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特許7354121エネルギー回収回路のためのスタータ回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】エネルギー回収回路のためのスタータ回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
H02M3/28 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020543193
(86)(22)【出願日】2019-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2019017898
(87)【国際公開番号】W WO2019160990
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202018000752.8
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515043174
【氏名又は名称】マトリックス インダストリーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ディラースベルガー,ハラルド
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0208498(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0195360(US,A1)
【文献】特表2015-532580(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02966752(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0041437(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧の第1の電位及び第2の電位を有するエネルギー源用のエネルギー回収回路のためのスタータ回路であって、
第1の側及び第2の側を有する充電キャパシタ(107、207、307、407、507)と、
巻き始め及び巻き終わりを有する一次巻線及び二次巻線を有する第1の変圧器(103、203、303、403、503)と、
第1の始動トランジスタ(104、204、304、404、504)と、
第1のダイオード(106、206、306、406、506)と、
を備えるとともに、
前記第1の始動トランジスタ(104、204、304、404、504)のゲート端子が、前記第1の変圧器(103、203、303、403、503)の前記二次巻線の前記巻き始めに結合され、且つ、前記第1の始動トランジスタのドレイン端子が、前記第1の変圧器(103、203、303、403、503)の前記一次巻線の前記巻き終わりに接続され、
第1の発振器が、少なくとも前記第1の変圧器(103、203、303、403、503)及び前記第1の始動トランジスタ(104、204、304、404、504)によって形成され、
前記第1のダイオード(106、206、306、406、506)が、前記第1の変圧器(103、203、303、403、503)の前記二次巻線の前記巻き始めと、前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)との間に設けられ、
前記第1の始動トランジスタ(104、204、304、404、504)のソース端子が、前記入力電圧の前記第2の電位に結合され、
前記第1のダイオード(106、206、306、406、506)のアノードが、前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)の前記第2の側に接続され、
前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)の前記第1の側が、前記入力電圧の前記第1の電位にあり、
電圧が前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)の前記第2の側で生成され、前記電圧が前記入力電圧の前記第1の電位及び前記第2の電位未満であるエネルギー回収回路のためのスタータ回路において、
それぞれが巻き始め及び巻き終わりを有する一次巻線及び二次巻線を有する第2の変圧器(153、253、353、453、553)が設けられることと、
第2のダイオード(156、256、356、456、556)が設けられることと、
第2の始動トランジスタ(154、254、354、454、554)が設けられることと、
前記第2の始動トランジスタ(154、254、354、454、554)のゲート端子が、前記第2の変圧器(153、253、353、453、553)の前記二次巻線の前記巻き始めに結合され、且つ、前記第2の始動トランジスタのドレイン端子が、前記第2の変圧器(153、253、353、453、553)の前記一次巻線の前記巻き終わりに接続されることと、
第2の発振器が、少なくとも前記第2の変圧器(153、253、353、453、553)及び前記第2の始動トランジスタ(154、254、354、454、554)によって形成されることと、
前記第2のダイオード(156、256、356、456、556)が、前記第2の変圧器(153、253、353、453、553)の前記二次巻線の前記巻き始めと、前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)との間に設けられることと、
前記第2の始動トランジスタ(154、254、354、454、554)のソース端子が、前記入力電圧の前記第1の電位に結合されることと、
前記第2のダイオード(156、256、356、456、556)のアノードが、前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)の前記第2の側に接続されることと、
前記第1の始動トランジスタ(104、204、304、404、504)のバルク端子、及び前記第2の始動トランジスタ(154、254、354、454、554)のバルク端子が、前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)の前記第2の側に接続されることと、
を特徴とするエネルギー回収回路のためのスタータ回路。
【請求項2】
請求項1に記載のエネルギー回収回路のためのスタータ回路において、
第1の停止トランジスタ(122、222、322、422、522)及び第2の停止トランジスタ(172、272、372、472、572)が設けられることと、
前記第1の停止トランジスタ(122、222、322、422、522)及び前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)の前記第2の側の電圧が、前記第1の発振器を切断するために使用されることと、
前記第2の停止トランジスタ(172、272、372、472、572)及び前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)の前記第2の側の前記電圧が、前記第2の発振器を切断するために使用されることと、
前記第1の停止トランジスタ(122、222、322、422、522)のソース端子及び前記第2の停止トランジスタ(172、272、372、472、572)のソース端子が、前記充電キャパシタ(107、207、307、407、507)の前記第2の側に接続されることと、
