(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】光を放出する光ファイバを備えたカニューレ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
A61M25/06 500
(21)【出願番号】P 2020118621
(22)【出願日】2020-07-09
(62)【分割の表示】P 2018551259の分割
【原出願日】2017-03-17
【審査請求日】2020-08-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-04
(32)【優先日】2016-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ エル.ソンデレッガー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】栗山 卓也
【審判官】佐々木 正章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0314105(US,A1)
【文献】国際公開第2009/123026(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/168655(WO,A2)
【文献】欧州特許出願公開第2710974(EP,A2)
【文献】特開2013-9949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M25/06
A61B5/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管を視覚的に識別するためのカテーテルデバイスであって、
カニューレであって、遠位先端と、前記カニューレの前記遠位先端の方向に配置される開口部を設ける細長い管状シャフトと、前記細長い管状シャフトにより形成される内側管腔とを備えるカニューレと、
前記カニューレの前記内側管腔内に配置された光ファイバと、
カテーテルであって、カニューレが前記カテーテルを通って延びるカテーテルと、
を含み、
前記光ファイバは、遠位端、近位端、および溝を備え、
前記溝は、前記遠位端から前記開口部と位置合わせされた前記光ファイバの一部へと延び、血液が前記遠位先端と前記開口部の間を流れることができるように構成され、
前記光ファイバは、前記光ファイバの不連続部をそれぞれが画定する1つまたは複数の刻み目機構から放出光を
放出するようにさらに構成されるカテーテルデバイス。
【請求項2】
前記光ファイバの前記遠位端は、前記カニューレの前記遠位先端の少なくとも近傍に配置される請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記放出光は、640から680ナノメートルの波長に光放出ピークを有する赤色光を含まない請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記放出光は、640から680ナノメートルの波長に光放出ピークを有する赤色光である請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記光ファイバは、前記カニューレの前記遠位先端を過ぎて移動し、
前記カテーテルを血管の中へとガイドするように構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記光ファイバの前記遠位端が丸められている請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記1つまたは複数の刻み目機構は、前記光ファイバの前記遠位端の少なくとも近傍に配置される請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記光ファイバおよび前記カニューレは、締まり嵌めで構成される請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本出願は、光を放出する光ファイバを含むカニューレに関する。詳細には、本開示は、カニューレおよび光を放出する光ファイバを含むことのできるカテーテルデバイスを用いて、患者の血管の位置を視覚的に特定するデバイス、システム、および関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の体の望ましい送り先にカニューレを配置することは、医療分野の臨床医にとって困難な作業になり得る。例えば、輸液および/または採血のために、静脈などの血管内の適正な位置にカニューレを配置することは困難である可能性がある。輸液および/または脳脊髄液採集のために、脊椎管の適正な位置にカニューレを配置することもまた困難であり得る。臨床医は、カニューレを、血液または脳脊髄液にアクセスするのに十分な深さまで前進させることを望むかもしれないが、静脈の壁、脊髄、または脊髄硬膜を損傷するほど深くまではカニューレを前進させたくない可能性がある。したがって、臨床医にとって、カニューレがいつ静脈または脊椎管内に配置されたかを知ることが重要である。
【0003】
アクセスすべき静脈内にカニューレを位置決めするのを支援するために、臨床医は、従来、いくつかの技法を使用してきた。これらのものは、圧迫帯、動悸、そのエリアを摩擦する、患者にこぶしを作ってもらう、およびその他の使用を含む。いくつかの例では、静脈内にカテーテルデバイスのカニューレを位置決めするのを支援するために、臨床医は、カテーテルデバイスに関連付けられた、例えば、逆流チャンバなどへの血液の「逆流」があるかどうかを確認することができる。逆流は、概して、カテーテルデバイス内にわずかな量の血液が出現することを伴い、それを臨床医は見ることができる。
