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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】貨物積替基地及びこれに用いる移動機構
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20230922BHJP
   B65G 7/04 20060101ALI20230922BHJP
   B65G 67/02 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B65G63/00 K
B65G7/04 A
B65G7/04 B
B65G67/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022141878
(22)【出願日】2022-09-07
(65)【公開番号】P2023056477
(43)【公開日】2023-04-19
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2021165134
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000230696
【氏名又は名称】日本貨物鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】角田 仁
(72)【発明者】
【氏名】添田 正
(72)【発明者】
【氏名】國井 良▲祐▼
(72)【発明者】
【氏名】石田 忠正
(72)【発明者】
【氏名】花岡 俊樹
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特公昭48-003992(JP,B1)
【文献】特開昭58-056962(JP,A)
【文献】特開昭59-194938(JP,A)
【文献】特開昭58-209650(JP,A)
【文献】米国特許第06183176(US,B1)
【文献】独国実用新案第202004012815(DE,U1)
【文献】特開2006-273569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 63/00
B65G 7/04
B65G 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物を輸送する列車が走行可能な第1線路及び第2線路と、
並んで配置された前記第1線路及び前記第2線路の間に設けられる積替ホームと、
前記積替ホーム上に設けられて前記第1線路を走行する列車と前記第2線路を走行する列車との間で前記貨物を移動する移動機構とを備えた貨物積替基地であって、
前記移動機構は、
前記第1線路に近接する第1搬送経路と、
前記第2線路に近接する第2搬送経路と、
前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路の間に配置される中間搬送経路とを備え、
前記中間搬送経路は、前記第1線路及び前記第2線路のレール方向と、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路との間で前記貨物を積み替える方向とに前記貨物を移動させ、
前記第1搬送経路は、前記第1線路と前記中間搬送経路とを結ぶ方向に前記貨物を移動させ、
前記第2搬送経路は、前記第2線路と前記中間搬送経路と結ぶ方向に前記貨物を移動させ、前記第1搬送経路より設置領域を小さくしたことを特徴とする貨物積替基地。
【請求項2】
前記第1線路は在来線とされ、
前記第1線路を走行する列車は、コンテナが積載される無蓋車両を複数連結して構成され、
前記第2線路は高速線とされ、
前記第2線路を走行する列車は、レール方向の一部に形成された前記貨物の出し入れ口と、前記出し入れ口を開閉する扉とを備えた有蓋車両を複数連結して構成されることを特徴とする請求項1に記載の貨物積替基地。
【請求項3】
前記扉は、前記第2線路を走行する列車の枕木方向両側に設けられ、
前記第1線路、前記積替ホーム及び前記移動機構は、前記第2線路の枕木方向両側に設けられることを特徴とする請求項2に記載の貨物積替基地。
【請求項4】
前記第2線路の枕木方向何れか一方の前記積替ホーム及び前記移動機構は、前記第2線路を走行する列車への前記貨物の搬入に用いられ、何れか他方の前記積替ホーム及び前記移動機構は、前記第2線路を走行する列車からの前記貨物の搬出に用いられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の貨物積替基地。
【請求項5】
前記第2線路の枕木方向両側の前記中間搬送経路を接続する接続搬送経路を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の貨物積替基地。
【請求項6】
前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路は、複数のローラが並設されて直線方向に前記貨物を移動するローラコンベアにより構成され、
前記中間搬送経路は、複数のボールが並設されて略水平方向に沿う任意の方向に前記貨物を移動するボールコンベアにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の貨物積替基地。
【請求項7】
前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路には、複数となる前記ローラコンベアの間に隙間が形成されることを特徴とする請求項6に記載の貨物積替基地。
【請求項8】
前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路は前記中間搬送経路に向かって次第に下降する方向に傾斜する領域を有していることを特徴とする請求項1に記載の貨物積替基地。
【請求項9】
前記第1搬送経路は、前記中間搬送経路に向かって次第に下降する方向に傾斜する傾斜部と、水平方向に沿う留置部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の貨物積替基地。
【請求項10】
前記第1線路を走行する列車と前記第1搬送経路との間、及び/又は、前記第2線路を走行する列車と前記第2搬送経路との間での前記貨物の移動を補助する補助部材が着脱自在に設けられ、
前記補助部材は折り畳み可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の貨物積替基地。
【請求項11】
貨物を輸送する列車が走行可能な第1線路及び第2線路と、並んで配置された前記第1線路及び前記第2線路の間に設けられる積替ホームとを備えた貨物積替基地にて、前記積替ホーム上で前記第1線路を走行する列車と前記第2線路を走行する列車との間で前記貨物を移動する移動機構であって、
前記第1線路に近接する第1搬送経路と、
前記第2線路に近接する第2搬送経路と、
前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路の間に配置される中間搬送経路とを備え、
前記中間搬送経路は、前記第1線路及び前記第2線路のレール方向と、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路との間で前記貨物を積み替える方向とに前記貨物を移動させ、
前記第1搬送経路は、前記第1線路と前記中間搬送経路とを結ぶ方向に前記貨物を移動させ、
前記第2搬送経路は、前記第2線路と前記中間搬送経路と結ぶ方向に前記貨物を移動させ、前記第1搬送経路より設置領域を小さくしたことを特徴とする貨物積替基地に用いる移動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物の積み替えに利用することができる貨物積替基地及びこれに用いる移動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鉄道から鉄道にコンテナを積み替えることができる構成が開示されている。更に詳述すると、特許文献1では、一方の鉄道の貨車から移載ステージを経て他方の鉄道の貨車にコンテナを移動するために移載装置を利用している。移載装置は、コンテナの下方に出入り可能なクローラと、クローラ上に設けられて上下方向の厚みを制御できる荷台部とを備えている。
【0003】
特許文献1は、コンテナを積み替える場合、クローラを駆動して一方の鉄道の貨車に搭載されたコンテナ下方に移載装置を配置した後、荷台部の厚みを大きくしてコンテナを持ち上げる。この状態で、クローラの駆動によって一方の鉄道の貨車から移載ステージを経て他方の鉄道の貨車にコンテナを移動した後、荷台部の厚みを小さくしてコンテナを他方の鉄道の貨車に載置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-273569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、移載装置によるコンテナの移動方向が線路の枕木方向だけとなり、移載ステージにてコンテナをレール方向に移動不能となっている。このため、コンテナの積み替え前後にて、コンテナのレール方向の位置や順序を変更する場合、少なくとも一方の貨車を走行させる必要があり、積み替えが煩雑で長時間化する、という問題がある。
【0006】