を特徴とするエネルギー回収回路のためのスタータ回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエネルギー回収回路のためのスタータ回路において、
比較器(130、430、530)が設けられ、前記入力電圧の前記第1の電位又は前記第2の電位のどちらの方が高い電位であるかを検出することを特徴とするエネルギー回収回路のためのスタータ回路。
【請求項4】
請求項3に記載のエネルギー回収回路のためのスタータ回路において、
前記入力電圧の前記第1の電位が前記第2の電位よりも小さい場合に、前記比較器(130、430、530)の結果、及び第1の停止トランジスタ(122、422、522)によって前記第1の発振器が停止され
前記入力電圧の前記第2の電位が前記第1の電位よりも小さい場合に、前記比較器(130、430、530)の前記結果、及び第2の停止トランジスタ(172、472、572)によって、前記第2の発振器が停止されることを特徴とするエネルギー回収回路のためのスタータ回路。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか一項に記載のエネルギー回収回路のためのスタータ回路において、
電圧監視回路(111、411、511)が設けられることと、
閾値電圧に達すると、前記電圧監視回路(111、411、511)が前記第1の発振器又は前記第2の発振器を切断するように構成されていることと
を特徴とするエネルギー回収回路のためのスタータ回路。
【請求項6】
両用フライバックコンバータ回路において、
請求項1~5のいずれか一項に記載のエネルギー回収回路のためのスタータ回路であって、第1の半導体スイッチ(420、520)及び第2の半導体スイッチ(470、570)を備えるとともに、
前記第1の半導体スイッチ(420、520)が、前記第1の変圧器(403、503)の前記一次巻線の前記巻き終わりと、前記入力電圧の前記第2の電位との間に設けられ、
前記第2の半導体スイッチ(470、570)が、前記第2の変圧器(453、553)の前記一次巻線の前記巻き終わりと、前記入力電圧の前記第1の電位との間に設けられ、
前記充電キャパシタ(407、507)によってエネルギーが供給されるコントローラ(416、516)が設けられ、
前記第1の変圧器(403、503)、前記充電キャパシタ(407、507)、前記第1のダイオード(406、506)、前記第1の半導体スイッチ(420、520)及び前記コントローラ(416、516)が、第1のフライバックコンバータを形成し、前記第2の変圧器(453、553)、前記充電キャパシタ(407、507)、前記第2のダイオード(456、556)、前記第2の半導体スイッチ(470、570)及び前記コントローラ(416、516)が、第2のフライバックコンバータを形成し、
前記フライバックコンバータが始動された後に、前記コントローラ(416、516)が、前記第1の半導体スイッチ(420、520)及び前記第2の半導体スイッチ(470、570)を制御するように構成されているエネルギー回収回路のためのスタータ回路を特徴とする両用フライバックコンバータ回路。
【請求項7】
請求項6に記載の両用フライバックコンバータ回路において、
第1のドライバ(417、517)及び第2のドライバ(467、567)が設けられているとともに、
比較器(430、530)の結果、並びに前記第1のドライバ(417、517)及び前記第2のドライバ(467、567)の両方によって、前記第1及び第2のフライバックコンバータの少なくとも一つが動作され、前記第1又は第2の変圧器(403、503、453、553)の前記一次巻線の前記始めが前記入力電圧の前記第1の電位及び前記第2の電位のうちの高い方の電位に接続されていることを特徴とする両用フライバックコンバータ回路。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の両用フライバックコンバータ回路において、
前記第1の半導体スイッチ(420、520)及び前記第2の半導体スイッチ(470、570)のバルク端子が、前記入力電圧の前記第1の電位及び前記第2の電位のうちの低い方の電位か、又は前記充電キャパシタ(407、507)の前記第2の側の前記電位に接続されていることを特徴とする両用フライバックコンバータ回路。
【請求項9】
請求項7に記載の両用フライバックコンバータ回路において、
前記第1の半導体スイッチ(520)及び前記第2の半導体スイッチ(570)の前記バルク端子が、比較器(530)の結果、及び2つのPMOS FET(537、538)によって、前記入力電圧の前記第1の電位及び前記第2の電位のうちの前記低い方の電位に接続できることを特徴とする両用フライバックコンバータ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001] 本出願は、2018年2月14日に出願された独国実用新案第202018000752.8号に対する優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] DC-DCコンバータは、電圧源によって生成される電圧を上昇させることができる。電圧の極性を知り、DC-DCコンバータの構成部品を正しく接続できるようにすることが望ましい場合がある。しかしながら、電圧源によっては、ある入力条件のセットが満たされると、一方の極性を有する電圧を生成するが、第2の、異なる入力条件のセットが満たされると、逆の極性を有する電圧を生成するものがある。例えば、熱電発生器が特定の温度勾配を認めると、熱電発生器は正の電圧を生成するが、逆の温度勾配を認めると、負の電圧を生成する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
概要
[0003] 本発明は、入力電圧に対する第1の電位及び第2の電位を有するエネルギー源用のエネルギー回収回路のためのスタータ回路に関する。特に、熱電発生器はエネルギー源として使用することができる。
【0004】
[0004] この種のスタータ回路は、第1の側及び第2の側を有する充電キャパシタと、それぞれが巻き始め及び巻き終わりを有する一次巻線及び二次巻線を有する第1の変圧器と、第1の始動トランジスタと、第1のダイオードと、を備える。この場合、第1の始動トランジスタは、そのゲート端子が第1の変圧器の二次巻線の巻き始めに結合され、前記第1の始動トランジスタは、そのドレイン端子が第1の変圧器の一次巻線の巻き終わりに接続されている。第1の発振器は、少なくとも第1の変圧器及び第1の始動トランジスタによって形成されている。
【0005】
[0005] さらに、第1のダイオードが第1の変圧器の二次巻線の巻き始めと充電キャパシタとの間に接続され、第1の始動トランジスタのソース端子が入力電圧の第2の電位に結合されるように設けられている。第1のダイオードのアノードは、充電キャパシタの第2の側に接続され、充電キャパシタの第1の側は、入力電圧の第1の電位にある。電圧が充電キャパシタの第2の側に生成され、この電圧は、入力電圧の第1の電位及び第2の電位よりも低い。したがって、充電キャパシタの第1の側は、充電キャパシタのプラス側とも呼ぶことができ、充電キャパシタの第2の側は、充電キャパシタのマイナス側と呼ぶことができる。
【0006】
[0006] 本発明の文脈の範囲内において、変圧器の「一次巻線(primary winding)」又は「一次側(primary side)」とは、入力電圧がそこに印加される巻線であると理解することができ、二次巻線(secondary side)又は二次側(secondary side)とは、出力電圧がそこで生成される変圧器の巻線であると理解することができる。本発明の文脈の範囲内において、「結合された(coupled)」とは、直接接続、或いは1つ又は複数の構成部品を介しての接続であると理解することができる。
