(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20230925BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20230925BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/45
(21)【出願番号】P 2019125926
(22)【出願日】2019-07-05
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】安彦 信一
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-280729(JP,A)
【文献】レイギガント,電撃PlayStation Vol.596,日本,株式会社KADOKAWA,2015年08月12日,第21巻第24号通巻714号,第123~127頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のフィールドにてプレイヤが操作するキャラクタを用いて行うゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
オブジェクトを選択する処理と、
選択した前記オブジェクトを使用すると、特定のパラメータの値を、使用した前記オブジェクトに応じて減らす処理と、
選択した前記オブジェクトの使用を制限すると、前記パラメータの値を、
ゲーム画面に表示されている使用を制限した前記オブジェクト
に紐付けられて表示されている値だけ増やす処理と、
を有するゲームプログラム。
【請求項2】
前記オブジェクトの使用を制限する処理では、選択した前記オブジェクトの使用を禁止する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
所定の条件を満たすと、選択した前記オブジェクトの使用の制限を解除する、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記オブジェクトの使用ステータス及び前記パラメータを表示する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
所定のフィールドにてプレイヤが操作するキャラクタを用いて行うゲーム処理をコンピュータが実行するゲーム処理方法であって、
オブジェクトを選択する処理と、
選択した前記オブジェクトを使用すると、特定のパラメータの値を、使用した前記オブジェクトに応じて減らす処理と、
選択した前記オブジェクトの使用を制限すると、前記パラメータの値を、
ゲーム画面に表示されている使用を制限した前記オブジェクト
に紐付けられて表示されている値だけ増やす処理と、
を有するゲーム処理方法。
【請求項6】
所定のフィールドにてプレイヤが操作するキャラクタを用いて行うゲーム処理を実行するゲーム実行部と、
オブジェクトを選択する選択部と、
選択した前記オブジェクトを使用すると、特定のパラメータの値を、使用した前記オブジェクトに応じて減らし、選択した前記オブジェクトの使用を制限すると、前記パラメータの値を、
ゲーム画面に表示されている使用を制限した前記オブジェクト
に紐付けられて表示されている値だけ増やすように演算する演算部と、
を有する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤがキャラクタを操作することで、キャラクタを通じて擬似的な冒険を体験しながらストーリーを展開していくRPGゲームが知られている。
【0003】
RPGゲームやバトルゲームでは、プレイヤが操作するキャラクタがアイテムを適宜使用しながら敵キャラクタを倒したりしてゲームを進行させる。ゲーム中にアイテムを使用すると、アイテムの使用可能回数が減り、所定回数使用されたアイテムは使えなくなる。例えば、特許文献1には、ゲームに使用するアイテムを使用可能な残り回数についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6371749号明細書
【文献】特開2019-063564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アイテム等のオブジェクトの使用可能回数に制限はなく、オブジェクトの使用に応じて特定のパラメータを消費するように制御すると、所有するオブジェクトのゲーム展開における影響力が大きくなり、ゲームに新たな趣向性が生まれる。ただし、パラメータ値によっては、オブジェクトを使用できない場合がある。
【0006】
そこで、一側面では、オブジェクトの使用に応じて減少するパラメータ値の増加を制御するゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面では、所定のフィールドにてプレイヤが操作するキャラクタを用いて行うゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、オブジェクトを選択する処理と、選択した前記オブジェクトを使用すると、特定のパラメータの値を、使用した前記オブジェクトに応じて減らす処理と、選択した前記オブジェクトの使用を制限すると、前記パラメータの値を、使用を制限した前記オブジェクトに応じて増やす処理と、を有するゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
