(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】遊園地システム
(51)【国際特許分類】
A63G 33/00 20060101AFI20230925BHJP
A63G 31/00 20060101ALI20230925BHJP
G06F 8/65 20180101ALI20230925BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230925BHJP
【FI】
A63G33/00
A63G31/00
G06F8/65
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020564077
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(86)【国際出願番号】 US2019019277
(87)【国際公開番号】W WO2019221798
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-01-24
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン パトリック ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホルスタイン ダニエル マリエ
(72)【発明者】
【氏名】トルヒジョ トーマス マヌエル
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-074123(JP,A)
【文献】特開2006-000665(JP,A)
【文献】特開2017-156956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 31/00-33/00
G06F 8/65
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊園地システムであって、
複数のハードウェアコンポーネントと、
コントローラと、
を備え、前記コントローラは、
ゲームロジックを含むゲーム層
及びソフトウェア層を記憶したメモリデバイスであって、前記ソフトウェア層は、前記ゲーム層に通信可能に結合されたゲーム
API(アプリケーションプログラミングインターフェイス)、前記ゲームAPIに通信可能に結合されたラッパーAPI、前記ラッパーAPIに通信可能に結合された複数のラッパー
、及び、ショークロックを含み、前記ショークロックは乗り物車両が前記複数のハードウェアコンポーネントの1又は2以上のハードウェアコンポーネントの範囲内にあるとき、クロック信号を生成するように構成され、前記複数のハードウェアコンポーネントの各ハードウェアコンポーネントは前記複数のラッパーの対応する個々のラッパーと関連付けられているメモリデバイスと、
前記メモリデバイスに記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサと、
を含み、前記命令は、
前記遊園地システムの
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントの変更を示す信号を受け取り、
前記信号に少なくとも部分的に基づいて前記ショークロックの動作を調整し、
前記受け取った信号に基づいて、前記複数のラッパーのうちの1
又は2以上の対応する個々のラッパーを介して
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントと通信して前記
複数のハードウェアコンポーネントから入力を受け取り、又は前記
複数のハードウェアコンポーネントの動作を引き起こ
し、前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントは前記クロック信号に少なくとも部分的に基づいて起動するように構成されている、
ことを前記プロセッサに行わせるように構成される、
ことを特徴とする遊園地システム。
【請求項2】
前記遊園地システムの
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントの前記変更は、前記
複数のハードウェアコンポーネントへの新たなハードウェアコンポーネントの追加、又は前記
複数のハードウェアコンポーネントのうちの既存のハードウェアコンポーネントのアップデートを含む、
請求項1に記載の遊園地システム。
【請求項3】
前記新たなハードウェアコンポーネントは前記複数のハードウェアコンポーネントの少なくとも1つの個々のハードウェアコンポーネントによって使用される同じ通信チャネルを用いて通信するように構成されている、請求項2に記載の遊園地システム。
【請求項4】
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントの前記変更は、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントの新たな機能の実装を含む、
請求項1に記載の遊園地システム。
【請求項5】
前記
実装は、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントの前記新たな機能の駆動を引き起こす、
請求項
4に記載の遊園地システム。
【請求項6】
1又は2以上のソフトウェアコンポーネントをさらに備え、前記命令は、前記1又は2以上のソフトウェアコンポーネントの第2の変更を示す第2の信号を受け取ることを前記プロセッサに行わせるように構成される、
請求項1に記載の遊園地システム。
【請求項7】
前記1又は2以上のソフトウェアコンポーネントの前記第2の変更は、前記1又は2以上のソフトウェアコンポーネントの新たな機能の実装を含み、前記プロセッサは、前記第2の信号を受け取ると、前記新たな機能を引き起こすように構成される、
請求項
6に記載の遊園地システム。
【請求項8】
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントは、列線交換ユニット(LRU)を含む、
請求項1に記載の遊園地システム。
【請求項9】
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントは、1又は2以上の汎用インターフェイス(GPIB)を含む、
請求項1に記載の遊園地システム。
【請求項10】
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントは、セルフテストを行って前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントの動作状態を判定するように構成される、
請求項1に記載の遊園地システム。
【請求項11】
前記クロック信号は、前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントを、前記1又は2以上のハードウェアコンポーネントから距離閾値内にある乗り物車両に基づいて起動させる、請求項1に記載の遊園地システム。
【請求項12】
複数のユーザをホストするように構成された遊園地であって、
