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特許7353629圧縮固化タオル及び圧縮固化タオルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】圧縮固化タオル及び圧縮固化タオルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/02 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
A47K10/02 Z
A47K10/02 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019200899
(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公開番号】P2021074047
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1)展示会での発表 〔展示日〕令和1年9月3日~6日 〔展示会名、開催場所〕第88回東京インターナショナル・ギフト・ショー 東京ビックサイト 〔公開者〕福場 英治 〔出品内容〕特願2019-200899に係る圧縮固化タオル及び圧縮固化タオルの製造方法を出品した。
(73)【特許権者】
【識別番号】592070742
【氏名又は名称】株式会社光
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】福場 英治
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-023346(JP,A)
【文献】登録実用新案第3143937(JP,U)
【文献】登録実用新案第3123350(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0162464(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のタオルが圧縮状態で固められている圧縮固化タオルであって、
平面視で成形対象物の外郭形状に近似する外郭形状を周縁部に形成した上面部、前記上面部の周縁部から全周に亘り垂直壁面を形成した側面部、及び、前記上面部と垂直方向の厚みが略同じ厚さになるように形成された底面部とを有し、
前記上面部の表面形状は、前記タオルが上面部の中心部から周縁方向にまんべんなく引っ張られ拡げられた状態で、前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部が形成され、
前記上面部の凹凸形状部に合わせて前記成形対象物の特徴を際立たせるための図柄が着色されて描かれており、
つ、圧縮固化状態を解放させた後も前記圧縮固化状態における前記成形対象物の図柄がそのまま変形なく維持されることを特徴とする圧縮固化タオル。
【請求項2】
1枚のタオルを、圧縮固化タオルの上面の広さと略同じ広さを有する上面となるように、かつ前記上面に皺や重なりが生じないようにして、複数層に折り畳んだタオルをつくるタオル折り畳み工程と、
平面視で前記圧縮固化タオルの外郭形状に一致する内周壁の形状を有する筒状体と、前記筒状体の内周壁面に外周壁面が接しかつ成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部を形成した下型の上面とから形成される略筒状の空間に、前記折り畳んだタオルの上面側を下向きにして、前記折り畳んだタオルを前記下型の上面に当てて、かつ前記タオルの平面視の中心部から下方向及び周縁方向に押し込みかつまんべんなく引っ張り拡げて、前記タオルを前記下型の上面の凹凸形状部に押し込むタオル押し込み工程と、
前記下型の上面の凹凸形状部に垂直方向で対応させた位置に前記下型の凹凸形状部とは上下方向で逆向きの、なだらかな傾斜面を有する凹凸形状部を形成した下面を有する上型を下降させて、押圧された前記折り畳みタオルが固化するまで加圧を加える圧縮固化工程と、
前記圧縮固化工程後、前記上型及び前記筒状体を上昇させて、圧縮固化タオルを露出させた状態で取り出す圧縮固化後取出し工程と、
前記圧縮固化タオルに前記成形対象物の特徴を際立たせるための、予め塗布位置及び塗布色を設定したインク塗布手段との位置関係を予め定めた位置に固定し、かつ前記圧縮固化タオルの平面視の外郭形状に内周縁形状を一致させた穴部を設けた位置決め治具に前記圧縮固化タオルを嵌入する圧縮固化タオル位置決め工程と、
前記位置決めされた圧縮固化タオルを前記インク塗布手段により印刷する印刷工程と、
前記印刷工程後、圧縮固化タオルを前記位置決め治具から取り出す印刷後取出し工程と、を備えることを特徴とする圧縮固化タオル製造方法。
【請求項3】