1つの側面では、オブジェクトの使用に応じて減少するパラメータ値の増加を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図。
【
図2】一実施形態に係る使用ステータステーブルを示す図。
【
図3】一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す図。
【
図4】一実施形態に係るゲーム処理を示すフローチャート。
【
図5】一実施形態に係るフィールドの画面の一例を示す図。
【
図6】一実施形態に係るパラメータの表示の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0011】
本実施形態では、所定のフィールドにてプレイヤが操作するキャラクタがアイテム等のオブジェクトを用いて行うゲーム処理を実行する情報処理装置10を例に挙げる。以下では、オブジェクトの一例として武器や宝等のアイテムを挙げて説明するが、オブジェクトは、これに限られず、キャラクタの状態を回復させる薬やプレイヤが操作をしないノンプレイヤキャラクタであっても良い。
【0012】
情報処理装置10は、ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯端末、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話等の端末装置であってもよい。情報処理装置10は、HMD(Head Mount Display)、FMD(Face Mount Display)、腕時計型コンピュータ等のウェアラブル表示デバイス等の端末装置であってもよい。
【0013】
[情報処理装置の機能構成]
本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例について、
図1を参照しながら説明する。情報処理装置10は、受付部11、ゲーム実行部12、記憶部13、制御部14、グラフィック処理部16、サウンド処理部17、表示部18、音出力部19及び通信部20を有する。
【0014】
(受付部)
受付部11は、プレイヤのゲーム操作を受け付ける。例えば、受付部11は、プレイヤが操作するコントローラの操作キーや方向キーの操作を受け付ける。
【0015】
(ゲーム実行部/制御部)
ゲーム実行部12及び制御部14は、記憶部13に記憶されたゲームプログラムに従いゲーム処理を実行及び制御する。実行するゲームは、単独でプレイするゲームであってもよいし、ネットワークを介して他のプレイヤとプレイする通信ゲームであってもよい。ゲーム実行部12は、制御部14の制御に応じて、プレイヤが操作するキャラクタがアイテムやスキルを用いて行うゲーム処理を実行する。アイテムは、プレイヤが操作するキャラクタが、ゲームが展開されるフィールドに持って行く初期時の所持アイテムを含む。ただし、アイテムは、所持アイテムに限られず、フィールドで取得したアイテムや作成したアイテムであっても良いし、その他のアイテムであっても良い。
【0016】
(記憶部)
記憶部13は、所持アイテムテーブル131、使用ステータステーブル132を記憶する。また、記憶部13は、パラメータ133を記憶する。所持アイテムテーブル131は、プレイヤが操作するキャラクタがフィールドにおいて所持するアイテムを記憶する。例えば、キャラクタPCが
図5に示すフィールドに移動したときに、
図6に示すアイテムA、アイテムB、アイテムCを所持している場合、この時点で、所持アイテムテーブル131にはアイテムA、アイテムB、アイテムCが記憶される。このとき、アイテムA、アイテムB、アイテムCは、キャラクタPCが所持する所持アイテムともいう。
【0017】
使用ステータステーブル132は、
図2に一例を示すように、所持アイテムテーブル131に記憶されている所持アイテム毎に使用ステータスが記憶されている。例えば、アイテムAの使用ステータスは、使用不可に設定され、アイテムB、アイテムCの使用ステータスは、使用可に設定されている。使用ステータスが使用不可に設定されている間、そのアイテムの使用は一時的禁止される。ただし、使用ステータスは、「使用不可」と「使用可」に限られず、「使用制限」に設定されても良い。この場合、アイテムの使用のすべてが禁止されるわけではないが、アイテムの使用の一部が制限される等、アイテムの使用が一時的に制限される。アイテムの使用の制限の一例としては、敵キャラクタと戦うバトルフィールドにおいてはアイテムを使用できないが、バトルフィールド以外のフィールドにおいては制限なく使用できる等が挙げられる。バトルフィールド以外のフィールドとしては、アイテムを採取したり、採取したアイテムを使用して新たなアイテムを作成する採取フィールド等が挙げられる。なお、以下では、アイテムの使用の禁止は、アイテムの使用の制限に含まれるとして説明する場合がある。
【0018】
パラメータ133は、アイテムの使用に応じて消費する特定のパラメータである。本実施形態において実行されるゲームでは、アイテムを何回使用してもアイテムは無くならないが、アイテムを使用するたびに、使用したアイテムに応じてパラメータ133の値が減る。つまり、パラメータ133を消費して、アイテムを使用することができる。これにより、プレイヤは、アイテムの使用回数にとらわれずにアイテムを使用することができる。
