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特許7353457情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20230922BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20230922BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q20/40 320
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022206813
(22)【出願日】2022-12-23
【審査請求日】2023-03-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 大輔
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-176466(JP,A)
【文献】特開2013-250822(JP,A)
【文献】特開2006-092489(JP,A)
【文献】特開2021-179884(JP,A)
【文献】特許第7117432(JP,B1)
【文献】特開2015-176585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後払い式の決済サービスにより決済をするユーザのユーザ識別情報と、所定の期間において前記決済サービスにより前記ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶し、ユーザ識別情報と、該ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部と、
決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付ける受付部と、
前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合に、前記決済要求に含まれる決済金額が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過するという第1条件を判定する判定部と、
前記判定部が前記第1条件を満たさないと判定する場合に前記決済要求が示す決済を処理する決済処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
(1)前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合であって、かつ、
(2)前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる商品が、前記特定商品ではない場合に、
前記第1条件を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、さらに、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、前記ユーザ情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた前記利用設定額を超過するという第2条件を判定し、
前記決済処理部は、前記判定部が前記第1条件及び第2条件のいずれも満たさない場合に前記決済要求が示す決済を処理する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1条件は、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過することである、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザについて第1条件を満たさないと判定した決済を所定の回数以上処理している場合、前記決済要求が示す決済を許可しないことを判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる商品が、前記特定商品である場合に、
前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、前記特定商品を購入するために設定された利用上限額を超過するという第3条件を判定し、
前記決済処理部は、前記判定部が前記第3条件を満たすと判定する場合に、前記決済要求が示す決済を処理しない、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合に、前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる決済金額が所定の閾値以上であるか否かを判定し、
前記決済処理部は、前記判定部が、前記決済要求に含まれる決済金額が所定の閾値以上であると判定する場合、前記決済要求が示す決済を処理しない、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決済要求が示す決済を前記決済処理部が処理した場合に、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記実績情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた決済実績額の合計額と、の合計が、前記ユーザ情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた利用設定額を超過する場合に、利用設定額を超過していることを示す情報を、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザの情報端末に通知する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決済要求が示す決済を前記決済処理部が処理した場合に、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記実績情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた決済実績額の合計額と、の合計が、前記ユーザ情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた利用設定額を超過する場合に、前記実績情報が示す前記特定商品を購入した決済実績額の一部又は全部の支払時期を遅らせるか否かを選択させるための情報を前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザの情報端末に通知する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザのランクを示す情報を取得する取得部をさらに有し、
