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特許7354150フィードバックを生成するスナップアクションスイッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】フィードバックを生成するスナップアクションスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/58 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
H01H13/58 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020563420
(86)(22)【出願日】2019-02-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 US2019018417
(87)【国際公開番号】W WO2019216971
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】15/975,324
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ホプキン ウー
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03790734(US,A)
【文献】特開2016-122576(JP,A)
【文献】特開昭61-124008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押したときにフィードバックを生成するスナップアクションスイッチにおいて、
内方に突出する複数の突出ブロックを有するハウジングと、
前記ハウジングに配置されるプランジャーと、
前記ハウジングと前記プランジャーとの間に連結され、前記プランジャーに対して第1の力を加える第1の弾性要素と、
第1の電気接点要素および第2の電気接点要素と、
前記ハウジング内に配置され、前記プランジャーによって可動なカムであって、該カム上に前記第1の電気接点要素が配置され、かつ、前記第2の電気接点要素が前記ハウジングに結合されるようにしたカムと、
前記ハウジング内に配置され、前記カムと連動するローターと、
前記ローターに連結され、該ローターに対して力を加える第2の弾性要素とを具備し、
前記カムが押圧されていない位置から部分的に押圧される位置に移動すると、前記カムの下面が前記ローターの上面に係合するように前記ローターが回転し、前記カムが前記部分的に押圧される位置から完全に押圧される位置に移動すると、前記ローターの前記上面が前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面と係合するように、前記ローターが引き続き回転し、
前記カムが押圧されていない位置にあるとき、前記第1の電気接点要素は前記第2の電気接点要素から常時離反し、前記部分的に押圧される位置と前記完全に押圧される位置の少なくとも一方にあるとき、前記第1の電気接点要素が前記第2の電気接点要素に接触するようにしたスナップアクションスイッチ。
【請求項2】
前記ローターは複数の歯を有する請求項1に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項3】
前記カムが前記部分的に押圧される位置に移動すると、前記カムの前記下面が前記ローターの前記複数の歯の少なくとも1つの上面に係合し、前記カムが前記完全に押圧される位置に移動すると、前記ローターの前記複数の歯のうちの前記少なくとも1つの前記上面が、前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの突出ブロックの下面に係合する請求項2に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項4】
前記カムに連結され、該カムに力を与えるばねを更に備える請求項1に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項5】
前記第2の弾性要素はばねである請求項1に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項6】
前記カムが前記完全に押圧される位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触する請求項1に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項7】
前記カムが前記部分的に押圧される位置と前記完全に押圧される位置との間の第3の位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触する請求項1に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項8】
前記ローターの上面が前記突出ブロックの下面に係合すると、前記ローターの上面が前記カムの下面から離反する請求項1に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項9】
前記部分的に押圧される位置と前記完全に押圧される位置との間で前記ローターの上面が前記カムの下面に係合する間、前記第2の弾性要素が前記カムに第2の力を加え、前記完全に押圧される位置の前または完全に押圧される位置において、前記ローターの上面が前記カムの下面から離反して、前記ローターから前記第2の力が除去される請求項1に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項10】
押したときにフィードバックを生成するスナップアクションスイッチにおいて、
