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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 5/135 20060101AFI20230925BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20230925BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
H03K5/135
H01L27/04 H
H01L27/04 T
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018191926
(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公開番号】P2019075782
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0133562
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0152061
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジ ヨン
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0286883(US,A1)
【文献】特開2013-089725(JP,A)
【文献】特開2009-153110(JP,A)
【文献】特開2010-118746(JP,A)
【文献】特表2013-527522(JP,A)
【文献】特開2010-109154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 5/04-5/145
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作回路内の第1論理回路に隣接した第1地点に配置された複数の反転ゲートからなる発振周期調整部を含み、第1発振信号を生成する第1リング発振器と、
前記動作回路内の第2論理回路に隣接して前記第1地点とは異なる第2地点に配置された複数の反転ゲートからなる発振周期調整部を含み、第2発振信号を生成する第2リング発振器と、
前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器から出力された前記第1発振信号及び前記第2発振信号に対して、予め定められた論理演算を行って第1クロック信号を生成する検出回路と、
前記検出回路から前記第1クロック信号の提供を受け、前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器のそれぞれに対する遅延調節(delay control)を行って前記動作回路を駆動するための第2クロック信号を生成するキャリブレーション回路と、
を備え、
前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器のそれぞれは、それぞれに含まれる前記発振周期調整部の出力が前記検出回路に入力され、前記検出回路の出力が前記発振周期調整部の入力にフィードバックされるループによって構成され、
前記検出回路で生成された前記第1クロック信号は、前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器のそれぞれに含まれる前記発振周期調整部にフィードバック入力され、
前記キャリブレーション回路で生成された前記第2クロック信号は、前記第1論理回路及び前記第2論理回路に出力され
前記キャリブレーション回路は、
前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器のいずれか一方をイネーブル(enable)するためのイネーブル信号を前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器に提供し、
前記検出回路にリング発振器選択信号を提供して、前記検出回路から前記イネーブル信号によってイネーブルされた方のリング発振器の出力伝達を受け、
前記検出回路は、
第1論理ゲート、第2論理ゲート、第3論理ゲート、及び第4論理ゲートを含み、
前記第1論理ゲート及び前記第2論理ゲートは、前記第1発振信号及び前記第2発振信号に対して第1論理演算及び第2論理演算をそれぞれ行い、
前記第3論理ゲートは、前記第1論理ゲートの出力信号及び前記第4論理ゲートの出力信号に対して第3論理演算を行い、
前記第4論理ゲートは、前記第2論理ゲートの出力信号、前記リング発振器選択信号に対する反転信号、及び前記第3論理ゲートの出力信号に対して第4論理演算を行い、
前記第1論理演算は、AND論理演算であり、
前記第2論理演算は、OR論理演算であり、
前記第3論理演算は、OR論理演算であり、
前記第4論理演算は、AND論理演算であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記キャリブレーション回路は、前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器のそれぞれに対して遅延調節を行うための遅延調節信号を前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器に提供することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器は、それぞれ第1遅延時間単位に発振周期(oscillation period)を調整するための第1発振周期調整部、及び前記第1遅延時間単位よりも小さい第2遅延時間単位に前記発振周期を調整するための第2発振周期調整部を含み、
前記遅延調節信号は、前記第1発振周期調整部及び前記第2発振周期調整部を制御することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記検出回路から前記第1クロック信号の提供を受け、複数のクリティカルパスに対する前記第1クロック信号のタイミングエラー発生の有無を検査するためのクリティカルパスレプリカ回路(Critical Path Replica circuit)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記クリティカルパスレプリカ回路は、予め定められた第1条件を反映する第1クリティカルパスレプリカ(critical path replica)、及び予め定められた第2条件を反映する第2クリティカルパスレプリカを含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1クロック信号は、前記第1発振信号を用いて前記第1論理回路に対する第1動作環境を反映し、前記第2発振信号を用いて前記第2論理回路に対する動作環境を反映することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記キャリブレーション回路に電気的に接続されたルックアップテーブル部をさらに含み、
