(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】凍結乾燥された飲料固化物
(51)【国際特許分類】
A23L 2/00 20060101AFI20230925BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20230925BHJP
A23F 3/26 20060101ALI20230925BHJP
A23F 3/32 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
A23L2/00 W
A23L2/38 J
A23F3/26
A23F3/32
(21)【出願番号】P 2021066162
(22)【出願日】2021-04-08
【審査請求日】2022-04-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田代 洋平
(72)【発明者】
【氏名】和田 真吾
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-015651(JP,A)
【文献】特開平09-275903(JP,A)
【文献】特開2015-119657(JP,A)
【文献】特開平11-000146(JP,A)
【文献】特開平11-196769(JP,A)
【文献】高田茶園茶濃香トップページ,[online], [Retrieved on 12-12-2022], Retrieved from the internet:<URL: https://www.chanoka.shop>
【文献】京都凍結抹茶コロコロ抹茶,[online], [Retrieved on 12-12-2022], Retrieved from the internet:<URL: https://www.chanoka.shop/複製-bistro-tea>
【文献】高田茶園コロコロ抹茶日本語版-You Tube,[online], 10-02-2021 uploaded,[Retrieved on 12-12-2022], Retrieved from the internet:<URL: https://www.youtube.com/watch?v=sBMLFuDX0H4>
【文献】凍結コロコロ抹茶|バイヤーズキッチン,[online], [Retrieved on 22-12-2022], Retrieved from the internet:<URL: https://buyers-kitchen.com/bkselection/94894>
【文献】特願2021-066162号の令和4年11月9日受付の刊行物提出書,pp.5-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A23F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水又はお湯と混合して飲料を調製するための凍結乾燥された飲料固化物であって、
前記飲料固化物がデキストリンを含み、
前記デキストリンのデキストロース当量が6~30であり、
前記飲料固化物中の糖類の含有量が8.5質量%以下であり、
前記飲料固化物の体積が4~50cm
3であ
り、
前記飲料固化物の密度が0.13g/cm
3
より大きく0.40g/cm
3
より小さい、前記飲料固化物(但し、飲料がコーヒーである飲料固化物を除く。)。
【請求項2】
前記飲料固化物が、所定の量の水又はお湯に対する一回用量分ごとに一体化されたものである、請求項1に記載の飲料固化物。
【請求項3】
前記飲料固化物中の前記デキストリンの含有量が0.5~40質量%である、請求項1又は2に記載の飲料固化物。
【請求項4】
前記飲料固化物が、耐湿性の包装材料により包装されたものである、請求項1~
3のいずれかに記載の飲料固化物。
【請求項5】
前記飲料が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、又は穀物茶である、請求項1~
4のいずれかに記載の飲料固化物。
【請求項6】
前記穀物茶が麦茶である、請求項
5に記載の飲料固化物。
【請求項7】
飲料固化物の製造方法であって、
飲料抽出液を準備し、
前記飲料抽出液中にデキストリンを混合し、
得られた混合液を凍結乾燥することを含み、
但し、製造方法全体を通して糖類を添加しない、前記製造方法であって、
前記デキストリンのデキストロース当量が6~30であり、
前記飲料固化物の体積が4~50cm
3であり、
前記飲料固化物の密度が0.13g/cm
3
より大きく0.40g/cm
3
より小さく、
前記飲料固化物は、飲料がコーヒーである飲料固化物ではない、前記製造方法。
【請求項8】