1枚のタオルを、圧縮固化タオルの上面の広さと略同じ広さを有する上面となるように、かつ前記上面に皺や重なりが生じないようにして、複数層に折り畳んだタオルをつくるタオル折り畳み工程と、
平面視で前記圧縮固化タオルの外郭形状に一致する内周壁の形状を有する筒状体と、前記筒状体の内周壁面に外周壁面が接し、かつ上型の下面部の成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部に垂直方向で対応させた位置に前記上型の凹凸形状部とは上下方向で逆向きの、なだらかな傾斜面を有する凹凸形状部を上面に形成した下型の上面とから形成される略筒状の空間に、前記折り畳んだタオルの上面側を上向きにして、前記折り畳んだタオルを前記下型の上面の凹凸形状部に押し込むタオル押し込み工程と、
前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部を形成した下面を有する上型を下降させて、押圧された前記折り畳みタオルが固化するまで加圧を加える圧縮固化工程と、
前記圧縮固化工程後、前記上型及び前記筒状体を上昇させて、圧縮固化タオルを露出させた状態で取り出す圧縮固化後取出し工程と、
前記圧縮固化タオルに前記成形対象物の特徴を際立たせるための、予め塗布位置及び塗布色を設定したインク塗布手段との位置関係を予め定めた位置に固定し、かつ前記圧縮固化タオルの平面視の外郭形状に内周縁形状を一致させた穴部を設けた位置決め治具に前記圧縮固化タオルを嵌入する圧縮固化タオル位置決め工程と、
前記位置決めされた圧縮固化タオルを前記インク塗布手段により印刷する印刷工程と、
前記印刷工程後、圧縮固化タオルを前記位置決め治具から取り出す印刷後取出し工程と、を備えることを特徴とする圧縮固化タオル製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タオルを、クマやタヌキ等の動物、クローバー等の植物、人物、車や新幹線等の乗り物、富士山等の山、あるいは、ダルマやコケシ等の人形等の形に近似した形態にする圧縮固化タオル及び圧縮固化タオルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、成形対象物の外郭形状に近似する平面非円形状であり、凹んだ下面に小凸部成形型部を有する上型本体部を、該上型本体部よりも大径の上型支持部の下側に設けて形成したところの上型と、前記成形対象物の外郭形状に近似し平面非円形状である下型本体部の上面に隆起状成形型部を突設し、下型本体部を、該下型本体部よりも大径の下型支持部の上側に設けて形成したところの下型と、前記成形対象物の外郭形状と近似する内周面形状を有し且つ下端部を下型本体部に着脱自在に嵌着し、而も上端部から上型本体部を嵌入させる筒型とによって成形された圧縮固化タオルであって、前記成形対象物の外郭形状に近似する平面非円形状の筒状外周面と、膨出面から前記成形対象物の特徴的な造形を表す小凸部を突設した正面と、窪みを有する背面と、を備える圧縮固化タオルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-23346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明は、クマの顔等の外郭形状に近似した外郭形状を有する圧縮固化タオルであるが、図15に示すように、圧縮固化タオル60の上面部の一部に生地が重なり合ったままで圧縮固化されているというシワの個所W1が生ずるので、前記シワの重なり合った状態で図柄を印刷すると、圧縮固化状態では図15に示すように図柄30にはズレがないが、水等で圧縮固化状態から解放して拡げたタオル61にしたときには、図16に示すように、前記重なり合った個所が拡げられて印刷のない個所W2が表面にでるのでて図柄30aとなり、前記図柄30aにズレが生じて商品として成り立たないという問題があった。
【0005】
また、図17に示すように、圧縮固化する前の工程で折り畳む前の四角形の状態のタオル53に例えば富士山の図柄55を印刷すると、この印刷したタオル53を折り畳んで圧縮固化させると、図18(a)に示すように圧縮固化タオル54の上面の外郭枠の中に図柄55が収まることが少なく、図18(b)に示すように圧縮固化タオル54の上面において図柄55が右上にズレたり、図18(c)に示すように圧縮固化タオル54の上面において図柄55が左下にズレて商品として成り立たないという問題があった。
【0006】
