(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】LIDARシステム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20230922BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20230922BHJP
G02B 26/12 20060101ALI20230922BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20230922BHJP
B60W 30/09 20120101ALI20230922BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/931
G02B26/12
B60W40/02
B60W30/09
(21)【出願番号】P 2022570662
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 US2021038089
(87)【国際公開番号】W WO2021257990
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-05
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520390450
【氏名又は名称】オーロラ・オペレイションズ・インコーポレイティッド
【氏名又は名称原語表記】AURORA OPERATIONS, INC.
【住所又は居所原語表記】280 North Bernardo Avenue,Mountain View, CA 94043, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】アンガス・エドワード・ジョーゼフ
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/117542(WO,A1)
【文献】特開2017-097199(JP,A)
【文献】国際公開第2018/011945(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0088848(US,A1)
【文献】特開2000-147124(JP,A)
【文献】特開2004-325599(JP,A)
【文献】国際公開第2020/033161(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48-7/51
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00-3/32
G02B 26/10-26/12
B60W 40/02
B60W 30/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ビームを出力するように構成されるレーザーソースと、
複数のファセットを含むポリゴンスキャナ
と、を含むLIDARシステムであって、
前記複数のファセットのそれぞれは、前記第1ビームに応答する第2ビームを送信するように構成され、前記複数のファセットは、
それぞれ第1視野を有する
複数の第1ファセットと
、それぞれ第2視野を有する
複数の第2ファセット
と、を含み、前記第1ファセット
のそれぞれは、前記第1視野で前記第2ビームを送信し、前記第2ファセットは、前記第2視野で前記第2ビームを送信し、
前記複数の第1ファセットと前記複数の第2ファセットは交互に配列され、前記第1ファセットのそれぞれの前記第1視野は、
前記第2ファセットのそれぞれの前記第2視野よりも大き
い、LIDARシステム。
【請求項2】
前記第1ファセットの第1長さは、前記第2ファセットの第2長さよりも大きく、前記第1ファセットと前記ポリゴンスキャナの中心によって定義される第1角度は、前記第2ファセットと前記ポリゴンスキャナの前記中心によって定義される第2角度よりも大きい請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記複数のファセットの数は、6以上12以下である請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記ポリゴンスキャナは、複数の凹部を含む請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
前記第1視野と前記第2視野が重なる請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
前記第1ビームを第3ビームと基準ビームに分割するスプリッタと、
前記第1ビームの1つ以上の属性を変調して第4ビームを出力するように構成される変調器と、
前記第4ビームをコリメート(Collimate)して第5ビームを出力するように構成されるコリメータと、
前記ポリゴンスキャナに入射した前記第5ビームを出力し、前記第2ビームに応答するオブジェクトからリターンビームを受信するように構成されるサーキュレータと、
前記基準ビームを前記リターンビームとミックスして第6ビームを出力するように構成されるミキサーと、
前記第6ビームに応答する前記オブジェクトまでの距離または前記オブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを表す信号を生成するように構成される受信機と、をさらに含む請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記ポリゴンスキャナは、アルミニウムまたは重合体材料(Polymeric Material)のうち、少なくとも1つから製造される請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記複数のファセットは、前記ポリゴンスキャナの本体に塗布されたコーティングを含む請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記コーティングの厚さは、200nm以上400nm以下である請求項8に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
前記ポリゴンスキャナは、直径が50mm以上250mm以下である請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項11】
複数のファセットを含むポリゴンスキャナ
と、
1つ以上のプロセッサと、を含む自律走行車両制御システムであって、
前記複数のファセットのそれぞれは、前記それぞれのファセットに入射する入力ビームに応答する送信ビームを出力するように構成され、前記複数のファセットは、
それぞれ第1視野を有する
複数の第1ファセットと
、それぞれ第2視野を有する
複数の第2ファセット
と、を含み、前記第1ファセット
のそれぞれは、前記第1視野で前記送信ビームを送信し、前記第2ファセットは、前記第2視野で前記送信ビームを送信し、
前記複数の第1ファセットと前記複数の第2ファセットは交互に配列され、前記第1ファセットのそれぞれの前記第1視野は、
前記第2ファセットの前記第2視野よりも大き
く、
前記1つ以上のプロセッサは、前記送信ビームに応答して受信されたリターンビームを使用してオブジェクトまでの距離またはオブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを決定し、前記距離または速度のうち、少なくとも1つに応答して自律走行車両の動作を制御するように構成され
る、自律走行車両制御システム。
【請求項12】
前記第1ファセットの第1長さは、前記第2ファセットの第2長さよりも大きく、前記第1ファセットと前記ポリゴンスキャナの中心によって定義される第1角度は、前記第2ファセットと前記ポリゴンスキャナの前記中心によって定義される第2角度よりも大きい請求項11に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項13】
前記第1視野および前記第2視野は、前記自律走行車両の前方で重なる請求項11に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項14】
前記複数のファセットの数は、6以上12以下である請求項11に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項15】
前記複数のファセットは、厚さが200nm以上400nm以下であるコーティングを含み、前記ポリゴンスキャナは、直径が50mm以上250mm以下である請求項11に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項16】
前記ポリゴンスキャナの最大設計距離は、250メートル以上であり、前記最大設計距離は、前記距離または速度のうち、少なくとも1つを決定することに関連する信号対雑音比が10デシベル(dB)以上の場合の前記オブジェクトから前記自律走行車両までの距離に対応する請求項11に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項17】
LIDARシステムと
、
車両コントローラと、を含
む自律走行車両であって、
前記LIDARシステムは、
第1ビームを出力するように構成されるレーザーソースと、
複数のファセットを含むポリゴンスキャナ
と、含み、
前記複数のファセットのそれぞれは、前記第1ビームに応答する第2ビームを送信するように構成され、前記複数のファセットは、
それぞれ第1視野を有する
複数の第1ファセットと
、それぞれ第2視野を有する
複数の第2ファセット
と、を含み、前記第1ファセット
のそれぞれは、前記第1視野で前記第2ビームを送信し、前記第2ファセットは、前記第2視野で前記第2ビームを送信し、
前記複数の第1ファセットと前記複数の第2ファセットは交互に配列され、前記第1ファセットのそれぞれの前記第1視野は、
前記第2ファセットの前記第2視野よりも大き
く、
前記車両コントローラは、前記第2ビームに応答するオブジェクトからのリターンビームを使用して前記オブジェクトまでの距離または前記オブジェクトの速度のうちの少なくとも1つを決定し、前記距離または速度のうち、少なくとも1つに応答し
てステアリングシステムまた
はブレーキシステムのうち、少なくとも1つの動作を制御するように構成される1つ以上のプロセッサを含む自律走行車両。
【請求項18】
前記ポリゴンスキャナは、前記第1視野と前記第2視野の重畳が少なくとも部分的に前記自律走行車両の前方に生じるように前記自律走行車両に装着されている請求項17に記載の自律走行車両。
【請求項19】
前記ポリゴンスキャナは、第1ポリゴンスキャナであり、前記自律走行車両は、第3視野を有する第3ファセットおよび第4視野を有する第4ファセットを含む第2ポリゴンスキャナをさらに含み、前記第4視野は、前記第3視野と重なり、前記第3視野よりも小さい請求項17に記載の自律走行車両。
【請求項20】
前記第1ファセットの第1長さは、前記第2ファセットの第2長さよりも大きく、前記第1ファセットと前記ポリゴンスキャナの中心によって定義される第1角度は、前記第2ファセットと前記ポリゴンスキャナの前記中心によって定義される第2角度よりも大きい請求項17に記載の自律走行車両。
【請求項21】
前記
ポリゴンスキャナは、前記第2ビームに関連するサンプリング密度が多角形の前記
ポリゴンスキャナが回転するにつれて変わるように、前記第2ビームを送信するために回転するように構成され
る、請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項22】
前記第1ファセット
のそれぞれは、第1長さを有し、前記第2ファセット
のそれぞれは、前記第1長さよりも
