(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】統計的形状モデリング(SSM)を使用した解剖学的対象の発病前特性化
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20230925BHJP
A61F 2/30 20060101ALI20230925BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20230925BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230925BHJP
【FI】
A61B6/03 360J
A61B6/03 360G
A61B6/03 360T
A61F2/30
A61B17/56
G06T7/00 C
(21)【出願番号】P 2021558616
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020023358
(87)【国際公開番号】W WO2020205247
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-11-17
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521418414
【氏名又は名称】ホウメディカ・オステオニクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Howmedica Osteonics Corp.
【住所又は居所原語表記】325 Corporate Drive Mahwah, NJ 07430, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポルタレツキー、セルギー
(72)【発明者】
【氏名】シャウウィ、ジャン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤ、マキシミリアン
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-521164(JP,A)
【文献】特開2011-041656(JP,A)
【文献】特開2016-178986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/03,
A61F 2/30,
A61B 17/56,
G06T 7/00,
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するための方法であって、
形状モデル、解剖学的対象の画像データ、及び解剖学的対象の前記画像データに基づいて生成された整列形状を受信することと、
反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、前記ICPループを実行することは、
前記整列形状を修正することと、
前記修正された整列形状を前記形状モデルと比較することと、
前記比較に基づいてコスト値を決定することと、
M次形状を生成するために前記コスト値がしきい値を満たすまで前記修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、前記M次形状は、前記しきい値を満たす前記コスト値に関連する前記修正された整列形状を備える、
を備える、
弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、前記ERループを実行することは、
前記M次形状と前記形状モデルとを受信することと、
前記M次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第Mのセットの各々の推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、前記複数の推定形状モデルは、前記形状モデルに基づいて生成される、
第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する前記複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記第1の推定形状モデルは、M次形状モデルを備える、
を備える、
前記ERループの反復が第2のしきい値を満たすコスト値を有する最後の推定形状モデルをもたらすまで前記ICPループと前記ERループとからなるグローバルループを繰り返し実行することと、ここにおいて、前記最後の推定形状モデルは、前記解剖学的対象の前記発病前形状である、
を備える、
ここにおいて、Mは前記グローバルループの繰り返し回数であり、
ここにおいて、前記グローバルループを繰り返し実行することは、
前記ICPループについて、前のERループによって決定されたM次形状モデルと前のICPループによって生成されたM次形状とを受信することと、
前記ICPループによって、前記M次形状モデルと前記M次形状とに基づいて現在の(M+1)次形状を生成することと、
前記ERループについて、前記現在の(M+1)次形状と形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記M次形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、
前記形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記M次形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの第(M+1)のセットを生成することと、
前記現在の(M+1)次形状と複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することと、
前記第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記現在の推定形状モデルは、前記ERループによって生成された現在の(M+1)次形状モデルを備える、
を備える、方法。
【請求項2】
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することは、
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、前記それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルの第(M+1)のセットのそれぞれの推定形状モデルと前記現在の(M+1)次形状との間の距離および向きの差を示す、
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、前記内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットのそれぞれ各1つが前記解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、
前記それぞれの距離および向き差分値と前記それぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の推定形状モデルの前記それぞれの第(M+1)のセットの各々が前記解剖学的対象の前記発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、
ここにおいて、前記複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することは、前記それぞれの距離および向き差分値と、前記それぞれの内方化値と、前記それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて前記複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することを備える、
をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記それぞれの重み付け値を決定することは、
【数1】
を計算することを備える、
ここにおいて、
前記推定形状モデルは共分散行列を用いて決定され、Nは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第(M+1)のセットを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、前記形状モデルの固有値に等しく、bは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第(M+1)のセットを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することは、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第(M+1)のセットと前記現在の(M+1)次形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第(M+1)のセットと前記現在の(M+1)次形状との上の前記対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、
前記決定されたそれぞれの距離と前記決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することと
を備える、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの内方化値を決定することは、
前記解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、
前記複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、
前記投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、
前記複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、
前記決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々中の部分を決定することと、
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々中の前記決定された部分からの点を前記横軸に投影することと、
前記投影された点から前記しきい値点までの距離を決定することと、
前記決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの内方化値を決定することと
を備える、請求項2~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのデバイスであって、
形状モデルを記憶するように構成されたメモリと、
処理回路と
を備え、前記処理回路が、
前記形状モデル、解剖学的対象の画像データ、及び解剖学的対象の前記画像データに基づいて生成された整列形状を受信することと、
反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、前記ICPループを実行するために、前記処理回路が、
前記整列形状を修正することと、
前記修正された整列形状を前記形状モデルと比較することと、
前記比較に基づいてコスト値を決定することと、
M次形状を生成するために前記コスト値がしきい値を満たすまで前記修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、前記M次形状は、前記しきい値を満たす前記コスト値に関連する前記修正された整列形状を備える、
を行うように構成された、
弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、前記ERループを実行するために、前記処理回路が、
前記M次形状と前記形状モデルとを受信することと、
前記M次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第Mのセットの各々の推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、前記複数の推定形状モデルは、前記形状モデルに基づいて生成される、
第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する前記複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記第1の推定形状モデルは、M次形状モデルを備える、
を行うように構成された、
前記ERループの反復が第2のしきい値を満たすコスト値を有する最後の推定形状モデルをもたらすまで前記ICPループと前記ERループとからなるグローバルループを繰り返し実行することと、ここにおいて、前記最後の推定形状モデルは、前記解剖学的対象の前記発病前形状である、
を行うように構成された、
ここにおいて、Mは前記グローバルループの繰り返し回数であり、
ここにおいて、前記グローバルループを繰り返し実行するために、前記処理回路が、 前記ICPループについて、前のERループによって決定されたM次形状モデルと前のICPループによって生成されたM次形状とを受信することと、
前記ICPループによって、前記M次形状モデルと前記M次形状とに基づいて現在の(M+1)次形状を生成することと、
前記ERループについて、前記現在の(M+1)次形状と形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記M次形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、
前記形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記M次形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの第(M+1)のセットを生成することと、
前記現在の(M+1)次形状と複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することと、
前記第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記現在の推定形状モデルは、前記ERループによって生成された現在の(M+1)次形状モデルを備える、
を行うように構成された、デバイス。
【請求項8】
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定するために、前記処理回路は、