前記決済処理部は、前記第1条件を満たさないと判定する場合であって、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザのランクが所定のランクである場合に、前記決済要求が示す決済を処理する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記特定商品は、前記後払い式の決済サービスを提供する事業者又は該事業者と所定の関係にある事業者が提供する商品又はサービスである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付けるステップと、
所定の期間において後払い式の決済サービスにより決済をしたユーザのユーザ識別情報と、該ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶し、ユーザ識別情報と、ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部を参照し、
(1)前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合であって、かつ、
(2)前記受付けるステップにおいて受付けた前記決済要求に含まれる商品が、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品ではない場合に、
前記決済要求に含まれる決済金額が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて超過しないことを判定する場合に前記決済要求が示す決済を処理するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付けるステップと、
所定の期間において後払い式の決済サービスにより決済をしたユーザのユーザ識別情報と、該ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶し、ユーザ識別情報と、ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部を参照し、
(1)前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合であって、かつ、
(2)前記受付けるステップにおいて受付けた前記決済要求に含まれる商品が、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品ではない場合に、
前記決済要求に含まれる決済金額が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて超過しないことを判定する場合に前記決済要求が示す決済を処理するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項14】
後払い式の決済サービスにより決済をするユーザのユーザ識別情報と、所定の期間において前記決済サービスにより前記ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶し、ユーザ識別情報と、該ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部と、
決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付ける受付部と、
(1)前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合であって、かつ、
(2)前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる商品が、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品ではない場合に、
前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過するかを判定する判定部と、
前記判定部が超過しないと判定する場合に前記決済要求が示す決済を処理する決済処理部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引において支払限度額を超過する取引を受付けた場合に、商品の内容に基づいて取引を許可するか否かを判定することで、支払限度額を柔軟に運用する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-250822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術においては、ユーザの利便性は向上するものの、事業者が販売を促進したい商品の販売につながらないという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが特定の商品を購入する意欲を刺激しつつ与信額を増額できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、後払い式の決済サービスにより決済をするユーザのユーザ識別情報と、所定の期間において前記決済サービスにより前記ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶し、ユーザ識別情報と、該ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部と、決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付ける受付部と、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合に、前記決済要求に含まれる決済金額が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過するという第1条件を判定する判定部と、前記判定部が前記第1条件を満たさないと判定する場合に前記決済要求が示す決済を処理する決済処理部と、を有する。
【0007】
前記判定部は、(1)前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合であって、かつ、(2)前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる商品が、前記特定商品ではない場合に、前記第1条件を判定してもよい。
【0008】
前記判定部は、さらに、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、前記ユーザ情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた前記利用設定額を超過するという第2条件を判定し、前記決済処理部は、前記判定部が前記第1条件及び第2条件のいずれも満たさない場合に前記決済要求が示す決済を処理してもよい。
【0009】
前記第1条件は、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過することであってもよい。
【0010】
