(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】半導体素子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 53/30 20230101AFI20230925BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230925BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20230925BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230925BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20230925BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20230925BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20230925BHJP
H10B 12/00 20230101ALI20230925BHJP
【FI】
H10B53/30
H01L21/205
H01L21/285 C
H01L21/285 301
H01L21/31 C
H01L21/88 R
H10B12/00 671Z
(21)【出願番号】P 2020212086
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2019-0174171
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】朴 正敏
(72)【発明者】
【氏名】金 海龍
(72)【発明者】
【氏名】朴 影根
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-269424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0352666(US,A1)
【文献】特開2001-284542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0018604(US,A1)
【文献】YEONG JAE SHIN, et al.,Interface Control of Ferroelectricity in an SrRuO3/BaTiO3/SrRuO3 Capacitor and its Critical Thickness,ADVANCED MATERIALS,2017年,Vol.29 No.1602795,p.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 53/30
H10B 12/00
H01L 21/3205
H01L 21/285
H01L 21/205
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上のキャパシタと、を含み、
前記キャパシタは、前記基板上に順に積層される下部電極
、誘電膜
、及び上部電極を含み、
前記下部電極は、ABO
3を含み、前記Aは、第1金属元素であり、前記Bは、前記第1金属元素より仕事関数が大きい第2金属元素であり、
前記誘電膜は、CDO
3を含み、前記Cは、第3金属元素であり、前記Dは、第4金属元素であり、
前記下部電極は、第1層と第2層が交互に繰り返され、前記第1層は、前記第1金属元素と酸素を含み、前記第2層は、前記第2金属元素と酸素を含み、
前記誘電膜と接する前記下部電極の第1接触面は前記第2層である、半導体素子。
【請求項2】
前記第1接触面は、{100}結晶面である、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記下部電極及び前記誘電膜は、各々ペロブスカイト構造を有する、請求項1又は2に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記誘電膜は、第3層と第4層が交互に繰り返され、前記第3層は、前記第3金属元素と酸素を含み、前記第4層は、前記第4金属元素と酸素を含み、
前記下部電極と接する前記誘電膜の第2接触面は、前記第3層である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記第4金属元素は、前記第3金属元素より仕事関数が大きい、請求項4に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記第2金属元素は、前記第4金属元素より仕事関数が大きい、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記第2金属元素の仕事関数は、4.5eVより大きく6eVより小さい、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記第1金属元素は、Sr、Ba、La、及びCaの中の少なくとも1つである、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記第2金属元素は、Ru、Mo、Ir、Co、及びNiの中の少なくとも1つである、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記第3金属元素は、Ba、Sr、及びCaの中の少なくとも1つである、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記第4金属元素は、Ti、Zr、及びHfの中の少なくとも1つである、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項12】
前記下部電極の厚さは、約50Å乃至約100Åである、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項13】
前記キャパシタは、ベース電極をさらに含み、
前記下部電極は、前記ベース電極の側壁及び上面を覆う、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項14】
基板と、
前記基板上のキャパシタと、を含み、
前記キャパシタは、前記基板上に順に積層される下部電極
、誘電膜
、及び上部電極を含み、
前記下部電極の上面が、前記誘電膜の下面に接触しており、
前記下部電極は、第1金属元素、第2金属元素、及び酸素を含み、
前記誘電膜は、第3金属元素、第4金属元素、及び酸素を含み、