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、前記それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルの第(M+1)のセットのそれぞれの推定形状モデルと前記現在の(M+1)次形状との間の距離および向きの差を示す、
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、前記内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットのそれぞれ各1つが前記解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、
前記それぞれの距離および向き差分値と前記それぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定することと
を行うように構成された、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記処理回路は、
前記複数の推定形状モデルの前記それぞれの第(M+1)のセットの各々が前記解剖学的対象の前記発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、
ここにおいて、前記複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定するために、前記処理回路は、前記それぞれの距離および向き差分値と、前記それぞれの内方化値と、前記それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて前記複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することを行うように構成された、
を行うように構成された、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記それぞれの重み付け値を決定するために、前記処理回路は、
【数2】
を計算するように構成された、
ここにおいて、
前記推定形状モデルは共分散行列を用いて決定され、Nは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第(M+1)のセットを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、前記形状モデルの固有値に等しく、bは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第(M+1)のセットを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの距離および向き差分値を決定するために、前記処理回路は、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第(M+1)のセットと前記現在の(M+1)次形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第(M+1)のセットと前記現在の(M+1)次形状との上の前記対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、
前記決定されたそれぞれの距離と前記決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することと
を行うように構成された、請求項8~10のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの内方化値を決定するために、前記処理回路は、
前記解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、
前記複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、
前記投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、
前記複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、
前記決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々中の部分を決定することと、
複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々中の前記決定された部分からの点を前記横軸に投影することと、
前記投影された点から前記しきい値点までの距離を決定することと、
前記決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の
推定形状モデルのためのそれぞれの内方化値を決定することと
を行うように構成された、請求項8~11のいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、
形状モデル、解剖学的対象の画像データ、及び解剖学的対象の前記画像データに基づいて生成された整列形状を受信することと、
反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサに前記ICPループを実行させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記整列形状を修正することと、
前記修正された整列形状を前記形状モデルと比較することと、
前記比較に基づいてコスト値を決定することと、
M次形状を生成するために前記コスト値がしきい値を満たすまで前記修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、前記M次形状は、前記しきい値を満たす前記コスト値に関連する前記修正された整列形状を備える、
を行わせる命令を備える、
弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサに前記ERループを実行させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記M次形状と前記形状モデルとを受信することと、
前記M次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第Mのセットの各々の推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、前記複数の推定形状モデルは、前記形状モデルに基づいて生成される、
第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する前記複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記第1の推定形状モデルは、M次形状モデルを備える、
を行わせる命令を備える、
前記ERループの反復が第2のしきい値を満たすコスト値を有する最後の推定形状モデルをもたらすまで前記ICPループと前記ERループとからなるグローバルループを繰り返し実行することと、ここにおいて、前記最後の推定形状モデルは、解剖学的対象の発病前形状である、
を行わせる、
ここにおいて、Mは前記グローバルループの繰り返し回数であり、
ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサに前記グローバルループを繰り返し実行させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記ICPループについて、前のERループによって決定されたM次形状モデルと前のICPループによって生成されたM次形状とを受信することと、
前記ICPループによって、前記M次形状モデルと前記M次形状とに基づいて現在の(M+1)次形状を生成することと、
前記ERループについて、前記現在の(M+1)次形状と形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記M次形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、
前記形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記M次形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの第(M+1)のセットを生成することと、
前記現在の(M+1)次形状と複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定することと、
前記第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記現在の推定形状モデルは、前記ERループによって生成された現在の(M+1)次形状モデルを備える、
を行わせる命令を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記1つまたは複数のプロセッサに、請求項2~6のいずれか一項に記載された方法を行わせる命令をさらに備える、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのシステムであって、
形状モデル、解剖学的対象の画像データ、及び解剖学的対象の前記画像データに基づいて生成された整列形状を受信するための手段と、
反復最接近点(ICP)ループを実行するための手段と、ここにおいて、前記ICPループを実行することは、
前記整列形状を修正するための手段と、
前記修正された整列形状を前記形状モデルと比較するための手段と、
前記比較に基づいてコスト値を決定するための手段と、
M次形状を生成するために前記コスト値がしきい値を満たすまで前記修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すための手段と、ここにおいて、前記M次形状は、前記しきい値を満たす前記コスト値に関連する前記修正された整列形状を備える、
を備える、
弾性登録(ER)ループを実行するための手段と、ここにおいて、前記ERループを実行するための前記手段は、
前記M次形状と前記形状モデルとを受信するための手段と、
前記M次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第Mのセットの各々の推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、ここにおいて、前記複数の推定形状モデルは、前記形状モデルに基づいて生成される、
第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する前記複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定するための手段と、ここにおいて、前記第1の推定形状モデルは、M次形状モデルを備える、
を備える、
前記ERループの反復が第2のしきい値を満たすコスト値を有する最後の推定形状モデルをもたらすまで前記ICPループと前記ERループとからなるグローバルループを繰り返し実行するための手段と、ここにおいて、前記最後の推定形状モデルは、前記解剖学的対象の前記発病前形状である、
を備える、
ここにおいて、Mは前記グローバルループの繰り返し回数であり、
ここにおいて、前記グローバルループを繰り返し実行するための前記手段は、
前記ICPループについて、前のERループによって決定されたM次形状モデルと前のICPループによって生成されたM次形状とを受信するための手段と、
前記ICPループによって、前記M次形状モデルと前記M次形状とに基づいて現在の(M+1)次形状を生成するための手段と、
前記ERループについて、前記現在の(M+1)次形状と形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記M次形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信するための手段と、
前記形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記M次形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの第(M+1)のセットを生成するための手段と、
前記現在の(M+1)次形状と複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの各々の推定形状モデルのためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、
前記第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの前記第(M+1)のセットの現在の推定形状モデルを決定するための手段と、ここにおいて、前記現在の推定形状モデルは、前記ERループによって生成された現在の(M+1)次形状モデルを備える、
を備える、システム。
【請求項16】
請求項2~6のいずれか一項に記載の方法を行わせるための手段をさらに備える、請求項15記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、すべての内容全体が参照により本明細書に組み込まれる2019年3月29日に出願された米国特許出願第62/826,172号、2019年3月29日に出願された米国仮特許出願第62/826,362号、および2019年3月29日に出願された米国仮特許出願第62/826,410号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]外科的関節修復処置は、損傷したかまたは病気にかかった関節の修復および/または置換に関与する。関節形成術などの外科的関節修復処置は、一例として、損傷した関節を患者の骨に埋め込まれる人工装具と置換することに関与し得る。適切にサイズ決定され、整形された人工装具の適切な選択または設計およびその人工装具の適切な配置は、最適な外科的結果を保証するために重要である。外科医は、人工装具の選択、設計および/または配置ならびに骨または組織が人工装具を受容するまたはそれと対話するのを準備する外科的ステップを支援するために損傷した骨を分析し得る。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本開示は、1つまたは複数の解剖学的対象などの患者の解剖学的構造の発病前特性化を実行するための例示的な技法について説明する。発病前特性化は、解剖学的構造が患者の解剖学的構造への損傷または解剖学的構造の疾患の進行より前に存在したように患者の解剖学的構造の特性(たとえば、サイズ、形状、ロケーション)を予測する予測子モデルを決定することを指す。本開示で説明される例では、予測子モデルは、一例として、整形外科的処置の計画を支援するために、たとえば、整形外科関節を修復または置換するために外科医が閲覧することができる3D体積などのグラフィカル形状モデルであり得る。
