(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】ボーディングブリッジ
(51)【国際特許分類】
B64F 1/305 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
B64F1/305
(21)【出願番号】P 2019072792
(22)【出願日】2019-04-05
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】518337876
【氏名又は名称】三菱重工交通・建設エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】清水 泰明
(72)【発明者】
【氏名】藤原 卓巳
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-143295(JP,A)
【文献】特許第6293962(JP,B1)
【文献】特開2005-225569(JP,A)
【文献】特開2006-131406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/305
B64F 1/32
E01D 15/24
E01D 18/00
B60P 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル部と、
前記トンネル部の一端において前記トンネル部に対して旋回可能に設置されたヘッド部と、
前記ヘッド部の一端において前記ヘッド部に対して出入可能に設置された一方向に長い長尺状の本体板と、
前記本体板の板面に対して平行な面内で、かつ、前記本体板の長手方向に対して垂直な方向に前記本体板を移動させ、及び、前記本体板を前記ヘッド部の下面より下方の高さ位置と前記ヘッド部の床面よりも上方の高さ位置との間で移動させる駆動部と、
を備え
、
前記本体板は、前記ヘッド部の前記床面よりも上方の高さ位置において、前記ヘッド部の前後方向に移動可能であって、前記ヘッド部側へ移動して前記ヘッド部の前記床面の上側に位置したり、前記ヘッド部の前方に移動して前記ヘッド部の先端部よりも突出したりするボーディングブリッジ。
【請求項2】
前記駆動部は、
前記ヘッド部の下面に取り付けられ、前記ヘッド部の下面に対して垂直方向に延設された部材であり、前記ヘッド部の下面において、前記ヘッド部の前後方向に移動可能に設置されたブラケットと、
長尺状部材であり、長手方向が前記ヘッド部の幅方向に対して平行になるように前記ブラケットに支持され、前記ブラケットにおいて上下方向に移動可能に設置された梁と、
前記梁に取り付けられ、前記梁よりも前記ヘッド部の前方かつ前記ヘッド部の前後方向に直線状に延設され、前記梁の長手方向に沿って移動可能に設置された支持フレームと、
を有し、
前記本体板は、前記支持フレームにおいて、前記ヘッド部の前後方向に移動可能に設置されている請求項1に記載のボーディングブリッジ。
【請求項3】
前記駆動部は、
前記ヘッド部の床下において、前記ヘッド部に設けられた回転軸を支点として前記ヘッド部の
前記床面に対して旋回可能に設置された支持フレームと、
前記支持フレームにおいて、前記支持フレームに設けられた回転軸を支点として前記支持フレームに対して旋回可能に設置され、かつ、前記支持フレームにおいて上下方向に移動可能に設置された先端支持台と、
を有し、
前記本体板は、前記先端支持台において、前記ヘッド部の前後方向に移動可能に設置されている請求項1に記載のボーディングブリッジ。
【請求項4】
前記本体板は、前記駆動部による移動によって、前記ヘッド部の幅方向端部よりも外側に設置可能に構成されている請求項1又は2に記載のボーディングブリッジ。
【請求項5】
前記ヘッド部の幅方向端部よりも外側に設置された前記本体板と、前記ヘッド部との間に設置される補助板を備える請求項4に記載のボーディングブリッジ。
【請求項6】
前記ヘッド部の上部に設置され、前記ヘッド部の上部に位置する収納位置及び前記ヘッド部から進出した前記本体板を覆う進出位置の間を移動可能とした可動屋根を備える請求項1から5のいずれか1項に記載のボーディングブリッジ。
【請求項7】
前記本体板に設置された手摺を更に有する請求項1から6のいずれか1項に記載のボーディングブリッジ。
【請求項8】
前記本体板は、前記ヘッド部の一端において前記ヘッド部に対して旋回可能に設置されている請求項1に記載のボーディングブリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボーディングブリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボーディングブリッジ(PBB)は、搭乗橋とも呼ばれ、空港のターミナルビルと航空機との間を連絡するトンネル状の歩行通路であり、ターミナルビルと航空機との間を連結することにより、乗客が直接乗降できるようにしたものである。
【0003】
一方、小型の航空機には、エアステア(Airstair)と呼ばれる乗降用階段が内蔵されたものがある。このような乗降用階段は、ドア開に伴って航空機の乗降口に設置された状態となり、安全上の観点から階段の両側には手摺が設けられている。この手摺は、折り畳みにくい構造となっているタイプもあるため、手摺が立設されたままの状態で航空機の乗降口に対してボーディングブリッジのヘッドを近付ける必要がある場合がある。
【0004】
そこで、ボーディングブリッジには、ヘッドの先端に、渡り通路部が設置されるものがある。下記の特許文献1では、渡り通路部として床板本体が、ボーディングブリッジのヘッドの床下に取り付けられ、床板本体が、収納位置と通路形成位置との間で旋回可能である技術が開示されている。小型の航空機に使用する場合は床板本体を設置して、機体内蔵タラップと干渉することなく乗降通路を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載された床板本体は、ヘッドに取り付けられた位置(回転軸)を中心にして旋回する。ボーディングブリッジが航空機に接近した状態で、床板本体の長手方向と乗降用階段の長手方向を平行とし、床板本体の長手方向の軸線と乗降用階段の長手方向の軸線を一致させるためには、ヘッドの向きを調整するとともに床板本体の向きを調整する必要がある。
【0007】
また、
図69に示すように、ボーディングブリッジ81のヘッド84の先端に、渡り通路部85が設置される場合において、走行部を駆動させてヘッド84を航空機に近づける際、トンネル部83及びヘッド84は、ターミナルビル側のロタンダ82を中心にして移動する。そのため、航空機90に対するヘッド84の向きが変更される。したがって、渡り通路部85の長手方向の軸線を、航空機90の乗降口92に設置された乗降用階段91の長手方向の軸線と一致させるためには、ヘッド84の向きや渡り通路部85の向きを再度調整する必要がある。
【0008】
さらに、渡り通路部85の長手方向の軸線と、航空機90の乗降口92に設置された乗降用階段91の長手方向の軸線と一致させることができた後、渡り通路部85の先端と航空機90の乗降口92が離れている場合、渡り通路部85を乗降口92に接近させる動作が必要である。この動作は、ボーディングブリッジ81の走行部によって行われる。しかし、走行部が重量の大きいトンネル部83やヘッド84を駆動する必要があるため、起動や移動速度が遅く、速やかな接近動作が困難である。
【0009】
またさらに、これらの一連の接機動作を迅速かつスムーズに行う必要があるが、操作者の十分な慣れが必要であり、航空機とボーディングブリッジの接続は非常に困難である。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ヘッドの先端に渡り通路部を有する場合において、航空機の乗降口との接続を迅速かつ簡易に行うことが可能なボーディングブリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のボーディングブリッジは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るボーディングブリッジはトンネル部と、前記トンネル部の一端において前記トンネル部に対して旋回可能に設置されたヘッド部と、前記ヘッド部の一端において前記ヘッド部に対して出入可能に設置された一方向に長い長尺状の本体板と、前記本体板の板面に対して平行な面内で、かつ、前記本体板の長手方向に対して垂直な方向に前記本体板を移動させ、及び、前記本体板を前記ヘッド部の下面より下方の高さ位置と前記ヘッド部の床面よりも上方の高さ位置との間で移動させる駆動部とを備え、前記本体板は、前記ヘッド部の前記床面よりも上方の高さ位置において、前記ヘッド部の前後方向に移動可能であって、前記ヘッド部側へ移動して前記ヘッド部の前記床面の上側に位置したり、前記ヘッド部の前方に移動して前記ヘッド部の先端部よりも突出したりする。