更に、貨物を輸送する列車は車両が多数となる可能性が高く、例えばホームの広範囲に亘って貨物の積み替えが行われるようになる。よって、ホーム上で貨物を移動する機構にあっては、設備コストや保守管理作業等の観点から簡略化することも重要視されている。
【0007】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、構成の簡略化を図ることができ、異なる線路を走行する車両間にて貨物を容易に積み替えることができる貨物積替基地及びこれを用いた移動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の貨物積替基地は、貨物を輸送する列車が走行可能な第1線路及び第2線路と、並んで配置された前記第1線路及び前記第2線路の間に設けられる積替ホームと、前記積替ホーム上に設けられて前記第1線路を走行する列車と前記第2線路を走行する列車との間で前記貨物を移動する移動機構とを備えた貨物積替基地であって、前記移動機構は、前記第1線路に近接する第1搬送経路と、前記第2線路に近接する第2搬送経路と、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路の間に配置される中間搬送経路とを備え、前記中間搬送経路は、前記第1線路及び前記第2線路のレール方向と、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路との間で前記貨物を積み替える方向とに前記貨物を移動させ、前記第1搬送経路は、前記第1線路と前記中間搬送経路とを結ぶ方向に前記貨物を移動させ、前記第2搬送経路は、前記第2線路と前記中間搬送経路と結ぶ方向に前記貨物を移動させ、前記第1搬送経路より設置領域を小さくしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の貨物積替基地に用いる移動機構は、貨物を輸送する列車が走行可能な第1線路及び第2線路と、並んで配置された前記第1線路及び前記第2線路の間に設けられる積替ホームとを備えた貨物積替基地にて、前記積替ホーム上で前記第1線路を走行する列車と前記第2線路を走行する列車との間で前記貨物を移動する移動機構であって、前記第1線路に近接する第1搬送経路と、前記第2線路に近接する第2搬送経路と、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路の間に配置される中間搬送経路とを備え、前記中間搬送経路は、前記第1線路及び前記第2線路のレール方向と、前記第1搬送経路及び前記第2搬送経路との間で前記貨物を積み替える方向とに前記貨物を移動させ、前記第1搬送経路は、前記第1線路と前記中間搬送経路とを結ぶ方向に前記貨物を移動させ、前記第2搬送経路は、前記第2線路と前記中間搬送経路と結ぶ方向に前記貨物を移動させ、前記第1搬送経路より設置領域を小さくしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移動機構によって各線路のレール方向と各搬送経路に対し貨物を積み替える方向との2方向に貨物を移動できるので、積替ホーム上にてレール方向における貨物の位置や順序を変更することができる。かかる変更は列車を走行させることなく行えるので、貨物の積み替え作業の容易化、時間短縮を図ることができる。しかも、第2搬送経路の設置領域が第1搬送経路より小さくなるので、それらの設置領域が同じとなる構成に比べて構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る貨物積替基地の一例を平面視した概略図である。
図2】前記貨物積替基地の積替ホーム及びその周辺の部分拡大斜視図である。
図3】前記貨物積替基地の図1とは別の領域を平面視した概略図である。
図4図1を枕木方向に断面視した概略説明図である。
図5図5A図5Cは、補助部材を用いた作業要領の説明図である。
図6】第1在来線のコンテナ車から高速線の有蓋車両への搬入要領の説明図である。
図7】高速線の有蓋車両への搬入完了状態の説明図である。
図8】高速線の有蓋車両から第2在来線のコンテナ車への搬入要領の説明図である。
図9】第2在来線のコンテナ車への搬入完了状態の説明図である。
図10図10Aは、有蓋パレットの説明図、図10Bは、無蓋パレットの説明図である。
図11】台車を用いた貨物の積み替え要領の説明図である。
図12】変形例に係る有蓋車両の内部構造の説明図である。
図13】実施の形態の貨物積替基地が適用される輸送システムの説明用構成図である。
図14】一例としての中間駅の高架階の平面図である。
図15】前記中間駅の地上階の平面図である。
図16図14及び図15のA-A線で断面視した概略断面図である。
図17図14及び図15のB-B線で断面視した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の実施の形態での各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
【0013】
図1は、実施の形態に係る貨物積替基地の一例を平面視した概略図である。図1に示すように、貨物積替基地10は、第1在来線11、第2在来線12と、高速線13とを備えている。ここで、第1在来線11及び第2在来線12は、それぞれ第1線路を構成し、本実施の形態の貨物積替基地10は、2本の第1線路を備えている。また、高速線13は第2線路を構成し、本実施の形態の貨物積替基地10にて第2線路は1本とされる。高速線13は、本実施の形態の貨物積替基地10では、図1中左端部が終着点とされ、該終着点の周辺となる貨物積替基地10の一部領域を図1に示す。
【0014】
本実施の形態において、第1在来線11、第2在来線12及び高速線13は、図1の左右方向をレール方向として並んで配置され、高速線13の枕木方向(図1の上下方向)両側に第1在来線11及び第2在来線12が設けられる。具体的には、高速線13の枕木方向一方(図1中下側)に第1在来線11が配置され、高速線13の枕木方向他方(同図中上側)に第2在来線12が配置される。言い換えると、2本の在来線11、12の間に高速線13が配置され、各在来線11、12及び高速線13は概略平行に設けられている。
【0015】
本実施の形態では、各在来線11、12及び高速線13のレール方向は、図1中左右方向として同一となるので、以下において、各在来線11、12及び高速線13のレール方向を単に「レール方向」と称する場合がある。また、各在来線11、12及び高速線13の枕木方向は、図1中上下方向として同一となるので、以下において、各在来線11、12及び高速線13の枕木方向を単に「枕木方向」と称する場合がある。
【0016】
第1在来線11、第2在来線12及び高速線13には、貨物Fを輸送する列車が走行可能とされる。本実施の形態においては、第1在来線11及び第2在来線12を走行する列車は貨物列車とされ、コンテナCTが積載されるコンテナ車(無蓋車両)CCが複数連結して構成されている。なお、本実施の形態の貨物積替基地10にて、貨物Fは有蓋パレットP1に収容された状態で移動、搬送されるので、各図において有蓋パレットP1の符号に括弧書きした符号「F」を並記する場合がある。また、図1にてコンテナCTは、内部が透視された状態として表されている(図6図9も同様)。
【0017】
本実施の形態においては、第1在来線11を走行する貨物列車を第1貨物列車FT1、第2在来線12を走行する貨物列車を第2貨物列車FT2とする。
【0018】
高速線13を走行する列車は、有蓋車両BCを複数連結して構成される。かかる有蓋車両BCは、新幹線や特急列車等の旅客列車の座席の設置を省略した車両とする他、貨物Fの輸送専用に構成される車両としてもよい。なお、図1にて有蓋車両BCは、内部が透視された状態として表されている(図6図9も同様)。
【0019】
有蓋車両BCには、出し入れ口BCaが枕木方向両側にそれぞれ形成され、出し入れ口BCaを通じ、貨物Fを収容する有蓋パレットP1が有蓋車両BCに搬入出される。各有蓋車両BCにおいて、出し入れ口BCaは、枕木方向両側それぞれに一箇所ずつ設けられ、言い換えると、有蓋車両BCのレール方向全体のうちの一部分に出し入れ口BCaが形成される。出し入れ口BCaは扉BCbによって開閉され、扉BCbを閉塞した走行時等に有蓋車両BCの内部空間の閉塞性を保つことができる。
【0020】
各有蓋車両BCにおける枕木方向両側の出し入れ口BCaは、レール方向にて異なる位置となるように設けられている。有蓋車両BCの内部の構成については後述する。
【0021】
貨物積替基地10においては、高速線13の枕木方向両側及び図1中左側に設けられる積替ホーム20と、積替ホーム20上に設けられた移動機構30とを更に備えている。
【0022】
積替ホーム20は、上面が第1在来線11、第2在来線12及び高速線13より高い位置に形成され、コンテナ車CCや有蓋車両BCの出し入れ口BCaに応じた高さを有している(図4参照)。積替ホーム20は、高速線13と第1在来線11との間が第1ホーム21とされ、高速線13と第2在来線12との間が第2ホーム22とされる。また、積替ホーム20は、高速線13の図1中左側において、第1ホーム21及び第2ホーム22を接続する接続ホーム23を備えている。
【0023】
移動機構30は、コンテナ車CCと有蓋車両BCとの間で貨物Fを収容する有蓋パレットP1を移動するために用いられる。移動機構30は、積替ホーム20の第1ホーム21及び第2ホーム22それぞれに設けられるので、高速線13の枕木方向両側に設けられる。移動機構30は、第1搬送経路31、第2搬送経路32、中間搬送経路33を備えている。