前記下部電極は、第1層と第2層が交互に繰り返され、前記第1層は、前記第1金属元素と酸素を含み、前記第2層は、前記第2金属元素と酸素を含み、
前記第1金属元素は、Sr、Ba、La、及びCaの中の少なくとも1つであり、前記第2金属元素は、Ru、Mo、Ir、Co、及びNiの中の少なくとも1つであり、
前記誘電膜と接する前記下部電極の第1接触面は、前記第2層である
、半導体素子。
【請求項15】
前記誘電膜は、第3層と第4層が交互に繰り返され、前記第3層は、前記第3金属元素と酸素を含み、前記第4層は、前記第4金属元素と酸素を含み、
前記下部電極と接する前記誘電膜の第2接触面は、前記第3層と前記第4層の中で仕事関数が小さい層である、請求項14に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記第3金属元素は、Ba、Sr、及びCaの中の少なくとも1つであり、
前記第4金属元素はTi、Zr、及びHfの中の少なくとも1つである、請求項14に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記キャパシタは、ベース電極をさらに含み、
前記下部電極は、前記ベース電極の側壁及び上面を覆う、請求項14に記載の半導体素子。
【請求項18】
基板の上部に埋め込まれ、第1方向に延長される第1導電ラインと、
素子分離膜によって前記基板の上部に定義され、前記第1導電ラインを介して分離された第1不純物領域及び第2不純物領域を含む活性領域と、
前記基板上で前記第1方向と交差する第2方向に延長され、前記第1不純物領域と連結される第2導電ラインと、
前記第2不純物領域に連結されるコンタクトと、
前記コンタクトを通じて前記第2不純物領域に連結され
、前記基板上にあるキャパシタと、を含み、
前記キャパシタは、
前記基板上に順に積層される下部電極
、誘電膜
、及び上部電極を含み、
前記下部電極は、ABO
3を含み、前記Aは、第1金属元素であり、前記Bは、前記第1金属元素より仕事関数が大きい第2金属元素であり、
前記誘電膜は、CDO
3を含み、前記Cは、第3金属元素であり、前記Dは、第4金属元素であり、
前記下部電極は、第1層と第2層が交互に繰り返され、前記第1層は、前記第1金属元素と酸素を含み、前記第2層は、前記第2金属元素と酸素を含み、
前記誘電膜と接する前記下部電極の第1接触面は、前記第2層である、半導体素子。
【請求項19】
前記誘電膜は、第3層と第4層が交互に繰り返され、前記第3層は、前記第3金属元素と酸素を含み、前記第4層は、前記第4金属元素と酸素を含み、
前記第4金属元素は、前記第3金属元素より仕事関数が大きい、請求項18に記載の半導体素子。
【請求項20】
前記第1金属元素は、Sr、Ba、La、及びCaの中の少なくとも1つであり、
前記第2金属元素は、Ru、Mo、Ir、Co、及びNiの中の少なくとも1つであり、
前記第3金属元素は、Ba、Sr、及びCaの中の少なくとも1つであり、
前記第4金属元素は、Ti、Zr、及びHfの中の少なくとも1つである、請求項18に記載の半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体に関し、より具体的には半導体素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型化、多機能化、及び/又は低い製造単価等の特性によって半導体素子は電子産業で重要な要素として脚光を浴びている。電子産業が高度に発展するにつれて、半導体素子の高集積化傾向が深化されている。半導体素子の高集積化のために、半導体素子のパターンの線幅が段々減少されている。特に、DRAMのような半導体メモリ素子のデザインルール減少に応じてキャパシタ下部電極の酸化による静電容量の最大値と最小値との差がさらに大きくなっている。したがって、静電容量の差を改善することができる半導体メモリ素子の構造及び方法に対する必要性が大きくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的はキャパシタの漏洩電流を減少させることができる半導体素子及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
本発明の目的は信頼性を向上させることができる半導体素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明に係る半導体素子は下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間の誘電膜を含むキャパシタを含み、前記下部電極はABO3を含み、前記Aは第1金属元素であり、前記Bは前記第1金属元素より仕事関数が大きい第2金属元素であり、前記誘電膜はCDO3を含み、前記Cは第3金属元素であり、前記Dは第4金属元素であり、前記下部電極は第1層と第2層が交互に繰り返され、前記第1層は前記第1金属元素と酸素を含み、前記第2層は前記第2金属元素と酸素を含み、前記誘電膜と接する前記下部電極の第1接触面は前記第2層である。
【0007】
前記目的を達成するための本発明に係る半導体素子は下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間の誘電膜を含むキャパシタを含み、前記下部電極は第1金属元素、第2金属元素及び酸素を含み、前記誘電膜は第3金属元素、第4金属元素及び酸素を含み、前記下部電極は第1層と第2層が交互に繰り返され、前記第1層は前記第1金属元素と酸素を含み、前記第2層は前記第2金属元素と酸素を含み、前記第1金属元素はSr、Ba、La、及びCaの中の少なくとも1つであり、前記第2金属元素はRu、Mo、Ir、Co、及びNiの中の少なくとも1つであり、前記誘電膜と接する前記下部電極の第1接触面は前記第2層である。
【0008】
前記目的を達成するための本発明に係る半導体素子は基板の上部に埋め込まれ、第1方向に延長される第1導電ラインと、素子分離膜によって前記基板の上部に定義され、前記第1導電ラインを介して分離された第1不純物領域及び第2不純物領域を含む活性領域と、前記基板上で前記第1方向と交差する第2方向に延長され、前記第1不純物領域と連結される第2導電ラインと、前記第2不純物領域に連結されるコンタクトと、前記コンタクトを通じて前記第2不純物領域に連結されるキャパシタと、を含み、前記キャパシタは下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間の誘電膜を含み、前記下部電極はABO3を含み、前記Aは第1金属元素であり、前記Bは前記第1金属元素より仕事関数が大きい第2金属元素であり、前記誘電膜はCDO3を含み、前記Cは第3金属元素であり、前記Dは第4金属元素であり、前記下部電極は第1層と第2層が交互に繰り返され、