【0007】
[0007] 入力電圧の第2の電位に対する第1の電位の挙動が定義されたエネルギー源用の一般的なスタータ回路は、例えば、独国特許出願公告第11 2013 005 027 B4号から既知である。言いかえれば、入力電圧の極性がわかっていなければならない。この場合、スタータ回路はフライバックコンバータを始動させるために使用され、フライバックコンバータに必要な構成部品は両用である。これは、本発明にもあてはまる。
【0008】
[0008] フライバックコンバータは、バック-ブーストコンバータとも呼ばれる。前記コンバータは、特定の形式のDC-DCコンバータである。
【0009】
[0009] ここでフライバックコンバータの単純な基本構造を、図6を参照して説明する。
【0010】
[0010] 図6のフライバックコンバータは、電圧源601と、変圧器603と、ダイオード606と、充電キャパシタ607と、スイッチ620と、を備える。加えて、キャパシタ602もまた、電圧源601と並列に設けられているが、前記キャパシタは、フライバックコンバータとしての動作には必要ではない。この場合、変圧器603上の2つの点は巻き方向を表示している。説明の文脈の範囲内において、巻き始め及び巻き終わりと言う場合、これは純粋に、理解を助けるためのものである。原則として、変圧器のコイルの配線が反対方向又は同じ方向で保持されていれば、変圧器内で端子を入れ替えることもまた可能である。
【0011】
[0011] フライバックコンバータの基本的な動作原理を以下で説明する。原則として、フライバックコンバータの場合、2つの動作モード、すなわち導通フェーズ及び遮断フェーズが互いに交番する。スイッチ620は、どちらのタイプの動作がアクティブであるかを判定する。スイッチ620が閉じていれば、フライバックコンバータは導通フェーズにある。スイッチ620が開いていれば、前記コンバータは遮断フェーズにある。
【0012】
[0012] 導通フェーズでは、電圧源601によって変圧器603の一次巻線に電流が流れる。ダイオード606は変圧器603の二次巻線を通る電流の流れを遮断するので、前記二次巻線には電流が流れていない。その結果、起磁力が変圧器603のエアギャップに蓄積される。
【0013】
[0013] 次にスイッチ620が開くと、変圧器603の一次巻線又は一次側を通る電流の流れは停止する。変圧器603の一次側を通る電流の流れは非常に急速に停止されるので、変圧器603の二次側を通る電流が増加する。電流はダイオード606を通って流れ、その結果充電キャパシタ607が充電される。その後に続いて、スイッチ620が再び閉じられ、導通フェーズ及び遮断フェーズからなる新たなサイクルが始動される。
【0014】
[0014] スイッチ620のパルス出力により、キャパシタ607を充電する電力の調節が可能になる。その結果、例えば、充電キャパシタ607に加えられた負荷が指定された出力電圧で供給されること、又はエネルギー貯蔵部、特に充電式電池が指定された電流で充電されることが可能になる。ここで示されているフライバックコンバータの実施形態では、入力及び出力はそれぞれの場合において、ガルヴァーニ電気的に(galvanically)絶縁されている。これは有利であるが必須ではなく、対応する配線を追加することによって、ガルヴァーニ電気的に絶縁せずに動作させることもまた可能になる。ここで示されているフライバックコンバータの場合、入力電圧は出力電圧よりも大きくすること、又は小さくすることの両方が可能である。これは、主としてスイッチ620の制御に依存し、このスイッチは半導体スイッチとして形成されることが好ましい。バック動作モード又はブースト動作モードについて言及する。
【0015】
[0015] フライバックコンバータは、不連続電流モード、又は連続電流モードで機能することができる。連続電流モードの場合、半導体スイッチがオンになったとき、インダクタンスはまだ電流を伝えている。ブーストコンバータとは対照的に、対応する巻線比を有するフライバックコンバータの場合、入力電圧に対する出力電圧比が非常に高い場合でも、連続電流モードで、実際に実現可能なデューティサイクルで動作することが可能である。ここで示されているフライバックコンバータを使用すると、例えば、入力電圧20mV、且つ、デューティサイクル75%で、出力電圧6Vまで可能である。発生する損失を無視すると、これは次式に従って計算される。
【数1】
ここで、デューティサイクルは以下のように定義されることに留意されたい。
【数2】
【0016】
[0016] これは遮断フェーズに対する導通フェーズの比が3:1であることを意味する。1:100の変圧器を使用することもまた想定され、ここでNは一次側の一巻きに対する二次側の巻き数を指定している。
【0017】
[0017] 不連続電流モードは、不連続導通モードとも呼ばれる場合がある。前記モードでは、インダクタンス、すなわち変圧器603の一次巻線を通る電流の流れは0Aで始まる。発生する損失を無視すると、一定の入力電圧において、前記電流の流れは、最大の電流の流れImaxに達し、以下のようになる。
【数3】
ここで、Vinは入力電圧を表し、L(prim)は変圧器の一次巻線のインダクタンスを表す。
【0018】
[0018] 次に、入力抵抗は、
【数4】
となり、スイッチング周波数fにおいて、次式のようになる。
【0019】
[0019] これによれば、入力抵抗は電圧源に依存しない。これにより、出力電圧に依存しない一定の出力抵抗を有する熱電発生器の場合、非常に単純なインピーダンス整合が可能になる。
【0020】
[0020] 上記で述べたように、電圧源601と並列に接続されたキャパシタ602は、必須ではない。しかしながら、それは、電圧源601がゼロよりも大きい出力抵抗を有するため、この場合には使用される。その結果、電圧源601の出力抵抗は、キャパシタ602とともに、低域通過フィルタを形成する。この結果、導通フェーズの間に入力電圧が過度に降下することはない。
【0021】
[0021] 図6を参照して述べたフライバックコンバータのバージョンは、スイッチ620が外部コントローラによって制御されることが想定されている一般的な実施形態である。集積フライバックコンバータ回路もまた存在し、そこでは、半導体スイッチ620及びコントローラの両方が設けられている。その理由は、これにより、全体的な解決策がより小さく、且つ、コスト効率がより良くなるからである。従来のフライバックコンバータ回路では、前記コントローラのためにそれ以上のエネルギー供給は必要ではない。
【0022】
[0022] フライバックコンバータのわずかに修正されたバージョンが図7に示されている。フライバックコンバータのこの実施形態では、追加のキャパシタ727及びさらなるダイオード726が設けられている。フライバックコンバータのこの構造により、出力電圧の整流がグライナッヘル(Greinacher)回路によって可能になる。
【0023】
[0023] この場合、導通フェーズの間に、キャパシタ727は、ダイオード726を介して、二次巻線の誘導電圧からダイオード電圧を差し引いた電圧に充電される。図6に示されるフライバックコンバータと比較した利点は、この場合、ダイオード706が、Voutにダイオード電圧を加えた電圧に耐えさえすればよいということである。
【0024】
[0024] 遮断フェーズの間に、充電キャパシタ707はダイオード706及びキャパシタ727を介して充電される。この場合、ダイオード726は、ここでもまた、Voutにダイオード電圧を加えた電圧にのみ影響を受ける。ダイオード726は、例えば、ショットキー(Schottky)ダイオードとして形成してもよい。
【0025】