小さい第2長さを有する請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項23】
前記
ポリゴンスキャナは、複数のファセットを含み、前記複数のファセットの数は、6以上12以下である請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項24】
前記
ポリゴンスキャナは、複数の凹部を含む請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項25】
前記第1ビームを第3ビームと基準ビームに分割するスプリッタと、
前記第1ビームの1つ以上の属性を変調して第4ビームを出力するように構成される変調器と、
前記第4ビームをコリメート(Collimate)して第5ビームを出力するように構成されるコリメータと、
前記
ポリゴンスキャナに入射した前記第5ビームを出力し、オブジェクトによる前記第2ビームの反射または散乱のうちの少なくとも1つからのリターンビームを受信するように構成されるサーキュレータと、
前記基準ビームを前記リターンビームと混合して第6ビームを出力するように構成されるミキサーと、
前記第6ビームに応答する前記オブジェクトまでの距離または前記オブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを表す信号を生成するように構成される受信機と、をさらに含む請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項26】
前記
ポリゴンスキャナは、アルミニウムまたは重合体材料(Polymeric Material)のうち、少なくとも1つから製造される請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項27】
前記
ポリゴンスキャナの本体に塗布されたコーティングをさらに含む請求項21に記載のLIDARシステム。
【請求項28】
第1ビームを出力するように構成されるレーザーソースと、
不規則な多角形形状に形成されるスキャナ
と、を含むLIDARシステムであって、
前記スキャナは、前記第1ビームを受信し、前記第1ビームを受信することに応答して第2ビームを送信するように構成され、前記スキャナは、複数の第1ファセットと、当該複数の第1ファセットと交代する順に配列される複数の第2ファセットと、を含
み、前記複数の第1ファセットのそれぞれは第1長さを有し、前記複数の第2ファセットのそれぞれは第2長さを有し、前記第1長さは前記第2長さよりも大きい、LIDARシステム。
【請求項29】
不規則な多角形形状に形成され、送信ビームを送信するように構成されるスキャナ
と、
1つ以上のプロセッサと、を含む自律走行車両制御システムであって、
前記スキャナは、複数の第1ファセットと、当該複数の第1ファセットと交代する順に配列される複数の第2ファセットと、を含
み、前記複数の第1ファセットのそれぞれは、第1長さを有し、前記複数の第2ファセットのそれぞれは、第2長さを有し、前記第1長さは前記第2長さよりも大きく、
前記1つ以上のプロセッサは、オブジェクトによる前記送信ビームの反射または散乱のうち、少なくとも1つから受信されたリターンビームを使用して前記オブジェクトまでの距離または前記オブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを決定し、前記距離または速度のうち、少なくとも1つに応答して自律走行車両の動作を制御するように構成され
る、自律走行車両制御システム。
【請求項30】
前記第1ファセットのそれぞれは第1視野を有
し、前記第1視野で第1ビームを送信し、
前記第2ファセットのそれぞれは第2視野を有
し、前記第2視野で第2ビームを送信し、前記第2視野は、前記第1視野よりも大きい請求項
29に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項31】
前記
複数の第1ファセット
のそれぞれと前記スキャナの中心によって定義される第1角度は、前記
複数の第2ファセット
のそれぞれと前記スキャナの前記中心によって定義される第2角度よりも大きい請求項
29に記載の自律走行車両制御システム。
【請求項32】
LIDARシステムと、
ステアリングシステムまたはブレーキシステムのうちの少なくとも1つのシステムと、
1つ以上のプロセッサを含む車両コントローラと、を含
む自律走行車両であって、
前記LIDARシステムは、
第1ビームを出力するように構成されるレーザーソースと、
不規則な形状を有し、前記第1ビームを受信することに応答して第2ビームを出力するように構成されるスキャナ
と、を含み、
前記スキャナは、自律走行車両についての複数の方位角視野を定義し、前記複数の方位角視野の中央重畳部分は、前記複数の方位角視野の外側部分よりも大きいサンプリング密度を有
し、前記複数の方位角視野は、長さに従い交互に配列された前記スキャナの複数のファセットに対応し、
前記1つ以上のプロセッサは、オブジェクトによる前記第2ビームの反射または散乱のうち、少なくとも1つからのリターンビームを使用して前記オブジェクトまでの距離または前記オブジェクトの速度のうちの少なくとも1つを決定し、前記距離または速度のうち、少なくとも1つに応答して前記ステアリングシステムまたはブレーキシステムのうち、少なくとも1つの動作を制御するように構成される自律走行車両。
【請求項33】
前記スキャナは、第1視野を有する
前記複数のファセットの第1ファセットと、前記第1ファセットに隣接して第2視野を有する
前記複数のファセットの第2ファセットと、を含み、
前記スキャナは、前記第1視野と前記第2視野の重畳が少なくとも部分的に前記自律走行車両の前方で発生するように前記自律走行車両に装着されている請求項
32に記載の自律走行車両。
【請求項34】
前記スキャナは、第1視野を有する
前記複数のファセットの第1ファセットと、前記第1ファセットに隣接して第2視野を有する
前記複数のファセットの第2ファセットと、を含む第1スキャナであり、前記自律走行車両は、第3視野を有する第3ファセットおよび第4視野を有する第4ファセットを含む第2スキャナをさらに含み、前記第4視野は、前記第3視野と重なり、前記第3視野よりも小さい請求項
32に記載の自律走行車両。
【請求項35】
前記スキャナは、
前記複数のファセットの第1ファセットおよび
前記複数のファセットの第2ファセットを含み、前記第1ファセットと前記スキャナの中心によって定義される第1角度は、前記第2ファセットと前記スキャナの前記中心によって定義される第2角度よりも大きい請求項
32に記載の自律走行車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、全開示の内容が本明細書に参照として含まれる2020年6月19日に出願した米国特許出願番号第16/906、378号についての優先権およびその利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
光検出および距離測定(Light Detection and Ranging)のためのニーモニック(Mnemonic)のLIDAR(ライダー)と呼ばれ、時には、レーザーレーダー(RADAR、Radio-wave Detection and Ranging)とも呼ばれるレーザーを用いる距離の光学検出は、イメージングおよび衝突回避を含む様々な応用分野に使用される。LIDARは、RADARのような従来のマイクロ波距離測定システム(Microwave Ranging System)よりも小さいビームの大きさでより微細な距離分解能(Range Resolution)を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
少なくとも1つの態様は、光検出および距離測定(LIDAR)システムに関する。LIDARシステムは、第1ビームを出力するように構成されたレーザーソースとポリゴンスキャナを含む。前記ポリゴンスキャナは、複数のファセット(Facet)を含む。前記複数のファセットのそれぞれは、前記第1ビームに応答して第2ビームを送信するように構成される。前記複数のファセットは、第1視野を有する第1ファセットと第2視野を有する第2ファセットを含み、前記第1ファセットは、前記第1視野で前記第2ビームを送信し、前記第2ファセットは、前記第2視野で前記第2ビームを送信する。前記第1視野は、前記第2視野よりも大きい。
【0004】
少なくとも1つの態様は、自律走行車両制御システムに関する。自律走行車両制御システムは、ポリゴンスキャナと1つ以上のプロセッサを含む。前記ポリゴンスキャナは、複数のファセットを含む。前記複数のファセットのそれぞれは、入力ビームに応答して送信ビームを送信するように構成される。前記複数のファセットは、第1視野を有する第1ファセットと第2視野を有する第2ファセットを含み、前記第1ファセットは、前記第1視野で前記第2ビームを送信し、前記第2ファセットは、前記第2視野で前記第2ビームを送信する。前記第1視野は、前記第2視野よりも大きい。前記1つ以上のプロセッサは、前記送信ビームに応答して受信されたリターンビームを使用してオブジェクトまでの距離またはオブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを決定し、当該距離または速度のうち、少なくとも1つに応答して自律走行車両の動作を制御するように構成される。
【0005】
少なくとも1つの態様は、自律走行車両に関する。自律走行車両は、LIDARシステム、ステアリングシステムまたはブレーキシステムのうち、少なくとも1つ、および車両コントローラを含む。LIDARシステムは、第1ビームを出力するように構成されたレーザーソースとポリゴンスキャナを含む。前記ポリゴンスキャナは、複数のファセットを含む。前記複数のファセットのそれぞれは、前記第1ビームに応答して第2ビームを送信するように構成される。前記複数のファセットは、第1視野を有する第1ファセットと第2視野を有する第2ファセットを含み、前記第1ファセットは、前記第1視野で前記第2ビームを送信し、前記第2ファセットは、前記第2視野で前記第2ビームを送信する。前記第1視野は、前記第2視野よりも大きい。前記車両コントローラは、前記第2ビームに応答したオブジェクトからのリターンビームを使用してオブジェクトまでの距離またはオブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを決定し、当該距離または速度のうち、少なくとも1つに応答して前記ステアリングシステムまたは前記ブレーキシステムのうち、少なくとも1つの動作を制御するように構成される1つ以上のプロセッサを含む。
【0006】
少なくとも1つの態様は、LIDARシステムに関する。LIDARシステムは、第1ビームを出力するように構成されたレーザーソースと不規則な多角形形状のスキャナを含む。前記スキャナは、第1ビームを受信し、当該第1ビームを受信することに応答して第2ビームを送信するように構成される。
【0007】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1ファセットおよび当該第1ファセットに隣接する第2ファセットを含む。前記第1ファセットは、第1長さを有し、前記第2ファセットは、前記第1長さよりも長い第2長さを有する。
【0008】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1視野を有する第1ファセットと第2視野を有する第2ファセットを含み、前記第1ファセットは、前記第1視野で前記第1ビームを送信し、前記2ファセットは、前記第2視野で前記第2ビームを送信する。前記第2視野は、前記第1視野よりも大きい。