前記第1層は前記第1金属元素と酸素を含み、前記第2層は前記第2金属元素と酸素を含み、前記誘電膜と接する前記下部電極の第1接触面は前記第2層である。
【0009】
前記目的を達成するための本発明に係る半導体素子の製造方法は基板上に下部電極を形成する段階と、前記下部電極上に誘電膜を形成する段階と、前記誘電膜上に上部電極を形成する段階と、を含み、前記下部電極を形成する段階は下部電極形成サイクルを複数回遂行することを含み、前記下部電極形成サイクルは第1層蒸着工程及び第2蒸着工程を含み、前記第1層蒸着工程は、第1金属元素ソースを供給する段階と、酸素ソースを供給する段階と、を含み、前記第2層蒸着工程は、第2金属元素ソースを供給する段階と、前記酸素ソースを供給する段階と、を含み、前記下部電極を形成する段階は前記第2層蒸着工程で終了されることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、誘電膜と接する下部電極の接触面を制御して半導体素子の漏洩電流を減少させ、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るキャパシタを示した断面図である。
【
図7】本発明の比較例に係る下部電極と誘電膜との間の界面の概念図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るキャパシタ形成方法の工程フローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態に係る膜を形成するための蒸着装備の概念図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る下部電極を形成するためのプロセスガスの供給サイクルを示すタイミングダイヤグラムである。
【
図11】本発明の実施形態に係る誘電膜を形成するためのプロセスガスの供給サイクルを示すタイミングダイヤグラムである。
【
図12】本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子を示した平面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図12のA1-A2及びB1-B2に沿う断面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図12のA1-A2及びB1-B2に沿う断面図である。
【
図15】本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図12のA1-A2及びB1-B2に沿う断面図である。
【
図16】本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図12のA1-A2及びB1-B2に沿う断面図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図12のA1-A2及びB1-B2に沿う断面図である。
【
図18】本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図12のA1-A2及びB1-B2に沿う断面図である。
【
図19】本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図12のA1-A2及びB1-B2に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る半導体素子及びその製造方法を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態に係るキャパシタを示した断面図である。
図2は
図1のQ領域の拡大図である。
図3は第1層の平面図である。
図4は第2層の平面図である。
図5は第3層の平面図である。
図6は第4層の平面図である。
【0014】
図1及び
図2を参照すれば、キャパシタは下部電極10、上部電極50、及びこれらの間の誘電膜30を含むことができる。上部電極50は下部電極10からZ方向に離隔されることができる。一例として、キャパシタは基板上に提供されることができ、下部電極10は基板と隣接し、上部電極50は下部電極10を介して基板と離隔されることができる。即ち、基板上に下部電極10、誘電膜30、及び上部電極50がZ方向に沿って順に積層されることができる。
【0015】
下部電極10は第1金属元素(metal element)M1、第2金属元素M2、及び酸素原子OAを含む第1化合物を含むことができる。一例として、下部電極10はABO3の化学式で表示される3元係化合物である。Aは第1金属元素M1に該当し、Bは第2金属元素M2に該当することができる。前記第1化合物はペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有することができる。この場合、第1金属元素M1は単位セル(unit cell)の八つのコーナーに配置されることができ、第2金属元素M2は単位セルの中心に配置されることができる。酸素原子OAは単位セルの六つの面の中心に配置されることができる。単位セルを基準に、第1金属元素M1、第2金属元素M2、及び酸素原子OAの比率は1:1:3である。下部電極10は強磁性体特性を有することができる。下部電極10の厚さは約50Å(オングストローム)乃至約100Åである。
【0016】
下部電極10はZ方向に交互に反復積層された第1層L1と第2層L2を含むことができる。
図3に図示されたように、第1層L1はXY平面に平行である層であって、第1金属元素M1と酸素原子OAで構成されることができる。第1層L1は下部電極10の{100}面に該当することができる。第1金属元素M1は格子点に配置され、酸素原子OAは4つの第1金属元素M1で構成される単位セルの一面の中心に配置されることができる。第1層L1の第1金属元素M1と酸素原子OAの比率は1:1である。
【0017】
図4に図示されたように、第2層L2はXY平面に平行である層であって、第2金属元素M2と酸素原子OAで構成されることができる。第2層L2は下部電極10の{100}面に該当することができる。第2金属元素M2は単位セルの中心に配置されることができる。酸素原子OAは単位セルを構成する面(平面的に辺(edges))の中心に配置されることができる。第2層L2の第2金属元素M2と酸素原子OAの比率は1:2である。
【0018】