[0025] しかしながら、すでに言及したように、独国特許出願公告第11 2013 005 027 B4号から既知である回路は、回路を構築する際に、入力電圧の2つの入力電位のうちのどちらが高い方であるかが分かっているときにしか使用することができない。これを解決するために、例えば、米国特許出願公開第2010/0208498 A1号は、小さな正及び負の入力電圧用に2つのDC/DCコンバータの逆並列接続を提案している。
【0026】
[0026] これは、原則として、独国特許出願公告第11 2013 005 027 B4号から既知である回路を使用して同様に可能であるが、それぞれの場合において1つのDC/DCコンバータ、すなわち1つの分岐しか使用しないので、使用されない分岐の既存の自己導通トランジスタを通って電流が流れるという問題が生じることになる。これにより、冷起動電圧が上昇し、効率が低下し、回路の入力抵抗が減少する。
【0027】
[0027] さらなる問題は、存在する寄生バルク-ドレイン間ダイオードを通って電流が流れることにより、入力電圧が上昇するにつれて、電流が指数関数的に増加するということである。これによってもまた、効率が低下し、回路の入力抵抗が減少する。
【0028】
[0028] これらの問題のうちのいくつかを解決するために、米国特許出願公開第2010/0195360 A1号は、2つの自己導通トランジスタ又は半導体スイッチをそれぞれの場合において直列で接続することを提案している。その結果、寄生ダイオードのうちの1つが常に逆方向で動作し、電流は流れない。しかしながら、これは、使用されない自己導通トランジスタに起因する問題を解決しない。さらに、この種の回路は、抵抗損、入力キャパシタンス及び必要とされるチップ面積が2倍になるのに対し、半導体スイッチのサイズは同じままであるという点で不利である。
【0029】
[0029] したがって、本発明の目的は、コスト効率良く達成可能で、必要な始動電圧が低く、且つ、正の温度差又は負の温度差が小さい熱電発生器に使用することが可能なエネルギー回収回路のためのスタータ回路を明示するということである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
[0030] この目的は、本発明によれば、請求項1の特徴を有するエネルギー回収回路のためのスタータ回路によって達成される。
【0031】
[0031] さらなる有利な実施形態は、従属請求項、本明細書、並びに図面及びその説明に明示されている。
【0032】
[0032] 請求項1によれば、それぞれが巻き始め及び巻き終わりを有する一次巻線及び二次巻線を同様に有する第2の変圧器、及び第2のダイオード、並びに第2の始動トランジスタもまた設けられた、エネルギー回収回路のための一般的なスタータ回路が開発される。第2の始動トランジスタのゲート端子は、第2の変圧器の二次巻線の巻き始めに結合され、前記第2の始動トランジスタのドレイン端子は、第2の変圧器の一次巻線の巻き終わりに接続されている。第2の発振器は、少なくとも第2の変圧器及び第2の始動トランジスタによって形成されている。
【0033】
[0033] さらに、第2のダイオードは、第2の変圧器の二次巻線の巻き始めと、充電キャパシタとの間に設けられ、第2のダイオードのアノードもまた、充電キャパシタの第2の側に接続されている。第2の始動トランジスタのソース端子は、入力電圧の第1の電位に結合されている。
【0034】
[0034] その上に、第1の始動トランジスタのバルク端子及び第2の始動トランジスタのバルク端子は、充電キャパシタの第2の側に接続されている。
【0035】
[0035] この種のエネルギー回収回路のためのスタータ回路の一実施形態により、エネルギー源の入力電圧の第1の電位又は第2の電位のいずれの方が大きいかに関係なく、回路が使用できることを可能にし得る。言いかえれば、エネルギー源の極性が分かっている必要はない。その結果、前記回路は、例えば、正の温度差及び負の温度差の両方と関連して使用し得る熱電発生器との使用に適したものとなる。
【0036】
[0036] 入力電圧の第1の電位が第2の電位よりも大きい場合、充電キャパシタは、第1の発振器によって充電される。対照的に、入力電圧の第2の電位が第1の電位よりも高い場合、充電キャパシタは、第2の発振器を介して充電される。
【0037】
[0037] さらに、本発明の基本概念は、特に、第1の始動トランジスタ及び第2の始動トランジスタのバルク端子が充電キャパシタの第2の側に接続されているため、電流が寄生バルク-ドレイン間ダイオードを通って流れることができない、という事実であると見なすことができる。その結果、追加の構成部品を設けずに、回路の効率を大幅に高めることができる。この点に関して言えば、充電キャパシタの第2の側、すなわち説明したように充電キャパシタのマイナス側の電圧電位もまた、この目的のために十分であることに留意されたい。
【0038】
[0038] 一発展形態では、第1の停止トランジスタ及び第2の停止トランジスタを設けることができ、第1の発振器は、第1の停止トランジスタ及び充電キャパシタの第2の側の電圧によって切断することができる。さらに、第2の発振器は、第2の停止トランジスタ及び同様に充電キャパシタの第2の側の電圧によって切断することができる。さらに、第1の停止トランジスタのソース端子及び第2の停止トランジスタのソース端子は、充電キャパシタの第2の側に接続されていてもよい。例えば、この目的のために、2つの停止トランジスタのソース端子及び充電キャパシタの第2の側を接地することができる。これは、充電キャパシタの第2の側に印加される電圧電位にあるように、第1の始動トランジスタ及び第2の始動トランジスタのバルク端子もまた接地に接続可能であることを意味する。
【0039】
[0039] エネルギー回収回路のためのスタータ回路に比較器が設けられ、この比較器が入力電圧の第1の電位又は第2の電位のどちらの方が高い電位であるかを検出することが有利である。この情報は、例えば、スタータ回路の使用されない分岐、すなわち全体を通して「第1の」又は「第2の」によって表示される構成部品を備える分岐を相応に切断するために、使用することができる。例えば、入力電圧の第1の電位が第2の電位よりも高い場合、第2の分岐は使用されず、エネルギーを使用することがないように、又はスタータ回路に不利な他の特性を有することがないように、切断することができる。
【0040】
[0040] さらに、入力電圧の第1の電位が第2の電位よりも小さい場合、比較器の結果、及び第1の始動トランジスタによって第1の発振器を停止させることが可能になり、入力電圧の第2の電位が第1の電位よりも小さい場合、比較器の結果、及び第2の停止トランジスタによって第2の発振器を停止させることが可能になる場合がある。
【0041】
[0041] 比較器が入力電圧の第1の電位の方が高いと識別すると、第2の停止トランジスタは、第2の発振器を停止するか、又は対応する分岐を切断することができる。同様に、第2の電位の方が高い場合、第1の停止トランジスタを介して第1の発振器を停止させるか、又は第1の分岐を切断することができる。このように、それぞれの場合において、正の電圧が常にアクティブな分岐に印加されることが実現される。
【0042】
[0042] 構造が原因で、正のフィードバックにより、分岐が正の電圧を有するようになり、したがって、前記分岐は非常に低い入力電圧においてさえ、振動し始める。対照的に、負のフィードバックにより、分岐に負の電圧が印加されるようになり、したがって、一次巻線を通る一定の望ましくない電流が発生する。それぞれの型のフィードバックは、とりわけ、変圧器の配線及び該当する分岐のさらなる構成部品の結果として生じる。該当する分岐を切断すると、スタータ回路全体の効率及び初期電圧が最適化される。
【0043】