前記キャリブレーション回路は、前記ルックアップテーブルから予め保存されたデータの提供を受け、前記データに基づいて前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器のそれぞれに対して遅延調節を行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(intergrated circuit、IC)を始めとする半導体回路は、例えば、トランジスタから構成された多数の論理セル(logic cell)または論理回路(logic circuit)を含み、これらの論理セルは、グローバルバラツキ(global variation)及びローカルバラツキ(local variation)によってその性能及び特性が変わる。
【0003】
グローバルバラツキは、製造プロセスパラメータ(production process parameter)、供給電圧(supply voltage)、及び温度(temperature)を意味するPVTによって、半導体回路上に発生するバラツキのことをいう。例えば、半導体回路に提供される供給電圧が増加すると、当該半導体回路の動作周波数も増加することが一般的である。このような半導体回路の性能及び特性の変動はPVTに大きく影響される。
【0004】
一方、ローカルバラツキは、例えば、同一の工程条件下で製造される半導体回路(半導体装置)であっても、当該半導体回路内の位置によって異なるバラツキのことをいう。例えば、半導体回路内の第1地点の温度と第2地点の温度とが大きく異なる場合、第1地点に位置する論理回路と第2地点に位置する論理回路との性能及び特性は互いに異なる。別の例として、半導体回路内で瞬間的に電圧降下が発生した地点に位置する論理回路は、他の地点に位置する論理回路とは性能及び特性が異なる。
【0005】
クロック信号は、発振する電子信号(oscillating electronic signal)であって、半導体回路を駆動させるために必要である。半導体回路で発生するグローバルバラツキ及びローカルバラツキを考慮したクロック信号を生成するためには、当該バラツキが最大となる場合、すなわち最悪の場合(worst case)を想定して、クロック信号に十分なマージン(margin)を提供する方法がある。
【0006】
しかし、最悪の場合に基づいてマージンを決定する方法は、半導体回路全体に対して一括的な基準だけを適用する方式であるため、半導体回路の性能と消費電力を最適化することが難しいうえ、変化する動作環境を反映して柔軟に対処することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-218845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、半導体回路を駆動するクロック信号に必要なマージンを調節して、半導体回路の性能を向上させ且つ消費電力を低減させる半導体装置を提供することにある。
【0009】
また、PVTによるグローバルバラツキ及びローカルバラツキを考慮した半導体回路の性能をモニタリングすることができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による半導体装置は、動作回路内の第1論理回路に隣接した第1地点に配置され、第1発振信号を生成する第1リング発振器(Ring Oscillator、RO)と、前記動作回路内の第2論理回路に隣接して第1地点とは異なる第2地点に配置され、第2発振信号を生成する第2リング発振器と、前記第1発振信号及び前記第2発振信号に対して、予め定められた論理演算を行って第1クロック信号を生成する検出回路(detecting circuit)と、前記検出回路から前記第1クロック信号の提供を受け、前記第1リング発振器及び前記第2リング発振器のそれぞれに対する遅延調節(delay control)を行って前記動作回路を駆動するための第2クロック信号を生成するキャリブレーション回路(calibration circuit)と、を備えることを特徴とする。
【0011】
前記半導体装置は、動作回路内の第1論理回路に隣接した第1地点に配置され、第1発振信号を生成する第1リング発振器と、前記動作回路内の第2論理回路に隣接して前記第1地点とは異なる第2地点に配置され、第2発振信号を生成する第2リング発振器と、前記第1発振信号及び前記第2発振信号に基づいて前記動作回路のローカルバラツキ(local variation)を反映した第1クロック信号を生成する検出回路と、前記検出回路から前記第1クロック信号の提供を受け、前記第1クロック信号にPVT(production process parameter、supply voltage、temperature)によるグローバルバラツキを反映して前記動作回路を駆動するための第2クロック信号を生成するキャリブレーション回路と、を備える。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による半導体装置は、動作回路内の第1論理回路に隣接した第1地点に配置され、第1発振信号を生成する第1リング発振器と、前記動作回路内の第2論理回路に隣接して前記第1地点とは異なる第2地点に配置され、第2発振信号を生成する第2リング発振器と、前記動作回路内の前記第1地点及び前記第2地点とは異なる第3地点に配置され、PLLクロック信号を生成するPLL(Phase-Locked Loop)と、前記第1発振信号、前記第2発振信号、及び前記PLLクロック信号に対して、予め定められた論理演算を行うことによって前記動作回路を駆動するためのクロック信号を生成する検出回路と、を備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するためになされた本発明のさらに他の態様による半導体装置は、動作回路内の第1論理回路に関連する第1条件を反映して第1発振信号を生成する第1クリティカルパスレプリカ(critical path replica)と、前記動作回路内の第2論理回路に関連する第2条件を反映して第2発振信号を生成する第2クリティカルパスレプリカと、前記第1クリティカルパスレプリカを選択するための第1クリティカルパスレプリカ選択信号を生成して前記第1クリティカルパスレプリカに伝達し、前記第2クリティカルパスレプリカを選択するための第2クリティカルパスレプリカ選択信号を生成して前記第2クリティカルパスレプリカに伝達するモニター制御回路(monitor control circuit)と、前記モニター制御回路から前記第1クリティカルパスレプリカ選択信号及び前記第2クリティカルパスレプリカ選択信号の提供を受け、前記第1発振信号、前記第2発振信号、前記第1クリティカルパスレプリカ選択信号、及び前記第2クリティカルパスレプリカ選択信号に対して予め定められた論理演算を行うことによって前記動作回路をモニタリングするためのモニタリング信号を生成する検出回路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、半導体回路を駆動するクロック信号に必要なマージンを低減させながら、PVTによるグローバルバラツキ及びローカルバラツキを反映したクロック信号を生成することで、半導体回路の性能を向上させ且つ消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による半導体システムを示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態による半導体装置の一例を示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態によるリング発振器を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態による検出回路を示す概略図である。