【0024】
第1搬送経路31は、積替ホーム20の第1ホーム21における第1在来線11に近接する位置と、第2ホーム22における第2在来線12に近接する位置とに設けられる。第1搬送経路31は、貨物積替基地10にて第1在来線11及び第2在来線12に停車するコンテナ車CCに対し、枕木方向に隣接する位置に設けられる。また、第1搬送経路31は、上記のようにコンテナ車CCに対し枕木方向に隣接する位置からレール方向に若干拡大した位置にも設けられるとよい。第1搬送経路31は、コンテナ車CCが停車可能とされる領域において、第1在来線11及び第2在来線12のレール方向に連続して設けられる。
【0025】
第2搬送経路32は、積替ホーム20の第1ホーム21及び第2ホーム22にて高速線13に近接する位置に設けられる。第2搬送経路32は、高速線13に停車する有蓋車両BCの出し入れ口BCaに対し、枕木方向に隣接する位置に設けられる。よって、レール方向にて第2搬送経路32の設置領域は、有蓋車両BCの停車が予定される全領域に対し、部分的な領域ないし分散した領域に設定される。これにより、第2搬送経路32の設置領域は複数箇所となり、該複数箇所の第2搬送経路32における設置領域のレール方向長さの総和は、第1搬送経路31の設置領域のレール方向長さの総和より短くなる。よって、第2搬送経路32の設置領域は、第1搬送経路31の設置領域より小さくなる。
【0026】
ここで、上記の第2搬送経路32の設置領域のレール方向長さの総和は、第1搬送経路31の設置領域におけるレール方向長さの総和の8%以上30%以下の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは、14%以上17%以下の範囲に設定するとよい。かかる範囲の設定は、コンテナ車CC及び有蓋車両BCの車両長を現在運行する一般的な車両の長さとし、第1在来線11、第2在来線12及び高速線13にて車両数を同じ(編成数が異なる場合あり)とした条件で求めている。また、他の条件として、高速線13の出し入れ口BCaのレール方向長さに所定の余裕を持たせた長さを3mとし、各搬送経路31、32のレール方向長さにもコンテナ車CCや出し入れ口BCaに対して所定の余裕を持たせている。このような条件にて、上記各総和の比が約15%と求まることから、若干拡大した範囲として14%以上17%以下の範囲に設定される。また、上記各総和の比は、高速線13に対し第1在来線11及び第2在来線12の車両数が2倍になったり、上記にて3mとした長さを1.5mとした場合、約8%となる。更に、高速線13に対し第1在来線11及び第2在来線12の車両数が1/2になった場合、上記各総和の比は約30%となる。よって、上記各総和の比が8%以上30%以下の範囲に設定される。なお、各在来線11、12にて、コンテナ車CCに代え、出し入れ口の設置数や長さが種々のバリエーションを有する有蓋車両を運行した場合、上記各総和の比は約22%となり上記の範囲に含まれる。
【0027】
中間搬送経路33は、積替ホーム20の第1ホーム21及び第2ホーム22のそれぞれにて、第1搬送経路31及び第2搬送経路32の間に配置される。中間搬送経路33は、レール方向に延出し、枕木方向における高速線13側に第2搬送経路32が隣接し、枕木方向における高速線13と反対側に第1搬送経路31が隣接している。
【0028】
図2は、前記貨物積替基地の積替ホーム及びその周辺の部分拡大斜視図である。図2は、積替ホーム20の第1ホーム21の一部と、その周辺の第1在来線11におけるコンテナ車CCと、高速線13における有蓋車両BCとを示している。
【0029】
図2において、積替ホーム20上に搬送中の複数の有蓋パレットP1が載置されている。有蓋パレットP1は、コンテナCT及び有蓋車両BCに収容可能なサイズとされる。有蓋パレットP1の内部に貨物Fが載置及び収容される(図10参照)。よって、有蓋パレットP1は、貨物Fと一体となって移動や搬送が行われ、以下の説明による有蓋パレットP1の移動や搬送によって、貨物Fも同様に移動や搬送される。また、本実施の形態における貨物Fの移動や搬送は、一例として有蓋パレットP1を用いる場合にて図示説明し、有蓋パレットP1の代替手段については後述する。
【0030】
第1搬送経路31及び第2搬送経路32は、枕木方向に延出する複数のローラコンベア37により構成される。ローラコンベア37は、枕木方向に並設される複数のローラ37aと、各ローラ37aを保持するフレーム等の保持体37bとを有している。ローラコンベア37は、枕木方向と平行な直線方向に有蓋パレットP1を移動する。よって、第1搬送経路31のローラコンベア37は、第1在来線11と中間搬送経路33とを結ぶ方向に有蓋パレットP1を移動する。また、第2搬送経路32のローラコンベア37は、高速線13と中間搬送経路33と結ぶ方向に有蓋パレットP1を移動する。
【0031】
第1搬送経路31及び第2搬送経路32においては、レール方向に隣り合うローラコンベア37の間に隙間S1が形成される。隙間S1は、ローラコンベア37の延出方向と同じ方向となる枕木方向に延出される。
【0032】
第1搬送経路31及び第2搬送経路32は、上述のようにレール方向にて設置領域が異なっている。よって、第1搬送経路31は、コンテナ車CCが停車可能とされる領域にて、ローラコンベア37が隙間S1を形成しつつ等間隔毎に連続して設置されて構成される。一方、第2搬送経路32は、高速線13に停車する有蓋車両BCの出し入れ口BCaに隣接する位置だけにおいて、複数(図2では4体)のローラコンベア37が設置されて構成される。よって、ローラコンベア37の設置数は、第1搬送経路31より第2搬送経路32の方が少なくなる。
【0033】
中間搬送経路33は、複数のボールコンベア38により構成される。ボールコンベア38は、平面視で概略方形状をなすベース等によって構成される保持体38bと、保持体38bの上面に回転可能に並設された複数のボール38aとを有している。ボールコンベア38は、略水平方向に沿う任意の方向に有蓋パレットP1を移動する。
【0034】
従って、中間搬送経路33は、ボールコンベア38によりレール方向及び枕木方向の交差する2方向に有蓋パレットP1を移動可能に設けられる。中間搬送経路33による枕木方向の有蓋パレットP1の移動は、中間搬送経路33と、第1搬送経路31や第2搬送経路32との間で有蓋パレットP1を積み替える方向の移動となる。
【0035】
なお、ボールコンベア38は、載置された有蓋パレットP1を鉛直方向に沿う軸周りに回転させることができ、かかる回転によって有蓋パレットP1の向きを変更可能とされる。
【0036】
中間搬送経路33においては、複数のボールコンベア38を枕木方向及びレール方向の2方向に並べて設け、該2方向に隣り合うボールコンベア38の間に隙間S2が形成されている。
【0037】
上記の図2に示される構成の説明では、第1ホーム21及びその周辺について説明したが、第2ホーム22における移動機構30の構成も第1ホーム21と同様の構成となる。具体的には、図1に示すように、第1ホーム21上と第2ホーム22上とを比べると、移動機構30は高速線13を枕木方向に挟んで概ね対称な構成となり、第2ホーム22の第1搬送経路31は、第2在来線12と中間搬送経路33とを結ぶ方向に有蓋パレットP1を移動する。なお、第2ホーム22の第2搬送経路32は、有蓋車両BCの出し入れ口BCaに応じ、レール方向にて第1ホーム21の第2搬送経路32と異なる位置に設けられる。
【0038】
図2に戻り、各コンテナCT内の底部には、枕木方向に延出する複数(本実施の形態では3体)のローラコンベアCTaが設けられている。ローラコンベアCTaによって、コンテナCT内への有蓋パレットP1の出し入れが案内される。レール方向に隣り合うローラコンベアCTaの間には、隙間S3が形成され、かかる隙間S3はローラコンベアCTaと同様に枕木方向に延出する。
【0039】
有蓋車両BC内の底部であって出し入れ口BCaに隣接する位置には、複数のボールコンベアBCcが設けられている。複数のボールコンベアBCcによって、有蓋車両BC内への有蓋パレットP1の出し入れが案内される。ボールコンベアBCcは枕木方向及びレール方向の2方向に並べて設けられ、隣り合うボールコンベアBCcの間に隙間S4が形成されている。
【0040】
有蓋車両BC内の底部であってボールコンベアBCcに対しレール方向に隣接する位置には、複数(本実施の形態では2体)のローラコンベアBCdが設けられている。ローラコンベアBCdはレール方向に延出し、ボールコンベアBCcと共に、有蓋車両BC内における有蓋パレットP1のレール方向の移動が案内される。隣り合うローラコンベアBCdの間には、隙間S5が形成され、かかる隙間S5はローラコンベアBCdと同様にレール方向に延出する。
【0041】
図1に戻り、移動機構30は、積替ホーム20の接続ホーム23に設けられる接続搬送経路35を更に備えている。接続搬送経路35は、接続ホーム23に加え、第1ホーム21及び第2ホーム22における接続ホーム23寄りの領域に亘って設けられる。接続搬送経路35は、高速線13の枕木方向両側の中間搬送経路33、言い換えると、第1ホーム21の中間搬送経路33と第2ホーム22の中間搬送経路33とを接続している。
【0042】