【0012】
この構成によれば、ヘッド部は、トンネル部の一端においてトンネル部に対して旋回可能であり、長尺状の本体板が、ヘッド部の一端においてヘッド部に対して出入可能に設置されている。また、本体板は、駆動部によって、本体板の板面に対して平行な面内で、かつ、本体板の長手方向に対して垂直な方向に移動する。本体板と駆動部は、渡り通路部を構成する。したがって、ボーディングブリッジが航空機に接近した状態で、ヘッド部を旋回して、本体板の長手方向と乗降用階段の長手方向を平行とした後、本体板の長手方向に対して垂直な方向に移動して、本体板の長手方向の軸線と乗降用階段の長手方向の軸線を一致させることができる。この状態で本体板をヘッド部に対して長手方向に進出させれば、本体板を航空機に近づけることができるため、ヘッド部を航空機に対して迅速に接続できる。
【0013】
上記発明において、前記本体板は、前記駆動部による移動によって、前記ヘッド部の幅方向端部よりも外側に設置可能に構成されてもよい。
【0014】
この構成によれば、駆動部による移動によって、本体板は、ヘッド部の幅方向端部よりも外側に設置されることから、ヘッド部を設置できる位置から外れた場所に航空機の乗降口又は乗降用階段が位置する場合でも、本体板を航空機に近づけることができる。
【0015】
上記発明において、前記ヘッド部の幅方向端部よりも外側に設置された前記本体板と、前記ヘッド部との間に設置される補助板を備えてもよい。
【0016】
この構成によれば、本体板がヘッド部の幅方向端部よりも外側に設置されたとき、補助板が、本体板とヘッド部の間に設置されていることから、補助板を介してヘッド部と本体板との間の通行が可能になる。
【0017】
上記発明において、前記ヘッド部の上部に設置され、前記ヘッド部の上部に位置する収納位置及び前記ヘッド部から進出した前記本体板を覆う進出位置の間を移動可能とした可動屋根を備えてもよい。
【0018】
この構成によれば、ヘッド部の上部に設置される可動屋根は、ヘッド部の上部に位置する収納位置と、ヘッド部から進出した本体板を覆う進出位置との間で移動可能であり、本体板が、ヘッド部から進出したとき、可動屋根によって本体板を覆うことができる。
【0019】
上記発明において、前記本体板に設置された手摺を更に有してもよい。
【0020】
この構成によれば、手摺が本体板に設置される。例えば、手摺は、本体板の幅方向に平行な回転軸を中心にして回動されて、本体板の床面よりも下方に位置するように倒すことができる。
【0021】
上記発明において、前記本体板は、前記ヘッド部の一端において前記ヘッド部に対して旋回可能に設置されてもよい。
【0022】
この構成によれば、本体板がヘッド部の一端に旋回可能に設置され、ヘッド部の設置方向を維持したまま、本体板の設置方向を変更できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ヘッド部の先端に渡り通路部を有する場合において、航空機の乗降口との接続を迅速かつ簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジを示す平面図(A)及び側面図(B)である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び渡り通路部を示す平面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び航空機を示す概略平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び航空機を示す概略平面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び航空機を示す概略平面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図であり、
図2のI-I線矢視図である(
図7~
図15についても同様。)。
【
図7】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図12】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図15】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図16】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び航空機を示す概略平面図である。
【
図17】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び渡り通路部の第1実施例を示す平面図である。
【
図18】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第1実施例を示す側面図であり、
図17のII-II線矢視図である(
図19~
図21についても同様。)。
【
図19】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第1実施例を示す側面図である。
【
図20】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第1実施例を示す側面図である。
【
図21】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第1実施例を示す側面図である。
【
図22】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び渡り通路部の第2実施例を示す平面図である。
【
図23】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び渡り通路部の第2実施例を示す平面図である。
【
図24】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第2実施例を示す側面図であり、
図22のIII-III線矢視図である。
【
図25】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第2実施例を示す側面図であり、
図23のIV-IV線矢視図である。
【
図26】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第2実施例を示す背面図であり、
図22のV-V線矢視図である。
【
図27】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第2実施例を示す背面図であり、
図23のVI-VI線矢視図である。
【
図28】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び渡り通路部の第3実施例を示す平面図である。
【
図29】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第2実施例を示す背面図であり、
図28のVII-VII線矢視図である。
【
図30】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第2実施例を示す背面図であり、
図28のVII-VII線矢視図である。
【
図31】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び渡り通路部の第4実施例を示す平面図である。
【
図32】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び渡り通路部の第4実施例を示す平面図である。
【
図33】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第4実施例を示す側面図であり、
図31のVIII-VIII線矢視図である。
【
図34】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第4実施例を示す側面図であり、
図32のIX-IX線矢視図である。
【
図35】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第4実施例を示す背面図であり、
図31のX-X線矢視図である。
【
図36】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第4実施例を示す背面図であり、
図32のXI-XI線矢視図である。
【