本発明はこうした問題に鑑み想到されたもので、成形対象物の外郭形状に近似した外郭形状を有する圧縮固化タオルの上面部に印刷された図柄を、圧縮状態から解放状態にしたときもタオルに印刷された図柄には、ズレが生じない圧縮固化タオル及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の圧縮固化タオルは、1枚のタオルが圧縮状態で固められている圧縮固化タオルであって、平面視で成形対象物の外郭形状に近似する外郭形状を周縁部に形成した上面部、前記上面部の周縁部から全周に亘り垂直壁面を形成した側面部、及び、前記上面部と垂直方向の厚みが略同じ厚さになるように形成された底面部とを有し、前記上面部の表面形状は、前記タオルが上面部の中心部から周縁方向にまんべんなく引っ張られ拡げられた状態で、前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部が形成され、前記上面部の凹凸形状部に合わせて前記成形対象物の特徴を際立たせるための図柄が着色されて描かれており、かつ、前記圧縮固化状態を解放させた後も前記圧縮固化状態における前記成形対象物の図柄がそのまま変形なく維持されることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の圧縮固化タオルは、1枚のタオルが圧縮状態で固められている圧縮固化タオルであって、平面視で成形対象物の外郭形状に近似する外郭形状を周縁部に形成した上面部、前記上面部の周縁部から全周に亘り垂直壁面を形成した側面部、及び、前記上面部と垂直方向の厚みが略同じ厚さになるように形成された底面部とを有し、前記上面部の表面形状は、前記タオルが上面部の中心部から周縁方向にまんべんなく引っ張られ拡げられた状態で、前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部が形成され、前記上面部の凹凸形状部に合わせて前記成形対象物の特徴を際立たせるための図柄が着色されて描かれており、かつ、圧縮固化状態を解放させた後も前記圧縮固化状態における前記成形対象物の図柄がそのまま変形なく維持されることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の圧縮固化タオル製造方法は、1枚のタオルを、圧縮固化タオルの上面の広さと略同じ広さを有する上面となるように、かつ前記上面に皺や重なりが生じないようにして、複数層に折り畳んだタオルをつくるタオル折り畳み工程と、平面視で前記圧縮固化タオルの外郭形状に一致する内周壁の形状を有する筒状体と、前記筒状体の内周壁面に外周壁面が接しかつ成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部を形成した下型の上面とから形成される略筒状の空間に、前記折り畳んだタオルの上面側を下向きにして、前記折り畳んだタオルを前記下型の上面に当てて、かつ前記タオルの平面視の中心部から下方向及び周縁方向に押し込みかつまんべんなく引っ張り拡げて、前記タオルを前記下型の上面の凹凸形状部に押し込むタオル押し込み工程と、前記下型の上面の凹凸形状部に垂直方向で対応させた位置に前記下型の凹凸形状部とは上下方向で逆向きの、なだらかな傾斜面を有する凹凸形状部を形成した下面を有する上型を下降させて、押圧された前記折り畳みタオルが固化するまで加圧を加える圧縮固化工程と、前記圧縮固化工程後、前記上型及び前記筒状体を上昇させて、圧縮固化タオルを露出させた状態で取り出す圧縮固化後取出し工程と、前記圧縮固化タオルに前記成形対象物の特徴を際立たせるための、予め塗布位置及び塗布色を設定したインク塗布手段との位置関係を予め定めた位置に固定し、かつ前記圧縮固化タオルの平面視の外郭形状に内周縁形状を一致させた穴部を設けた位置決め治具に前記圧縮固化タオルを嵌入する圧縮固化タオル位置決め工程と、前記位置決めされた圧縮固化タオルを前記インク塗布手段により印刷する印刷工程と、前記印刷工程後、圧縮固化タオルを前記位置決め治具から取り出す印刷後取出し工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項3に記載の圧縮固化タオル製造方法は、1枚のタオルを、圧縮固化タオルの上面の広さと略同じ広さを有する上面となるように、かつ前記上面に皺や重なりが生じないようにして、複数層に折り畳んだタオルをつくるタオル折り畳み工程と、平面視で前記圧縮固化タオルの外郭形状に一致する内周壁の形状を有する筒状体と、前記筒状体の内周壁面に外周壁面が接し、かつ上型の下面部の成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部に垂直方向で対応させた位置に前記上型の凹凸形状部とは上下方向で逆向きの、なだらかな傾斜面を有する凹凸形状部を上面に形成した下型の上面とから形成される略筒状の空間に、前記折り畳んだタオルの上面側を上向きにして、前記折り畳んだタオルを前記下型の上面の凹凸形状部に押し込むタオル押し込み工程と、前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部を形成した下面を有する上型を下降させて、押圧された前記折り畳みタオルが固化するまで加圧を加える圧縮固化工程と、 