乗り物車両が1又は2以上の相互作用コンポーネントの範囲内にあるときにクロック信号を生成するように構成されたショークロックと、
複数のアトラクションであって、当該複数のアトラクションのうちのアトラクションは複数の
ハードウェアコンポーネントを含
み、前記複数のハードウェアコンポーネントの各ハードウェアコンポーネントは前記クロック信号に部分的に基づいて移動するように構成された、複数のアトラクションと、
コントローラと、
を備え、前記コントローラは、
メモリデバイスと、
前記メモリデバイスに記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサと、
を含み、前記命令は、
前記複数のアトラクションのうちの
前記アトラクション内の
複数のハードウェアコンポーネントの1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントの実装を示す信号を受け取り、
前記信号に少なくとも部分的に基づいてショークロックの動作を調整し、
前記信号の受信時に
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントを登録する、
ことを前記プロセッサに行わせるように構成され、前記プロセッサは、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントの登録時に、前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントから受け取られた入力信号の処理、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たなハードウェアコンポーネントの動作の駆動、又はこれらの組み合わせを行うように構成され
、前記プロセッサは、ゲームAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス)とラッパーAPIを介して結合される前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上の新たなハードウェアコンポーネントの複数のラッパーの1又は2以上の対応するラッパーを介して、前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上の新たなハードウェアコンポーネントと通信するように構成される、
ことを特徴とする遊園地。
【請求項13】
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントの実装は、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントの前記登録を自動的にトリガする、
請求項
12に記載の遊園地。
【請求項14】
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな相互作用コンポーネントの前記登録は、前記コントローラが機能の組を選択的に引き起こすように構成されるように、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントの機能の組を前記コントローラに登録する、
請求項
12に記載の遊園地。
【請求項15】
複数の相互作用コンポーネントの1又は2以上の新たな相互作用コンポーネントは、登録されると、前記複数のユーザのうちの1人のユーザから入力を受け取って、前記ユーザからの前記受け取られた入力に基づいて入力信号を生成するように構成され、前記コントローラは、
前記複数の相互作用コンポーネントの前記
1又は2以上の新たな相互作用コンポーネントの前記生成された入力信号に基づいて、前記複数のアトラクションのうちの前記アトラクションの
前記1又は2以上の新たなハードウェアコンポーネントの機能を引き起こすように構成される、
請求項
12に記載の遊園地。
【請求項16】
コンポーネントの
1又は2以上のタイプに関連する一群の既存のコンポーネントを備え、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントは前記コンポーネントの
1又は2以上のタイプに関連し、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントの登録は、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントを前記コンポーネントの
1又は2以上のタイプとして登録する、
請求項
12に記載の遊園地。
【請求項17】
前記コントローラは、
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントの登録時に、前記一群の既存のコンポーネント及び
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記
1又は2以上の新たな
ハードウェアコンポーネントの両方に関連する動作を引き起こすように構成される、
請求項
16に記載の遊園地。
【請求項18】
前記複数のハードウェアコンポーネントの前記1又は2以上の新たなハードウェアコンポーネントの登録は自動的に関連付けられた機能を移動させることを含む、
請求項16に記載の遊園地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年5月17日に出願された「モジュラー型遊園地システム及び方法(MODULAR AMUSEMENT PARK SYSTEMS AND METHODS)」という名称の米国仮特許出願第62/672,918号に対する優先権を主張する本出願であり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、一般に遊園地における技術的リフレッシュ(technological refreshes)及びアップデートに関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地(又はテーマパーク)の人気は、20世紀初頭から大きく高まってきた。遊園地では、人気の上昇とともに新たなアトラクションの実装及び既存のアトラクションのアップデートが行われるため、絶えず建設/メンテナンスが行われると考えられる。最新のアトラクションがますます高度かつ複雑になり、これに対応して遊園地の常連客間で期待が高まると、技術的リフレッシュ及び/又はアップデートに対応する改善されたシステム及び方法が必要になり、これによってアトラクションの停止時間が増加する恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0005】
