(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/68 20060101AFI20230925BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20230925BHJP
A61K 8/46 20060101ALN20230925BHJP
A61K 8/60 20060101ALN20230925BHJP
A61Q 5/02 20060101ALN20230925BHJP
A61Q 19/10 20060101ALN20230925BHJP
【FI】
G01N33/68
G01N33/483 C
A61K8/46
A61K8/60
A61Q5/02
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2020564867
(86)(22)【出願日】2019-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2019067047
(87)【国際公開番号】W WO2020002453
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-26
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】エーンジャー,ニコラス・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ガルピン,アニー・ジェイ
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-530876(JP,A)
【文献】特開2012-242155(JP,A)
【文献】特開平06-180311(JP,A)
【文献】特表平04-505805(JP,A)
【文献】特開2019-097446(JP,A)
【文献】特許第2934318(JP,B2)
【文献】特表2017-518752(JP,A)
【文献】特表2008-506728(JP,A)
【文献】特表2016-508961(JP,A)
【文献】特表2019-514891(JP,A)
【文献】特許第3675846(JP,B2)
【文献】特開2017-223592(JP,A)
【文献】Rishi Paliwal,Zein in controlled drug delivery and tissue engineering,Journal of Controlled Release,2014年,Vol.189,Page.108-122
【文献】S.K. Mehta,Significant effect of polar head group of surfactants on the solubilization of Zein in mixed micellar (SDS-DDAB) media,Colloids and Surfaces B: Biointerfaces,2010年,Vol.81,Page.74-80
【文献】眼刺激性試験代替法評価委員会,眼刺激性試験代替法フルオレセイン漏出試験法 (Fluorescein leakage test method;FL 試験法)の 第三者評価報告書,2012年06月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/68
G01N 33/483
A61K 8/46
A61K 8/60
A61Q 5/02
A61Q 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤の刺激性を測定する方法であって、
i)a)非変性トウモロコシタンパク質で水性アルコールに可溶なタンパク質、およびb)タンパク質(a)に特異的なタンパク質結合色素を水性アルコールに溶かし、タンパク質-色素複合体溶液とし、水性アルコールを除去して固体タンパク質-色素複合体を形成することにより、a)及びb)を含む固体タンパク質-色素複合体を調製するステップ、
ii)界面活性剤の水溶液を提供し、第1の色の測定
として、前記界面活性剤の水溶液の色の測定を行うステップ、
iii)前記界面活性剤の水溶液に前記固体タンパク質-色素複合体を加え、第2の色の測定
としてこの水溶液の色の測定を行い、第1の色の測定と第2の色の測定の間の色の変化を測定するステップ、および
iv)色の変化を基準スケールとマッチングさせるステップ
を含
み、
前記a)のタンパク質は、ゼイン粉末であり、
前記b)のタンパク質結合色素は、クマシーブルーRである、
前記方法。
【請求項2】
色の変化を基準スケールとマッチングさせる追加ステップが、溶液中の色の強度に基づいて、界面活性剤の刺激性の決定を可能にする、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