接続搬送経路35は、ローラコンベアとボールコンベアとを組み合わせて構成される。具体的には、接続搬送経路35は、第1ホーム21、第2ホーム22の中間搬送経路33に接続され、接続ホーム23に向かってレール方向に延びるローラコンベア35a、35bを備えている。また、接続搬送経路35は、それぞれのローラコンベア35a、35bにおける中間搬送経路33と反対側の端部に設けられたボールコンベア35c、35dと、各ボールコンベア35c、35d間に延出するローラコンベア35eを更に備えている。接続搬送経路35によって、第1ホーム21と第2ホーム22との間で、高速線13の有蓋車両BCを通過せずに有蓋パレットP1を移動させることができる。
【0043】
図3は、前記貨物積替基地の図1とは別の領域を平面視した概略図である。具体的には、図1は、貨物積替基地10のレール方向における図1中左側領域を示したが、図3は、その反対側の領域を示している。図3において、第1在来線11及び第2在来線12は、図1中右端部が終着点とされる。
【0044】
図3に示すように、第1ホーム21の図1中右下領域には、空パレット置き場25が設けられる。空パレット置き場25には、第1ホーム21の中間搬送経路33に接続されて枕木方向に延出する複数のローラコンベア25aが設けられる。空パレット置き場25において、貨物Fが収容されずに空となる有蓋パレットP1を複数貯留しておくことができる。
【0045】
なお、第2ホーム22の図1中右上領域には貨物積替基地10の事務所棟等の建物15を並設することが例示できる。建物15は、有蓋パレットP1を搬送するトラック等のための配送センター等としてもよい。
【0046】
図4は、図1を枕木方向に断面視した概略説明図である。図4に示すように、第1ホーム21及び第2ホーム22の両方において、第1搬送経路31及び第2搬送経路32は中間搬送経路33に向かって次第に下降する方向に傾斜する領域を有している。第2搬送経路32は、枕木方向の全領域に亘って上記のように傾斜している。
【0047】
一方、第1搬送経路31にあっては、コンテナ車CC側の概ね半分領域が上記のように傾斜する傾斜部31aとされ、中間搬送経路33側の概ね半分領域は水平となる留置部31bとされる。傾斜部31aのローラコンベア37に載置される有蓋パレットP1は、自重によって留置部31b及び中間搬送経路33側に移動する方向の力が作用する。留置部31bのローラコンベア37に載置される有蓋パレットP1は、意図的な外力を加えない限りにおいて、停止した位置を維持することができる。
【0048】
留置部31bの枕木方向の長さは、有蓋パレットP1の枕木方向の長さより若干長く形成されている。よって、留置部31bに載置された有蓋パレットP1が中間搬送経路33にはみ出ることを回避でき、中間搬送経路33にてレール方向に移動する他の有蓋パレットP1の邪魔になることを防止できる。また、留置部31bに載置された有蓋パレットP1が傾斜部31aにはみ出ることを回避でき、傾斜部31aの傾斜によって留置部31bの有蓋パレットP1が意図せず移動することを防止できる。
【0049】
図5A図5Cは、補助部材を用いた作業要領の説明図である。図5A図5Cに示すように、本実施の形態においては、第2搬送経路32と有蓋車両BCの出し入れ口BCaとの間に補助部材40を設けることができる。補助部材40は、回転軸41を介して回動可能な2枚のプレート42と、回転軸41回りに回転する複数のローラ43とを備えている。回転軸41の延出方向における各プレート42の長さは、有蓋パレットP1(図5C参照、有蓋部は図示省略)の幅と概ね同じに設定されている。
【0050】
図5Aに示すように、補助部材40は、回転軸41を介して各プレート42を回転し、各プレート42を重ねて折り畳んだ状態にすることができる。これにより、作業者Wが補助部材40を容易に持ち運びできるようになる。
【0051】
図5Bに示すように、作業者Wによって、第2搬送経路32と有蓋車両BCの出し入れ口BCaとの間に補助部材40を配置することができる。このとき、回転軸41を挟む両側にプレート42が位置するよう開いた状態とし、出し入れ口BCaの下部と積替ホーム20とに跨るように補助部材40を配置(装着)する。
【0052】
その後、図5Cに示すように、補助部材40上を通過させて出し入れ口BCaに有蓋パレットP1を出し入れすることができる。このとき、各プレート42によって積替ホーム20と有蓋車両BCとの間の隙間をカバーし、該隙間によって有蓋パレットP1の移動に支障が生じることを防止できる。また、複数のローラ43の転動によって有蓋パレットP1を小さな力で移動させ、補助部材40によって有蓋パレットP1の移動を補助することができる。有蓋パレットP1を出し入れした後は、作業者Wが補助部材40を持ち上げるだけで積替ホーム20と有蓋車両BCとの間から補助部材40を取り外すことができる。
【0053】
このように、補助部材40は、有蓋パレットP1の出し入れに際し、第2搬送経路32と有蓋車両BCとの間に着脱自在に設けられる。よって、作業者Wが有蓋パレットP1を移動する作業に応じて、補助部材40を簡単にセット及び回収できるようししつつ、有蓋パレットP1の移動の容易化も図ることができ、作業効率を向上することができる。
【0054】
また、有蓋車両BCが上下動した場合、該上下動に応じてプレート42が揺動するよう回動させて対応することができる。
【0055】
なお、上記において、第2搬送経路32と有蓋車両BCとの間に補助部材40を着脱する場合を説明したが、第1搬送経路31とコンテナ車CCとの間にも補助部材40を同様に配置して利用することができる。
【0056】
続いて、積替ホーム20及び移動機構30による有蓋パレットP1の搬送要領について一例を挙げて説明する。本実施の形態では、高速線13の枕木方向一方(図1中下側)の積替ホーム20及び移動機構30が、高速線13の有蓋車両BCへの有蓋パレットP1(貨物F)の搬入に用いられる。また、高速線13の枕木方向他方(図1中上側)の積替ホーム20及び移動機構30が、高速線13の有蓋車両BCからの有蓋パレットP1(貨物F)の搬出に用いられる。言い換えると、第1ホーム21においては、有蓋パレットP1が第1在来線11のコンテナ車CCから、高速線13の有蓋車両BCへ搬入される。また、第2ホーム22においては、有蓋パレットP1が、高速線13の有蓋車両BCから第2在来線12のコンテナ車CCへ搬入される。先ず、第1在来線11のコンテナ車CCに積載された有蓋パレットP1を有蓋車両BCに搬入する要領を、図1図6図7を参照して以下に説明する。図6は、第1在来線のコンテナ車から高速線の有蓋車両への搬入要領の説明図である。図7は、高速線の有蓋車両への搬入完了状態の説明図である。
【0057】
なお、以下の説明における有蓋パレットP1の移動は作業者による人力にて行うものとし、搬入及び搬出のために有蓋パレットP1を移動する順序は、作業者が携帯する端末装置(不図示)等に表示されるものとする。よって、作業者は、端末装置の表示内容に従った順序で有蓋パレットP1を移動することで、所望の搬入出が行われる。
【0058】
図1に示すように、第1在来線11のコンテナ車CCに有蓋パレットP1が積載された状態から、図6に示すように、コンテナ車CCにおけるコンテナCTの扉を開き、コンテナCTから有蓋パレットP1を搬出する。かかる搬出における有蓋パレットP1の移動は、コンテナCTのローラコンベアCTa及び第1ホーム21における第1搬送経路31のローラコンベア37によって枕木方向に案内される。ここで、第1搬送経路31のコンテナ車CC側は傾斜部31a(図4参照)によって傾斜しているので、コンテナCTから第1搬送経路31への移動の省力化を図ることができる。
【0059】
第1搬送経路31上を移動した有蓋パレットP1は、中間搬送経路33の手前となる留置部31bにて仮置きした状態にすることができる。留置部31bに複数仮置きした有蓋パレットP1のうち、搬送すべき1つの有蓋パレットP1を中間搬送経路33の上まで枕木方向に移動する。そして、かかる有蓋パレットP1を中間搬送経路33上でレール方向に移動する。ここで、中間搬送経路33はボールコンベア38によって構成されるので、中間搬送経路33上にて枕木方向及びレール方向の両方への移動が許容される。
【0060】
中間搬送経路33にて、搬入先となる有蓋車両BCの出し入れ口BCaに有蓋パレットP1が枕木方向に揃う位置までレール方向に移動する。その後、かかる出し入れ口BCaに向かって有蓋パレットP1を枕木方向に移動し、出し入れ口BCaを通じて有蓋車両BC内に有蓋パレットP1を搬入する。かかる搬入における有蓋パレットP1の移動は、第2搬送経路32のローラコンベア37及び有蓋車両BCのボールコンベアBCcによって枕木方向に案内される。
【0061】
有蓋車両BCの内部では、ボールコンベアBCc及びローラコンベアBCdを介して有蓋パレットP1を所定位置まで移動し、1つの有蓋パレットP1の有蓋車両BC内への搬入が完了する。このような搬入を繰り返し行うことで、図7に示すように、高速線13の有蓋車両BCへの所望数の有蓋パレットP1の搬入が完了する。
【0062】
続いて、有蓋車両BCに積載された有蓋パレットP1を第2在来線12のコンテナ車CCに搬入する要領を、図8図9を参照して以下に説明する。図8は、高速線の有蓋車両から第2在来線のコンテナ車への搬入要領の説明図である。図9は、第2在来線のコンテナ車への搬入完了状態の説明図である。
【0063】
図8に示すように、有蓋車両BCに有蓋パレットP1が積載された状態から、第2ホーム22側の出し入れ口BCaを通じて有蓋パレットP1を搬出する。かかる搬出における有蓋パレットP1の移動は、有蓋車両BCのボールコンベアBCc及び第2ホーム22における第2搬送経路32のローラコンベア37によって枕木方向に案内される。ここで、第2搬送経路32は傾斜しているので(図4参照)、有蓋車両BCから第2搬送経路32への移動の省力化を図ることができる。
