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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/54 20100101AFI20230925BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230925BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20230925BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20230925BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230925BHJP
【FI】
H01L33/54
F21S2/00 311
F21V9/38
H01L33/50
F21Y115:10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019113672
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2020205392
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】栗城 新吾
【審査官】大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-270701(JP,A)
【文献】特開2012-059736(JP,A)
【文献】特開2007-318050(JP,A)
【文献】特開2016-119381(JP,A)
【文献】特開2017-143109(JP,A)
【文献】特表2014-526775(JP,A)
【文献】特開2018-046113(JP,A)
【文献】特開2015-233088(JP,A)
【文献】特開2015-084397(JP,A)
【文献】国際公開第2013/015058(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0077299(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
F21K 9/00 - 9/90
F21S 2/00 - 45/70
F21V 1/00 - 99/00
F21W 102/00 -131/411
F21Y 101/00 -115/30
H05B 39/00 - 39/10
H05B 45/00 - 45/59
H05B 47/00 - 47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装された複数の第1青色LEDダイ、複数の第2青色LEDダイ、複数の緑色LEDダイ及び複数の赤色LEDダイと、
前記複数の第1青色LEDダイのそれぞれの周囲に表面及び側面に固着するように個別に配置され、且つ、前記複数の第1青色LEDダイの発光に基づいて緑色光を発する複数の蛍光体と、
前記複数の第1青色LEDダイ、前記複数の第2青色LEDダイ、前記複数の緑色LEDダイ及び前記複数の赤色LEDダイを覆う封止材と、
前記基板上において、リング状に配置された第1ダム材と、
前記第1ダム材の外側に、リング状に配置された第2ダム材と、
前記複数の第1青色LEDダイ、前記複数の第2青色LEDダイ、前記複数の緑色LEDダイ及び前記複数の赤色LEDダイに個別に電力を供給する第1緑色電極、青色電極、第2緑色電極及び赤色電極と、を有し、
前記複数の緑色LEDダイは、前記第1ダム材の内側に配置され、
前記複数の第1青色LEDダイ、前記複数の第2青色LEDダイ及び前記複数の赤色LEDダイは、前記第1ダム材と前記第2ダム材との間に配置され、
前記封止材は、前記第1ダム材の内側で前記複数の緑色LEDダイを覆う第1封止材と、前記第1ダム材と前記第2ダム材との間で前記複数の第1青色LEDダイ及び前記複数の蛍光体、前記複数の第2青色LEDダイ並びに前記複数の赤色LEDダイを覆う第2封止材とを含む、
ことを特徴とする発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
赤色、緑色及び青色で発光する発光素子並びに白色で発光する発光素子を備え、各色発光素子用のアノード電極及びカソード電極から発光素子のそれぞれに電力を供給する発光装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載される発光装置は、青色で発光する青色LEDダイ、緑色で発光する緑色LEDダイ、及び赤色で発光する赤色LEDダイが実装されるとともに、白色で発光する領域が設けられている。特許文献1に記載される発光装置は、各色LED用のアノード電極及びカソード電極毎に異なった電力を供給することにより、カラー光を個別に制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-119381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される発光装置は、青色LEDダイよりも発光効率が低い緑色LEDダイを使用するため、発光効率が低くなるおそれがある。そこで、特許文献1に記載される発光装置において、緑色LEDダイに代えて青色LEDダイ及び緑色蛍光体を使用して緑色光を出射させれば、発光効率を高くすることができる。しかしながら、緑色蛍光体から出射される緑色光は、緑色LEDダイよりも半値幅が大きくなるため、青色LEDダイ及び緑色蛍光体を使用した発光装置は、緑色LEDダイを使用する場合よりも出射可能な色域が狭くなる。