1つの実施形態によれば、システムが、1又は2以上のハードウェアコンポーネント及びコントローラを有する遊園地システムを含む。コントローラは、ゲーム層及びソフトウェア層を記憶したメモリデバイスを含む。ゲーム層はゲームロジックを含み、ソフトウェア層は、ゲーム層に通信可能に結合されたゲームアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)、ゲームAPIに通信可能に結合されたラッパーAPI、及びラッパーAPIに通信可能に結合された複数のラッパーを含む。コントローラは、メモリデバイスに記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサをさらに含む。これらの命令は、遊園地システムの1又は2以上のハードウェアコンポーネントの変更を示す信号を受け取り、ハードウェアコンポーネントの変更を示す信号に基づいて、複数のラッパーのうちの1つのラッパーを介して1又は2以上のハードウェアコンポーネントと通信して1又は2以上のハードウェアコンポーネントから入力を受け取り、又は1又は2以上のハードウェアコンポーネントの動作を引き起こすことをプロセッサに行わせるように構成される。
【0006】
別の実施形態では、複数のユーザをホストするように構成された遊園地が、複数のアトラクションを含む。複数のアトラクションの各アトラクションは、複数のユーザと相互作用するように構成された複数の相互作用コンポーネントを含む。遊園地は、メモリデバイスと、メモリデバイス上に記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサとを有するコントローラをさらに含む。これらの命令は、複数のアトラクションのうちの1つのアトラクション内の新たな相互作用コンポーネントの実装を示す信号を受け取り、信号の受信時に新たな相互作用コンポーネントを登録することをプロセッサに行わせるように構成される。プロセッサは、新たな相互作用コンポーネントの登録時に、新たな相互作用コンポーネントから受け取られた入力信号の処理、新たな相互作用コンポーネントの動作の駆動、又はこれらの組み合わせを行うように構成される。
【0007】
別の実施形態では、方法が、遊園地の少なくとも1つの接続から第1のコンポーネントを除去するステップを含む。第1のコンポーネントは、第1の機能の組に関連する。方法は、少なくとも1つの接続を利用して遊園地の第2のコンポーネントを実装するステップをさらに含む。第2のコンポーネントは第2の機能の組に関連し、第1の機能の組は第2の組の機能と異なる。方法は、第2のコンポーネントの第2の機能の組が遊園地のコントローラからの1又は2以上の入力信号に従って選択的に引き起こされるように構成されるように、第2のコンポーネントを遊園地の遊園地システムに登録するステップも含む。
【0008】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態による、モジュラー型アーキテクチャを有する遊園地の概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による、
図1の遊園地のコントローラのブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態による、
図1の遊園地に新たなコンポーネントを実装するプロセスのフローチャートである。
【
図4】本開示の実施形態による、
図1の遊園地の遊園地アトラクションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、ハードウェアコンポーネントのモジュール性及び分離可能性を促すことによって遊園地のアトラクション及びその他の娯楽機能を素早くアップデート(例えば、リフレッシュ)するシステム及び方法を提供するものである。本明細書では、このようなモジュール性をサポートし、アトラクション内で異なる機能を実行するが動作は互いに関連するハードウェアコンポーネント間の相互運用性を促すシステムアーキテクチャを提供する。いくつかの実施形態では、遊園地のシステムアーキテクチャが、ゲーム層と、ソフトウェアアーキテクチャ(例えば、「ソフトウェア」)層と、ハードウェアアーキテクチャ(例えば、「ハードウェア」)層とを含むことができる。ゲーム層は、特定のゲーム及び/又は乗り物アトラクションのロジックをソフトウェア層に伝え、ソフトウェア層は、このゲームロジックをハードウェア層にさらに伝えて、1又は2以上のハードウェア装置を介してゲームロジックを実装することができる。すなわち、ソフトウェア層は、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)及びラッパー形態のプロトコルを利用して、ハードウェア層内のハードウェアのドライバに効果的にゲームロジックを伝えることができる。遊園地は、少なくともこのゲーム層、ソフトウェア層及びハードウェア層の分離によって、遊園地のシステム全体への影響を最小限に抑えてアーキテクチャの様々な部分(例えば、ハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネント)を更新することができる。
【0011】
説明すると、遊園地のアトラクション内に新たなハードウェアコンポーネントを実装(例えば、プラグイン)することができる。このハードウェアコンポーネントは、入力装置及び/又は出力周辺装置とすることができる。アトラクション内に新たなハードウェアコンポーネントが実装されると、このハードウェアコンポーネントを、イベントの生成及び/又は受信(例えば、遊園地の他のコンポーネントとの通信)を行えるように自動的にシステムに登録することができる。実際に、ハードウェアコンポーネントの実装は、既存のアトラクションの実質的な総点検及び/又は技術者によるシステムのさらなる再構成などを伴わずにシームレスに行うことができる。ハードウェアコンポーネントは、実装され登録されると、ゲーム層のゲームロジックに由来し得る様々な刺激メッセージ(stimulus messages)に反応するように構成することができる。従って、アトラクションは、既存のハードウェアを利用しながら新たなゲームロジック及び/又は新たなソフトウェアコンポーネントを実装することもできる。例えば、特定のアトラクションは、ゲーム面、並びに乗り物車両及び仮想現実ヘッドセットなどの他の複数のハードウェア装置を利用して第1のゲームを実装することができる。新たなゲームロジック及び/又は新たなソフトウェアコンポーネントが実装されると、この特定のアトラクションは、既存のゲーム面及び他の複数のハードウェア装置を利用して第2のゲームを実装することができる。
【0012】
1つの実施形態では、いくつかのハードウェアコンポーネントが、ゲスト入力がアトラクション内の別のハードウェア要素の動作にさらに影響を与えて特定の出力を引き起こすことを可能にすることができる(例えば、ゲスト武器からの入力が固定ターゲットを点灯させ、又は別様に命中を示すことができる)。技術が向上し、又はアトラクションの物語がさらに複雑になると、新たな武器ハードウェアなどの新たなハードウェアコンポーネントでアトラクションをアップデートすることができ、これによってゲストに再びアトラクションを訪れる気にさせることができる。しかしながら、固定ターゲットなどの固定要素の交換は、とりわけこのようなターゲットが作動コンポーネントを含む場合にはより多くのコストが掛かることもある。従って、いくつかのハードウェアコンポーネント(例えば、固定ターゲット)は、たとえ他のハードウェアコンポーネント(例えば、武器)が交換された場合でも使用し続けることができる。従って、本技術は、一例として、1つの実施形態において、配置済みのプロトコル及び/又は既存のハードウェアコンポーネントの調整を伴わずに新たなハードウェアコンポーネントが既存のハードウェアコンポーネントと通信することを可能にするハードウェアラッパー又はその他の通信プロトコルを含むシステムアーキテクチャを提供する。このようにして、武器ハードウェアなどのハードウェアコンポーネントを交換することができる。新たな武器は、既存のシステムアーキテクチャ及び/又は通信プロトコルをアップデート又は変更することなくシステムに導入されて、既存の固定ターゲットと通信することができる。