【0064】
第2搬送経路32によって枕木方向に案内される有蓋パレットP1を中間搬送経路33の上まで移動する。そして、かかる有蓋パレットP1を中間搬送経路33上でレール方向に移動する。この移動は、中間搬送経路33にて、搬入先となるコンテナCTに有蓋パレットP1が枕木方向に揃う位置まで実施する。その後、かかるコンテナCTに向かって有蓋パレットP1を枕木方向に移動し、コンテナCT内に有蓋パレットP1を搬入(収容)する。かかる搬入における有蓋パレットP1の移動は、第1搬送経路31のローラコンベア37及びコンテナCTのローラコンベアCTaによって枕木方向に案内される。このような搬入を繰り返し行うことで、図9に示すように、第2在来線12のコンテナ車CCにおける各コンテナCTへの有蓋パレットP1の搬入が完了する。
【0065】
ここで、貨物Fを収容する各種のパレットについて説明する。図10Aは、有蓋パレットの説明図、図10Bは、無蓋パレットの説明図である。図10Aに示すように、有蓋パレットP1は、規格化された航空パレット等からなるベースP1a上にボックス状の有蓋部P1bを備え、有蓋部P1bの一側面に設けられた扉P1cを開いて内部に貨物Fを出し入れできるように設けられる。有蓋パレットP1は、コンテナCTに収容可能なサイズであり、且つ、有蓋車両BCの出し入れ口BCaを通過して有蓋車両BC内に収容可能なサイズとされる。
【0066】
図10Bに示すように、無蓋パレットP2は、規格化された航空パレット等からなるベースP2aを備え、ベースP2a上に貨物Fを搭載できるように設けられる。無蓋パレットP2に搭載された貨物Fには、荷崩れを防止するためのラッピングP2bが設けられる。
【0067】
コンテナCTや有蓋車両BCへの貨物Fの積載は、上記各パレットP1、P2に限定されず、積載できる限りにおいて、種々変更してもよい。例えば、キャスター(車輪)付きの台車に貨物Fを積載して積替ホーム20や有蓋車両BCにて貨物Fを搬送してもよい。この場合、図2に示した各隙間S1~S5に台車のキャスターを通過させることで、台車の走行を行うことができる。言い換えると、本実施の形態の移動機構30では、各パレットP1、P2の搬送と、キャスター付きの台車の走行との両方を実施することができる。また、使用する台車のキャスターの間隔が規格化されていれば、該間隔に応じて各隙間S1~S5の間隔を設定することで、何れの場所においても台車を走行し易くなる。
【0068】
図11は、台車を用いた積み替え要領の一例を示す説明図である。図11に示す台車RBは、ロールボックスパレットと称される貨物搬送用の台車である。台車RBは、かご状に設けられる収容部RB1と、収容部RB1にて方形をなす底部RB1aのコーナー4箇所に設けれるキャスターRB2とを備えている。収容部RB1の内部には、図11にて不図示の貨物が収容される。台車RBは、キャスターRB2を介して走行(移動)され、かかる走行は作業者Wによる人力で操作される。
【0069】
図11にて、第2搬送経路32におけるレール方向に隣り合うローラコンベア37の間の隙間S1は、キャスターRB2の通過を許容する幅に設定される。また、レール方向において、ローラコンベア37の幅は、台車RBにてレール方向に並ぶ2つのキャスターRB2の離間距離より小さく設定される。これにより、台車RBは、ローラコンベア37のローラ37aに接触せずにローラ37a上を通過するようキャスターRB2を介して走行する。また、かかる走行において、隙間S1を形成するローラコンベア37の保持体37bによってキャスターRB2が枕木方向にガイドされる。
【0070】
台車RBによって積み替えを行う場合、第2搬送経路32と有蓋車両BCの出し入れ口BCaとの間に補助部材40を設けることで、2枚のプレート42上にキャスターRB2を走行させることができる。各プレート42によって積替ホーム20と有蓋車両BCとの間の隙間がカバーされるので、キャスターRB2の走行の容易化を図ることができる。
【0071】
このような実施の形態によれば、移動機構30によってレール方向と枕木方向との異なる2方向に有蓋パレットP1(貨物F)を移動することができる。これにより、コンテナ車CCや有蓋車両BCを走行させずに、積替ホーム20上にてレール方向における有蓋パレットP1の位置や順序を変更でき、積み替え作業の容易化、時間短縮を図ることができる。しかも、第2搬送経路32の設置領域が第1搬送経路31より小さくなり、第2搬送経路32の設置数が少なくなる分、構成の簡略化することができる。また、従来のクローラのような構成に比べ、設備のコスト負担やメンテナンス負担を軽減することができる。
【0072】
また、単一の基地となる貨物積替基地10において、第1在来線11のコンテナ車CCから有蓋車両BCへの有蓋パレットP1(貨物F)の積み替えだけでなく、有蓋車両BCから第2在来線12のコンテナ車CCの積み替えを同時に行うことができる。
【0073】
更に、貨物積替基地10では、第1ホーム21を第1在来線11のコンテナ車CCから有蓋車両BCへの積み替え専用とし、第2ホーム22を有蓋車両BCから第2在来線12への積み替え専用として用いることができる。これにより、有蓋パレットP1(貨物F)の積み替えの正確性を高めつつ効率を向上することができる。
【0074】
また、接続搬送経路35によって、第1ホーム21と第2ホーム22との間で、高速線13の有蓋車両BCを通過せずに有蓋パレットP1を移動できる。これにより、第1在来線11及び第2在来線12の各コンテナ車CC間において、有蓋パレットP1を搬送することができる。また、第2ホーム22にて貨物Fが収容されずに空となる有蓋パレットP1を、第1ホーム21を経て空パレット置き場25に搬送することができる。更には、空パレット置き場25における空の有蓋パレットP1を第2ホーム22に搬送することもできる。
【0075】
また、第1搬送経路31及び第2搬送経路32をローラコンベア37によって構成し、中間搬送経路33をボールコンベア38によって構成したので、各搬送経路31~33の構成の簡略化を図ることができる。更に、動力源等を用いずに人力による有蓋パレットP1の移動を実現でき、設備コスト、メンテナンスコストを軽減することができる。
【0076】
また、第1搬送経路31が傾斜部31aを備え、第2搬送経路32が傾斜する領域を備えているので、コンテナCTや有蓋車両BCから有蓋パレットP1を取り出す際の省力化を図ることができる。更に、傾斜部31aや第2搬送経路32上の有蓋パレットP1には自重によって各ホーム21、22の枕木方向中央に移動する力が加わる。これにより、各在来線11、12や高速線13の線路に向かって有蓋パレットP1が意図せず移動することを回避することができる。
【0077】
また、第1搬送経路31が留置部31bを有するので、コンテナCTや有蓋車両BCから取り出した有蓋パレットP1を各ホーム21、22にて貯留することができる。これにより、有蓋パレットP1の積み替えにて有蓋パレットP1の順序の入れ換えを行い易くなる。更には、搬出先となる有蓋車両BCやコンテナ車CCが貨物積替基地10に未着であっても、各ホーム21、22に有蓋パレットP1を搬出して貯留でき、搬出元となった有蓋車両BCやコンテナ車CCを空の状態にすることができる。
【0078】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0079】
例えば、第1搬送経路31及び第2搬送経路32による有蓋パレットP1(貨物F)の移動方向を枕木方向として説明したが、これに限られるものでない。かかる移動方向は、第1在来線11や第2在来線12と中間搬送経路33とを結ぶ方向であれば、枕木方向に対して傾いたり湾曲したりしてもよい。
【0080】
また、中間搬送経路33による有蓋パレットP1(貨物F)の移動方向を枕木方向として説明したが、これに限られるものでない。かかる移動方向は、第1搬送経路31及び第2搬送経路32と有蓋パレットP1を積み替えできる方向であれば、枕木方向に対して傾いたり湾曲したりしてもよい。
【0081】
また、中間搬送経路33は、散点的にエアを噴出するフロア面を備えた搬送機構を用い、略水平方向に沿う任意の方向に有蓋パレットP1(貨物F)を移動させるようにしてもよい。
【0082】
更に、積替ホーム20にて第1ホーム21及び第2ホーム22の何れか一方を省略した構成としてもよい。但し、有蓋パレットP1の搬送効率を考慮すると、本実施の形態のように第1ホーム21及び第2ホーム22を有することが好ましい。
【0083】
また、各図に表したローラコンベア37の本数や幅は、一例に過ぎないものであり、第1搬送経路31及び第2搬送経路32の設置領域を上述したように設定する限りにおいて変更してもよい。
【0084】
更に、ローラコンベア37やボールコンベア38は、保持体37b、38bを省略し、ローラ37aやボール38aを積替ホーム20の上面に部分的に埋設するように設けてもよい。
【0085】
また、ローラコンベア37及びボールコンベア38は、モータ等の駆動源による動力を介して載置される有蓋パレットP1(貨物F)を移動させてもよいが、構造の簡略化を図る観点では、上記実施の形態のように構成することが好ましい。
【0086】
更に、図示したコンテナ車CCの1台当たりのコンテナCTの積載数や、有蓋車両BCにおける有蓋パレットP1の最大収容数は一例であり、適宜変更してもよい。
【0087】