図37】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第2~第4実施例を示す背面図である。
【
図38】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の第2~第4実施例を示す背面図である。
【
図39】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び可動屋根の第1実施例を示す平面図である。
【
図40】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び可動屋根の第1実施例を示す縦断面図である。
【
図41】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び可動屋根の第2実施例を示す平面図である。
【
図42】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び可動屋根の第2実施例を示す縦断面図である。
【
図43】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッド及び可動屋根の第3実施例を示す平面図である。
【
図44】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第1実施例を示す正面図である。
【
図45】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第1実施例を示す正面図である。
【
図46】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第1実施例を示す正面図である。
【
図47】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第1実施例を示す正面図である。
【
図48】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第2実施例を示す側面図である。
【
図49】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第3実施例の一例を示す平面図(A)及び側面図(B)である。
【
図50】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第3実施例の他の例を示す平面図(A)及び側面図(B)である。
【
図51】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第4実施例の一例を示す正面図である。
【
図52】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジの本体板及び手摺の第4実施例の他の例を示す正面図である。
【
図53】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッドにおける手摺の第1配置例を示す平面図である。
【
図54】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッドにおける手摺の第1配置例を示す部分拡大平面図である。
【
図55】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッドにおける手摺の第1配置例を示す側面図であり、
図54のXII-XII線矢視図である。
【
図56】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッドにおける手摺の第1配置例を示す背面図であり、
図54のXIII-XIII線矢視図である。
【
図57】本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジのヘッドにおける手摺の第2配置例を示す平面図である。
【
図58】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図59】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す平面である。
【
図60】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図61】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図62】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図63】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図64】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図65】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図66】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図67】本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部を示す側面図である。
【
図68】本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジの渡り通路部の本体板を示す正面図である。
【
図69】ボーディングブリッジ及び航空機を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るボーディングブリッジ1は、空港のターミナルビルと航空機90との間に乗客の通行路を形成して、ターミナルビルと航空機90とを連絡し、乗客の直接の乗り降りを可能にする。
ボーディングブリッジ1は、例えば、航空機90が到着する前の接続準備のための待機位置と、航空機90と接続されるときの接続位置との間で移動する。
【0026】
ボーディングブリッジ1は、
図1に示すように、ターミナルビル又はターミナルビルへ通じる固定橋に固定して設けられるロタンダ2と、ロタンダ2に対して水平方向及び垂直方向に回動可能に接続されている基端トンネル3aと、基端トンネル3aの先端側(航空機90側)で、入れ子式に基端トンネル3aの外側に嵌合され、移動可能な先端トンネル3bと、先端トンネル3bの先端部に固定されたヘッド(ヘッド部)4などを備える。
【0027】
先端トンネル3bの長手方向先端側には、可動脚5が設けられる。可動脚5には、先端トンネル3bの両側面に取り付けられ、上下方向に延在する左右一対の支柱11が備えられている。ロタンダ2の下部には、固定脚6が地面に固定して設置される。ボーディングブリッジ1は、可動脚5と固定脚6とによって支持される。基端トンネル3a及び先端トンネル3bは、トンネル部3を構成し、トンネル部3とヘッド4は、可動脚5によって移動可能である。なお、ロタンダ2は、ターミナルビルによって支持されて、下部に固定脚6が設置されない場合もある。
【0028】
先端トンネル3bの中空部の横断面積は、基端トンネル3aの横断面積よりも大きい。先端トンネル3bは、基端トンネル3aの外周面に沿って移動する。先端トンネル3bが航空機90の駐機側へ移動することでトンネル部3の全長が伸長し、先端トンネル3bがロタンダ2側へ移動することでトンネル部3の全長が収縮する。なお、本発明のトンネル部は、基端トンネル3aと先端トンネル3bの二つのトンネル部の組み合わせに限定されず、三つ以上のトンネル部が連結されて、2段以上の伸縮機構を有するものでもよい。
【0029】
基端トンネル3aは、ロタンダ2に設けられた鉛直方向に平行な回動軸周りに回動可能である。したがって、基端トンネル3a,先端トンネル3b及びヘッド4は、回動軸を中心にして水平面内を例えば左右方向に回動可能である。
【0030】
先端トンネル3bは、可動脚5に設けられた走行部7が駆動して可動脚5が移動することによって、基端トンネル3aや先端トンネル3bの長手方向や左右方向に移動する。
【0031】
基端トンネル3aは、ロタンダ2に設けられた水平方向に平行な回動軸周りに回動可能である。可動脚5は、昇降装置10によって先端トンネル3bの高さ方向の調整が可能である。昇降装置10は、例えばモータとボールねじ機構を備える。したがって、可動脚5の高さが調整され、基端トンネル3a,先端トンネル3b及びヘッド4が、回動軸を中心にして上下方向に回動することによって、航空機90の高さに応じて傾斜される。
【0032】
このようにボーディングブリッジ1が伸縮したり、ロタンダ2に設けられた回動軸を中心にして左右方向及び上下方向に回動したりするため、航空機90の駐機状態に応じて、ボーディングブリッジ1を航空機90に対して適切に接続することができる。