内方に突出する複数の突出ブロックを有するハウジングと、
前記ハウジングに配置されるプランジャーと、
前記ハウジング及び前記プランジャーに連結されるガスケットと、
前記ハウジング内に配置され、前記プランジャーによって可動なカムと、
前記ハウジング内に配置され、前記カムと連動するローターと、
前記カムに配置された第1の電気接点要素および前記ハウジングに連結された第2の電気接点要素と、
前記ローターに連結され、該ローターに対して力を加える第1の弾性要素と、
前記カムに連結され、該カムに力を与える第2の弾性要素とを具備し、
前記カムが押圧されていない位置から部分的に押圧される位置に移動すると、前記カムの下面が前記ローターの上面に係合するように前記ローターが回転し、前記カムが前記部分的に押圧される位置から完全に押圧される位置に移動すると、該ローターの前記上面が前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面に係合するように前記ローターが引き続き回転し、
前記カムが押圧されていない位置にあるとき、前記第1の電気接点要素は前記第2の電気接点要素から常時離反し、前記部分的に押圧される位置と前記完全に押圧される位置の少なくとも一方にあるとき、前記第1の電気接点要素が前記第2の電気接点要素に接触するようにしたスナップアクションスイッチ。
【請求項11】
前記ローターは複数の歯を有する請求項10に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項12】
前記カムが前記部分的に押圧される位置に移動すると、前記カムの前記下面が前記ローターの前記複数の歯の少なくとも1つの上面に係合し、前記カムが前記完全に押圧される位置に移動すると、前記ローターの前記複数の歯のうちの前記少なくとも1つの前記上面が前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの突出ブロックの前記下面に係合する請求項11に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項13】
前記カムが、前記完全に押圧される位置に移動すると、前記第1の電気接点要素が前記第2の電気接点要素と電気的に接触する請求項10に記載のスナップアクションスイッチ。
【請求項14】
前記カムが前記部分的に押圧される位置と前記完全に押圧される位置との間にある第3の位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触する請求項10に記載のスナップアクションスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィードバックを生成するスナップアクションスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
スナップアクションスイッチは、高速でオン及びオフにすることができるスイッチ装置である。そのような装置を操作するのに必要な圧力又は力はごく僅かである。「スナップアクション(Snap Action)」は、アクチュエーター速度とは無関係に、ばねの補助によって移動する接点が、或る位置から別の位置に急速に移動することによって行われる。通常、従来のスナップアクションスイッチは、リード式(reed-based)のものである。リード式スナップアクションスイッチは、非常に小さな圧力又は力で操作することができるため、そのようなスナップアクションスイッチにおけるリードは、非常に小さなフィードバックしかもたらすことができない。したがって、これらのスナップアクションスイッチの構造を改良する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、押したときにフィードバックを生成するスナップアクションスイッチ、及び該スナップアクションスイッチによってフィードバックを生成する方法を提供する。いくつかの実施の形態において、前記スナップアクションスイッチは、内方に突出する複数の突出ブロックを有するハウジングと、前記ハウジングに配置されるプランジャーと、前記プランジャーに連結され、前記プランジャーに対して力を加える第1の弾性要素と、前記ハウジング内に配置され、前記プランジャーによって可動なカムと、前記ハウジング内に配置され、前記カムと連動するローターと、前記ローターに連結され、該ローターに対して力を加える第2の弾性要素とを備えることができる。前記カムが第1の位置に移動すると、前記ローターは、前記カムの下面が前記ローターの上面に係合するように回転することができ、前記カムが第2の位置に移動すると、前記ローターは、該ローターの前記上面が前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面と係合するように引き続き回転することができる。
【0004】
別の態様において、押したときにフィードバックを生成するスナップアクションスイッチは、内方に突出する複数の突出ブロックを有するハウジングと、前記ハウジングに配置されるプランジャーと、前記ハウジング及び前記プランジャーに連結されるガスケットと、前記ハウジング内に配置され、前記プランジャーによって可動なカムと、前記ハウジング内に配置され、前記カムと連動するローターと、前記ローターに連結され、該ローターに対して力を加える第1の弾性要素と、前記カムに連結され、該カムに力を与える第2の弾性要素とを備えることができる。前記カムが第1の位置に移動すると、前記ローターは、前記カムの下面が前記ローターの上面に係合するように回転することができ、前記カムが第2の位置に移動すると、前記ローターは、該ローターの前記上面が前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面に係合するように引き続き回転することができる。