図5】本発明の一実施形態による半導体装置の他の例を示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態によるクリティカルパスレプリカ回路を示す概略図である。
図7】本発明の一実施形態による半導体装置の動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の他の実施形態による半導体システムを示す概略図である。
図9】本発明の他の実施形態による半導体装置を示す概略図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態による半導体システムを示す概略図である。
図11】本発明のさらに他の実施形態によるモニタリング回路を示す概略図である。
図12】本発明のさらに他の実施形態によるモニタリング回路の検出回路を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による半導体システムを示す概略図である。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による半導体システムは、動作回路1を含む。動作回路1は、複数の論理回路(20a~20d)及びクロック生成回路10を備える。
【0019】
複数の論理回路(20a~20d)は、動作回路1で要求される任意の機能または動作を行うための論理セルを含む。例えば、複数の論理回路(20a~20d)は、複数のトランジスタから構成された回路素子を含む。
【0020】
本実施形態において、複数の論理回路(20a~20d)は、動作回路1内で互いに異なる位置に配置される。例えば、論理回路(20a、20c)は動作回路1の中心を基準に左側領域に配置され、論理回路(20b、20d)はその右側領域に配置される。一方、論理回路(20a、20b)は動作回路1の中心を基準に上側領域に配置され、論理回路(20c、20d)はその下側領域に配置され得る。
【0021】
クロック生成回路10は、動作回路1を駆動するためのクロック信号CLKを生成する。本実施形態において、クロック生成回路10は、複数のリング発振器(Ring Oscillator、RO)(110a~110d)及びクロック制御回路100を含む。
【0022】
複数のリング発振器(110a~110d)は、それぞれ発振信号(oscillating signal)を生成してクロック制御回路100に提供する。例えば、複数のリング発振器(110a~110d)は、奇数個の反転ゲート(inverting gate)を含み、これらの反転ゲートを用いて発振信号を生成する。リング発振器(110a~110d)の詳細構造については、図3を参照して後述する。
【0023】
本実施形態において、複数のリング発振器(110a~110d)は、動作回路1内の互いに異なる位置に配置される。例えば、リング発振器110aは、論理回路20aに隣接した地点に配置され、リング発振器110bは、論理回路20bに隣接した地点に配置される。また、リング発振器110cは、論理回路20cに隣接した地点に配置され、リング発振器110dは、論理回路20dに隣接した地点に配置される。
【0024】
クロック制御回路100は、互いに異なる位置に配置された複数のリング発振器(110a~110d)からそれぞれ発振信号の提供を受ける。そして、これらの発振信号に、予め定められた論理演算を行い、動作回路1のグローバルバラツキ及びローカルバラツキを反映したクロック信号CLKを生成する。クロック制御回路100で生成されたクロック信号CLKは、複数の論理回路(20a~20d)を駆動する。
【0025】
以下、図2に示すクロック制御回路100の動作をより具体的に説明する。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態による半導体装置の一例を示す概略図である。
【0027】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による半導体装置であるクロック生成回路10は、一例として、図1で説明した複数のリング発振器(110a、110b)及びクロック制御回路100を含む。本実施形態では、説明の便宜のために、2つのリング発振器(110a、110b)について述べるが、本発明はこれに限定されない。
【0028】
図1で説明したように、複数のリング発振器(110a、110b)は、動作回路1内の互いに異なる地点に配置されている。図1及び図2を参照すると、第1リング発振器110aは、動作回路1内の第1論理回路20aに隣接した第1地点に配置され、第1発振信号RO_OUT1を生成する。また、第2リング発振器110bは、動作回路1内の第2論理回路20bに隣接して、第1地点とは異なる第2地点に配置され、第2発振信号RO_OUT2を生成する。
【0029】
クロック制御回路100は、検出回路120、キャリブレーション回路(calibration circuit)130、及びクリティカルパスレプリカ回路(Critical Path Replica circuit、以下、「CPR回路」と略記する)140を含む。
【0030】
検出回路120は、第1リング発振器110aから出力された第1発振信号RO_OUT1、及び第2リング発振器110bから出力された第2発振信号RO_OUT2に基づいて、ローカルバラツキ(local variation)を反映した第1クロック信号CLK0を生成する。
【0031】
ここで、ローカルバラツキは、例えば、同じ工程条件下で製造される半導体回路であっても、当該半導体回路内の位置によって異なるバラツキのことをいう。例えば、半導体回路内の第1地点の温度と第2地点の温度とが大きく異なる場合、第1地点に位置する論理回路と第2地点に位置する論理回路との性能及び特性は互いに異なる。別の例として、半導体回路内で瞬間的に電圧降下が発生した地点に位置する論理回路は、他の地点に位置する論理回路とは性能及び特性が異なる。
【0032】
具体的に、検出回路120は、第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2に対して、予め定められた論理演算を行い、第1クロック信号CLK0を生成する。
【0033】
例えば、検出回路120は、第1動作モードにおいて、第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2の中で、最も遅いトランジション(transition)を追跡する。
【0034】