第2金属元素M2は第1金属元素M1より仕事関数が大きくすることができる。一例として、第1金属元素M1は仕事関数が4eVより小さくすることができる。第2金属元素M2は仕事関数が4.5eVより大きく、6eVより小さくすることができる。一例として、前記第1金属元素M1はSr、Ba、La、及びCaの中の少なくとも1つである。前記第2金属元素M2はRu、Mo、Ir、Co、及びNiの中の少なくとも1つである。一例として、第1化合物はSrRuO3、SrCoO3、SrMoO3、CaRuO3、BaRuO3、又は(Ba、Sr)RuO3であるが、これに制限されない。
【0019】
誘電膜30は第3金属元素M3、第4金属元素M4及び酸素原子OAを含む第2化合物を含むことができる。一例として、誘電膜30はCDO3の化学式で表示される3元係化合物である。Cは第3金属元素M3に該当し、Dは第4金属元素M4に該当することができる。前記第2化合物はペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有することができる。この場合、第3金属元素M3は単位セル(unit cell)の八つのコーナーに配置されることができ、第4金属元素M4は単位セルの中心に配置されることができる。酸素原子は単位セルの六つの面の中心に配置されることができる。単位セルを基準に、第3金属元素M3、第4金属元素M4、及び酸素原子の比率は1:1:3である。誘電膜30は常誘電体又は強誘電体特性を有することができる。誘電膜30の厚さは約50Å乃至約100Åである。
【0020】
誘電膜30はZ方向に交互に反復積層された第3層L3と第4層L4を含むことができる。
図5に図示されたように、第3層L3はXY平面に平行である層であって、第3金属元素M3と酸素原子OAで構成されることができる。第3層L3は誘電膜30の{100}面に該当することができる。第3金属元素M3は格子点に配置され、酸素原子OAは4つの第3金属元素M3で構成される単位セルの一面の中心に配置されることができる。第3層L3の第3金属元素M3と酸素原子OAの比率は1:1である。
【0021】
図6に図示されたように、第4層L4はXY平面に平行である層であって、第4金属元素M4と酸素原子OAで構成されることができる。第4層L4は誘電膜30の{100}面に該当することができる。第4金属元素M4は単位セルの中心に配置されることができる。酸素原子OAは単位セルを構成する面(平面的に辺(edges))の中心に配置されることができる。第4層L4の第4金属元素M4と酸素原子OAの比率は1:2である。
【0022】
第4金属元素M4は第3金属元素M3より仕事関数が大きくすることができる。一例として、第3金属元素M3は仕事関数が4eVより小さくすることができる。第4金属元素M4は仕事関数が4.0eVより大きく4.5eVより小さくすることができる。一例として、前記第3金属元素M3はBa、Sr、及びCaの中の少なくとも1つである。前記第4金属元素M4はTi、Zr、及びHfの中の少なくとも1つである。一例として、第2化合物はBaTiO3、(Ba、Sr)TiO3(BST)、SrTiO3、(Ba、Sr)(Zr、Ti)O3(BSZTO)、Sr(Zr、Ti)O3(SZTO)、Ba(Zr、Ti)O3(BZTO)、(Ba、Sr)ZrO3(BSZO)、又はSrZrO3、BaZrO3であるが、これに制限されない。これとは異なり、第3金属元素M3はPbのように仕事関数が4eVより大きいが、第4金属元素M4より仕事関数が小さい元素から選択されることができる。この場合、第2化合物はPb(Zr、Ti)O3(PZT)又は(Pb、La)(Zr、Ti)O3(PLZT)である。
【0023】
第4金属元素M4の酸化物層である第4層L4の仕事関数は第3金属元素M3の酸化物層である第3層L3の仕事関数より大きくすることができる。一例として、第4層L4がTiO2であり、第3層L3がSrOである場合、第4層L4の仕事関数(約6.33eV)が第3層L3の仕事関数(約3.18eV)より大きくすることができる。一例として、第4層L4の仕事関数は約5.0eV乃至約6.5eVである。
【0024】
上部電極50はPt、Ir、Ruのような貴金属又はTi、Wの中から選択された1つ以上を含む金属層である。他の実施形態で、上部電極50は下部電極10と同一な3元係物質で形成されることができる。他の実施形態で、上部電極50はシリコン-ゲルマニウムのような半導体物質を含むことができる。
【0025】
下部電極10と誘電膜30との間に界面IFが存在することができる。界面IFは下部電極10の上面に該当する第1接触面CS1と誘電膜30の下面に該当する第2接触面CS2が接する領域である。第1接触面CS1と第2接触面CS2は格子(lattice)の観点で互いに離隔されたものとして図示されたが、マクロスケールの観点で互いに接することができる。
【0026】
下部電極10の第1接触面CS1は{100}面である。第1接触面CS1は第1層L1と第2層L2の中で仕事関数が大きい層である。
図2に図示されたように、第1接触面CS1は第2層L2である。第2層L2は第2金属元素M2と酸素原子で構成され、BO
2で表示されることができる。第1層L1は第1金属元素M1と酸素原子で構成され、AOで表示されることができる。第2金属元素M2の酸化物、即ちBO
2は第1金属元素M1の酸化物、即ちAOより仕事関数が大きくすることができる。
【0027】
一例として、第2金属元素M2の酸化物層である第2層L2の仕事関数は第1金属元素M1の酸化物層である第1層L1の仕事関数より大きくすることができる。一例として、第2層L2がRuO2であり、第1層L1がSrOである場合、第2層L2の仕事関数(約5.16eV)が第1層L1の仕事関数(約2.55eV)より大きくすることができる。誘電膜30の第2接触面CS2は第3層L3と第4層L4の中で仕事関数が小さい層である。一例として、第2接触面CS2は第3層L3である。
【0028】
図7は本発明の比較例に係る下部電極と誘電膜との間の界面の概念図である。
図7を参照すれば、下部電極10の第1接触面CS1は第2層L2である。
【0029】
誘電膜30をペロブスカイト結晶構造を有する3元係化合物で形成する場合、ZrO
2のような2元系化合物に比べて誘電常数を高くすることがき、その結果、キャパシタのキャパシタンスを増加させることができる。下部電極10を2元係化合物で形成する場合、3元係化合物で形成された誘電膜30と格子不整合(lattice mismatch)によって誘電膜30の結晶性が低くなり、その結果誘電率の劣化がもたらされる可能性がある。3元係化合物誘電膜の場合2元係化合物誘電膜に比べて相対的に仕事関数が小さく、したがって下部電極とのCBO(conduction band offset)値が約1.0eVより小さくなる可能性がある。したがって、キャパシタの漏洩電流が増加される可能性がある。本発明の実施形態によれば、下部電極10の第1接触面CS1を第1層L1より仕事関数が大きい第2層L2とすることによって、CBO値を約2.0eV以上に増加させることができる。その結果、