【0005】
更に別の態様において、スナップアクションスイッチによってフィードバックを生成する方法は、カムを第1の位置から第2の位置に動かし、ローターを回転させることにより、該ローターの上面をハウジングの複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面に係合させることと、前記カムを前記第2の位置から前記第1の位置に復帰させ、前記ローターを回転させることにより、前記カムの下面を前記ローターの前記上面に係合させることとを含むことができる。1つの態様において、前記カムが前記第2の位置に移動すると、前記カムに連結された第1の電気接点要素は、前記ハウジングに連結された前記第2の電気接点要素と電気的に接触する。別の態様において、前記カムが前記第1の位置と前記第2の位置との間の第3の位置に移動すると、前記カムに連結された前記第1の電気接点要素は、前記ハウジングに連結された前記第2の電気接点要素と電気的に接触する。更に別の態様において、前記カムが第4の位置に移動すると、前記カムに連結された前記第1の電気接点要素は、前記ハウジングに連結された前記第2の電気接点要素と電気的に接触し、前記第2の位置は、前記第1の位置と前記第4の位置との間にある。
【0006】
本開示の上述した態様及び他の態様は、以下のコンテクストにより詳細に記載される。
【0007】
本開示の上述した特徴を理解することができるように、上記で簡潔に要約した本開示のより具体的な記載は、実施形態を参照することによって得ることができ、実施形態のうちのいくつかは、添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は、単に本開示の例示の実施形態を示している。本開示は、他の同等の効果がある実施形態を認めることができ、したがって、添付図面は、本開示の範囲を制限するようにみなされるべきでないと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係るスナップアクションスイッチの概略図である。
図2図1のスナップアクションスイッチの概略斜視図である。
図3図1のスナップアクションスイッチの別の概略斜視図である。
図4】本開示の別の実施形態に係るスナップアクションスイッチの概略斜視図である。
図5】本開示の更に別の実施形態に係るスナップアクションスイッチの概略斜視図である。
図6図5のスナップアクションスイッチの概略斜視図である。
図7】本開示の一実施形態に係るスナップアクションスイッチによってフィードバックを生成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を促進するために、可能な限り、複数の図において共通である同一の要素を示すように同一の参照符号が用いられる。明確さのために、図において示される種々の実施形態は、必ずしも一定縮尺ではなく、例示的な表示である。
【0010】
以下に、本開示の実施形態を、図面を参照して詳細に記載する。
【0011】
図1は、本開示の一実施形態に係るスナップアクションスイッチ100の概略図を示している。図1に示すように、スナップアクションスイッチ100は、ハウジング106と、プランジャー102と、第1の弾性要素104とを備えることができる。さらに、図2を参照すると、スナップアクションスイッチ100の概略斜視図は、カム108と、ローター110と、第2の弾性要素112と、ばね114とを更に備えることができる。
【0012】
図示の実施形態では、ハウジング106は、内側領域を形成する周囲内壁を有する中空円筒体とすることができる。ハウジングの内壁は、内方に突出する複数の突出ブロック(図示せず)を有することができ、複数の突出ブロックのそれぞれは、傾斜した下面を有する。ハウジング106の内壁に設けられる突出ブロックの数は、様々とすることができる。さらに、ハウジングの頂部に、内側領域に連通する穴が形成され、それにより、プランジャー102の下端部は、その穴を通過し、内側領域内に収容することができる。いくつかの実施形態において、上記穴は、ハウジングの内壁よりも小さい直径を有するように設計され、それにより、頂壁の少なくとも一部がハウジングの内側領域を囲んだままとなる。
【0013】
プランジャー102は、ハウジング106上に配置することができ、下端部がハウジング106の頂部の穴を通って延在し、ハウジング106の内側領域に入ることで、カム108と連結する。プランジャー102は、弛緩状態である第1の位置と圧縮状態である第2の位置との間で移動可能である。いくつかの実施形態において、プランジャー102は、スイッチのボタンとして機能することができる。
【0014】
カム108は、ハウジング106内に配置され、プランジャー102によって移動可能である。カム108は、ハウジング106の複数の突出ブロックに対応する複数の突出部122を有する。例えば、カム108の複数の突出部122に、ハウジング106の複数の突出ブロックを差し挟むことができる。したがって、カム108の動きは、ハウジング106の内壁にある突出ブロックによって規定され、ハウジング106の中心軸に沿って直線的に移動する。複数の突出部122のそれぞれは、ローター110と係合するように傾斜した下面を有する(より詳細に後述する)。
【0015】
カム108の直径は、カム108をハウジング106の内側領域内に固定することができ、容易に抜け落ちないように、ハウジング106の頂部の穴の直径を超えたものにすることができる。この実施形態は、カム108に設けられた8つの突出部122を示しているが、他の数又は形状の突出部も想定されることを理解すべきである。
【0016】