一方、例えば、検出回路120は、第2動作モードにおいて、第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2のうちのいずれか一方のトランジションのみを出力する。
【0035】
キャリブレーション回路130は、検出回路120から第1クロック信号CLK0の提供を受け、第1クロック信号CLK0にPVT(製造プロセスパラメータ、供給電圧、及び温度)によるグローバルバラツキを反映して、動作回路1を駆動するための第2クロック信号CLKを生成する。
【0036】
ここで、グローバルバラツキは、製造プロセスパラメータ(production process parameter)、供給電圧(supply voltage)、及び温度(temperature)に基づいて半導体回路上に発生するバラツキのことをいう。例えば、半導体回路に提供される供給電圧が増加すると、該当半導体回路の動作周波数も増加することが一般的である。このような半導体回路の性能及び特性の変化は、PVTに大きく影響される。
【0037】
具体的に、キャリブレーション回路130は、第1リング発振器110a及び第2リング発振器110bのそれぞれに対する遅延調節(delay control)を行うことにより、動作回路1を駆動するための第2クロック信号CLKを生成する。ここで、遅延調節(delay control)とは、ローカルバラツキを反映した第1クロック信号CLK0の遅延を、動作回路1の環境に適合するようにマッチング(matching)する動作のことをいう。このため、キャリブレーション回路130は、遅延調節信号DCを第1リング発振器110a及び第2リング発振器110bに提供する。
【0038】
一方、キャリブレーション回路130は、第1リング発振器110a及び第2リング発振器110bのうちのいずれか一方のみをイネーブル(enable)するためのイネーブル信号ENを第1リング発振器110a及び第2リング発振器110bに提供する。
【0039】
さらに、キャリブレーション回路130は、検出回路120にリング発振器選択信号RO_SELを提供して、第2動作モードで動作する検出回路120から、イネーブル信号ENによってイネーブルされたリング発振器の出力伝達を受ける。
【0040】
クリティカルパスレプリカ(CPR)回路140は、検出回路120から第1クロック信号CLK0の提供を受け、予め定められた複数のクリティカルパス(critical path)に対して第1クロック信号CLK0がタイミングエラー(timing error)を発生させるか否かを検査する。
【0041】
クリティカルパスレプリカ回路140は、予め定められた複数のクリティカルパスレプリカ(Critical Path Replica、CPR)を用いて第1クロック信号CLK0がタイミングエラーを発生させるか否かの判断を行うが、それぞれのクリティカルパスレプリカは、動作回路1のPVT条件に応じたクリティカルパスをそのまま借用したレプリカ回路に該当する。
【0042】
クリティカルパスレプリカ回路140は、キャリブレーション回路130から提供された制御信号CTLに基づいて、テストパルス(test pulse)を複数のクリティカルパスレプリカに印加して、第1クロック信号CLK0がタイミングエラーを発生させるか否かの判断を行った後、その判断結果信号TES_OUT(図6参照)をキャリブレーション回路130へ伝達する。
【0043】
図3は、本発明の一実施形態によるリング発振器を示す概略図である。
【0044】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるリング発振器110は後述のように具現されるが、これは一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。
【0045】
リング発振器110は、基本発振周期調整部112、第1発振周期調整部114、及び第2発振周期調整部116を含む。
【0046】
基本発振周期調整部112は、複数の反転ゲートを含む。基本発振周期調整部112は、複数の反転ゲートを用いて、入力信号RO_INから発振信号を生成した後、これを第1発振周期調整部114に伝達する。
【0047】
本実施形態において、リング発振器110への入力信号RO_INは、検出回路120で生成された第1クロック信号CLK0がフィードバック入力される信号である。図2を参照すると、検出回路120が第1動作モードで、第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2の中で、最も遅いトランジション(transition)を追跡した後、生成された第1クロック信号CLK0をリング発振器(110a、110b)にフィードバック入力することにより、第1クロック信号CLK0がローカルバラツキを反映するようにする。
【0048】
第1発振周期調整部114は、複数の反転ゲート1142及びマルチプレクサ(MUX)1144を含む。
【0049】
第1発振周期調整部114は、基本発振周期調整部112から伝達された発振信号の発振周期(oscillation period)を第1遅延時間単位に調整する。すなわち、第1発振周期調整部114は、基本発振周期調整部112から伝達された発振信号の遅延を第1遅延時間単位に調節する。
【0050】
このために、第1発振周期調整部114は、キャリブレーション回路130から遅延調節信号DCを受信する。遅延調節信号DCは、マルチプレクサ1144を介して第1発振周期調整部114を制御して第1遅延時間単位に発振周期を調整する。
【0051】
その後、第1発振周期調整部114は、第1遅延時間単位に発振周期が調整された発振信号を、第2発振周期調整部116に伝達する。
【0052】
第2発振周期調整部116は、複数の反転ゲート1162及びマルチプレクサ(MUX)1164を含む。
【0053】
第2発振周期調整部116は、第1発振周期調整部114から伝達された発振信号の発振周期を第1遅延時間単位よりも小さい第2遅延時間単位に調整する。すなわち、第2発振周期調整部116は、第1発振周期調整部114から伝達された発振信号の遅延を第2遅延時間単位に調節する。
【0054】
このために、第2発振周期調整部116は、キャリブレーション回路130から遅延調節信号DCを受信する。遅延調節信号DCは、マルチプレクサ1164を介して第2発振周期調整部116を制御して第2遅延時間単位に発振周期を調整する。
【0055】
その後、第2発振周期調整部116は、第2遅延時間単位に発振周期が調整された発振信号を、イネーブル設定部118に伝達する。
【0056】
イネーブル設定部118は、キャリブレーション回路130から受信したイネーブル信号ENに応じて、基本発振周期調整部112、第1発振周期調整部114、及び第2発振周期調整部116を経た発振信号の出力を、イネーブルまたはディスエーブル(disable)する。
【0057】
その後、イネーブル設定部118から出力された出力信号RO_OUTは検出回路120に伝達される。
【0058】
このように、リング発振器110は、発振周期を調整することができる、「調整可能なリング発振器(adjustable ring oscillator)」で具現される。