前記飲料が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、又は穀物茶である、請求項
7に記載の飲料固化物の製造方法。
【請求項9】
前記穀物茶が麦茶である、請求項
8に記載の飲料固化物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結乾燥された飲料固化物に関する。
より具体的には、本発明は、水又はお湯と混合して飲料を調製するための凍結乾燥された飲料固化物に関する。
【背景技術】
【0002】
需要者の求めに応じて、即座に提供できる飲料として、粉末を水又はお湯に溶解するインスタントのコーヒーや茶が知られている。
例として、特許文献1には、ペレット状の乾燥茶類が開示されている。また、特許文献2には、食材を小型化したミニブロック食品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭61-152238号公報
【文献】特開2003-52316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術は、茶抽出液に対して糖類を抽出液のブリックス度が20~30の範囲になるように添加することを必要とするものである。特許文献1には、実際に、デキストリンと、乳糖1水和物又は麦芽糖水あめとを併用したものが記載されている(実施例1~3)。
また、特許文献2の技術は、お茶の抽出液に糖類と澱粉及び/又はデキストリンを添加するものである。特許文献2には、実際に、タピオカ澱粉と、ソルビトールと、デキストリンとを併用したものが記載されている(実施例1)。
【0005】
このように従来技術においては、インスタントの乾燥飲料を提供するためには、糖類を使用する必要があったため、無糖の飲料を提供することができなかった。
そこで、本発明は、携帯に適し、水又はお湯と混合して簡便に無糖の飲料を調製できる、新規な飲料固化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、例えばマイボトルに充填する飲料を簡便に調製することを目的として鋭意検討した結果、飲料中の糖類の濃度を低減しつつ飲料にデキストリンを含有させて凍結乾燥することにより、携帯に適し、水又はお湯と混合して簡便に無糖の飲料を調製できる、新規な飲料固化物を提供できることを見出だし、本発明を完成させた。
【0007】
本発明によれば、以下の飲料固化物等を提供できる。
1.水又はお湯と混合して飲料を調製するための凍結乾燥された飲料固化物であって、
前記飲料固化物がデキストリンを含み、
前記飲料固化物中の糖類の含有量が8.5質量%以下である、前記飲料固化物。
2.前記飲料固化物が、所定の量の水又はお湯に対する一回用量分ごとに一体化されたものである、1に記載の飲料固化物。
3.前記飲料固化物中の前記デキストリンの含有量が0.5~40質量%である、1又は2に記載の飲料固化物。
4.前記デキストリンのデキストロース当量が2~30である、1~3のいずれかに記載の飲料固化物。
5.前記飲料固化物の密度が0.13g/cm3より大きく0.40g/cm3より小さい、1~4のいずれかに記載の飲料固化物。
6.前記飲料固化物の体積が4~50cm3である、1~5のいずれかに記載の飲料固化物。
7.前記飲料固化物が、耐湿性の包装材料により包装されたものである、1~6のいずれかに記載の飲料固化物。
8.前記飲料が、緑茶、紅茶、ウーロン茶、穀物茶、又はコーヒーである、1~7のいずれかに記載の飲料固化物。
9.前記穀物茶が麦茶である、8に記載の飲料固化物。
10.1~9のいずれかに記載の飲料固化物を水又はお湯に混合してなる飲料。
11.飲料固化物の製造方法であって、
飲料抽出液を準備し、
前記飲料抽出液中にデキストリンを混合し、
得られた混合液を凍結乾燥することを含み、
但し、製造方法全体を通して糖類を添加しない、前記製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯に適し、水又はお湯と混合して簡便に無糖の飲料を調製できる、新規な飲料固化物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】製造例1-1において調製した緑茶固化物の外観を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の飲料固化物、飲料固化物の製造方法、及び飲料固化物から製造される飲料について、具体的な実施形態を説明する。
本明細書中において、一の特徴についての好ましい態様は、他の一又はそれより多い特徴の好ましい態様と任意に組み合わせることができる。また、「X~Y」と表記する数値範囲は、X以上Y以下の数値範囲を意味するものとし、各パラメータについて、下限値と上限値を任意に組み合わせて数値範囲とすることができる。