また、上記実施の形態の貨物積替基地10では、各在来線11、12及び高速線13の全てが終端駅となる構造について図示、説明したが、これらの少なくとも一つについて中間駅となる構造に変更してもよい。例えば、高速線13について中間駅となる構造を採用した場合、接続ホーム23及び接続搬送経路35の構成が省略される。かかる中間駅は、図13にて符号1020で示す後述する中間駅にて採用することができる。
【0088】
また、上記実施の形態では、第1線路となる在来線11、12にコンテナ車(無蓋車両)CCが走行及び停止され、第2線路となる高速線13に有蓋車両BCが走行及び停止される構成としたが、これに限られるものでない。本発明においては、第1線路の列車を、停止状態でレール方向における貨物の積載位置が不規則となる他の列車としてもよい。また、第2線路の列車を、停止状態でレール方向における貨物の搬入出位置が精度良く定まる他の列車としてもよい。かかる他の列車の具体例として、第1線路の列車としては、扉のレール方向の位置や開口幅、設置数が規格化されていない有蓋車両や、停車時に生じる隙間が数cm程度変化する特性を有する連結器で連結される車両を挙げることができる。また第2線路の列車としては、扉のレール方向の位置や開口幅、設置数が規格化された各種の有蓋車両や、停車時に生じる隙間の変化が小さい連結器で連結される各種車両を挙げることができる。更に、貨物は、上記実施の形態にて説明したように積み替え可能であれば、特に限定されるものでないが、一貫パレタイズ(パレチゼーション)の観点から、規格化された航空パレット等に搭載可能な貨物とすることが好ましい。
【0089】
また、上記実施の形態では、有蓋車両BC内の底部にローラコンベアBCd(図2参照)を設けた構成を説明したが、これに限られるものでなく、例えば図12に示す構成にする等、種々の変更が可能である。図12は、変形例に係る有蓋車両の内部構造の説明図である。図12の変形例において、有蓋車両BCは、浮上搬送用パレット51を浮上してレール方向に移送する浮上移送構造50を備えている。
【0090】
浮上移送構造50は、有蓋車両BCの底部に設けられるダクト52と、ダクト52の上壁52aに散点的に複数設けられた圧縮空気の噴出口53とを備えている。ダクト52は、圧縮空気の供給源(不図示)に接続され、かかる供給源としては、有蓋車両BCの空制機器(ブレーキや空気ばね)に用いられる圧縮機としたり、該圧縮機とは別に独立した圧縮機を用いることが例示できる。
【0091】
ダクト52は、上壁52aにて有蓋車両BCの床面BCfを形成し、また、有蓋車両BCの底部によってダクト52の下部が閉塞される。ダクト52と、有蓋車両BCにおける枕木方向両側の壁BCg(一方の壁を図示省略)との間には、フレーム55が設けられている。フレーム55は、ダクト52の側壁52bを形成してダクト52の一部として構成される。また、フレーム55の上面はダクト52の上面部と略同一面上に設けられて床面BCfを形成している。
【0092】
フレーム55の上面には、浮上搬送用パレット51の枕木方向両側をガイドするガイドレール56が設置されている。ガイドレール56は、フレーム55の上面から鉛直方向に延出してからダクト52側に屈曲するアングル状に形成されている。ガイドレール56は、先端側が浮上搬送用パレット51の上面に重なって浮上搬送用パレット51が床面BCfから所定量以上離れることを規制する。また、ガイドレール56は、浮上搬送用パレット51を枕木方向両側から挟むように配置され、浮上搬送用パレット51が枕木方向に大きく変位しないようにレール方向の移動を案内する。
【0093】
上記浮上移送構造50にて、浮上搬送用パレット51をレール方向に移送する場合、有蓋車両BCの停車中にて、不図示の供給源からダクト52に圧縮空気が供給される。これにより、噴出口53から上方に向かって圧縮空気が噴出され、ダクト52の上方に配置される浮上搬送用パレット51の下面との間に薄い空気層が形成されてダクト52の上壁52aから浮上搬送用パレット51が浮上した状態となる。かかる状態とすることで、浮上搬送用パレット51のレール方向への移送に対する動作抵抗を極めて小さくすることができる。
【0094】
これにより、浮上搬送用パレット51に載置した貨物等(不図示)に対し作業者によりレール方向に力を加えることで、有蓋車両BCにて浮上搬送用パレット51と共に貨物等を簡単に移送することができる。なお、作業者による人力に代え、浮上搬送用パレット51等に圧縮空気を吹き付ける等の移送機構を設け、浮上搬送用パレット51をレール方向に移送できるようにしてもよい。
【0095】
また、ダクト52への圧縮空気の供給が停止されてダクト52内の圧力が大気圧となると、浮上搬送用パレット51が浮上せずに自重によって床面BCf上に載置される。
このときの浮上搬送用パレット51及び床面BCfの摩擦と、両側のガイドレール56によって浮上搬送用パレット51の水平方向の移動が規制される。かかる移動規制では、専用の固定装置を不要にすることができる。また、ダクト52への圧縮空気の供給停止は、有蓋車両BCの走行開始前のタイミングとすることが好ましく、有蓋車両BCにおける空制機器の使用を切り替えるタイミングと一致させることができる。
【0096】
ここで、上記実施の形態の貨物積替基地10が適用される輸送システムについて、図13を参照して以下に説明する。図13は、実施の形態の貨物積替基地が適用される輸送システムの説明用構成図である。
【0097】
輸送システム1000は、貨物Fを積卸しする多数の発着地を有しているが、図13では、主として、1つの出発地1001から1つの到着地1002への輸送の間の構成について図示している。
【0098】
出発地1001は、貨物Fを発送する顧客宅とする他、貨物Fを収容、保管、管理する物流センターや倉庫を例示することができる。出発地1001では、貨物Fが有蓋パレットP1に収容される。また、出発地1001では、貨物Fを収容した有蓋パレットP1が、緊締トラック等のトラックTRに積載されるコンテナCTに積み込まれる。
【0099】
有蓋パレットP1は、図10Aに示した構成を採用でき、コンテナCTに収容可能なサイズとされる。有蓋パレットP1全体や有蓋パレットP1のベースP1aは、各航空会社が使用する標準的なULD(Unit Load Device)や、航空輸送にて規格化(所定ルールで統一化)されるULDを用いることができる。具体的には、有蓋パレットP1のベースP1aとして、規格コードPMCとなる96インチパレット(3,175mm×2,438mm)の採用を例示できる。
【0100】
コンテナCTは、貨物輸送用に規格化若しくは事実上規格化されたコンテナが用いられる。具体的には、12ftのJRコンテナを採用することが好ましく、その他、10ftや20ftのJRコンテナを採用してもよい。
【0101】
輸送システム1000は、出発地1001から第1リンク1003を経てコンテナCT(貨物F、有蓋パレットP1)が輸送される貨物駅1004を備えている。第1リンク1003は、トラックTRによるトラック輸送(集荷)とされる。
【0102】
貨物駅1004では、コンテナCTがトラックTRから貨物列車FTのコンテナ車CCに積み替えられる。かかる積み替えは、貨物駅1004の構内にてフォークリフト等の荷役機器によって行われる。
【0103】
輸送システム1000は、貨物駅1004から第2リンク1006を経て、コンテナCT(貨物F)が輸送される貨物積替基地1007を更に備えている。第2リンク1006は、貨物列車FTによる在来線での鉄道輸送とされる。
【0104】
貨物積替基地1007は、上述した実施の形態の貨物積替基地10の構成が採用される。貨物積替基地1007では、貨物列車FTのコンテナ車CCに収容された有蓋パレットP1がホーム上に搬出される。そして、ホームの移動機構を介して有蓋パレットP1が貨物新幹線等の有蓋車両BCに搬入され、コンテナ車CCから有蓋車両BC内への有蓋パレットP1の積み替えが完了する。
【0105】
輸送システム1000は、貨物積替基地1007から第3リンク1008を経て、有蓋パレットP1(貨物F)が輸送される貨物積替基地1009を更に備えている。第3リンク1008は、有蓋車両BCによる新幹線等での高速線輸送とされる。
【0106】
貨物積替基地1009においても、上述した実施の形態の貨物積替基地10の構成が採用される。貨物積替基地1009では、有蓋車両BCに収容された有蓋パレットP1がホーム上に搬出される。そして、ホームの移動機構を介して有蓋パレットP1が貨物列車FTのコンテナ車CCに搬入され、有蓋車両BCからコンテナ車CCへの有蓋パレットP1の積み替えが完了する。
【0107】
輸送システム1000は、貨物積替基地1009から第4リンク1011を経て、コンテナCT(貨物F、有蓋パレットP1)が輸送される貨物駅1012を更に備えている。第4リンク1011は、貨物列車FTによる在来線での鉄道輸送とされる。貨物駅1012では、コンテナCTが貨物列車FTのコンテナ車CCからトラックTRに積み替えられる。
【0108】
輸送システム1000は、貨物駅1012から第5リンク1013を経て、コンテナCT(貨物F、有蓋パレットP1)が到着地1002に輸送される。第5リンク1013はトラックTRによるトラック輸送(集荷)とされる。
【0109】
貨物駅1012では、コンテナCTが貨物列車FTのコンテナ車CCからトラックTRに積み替えられる。到着地1002は、貨物Fが到着する顧客宅とする他、貨物Fを収容、保管、管理する物流センターや倉庫を例示することができる。到着地1002では、トラックTRに積載されたコンテナCTから有蓋パレットP1が積み降ろしされ、また、有蓋パレットP1から貨物Fが取り出される。
【0110】