【0059】
図1を参照すると、本発明は、動作回路1のローカルバラツキを反映したクロック信号を生成するために、動作回路1の複数の地点に複数のリング発振器(110a~110d)を配置するが、当該地点ごとに、それぞれの論理回路(20a~20d)が動作するためのクロック信号の周期はそれぞれ異なる。これを考慮するために、複数のリング発振器(110a~110d)を、調整可能なリング発振器で具現して、各地点に適合するように遅延調節を行う。
【0060】
本発明の幾つかの実施形態において、リング発振器110の第1発振周期調整部114の複数の反転ゲート1142は、第2発振周期調整部116の複数の反転ゲート1162と同じタイプの論理ゲートを用いて具現されるか、又は異なるタイプの論理ゲートを用いて具現される。
【0061】
例えば、リング発振器110の第1発振周期調整部114の複数の反転ゲート1142は、第1タイプの論理ゲート、例えばNAND論理ゲートを用いて具現され、リング発振器110の第2発振周期調整部116の複数の反転ゲート1162は、第2タイプの論理ゲート、例えばINV論理ゲートを用いて具現される。
【0062】
一方、本発明の幾つかの実施形態において、複数のリング発振器(110a~110d)は、それぞれ同じタイプの論理セルで具現されるか、又は異なるタイプの論理セルで具現される。
【0063】
図4は、本発明の一実施形態による検出回路を示す概略図である。
【0064】
図4を参照すると、本発明の一実施形態による検出回路120は、次のように具現されるが、これは一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。
【0065】
検出回路120は、第1論理ゲート121、第2論理ゲート122、第3論理ゲート124、及び第4論理ゲート125を含む。
【0066】
第1論理ゲート121は、複数の入力信号に対して第1論理演算、例えばAND論理演算を行う多重入力AND論理ゲートである。第1論理ゲート121は、第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2に対して第1論理演算を行い、その結果信号を第3論理ゲート124に伝達する。
【0067】
第2論理ゲート122は、複数の入力信号に対して第2論理演算、例えばOR論理演算を行う多重入力OR論理ゲートである。第2論理ゲート122は、第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2に対して第2論理演算を行い、その結果信号を第4論理ゲート125に伝達する。
【0068】
第3論理ゲート124は、2つの入力信号に対して第3論理演算、例えばOR論理演算を行うOR論理ゲートである。第3論理ゲート124は、第1論理ゲート121の出力信号及び第4論理ゲート125の出力信号に対して第3論理演算を行い、その結果信号を第1クロック信号CLK0として出力する。
【0069】
第4論理ゲート125は、複数の入力信号に対して第4論理演算、例えばAND論理演算を行う多重入力AND論理ゲートである。第4論理ゲート125は、第2論理ゲート122の出力信号、リング発振器選択信号RO_SELに対する反転信号、及び第3論理ゲート124の出力信号に対して第4論理演算(AND)を行い、その結果信号を第3論理ゲート124に伝達する。
【0070】
ここで、リング発振器選択信号RO_SELは、検出回路120からイネーブル信号ENによってイネーブルされたリング発振器の出力伝達を受けるために、キャリブレーション回路130が検出回路120に提供する信号をいう。
【0071】
図2を参照すると、リング発振器選択信号RO_SELが第1値、例えば「0」である場合、検出回路120は、第1動作モードで第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2の中で、最も遅いトランジションを追跡して、その結果信号を第1クロック信号CLK0として出力する。
【0072】
これにより、第1クロック信号CLK0は、動作回路1のローカルバラツキを反映することができる。具体的に、第1クロック信号CLK0は、第1発振信号RO_OUT1を用いて第1論理回路20aに対する第1動作環境を反映し、第2発振信号RO_OUT2を用いて第2論理回路20bに対する動作環境を反映する。
【0073】
一方、選択信号RO_SELが第2値、例えば「1」である場合、検出回路120は、第2動作モードで第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2のうち、キャリブレーション回路130のイネーブル信号ENによってイネーブルされたリング発振器から出力された発振信号のトランジションのみを出力する。
【0074】
具体的に、キャリブレーション回路130は、イネーブル信号ENを用いて第1リング発振器110aをイネーブルし、第2リング発振器110bをディスエーブルする。さらに、キャリブレーション回路130は、遅延調節信号DCを用いて、イネーブルされた第1リング発振器110aの遅延調節を行う。
【0075】
第2動作モードで動作する検出回路120は、イネーブルされて遅延調節された第1発振器110aのトランジションを第1クロック信号CLK0として出力する。
【0076】
次に、キャリブレーション回路130は、イネーブル信号ENを用いて第2リング発振器110bをイネーブルし、第1リング発振器110aをディスエーブルする。これに加えて、キャリブレーション回路130は、遅延調節信号DCを用いて、イネーブルされた第2リング発振器110bの遅延調節を行う。
【0077】
第2動作モードで動作する検出回路120は、イネーブルされて遅延調節された第2発振器110bのトランジションを第1クロック信号CLK0として出力する。
【0078】
これにより、第1クロック信号CLK0は、動作回路1のPVTによるグローバルバラツキを反映することができる。
【0079】
一方、本発明の幾つかの実施形態において、キャリブレーション回路130は、遅延調節を介して、ローカルバラツキを反映した第1クロック信号CLK0の遅延を、動作回路1の環境に適合するようにマッチングした後、第1クロック信号CLK0にマージン(margin)をさらに設定する。
【0080】
図5は、本発明の一実施形態による半導体装置の他の例を示す概略図である。
【0081】
図5を参照すると、本発明の一実施形態による半導体装置であるクロック生成回路10は、他の例として、ルックアップテーブル部(Look Up Table、LUT)150をさらに含む。
【0082】
ルックアップテーブル部(LUT)150は、キャリブレーション回路130に電気的に接続されて、データをやり取りする。具体的に、ルックアップテーブル部150は、一つ以上のPVT条件に応じた遅延設定に関するデータを予め保存している。
【0083】
キャリブレーション回路130は、ルックアップテーブル部150から、予め保存されたデータの提供を受け、このデータに基づいて、第1リング発振器110a及び第2リング発振器110bのそれぞれに対して遅延調節を行う。
【0084】