【0004】
[0004]いくつかの例では、発病前特性化を生成することは、損傷または疾患の進行後の解剖学的対象の画像化に依拠する。しかしながら、損傷または疾患の進行は、発病前特性化を生成するために有することが望ましいであろう解剖学的対象の部分の損失を生じる。さらに、解剖学的対象の画像化からの以下で説明されるオーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションはまた、発病前特性化を実行するために使用可能である画像化データの損失を生じる。
【0005】
[0005]本開示は、統計的形状モデリング(SSM)を使用して発病前の解剖学的対象(たとえば、発病前解剖学的対象の予測子)の表現を決定するための例示的な技法、特に、コスト関数に従って、現在の患者の解剖学的構造に基づいて患者の発病前の解剖学的対象を表す形状モデルを決定することについて説明する。
【0006】
[0006]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するための方法であって、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルから生成される、ここにおいて、内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、コスト値のための関数を満たすそれぞれのコスト値のコスト値を有する複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択することと、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを備える方法について説明する。
【0007】
[0007]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのデバイスであって、形状モデルと複数の推定形状モデルとのうちの1つまたは複数を記憶するように構成されたメモリと、処理回路とを備えるデバイスについて説明する。処理回路は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルから生成される、ここにおいて、内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、コスト値のための関数を満たすそれぞれのコスト値のコスト値を有する複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択することと、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを行うように構成される。
【0008】
[0008]一例では、本開示は、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルから生成される、ここにおいて、内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、コスト値のための関数を満たすそれぞれのコスト値のコスト値を有する複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択することと、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを行わせる、コンピュータ可読記憶媒体について説明する。
【0009】
[0009]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのシステムであって、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するための手段と、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルから生成される、ここにおいて、内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、コスト値のための関数を満たすそれぞれのコスト値のコスト値を有する複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択するための手段と、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成するための手段とを備えるシステムについて説明する。
【0010】
[0010]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するための方法であって、整列形状と形状モデルとを受信することと、反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、ICPループを実行することは、整列形状を修正することと、修正された整列形状を形状モデルと比較することと、比較に基づいてコスト値を決定することと、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える、を備える、弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、ERループを実行することは、1次形状と形状モデルとを受信することと、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルに基づいて生成される、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、を備える、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行することとを備える、ここにおいて、ICPループとERループとを繰り返し実行することは、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、現在の推定形状モデルは、ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、を備える、方法について説明する。
【0011】
[0011]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのデバイスであって、形状モデルを記憶するように構成されたメモリと、処理回路とを備えるデバイスについて説明する。処理回路は、整列形状と形状モデルとを受信することと、反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、ICPループを実行するために、処理回路が、整列形状を修正することと、修正された整列形状を形状モデルと比較することと、比較に基づいてコスト値を決定することと、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える、を行うように構成される、弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、ERループを実行するために、処理回路は、1次形状と形状モデルとを受信することと、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルに基づいて生成される、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、を行うように構成される、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行することとを行うように構成される、ここにおいて、ICPループとERループとを繰り返し実行するために、処理回路が、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、現在の推定形状モデルは、ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、を行うように構成される。
【0012】
[0012]一例では、本開示は、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、整列形状と形状モデルとを受信することと、反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサにICPループを実行させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、整列形状を修正することと、修正された整列形状を形状モデルと比較することと、比較に基づいてコスト値を決定することと、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える、を行わせる命令を備える、弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサにERループを実行させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、1次形状と形状モデルとを受信することと、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルに基づいて生成される、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、を行わせる命令を備える、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行することとを行わせる、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサにICPループとERループとを繰り返し実行させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、現在の推定形状モデルは、ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、を行わせる命令を備える、コンピュータ可読記憶媒体について説明する。
【0013】
[0013]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのシステムであって、整列形状と形状モデルとを受信するための手段と、反復最接近点(ICP)ループを実行するための手段と、ここにおいて、ICPループを実行するための手段は、整列形状を修正するための手段と、修正された整列形状を形状モデルと比較するための手段と、比較に基づいてコスト値を決定するための手段と、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すための手段と、ここにおいて、1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える、を備える、弾性登録(ER)ループを実行するための手段と、ここにおいて、ERループを実行するための手段は、1次形状と形状モデルとを受信するための手段と、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルに基づいて生成される、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定するための手段と、ここにおいて、推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、を備える、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行するための手段とを備える、ここにおいて、ICPループとERループとを繰り返し実行するための手段は、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信するための手段と、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成するための手段と、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信するための手段と、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成するための手段と、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定するための手段と、ここにおいて、現在の推定形状モデルは、ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、を備える、システムについて説明する。
【0014】
[0014]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するための方法であって、画像データからの解剖学的対象を通る平面を決定することと、ここにおいて、平面は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である、平面の法線を決定することと、解剖学的対象を通る矢状断の表現を通して横軸を決定することと、ここにおいて、横軸は、法線に直交する、法線と横軸とに基づいて患者の座標系を決定することと、画像データからの解剖学的対象を形状モデルに最初に整列する最初の整列形状を生成することと、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを備える方法について説明する。
【0015】
[0015]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのデバイスであって、画像データを記憶するように構成されたメモリと、処理回路とを備えるデバイスについて説明する。処理回路は、画像データからの解剖学的対象を通る平面を決定することと、ここにおいて、平面は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である、平面の法線を決定することと、解剖学的対象を通る矢状断の表現を通して横軸を決定することと、ここにおいて、横軸は、法線に直交する、法線と横軸とに基づいて患者の座標系を決定することと、画像データからの解剖学的対象を形状モデルに最初に整列する最初の整列形状を生成することと、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを行うように構成される。
【0016】