【0005】
本発明は、高い発光効率を維持しながら広範な色域を有する発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置は、基板と、基板に実装された第1青色LEDダイ、第2青色LEDダイ、緑色LEDダイ及び赤色LEDダイと、第1青色LEDダイのそれぞれの周囲に個別に配置され、且つ、第1青色LEDダイの発光に基づいて緑色光を発する蛍光体と、第1青色LEDダイ、第2青色LEDダイ、緑色LEDダイ及び赤色LEDダイを覆う封止材と、第1青色LEDダイ、第2青色LEDダイ、緑色LEDダイ及び赤色LEDダイに個別に電力を供給する第1緑色電極、青色電極、第2緑色電極及び赤色電極とを有する。
【0007】
さらに、本発明に係る発光装置は、基板上において、リング状に配置された第1ダム材と、第1ダム材の外側にリング状に配置された第2ダム材と、を更に有し、第1青色LEDダイは、第1ダム材の内側に配置され、第2青色LEDダイ、緑色LEDダイ及び赤色LEDダイは、第1ダム材と第2ダム材との間に配置され、封止材は、第1ダム材の内側で第1青色LEDダイを覆う第1封止材と、第1ダム材と第2ダム材との間で第2青色LEDダイ、緑色LEDダイ及び赤色LEDダイを覆う第2封止材とを含み、第1封止材は、蛍光体を含有することが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係る発光装置は、基板上において、リング状に配置された第1ダム材と、第1ダム材の外側に、リング状に配置された第2ダム材と、を更に有し、緑色LEDダイは、第1ダム材の内側に配置され、第1青色LEDダイ、第2青色LEDダイ及び赤色LEDダイは、第1ダム材と第2ダム材との間に配置され、封止材は、第1ダム材の内側で緑色LEDダイを覆う第1封止材と、第1ダム材と第2ダム材との間で第1青色LEDダイ、第2青色LEDダイ及び赤色LEDダイを覆う第2封止材とを含むことが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1青色LEDダイ、第2青色LEDダイ、緑色LEDダイ及び赤色LEDダイは、基板上において、同一方向に延伸するように配置され、封止材は、第1青色LEDダイを覆う第1封止材、第2青色LEDダイを覆う第2封止材、緑色LEDダイを覆う第3封止材、及び赤色LEDダイを覆う第4封止材を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る発光装置は、発光効率の高い状態が維持されると共に、広範な色域を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は実施形態に係る発光装置の平面図であり、(b)は図1(a)に示すA-A´線に沿う断面図である。
図2図1に示す回路基板の平面図である。
図3図1に示す第1青色LEDダイと、第1緑色アノード電極及び第1緑色カソード電極との間の接続関係を示す平面図である。
図4図1に示す第2青色LEDダイと、青色アノード電極及び青色カソード電極との間の接続関係を示す平面図である。
図5図1に示す緑色LEDダイと、第2緑色アノード電極及び第2緑色カソード電極との間の接続関係を示す平面図である。
図6図1に示す赤色LEDダイと、赤色アノード電極及び赤色カソード電極との間の接続関係を示す平面図である。
図7図1に示す発光装置の製造方法を説明するための図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は次の第2工程を示し、(c)は第4工程を示し、(d)は第5工程を示し、(e)は第6工程を示す。
図8図1に示す発光装置が発光可能な色域を示す色度図である。
図9】(a)は第1変形例に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示すA-A´線に沿う断面図である。
図10図9に示す第1青色LEDダイの表面及び側面に緑色蛍光体を配置する工程を示す図(その1)であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のB-B´線に沿う断面図である。
図11図9に示す第1青色LEDダイの表面及び側面に緑色蛍光体を配置する工程を示す図(その2)であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のB-B´線に沿う断面図である。
図12図9に示す第1青色LEDダイの表面及び側面に緑色蛍光体を配置する工程を示す図(その3)であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のB-B´線に沿う断面図である。
図13】(a)は第2変形例に係る発光装置の平面図であり、(b)は(a)に示す発光装置の部分透視平面図であり、(c)は(a)に示すA-A´線に沿う断面図である。
図14図13に示す第1青色LEDダイの表面及び側面に緑色蛍光体を配置する工程を示す図(その1)であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のB-B´線に沿う断面図である。