前記圧縮固化工程後、前記上型及び前記筒状体を上昇させて、圧縮固化タオルを露出させた状態で取り出す圧縮固化後取出し工程と、前記圧縮固化タオルに前記成形対象物の特徴を際立たせるための、予め塗布位置及び塗布色を設定したインク塗布手段との位置関係を予め定めた位置に固定し、かつ前記圧縮固化タオルの平面視の外郭形状に内周縁形状を一致させた穴部を設けた位置決め治具に前記圧縮固化タオルを嵌入する圧縮固化タオル位置決め工程と、前記位置決めされた圧縮固化タオルを前記インク塗布手段により印刷する印刷工程と、 前記印刷工程後、圧縮固化タオルを前記位置決め治具から取り出す印刷後取出し工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の本発明の圧縮固化タオル製造方法は、平面視で圧縮固化タオルの外郭形状が凹凸部位が多い形状であって、かつ圧縮固化タオルの上面に突起的な複数の凹凸部を有する凹凸形状部がある場合であっても、前記成形対象物の特徴を表した凹凸形状部に合わせた着色をした図柄と、圧縮固化状態から解放してタオルを拡げたときに表れた図柄とを、ズレを生じさせないで同じ図柄にすることができる。
【0012】
請求項3に記載の本発明の圧縮固化タオル製造方法は、平面視で圧縮固化タオルの外郭形状が凹凸部位が少ない形状であって、かつ圧縮固化タオルの上面になだらかな複数の凹凸部を有する凹凸形状部がある場合において、前記成形対象物の特徴を表した凹凸形状部に合わせた着色をした図柄と、圧縮固化状態から解放してタオルを拡げたときに表れた図柄とを、ズレを生じさせない同じ図柄にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ネコを成形対象物とした本発明の圧縮固化タオルの着色前の状態を示す斜視図である。
図2】ネコを成形対象物とした本発明の圧縮固化タオルの着色前の状態を示す平面図である。
図3】ネコを成形対象物とした本発明の圧縮固化タオルの着色後の状態を示す平面図である。実物はカラー印刷されているのを本図面では白黒で表現されている。
図4】本発明の圧縮固化タオル製造方法を説明するフロー図である。
図5】下型と筒状体で構成された空間に折り畳んだタオルを挿入した状態の説明図である。
図6】タオル押込み工程における押込み方法の説明図である。
図7】圧縮固化タオルの上面部が下型の上面の凹凸形状部で形成される場合における、下型と筒状体に押し込まれたタオルに向けて下降する上型の下降前の状態の説明図である。
図8】インク塗布するときに圧縮固化タオルを位置決めする位置決め治具の説明図である。
図9図2における圧縮固化タオルのA-A断面の断面の説明図である。
図10図9における断面を上下方向で凹凸状態を逆にしたときの断面を説明する断面図である。
図11】圧縮固化タオルの上面部が下型の上面の凹凸形状部で形成される場合における、図10の断面形状を成形するための上型及び下型の断面形状の説明図である。
図12】1枚のタオルを折りたたむ過程の平面視の説明図で、(a)が折り畳み前の状態の説明図で、(b)が3分割で折り畳んだ状態の説明図で、(c)がさらに3分割で折り畳んだ状態の説明図である。
図13図12で折り畳んだ状態のタオルの横方向からの説明図で、(a)が上面に皺などが生じないように折り畳んだ状態の説明図で、(b)が(a)の前記タオルを上下で逆にした状態の説明図である。
図14】上面に着色して図柄を描いた圧縮固化タオルを解放した後の1枚のタオルとして拡げたときの説明図である。
図15】押込み作業をしないで圧縮固化された場合に生じる、上面に重なり個所が生じた圧縮固化タオルの説明図である。
図16図15の圧縮固化タオルを解放させて拡げたタオルの図柄がズレた状態の説明図である。
図17】折り畳む前のタオルの略中央部に図柄を印刷したタオルの説明図である。
図18】図柄を印刷済みの図17のタオルを圧縮固化させた圧縮固化タオルの説明図で、(a)が図柄がズレていない場合の説明図で、(b)及び(c)は図柄がズレてしまった場合の説明図である。
図19】圧縮固化タオルの上面部が上型の下面の凹凸形状部で形成される場合における、図9の断面形状を成形するための上型及び下型の断面形状の説明図である。