【0013】
開示するアトラクションシステム及び方法は、ショー、乗り物及びプロモーションなどを含む遊園地アトラクションに実装することができる。遊園地アトラクション内でモジュラー型アーキテクチャを使用することにより、新たな技術が現れた時に常に容易にアトラクションをアップデートしてリフレッシュすることができる。従って、アトラクションの変更及びアップデートが頻繁に行われるので、ゲストは遊園地を訪れる気になり、遊園地が提供するテーマ的な体験をさらに楽しむことができる。
【0014】
これらを踏まえて、
図1に、1又は2以上のアトラクション12を含むことができる遊園地10の実施形態を示す。各アトラクション12は、複数のユーザ14(例えば、ゲスト、常連客)を収容することができる。本明細書で説明するように、遊園地10は、遊園地10の停止時間、並びに全体的な美観及び運営の影響を最小限に抑えながら、多層システムインフラ(multi-layer system infrastructure)を利用して技術的リフレッシュ及びアップデートなどに対応することができる。とりわけ、多層システムインフラのモジュール性は、システムの他の要素(例えば、他のハードウェアコンポーネント又はソフトウェアコンポーネント)に実質的に影響を与えることなく、1又は2以上のハードウェア又はソフトウェアコンポーネントの変更(例えば、アップデート、置換、追加及び/又は削除)を可能にすることができる。
【0015】
説明すると、いくつかの実施形態では、遊園地10が、第1のアトラクション16、第2のアトラクション18及び第3のアトラクション20を含むことができる。しかしながら、遊園地10は、あらゆる好適な数のアトラクション12を含むことができると理解されたい。本明細書でさらに詳細に説明するように、各アトラクション12は、1又は2以上のコントローラ28のメモリデバイス26に記憶されて特定のアトラクション12に関連するタスクを実行できるソフトウェアコンポーネント24と相互作用(例えば、通信)することができる物理的コンポーネントなどのあらゆる好適な数のハードウェアコンポーネント22を含むことができる。実際には、あらゆる好適な数のコントローラ28が存在することができる。いくつかの実施形態では、各アトラクション12がそれぞれのコントローラ28に関連することができる。遊園地10は、遊園地10の環境29(例えば、待ち行列)内に、やはり1又は2以上のコントローラ28に通信可能に結合できる1又は2以上のハードウェアコンポーネント22をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、環境29がアトラクション12を含むことができる。
【0016】
コントローラ28は、特定用途向けプロセッサなどの1又は2以上のプロセッサを表すことができるプロセッサ30を使用することができる。コントローラ28は、本明細書で説明するような遊園地10の方法及び制御動作を実行するためにプロセッサ30が実行できる命令を記憶するメモリデバイス26を含むこともできる。プロセッサ30は、1又は2以上の処理装置を含むことができ、メモリ26は、1又は2以上の有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM又はその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは所望のプログラムコードを機械実行可能命令又はデータ構造の形で保持又は記憶するために使用でき、プロセッサ30、又はプロセッサを含むいずれかの汎用又は専用コンピュータ又はその他の機械がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。
【0017】
コントローラ28は、通信システム32を通じて遊園地10の要素に通信可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、通信システム32が、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、近距離通信(NFC)又はBluetoothなどの無線ネットワークを通じて通信することができる。いくつかの実施形態では、通信システム32が、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)などの有線ネットワークを通じて通信することができる。いくつかの実施形態では、通信システム32が、光/レーザー、音、量子力学又はその他の環境刺激を通じて通信することができる。
【0018】
各ハードウェアコンポーネント22(例えば、周辺装置)は、入力装置及び/又は出力装置周辺装置(output device peripheral device)として分類することができる。すなわち、各ハードウェアコンポーネント22は、入力装置、出力装置、又は入力/出力装置とすることができる。入力装置は、複数のユーザ14のうちの1人などから入力を受け取り、受け取った入力を示す入力信号をコントローラ28に送信することができる。ハードウェアコンポーネント22は相互作用コンポーネントを含むことができ、入力は、相互作用コンポーネントの1又は2以上のユーザ入力装置(ボタン、ノブ、タッチ画面、ジョイスティック、作動可能要素、ステアリングコントローラ、トリガなど)を介して受け取ることができる。これに対応して、出力装置は、入力信号の結果としてコントローラ28から入力信号を受け取り、及び/又は入力装置から直接入力信号を受け取ることができる。その後、例えば、コントローラ28は、遊園地10内の出力装置などの1又は2以上の位置に1又は2以上の信号をさらに送信して、受け取った入力に従う適切な応答を提供することができる。これに応じて、出力装置は、装置の作動、又はディスプレイ装置を介した画像/情報の表示などを通じて信号に反応することができる。例えば、第1のアトラクション16のハードウェアコンポーネント22に関しては、画像がVRゴーグルを介して表示されるので、入力装置がVRツール及びVRゴーグルなどのVR装置を含むことができ、出力装置がVRゴーグルを含むことができる。第2のアトラクション18のハードウェアコンポーネント22に関しては、入力装置が、乗り物サイクル中にユーザ14が相互作用できる乗り物装置(例えば、ツール)を含むことができ、出力装置が、アニマトロニックショー要素(animatronic show pieces)及び乗り物車両を含むことができる。第3のアトラクション20のハードウェアコンポーネント22に関しては、入力装置がハンドルを含むことができ、出力装置が、スコアボード及びゲームフロアディスプレイを含むことができる。しかしながら、遊園地10は、あらゆる好適な数及びタイプのハードウェアコンポーネント22を有するあらゆる好適な数のアトラクション12を含むことができると理解されたい。さらに、VR装置は、アトラクション12とのユーザインタラクションを促して入力を生成するとともに別のハードウェア要素に応答を出力させる入力/出力装置としての役割を果たすこともできる。また、この応答は、VR装置のディスプレイの出力変化をトリガすることもできる。本明細書で使用するVRは、拡張現実、仮想現実、複合現実、又はこれらの組み合わせを意味することができる。