【0009】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1ファセットおよび第2ファセットを含み、前記第1ファセットと前記スキャナの中心によって定義される第1角度は、前記第2ファセットと前記中心によって定義される第2角度よりも大きい。
【0010】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1視野を有する第1ファセットと、前記第1ファセットに隣接し、前記第1視野と重なる第2視野を有する第2ファセットと、を含む。
【0011】
一部の実施形態において、前記スキャナは、前記ポリゴンスキャナが回転するにつれて前記第2ビームに関連するサンプリング密度が変わるように、前記第2ビームを送信するように回転するように構成される。
【0012】
一部の実施形態において、前記スキャナは、複数のファセットを含み、前記複数のファセットの数は、6以上12以下である。
【0013】
一部の実施形態において、前記スキャナは、複数の凹部を含む。
【0014】
一部の実施形態において、前記スキャナは、複数の第1ファセットと、当該複数の第1ファセットと交代する順に配列された複数の第2ファセットと、を含む。
【0015】
一部の実施形態において、前記LIDARシステムは、前記第1ビームを第3ビームおよび基準ビームに分割するように構成されるスプリッタと、前記第1ビームの1つ以上の属性を変調して第4ビームを出力するように構成される変調器と、前記第4ビームをコリメート(Collimate)して第5ビームを出力するように構成されるコレメータと、前記スキャナに入射した前記第5ビームを出力し、オブジェクトによる前記第2ビームの反射または散乱のうち、少なくとも1つからリターンビームを受信するように構成されるサーキュレータと、前記基準ビームを前記リターンビームとミックスして第6ビームを出力するように構成されるミキサーと、前記第6ビームに応答する前記オブジェクトまでの距離または前記オブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを表す信号を生成するように構成される受信機と、を含む。
【0016】
一部の実施形態において、前記スキャナは、アルミニウムまたは重合体材料(Polymeric Material)のうち、少なくとも1つから製造される。
【0017】
一部の実施形態において、前記LIDARシステムは、前記スキャナの本体に塗布されたコーティングを含む。
【0018】
少なくとも1つの態様は、自律走行車両制御システムに関する。前記自律走行車両制御システムは、不規則な多角形形状を有し、送信ビームを送信するように構成されるスキャナを含む。前記自律走行車両制御システムは、オブジェクトによる前記送信ビームの反射または散乱のうち、少なくとも1つから受信されたリターンビームを使用して前記オブジェクトまでの距離または前記オブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを決定し、前記距離または速度のうち、前記少なくとも1つに応答して自律走行車両の動作を制御するように構成される1つ以上のプロセッサを含む。
【0019】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1ファセットおよび当該第1ファセットに隣接する第2ファセットを含む。前記第1ファセットは、第1長さを有し、前記第2ファセットは、前記第1長さよりも長い第2長さを有する。
【0020】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1ファセットと第2ファセットを含み、前記第1ファセットは、当該第1ファセットが前記第1ビームを送信する第1視野を有し、前記第2ファセットは、当該第2ファセットが前記第2ビームを送信する第2視野を有する。前記第2視野は、前記第1視野よりも大きい。
【0021】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1ファセットおよび第2ファセットを含み、前記第1ファセットと前記スキャナの中心によって定義される第1角度は、前記第2ファセットと前記スキャナの前記中心によって定義される第2角度よりも大きい。
【0022】
少なくとも1つの態様は、自律走行車両に関する。前記自律走行車両は、LIDARシステム、ステアリングシステムまたはブレーキシステムのうち、少なくとも1つ、および車両コントローラを含む。LIDARシステムは、第1ビームを出力するように構成されるレーザーソースと、不規則な形状を有し、前記第1ビームを受信することに応答して第2ビームを出力するように構成されるスキャナと、を含む。前記車両コントローラは、前記オブジェクトによる前記第2ビームの反射または散乱のうちの少なくとも1つからのリターンビームを使用して前記オブジェクトまでの距離または前記オブジェクトの速度のうち、少なくとも1つを決定し、当該距離または速度のうち、少なくとも1つに応答して前記ステアリングシステムまたは前記ブレーキシステムのうち、少なくとも1つの動作を制御するように構成される1つ以上のプロセッサを含む。
【0023】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1視野を有する第1ファセットと、前記第1ファセットに隣接し、第2視野を有する第2ファセットと、を含み、前記スキャナは、前記第1視野および前記第2視野の重なりが少なくとも部分的に自律走行車両の前方にあるように、前記自律走行車両に設置される。
【0024】
一部の実施形態において、前記スキャナは、第1視野を有する第1ファセットと、前記第1ファセットに隣接し、第2視野を有する第2ファセットと、を含む第1スキャナであり、前記自律走行車両は、第3視野を有する第3ファセットと、第4視野を有する第4ファセットと、を含む第2スキャナであり、第4視野は、第3視野と重なり、第3視野より小さい。
【0025】
一部の実施形態において、スキャナは、第1ファセットおよび第2ファセットを含み、第1ファセットとスキャナの中心によって定義される第1角度は、第2ファセットとスキャナの中心によって定義される第2角度よりも大きい。
【0026】
当該技術分野の通常の技術者は、「発明の内容」の項目が単に例示であり、いかなる方法でも限定しようとする意図ではないことを理解するであろう。本明細書に記載の任意の特徴は、任意の他の特徴とともに使用でき、これらの特徴の任意の部分集合は、様々な実施形態に従って組み合わせて使用できる。特許請求の範囲によってのみ定義される本明細書に記載の装置および/または方法の他の態様、発明の特徴および利点は、本明細書に記載され添付された図面とともに取られる詳細な説明から理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
添付の図面において、実施形態は、限定的なものではなく例示的な方法で示されており、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0028】
【
図1a】自律走行車両のためのシステム環境の一例のブロック図であり、
【0029】
【
図1b】自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例のブロック図であり、
【0030】
【
図1c】自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例のブロック図であり、
【0031】
【
図1d】自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例のブロック図であり、
【0032】
【
図2】LIDARシステムの一例のブロック図であり、
【0033】
【
図3】凸形ポリゴンスキャナの一例の平面図であり、
【0034】
【
図4】凹形ポリゴンスキャナの一例の平面図であり、
【0035】
【
図5】凸形ポリゴンスキャナの一例の平面図であり、
【0036】
【
図6】凹形ポリゴンスキャナの一例の平面図であり、
【0037】
【
図7】凸形ポリゴンスキャナの一例の平面図であり、
【0038】
【
図8】凹形ポリゴンスキャナの一例の平面図であり、
【0039】
【
図9】ポリゴンスキャナを使用するLIDARシステムを具現する車両の例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
LIDARシステムは、オブジェクトが反射または散乱することができる光ビームを生成し、送信されたビームに該当するリターンビームとして前記光ビームを送信することができる。LIDARシステムは、リターンビームを受信し、リターンビームまたはその特性を処理して距離および速度などのオブジェクトに関するパラメータを決定できる。LIDARシステムは、送信されたビームに様々な周波数または位相変調を適用でき、これにより、オブジェクトに関するパラメータを決定するためにリターンビームを送信されたビームと関連付けることが容易になり得る。
【0041】
LIDARシステムは、例えば、送信されたビームを様々な方位角および仰角(Elevation Angle)で反射して出力するポリゴンスキャナを含み得る。これにより、LIDARシステムは、ポリゴンスキャナを使用してLIDARシステムの周りの環境をスキャンして当該環境内のオブジェクトのパラメータを検出するセンサとして動作することができる。ポリゴンスキャナは、送信されたビームを反射して出力する反射表面を有する複数のファセット(Facet)を含み得る。ファセット(およびこれによるポリゴンスキャナ)の視野は、ファセットの角度範囲に該当し得る。例えば、4つのファセットを有する正多角形ポリゴンスキャナ(例えば、隣接するファセット間の角度が同じであり、ファセットの長さが同じであるポリゴンスキャナ)の場合、それぞれのファセットは、(ファセットのエッジからポリゴンスキャナの中心まで測定された角度に基づいて)90度の角度範囲を有し得、ファセットの視野は、(例えば、反射性ファセットが入射する光ビームをステアリングできる量に基づいて角度範囲の2倍である)280度であり得る。
【0042】
本開示内容によるシステムおよび方法は、長さおよび隣接するファセットについての角度が異なるため、ファセットの視野が異なることがある少なくとも一部のファセットを有するポリゴンスキャナを含み得る。例えば、ポリゴンスキャナは、正多角形ではなく不規則な多角形の形であり得る。このようなポリゴンスキャナを使用するLIDARシステムは、ファセットの視野が重なるポリゴンスキャナの方位角視野の中央部分のような特定の角度範囲にわたって増加したサンプリング密度(例えば、分解能)を有し得る。これは、送信ビームおよびLIDARシステムの周辺環境内のオブジェクトによって散乱するリターンビームを使用して当該環境内のオブジェクトのパラメータを決定するための信号対雑音比などのLIDARシステムの性能の特性を向上させ得る。例えば、改善された性能特性は、LIDARシステムがオブジェクトについての距離、速度、およびドップラーシフト情報をより正確に決定することを可能にすることによって、LIDARシステムの最大設計距離を増加させることができる。例えば、LIDARシステムは、自律走行トラック輸送などの長距離応用(例えば、最大距離が400メートル以上)に効果的に使用できる。
1.自律走行車両のためのシステム環境
【0043】
図1aは、一部の実施形態による自律走行車両のためのシステム環境の一例を示すブロック図である。