図15図13に示す第1青色LEDダイの表面及び側面に緑色蛍光体を配置する工程を示す図(その2)であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のB-B´線に沿う断面図である。
図16図13に示す第1青色LEDダイの表面及び側面に緑色蛍光体を配置する工程を示す図(その3)であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のB-B´線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して、本発明に係る発光装置について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
(実施形態に係る発光装置の構成及び機能)
図1(a)は実施形態に係る発光装置1の平面図であり、図1(b)は図1(a)に示すA-A´線に沿う断面図である。
【0014】
発光装置1は、基板10と、第1ダム材11と、第2ダム材12と、蛍光体樹脂13(第1封止材)と、封止材14(第2封止材)と、第1青色LEDダイ21と、第2青色LEDダイ22と、緑色LEDダイ23と、赤色LEDダイ24とを有するCOB(Chip on Board)型の発光装置である。発光装置1は、端部に設けられたガイド穴19を介して照明器具を構成する部材に取り付けられる。
【0015】
基板10は、実装基板15と、回路基板16とを有する。実装基板15は、アルミニウム等の金属により形成され、第1青色LEDダイ21、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24が実装される。第1青色LEDダイ21、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24は、シリコン系接着剤等のダイボンド材によって、実装基板15に直接接着されている。
【0016】
図2は、回路基板16の平面図である。
【0017】
回路基板16は、エポキシガラス樹脂等により形成され、第1開口部161と、第2開口部162と、第3開口部163と、第4開口部164と、第5開口部165とが形成される。第1青色LEDダイ21は、第1開口部161を介して実装基板15に実装される(図1参照。以下同様)。第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24は、第2開口部162、第3開口部163、第4開口部164及び第5開口部165を介して実装基板15に実装される。
【0018】
再び、図1に戻り、図1に含まれる部材について説明する。第1ダム材11及び第2ダム材12のそれぞれは、リング状の平面形状を有し、同心円状の平面形状を有するように配置されている。第1ダム材11は、シリコーン樹脂等の透明な合成樹脂により形成され、フィラー等の散乱材を含有する。第2ダム材12は、白色粒子が混入された不透明なシリコーン樹脂等の合成樹脂により形成されている。
【0019】
蛍光体樹脂13は、緑色蛍光体130を含有するシリコーン樹脂等の透明な合成樹脂であり、第1ダム材11の内側に配置されて、第1青色LEDダイ21を封止する封止材である。蛍光体樹脂13に含有される緑色蛍光体130は、例えばβ-SiALON(Si6-zAlzOzN8-z :Eu)等の蛍光体であり、第1青色LEDダイ21が発する青色光を緑色光に変換して出射する。蛍光体樹脂13に含有される緑色蛍光体130は、第1青色LEDダイ21を覆うように配置される。緑色蛍光体130は、複数の第1青色LEDダイ21の発光に基づいて緑色光を発する蛍光体である。
【0020】
封止材14は、緑色蛍光体130を含有しないシリコーン樹脂等の透明な合成樹脂であり、第1ダム材11と第2ダム材12との間に配置されて、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24を封止する。
【0021】
第1青色LEDダイ21及び第2青色LEDダイ22は、窒化ガリウム(GaN)等の半導体材料で形成され、アノードとカソードとの間に閾値電圧以上の電圧が印加されたときに450nmの主波長を有する青色光を発光する。緑色LEDダイ23は、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP)及びテルル化亜鉛(ZnTe)等の半導体材料で形成される。緑色LEDダイ23は、アノードとカソードとの間に閾値電圧以上の電圧が印加されたときに550nmの主波長を有する緑色光を発光する。なお、緑色LEDダイ23が発光する緑色の波長範囲は、「グリーンギャップ」とも称される発光効率の谷間があり、青色及び赤色の波長範囲よりも発光効率が低くなる。赤色LEDダイ24は、アルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)等の半導体材料で形成され、アノードとカソードとの間に閾値電圧以上の電圧が印加されたときに660nmの主波長を有する赤色光を発光する。
【0022】
第1青色LEDダイ21は、第1ダム材11の内側に円形状の平面形状を有するように配置される。また、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24は、第1ダム材11及び第2ダム材12のそれぞれと同心円状の平面形状を有するようにリング状に配置される。