図20】圧縮固化タオルの上面部が上型の下面の凹凸形状部で形成される場合における、下型と筒状体に押し込まれたタオルに向けて下降する上型の下降前の状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の圧縮固化タオル1は、図3に示すように、ネコ、クマ又はタヌキ等の動物、クローバー等の植物、人物、車や新幹線等の乗り物、富士山等の山、あるいは、ダルマやコケシ等の人形等の外観の形態を1枚のタオルを固めて製作し、かつ、着色もしているので、置物としても、贈答品としても重宝され、さらに水や湯に浸せば圧縮固化状態が解放され、図14に示すように、1枚のタオル52として使用でき、かつ1枚のタオル52の略中央部に前記成形対象物の図柄30がズレなくきれいに印刷されているので、解放後も前記成形対象物の図柄30をタオル52の模様として楽しむことができる。
【0015】
本発明の圧縮固化タオル1は、図1図3図9図10に示すように、1枚のタオルが圧縮状態で固められている圧縮固化タオル1であって、平面視で成形対象物の外郭形状に近似する外郭形状を周縁部に形成した上面部20、前記上面部20の周縁部から全周に亘り垂直壁面を形成した側面部21、及び、前記上面部20と垂直方向の厚みが略同じ厚さになるように形成された底面部22とを有し、前記上面部20の表面形状は、タオルが上面部20の中心部から周縁方向にまんべんなく引っ張られ拡げられた状態で、前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部40が形成され、前記上面部20の凹凸形状部40に合わせて前記成形対象物の特徴を際立たせるための図柄30が着色されて描かれており、かつ、前記圧縮固化状態を解放させた後も前記圧縮固化状態における前記成形対象物の図柄30がそのまま変形なく維持される圧縮固化タオル1である。
【0016】
使用するタオルの生地の色は、成形対象物の図柄30をカラー印刷する場合は生地の色は白色が見栄えが好ましいが、生地の色を限定することなく生地の色と図柄のカラー印刷との見栄えから生地の色を選択すればよい。また、タオルの生地は例えば印刷可能でパイルが圧縮して絡み合う綿が好ましい。
【0017】
本発明の圧縮固化タオル1は、図12(a)に示すように1枚のタオル50が、図1図3に示すように圧縮状態で固められている圧縮固化タオル1、2であって、平面視で成形対象物の外郭形状に近似する外郭形状を周縁部に形成した上面部20、前記上面部20の周縁部から全周に亘り垂直壁面を形成した側面部21、及び、前記上面部20と垂直方向の厚みが略同じ厚さになるように形成された底面部22とを有している。そして、タオル地のパイル同士が絡み合って圧縮されて圧縮固化された形態となるので、前記形態は水分や力を加えない限り維持できる。前記成形対象物としては、例えば、クマやネコ等の動物、富士山等の山等を意味し、形状があるものは何でもよい。
【0018】
前記上面部20の表面形状は、前記タオルの上面がその中心部から周縁方向にまんべんなく引っ張られ拡げられた状態で、図9に示すように、前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部40が形成され、前記底面部22の表面形状は、前記上面部20の前記凹凸形状部40の複数の凹凸部に垂直方向でほぼ対応する範囲に、前記上面部20の凹凸部とは上下方向で逆向きの凹凸部を有する凹凸形状部41が斜面がなだらかになるように形成されている。
【0019】
例えば、図2におけるA-A断面における断面は、図9に示すように上面部20には高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を含む凹凸形状部40が形成されている。例えば、図2における鼻Hは図9における凸部Haに該当し、図2における首回りNは図9における凹凸形状部Naに該当し、図2における福の字のある小判付近Fは図9における凹凸形状部Faに該当する。
【0020】
前記上面部20には、図3に示すように、前記成形対象物の特徴を際立たせるための着色が前記凹凸形状部40の形状に合わせて施されて前記成形対象物の図柄30が印刷されており、かつ、前記着色後に圧縮固化状態を解放させた後も、図14に示すように前記圧縮固化状態で着色された前記成形対象物の図柄30をそのまま変形なく維持できる。圧縮固化状態の図柄30と、圧縮固化を解放させて拡げた1枚のタオル52の図柄30とのズレが生じていないのは、圧縮固化タオル1の図柄30を印刷する上面部20を周縁部に満遍なく引っ張ることができ、前記上面部20にタオル生地の重なりやシワを皆無にさせることができたからである。
【0021】