【0033】
ヘッド4は、先端側に開口が形成され、先端側が航空機90の乗降口92に接続される。ヘッド4の内部には、ボーディングブリッジ1の走行部7の駆動を開始させたり、走行部7における車輪8の走行方向(ステアリング角度)を操作したりするための操作盤9が設けられている。
【0034】
なお、ボーディングブリッジ1のロタンダ2、基端トンネル3a、先端トンネル3b及びヘッド4の内部には、乗客が通行する通路がロタンダ2からヘッド4に向けて設置される。
【0035】
一対の支柱11の下端部には、それらを連結するように水平に延びる支持梁12が固定して取り付けられている。走行部7には、支柱11の延長位置において支持梁12の下部に取り付けられた車輪8が設置される。車輪8は、4輪又は2輪である。
【0036】
図2~
図5に示すように、ヘッド4の先端には渡り通路部13が設置され、渡り通路部13は、ヘッド4と航空機90の乗降口92との間に乗降通路の一部を形成する。渡り通路部13は、本体板14と、駆動機構15などを備えている。
【0037】
駆動機構15は、支持フレーム16と、梁17と、ブラケット18と、板駆動部と、支持フレーム駆動部と、梁駆動部と、ブラケット駆動部などを有する。
【0038】
本体板14は、乗降通路として十分な強度を有する板状の部材である。本体板14は、一方向に長い長尺状の板状部材であり、一端側が支持フレーム16に設けられて支持フレーム16に支持され、他端側が航空機90の乗降口92に接続可能となっている。本体板14の側端には、手摺が設置される。なお、手摺は、第2実施形態で説明する手摺60と同一のものを適用できる。
【0039】
支持フレーム16は、ヘッド4の下方にて梁17に取り付けられ、梁17よりもヘッド4の前方に延設された部材である。支持フレーム16を平面視したとき、支持フレーム16は、
図2に示すように、梁17と接続された基端から、支持フレーム16の先端にかけて、ヘッド4の前後方向に直線状に延設されている。これにより、本体板14は、ヘッド4の幅方向両端部の内側で移動する。
【0040】
支持フレーム16には、本体板14が移動可能に設置されている。
図6~
図9に示すように、支持フレーム16において、本体板14は、本体板14の長手方向に対して平行方向、すなわち、ヘッド4の前後方向に移動する。
【0041】
梁17は、長尺状部材である。梁17は、梁17の長手方向が、本体板14の長手方向に対して垂直方向、すなわち、ヘッド4の幅方向に対して平行になるようにブラケット18に設置される。梁17には、支持フレーム16が移動可能に支持されており、支持フレーム16は、
図2に示すように、梁17の長手方向に沿ってスライド移動する。
【0042】
ブラケット18は、ヘッド4の下面に取り付けられ、ヘッド4の下面に対して垂直方向に延設された部材である。ブラケット18は、ヘッド4の下面において移動可能に設置され、梁17を支持する。
図6~
図9に示すように、ブラケット18において、梁17は上下方向(鉛直方向)に移動可能に設置される。また、ブラケット18は、ヘッド4の前後方向、すなわち、ヘッド4の幅方向に対して垂直方向に移動可能である。
【0043】
板駆動部は、本体板14を支持フレーム16上で本体板14の長手方向に対して平行方向に移動させる。板駆動部は、電動モータと、駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ベルト・プーリー機構など)を有する。板駆動部が駆動することによって、本体板14が支持フレーム16に対して移動し、板駆動部の駆動が停止することによって、支持フレーム16における本体板14の移動が停止する。
【0044】
支持フレーム駆動部は、支持フレーム16を梁17の長手方向に沿って移動させる。支持フレーム駆動部は、電動モータと、駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ベルト・プーリー機構など)を有する。支持フレーム駆動部が駆動することによって、支持フレーム16が梁17に沿って移動し、支持フレーム駆動部の駆動が停止することによって、梁17に沿った支持フレーム16の移動が停止する。
【0045】
梁駆動部は、梁17をブラケット18に沿って上下方向、すなわち、ヘッド4の下面に対して垂直方向に沿って移動させる。梁駆動部は、電動モータと、駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ベルト・プーリー機構など)を有する。梁駆動部が駆動することによって、梁17がヘッド4の下面において、ブラケット18に沿って上下方向に移動し、梁駆動部の駆動が停止することによって、ブラケット18に沿った梁17の移動が停止する。
【0046】
ブラケット駆動部は、ブラケット18をヘッド4の前後方向、すなわち、ヘッド4の幅方向に対して垂直方向に沿って移動させる。ブラケット駆動部は、電動モータと、駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ベルト・プーリー機構など)を有する。ブラケット駆動部が駆動することによって、ブラケット18がヘッド4の下面に沿って前後方向に移動し、ブラケット駆動部の駆動が停止することによって、ヘッド4の下面に沿ったブラケット18の移動が停止する。
【0047】
次に、本実施形態に係るボーディングブリッジ1のヘッド4に関する動作について説明する。
まず、走行部7が駆動して可動脚5が移動することで、ヘッド4が航空機90の近傍に設置される。このとき、
図3に示すように、ヘッド4の向きを調整して、本体板14の長手方向と、乗降用階段91の長手方向とを平行にする。
【0048】
その結果、本体板14の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線が一致している場合は、板駆動部によって、本体板14をヘッド4に対して長手方向に進出させれば、本体板14を航空機90に近づけることができる。
【0049】
一方、
図3に示すように、本体板14の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線が一致していない場合、支持フレーム駆動部によって、支持フレーム16を梁17の長手方向に沿って移動させる。
【0050】
その結果、支持フレーム16に設置された本体板14が、本体板14の向きを維持したまま、本体板14の長手方向に対して垂直な方向にスライド移動する。これにより、
図4に示すように、本体板14の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線を一致させることができる。本体板14の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線が一致した状態で、板駆動部によって、
図5に示すように、本体板14をヘッド4に対して長手方向に進出させれば、本体板14を航空機90に近づけることができる。
【0051】
以上より、本体板14の長手方向と、乗降用階段91の長手方向とを平行にした後、本体板14の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線を一致させる際、本体板14の角度を調整することなく、本体板14の位置のみ調整すればよいため、ヘッド4を航空機90に対して迅速に接続できる。また、板駆動部によって、比較的軽量の本体板14がヘッド4に対して長手方向に進出することから、走行部7が重量の大きい基端トンネル3a及び先端トンネル3b等を駆動して、ヘッド4を航空機90に接続させる場合に比べて、短時間でヘッド4を航空機90に接続させることができる。
【0052】
従来、小型航空機に本体板14を接続する際、トンネル部及びヘッドが左右に揺れて、航空機90に設けられた階段用手摺93に、渡り通路部が接触する可能性がある。ボーディングブリッジの走行部を2輪とすると揺れが大きくなるため、走行部は車輪を4輪とする必要があった。また、従来、渡り通路部を航空機90に接続する際、走行部を駆動する必要があった。
【0053】
上述した第1実施形態は、板駆動部の駆動によって、本体板14がヘッド4の前後方向に移動することから、本体板14を航空機90に接続する際、走行部7は用いられない。したがって、本体板14を航空機90に接続する際、走行部7をアウトリガーによって固定した状態とすることができる。本実施形態では、走行部7による本体板14の移動が不要であることから、アウトリガーによって揺れを抑制する場合、走行部7を2輪とすることができる。
【0054】