【0011】
[飲料固化物]
本発明の飲料固化物は、水又はお湯と混合して飲料を調製するための凍結乾燥された飲料固化物であって、前記飲料固化物がデキストリンを含み、前記飲料固化物中の糖類の含有量が8.5質量%以下であることを特徴とする。
このような構成とすることにより、携帯に適し、水又はお湯と混合して簡便に無糖の飲料を調製できる、新規な飲料固化物を提供することができる。
【0012】
本発明において「飲料」とは、緑茶、紅茶、ウーロン茶、穀物茶(例えば、麦茶)、又はコーヒーをいうものとする。本発明の飲料固化物は、これらの飲料の液体(抽出液)にデキストリンを含有させ、凍結乾燥することにより製造することができる。
【0013】
本発明の飲料固化物は、成型性にすぐれ、凍結乾燥により膨張や破裂することなく成型することができる。また、本発明の飲料固化物は、保形性と耐湿性にすぐれるため、保存適性にすぐれている。さらに、本発明の飲料固化物は、即溶性にすぐれるため、必要なときに所定量の水又はお湯と混合して分散又は溶解させることにより、無糖の飲料を簡便に調製することができる。特に外出先でマイボトルにおいて飲料を調製するのに適している。
【0014】
本発明の飲料固化物は、デキストリンを含むことを特徴とする。デキストリンを含むことにより、凍結乾燥により得られる飲料固化物は、成型性と保形性にすぐれたものとすることができる。
本発明において「デキストリン」とは、デンプンを加水分解して麦芽糖に至るまでの種々の分解生成物をいうものとする。本発明において、デキストリンは、商業的に入手可能なものを使用することができる。
【0015】
本発明の飲料固化物中のデキストリンの含有量(測定値)は、好ましくは、0.5~40質量%であり、より好ましくは、5~40質量%であり、さらに好ましくは、15~40質量%であり、さらにより好ましくは、20~35質量%である。デキストリンの濃度を好ましい範囲に調整することにより、飲料固化物のべたつきやくすみを低減することができ、商品としての美観を好ましいものとすることができる。
【0016】
本発明の飲料固化物中のデキストリンの含有量を測定するためには、飲料固化物を水に溶解して飲料を調製し、これを試料として測定する。本発明において、デキストリン含有量は、試料中のデキストリンを酵素処理により加水分解し、分解されたグルコースの量を測定して、これをデキストリン相当量に換算することにより求めるものとする。具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。尚、デキストリンは酵素処理によらずとも加水分解する可能性があるため、飲料固化物中へのデキストリン配合量と、本発明において採用する測定法によるデキストリン含有量(測定値)とは必ずしも一致しないが、デキストリン含有量(測定値)によっても本発明の飲料固化物を特徴付けられることは、当業者には容易に理解できる事項である。本明細書中、デキストリンの含有量は、特に明記しない場合は、配合量ではなく測定値をいうものとする。
【0017】
本発明において、デキストリンのデキストロース当量(一般に「DE値」ともいう。)は例えば、2~30であり、好ましくは、6~21であり、より好ましくは、10~18である。
デキストロース当量が上記の数値範囲内で低い場合は、低分子化が進んでおらず、デキストリンの分子量は大きいことを意味する。そのため、低デキストロース当量のデキストリンの方が、デキストリンを含有する飲料抽出液の凝固点降下が起こりにくく、これを凍結乾燥する場合において、得られる飲料固化物の発泡や膨張を起こしにくい。すなわち、成型性や保形性を損なうことがない。加えて、低デキストロース当量のデキストリンは、甘味を呈することがないため、無糖飲料を調製するうえで好ましい。一方、低デキストロース当量のデキストリンは溶解性が悪く、得られる飲料固化物の即溶性の点で不利となる。DE値が6以上、好ましくは10以上であれば、この低デキストロース当量のデメリットは回避することができる。また、たとえ低デキストロース当量のデキストリンであっても、デキストロース当量が好適範囲にある他のデキストリンと組み合わせて使用することにより、即溶性にすぐれた飲料固化物を調製することができる。
【0018】
本発明の飲料固化物は、飲料固化物を水又はお湯と混合して調製する飲料の可溶性固形分を含む。また、茶の葉や茎、穀物(例えば、大麦)、コーヒー豆等の飲料原料の微粉砕物を不溶性固形分として含んでいてもよい。
飲料の可溶性固形分は、調製すべき飲料の種類に応じて選択することができ、例えば、緑茶、紅茶、ウーロン茶、穀物茶(例えば、麦茶)、又はコーヒーの可溶性固形分を使用することができる。