圧縮固化タオル1の形態を図3に示すような1実施例で説明する。使用したタオル50は例えば白色の綿である。例えば、図3に示したネコを成形対象物とした事例は、耳31aは耳介である外周縁は細長い凸形状でその内側は略三角形状の凹形状にしその凹部は赤色に着色し、顔全体を緩やかな曲面の凸形状にし、目31bは前記顔全体の緩やかな傾斜に設けられ、目玉部分を円形状の凸形状にして黒色にかつ目の縁を黒色の線で描き、鼻31cは顔全体の中で最も高くした逆三角形状の凸形状で赤色に着色し、口31dは唇の部分を凹部にして歯を凸部にし該唇を赤色にし、首31eの部分は幅広の円弧状の凹部にし、手31fの部分は略長方形状の凸部にして爪の部分を赤色にし、足31gの部分は略四角形状の凸部にして爪の部分を赤色にし、福の字を印刷した部分31hは緩やかな傾斜の凸形状にし福の字の線の部分のみ細長い凹部にして字の線以外の部分は黄色にして福の字の線の部分を黒色にし、髭31iは細長い凸状にし黒色にする。このように圧縮固化タオル1は、成形対象物を表す特徴を際立たせるための細長い凸部、細長い凹部、略円形状の凸部、円弧状の凹部等の複雑な凹凸形状部40を形成させ、その凹凸形状部40に合わせて着色の印刷がされている。
【0022】
また、圧縮固化タオル1の平面視の外郭形状は、図1図3のいずれかに示すように、両耳31aの間は大きく凹部にし、顔の部分は左右方向が長めの楕円形状にし、首31eの部分は該顔部分の左右方向長さより短くなるように少し凹部にし、足31gの部分の両足間はやや短い凹部にした複雑な外郭形状をしている。
【0023】
次に、図4に示すように、請求項2に記載の圧縮固化タオル製造方法3について説明する。まず、タオル折り畳み工程10である。1枚のタオル50を、立体的な成形対象物の上面の広さと略同じ広さを有する上面となるように、かつ前記上面に皺や重なりが生じないようにして、複数層に折り畳んだタオル5をつくる。
【0024】
折り畳みタオル5の最上面の上面部20及びその近傍にタオルのヘムが来ないようにする折り畳み方であればいずれでもよく、例えば図12(a)に示すように四角形の白地の綿のタオル50を、図12(b)に示すように3等分した大きさになるように折り畳んだタイル51を作り、次に図12(c)に示すようにさらに3等分した大きさになるように折り畳んでタオル5をつくる。すると、図13(a)に示すように折り畳んだタオル5の最上面の上面及び近傍にタオルのヘムが来ないように折り畳むことができる。
【0025】
次に、タオル押し込み工程11aである。前記タオル押し込み工程11aは、図5に示すように、平面視で前記成形対象物の外郭形状に一致する内周壁の形状を有する筒状体7と、前記筒状体7の内周壁面に外周壁面が接しかつ前記成形対象物の特徴を表現した凹凸形状部40Aを形成した下型6の上面とから形成される略筒状の空間28に、図13(a)に示すような前記折り畳んだタオル5の上面部20を図13(b)に示すように下向きにして、図5に示すように前記折り畳んだタオル5を前記空間28に嵌入し、次に図6に示すように、例えば図13(c)のように3層に前記折り畳んだタオル5の両端を上方に拡げて図13(b)に示すような形態に戻す方向で側面視で略U字状に拡げ、拡げた状態における中央域を1層にして下方に押し込みやすくし、前記中央域を下型6の凹凸形状部40Aに向けてかつ前記タオル5を筒状体7の内周壁面方向に拡げるように押し込み力Pで押し込む。そして、押し込んだ後は図7に示すように再び3層(略図13(b)の形態)に戻す。なお、図5に示すように、前記下型6及び前記筒状体7は台9の上面に設けられる。
【0026】
前記タオル5を前記下型6の凹凸形状部40Aの凹部に拡げながらかつ押し込むことが重要であるので、前記タオル5の厚みを、タオル5を上方から押さえこんでタオル5の下面が前記下型6の凹凸形状部40Aの凹部に拡げながら押し込める厚みに一時的に変えることが必要である。そのために一時的に略U字状に拡げている。
【0027】
圧縮固化タオル1の平面視の外郭形状が凹凸の出入りが複数ある複雑な形状で、かつ圧縮固化タオル1の上面部20の凹凸形状部40にも種々の形で種々の大きさの凹凸部を有するが、圧縮固化タオル1の上面部20を下型6の上面の凹凸形状部40Aで形成させることによって、タオル5を前記下型6の上面の凹凸形状部40Aに強く押し付けながら拡げることができ、複雑な外郭形状や複雑な凹凸形状部40の圧縮固化タオル1を実現できた。
【0028】
前記略筒状の空間28に図13(b)に示すような前記折り畳んだタオル5を嵌入した状態では、図5に示すように、下型6の上面の凹凸形状部40Aの凹部とは隙間Gが生じ、この状態で圧縮固化すると、図15に示すように圧縮固化タオル60の上面にシワの個所W1ができる。これを解放すると、図16に示すように、前記シワがあった個所W2に図柄がなく図柄自体が途中で分割されて離隔した図柄30aとなり、図柄の中の本来印刷されるべき個所が途切れて商品としての見栄えが著しく低下する。
【0029】
次に、圧縮固化工程12aである。前記圧縮固化工程12aは、図11(a)及び(b)に示すように、前記下型6の上面の凹凸形状部40Aに垂直方向で対応させ、前記下型6の上面の凹凸形状部40Aに逆向きの凹凸部形状部41Aを形成した下面を有する上型8を、図7に示すように下降させて、前記筒状体7内に嵌入させ、下型6の凹凸形状部40Aに押し込まれた前記折り畳みタオル5をさらに前記下型6の上面及び前記筒状体7の内周壁面に密着させ前記タオル5が固化するまで圧縮固化させるに必要な加圧力で加圧を加える。