【0023】
回路基板16の表面には、第1緑色アノード電極31、第1緑色カソード電極32、青色アノード電極33、青色カソード電極34、第2緑色アノード電極35、第2緑色カソード電極36、赤色アノード電極37及び赤色カソード電極38が配置される。第1緑色アノード電極31~赤色カソード電極38のそれぞれは、銅等の導電性部材により形成され、複数の第1青色LEDダイ21、複数の第2青色LEDダイ22、複数の緑色LEDダイ23、及び、複数の赤色LEDダイ24に個別に電力を供給する。
【0024】
第1緑色アノード電極31及び第1緑色カソード電極32は、複数の第1青色LEDダイ21に電力を供給する第1緑色電極である。青色アノード電極33及び青色カソード電極34は、複数の第2青色LEDダイ22に電力を供給する青色電極である。第2緑色アノード電極35及び第2緑色カソード電極36は、複数の緑色LEDダイ23に電力を供給する第2緑色電極である。赤色アノード電極37及び赤色カソード電極38は、複数の赤色LEDダイ24に電力を供給する赤色電極である。
【0025】
次に、図3により、第1青色LEDダイ21と、第1緑色アノード電極31及び第1緑色カソード電極32との間の接続関係を説明する。図3は、第1青色LEDダイ21、第1緑色アノード電極31及び第1緑色カソード電極32を抜き出して描いた発光装置1の平面図である。
【0026】
第1緑色アノード電極31は、第4開口部164と第5開口部165との間に配置される直線電極311を介して環状電極312に接続される。一方、第1緑色カソード電極32は、第2開口部162と第3開口部163との間に配置される直線電極321を介して環状電極322に接続される。直線電極311及び321は、レジスト層17(図1(b)参照)に覆われ、環状電極312及び322は、第1ダム材11(図1(a)参照)に覆われる。
【0027】
第1緑色アノード電極31は、環状電極312とワイヤボンディングされた第1青色LEDダイ21のそれぞれと接続される。第1緑色カソード電極32は、環状電極322とワイヤボンディングされた第1青色LEDダイ21のそれぞれと接続される。環状電極312及び322のそれぞれとワイヤボンディングされた第1青色LEDダイ21の間は、直列接続された複数の第1青色LEDダイ21が配置される。すなわち、発光装置1では、環状電極312及び322の間に15個の第1青色LEDダイ21が11列に亘って直列接続される。第1緑色アノード電極31と第1緑色カソード電極32との間に第1青色LEDダイ21の閾値電圧の15倍の電圧が印加されると、第1青色LEDダイ21は、青色光を発する。第1青色LEDダイ21の発光は、蛍光体樹脂13に含有される緑色蛍光体130によって緑色光に変換される。
【0028】
同様に、図4により、第2青色LEDダイ22と、青色アノード電極33及び青色カソード電極34との間の接続関係を説明する。図4は、第2青色LEDダイ22、青色アノード電極33及び青色カソード電極34を抜き出して描いた発光装置1の平面図である。
【0029】
青色アノード電極33は、環状電極331を介して第2開口部162と第5開口部165との間に配置される直線電極332に接続される。一方、青色カソード電極34は、環状電極341を介して第3開口部163と第4開口部164との間との間に配置される直線電極342に接続される。環状電極331及び341は、第2ダム材12(図1(a)参照)に覆われる。
【0030】
直線電極332に隣接する第2青色LEDダイ22は、アノードが直線電極332とワイヤボンディングされ、青色アノード電極33と接続される。直線電極342に隣接する青色LEDダイ22は、カソードが直線電極342とワイヤボンディングされ、青色カソード電極34と接続される。直線電極332及び342のそれぞれとワイヤボンディングされた第2青色LEDダイ22の間は、直列接続された複数の第2青色LEDダイ22が配置される。すなわち、発光装置1では、直線電極332及び342の間に24個の第2青色LEDダイ22が4列に亘って直列接続される。青色アノード電極33と青色カソード電極34との間に第2青色LEDダイ22の閾値電圧の24倍の電圧が印加されると、第2青色LEDダイ22は、青色光を発する。
【0031】
同様に、図5により、緑色LEDダイ23と、第2緑色アノード電極35及び第2緑色カソード電極36との間の接続関係を説明する。図5は、緑色LEDダイ23、第2緑色アノード電極35及び第2緑色カソード電極36を抜き出して描いた発光装置1の平面図である。
【0032】
第2緑色アノード電極35は、環状電極351を介して第2開口部162と第5開口部165との間に配置される直線電極352に接続される。一方、第2緑色カソード電極36は、環状電極361を介して第3開口部163と第4開口部164との間との間に配置される直線電極362に接続される。環状電極351及び361は、第2ダム材12(図1(a)参照)に覆われる。
【0033】