【0019】
アイテムの使用を制限すると、使用を制限したアイテムに応じてパラメータ133の値が増える。つまり、アイテムの使用を制限することで、パラメータ133の値を回復することができる。記憶部13は、使用したアイテムに応じて消費し、所定の回復条件を満たすことで回復するパラメータ133の値を記憶する。なお、パラメータは、アイテムの使用やスキルの使用によって消費される特定のパラメータを設けても良いし、アイテムを使用したキャラクタのHP(ヒットポイント:体力)、MP(マジックパワー:魔力)又はその他のパラメータであってもよい。
【0020】
なお、記憶部13は、パラメータ133の回復条件情報を記憶してもよい。回復条件情報の一例としては、キャラクタが拠点(例えばプレイヤキャラクタの本拠地等)等の特定の場所に戻ることでパラメータを最大値まで自動的に回復することが挙げられる。ただし、これに限られず、パラメータ133の回復条件を設定可能である。パラメータ133が回復条件を満たすと、使用を制限したアイテムに対する使用の制限が解除される。つまり、回復条件は、使用を制限したアイテムに対する使用制限の解除条件の一つとなり得る。
【0021】
(選択部/演算部/回復処理部)
図1に戻り、制御部14は、選択部4、演算部5及び回復処理部6を有する。選択部4は、所持アイテムから所定のアイテムを選択する。演算部5は、選択したアイテムに応じて、特定のパラメータ133の値を減少させる演算を行う。演算部5は、選択したアイテムの使用を制限すると、使用を制限したアイテムに応じてパラメータ133の値を増加させる演算を行う。回復処理部6は、パラメータの回復処理を行う。パラメータの消費、パラメータ値の減算、降下は、特定のパラメータの値を、使用したオブジェクトに応じて減らすことの一例である。パラメータの回復、パラメータ値の加算、上昇は、特定のパラメータの値を、使用したオブジェクトに応じて増やすことの一例である。
【0022】
表示部18は、フィールドでゲームを展開するキャラクタを表示する。また、表示部18は、アイテムの使用ステータス及びパラメータ133を表示する。
【0023】
グラフィック処理部16は、表示部18に接続され、ゲーム実行部12及び制御部14から描画命令が出力されると、表示部18にビデオ信号を出力する。これにより、表示部18は、ゲームの進行に合わせてゲームの画像を表示する。
【0024】
サウンド処理部17は、音出力部19に接続され、ゲーム実行部12及び制御部14からサウンド出力の指示命令が出力されると、音出力部19にサウンド信号を出力する。これにより、音出力部19は、ゲームの進行に応じた音声及びサウンドを出力する。
【0025】
通信部20は、サーバや他のプレイヤの端末装置と通信を行う。例えば、所持アイテムテーブル131、使用ステータステーブル132の少なくともいずれかがクラウド上の記憶装置に記憶されている場合がある。この場合、通信部20は、クラウド上の記憶装置から必要な情報を受信する。
【0026】
なお、
図1は機能に着目したブロック図を描いており、これらの機能ブロックで示した各部は、下記ハードウェアによって実現できる。
【0027】
[情報処理装置のハードウェア構成]
次に、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例について、
図3を参照しながら説明する。本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU21、ROM22、RAM23及びHDD24を有している。また、情報処理装置10は、グラフィックカード25、外部I/F26、通信I/F27、入力I/F28、ディスプレイ29及びスピーカ30を有している。各部はバスで相互に接続されている。
【0028】
ROM22は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。RAM23は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM22及びRAM23には、ゲームプログラム及び各種のデータが記憶される。
【0029】
HDD24は、不揮発性の記憶装置である。HDD24には、基本処理プログラム、ゲームプログラム、各種のデータ、所持アイテムテーブル131、使用ステータステーブル132が格納されてもよい。HDD24には、パラメータ133、回復条件情報が格納されてもよい。CPU21は、例えばHDD24から基本処理プログラム、ゲームプログラム及び各種のデータを読み出し、RAM23に読み込む。
【0030】
CPU21は、基本処理プログラム、ゲームプログラムに基づき各種の処理を実行することで、情報処理装置10の全体の制御処理や個別のゲーム処理を実行する。
【0031】
外部I/F26は、情報処理装置10を外部装置に接続するインターフェースである。外部装置には、記録媒体26aなどがある。これにより、情報処理装置10は、外部I/F26を介して記録媒体26aの読み取り及び書き込みを行うことができる。記録媒体26aとしては、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)が挙げられる。
【0032】