本実施形態において、ルックアップテーブル部150は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)を始めとする揮発性メモリで具現されるか、又はフラッシュメモリを始めとする不揮発性メモリで具現される。
【0085】
図6は、本発明の一実施形態によるクリティカルパスレプリカ回路を示す概略図である。
【0086】
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるクリティカルパスレプリカ回路140は、テストパルスランチング回路(Test Pulse Launching circuit、以下「TPL回路」と略記する)144、クリティカルパスレプリカ回路部142、及びタイミングエラー検出回路(Timing Error Statistics circuit、以下、「TES回路」と略記する)146を含む。また、クリティカルパスレプリカ回路140は、検出回路120を介して提供された第1クロック信号CLK0に応じてテストパルスの進行を制御する第1ラッチ部148a及び第2ラッチ部148bをさらに含む。
【0087】
TPL回路144は、第1クロック信号CLK0がタイミングエラーとなるか否かに対する検査を行うためのテストパルスを生成する。
【0088】
具体的に、TPL回路144は、キャリブレーション回路130から提供された制御信号CTLに基づいてテストパルスを生成して第1ラッチ部148aに伝達する。すると、テストパルスは、第1クロック信号CLK0に基づいて、同期化される第1ラッチ部148aを介してクリティカルパスレプリカ回路部142に印加される。
【0089】
クリティカルパスレプリカ回路部142は、複数のクリティカルパスレプリカ(142a~142c)を含む。ここで、クリティカルパスレプリカ(142a~142c)は、動作回路1のPVT条件によるクリティカルパスをそのまま借用したレプリカ回路に該当する。
【0090】
具体的に、第1クリティカルパスレプリカ142aは、予め定められた第1条件、すなわち、第1PVT条件を反映する。例えば、第1クリティカルパスレプリカ142aは、半導体システム(または動作回路1)の第1コーナー(corner)の位置から抽出されたクリティカルパスを借用したレプリカ回路である。
【0091】
一方、第2クリティカルパスレプリカ142bは、予め定められた第2条件、すなわち第2PVT条件を反映する。たとえば、第2クリティカルパスレプリカ142bは、半導体システム(または動作回路1)の第2コーナー及び第3コーナーの位置から抽出されたクリティカルパスを借用したレプリカ回路である。
【0092】
本発明の幾つかの実施形態において、複数のクリティカルパスレプリカ(142a~142c)の数は、半導体システム(または動作回路1)のすべてのコーナーに対して抽出されたクリティカルパスの数よりも少ない数に定められるように最適化される。たとえば、複数のクリティカルパスレプリカ(142a~142c)は、コーナーごとに抽出されたクリティカルパスのうち、タイミングサインオフ(timimg sign-off)の条件を満足することが可能なパスをさらにフィルタリングした結果のみを含む。
【0093】
クリティカルパスレプリカ回路部142は、テストパルスを複数のクリティカルパスレプリカ(142a~142c)に印加した後、その結果信号を、第1クロック信号CLK0に基づいて同期化される第2ラッチ部148bを介してタイミングエラー検出回路146に伝達する。
【0094】
タイミングエラー検出(TES)回路146は、第2ラッチ部148bを介して受信した結果、信号から動作回路1上の複数のクリティカルパスに対して第1クロック信号CLK0がタイミングエラーを発生させるか否かを判断した後、その判断結果信号TES_OUTをキャリブレーション回路130に伝達する。
【0095】
クリティカルパスレプリカ回路140は、TPL回路144のタイミングエラーを判断するために、例えば「0」から「1」にトランジションするテストパルスを発生させ、タイミングエラー検出回路146でキャプチャされた値が「0」であるか否かを確認し、「0」ではない場合にタイミングエラーと判断する方式で具現されるが、本発明はこれらに限定されない。
【0096】
図7は、本発明の一実施形態による半導体装置の動作を示すフローチャートである。
【0097】
図7を参照すると、本発明の一実施形態による半導体装置であるクロック生成回路10は、まず、第1発振信号RO_OUT1及び第2発振信号RO_OUT2の中で、最も遅いトランジションを追跡して、ローカルバラツキが反映された第1クロック信号CLK0を出力する。
【0098】
次に、キャリブレーション回路130は、イネーブル信号ENを用いて、複数のリング発振器(110a~110d)の中のいずれか1つを選択する(S703段階)。そして、検出回路120は、選択されたリング発振器を用いて第1クロック信号CLK0を生成する(S705段階)。
【0099】
その後、キャリブレーション回路130は、クリティカルパスレプリカ回路140のクリティカルパスレプリカ回路部142を用いて、第1クロック信号CLK0がタイミングエラーとなるか否かを判断する(S707段階)。
【0100】
タイミングエラーと判断された場合(S707段階でY)、キャリブレーション回路130は、遅延調節信号DCを用いて、選択されたリング発振器の遅延を調節(S709段階)した後、さらにS705段階を行う。
【0101】
タイミングエラーと判断されない場合(S707段階でN)、キャリブレーション回路130は、他のリング発振器に対する遅延調節作業がすべて完了したか否かを判断する(S711段階)。
【0102】
すべて完了した場合(S711段階でY)には、キャリブレーション回路130は、複数のリング発振器(110a~110d)を用いて第2クロック信号CLKを生成する。
【0103】
すべて完了していない場合(S711段階でN)には、キャリブレーション回路130は、他のリング発振器を選択するようにインデックスを増加させた後、S703段階を行い、イネーブル信号ENを用いて複数のリング発振器(110a~110d)のうちの他の一つを選択して、後続の段階を処理する。
【0104】
図8は、本発明の他の実施形態による半導体システムを示す概略図である。
【0105】
図8を参照すると、本発明の他の実施形態による半導体システムは動作回路2を含む。動作回路2は、複数の論理回路(20a~20d)、クロック生成回路10、及びPLL(Phase-Locked Loop)30を備える。
【0106】
複数の論理回路(20a~20d)及びクロック生成回路10に関する説明は、図1に示す動作回路1の説明を参照する。図1を参照して説明したように、複数の論理回路(20a~20d)は、動作回路2内で互いに異なる位置に配置され、複数のリング発振器(110a~110d)も、動作回路2内で互いに異なる位置に配置される。
【0107】
PLL30は、クロック生成回路10のクロック制御回路102にPLLクロック信号PLL_CLKを提供する。
【0108】
クロック制御回路102は、互いに異なる位置に配置された複数のリング発振器(110a~110d)からそれぞれ発振信号の提供を受けると同時に、PLL30からPLLクロック信号PLL_CLKの提供を受ける。
【0109】