図7の比較例のように第1接触面CS1が第1層L1である場合より漏洩電流を減少させることができるので、半導体素子の信頼性を向上させることができる。
【0030】
図8は本発明の実施形態に係るキャパシタ形成方法の工程フローチャートである。
図9は本発明の実施形態に係る膜の形成するための蒸着装備の概念図である。
図10は本発明の実施形態に係る下部電極を形成するためのプロセスガスの供給サイクルを示すタイミングダイヤグラムである。
図11は本発明の実施形態に係る誘電膜を形成するためのプロセスガスの供給サイクルを示すタイミングダイヤグラムである。
【0031】
図8及び
図9を参照すれば、前記蒸着装備1000は蒸着チャンバー21を含むことができる。一例として、前記蒸着装備1000は原子層蒸着(ALD)装備である。前記蒸着装備1000は前記蒸着チャンバー21の内部に提供され、基板WFがローディングされるステージ22、及び前記蒸着チャンバー21内に反応ガスを供給するシャワーヘッド23を含むことができる。前記ステージ22はその内部にヒーター25を含んで前記基板WFを望む温度に維持することができる。前記シャワーヘッド23又は前記シャワーヘッド23に連結される上部電極には13.56MHz又は27MHzのHRFパワー28(及び必要によって、5MHz以下(400kHz乃至500kHz)のLRFパワー29)を印加し、前記ステージ22は接地することによって、前記シャワーヘッド23と前記ステージ22との間にプラズマが励起されることができる。
【0032】
前記シャワーヘッド23を通じて前記蒸着チャンバー21内にプロセスガスが供給されることができる。一例として、前記シャワーヘッド23は複数の供給ラインを通じて第1金属元素ソース11、第2金属元素ソース12、第3金属元素ソース13、第4金属元素ソース14、及び酸素ソース16と連結されることができる。前記シャワーヘッド23にキャリヤーガス供給部15と連結されることができる。第1金属元素ソース11、第2金属元素ソース12、第3金属元素ソース13、第4金属元素ソース14、及び酸素ソース16は互いに分離された個別の供給ラインを通じて前記シャワーヘッド23に供給されてもよい。これとは異なり、前記個別の供給ラインの少なくとも一部は互いに重畳されることができる。第1金属元素ソース11、第2金属元素ソース12、第3金属元素ソース13、第4金属元素ソース14は各々互いに異なる元素のソースであるが、上述した第1乃至第4金属元素の種類が重複される場合、実質的に同一な元素に対するソースである。一例として、第1金属元素M1と第3金属元素M3が同一な場合、第1金属元素ソース11と第3金属元素ソース13は実質的に同一な1つのソースである。
【0033】
前記キャリヤーガス供給部15から供給されるキャリヤーガスは他のソース及び/又は前駆体を前記蒸着チャンバー21内に運搬することができる。前記キャリヤーガスは前記蒸着チャンバー21内部の未反応物質又は反応副産物を真空ポンプを利用して蒸着チャンバー21の外部にパージ(purge)する役割を遂行することができる。前記キャリヤーガスはヘリウム(He)又はネオン(Ne)のような不活性気体であるか、或いは窒素(N2)又は二酸化炭素(CO2)のように活性が極めて低い気体である。しかし、本発明がここに限定されない。前記キャリヤーガス供給部15の供給ラインは第1金属元素ソース11、第2金属元素ソース12、第3金属元素ソース13、第4金属元素ソース14、及び酸素ソース16の供給ラインと少なくとも一部が重畳されることができる。これとは異なり、前記キャリヤーガス供給部15の供給ラインは第1金属元素ソース11、第2金属元素ソース12、第3金属元素ソース13、第4金属元素ソース14、及び酸素ソース16の供給ラインと分離されることができる。
【0034】
前記蒸着チャンバー21の前記ステージ22上に基板WFがローディングされることができる(S100)。前記基板WFはウエハである。前記蒸着チャンバー21内に複数のソースが供給されて前記基板WF上に下部電極が形成されることができる(S200)。前記下部電極が目的とする厚さに形成された後、前記下部電極の形成工程が完了され、その後、第1熱処理工程(S300)が遂行されることができる。以下、下部電極の形成工程に対してより詳細に説明される。
【0035】
図1乃至
図4、及び
図8乃至
図10を参照して、ウエハ上に下部電極10が形成されることができる(S200)。前記下部電極10の形成は
図10のタイミングダイヤグラムに応じて遂行されることができる。前記下部電極10の形成は複数回の第1サイクルCL1を含むことができる。第1サイクルCL1は第1層L1の形成段階(以下、第1段階SC1)及び第2層L2の形成段階(以下、第2段階SC2)を含むことができる。
【0036】
第1段階(SC1)は順次的に遂行される第1金属元素ソース11の供給段階(S101)、第1パージ段階(P1)、第1酸素ソース16供給段階(S102)、及び第2パージ段階(P2)を含むことができる。第1段階(SC1)を通じて第1金属元素M1と酸素原子で構成され、実質的に単層(monolayer)に該当する第1層L1が形成されることができる。本明細書で単層は原子が2次元的に配置された構造を称する。第2段階(SC2)は順次的に遂行される第2金属元素ソース12の供給段階(S103)、第3パージ段階(P3)、第2酸素ソース16供給段階(S104)、及び第4パージ段階(P4)を含むことができる。第2段階(SC2)を通じて第2金属元素M2と酸素原子で構成され、実質的に単層(monolayer)に該当する第2層L2が形成されることができる。第1乃至第4パージ段階(P1、P2、P3、P4)によって直前のソースガスの中でウエハと反応しないソースガスが蒸着チャンバー21の外部に排出されることができる。複数回の第1サイクルCL1が遂行されて第1層L1と第2層L2が繰り返して交互に積層された下部電極10が形成されることができる。
【0037】
第1金属元素ソース11はSr、Ba、La、及びCaの中の少なくとも1つを含むことができる。一例として、第1金属元素ソース11はストロンチウム(Sr)ソースである。前記ストロンチウムソースはシクロペンタ(Cyclopenta)系列のリガンド(ligand)又はケトイミン(ketoimine)系列のリガンドを含むことができる。第2金属元素ソース12はRu、Mo、Ir、Co、及びNiの中の少なくとも1つを含むことができる。一例として、第2金属元素ソース12はルテニウム(Ru)ソースである。前記ルテニウムソースはβ-ジケトネート(β-diketonate)系列のリガンドを含むことができる。一例として、酸素ソース16はO2及び/又はO3を含むことができる。