輸送システム1000は、出発地1001から第6リンク1014を経てコンテナCT(貨物F)が輸送されるクロスドック1015を更に備えている。第6リンク1014はトラックTRによるトラック輸送(集荷)とされる。出発地1001から貨物積替基地1007への輸送ルートは、第1リンク1003及び第6リンク1014が選択的に利用される。
【0111】
クロスドック1015は、貨物積替基地1007に並設或いは貨物積替基地1007の構内に設置され、有蓋パレットP1を収容、保管、管理する。クロスドック1015では、トラックTRに積載されたコンテナCTが積み降ろされ、かかるコンテナCTから有蓋パレットP1が積み降ろされる。また、クロスドック1015では、トラックTRに積載されたままのコンテナCTから有蓋パレットP1が積み降ろされるようにしてもよい。クロスドック1015は、貨物積替基地1007での有蓋パレットP1の積み替えのタイミングに応じ、有蓋パレットP1の搬送、保管等を管理する。
【0112】
輸送システム1000は、貨物積替基地1007、1009との間でコンテナCT(貨物F)の輸送が可能な鉄道ネットワーク1017、1019を更に備えている。鉄道ネットワーク1017、1019は、貨物列車(不図示)によるコンテナ輸送とされ、かかる貨物列車が走行する路線が国内全体或いは所定地域での貨物専用路線とされる。鉄道ネットワーク1017、1019での貨物専用路線は、複数路線とすることが好ましいが、単一の路線であってもよい。図示省略したが、鉄道ネットワーク1017と出発地1001との間でトラックTRによるトラック輸送(集荷)を行うリンクを設けてもよく、鉄道ネットワーク1019と到着地1002との間でトラックTRによるトラック輸送(配送)を行うリンクを設けてもよい。
【0113】
第3リンク1008となる高速線輸送にて、該高速線の中途に中間駅1020が設けられる。中間駅1020は、有蓋車両BCに収容された有蓋パレットP1がトラックTRに積載されたコンテナCTに積み替えられる。そして、中間駅1020からトラックTRでの輸送(配送)となる第7リンク1021を経て、コンテナCT(有蓋パレットP1、貨物F)が到着地1002に輸送される。
【0114】
輸送システム1000は、貨物積替基地1009に並設或いは貨物積替基地1009の構内に設置されるクロスドック1023を更に備えている。クロスドック1023から、第8リンク1024を経て到着地1002にコンテナCT(貨物F)が輸送される。第8リンク1024はトラックTRによるトラック輸送(配送)とされる。貨物積替基地1009から到着地1002への輸送ルートは、第4リンク1011及び第8リンク1024が選択的に利用される。
【0115】
クロスドック1023では、有蓋パレットP1にコンテナCTが積み込まれ、かかるコンテナCTがトラックTRに積載される。また、クロスドック1023では、トラックTRに積載された状態のコンテナCTに対し、有蓋パレットP1が積み込まれるようにしてもよい。クロスドック1023は、貨物積替基地1009での有蓋パレットP1の積み替えのタイミングに応じ、有蓋パレットP1の搬送、保管等を管理する。
【0116】
輸送システム1000は、第9リンク1026を経て貨物駅1012との間でコンテナCT(貨物F)が輸送される空港ターミナル1027を更に備えている。空港ターミナル1027には、クロスドック1023から第10リンク1028を経てコンテナCT(貨物F)が輸送されるようにしてもよい。第9リンク1026及び第10リンク1028はトラックTRによるトラック輸送(配送)とされる。空港ターミナル1027は貨物航空機FAが離発着され、空港ターミナル1027に輸送される貨物Fは無蓋パレットP2に搭載されるものとする。
【0117】
空港ターミナル1027では、トラックTRに対してコンテナCTが積載及び積み降ろしされる。また、空港ターミナル1027では、貨物Fが搭載される無蓋パレットP2がコンテナCTに収容及び積み降ろしされる。空港ターミナル1027では、貨物Fが搭載される無蓋パレットP2が貨物航空機FAに積み込み及び積み降ろしされる。図示省略したが、空港ターミナル1027と到着地1002との間でトラックTRによるトラック輸送(集荷)を行うリンクを設けてもよい。
【0118】
貨物航空機FAは国際輸送や日本の国内輸送の航空ネットワークにおいて運航され、図示しない他の空港ターミナルへ無蓋パレットP2(貨物F)を輸送する。なお、輸送システム1000にて、空港ターミナル1027にて輸送される貨物Fを無蓋パレットP2に搭載し、それ以外では貨物Fを有蓋パレットP1に搭載したが、これに限られるものでない。上記説明にて、有蓋パレットP1に搭載した貨物Fを無蓋パレットP2に搭載してもよいし、無蓋パレットP2に搭載した貨物Fを有蓋パレットP1に搭載してもよい。
【0119】
続いて、一例として、出発地1001から貨物駅1004、貨物積替基地1007、貨物積替基地1009、貨物駅1012、到着地1002の順に輸送を行う流れを説明する。
【0120】
出発地1001では、貨物Fが収容される有蓋パレットP1をコンテナCT内に積み込み、かかるコンテナCTをトラックTRに積載して集荷する。このとき、貨物Fの収容後に有蓋パレットP1を封印し、有蓋パレットP1の積み込み後にコンテナCTを封印する。
【0121】
出発地1001から、第1リンク1003となるトラックTRでの輸送によってコンテナCT(貨物F、有蓋パレットP1)を貨物駅1004に輸送する。貨物駅1004では、トラックTRから貨物列車FTのコンテナ車CCにコンテナCTを積み替える。貨物駅1004へのコンテナCTの到着前から発送後にて、コンテナCTの封印は引き続き維持され、有蓋パレットP1の封印も維持される。
【0122】
貨物駅1004から、第2リンク1006となる在来線での鉄道輸送によってコンテナCT(貨物F、有蓋パレットP1)を貨物積替基地1007に輸送する。貨物積替基地1007では、貨物列車FTのコンテナ車CCに搭載されたコンテナCTの封印を解除(開封)し、コンテナCTから有蓋パレットP1を搬出する。そして、かかる有蓋パレットP1を停車している有蓋車両BCに搬入し、コンテナ車CCから有蓋車両BC内へ有蓋パレットP1の積み替えを実施する。貨物積替基地1007での有蓋パレットP1の積み替えにおいて、有蓋パレットP1の封印は引き続き維持される。
【0123】
貨物積替基地1007から、第3リンク1008となる高速線輸送によって、有蓋パレットP1(貨物F)を貨物積替基地1009に輸送する。貨物積替基地1009では、有蓋車両BCに収容された有蓋パレットP1を貨物列車FTのコンテナ車CCに積載されるコンテナCTに積み替え、コンテナCTを封印する。貨物積替基地1007での有蓋パレットP1の積み替えにおいて、有蓋パレットP1の封印は引き続き維持される。
【0124】
貨物積替基地1009から、第4リンク1011となる在来線での鉄道輸送によって、コンテナCT(貨物F、有蓋パレットP1)を貨物駅1012に輸送する。貨物駅1012では、貨物列車FTのコンテナ車CCからトラックTRにコンテナCTを積み替える。貨物駅1012へのコンテナCTの到着前から発送後にて、コンテナCTの封印は引き続き維持され、有蓋パレットP1の封印も維持される。
【0125】
貨物駅1012から、第5リンク1013となるトラックTRでの輸送によってコンテナCT(貨物F、有蓋パレットP1)を到着地1002に輸送する。到着地1002では、トラックTRに積載されたコンテナCTの封印を解除(開封)し、コンテナCTから有蓋パレットP1を積み降ろす。更に、到着地1002では、有蓋パレットP1の封印を解除(開封)し、有蓋パレットP1から貨物Fを積み降ろす。なお、有蓋パレットP1の封印は、出発地1001で封印されてから到着地1002に積み降ろされるまで解除されずに維持される。
【0126】
このように、出発地1001から到着地1002にて有蓋パレットP1を一貫して利用することができ、一貫したパレチゼーション(パレタイズ)を上記輸送システム1000において実現することができる。
【0127】
なお、図13に示した輸送システム1000は、上述した輸送と反対方向の流れであても同様の要領で輸送を行うことができ、言い換えると、2つの地点で双方向での輸送を同様の要領で行うことができる。また、出発地1001及び到着地1002の2つの地点について説明したが、該2つの地点は例示に過ぎず、多数の地点間にて貨物Fを輸送することができ、輸送システム1000によって貨物Fを輸送するためのネットワークが構築される。
【0128】
ここで、上述のように高速線の中途に設けられる中間駅1020としては、種々の構成を採用できるが、例えば、図14から図17に示す構成とするとよい。図14は、一例としての中間駅の高架階の平面図である。図15は、前記中間駅の地上階の平面図である。図16は、図14及び図15のA-A線で断面視した概略断面図である。図17は、図14及び図15のB-B線で断面視した概略断面図である。なお、図14から図17に示す中間駅1020にあっては、在来線との接続がない駅としているが、地上階1020Bに上述した第1ホーム21と同様の構成の在来線ホームを設けて在来線を引き込んでもよい。このように在来線を引き込んだ場合、上述した接続搬送経路35のようにローラコンベア37やボールコンベア38を複数つなぎ込むことによって、在来線と接続することも可能である。
【0129】
図14に示すように、中間駅1020は、高速線13を構成する上り本線61及び下り本線71の中途に設けられる。図14においては、図中左右方向がレール方向となって上り本線61及び下り本線71が延出し、図示例にて上り本線61が下り本線71の図中下側に配置される。