基準スケールが、各々が異なるレベルの刺激性を示す、一連のアルファベットと数字記号、および、各々のパッチが刺激性の上昇レベルに対応する、強度が増加する一連の着色パッチから選択される、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(iii)の下で決定された刺激性のレベルに基づいて製品を推奨する追加のステップを含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記界面活性剤が、2以上の界面活性剤の混合物である、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
界面活性剤が、ヘアトリートメント組成
物に含まれる、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
界面活性剤が、シャンプーに含まれる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
本発明の方法の1つまたは複数のステップ
における前記界面活性剤の水溶液の1つまたは複数の画像を捕捉し、1つまたは複数の画像を
記録可能媒体に保存および/または伝達するステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、界面活性剤の刺激性を判定するための改良された方法に関する。この方法は、パーソナルケアの分野で特に適している。
【背景技術】
【0002】
背景と先行技術
一般的な臨床検査では、タンパク質が存在すると色調が変化する化学的指標を用いる。色の変化の強さは存在するタンパク質の量を示す。一般的に使用される指標の1つはビシンコニン酸(BCA)である。毛髪から溶出したタンパク質のペプチド結合は銅と反応し、Cu2+をCu1+に還元してBCAと反応させて紫色の複合体をつくる。その強さはタンパク質の量、したがって毛髪へのダメージの程度を示す。
【0003】
国際公開公報第11/146461号(Procter & Gamble)は、水溶液で毛髪試料からタンパク質断片を溶出し、水溶液にタンパク質指示薬を加えて視覚指標を提供し、当該視覚指標を目盛に照らし合わせて、水溶液中に存在する溶出タンパク質断片の量を求めることにより、毛髪損傷を証明する方法を開示している。
【0004】
いわゆる「ゼインタンパク質」に基づく別の試験は、界面活性剤または界面活性剤ベースの製品(シャワーゲル、シャンプー、石鹸、洗浄液など)の刺激性(ざらつき(harshness))の決定を可能にする。ゼインタンパク質は、皮膚および毛髪に存在するケラチンに類似した黄色トウモロコシタンパク質である。その物理化学的特性は、例えば、Metha, S.K. et al: “Significant effect of polar head group of surfactants on the solubilization of Zein in mixed micellar (SDS-DDAB) media”; Collids and Surfaces B:Biointerfaces 81 (2010 74-80)に記載されている。製品の皮膚刺激性とタンパク質変性能は溶存タンパク質の量に直接比例する。典型的には、タンパク質をまず色素で処理し、界面活性剤の水溶液と組み合わせる。界面活性剤の刺激性のレベルは、放出される染料の量によって示され、より暗い溶液がより刺激性の強い組成を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Metha, S.K. et al: “Significant effect of polar head group of surfactants on the solubilization of Zein in mixed micellar (SDS-DDAB) media”; Collids and Surfaces B:Biointerfaces 81 (2010 74-80)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行技術にもかかわらず、例えばヘアトリートメント製品の販売場所、またはサロン環境において、十分に迅速であり、実験室以外の条件下で容易に実施できる試験が依然として必要である。このような試験は、界面活性剤含有製剤の刺激レベルを消費者個人に直接説明し、適切な製品推奨を行うことを可能にする。
【0008】
われわれは今回、タンパク質結合色素を含む事前に調製した固形タンパク質試料を用いて、溶出したタンパク質の量を定量し、できれば刺激基準スケール(例えばb値に基づく)を参照することにより、界面活性剤の刺激性をより迅速に測定できることを見出した。この方法は、実験室以外の環境の範囲で、携帯可能で容易かつ迅速に実施できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の記載