前記判定部は、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザについて第1条件を満たさないと判定した決済を所定の回数以上処理している場合、前記決済要求が示す決済を許可しないことを判定してもよい。
【0011】
前記判定部は、前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる商品が、前記特定商品である場合に、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、前記特定商品を購入するために設定された利用上限額を超過するという第3条件を判定し、前記決済処理部は、前記判定部が前記第3条件を満たすと判定する場合に、前記決済要求が示す決済を処理しないよう構成されてもよい。
【0012】
前記判定部は、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合に、前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる決済金額が所定の閾値以上であるか否かを判定し、前記決済処理部は、前記判定部が、前記決済要求に含まれる決済金額が所定の閾値以上であると判定する場合、前記決済要求が示す決済を処理しないよう構成されてもよい。
【0013】
前記決済要求が示す決済を前記決済処理部が処理した場合に、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記実績情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた決済実績額の合計額と、の合計が、前記ユーザ情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた利用設定額を超過する場合に、利用設定額を超過していることを示す情報を、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザの情報端末に通知してもよい。
【0014】
前記決済要求が示す決済を前記決済処理部が処理した場合に、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記実績情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた決済実績額の合計額と、の合計が、前記ユーザ情報において前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた利用設定額を超過する場合に、前記実績情報が示す前記特定商品を購入した決済実績額の一部又は全部の支払時期を遅らせるか否かを選択させるための情報を前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザの情報端末に通知してもよい。
【0015】
前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザのランクを示す情報を取得する取得部をさらに有し、前記決済処理部は、前記第1条件を満たさないと判定する場合であって、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザのランクが所定のランクである場合に、前記決済要求が示す決済を処理してもよい。
【0016】
前記特定商品は、前記所定の後払い式の決済サービスを提供する事業者又は該事業者と所定の関係にある事業者が提供する商品又はサービスであってもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付けるステップと、所定の期間において後払い式の決済サービスにより決済をしたユーザのユーザ識別情報と、該ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶し、ユーザ識別情報と、ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部を参照し、(1)前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合であって、かつ、(2)前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる商品が、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品ではない場合に、前記決済要求に含まれる決済金額が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過するか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて超過しないことを判定する場合に前記決済要求が示す決済を処理するステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付けるステップと、所定の期間において後払い式の決済サービスにより決済をしたユーザのユーザ識別情報と、該ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶し、ユーザ識別情報と、ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部を参照し、(1)前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合であって、かつ、(2)前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる商品が、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品ではない場合に、前記決済要求に含まれる決済金額が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過するか否かを判定するステップと、前記判定するステップにおいて超過しないことを判定する場合に前記決済要求が示す決済を処理するステップと、を実行させる。
【0019】
本発明の第4の態様の情報処理装置においては、後払い式の決済サービスにより決済をするユーザのユーザ識別情報と、所定の期間において前記決済サービスにより前記ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶し、ユーザ識別情報と、該ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する記憶部と、決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付ける受付部と、(1)前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過する場合であって、かつ、(2)前記受付部が受付けた前記決済要求に含まれる商品が、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品ではない場合に、前記決済要求に含まれる決済金額と、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、前記特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、前記決済要求に含まれるユーザ識別情報に前記ユーザ情報において関連付けられた前記利用設定額を超過するかを判定する判定部と、前記判定部が超過しないと判定する場合に前記決済要求が示す決済を処理する決済処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザが特定の商品を購入する意欲を刺激しつつ与信額を増額できるようにするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態にかかる情報処理装置1における処理の概要を説明する図である。