【0038】
第1段階(SC1)及び第2段階(SC2)の各々で、第1金属元素ソース11の供給段階(S101)はt01の間に遂行されることができる。一例として、t01は約7秒乃至約15秒である。第1段階(SC1)及び第2段階(SC2)の各々で、第2金属元素ソース12の供給段階(S103)はt03の間に遂行されることができる。一例として、t03は約3秒乃至7秒である。即ち、第1金属元素ソース11の供給段階(S101)は第2金属元素ソース12の供給段階(S103)より長い。第1乃至第4パージ段階(P1、P2、P3、P4)は各々約15秒乃至約25秒の間に遂行されることができる。第1酸素ソース16供給段階(S102)はt02の間に遂行されることができる。一例として、t02は約15秒乃至約25秒である。第2酸素ソース16供給段階(S104)はt04の間に遂行されることができる。一例としてt04は約15秒乃至約25秒である。前記下部電極10を形成するための第1サイクルCL1の間に、チャンバー温度は約300℃乃至約500℃に維持されることができる。前記下部電極10を形成するための第1サイクルCL1の間に、チャンバー内の圧力は約1Torr乃至約3Torrである。
【0039】
前記下部電極10の形成は第1番目の第1サイクルCL1sの開始点ts1で開始され、最後の第1サイクルCL1eの終了点te1で終了されることができる。開始点ts1が含まれた第1番目の第1サイクルCL1sは第1段階(SC1)及び第2段階(SC2)の中で第1段階(SC1)で開始されることとして図示したが、これとは異なり第2段階(SC2)から開始されることができる。終了点te1が含まれる最後の第1サイクルCL1eで最後に供給される金属元素ソースは第2金属元素ソース12である。即ち、最後の第1サイクル(CL1e)は第1段階(SC1)及び第2段階(SC2)の中で第2段階(SC2)で終了されることができる。その結果、
図1及び
図2を参照して説明された下部電極10の第1接触面CS1は第2層L2になることができる。
【0040】
終了点te1の後、第1熱処理工程(S300)が遂行されることができる。第1熱処理工程(S300)は蒸着チャンバー21内で原位置(in-situ)で遂行されることができるが、これに限定されない。第1熱処理工程(S300)の間は金属元素ソースが供給されなくともよい。第1熱処理工程(S300)は約300℃乃至約600℃で遂行されることができる。第1熱処理工程(S300)によって下部電極10の結晶度(crystallinity)が増加されることができる。
【0041】
下部電極10上に誘電膜30が形成されることができる(S400)。誘電膜30の形成は
図11のタイミングダイヤグラムに応じて遂行されることができる。誘電膜30の形成は複数回の第2サイクルCL2を含むことができる。第2サイクルCL2は第3層L3の形成段階(以下、第3段階SC3)及び第4層L4の形成段階(以下、第4段階、SC4)を含むことができる。
【0042】
第3段階(SC3)は順次的に遂行される第3金属元素ソース13の供給段階(S201)、第5パージ段階(P5)、第3酸素ソース16供給段階(S202)、及び第6パージ段階(P6)を含むことができる。第3段階(SC3)を通じて第3金属元素M3と酸素原子で構成され、実質的に単層に該当する第3層L3が形成されることができる。第4段階(SC4)は順次的に遂行される第4金属元素ソース14の供給段階(S203)、第7パージ段階(P7)、第4酸素ソース16供給段階(S204)、及び第8パージ段階(P8)を含むことができる。第4段階(SC4)を通じて第4金属元素M4と酸素原子で構成され、実質的に単層に該当する第4層L4が形成されることができる。複数回の第2サイクルCL2が遂行されて第3層L3と第4層L4が繰り返して交互に積層された誘電膜30が形成されることができる。第3金属元素ソース13はSr、Ba、La、及びCaの中の少なくとも1つを含むことができる。第4金属元素ソース14はTi、Zr、及びHfの中の少なくとも1つを含むことができる。一例として、第4金属元素ソース14はTiCl4を含むことができる。
【0043】
第3段階(SC3)及び第4段階(SC4)の各々で、第3金属元素ソース13の供給段階(S201)はt05の間に遂行されることができる。一例として、t05は約7秒乃至約15秒である。第3段階(SC3)及び第4段階(SC4)の各々で、第4金属元素ソース14の供給段階(S203)はt07の間に遂行されることができる。一例として、t07は約3秒乃至7秒である。即ち、第3金属元素ソース13の供給段階(S201)は第4金属元素ソース14の供給段階(S203)より長い。第5乃至第8パージ段階(P5、P6、P7、P8)は各々約15秒乃至約25秒の間に遂行されることができる。第3酸素ソース16供給段階(S202)はt06の間に遂行されることができる。一例として、t06は約15秒乃至約25秒である。第4酸素ソース16供給段階(S204)はt08の間に遂行されることができる。一例として、t08は約15秒乃至約25秒である。誘電膜30を形成するための第2サイクルCL2の間に、チャンバー温度は約300℃乃至約500℃に維持されることができる。誘電膜30を形成するための第2サイクルCL2の間に、チャンバー内の圧力は約1Torr乃至約3Torrである。
【0044】
誘電膜30の形成は第1番目の第2サイクルCL2sの開始点ts2で開始され、最後の第2サイクルの終了点で終了されることができる。開始点ts2が含まれた第1番目の第1サイクルCL1sは第3段階(SC3)及び第4段階(SC4)の中で第3段階(SC3)で開始されることができる。一例として、開始点ts2が含まれる第1番目の第2サイクルCL2sで最初に供給される金属元素ソースは第3金属元素ソース13である。その結果、
図1及び
図2を参照して説明された誘電膜30の第2接触面CS2は第3層L3になることができる。これとは異なり、開始点ts2が含まれた第1番目の第1サイクルCL1sは第3段階(SC3)及び第4段階(SC4)の中で第4段階(SC4)から開始されることができる。その結果、第2接触面CS2は第4層L4になることができる。
【0045】
誘電膜30の形成が完了された後、第2熱処理工程(S500)が遂行されることができる。第2熱処理工程(S500)は蒸着チャンバー21内で原位置(in-situ)で遂行されることができるが、これに限定されない。第2熱処理工程(S500)の間は金属元素ソースが供給されなくともよい。第2熱処理工程(S500)は約300℃乃至約600℃で遂行されることができる。これとは異なり、第2熱処理工程(S500)は省略されることができる。その後、上部電極50の形成工程が遂行されることができる。