【0004】
血管内へのカニューレの適正な配置が逆流によって確認された後、臨床医は、カニューレに対して遠位にある血管上の患者の皮膚を押下することにより、血管に圧力を加えることができる。指の圧力は、瞬間的に管を閉塞し、カニューレおよびカテーテルデバイスを通って流れるさらなる血液を最小化することができる。臨床医は、次いで、カニューレをカテーテルデバイスから引き抜くことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
逆流チャンバの中への血液の逆流は、カニューレが血管内に適正に配置されたときに生ずることができるが、不可逆的なものであり得る。したがって、臨床医は、静脈を貫通させたとき、検出できない可能性がある。さらに、逆流チャンバ内への血液の逆流は、即時に生ずるものではなく、しばらく時間を要することがある。
【0006】
したがって、カニューレの遠位先端の位置の連続的な、かつ/または即時の指示を提供するデバイス、システム、および方法が、当技術分野で求められている。このようなデバイス、システム、および方法が本明細書で開示される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、一般に、光を放出する光ファイバを含むカニューレに関する。詳細には、本開示は、光を放出する光ファイバを含むカニューレを有するカテーテルデバイスを用いて、患者の血管を視覚的に識別するためのデバイス、システム、および関連する方法に関する。いくつかの実施形態では、カテーテルデバイスのカニューレは、遠位先端、細長い管状シャフト、および細長い管状シャフトにより形成される内側管腔を含むことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、カニューレの内側管腔内に少なくとも部分的に配置することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、遠位端および近位端を含むことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、遠位端から、および/または光ファイバの不連続部をそれぞれが画定する1つまたは複数の刻み目機構から、光を放出するように構成することができる。不連続部のそれぞれは、光ファイバ損失の局所化された偏移を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の不連続部は、光ファイバの外側面に形成された切込みまたは刻み目を含むことができる。不連続部は、光ファイバからもれる光の量を増加させる任意の適切な方法で形成することができる。例えば、不連続部は、サンドブラスト、レーザエッチングなどにより形成することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の不連続部は、光ファイバの表面を破断できるわずかな化学エッチングを含むことができ、光ファイバからもれる光の量を増加させる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の不連続部は、表面仕上げにより形成することができ、それは、粗い、かつ/または微細なものとすることができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の不連続部を視認することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバから放出される光の量を増加させるために、特定の光ファイバにおける不連続部の数を増加させることができ、かつ/または、例えば、より大きな、視認できる不連続部など、1つまたは複数の特定タイプの不連続部を選択することができる。いくつかの実施形態では、カニューレは、複数の光ファイバを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、光ファイバの遠位端は、カニューレの遠位先端の少なくとも近くに配置することができる。したがって、いくつかの実施形態では、カニューレは、遠位先端の少なくとも近傍を明るくする、または照明するように構成することができる。いくつかの実施形態では、高輝度光源を光ファイバに結合して光を生成することができ、それは、光ファイバに沿って送られ、かつ光ファイバから放出することができる。光ファイバから放出される光は、本開示においては、「放出光」と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、高輝度光源は、例えば、アーク灯、クォーツハロゲンランプ、または他の任意のタイプの高輝度ランプなどのランプを含むことができる。いくつかの実施形態では、高輝度光源は、レーザ、高輝度発光ダイオード(LED)、または別の高輝度光源を含むことができる。
【0009】
放出光は、1つまたは複数の波長の光を含むことができる。いくつかの実施形態では、放出光は、1つまたは複数の特定の波長の光を含まないこともあり得る。例えば、放出光は、血液の色、すなわち赤色に対応する特定の波長を含まないことができ、放出光が血管内の血液に当たったとき、血液は放出光を反射しないこともあり得る。例えば、放出光は、640から680ナノメートルの波長で光放出ピークを有する赤色光を含めないことができる。いくつかの実施形態では、赤色光を含まない放出光が、患者の組織および/または皮膚の色に対応する可能性のある1つまたは複数の他の特定波長の光を含むことができる。他の特定波長の光は、患者の組織および/または皮膚によって反射され得る。したがって、カニューレの遠位先端が患者に挿入されたとき、組織および/または皮膚を照明することができ、放出光を反射することができるが、カニューレの遠位先端が血管に達したとき、血管内の血液は放出光を反射することができない。いくつかの実施形態では、血液が放出光を反射しないことに応じて、カニューレの遠位先端が血管内に位置したとき、臨床医は、血管の位置において明るさではなく暗さを観察することができる。カニューレが皮膚および/または組織から血管内へと移動するにつれて、明るさから暗さに変化することにより、カニューレの遠位先端が血管内に位置するという視覚的な手がかりを臨床医に提供することができる。