クロック制御回路102は、動作回路2の動作環境に応じて、複数のリング発振器(110a~110d)から提供された発振信号と、PLL30から提供されたPLLクロック信号PLL_CLKを適切にスイッチングして、動作回路2を駆動するクロック信号CLKを生成する。
【0110】
次に、図9に示すクロック制御回路102の動作をより具体的に説明する。
【0111】
図9は、本発明の他の実施形態による半導体装置を示す概略図である。
【0112】
図9を参照すると、本発明の他の実施形態による半導体装置であるクロック生成回路10は、図8で説明した複数のリング発振器(110a、110b)、PLL30、及びクロック制御回路102を含む。本実施形態では、説明の便宜のために、2つのリング発振器(110a、110b)について述べるが、本発明はこれに限定されない。
【0113】
図8で説明したように、複数のリング発振器(110a、110b)は、動作回路2内の互いに異なる位置に配置される。図8及び図9を参照すると、第1リング発振器110aは、動作回路2内の第1論理回路20aに隣接した第1地点に配置され、第1発振信号RO_OUT1を生成する。また、第2リング発振器110bは、動作回路2内の第2論理回路20bに隣接して、第1地点とは異なる第2地点に配置され、第2発振信号RO_OUT2を生成する。これにより、第1発振信号RO_OUT1は第1論理回路20aに対する第1動作環境を反映し、第2発振信号RO_OUT2は第2論理回路20bに対する動作環境を反映する。
【0114】
一方、PLL30は、動作回路2内の配置された地点に関係なく、予め設定された一定の周波数の発振信号であるPLLクロック信号PLL_CLKを生成する。
【0115】
クロック制御回路102は検出回路120を含む。検出回路120は、第1リング発振器110aから出力された第1発振信号RO_OUT1、及び第2リング発振器110bから出力された第2発振信号RO_OUT2に基づいて、ローカルバラツキを反映したクロック信号CLKを生成するか、又は、PLLクロック信号PLL_CLKに基づいて、ローカルバラツキとは無関係なクロック信号CLKを生成する。
【0116】
例えば、動作回路2が、PLLクロック信号PLL_CLKに基づいたクロック信号CLKによって駆動されている途中で、第1論理回路20aに電圧降下が発生した場合には、このようなローカルバラツキを考慮するために、検出回路120は、第1リング発振器110aから出力された第1発振信号RO_OUT1に基づいたクロック信号CLKを生成する。
【0117】
このために、検出回路120は、第1発振信号RO_OUT1、第2発振信号RO_OUT2、及びPLLクロック信号PLL_CLKの中で、最も遅いトランジションを追跡する。
【0118】
本実施形態において、検出回路120で生成されたクロック信号CLKは、第1リング発振器110a及び第2リング発振器110bにフィードバック入力される。
【0119】
一方、本発明の幾つかの実施形態において、検出回路120は、第1発振信号RO_OUT1、第2発振信号RO_OUT2、及びPLLクロック信号PLL_CLKに対して、予め定められた論理演算を行い、クロック信号CLKを生成する。
【0120】
例えば、検出回路120は、第1論理ゲート121、第2論理ゲート122、第3論理ゲート124、及び第4論理ゲート125を含む。
【0121】
第1論理ゲート121は、複数の入力信号に対して第1論理演算、例えばAND論理演算を行う多重入力AND論理ゲートである。第1論理ゲート121は、第1発振信号RO_OUT1、第2発振信号RO_OUT2、及びPLLクロック信号PLL_CLKに対して第1論理演算を行い、その結果信号を第3論理ゲート124に伝達する。
【0122】
第2論理ゲート122は、複数の入力信号に対して第2論理演算、例えばOR論理演算を行う多重入力OR論理ゲートである。第2論理ゲート122は、第1発振信号RO_OUT1、第2発振信号RO_OUT2、及びPLLクロック信号PLL_CLKに対して第2論理演算を行い、その結果信号を第4論理ゲート125に伝達する。
【0123】
第3論理ゲート124は、2つの入力信号に対して第3論理演算、例えばOR論理演算を行うOR論理ゲートである。第3論理ゲート124は、第1論理ゲート121の出力信号及び第4論理ゲート125の出力信号に対して第3論理演算を行い、その結果信号をクロック信号CLKとして出力する。
【0124】
第4論理ゲート125は、2つの入力信号に対して第4論理演算、例えばAND論理演算を行うAND論理ゲートである。第4論理ゲート125は、第2論理ゲート122の出力信号及び第3論理ゲート124の出力信号に対して第4論理演算(AND)を行い、その結果信号を第3論理ゲート124に伝達する。
【0125】
図10は、本発明のさらに他の実施形態による半導体システムを示す概略図である。
【0126】
図10を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による半導体システムは動作回路3を含む。動作回路3は、複数の論理回路(20a~20d)、クロック生成回路10、及びモニタリング回路40を備える。
【0127】
モニタリング回路40は、PVTによるグローバルバラツキ及びローカルバラツキによる動作回路3の実際性能をモニタリングするための回路である。モニタリング回路40を用いて動作回路3をモニタリングすることにより、様々な条件下で動作回路3が動作するための最小条件を追跡することができ、ひいては、動作回路3に提供される供給電圧またはクロック信号の周波数を調節することを容易にする。
【0128】
次に、図11を参照してモニタリング回路40の動作をより具体的に説明する。
【0129】
図11は、本発明のさらに他の実施形態によるモニタリング回路を示す概略図である。
【0130】
図11を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による半導体装置であるモニタリング回路40は、モニター制御回路400、検出回路410、及びカウンター420を含む。
【0131】
一方、モニタリング回路40は、図6に関連して先立って説明した複数のクリティカルパスレプリカ(142a、142b)を用いる。ここで、クリティカルパスレプリカ(142a~142c)は、動作回路3のPVT条件によるクリティカルパスをそのまま借用したレプリカ回路に該当する。本実施形態では、説明の便宜のために、2つのクリティカルパスレプリカ(142a、142b)について述べるが、本発明はこれに限定されない。
【0132】
図6で説明したように、第1クリティカルパスレプリカ142aは、予め定められた第1条件、すなわち第1PVT条件を反映する。例えば、第1クリティカルパスレプリカ142aは、第1コーナーから抽出されたクリティカルパスを借用したレプリカ回路である。
【0133】
一方、第2クリティカルパスレプリカ142bは、予め定められた第2条件、すなわち第2PVT条件を反映する。例えば、第2クリティカルパスレプリカ142bは、第2コーナー及び第3コーナーから抽出されたクリティカルパスを借用したレプリカ回路である。
【0134】