図1aは、本明細書に開示された様々な技術が具現できる例示的な自律走行車両100が示されている。例えば、車両100は、エネルギー供給源106から動力の供給を受け、ドライブトレイン108に動力を供給することができる原動機104を含むパワートレイン102と、方向制御装置112、パワートレイン制御装置114、およびブレーキ制御装置116を含む制御システム110と、を含み得る。車両100は、人および/または貨物を輸送することができ、様々な環境で移動できる車両を含む任意の数の異なるタイプの車両として具現できる。前述の構成要素102~116は、これらの構成要素が使用される乗用車、バン、トラック、およびバスなどの車両のタイプによって大きく異なり得る。原動機104は、(何よりも)1つ以上の電気モーターおよび/または内燃機関を含み得る。エネルギー供給源は、例えば、燃料システム(例えば、ガソリン、ディーゼル、水素などを提供する)、電池システム、太陽電池パネルまたは他の再生可能エネルギー供給源、および/または燃料電池システムを含み得る。ドライブトレイン108は、原動機104の出力を車両動作に変換するための変速機および/または任意の他の機械的駆動構成要素とともにホイールおよび/またはタイヤだけでなく、車両を制御可能に停止または減速するように構成される1つ以上のブレーキおよび車両100の軌跡を制御するのに適した方向またはステアリング構成要素(例えば、車両100の1つ以上のホイールが概して垂直軸を中心に旋回することによって車両の縦軸に対するホイールの回転面の角度を変更させるラックおよびピニオンステアリング接続装置)を含み得る。一部の実施形態において、(例えば、電気/ガスハイブリッド車両の場合)、パワートレインとエネルギー供給源の組み合わせを使用でき、場合によっては、(例えば、個々のホイールまたは車軸に専用の)多重電気モーターを原動機として使用できる。
【0044】
方向制御装置112は、車両100が所望の軌跡に従うことを可能にするために、方向またはステアリング構成要素からのフィードバックを制御および受信するための1つ以上のアクチュエータおよび/またはセンサを含み得る。パワートレイン制御装置114は、パワートレイン102の出力を制御し、例えば原動機104の出力を制御してドライブトレイン108内の変速機のギアなどを制御することによって、車両100の速度および/または方向を制御するように構成され得る。ブレーキ制御装置116は、車両100を減速または停止させる1つ以上のブレーキ、例えば、車両のホイールに結合されたディスクまたはドラムブレーキを制御するように構成され得る。
【0045】
オフロード車両、全地形(all-terrain)車両または軌道車両、建設装備などを含むが、これらに限定されない他の車両タイプは、異なるパワートレイン、ドライブトレイン、エネルギー供給源、方向制御装置、パワートレイン制御装置およびブレーキ制御装置を使用できる。さらに、一部の実施形態において、前記構成要素の一部は、例えば、車両の方向制御装置が1つ以上の原動機の出力を変更することによって主に処理される場合に結合できる。
【0046】
車両100についての様々なレベルの自律走行制御は、1つ以上のプロセッサ122および1つ以上のメモリ124を含み得、それぞれのプロセッサ122は、メモリ124に格納されたプログラムコード命令語126を行うように構成された車両制御システム120で具現できる。プロセッサは、例えば、グラフィックス処理装置(GPU(s))および/または中央処理装置(CPU(s))を含み得る。
【0047】
センサ130は、車両の周辺環境から車両の動作を制御するのに使用するための情報を収集するのに適切な様々なセンサを含み得る。例えば、センサ130は、レーダーセンサ134、LIDARセンサ136、3Dポジショニングセンサ138-例えば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、またはGPS(地球位置システム)、GLONASS(Globalnaya Navigazionnaya Sputnikovaya Sistema、またはGlobal Navigation Satellite System)、BeiDou Navigation Satellite System(BDS)、Galileo、Compassなどの任意のもの-を含み得る。3Dポジショニングセンサ138は、衛星信号を用いて地球上の車両位置を決定するために使用できる。センサ130は、カメラ140および/または慣性計測装置(IMU)142を含み得る。カメラ140は、モノグラフィックまたはステレオグラフィックカメラであり得、静止画および/または動画を記録することができる。IMU142は、3つの方向で車両の線形および回転運動を検出できる多重ジャイロスコープおよび加速度計を含み得る。ホイールエンコーダのような1つ以上のエンコーダ(図示せず)が車両100の1つ以上のホイールの回転をモニタリングするのに使用できる。それぞれのセンサ130は、センサデータを他のセンサ130のデータ速度とは異なるデータ速度で出力できる。
【0048】
センサ130の出力は、位置推定(Localization)サブシステム152、計画サブシステム156、知覚(Perception)サブシステム154、および制御サブシステム158を含む制御サブシステム150のセットに提供され得る。位置推定サブシステム152は、車両100の周辺環境内で、そして一般的に一部基準フレーム内で車両100の位置および指向(「ポーズ」とも呼ばれる)を精密に決定するなどの機能を行い得る。自律走行車両の位置は、ラベルが指定された自律走行車両データを生成する一部として同じ環境内の追加車両の位置と比較できる。知覚サブシステム154は、車両100を取り囲む環境内のオブジェクトを検出、追跡、決定および/または識別するなどの機能を行い得る。一部の実施形態による機械学習モデルがオブジェクトの追跡に活用できる。計画サブシステム156は、環境内の静止および移動オブジェクトだけでなく、希望する目的地が与えられた状態で一部の時間フレームにわたって車両100についての軌跡を計画するなどの機能を行い得る。一部の実施形態による機械学習モデルが車両軌跡の計画に活用できる。制御サブシステム158は、車両100の計画された軌跡を具現するために車両制御システム120の様々な制御装置を制御するのに適切な制御信号を生成するなどの機能を行い得る。計画された軌跡を具現するように自律走行車両を制御する1つ以上の信号を機械学習モデルを活用して生成し得る
【0049】
図1aに示すタイプの複数のセンサは、重複性のためにおよび/または車両周辺の異なる領域をカバーするために使用でき、他のタイプのセンサを使用できる。様々なタイプおよび/または組み合わせの制御サブシステムを使用できる。サブシステム152~158の機能のうちの一部または全部は、1つ以上のメモリ124に常駐し、1つ以上のプロセッサ122によって行われるプログラムコード命令語126で具現でき、これらのサブシステム152~158は、場合によっては、同じプロセッサおよび/またはメモリを使用して具現できる。サブシステムは、様々な専用回路ロジック、様々なプロセッサ、様々なフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、様々な特定用途向け集積回路(ASIC)、様々なリアルタイムコントローラなどを使用して少なくとも部分的に具現でき、前述したように、多重サブシステムは、回路、プロセッサ、センサ、および/または他の構成要素を活用できる。また、車両制御システム120の様々な構成要素は、様々な方式でネットワーク化できる。
【0050】
一部の実施形態において、車両100は、車両100用の冗長またはバックアップ制御システムとして使用できる2次車両制御システム(図示せず)をさらに含み得る。一部の実施形態において、2次車両制御システムは、車両制御システム120で不利なイベントが発生した場合に自律走行車両100を完全に動作させることができるが、他の実施形態において、2次車両制御システムは、1次車両制御システム120で検出された不利なイベントに応答して車両100を制御停止させるなどの制限された機能のみを有し得る。また他の実施形態において、2次車両制御システムは省略されてもよい。
【0051】
ソフトウェア、ハードウェア、回路ロジック、センサ、およびネットワークなどの様々な組み合わせを含む多数の異なるアーキテクチャーを使用して
図1に示されている様々な構成要素を具現できる。それぞれのプロセッサは、例えば、マイクロプロセッサとして具現でき、それぞれのメモリは、主記憶装置および任意の補助レベルのメモリ-例えば、キャッシュメモリ、不揮発性またはバックアップメモリ(例えば、プログラマブルまたはフラッシュメモリ)、リードオンリーメモリなど-を含むランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスを表すことができる。また、それぞれのメモリは、車両100の他の場所に物理的に位置する例えば、プロセッサ内のキャッシュメモリであるメモリ記憶装置および(例えば、大容量記憶装置または他のコンピュータコントローラに格納されて)仮想メモリとして使用される任意の格納容量を含むものと見なすことができる。
図1aに示される1つ以上のプロセッサまたは完全に別のプロセッサを使用して自律走行制御の目的以外の車両100の追加機能、例えば、エンターテインメントシステムを制御し、ドア、照明、便宜機能(Convenience Features)などを動作させる追加機能を具現できる。
【0052】
また、追加の記憶装置のために、車両100は、1つ以上の大容量記憶装置、例えば、特にリムーバブルディスクドライブ、ハードディスクドライブ、直接アクセス記憶装置(DASD)、光学ドライブ(例えば、CDドライブ、DVDドライブなど)、ソリッドステートストレージドライブ(SSD)、ネットワーク接続された記憶装置、ストレージエリアネットワークおよび/またはテープドライブなどを含み得る。
【0053】
また、車両100は、車両100がユーザーまたはオペレータから多数の入力を受信し、ユーザーまたはオペレータについての出力を生成するようにする、例えば、1つ以上のディスプレイ、タッチスクリーン、音声および/またはジェスチャインターフェース、ボタンおよび他の触覚制御装置などのユーザーインターフェース164を含み得る。他の方法では、ユーザー入力は、他のコンピュータまたは電子装置、例えば、モバイル装置のアプリまたはウェブインターフェースを介して受信され得る。
【0054】
さらに、車両100は、1つ以上のネットワーク170(例えば、近距離通信網(LAN)、広域通信網(WAN)、無線ネットワーク、および/またはインターネット)との通信に適切なネットワークインターフェース162などの1つ以上のネットワークインターフェースを含み、他のコンピュータおよび電子装置との情報の通信を許容することができる。前記情報の通信は、例えば、クラウドサービスなどの中央サービスを含み、車両100は、前記サービスから車両の自律走行制御に使用される環境および他のデータを受信する。1つ以上のセンサ130によって収集されたデータは、ネットワーク170を介してコンピューティングシステム172にアップロードされて追加処理できる。一部の実施形態において、タイムスタンプがアップロード前に車両データの各インスタンス(Instance)に追加され得る。
【0055】
図1aに示されるそれぞれのプロセッサおよび本明細書に開示されている様々な追加のコントローラとサブシステムは、以下に詳細に説明されるように、一般的にオペレーティングシステムの制御下で動作し、様々なコンピュータソフトウェアアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、データ構造などを行うか、またはこれらに依存する。さらに、様々なアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュールなどは、ネットワーク170を介して車両100に結合された他のコンピュータの1つ以上のプロセッサで、例えば、分散コンピューティング環境、クラウド基盤のコンピューティング環境、またはクライアントサーバコンピューティング環境で行われるため、コンピュータプログラムの機能を具現するのに必要な処理がネットワークを介して多数のコンピュータおよび/またはサービスに割り当てられる。