[0016]一例では、本開示は、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、画像データからの解剖学的対象を通る平面を決定することと、ここにおいて、平面は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である、平面の法線を決定することと、解剖学的対象を通る矢状断の表現を通して横軸を決定することと、ここにおいて、横軸は、法線に直交する、法線と横軸とに基づいて患者の座標系を決定することと、画像データからの解剖学的対象を形状モデルに最初に整列する最初の整列形状を生成することと、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを行わせる、コンピュータ可読記憶媒体について説明する。
【0017】
[0017]一例では、本開示は、患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのシステムであって、画像データからの解剖学的対象を通る平面を決定するための手段と、ここにおいて、平面は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である、平面の法線を決定するための手段と、解剖学的対象を通る矢状断の表現を通して横軸を決定するための手段と、ここにおいて、横軸は、法線に直交する、法線と横軸とに基づいて患者の座標系を決定するための手段と、画像データからの解剖学的対象を形状モデルに最初に整列する最初の整列形状を生成するための手段と、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成するための手段とを備えるシステムについて説明する。
【0018】
[0018]本開示の様々な例の詳細を添付の図面および以下の説明に記載する。様々な特徴、目的、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】[0019]本開示の技法を実装するために使用され得る例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図。
【
図2】[0020]患者の座標系を決定するために使用される注目する点を有する肩甲骨の図。
【
図3A】[0021]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面断の図。
【
図3B】患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面断の図。
【
図4】[0022]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面に対する法線の透視図の概念図。
【
図5】[0023]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面に対する法線の別の透視図の概念図。
【
図6】[0024]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る横軸を示す概念図。
【
図7A】[0025]
図6の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状断の一例を示す概念図。
【
図7B】
図6の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状断の一例を示す概念図。
【
図8A】[0026]
図6の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状断の結果を示す概念図。
【
図8B】
図6の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状断の結果を示す概念図。
【
図8C】
図6の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状断の結果を示す概念図。
【
図9A】[0027]
図6の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状断の別の例を示す概念図。
【
図9B】
図6の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状断の別の例を示す概念図。
【
図10】[0028]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る横軸と肩甲骨を通る平面に対する法線とを示す概念図。
【
図11】[0029]患者の座標系を決定するための関節窩の中央ロケーションへの肩甲骨を通る横軸と肩甲骨を通る平面に対する法線との移動を示す概念図。
【
図12】[0030]形状モデルへのセグメンテーション対象の最初の整列の一例を示す概念図。
【
図13】[0031]形状モデルへのセグメンテーション対象の中間の整列の一例を示す概念図。
【
図14】[0032]反復最接近点(ICP)アルゴリズムのための差分値を決定するための一例を示す概念図。
【
図15A】[0033]患者の解剖学的構造の発病前形状を決定するために使用されるコスト関数のパラメータを決定するための関節窩の部分を示す概念図。
【
図15B】患者の解剖学的構造の発病前形状を決定するために使用されるコスト関数のパラメータを決定するための関節窩の部分を示す概念図。
【
図16】[0034]本開示で説明される1つまたは複数の例示的な技法による動作の例示的な方法を示すフローチャート。
【
図17】[0035]本開示で説明される1つまたは複数の例示的な技法による動作の例示的な方法を示すフローチャート。
【
図18】[0036]本開示で説明される1つまたは複数の例示的な技法による動作の例示的な方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0037]患者は、患者の解剖学的構造に損傷を生じる疾患(たとえば、病気)を受け得るか、または患者は、患者の解剖学的構造に損傷を生じる負傷を受け得る。肩の場合、患者の解剖学的構造の一例として、患者は、いくつかの例として、原発性関節窩上腕骨関節炎(PGHOA)、肩腱板断裂関節症(RCTA)、不安定性、広範囲肩腱板断裂(MRCT)、慢性関節リウマチ(RA)、外傷後関節炎(PTA)、骨関節炎(OA)、または急性骨折を受け得る。
【0021】
[0038]疾患または損傷に対処するために、外科医は、いくつかの例として、逆関節形成(RA)手術、拡張逆関節形成(RA)手術、標準総肩関節形成(TA)手術、拡張総肩関節形成(TA)手術、または半球状肩手術などの外科的処置を実行し得る。外科医が、手術より前に、患者の解剖学的構造の特性(たとえば、サイズ、形状、および/またはロケーション)を決定することは利益があり得る。たとえば、患者の解剖学的構造の特性を決定することは、人工装具の選択、設計および/または配置ならびに損傷した骨の表面が人工装具を受容するまたはそれと対話するのを準備する外科的ステップの計画を支援し得る。事前の計画を用いて、外科医は、手術中ではなく手術より前に、骨または組織を準備するステップ、必要とされることになるツール、ツールのサイズおよび形状、埋め込まれることになる1つまたは複数のプロテーゼのサイズおよび形状または他の特性などを決定することができる。
【0022】
[0039]上記で説明されたように、発病前特性化は、患者が疾患または損傷を受けるより前に存在したように患者の解剖学的構造を特性化することを指す。しかしながら、患者は、疾患または損傷を受けた後まで医師または外科医に相談しないことがあるので、解剖学的構造の発病前特性化は、概して、利用可能でない。
【0023】
[0040]場合によっては、反対側(たとえば、反対側の肩)の発病前特性化を表すものとして患者の片側(たとえば、片側の肩)を使用することが可能であり得る。しかしながら、疾患は両側性のものである可能性があり、これは、両側への影響があることを意味する。また、患者の解剖学的構造は、対称的でないことがあり(たとえば、肩が対称でなく)、反対側の発病前特性を反映しないことがある。
【0024】
[0041]本来の解剖学的構造とも呼ばれる発病前解剖学的構造は、疾患の発現または損傷の発生より前の解剖学的構造を指す。疾患または損傷の後にさえ、健康である解剖学的構造の部分と健康でない(たとえば、病的なまたは損傷した)解剖学的構造の部分とがあり得る。病的なまたは損傷した部分の解剖学的構造は、病理解剖学的構造と呼ばれ、健康な部分の解剖学的構造は、非病理学的解剖学的構造と呼ばれる。
【0025】
[0042]本開示は、統計的形状モデル(SSM)を使用して発病前の解剖学的対象(たとえば、発病前解剖学的対象の予測子)の表現を決定するための例示的な技法、特に、コスト関数に従って、現在の患者の解剖学的構造を用いて患者の解剖学的対象を表す形状モデルを決定することについて説明する。たとえば、本開示は、病理学的解剖学的構造および非病理学的解剖学的構造を有する現在の患者の解剖学的対象を表すセグメント化された形状を最初の形状モデルの座標系に整列することについて説明する。最初の形状モデルは、SSMの一例である。より詳細に説明されるように、座標系へのそのような整列を実行するために、コンピューティングデバイスはアンダーセグメンテーションおよびオーバーセグメンテーションによりすべての画像情報が利用可能であるとは限らないまたはあまりに多くの画像情報が利用可能である場合でもセグメント化された形状のための座標系を決定し得る。
【0026】
[0043]セグメント化された形状を最初の形状モデルの座標系に整列した後に、コンピューティングデバイスは、形状モデルをセグメント化された形状に登録するために反復プロセスを通して形状モデルを変形させ得る。登録は、形状モデルのサイズおよび形状を現在の患者の解剖学的対象に調整することと、現在の患者の解剖学的対象と整列する(たとえば、現在の患者の解剖学的対象に形状モデルを3Dで登録する)ように形状モデルのロケーションを調整することとを含み得る。登録の結果は、患者の解剖学的対象の発病前のサイズおよび形状の近似である形状モデルであり得る。
【0027】
[0044]セグメント化された形状は、最初の形状モデルに整列され、これは、SSMの一例である。たとえば、セグメント化された形状の座標系は、最初の形状モデルの座標系に整列され、したがって、セグメント化された形状は、最初の形状モデルと同じ空間に定義される。整列の結果は、整列形状である。次いで、最初の形状モデルは、反復的な方式で修正されて、解剖学的対象の発病前近似である最終形状モデルを生成する。たとえば、患者の解剖学的対象が損傷したまたは病的な関節窩(たとえば、病理学的関節窩)を含むと仮定する。最初の形状モデルは、解剖学的対象のSSMであるが、非病理学的関節窩をもつSSMである。本開示において説明された例示的な技法では、最後の形状モデルが患者の解剖学的対象に登録される(たとえば、したがって、最後の形状モデルは、患者の解剖学的対象とほぼ同じサイズおよび形状になる)。この例では、最後の形状モデルの非病理学的関節窩は、患者の関節窩の発病前のサイズおよび形状の近似である。
【0028】
[0045]統計的形状モデル(SSM)は、研究の参加者から平均形状を決定することから生成されるモデルであり得る。たとえば、セグメント化された画像データから抽出された患者の人口統計情報と様々な測定値とを使用して、コンピューティングデバイスは、患者のための適切な形状モデルを選択または生成し得る。いくつかの例では、SSMは、特定の患者のための適切な形状モデルを生成するのではなくすべての患者に対して一定であり得る。形状モデルは、点群または点群を生成するためのパラメータをもつ関数として表され得る。
【0029】
[0046]上記で説明されたように、コンピューティングデバイスは、セグメント化された形状(たとえば、現在の患者の解剖学的対象の表現)を最初の形状モデルに整列し得る。整列を実行するために、コンピューティングデバイスは、セグメント化された形状のための座標系を決定し得る。しかしながら、解剖学的対象が病的であるかまたは損傷している病理学的解剖学的構造を含むので、座標系を決定するために使用される病理学的解剖学的構造の部分が患者中にもはや存在しない可能性がある。また、登録(たとえば、整列形状に形状モデルを登録するための形状モデルの変形)は、形状モデルの非病理学的解剖学的構造との比較に限定され得る。
【0030】
[0047]さらに、画像化技術は、非病理学的解剖学的構造を適切に捕捉しないことがある。たとえば、計算されたトモグラフィ(CT)走査またはX線などのレントゲン写真、MRI、および超音波などの患者に対して実行される走査に基づいて、コンピューティングデバイスは、患者の解剖学的構造の画像データを生成し得る。アンダーセグメンテーションでは、患者の解剖学的構造(たとえば、肩甲骨)のいくつかの部分が十分に捕捉されない可能性があり、消失した部分がある(たとえば、この場合、得られたセグメント化された対象は実際の解剖学的対象全体を含まない)。このアンダーセグメンテーションは、患者を走査するために使用される機械のタイプ、走査中の雑音、骨と骨との接触などによる可能性がある。
【0031】
[0048]場合によっては、放射線科医は、放射に対する患者の露出を最小化することを試み、注目する解剖学的対象に達するとスキャナを停止する。たとえば、放射線科医は、関節窩に達するときに患者の解剖学的構造を走査するのを停止し得る。そのような場合、他の解剖学的対象のための画像情報が失われ得る(たとえば、肩甲骨の下側のおよび内側の部分を失い得る)。
【0032】
[0049]オーバーセグメンテーションでは、整列に影響を及ぼし得る追加の身体部分が走査中に存在する可能性がある(たとえば、得られたセグメント化された対象が実際の解剖学的対象より多くを含む)。たとえば、肩甲骨の走査が必要とされるが、オーバーセグメンテーションにより、鎖骨または肋骨のような追加の骨の部分がセグメンテーション中に含まれ得る。
【0033】
[0050]非病理学的解剖学的構造は、整列形状を生成することと、整列形状への形状モデルの登録を実行することとを行うために最初の形状モデルにセグメント化された形状を整列するのに望ましい。しかしながら、非病理学的解剖学的構造は、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより走査から利用可能でないことがある。本開示は、画像データ中に解剖学的対象のアンダーセグメンテーションおよび/またはオーバーセグメンテーションがある場合でも発病前特性化を生成するための例示的な技法について説明する。
【0034】