本発明の幾つかの実施形態において、複数のクリティカルパスレプリカ(142a~142c)の数は、すべてのコーナーに対して抽出されたクリティカルパスの数よりも少ない数に定められるように最適化される。たとえば、複数のクリティカルパスレプリカ(142a~142c)は、コーナーごとに抽出されたクリティカルパスのうちで、タイミングサインオフ条件を満足することが可能なパスをさらにフィルタリングした結果のみを含む。
【0135】
モニター制御回路400は、第1クリティカルパスレプリカ142aを選択するための第1クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL1を生成して第1クリティカルパスレプリカ142aに伝達し、第2クリティカルパスレプリカ142bを選択するための第2クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL2を生成して第2クリティカルパスレプリカ142bに伝達する。
【0136】
また、モニター制御回路400は、第1クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL1及び第2クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL2を検出回路410にも伝達する。
【0137】
検出回路410は、モニター制御回路400から第1クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL1及び第2クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL2の提供を受け、第1発振信号CPR_OUT1、第2発振信号CPR_OUT2、第1クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL1、及び第2クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL2に対して、予め定められた論理演算を行い、動作回路3をモニタリングするためのモニタリング信号MON_OUTを生成する。
【0138】
本実施形態において、検出回路120で生成された出力信号CLK1は、第1クリティカルパスレプリカ142a及び第2クリティカルパスレプリカ142bにフィードバック入力される。
【0139】
図12は、本発明のさらに他の実施形態によるモニタリング回路の検出回路を示す概略図である。
【0140】
図12を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による検出回路120は、次のように具現されるが、これは一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。
【0141】
検出回路120は、第1論理ゲート411、第2論理ゲート412、第3論理ゲート414、及び第4論理ゲート415を含む。
【0142】
第1論理ゲート411は、複数の第1信号に対して第1論理演算、例えばAND論理演算を行う多重入力AND論理ゲートである。第1論理ゲート411は、複数の第1信号に対して第1論理演算を行い、その結果信号を第3論理ゲート414に伝達する。
【0143】
第2論理ゲート412は、複数の第2信号に対して第2論理演算、例えばOR論理演算を行う多重入力OR論理ゲートである。第2論理ゲート412は、複数の第2信号に対して第2論理演算を行い、その結果信号を第4論理ゲート415に伝達する。
【0144】
第3論理ゲート414は、2つの入力信号に対して第3論理演算、例えばOR論理演算を行うOR論理ゲートである。第3論理ゲート414は、第1論理ゲート411の出力信号及び第4論理ゲート415の出力信号に対して第3論理演算を行い、その結果信号をクロック信号CLKとして出力する。
【0145】
第4論理ゲート415は、2つの入力信号に対して第4論理演算、例えばAND論理演算を行う多重入力AND論理ゲートである。第4論理ゲート415は、第2論理ゲート412の出力信号及び第3論理ゲート414の出力信号に対して第4論理演算(AND)を行い、その結果信号を第3論理ゲート414に伝達する。
【0146】
ここで、複数の第1信号は、第1発振信号CPR_OUT1と第1クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL1の反転信号に対して第5論理演算、例えばOR論理演算を行った出力信号と、第2発振信号CPR_OUT2と第2クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL2の反転信号に対して第5論理演算を行った出力信号を含む。
【0147】
一方、複数の第2信号は、第1発振信号CPR_OUT1と第1クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL1に対して第6論理演算、例えばAND論理演算を行った出力信号と、第2発振信号CPR_OUT2及び第2クリティカルパスレプリカ選択信号CPR_SEL2に対して第6論理演算(AND)を行った出力信号とを含む。
【0148】
以上で説明した本発明の様々な実施形態によれば、半導体回路を駆動するクロック信号に必要なマージンを減らし、PVTによるグローバルバラツキ及びローカルバラツキを克服することにより、半導体回路の性能を向上させ且つ消費電力を低減させることができる。
【0149】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様な形態で製造でき、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できる。したがって、上述した実施形態は、あらゆる面で例示的なものであって、限定的なものではない。
【符号の説明】
【0150】
1、2、3 動作回路
10 クロック生成回路
20a、20b、20c、20d (第1、第2、第3、第4)論理回路 30 PLL
40 モニタリング回路
100、102、104 クロック制御回路
110 リング発振器
110a、110b、110c、110d (第1、第2、第3、第4)リング発振器(RO)
112 基本発振周期調整部
114 第1発振周期調整部
116 第2発振周期調整部
118 イネーブル設定部
120、410 検出回路
121、411 第1論理ゲート
122、412 第2論理ゲート
124、414 第3論理ゲート
125、415 第4論理ゲート
130 キャリブレーション回路
140 クリティカルパスレプリカ(CPR)回路
142 クリティカルパスレプリカ回路部
142a、142b (第1、第2)クリティカルパスレプリカ(CPR)
142c クリティカルパスレプリカ(CPR)
144 テストパルスランチング(TPL)回路
146 タイミングエラー検出(TES)回路
148a 第1ラッチ部
148b 第2ラッチ部
150 ルックアップテーブル部(LUT)
400 モニター制御回路
420 カウンター
1142、1162 反転ゲート
1144、1164 マルチプレクサ

図1
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