直線電極352に隣接する緑色LEDダイ23は、アノードが直線電極352とワイヤボンディングされ、第2緑色アノード電極35と接続される。直線電極362に隣接する緑色LEDダイ23は、カソードが直線電極362とワイヤボンディングされ、第2緑色カソード電極36と接続される。直線電極352及び362のそれぞれとワイヤボンディングされた緑色LEDダイ23の間は、直列接続された複数の緑色LEDダイ23が配置される。すなわち、発光装置1では、直線電極352及び362の間に24個の緑色LEDダイ23が8列に亘って直列接続される。第2緑色アノード電極35と第2緑色カソード電極36との間に緑色LEDダイ23の閾値電圧の24倍の電圧が印加されると、緑色LEDダイ23は、緑色光を発する。
【0034】
同様に、図6により、赤色LEDダイ24と、赤色アノード電極37及び赤色カソード電極38との間の接続関係を説明する。図6は、赤色LEDダイ24、赤色アノード電極37及び赤色カソード電極38を抜き出して描いた発光装置1の平面図である。
【0035】
赤色アノード電極37は、環状電極371を介して第2開口部162と第5開口部165との間に配置される直線電極372に接続される。一方、赤色カソード電極38は、環状電極381を介して第3開口部163と第4開口部164との間との間に配置される直線電極382に接続される。環状電極371及び381は、第2ダム材12(図1(a)参照)に覆われる。
【0036】
直線電極372に隣接する赤色LEDダイ24は、アノードが直線電極372とワイヤボンディングされ、赤色アノード電極37と接続される。直線電極382に隣接する赤色LEDダイ24は、カソードが直線電極382とワイヤボンディングされ、赤色カソード電極38と接続される。直線電極372及び382のそれぞれとワイヤボンディングされた赤色LEDダイ24の間は、直列接続された複数の赤色LEDダイ24が配置される。すなわち、発光装置1では、直線電極372及び382の間に24個の赤色LEDダイ24が4列に亘って直列接続される。赤色アノード電極37と赤色カソード電極38との間に赤色LEDダイ24の閾値電圧の24倍の電圧が印加されると、赤色LEDダイ24は、赤色光を発する。
【0037】
(実施形態に係る発光装置の製造方法)
図7は発光装置1の製造方法を説明するための図であり、図7(a)は第1工程を示し、図7(b)は次の第2工程を示し、図7(c)は第4工程を示し、図7(d)は第5工程を示し、図7(e)は第6工程を示す。なお、図7は、回路基板16の第1~5開口部161~165が同時に示されるように描いた模式図である。また、第3工程は、ワイヤボンディング工程であり、図示していない。特別な指示なしに図1~6を参照する。
【0038】
まず、図7(a)に示すように、第1工程において、実装基板15と回路基板16とが接着されて基板10が形成される。次いで、図7(b)に示すように、第2工程において、第1青色LEDダイ21、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24は、実装基板15に実装される。第1青色LEDダイ21は第1開口部161を介して実装基板15に実装され、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24は第2開口部162~第5開口部165を介して実装基板15に実装される。
【0039】
次いで、第3工程においてワイヤボンディングが成される。ワイヤボンディングは、実装基板15に実装されたLEDダイと回路基板に形成されたアノード電極及びカソード電極とを接続するとともに、LEDダイ同士を接続する。例えば、第1青色LEDダイ21がワイヤボンディングにより直列接続して構成されるLED列において、端部の第1青色LEDダイ21のそれぞれは、環状電極312及び322とワイヤボンディングされることで、第1緑色アノード電極31及び第1緑色カソード電極32に電気的に接続される。同様に、LED列の端部の第2青色LEDダイ22のそれぞれは、直線電極332及び342とワイヤボンディングされることで、青色アノード電極33及び青色カソード電極34に電気的に接続される。LED列の端部の緑色LEDダイ23のそれぞれは、直線電極352及び362とワイヤボンディングされることで、第2緑色アノード電極35及び第2緑色カソード電極36に電気的に接続される。LED列の端部の赤色LEDダイ24のそれぞれは、直線電極372及び382とワイヤボンディングされることで、赤色アノード電極37及び赤色カソード電極38に電気的に接続される。
【0040】
次いで、図7(c)に示すように、第4工程において、第1ダム材11及び第2ダム材12が配置される。第1ダム材11は環状電極312及び322を覆うように配置され、第2ダム材12は環状電極331、341、351、361、371及び381を覆うように配置される。
【0041】
次いで、図7(d)に示すように、第5工程において、第1ダム材11の内側に第1青色LEDダイ21を覆うように蛍光体樹脂13が配置される。そして、図7(e)に示すように、第6工程において、第1ダム材11と第2ダム材12との間に第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24を覆うように封止材14が配置されて、発光装置1が形成される。
【0042】
(実施形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置1は、第1青色LEDダイ21及び緑色蛍光体130を含有する蛍光体樹脂13が配置される第1実装領域(第1開口部161)から出射される緑色光と、緑色LEDダイ23が配置される第2実装領域(第2~5開口部162~165)から出射される緑色光の2つの緑色光を出射可能である。