可溶性固形分は、茶葉や茎、穀物、コーヒー豆等の飲料原材料から常法にしたがい抽出液を得て、必要に応じて濃縮することにより得ることができる。また、可溶性固形分は、商業的に入手可能なエキス(液体又は濃縮液)や、スプレードライ等により乾燥させたものを使用することもできる。
【0019】
本発明の飲料固化物中において、飲料抽出液由来の可溶性固形分の含有量は、例えば、20質量%以上であり、好ましくは、25~90質量%であり、より好ましくは、30~50質量%である。また、このとき、本発明の飲料固化物から飲料を調製する際の水又はお湯の量は、飲料固化物の質量に対して30~300倍であることが好ましい。
【0020】
本発明の飲料固化物は、飲料固化物中の糖類の濃度が8.5質量%以下であることを特徴とする。これにより、耐湿性を有する飲料固化物を調製することができる。また、得られる飲料固化物を水又はお湯と混合して飲料を調製した場合に甘味を呈することがなく、ナチュラルな風味を有する無糖飲料とすることができる。
本発明において「糖類」とは、単糖類、二糖類、糖アルコールをいうものとする。多糖類、特にデキストリンは、本発明における「糖類」には含まれないものとする。
本発明の飲料固化物は、飲料固化物中の糖類の濃度が8.5質量%以下であることにより、飲料固化物の質量に対して30~300倍の量の水又はお湯と混合した場合に、得られる飲料中の糖類の濃度は、飲料100g中、0.5質量%未満となり、食品表示基準に定めるいわゆる無糖の飲料を調製することができる。
【0021】
本発明の飲料固化物中の糖類の含有量を測定するためには、飲料固化物を水に溶解して飲料を調製し、これを試料として高速液体クロマトグラフィーにより測定する。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の飲料固化物は、飲料固化物中の糖類の濃度が、好ましくは、8.0質量%以下であり、より好ましくは、7.5質量%以下であり、さらにより好ましくは、7.0質量%以下である。
【0022】
本発明の飲料固化物は、その製造過程において、飲料を調製するための材料から同伴される糖類を除いて、糖類を添加しないことが好ましい。
一態様において、本発明の飲料固化物は、特に、ソルビトール、乳糖、麦芽糖を含まないことが好ましく、また、その製造過程において、飲料を調製するための材料から同伴される場合を除いて、ソルビトール、乳糖、麦芽糖を添加しないことが好ましい。
【0023】
本発明の飲料固化物は、粉末ではなく、一回用量分ごとに固化されたものであることが好ましい。一回用量分とは、所定の容量(例えば、250mL、500mL、1L等)の容器(例えば、マイボトル等)を想定して、その容量において所望の濃度の飲料を調製できるような用量をいう。本発明の飲料固化物は、特定の容器の所定の容量を想定して、飲料の濃度を設計することができる。
【0024】
本発明の飲料固化物は、その形状は限定されず、直方体状、立方体状、球状、円柱状、又はその他の任意の形状であることができる。これにより、形状を工夫することで商品としての嗜好性を高めることができる。
【0025】
本発明の飲料固化物の体積は、特に限定されないが、例えば、4~50cm3であり、好ましくは、4~20cm3であり、より好ましくは、4~10cm3である。本発明の飲料固化物は、特定の容量及び寸法を有する容器に投入できるような体積及び寸法であることが好ましく、例えば、マイボトルの容量及び開口部の寸法に応じて適宜設計することができる。
【0026】
本発明の飲料固化物の密度は、好ましくは、0.13g/cm3より大きく0.40g/cm3より小さい。これにより、本発明の飲料固化物の保形性と耐湿性をすぐれたものとすることができる。この範囲よりも小さい場合、耐湿性が悪くなる。また、この範囲よりも大きい場合、耐久性が悪くなる。
本発明の飲料固化物において、密度の下限は、例えば、0.14g/cm3以上、0.15g/cm3以上、0.16g/cm3以上、0.17g/cm3以上、0.18g/cm3以上であることができ、密度の上限は、例えば、0.39g/cm3以下、0.38g/cm3以下、0.37g/cm3以下、0.36g/cm3以下、0.35g/cm3以下、0.34g/cm3以下、0.33g/cm3以下であることができる。
【0027】
本発明の飲料固化物は、保存及び輸送の観点から、包装されていることが好ましい。包装材料は、好ましくは耐湿性のものである。飲料固化物が包装されたものである場合、包装は、一回用量分ごとを独立した包装体で包装したものでもよく、又は、一回用量分ごとに個別に包装したものを複数収容した包装(例えば、PTPシート)であってもよい。
【0028】
[飲料固化物の製造方法]
本発明の飲料固化物は、飲料固化物を構成する材料の混合液を凍結乾燥することにより製造することができる。