【0010】
別の例として、いくつかの実施形態では、放出光は、組織および/または皮膚の色に対応する1つまたは複数の波長の光を含まないこともあり得る。これらの実施形態では、放出光は、血液の色に対応する赤色光を含むことができる。カニューレの遠位先端が患者に挿入されているとき、組織および/または皮膚は、血液と比較して低いレベルで放出光を反射することができる、または全く反射しないこともあり得る。血管内の血液は、放出光を反射することができ、放出光が血液に当たったとき明るくなることができる。血液の照明は、カニューレの遠位先端が血管内に位置することを示すことができる。血管内での血液の照明は、臨床医によって見られかつ患者の解剖学的構造(血管、組織、皮膚など)から反射される光の輝度を容易に増加させることができる。例えば、カニューレが前進したとき、臨床医は、組織および/または皮膚から反射される低輝度の光を見る、または光を何も見ない可能性があり、次いで、カニューレが血管の血液に達したことに応じて、血管が照明されると光の輝度の増加が生じ得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、光ファイバが血管内の血液を照明したとき、血管は、光導管として働くことができ、また放出光は、血管の長さ全体にわたり分散され、それにより、カニューレが血管内に位置することを臨床医に知らせることができる。いくつかの実施形態では、光ファイバが、血管内の血液を照明したとき、血管は、患者の皮膚を通して見ることができ、カニューレの遠位先端の位置に関する視覚的な手がかりを臨床医に提供する。同様に、光ファイバが、患者の組織を照明したとき、組織は、患者の皮膚を通して見ることができ、カニューレの遠位先端の位置に関する視覚的な手がかりを臨床医に提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、カニューレは、細長いシャフトに開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、開口部は、カニューレの遠位先端の方向に配置することができる。これらのおよび他の実施形態では、光ファイバは、1つまたは複数の溝を含むことができ、そのそれぞれは、光ファイバの遠位端から、開口部に位置合わせされた光ファイバの一部へと延びることができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の溝は、血液が遠位先端と開口部の間を流れることができるように構成することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバの複数の溝は、光ファイバが回転できるようにするが、1つの特定の溝と開口部の間の位置合わせを維持する。いくつかの実施形態では、血液は、次いで、開口部から流出し、例えば、血液を臨床医が見ることのできるカテーテルアダプタなど、カテーテルデバイスの一部に流入することができ、それにより、カニューレが血管内に位置していることを臨床医に知らせることができる。
【0013】
血液が開口部から流出した後、臨床医への合図は可逆性のものではない可能性がある。したがって、臨床医は、気づかずにカニューレを血管の中に深く挿入し過ぎて、血管を貫通させる可能性がある。いくつかの実施形態では、光ファイバは、カニューレの位置の連続的な監視を可能にするので有利である。いくつかの実施形態では、光ファイバは、カニューレが血管の中に深く挿入され過ぎたこと、および血管を貫通したことを示すことができる。例えば、放出光が赤色光を含み、かつ組織の色に対応する特定の波長を含まないことに応じて、放出光が血液に当たったとき、血管内の血液を照明することができる。しかし、血管の貫通が生じた場合、血管壁の組織または血管壁の外側の組織により、血液によって反射されるものよりも少ない光が反射されるか、または光が何も反射されない可能性があり、臨床医は、組織の位置において明るさではなく暗さを認識することができる。
【0014】
別の例として、放出光が赤色光を含まず、それに代えて組織に対応する別の色の光、または組織に対応する他の色の光を含むことに応じて、カニューレが血管内に位置するとき、血管は光を反射することができないが、臨床医は、血管の位置において、明るさではなく暗さを認識することができる。しかし、血管を貫通し、かつ血管を組織内に挿入したことに応じて、組織は明るくなって放出光を反射することができ、臨床医は、患者の皮膚を通して明るくなった組織を観察することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、開口部を除くことができ、それにより、カニューレの製作コストを低減することができる。しかし、いくつかの実施形態では、カニューレは、開口部と光ファイバを共に含むことができ、カニューレの遠位先端が血管内に入ったことを検出する二重機構を可能にする。
【0016】