さらに、本体板14が、梁17に沿って、本体板14の長手方向に対して垂直な方向にスライド移動する構成の場合、本体板14がヘッド4との設置位置を支点にして旋回して、本体板14の角度が調整される場合よりも、本体板14について、ヘッド4の幅方向の移動可能範囲を大きく設定しやすい。
【0055】
なお、走行部7によってヘッド4を階段用手摺93の近傍まで接近させるとき、ヘッド4側に退避した本体板14の高さ位置は、
図6に示すように、ヘッド4の下面よりも下方でもよいし、
図9に示すように、ヘッド4の床面よりも上方でもよい。
【0056】
図9に示すように、ヘッド4側に退避した本体板14の高さ位置を、ヘッド4の床面よりも上方とする場合、まず、板駆動部の駆動によって、
図6の状態から、
図7に示すように、ヘッド4の下方に収納された本体板14をヘッド4の前方に移動させて、ヘッド4の先端部よりも突出させる。そして、
図8に示すように、本体板14をヘッド4の床面よりも上方まで移動させて、
図9に示すように、再びヘッド4側へ本体板14を退避させる。この状態で、走行部7によってヘッド4を階段用手摺93の近傍まで接近させる。
【0057】
そして、
図3に示すように、本体板14をヘッド4の幅方向に移動させて、本体板14の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線を一致させる。次に、
図10に示すように、ヘッド4の床面よりも上方に位置する本体板14をヘッド4の前方に移動させて、ヘッド4の先端部よりも突出させ、本体板14を航空機90に接続する。本体板14が航空機90と接続されたとき、
図11に示すように、本体板14の高さをヘッド4の床面に合うように変更してもよいし、
図12に示すように、本体板14とヘッド4の床面の上面に渡り板19を設置してもよい。
【0058】
また、
図6に示すように、ヘッド4側に退避した本体板14の高さ位置を、ヘッド4の床面よりも下方とする場合、本体板14をヘッド4側へ本体板14を退避させた状態で、走行部7によってヘッド4を階段用手摺93の近傍まで接近させる。
【0059】
そして、
図3に示すように、本体板14をヘッド4の幅方向に移動させて、本体板14の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線を一致させる。次に、
図13に示すように、ヘッド4の下面よりも下方に位置する本体板14をヘッド4の前方に移動させて、ヘッド4の先端部よりも突出させる。その後、本体板14の高さを調整して、
図14に示すように、本体板14の高さをヘッド4の床面に合わせる。そして、本体板14とヘッド4の床面の高さが一致した状態で、ヘッド4の高さを調整して、
図15に示すように、本体板14を航空機90に接続する。
なお、上述した渡り通路部13の動作は、例示であり、本発明はこの例に限定されない。
【0060】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るボーディングブリッジ1について説明する。なお、上述した第1実施形態と重複する構成及び作用効果については、詳細な説明を省略する。
【0061】
上述した第1実施形態では、
図2に示すように、本体板14がヘッド4の幅方向両端部の内側で移動可能である構成について説明したが、本発明はこの例に限定されない。
【0062】
第1実施形態では、支持フレーム16を平面視したとき、支持フレーム16は、梁17と接続された基端から、支持フレーム16の先端にかけて、ヘッド4の前後方向に直線状に延設されている。これに対し、本実施形態の支持フレーム16は、
図17に示すように、ヘッド4の前後方向に延設されると共に、屈曲してヘッド4の幅方向に対して平行に延設されている。
図16に示すように、ヘッド4が航空機90の左側面に接続するボーディングブリッジ1の場合、
図17に示すように、支持フレーム16は、ヘッド4の進行方向右側に屈曲部16aを有する。支持フレーム16の先端は、ヘッド4の進行方向右側端部よりも外側に設置可能であり、支持フレーム16の先端において本体板14が設置される。
【0063】
第1実施形態のように支持フレーム16が直線状である場合、支持フレーム16の先端を、ヘッド4の進行方向右側端部よりも外側に設置するためには、梁17をヘッド4の進行方向右側端部よりも外側に延長させる必要がある。これに対し、本実施形態では、梁17をヘッド4の進行方向右側端部よりも外側に延長させることなく、本体板14をヘッド4の進行方向右側端部よりも外側に設置できる。
【0064】
図17に示すように、小型の航空機90には主翼の前方にプロペラが設置されていたり、乗降口92が主翼の近くに設けられているものがある。その場合、ヘッド4を乗降口92に対抗できる位置まで近づけることができない。このような場合において、本実施形態に係る本体板14は、ヘッド4の幅方向端部よりも外側に設置されることから、ヘッド4を設置できる位置から外れた場所に航空機90の乗降口92や乗降用階段91が位置する場合でも、本体板14を航空機90に近づけることができる。
【0065】
本実施形態では、本体板14がヘッド4の幅方向端部よりも外側に設置されたとき、本体板14とヘッド4の間に隙間が形成されるため、
図17に示すように、本体板14とヘッド4の間に形成された隙間を塞ぐように補助板20が設置される。補助板20が、本体板14とヘッド4の間に設置されることによって、補助板20を介してヘッド4と本体板14との間の通行が可能になる。
【0066】
補助板20は、長尺状の板状部材である。補助板20は、
図16及び
図17に示すように、例えばヘッド4の前方に設置され、補助板20の長手方向は、ヘッド4の幅方向に対して平行である。乗客は、ボーディングブリッジ1から航空機90へ移動する際、ヘッド4の前方から補助板20へ移動し、その後、補助板20上を通行して本体板14上を移動した後、航空機90に搭乗する。
【0067】
補助板20は、第2支持フレーム21に設けられて、第2支持フレーム21に支持される。
【0068】
第2支持フレーム21は、梁17に取り付けられ、梁17よりもヘッド4の前方に延設された部材である。第2支持フレーム21は、ヘッド4の床下で支持されている。第2支持フレーム21は、梁17を介して、ヘッド4の幅方向に移動可能である。また、第2支持フレーム21は、ブラケット18を介して、上下方向に移動可能である。
【0069】
第2支持フレーム21は、
図18及び
図19に示すように、フレーム部分が回動可能に設置されている。回動軸の軸方向は、ヘッド4の幅方向に対して平行な方向である。これにより、補助板20を回動軸周りに回動させて下方に移動することによって、補助板20をヘッド4の下方に収納できる。
【0070】
または、
図20及び
図21に示すように、第2支持フレーム21において、補助板20がスライド移動可能に設置されている。補助板20は、第2支持フレーム21において、ヘッド4の前後方向に移動可能に構成されている。
なお、補助板20とヘッド4の床面の間には渡り板22が設置され、本体板14と補助板20床面の間には渡り板23が設置されてもよい。
【0071】
また、
図22に示すように、補助板24が、例えばヘッド4の側方に設置されてもよい。補助板24の長手方向は、ヘッド4の前後方向に対して平行である。乗客は、ボーディングブリッジ1から航空機90へ移動する際、ヘッド4の側方から補助板24へ移動し、その後、補助板24を通行して本体板14を移動した後、航空機90に搭乗する。
【0072】
補助板24は、第3支持フレーム25と、ブラケット26と、フレーム駆動部と、ブラケット駆動部によって、移動可能に支持されている。補助板24は、ヘッド4の幅方向、及び、上下方向に移動可能である。
【0073】
補助板24は、第3支持フレーム25に設けられて、第3支持フレーム25に支持される。
【0074】
第3支持フレーム25は、ブラケット26に取り付けられる。ブラケット26において、第3支持フレーム25は上下方向(鉛直方向)に移動可能に設置される。また、ブラケット26は、ヘッド4の幅方向に移動可能である。これにより、補助板24を上下方向、及び、ヘッド4の左右方向に移動することによって、
図23及び
図25に示すように、補助板24をヘッド4の下方に収納したり、
図22及び
図24に示すように、ヘッド4の床面と一致する高さに設置したりすることができる。
【0075】
フレーム駆動部は、
図26及び
図27に示すように、第3支持フレーム25をブラケット26に沿って上下方向、すなわち、ヘッド4の下面に対して垂直方向に沿って移動させる。フレーム駆動部は、電動モータと、駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ベルト・プーリー機構など)を有する。フレーム駆動部が駆動することによって、第3支持フレーム25がヘッド4の下面において、ブラケット26に沿って上下方向に移動し、フレーム駆動部の駆動が停止することによって、ブラケット26に沿った梁17の移動が停止する。