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図3】記憶部12が記憶する実績情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4】記憶部12が記憶するユーザ情報のデータ構造の一例を示す図である。
図5】実施形態にかかる情報処理装置1における処理の概要を説明する図である。
図6】実施形態にかかる情報処理装置1における処理の概要を説明する図である。
図7】通知部134が通知する情報の一例を示す図である。
図8】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
[情報処理装置1の概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理装置1における処理の概要を説明する図である。情報処理装置1は、決済サービスを提供するための装置ある。情報処理装置1においては、所定の後払い式の決済サービスが提供される。所定の後払い式の決済サービスは、通信料金等のサービスの利用料金に対して定期的に行われる請求と、所定の期間における物販やコンテンツ販売等の利用額と、を合算して請求する決済サービスである。一例として、情報処理装置1は、例えばサーバである。情報処理装置1は、ユーザが操作する情報端末とネットワークを介して通信可能に接続される。
【0023】
情報処理装置1は、決済要求を受け付ける。決済要求は、ユーザが商品の決済を要求することを示すメッセージである。決済要求はユーザを示すユーザID(Identification)と、購入する商品と、決済金額と、を含む。決済要求は購入する商品の商品IDと、商品の数量と、を含んでいてもよい。
【0024】
情報処理装置1は、ユーザに関連付けられた実績情報を参照し、ユーザの決済実績を取得する。実績情報は、ユーザが購入した商品と、当該商品を購入するために決済された決済実績額を含む。
【0025】
情報処理装置1は、決済要求に含まれる決済金額と、実績情報が示す決済実績額と、の合計がユーザの利用設定額を超過するか否かを判定する(図1における(a))。利用設定額は、ユーザに設定された決済サービスを利用できる上限額である。決済要求に含まれる決済金額と、実績情報が示す実績額と、の合計がユーザの利用設定額を超過しない場合、情報処理装置1は、取得した決済要求に基づく決済を処理する。
【0026】
決済要求に含まれる決済金額と、実績情報が示す決済実績額と、の合計がユーザの利用設定額を超過する場合、情報処理装置1は、実績情報が示す決済実績額のうち、特定商品を購入するために決済した決済実績額の合計額を算出する。特定商品は、利用設定額を超過する決済を許容する決済額の基準となる商品である。特定商品は、一例として、所定の後払い式の決済サービスを提供する事業者(以下、決済事業者と言う)又は該事業者と所定の関係にある事業者が提供する商品又はサービスである。例えば、決済事業者が通信事業者である場合、特定商品は、通信サービスである。特定商品以外の商品は、決済事業者等以外のものが提供する商品又はサービスであり、特定商品以外の商品が決済された場合に、決済事業者は当該商品を販売する事業者から手数料を得る。なお、特定商品は、決済事業者等が提供する商品等であるため、債権が回収できない場合において決済事業者等が負うリスクが特定商品以外の商品に対して低い場合がある。
【0027】
情報処理装置1は、決済要求に含まれる決済金額が、実績情報が示す決済実績額のうち、特定商品を購入するために決済した決済実績額の合計額を超えないことを判定する(図1における(b))。決済要求に含まれる決済金額が、実績情報が示す決済実績額のうち、特定商品を購入するために決済した決済実績額の合計額を超えない場合、情報処理装置1は、決済要求に基づく決済を処理する。決済要求に含まれる決済金額が、実績情報が示す決済実績額のうち、特定商品を購入するために決済した決済実績額の合計額を超える場合、情報処理装置1は、決済要求に基づく決済を処理せず、エラーメッセージをユーザの情報端末に通知する。
【0028】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザが特定の商品を購入する意欲を刺激しつつ与信額を増額できるようにするという効果を奏する。
【0029】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、受付部131、判定部132、決済処理部133、通知部134及び取得部135を有する。
【0030】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0031】
記憶部12は、後払い式の決済サービスにより決済をするユーザのユーザ識別情報と、所定の期間において決済サービスによりユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶する。
【0032】
図3は、記憶部12が記憶する実績情報のデータ構造の一例を示す図である。図3に示す実績情報においては、「取引ID」「ユーザID」、「商品」、「決済実績額」及び「決済日」が関連付けられている。「取引ID」は、処理された決済を識別するためのIDである。「ユーザID」は、当該決済をしたユーザを示すユーザIDである。「商品」は、当該決済においてユーザが購入した商品を示す。「商品」は、一例として、商品を識別するための商品IDで表現される。「商品」においては、購入された商品の数量が含まれてもよい。また、「商品」は、特定商品か特定商品以外の商品かを示すフラグを有していてもよい。「決済実績額」は、当該商品を購入するために決済された決済額を示す。「決済日」は、当該決済がされた日付又は日時を示す。
【0033】
記憶部12は、商品IDと、該商品が特定商品か否かを示すフラグと、を関連付けた商品テーブルを記憶している。記憶部12は、ユーザ識別情報と、該ユーザ識別情報が示すユーザに設定された利用設定額と、を関連付けたユーザ情報を記憶する。図4は、記憶部12が記憶するユーザ情報のデータ構造の一例を示す図である。図4に示すユーザ情報においては、「ユーザID」と、「利用設定額」と、が関連付けられている。「利用設定額」は、当該ユーザに設定された与信額を示す。