【0056】
一般的に、オペレーティングシステムの一部として具現されたり、特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、または命令語のシーケンス、またはこれらのサブセットとして具現されたりしても、本明細書に記載の様々な実施形態を具現するために実行されるルーチンは、ここで「プログラムコード」と呼ばれる。プログラムコードは、様々な時間に様々なメモリおよび記憶装置内に常駐し、1つ以上のプロセッサによって読み取りおよび実行されるとき、本開示内容の様々な態様を具現するステップまたは要素を実行するために必要なステップを行う1つ以上の命令語を含み得る。さらに、実施形態は、完全に機能するコンピュータおよびシステムを含み、以下その文脈で説明されるが、本明細書に記載されている様々な実施形態は、様々な形態のプログラム製品として配布することが可能であり、実施形態は、このような配布を実際に行うのに使用される特定のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体とは無関係に具現できることを理解するであろう。
【0057】
コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、特に、揮発性および不揮発性メモリ装置、フロッピーおよびその他のリムーバブルディスク、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ、磁気テープおよび光ディスク(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような有形の非一時的な媒体(Tangible、Non-Transitory Media)が含まれる。
【0058】
また、以下で説明される様々なプログラムコードは、これが特定の実施形態で具現されるアプリケーションに基づいて識別できる。しかし、以下の任意の特定のプログラム命名法は、単に便宜のために使用されたものであり、したがって、本開示内容は、このような命名法によって識別および/または暗示された任意の特定アプリケーションでのみ使用するように制限されてはならない。さらに、コンピュータプログラムがルーチン、手順、方法、モジュール、オブジェクトなどに体系化できる典型的に無限の数の方式とプログラム機能が典型的なコンピュータ内に常駐する様々なソフトウェア層(例えば、オペレーティングシステム、ライブラリ、API、アプリケーション、アプレットなど)中に割り当てられる様々な方式を考慮するとき、本開示内容は、本明細書に記載のプログラム機能の特定の体系化および割り当てに限定されない。
2.自動車アプリケーション用LIDAR
【0059】
トラックは、LIDARシステム(例えば、本明細書に記載されている他のもののうち、
図1aの車両制御システム120または
図2aのLIDARシステム200を含み得る。一部の実施形態において、LIDARシステムは、光学信号をエンコードするために周波数変調を使用し、エンコードされた光学信号を光学装置を使用して自由空間に散乱させることができる。FM(Frequency Modulated)LIDARシステムは、エンコードされた光学信号とオブジェクトから再び反射されたリターン信号との間の周波数差を検出することによってオブジェクトの位置を決定し、および/またはドップラー効果を用いてオブジェクトの速度を正確に測定できる。一部の実施形態において、FM LIDARシステムは、連続波(Continuous Wave)(「FMCW LIDAR」と呼ばれる)または準連続波(Quasi-Continuous Wave)(「FMQW LIDAR」と呼ばれる)を使用できる。一部の実施形態において、LIDARシステムは、位相変調(Phase Modulation、PM)を使用して光学信号をエンコードし、エンコードされた光学信号を自由空間に散乱させることができる。
【0060】
場合によっては、オブジェクト(例えば、暗い服を着た歩行者)は、低い反射率を有するため、オブジェクトにぶつかる少量の光(例えば10%以下)のみをFMまたはPM LIDARシステムのセンサ(例えば、
図1aのセンサ130)に再び 反射することができる。その他の場合、オブジェクト(例えば、光沢のある道路標識)は、高い反射率(例えば、10%以上)を有するため、オブジェクトにぶつかる大量の光をFM LIDARシステムのセンサに再び反射することができる。
【0061】
オブジェクトの反射率にかかわらず、FM LIDARシステムは、従来のLIDARシステムよりも遠い距離(例えば、2倍)でオブジェクトを検出(例えば、分類、認識、発見など)することができる。例えば、FM LIDARシステムは、300メートル以上の低反射オブジェクトと400メートル以上の高反射オブジェクトを検出できる。
【0062】
検出能力のこのような改善を達成するために、FM LIDARシステムは、センサ(例えば、
図1aのセンサ130)を使用できる。一部の実施形態において、これらのセンサは、単一の光子感知性を有し得る。すなわち、できるだけ最小量の光を検出できる。FM LIDARシステムは、一部の応用例において、赤外線波長(例えば、950nm、1、550nmなど)を使用できるが、赤外線波長の範囲(例えば、近赤外線:800nm~1、500nm、中赤外線:1、500nm~5、600nm、および遠赤外線5、600nm~1、000、000nm)に限定されない。赤外線波長でFMまたはPM LIDARシステムを動作させることにより、FMまたはPM LIDARシステムは、目の安全基準を満たしながら、より強い光パルスまたは光ビームをブロードキャストすることができる。従来のLIDARシステムは、多くの場合単一の光子感知性がなく、および/または近赤外線波長でのみ動作するため、目の安全のためにシステムの光出力(および距離検出能力)を制限する必要がある。
【0063】
したがって、FM LIDARシステムは、より遠い距離でオブジェクトを検出することによって、予想できなかった障害物に反応する時間をより多く有し得る。実際に、数ミリ秒の追加時間だけでも、特に高速道路の速度で運転している大型車両(例えば、商用トラック車両)において安全と快適さを向上させ得る。
【0064】
FM LIDARシステムは、それぞれのデータポイントについての正確な速度を即座に提供できる。一部の実施形態において、速度測定は、レーザー信号の半径方向の速度(例えば、検出されたオブジェクトとセンサとの間の方向ベクトル)またはレーザー信号の周波数のうち、少なくとも1つに基づいてオブジェクトから受信された光の周波数をシフトさせるドップラー効果を利用して達成される。例えば、速度が100m/s未満の道路状況で発生する速度の場合、1、550nm(ナノメートル)の波長でのこのシフトは、130MHz未満の周波数シフトに該当する。この周波数シフトは小さいため、光学ドメインで直接検出することは困難である。しかし、FMCW、PMCW、またはFMQW LIDARシステムにおけるコヒーレント検出を利用することによって、様々な信号処理技術を用いて周波数シフトを計算できるように信号をRFドメインに変換することができる。これにより、自律走行車両制御システムは、受信データをより迅速に処理できる。
【0065】
また、瞬間速度計算により、FM LIDARシステムが離れていたり、まばらなデータポイントをオブジェクトとして決定し、および/またはこれらのオブジェクトが時間の経過とともにどのように移動しているかを追跡することがより容易になる。例えば、FM LIDARセンサ(例えば、
図1aのセンサ130)は、300m離れているオブジェクトについての少数のリターン(例えば、衝突)のみを受信することができるが、これらのリターンが関心速度値を提供する場合(例えば、70mphを超える速度で車両に向かう場合)、FM LIDARシステムおよび/または自律走行車両制御システムは、オブジェクトに関連する確率についての個々の重みを決定できる。
【0066】
FM LIDARシステムのより迅速な識別および/または追跡は、自律走行車両制御システムに車両を操縦するためのより多くの時間を提供する。オブジェクトがどれだけ速く動いているかをよりよく理解すると、自律走行車両制御システムは、より優れた反応を計画することができる。
【0067】
FM LIDARシステムは、従来のLIDARシステムと比較してより少ない雑音(Static)を有し得る。すなわち、より多くの光感知性を有するように設計された従来のLIDARシステムは、一般的に明るい日光では正しく動作しない。このようなシステムは、漏話(Crosstalk)(例えば、センサが互いの光パルスまたは光ビームによって混線する場合)と磁気干渉(例えば、センサが自体の以前の光パルスまたは光ビームによって混線する場合)を受ける傾向もある。この欠点を克服するために、従来のLIDARシステムを使用する車両は、このような「雑音(Noise)」を管理するために多くの場合、追加のハードウェア、複雑なソフトウェア、および/またはより多くの計算能力を必要とする。
【0068】
これについて、FM LIDARシステムは、それぞれのセンサが固有の光特性(例えば、光ビーム、光波、光パルス)にのみ反応するように特別に設計されるため、この種の問題を経験しない。リターン光が最初に送信されたタイミング、周波数、および/または波長と一致しない場合、FMセンサは、当該データポイントをフィルタリング(例えば、除去、無視など)することができる。これにより、FM LIDARシステムは、より少ないハードウェアまたはソフトウェア要件でより正確なデータを算出(例えば、生成、誘導など)し、より安全かつスムーズな運転を可能にする。
【0069】
FM LIDARシステムは、従来のLIDARシステムよりもスケーリングが容易である。より多くの自律走行車両(例えば、自動車、商用トラックなど)が道路に登場するが、FM LIDARシステムで駆動される車両は、センサ漏話による干渉問題に直面する必要がないであろう。また、FM LIDARシステムは、従来のLIDARセンサよりも少ない光学ピークパワーを使用する。これにより、FM LIDAR用の光学構成要素の一部または全部は、単一チップ上で製造することができ、これは本明細書で論じるように、固有の利点を提供する。
2.1 商用トラック
【0070】
図1bは、一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例を示すブロック図である。環境100Bは、貨物106Bを運ぶための商用トラック102Bを含む。一部の実施形態において、商用トラック102Bは、長距離貨物輸送、地域貨物輸送、インターモーダル貨物輸送(すなわち、道路基盤の車両が貨物を輸送するためのいくつかの輸送モードのうちの1つとして使用される)および/または任意の他の道路基盤の貨物輸送の応用のために構成された車両を含む。一部の実施形態において、商用トラック102Bは、平台型トラック、冷蔵トラック(例えば、リーファー(Reefer)トラック)、ベントバン(Vented Van)(例えば、ドライバン)、移動(Moving)トラックなどであり得る。一部の実施形態において、貨物106Bは、商品および/または農産物であり得る。一部の実施形態において、商用トラック102Bは、平台型トレーラー、ローボーイ(Lowboy)トレーラー、ステップデッキ(Step Deck)トレーラー、拡張可能な平台型トレーラー、サイドキット(Sidekit)トレーラーなどの貨物106Bを運ぶためのトレーラーを含み得る。
【0071】
環境100Bは、トラックから30メートル以下の距離範囲内にある(
図1bに他の車両として示されている)オブジェクト110Bを含む。
【0072】
商用トラック102Bは、オブジェクト110Bまでの距離を決定し、および/またはオブジェクト110Bの速度を測定するためのLIDARシステム104B(例えば、FM LIDARシステム、