[0043] 加えて、電圧監視回路を設けることができ、この電圧監視回路は、閾値電圧に達すると、第1の停止トランジスタ又は第2の停止トランジスタによって、第1の発振器又は第2の発振器を切断するように設計されている。電圧監視回路は、充電キャパシタの両端に印加される電圧を監視する。したがって、対応する高電圧に達した場合、後続のエネルギー回収回路を動作させるために、この時までまだ動いている発振器もまた切断し、制御を下流のエネルギー回収回路に移すことが好都合である。
【0044】
[0044] 本発明はさらに、本発明によるエネルギー回収回路のためのスタータ回路を含む両用フライバックコンバータ回路に関する。この場合、フライバックコンバータ回路は、エネルギー回収回路の一例である。加えて、フライバックコンバータ回路を動作させるために第1の半導体スイッチ及び第2の半導体スイッチが設けられ、第1の変圧器の一次巻線の巻き終わりと、入力電圧の第2の電位との間に、第1の半導体スイッチが設けられている。それと同様に、第2の変圧器の一次巻線の巻き終わりと、入力電圧の第1の電位との間に、第2の半導体スイッチが設けられている。フライバックコンバータ回路を動作させるために、コントローラがさらに設けられており、このコントローラに充電キャパシタによってエネルギーが供給される。
【0045】
[0045] 全体として、第1の変圧器、充電キャパシタ、第1のダイオード、第1の半導体スイッチ及びコントローラは、第1のフライバックコンバータを形成し、第2の変圧器、充電キャパシタ、第2のダイオード、第2の半導体スイッチ及びコントローラは、第2のフライバックコンバータを形成している。この場合、フライバックコンバータを始動させ、動作させるために、コントローラは、第1の半導体スイッチ及び第2の半導体スイッチの両方を制御するように設計されている。
【0046】
[0046] フライバックコンバータの基本的な動作原理は、図6及び図7を参照して、すでにより詳細に説明されている。本発明によるエネルギー回収回路のためのスタータ回路を提供することにより、コントローラによって、対応するフライバックコンバータを始動させられるように、始動に十分なエネルギーを両用フライバックコンバータ回路に供給することが可能になる。
【0047】
[0047] これらの実施形態によれば、原則として、2つのフライバックコンバータ回路が設けられ、それぞれの場合において1つだけが使用される。使用されるフライバックコンバータ回路は、入力電圧の第1の電位と第2の電位との間の関係によって決まる。全体として、フライバックコンバータ回路は、それぞれ正の電圧を使用して動作するように構築されている。これを確実にするために、前記回路は、相応に、第1の電位及び第2の電位に交互に接続される。
【0048】
[0048] 言いかえれば、回路は、正の入力電圧が印加されるフライバックコンバータだけを確実に動作させるようにする。
【0049】
[0049] 第1の半導体スイッチ及び第2の半導体スイッチのバルク端子は、使用されないフライバックコンバータの対応する半導体スイッチの寄生ダイオードを通る電流を防止するために、充電キャパシタの第2の側の電位に接続することができる。しかしながら、存在する正のソース-バルク間電圧の結果、人体効果が生じる。この目的のために、例えば、ソース端子及び充電キャパシタの第2の側を接地することができる。
【0050】
[0050] しかしながら、さらなる実施形態では、第1の半導体スイッチ及び第2の半導体スイッチのバルク端子は、入力電圧の第1の電位及び第2の電位のうちの電位の低い方に接続してもよい。この配線により、使用されないフライバックコンバータの対応する半導体スイッチの寄生ダイオードを通って流れる電流が防止され、そればかりでなく、人体効果が発生せず、2つの半導体スイッチは、入力電圧電位間の差の絶対値に対してのみ設計すればよい。これを検出し、且つ実現するために、例えば、比較器の結果を使用することができる。対応するやり方で回路を実装するために、2つのPMOS FETをこの目的のために使用することができ、このPMOS FETが、第1の半導体スイッチ及び第2の半導体スイッチのバルク端子を、それぞれの場合において入力電圧の第1の電位及び第2の電位のうちの低い方に接続することができる。
【0051】
[0051] 本開示の追加の態様及び利点は、本開示の単なる例示的な実施形態が示され、説明されている以下の詳細な説明から、当業者には容易に明らかになるであろう。理解されるように、本開示は、その他の、及び異なる実施形態が可能であり、その細部のいくつかは、すべてが本開示から逸脱することなく、様々な明白な点において修正することが可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないと見なされるものとする。
【0052】
参照による援用
[0052] 本明細書で言及されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許、又は特許出願が具体的、且つ個別に参照により援用されることが示されるのと同程度に参照により本明細書に援用される。参照により援用される刊行物、及び特許、又は特許出願が、本明細書に包含される開示と矛盾する程度まで、本明細書は、任意のこのような矛盾する資料に取って代わり、及び/又は優先するように意図される。
【0053】
図面の簡単な説明
[0053] 本発明の新規な特徴は、添付された特許請求の範囲で詳細に述べる。本発明の特徴及び利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態について述べた以下の詳細な説明、及び添付の図面(本明細書では「図」及び「FIG.」とも記す)を参照することによって、より良く理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】[0054]本発明によるエネルギー回収回路のためのスタータ回路の第1の実施形態を示す。
図2】[0055]本発明によるエネルギー回収回路のためのスタータ回路の第2の実施形態を示す。
図3】[0056]本発明によるエネルギー回収回路のためのスタータ回路の第3の実施形態を示す。
図4】[0057]本発明による両用フライバックコンバータ回路を示す。
図5】[0058]本発明による両用フライバックコンバータ回路を示す。
図6】[0059]フライバックコンバータの一例を示す。
図7】[0060]フライバックコンバータのさらなる例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
[0061] 図では、同じ又は同様の構成部品は、それぞれの場合において同じ参照符号によって表示され、先頭の数字は、それぞれの場合において異なっており、図の番号を表している。この場合、反復を避けるために、同じ機能を有する構成部品は、必ずしも再び取り上げるわけではない。
【0056】
詳細な説明
[0062] 本発明の様々な実施形態を本明細書で示し、説明してきたが、このような実施形態は単なる例として提供されることが、当業者には明白であろう。数多くの変形例、変更例、及び置換例を、本発明から逸脱することなく、当業者は思い浮かべることができる。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替例を使用し得ることを理解されたい。
【0057】
[0063] 図1は、それぞれの場合において2つの分岐を含む、エネルギー回収回路のためのスタータ回路を示す。これにより、スタータ回路が機能し、エネルギー源101の入力電圧の2つの電位の相互の比率に関係なく充電キャパシタ107を充電することが可能になる。図1の図面には、DC電圧源101の内部抵抗Riもまた示されている。DC電圧源101は、例えば、熱電発生器とすることができ、この発生器は、正の温度差及び負の温度差と関連して動作することができる。この結果、図1に説明され、また図示されているように、電圧源101の極性が異なるものとなり得る。キャパシタ102は、電圧源101と並列に設けられている。前記キャパシタの効果は、図6を参照して上記で説明した効果と同じである。回路の第1の分岐は、第1の変圧器103と、第1の始動トランジスタ104と、第1のダイオード106と、第1の結合キャパシタ108と、第1の抵抗器109と、第1の停止トランジスタ122と、によって形成されている。