【0034】
なお、実績情報及びユーザ情報は不図示の外部装置に記憶されていてもよい。この場合、取得部135は、受付部131が受付けた決済要求に基づいて、決済要求に含まれるユーザの実績情報及びユーザ情報を取得する。
【0035】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、判定部132、決済処理部133、通知部134及び取得部135として機能する。
【0036】
受付部131は、決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付ける。受付部131は、ユーザが使用する情報端末から決済要求を受け付ける。情報処理装置1は、POSレジ等の店舗に設置された端末から決済要求を受け付けてもよい。
【0037】
判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、決済要求に含まれるユーザ識別情報にユーザ情報において関連付けられた利用設定額を超過するか否かを判定する。判定部132は、記憶部12に記憶された実績情報を参照し、決済要求に含まれる決済金額と、実績情報が示す所定の期間におけるユーザの決済実績額の合計額と、の合計を算出する。所定の期間は例えば、決済要求を取得した時点においてユーザによる購入代金の支払いが完了していない期間である。
【0038】
判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、決済実績額と、の合計が、ユーザの利用設定額を超過する場合に、決済要求に含まれる決済金額が、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過するか否か(以下、第1条件という場合がある)を判定する。具体的には、判定部132は、取得した実績情報においてユーザに関連付けられた決済実績額のうち、特定商品に関連付けられた決済実績額を特定する。一例として、判定部132は、記憶部12が記憶する商品テーブルを参照し、実績情報においてユーザに関連付けられた決済実績額のうち、特定商品に関連付けられた決済実績額を特定する。判定部132は、特定した、特定商品に関連付けられた決済実績額の合計額を算出する。判定部132は、と、決済要求に含まれる決済金額と、算出した特定商品に関連付けられた決済実績額の合計額と、を比較し、第1条件を判定する。
【0039】
決済処理部133、判定部132が第1条件を満たさない(超過しない)と判定する場合に決済要求が示す決済を処理する。なお、決済処理部133は、判定部132が第1条件を満たす(超過する)と判定する場合、決済要求に基づく決済を処理しない。この場合、通知部134は、決済要求に基づく決済を処理しなかったことを示すエラーメッセージを、決済を要求したユーザの情報端末に送信する。
【0040】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザが特定の商品を購入する意欲を刺激しつつ与信額を増額できるようにするという効果を奏する。
【0041】
決済金額と決済実績額との合計が利用設定額を超過する場合において、特定商品以外の商品を決済する場合に第1条件を判定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。このように情報処理装置1が構成されることで、特定商品を決済する動機付けをするとともに、利用設定額を超過して決済可能な金額を一定の範囲にとどめることができ、決済事業者の負うリスクをコントロールすることができる。
【0042】
具体的には、判定部132は、以下の2つの条件を満たす場合に第1条件を判定する。一つ目の条件は、決済要求に含まれる決済金額と、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、決済要求に含まれるユーザ識別情報にユーザ情報において関連付けられた利用設定額を超過することである。2つめの条件は、受付部131が受付けた決済要求に含まれる商品が、特定商品ではないことである。一例として、判定部132は、記憶部12が記憶する商品テーブルを参照し、決済要求に含まれる商品が特定商品であるか否かを判定する。
【0043】
第1条件を満たす場合において、決済金額と特定商品以外の商品の決済額との合計が利用設定額を超えない場合に決済を処理するよう情報処理装置1が構成されてもよい。このように情報処理装置1が構成されることで、債権が回収できない場合に決済事業者が負うリスクをコントロールしながら、ユーザに特定商品を購入する動機付けをすることができる。
【0044】
具体的には、判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、ユーザ情報において決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた利用設定額を超過する(以下、第2条件と言う)か否かを判定する。この場合の判定処理の概要を図5に示す。判定部132は、記憶部12が記憶する商品テーブルを参照し、実績情報が示す決済実績額のうち、特定商品以外の商品に関連付けられた決済実績額を特定し、特定商品以外の商品に関連付けられた決済実績額の合計額を算出する(図5における「その他決済実績額」)。判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、算出した合計額と、の合計と、ユーザ情報が示す当該ユーザの利用設定額と、に基づいて第2条件を判定する。決済処理部133は、判定部132が第1条件及び第2条件のいずれも満たさない(超過しない)場合に決済要求が示す決済を処理する。
【0045】
決済金額と、特定商品以外の商品の決済額との合計が特定商品の決済実績額を超えない場合に利用設定額を超過する決済を処理するよう情報処理装置1が構成されてもよい。このように構成されることで、決済サービスを提供するリスクを低減することができる。
【0046】
この場合、第1条件は、決済要求に含まれる決済金額と、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過することである。
【0047】
この場合の判定部132の処理の概要を図6に示す。判定部132は、記憶部12が記憶する商品テーブルを参照し、実績情報が示す決済実績額のうち、特定商品以外の商品に関連付けられた決済実績額と、特定商品に関連付けられた決済実績額と、を特定する。判定部132は、特定商品以外の商品に関連付けられた決済実績額の合計額を算出する。判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、算出した合計額と、の合計が、特定商品に関連付けられた決済実績額の合計額を超過するか否かを判定する。決済要求に含まれる決済金額と、算出した合計額と、の合計が、特定商品に関連付けられた決済実績額の合計額を超過しない場合、決済処理部133は、決済要求に基づく決済を処理する。
【0048】
利用設定額を超過する決済を処理する回数を所定の回数以下に制限するよう情報処理装置1が構成されることで、貸し倒れの際のリスクをコントロールすることができる。
