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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】水栓カバー
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
E03C1/042 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019230482
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021098966
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(72)【発明者】
【氏名】中川 圭一
(72)【発明者】
【氏名】木村 将俊
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雅也
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-056509(JP,A)
【文献】実開平01-098277(JP,U)
【文献】特開2006-328771(JP,A)
【文献】特開平10-159143(JP,A)
【文献】特開2001-311186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/04-1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクに隣接する水栓の根元に装着可能な水栓カバーであって、
装着状態で前記水栓が挿通可能な装着孔が中央部に設けられた底壁と、
前記底壁の外周縁から立ち上がる外周壁と、
前記底壁の内周縁である装着孔の孔縁から立ち上がる内周壁と、を備え、
前記外周壁には、その周方向の一部が切り欠かれてなる、前記装着状態で前記シンクに臨む排出口を有しており、
前記底壁と内外の周壁により囲まれる空間で水を受け止め、その水を前記排出口から前記シンクに向けて排出可能になっており、
前記内周壁の高さは、前記外周壁の高さよりも大きくなっている水栓カバー。
【請求項2】
シンクに隣接する水栓の根元に装着可能な水栓カバーであって、
装着状態で前記水栓が挿通可能な装着孔が中央部に設けられた底壁と、
前記底壁の外周縁から立ち上がる外周壁と、
前記底壁の内周縁である装着孔の孔縁から立ち上がる内周壁と、を備え、
前記外周壁には、その周方向の一部が切り欠かれてなる、前記装着状態で前記シンクに臨む排出口を有しており、
前記底壁と内外の周壁により囲まれる空間で水を受け止め、その水を前記排出口から前記シンクに向けて排出可能になっており、
前記底壁は、前記内外の周壁間を延び、前記水を前記排出口に向けて配流させる複数のリブを有し、前記リブは前記外周壁または前記内周壁に至る手前で終端している水栓カバー。
【請求項3】
シンクに隣接する水栓の根元に装着可能な水栓カバーであって、
装着状態で前記水栓が挿通可能な装着孔が中央部に設けられた底壁と、
前記底壁の外周縁から立ち上がる外周壁と、
前記底壁の内周縁である装着孔の孔縁から立ち上がる内周壁と、を備え、
前記外周壁には、その周方向の一部が切り欠かれてなる、前記装着状態で前記シンクに臨む排出口を有しており、
前記底壁と内外の周壁により囲まれる空間で水を受け止め、その水を前記排出口から前記シンクに向けて排出可能になっており、
装着状態で前記内周壁の上から被せられる、別体の補助リングをさらに備える水栓カバー。
【請求項4】
弾性変形可能な素材で形成されており、
装着時に、前記装着孔を広げて拡径させた状態で水栓を挿通させ、復元弾性により前記装着孔を縮径させることで、前記内周壁が前記水栓の外周に密着可能になっている、請求項1から3のいずれかに記載の水栓カバー。
【請求項5】
前記底壁は、前記排出口に向けて下り勾配に傾斜している請求項1から4のいずれかに記載の水栓カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓の根元に装着される水栓カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンや洗面台のシンクに付属する水栓は、その根元に水が溜まるなどして、水垢が発生しやすく、衛生上も好ましくないうえ、見た目にも不快感を催す状態になりがちである。
水栓の根元に溜まった水を拭き取る等すれば、水垢の発生は防止できるが、水栓を使用する都度、拭きとり作業等をおこなうのは面倒である。
【0003】
そこで、水栓の根元に水垢が発生することを簡易に抑制するものとして、特許文献1および2のような、水栓の根元に装着されるカバーが知られている。
特許文献1および2の水栓カバーは、不織布やスポンジなどの水分を吸収しやすい素材からなる帯状体であり、水栓の根元に巻き付けて用いられる。
水栓の吐出口から胴を伝って根元に垂れ落ちる等した水は、この水栓カバーにより吸収されることになる。