図1aの車両制御システム120または
図2aのLIDARシステム200)を含み得る。
図1bは、1つのLIDARシステム104Bが商用トラック102Bの前面に取り付けられているように示されているが、LIDARシステムの数および商用トラックについてのLIARシステムの取り付け領域は、特定の数および特定の領域に限定されない。商用トラック102Bは、商用トラック102Bについての任意の自由空間内のオブジェクトの検出を容易にするために、商用トラック102Bの任意の領域(例えば、前面、背面、側面、上側、下側、下部、および/または底部)に取り付けられる任意の数のLIDARシステム104B(またはセンサ、変調器、コヒーレント(Coherent)信号発生器などのその構成要素)を含み得る。
【0073】
図示のように、環境100B内のLIDARシステム104Bは、商用トラック102Bから短い距離(例えば、30メートル以下)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、道路標識、ポットホールなど)を検出するように構成され得る。
【0074】
図1cは、一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例を示すブロック図である。環境100Cは、環境100Bに含まれた同じ構成要素(例えば、商用トラック102B、貨物106B、LIDARシステム104Bなど)を含む。
【0075】
環境100Cは、商用トラック102Bから(i)30メートル以上(ii)150メートル以下の距離範囲内にある(
図1cに他の車両として示されている)オブジェクト110Cを含む。図示のように、環境100C内のLIDARシステム104Bは、商用トラック102Bから所定の距離(例えば、100メートル)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、道路標識、ポットホールなど)を検出するように構成され得る。
【0076】
図1dは、一部の実施形態による自律走行商用トラックのためのシステム環境の一例を示すブロック図である。環境100Dは、環境100Bに含まれた同じ構成要素(例えば、商用トラック102B、貨物106B、LIDARシステム104Bなど)を含む。
【0077】
環境100Dは、商用トラック102Bから150メートルを超える距離範囲内にある(
図1dに他の車両として示されている)オブジェクト110Dを含む。図示のように、環境100D内のLIDARシステム104Bは、商用トラック102Bから所定の距離(例えば、300メートル)にあるオブジェクト(例えば、他の車両、自転車、木、道路標識、ポットホールなど)を検出するように構成され得る。
【0078】
商用トラック輸送応用において、増加した重量およびそれに応じて、このような車両に要求されるより長い停止距離により、すべての距離にあるオブジェクトを効果的に検出することが重要である。FM LIDARシステム(例えば、FMCWおよび/またはFMQWシステム)またはPM LIDARシステムは、前述した利点により、商用トラック応用に最適である 。結局、このようなシステムを備えた商用トラックは、短距離または長距離にわたって人と物品の両方を安全に移動させる能力が向上し、商用トラックだけでなく周辺車両の安全性も向上し得る。様々な実施形態において、これらのFMまたはPM LIDARシステムは、商用トラックに運転者が搭乗しており、商用トラックの一部の機能がFMまたはPM LIDARシステムを使用して自律的に動作する半自律応用または商用トラックが単独または他の車両システムとともにFMまたはLIDARシステムによって全く動作する完全自律応用に使用できる。
3.LIDARシステム
【0079】
図2は、LIDARシステム200の一例を示す。LIDARシステム200は、距離および速度などのオブジェクトに関するパラメータを決定し、当該パラメータを遠隔システムに出力するために使用できる。例えば、LIDARシステム200は、受信されたパラメータに応答して車両の動作を制御できる車両コントローラ(例えば、車両コントローラ298)またはパラメータの表現を示すことができるディスプレイが使用するためのパラメータを出力できる。LIDARシステム200は、コヒーレント検出システムであり得る。LIDARシステム200は、
図1a~
図1dを参照して説明したシステムの様々な特徴および構成要素を具現するために使用できる。
【0080】
LIDARシステム200は、搬送波光ビームなどのビーム206を放射するレーザーソース204を含み得る。スプリッタ208は、ビーム206をビーム210と基準ビーム212(例えば、基準信号)に分割することができる。
【0081】
変調器214は、入力ビーム210の1つ以上の属性を変調してビーム216(例えば、ターゲットビーム)を生成し得る。一部の実施形態において、変調器214は、入力ビーム210の周波数を変調することができる。例えば、変調器214は、ビーム216の周波数が時間の経過とともに線形的に増加または減少するように、入力ビーム210の周波数を線形的に変調することができる。他の例として、変調器214は、入力ビーム210の周波数を非線形的に(例えば、指数関数的に)変調することができる。一部の実施形態において、変調器214は、入力ビーム210の位相を変調してビーム216を生成し得る。しかし、変調技術は、周波数変調および位相変調に限定されない。任意の適切な変調技術は、ビームの1つ以上の属性の変調に使用できる。
図2に戻ると、変調器214は、基準ビーム212が変調されないように、スプリッタ208によるビーム206の分割後にビーム210を変調することができ、または変調器214は、ビーム206を変調し、スプリッタ208がターゲットビームと基準ビームに分割されるように当該変調されたビームをスプリッタ208に提供し得る。
【0082】
送信された信号を出力するために使用されるビーム216は、レーザーソース204によって出力されたビーム206のエネルギーの大部分を有し得る一方、基準ビーム212は、はるかに少ないエネルギーであるが、オブジェクトから散乱したリターンビーム248(例えば、リターンされた光)との混合を可能にする十分なエネルギーを有し得る。基準ビーム212は、局部発振器(Local Oscillator、LO)信号として使用できる。基準ビーム212は、基準経路を通過し、ミキサー260に提供され得る。増幅器220は、ビーム216を増幅してビーム222を出力することができ、コリメータ224は、ビーム222をコリメート(Collimate)してビーム226を出力することができる。
【0083】
図2に示すように、サーキュレータ228は、コリメータ224とポリゴンスキャナ232との間でビーム226を受信し、ポリゴンスキャナ232にビーム230を出力することができる。サーキュレータ228は、レーザーソース204とコリメータ224との間にあってもよい。サーキュレータ228は、ポリゴンスキャナ232からリターンビーム248を受信し、リターンビーム248をミキサー260に提供し得る。
【0084】
ポリゴンスキャナ232は、本体234および本体234の外部表面に定義されたファセット(Facet)236を含み得る。ポリゴンスキャナ232は、自律走行車両のような車両の予想動作温度範囲にわたって高い構造的安定性を有し得る7000シリーズアルミニウムまたは8000シリーズアルミニウムなどのアルミニウムで製造できる。ポリゴンスキャナ232をアルミニウムで製造することによって、ファセット236を非常に平坦に機械加工することができる。
【0085】
ポリゴンスキャナ232は、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリカーボネート(Polycarbonate)、またはポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate、PMMA)材料などの重合体材料(Polymeric Material)で製造できる。重合体材料は、ポリゴンスキャナ232の形状についての許容誤差および熱膨張係数などの因子に基づいて(例えば、ポリゴンスキャナ232を形成するために使用できるモールドに基づいて)選択され得る。
例えば、ポリゴンスキャナ232は、ポリゴンスキャナ232が動作中にその形状を維持できるように、車両の予想動作温度範囲にわたって比較的低い熱膨張係数を有する重合体材料で製造できる。重合体材料は、ダイヤモンド旋削(Diamond Turning)によって平坦に製造できる。
【0086】
ファセット236は、反射性であり得る。ファセット236は、本体234を研磨したり、本体234にコーティングを提供したり、本体234に提供されたコーティングを研磨することによって形成され得る。例えば、ファセット236は、保護された金、銀またはアルミニウムで(例えば、アルミニウムの機械的研磨によって)形成され得る。コーティングは、気相成膜によって形成され得る。コーティングは、200ナノメートル(nm)以上400nm以下であり得る。
【0087】
ファセット236は、互いに接続され、ポリゴンスキャナ232の回転軸(例えば、
図2に示す平面に垂直な軸)の周りに延びることができる。LIDARシステム200は、回転軸を中心にポリゴンスキャナ232を回転させるためにポリゴンスキャナ232と結合されるモーター240を含み得る。
【0088】
ポリゴンスキャナ232は、ポリゴンスキャナ232の半径方向大きさ(φ/2)がポリゴンスキャナ232の中心(例えば、モーター240がポリゴンスキャナ232とどのように結合されるかに応じて回転軸と一致する質量中心)からその中心から最も遠い隣接するファセット236間のコーナーのように、回転軸から最大距離にあるファセット236に沿った地点まで延びる(例えば、最大直径である)直径φを定義し得る。直径φは、50ミリメートル(mm)以上250mm以下であり得る。
【0089】
LIDARシステム200の最大設計距離は、直径φ(および本明細書でさらに説明されるように、ファセット236を変更することによって達成できるサンプリング密度のようなポリゴンスキャナ232の他の特性)に依存し得る。直径φを増加させることは、ポリゴンスキャナ232の最大設計距離を増加させると同時に、ポリゴンスキャナ232の質量(および体積)を増加させることができる。ポリゴンスキャナ232の直径φが変化するにつれて、送信されたビーム242の大きさが変化する可能性がある。例えば、送信されたビーム242がポリゴンスキャナ232から離れて大きさが増加または発散する。送信されたビーム242の大きさは、送信されたビーム242の方向に垂直な平面における送信されたビーム242の半径方向の大きさであり得る。より大きな直径φは、より大きなビームを導くことができ、これは、送信されたビーム242がポリゴンスキャナ232から離れるとき、より小さなビームよりも相対的に大きさが少なめに増加するであり(例えば、より稠密に維持される)、これは、送信されたビーム242に応答して受信されるリターンビームに対して強い信号をもたらすことができる。例えば、直径φが50mmの場合、最大設計距離は、約250mであり得、直径φが250mmの場合、最大設計距離は、約400m以上であり得る。最大設計距離は、信号対雑音比が閾値信号対雑音比よりも大きい最大距離に該当し得る。閾値信号対雑音比は、5デシベル(dB)であり得る。閾値信号対雑音比は、10dBであり得る。信号対雑音比は、リターンビーム248および基準ビーム212を使用してオブジェクトに関する距離、速度、またはドップラーシフトデータを決定することに対応し得る。
【0090】