【0076】
ブラケット駆動部は、
図26及び
図27に示すように、ブラケット26をヘッド4の幅方向に沿って移動させる。ブラケット駆動部は、電動モータと、駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ベルト・プーリー機構など)を有する。ブラケット駆動部が駆動することによって、ブラケット26がヘッド4の下面に沿ってヘッド4の幅方向に移動し、ブラケット駆動部の駆動が停止することによって、ヘッド4の下面に沿ったブラケット26の移動が停止する。
【0077】
なお、ブラケット26において、第3支持フレーム25は上下方向(鉛直方向)に移動可能ではなく、
図29及び
図30に示すように、高さ方向の位置が固定されていてもよい。この場合、ブラケット26は、高さを維持したまま、ヘッド4の幅方向に移動可能である。この構成において、補助板24は、ヒンジ27の軸周りに回動可能な構成を有する。ヒンジ27の回動軸の軸方向は、ヘッド4の前後方向に対して平行な方向である。これにより、
図28~
図30に示すように、補助板24を回動軸周りに回動させて、補助板24をヘッド4の側面に沿って畳むことができる。これにより、補助板24をヘッド4の近傍に移動させて収縮した形状とすることができる。
【0078】
また、
図31~
図36に示すように、補助板24は、ヘッド4の床面に対して平行な面内で旋回可能に構成されてもよい。このとき、補助板24は、一端24aがヘッド4に固定され、他端24bがヘッド4の幅方向に移動可能である。補助板24は、旋回可能に分割されて複数の部材から構成される。また、補助板24は、
図35及び
図36に示すように、ヒンジ27の軸周りに回動可能な構成を有する。
【0079】
補助板24は、例えば、
図31に示すように、本体板14を支持する支持フレーム16と係合して移動可能である。これにより、補助板24が支持フレーム16と共にヘッド4の幅方向に移動され、補助板24の通路の方向を直線状としたり折れ曲がり状としたりすることができる。
【0080】
補助板24は、例えばヘッド4の側方に設置され、ヘッド4の幅方向に移動可能である場合、
図22~
図30に示すように、スライド板30が更に設置されてもよい。スライド板30は、例えばヘッド4の側方に設置され、ヘッド4の床面に対して平行な面内で移動可能である。
【0081】
本体板14とヘッド4の間に形成された隙間を塞ぐようにスライド板30が設置される。スライド板30が、補助板24とヘッド4の間に設置されることによって、スライド板30を介してヘッド4と補助板24との間の通行が可能になる。
【0082】
図37及び
図38に示すように、スライド板30における補助板24側の端部は、補助板24におけるヘッド4側の端部と係合可能に構成されてもよい。補助板24は、所定の高さ位置まで移動し(
図37参照)、又は、所定位置に回動し(
図38参照)、補助板24がヘッド4の床面とほぼ同一高さに設置されたとき、スライド板30と補助板24が係合する。スライド板30と補助板24が係合した状態で、補助板24がヘッド4の幅方向に移動することによって、スライド板30もヘッド4の幅方向にスライド移動する。
【0083】
<可動屋根>
次に、本実施形態に係るボーディングブリッジ1に適用される可動屋根28について説明する。
【0084】
ヘッド4の上部には、ヘッド4上部に位置する収納位置(
図39~
図41及び
図43に二点鎖線で表示した位置)と、ヘッド4上部から航空機90の機体上方側へ進出した進出位置(
図41~
図43に実線で表示した位置)との間をスライドするようにして移動可能な可動屋根28が設置されている。この可動屋根28は、渡り通路部13の上部を確実に覆うことができる面積を有している。
【0085】
また、この可動屋根28は、ヘッド4の屋根よりも上方に設置され、屋根の上面に対して平行な面内で移動可能である。可動屋根28は、例えば、ヘッド4の屋根の上面に設置されたガイドレールに沿って移動する。可動屋根28は、駆動機構の動作によってガイドレールに沿った往復移動が可能となっている。なお、駆動機構は、例えば油圧のジャッキや、モータにより駆動されるボールねじを用いたスライド機構や、ラック&ピニオン機構などを採用でき、特に限定されることはない。
【0086】
このような可動屋根28を備えたボーディングブリッジ1は、渡り通路部13を備えたボーディングブリッジ1を小型の航空機90に適用する場合において、可動屋根28を進出位置に移動させれば、航空機90とヘッド4との間を接続する渡り通路部13の上部を覆う降雨対策が可能となる。
【0087】
図39~
図42には、渡り通路部13において、本体板14と、ヘッド4の前方に補助板20が設置される場合に適用される可動屋根28の例を示す。また、
図43には、渡り通路部13において、本体板14と、ヘッド4の側方に補助板24が設置される場合に適用される可動屋根28の例を示す。
【0088】
図39及び
図40に示す例では、渡り通路部13の上部がヘッド4の屋根面とほぼ同等の面積を有する可動屋根28により覆われているので、乗降客が受ける降雨の影響を最小限に抑えることが可能になる。なお、図示の例では、キャノピー50が畳まれた状態で可動屋根28が使用されている。また、
図40及び
図42に示す例では、可動屋根28において、航空機90側に上部カーテン29が設置される。
【0089】
図41及び
図42に示す例では、キャノピー50を航空機90の機体に近接させつつ、渡り通路部13の上部を可動屋根28によって覆う。また、
図41及び
図43に示す例では、可動屋根28において、可動屋根28から吊り下げられるように側壁52や側面カーテン53が設置される。側壁52や側面カーテン53を設けることによって、渡り通路部13は、通路上方が可動屋根28により覆われていることに加えて、側方も覆われるため、乗降通路に対する風や、風の影響を受けた雨の侵入を抑制できる。
【0090】
キャノピー50を機体に近接させる場合、
図42に示すように、キャノピー50が通行の妨げにならないように、キャノピー50は、チェーン51を用いて上方に吊り上げられる。
【0091】
また、
図40に示すように、上述した可動屋根28の先端部は、突出位置において航空機90の胴体中心軸位置を超える位置まで移動させるとよい。すなわち、可動屋根28の先端部が航空機90の胴体中心軸位置を超える位置にあると、可動屋根28の先端部から円形断面の機体に落下した雨水は、航空機90の乗降口92と反対側へ落下していくので、乗降客に対する雨水の影響をより一層低く抑えることが可能になる。
【0092】
<手摺>
次に、本実施形態に係るボーディングブリッジ1に適用される手摺60について説明する。
【0093】
手摺60(60A)は、例えば、
図44に示すように、本体板14に設置され、本体板14の幅方向に平行な回転軸61を中心にして、回動可能である。手摺60Aは、本体板14が長手方向に移動して、航空機90に接近している間、
図45に示すように、支柱62が本体板14の床面よりも上方で、航空機90側とは反対側に傾けて起立される。このとき、本体板14が航空機90に最も接近した位置で、手摺60Aの下面が航空機90の階段用手摺93と重ならない位置まで、手摺60Aが傾いていることが望ましい。
【0094】
手摺60Aは、使用される際、
図44の破線部分及び
図46に示すように、手摺60Aの支柱62を回転させて起立される。また、本体板14がヘッド4の先端から退避した位置に収容される際、手摺60Aは、
図44の実線部分及び
図47に示すように、支柱62が本体板14の床面より下方に位置するように回転させて倒される。
【0095】
これにより、手摺60Aが長方形状の枠を有する場合でも、本体板14に設けられた手摺60Aと、航空機90の階段用手摺93が接触しないように、本体板14を航空機90に向けて接近させることができる。
【0096】
本体板14に設けられる手摺60には、
図45に示すように、通路側と外部側とを遮るカバー63が設けられてもよい。
【0097】
手摺60は、以下の方式で折畳可能又は伸縮可能に構成される。以下では、手摺60が本体板14に適用される場合について説明する。なお、手摺60は、補助板20,24、又は、スライド板30にも適用可能である。
例えば、
図48に示すように、手摺60(60B)の支柱62における基部においてヒンジ64が設けられる。ヒンジ64の回転軸は、本体板14の長手方向に対して平行である。これにより、手摺60Bを本体板14の幅方向内側に折り畳んだり(
図48(A),(C))、本体板14の幅方向外側に折り畳んだりすることができる(
図48(A),(C),(D))。また、手摺60Bは、本体板14の幅方向外側に折り畳まれるとき、