具体的には、飲料の抽出液、デキストリン、及び任意の添加物を混合して混合液を調製し、この混合液を適当な容器又は型枠に充填し、大気圧下、-20~-40℃で一晩静置することにより凍結する。次いで、凍結した混合液が解けないように、容器又は型枠ごと130Pa以下の圧力下で、30~70℃にて一晩静置することにより乾燥させる。
但し、本発明の飲料固化物の製造方法においては、糖類は添加しないこととする。
【0029】
飲料の抽出液、デキストリン、任意の添加物は、本発明の一態様である飲料固化物について、それぞれ、説明したとおりである。これらの材料の混合は、均一な混合液を得ることを条件として、当技術分野において既知の任意の手段を用いて、適切な条件を選択して、行うことができる。
容器又は型枠は、凍結乾燥後の飲料固化物が粘着しないで取り出せることを条件として、任意の材質のものを使用することができる。例えば、金属製又はプラスチック製等のものを使用できる。
【0030】
[飲料]
本発明の飲料は、上記説明した本発明の飲料固化物を水又はお湯に混合してなるものである。本発明の飲料は、緑茶、紅茶、ウーロン茶、穀物茶(例えば、麦茶)、又はコーヒーであることができる。
飲料固化物を溶解して飲料を調製する際の水又はお湯の量は、飲用者の嗜好により、調製すべき飲料の濃さに応じて、適宜調整することができる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に何ら限定されるものではない。
【0032】
製造例1-1:緑茶固化物の調製
商業的に入手可能な緑茶葉から熱水を用いて可溶性固形分を抽出し、それを濃縮することで、可溶性固形分濃度(Brix)が20%である緑茶抽出液を準備した。次いで、この緑茶抽出液と、デキストリン(三和澱粉工業株式会社、サンデック#150、デキストロース当量:15~18)とを、表2に示す配合にしたがって混合して、緑茶飲料を調製した。
得られた緑茶飲料を、容積5.54cm3の樹脂製型枠に注ぎ、-35℃で一晩静置することにより凍結した。次いで、凍結した緑茶飲料が融けないように、密閉可能なチャンバーに型枠ごと入れ、チャンバーを密閉した。チャンバー内の圧力を10Pa以下、温度を25℃として、一晩静置して乾燥させ、緑茶固化物を得た。
【0033】
得られた緑茶固化物について、1ブロックあたりの質量[g](ブロック10個の平均値)を測定するとともに、以下の手順にしたがって、デキストリンの含有量、及び単糖の含有量を測定し、成型性、保形性、耐湿性、及び即溶性について評価した。結果を表2に示す。
【0034】
(デキストリンの含有量)
デキストリン含有量は、試料中のデキストリンを酵素処理により加水分解し、分解されたグルコースの量を測定して、これを換算することにより求めた。具体的な手順を以下に説明する。
飲料固化物0.5gをイオン交換水50mLに溶解し、ろ紙(No.5B、東洋濾紙株式会社)を用いてろ過した。このろ液の5mLに99.5%エタノールを90mLと飽和食塩水2~3滴を加え、冷蔵で一晩静置した。
上清をガラス繊維ろ紙(GS-25、東洋濾紙株式会社)を用いてろ過し、90%エタノール40mLを加えて撹拌した後、2000rpmで10分間遠心分離した。上清をガラス繊維ろ紙(GS-25、東洋濾紙株式会社)を用いてろ過し、ろ液の一部を試料としてフェノール硫酸法により低分子糖反応を確認した。低分子糖反応がなくなるまでこの操作を繰り返して、試料から低分子糖を抽出、除去した。
【0035】
ガラス繊維ろ紙の残渣をイオン交換水30mLに回収し、グルコアミラーゼ溶液(AMYLOGLUCOSIDASE(Megazyme,E-AMGDD)1.5gを0.2mol/L酢酸緩衝液(pH4.8)で100mLにして使用)10mLを加え、37℃で2時間酵素反応を行い、反応後の液をろ紙(No.5B、東洋濾紙株式会社)を用いてろ過し、ろ液を試料としてグルコース定量キット(グルコースCII-テストワコー、富士フィルム和光純薬株式会社:ブドウ糖標準溶液濃度0~80μg/mL)を用いてブドウ糖を定量した。測定したブドウ糖の含有量に基づき、以下の式により、デキストリン含有量(測定値)とした。
デキストリン含有量(測定値)=ブドウ糖含有量×0.9
【0036】
デキストリンの加水分解反応は、「デキストリン+n水=nグルコース」と表され、デキストリンの加水分解に必要とされる水の分子数nは、生成するグルコースの分子数nに等しく、理論上、デキストリンの重量は、生成したグルコースの重量から水の重量を差し引くことで求めることができる。水及びグルコースの分子量はそれぞれ18及び180であるため、ブドウ糖(グルコース)の重量に0.9を乗算することで、デキストリンの重量を求めることができる。
【0037】
(糖類の含有量)
緑茶固化物中の糖類(単糖類、二糖類、及び糖アルコール)の濃度は、高速液体クロマトグラフィーにより測定した。具体的な手順を以下に説明する。