例えば、情報処理装置10には、ゲームプログラム等が格納された記録媒体26aを装着することが可能である。この場合にも、CPU21は、ゲームプログラム等を、外部I/F26に読み出し、RAM23に読み込み、ゲームプログラムに基づきゲーム処理を実行する。
【0033】
CPU21は、ゲームプログラムを実行する際、グラフィックカード25にゲームの進行に応じた画像の出力を指示する。グラフィックカード25は、CPU21からの指示に従い画面に表示するゲームの画像処理を行い、ゲーム画像をディスプレイ29に出力する。グラフィックカード25は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行し、一秒間に30回~60回のフレームの画像を描画する。また、CPU21は、スピーカ30にゲームの進行に応じた音の出力を指示する。スピーカ30は、CPU21からの指示に応じた音、例えば、キャラクタの音声、効果音、ナレーション等の音を出力する。
【0034】
通信I/F27は、情報処理装置10をネットワークに接続させるためのインターフェースである。通信I/F27は、アンテナを有する通信ユニットを介して所定のデータを保持するサーバ及び他のプレイヤの端末装置と通信を行う。
【0035】
入力I/F28は、コントローラ40等の入力機器に接続するインターフェースである。コントローラ40は、操作ボタン及び方向キーを有する。プレイヤは、コントローラ40を用いてゲーム操作を行う。例えば、プレイヤは、操作ボタンを操作することでプレイヤキャラクタに所定の動作を行わせる。また、プレイヤは、方向キーを操作することでプレイヤキャラクタを所定の方向に移動させることができる。入力I/F28は、プレイヤがコントローラ40を用いて行った入力操作に基づく入力情報をRAM23に格納させる。また、プレイヤが、コントローラ40を操作してゲームの開始を指示したとき、入力I/F28が、その指示情報を入力することによりゲーム処理が開始される。画面へのタッチ操作に応じた入力を可能とするタッチパネルを情報処理装置10に搭載してもよい。
【0036】
CPU21が、RAM23に格納されたゲームプログラム及びデータに基づき、ゲーム処理における各種の演算処理を実行する。そうすると、所定のタイミングに入力I/F28はCPU21からの指示に従いRAM23に記憶したゲームのデータをメモリカード28aに保存させる。また、入力I/F28は、ゲーム処理を再開する際、メモリカード28aに保存したゲーム処理のデータを読み出してRAM23に転送し、RAM23に記憶させる。
【0037】
なお、
図1の受付部11の機能は、例えば入力I/F28又はタッチパネルにより実現される。記憶部13の機能は、ROM22、RAM23、HDD24又はネットワークを介して情報処理装置10に接続されるクラウド上のサーバ等により実現される。
【0038】
ゲーム実行部12及び制御部14(選択部4、演算部5及び回復処理部6)の機能は、例えば、ゲームプログラムがCPU21に実行させることによりグラフィック処理が実現される。
【0039】
グラフィック処理部16の機能は、例えばグラフィックカード25により実現される。表示部18の機能は、例えばディスプレイ29により実現される。サウンド処理部17及び音出力部19の機能は、例えばスピーカ30により実現される。通信部20の機能は、例えば通信I/F27により実現される。
【0040】
[ゲーム処理]
次に、本実施形態に係るゲーム処理の一例について
図4~
図6を参照して説明する。
図4は、一実施形態に係るゲーム処理を示すフローチャートである。
図5は、一実施形態に係るフィールドの画面の一例を示す図である。
図6は、一実施形態に係るパラメータの表示の一例を示す図である。
【0041】
本処理が開始されると、受付部11は、プレイヤの操作に応じた入力情報を受け付ける。ゲーム実行部12は、入力情報に基づき、プレイヤが操作するキャラクタ(プレイヤキャラクタPC)に所定のアイテムを所持させてフィールドに移動させ、フィールドの画面を表示部18に表示させる(ステップS1)。これにより、画面には、例えば、
図5に示す一実施形態に係るフィールドの様子が表示される。
図5に示すフィールドには、フィールドに移動したプレイヤキャラクタPCが表示される。左下には味方キャラクタ104の情報が表示され、中央右には操作ボタン群Bが表示されているが、表示の方法はこれに限られない。
【0042】
当該フィールドは、採取フィールド、バトルフィールド等、様々なフィールドが含まれる。例えば、
図5に示す採取フィールドにて、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタに接触すると、プレイヤキャラクタPCはバトルフィールドに移動するようにしてもよい。所持アイテムは、予め定められた最大値までバトルフィールドに持っていくことができる。以下では、採取フィールドにて所持アイテムから選択した特定のアイテムの使用を制限し、これにより、パラメータを回復する処理を実行する。ただし、採取フィールドに限られず、バトルフィールドやその他のフィールドにて所持アイテムから選択した特定のアイテムの使用を制限し、これにより、パラメータを回復する処理を実行してもよい。
【0043】
図4において、次に、受付部11は、ボタン群B中から特定のボタンが押されると、そのボタン操作を受け付ける。その結果、