【0058】
[0064] 第2の分岐は、同様に、第2の変圧器153と、第2の始動トランジスタ154と、第2のダイオード156と、第2の結合キャパシタ158と、第2の抵抗器159と、第2の停止トランジスタ172と、によって形成されている。
【0059】
[0065] 加えて、電圧監視回路111と、比較器130と、2つのORゲート132、182と、インバータ131と、が設けられている。
【0060】
[0066] スタータ回路の機能について、以下でより詳細に説明する。
【0061】
[0067] 2つの分岐の配線の実質的な違いは、上側の分岐では、第1の変圧器103の二次巻線の巻き終わりが一次側の巻き始めと同じ電位、具体的にはVin1にあり、一方、第2の変圧器153の二次巻線の巻き終わりが一次側の巻き始めとは逆の電位にある、ということである。第1の始動トランジスタ106のソース端子はVin2にあり、一方、第2の始動トランジスタ154のソース端子はVin1にある。言いかえれば、該当する変圧器103、153の二次巻線の巻き終わりは、それぞれの場合において、始動トランジスタ104、154の対応するソース端子と同じ電位にある。
【0062】
[0068] 2つの発振器は、それぞれの場合において、始動する目的で2つの分岐に形成されている。これは、第1の分岐では第1の変圧器103及び第1の始動トランジスタ104によって実現され、第2の分岐では第2の変圧器153及び第2の始動トランジスタ154によって実現される。
【0063】
[0069] 発振器の周波数(f)は、次式に従って決定される。
【数5】
式中、Cは、この場合、該当する始動トランジスタ104、154の入力キャパシタンスと、該当する変圧器103、153の二次側のキャパシタンスと、の合計であり、L(sec)は、該当する変圧器103、153の二次側のインダクタンスである。
【0064】
[0070] スタータ回路の動作原理について以下で簡潔に取り上げるが、最初は、電圧源101で正の電圧が印加されるため、Vin1はVin2よりも大きいと仮定する。
【0065】
[0071] 電圧源101の電圧が上昇するとすぐに、第1の変圧器103の一次巻線の電流が増加し、同時に、第1の変圧器103の二次巻線で電圧が誘導され、この電圧が第1の始動トランジスタ104のゲート電圧を上昇させる。その結果、第1の始動トランジスタ104は抵抗が小さくなり、電流をさらに増加させることができる。一次巻線に印加される電圧は、オーム電圧が降下したために低下し、その結果、第1の始動トランジスタ104のゲートの電圧が低下し、前記始動トランジスタは抵抗が大きくなり、これにより一次巻線の電圧がさらに低下する。これにより、その後、第1の始動トランジスタ104で負のゲート電圧が生じ、このトランジスタは、その閾値電圧で切断する。フライバックコンバータについてすでに説明したように、電流はその後、第1の変圧器103の二次側へとのみ、流れ続けることができる。その結果、充電キャパシタ107は低電圧に充電される。この充電は、第1のダイオード106を介して行われることで、キャパシタ107を充電したエネルギーが、もはや流出できないようになっている。
【0066】
[0072] これで第1の変圧器103の二次巻線の電流はゼロまで降下し、第1の始動トランジスタ104のゲート電圧もまた0Vになり、第1の変圧器103の一次巻線の電流は、再び増加し始める。周期的な電流パルスは、充電キャパシタ107をもっと高い電圧まで充電する。
【0067】
[0073] 要約すれば、正の入力電圧を有する分岐は、発振器によって正のフィードバックを受け、10mV未満の非常に低い入力電圧においてさえ、振動し始める。逆の配線により、負の入力電圧が印加されるもう一方の分岐で負のフィードバックが生じ、この負のフィードバックの結果、変圧器103、153の該当する一次巻線を通る定電流が発生する。これは望ましくないので、下記でより詳細に説明するように、防止される。
【0068】
[0074] 電圧源101の特定の極性に応じて、第1のダイオード106又は第2のダイオード156は、充電キャパシタ107の負の電位をVin1未満の電圧に充電する。回路が始動された後、接地に対するVin1である出力電圧は、量の点で、Vin1からVin2を差し引いた合計である入力電圧よりも大きいので、接地は、同様に該当する極性に関係なく、常にVin1未満である。その結果、接地は、それぞれの始動トランジスタ104、154を切断するために、したがって該当する発振器を停止させるために使用することができる。
【0069】
[0075] 比較器130は、上述したように、負のフィードバックで動作し、始動トランジスタ104、154を切断することによって、その該当する変圧器103、153の一次巻線を通る望ましくない定電流を有する分岐を正確に非アクティブ化するために設けられる。
【0070】
[0076] 前記比較器は、Vin1がVin2よりも大きいかどうかを検出する。これがあてはまる場合には、前記比較器は、信号Vin1_highをVin1に印加し、それ以外の場合には、接地に印加する。第1の場合に、すなわち、Vin1がVin2よりも大きいとき、ORゲート182の出力は論理1であり、Vin1を停止トランジスタ172上に接続する。その結果、前記停止トランジスタは、低抵抗になり、したがって、第2の始動トランジスタ154のゲートは接地電位に接続され、その結果、第2の始動トランジスタ154は高抵抗になる。
【0071】
[0077] 逆の場合、すなわち、Vin2がVin1よりも大きい場合、Vin1_highは、接地に接続され、したがって、インバータ131により、ORゲート132の出力は論理1、すなわちVin1に接続し、それに応じて、同様に、第1の始動トランジスタ104は第1の停止トランジスタ122を介して切断される。この機能性は、使用されない分岐の使用されない変圧器103、153を通って電流が流れることを防止する。
【0072】
[0078] 電圧監視回路111は、充電キャパシタ107で所望の電圧に達すると、使用されている分岐、すなわち、そこに存在する発振器を切断するために設けられている。前記監視回路は、例えば、基準電圧源と、抵抗分割器と、比較器と、で構成してもよい。しかしながら、この場合、前記監視回路が、図1による実施形態の充電キャパシタ107で1.8Vの電圧を識別することが必須である。これにより、前記監視回路は、該当する分岐の始動トランジスタ104、154もまたここで切断するために、2つのORゲート132、182によって、使用されている分岐の停止トランジスタ122、172を相応に作動させる。
【0073】
[0079] 始動トランジスタ104、154のバルク端子が接地電位にあることが、この実施形態では必須である。以下で説明するように、これにより、寄生バルク-ドレイン間ダイオードを通って電流が流れることができないようにする。上述したように、動作中、接地はVin1及びVin2未満である。その結果、2つの始動トランジスタ104、154で、2つの上記寄生バルク-ドレイン間ダイオードを通って電流が流れることがない。これにより、さらなる構成部品を必要とせずに回路の効率が大幅に高まる。
【0074】
