(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】軌道のレールの実際位置を求めるための方法
(51)【国際特許分類】
B60M 1/28 20060101AFI20230925BHJP
B61L 23/04 20060101ALI20230925BHJP
B61L 25/00 20060101ALI20230925BHJP
E01B 35/00 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
B60M1/28 R
B61L23/04
B61L25/00
E01B35/00
(21)【出願番号】P 2020564098
(86)(22)【出願日】2019-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2019061178
(87)【国際公開番号】W WO2019228742
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-02
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ビュアガー
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/087931(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/215777(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60M 1/28
E01B 35/00
B61L 23/04
B61L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール走行車両(1)上に配置された、軌道(3)および隣接する設備(10,11)の位置を検出するための光学的なセンサ装置(7)を用いて、前記軌道(3)のレール(2)の実際位置を求めるための方法であって、
前記センサ装置(7)を用いて、1つの軌道区分(24)のために、前記軌道(3)の延在形状および前記隣接する設備(10,11)、特に架空線設備(10)の延在形状を暫定的な実際データとして検出し、少なくとも1つの隣接する設備(10,11)の検出された延在形状を、設定された幾何学形状を有する延在形状に変換することにより、評価装置(23)において前記暫定的な実際データを補正された実際データに変換することを
含み、
支柱ブラケット(16)における2つの取付け位置(15)の間での前記架空線設備(10)の架線(13)の検出された前記延在形状のために、直線を幾何学形状として設定することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記架線(13)の検出された前記延在形状のために最大の曲率を有する位置を求めることにより、1つの支柱ブラケット(16)におけるそれぞれの前記取付け位置(15)を検出する、請求項
1記載の方法。
【請求項3】
前記架線(13)の前記延在形状を、架線エッジの延在形状として検出する、請求項
1または
2記載の方法。
【請求項4】
検出されたプラットフォームエッジ(27)のために、直線を幾何学形状として設定する、請求項1から
3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
2つの支柱先端部の間の非常時給電ライン(19)のために、懸垂曲線を幾何学的な形状として設定する、請求項1から
4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記センサ装置(7)を用いて、前記軌道(3)に沿った前記レール
走行車両(1)の走行中に
、軌道軸線(26)に対してほぼ横方向に延びる表面プロフィールを検出し、該検出に基づいて暫定的な実際データとして、前記軌道(3)および前記隣接する設備(10,11)の点群(25)を保存する、請求項1から
5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記評価装置(23)において調整されたアルゴリズムを用いて、前記点群(25)から前記架線(13)および前記レール(2)の表面点を抽出する、請求項
6記載の方法。
【請求項8】
前記評価装置(23)は、対応する支柱ブラケット(16)における前記架線(13)のそれぞれの取付け位置(15)のために、絶対的な位置を設定する、請求項1から
7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記センサ装置(7)を用いて、前記軌道(3)の隣に配置された少なくとも1つの定点マーカ(20)を検出する、請求項1から
8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記レール
走行車両(1)に配置された慣性測定ユニット(22)またはクリノメータにより、前記軌道(3)のカントを検出する、請求項1から
9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記軌道(3)の前記延在形状を、レールエッジの延在形状として検出する、請求項1から
10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
請求項1から
11までのいずれか1項記載の方法を実施するためのシステムであって、