いくつかの実施形態では、光ファイバは、カニューレ内に固定することができ、また光ファイバおよびカニューレは、近位方向および/または遠位方向に共に移動することができる。例えば、光ファイバおよびカニューレは、締まり嵌めで構成することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、カニューレの遠位先端を越えて移動することはできない。いくつかの実施形態では、光ファイバの長さは、光ファイバがカニューレの遠位先端を越えて移動するのを阻止することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、光ファイバは、ガイドワイヤと同様に働くことができる。例えば、光ファイバは、カニューレの遠位先端を過ぎて移動し、カテーテルを患者の血管の中へとガイドするように構成することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルは、光ファイバに従って血管の中に入り、カテーテルを血管の中に前進させる間の血管への外傷を低減させることができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、カテーテルを血管の中へとガイドすることにより、血管への外傷を低減できるだけではなく、高輝度の光を放出して血管を照明し、臨床医が血管の位置をより明確に見ることができるようにし、それにより、カテーテルの前進を支援することができる。照明された血管は、光導管として働くことができ、また放出光は、血管の長さ全体にわたって分散され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、光ファイバは、光ファイバの1つまたは複数の刻み目機構から光を放出するように構成することができ、刻み目機構のそれぞれは、光ファイバの不連続部を画定する。いくつかの実施形態では、光ファイバの刻み目機構の1つまたは複数のものは、光ファイバの遠位端に、かつ/または光ファイバの遠位端の近傍に配置することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバの刻み目機構は、光ファイバが、カニューレの遠位先端を過ぎて移動するときに露出され得る。これらのおよび他の実施形態では、光ファイバの遠位端を丸める、かつ/または滑らかにすることができ、それにより、光ファイバが、より滑らかに、かつ/または血管に穴をあけることなく、血管に入ることが可能になる。光ファイバの丸められた遠位端はまた、光ファイバが血管を貫通することをより困難にすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、カニューレが患者に挿入されたとき、特定の光ファイバの遠位端は、遠位先端を過ぎて移動するように構成することができ、カニューレの遠位先端内に、かつ/または少なくともその遠位先端の近傍に配置することができ、前述のように、カニューレの位置を決定できるようにする。いくつかの実施形態では、カニューレが血管内に配置されたのに応じて、特定の光ファイバは、カニューレの遠位先端を過ぎて前進し、カテーテルを血管の中にガイドすることができる。特定の光ファイバが、カニューレの遠位先端を過ぎて前進する前に、かつ/または後に、特定の光ファイバの遠位端の位置を監視し、かつ/または決定するために、前述の方法のいずれかで、特定の光ファイバからの放出光の波長を調整することができる。例えば、特定の光ファイバからの放出光は、組織および/または皮膚の色に対応する1つまたは複数の波長の光を含まないこともあり得る。例えば、特定の光ファイバからの放出光は、血液の色に対応する赤色光を含むことができる。血管内の血液の照明は、特定の光ファイバの遠位端が血管内に配置されたことを示すことができる。
【0020】
カテーテルデバイスは、任意のカテーテルデバイスを含むことができる。例示的なカテーテルデバイスは、Becton、Dickinson、and Companyから市販されているAUTOGUARD(商標)シールド付きカテーテルなどの真直ぐなポート付き(ported)カテーテル、一体型および非一体型末梢静脈カテーテル、翼付き針セット、採血セット、Becton、Dickinson、and Companyから市販のBD NEXIVA(商標)クローズド静脈内(IV)カテーテルシステムなどのIVアクセスセットなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、カテーテルデバイスの近位端からデバイスの遠位端へと、カテーテルデバイスを通って、またはカテーテルデバイスの一部を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、カテーテルデバイスの近位端を出て、高輝度光源に結合され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、光ファイバの近位端は、使用後に、高輝度光源から結合を解除され、処分することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、例えば、カテーテルデバイスのカテーテルアダプタと共に処分することができる。いくつかの実施形態では、光コネクタが、光ファイバを高輝度光源に選択的に結合することができる。いくつかの実施形態では、光コネクタを任意の数の位置に配置することができる。例えば、光コネクタは、カテーテルデバイスの近位端に配置することができる。本開示の全体を通して、単一の光ファイバが参照され得るが、カテーテルデバイスは、カニューレ内に配置できる複数の光ファイバを含み得ることを理解されたい。例えば、複数の光ファイバが光を放出することができ、かつ/またはカテーテルをガイドするために使用され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、患者の血管の中へのカテーテルの導入を支援する方法は、カニューレを血管の中に挿入するステップを含むことができる。