[0051]上記で説明されたように、コンピューティングデバイスは、整列形状を生成するためにセグメント化された形状(たとえば、現在の患者の解剖学的対象を表す画像データ)を形状モデルに整列し得る。1つまたは複数の例では、コンピューティングデバイスは、以下でより詳細に説明されるように、最適平面と横軸とに基づいてセグメント化された形状から患者の座標系を決定し得、したがって、コンピューティングデバイスは、アンダーセグメンテーションにより走査中に存在しないことがあるまたはオーバーセグメンテーションにより識別可能でないことがある解剖学的ランドマークに依拠する必要がない。決定された患者の座標系を用いて、コンピューティングデバイスは、(たとえば、解剖学的対象が形状モデルに整列されるように画像データから生成されたセグメント化された形状に変換を実行することによって)最初の整列形状を生成するためにセグメント化された形状を形状モデルに整列し得る。
【0035】
[0052]しかしながら、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより、患者の実際の解剖学的構造に対する最初の整列形状の不整列があり得る。たとえば、セグメント化された形状は、アンダーセグメンテーションの場合、実際の解剖学的対象に関連する1つもしくは複数の部分を除外するか、またはオーバーセグメンテーションの場合、実際の解剖学的対象に関連しない1つもしくは複数の部分を含み得る。1つまたは複数の例では、コンピューティングデバイスは、整列形状を生成するために以下でより詳細に説明される技法を使用して(たとえば、最初の整列形状の形状および/または位置を修正するために)最初の整列形状のパラメータを修正し得る。一例として、コンピューティングデバイスは、最初の整列形状が、2つの解剖軸(たとえば、3D座標系における3つの軸のうちの2つである上軸および肩甲骨の平面に対して直角である軸)の周りを回転するように最初の整列形状のパラメータを修正し得る。これは、より詳細に説明されるように、横軸(たとえば、3D座標系における第3の軸)の計算に関する不誠実のためであり得る。整列形状は、最初の形状モデルの座標系内の患者の解剖学的構造の実質的に近傍にある。この場合の、実質的に近傍は、解剖学的対象とおよそ同じサイズ(たとえば、3D体積)を有し、解剖学的対象の同じ方向を有する整列形状を指す。整列形状は、セグメント化された解剖学的対象に整列された状態にかなり近くなり得る。
【0036】
[0053]整列形状を生成した後に、患者の解剖学的構造の発病前特性化(たとえば、損傷より前の患者の解剖学的構造の予測子であるグラフィカル形状モデル)を生成するために、以下で説明されるように、さらなる更新が必要とされ得る。したがって、整列形状は、中間の整列形状と呼ばれることがある。たとえば、コンピューティングデバイスは、多重ループ反復プロセスを実行し得る。たとえば、コンピューティングデバイスは、反復最接近点(ICP)アルゴリズムを実行するように構成され得る。ICPアルゴリズムへの最初の入力は、整列形状と最初の形状モデル(たとえば、SSM)とである。ICPアルゴリズムは、整列形状を最初の形状モデルに登録するために反復プロセス中に整列形状を変形させる(たとえば、最初の形状モデルとほぼ同じサイズおよび形状である形状モデルを生成するために整列形状を再成形する)。ICPアルゴリズムを実行するための例示的な技法について以下でより詳細に説明する。ICPアルゴリズムの出力は、1次形状である。
【0037】
[0054]コンピューティングデバイスは、弾性登録アルゴリズムのための入力として1次形状と最初の形状モデル(たとえば、SSM)とを利用し得る。弾性登録アルゴリズムについて、以下でより詳細に説明し、概して、(たとえば、最初の形状モデルを変形させることによって)最初の形状モデルに基づいて複数の推定形状モデルを生成することを含む。コンピューティングデバイスは、推定形状モデルと1次形状との間の距離と向きとに依拠するコスト関数値と、解剖学的構造の内方化に関する制約と、パラメータの重み付けとに基づいて1次形状モデルとして推定形状モデルのうちの1つを選択し得る。弾性登録アルゴリズムの結果は、1次形状モデルである。1次形状モデルは、1次形状とサイズおよび形状が同様であり得るが、それとはまったく同様でないことがある。
【0038】
[0055]これらの例示的な動作は、発病前特性化アルゴリズムの1つの反復を完結し得る。要約すると、発病前特性化の第1の反復において、コンピューティングデバイスはICPアルゴリズムを実行した。ICPアルゴリズムでは、コンピューティングデバイスは、整列形状と最初の形状モデルとを利用し、1次形状を生成するために整列形状に登録するために整列形状を変形した。ICPアルゴリズムの後に、コンピューティングデバイスは、弾性登録アルゴリズムを実行した。弾性登録アルゴリズムでは、コンピューティングデバイスは、複数の推定形状モデルを生成するために最初の形状モデルを利用し、発病前特性化アルゴリズムの第1の反復の完結として推定形状モデルと1次形状との間の距離および向きと、解剖学的構造の内方化に関する制約と、パラメータ重み付けとに基づいて1次形状モデルとして推定形状モデルのうちの1つを決定した。
【0039】
[0056]次いで、コンピューティングデバイスは、発病前特性化アルゴリズムの第2の反復を実行し得る。第2の反復において、コンピューティングデバイスは、ICPアルゴリズムを再び実行し得る。この反復において、ICPアルゴリズムへの入力は、前に決定された1次形状と前に決定された1次形状モデルとである。コンピューティングデバイスは、2次形状を生成するためにICPアルゴリズムを使用して1次形状モデルに1次形状を登録するために1次形状を変形させ得る(たとえば、2次形状は、1次形状モデルとサイズおよび形状がほぼ同じである)。
【0040】
[0057]コンピューティングデバイスは、次いで、前に決定された最初の形状モデルまたは1次形状モデルとICPアルゴリズムに基づいてここで決定された2次形状とを使用して弾性登録アルゴリズムを実行し得る。たとえば、コンピューティングデバイスは、最初の形状モデルまたは1次形状モデルに基づいて複数の推定形状モデルを決定し得る。コンピューティングデバイスは、推定形状モデルと2次形状との間の距離と向きとに依拠するコスト関数値と、解剖学的構造の内方化に関する制約と、パラメータの重み付けとに基づいて2次形状モデルとして推定形状モデルのうちの1つを決定し得る。
【0041】
[0058]これは、発病前特性化アルゴリズムの第2の反復を完結し得る。発病前特性化アルゴリズムの反復は、弾性登録アルゴリズムのために使用される全体的なコスト関数値がしきい値を満たす(たとえば、コスト関数値が最小化される例を含むしきい値未満)まで次の次数の形状モデルで繰り返し続ける。結果は、疾患または損傷より前に現在の患者の解剖学的対象とほぼ同じサイズおよび形状である最後の形状モデルである。
【0042】
[0059]コンピューティングデバイスは、解剖学的対象の発病前特性化を示す情報として最後の形状モデルのグラフ表現を出力し得る。別の例として、コンピューティングデバイスは、解剖学的構造の発病前特性化を示す情報として決定された整列形状モデルの長さ情報と形状情報とを出力し得る。たとえば、コンピューティングデバイスは、表示のために、現在病的であるかまたは損傷している(たとえば、病理学的である)解剖学的対象の発病前形状の一例として、最後の形状モデルのための情報と最後の形状モデルの上に表示されるそれの解剖学的測定値(たとえば、バージョンおよび傾き)とを出力し得る。
【0043】
[0060]外科医は、次いで、手術を計画するために発病前特性化を使用し得る。たとえば、発病前形状を用いて、外科医は、手術の結果が、(たとえば、移動の能力における)患者の経験が、患者が損傷または疾患を経験する前と同様になるものとなるようにどのインプラントを使用すべきかとどのようにインプラント手術を実行すべきかとを決定し得る。
【0044】
[0061]
図1は、本開示の技法を実装するために使用され得る例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図である。
図1は、本開示で説明される1つまたは複数の例示的な技法を実行するように構成されるコンピューティングデバイスの一例であるデバイス100を示す。
【0045】
[0062]デバイス100は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、および他のタイプのコンピューティングデバイスなどの様々なタイプのコンピューティングデバイスを含み得る。デバイス100は、処理回路102と、メモリ104と、ディスプレイ110とを含む。デバイス100がサーバコンピュータである例などにおいて、ディスプレイ110は、随意である。
【0046】
[0063]処理回路102の例は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたは任意のそれらの組合せを含む。概して、処理回路102は、固定機能回路、プログラマブル回路、またはそれらの組合せとして実装され得る。固定機能回路は、特定の機能を与える回路を指し、実施され得る動作に関してあらかじめ設定される。プログラマブル回路は、様々なタスクを実施するように、および実施され得る動作においてフレキシブルな機能を提供するようにプログラムされる回路を指す。たとえば、プログラマブル回路は、ソフトウェアまたはファームウェアの命令によって定義される様式でプログラマブル回路を動作させるソフトウェアまたはファームウェアを実行し得る。固定機能回路は、(たとえば、パラメータを受信するかまたはパラメータを出力するための)ソフトウェア命令を実行し得るが、固定機能回路が実行する動作のタイプは、概して不変である。いくつかの例では、ユニットのうちの1つまたは複数は、別個の回路ブロック(固定機能またはプログラマブル)であり得、いくつかの例では、1つまたは複数のユニットは、集積回路であり得る。
【0047】
[0064]処理回路102は、プログラマブル回路から形成される論理演算装置(ALU)、初等関数ユニット(EFU)、デジタル回路、アナログ回路、および/またはプログラマブルコアを含み得る。処理回路102の動作が、プログラマブル回路によって実行されるソフトウェアを使用して実行される例では、メモリ104は、処理回路102が受信し実行するソフトウェアのオブジェクトコードを記憶し得るか、または処理回路102内の別のメモリ(図示せず)が、そのような命令を記憶し得る。ソフトウェアの例は、外科計画のために設計されたソフトウェアを含む。
【0048】
[0065]メモリ104は、シンクロナスDRAM(SDRAM)を含むダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、抵抗性RAM(RRAM(登録商標))、または他のタイプのメモリデバイスなど、様々なメモリデバイスのいずれかによって形成され得る。ディスプレイ110の例は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または別のタイプのディスプレイデバイスを含む。
【0049】
[0066]デバイス100は、デバイス100がネットワーク114を介して視覚化デバイス116にデータと命令とを出力し、それからデータと命令とを受信することを可能にする通信インターフェース112を含み得る。たとえば、解剖学的対象の発病前特性を決定した後に、本開示で説明される技法を使用して、通信インターフェース112は、ネットワーク114を介して視覚化デバイス116に発病前特性の情報を出力し得る。外科医は、次いで、(たとえば、場合によっては、損傷したまたは病的な解剖学的対象の画像の上に発病前の解剖学的対象が重ねられた状態で)視覚化デバイス116を用いて発病前の解剖学的対象のグラフ表現を閲覧し得る。いくつかの例では、損傷したまたは病的な解剖学的対象の画像の上に重ねられた発病前の解剖学的対象を閲覧することは、移植の結果が解剖学的対象の発病前形状を模するようにどのように移植を実行するのかの理解を外科医に与える。
【0050】
[0067]通信インターフェース112は、デバイス100が視覚化デバイス116などの他のコンピューティングシステムおよびデバイスに(たとえば、ワイヤレスにまたはワイヤを使用して)通信することを可能にするハードウェア回路であり得る。ネットワーク114は、インターネット、ローカルエリアネットワークなどの1つまたは複数のワイドエリアネットワークを含む様々なタイプの通信ネットワークを含み得る。いくつかの例では、ネットワーク114は、ワイヤードおよび/またはワイヤレス通信リンクを含み得る。
【0051】
[0068]視覚化デバイス116は、外科医に画像コンテンツを表示するために様々な視覚化技法を利用し得る。視覚化デバイス116は、混合現実(MR)視覚化デバイス、仮想現実(VR)視覚化デバイス、ホログラフィックプロジェクタ、または拡張現実(XR)視覚化を提示するための他のデバイスであり得る。いくつかの例では、視覚化デバイス116は、米国Washington州RedmondのMicrosoft Corporationから利用可能なMicrosoft HOLOLENS(商標)ヘッドセットまたは、たとえば、導波路を含む同様のMR視覚化デバイスなどの同様のデバイスであり得る。HOLOLENS(商標)デバイスは、ユーザが、ホログラフィックレンズを通して現実世界シーン中の、すなわち、現実世界の環境中の実際の対象を閲覧することを可能にしながら、ホログラフィックレンズまたは導波路を介して3D仮想オブジェクトを提示するために使用され得る。
【0052】
[0069]視覚化デバイス1116は、関節の修復および置換のための術前計画を容易にするために骨輪郭の3次元モデルを生成するために患者の画像データを利用するために利用可能である視覚化ツールを利用し得る。これらのツールにより、外科医は、患者の解剖学的構造に厳密に一致する外科用ガイドおよびインプラント構成要素を設計および/または選択することが可能になる。これらのツールは、患者ごとに外科手術計画をカスタマイズすることによって外科手術結果を改善することができる。肩修復のためのそのような視覚化ツールの一例は、Wright Medical Technology,Inc.から利用可能なBLUEPRINT(商標)システムである。BLUEPRINT(商標)システムは、骨修復領域の2次元平面ビューならびに修復領域の3次元仮想モデルを外科医に与える。外科医は、適切なインプラント構成要素を選択、設計、もしくは修正することと、インプラント構成要素をどのように配置および配向すれば最良であるのかと構成要素を受容するために骨の表面をどのように成形すべきかとを決定することと、外科手術計画を実行するための外科用ガイドツールもしくは機器を設計、選択、もしくは修正することとを行うためにBLUEPRINT(商標)システムを使用することができる。BLUEPRINT(商標)システムによって生成された情報は、実際の手術の前とその間とを含めて外科医または他の医療提供者によってアクセスされ得る適切なロケーションにあるデータベース中(たとえば、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、またはグローバルネットワーク中のサーバ上)に記憶される患者のための術前の外科手術計画にコンパイルされる。