第一の態様において、本発明は、以下のステップを含む、界面活性剤の刺激性を測定する方法を提供する:
i)a)非変性トウモロコシタンパク質で水性アルコールに可溶なタンパク質、およびb)タンパク質(a)に特異的なタンパク質結合色素を水性アルコールに溶かし、タンパク質-色素複合体溶液とし、水性アルコールを除去して固体のタンパク質-色素複合体を形成することにより、a)及びb)を含む固体タンパク質-色素複合体を調製するステップ、
ii)界面活性剤の水溶液を提供し、第1の色の測定を行うステップ、
iii)前記界面活性剤の水溶液に前記固体タンパク質-色素複合体を加え、第2の色の測定を行い、第1の色の測定と第2の色の測定の間の色の変化を測定するステップ、および
iv)色の変化を基準スケールとマッチングさせるステップ。
【0010】
(a)非変性トウモロコシタンパク質および(b)タンパク質(a)に特異的に結合するタンパク質を含む固体タンパク質-色素複合体は、a)およびb)を水性アルコールに溶解してタンパク質-色素複合体の溶液を形成するステップ;ならびに水性アルコールを除去して固体タンパク質-色素複合体を形成するステップを含む調製方法から得られる。
【0011】
好ましくは、固体タンパク質-色素複合体は、複数、すなわち少なくとも2つ、好ましくは2から100の個々の単位として形成される。単位の大きさ及び形状は、本発明の第一の態様の方法のステップ(iii)を実施するのに適しているようなものである。好ましいサイズは、5~100mm、より好ましくは10~50mmの最大寸法を有する。単位は任意の所望の形でよく、好ましくは円盤形、球状円錐形、文字形、数字形およびロゴ形から選択される。
【0012】
1つの実施形態において、複数のユニットが均一なサイズおよび形状で提供される。固体タンパク質-色素複合体は、好ましくは2以上の単位、好ましくは2~100の固体タンパク質-色素複合体を含むパックにパッケージされてもよい。
【0013】
本発明の組成物および方法の利点は、固体タンパク質-色素複合体が、経時的に、好ましくは少なくとも6ヶ月間、より好ましくは少なくとも1年間、周囲温度で安定であることである。したがって、予め調製し、例えば、ステップ(iii)から始まる方法を行うことができるように、実演説明または測定の現場に輸送することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の概要
方法
本発明の方法は、界面活性剤の刺激性を測定する。
【0015】
本発明の方法は、溶液中の色の強度に基づいて、界面活性剤の刺激性を決定するために、色を基準スケールと一致させる追加のステップを含む。基準スケールには、一連のアルファベットと数字記号が含まれ、それぞれ異なるレベルの刺激性を示している。あるいは、強さが増す一連の色のパッチで、各パッチが刺激性の上昇レベルに相当する。
【0016】
基準スケールはデジタルスケールであり得る。色の基準スケールへのマッチングは、例えば、撮像デバイスまたはスマートフォンカメラを使用することによって、電子手段によって行うことができる。
【0017】
基準スケールにマッチングする他の適切な手段としては、視覚評価、写真手段、吸光度または透過率測定(例えば、電子装置を用いる)、分光光度計または蛍光光度計、およびCIE-LAB色空間におけるbパラメータの測定、好ましくはCIE-LAB色空間におけるbパラメータの測定が挙げられる。
【0018】
本発明の方法は、望ましくは、ステップ(iii)の下で決定された刺激性のレベルに基づいて製品を推奨する追加ステップを含む。
【0019】
本発明の好ましい方法は、以下のステップを含む、内部毛髪損傷を測定する方法である:
i)a)非変性トウモロコシタンパク質で水性アルコールに可溶なタンパク質、およびb)タンパク質(a)に特異的なタンパク質結合色素を水性アルコールに溶かし、タンパク質-色素複合体溶液とし、水性アルコールを除去して固体のタンパク質-色素複合体を形成することにより、a)及びb)を含む固体タンパク質-色素複合体を調製するステップ、
ii)界面活性剤の水溶液を提供し、第1の色の測定を行うステップ、
iii)前記界面活性剤の水溶液に前記固体タンパク質-色素複合体を加え、第2の色の測定を行い、第1の色の測定と第2の色の測定の間の色の変化を測定するステップ、
iv)色の変化を基準スケールとマッチングさせるステップ、および
v)ステップ(iii)の下で決定された刺激性のレベルに基づいて製品を推奨するステップ。
【0020】
好ましくは、界面活性剤は、界面活性剤を含む組成物中にある。好ましい実施態様では、界面活性剤を含む組成物は、通常の洗髪およびケアまたは治療レジメの一部として毛髪に適用されることを意図している。好ましくは、組成物は、ヒトの頭髪に使用するためのヘアシャンプーである。