【0046】
図12は本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子を示した平面図である。
図13乃至
図19は本発明の実施形態に係るキャパシタを含む半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図12のA1-A2及びB1-B2に沿う断面図である。
【0047】
以下の実施形態で、キャパシタが半導体メモリ素子の格納部分として使用されることを例として説明されるが、これとは異なり本発明の実施形態に係るキャパシタは半導体メモリ素子の格納部分に限定されなく、デカップリング構造のような非メモリ要素として使用されることができる。
【0048】
図12及び
図13を参照すれば、基板301に素子分離パターン302が配置されて活性部ACTを定義することができる。基板301は半導体基板である。活性部ACTの各々は孤立された形状を有することができる。活性部ACTは各々平面的に第3方向D3に長いバー(bar)形状である。平面視において、活性部ACTは素子分離パターン302によって囲まれた基板301の一部分に該当することができる。
【0049】
ワードラインWLが活性部ACTを横切ることができる。ワードラインWLは素子分離パターン302及び活性部ACTに形成されたグルーブ内に各々配置されることができる。ワードラインWLは第3方向D3と交差する第1の方向D1に平行であることができる。ワードラインWLは導電物質を含むことができる。ゲート誘電膜307がワードラインWLとグルーブの内面との間に配置されることができる。ゲート誘電膜307は熱酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物、及び高誘電物の中の少なくとも1つを含むことができる。
【0050】
一対のワードラインWLの間の各活性部ACT内に第1不純物領域312aが配置されることができ、各活性部ACTの両縁領域に一対の第2不純物領域312bが配置されることができる。第1及び第2不純物領域312a、312bには、例えばN型の不純物がドーピングされることができる。第1不純物領域312aは共通ドレイン領域に該当されることができ、第2不純物領域312bはソース領域に該当されることができる。各ワードラインWL及びこれに隣接する第1及び第2不純物領域312a、312bはトランジスタを構成することができる。
【0051】
ワードラインWLの上部面は活性部ACTの上部面より低い。ワードラインキャッピングパターン310が各ワードラインWL上に配置されることができる。ワードラインキャッピングパターン310はワードラインWLの長さ方向に沿って延長されたライン形状を有することができ、ワードラインWLの上部面を覆うことができる。ワードラインキャッピングパターン310は、例えばシリコン窒化膜を含むことができる。
【0052】
基板301上に層間絶縁パターン305が配置されることができる。層間絶縁パターン305はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及びシリコン酸化窒化膜の中から選択される少なくとも1つの単一膜又は多重膜で形成されることができる。
【0053】
基板301、素子分離パターン302、及びワードラインキャッピングパターン310の上部が一部リセスされて形成された第1リセス領域R1が提供されることができる。ビットラインBLが層間絶縁パターン305上に配置されることができる。ビットラインBLはワードラインキャッピングパターン310及びワードラインWLを横切ることができる。
図12に開始されたように、ビットラインBLは第1及び第3方向D1、D3と交差する第2方向D2に延長することができる。ビットラインBLは順に積層されたポリシリコンパターン330、オーミックパターン331、及び金属含有パターン332を含むことができる。ポリシリコンパターン330は不純物がドーピングされるか、或いはドーピングされないポリシリコンを含むことができる。オーミックパターン331は金属シリサイドを含むことができる。金属含有パターン332は金属(例えば、タングステン、チタニウム、タンタル等)及び導電性金属窒化物(例えば、チタニウム窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物)の中の少なくとも1つを含むことができる。ビットラインBL上には各々ビットラインキャッピングパターン337が配置されることができる。ビットラインキャッピングパターン337はシリコン窒化膜のような絶縁材料を含むことができる。
【0054】
ビットラインBLと交差する第1リセス領域R1内にビットラインコンタクトDCが配置されることができる。ビットラインコンタクトDCは不純物がドーピングされるか、或いはドーピングされないポリシリコンを含むことができる。ビットラインコンタクトDCは第1不純物領域312aと電気的に接続されることができ、第1不純物領域312aとビットラインBLを電気的に連結することができる。
【0055】
埋め込み絶縁パターン341はビットラインコンタクトDCが配置されない第1リセス領域R1内に配置されることができる。埋め込み絶縁パターン341はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及びシリコン酸化窒化膜を含む少なくとも1つの単一膜又は多重膜構造を有することができる。
【0056】
隣接する一対のビットラインBLの間に
図12に図示されたようにストレージノードコンタクトBCが配置されることができる。複数のストレージノードコンタクトBCは互いに離隔されることができる。ストレージノードコンタクトBCは不純物がドーピングされるか、或いはドーピングされないポリシリコンを含むことができる。
【0057】
ビットラインBLとストレージノードコンタクトBCとの間にはエアギャップAGによって互いに離隔された第1スペーサー321と第2スペーサー325を含むビットラインスペーサーが配置されることができる。第1スペーサー321はビットラインBLの側壁とビットラインキャッピングパターン337の側壁を覆うことができる。第2スペーサー325はストレージノードコンタクトBCに隣接することができる。第1スペーサー321は延長されてビットラインコンタクトDCの側壁、そして第1リセス領域R1の側壁と底面を覆うことができる。第1スペーサー321と第2スペーサー325は同一物質を含むことができる。例えば、第1スペーサー321と第2スペーサー325はシリコン窒化物を含むことができる。これとは異なり、エアギャップAGが提供されなく、第1スペーサー321と第2スペーサー325との間に第3スペーサーが提供されることができる。