【0053】
[0070]図示のように、メモリ104は、形状モデル106を表すデータと解剖学的構造走査108を表すデータとを記憶する。解剖学的構造走査108は、たとえば、CTスキャン画像データによって表される患者のコンピュータ断層撮影(CT)走査の例である。解剖学的構造走査108は、(たとえば、セグメント化された解剖学的対象をもたらすためのCT画像データの自動セグメンテーションによって)患者の解剖学的構造の例として肩甲骨および関節窩などの患者の解剖学的構造の3次元(3D)表現を再構成するのに十分であり得る。自動セグメンテーションの1つの例示的な方法は、米国特許第8,971,606号に記載されている。自動セグメンテーションを実行するための様々な他の方法があり得、本技法は、米国特許第8,971,606号において説明された技法を使用する自動セグメンテーションに限定されない。一例として、セグメント化された対象をもたらすためのCT画像データのセグメンテーションは、骨解剖学を決定するための画像データ中のボクセル強度の比較とセグメント化された対象を決定するための骨解剖学の推定サイズとの比較とを含む。さらに、例示的な技法は、自動化されていないセグメンテーション技法を用いて実行され得、ここで、医療専門家は、解剖学的対象をセグメント化するためのCT画像データまたは解剖学的対象をセグメント化するための自動化とユーザ入力との何らかの組合せを評価する。
【0054】
[0071]1つまたは複数の例では、解剖学的構造走査108は、損傷または疾患により病理学的である解剖学的構造の走査であり得る。患者は、手術を必要とする損傷した肩を有し得、手術のために、または、場合によっては診断の部分として、外科医は、手術を計画するために解剖学的構造走査108を要求していることがある。(デバイス100またはいくつかの他のデバイスのような)コンピューティングデバイスは、外科医が、解剖学的対象と対象のサイズ、形状、および手術を必要とする患者の解剖学的構造の他の解剖学的構造との対象の相互接続とを閲覧することができるように患者の解剖学的構造のセグメンテーションを生成し得る。
【0055】
[0072]1つまたは複数の例では、処理回路102は、患者が損傷または疾患を受けるより前の患者の解剖学的構造の特性を決定する方法として統計的形状モデル(SSM)に対して(たとえば、サイズ、形状、向きなどを)比較するために走査108の画像データを利用し得る。いくつかの例では、回路102を処理することは、走査108の画像データ中の患者の解剖学的構造の解剖学的対象の非病理学的点の3D点データをSSM中の点と比較し得る。
【0056】
[0073]たとえば、走査108は、損傷したまたは病的な解剖学的構造の現在の特性のビューを外科医に与える。(すなわち、発病前状態を表すために)解剖学的構造を再構成するために、外科医は、損傷または疾患より前の解剖学的構造の特性を示すモデルを有することが有益であることを発見し得る。たとえば、モデルは、外科医が手術を計画することを可能にする損傷または疾患より前の患者の解剖学的構造の予測子であり得る。たとえば、発病前モデルを用いて、外科医は、外科医がインプラントのタイプ、インプラントのロケーション、または行うべき他の修正行為を決定するのを支援することができる損傷の範囲または疾患の進行を決定し得る。しかしながら、損傷が発生した後または疾患が進行した後まで患者が外科医と相談しなかった可能性があり得、したがって、損傷または疾患より前の患者の解剖学的構造(たとえば、発病前のまたは本来の解剖学的構造)のモデルは利用可能でないことがある。発病前解剖学的構造をモデル化する方法としてSSMを使用することにより、外科医は、発病前の患者の解剖学的構造の特性を決定することが可能になる。
【0057】
[0074]SSMは、サンプルの集団の間の形状変動を表すためのコンパクトなツール(データベース)である。たとえば、臨床医または研究者は、損傷したまたは病的な関節窩、上腕骨、または隣接骨を受けない集団を全体として表す異なる人々のCT画像データなどの画像走査のデータベースを生成し得る。臨床医または研究者は、データベース中の形状から患者の解剖学的構造のための平均形状を決定し得る。
図1では、メモリ104は、形状モデル106を示す情報を記憶する。一例として、形状モデル106は、データベース中の形状から患者の解剖学的構造の解剖学的対象(たとえば、関節窩、上腕骨先端など)のための平均形状を表す。データベース中の形状のモードまたは中央値などの形状モデル106の他の例が可能である。加重平均は、形状モデル106の別の可能な例である。形状モデル106は、表面または点の体積(たとえば、3Dモデルを定義するグラフィカル表面または点の体積)であり得、平均形状を示す情報は、表面を形成するために相互接続するプリミティブの頂点のための座標値であり得る。形状モデル106のようなSSMおよび形状モデル106を生成することに関連する値を生成する技法は、2006年8月22日の日付のhttp://www.cmlab.csie.ntu.edu.tw/~cyy/learning/papers/PCA_ASM.pdfからなど様々な文献に発見され得る。形状モデル106を生成するための他の方法が可能である。
【0058】
[0075]形状モデル106を用いて、処理回路102は、共分散行列に形状モデル106の点または値を加算することによって解剖学的構造形状の変動を表し得る。たとえば、SSMは、以下の1次方程式として解釈され得る。
【0059】
【0060】
[0076]上式では、s’は、形状モデル106(たとえば、一例として平均形状の点群、ここで、点群は、形状モデル106を形成するプリミティブの頂点などの形状モデル106内の点の座標を定義する)である。式中で、λiは、固有値であり、viは、(変動のモードとも呼ばれる)それぞれ共分散行列の固有ベクトルである。共分散行列は、データセット中の分散を表す。i,jの位置中の要素は、データセットアレイのi番目とj番目との要素との間の共分散である。
【0061】
[0077]SSMは、データベースの共分散行列を構築し、次いで、(固有ベクトルとも呼ばれる)主ベクトルの行列と(固有値とも呼ばれる)正値の別の対角行列とを抽出する「特異値分解」を実行することを表す。固有ベクトル(式中でvi)は、データベースの新しい座標系のベースである。固有値(式中のλi)は、固有ベクトル(vi)の周りの分散を表す。共に固有ベクトルと固有値とは、対応する軸の周りの変動の量を反映し得る。
【0062】
[0078]この数式により、処理回路102は、共分散行列の重みbiを単に変更することによって無限の数のsjのインスタンス(たとえば、形状モデルの異なる変動)を作成することが可能になる。たとえば、新しい形状モデルを生成するために、処理回路は、biの値を決定し、siの新しい値を決定し得る。上記の例では、λiおよびviおよびs’は、s’が生成された方式に基づいて(たとえば、形状モデル106が生成された方式に基づいて)すべて知られている。biの異なる値を選択することによって、処理回路102は、形状モデルの異なるインスタンス(たとえば、形状モデル106の異なる変動である異なるsi)を決定し得る。
【0063】
[0079]形状モデルは、何の解剖学的対象が患者と同じになるべきであるのかを表し得る。より詳細に説明されるように、処理回路102は、損傷または疾患によって影響を及ぼされないかまたは最小限にしか影響を及ぼされない解剖学的対象の解剖学的点(たとえば、非病理学的点)として解剖学的対象の形状モデルの(たとえば、点の3Dクラウド中の)点を走査108の画像データ中に表される解剖学的点と比較し得る。比較に基づいて、処理回路102は、解剖学的対象の発病前特性化を決定し得る。
【0064】
[0080]一例として、外科医が肩の手術のために関節窩の発病前特性を決定することを望むと仮定する。関節窩の形状と医療関節窩円蓋、肩峰、および烏喙骨などのそれの周りの骨領域との間に相関がある。形状モデル106は、関節窩を含む肩甲骨の平均形状であり得る。患者中で、関節窩は病理学的である(たとえば、病的であるまたは損傷している)と仮定する。
【0065】
[0081]本開示で説明される例示的な技法によれば、処理回路102は、患者の解剖学的対象の非病理学的解剖学的構造(たとえば、走査108中の肩甲骨の非病理学的部分)に最も良く一致する「s」のインスタンス(たとえば、関節窩をもつ肩甲骨の形状モデル)を決定し得る。(s*と呼ばれ、形状モデルと同様の点群によって表される)非病理学的解剖学的構造に最も良く一致する「s」のインスタンス中の関節窩は、病理学的関節窩の発病前特性化を示し得る。
【0066】
[0082]処理回路102は、s*のインスタンス(たとえば、患者の肩甲骨の非病理学的部分に最も良く一致する関節窩をもつ肩甲骨の形状モデル)を決定し得る。非病理学的部分は、疾患または損傷からの影響が最小またはまったくない状態の解剖学的対象の部分であり得、ここで、解剖学的対象とそれの周囲の解剖学的構造とは、解剖学的対象をセグメント化して取り出すために走査108によって実行されるセグメンテーションから取られる。
【0067】
[0083]いくつかの例では、特定の解剖学的対象の発病前特性化を決定するために、解剖学的対象を越えた解剖学的構造が形状モデルを整列するために必要とされ得る。たとえば、関節窩の発病前特性化を決定するために、肩甲骨の解剖学的構造が形状モデルを整列するために必要とされ得る。次いで、形状モデルの関節窩は、患者の関節窩の発病前特性化を表す。したがって、形状モデルは、注目する解剖学的対象(たとえば、関節窩)だけをモデル化することに限定されないことがあり、追加の解剖学的対象を含み得る。
【0068】
[0084]処理回路102は、次の例示的な動作を実行し得る。(1)最初に、最初の整列形状を生成するために、走査108の画像データからのセグメント化された解剖学的対象を形状モデル106の座標系に整列し、(2)(中間の整列形状とも呼ばれる)整列形状を生成するためにアンダーセグメンテーションおよびオーバーセグメンテーションによる最初の整列中のエラーを補償し、ここで、アンダーセグメンテーションおよびオーバーセグメンテーションは、走査108を生成する際の欠陥によるものであり、(3)s*のインスタンス(すなわち、セグメンテーション対象によって識別される患者の解剖学的構造に最も厳密に一致するs’のインスタンス)を決定するために反復最接近点(ICP)動作と弾性登録とを含む反復動作を実行する。これらの動作を実行するための例示的な技法について以下でより詳細に説明する。
【0069】
[0085]したがって、患者の解剖学的構造の発病前特性化を生成することに関する数個の技術的問題があり得る。1つの問題は、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより、走査108からの必要とされる画像データが利用可能でないかひずんでしまい、セグメント化された対象を形状モデル106に整列するという課題を作成するという問題であり得る。別の問題は、形状モデル106への整列があると、セグメント化された対象への形状モデル106の登録が不十分であり、不十分な発病前特性化を生じ得るという問題であり得る。
【0070】
[0086]本開示は、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションがある状況においてさえ形状モデル106へのセグメント化された対象の整列を可能にする例示的な技法について説明する。本開示はまた、(たとえば、ICPと弾性登録とを使用する複数のレベルの反復プロセスで)形状モデル106をセグメント化された対象に登録するための例示的な技法について説明する。本開示で説明される例示的な技法は、単独でまたは一緒に使用であり得る。たとえば、一例では、処理回路102は、本開示において説明される例示的な技法を利用して形状モデル106へのセグメント化された対象の整列を実行するが、いくつかの他の技法を使用してセグメント化された対象への形状モデル106の登録を実行するように構成され得る。一例では、処理回路102は、形状モデル106へのセグメント化された対象の整列を実行するが、本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法を使用してセグメント化された対象への形状モデル106の登録を実行するためにいくつかの他の技法を利用し得る。いくつかの例では、処理回路102は、本開示において説明される例示的な整列および登録技法を実行し得る。
【0071】
[0087]上記で説明されたように、処理回路102は、(たとえば、ボクセル強度比較などの例示的な技法を使用してセグメント化された)セグメント化された対象を形状モデル106に整列し得る。本開示では、整列は、セグメント化された対象が形状モデル106と同じ座標系にあるようなセグメント化された対象の座標系への変更を指す。同じく上記で説明されたように、形状モデル106の一例は、関節窩をもつ肩甲骨の解剖学的構造の形状モデルであり、ここで、関節窩は、損傷したまたは病的な解剖学的対象である。たとえば、形状モデル106は、それ自体の座標系に定義されており、患者の座標系(たとえば、走査108中の3Dの点の点群を定義する座標系)とは異なり得る。患者の座標系は、非病理学的点と病理学的点とを含む走査108中の患者の解剖学的構造内の点を定義するために使用される座標系である。非病理学的点は、非病理学的解剖学的構造のための走査108中の点を指し、病理学的点は、病理学的解剖学的構造のための走査108中の点を指す。
【0072】
[0088]病理学的点と非病理学的点とを決定するための様々な方法が存在し得る。一例として、外科医は、病理学的点と非病理学的点とを識別するために走査108の画像データを検討し得る。別の例として、外科医は、病理学的点と非病理学的点とを識別するためにセグメント化された対象のグラフ表現を検討し得る。別の例として、いくつかの解剖学的点は、まず損傷していないかまたは病的でなく、走査108の画像データ中に存在するという仮定があり得る。たとえば、医療関節窩円蓋、肩峰、および烏喙骨は数個の例である。追加の例は、肩甲骨の三角と肩甲骨の下角とを含む。しかしながら、1つまたは複数の肩甲骨の三角と肩甲骨の下角の両方は、オーバーセグメンテーションおよびアンダーセグメンテーションにより走査108の画像データ中に存在しないことも、ひずんでいることもある。
【0073】