飲料固化物1gを水(20~50mL)に溶解し、ろ過(メンブランフィルター)したあと、分析方法1にしたがって高速クロマトグラフィーにより測定した。
【0038】
分析方法1
機種:Chromaster(株式会社日立ハイテクサイエンス)
検出器:蛍光検出器5440(株式会社日立ハイテクサイエンス)
カラム:Shodex Asahipack NH2P-50 4E,φ4.6mm×250mm(昭和電工株式会社)
カラム温度:40℃
移動相: A液:アセトニトリル、B液:水、C液:10%リン酸
グラジエント:
【0039】
【0040】
流量:1mL/min
注入量:10μL
蛍光励起波長:330nm
蛍光測定波長:470nm
ポストカラム:反応液;リン酸、酢酸及びフェニルヒドラジンの混合液(220:180:6)
反応液流量;0.4mL/min
反応温度;150℃
【0041】
単糖(果糖、ブドウ糖、マンノース、アラビノース、ガラクトース、キシロース、ラムノース、リボース、フコース)、二糖(ショ糖、麦芽糖、乳糖)、そして糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、パラチニット、マルトトリイトール、マルトテトライトール)が0.1%以上含まれるかスクリーニングを行い、0.1%以上含まれていた成分を定量分析した。飲料固化物の種類によって、糖類の検出感度は異なるため、測定の精度を上げるために、飲料固化物を溶解する水の量は調節してもよい。ろ液は含まれる糖類の濃度に応じて、希釈してもよいし、しなくてもよい。糖類の分析は前述の方法(分析方法1)でなく、検出感度が十分であれば、以下のような分析条件でもよい。
【0042】
分析方法2
機種:LC-20AD(株式会社島津製作所)
検出器:示差屈折計RID-20A(株式会社島津製作所)
カラム:Intersil NH2,φ3.0mm×150mm(ジーエルサイエンス株式会社)
カラム温度:25℃
移動相:アセトニトリル:水=80:20
流量:0.7mL/min
注入量:5μL
【0043】
分析方法3
機種:LC-20AD(株式会社島津製作所)
検出器:蛍光検出器RF-20AXS(株式会社島津製作所)
カラム:Wakosil 5NH2,φ4.6mm×250mm(ジーエルサイエンス株式会社)
カラム温度:25℃
移動相:アセトニトリル:水=75:25
流量:1mL/min
注入量:2μL
蛍光励起波長:320nm
蛍光測定波長:430nm
ポストカラム:反応液;1%L-アルギニンを含む3%ホウ酸溶液
反応流量;0.7mL/min
反応温度;150℃
【0044】
(成型性)
固化物ブロックの成型性は、任意に10個のブロックを選び、以下の基準により評価した。10個のブロックの評価に差はなかった。
〇:目視により形状を確認して、膨張や破裂がなく直方体状の形状を維持している。
×:目視により形状を確認して、膨張や破裂がみられ、直方体状の形状を維持していない。
【0045】
(保形性)
固化物ブロック5個を65cmの高さから自然落下させ、これを5回行った。落下後のブロックのうち、体積の大きい順に5個を回収した。落下後のブロック5個の重量について、落下前の同じブロック5個の重量に対する重量割合を算出し、以下の基準により評価した。
◎:重量割合が90%以上である。
〇:重量割合が60%以上90%未満である。
×:重量割合が60%未満である。
【0046】
(耐湿性)
固化物ブロックを、温度35℃、湿度60%の環境下に24時間静置し、一辺の長さを測定して、試験前における一辺の長さを基準とした収縮率について以下の基準により評価した。任意に3個のブロックを測定し、その平均値を算出した。
◎:収縮率が2%未満である。
〇:収縮率が2%以上5%未満である。
×:収縮率が5%以上である。
【0047】
(即溶性)
300mLビーカーに300gのRO水を入れ、撹拌機(CORNING社製、PC-420D)を用いて500rpmで撹拌しながら、固化物ブロック1個をビーカーに入れた。固化物ブロックが水に溶けて固形分が見えなくなるまでの時間を測定し、この溶解時間を以下の基準により評価した。ブロック2個について測定し、その平均値を算出した。
◎:溶解時間が30秒未満である。
〇:溶解時間が30秒以上180秒未満である。
×:溶解時間が180秒以上である。
【0048】
表2中、「抽出固形分[g/ブロック]」とは、ブロック1個あたりの緑茶葉(他の表においては飲料原材料)から抽出した可溶性固形分である。「可溶性固形分含有率[質量%]」とは、「抽出固形分」÷「ブロック質量」×100である。「デキストリン含有率[質量%]」とは、「デキストリン含有量の測定値」÷「ブロック質量」×100である。「糖類含有率[質量%]」とは、「糖類(単糖類+二糖類+糖アルコール)の含有量」÷「ブロック質量」×100である。
【0049】
【0050】
