ユーザーはご飯を食べた後も、太りにくいのであり、また、米が均一に受熱し、水分を充分に吸収するため、米飯が半煮えになることが防がれ、米飯の口当たりも改善される。
【0198】
しかも、米蒸し段階において、炊飯器内では初期の水の蒸発と米の吸水により、水位が下降し、米と水の分離及び米飯を効果的に蒸すことを保証し、米飯がおもゆに浸ることを防ぐために、最終的に調理チャンバー11内の水位と最下層の米飯の距離は4mm以上としてもよい。
【0199】
任意選択で、本願のいくつかの実施例によれば、媒体置換部3の体積は変化してもよいし、変わらなくてもよい。いくつかの実施例において、媒体置換部3の体積が変わらない場合に、ガス充填放出装置で媒体置換部3内にガスを充填することで、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力を上げて、調理チャンバー11内の液位を上昇させてもよく、媒体置換部3内の液位を下降させたい場合に、ガス充填放出装置で媒体置換部3内からガスを引き出し、媒体置換部3内の単位面積当たりの圧力を下げることで、液位が下降する効果を得る。
【0200】
またいくつかの実施例において、媒体置換部3の体積が変更できる場合には、ガス充填放出装置で媒体置換部3内にガスを充填し又は媒体置換部3内のガスを引き出すことで、調理チャンバー11内の液位が上昇又は下降する機能を実現することもできる。例えば、本願の特定のいくつかの例において、調理する過程で、ガス充填放出装置で媒体置換部3にガスを充填することで、調理チャンバー11内の液位の変化を実現でき、且つ、媒体置換部3の体積はガス充填量に従って変化できる。これにより、媒体置換を行う必要がない場合には、媒体置換部3の体積が小さく、調理チャンバー11の使用分が減らされ、且つ媒体置換部3はガスを充填する時に体積を増加させて、ガスの収容量を増やすと、液体の置換量が一層増えており、調理チャンバー11内の液面がより明らかに変化することで、調理効果の向上につながる。
【0201】
これにより、本体部1、収容部2と媒体置換部3の組み合わせで、米を調理器具10内に入れた後、水位によって、米が水に浸る場合も、水に浸らない場合もあり、水位が比較的高い場合、例えば、少なくとも収容部2の下部を没入させるまで上昇している場合には、少なくとも一部の米は水に浸り、水位が比較的低い場合、例えば、収容部2より低い場合には、米は水に浸らず、さらに、調理器具10で瀝米飯を作る時は、水が絶えず米を洗い流すことで、米中の糖分が洗い流されるため、ユーザーは米飯を食べた後も、太りにくいのである。
【0202】
本明細書の説明で、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、「いくつかの例」などが用いられる場合には、当該実施例又は例で説明される特定の特徴、構造、材料又は利点が本願の少なくとも一実施例又は例に含まれることが意図される。本明細書で、前記用語に関する例示的な記述は必ずしも同じ実施例又は例が対象になるとは限らない。しかも、説明される特定の特徴、構造、材料又は利点は任意の1つ又は複数の実施例又は例で適切な形態で組み合わせられてもよい。また、当業者は本明細書で説明される異なる実施例又は例を組み合わせることができる。
【0203】
なお、本願の実施例を示す上で説明しているが、前記実施例は例示的なもので、本願に対する限定として理解されるものではなく、当業者は本願の範囲内で前記実施例に変化、補正、置き換え又は変形を行うことができる。