[0089]1つまたは複数の例では、処理回路102は、走査108のCTスキャンデータのために記録された座標系である患者の座標系を決定し得る。形状モデル106は、それ自体の座標系において定義され得る。処理回路102は、形状モデル106と一緒に保存されたメタデータに基づいて形状モデル106の座標系を決定し得、ここで、メタデータは、データベース中の形状の平均を決定することの一部として生成された。処理回路102は、患者の座標系と形状モデル106の座標系とに基づいて変換行列を決定し得る。変換行列は、処理回路102が形状モデル106の座標系にセグメント化された対象(たとえば、点の3D体積中の点)を変換する方法である。たとえば、セグメント化された対象の点の3D体積中の点は、(x,y,z)座標値を用いて定義され得る。変換の結果は、形状モデル106の座標系に整列された座標(x’,y’,z’)座標値であり得る。処理回路102は、閉形式を通して変換行列を計算する。
【0074】
[0090]変換行列を決定する複数の方法がある。一例として、座標系は、c=(x,y,z,o)であり得、ここで、x、yおよびzは、直交基底3Dベクトルであり、oは原点である(cは、最後行が(0,0,0,1)である4×4の同次行列である)。セグメント化された対象が変換されるべきである新しい座標系は、C=(X,Y,Z,O)である。この例では、変換行列は、したがって、T=c^-1×Cである。
【0075】
[0091]したがって、処理回路102は、患者の座標系を決定し得る。
図2から
図8は、処理回路102が患者の座標系を決定する例示的な方法について説明する。より詳細に説明されるように、患者の座標系を決定した後でさえ、形状モデル106のさらなる調整が、セグメント化された対象(たとえば、患者の解剖学的構造)を形状モデル106に適切に整列するために必要とされ得る。たとえば、オーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションのために、消失したまたはひずんだ画像データが患者の座標系を決定するために使用されないことがある。したがって、処理サーキュイティ102は、最初の整列を実行するために利用可能である画像データを利用するが、次いで、セグメント化された対象を形状モデル106に完全に整列するためにさらなる動作を実行し得る。
【0076】
[0092]
図2は、患者の座標系を決定するために使用される注目する点を有する肩甲骨の図である。たとえば、
図2は、関節窩の中心120と、肩甲骨の三角122と、肩甲骨の下角124とを有する肩甲骨118を示す。いくつかの技法は、患者の座標系を決定するために関節窩の中心120と、肩甲骨の三角122と、肩甲骨の下角124とを利用する。たとえば、関節窩の中心120と、肩甲骨の三角122と、肩甲骨の下角126とは、三角形を形成すると見なされ得、処理回路102は、患者の座標系の原点として三角形の(たとえば、3Dでの)中心点を決定し得る。
【0077】
[0093]しかしながら、オーバーセグメンテーションおよびアンダーセグメンテーションの場合、そのような技法が利用可能でないことがある。一例として、アンダーセグメンテーションでは、走査108は、下方におよび/または上方におよび/または内側に切り捨てられ得、肩甲骨の三角122と肩甲骨の下角124とは、走査108の画像データから抽出されたセグメント化された対象中に存在しないことがある。したがって、処理回路102は、患者の座標系を決定する目的のために関節窩の中心120と、肩甲骨の三角122と、肩甲骨の下角124との3つすべてを利用することができないことがある。
【0078】
[0094]1つまたは複数の例では、特定のランドマーク(たとえば、関節窩の中心120、肩甲骨の三角122、および肩甲骨の下角124)が走査108の画像データ中のセグメント化された解剖学的対象として利用可能でない場合、処理回路102は、肩甲骨の法線(たとえば、肩甲骨118に対して垂直なベクトル)と走査108の画像データの3D情報に基づく横軸とに基づいて患者の座標系を定義し得る。より詳細に説明されるように、処理回路102は、肩甲骨118の本体に対する最適平面の法線に基づいて肩甲骨の法線を決定し得る。処理回路102は、棘上窩と、脊椎と、肩甲骨の本体との間にある海綿状の領域を線が通り抜けることによって横軸を決定し得る。海綿状の領域を使用して、処理回路102は、(他の座標系が可能であるが)直交(たとえば、x,y,z)座標系を定義し得る。座標系の原点は、関節窩の中心120であり得るが、他の原点が可能である。
【0079】
[0095]このようにして、処理回路102は、オーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションがある場合でも、走査108の画像データ中に存在する解剖学的対象に基づいて患者のための座標系を決定し得る。座標系に基づいて、処理回路102は、セグメンテーションの対象を形状モデル106(たとえば、最初のSSM)の座標系に整列し、発病前特性化を決定するために患者のセグメンテーション対象に形状モデル(たとえば、形状モデル106の歪んだバージョン)を登録するために形状モデル106を反復的に変形させ得る。
【0080】
[0096]
図3Aおよび
図3Bは、画像データがオーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションにより利用不可能である解剖学的対象に依拠しないことがある患者の座標系を決定するための肩甲骨を切り開いた平面の図である。たとえば、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより利用可能でないことがある関節窩の中心120と、肩甲骨の三角122と、肩甲骨の下角124とに依拠した
図2の例とは異なり、
図3Aおよび
図3Bに関して示される例示的な技法は、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより利用不可能である解剖学的対象に依拠しないことがある。
【0081】
[0097]
図3Aに示されているように、走査108のうちの1つは、肩甲骨の部分126を示す肩甲骨118を通る軸方向の切断の走査であり得る。
図3Bは、肩甲骨118を通した
図3Aの肩甲骨の部分126の上面図である。
【0082】
[0098]
図3Bは、肩甲骨の部分126を通る部分136を通した交差平面を表す複数のドットを示す。1つまたは複数の例では、処理回路102は、肩甲骨の部分126を通して交差する平面を決定し得る。部分126を通した平面の交点は、ドットを用いて示されている。たとえば、
図3Bは線128を示している。線128は、肩甲骨の部分126中のドットの大部分と交差する。
【0083】
[0099]肩甲骨の部分126中のドットは、周囲輪郭の「骨格」であり得る。骨格は、それらのそれぞれの最も近い境界までそれぞれ同じ距離である輪郭を通るドットである。骨格について説明したが、いくつかの例では、肩甲骨の部分126中のドットは、別の例として、中心点であり得る。
【0084】
[0100]処理回路102は、部分126を形成する画像データを決定し得る。処理回路102は、図示のように、部分126のドット(たとえば、2つの非限定的な例として、骨格ドットまたは中心ドット)を決定し得る。処理回路102は、線128から関節窩に向かって上に延び、線128から肩甲骨の下角に向かって下方へ延びる平面を決定し得る。
【0085】
[0101]たとえば、
図3Aが1つの例示的な軸方向の切断を示すが、処理回路102は、
図3Bと同様に複数の軸方向の切断を決定し、軸方向の切断を通して点を決定し得る。結果は、軸方向の切断ごとの2Dの点であり得、処理回路102は、軸方向の切断の各々を通して好み128と同様の線を決定し得る。処理回路102は、肩甲骨118を通る軸方向の切断ごとに線を通って延びる平面を決定し得る。この平面は、肩甲骨118を通り、
図4に示されている。
【0086】
[0102]
図4は、患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る、
図3Aおよび
図3Bに示された例を用いて決定される平面に対する法線の透視図の概念図である。たとえば、
図4は平面130を示す。平面130は、
図3Bに示された線128と交差する。平面130は、肩甲骨118の本体に対する最適平面と見なされ得る。処理回路102は、平面130に垂直であるベクトル132を決定し得る。1つまたは複数の例では、ベクトル132は、患者の座標系の1つの軸(たとえば、x軸)を形成し得る。他の軸を決定する技法については、以下でより詳細に説明する。
【0087】
[0103]
図5は、患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面に対する法線の別の透視図などの
図4の例の別の透視図の概念図である。
図5は、
図4と同様であるが、
図4の側面ではなく正面からの視点の図である。たとえば、
図5は、最適平面130と法線ベクトル132とをもつ患者の肩甲骨118を示す。
【0088】
[0104]このようにして、処理回路102は、肩甲骨118に垂直である患者の座標系の第1の軸を決定し得る。処理回路102は、肩甲骨118を通して横向きの軸として患者の座標系の第2の軸を決定し得る。
【0089】
[0105]
図6は、患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る横軸を示す概念図である。たとえば、
図6は、
図4および
図5において決定された軸に加えて、形状モデル106を走査108の画像データの座標系に整列するための軸を決定する例を示す。
【0090】
[0106]
図6は横軸134を示す。処理回路102は、棘上窩と、脊椎と、肩甲骨の本体との間にある海綿状の領域を通り抜ける線として横軸134を決定し得る。横軸134を決定する例示的な技法は、
図7A、
図7B、
図8A~
図8C、ならびに
図9Aおよび
図9Bおよびに関して説明する。処理回路102は、
図7Aおよび
図7Bに示す走査108の画像データに基づいて肩甲骨を通る複数の矢状断を決定し得る。たとえば、
図7Aおよび
図7Bは、軸133Aに基づいて肩甲骨を通る矢状断の異なる視点である。処理回路102は、棘上窩と、脊椎と、肩甲骨の本体との間にある海綿状の領域の近似に基づいて軸133Aを利用し得、推定された軸を用いて事前プログラムされ得る。
【0091】
[0107]
図8A~
図8Cは、
図7Aおよび
図7Bの矢状断のうちの1つの結果を示す。たとえば、矢状断は、
図8Aに示すように、「Y」形状から。処理回路102は、
図8Bに示すように、Y形状を通る骨格線を決定し得る。たとえば、処理回路102は、Y形状を通って最も近い境界に等距離であるドットを決定し、
図8Bに示されているように、Y形状を通る線を形成するようにドットを相互接続し得る。この場合も、骨格ではなく、中心点のような他の点が使用され得る。処理回路102は、交点135によって示されるように、骨格を通る線の交点を決定し得る。たとえば、交点135は、Y形状を一緒に形成する線のすべてに共通であり得る。
【0092】
[0108]処理回路102は、矢状断の各々中のY形状の各々についてこれらの動作を繰り返し、交点135のようなそれぞれの交点を決定し得る。処理回路102は、
図9Aおよび
図9Bに示される最初の横軸133Bを決定するために複数のそれぞれの交点とそれが交差する線を決定し得る。
【0093】
[0109]処理回路102は、最初の横軸133Bを使用して肩甲骨を通る矢状断を決定し得る。たとえば、
図9Aおよび
図9Bは、軸133Bに基づいて肩甲骨を通る矢状断の異なる視点である。処理回路102は、
図9Aおよび
図9Bに示されている矢状断のための複数の交点を決定するために
図8A~
図8Cに関して説明された動作を繰り返し得る。たとえば、
図8A~
図8Cと同様に、軸133Bを使用し矢状断に基づいて、各矢状断は、
図8Aと同様に、Y形状を形成し得る。処理回路102は、
図8Bと同様に、Y形状を通る骨格線を決定し、
図8Cと同様に交点を決定し得る。処理回路102は、矢状断の各々中のY形状の各々についてこれらの動作を繰り返し、
図8A~
図8Cについての上記の説明と同様に、それぞれの交点を決定し得る。処理回路102は、
図6に示される横軸134を決定するために複数のそれぞれの交点とそれが交差する線を決定し得る。
【0094】
[0110]
図10は、患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る
図6の横軸と肩甲骨を通る平面に対する
図4および
図5の法線とを示す概念図である。たとえば、
図10は、肩甲骨118と関節窩中心120とを示す。
図10はまた、平面130に垂直であるベクトル132を示し、横軸134を示す。
【0095】
[0111]たとえば、上記で説明されたように、発病前特性化のための最初のステップは、セグメント化された対象が形状モデル106に整列される座標軸を決定することである。上記で説明された例示的な技法では、処理回路102は、x軸(たとえば、ベクトル132)とz軸(たとえば、横軸134)とを決定し得る。処理回路102は、以下の技法を使用してy軸をさらに決定し得る。プロセス回路102は、走査108の画像データのセグメンテーションから決定された解剖学的対象のロケーションを表し、定義するために座標系を決定すると、処理回路102は、セグメント化された対象を形状モデル106の座標系に整列することが可能であり得る。
【0096】
[0112]
図11は、患者の座標系を決定するための関節窩の中央ロケーションへの肩甲骨を通る横軸と肩甲骨を通る平面に対する法線との移動(または伸張)を示す概念図である。たとえば、
図8は、関節窩の中心120を中心とする患者の座標系を示す。図示のように、ベクトル132は、上記で決定されたように、患者の座標系のx軸を形成し、横軸134は、患者の座標系のz軸を形成し、軸136は、患者の座標系のy軸を形成する。
【0097】
[0113]処理回路102は、複数の2Dおよび3D動作に基づいて関節窩の中心を決定し得る。たとえば、処理回路102は、関節窩の重心を決定し、関節窩の中心120を決定するために関節窩の表面に重心を投影して戻し得る。
【0098】
[0114]処理回路102は、次いで、x軸132とz軸134とに基づいてy軸136を決定し得る。たとえば、処理回路102は、y’=z*xを決定し得、ここで、*は、ベクトル積である。y’はx軸132とz軸134とによって定義された平面に対して直角であるが、x軸132とz軸134とは、必ずしも完全に直交である必要はない。したがって、処理回路102は、直交系(x,y’,Z)または(X,y’,z)を有するためにZ=x*y’によってz軸134をまたはX=y’*zによってx軸132を置き換え得る。いくつかの例では、x軸132(たとえば、肩甲骨の法線)の計算がz軸134(たとえば、横軸)の計算よりもロバストなので、処理回路102は、Z=x*y’を利用し得る。