センサ装置(7)が、軌道(3)の延在形状および隣接する設備(10,11)の延在形状を検出するように調整されており、検出工程により得られた暫定的な実際データが評価装置(23)に供給され、該評価装置(23)が、少なくとも1つの隣接する設備(10,11)の検出された延在形状を設定された幾何学形状を有する延在形状に変換することにより補正された実際データを計算するように調整されていることを特徴とする、方法を実施するためのシステム。
【請求項13】
レール
走行車両(1)において、軌道カントを検出するための慣性測定ユニット(22)またはクリノメータがレール走行装置(4)に配置されている、請求項
12記載のシステム
。
【請求項14】
前記光学的なセンサ装置(7)はレーザスキャナを含む、請求項
12または
13記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道および隣接する設備の位置検出のための、レール車両上に配置された光学的なセンサ装置を用いて、軌道のレールの実施位置を求めるための方法に関する。さらに本発明は、方法を実施するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
軌道上部構造(Gleisoberbau)の保守のために、定期的な点検が必要である。劣化を判断し、場合によっては保守措置のための基準量を導き出すために、軌道の現在位置が規則的な間隔で測定される。これは、通常、軌道測定車両により行われ、軌道測定車両には、複数の測定システムが配置されている。軌道の表面輪郭およびその周囲を検出するために、特別な光学的なセンサ装置が使用される。
【0003】
オーストリア国特許出願公開第514502号明細書には、軌道定点の位置を求めるために軌道に沿って連続的に運動するレーザスキャナが使用される測定システムが記載されている。検出された定点マーカに対する間隔に基づき、レール走行装置を用いて走査された軌道の現在位置が目標位置に関連して評価される。
【0004】
オーストリア国特許出願公開第518692号明細書も、レール車両に配置されたレーザスキャナを開示している。このレーザスキャナを用いて、軌道の走行中に、この軌道の表面輪郭および軌道の周囲を検出する。結果として、それぞれの点座標が、まずレーザスキャナと一緒にガイドされる座標システムに関連付けられている点群が生じる。
【0005】
したがって、軌道および軌道の周囲のこのような検出時に、この一緒にガイドされる座標システムの運動も定置または慣性の基準システムに関して検出する必要性が生じる。具体的には、曲線(Bogen)補正、高低変位(Laengshoehe)補正およびカント(Ueberhoehung)補正が行われなければならない。なぜならば、レーザスキャナは、軌道曲線を通過中に、レール車両と一緒に運動するからである。曲線走行中の位置変更は、たとえば慣性測定ユニットを用いて検出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式のレール車両のために、先行技術に対する改善を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は、請求項1および請求項13に記載の特徴によって解決される。本発明の有利な構成は従属請求項に記載されている。
【0008】
センサ装置を用いて、1つの軌道区分のために、軌道の延在形状および隣接する設備、特に架空線設備の延在形状を暫定的な実測データとして検出し、少なくとも1つの隣接する設備の検出された延在形状を、設定された幾何学形状を有する延在形状に変換することにより、評価装置において暫定的な実際データを補正された実際データに変換することが規定されている。この形式で、既知の幾何学的形状を有する既存のインフラ設備の一緒に検出された位置データを使用し、これにより、データ補正を実施することができる。データ検出中のセンサ装置の運動により発生する実際データの歪みは、付加的な手間なしに補償される。したがって、センサ装置またはレール車両の運動の別個の検出は不要である。
【0009】
支柱ブラケットにおける2つの取付け位置の間での架空線設備の架線の検出された延在形状のために、直線を幾何学形状として設定すると、実際データの変換にとって有利である。架線内のプリロードにより、架線は風が吹いた場合またはパンタグラフによって荷重が加えられた場合でもその形状を維持し、直線状の延在形状からの僅かなずれは無視することができる。
【0010】
支柱ブラケットにおけるそれぞれの取付け位置を自動的に検出するためには、架線の検出された延在形状のために最大の曲率を有する位置を求めると有利である。通常は、取付け位置において架線の方向変更が行われるので、架線は水平方向の平面内でジグザグ形に延びている。これにより、パンタグラフの黒鉛すり板に溝が入ることが回避される。架空線設備のこの特徴は、検出された架線の延在形状に基づいて、取付け位置または支柱ブラケットの位置を規定するために、使用することができる。
【0011】
方法の精度をさらに向上させるために、架線の延在形状を、架線エッジの延在形状として検出すると、有意である。このことは、特に高解像度のセンサ装置の使用時に有利である。特に、架線下エッジが、たとえば水平方向の回転軸線を有するレーザスキャナを用いて正確に検出される。
【0012】
別の有利なバリエーションは、暫定的な実際データを補正された実際データに変換するために、検出されたプラットフォームエッジについて直線を幾何学形状として設定することを規定している。各駅の領域では、外部要因の影響を受けないインフラ設備を、データ変換を実施するために使用することができる。