ローター110は、ハウジング106内に配置され、カム108と連動する。図示の実施形態では、ローター110は、リング形状であり、ローター110の周縁部から上方に延在する複数の歯124を有する。複数の歯124は、ローター110の周縁部の周りに配置される。複数の歯124のそれぞれは、傾斜した上面を有し、プランジャー102が第1の位置にある場合、複数の歯124のそれぞれの傾斜した上面は、カム108の複数の突出部122のそれぞれの傾斜した下面と係合することができる。この実施形態は、ローター110に設けられた8つの歯124を示しているが、他の数又は形状の歯も想定されることを理解すべきである。
【0017】
図示の実施形態では、第1の弾性要素104はドーム形とすることができる。図2に示すように、第1の弾性要素104の一端部は、プランジャー102に連結され、第1の弾性要素104の他端部は、ハウジング106の頂面に連結される。第1の弾性要素104は弾性を有し、プランジャー102に対して力を加えて、プランジャー102を第2の位置から第1の位置に押圧する。
【0018】
図示の実施形態では、第2の弾性要素112の一端部は、ローター110の下面に連結され、第2の弾性要素112の他端部は、内側領域内のハウジング106の底部126に連結される。いくつかの実施形態において、ローター110は、ローター110の底面に連結されるシム128を備えることができる。第2の弾性要素112は、ローター110に力を与えることができる。1つの実施形態において、第2の弾性要素112は、ローター110とハウジング106との間に設けられるばねによって形成される。
【0019】
図3を参照すると、ばね114の一端部は、カム108の下端部122に連結され、ばね114の他端部は、ハウジング106の底部126に連結される。ばね114は、カム108に力を与えることができる。
【0020】
プランジャー102が押されると、カム108は、第1の位置から離れて第2の位置へと下方に動く。カム108の複数の突出部122のそれぞれの下面は、ローター110の複数の歯124のそれぞれの上面に係合することができるため、ローター110も、カム108によって第2の位置へと下方に動く。いくつかの実施形態において、カム108の複数の突出部122のそれぞれの傾斜した下面が、ハウジング106の複数の突出ブロックのそれぞれの傾斜した下面と位置合わせされると、カム108の複数の突出部122のそれぞれの傾斜した下面に係合するローター110の複数の歯124のそれぞれの傾斜した上面は、第2の弾性要素112によって、ハウジング106の複数の突出ブロックのそれぞれの傾斜した下面に係合するように摺動し、ローター110を或る角度で回転させることができる。このときに、音が発生し、使用者にフィードバックがもたらされる。同時に、ローター110が回転する際、使用者は、第2の弾性要素112によってもたらされる復元力を感じなくなる。
【0021】
プランジャー102が第2の位置から弛緩する場合、カム108が、ばね114によって上方に動き、次いで、プランジャー102が、カム108及び第1の弾性要素104によって上方に動く。この時点で、カム108の複数の突出部122のそれぞれの傾斜した下面と、ハウジング106の複数の突出ブロックのそれぞれの傾斜した下面とは、互いに位置合わせされなくなる。いくつかの実施形態において、カム108の複数の突出部122のそれぞれの傾斜した下面が、ハウジング106の複数の突出ブロックのそれぞれの傾斜した下面と再び位置合わせされると、ハウジング106の複数の突出ブロックのそれぞれの傾斜した下面に係合するローター110の複数の歯124のそれぞれの傾斜した上面は、カム108の複数の突出部122のそれぞれの傾斜した下面に係合するように摺動し、ローターを或る角度で回転させることができる。このときに、別の音が発生し、プランジャー102が第1の位置に戻る。
【0022】
図3を参照すると、スナップアクションスイッチ100は、第1の電気接点要素である接触棒116と、第2の電気接点要素である2つの端子118、120とを更に備えることができる。接触棒116及び2つの端子118、120は、電気導体とすることができる。図示の実施形態では、カム108の下端部122は、リング形状のローター110を通過し、接触棒116は、カム108の下端部122において、ローター110の下から側方に配置される。2つの端子118、120は、ハウジング106の底部126を貫通することができる。したがって、2つの端子118、120は、一部がハウジング106の内側領域内にあり、一部がハウジング106の外部にある。プランジャー102が第1の位置から第2の位置に向かって押されると、カム108がプランジャー102によって動かされ、次いで、接触棒116が2つの端子118、120と電気的に接触し、ローター110が回転する際に電気的接続を形成することができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、カム108の下端部122は、内側領域を囲む中空円筒体とすることができる。カム108の下端部122は、互いに対向する2つの側部において2つの細長いスロットを有するように構成することができる。接触棒116は、2つの細長いスロットを通過し、2つの細長いスロットに沿って下端部122に対して動くことができる。スナップアクションスイッチ100は、内部ばね(図示せず)を更に備えることができる。内部ばねは、カム108の下端部122の内側領域内に配置されるとともに、カム108の下端部122及び接触棒116に連結され、接触棒116が2つの細長いスロットの一端部を押すための力を接触棒116に与える。いくつかの実施形態において、2つの細長いスロットの長さは変更することができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、接触棒116は、プランジャー102を動かした後かつローター110が回転する前に、2つの端子118、120と電気的に接触し、電気接続を形成することができる。すなわち、カム108が第1の位置と第2の位置との間の第3の位置に移動すると、接触棒116は、2つの端子118、120と電気的に接触し、電気接続を形成することができる。