方法はまた、光ファイバの一部がカニューレの外側に配置され、かつ光ファイバの別の部分がカニューレ内に配置されるように、カニューレの遠位先端を越えて光ファイバを前進させるステップを含むことができる。方法は、カテーテルを、光ファイバの一部に沿って、かつ血管の中にガイドするステップを含むことができる。方法はまた、カテーテルからカニューレを引き抜くステップを含むことができ、それは、カテーテルが血管内に配置された後に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の上記のおよび他の特徴、ならびにその利点が容易に理解されるように、上記で簡単に述べたカニューレキャプチャ機構のより詳細な説明を、添付図に示されたその特定の実施形態を参照することにより行うものとする。これらの図は、典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものと見なすべきではないことを理解した上で、本発明を、添付図を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に述べ、そして説明するものとする。
【0024】
【
図1】いくつかの実施形態による例示的なカニューレ内に配置された例示的な光ファイバの切断側面図である。
【
図2】いくつかの実施形態による光ファイバ内の溝を示す、カニューレ内に配置された光ファイバの横断面図である。
【
図3】いくつかの実施形態によるカニューレの遠位先端を越えて進む光ファイバの斜視図である。
【
図4】いくつかの実施形態による1つまたは複数の例示的な刻み目機構を有する光ファイバの斜視図である。
【
図5】いくつかの実施形態によるカテーテルシステムにおける例示的なカテーテルデバイスを通って延びる光ファイバの横断面図である。
【
図6】患者の血管の中にカテーテルを導入するのを支援する例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
述べられる本発明の現在好ましい実施形態は、諸図を参照することによって最もよく理解されよう、図中、同様の部分は、全体を通して同様の数字により指定される。概して、本明細書の図で表現され、かつ示された本発明の構成要素は、多種多様の異なる構成で構成され、かつ設計され得ることが容易に理解されよう。したがって、
図1から
図5で示されるカニューレ位置決めデバイス、カニューレ位置決めシステム、および関連する方法の実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を限定するようには意図されておらず、本発明のいくつかの実施形態を単に表しているに過ぎない。
【0026】
一般に、本出願は、光を放出する光ファイバを含むカニューレに関する。詳細には、本開示は、カニューレおよび光を放出する光ファイバを含むことのできるカテーテルデバイスを用いて、患者の血管の位置を視覚的に特定するデバイス、システム、および関連する方法に関する。
【0027】
図1を次に参照すると、いくつかの実施形態では、カニューレ10は、遠位先端12、細長い管状シャフト14、および細長い管状シャフト14によって形成される内側管腔を含むことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、カニューレの内側管腔内に少なくとも部分的に配置することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、遠位端18および近位端(
図1に示されていない)を含むことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、遠位端18から、かつ/または光ファイバ16の不連続部を画定する1つまたは複数の刻み目機構(
図1に示されていない)から光を放出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、刻み目機構は、遠位端18の少なくとも近傍に配置され得る。いくつかの実施形態では、カニューレ10は、複数の光ファイバ16を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の光ファイバ16は、カニューレ10の内側管腔内で互いに対して平行に位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、複数の光ファイバ16は、共により合わせる、または編むことができ、それにより複数の光ファイバ16の強度を高めることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、光ファイバ16の遠位端18は、
図1で示されるように、カニューレ10の遠位先端18の少なくとも近傍に配置することができる。したがって、いくつかの実施形態では、カニューレ10は、遠位先端18の少なくとも近傍を明るくする、または照明するように構成することができる。いくつかの実施形態では、高輝度光源が光ファイバ16の近位端に結合され、放出光を生成することができ、それは、光ファイバ16に沿って送られて、光ファイバ16から放出することができる。
【0029】
放出光は、1つまたは複数の波長の光を含むことができる。いくつかの実施形態では、放出光は、1つまたは複数の特定の波長の光を含めないことができる。例えば、放出光は、血液の色、すなわち赤色に対応する特定の波長を含めないことができ、放出光が血管内の血液に当たったとき、血液は放出光を反射しないこともあり得る。
【0030】