【0049】
判定部132は、決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザについて第1条件を満たさないと判定した決済を所定の回数以上処理している場合、決済要求が示す決済を許可しないことを判定する。所定の回数はユーザの利便性を考慮して設定される値である。この場合、記憶部12は、一例として、ユーザ情報においてユーザIDと、利用設定額を超過する決済を処理した回数と、を関連付けて記憶する。決済処理部133は、判定部132が第1条件を満たさないと判定した決済を処理した場合に、記憶部12が記憶するユーザ情報に含まれる利用設定額を超過する決済を処理した回数が、所定の回数以上であるか否かを判定する。利用設定額を超過する決済を処理した回数が所定の回数未満である場合、決済要求に基づく決済を処理し、ユーザ情報における超過する決済を処理した回数をインクリメントする。利用設定額を超過する決済を処理した回数が所定の回数以上である場合、判定部132は、決済要求に基づく決済を処理しないことを判定し、通知部134は、エラーメッセージを通知する。
【0050】
特定商品を購入するための利用上限額が設定されていてもよい。情報処理装置1がこのように構成されることで、利用設定額を超過する決済の上限をコントロールすることができ、決済事業者が負うリスクを抑制することができる。
【0051】
判定部132は、下記の条件を満たす場合に、決済要求に含まれる決済金額と、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、特定商品を購入するために設定された利用上限額を超過するか否か(以下、第3条件と言う)を判定する。条件は、受付部131が受付けた決済要求に含まれる商品が、特定商品であることである。特定商品を購入するために設定された利用上限額は、ユーザの信用力や貸し倒れた場合に決済事業者が負う損失の大きさに基づいて設定される値であり、利用設定額よりも低い値が設定される。決済処理部133は、判定部132が第3条件を満たす(超過する)と判定する場合に、決済要求が示す決済を処理しない。
【0052】
特定商品の決済金額に利用上限額を設定することで、利用設定額を超過する場合において、高額な決済は処理しないよう情報処理装置1が構成され、決済事業者が負うリスクを低減することができる。
【0053】
判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、決済要求に含まれるユーザ識別情報にユーザ情報において関連付けられた利用設定額を超過する場合に、受付部131が受付けた決済要求に含まれる決済金額が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、所定の閾値は、ユーザの信用力や貸し倒れた場合に決済事業者が負う損失の大きさに基づいて設定される値であり、利用設定額よりも低い値が設定される。決済処理部133は、判定部132が、決済要求に含まれる決済金額が所定の閾値以上であると判定する場合、決済要求が示す決済を処理しない。
【0054】
利用設定額を超過する決済を処理した場合に、ユーザが使用する情報端末に通知を送信することで、ユーザは利用額の状況を確認することができる。
【0055】
決済要求が示す決済を決済処理部133が処理した場合に、決済要求に含まれる決済金額と、実績情報において決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた決済実績額の合計額と、の合計が、ユーザ情報において決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた利用設定額を超過する場合に、利用設定額を超過していることを示す情報を、決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザの情報端末に通知する通知部134をさらに有する。図7は、通知部134が通知する情報の一例を示す図である。通知部134は、決済処理部133が利用設定額を超過する決済を処理した場合に、図7に示す情報をユーザの情報端末に表示させてもよい。通知部134が通知する情報においては、利用設定額を超過したことを示すメッセージとともに、決済済みかつ未払いである利用実績額が表示されている。図7に示す情報においては、「利用内容を確認する」と表示されたボタンB01を押すことで、通知部134は、利用実績額を確認するための画面を情報端末に表示させてもよい。
【0056】
さらに、利用設定額を超過する決済を処理した場合に、分割払い等の支払いを遅らせる選択肢をユーザに提示するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0057】
通知部134は、決済要求が示す決済を決済処理部133が処理した場合に、決済要求に含まれる決済金額と、実績情報において決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた決済実績額の合計額と、の合計が、ユーザ情報において決済要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けられた利用設定額を超過する場合に、決済実績額の一部又は全部の支払時期を遅らせるか否かを選択させるための情報を決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザの情報端末に通知する。図7に示す画面においては、さらに「分割払いにする」と表示されたボタンB02が配置されている。ユーザが情報端末を操作し、ボタンB02を押すと、通知部134は、分割払いにする対象の決済実績を選択する画面を表示させてもよい。
【0058】
なお、支払を遅らせる決済実績額の対象を実績情報が示す特定商品を購入した商品についての決済額としてもよい。自社や所定の関係にある事業者が提供する商品である特定商品についての決済額は、それ以外の商品と比べて相対的にリスクが小さい場合があり、このように情報処理装置1が構成されることで、決済事業者が負うリスクをコントロールすることができる。
【0059】
利用設定額を超過する場合の決済を信用力の高いユーザに限定するよう情報処理装置1が構成されることで、貸し倒れのリスクをコントロールしながらユーザに特定商品を購入する動機付けをすることができる。
【0060】
取得部135は、決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザのランクを示す情報を取得する。取得部135は、不図示の外部装置からユーザのランク情報を取得する。ランク情報は、ユーザの信用力に基づいてユーザを複数の区分のいずれかに分類した情報を言う。ランク情報は、例えば「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」等で表現される。
【0061】