【0043】
図8は、発光装置1が発光可能な色域を示す色度図である。
【0044】
色度図700において、第1実装領域から出射される緑色光は色度座標701で示され、第2実装領域から出射される青色光、緑色光及び赤色光のそれぞれは、色度座標702、703及び704で示される。
【0045】
発光装置1では、色度座標701、702及び704で囲まれる第1色域710に含まれる色の光は、第1実装領域に配置される第1青色LEDダイ21並びに第2実装領域に配置される第2青色LEDダイ22及び赤色LEDダイ24により合成可能である。第1色域710に含まれる色の光は、発光効率が比較的低い緑色LEDダイ23を使用することなく合成できるので、高い発光効率で出射可能である。
【0046】
発光装置1では、色度座標702、703及び704で囲まれる第2色域720に含まれる色の光は、第2実装領域に配置される第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24により合成可能である。第2色域720は、緑色LEDダイ23を使用するため、第1色域710よりも緑色側の色域となる。
【0047】
発光装置1は、第1実装領域に配置される第1青色LEDダイ21及び第2実装領域に配置される緑色LEDダイ23の発光を利用して緑色を生成する(第2色域720で発光するとき、第1青色LEDダイ21及び緑色LEDを同時に点灯させても良い)ので、高い発光効率が維持されると共に広範な色域を確保できる。
【0048】
また、発光装置1では、第1青色LEDダイ21が第1ダム材11の内側(第1実装領域)で円形状の平面形状を有するように配置され、且つ、第2青色LEDダイ22が第2実装用域で第1ダム材11と同心円状の平面形状を有するように配置される。すなわち、発光装置1は、第1青色LEDダイ21が円形状の平面形状を有するように配置され且つ第2青色LEDダイ22が第1ダム材11と同心円状に配置されるので、第1青色LEDダイ21と緑色LEDダイ23との切り替えに伴って光軸がずれるおそれはない。
【0049】
(実施形態に係る発光装置の第1変形例)
発光装置1では、第1青色LEDダイ21が第1ダム材11の内側(第1実装領域)に配置され、且つ、緑色LEDダイ23が第1ダム材11と第2ダム材12との間(第2実装領域)に配置される。しかしながら、実施形態に係る発光装置では、緑色光を発する緑色LEDダイが第1ダム材11の内側に配置され、且つ、緑色光を出射する蛍光体に覆われた第1青色LEDダイが第1ダム材11と第2ダム材12との間に配置されてもよい。
【0050】
図9(a)は第1変形例に係る発光装置2の平面図であり、図9(b)は図9(a)に示すA-A´線に沿う断面図である。
【0051】
発光装置2は、封止材18(第1封止材)が蛍光体樹脂13の代わりに配置されることが発光装置1と相違する。また、発光装置2は、第1青色LEDダイ26が緑色LEDダイ23の代わりに第1ダム材11と第2ダム材12との間に配置されることが発光装置1と相違する。さらに、緑色LEDダイ23が第1ダム材11の内側に配置されることが発光装置1と相違する。発光装置2は、封止材18及び第1青色LEDダイ26を有すること並び緑色LEDダイ23の配置位置以外は、発光装置1と同様なので、ここでは発光装置2の他の構成要素の詳細な説明は省略する。
【0052】
封止材18は、緑色蛍光体を含有しないシリコーン樹脂等の透明な合成樹脂であり、第1ダム材11の内側に配置されて、緑色LEDダイ23を封止する。
【0053】
第1青色LEDダイ26は、表面及び側面を覆うように緑色蛍光体260が配置されることが第1青色LEDダイ21と相違する。緑色蛍光体260は、複数の第1青色LEDダイ26のそれぞれの周囲に個別に配置され、且つ、複数の第1青色LEDダイ26の発光に基づいて緑色光を発する。緑色蛍光体260は、例えば第1青色LEDダイ26が配置される領域以外をマスクで遮蔽した状態で緑色蛍光体260が混合された液体を第1青色LEDダイ26に噴射することで配置される。
【0054】
図10~12は、第1青色LEDダイ26の表面及び側面に緑色蛍光体260を配置する工程を示す図である。図10(a)、図11(a)及び図12(a)は、マスク100又は発光装置2の平面図であり、図10(b)、図11(b)及び図12(b)は、図10(a)、図11(a)及び図12(a)のそれぞれのB-B´線に沿う断面図である。
【0055】
まず、図10に示すように、噴射孔101が形成されたマスク100は、第1青色LEDダイ26の上方に噴射孔101が位置するように配置される。噴射孔101は、一例では口径が第1青色LEDダイ26の対角線の長さと一致する円形の貫通孔である。噴射孔101は、第1青色LEDダイ26のそれぞれに対応して第1青色LEDダイ26の数と同一数の96個形成される。
【0056】
次いで、図11に示すように、第1マスク100の上方から、緑色蛍光体260が混合された液体111(媒質(分散媒)中に蛍光体粒子が分散するとともにシリコーン樹脂が溶解しているもの)が噴霧装置110から噴霧される。噴霧装置110は、好ましくは、マスク100の上方40mmの高さから液体111を噴霧する。次いで、液体111(媒質)を気化し、液体111に含まれる緑色蛍光体260を第1青色LEDダイ26の表面及び側面に固着する。なお、液体111を噴霧する噴霧工程及び緑色蛍光体260を第1青色LEDダイ26の表面及び側面に固着する固着工程は、複数回に亘って繰り返される。噴霧工程及び固着工程が繰り返される回数は、例えば70回である。