例えば、放出光が、640から680ナノメートルの波長で光放出ピークを有する赤色光を含まないことができる。いくつかの実施形態では、赤色光を含まない放出光は、患者の組織および/または皮膚の色に対応する可能性のある1つまたは複数の他の特定波長の光を含むことができる。他の特定波長の光は、患者の組織および/または皮膚によって反射され得る。したがって、カニューレ10の遠位先端12が患者に挿入されたとき、組織および/または皮膚は照明されて、放出光を反射することができるが、カニューレ10の遠位先端12が血管に達したとき、血管内の血液は、放出光を反射できない。いくつかの実施形態では、血液が放出光を反射しないことに応じて、カニューレ10の遠位先端12が血管内に位置するとき、臨床医は、血管の位置において明るさではなく暗さを観察することができる。カニューレ10が、皮膚および/または組織から、血管内へと移動したとき、明るさから暗さに変化することにより、カニューレ10の遠位先端12が血管内に位置するという視覚的な手がかりを臨床医に提供することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端は、遠位先端の近傍に位置することができる。したがって、カニューレ10の遠位先端の位置は、カニューレ10がそれを通って延びることのできるカテーテル20の位置に近い。
【0031】
別の例として、いくつかの実施形態では、放出光は、組織および/または皮膚の色に対応する1つまたは複数の波長の光を含まないこともあり得る。これらの実施形態では、放出光は、血液の色に対応する赤色光を含むことができる。カニューレ10の遠位先端12が患者の中に挿入されているとき、組織および/または皮膚は、血液と比較して低いレベルで放出光を反射することができる、または全く反射しないこともあり得る。血管内の血液は、放出光を反射することができ、かつ放出光が血液に当たったとき明るくなり得る。血液の照明は、カニューレ10の遠位先端12が血管内に位置することを示すことができる。血管内での血液の照明は、臨床医によって見られかつ患者の解剖学的構造(血管、組織、皮膚など)から反射される光の輝度を容易に増加させることができる。例えば、臨床医は、カニューレ10が前進したとき、組織および/または皮膚から反射される低い輝度の光を見るか、または光が何も反射されないこともあるが、次いで、カニューレ10が血管の血液に達したことに応じて、血管が照明されるので、光の輝度の増加が生じ得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、光ファイバ16が、血管内の血液を照明したとき、血管は、光導管として働くことができ、また放出光は、血管の長さに全体わたって分散することができ、それにより、カニューレ10が血管内に位置することを臨床医に知らせることができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16が、血管内の血液を照明したとき、血管は、患者の皮膚を通して見ることができ、カニューレ10の遠位先端12の位置に関する視覚的な手がかりを臨床医に提供する。同様に、光ファイバ16が患者の組織を照明したとき、組織は、患者の皮膚を通して見ることができ、カニューレ10の遠位先端12の位置に関する視覚的な手がかりを臨床医に提供する。
【0033】
図2を次に参照すると、いくつかの実施形態では、カニューレ10は、細長いシャフト14に開口部22を有することができる。いくつかの実施形態では、開口部22は、カニューレ10の遠位先端12の方向に配置することができる。これらのおよび他の実施形態では、光ファイバ16は、1つまたは複数の溝24を含むことができ、それは、光ファイバ16の遠位端18から、開口部22と位置合わせされた光ファイバ16の一部へと延びることができる。いくつかの実施形態では、特定の溝24は、遠位先端12と開口部22の間で血液が流れるように構成することができる。いくつかの実施形態では、血液は、次いで、開口部22から外へ流れて、血液を臨床医が見ることのできる、例えば、カテーテル20、および/またはカテーテルアダプタなどのカテーテルデバイスの一部の中へと流入することができ、それにより、カニューレ10が血管内に位置することを臨床医に知らせることができる。
【0034】
通常、血液が開口部22から流出した後、臨床医に対する合図は不可逆的なものになり得る。したがって、臨床医は、カニューレ10を気づかないうちに血管の中に深く挿入し過ぎて、血管を貫通させる可能性がある。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、カニューレ10の位置の連続的な監視を可能にするので有利である。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、カニューレ10が、血管の中に深く挿入し過ぎており、そして血管を貫通していることを示すことができる。例えば、放出光が赤色光を含み、かつ組織の色に対応する特定の波長を含まないことに応じて、放出光が血液に当たったとき、血管内の血液を照明することができる。しかし、血管の貫通が生じた場合、血管壁の組織または血管壁の外側の組織により、血管によって反射されるものよりも少ない光が反射されるか、または光が何も反射されない可能性があり、臨床医は、組織の位置において明るさではなく暗さを認識することができる。
【0035】
別の例として、放出光が赤色光を含まず、それに代えて、組織に対応する別の色の光、または組織に対応する他の色の光を含むことに応じて、カニューレ10が、血管内に位置するとき、血管は光を反射することができず、臨床医は、血管の位置において、明るさではなく暗さを認識することができる。しかし、血管を貫通し、血管を組織の中に挿入したことに応じて、組織は明るくなって放出光を反射することができ、臨床医は、患者の皮膚を通して明るくなった組織を観察することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、カニューレ10の開口部22を除くことができ、それにより、カニューレ10の製作コストを下げることができる。しかし、いくつかの実施形態では、カニューレ10は、開口部22および光ファイバ16を共に含むことができ、カニューレ10の遠位先端12が血管の中に入ったことを検出する二重機構を可能にする。