【0019】
ハードウェアコンポーネント22及びソフトウェアコンポーネント24の各々は、様々な要因に基づいて交換又はアップデートすることができる。例えば、遊園地10のハードウェアコンポーネント22及び/又はソフトウェアコンポーネント24の変更の動機としては、新たな技術の公表、映画又はその他のメディアの封切り、季節変化、時刻、定期メンテナンス、又はこれらのいずれかの組み合わせを挙げることができる。遊園地10内でコンポーネント(例えば、ハードウェアコンポーネント22又はソフトウェアコンポーネント24)の導入、アップデート、又は別様な変更が行われると、このコンポーネントを、遊園地10の他のコンポーネントと相互作用(例えば、通信)できるように遊園地10に登録することができる。すなわち、
図2を参照しながらさらに詳細に説明するように、1又は2以上のコントローラ28は、遊園地10のコンポーネントとの間で情報を送受信するための様々なプロトコルを含むことができる。
【0020】
図2は、遊園地10の遊園地システム50のシステムアーキテクチャのブロック図である。遊園地システム50は、ゲーム層52、ソフトウェア層54(例えば、ソフトウェアアーキテクチャ層)、及びハードウェア層56(例えば、ハードウェアアーキテクチャ層)の間で分離することができる。ゲーム層52及びソフトウェア層54は、それぞれコントローラ28のメモリ26に記憶することができる。ゲーム層52及びソフトウェア層54は、通信システム32を介してハードウェア層56に通信可能に結合することができる。ゲーム層52は、ゲームロジック58を含むことができ、アトラクション12がアトラクション12の要素(例えば、ハードウェアコンポーネント22及び/又はソフトウェアコンポーネント24)といつ相互作用し、これらの要素をいつ変更し、及び/又はいつ操作するかについてのロジックを決定するゲームロジック58を含むことができる。すなわち、ゲーム層52は、ゲームロジック58を操作して実行することができる。
【0021】
ソフトウェア層54は、1又は2以上のゲームアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)60、1又は2以上のラッパーAPI62、及び複数のラッパー64を含むことができる。ゲームAPI60は、あらゆるゲーム実装(例えば、特定のアトラクション12のゲームロジック58)がソフトウェア層54及びハードウェア層56と通信するために使用できるインターフェイス言語セットを定めることができる。例えば、ゲームロジック58は、ゲームAPI60と通信して、遊園地10内の様々な環境刺激(例えば、ハードウェアコンポーネント22を通じて行われる反応)をトリガすることができる。
【0022】
ラッパーAPI62は、ゲームAPI60からラッパー64にメッセージを送ることができる。ラッパー64は、標準インターフェイスクラスを順応させ、拡張し、及び/又は実装するソフトウェア要素であり、ラッパーAPI62に登録して環境刺激に関連するメッセージを受け取るように構成される。ラッパー64は、ハードウェアコンポーネント22が環境刺激に関連するメッセージを受信できるように、特定のハードウェアコンポーネント22に関連するドライバと通信することができる。いくつかの実施形態では、各ハードウェアコンポーネント22が、1又は2以上のそれぞれのラッパー64に関連することができる。ラッパー64は、ハードウェア層56のハードウェアコンポーネント22とソフトウェア層54のソフトウェアコンポーネント24との間の緩衝器としての役割を果たすことができる。例えば、ハードウェアコンポーネント22がアップデート又は変更された場合でも、ソフトウェアコンポーネント24の動作、ロジック及び/又は体型(build)がこの変更又はアップデートの影響を受けることはない。これとは逆に、ソフトウェアコンポーネント24がアップデートされた時には、ラッパー64が、ハードウェアコンポーネント22を最新のソフトウェアコンポーネント24に適合するようにアップデートする必要性を低減及び/又は回避することができる。いくつかの実施形態では、さらなるハードウェアコンポーネント22又は機能を追加することができる。このような実施形態では、新たに追加されたハードウェアコンポーネントに関連する1又は2以上のラッパー64をソフトウェア層54に追加することもできる。その後、この新たに追加されたラッパー64をラッパーAPI62に登録して刺激信号(例えば、メッセージ、イベント)を受信できるようにすることができる。
【0023】
ハードウェア層56は、本明細書で説明したように容易に交換及び/又はアップデートできるように構成されたハードウェアコンポーネント22を含むことができる。すなわち、ハードウェアコンポーネント22は、(例えば、標準化ユニットで構成された)モジュール設計、標準(例えば、汎用)取り付け点及び動的内部構成を利用して、新たなハードウェアコンポーネント22の実装、及び既存のハードウェアコンポーネント22のアップデートを改善することができる。例えば、ハードウェアコンポーネント22は、通信システム32の一部を成すことができる汎用インターフェイスバス(GPIB)70(例えば、汎用インターフェイス(GPI))を利用して、ソフトウェア層54内のコンポーネント及びハードウェア層56内の他のハードウェアコンポーネント22と通信することができる。実際には、いくつかの実施形態では、ハードウェアコンポーネントが有線通信ネットワークを利用することができる。別の例では、ハードウェアコンポーネント22が、本明細書に示すような無線通信ネットワークを利用することができる。いくつかの実施形態では、ハードウェアコンポーネント22が、有線手段及び/又は無線手段を通じた直接通信又は同報通信などによるネットワークの使用を伴わずに通信することができる。さらなる例として、ハードウェアコンポーネント22は、容易に交換可能なモジュラーコンポーネントである列線交換ユニット(line replaceable unit:LRU)72を利用することができ、及び/又は列線交換ユニット(LRU)72とすることができる。とりわけ、LRU72は、アトラクション12において(例えば、「列線上」で)素早く交換できることにより、アトラクション12の停止時間の減少を可能にすることができる。実際に、ハードウェア層16内のハードウェアコンポーネント22は、例えば限られた(例えば、1つの)数の電源装置タイプ、限られた(例えば、1つの)数の入力及び出力モジュールタイプ、及び限られた数の他のコンポーネントを利用することができる。このように、ハードウェアコンポーネント22の一部(又は全部)を追加又は変更すべき場合でも、少なくとも部分的に標準的な(例えば、一般的、汎用、モジュラー型)コンポーネントに起因して、この部分を容易に実装することができる。ハードウェアコンポーネント22のモジュール設計は、標準、ガイドライン及び最良事例に基づいて正しい実装を確実にすることができる。いくつかの実施形態では、ハードウェアコンポーネント22がセルフテストを行うことができる。すなわち、ハードウェアコンポーネント22は、自機が動作を継続するのに適しているかどうかを判定することができる。例えば、ハードウェアコンポーネント22は、ハードウェアコンポーネント22の入力及び出力をモニタして、ハードウェアコンポーネント22が目的通りに動作しているかどうかなどのハードウェアコンポーネント22の動作状態、及び/又はハードウェアコンポーネント22が製品寿命の終わりに近づいているかどうかなどの、ハードウェアコンポーネント22内の部品を交換/アップデートすべきであるかどうかを判定するように構成された1又は2以上のセンサ73を含むことができる。