【0057】
最後に、マスク100が基板10の上方から除去される。以上の工程により、第1青色LEDダイ26は、図12に示すように、表面及び側面が緑色蛍光体260によって覆われる。
【0058】
(実施形態に係る発光装置の第2変形例)
発光装置1では、第1青色LEDダイ21が円形状の平面形状を有するように配置され、且つ、第2青色LEDダイ22等が第1ダム材11と同心円状の平面形状を有するように配置されていた。しかしながら、実施形態に係る発光装置ではLEDダイの配置位置は発光装置1の配置位置に限定されない。
【0059】
図13(a)は第2変形例に係る発光装置3の平面図であり、図13(b)は図13(a)に示す発光装置3の部分透視平面図であり、図13(c)は図13(a)に示すA-A´線に沿う断面図である。
【0060】
発光装置3は、第1青色LEDダイ26と、第2青色LEDダイ22と、緑色LEDダイ23と、赤色LEDダイ24と、基板40と、第1封止材41と、第2封止材42と、第3封止材43と、第4封止材とを有する。第1青色LEDダイ26、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24は、図1等で既に説明しているので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0061】
基板40は、実装基板45と、回路基板46とを有する。実装基板15は、アルミニウム等の金属により形成され、第1青色LEDダイ26、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24が実装される。第1青色LEDダイ26、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24は、シリコン系接着剤等のダイボンド材によって、実装基板45に直接接着されている。
【0062】
回路基板46は、エポキシガラス樹脂等により形成され、第1開口部461と、第2開口部462と、第3開口部463と、第4開口部464とが形成される。第1開口部461、第2開口部462、第3開口部463及び第4開口部464は、長方形状の平面形状を有する。第1開口部461を介して第1青色LEDダイ26が実装基板45に実装され、第2開口部462を介して第2青色LEDダイ22が実装基板45に実装される。第3開口部463を介して緑色LEDダイ23が実装基板45に実装され、第4開口部464を介して赤色LEDダイ24が実装基板45に実装される。
【0063】
回路基板46の表面には、第1緑色アノード電極51、第1緑色カソード電極52、青色アノード電極53、青色カソード電極54、第2緑色アノード電極55、第2緑色カソード電極56、赤色アノード電極57及び赤色カソード電極58が配置される。第1緑色アノード電極51、第1緑色カソード電極52、青色アノード電極53、青色カソード電極54、第2緑色アノード電極55、第2緑色カソード電極56、赤色アノード電極57及び赤色カソード電極58は、銅等の導電性部材により形成される。
【0064】
第1緑色アノード電極51は、ワイヤで直接接続された第1青色LEDダイ26からなるLED列の一端に配置される第1青色LEDダイ21のアノードと電極511とがワイヤボンディングされることで電極511を介して第1青色LEDダイ26に電気的に接続される。第1緑色カソード電極52は、ワイヤで直接接続された第1青色LEDダイ26からなるLED列の他端に配置された第1青色LEDダイ26のカソードと電極521とがワイヤボンディングされることで第1青色LEDダイ26に電極521を介して電気的に接続される。発光装置3では、電極511及び521の間に8個の第1青色LEDダイ26が直列接続される。第1緑色アノード電極51と第1緑色カソード電極52との間に第1青色LEDダイ21の閾値電圧の8倍の電圧が印加されると、第1青色LEDダイ26は、青色光を発する。第1青色LEDダイ26の発光は、第1青色LEDダイ26の表面及び側面に配置される緑色蛍光体260によって緑色光に変換される。
【0065】
複数の第1青色LEDダイ26、複数の第2青色LEDダイ22、複数の緑色LEDダイ23及び複数の赤色LEDダイ24のそれぞれは、同一方向に延伸するように配置される。具体的には第1青色LEDダイ26、複数の第2青色LEDダイ22、複数の緑色LEDダイ23及び複数の赤色LEDダイ24は、第1開口部461、第2開口部462、第3開口部463及び第4開口部464の長手方向に延伸するように配置される。
【0066】
青色アノード電極53は、ワイヤで直接接続された第2青色LEDダイ22からなるLED列の一端に配置される第2青色LEDダイ22のアノードと電極531とがワイヤボンディングされることで電極531を介して第2青色LEDダイ22に電気的に接続される。青色カソード電極54は、ワイヤで直接接続された第2青色LEDダイ22からなるLED列の他端に配置された第2青色LEDダイ22のカソードと電極541とがワイヤボンディングされることで第2青色LEDダイ22に電極541を介して電気的に接続される。発光装置3では、電極531及び541の間に8個の第2青色LEDダイ22が直列接続される。青色アノード電極53と青色カソード電極54との間に第2青色LEDダイ22の閾値電圧の8倍の電圧が印加されると、第2青色LEDダイ22は、青色光を発する。