ファセット236は、ビーム230を受信し、当該ビーム230を送信されたビーム242として反射することができる。ポリゴンスキャナ232は、ポリゴンスキャナ232が回転し、ポリゴンスキャナ232のファセット236がビーム230を反射して送信されたビーム242を送信することによって、送信されたビーム242によってスイープされた(Swept)角度に対応する視野244を定義し得る。例えば、特定のファセット236の指向が特定のファセット236に入射するビーム230の方向に対して変化するにつれて、送信されたビーム242の角度(例えば、方位角)が変更されてポリゴンスキャナ232が視野244にわたってスキャンを行うようにすることができる。ポリゴンスキャナ232は、視野244がポリゴンスキャナ232に対して方位角の平面をスイープするように指向され得る。ファセット236は、ビーム230を様々な仰角(Elevation Angle)で出力するために回転軸に対して他の角度(例えば、仰角)に指向され得る(または、ポリゴンスキャナ232は、仰角がビーム230の方向に対する特定のファセット236の指向に基づいて達成され、方位角が回転軸に対する特定のファセットの指向に基づいて達成されるように指向され得る)。
【0091】
視野244は、ポリゴンスキャナ232の多数のファセット236に対応し得る。例えば、視野244は、ビーム230がファセット236に入射する角度の2倍だけビーム230をステアリングさせるファセット236によって実行される反射に対応し得る。ファセット236を含むポリゴンスキャナのファセットは、ファセット236の角度の2倍である視野(正多角形スキャナの場合、820度/Nであり、ここでNは、辺の数)を定義し得る。等辺(および等角)ファセットを含むポリゴンスキャナは、すべてのファセットにわたって同じ視野を有し得る。例えば、3辺(例えば、三角形)ポリゴンスキャナは、240度の視野を有し得、4辺(例えば、正方形)ポリゴンスキャナは、180度の視野を有し得、5辺(例えば、五角形)ポリゴンスキャナは、144度の視野を有し得、6辺(例えば、六角形)ポリゴンスキャナは、120度の視野を有し得る。
【0092】
ポリゴンスキャナ232は、視野244にわたって変化するサンプリング密度(例えば、分解能)を有するように構成され得る。例えば、サンプリング密度は、ファセット236間の相対的な長さおよび角度に基づいて構成され得る。例えば、ポリゴンスキャナ300、400、500、600、700、800などの様々なポリゴンスキャナに関連して本明細書に記載されるように、ファセット236のうち、少なくとも2つの第1ファセット236は、ファセット236のうち、少なくとも2つの第2ファセット236よりも短い長さを有し得る。第1ファセット236は、第2ファセット236の第2視野よりも小さい第1視野を有し得、送信されたビーム242が第2視野よりも第1視野にわたってより稠密にスイープされるようにする。ポリゴンスキャナ232のファセット236の数は、6以上12以下であり得、ファセット236の数を増加させると、より大きなスキャンラインが許容されると同時にポリゴンスキャナ232の体積および質量が増加できる。
【0093】
送信されたビーム242は、ポリゴンスキャナ232から出力され、オブジェクト(図示せず)によってリターンビーム248(例えば、リターン信号)として反射されるか、または散乱され得る。リターンビーム248は、サーキュレータ228を含み得る受信経路上で受信され、ミキサー260に提供され得る。
【0094】
ミキサー260は、90度の光ハイブリッド(Optical Hybrid)のような光ハイブリッドであり得る。ミキサー260は、基準ビーム212およびリターンビーム248を受信し、基準ビーム212およびリターンビーム248をミックスして基準ビーム212およびリターンビーム248に応答して信号264を出力することができる。信号264は、同相(In-Phase、I)成分268および直交(Quadrature、Q)成分272を含み得る。
【0095】
LIDARシステム200は、ミキサー260から信号264を受信する受信機276を含み得る。受信機276は、電子信号(例えば、無線周波数信号)であり得る信号264に応答して信号280を生成し得る。受信機276は、信号264に応答して信号280を出力する1つ以上の光検出器を含み得る。
【0096】
LIDARシステム200は、
図1aを参照して説明した車両制御システム120の特徴を用いて具現できる処理システム290を含み得る。処理システム290は、信号280などのリターンビーム248に関して受信されたデータを処理して距離および速度のようなオブジェクトに関するパラメータを決定できる。処理システム290は、モーター240を制御してポリゴンスキャナ232の回転速度を制御するように、スキャン信号を提供してポリゴンスキャナ232の動作を制御できるスキャナコントローラ292を含み得る。処理システム290は、リターンビーム248を処理することに関連するドップラーシフトの符号および大きさと他の任意の補正とともにこれに基づいて補正された距離を決定できるドップラー補償器294を含み得る。処理システム290は、変調器214を駆動するために1つ以上の電気信号を送信することができる変調器コントローラ296を含み得る。
【0097】
処理システム290は、LIDARシステム200が設置された車両の動作を制御するために(例えば、車両の完全または半自律的な制御を提供するために)車両コントローラ298を含むか、またはこれと通信可能に結合され得る。
例えば、車両コントローラ298は、LIDARシステム200または車両の制御回路のうち、少なくとも1つによって具現できる。車両コントローラ298は、処理システム298によって決定されたオブジェクトまでの距離またはオブジェクトの速度のうち、少なくとも1つに応答して車両の動作を制御できる。例えば、車両コントローラ298は、車両の速度または方向のうち、少なくとも1つを制御するために車両のステアリングシステムまたはブレーキシステムのうち、少なくとも1つに制御信号を送信することができる。
【0098】
図3は、ポリゴンスキャナ300およびこのポリゴンスキャナ300を使用して達成される(例えば、送信されたビーム242の)スキャンラインのチャート350の一例を示す。ポリゴンスキャナ300は、
図2を参照して説明したポリゴンスキャナ232の特徴を統合し、これを具現するために使用できる。ポリゴンスキャナ300は、凸形であり得る。ポリゴンスキャナ300は、第1ファセット304aおよび第2ファセット304bを含むファセット304を含む。
図3に示すように、第1ファセット304aおよび第2ファセット304bは、ポリゴンスキャナ300の周りに3つの第1ファセット304aおよび3つの第2ファセット304bが順に交互に配列される。ポリゴンスキャナ304は、三角形ポリゴンスキャナ(破線の輪郭を参照)と類似しており、この三角形ポリゴンスキャナのコーナーがなくなり、第2ファセット304bとなる。ポリゴンスキャナ300は、鋳造、ミーリング、またはモールディングなどのソリッドボディ(Solid Body)として形成されたり、一緒に積層されて接合される(個々に鋳造、ミーリング、またはモールディングできる)下位構成要素のアセンブリとして形成され得る。
【0099】
第1ファセット304aは、第1角度308aおよび第1長さ312aを定義し、第2ファセット304bは、第2角度308bおよび第2長さ312bを定義する。角度308a、308bは、ポリゴンスキャナ300の中心302からそれぞれのファセット304のエッジ(例えば、隣接するファセット304との交差点)として定義され得る。長さ312a、312bは、エッジ間のファセット304の表面に沿って定義され得る。第1角度308aは、第2角度308bよりも大きく、第1長さ312aは、第2長さ312bよりも大きい。例えば、第1角度308aは、90度であることがあり、第2角度308bは、30度であることもある。これにより、第1ファセット304aは、第2ファセット304bによって定義された第2視野316b(例えば、60度)よりも大きい第1視野316a(例えば、180度)を定義し得る。
【0100】
チャート350に示すように、第1ファセット304aは、第2ファセット304bによって定義された第2視野316bに対してより大きい方位角の範囲に沿って相対的により大きい第1視野316aを定義する。視野は、(鎖線で区切られる)重畳部分354を有し得、これは、第2ファセット304bではなく、第1ファセット304aによってサンプリングされた外側部分に対して第1および第2ファセット304をすべて使用してサンプリングされた方位角視野の中心部分であり得る。方位角の関数としてより大きなサンプリング密度は、相対的により長い第1ファセット304aおよび相対的により短い第2ファセット304bからのスキャンラインの重なりによって達成できる。このように、ポリゴンスキャナ300は、ポリゴンスキャナ300の全体視野の特定の部分、例えば、自律走行車両の動作を改善するために使用できる部分について、より大きな信号対雑音比を有するデータを選択的にキャプチャするために使用できる。
【0101】
図4は、ポリゴンスキャナ400およびこのポリゴンスキャナ400を使用して達成される(例えば、送信されたビーム242の)スキャンラインのチャート450の一例を示す。ポリゴンスキャナ400は、(例えば、三角形ポリゴンスキャナと類似の)ポリゴンスキャナ300と類似しており、凹形フォームファクタ(Form Factor)を有し得る(例えば、複数の凹部を含み得る)。ポリゴンスキャナ400は、第1長さ408a、第1角度412a、および第1視野416aを定義する第1ファセット404a(例えば、3つの第1ファセット404a)および第1長さ408aよりも小さい第2長さ408b、第1角度412aよりも小さい第2角度412b、および第1視野416aよりも小さい第2視野416bを定義する第2ファセット404b(例えば、3つの第2ファセット404b)を含むファセット404を含み得る。例えば、第1角度412aは、90度であることがあり、第2角度412aは、30度であることがあり、第1視野416aは、180度であることがあり、第2視野416bは、60度であることがあり、60度の重畳部分454を提供し得る。
【0102】
図5は、ポリゴンスキャナ500およびこのポリゴンスキャナ500を使用して達成される(例えば、送信されたビーム242の)スキャンラインのチャート550の一例を示す。ポリゴンスキャナ500は、ポリゴンスキャナ232、300、400の特徴を統合でき、ポリゴンスキャナ232を具現するために使用できる。ポリゴンスキャナ500は、凸形であり得る。ポリゴンスキャナ500は、第1ファセット504a(例えば、4つの第1ファセット504a)および第2ファセット504b(例えば、4つの第2ファセット504b)を含むファセット504を含む。ポリゴンスキャナ500は、正方形のポリゴンスキャナ(破線の輪郭を参照)と類似しており、この正方形のポリゴンスキャナのコーナーがなくなり、第2ファセット504bとなる。
【0103】
第1ファセット504aは、第1角度508a、第1長さ512a、および第1視野516aを定義し、第2ファセット504bは、第1角度508aよりも小さい第2角度508b、第1長さ512aよりも小さい第2長さ512b、および第1視野516aよりも小さい第2視野516bを定義する。例えば、第1角度508aは、60度であることがあり、第1視野516aは、120度であることがあり、第2角度508bは、30度であることがあり、第2視野516bは、60度であることがあり、60度の重畳部分554を提供し得る。
【0104】