【0025】
別の実施形態において、接触棒116は、ローター110が回転した後に、2つの端子118、120と電気的に接触し、電気接続を形成することができる。すなわち、カム108が第4の位置に移動すると、接触棒116は、2つの端子118、120と電気的に接触し、電気接続を形成することができる。さらに、この実施形態では、第2の位置は、第1の位置と第4の位置との間に位置することができる。
【0026】
図4は、本開示の別の実施形態に係るスナップアクションスイッチ400の概略斜視図を示している。図示の実施形態では、図4のスナップアクションスイッチ400の構造は、図2のスナップアクションスイッチ100の構造と同様である。図4のスナップアクションスイッチ400は、ハウジングと、プランジャー402と、ドーム体404と、カム408と、ローター410と、弾性要素412とを備えることができる。この実施形態では、プランジャー402が第1の位置において弛緩すると、ドーム体404がプランジャー402に力を与えることができる。
【0027】
図5は、本開示の更に別の実施形態に係るスナップアクションスイッチ500の概略斜視図を示し、図6は、図5のスナップアクションスイッチ500の概略斜視図を示している。図示の実施形態では、図5のスナップアクションスイッチ500の構造は、図2のスナップアクションスイッチ100の構造と同様である。図5及び図6のスナップアクションスイッチ500は、ハウジングと、プランジャー502と、カム508と、ローター510と、弾性要素512と、ばね514とを備えることができる。この実施形態では、ばね514は、ローター510の下に配置され、カム508とハウジングの底部506との間を接続する。したがって、プランジャー502が第1の位置において弛緩すると、ばね514は、カム508に力を与え、それにより、ひいてはプランジャー502を上方に押し、プランジャー502を第1の位置に保持する。いくつかの実施形態において、スナップアクションスイッチ500は、ガスケット(図示せず)を更に備えることができる。1つの実施形態において、ガスケットの一端部は、プランジャー502に連結され、ガスケットの他端部は、ハウジングの頂面に連結される。ガスケットの使用により、水がハウジングの内側領域に流入することを防ぐことができる。
【0028】
図7は、本開示の一実施形態に係るスナップアクションスイッチによってフィードバックを生成する方法700のフローチャートである。ステップ710において、カムを第1の位置から第2の位置に動かし、ローターを回転させることにより、ローターの上面を、ハウジングの複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面に係合させる。このステップでは、ローターは、第2の位置においてカムによって回転されるとき、使用者にフィードバックをもたらすことができる。ステップ720において、カムを第2の位置から第1の位置に復帰させ、ローターを回転させることにより、カムの下面をローターの上面に係合させる。
【0029】
本開示の例示の実施形態は、図を参照して記載される。しかし、当業者には、添付の特許請求の範囲によって定義されるような趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示に対して種々の変更形態及び代替形態を行うことができることが明らかであろう。
本発明の態様の一部を以下記載する。
[態様1]
押したときにフィードバックを生成するスナップアクションスイッチにおいて、
内方に突出する複数の突出ブロックを有するハウジングと、
前記ハウジングに配置されるプランジャーと、
前記ハウジングと前記プランジャーとの間に連結され、前記プランジャーに対して力を加える第1の弾性要素と、
前記ハウジング内に配置され、前記プランジャーによって可動なカムと、
前記ハウジング内に配置され、前記カムと連動するローターと、
前記ローターに連結され、該ローターに対して力を加える第2の弾性要素とを具備し、
前記カムが第1の位置に移動すると、前記カムの下面が前記ローターの上面に係合するように前記ローターが回転し、前記カムが第2の位置に移動すると、前記ローターの前記上面が前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面と係合するように、前記ローターが引き続き回転するスナップアクションスイッチ。
[態様2]
前記ローターは複数の歯を有する態様1に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様3]
前記カムが前記第1の位置に移動すると、前記カムの前記下面が前記ローターの前記複数の歯の少なくとも1つの上面に係合し、前記カムが前記第2の位置に移動すると、前記ローターの前記複数の歯のうちの前記少なくとも1つの前記上面が、前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの突出ブロックの下面に係合する態様2に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様4]
前記カムに連結され、該カムに力を与えるばねを更に備える態様1に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様5]
前記第2の弾性要素はばねである態様1に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様6]