【0013】
2つの支柱先端部の間に非常時給電ラインが存在している場合、この非常時給電ラインも、データ変換を実施するために有利に使用される。非常時給電ラインのために、懸垂曲線が幾何学的形状として設定される。この形式で、少なくとも横方向での検出された軌道延在形状の十分な補正が実施可能である。
【0014】
別の改善時に、軌道に沿ったレール車両の走行中に、センサ装置を用いて、軌道軸線に対してほぼ横方向に延びる表面プロフィールを検出し、これに基づいて暫定的な実際データとして、軌道および隣接する設備の点群を保存する。対応するデータの処理のために、高速なデータ変換を可能にする効率的なアルゴリズムが知られている。また、データ量を減らすために、抽出法を使用することができる。たとえば、レールおよび架線の表面点だけがさらに処理される。点群の保存は、効率的なデータ処理を確保するために、評価ユニットにおいて行われると有利である。
【0015】
点群に基づいて、評価装置において調整されたアルゴリズムを用いて、架線およびレールの表面点を抽出すると有利である。これは、たとえば、自動パターン認識によって、または点群のセマンティックセグメンテーションによって生じる。これにより、暫定的な実際データを補正された実際データに変換するために、計算の手間が減少する。
【0016】
方法の1つの変化形では、評価装置は、対応する支柱ブラケットにおける架線のそれぞれの取付け位置のために、絶対的な位置を設定する。したがって、センサ装置を用いて検出された対応する取付け位置の座標は、正しい位置で定置の座標システムに変換可能である。これは、有利には、データ変換の途中で生じる。結果として、修正された実際データは全て、検出された延在形状の正しい絶対的な位置を再現している。
【0017】
これ対して代替的に、または精度を向上させるために、センサ装置を用いて、軌道の隣に配置された少なくとも1つの定点マーカを検出すると有意である。この形式で、検出された延在形状の絶対的な位置を特定するために、別の基準が使用される。この場合に、架空線設備の既に検出された取付け位置は、対応する支柱に取り付けられた定点マーカのおおよその位置を示す。
【0018】
方法の1つの変化形は、レール車両に配置された慣性測定ユニット(IMU)またはクリノメータにより、軌道のカントが検出されることを規定している。この測定装置は、有利には、レール走行装置に配置されている。これより検出されたカント値は、実績データの補正に加えて、保守措置の計画および実施のために使用することができる。
【0019】
軌道の実際位置を求める場合の精度を高めるために、軌道の延在形状を、レールエッジの延在形状として検出すると、有意である。このために、たとえば、評価装置にパターン認識ソフトが備えられており、これにより、検出された実際データを予め設定されたレールプロフィールと比較してレールエッジ延在形状を決定することができる。
【0020】
上述の1つの方法を実施するための本発明に係るシステムは、センサ装置が、軌道の延在形状および隣接する設備の延在形状を検出するように調整されており、検出工程により得られた暫定的な実際データが評価装置に供給され、評価装置が、少なくとも1つの隣接する設備の検出された延在形状を設定された幾何学形状を有する延在形状に変換することにより補正された実際データを計算するように調整されていることを規定している。このようなシステムは、データ検出中に発生するセンサ装置の運動を補償するための付加的な測定装置を必要としない。
【0021】
このシステムの有利な1つの特徴は、軌道カントを検出するための慣性測定ユニット(IMU)またはクリノメータがレール走行装置に配置されていることを規定している。IMUの運動は3次元空間において正確に検出され、定置基準システムに対して連続して位置を求めるために役立つ。これにより、IMUおよびクリノメータは、軌道カントの正確な測定値を供給する。
【0022】
システムの1つの変化形は、光学的なセンサ装置が、特に水平方向に位置調整された回転軸線を有するレーザスキャナを含むことを規定する。これにより、軌道延在形状および隣接するインフラ施設の高解像度の位置データを、レール車両の走行中に効率的な形式で検出可能である。
【0023】
本発明を以下に例示的な形式で添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】センサ装置を有するレール車両を概略的に示す側面図である。
【
図2】検出すべき軌道区分を上から概略的に示す平面図である。
【
図3】検出された一時的な実際データを点群として概略的に示す図である。
【
図4】補正された実際データを点群として概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、軌道3のレール2の実際位置を求めるための、簡略的に図示されたレール車両1の前方区分を示している。このレール車両1は、たとえば測定車両、保守車両または測定技術的な補助装置を備えたその他のレール車両である。レール走行車両1は、レール走行装置4を用いて軌道3上を走行可能であり、車両構造6を含む車両フレーム5を有している。車両構造6の前面には、センサ装置7が配置されている。このセンサ装置7は、たとえばレーザスキャナ8を備えている。レーザビームは、車両長手方向に位置調整された回転軸線9を中心として回転し、タイミング制御された時間間隔で、隣接する設備10,11と一緒に軌道3の表面点に対する距離を測定する。
【0026】