[0080] しかしながら、バルク端子を接地に接続すると、形式的に言えば、人体効果が生じるという点で不利になる。人体効果は、正のソース-バルク間電圧の場合の閾値電圧の増加である。前記効果の影響は、ここで存在する出力電圧が小さい場合には些細なものにすぎず、したがって、回路は、充電キャパシタ107を相応に充電し、これにより、始動に十分なエネルギーを下流のエネルギー回収回路に供給するのに最適である。
【0075】
[0081] ここで図1の発展形態について、図2及び図3を参照して、記載し、説明する。この場合、始動トランジスタ204、304、254、354のバルク端子は、それぞれの場合において接地にあり、これは、回路の効率を高めるが、図1を参照して上述したように、必須ではないことに留意されたい。
【0076】
[0082] 図1の比較器130は、それに使用されるトランジスタの閾値電圧よりも上でのみ機能する。その結果、例えば、1Vの電圧の場合であれば、原則として、さらなる電圧監視回路が必要となり、この監視回路は、比較器130並びにインバータ131の出力が最初に事前に接地電位に確実に留まるようにし、その結果、例えば1Vの閾値電圧に達するまで、使用されない変圧器103、153に電流が流れるため、回路全体の冷起動電圧をさらに増加させる。
【0077】
[0083] 図2及び図3による実施形態では、これが改良されている。この場合、どちらの状況においても、発振分岐、すなわち動作分岐の発振信号を使用して、不動作の分岐を可能な限り早く非アクティブ化する。動作分岐と呼ばれる分岐は、発振器が所望の通りに機能し、且つ、正のフィードバックが存在する分岐である。
【0078】
[0084] 図2では、比較器130、ORゲート132、182、及びインバータ133の代わりに、分岐ごとに切断ダイオード233、283、及び切断トランジスタ234、284が設けられている。この場合、第1の切断ダイオード233のカソードは、第2の変圧器253の二次側の巻き始めに接続されている。第2の切断ダイオード283は、同様に、第1の変圧器203に接続されている。ショットキーダイオードを切断ダイオード233、283として使用することが好ましい。
【0079】
[0085] 図2による実施形態について、続いて、図3による実施形態についてもまた、Vin2がVin1よりも大きいという仮定に基づいて以下で説明することにする。これは、スタータ回路の第2の分岐が動作していることを意味し、この分岐が図の一番下に示されている。因みに、「動作している(operating)」とは、第2の変圧器253及び始動トランジスタ254によって形成される第2の発振器が振動していることを意味すると理解することができる。それに応じて、充電キャパシタ207は、第2の変圧器253の二次巻線のエネルギーによって、第2のダイオード256を介して充電される。これは、第2の変圧器253の二次巻線の巻き始めの電圧が、第2のダイオード256の順電圧を上回る分だけ接地電位よりも小さい時に、常に起こる。
【0080】
[0086] 以下では、ショットキーダイオードとして設計されている第2のダイオード256の順電圧は、300mVであると仮定する。
【0081】
[0087] 第2の発振器が振動している間、該当する回帰フェーズでは、すなわち、第2のダイオード256のカソードが接地電位よりも300mV低い値にあるフェーズでは、第2の切断ダイオード233のカソードもまた前記電位にある。その結果、切断ダイオード233及び第2のダイオード256の両端の電圧降下が同じであると仮定すると、切断トランジスタ234のソース端子もまた、接地にある。抵抗器209が、例えば、≧10MΩの領域の高抵抗である場合、切断ダイオード233を通る電流は、第2のダイオード256を通る電流よりも少ない。その結果、切断ダイオード233及び第2のダイオード256が設計上同一であると仮定すれば、切断ダイオード233の両端の電圧降下は、第2のダイオード256の両端よりも小さくなる。したがって、切断トランジスタ234のソース端子は、接地電位よりもさらに低くなっている。
【0082】
[0088] 切断トランジスタ234のゲート-ソース間の電圧がその閾値電圧に達するとすぐに、前記切断トランジスタは低抵抗になる。これにより、始動トランジスタ204のゲート電圧が、厳密な設計に応じて、接地電位以下に引き下げられる。それに引き続いて、始動トランジスタ204が高抵抗になり、その結果、使用されない分岐の発振器が切断される。
【0083】
[0089] 実際、この効果は、閾値電圧よりも低くても、すなわち、切断トランジスタ243の弱い反転でも機能する。なぜなら前記トランジスタは、抵抗器209のみと比較して低抵抗でなければならないからである。
【0084】
[0090] 第2の変圧器253及び第2の始動トランジスタ254によって形成される発振器が振動している間、第1の始動トランジスタ204のゲート電圧は、短時間の間、下落、すなわち低下する。しかしながら、抵抗器209及び結合キャパシタ208によって形成されるRC素子の時定数が長いことは、第2の分岐の動作の間、第1の始動トランジスタ204が切断されたままであるように、電圧が常に十分に低いままであることを意味する。RC時定数は、通常、振動する発振器の周期よりも大幅に長い。
【0085】
[0091] 前記回路の動作モードは、Vin1がVin2よりも大きいとき、類似した動作原理であり、発振器は、第1の変圧器203及び第1の始動トランジスタ204によって形成される第1の分岐で振動し、一方、第2の分岐は切断される。
【0086】
[0092] 上記回路と比較したこの回路の利点は、使用されない分岐をすでにNMOS FETの閾値電圧よりもかなり下で非アクティブ化できることである。したがって、20mV未満の冷起動電圧を実現することが可能である。
【0087】
[0093] 図3で説明したスタータ回路の実施形態に対応するやり方では、切断ダイオード333、383は省略することができ、これは、最大可能な高電圧に対して前記切断ダイオードの寸法を設計しなければならないため、プラスになる。さらに、図2による切断機構は、もう一方の分岐がまだアクティブである限り機能する。
【0088】
[0094] 図3によるスタータ回路では、図1の比較器130の代わりに、インバータ386だけでなく、非同期のアクティブローリセット入力335、385を有する2つのDフリップフロップもまた設けられている。前記構成部品は、エッジトリガ型セット-リセットフリップフロップを形成している。
【0089】
[0095] この場合、第1のフリップフロップ335の出力は、そのクロック入力のポジティブエッジによって、論理1にセットできることが必須である。これは、図3による実施形態によれば、Vin1に等しい。さらに、前記フリップフロップは、第2のDフリップフロップ385のクロック入力のポジティブエッジによって、再びリセット、すなわち、図3による実施形態によれば接地されている論理0にすることができる。原則として、この機能性を有する論理ゲートの他の配線構成もまた、当然可能である。
【0090】
[0096] 以下でもやはり、Vin2はVin1よりも大きいと仮定されている。ここに示される実施形態では、第2の始動トランジスタ354のゲート電圧は振動し、一方、第1の始動トランジスタ304のゲート電圧は、抵抗器309があるため、Vin1にある。第2の始動トランジスタ354のゲート電圧は、この第2のDフリップフロップ385のクロック入力でもまた印加されるが、これは、通常、前記第2のDフリップフロップ385の供給電圧限界を超える振幅を有する。したがって、前記電圧は発振信号の検出に適している。
【0091】
[0097] 前記スタータ回路が始動されるとき、Dフリップフロップ335、385が指定されていない状態は、原則として、2つの状況が考慮されるべきであることを意味する。
【0092】