【0024】
一例として、ハードウェア要素22は、遊園地10内のアトラクション12の武器要素とすることができる。ハードウェア要素のセンサ73のうちの1つ又は2つ以上は、トリガを作動させて標的に向けて武器を発射するユーザ入力を検出することができる。標的などの他のハードウェアコンポーネント22は、この発射に基づいて命中又は外れを検出することができる。この武器の発射及びいずれかの標的への命中によって引き起こされた入力信号をソフトウェア層54を介してゲーム層52に通信して命中を特定のユーザに関連付け、ソフトウェアアーキテクチャ層54を通じてハードウェア層56に出力信号を返信して、例えば標的を点灯又は作動させることができる。すなわち、ユーザによる武器の作動という入力が、ターゲットの作動という出力を引き起こすことができる。いくつかのアトラクションの実行(attraction runs)は、新たな能力を有する強化された武器を含むことができ、ゲームロジックは、適切なラッパー64を通じて、ターゲットの作動を引き起こす作動信号を受け取ることができる。アップグレードされた武器が爆破能力又はその他の強化された能力を有する場合、ゲームロジック58は、典型的には固定された新たなタイプのハードウェアコンポーネント22をアンロックし、或いは標的の新たな動作シナリオを引き起こすことができる。しかしながら、通常のゲーム実行中にこのような強化された機能が存在しない場合でも、アトラクション12を動作させる能力が妨げられることはない。さらに、システム50は、新たなハードウェアコンポーネント22の組み込みに素早く対応して特別なアトラクションを実行するとともに、スムーズに通常動作に戻ることもできる。ソフトウェア層54は、ゲームロジック58が入力信号をプラグアンドプレイ方式で受け取るようにハードウェアコンポーネント22との間の通信を容易にする。
【0025】
図3は、遊園地10内で発生し得るコンポーネント実装プロセス90のフローチャートである。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に1又は2以上の変動要因によって新たなコンポーネントの実装を引き起こすことができる。本明細書で説明したように、遊園地職員がアトラクション12を変更する動機としては、新たな技術の公表/アップデート、特定の時期、映画/テレビゲームの封切り及びメンテナンスなどを挙げることができる。例えば、秋から冬などの季節の変化は、ハロウィンをテーマとするアトラクション12から雪をテーマとするアトラクション12への変更の動機となり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、コンポーネント実装プロセス90が、既存の(例えば、既に設置されている)コンポーネントの除去(ブロック92)から開始することができる。例えば、実装される新たなコンポーネントがアニマトロニックショー要素である場合、最初に既存の(例えば、既に設置されている)アニマトロニックショー要素を除去することができる。既存のコンポーネントが除去されると、遊園地システム50は、この除去を示す信号を受け取ることができる(又は、要素からの信号が存在しないことに基づいて、除去を示すようにシステムをアップデートすることができる)。説明すると、ブロック92の発生前(例えば、既存のアニマトロニックショー要素が除去される前)に、アニマトロニックショー要素に関連するアトラクション12のショークロックを、アニマトロニックショー要素に隣接してアニマトロニックショー要素の観察及び/又は乗客とアニマトロニックショー要素との相互作用を可能にする乗り物車両の停止を予定するように構成しておくことができる。一方で、アニマトロニックショー要素が除去されると、システムは、この除去を示す入力を受け取って、以前のアニマトロニックショー要素の位置に隣接する乗り物車両の予定された停止を解除するようにショークロックをアップデートすることができる。このように、乗り物構成の変更に基づいて、様々なハードウェアコンポーネントの相互運用性を動的にアップデートすることができる。
【0027】
ブロック94において、新たなコンポーネントを実装(例えば、設置、接続、アップロード)することができる。本明細書で説明したように、いくつかの実施形態では、実装されるコンポーネント及び既存のコンポーネントが、それぞれLRU72を利用することができる。実際には、新たなコンポーネントは、既存のコンポーネントと同じ接続を使用して容易に実装することができ、これによってコンポーネント実装プロセス90の効率が高まり、コンポーネント実装プロセス90が行われているアトラクション12の停止時間が減少する。さらに、いくつかの実施形態では、コンポーネント実装プロセス90が新たなコンポーネントの導入(ブロック94)から開始することもできる。すなわち、新たなコンポーネントの設置前にコンポーネントを除去することは必須ではないと理解されたい。実際には、新たなコンポーネントを単純に遊園地10に追加することができる。
【0028】
ブロック96において、新たなコンポーネントを遊園地システム50に登録(例えば、自動構成)することができる。新たなコンポーネントが実装(例えば、接続)されると、システムは、新たなコンポーネントが実装された旨の指示を受け取って、新たなコンポーネントとの相互作用方法を知ることができる。すなわち、新たなコンポーネント及びその関連機能(例えば、移動機能、表示機能、特殊効果機能など)をシステムに登録して、遊園地システム50が新たなコンポーネント及びその関連機能を利用できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、ブロック96において実行される自動構成(例えば、登録)を、遊園地システム50とのユーザインタラクションを伴わずに実行することができる。実際には、コンポーネントが実装される(ブロック94)と、このコンポーネントがハードウェアコンポーネント22である場合には、ラッパー64が、ハードウェアコンポーネント22及び関連機能を識別して、ハードウェアコンポーネント22が実装された旨を遊園地システム50に通知することによって、この時点で遊園地システム50がハードウェアコンポーネント22を利用(ブロック96)できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、ハードウェアコンポーネントの機能が登録されると(ブロック96)、これ対応してコンポーネントを入力周辺装置及び/又は出力周辺装置として登録することができる。同様に、コンポーネントがソフトウェアコンポーネント24(例えば、オペレーティングシステムのアップデート)である場合には、設置されると遊園地システム50がソフトウェアコンポーネント24及び関連機能を選択的に利用することができる。