図6は、ポリゴンスキャナ600およびこのポリゴンスキャナ600を使用して達成される(例えば、送信されたビーム242の)スキャンラインのチャート650の一例を示す。ポリゴンスキャナ600は、(例えば、正方形のポリゴンスキャナと類似の)ポリゴンスキャナ500と類似しており、凹形フォームファクタを有し得る。ポリゴンスキャナ600は、第1長さ608a、第1角度612a、および第1視野616aを定義する第1ファセット604a(例えば、4つの第1ファセット604a)および第1長さ608aよりも小さい第2長さ608b、第1角度612aよりも小さい第2角度612b、および第1視野616aよりも小さい第2視野616bを定義する第2ファセット604b(例えば、4つの第2ファセット604b)を含むファセット604を含み得る。例えば、第1角度612aは、60度であることがあり、第2角度612aは、30度であることがあり、第1視野616aは、120度であることがあり、第2視野616bは、60度であることがあり、60度の重畳部分654を提供し得る。
【0105】
図7は、ポリゴンスキャナ700およびこのポリゴンスキャナ700を使用して達成される(例えば、送信されたビーム242の)スキャンラインのチャート750の一例を示す。ポリゴンスキャナ700は、ポリゴンスキャナ232、300、400、500、600の特徴を統合でき、ポリゴンスキャナ232を具現するために使用できる。ポリゴンスキャナ700は、凸形であり得る。ポリゴンスキャナ700は、第1ファセット704a(例えば、5つの第1ファセット504a)および第2ファセット704b(例えば、5つの第2ファセット704b)を含むファセット704を含む。ポリゴンスキャナ700は、五角形のポリゴンスキャナ(破線の輪郭を参照)と類似しており、五角形のポリゴンスキャナのコーナーがなくなり、第2ファセット704bとなる。
【0106】
第1ファセット704aは、第1角度708a、第1長さ712a、および第1視野716aを定義し、第2ファセット704bは、第1角度708aよりも小さい第2角度708b、第1長さ712aよりも小さい第2長さ712b、および第1視野716aよりも小さい第2視野716bを定義する。例えば、第1角度708aは、48度であることがあり、第1視野716aは、96度であることがあり、第2角度708bは、24度であることがあり、第2視野716bは、48度であることがあり、48度の重畳部分754を提供し得る。
【0107】
図8は、ポリゴンスキャナ800およびこのポリゴンスキャナ800を使用して達成される(例えば、送信されたビーム242の)スキャンラインのチャート850の一例を示す。ポリゴンスキャナ800は、(例えば、五角形のポリゴンスキャナと類似の)ポリゴンスキャナ700と類似しており、凹形フォームファクタを有し得る。ポリゴンスキャナ800は、第1長さ808a、第1角度812a、および第1視野816aを定義する第1ファセット804a(例えば、5つの第1ファセット804a)および第1長さ808aよりも小さい第2長さ808b、第1角度812aよりも小さい第2角度812b、および第1視野816aよりも小さい第2視野816bを定義する第2ファセット804b(例えば、5つの第2ファセット804b)を含むファセット804を含み得る。例えば、第1角度812aは、48度であることがあり、第2角度812aは、24度であることがあり、第1視野816aは、96度であることがあり、第2視野816bは、48度であることがあり、48度の重畳部分654を提供し得る。
【0108】
図9は、順方向904に移動し、ポリゴンスキャナ908を含む車両900(例えば、自律走行車両100)および順方向954に移動し、2つのポリゴンスキャナ958a、958b(ポリゴンスキャナ958と総称する)を含む車両950(例えば、自律走行車両100)の一例を示す。ポリゴンスキャナ908、958は、LIDARシステム200の一部として具現でき、ポリゴンスキャナ300、400、500、600、700、800のような本明細書に記載の様々なポリゴンスキャナを使用して具現できる。車両900、950は、自律トラックを含む自律走行車両(例えば、完全または部分的な自律走行方式で(すなわち、人間の相互作用なしに)動作できる自律走行車両)であり得る。
【0109】
車両900は、中央位置にポリゴンスキャナ908を含み得、ポリゴンスキャナ908の視野912が車両900に対して方位角をスイープするように前方に延長される。ポリゴンスキャナ908は、視野912が少なくとも部分的に車両900の前方にある相対的に高分解能またはサンプリング密度の重畳領域916を有するように車両900に取り付けられ、車両に対して 指向される。ポリゴンスキャナ908は、車両900の様々な位置に位置し得る。例えば、車両900によって行われるより複雑な操作に近接する可能性があるオブジェクトに関する情報を検出するために重畳領域916を指向する。左折を行うための情報をサンプリングするためにポリゴンスキャナ908は、車両900の左側に位置する。
【0110】
車両950は、車両950の左側の第1ポリゴンスキャナ958aと、車両950の右側の第2ポリゴンスキャナ958bと、を含み得る。第1ポリゴンスキャナ958aは、重畳領域966aを含む第1視野962aを有し得、第2ポリゴンスキャナ958bは、重畳領域966bを含む第2視野962bを有し得、各重畳領域は、車両950の前方に延びているように示されている。ポリゴンスキャナ958は、車両950のすぐ前のサンプリング密度をより容易に増加させることができる重畳領域970が視野962a、962bの間に形成されるように位置し得るか、または(例えば、方向954に対して側方領域からサンプリングを増加させるように)視野962a、962bが重畳しないように、さらに離隔して位置し得る。
【0111】
以上、一部の例示的な実施形態を説明したが、前述の実施形態は、例示的であって、限定的なものではなく、例として提示されていることが明らかである。特に、本明細書に提示される多くの例が方法動作またはシステム要素の特定の組み合わせを含むが、これらの動作および要素は、同じ目的を達成するために異なる方法で組み合わせることができる。1つの実施形態に関して説明された動作、要素、および特徴は、他の実施形態の類似の機能から排除されるように意図されたものではない。
【0112】
本明細書で使用される表現および用語は、説明のためのものであって、限定するものと見なされるべきではない。本明細書において、「含む」、「備える」、「有する(Containing)」、「関連する(Involving)」、「~を特徴とする(Characterized by)」、「~であることを特徴とする(Characterized in that)」およびこれらの変形の使用は、その後に列挙される項目、この均等物および追加の項目だけでなく、その後に列挙される項目からなる代替の実施形態を排他的に含むように意図される。1つの実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、説明された要素、動作、またはコンポーネントのうちの1つ、複数のそれぞれの組み合わせ、またはすべてからなる。
【0113】
本明細書で単数形で言及されたシステムおよび方法の実施形態または要素または動作についての任意の言及は、複数のこれらの要素を含む実施形態も含み得、本明細書で任意の実施形態または要素または動作についての複数形の言及は、単一の要素のみを含む実施形態も含み得る。単数形または複数形の言及は、現在開示されているシステムまたは方法、これらのコンポーネント、動作または要素を単数または複数の構成に限定しようとする意図ではない。任意の情報、動作、または要素に基づく任意の動作または要素についての言及は、動作または要素が任意の情報、動作、または要素に少なくとも部分的に基づく実施形態を含み得る。
【0114】
本明細書に開示されている実施形態は、任意の他の具現形態または実施形態と結合され得、「一実施形態」、「一部の実施形態」、「1つの実施形態」などは、必ずしも相互に排他的なものではなく、実施形態と関連して説明した特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの具現形態または実施形態に含まれ得ることを示すためのものである。本明細書で使用されるこれらの用語は、必ずしもすべて同じ実施形態を示すものではない。任意の実施形態は、本明細書に開示されている態様および実施形態と符合する任意の方法で包括的または排他的に任意の他の実施形態と結合され得る。
【0115】
図面、詳細な説明、または任意の請求項の技術的特徴に参照符号が付随する場合、参照符号は、図面、詳細な説明および特許請求の範囲の理解を高めるために含まれている。したがって、参照符号の有無は、任意の請求項の要素の範囲にいかなる限定的な効果も有しない。
【0116】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、その特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化できる。追加の相対的な平行、直角、垂直、または他の位置設定または指向の説明は、純粋な垂直、平行または直角位置設定の+/-10%または+/-10度内の変動を含む。「おおよそ」、「約」、「実質的に」、または程度に関する他の用語についての言及は、明示的に別段の指示がない限り、与えられた測定値、単位または範囲から+/-10%の変動を含む。結合された要素は、直接または介在要素を使用して電気的、機械的、または物理的に互いに結合され得る。したがって、本明細書に記載のシステムおよび方法の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって表され、特許請求の範囲の均等論の意味および範囲内にある変更が含まれる。
【0117】
「結合される」という用語およびその変形は、2つの部材を互いに直接的または間接的に結合することを含む。このような結合は、固定的(例えば、永久的または固定された)または移動可能な(例えば、除去可能または分離可能な)ものであり得る。この結合は、互いに直接結合された2つの部材、別の介在部材、および互いに結合された任意の追加の中間部材を用いて互いに結合された2つの部材、または2つの部材のうちの1つと単一の統合体として一体に形成された介在部材を用いて互いに結合された2つの部材で達成され得る。 「結合される」またはその変形が追加の用語によって修飾される場合(例えば、「直接結合される」場合)、上に提供された「結合される」の一般的な定義は、追加の用語の平文(Plain Language)の意味(例えば、「直接結合される」とは、別個の介在部材のない2つの部材の結合を意味する)によって限定され、上で提供された「結合される」の一般的定義よりも狭い定義となる。このような結合は,機械的、電気的、または流体的であり得る。
【0118】
「または」についての言及は、「または」を用いて説明された任意の用語は、説明された用語のうちの1つ、複数、またはすべてを包括するものと解釈することができる。「「A」または「B」のうち、少なくとも1つ」についての言及は、「A」のみ、「B」のみ、および「A」と「B」の両方を含み得る。「含む/備える」または他の開放型用語とともに使用されるこのような言及は、追加の項目を含み得る。
【0119】
様々な要素の大きさ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、装着配列、材料の使用、色、指向の変化のような説明された要素および動作の修正は、本明細書に開示される内容の教示および利点から実質的に逸脱することなく発生する可能性がある。例えば、一体に形成されたものとして示した要素は、多数の部分または要素から構成され得、要素の位置は、反転または変更でき、個々の要素または位置の特性または数は、変動または変更できる。本開示の範囲から逸脱することなく、開示された要素および動作の設計、動作条件および配列における他の代替、修正、変更および省略もまた行われ得る。
【0120】
本明細書において要素の位置(例えば、「上部」、「下部」、「上に」、「下に」)についての言及は、単に図面における様々な要素の指向を説明するために使用される。様々な要素の指向は、他の例示的な実施形態によって異なり得、このような変動は、本開示に含まれることに留意されたい。