図1に、製造例1-1において調製した緑茶固化物の外観写真を示す。
図1において、左から右に、それぞれ試験1~5の緑茶固化物である。
製造例1-1により、緑茶固化物においてデキストリンを含有しない場合(試験1)、耐湿性が著しく低くなることが分かった。一方、デキストリンを含有させた場合(試験2~5)、飲料固化物を良好に調製できるとともに、耐湿性が向上し、特にデキストリン含有率が28%を超えると(試験3~5)耐湿性は著しく高くなることが分かった。試験2~5の固化物を適量の水に溶解した緑茶飲料は、飲用に適するものであった。
【0051】
製造例1-2:緑茶固化物の調製
得られる緑茶固化物の密度が変化するように、表3に示す配合にしたがって、製造例1-1と同様に緑茶固化物を調製した。得られた緑茶固化物について、1ブロックあたりの質量[g](ブロック10個の平均値)を測定するとともに、製造例1-1と同様に、デキストリンの含有量、及び単糖の含有量を測定し、成型性、保形性、耐湿性、及び即溶性について評価した。結果を表3に示す。
【0052】
【0053】
製造例1-2により、緑茶固化物において密度が0.13の場合(試験6)、保形性及び耐湿性が製品としての品質を満たさないことが分かった。密度が低いと重量に対する表面積の割合が増え、湿度の影響を大きく受けると考えられる。密度が0.18以上になると(試験7~10)、成型性、保形性、耐湿性、そして即溶性において優れた製品特性を有することが分かった。但し、密度が0.40以上になると(試験11)保形性が低下することが分かった。密度が高くなると固化物の硬さが増すため、衝撃に対して強くなるが、一方で、自重による衝撃が大きくなると考えられる。試験7~10の固化物を適量の水に溶解した緑茶飲料は、飲用に適するものであった。
【0054】
製造例1-3:緑茶固化物の調製
DE値の異なるデキストリンを用いて、表4に示す配合にしたがって、製造例1-1と同様に緑茶固化物を調製した。得られた緑茶固化物について、製造例1-1と同様に保形性を評価した。また、得られた緑茶固化物を300mLの水に溶解して緑茶飲料を調製し、目視による濁りを観察し、720nmにおける吸光度を測定した。結果を表4に示す。
【0055】
【0056】
DE値が低いデキストリンは老化しやすく、緑茶固化物から緑茶飲料を調製した場合に、老化現象は濁りとして表れる。緑茶固化物から調製した緑茶飲料において、DE値2~5のデキストリン(試験12)は、目視で濁っていることが判別でき、720nmの吸光度では、他の試験サンプルよりも顕著に高い値であった。DE値6以上のデキストリン(試験13~17)では、目視で濁りを確認できなかった。試験13~17の固化物を適量の水に溶解した緑茶飲料は、飲用に適するものであった。
【0057】
製造例2-1:紅茶固化物の調製
緑茶と同じチャノキ(カメリアシ・ネンシス)の葉を完全発酵したものから抽出する紅茶について飲料固化物を調製した。
具体的には、商業的に入手可能な紅茶葉から熱水を用いて可溶性固形分を抽出し、それを濃縮することで、可溶性固形分濃度(Brix)が15.1%である紅茶抽出液を準備した。次いで、この紅茶抽出液と、デキストリン(三和澱粉工業株式会社、サンデック#150、デキストロース当量:15~18)とを、表5に示す配合にしたがって混合して、紅茶飲料を調製した。
【0058】
得られた紅茶飲料を、容積5.54cm3の樹脂製型枠に注ぎ、-35℃で一晩静置することにより凍結した。次いで、凍結した紅茶飲料が融けないように、密閉可能なチャンバーに型枠ごと入れて、チャンバーを密閉した。チャンバー内の圧力を10Pa以下、温度を25℃として、一晩静置して乾燥させ、紅茶固化物を得た。
得られた紅茶固化物について、1ブロックあたりの質量[g](ブロック10個の平均値)を測定するとともに、製造例1-1と同様に、デキストリンの含有量、及び単糖の含有量を測定し、成型性、保形性、耐湿性、及び即溶性について評価した。結果を表5に示す。
【0059】
【0060】
製造例2-1により、紅茶固化物においてデキストリンを含まない場合(試験18)、形を保ったまま乾燥させることができなかった。デキストリン含有率が20%を超えると(試験19、20)、成型性が向上することが分かった。しかし、デキストリン含有率が30%を超えると(試験21)、保形性が低下した。これは、自重が大きくなりすぎることによって、保形性が低下するものだと考えられた。試験19、20の固化物を適量の水に溶解した紅茶飲料は、飲用に適するものであった。
【0061】
製造例2-2:ウーロン茶固化物の調製
緑茶と同じチャノキ(カメリアシ・ネンシス)の葉を半発酵したものから抽出するウーロン茶について飲料固化物を調製した。