したがって、水栓の根元に水が滞留することが抑制され、水垢の発生が一定程度は防止されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-209665号公報
【文献】特開2012-158908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および2の水栓カバーは、水分を吸収する以上、湿った状態にあることが多く、それ自身が水垢の発生源となりうる。
また、水を含んで湿った水栓カバーが水栓の根元に常時巻き付けられているため、根元自体も一定程度は湿った状態にあり、水垢の発生を十分には防止できない。さらに湿った状態が継続すると雑菌の繁殖やカビの発生が懸念され衛生的でなくなるおそれがある。
【0006】
ここで、水栓カバーの素材として、速乾性の素材を用いることも考えられるが、いったん水分を吸収する以上は、水垢等が発生しうる湿った状態が相応に持続することには変わりなく、根本的な解決には至らない。
また、巻き付けた帯状の水栓カバーの合わせ目から、水が水栓の根元に浸入することも懸念される。
このような水栓の根元における水垢等の発生を十分に防止するには、水栓の根元から水を除去する必要がある。
【0007】
そこで本発明の解決すべき課題は、水栓カバーについて、水栓の根元から水を除去できるようにして、水垢等の発生を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するため、発明にかかる水栓カバーを、水栓の根元への装着状態で水栓が挿通可能な装着孔が中央部に設けられた底壁と、底壁の外周縁から立ち上がる外周壁と、底壁の内周縁である装着孔の孔縁から立ち上がる内周壁と、を備え、外周壁には、その周方向の一部が切り欠かれてなる、前記装着状態でシンクに臨む排出口を有している構成としたのである。
そして、底壁と内外の周壁により囲まれる空間で水を受け止め、その水を排出口からシンクに向けて排出可能になっている構成としたのである。
【0009】
水栓カバーをこのように構成すると、水栓の吐出口から胴を伝って根元に垂れ落ちる等した水は、水栓カバーに受け止められ、内外の周壁にせき止められるなどして外部に漏れだすことはない。そして、一定量が貯留されると、排出口を通じてシンクへと排出されるため、水栓の根元が濡れることがない。したがって、水栓の根元が乾いた状態を維持することができ、水垢等の発生が防止される。
従来のような帯状のカバーを巻き付ける場合と比較して、合わせ目が存在しないため、合わせ目を通じて水が水栓の根元に浸入することが防止される。
【0010】
発明にかかる水栓カバーにおいて、弾性変形可能な素材で形成されており、装着時に、装着孔を広げて拡径させた状態で水栓を挿通させ、復元弾性により装着孔を縮径させることで、内周壁が水栓の外周に密着可能になっている構成を採用するのが好ましい。
【0011】
このように構成すると、装着孔を指で引っ張るなどして広げ、水栓の吐出口から根元にかけて通し、根元において指による広げる力から解放することで、容易に水栓の根元に装着することができる。
装着した状態で、水栓カバーの内周壁が水栓の外周に密着させることが可能であるため、内周壁と水栓の外周の隙間から水が浸入し、水栓の根元を濡らすことが防止される。
【0012】
発明にかかる水栓カバーにおいて、底壁は、排出口に向けて下り勾配に傾斜している構成を採用するのが好ましい。
【0013】
このように構成すると、底壁と内外の周壁に区画される空間に貯留された水は、自重により排出口に向けて流れやすくなるため、排出口からの排出が促進される。
【0014】
発明にかかる水栓カバーにおいて、内周壁の高さは、外周壁の高さよりも大きくなっている構成を採用することが好ましい。
【0015】
このように構成すると、水栓からの水の滴下量が多いなどして、底壁、内外の周壁により区画される空間に多量の水が貯留される場合に、その水が外周壁を乗り越えて流れ出ることはあっても、それにより水位が外周壁を超えることはない。したがって、水が外周壁よりも高い内周壁を越えて流れ出ることはない。
このため、水栓カバー内の水が、内周壁を乗り越えて、水栓の根元が水で濡れてしまう事態が防止される。
【0016】
発明にかかる水栓カバーにおいて、底壁は、内外の周壁間を延び、水を排出口に向けて配流させる複数のリブを有し、このリブは外周壁または内周壁に至る手前で終端している構成を採用することができる。
【0017】
このように構成すると、リブにより水栓カバー内に貯留された水の水流が排出口に向けて方向づけられるため、水の排出が促進される。
また、リブは外周壁または内周壁に至る手前で終端しているため、外周壁または内周壁の近傍で、リブにより水がせき止められて滞留することがなく、排出口に向けた水流をスムーズに実現できる。
【0018】
発明にかかる水栓カバーにおいて、装着状態で内周壁の上から被せられる、別体の補助リングをさらに備える構成を採用するのが好ましい。
【0019】
このように構成すると、水栓の吐出口から胴を伝う水は、補助リングと内周壁の二重構造により、水栓の根元に浸入することが一層の確度で阻止される。