【0130】
上り本線61の図14中下側には上りホーム63が設けられ、上りホーム63と上り本線61との間に上り荷役線62が配設される。上り荷役線62は、上りホーム63のレール方向に応じた範囲において、上り本線61から分岐して略平行に配設される。
【0131】
下り本線71の図14中上側には下りホーム73が設けられ、下りホーム73と下り本線71との間に下り荷役線72が配設される。下り荷役線72は、下りホーム73のレール方向に応じた範囲において、下り本線71から分岐して略平行に配設される。図示例では、レール方向にて、上り荷役線62及び下り荷役線72が同じ長さ及び範囲に設けられ、上りホーム63及び下りホーム73が同じ長さ及び範囲に設けられる。ここにおいて、上り本線61、上り荷役線62、下り本線71及び下り荷役線72によって高架線路ERが構成され、上りホーム63及び下りホーム73によって中間駅1020の高架階1020Aが構成される。
【0132】
上りホーム63及び下りホーム73には、エレベータ等により構成される昇降装置64、65、74、75がレール方向中央部に設けられている。各昇降装置64、65、74、75は、図15に示す地上階1020Bとの間で有蓋パレットや貨物(図15にて何れも不図示、図16及び図17参照)を高さ方向に搬送可能に設けられている。ここで、特に限定されるものでないが、図示例では、図14中左側の昇降装置64、74が地上階1020Bから高架階1020Aへの搬送専用とされ、右側の昇降装置65、75が高架階1020Aから地上階1020Bへの搬送専用とされる。
【0133】
上りホーム63及び下りホーム73には、上記実施の形態の移動機構30に類似した構成となる移動機構80がそれぞれ設けられている。移動機構80は、上記実施の形態の第1搬送経路31に代え、昇降装置64、65、74、75に対し、枕木方向に隣接する位置に設けられる第1搬送経路81を備えている。また、移動機構80は、上記実施の形態の第2搬送経路32と同様に構成される第2搬送経路82と、第1搬送経路81及び第2搬送経路82の間に配置されてレール方向に延出する中間搬送経路83とを備えている。
【0134】
第1搬送経路81及び第2搬送経路82は、上記実施の形態のローラコンベア37と同様に、枕木方向に延出する複数のローラコンベア87により構成される。なお、中間駅1020の第2搬送経路82は、有蓋車両の扉位置(不図示)に合わせて上りホーム63及び下りホーム73におけるレール方向全体に亘って設置する構成としてもよい。かかる構成では、中間駅1020にて搬出入の指定を受けた有蓋パレットや貨物を任意の有蓋車両に対して容易に荷役可能となり、汎用性を高めて積替えの自由度に配慮した設備とすることができる。
【0135】
中間搬送経路83は、ボールコンベア88により構成される。中間搬送経路83において、ボールコンベア88が枕木方向に2列並んで設けられる。ここで、図14にて黒塗り及び白塗り矢印で示す方向が中間搬送経路83及び第1搬送経路81での有蓋パレットや貨物の搬送方向とされる。中間搬送経路83にて、2列のボールコンベア88の一方が各荷役線62、72に停車する有蓋車両(不図示)への搬入専用に用いられ、他方が有蓋車両への搬出専用に用いられる。
【0136】
図15に示すように、中間駅1020の地上階1020Bには、上りホーム63の昇降装置64、65と、下りホーム73の昇降装置74、75とを枕木方向に繋ぐ領域に第1地上搬送経路91が設けられている。また、中間駅1020の地上階1020Bには、第1地上搬送経路91のレール方向両側に接続されてレール方向と平行に延出する複数の第2地上搬送経路92が設けられている。更に、中間駅1020の地上階1020Bには、各第2地上搬送経路92の第1地上搬送経路91と反対側に接続される第3地上搬送経路93が設けられている。
【0137】
第1地上搬送経路91は、複数のローラコンベア95及び複数のボールコンベア96を適宜組み合わせて構成される。よって、第1地上搬送経路91では、昇降装置64、65、74、75から搬入出される有蓋パレットや貨物を枕木方向及びレール方向の両方向に搬送可能となり、また、かかる搬送の方向を変更可能となっている。
【0138】
第2地上搬送経路92は、ローラコンベア95により構成され、第1地上搬送経路91と第3地上搬送経路93との間で有蓋パレットや貨物をレール方向に搬送する。第2地上搬送経路92において、ローラコンベア95が枕木方向に2列以上並んで設けられる。第3地上搬送経路93は、主としてボールコンベア96を複数並べて構成され、有蓋パレットや貨物を枕木方向及びレール方向の両方向に搬送可能となり、また、かかる搬送の方向を変更可能となる。なお、図15にて黒塗り及び白塗り矢印で示す方向が第1地上搬送経路91及び第2地上搬送経路92での有蓋パレットや貨物の搬送方向とされる。ここで、上り本線61及び下り本線71の直下に位置する第2地上搬送経路92においては、黒塗り矢印及び白塗り矢印の両方を図示しており、搬送方向が適宜選択される。例えば、万一誤って搬出したパレットを再搬入する場合、中間駅1020において列車間で中継するパレットを一時的に留保し再度搬出する場合、速達貨物の取り扱いなどで搬出入順序を変更する場合に、搬送方向が適宜選択される。
【0139】
ここで、図15中左側の第3地上搬送経路93の左側にて一点鎖線で囲まれて符号「97」が付された領域は発送用貨物エリア97とされる。発送用貨物エリア97は、各荷役線62、72に停車する有蓋車両に搬入して発送する貨物を取り扱うためのエリアとされ、空の有蓋パレットの保管スペースや、有蓋パレットに貨物を収容する作業スペースとして利用される。なお、発送用貨物エリア97には、必要に応じてローラコンベア95やボールコンベア96を配置してもよい。発送用貨物エリア97の隣接位置には、有蓋パレットや貨物を配送するトラック用のトラックバース97aが設けられる。
【0140】
また、図15中右側の第3地上搬送経路93の右側にて一点鎖線で囲まれて符号「98」が付された領域は到着用貨物エリア98とされる。到着用貨物エリア98は、各荷役線62、72に停車する有蓋車両から搬出されて到着した貨物を取り扱うためのエリアとされ、空の有蓋パレットの保管スペースや、有蓋パレットから貨物を取り出す作業スペースとして利用される。なお、到着用貨物エリア98には、必要に応じてローラコンベア95やボールコンベア96を配置してもよい。到着用貨物エリア98の隣接位置には、有蓋パレットや貨物を配送するトラック用のトラックバース98aが設けられる。
【0141】
なお、各地上搬送経路91~93は、高架線路ER、上りホーム63及び下りホーム73を支える柱PLを避けた位置に設けられる。ここで、各地上搬送経路91~93はローラコンベア95やボールコンベア96を2列以上配置したので、発送用貨物エリア97から高架階1020Aに搬入する際、有蓋車両が短時間で続行するようなケースを想定した場合、地上階1020Bで積替える貨物の順番待ちを可能としている。また、高架階1020Aから到着用貨物エリア98に搬出する際、一時保管するものとすぐにトラックに積み込むもの若しくは行先別や荷主別に有蓋パレットを仕分けするようなケースを想定した場合、地上階1020Bで積替える貨物の順番待ちを可能としている。これにより、高架階1020Aを発着する有蓋車両の積み降ろし専用とするためのバッファを確保可能となる。
【0142】
図16に示すように、第1搬送経路81及び第2搬送経路82は、中間搬送経路83に向かって次第に下降する方向に傾斜する領域を有している。第1搬送経路81及び第2搬送経路82のローラコンベア87に載置される有蓋パレットP1は、自重によって中間搬送経路83側に移動する方向の力が作用する。中間搬送経路83のボールコンベア88に載置される有蓋パレットP1は、意図的な外力を加えない限りにおいて、停止した位置を維持することができる。
【0143】
図17に示すように、発送用貨物エリア97は、高架線路ER、上りホーム63及び下りホーム73の下方に跨って設けられ、上りホーム63の下方にトラックバース97aが設けられる。図示省略したが、到着用貨物エリア98においても同様に高架線路ER、上りホーム63及び下りホーム73の下方に跨って設けられ、上りホーム63の下方にトラックバース98aが設けられる。なお、図14から図17に示す中間駅1020の説明にて、貨物Fを有蓋パレットP1に収容した場合を説明したが、上述した無蓋パレットP2(図10B参照)や台車RB(図11参照)に貨物Fを収容する等、適宜変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明は、構成を簡略化し、異なる線路を走行する車両間にて貨物を容易に積み替えることができる貨物積替基地及びこれを用いた移動機構に関する。
【符号の説明】
【0145】
10 貨物積替基地
11 第1在来線(第1線路)
12 第2在来線(第1線路)
13 高速線(第2線路)
20 積替ホーム
30 移動機構
31 第1搬送経路
31a 傾斜部
31b 留置部
32 第2搬送経路
33 中間搬送経路
37 ローラコンベア
38 ボールコンベア
40 補助部材
BC 有蓋車両
BCa 出し入れ口
BCb 扉
CC コンテナ車
CT コンテナ
F 貨物
FT1 第1貨物列車
FT2 第2貨物列車
S1 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17