車両構造6上には、レール車両1に架空線設備10(Oberleitungsanlage)を介してエネルギを供給するためのパンタグラフ12が配置されている。架空線設備10は、架線13およびちょう架線14を含む。規則的な間隔で取付け位置15が配置されており、架線13は取付け位置15において支柱17のそれぞれ1つの支柱ブラケット16に取り付けられている。支柱ブラケット16の間で、架線13はハンガ18を用いてちょう架線14に懸架されている。さらに、支柱先端部から支柱先端部へといわゆる非常時給電ライン(Spitzenleitung)19が延びている。
【0027】
軌道または架空線設備10の絶対的な位置を記録するために、通常は定点マーカ20が使用される。定点マーカ20はたとえば支柱17に取り付けられている。配置図に、この定点マーカ17の正確な位置が記録される。本発明のためには、さらに、取付け位置15のために絶対的な位置座標が測定され記録されていると有利である。
【0028】
軌道カントを検出するために、レール走行装置4は、測定フレーム21を備えている。測定フレーム21には、慣性測定ユニット(IMU)22が配置されている。測定フレーム21は車軸に直接に連結されているので、測定フレーム21は、相対運動なしに軌道延在形状に従う。これに対して代替的には、軌道カントを検出するためにクリノメータが機能することができる。さらに、レール車両1には、測定結果のデータ処理のための評価装置23が配置されている。
【0029】
図2は、本発明の教示を具体的に示すために、過度に強調された曲線曲率または座屈(Verwerfung)を有する軌道区分24を上から見た平面図で示している。この軌道区分24の走行時に、レーザスキャナ8は、軌道3の表面プロフィール、架空線設備10およびたとえばプラットフォーム11のような別の設備の表面プロフィールを検出する。具体的には、検出された各点のために、センサ装置7の基準システム内の座標が検出され、この結果、軌道区分24全体のために1つの点群25が形成される。
【0030】
センサ装置7の基準システムが、データ検出中に車両フレームと一緒に運動するので、点群25は、当初は
図3に図示されているように歪んでいる。レーザスキャナ8の回転軸線9が軌道軸線26に対してほぼ接線方向に延びているので、レール2はほぼ直線に見える。軌道3の実際に存在する曲線曲率のために、検出された別の全ての設備10,11が湾曲されて検出され、暫定的に測定されたこの外見上の曲率は、軌道3の曲線曲率に関連付けられる。特に、架線13の記録された外見上の曲率は、本来の軌道曲率に関連付けられる。さらに、3次元の空間における架線13の延在形状の記録により、軌道3の長手方向の縦断勾配が検出される。
【0031】
センサ装置7を用いて検出された暫定的な実際データは、補正された実際データへの変換を実施するために、評価装置23に供給される。このために、まず、架線13の取付け位置15が求められる。ジグザグ形の配置に基づいて、これは、最大の曲率を有する位置である。別の方法のために、架線13が取付け位置15の間で直線の形で延びているという設定が行われる。風荷重またはパンタグラフ12の接触力による僅かなずれは、通常、無視することができる。精度を向上するために、これらの影響因子を測定し、計算上の補正が行われる。
【0032】
暫定的に、架線13の延在形状を示す点群25の点は、折れ線(Polygonzug)を形成している。データ変換時に、この折れ線は、1つの共通の基準システムにおいて設定された直線に沿って位置調整される。折れ線の各セグメント(区間)が計算によってずらされ、回転される。さらに、点群25のうちの、各セグメントに対する垂直平面上に位置する全ての点が、対応して一緒にずらされかつ一緒に回転される。この形式により、点群25の全ての点が変換され、結果として補正された実際データが存在する。したがって、
図4に図示された変換された点群は、軌道3の本来の曲率を再現している。
【0033】
検出された別の延在形状は、対応する方法で、架線の延在形状の代わりに実際データを変換するために参照することができる。たとえば、プラットフォーム11の検出されたエッジ27のために、幾何学的形状として直線を設定することができる。または、支柱17から支柱17までの非常時給電ライン19のために、下向きに垂れ下がった懸垂曲線(Seilkurve)が設定される。検出された複数の設備10,11のためにも、対応する幾何学的形状を設定することができる。データ変換中の折れ線セグメントの位置調整のために、全ての設定に最も一致する最適解が求められる。
【0034】
方法の別の改善は、配置図に記載されている架線13の取付け位置15の絶対的な座標がデータ変換時に使用されることを規定している。これらの基準点は、共通の基準システムにおいて、架線13の外見上の延在形状の位置調整のためにそれぞれの直線の位置を規定する。その場合、結果として得られる補正された実際データは、正しい曲率を再現するだけでなく、地形における正しい位置も再現する。
【0035】
絶対的な位置を規定するために、定点マーカ20が点群25に含まれている場合、定点マーカ20も参照することもできる。点群25における対応する表面点の認識は、架空線設備10またはプラットフォーム11のエレメントの場合と同様に、セマンティックセグメンテーションまたはパターン認識により行われる。
【0036】
データ変換の監視のために、点群25をモニタ27に表示することができる。
図4は、検出された軌道区分24の点群25を、暫定的な実際データを用いて中心視野で示している。