【0058】
ストレージノードコンタクトBC上にはストレージノードオーミック層309が配置されることができる。ストレージノードオーミック層309は金属シリサイドを含むことができる。ストレージノードオーミック層309、第1及び第2スペーサー321、325、ビットラインキャッピングパターン337は拡散防止パターン311aで被覆されることができる。拡散防止パターン311aはチタニウム窒化物、タンタル窒化物のような金属窒化物を含むことができる。拡散防止パターン311a上にはランディングパッドLPが配置されることができる。ランディングパッドLPはタングステンのような金属含有物質を含むことができる。ランディングパッドLPの上部はビットラインキャッピングパターン337の上面を覆うことができ、ストレージノードコンタクトBCより広い幅を有することができる。ランディングパッドLPの中心は
図12に図示されたようにストレージノードコンタクトBCの中心から第1の方向D1にシフト(shift)されることができる。ビットラインキャッピングパターン337の一上部側壁はランディングパッドLPと重畳されることができ、第3スペーサー327で被覆されることができる。ビットラインキャッピングパターン337の他の上部側壁には、第2リセス領域R2が形成されることができる。
【0059】
第1キャッピングパターン358aが隣接するランディングパッドLPの間に提供されることができる。第1キャッピングパターン358aはライナー形状を有することができ、その内部は第2キャッピングパターン360aで満たされることができる。第1及び第2キャッピングパターン358a、360aは各々シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、又は多孔性膜を含むことができる。第1キャッピングパターン358a及び第2キャッピングパターン360aは第2リセス領域R2を満たすことができる。
【0060】
ランディングパッドLP、第1キャッピングパターン358a及び第2キャッピングパターン360a上に蝕刻阻止膜370を形成することができる。蝕刻阻止膜370上に第1モールド膜372、支持膜374、及び第2モールド膜376を形成することができる。蝕刻阻止膜370と支持膜374は、例えばシリコン窒化膜で形成されることができる。第1モールド膜372と第2モールド膜376は支持膜374と蝕刻選択比を有する物質で形成されることができる。例えば、第1モールド膜372と第2モールド膜376は、例えばシリコン酸化膜で形成されることができる。
【0061】
図12及び
図14を参照すれば、第2モールド膜376、支持膜374、第1モールド膜372、及び蝕刻阻止膜370を順にパターニングしてランディングパッドLPを露出させる電極ホールEHを形成することができる。導電膜を積層して電極ホールEHを満たし、エッチバック工程又は化学機械的な研磨工程を進行して第2モールド膜376上の導電膜を除去し、電極ホールEH内にベース電極SEを形成することができる。ベース電極SEは金属窒化膜を含むことができる。一例として、ベース電極SEはTiN、WN、TaN、HfN、ZrN、TiAlN、TaSiN、TiSiN、TaAlN、TiBN、TiON、TiAlON、TiCN、TiAlCN、又はTiSiCNの中の少なくとも1つを含むことができ、これらは単一膜でなされるか、又は2つ以上が積層された形状を有することができる。
【0062】
第2モールド膜376上に第3マスクパターン378を形成することができる。第3マスクパターン378は複数の開口部378hを有することができる。開口部378hによって隣接するベース電極SEの上面及びベース電極SEの間の第2モールド膜376が露出されることができる。
【0063】
図12及び
図15を参照すれば、第3マスクパターン378を蝕刻マスクとして利用する異方性蝕刻工程を進行して開口部378hに露出された第2モールド膜376とその下の支持膜374を除去することができる。したがって、支持パターン374aが形成されることができ、開口部378h下の第1モールド膜372が露出されることができる。
【0064】
図12及び
図16を参照すれば、第3マスクパターン378を除去して第2モールド膜376を露出させることができる。等方性蝕刻工程を進行して第1モールド膜372と第2モールド膜376を除去してベース電極SE、支持パターン374a、及び蝕刻阻止膜370の表面を露出させることができる。
【0065】
図2及び
図17を参照すれば、下部電極10がベース電極SEの露出された表面上に形成されることができる。下部電極10は各ベース電極SE上に分離されて形成されることができる。一例として、下部電極10の形成工程は各ベース電極SEの間に蒸着された部分を除去して蝕刻阻止膜370を露出する工程を含むことができる。下部電極10はベース電極SEの側壁及び上面を覆うことができる。下部電極10は
図1乃至
図12を参照して説明された下部電極10と実質的に同一であることができ、実質的に同一な方法に形成されることができる。
【0066】
図2及び
図18を参照すれば、下部電極10を覆う誘電膜30が形成されることができる。誘電膜30は複数の下部電極10を共通的に覆うことができる。誘電膜30は
図1乃至
図12を参照して説明された誘電膜30と実質的に同一であることができ、実質的に同一な方法に形成されることができる。
【0067】
図2及び
図19を参照すれば、誘電膜30上に上部電極50が形成されることができる。上部電極50は
図1乃至
図12を参照して説明された上部電極50と実質的に同一であることができ、実質的に同一な方法に形成されることができる。上部電極50の形成によって、ベース電極SE、下部電極10、誘電膜30、及び上部電極50を含むキャパシタCAPを有する半導体メモリ素子が形成されることができる。
【0068】
本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子は誘電膜と接する下部電極の接触面を制御して半導体素子の漏洩電流を減少させ、信頼性を向上させることができる。
【0069】
以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図がなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むこととして解析しなければならない。
【符号の説明】
【0070】
10 下部電極
30 誘電膜
50 上部電極
IF 界面
CS1,CS2 接触面