【0021】
任意の濃度の界面活性剤を使用することができるが、好ましくは、原料界面活性剤または界面活性剤を含む組成物は、5~20倍に希釈される。これは使用中の条件を有利に模倣する。例えば実演目的のように、より速い反応が必要な場合には、より高濃度の界面活性剤が使用され得る。
【0022】
1つの実施形態において、方法は、本発明の方法の1つまたは複数のステップの1つまたは複数の画像を取得し、この1つまたは複数の画像を保存および/または伝送するステップを含む。画像は、例えば、CD、フラッシュドライブ又は他のコンピュータ可読メモリのような記録可能媒体又はソーシャルメディア上に記憶することができる。画像は、例えば、一つ以上の可視表示ユニット上に表示されるように送信されることがある。適当な可視表示ユニットには、例えば、モニタ、TVスクリーンおよび/または移動装置スクリーンが含まれる。好ましくは、画像は広告に使用される。
【0023】
タンパク質
タンパク質は、水性アルコールに可溶である非変性のトウモロコシタンパク質、好ましくはゼインタンパク質である。ゼインタンパク質は、例えばメルクから容易に入手できる。
【0024】
タンパク質は、水性アルコール、好ましくはエタノール、好ましくはバイオエタノールに可溶である。
【0025】
タンパク質結合色素
タンパク質結合色素はタンパク質に特異的である。
【0026】
適当な染料には、トリアリールメタン染料が含まれる。好ましいトリアリールメタン染料は、メチルバイオレット色素およびマラカイトグリーン色素から選択される。好ましいメチルバイオレット染料は、メチルバイオレット2B、メチルバイオレット6Bおよびメチルバイオレット10Bから選択される。好ましいマラカイトグリーン染料は、マラカイトグリーン、ブリリアントグリーン、ブリリアントブルー、クーマシーブルーRおよびクーマシーブルーG、好ましくはクーマシーブルーRから選択される。ゼインタンパク質と共に使用するための最も好ましい染料は、クーマシーブルーR染料である。
【0027】
タンパク質およびタンパク質結合色素を水性アルコールに溶解し、タンパク質/色素溶液を形成する。アルコールは、好ましくは1~6個の炭素原子を有し、最も好ましくはエタノールである。
【0028】
次いで、好ましくは蒸発によって、好ましくは例えばオーブン中で空気乾燥することによってアルコールを除去して、固体タンパク質-染料複合体を形成する。適当な手段はタンパク質を変性させない。
【0029】
好ましくは、タンパク質/色素溶液は、乾燥される前に、最初に基材、例えば、形板に適用される。形板の一種はペトリ皿である。次いで、得られた固体タンパク質-色素複合体を、本発明の方法のステップ(iii)において使用する前に取り外すことができる。
【0030】
次いで、固体タンパク質-色素複合体を界面活性剤の水溶液に添加し、好ましくは撹拌せずに一定時間放置する。好ましくは、時間は1~30分であり、より好ましくは1~10分間である。
【0031】
界面活性剤
本発明の方法は、単一の界面活性剤または界面活性剤の混合物の刺激性を決定するために使用することができる。
【0032】
界面活性剤は、好ましい組成物に組み込まれる。本方法は、界面活性剤含有組成物、好ましくはパーソナルケア組成物、好ましくはボディウォッシュ、ヘアクリーニング組成物、手洗いおよび石鹸または家庭ケア組成物から選択される、任意の界面活性剤含有組成物を使用することができ、好ましくは洗濯クリーニング組成物、洗濯液および硬質表面クリーナーから選択される。最も好ましい組成は、毛髪洗浄組成物であり、最も好ましくはシャンプーである。
【0033】
界面活性剤は、それらが溶解される水溶液の表面張力を減少させるように作用する親水性および疎水性部分を有する化合物である。典型的には、本発明の方法において使用するための界面活性剤組成物は、一般に、化粧品として許容され、毛髪への局所適用に適した1つ以上のクレンジング界面活性剤を含む。洗浄界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、両性および両性イオン性化合物およびそれらの混合物から選択され得る。
【0034】