前記カムに連結される第1の電気接点要素と、前記ハウジングに連結される第2の電気接点要素とを更に備える態様1に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様7]
前記カムが前記第2の位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触する態様6に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様8]
前記カムが前記第1の位置と前記第2の位置との間の第3の位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触する態様6に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様9]
前記カムが第4の位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触し、前記第2の位置は、前記第1の位置と前記第4の位置との間にある態様6に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様10]
押したときにフィードバックを生成するスナップアクションスイッチにおいて、
内方に突出する複数の突出ブロックを有するハウジングと、
前記ハウジングに配置されるプランジャーと、
前記ハウジング及び前記プランジャーに連結されるガスケットと、
前記ハウジング内に配置され、前記プランジャーによって可動なカムと、
前記ハウジング内に配置され、前記カムと連動するローターと、
前記ローターに連結され、該ローターに対して力を加える第1の弾性要素と、
前記カムに連結され、該カムに力を与える第2の弾性要素とを具備し、
前記カムが第1の位置に移動すると、前記カムの下面が前記ローターの上面に係合するように前記ローターが回転し、前記カムが第2の位置に移動すると、該ローターの前記上面が前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面に係合するように前記ローターが引き続き回転するスナップアクションスイッチ。
[態様11]
前記ローターは複数の歯を有する態様10に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様12]
前記カムが前記第1の位置に移動すると、前記カムの前記下面が前記ローターの前記複数の歯の少なくとも1つの上面に係合し、前記カムが前記第2の位置に移動すると、前記ローターの前記複数の歯のうちの前記少なくとも1つの前記上面が前記ハウジングの前記複数の突出ブロックの少なくとも1つの突出ブロックの前記下面に係合する態様11に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様13]
前記カムに連結される第1の電気接点要素と、前記ハウジングに連結される第2の電気接点要素とを更に備える態様10に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様14]
前記カムが前記第2の位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触する態様13に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様15]
前記カムが前記第1の位置と前記第2の位置との間の第3の位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触する態様13に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様16]
前記カムが第4の位置に移動すると、前記第1の電気接点要素は、前記第2の電気接点要素と電気的に接触し、前記第2の位置は、前記第1の位置と前記第4の位置との間にある態様13に記載のスナップアクションスイッチ。
[態様17]
スナップアクションスイッチによってフィードバックを生成する方法において、
カムを第1の位置から第2の位置に動かし、ローターを回転させることにより、該ローターの上面をハウジングの複数の突出ブロックの少なくとも1つの下面に係合させることと、
前記カムを前記第2の位置から前記第1の位置に復帰させ、前記ローターを回転させることにより、前記カムの下面を前記ローターの前記上面に係合させることとを含む方法。
[態様18]
前記カムが前記第2の位置に移動すると、前記カムに連結された第1の電気接点要素は、前記ハウジングに連結された前記第2の電気接点要素と電気的に接触する態様17に記載の方法。
[態様19]
前記カムが前記第1の位置と前記第2の位置との間の第3の位置に移動すると、前記カムに連結された前記第1の電気接点要素は、前記ハウジングに連結された前記第2の電気接点要素と電気的に接触する態様17に記載の方法。
[態様20]
前記カムが第4の位置に移動すると、前記カムに連結された前記第1の電気接点要素は、前記ハウジングに連結された前記第2の電気接点要素と電気的に接触し、前記第2の位置は、前記第1の位置と前記第4の位置との間にある態様17に記載の方法。
【符号の説明】
【0030】
100 スナップアクションスイッチ
102 プランジャー
104 第1の弾性要素
106 ハウジング
108 カム
110 ローター
112 第2の弾性要素
116 接触棒
118 端子
120 端子
122 突出部
124 歯
126 底部
128 シム
400 スナップアクションスイッチ
402 プランジャー
404 ドーム体
408 カム
410 ローター
412 弾性要素
500 スナップアクションスイッチ
502 プランジャー
506 底部
508 カム
510 ローター
512 弾性要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7