図48(D)に示すように、本体板14の下方まで折り畳むことが可能なように構成されてもよい。
【0098】
また、
図49及び
図50に示すように、手摺60(60C)の支柱62周りに手摺60Cが回動可能となるように、手摺60Cが本体板14に設置される。これにより、本体板14の床面に対して垂直方向に設けられた支柱62を回転軸として、手摺60Cが回動する。また、アーム部65において、ヒンジ66が設けられてもよい。ヒンジ66の回転軸は、本体板14の床面に対して垂直方向である。これにより、手摺60Cのアーム部65が重なり合い、アーム部65を複数段階、例えば2段階で折り畳むことができる。
【0099】
さらに、
図51に示すように、手摺60(60D)は、アーム部65が本体板14の軸方向に対して平行方向に伸縮可能に構成されてもよい。また、
図52に示すように、アーム部65が伸縮構造を有するとき、支柱62の下端62Aが平行移動する本体板14の先端に固定されることによって、本体板14が平行移動するとき、手摺60Dが本体板14の平行移動に伴って伸縮する。
【0100】
なお、
図53~
図57には、本体板14や補助板20,24に設置される手摺60の組み合わせ例について示している。なお、本発明において、手摺60の設置例は、図示した例に限定されない。
【0101】
図53~
図56には、渡り通路部13において、本体板14と、ヘッド4の前方に補助板20が設置される場合に適用される手摺60の配置例を示す。
【0102】
例えば、本体板14の一側には、
図44に示した回動可能な構造を有する手摺60Aが設置され、本体板14の他側には、
図44に示した回動可能な構造を有しつつ、
図51に示した伸縮可能な構造を有する手摺60A+60Dが設置される。補助板20が設置されるとき、当該手摺60A+60Dは収縮して収納された状態とする。また、補助板20において、短手方向の1辺と、長手方向の一側の辺には、
図48に示した内側方向と外側方向に回動可能な構造を有する手摺60Bが設置され、長手方向の他側の辺には、
図48に示した内側方向又は外側方向に回動可能な構造を有しつつ、
図49に示した支柱62周りに回動可能な構造を有する手摺60B+60Cが設置される。
ヘッド4の床面には、
図49に示した内側方向又は外側方向に回動可能な構造を有しつつ、
図51に示した伸縮可能な構造を有する手摺60C+60Dが設置される。
【0103】
また、
図57には、渡り通路部13において、本体板14と、ヘッド4の側方に補助板24及びスライド板30が設置される場合に適用される手摺60の例を示す。
【0104】
例えば、本体板14の両側には、
図44に示した回動可能な構造を有する手摺60Aが設置される。補助板24において、短手方向の1辺と、長手方向の一側の辺のそれぞれには、
図48に示した内側方向と外側方向に回動可能な構造を有する手摺60Bが設置され、長手方向の他側の辺には、
図48に示した内側方向又は外側方向に回動可能な構造を有しつつ、
図51に示した伸縮可能な構造を有する手摺60B+60Dが設置される。スライド板30の両側には、
図49に示した支柱周りに回動可能な構造を有しつつ、
図51に示した伸縮可能な構造を有する手摺60C+60Dが設置される。
【0105】
従来、小型航空機に本体板14を接続する際、トンネル部及びヘッドが左右に揺れて、航空機90に設けられた階段用手摺93に、渡り通路部や渡り通路部に設置された手摺が接触する可能性がある。ボーディングブリッジの走行部を2輪とすると揺れが大きくなるため、走行部は車輪を4輪とする必要があった。また、従来、渡り通路部を航空機90に接続する際、走行部を駆動する必要があった。
【0106】
上述した第2実施形態は、板駆動部の駆動によって、本体板14がヘッド4の前後方向に移動することから、本体板14を航空機90に接続する際、走行部7は用いられない。したがって、本体板14を航空機90に接続する際、走行部7をアウトリガーによって固定した状態とすることができる。本実施形態では、走行部7による本体板14の移動が不要であることから、アウトリガーによって揺れを抑制する場合、走行部7を2輪とすることができる。
【0107】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るボーディングブリッジ1について説明する。
ヘッド4において渡り通路部31が設置され、渡り通路部13は、ヘッド4と航空機90の乗降口92との間に乗降通路の一部を形成する。渡り通路部31は、
図58及び
図59に示すように、本体板32と、駆動機構33などを備えている。
【0108】
駆動機構33は、支持フレーム34と、先端支持台35と、第1旋回駆動機構36と、第2旋回駆動機構と、板駆動部などを有する。
【0109】
本体板32は、ヘッド4との取付位置を中心にして旋回可能であり、本体板32は、ヘッド4に対する向きが変更されたり、本体板32の向きを維持したまま、本体板32の長手方向に対して垂直な方向に移動したりする。したがって、本体板32は、本体板32の向きを変更せずに、ヘッド4の幅方向に対して平行な方向に移動可能である。本体板32は、後述するとおり、ヘッド4の前後方向にスライド移動可能である。本体板32は、乗降通路として十分な強度を有する板状の部材である。本体板32は、一方向に長い板状部材であり、先端支持台35に設けられ、他端側が航空機90の乗降口92に接続可能となっている。本体板32の側端には、手摺が設置される。
【0110】
駆動機構33は、ヘッド4の床下に取り付けられ、先端支持台35を支持する支持フレーム34と、支持フレーム34に支持された先端支持台35などを備えている。
【0111】
支持フレーム34は、回転軸34Aを支点(回転中心)として、ヘッド4の床面と平行な平面上の旋回が可能にヘッド4の床下に支持されている。
【0112】
第1旋回駆動機構36は、支持フレーム34をヘッド4に対して旋回させる。第1旋回駆動機構36は、先端支持台35をヘッド4の先端側から退避した位置に収納する位置と、
図59に示すように、航空機90と接続される際に先端支持台35を配置する位置との間で旋回させる。これにより、支持フレーム34は、ヘッド4の先端側から退避した収納位置と、乗降口92とヘッド4との間に乗降通路を形成する通路形成位置との間において移動する。
【0113】
第1旋回駆動機構36は、例えば電力駆動のシリンダ37を駆動源とする。シリンダ37は、電動により伸縮するロッド38を有する。シリンダ37は、ピン結合によって、一端がヘッド4と接続され、他端がロッド38を介して支持フレーム34と接続されている。これにより、支持フレーム34は、ロッド38が収縮した状態で収納位置に配置され、ロッド38が伸長した状態で通路形成位置に配置される。第1旋回駆動機構36は、スイッチ操作等により作動して先端支持台35及び本体板32を所望の位置に旋回移動させることができる。航空機90と接続される際に配置された使用状態では、第1旋回駆動機構36は、
図59に示すように、上述の支持フレーム34の移動よりも小さい角度範囲で、支持フレーム34を旋回させることもでき、支持フレーム34の方向を微調整できる。
【0114】
支持フレーム34は、先端支持台35を支持しており、先端支持台35は、回転軸35Aを支点(回転中心)として、支持フレーム34に対して、先端支持台35の床面と平行な平面上の旋回が可能に支持されている。航空機90と接続される際に配置された使用状態では、比較的小さい角度範囲で、先端支持台35を旋回させることができ、先端支持台35の方向を微調整できる。先端支持台35は、手動で支持フレーム34に対して回転軸周りに旋回される構成でもよいし、第2旋回駆動機構(図示せず。)を備えて機械的に旋回される構成でもよい。
【0115】
第2旋回駆動機構は、先端支持台35を支持フレーム34に対して旋回させる。第2旋回駆動機構は、例えば電力駆動のシリンダを駆動源とする。シリンダは、電動により伸縮するロッドを有する。シリンダは、ピン結合によって、一端が支持フレーム34と接続され、他端がロッドを介して先端支持台35と接続されている。
【0116】
支持フレーム34は、例えばアーム部39と、リンク機構40と、シリンダ41と、軸受部42などを備える。
アーム部39は、一方向に長い長尺部材であり、一端にはヘッド4と接続される回転軸34Aが形成され、他端にはリンク機構40やシリンダ41が接続される。アーム部39は、ヘッド4の下面に設置される。
【0117】
回転軸34Aは、ヘッド4の床面に対して垂直方向に設けられる。アーム部39は、回転軸34Aを中心にして回転することによって、ヘッド4に対して旋回する。アーム部39を移動させる第1旋回駆動機構36によって、アーム部39が機械的に旋回する。
【0118】