[0098] スタータ回路が始動された後は、Vin1_highは論理1にある。これは、そこでの電圧がVin1であることを意味する。供給電圧が図示されたDフリップフロップ335、385の組み合わせに十分になるとすぐに、Q出力は、第2のDフリップフロップ385のクロック入力で立ち上がりエッジの論理1にセットされる。前記立ち上がりエッジは、下側の分岐で振動する第2の発振器によって生成される。第2のDフリップフロップ385のQ出力をセットすると、インバータ386によって、第1のDフリップフロップ335のRN入力で論理0が適用される。したがって、前記第1のフリップフロップ335のQ出力もまた論理0であり、これがここでVin1_highに対応する。したがって、論理0もまた、第2のDフリップフロップ385のRN入力で適用され、その結果、前記フリップフロップのQ出力もまた論理0に接続される。インバータ386があるため、論理1は、ここで第1のDフリップフロップ335のD入力及びRN入力の両方で適用され、その結果、安定した状態が実現される。
【0093】
[0099] 第2の代替選択肢は、スタータ回路が始動された後は、Vin1_highが、接地に対応する論理0になることである。これはすでに正しい状態であるため、他には何も変わらない。
【0094】
[0100] インバータ331及びORゲート332はここで、第1の停止トランジスタ322によって、第1の始動トランジスタ304のゲートを接地にセットし、その結果、第1の発振器を可能な限り早く非アクティブ化することができる。
【0095】
[0101] Vin1がVin2よりも大きい場合、同じ制御システムがスタータ回路の第2の分岐に対して同様に実施される。
【0096】
[0102] この実施形態の利点は、フリップフロップが静的負荷に電力を供給する必要がなく、それぞれの停止トランジスタ322、372は、該当する上流の高抵抗抵抗器309、359を通して非常に小さな電流しか流さないので、前記回路は、次に、NMOS FETの閾値電圧を大幅に下回る使用されない分岐を非アクティブ化できることである。このように、20mV未満の冷起動電圧を実現することが同様に可能である。
【0097】
[0103] 前記実施形態のさらなる利点は、使用される信号線が、始動トランジスタ304、354のゲートに接続されており、したがって、サージ保護がすでに提供されていることである。スタータ回路がもはや動作しなくなり、2つの発振器が切断されるとすぐに、Dフリップフロップ355、385の対応する入力は、通常の動作では、2つの停止トランジスタ322、372を介して接地に接続され、これにより、高電圧からもまた保護される。
【0098】
[0104] 本明細書に示されている実施形態の利点、及び2つのDフリップフロップ335、385をインバータ386に接続することの利点は、両方の分岐が切断されたときでさえも、Vin1_highの状態が第1のDフリップフロップ335に格納されるということである。
【0099】
[0105] 図4は、2つのフライバックコンバータ回路と関連した図1の上記スタータ回路を示し、図では、それぞれの分岐のフライバックコンバータ回路は、上述した独国特許出願公告第11 2013 005 027 B4号のものと同様に設計されている。詳細に言えば、この目的のために、半導体スイッチ420、抵抗器421、ダイオード419だけでなく結合キャパシタ418もまた、第1の上側の分岐のために追加で設けられている。
【0100】
[0106] 同じ構成部品、すなわち、第2の半導体スイッチ470、第2の抵抗器471、第2のダイオード469、及び第2の結合キャパシタ468もまた、第2の分岐に設けられている。
【0101】
[0107] フライバックコンバータの基本的な動作原理に関しては、図6及び図7を参照して行った上記説明を参照されたい。
【0102】
[0108] コントローラ416が、2つのフライバックコンバータを制御するために、この回路に追加で設けられ、そこでは、以下で説明するように、それぞれの場合において、一方のフライバックコンバータがアクティブに動作しており、もう一方は切断されたままである。入力電圧の2つの入力極性のうちの高い方を識別するための比較器430は、例えば、図1の比較器130又は図3で説明されているような回路とすることができる。電圧検出器411は、まだアクティブである始動発振器を切断するために使用されるとともに、十分に高い電圧が存在するときにのみ、コントローラ416を動作させるためにもまた使用される。
【0103】
[0109] それぞれの場合において2つの始動発振器のうちの1つだけを動作させ、続いて、充電キャパシタ407に十分に高い電圧が印加されたときに、第2の発振器を切断することが可能なやり方は、上記ですでに説明した。比較器430の信号並びに2つのドライバ417及び467と関連して、それぞれの場合においてコントローラ416は、正の入力電圧を使用して動作することが可能なフライバックコンバータだけを動作させる。比較器が、例えば、Vin1がVin2よりも大きいことを識別する場合、第1のドライバ417はアクティブであるが、一方、第2のドライバ467はアクティブではなく、したがって、コントローラ416の信号は、第2の、下側の分岐に設けられたフライバックコンバータに転送されない。したがって、前記コンバータは動作しない。
【0104】
[0110] 前記回路では、そのバルク端子が接地にあるため、2つの半導体スイッチ420、470の寄生ダイオードに電流が流れない。
【0105】
[0111] 図5による実施形態は、上記の図4の両用フライバックコンバータ回路に基づく。図4では、使用されないフライバックコンバータの対応する半導体スイッチ420、470の寄生ダイオードを通る電流を防止するために、2つの半導体スイッチ420、470のバルク端子は、接地に接続されている。しかしながら、正のソース-バルク間電圧が存在するため、人体効果が生じる。
【0106】
[0112] 前記回路では、半導体スイッチ520、570のバルク端子は、それぞれの場合において、2つの入力電圧電位のうちの、Vin_minで表示される低い方の電位に接続されている。この目的のために、図5の回路によれば、今度は高い方の入力電圧電位が比較器530によって検出される。接地電位にある信号、すなわち、低い方の入力電位であることを示す信号Vin1_high又はVin2_highは、設けられた2つのPMOS FET537、538のうちの1つを接続し、次には、Vin_minを低い方の電位に接続する。
【0107】
[0113] 加えて、論理ゲートにはVin1及び接地によって電力が供給されるので、トランジスタ537のゲート作動のためにレベルシフタ536が必要である。レベルシフタ536の目的は、トランジスタ537が切断されると、電流が流れることができないようにすることである。回路がおよそ1Vを超えてしか動作できないこともまた、問題ではない。なぜなら、フライバックコンバータもまた、この時点でしかアクティブに制御、及び始動できないからである。
【0108】
[0114] この回路の利点は、寄生ダイオードに電流が流れず、さらに、人体効果が生じないことである。さらに、電圧源501の入力電圧電位間の差の大きさに対して2つの半導体スイッチ520、570を設計しさえすればよい。
【0109】
[0115] 原則として、この回路は、最大でも1kHzの領域の低周波数の小さなAC電圧に使用することもまた可能である。コントローラ516のスイッチング周波数がAC電圧の周波数よりも大幅に高いと仮定すると、これは可能である。
【0110】
[0116] 本明細書に記載された解決策により、コスト効率良く実現可能であり、必要とされる始動電圧が低く、且つ、正の温度差又は負の温度差が小さい熱電発生器に使用することが可能な、エネルギー回収回路のためのスタータ回路を明示することが可能になる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7