典型的に使用される毛髪クレンジングおよび皮膚クレンジング組成物は、アニオン性クレンジング界面活性剤(例えば、硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルエーテル、スルホン酸アルカリ、N-アルキルサルコシネート、リン酸アルキル、リン酸アルキルエーテル、リン酸アルキルエーテル、アシルアミノ酸ベースの界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸、アシルタウレート、アシルグルタミン酸、グリシネートおよびその塩、特にそれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウムおよびモノ-、ジ-およびトリエタノールアミン塩を含む)を含む。前のリストのアルキル基およびアシル基は一般に8~18個、好ましくは10~16個の炭素原子を含み、不飽和であってもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸並びにそれらの塩は、1分子中にエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位を1~20個含むことがある。
【0035】
洗浄界面活性剤のさらなる非限定的な例としては、非イオン性洗浄界面活性剤;アルキレンオキシド(通常エチレンオキシド)を有し、一般に6~30のエチレンオキシド基を有する脂肪族(C8 - C18)一級または二級の直鎖または分岐鎖アルコールが挙げられる。他の代表的な洗浄界面活性剤としては、モノ-またはジ-アルキルアルカノールアミド(例えば、ココモノ-エタノールアミドおよびココモノ-イソプロパノールアミド)およびアルキルポリグリコシド(APGs)が挙げられる。本発明に使用する適当なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えば、Plantapon 1200およびPlantapon 2000 ex BASFと同定された材料を含む。本発明の方法で使用することができる他の糖由来界面活性剤には、例えば国際公開第92 06154号およびUS 5 194 639に記載されているようなC10 -C18のN-メチルグルカミドのようなCl -C6(N-アルキル)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、およびC10 -C18 N-(3-メトキシプロピル)グルカミドのようなN-アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドが含まれる。
【0036】
洗浄界面活性剤のさらなる非限定的な例には、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキル両性アセテート、アルキル両性プロピオネート、アルキルアミドホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートが含まれ、アルキル基およびアシル基は8~19個の炭素原子を有する。
【0037】
本発明で使用するための組成物に使用する典型的な洗浄界面活性剤には、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、コイルエーテル硫酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウムおよびN-ラウリルサルコシン酸ナトリウム、パレット硫酸ナトリウム、コジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸ナトリウムが含まれる。
【0038】
好ましい洗浄界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびラウリルエーテルカルボン酸、ココベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0039】
上記のアニオン性、非イオン性および両性洗浄界面活性剤のいずれかの混合物も適当であり得る。
[実施例]
実施例
【0040】
本発明の実施形態は、以下の非限定的な例を参照して、ここで例示される。
【0041】
すべての材料はBASFまたはSigma-Aldrich (Merck社)から入手した。ゼイン粉末(10重量%)及びクーマシーブルーR色素(0.1%)をガラス瓶に加え、90:10水エタノール(90エタノール:10水)で100重量%まで調製した。混合物を12時間撹拌しながら分散させて、タンパク質-色素複合体溶液を作製した。
【0042】
タンパク質-色素複合体溶液2gを4つのペトリ皿に添加し、周囲条件下で一晩乾燥させた。次に、タンパク質-色素複合体の乾燥ディスクをペトリ皿から取り出し、必要に応じて保存した。
【0043】
4種類の界面活性剤の希釈物(10重量%)を調製し、コニカミノルタ分光計でCIEL*a*bを用いて各希釈物の最初の色測定を行った。
【0044】
各界面活性剤希釈液にタンパク質-色素複合体のディスクを加え、15分間浸漬した。得られた溶解液の2回目の色測定を得た。第1の色測定と第2色の色測定の間のb*値の減少は青色の増加を示した。b値が低いほどサンプルが青くなり、処方の刺激性が高くなる。各界面活性剤溶液からの3試料を複製として測定した。
【表1】
【0045】
界面活性剤の刺激性の差が、容易かつ迅速に明らかになることが理解される。