具体的には、商業的に入手可能なウーロン茶の茶葉から熱水を用いて可溶性固形分を抽出し、それを濃縮することで、可溶性固形分濃度(Brix)が18.3%であるウーロン茶抽出液を準備した。次いで、この緑茶抽出液と、デキストリン(三和澱粉工業株式会社、サンデック#150、デキストロース当量:15~18)とを、表6に示す配合にしたがって混合して、ウーロン茶飲料を調製した。
【0062】
得られたウーロン茶飲料を、容積5.54cm3の樹脂製型枠に注ぎ、-35℃で一晩静置することにより凍結した。次いで、凍結したウーロン茶飲料が融けないように、密閉可能なチャンバーに型枠ごと入れて、チャンバーを密閉した。チャンバー内の圧力を10Pa以下、温度を25℃として、一晩静置して乾燥させ、ウーロン茶固化物を得た。
得られたウーロン茶固化物について、1ブロックあたりの質量[g](ブロック10個の平均値)を測定するとともに、製造例1-1と同様に、デキストリンの含有量、及び単糖の含有量を測定し、成型性、保形性、耐湿性、及び即溶性について評価した。結果を表6に示す。
【0063】
【0064】
製造例2-2において、ウーロン茶固化物の場合、デキストリンを加えていないと(試験23)、保形性が低いことが分かった。これは製品としての品質に満たないものであった。一方、デキストリンを添加することによって(試験24、25)、保形性は向上し、デキストリン含有率20%以上において良好な結果が得られた。試験24~25の固化物を適量の水に溶解したウーロン茶飲料は、飲用に適するものであった。
【0065】
製造例3:麦茶固化物の調製
穀物茶の例として、麦茶について飲料固化物を調製した。
具体的には、商業的に入手可能な麦茶エキス粉末(佐藤食品工業株式会社、ムギチャエキスM3)を純水に溶解して、可溶性固形分濃度(Brix)が25%である麦茶抽出液を準備した。次いで、この麦茶抽出液と、デキストリン(三和澱粉工業株式会社、サンデック#150、デキストロース当量:15~18)とを、表7に示す配合にしたがって混合して、麦茶飲料を調製した。
【0066】
得られた麦茶飲料を、容積5.54cm3の樹脂製型枠に注ぎ、-35℃で一晩静置することにより凍結した。次いで、凍結した麦茶飲料が融けないように、密閉可能なチャンバーに型枠ごと入れて、チャンバーを密閉した。チャンバー内の圧力を10Pa以下、温度を25℃として、一晩静置して乾燥させ、麦茶固化物を得た。
得られた麦茶固化物について、1ブロックあたりの質量[g](ブロック10個の平均値)を測定するとともに、製造例1-1と同様に、デキストリンの含有量、及び単糖の含有量を測定し、成型性、保形性、耐湿性、及び即溶性について評価した。結果を表7に示す。
【0067】
【0068】
製造例3により、麦茶固化物においてはデキストリン含有率に関係なく、いずれの場合も良好な製品特性を示した。
試験26~29の固化物を適量の水に溶解した麦茶飲料は、飲用に適するものであった。
【0069】
製造例4:コーヒー固化物の調製
商業的に入手可能な焙煎コーヒー豆を熱水で抽出して、可溶性固形分濃度(Brix)が23%であるコーヒー抽出液を準備した。次いで、このコーヒー抽出液と、デキストリン(三和澱粉工業株式会社、サンデック#100、デキストロース当量:10~13)とを、表8に示す配合にしたがって混合して、コーヒー飲料を調製した。
【0070】
得られたコーヒー飲料を、容積5.54cm3の樹脂製型枠に注ぎ、-35℃で一晩静置することにより凍結した。次いで、凍結したコーヒー飲料が融けないように、密閉可能なチャンバーに型枠ごと入れて、チャンバーを密閉した。チャンバー内の圧力を10Pa以下、温度を25℃として、一晩静置して乾燥させ、コーヒー固化物を得た。
得られたコーヒー固化物について、1ブロックあたりの質量[g](ブロック10個の平均値)を測定するとともに、製造例1-1と同様に、デキストリンの含有量、及び単糖の含有量を測定し、成型性、保形性、耐湿性、及び即溶性について評価した。結果を表8に示す。
【0071】
【0072】
製造例4により、コーヒー固化物において、デキストリンを含有させない場合(試験30)は、真空乾燥中に膨張及び発泡が見られ形を保つことが困難であった。一方、デキストリンを加えることによって(試験31~34)、成型性が向上することが分かった。一方、耐湿性においてもデキストリン含有率が高い方が優れた製品特性を有することが分かった。試験31~34の固化物を適量の水に溶解したコーヒー飲料は、飲用に適するものであった。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の飲料固化物によれば、需要者の求めに応じて、即座に簡便に一定容量の飲料を提供することができる。
容器材料に使用する資源の浪費を低減しようとする環境保全の考えが拡がりをみせるなか、自分用の水筒等をマイボトルとして携帯し、マイボトルにおいて本発明の飲料固化物により飲料を調製すれば、環境にも資する点で産業上の利用可能性が高い。