図6に示すように、「使用制限」の受付ボタン105が表示された、アイテムの使用制限に関する表示画面に切り替わる。なお、パラメータ133の値が最大値を表示している間、「使用制限」の受付ボタン105を押すことはできない。
【0044】
選択部4は、画面に表示された所持アイテムからプレイヤが操作したアイテムを、使用を禁止するアイテムとして選択する(ステップS2)。例えば、所持アイテムの表示107、108、109中からアイテムAが選択されたとする。なお、使用を禁止するアイテムを選択する替わりに、使用を一部制限するアイテムを選択してもよい。
【0045】
次に、演算部5は、アイテムを使用するために消費するパラメータ133の値を増加させてパラメータを回復する(ステップS3)。
図6の例では、演算部5は、アイテムAの使用を一時的に禁止することで、使用を禁止されたアイテムAに応じた数値だけパラメータ133の値を増加させてパラメータを回復する。一例としては、アイテムAの使用の禁止に「1」の値が紐付けられている場合、演算部5は、アイテムAの使用を禁止したときにパラメータ133を「1」増加する。
【0046】
なお、アイテムAの使用に「1」の値が紐付けられている場合、演算部5は、アイテムAを1回使用したときにパラメータ133を「1」減少する。演算部5は、同じアイテムを使用したときとその使用を制限したときとでパラメータ133を増減させる数値を変えてもよい。
【0047】
このように、プレイヤがアイテムを使用すると、パラメータ133の値が所定値だけ減り、パラメータ133が消費される。一方、プレイヤがアイテムの使用を制限すると、パラメータ133の値が所定値だけ増え、パラメータが回復する。これにより、プレイヤは、アイテムの使用回数に制限なくアイテムを使用できる。なお、アイテムの使用を制限してパラメータ133の回復を行う操作は、パラメータ133の値が最大値を持つ間は行うことはできない。
【0048】
図4において、次に、回復処理部6は、使用ステータステーブル132の、選択したアイテムの使用ステータスを「使用不可」に設定する。また、回復処理部6は、表示部18に選択したアイテムが「使用不可」であることを表示させ、かつ回復したパラメータの値を表示させる(ステップS4)。これにより、
図6に示すように、アイテムAが「使用不可」であることをグレイアウト111で示し、この時点でアイテムAが使用できないことを画面上でプレイヤに知らせることができる。グレイアウト111で表示されたアイテムは選択できないため、この時点でアイテムAを使用できない。また、
図6に示すように、回復したパラメータ133の値「10」が表示される。
【0049】
図4において、次に、回復処理部6は、解除条件を満たしたかを判定する(ステップS5)。解除条件は、記憶部13に記憶された回復条件情報に基づき判定されてもよい。例えば、回復処理部6は、プレイヤキャラクタPCが拠点に帰った時に回復条件を満たしたと判定し、パラメータ133の値を最大値まで回復させるとともに解除条件を満たしたと判定してもよい。解除条件は、回復条件以外の条件であってもよい。
【0050】
回復処理部6は、解除条件を満たしていないと判定すると、本処理を終了する。回復処理部6は、解除条件を満たしたと判定すると、使用ステータステーブル132の、選択したアイテムの使用ステータスを「使用不可」から「使用可」に更新する(ステップS6)。また、
図6に示すように、グレイアウト111に表示されていたアイテムAの表示を、アイテムB、Cと同様にグレイアウト111を除去した表示に変更し(ステップS6)、本処理を終了する。
【0051】
以上に説明したように、本実施形態に係るゲーム処理によれば、アイテムは使用回数にかかわらず消費されない替わりにアイテムの使用に応じて特定のパラメータが消費される。これにより、所有するアイテムのゲーム展開における影響力が大きくなり、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0052】
また、本実施形態に係るゲーム処理によれば、プレイヤが選択した一のアイテムの使用を制限することによりパラメータを回復させることができる。これにより、プレイヤは、一のアイテムの使用が制限される替わりに、回復したパラメータを利用して他のアイテムを使用できる。これにより、所持アイテムの使用とパラメータの消費だけでなく、所持アイテムの使用の制限とパラメータの回復という新たなゲーム要素が加わり、ゲームの趣向性をより高めることができる。
【0053】
以上、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置を上記実施形態により説明したが、本開示に係るゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施形態及び変形例が複数存在する場合、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0054】
4 選択部
5 演算部
6 回復処理部
10 情報処理装置
11 受付部
12 ゲーム実行部
13 記憶部
14 制御部
16 グラフィック処理部
17 サウンド処理部
18 表示部
19 音出力部
20 通信部
131 所持アイテムテーブル
132 使用ステータステーブル
133 パラメータ