【0030】
前記下型6は、図9に示すような圧縮固化タオル2の上面の凹凸形状部40を、図10に示すように上下方向を逆にした圧縮固化タオル2の下面の形状を押圧で形成可能とする凹凸形状部40Aを上面に図11(b)に示すように形成している。これにより折り畳んだタオル5を下型6の上面に押圧すれば、図1図2に示すように平面視で成形対象物の外郭形状に近似する外郭形状を周縁部に形成し、かつ前記成形対象物の特徴を表現した凹凸形状部40を形成した上面部20をつくることができる。前記下型6の材質は例えば前記加圧により変形しない材質であればよい。また、下型6の角部はタオル5が引っかからないようにR形状にしている。
【0031】
前記筒状体7は、平面視で図2に示すような外郭形状に一致する内周面形状を有している。これにより折り畳んだタオル5を筒状体7の内周面に押し付ければ、図1に示すように圧縮固化タオル2の上面部20の周縁部から全周に亘り垂直壁面を形成した側面部21をつくることができる。前記筒状体7の材質は例えば前記加圧により変形しない材質であればよい。
【0032】
前記上型8は、図11(a)に示すように、前記下型6の上面の凹凸形状部40Aに垂直方向で対応させた、前記下型6の上面の凹凸形状部40Aの凹凸部とは逆向きの傾斜がなだらかな凹凸形状部41Aを形成した下面を有する。これにより、折り畳んだタオル5を上型8で上方から押圧を加えれば、前記上面部20と垂直方向の厚みが略同じ厚さになるように形成された底面部22をつくることができる。また、下面の凹凸形状部41Aの下向きの凸部は、加圧時に折り畳んだタオル5を筒状体7内周面方向及び下型6の上面方向に向けて押し付けることができるので、下型7の上面部20の凹凸形状部40Aの凹凸部にしっかりと押し付けられて、圧縮固化タオル1の上面部20が拡げられた状態で狙い通りの前記凹凸形状部40の形状が造られる。前記上型8の材質は例えば前記加圧により変形しない材質であればよい。また、上型8の角部はタオル5が引っかからないようにR形状にしている。
【0033】
前記上型8は、上下方向の昇降を可能にする駆動源(図示なし)で昇降し、圧力はタオルの材質、成形対象物の外郭形状などによって設定する。そして、前記駆動源作動による上型8の下方向の押圧は、前記折り畳みタオル5を前記下型6の上面及び前記筒状体7の内周壁面に押し付けて密着させ前記タオル5が圧縮固化するまで加圧を加える。
【0034】
次に、圧縮固化後取出し工程13である。前記圧縮固化後取出し工程13は、前記圧縮固化工程12a後、前記上型8で前記圧縮固化タオル2を上方から押さえた状態で前記筒状体7を上昇させ、次に前記上型8を上昇させて、圧縮固化タオル2を露出させた状態で取り出す。
【0035】
次に、圧縮固化タオル位置決め工程14である。前記圧縮固化タオル位置決め工程14は、前記圧縮固化タオル2に前記成形対象物の特徴を際立たせるための、予め塗布位置及び塗布色を設定したインク塗布手段(図示なし)との位置関係を予め定めた位置に固定し、かつ図8に示すように、前記圧縮固化タオル2の平面視の外郭形状に内周縁形状を一致させた穴部26を設けた位置決め治具25に前記圧縮固化タオル2を嵌入する。
【0036】
前記位置決め治具25は、例えば図8に示すように、前記圧縮固化タオル2の外郭形状に一致した内周縁の形状を形成した穴部26を有するテンプレートが該当する。そして、生産性を高めるために図8に示すように一つのテンプレートに前記穴部26を複数個設けることができる。
【0037】
前記位置決め治具25と前記インク塗布手段とは相互の位置関係を明確にして固定しているので、前記インク塗布手段からみて前記位置決め治具25に嵌入された圧縮固化タオル2の外郭形状の位置及び成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部の位置を一定とすることができる。
【0038】
次に、印刷工程15である。前記印刷工程15は、前記位置決めされた圧縮固化タオル2を前記インク塗布手段により印刷する。前記インク塗布手段としては、例えば布地用インクジェットプリンターを使用する。前記圧縮固化タオル位置決め工程14で、圧縮固化タオル2の外郭形状や上面の凹凸形状部と、前記インク塗布手段との位置関係は正確に入力されているので、前記インク塗布手段による前記圧縮固化タオル2の上面の凹凸形状部40に対する印刷は前記凹凸形状部40の形状に一致させて印刷することができる。前記印刷後は着色された圧縮固化タオル1ができる。
【0039】