【0067】
第2緑色アノード電極55は、ワイヤで直接接続された緑色LEDダイ23からなるLED列の一端に配置される緑色LEDダイ23のアノードと電極551とがワイヤボンディングされることで電極551を介して緑色LEDダイ23に電気的に接続される。第2緑色カソード電極56は、ワイヤで直接接続された緑色LEDダイ23からなるLED列の他端に配置された緑色LEDダイ23のカソードと電極561とがワイヤボンディングされることで緑色LEDダイ23に電極561を介して電気的に接続される。発光装置3では、電極551及び561の間に8個の緑色LEDダイ23が直列接続される。第2緑色アノード電極55と第2緑色カソード電極56との間に緑色LEDダイ23の閾値電圧の8倍の電圧が印加されると、緑色LEDダイ23は、緑色光を発する。
【0068】
赤色アノード電極57は、ワイヤで直接接続された赤色LEDダイ24からなるLED列の一端に配置される赤色LEDダイ24のアノードと電極551とがワイヤボンディングされることで電極571を介して赤色LEDダイ24に電気的に接続される。赤色カソード電極58は、ワイヤで直接接続された赤色LEDダイ24からなるLED列の他端に配置された赤色LEDダイ24のカソードと電極581とがワイヤボンディングされることで赤色LEDダイ24に電極581を介して電気的に接続される。発光装置3では、電極571及び581の間に8個の赤色LEDダイ24が直列接続される。赤色アノード電極57と赤色カソード電極58との間に赤色LEDダイ24の閾値電圧の8倍の電圧が印加されると、赤色LEDダイ24は、赤色光を発する。
【0069】
第1封止材41、第2封止材42、第3封止材43及び第4封止材44は、緑色蛍光体を含有しないシリコーン樹脂等の透明な合成樹脂であり、第1青色LEDダイ26、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24のそれぞれを封止する。
【0070】
第1封止材41~第4封止材44のそれぞれは、例えば、高いチキソトロピー性を有する材料を用いて形成することにより、ダム材を用いることなく形成することができる。チキソトロピー性を有する材料は、応力を加えることにより流動性が増加し、応力を加えることを停止することにより流動性が低下する。
【0071】
まず、応力が加えられて流動性の高い状態の第1封止材41~第4封止材44の材料を、ディスペンサにより、第1青色LEDダイ26、第2青色LEDダイ22、緑色LEDダイ23及び赤色LEDダイ24のそれぞれを埋め込むように実装基板45上に押し出す。実装基板45上に押し出されると、第1封止材41~第4封止材44は応力が掛からなくなるので流動性が低下する。この状態で第1封止材41~第4封止材44の材料を加熱し硬化することにより第1封止材41~第4封止材44が得られる。また、高いチキソトロピー性を有する材料ではなく、高い粘度を有する材料を用いて、第1封止材41~第4封止材44を形成してもよい。
【0072】
図14~16は、第1青色LEDダイ26の表面及び側面に緑色蛍光体260を配置する工程を示す図である。図14(a)、図15(a)及び図16(a)は、マスク200又は発光装置3の平面図であり、図14(b)、図15(b)及び図16(b)は図14(a)、図15(a)及び図16(a)のそれぞれのB-B´線に沿う断面図である。
【0073】
まず、図14に示すように、噴射孔201が形成されたマスク200は、第1青色LEDダイ26の上方に噴射孔201が位置するように配置される。噴射孔201は、一例では口径が第1青色LEDダイ26の対角線の長さと一致する円形の貫通孔である。噴射孔201は、第1青色LEDダイ26のそれぞれに対応して第1青色LEDダイ26の数と同一数の8個形成される。
【0074】
次いで、図15に示すように、第1マスク200の上方から、緑色蛍光体260が混合された液体211(媒質(分散媒)中に蛍光体粒子が分散するとともにシリコーン樹脂が溶解しているもの)が噴霧装置210から噴霧される。噴霧装置210は、好ましくは、マスク200の上方40mmの高さから液体211を噴霧する。次いで、液体211(媒質)を気化し、液体111に含まれる緑色蛍光体260を第1青色LEDダイ26の表面及び側面に固着する。液体211を噴霧する噴霧工程及び緑色蛍光体260を第1青色LEDダイ26の表面及び側面に固着する固着工程は、複数回に亘って繰り返される。噴霧工程及び固着工程が繰り返される回数は、例えば70回である。
【0075】
最後に、マスク200が基板10の上方から除去される。以上の工程により、図16に示すように、第1青色LEDダイ26の表面及び側面は、緑色蛍光体260によって覆われる。
【符号の説明】
【0076】
1~3 発光装置
10、40 基板
11 第1ダム材
12 第2ダム材
13 蛍光体樹脂(第1封止材)
14 封止材(第2封止材)
15、45 実装基板
16、46 回路基板
21、26 第1青色LEDダイ
22 第2青色LEDダイ
23 緑色LEDダイ
24 赤色LEDダイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16