【発明の効果】
【0020】
発明にかかる水栓カバーを以上のように構成したので、水栓の根元からの水が除去されるようその排出を促し、水垢等の発生を防止できるようにすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】水栓カバー本体の(a)は上方より見た、(b)は下方より見た斜視図
図2】水栓カバー本体の(a)は上面図、(b)は(a)の矢印断面図、(c)は底面図
図3】水栓カバー本体の水栓の根元への装着状態を示す斜視図
図4】水栓カバー本体の水栓の根元への装着状態を示す(a)は側面図、(b)は縦断面図
図5】水栓カバー本体の水栓の根元への装着手順を示す斜視図
図6】補助リングの(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は(b)の矢印断面図
図7】補助リングの水栓の根元への装着状態を示す縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
水栓カバーは、図1および2に示す水栓カバー本体10と、図6に示す補助リング20とからなる。
まず図3から図5のように水栓カバー本体10を、ついで図7のようにその上から補助リング20を、それぞれシンクSに隣接する水栓Fの根元に装着することで用いられ、吐出口Hから垂れ落ちる等した水が水栓Fの根元に滞留し、水垢等が発生することを防止するものである。なお、本発明の水栓カバーの取付対象となる水栓はキッチンのシンクに設置された水栓に限らず、キッチン以外の洗面台等のシンクに設置された水栓をも含むものである。
【0023】
水栓カバー本体10および補助リング20は、弾性変形可能かつ水分を吸収不能な素材で形成されている。
このような素材は特に限定されないが、シリコンゴムが例示できる。シリコンゴムの硬さとしてはJIS K 6253に準拠したデュロメータ硬さ(中硬さ用タイプAデュロメータで測定)が10以上50以下のものが好ましく、20以上40以下がより好ましい。なお、弾性変形可能な素材であればシリコンゴム以外のゴムや樹脂等も使用できる。
水分を吸収不能な素材からなるため、水栓カバー本体10と補助リング20自身が水を含んで湿り、水垢等の発生源となることが防止される。
【0024】
図1および図2に示すように、水栓カバー本体10は、底壁11と、底壁11からそれぞれ立ち上がる内周壁12および外周壁13とからなるトレイ型の形状をしている。
図3のように、水栓カバー本体10は、底壁11と内周壁12および外周壁13により区画される空間に、水栓Fから滴り落ちる等した水を受け止めることができるようになっている。
図示のように、底壁11は、その中央部に水栓を挿通可能な円形の装着孔11aが設けられている。内周壁12は、装着孔11aの孔縁から立ち上がり、外周壁13は、底壁11の外周縁から立ち上がっている。
図5のように、水栓カバー本体10を水栓Fに装着する際には、この装着孔11aを指で引っ張るなどして広げ、水栓Fを挿通させ、ついで指の力から解放して収縮させることによる。
【0025】
図1および図2のように、底壁11は、全体が木の葉を模した形状をなしている。底壁11の木の葉の葉先に相当する箇所は次第に幅狭となって尖っており、木の葉の葉元(葉柄との接続箇所)に相当する箇所は装着孔11aに向けて窪んでいる。
図3および図4のように、水栓カバー本体10は、水栓Fへの装着状態において、底壁11はシンクSから見てその葉先を水栓の手前側に位置させ、葉元を水栓Fの奥側に位置させる。
この場合に、葉元が窪んでいることから、キッチン等の水栓Fの奥側のスペースがあまり大きくない場合にも、水栓カバー本体10の水栓Fへの装着が容易となっている。
【0026】
図1および図2(b)のように、底壁11は、木の葉の葉元に相当する箇所から葉先に相当する箇所に向けて、全体が下り勾配に傾斜している。さらに葉先に相当する箇所の近傍は下方に屈曲する屈曲部11bとなっており、その傾斜角度が一層大きくなっている。
図3および図4のように、水栓カバー本体10の水栓Fへの装着状態において、屈曲部11bは、シンクSの開口に臨んでいる。
底壁11が傾斜していることにより、水栓カバー本体10に受け止められた水は、その自重により木の葉の葉先に相当する箇所に向けて流れやすいようになっている。
図2(b)のように、底壁11の外周縁は、木の葉の葉先に相当する箇所では、外周壁13の下端に、葉元に相当する箇所では、外周壁13の下端よりも上方に、すなわち、外周壁13の枠内で斜めに接続されている。ここで、底壁11の肉厚はほぼ一定である。
底壁11自身に肉厚の変化をつけて傾斜状態を実現する場合に比べて、底壁11が薄いことから、水栓カバー本体10を水栓Fに装着する際に弾性変形させることが容易となっている。
【0027】
図1および図2のように、底壁11には、木の葉の葉脈を模した多数のリブ11cが多数形成されている。リブ11cは、平面視で全体としては装着孔11aを中心に放射状に延びているが、その外端部が木の葉の葉先を向くように偏向している。