【0037】
いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、カニューレ10に対して遠位方向に、または近位方向に移動できず、また光ファイバ16およびカニューレ10は共に、近位方向および/または遠位方向に移動することができる。例えば、光ファイバ16およびカニューレ10は、締まり嵌めで構成することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、カニューレ10の遠位先端12を越えて移動することはできない。いくつかの実施形態では、光ファイバ16の長さは、光ファイバ16が、カニューレ10の遠位先端12を越えて移動するのを阻止することができる。
【0038】
図3を次に参照すると、いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、ガイドワイヤと同様に働くことができる。例えば、光ファイバ16は、カニューレ10の遠位先端12を過ぎて移動して、カテーテル20を患者の血管26の中へとガイドするように構成することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル20は、光ファイバ16に従って血管26の中に入り、カテーテル20の血管26の中への前進中に、血管26に与える外傷を低減することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、カテーテル20を血管26の中へとガイドすることにより、血管26への外傷を低減できるだけではなく、高輝度の光を放出して血管26を照明し、臨床医が血管26の位置をより明確に見ることができるようにし、それにより、カテーテル20の前進を支援することができる。いくつかの実施形態では、高輝度の光は、光ファイバ16の遠位端18および/または1つまたは複数の他の不連続部から放出することができる。不連続部は、
図3で示すように、光ファイバ16の上側表面および/または下側表面に沿って配置することができる。不連続部は、光ファイバ16が、カニューレ10の遠位先端12を過ぎて移動したとき露出され得る。照明された血管26は光導管として働き、また放出光は、血管26の長さ全体にわたって分散され得る。
【0039】
図4を次に参照すると、いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、光ファイバ16の1つまたは複数の刻み目機構28から光を放出するように構成することができ、刻み目機構28のそれぞれは、光ファイバ16の不連続部を画定する。いくつかの実施形態では、光ファイバの1つまたは複数の刻み目機構28は、光ファイバの遠位端18の方向に配置することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16の刻み目機構28は、光ファイバ16がカニューレ10の遠位先端12を過ぎて移動したときに露出され得る。これらのおよび他の実施形態では、光ファイバの遠位端18は、丸めることができる、かつ/または滑らかにすることができ、それにより、光ファイバ16は、より滑らかに、かつ/または血管26に穴をあけることなく、血管26に入ることが可能になる。光ファイバ16の丸められた遠位端18はまた、光ファイバ16が血管26を貫通するのをより困難にすることができる。
【0040】
光ファイバ16の刻み目機構28は、様々な構成および配置を有することができる。刻み目機構28は、光が光ファイバ16から放出される複数の位置を提供することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、カニューレ10が患者に挿入されたとき、特定の光ファイバ16の遠位端18は、遠位先端12を過ぎて移動するように構成することができ、カニューレ10の遠位先端12内に、かつ/または少なくともその遠位先端12の近傍に配置することができて、前述のように、カニューレ10の位置を決定できるようにする。いくつかの実施形態では、カニューレ10が血管26内に配置されたことに応じて、特定の光ファイバ16は、カニューレ10の遠位先端12を過ぎて前進し、カテーテル20を血管26の中へとガイドすることができる。特定の光ファイバ16がカニューレ10の遠位先端12を過ぎて前進する前に、かつ/または後に、特定の光ファイバ16の遠位端18の位置を監視し、かつ/または決定するために、前に述べた方法のいずれかで、特定の光ファイバからの放出光の波長を調整することができる。
【0042】