【0029】
概して、新たなコンポーネントが登録されると、このコンポーネントはイベント(例えば、通信信号)の生成及び受信を行うことができる。特に、遊園地システム50は、コンポーネントと通信して新たなコンポーネントの登録機能を利用する(ブロック98)ことができる。いくつかの実施形態では、イベントルータ/マネージャを利用して新たなコンポーネントを登録することができる。イベントルータ/マネージャは、新たなコンポーネントからイベントを受け取って遊園地システム50の他の部分に送ることができる。同様に、イベントルータ/マネージャは、遊園地システム50の複数の部分からイベントを受け取って新たなコンポーネントに伝えることもできる。いくつかの実施形態では、イベントの存在を示す2進値を保持する所定のビット又はビットシーケンスとすることができるフラグを利用してイベントを割り当てる(例えば、伝える)ことができる。すなわち、遊園地システム50の1又は2以上のコンポーネントは、フラグを利用して遊園地システム50内の他のコンポーネントと通信することができる。1つの実施形態では、新たなハードウェア又はソフトウェアコンポーネントを、一群の既存のコンポーネントのタイプとして登録することができる。
【0030】
1つの例では、新たなハードウェアコンポーネント22を、一日のうちの特定の時点で点灯して商品が入手可能であることを示す休日用プレゼント構造(holiday present structure)とすることができる。新たなコンポーネントをプレゼントとして登録し、登録された全てのプレゼントにシステムがラッパー64を介して通信すると、登録されたプレゼントが全て点灯することができる。プレゼントは、遊園地10全体を通じて分散させることができ、システムは、新たなプレゼントをモジュール方式で登録して、遊園地10内の場所にかかわらず、プレゼントとして登録された全てのコンポーネントに通信して点灯機能などの共通動作を引き起こすことができる。さらに、新たなハードウェアコンポーネントは、アニマトロニック開放機能(animatronic opening feature)などのさらなる機能を有することもできる。システム50は、全てのプレゼントに作動信号を送信し、強化機能を有するプレゼントについては、作動信号がアニマトロニック開放機能及び点灯機能の動作を引き起こすこともできる。強化機能を有していないプレゼントについては、作動信号が点灯機能のみをトリガする。
【0031】
図4は、
図1のアトラクション12のうちの1つ又は2つ以上に含めることができる一群のコンポーネント100の概略図である。図示の実施形態の一群のコンポーネント100は、
図2を参照しながら説明した遊園地システム50の階層的システムアーキテクチャを利用して編成して通信可能に結合できる様々なソフトウェアコンポーネント24及びハードウェアコンポーネント22を含むことができる。図示の実施形態では、一群のコンポーネント100が、乗り物車両102、ハンドル104、ゲームフロア106、特殊効果システム110、アニマトロニックショー要素112、ショークロック114、及びその他のコンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態では、アトラクション12の各コンポーネントが、1又は2以上のソフトウェアコンポーネント24及び1又は2以上のハードウェアコンポーネント22に関連することができる。本明細書で説明したように、一群のコンポーネント100のコンポーネントは、
図3を参照しながら説明した方法を利用してアップデートすることができる。
【0032】
例えば、ゲームフロア106は、1又は2以上のソフトウェアコンポーネント24によって提供された1又は2以上の信号に応答して様々なゲームを提供(例えば、表示)できるインタラクティブゲームフロア(例えば、ハードウェアコンポーネント22)とすることができる。いくつかの実施形態では、ゲーム層52及び/又はソフトウェア層54内の1又は2以上のソフトウェアコンポーネント24を、ゲームフロア106が新たなゲームを提供できるようにアップデートすることができる。ゲームフロア106のディスプレイに関連するソフトウェアコンポーネント24がアップデートされると、ゲームフロア106は、新たなソフトウェアコンポーネント24と自動的に通信(例えば、信号/イベントを受信/送信)して新たなゲームを表示し始めることができる。いくつかの実施形態では、ソフトウェアコンポーネント24の変更の実装が、新たな実行可能コードの登録を含むことができる。同様に、いくつかの実施形態では、ゲームフロア106のハードウェアコンポーネント22をアップデートすることもできる。例えば、ゲームフロア106は、ゲームフロア106上に新たなアニマトロニックショー要素112を含めるようにアップデートすることができる。遊園地システム50の構造及びモジュール性に少なくとも部分的に起因して、アニマトロニックショー要素112は、アトラクション12内に実装(例えば、接続)されると自動的に信号の生成及び受信を開始することができる。
【0033】
さらなる例として、ハンドル104は、乗り物車両102に方向制御をもたらすことができる入力装置とすることができる。いくつかの実施形態では、ハンドル104が、乗り物車両102の操縦方向を示す1又は2以上の信号をコントローラ28に送信することができる。コントローラ28は、乗り物車両102の方向に基づいて、乗り物車両102の方向転換及びスコアの増減などの様々な効果を実装することができる。いくつかの実施形態では、ハンドル104を、異なるタイプのゲームを考慮するようにアップデートすることができる。例えば、ゲームタイプは、単純なドライブゲームから、ユーザ14とハンドル104上に位置する入力装置(例えば、ボタン)との相互作用を介して利用できる仮想ツールを含むゲームにアップデートすることができる。このような実施形態では、元々の(例えば、古い、既存の)ハンドル104を除去して、入力装置を含むアップデートされたハンドル104に交換することができる。新たなハンドル104が実装(例えば、接続)されると、新たなハンドル104を遊園地システム50に登録して、これ以降イベントの生成及び/又は受信を行えるようにすることができる。
【0034】
実際には、元々のハンドル104によって生成及び/又は受信されるイベント(例えば、信号)は、新たなハンドル104によって生成及び/又は受信されるイベント(例えば、信号)とは異なることができる。例えば、元々のハンドル104は、乗り物車両102の運転方向を示す方向信号を(例えば、ユーザ入力を通じて)受け取るように構成することができる。さらに、新たなハンドル104は、新たなハンドル104に含まれる入力装置(例えば、ボタン、ノブ、タッチ画面など)の作動に基づいて複数のタイプの信号を生成するように構成することができる。例えば、新たなハンドルの入力装置の作動は、方向制御以外に、特殊効果システム110の1又は2以上の特殊効果(例えば、光効果、振動効果、ミスト効果、効果音など)を示す特殊効果信号を生成することができる。新たなハンドル104が、ユーザ入力に基づいて特殊効果を作動させる信号を生成すると、コントローラ28は、この信号を受け取って特殊効果システム110のそれぞれの特殊効果を作動させることができる。さらに、本明細書で使用する場合、ユーザ14が遊園地システム50のハードウェアコンポーネント22(例えば、入力周辺装置)に提供する入力は、身体/ジェスチャの追跡を含むことができるバイオメトリック入力を含むこともできる。