次に、印刷後取出し工程16である。前記印刷後取出し工程16は、前記印刷工程15後、圧縮固化タオル1を前記位置決め治具25から取り出す。これにより、図3に示すような成形対象物の外郭形状を有し、上面部20の成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸部形状部40にカラー着色した圧縮固化タオル1を取り出す。
【0040】
次に、印刷された直後の圧縮固化タオル1は、印刷に使用したインクがまだ乾いていないので、乾燥工程17を通す。この乾燥工程17後に圧縮固化タオル1が完成する。
【0041】
図3に示すような前記圧縮固化タオル1を解放すると、図14に示すような1枚のタオル52の中央には前記圧縮固化タオル1の上面部20の図柄30と同じ図柄30をズレなしで見ることができる。
【0042】
次に、図4に示すように、請求項3に記載の圧縮固化タオル製造方法3について説明する。請求項2における圧縮固化タオル製造方法3aと請求項3における圧縮固化タオル製造方法3bとは、タオル折り畳み工程10、圧縮固化後取出し工程13、圧縮固化タオル位置決め工程14、印刷工程15、印刷後取出し工程16、乾燥工程17は同じ工程である。
【0043】
請求項2に記載の圧縮固化タオル製造方法3aと請求項3に記載の圧縮固化タオル製造方法3bとの違いは、圧縮固化タオル製造方法3aは、圧縮固化タオル1の上面部20が下型6の上面の凹凸形状部40Aで形成され圧縮固化タオル1の底面部22が上型8の下面の凹凸形状部41Aで形成されるのに対して、圧縮固化タオル製造方法3bは、図19図20に示すように、圧縮固化タオル1の上面部20が上型8bの下面の凹凸形状部40Bで形成され圧縮固化タオル1の底面部22が下型6bの上面の凹凸形状部41Bで形成される点である。よって、タオル押し込み工程11b及び圧縮固化工程12bについて説明する。
【0044】
タオル押し込み工程11bは、平面視で前記成形対象物の外郭形状に一致する内周壁の形状を有する筒状体7と、前記筒状体7の内周壁面に外周壁面が接し、かつ上型8bの下面部の前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部40Bに垂直方向で対応させた位置に前記上型8bの凹凸形状部40Bとは上下方向で逆向きの、なだらかな傾斜面を有する凹凸形状部41Bを上面に形成した下型6bの上面とから形成される略筒状の空間に、前記折り畳んだタオル5の上面側を上向きにして、例えば図13(a)に示すような前記折り畳んだタオル5を前記下型6bの上面の凹凸形状部41Bに押し込む。
【0045】
図20に示すように、下型6bの凹凸形状部41Aの凹部と嵌入した折り畳んだタオル5の下面との隙間gが生ずるが、前記折り畳んだタオル5の下面は圧縮固化タオル1又は2の底面部22になるので、シワは発生してもよい。このためタオル押し込み工程11aのような押込みはしなくてもよい。
【0046】
次に、圧縮固化工程12bである。前記圧縮固化工程12bは、前記成形対象物の特徴を表現した高さ及び範囲の異なる複数の凹凸部を有する凹凸形状部40Bを形成した下面を有する上型8bを下降させて、嵌入された前記折り畳みタオル5を前記下型6bの上面及び前記筒状体7の内周壁面に密着させ前記タオル5が固化するまで圧縮固化させるに必要な加圧力で加圧を加える。
【0047】
タオル折り畳み工程10、タオル押し込み工程11b、圧縮固化工程12b、圧縮固化後取出し工程13、圧縮固化タオル位置決め工程14、印刷工程15、印刷後取出し工程16及び乾燥工程17により、圧縮固化タオルが完成する。そして、前記圧縮固化タオル1を解放すると、拡げられた1枚のタオルの中央には前記圧縮固化タオル1の上面部20の図柄と同じ図柄がズレないで見ることができる。
【0048】
前記圧縮固化タオル製造方法3bは、平面視で圧縮固化タオル1の外郭形状が凹凸部位が少ない形状であって、かつ圧縮固化タオル1の上面部20にはなだらかな複数の凹凸部を有する凹凸形状部40を有する場合に適する。
【符号の説明】
【0049】
1 圧縮固化タオル
2 圧縮固化タオル
3 圧縮固化タオル製造方法
5 タオル
6 下型
7 筒状体
8 上型
9 台
10 タオル折り畳み工程
11 タオル押し込み工程
12 圧縮固化工程
13 圧縮固化後取出し工程
14 圧縮固化タオル位置決め工程
15 印刷工程
16 印刷後取出し工程
17 乾燥工程
20 上面部
21 側面部
22 底面部
25 位置決め治具
26 穴部
28 空間
30 図柄
31 着色部
40 凹凸形状部
41 凹凸形状部
50 タオル
51 タオル
52 タオル
53 タオル
54 圧縮固化タオル
55 図柄
60 圧縮固化タオル
61 タオル
G 隙間
g 隙間
H 鼻
N 首回り
F 小判付近
P 押圧
W1 個所
W2 個所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20