図5を次に参照すると、カテーテルデバイス30は、任意のカテーテルデバイスを含むことができる。システム31は、カテーテルデバイス30および高輝度光源32を含むことができる。カテーテルデバイスの例は、Becton、Dickinson、and Companyから市販されているAUTOGUARD(商標)シールド付きカテーテルなどの真直ぐなポート付き(ported)カテーテル、一体型および非一体型末梢静脈カテーテル、翼付き針セット、採血セット、Becton、Dickinson、and Companyから市販のBD NEXIVA(商標)クローズド静脈内(IV)カテーテルシステムなどのIVアクセスセットなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、カテーテルデバイス30の近位端からデバイスの遠位端へと、カテーテルデバイス30を通って、またはカテーテルデバイス30の一部を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、遠位先端の少なくとも近傍から、カニューレの近位端33を越えて、かつ/またはカテーテルデバイス30の近位端にある開口部を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、カテーテルデバイスの近位端を出て、高輝度光源32に結合され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、カニューレ10は、例えば、導入器針などの皮下針を含むことができる。さらにカニューレ10は、任意の適切な方法で使用することができる。例えば、カニューレは、例えば、静脈内輸液、末梢神経遮断、採血、脊椎穿刺、脊椎麻酔、または硬膜外麻酔などの様々な医療処置中に使用することができる。これらのおよび他の実施形態では、カニューレ10は、カテーテルデバイス30を用いて、または用いずに使用することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、高輝度光源32は、例えば、アーク灯、クォーツハロゲンランプ、または他の任意のタイプの高輝度ランプなどのランプを含むことができる。いくつかの実施形態では、高輝度光源は、レーザ、高輝度発光ダイオード(LED)、または別の高輝度光源を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、光ファイバ16の近位端34は、使用後に、高輝度光源32から結合を解除されて、処分することができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ16は、例えば、カテーテルアダプタ36、および/またはカテーテルデバイス30の針ハブ38と共に処分することができる。いくつかの実施形態では、光コネクタ(
図5に示されていない)は、光ファイバ16の近位端34を高輝度光源に選択的に結合することができる。いくつかの実施形態では、光コネクタは、任意の数の位置に配置することができる。例えば、光コネクタは、カテーテルデバイス30の近位端に配置することができる。本開示の全体を通して、単一の光ファイバが参照され得るが、カテーテルデバイス30は、カニューレ10内に配置され得る複数の光ファイバを含み得ることを理解されたい。例えば、複数の光ファイバ16が、光を放出し、かつ/またはカテーテル20をガイドするために使用することができる。
【0046】
図6を次に参照すると、いくつかの実施形態では、患者の血管26の中へのカテーテル20の導入を支援する方法100は、ブロック102で開始することができる。ブロック102で、カニューレ10を血管26の中に挿入することができる。ブロック102は、その後にブロック104が続く。ブロック104で、光ファイバ16は、カニューレ10の遠位先端12を越えて前進し、したがって、光ファイバ16の一部が、カニューレ10の外側に配置され、また光ファイバ16の別の部分が、カニューレ10内に配置される。
【0047】
別個のブロックとして示されているが、様々なブロックを、望ましい実装形態に応じて、さらなるブロックに分割する、より少ないブロックに組み合わせる、または除外することができる。いくつかの実施形態では、方法100は、さらなるブロックを含むことができる。例えば、方法100は、カテーテル20を、光ファイバ16の一部に沿って、かつ血管26の中にガイドするステップを含むことができる。別の例として、方法100は、カニューレ10をカテーテルから引き抜くステップを含むことができ、それは、カテーテルが血管内に配置された後に実施することができる。さらなる例として、方法100は、カニューレ10の位置、および/または遠位先端12を越えて前進した光ファイバ16の位置を検出するために、光ファイバ16から放出される光の波長を調節するステップを含むことができる。
【0048】
光ファイバ16の前述の実施形態に加えて、光ファイバ16は、その意図される目的を満たすことを可能にする任意の適切な方法で改変することができる。さらにカニューレ10および光ファイバ16は、任意の適切な方法で使用することができる。例えば、カニューレ10および光ファイバ16は、例えば、静脈内輸液、採血、脊椎穿刺、または硬膜外麻酔などの様々な医療処置中に、臨床医が、カニューレ10の遠位先端12を適切に位置決めできるようにする。いくつかの実施形態では、光の波長は、遠位先端12の送り先における媒体の色に基づいて調整することができる。
【0049】
さらに、システム31の前述の実施形態に加えて、システム31は、その意図された目的を満たすことを可能にする任意の適切な方法で改変することができる。さらに、カテーテルデバイス30の前述の実施形態に加えて、カテーテルデバイス30は、その意図された目的を満たすことを可能にする任意の適切な方法で改変することができる。
【0050】
本発明は、本明細書で広範囲に述べられ、かつ以降で特許請求されるその構造、方法、または他の本質的な特性から逸脱することなく、他の特有の形態で実施することができる。述べられた実施形態および例は、すべての点で、例示的なものに過ぎず、限定するものではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によるのではなく、添付の特許請求の範囲により示される。特許請求の範囲の均等性の意味および範囲に含まれるすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。