水栓カバー本体10に受け止められた水は、リブ11cに沿ってその内端部から外端部に向けて、全体としては底壁11の木の葉の葉先に向けて配流されるようになっている。
ここで図示のように、リブ11cの内端部は、おおむね内周壁12の壁面にまで至っている。一方、リブ11cの外端部は、外周壁13の手前で終端しており、外周壁13との間に所定の隙間が形成されている。
リブ11cに沿って流れる水は、そのリブ11cが外周壁13の手前で終端しているため、リブ11c自身にせき止められることはなく、外周壁13の壁面に沿ってさらに葉先に向けてスムーズに流れるようになっている。
【0028】
図1および図2のように、内周壁12は、円錐台状の形状をしており、その上端における径が下端における径よりも小径となるように外周面が傾斜している。したがって、水栓Fの胴を伝って流れ落ちてきた水は、内周壁12の傾斜する外周面を伝って底壁11上へと導かれやすくなっている。
内周壁12の上端の内径は、一般的な水栓Fの外径よりも小さくなっている。このため、装着状態において内周壁12の上端は水栓の外周面に密着し、水栓Fの根元へと水が漏れださないようになっている。このような内周壁12の内径としては、30~40mmが例示できる。
内周壁12の高さはほぼ均一であり、かつ図2(b)のように、外周壁13の高さよりも高くなっている。このような内周壁12の高さとしては、13~16mmが例示でき、外周壁13の高さとしては、11~14mmが例示できる。
したがって、底壁11、内周壁12、および外周壁13に区画された箇所に貯留される水の量が多量になった場合、図4(b)のように、より低い外周壁13を乗り越えて水が流出することはあっても、それにより水位がそれ以上は上がらないことから、内周壁12を乗り越えて水が流出することのないようになっている。
【0029】
図1および図2(b)のように、外周壁13は、そのほぼ全体が同一高さとなっているが、底壁11の屈曲部11bの周縁に対応する位置では、底壁11の葉先に向けて高さが漸減してゆき、葉先において切り欠かれて排出口13aが形成されている。
傾斜する底壁11とそのリブ11cにより、その葉先に向けて水流が方向付けられた水は、図3および図4(b)のように、シンクSに臨む排出口13aから排出されるようになっている。
底壁11の尖った葉先に対応する位置に排出口13aが設けられているため、屈曲部11bの傾斜角度が大きいことも相まって、排出口13aの近傍において水の流速が増すようになっており、シンクS内に水は勢いよく落下するようになっている。このため、排出口13aから水が底壁11の裏面を伝って垂れ落ちる等して、シンクの周囲が水で汚れることが防止されている。
【0030】
図6のように、補助リング20は、全体が円錐台状の形状をしている。
補助リング20は、その上端における径が下端における径よりも小径となるように外周面が傾斜している。その上端における径は、水栓カバー本体10の内周壁12の上端における径とほぼ同様であり、下端における径は、内周壁12の下端における径よりもやや大きくなっている。
補助リング20の外周面は、その上半部と下半部とで傾斜角度が異なっており、上半部における傾斜角度は緩く、下半部における傾斜角度は急峻となっている。すなわち、補助リング20の外周面は外側に凸に膨らむ形状となっている。
補助リング20の肉厚は、ほぼ一定となっている。
【0031】
図7のように、水栓カバーを水栓Fに装着する際には、まず上述のようにして水栓カバー本体10を装着した後に、補助リング20を指で引っ張るなどして広げて水栓Fに挿通させ、水栓カバー本体10の内周壁12の上に被せるようにし、ついで指を離して縮径させ水栓Fの外周面に密着させる。
補助リング20の外周面は、上述のように外側に凸に膨らんだ形状となり、水栓カバー本体10の内周壁12に上から被せやすくなっている。
図示のように、装着状態において、水栓Fの外周面の上下に補助リング20と水栓カバー本体10の内周壁12とが二重に密着した状態となるため、吐出口Hから水栓Fの胴を伝うなどした水が、水栓の根元に浸入することが防止される。
【0032】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲内およびこれと均等の意味でのすべての修正と変形を含む。
【0033】
たとえば、水栓カバー本体10の底壁11の形状は、実施形態に限定されず、円形、楕円形、水滴形などでもよい。底壁11の形状が水滴形の場合には、水滴の尖った箇所に排出口13aを設ければよい。リブ11cの配置のパターンは実施形態に限定されないし、省略することも可能である。
補助リング20は省略することも可能である。
【符号の説明】
【0034】
10 水栓カバー本体
11 底壁
11a 装着孔
11b 屈曲部
11c リブ
12 内周壁
13 外周壁
13a 排出口
20 補助リング
F 水栓
H 吐出口
S シンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7