リンク機構40は、一端がアーム部39に接続され、他端が軸受部42に接続される。リンク機構40は、アーム部39に対して軸受部42の高さ、すなわち先端支持台35を調整できる構成を有する。リンク機構40は、シリンダ41と接続された駆動リンク40Aと、駆動リンク40Aの動きに伴って作動する従動リンク40Bからなる。シリンダ41は、例えば電力駆動のシリンダであり、シリンダ41によってリンク機構40が作動し、軸受部42が下方又は上方へ機械的に移動する。軸受部42が上方に移動することによって、本体板32の床面とヘッド4の床面の高さが同一になり、軸受部42が下方に移動することによって、本体板32がヘッド4の床下まで下がる。ボーディングブリッジ1が航空機90に接続されるときは、本体板32の上面と航空機90の乗降口92の床面が一致するよう、可動脚5によって、ヘッド4全体を昇降させて本体板32の床面高さが調整される。このとき、リンク機構40を作動させることによって、本体板32の床面高さを微調整してもよい。
【0119】
軸受部42は、円筒状部材であり、側面においてリンク機構40と接続される。軸受部42は、軸方向が先端支持台35の床面に対して垂直方向に設けられる。軸受部42には軸方向に沿って貫通孔42Aが形成され、先端支持台35の回転軸35Aが挿入される。これにより、先端支持台35は、軸受部42において旋回可能であり、支持フレーム34に対して旋回する。軸受部42には、ブレーキ部43が設けられ、ブレーキ部43は先端支持台35の旋回を固定することができる。先端支持台35を旋回させる場合は、ブレーキ部43を解放させる。
【0120】
先端支持台35には、本体板32が移動可能に設置されている。
先端支持台35において、本体板32は、本体板32の長手方向に対して平行方向、すなわち、ヘッド4の前後方向に移動する。
【0121】
板駆動部は、本体板32を先端支持台35において本体板32の長手方向に対して平行方向に移動させる。板駆動部は、電動モータと、駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ベルト・プーリー機構など)を有する。板駆動部が駆動することによって、本体板32が先端支持台35に対して移動し、板駆動部の駆動が停止することによって、先端支持台35における本体板32の移動が停止する。
【0122】
本体板32が旋回機能のみを有する場合、本体板32の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線を一致させた後、走行部7が前進することによって、本体板32を航空機90に接続する必要があった。
【0123】
これに対し、本実施形態では、板駆動部の駆動によって、本体板32がヘッド4の前後方向に移動することから、本体板32を航空機90に接続する際、走行部7は用いられない。
【0124】
例えば、本体板32がヘッド4側に退避した状態で、走行部7によってヘッド4を階段用手摺93の近傍まで接近させる。また、ヘッド4や本体板32を旋回させて、本体板32の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線を一致させる。そして、本体板32をヘッド4の前方に移動させて、本体板32を航空機90に接続する。
【0125】
なお、走行部7によってヘッド4を階段用手摺93の近傍まで接近させるとき、ヘッド4側に退避した本体板32の高さ位置は、
図61に示すように、ヘッド4の床面よりも上方でもよいし、
図64に示すように、ヘッド4の下面よりも下方でもよい。
【0126】
図61に示すように、ヘッド4側に退避した本体板32の高さ位置を、ヘッド4の床面よりも上方とする場合、まず、板駆動部の駆動によって、
図60の状態から、ヘッド4の下方に収納された本体板32をヘッド4の前方に移動させて、ヘッド4の先端部よりも突出させる。そして、本体板32をヘッド4の床面よりも上方まで移動させて、
図61に示すように、再びヘッド4側へ本体板32を退避させる。この状態で、走行部7によってヘッド4を階段用手摺93の近傍まで接近させる。
【0127】
そして、本体板32の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線を一致させる。次に、
図62に示すように、ヘッド4の床面よりも上方に位置する本体板32をヘッド4の前方に移動させて、ヘッド4の先端部よりも突出させ、本体板32を航空機90に接続する。本体板32が航空機90と接続されたとき、
図63に示すように、本体板32の高さをヘッド4の床面に合うように変更してもよいし、本体板32とヘッド4の床面の上面に渡り板(図示せず。)を設置してもよい。
【0128】
また、
図64に示すように、ヘッド4側に退避した本体板32の高さ位置を、ヘッド4の床面よりも下方とする場合、本体板32をヘッド4側へ本体板32を退避させた状態で、走行部7によってヘッド4を階段用手摺93の近傍まで接近させる。
【0129】
そして、本体板32の長手方向の軸線と乗降用階段91の長手方向の軸線を一致させる。次に、
図65に示すように、ヘッド4の下面よりも下方に位置する本体板32をヘッド4の前方に移動させて、ヘッド4の先端部よりも突出させる。その後、本体板32の高さを調整して、
図66に示すように、本体板32の高さをヘッド4の床面に合わせる。そして、本体板32とヘッド4の床面の高さが一致した状態で、ヘッド4の高さを調整して、
図67に示すように、本体板32を航空機90に接続する。
なお、上述した渡り通路部31の動作は、例示であり、本発明はこの例に限定されない。
【0130】
また、第3実施形態における支持フレーム34が、第1及び第2実施形態における梁17に設置されてもよい。これにより、本体板32は、ヘッド4に対して旋回可能に設置されているとともに、本体板32は、本体板32の長手方向に対して垂直な方向、すなわち、ヘッド4の幅方向にスライド移動する。
【0131】
以下に説明するとおり、第1及び第2実施形態に係る本体板14は、幅方向に拡張又は縮小可能な構成を有してもよい。なお、補助板20,24、スライド板30や第3実施形態に係る本体板32についても同様の構成を有してもよい。
ボーディングブリッジ1のヘッド4を航空機90に接近させる動作中、本体板14を縮小した状態とし、反対に、本体板14が航空機90の乗降口92の近傍まで設置されたり、乗降口92の内部の床面に載置されるとき、本体板14が拡張される。
【0132】
したがって、ヘッド4を航空機90の乗降口92に接近させるとき、
図68(A)に示すように、本体板14が幅方向に縮小された状態とすることによって、本体板14又は本体板14の手摺が、乗降用階段91の階段用手摺93と接触しにくくなり、ボーディングブリッジ1側の操作を容易にする。その結果、ボーディングブリッジ1の移動速度を上昇させて、航空機90との接続が完了するまでの時間を短縮できる。そして、本体板14が航空機90の乗降口92と接続される位置に配置されたとき、
図68(B)に示すように、本体板14が幅方向に拡張された状態とすることで、乗降客に対し幅の広い通路を提供できる。
【0133】
幅方向に拡張又は縮小可能な構造を有する本体板14は、
図68(A)に示すように、例えば、本体板14の本体部14Aに対して、ヒンジ70によって接続された板状部材である拡張板14Bを更に備える。ヒンジ70の回転軸は、本体部14Aの長手方向に対して平行に設けられる。拡張板14Bは、
図68(A)に示すように、拡張時において、板面が本体部14Aの床面と平行になるように配置され、
図68(B)に示すように、縮小時において畳まれた状態で配置される。拡張板14Bは、拡張時の端部が上方に延びて形成され、断面形状がL字形状を有してもよい。
【符号の説明】
【0134】
1 :ボーディングブリッジ
2 :ロタンダ
3 :トンネル部
3a :基端トンネル
3b :先端トンネル
4 :ヘッド
5 :可動脚
6 :固定脚
7 :走行部
8 :車輪
9 :操作盤
10 :昇降装置
11 :支柱
12 :支持梁
13,31 :渡り通路部
14,32 :本体板
15,33 :駆動機構
16,34 :支持フレーム
17 :梁
18 :ブラケット
19,22,23 :渡り板
20 :補助板
21 :第2支持フレーム
24 :補助板
25 :第3支持フレーム
26 :ブラケット
28 :可動屋根
30 :スライド板
35 :先端支持台
36 :第1旋回駆動機構
37 :シリンダ
38 :ロッド
39 :アーム部
40 :リンク機構
50 :キャノピー
51 :チェーン
52 :側壁
53 :側面カーテン
60 :手摺
61 :回転軸
62 :支柱
63 :カバー
81 :ボーディングブリッジ
82 :ロタンダ
83 :トンネル部
84 :ヘッド
85 :渡り通路部
90 :航空機
91 :乗降用階段
92 :乗降口
93 :階段用手摺