【0035】
さらに、いくつかの実施形態では、
図4に示すアトラクション12を、ショークロック(例えば、ソフトウェアコンポーネント24)114によって提供された入力(例えば、信号)に基づいて作動するように構成されたアニマトロニックショー要素112のうちの1つ又は2つ以上を含む、経路に基づく乗り物アトラクション12とすることができる。すなわち、ショークロック114は、乗り物車両102のうちの1つ又は2つ以上がアニマトロニックショー要素112からの特定の距離閾値内に存在する時にアニマトロニックショー要素112が作動するように又は機能を実行するようにアニマトロニックショー要素112を作動させる信号を提供するように構成することができる。換言すれば、ショークロック114は、乗り物車両102のうちの1つがアニマトロニックショー要素112の特定の範囲内に存在する時にアニマトロニックショー要素112が作動する予定であるような1又は2以上のスケジュールを保持することができる。
【0036】
また、ショークロックは、乗り物車両102がアニマトロニックショー要素112の特定の距離閾値内に存在する時に乗り物車両102の1又は2以上の効果を作動させる1又は2以上のスケジュールを保持することもできる。例えば、ショークロック114は、乗り物車両102が特定の距離閾値内に存在する時に乗り物車両102の振動、動きの停止を引き起こし、或いは特殊効果システム110の別の特殊効果の発生を引き起こすように構成することができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上の新たなコンポーネントが実装されて遊園地システム50に登録されたことに基づいてショークロック114をアップデートすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、特定のアニマトロニックショー要素112をアトラクション12から除去することができる。特定のアニマトロニックショー要素112が除去されると、遊園地システム50は、特定のアニマトロニックショー要素112が除去されたと判定することができ、コントローラ28は、乗り物車両102がかつての特定のアニマトロニックショー要素112の位置の特定の距離閾値内に存在する時に乗り物車両102の停止、振動、又は特殊効果の発生が行われないようにショークロック114のスケジュールをアップデートする信号をショークロック114に送信することができる。
【0037】
さらに、本明細書で説明したように、アトラクション12をアップデートすべき場合には、アニマトロニックショー要素112などのコンポーネントを交換することもできる。具体的には、元々のアニマトロニックショー要素112(例えば、ハードウェアコンポーネント22)を、アップデートされたアニマトロニックショー要素112に交換することができる。このような実施形態では、元々のアニマトロニックショー要素112が第1の機能及び特殊効果の組に関連することができ、アップデートされたアニマトロニックショー要素112が第2の機能及び特殊効果の組に関連することができる。例えば、元々のアニマトロニックショー要素12は、複数の四肢のうちの1つ又は2つ以上を作動させ、水を噴き出すことができるのに対し、アップデートされたアニマトロニックショー要素112は、複数の四肢のうちの1つ又は2つ以上を作動させ、特定の光効果を発し、特定の効果音を発し、蒸気を噴き出すことができる。いくつかの実施形態では、アップデートされたアニマトロニックショー要素112が実装されると、アップデートされたアニマトロニックショー要素112が元々のアニマトロニックショー要素112と同じ接続を利用することができる。すなわち、本明細書で説明したように、元々のアニマトロニックショー要素112及びアップデートされたアニマトロニックショー要素112は、いずれもLRU72、標準取り付け点、モジュール設計、及び元々のアニマトロニックショー要素112を交換(例えば、更新)する効率を高めるその他の特徴を利用することができる。アップデートされたアニマトロニックショー要素112が元々のアニマトロニックショー要素112に取って代わると、新たなアニマトロニックショー要素112は、アップデートされたアニマトロニックショー要素112がイベント(例えば、信号)の生成及び受信を行って遊園地システム50と通信できるように遊園地システム50に登録することができる。実装されて登録されると、遊園地システム50は、アップデートされたアニマトロニックショー要素112の利用可能な機能の通知を受け取って、アップデートされたアニマトロニックショー要素112の利用可能な機能を作動させる(例えば、ラッパー64のうちの1又は2以上を介してイベント/信号を送信する)ように構成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、元々のコンポーネント(例えば、元々のアニマトロニックショー要素112)の1又は2以上の部分のみをアップデート(例えば、交換)して元々のコンポーネントをアップデートすることもできる。
【0038】
なお、本発明で使用したいくつかの例では、乗り物車両102、ハンドル104、ゲームフロア106、特殊効果システム110、アニマトロニックショー要素112及びショークロック114などの特定のハードウェアコンポーネント22及びソフトウェアコンポーネント24の使用について説明したが、コンポーネントを変更又は更新するためのコンポーネント実装プロセス90(
図3)などの関連する方法は、遊園地10内の他のあらゆる好適なコンポーネントに適用することができると理解されたい。一般に、コンポーネント(例えば、ハードウェアコンポーネント22及び/又はソフトウェアコンポーネント24)の変更は、遊園地システム50が選択的に機能を引き起こすことができるように、コンポーネントの変更に関連する機能を登録することができる。
【0039】
本明細書では、本実施形態のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に該当する全てのこのような修正及び変更を含むものであると理解されたい。さらに、開示した実施形態のいくつかの要素は、互いに組み合わせ、又は入れ換えることもできると理解されたい。
【0040】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0041】
10:遊園地
22:ハードウェアコンポーネント
24:ソフトウェアコンポーネント
26:メモリデバイス
28:コントローラ
30:プロセッサ
32:通信システム
52:ゲーム層
54:ソフトウェアアーキテクチャ層
56:ハードウェアアーキテクチャ層
58:ゲーム
60:ゲームAPI
62:ラッパーAPI
64:ラッパー
70:汎用インターフェイスバス(GPIB)
72:列線交換ユニット(LRU)
73:センサ