決済処理部133は、第1条件を満たさないと判定する場合であって、決済要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザのランクが所定のランクである場合に、決済要求が示す決済を処理する。所定のランクは、上記の例の場合、ユーザのランクが「ゴールド」であることである。判定部132は、第1条件を満たさないと判定する場合決済要求に含まれるユーザのランクが所定のランクであるか否かを判定する。判定部132がユーザのランクが所定のランクであると判定する場合、決済処理部133は、決済要求に基づく決済を処理する。
【0062】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図8は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図8におけるフローチャートは、決済要求を取得する時点から開始している。
【0063】
受付部131は、決済要求を受け付ける(S01)。判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、実績情報が示す決済実績額と、の合計が、ユーザの利用設定額を超過しているか否かを判定する(S02)。決済要求に含まれる決済金額と、実績情報が示す決済実績額と、の合計が、ユーザの利用設定額を超過していない場合(S02におけるNO)、決済処理部133は、受付部131が受付けた決済要求に基づく決済を処理する(S06)。
【0064】
決済要求に含まれる決済金額と、実績情報が示す決済実績額と、の合計が、ユーザの利用設定額を超過している場合(S02におけるYES)、判定部132は、決済要求に含まれる商品が特定商品であるか否かを判定する(S03)。決済要求に含まれる商品が特定商品ある場合(S03におけるYES)、決済処理部133は、決済要求に基づく決済を処理せず、エラー処理をする(S07)。エラー処理は一例として、決済要求に基づく決済を処理できないことを示すエラーメッセージを、通知部134が情報端末に通知することである。
【0065】
決済要求に含まれる商品が特定商品ではない場合(S03におけるNO)、判定部132は、決済要求に含まれる決済金額が、決済実績が示す決済実績額のうち特定商品の決済実績額を超過するか否かを判定する(S04)。決済要求に含まれる決済金額が、決済実績が示す決済実績額のうち特定商品の決済実績額を超過する場合(S04におけるYES)、決済処理部133は、決済要求に基づく決済を処理せず、エラー処理をする(S07)。
【0066】
決済要求に含まれる決済金額が、決済実績が示す決済実績額のうち特定商品の決済実績額を超過しない場合(S04におけるNO)、判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、特定商品以外の決済実績額と、の合計が利用設定額を超過しているか否かを判定する(S05)。判定部132は、決済要求に含まれる決済金額と、特定商品以外の決済実績額と、の合計が利用設定額を超過している場合(S05におけるYES)、決済処理部133は、決済要求に基づく決済を処理せず、エラー処理をする(S07)。
【0067】
決済要求に含まれる決済金額と、特定商品以外の決済実績額と、の合計が利用設定額を超過していない場合(S05におけるNO)、決済処理部133は、決済要求に基づく決済を処理し(S06)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0068】
[情報処理装置による効果]
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザが特定の商品を購入する意欲を刺激しつつ与信額を増額できるようにすることができる。
【0069】
<第2の実施形態>
上記の実施形態においては、決済金額と、決済実績額の合計額と、の合計が利用設定額を超過する場合に、第1条件を判定する例を説明したが、決済金額と、決済実績額の合計額と、の合計が利用設定額を超過する場合に、決済金額と、決済実績額のうち、特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が利用設定額を超過するか否かを判定するよう構成されてもよい。
【0070】
具体的には、判定部132は、以下の2つの条件を満たす場合に、決済要求に含まれる決済金額と、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額のうち、特定商品以外の商品を購入するために決済された決済実績額の合計額と、の合計が、決済要求に含まれるユーザ識別情報にユーザ情報において関連付けられた利用設定額を超過するかを判定する。この場合の一つ目の条件は、決済要求に含まれる決済金額と、決済要求に含まれるユーザ識別情報に実績情報において関連付けられた決済実績額と、の合計が、決済要求に含まれるユーザ識別情報にユーザ情報において関連付けられた利用設定額を超過することである。2つ目の条件は、受付部131が受付けた決済要求に含まれる商品が、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品ではないことである。
【0071】
換言すれば、上記の2つの条件を満たす場合、判定部132は、図5に示す判定処理を行い、決済金額と、決済実績額のうち特定商品以外の商品に関連付けられた決済実績額の合計額と、の合計が利用設定額を超過しないことを判定する。そして、判定部132が決済金額と、決済実績額のうち特定商品以外の商品に関連付けられた決済実績額の合計額と、の合計が利用設定額を超過しないと判定する場合、決済処理部133は、決済要求に基づく決済を処理する。
【0072】
上記のように情報処理装置1が構成されることで、ユーザにおいて利用設定額を超過する決済が可能か否かを理解しやすくすることができる。
【0073】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0075】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 判定部
133 決済処理部
134 通知部
135 取得部
【要約】
【課題】ユーザが特定の商品を購入する意欲を刺激しつつ与信額を増額できるようにする。
【解決手段】後払い式の決済サービスにより決済をするユーザのユーザ識別情報と、ユーザが購入した1以上の商品と、該1以上の商品それぞれを購入するために決済された決済実績額と、を関連付けた実績情報を記憶する記憶部12と、決済を要求するユーザのユーザ識別情報と、購入される商品の内容と、決済金額とを含む決済要求を受付ける受付部131と、決済要求に含まれる決済金額と、決済実績額と、の合計が、利用設定額を超過する場合に、決済要求に含まれる決済金額が、決済実績額のうち、あらかじめ定められた特定の種類の商品である特定商品を購入するために決済された決済実績額の合計額を超過するという第1条件を判定する判定部132と、第1条件を満たさない場合に決済を処理する決済処理部133と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8