【0099】
[0115]このようにして、処理回路102は、患者の座標系を決定し得る。上記で説明された例などのいくつかの例では、処理回路102は、オーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションにより走査108の画像データからの解剖学的対象のセグメンテーション中に存在しないことがある肩甲骨の三角122および肩甲骨の下角124などの特定のランドマークに依拠することなしに患者の座標系を決定し得る。特に、例示的な技法は、特定の解剖学的対象に依拠することなしにx、y、およびz軸を決定するが、むしろ走査108の画像データ中に存在しなければならない肩甲骨118自体に基づいてx、y、およびz軸を決定するが、肩甲骨の三角122と肩甲骨の下角124とは、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより走査108の画像データ中に存在しないことがある。
【0100】
[0116]患者の座標系を決定した後に、処理回路102は、患者の座標系を形状モデル106に整列するために変換行列を決定し得る。上記で説明されたように、変換行列を決定する1つの例示的な方法は、c=(x,y,z,o)である座標系を使用することであり、ここで、x、yおよびzは、直交基底3Dベクトルであり、oは原点である(cは、最後行が(0,0,0,1)である4×4の同次行列である)。セグメント化された対象が変換されるべきである新しい座標系は、C=(X,Y,Z,O)である。この例では、変換行列は、したがって、T=c^-1×Cである。
【0101】
[0117]処理回路102は、セグメンテーション対象を形状モデル106(たとえば、メモリ104から取り出されたSSM)に整列するために走査108からの画像データに基づいてセグメンテーション対象を定義する座標(たとえば、ここで、座標は上記で説明された技法を利用して軸から決定される)に変換行列を乗算し得る。この整列の結果は、最初の形状であり得る。たとえば、
図12は、形状モデル106と整列された最初の整列形状138を示す。最初の整列形状138は、
図12において、形状モデル106上に重ね合わせて示されている。最初の整列形状138は、解剖学的構造のいくつかの部分が(たとえば、アンダーセグメンテーションにより)消失していることがあるか、または(たとえば、オーバーセグメンテーションにより)ひずんでいることがある走査108の画像データに基づいて生成される。たとえば、最初の整列形状138は、概して、それがx軸、y軸、およびz軸上で形状モデル106と同じ向きを有するように配置され得る。
【0102】
[0118]しかしながら、変換の後、最初の整列形状138は、形状モデル106に密接に整列されないことがある。肩甲骨が下方におよび/または内側に過剰に切断される場合(これは、わからないことがあるが、最初の形状138での事例である)、肩甲骨本体の法線(たとえば、ベクトル132)および横軸134を決定する際に計算エラーがある可能性がある。これらの計算エラーは、形状モデル106と患者の解剖学的構造(たとえば、肩甲骨118)との間の不整列につながり得、したがって、最初の整列形状138は、形状モデル106に望ましいほど密接に整列されないことがある。たとえば、
図12からわかるように、最初の整列形状138は、z軸(たとえば、横軸)134に沿って回転される。
【0103】
[0119]1つまたは複数の例では、過剰に切断された肩甲骨118からの不整列があるのかどうかが未知であり得るので、処理回路102は、整列形状を生成するために最初の形状138のパラメータを修正し得る。整列形状は、形状モデル106に実質的に(たとえば、ロケーション、サイズ、および向きの点で)近い。一例として、パラメータを修正するために、処理回路102は、最初の整列形状モデルがz軸に沿って回転する(たとえば、最初の整列形状138の点がz軸に沿って回転する)ように最初の整列形状138の座標を反復的に調整し得る。各調整時に、処理回路102は、最初の整列形状138と形状モデル106と(たとえば、最初の整列形状中の点と形状モデル106中に表される点と)の間の距離を決定し得る。
【0104】
[0120]たとえば、処理回路102は、(たとえば、肩峰および烏喙骨の点などの)最初の整列形状138上の点と形状モデル106上の対応する点(たとえば、形状モデル106上の肩峰および烏喙骨)との間の距離を決定し得る。対応する点は、同じ患者の解剖学的構造を識別する最初の整列形状138中の点と形状モデル106中の点を指す。処理回路102は、z軸134の周りの最初の整列形状138と形状モデル106との間の距離がしきい値(たとえば、距離が最小化される場所を含むしきい値未満)を満たすまで、最初の整列形状138を回転し続け得る。次いで、処理回路102は、y軸の周りの最初の整列形状138と形状モデル106中の対応する点との間の点の差がしきい値(たとえば、距離が最小化される場所を含むしきい値未満)を満たすまで、y軸138に沿って最初の整列形状138を回転し得る。処理回路102は、x軸132に沿った最初の整列形状138と形状モデル106中の対応する点との間の点の差がしきい値(たとえば、距離が最小化される場所を含むしきい値未満)を満たすまで、x軸132の周りに最初の整列形状モデルを回転し得る。
【0105】
[0121]一例として、処理回路102は、最初の整列形状138が、探索範囲[-45度,45度]または[-27度,27度]内で軸(たとえば、最初の整列形状モデルの第1のインスタンス)に沿って5度回転するように最初の整列形状138のパラメータを修正し得る。処理回路102は、最初の整列形状138の第1のインスタンスの点と形状モデル106の対応する点との間の距離を決定し得る。距離が最小でないかまたはしきい値未満でないと仮定すると、次に、処理回路102は、最初の整列形状が軸(たとえば、最初の整列形状138の第2のインスタンス)に沿って10度回転するように最初の整列形状138のパラメータを修正し、(たとえば、最初の整列形状138の第2のインスタンスの点と形状モデル106の対応する点との間の)距離を決定し得る。処理回路102は、最初の整列形状138のインスタンスごとに軸の各々に関してこれらの動作を繰り返し得る。処理回路102は、処理回路102が(最小距離などの)しきい値よりも小さい距離を生じる最初の整列形状138のインスタンスを決定するまでこれらの動作を繰り返し続け得る。様々な反復インスタンスのうち(最小距離の例を含む)距離がしきい値よりも小さくなることを生じる最初の整列形状138のインスタンスが、
図13に示される整列形状140として選択される。
【0106】
[0122]これらの動作の結果は、整列形状(たとえば、x軸、y軸、およびz軸に沿って回転されたモデル)であり得る。たとえば、
図13は、形状モデル106に整列された整列形状140を示す。整列形状140は、
図13において、形状モデル106上に重ね合わせて示されている。整列形状140(たとえば、単なる整列形状140)は、最初の整列形状138と比較して形状モデル106へのより良い整列を与える。たとえば、
図13に示されているように、整列形状140は、
図12に示されているように、形状モデル106に最初の整列形状138よりも良好に形状モデル106に整列される。
【0107】
[0123]たとえば、最初の整列形状138と形状モデル106とは、概して、整列され得る。しかしながら、走査108中の解剖学的対象の画像データのオーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションにより最初の整列形状138と形状モデル106との間の何らかの傾斜または誤配向があり得る。これを解消するために、処理回路102は、最初の整列形状138と形状モデル106との間の距離がしきい値を満たす(たとえば、最小化される)まで各軸(x、y、z)の周りに最初の整列形状138を別々に回転し得る。したがって、最初の整列形状138を反復的に回転することによって、処理回路102は、(中間の整列形状140とも呼ばれる)整列形状140を生成し得る。整列形状140上の点と形状モデル106の対応する点との間の距離が最小化され得るので、整列形状140(たとえば、中間の整列形状140)は実質的に形状モデル106の座標系中にある。
【0108】
[0124]いくつかの例では、形状モデル106は、患者の解剖学的構造の発病前特性を生成するために整列形状140の形状に変形するので、整列形状140は、中間の整列形状と呼ばれることがある。処理回路102は、形状モデル106を整列形状140に登録するために形状モデル106を変形させるために以下で説明される技法を利用し得る。しかしながら、いくつかの例では、処理回路102は、整列形状140に登録するため形状モデル106を変形させるためにいくつかの他の技法を利用し得る。また、形状モデル106を整列形状140に登録するための例示的な技法については、整列形状140が上記で説明された技法以外の技法を使用して生成されるそのような技法がプリフォームされることが可能であり得る。
【0109】
[0125]上記で説明されたように、処理回路102は、整列形状140に形状モデル106を登録するように構成され得る。整列形状140に形状モデル106を登録することは、コスト関数値がしきい値を下回る(たとえば、最小化される)まで、形状モデル106を反復的に変形させることを指すことがある。登録アルゴリズムは、反復最接近点(ICP)ループと弾性登録(ER)ループと呼ばれる2つの内部反復ループを含むグローバルループである。登録アルゴリズムを実行する他の例示的な方法があり得、グローバルループ内での2つのループの使用は、登録アルゴリズムを実行する1つの例示的な方法にすぎない。たとえば、いくつかの例では、ICPループをバイパスし、ERループのみを実行することが可能であり得る。いくつかの例では、ICPループのみを実行し、ERループをバイパスすることが可能であり得る。
【0110】
[0126]グローバルループの第1の反復の場合のICPループでは、最初の入力は、整列形状140と形状モデル106とである。グローバルループの第1の反復でのICPループの場合、処理回路102は、1次形状を生成するために整列形状140の形状モデル106との比較に基づいて整列形状140を反復的に修正する。たとえば、ICPループを通る反復ごとに、処理回路102は、コスト値を決定し、しきい値よりも小さい(たとえば、最小化された)コスト値を生じる修正された整列形状が、ICPループの出力であり、1次形状と呼ばれる。ICPアルゴリズムの一例については以下でより詳細に説明する。
【0111】
[0127]1次形状は、グローバルループの第1の反復のためのERループへの入力である。ERループへの別の入力は、グローバルループの第1の反復の場合、形状モデル106である。グローバルループの第1の反復でのERループの場合、処理回路102は、複数の推定形状モデル(たとえば、ERループを通して各回に1つ)を生成するために形状モデル106を変形させ得る。ERループのループごとに、処理回路102は、総コスト値を決定し、ERループのどの反復が、しきい値(たとえば、最小化された場所を含むしきい値未満)を満たす総コスト値を有する推定形状モデルを利用したのかを決定し得る。ERループの結果(たとえば、しきい値を満たす総コスト値を有する推定形状モデル)は、1次登録形状モデルである。これは、グローバルループの1つの反復を完了する。総コスト値は、グローバルループの第1の反復の場合、推定形状モデルと1次形状との間の距離および向きと、解剖学的構造の内方化に関する制約と、パラメータの重み付けとに基づき得る。
【0112】
[0128]たとえば、S1は、処理回路102がグローバルループの第1の反復においてERループを使用して決定することになっている1次形状モデルであると仮定する。ERループの場合、処理回路102は、S11、S12、S13などを生成し得、ここで、S11、S12、S13などの各々は、形状モデル106の変形バージョンであり、S11、S12、S13などはそれぞれ、推定形状モデルの一例である。S11、S12、S13などのうちの1つの各々について、処理回路102は、総コスト値(たとえば、S11_総コスト値、S12_総コスト値、S13_総コスト値など)を決定し得る。処理回路102は、総コスト値のうちのどれがしきい値未満であるのか(たとえば、最小化されたのか)を決定し得る。しきい値を下回る(たとえば、最小化された)総コスト値を有する推定形状モデル(たとえば、S11、S12、S13などのうちの1つ)は、S1(たとえば、1次登録形状モデル)である。これの後に、グローバルループの第1の反復が完了する。
【0113】
[0129]グローバルループの第2の反復の場合、処理回路102は、ICPループの動作を実行する。グローバルループの第2の反復では、ICPループの場合、1つの入力は、ERループから生成される1次形状モデルであり、他方の入力は、前のICPループによって生成された1次形状である。グローバルループの第2の反復では、ICPループの場合、処理回路102は、1次形状モデルへの1次形状の比較に基づいて1次形状を反復的に修正する。たとえば、ICPループを通る反復ごとに、処理回路102は、コスト値を決定し、しきい値よりも小さい(たとえば、最小化された)コスト値を生じる修正された1次形状が、ICPループの出力であり、2次形状と呼ばれる。
【0114】
[0130]2次形状は、グローバルループの第2の反復のためのERループへの入力である。ERループへの別の入力は、グローバルループの第2の反復の場合、形状モデル106および/または1次形状モデルである。形状モデル106が使用される場合、biの値は、[-b +b]中で変動し得る。1次形状モデルが使用される場合、biの値は、[-b+b_prev b+b_prev]中で変動し得、ここで、b_prevは、前の反復において見られた(たとえば、1次形状モデルを決定するために使用された)値である。
【0115】
[0131]グローバルループの第2の反復でのERループの場合、処理回路102は、複数の推定形状モデル(たとえば、ERループの反復ごとに1つ)を生成するために形状モデル106および/または1次形状モデルを変形させ得る。ERループの反復ごとに、処理回路102は、総コスト値を決定し、ERループのどの反復が、しきい値を満たす(たとえば、最小化された)総コスト値を有する推定形状モデルを利用したのかを決定し得る。グローバルループの第2の反復でのERループの結果(たとえば、しきい値を満たす総コスト値を有する推定形状モデル)は、2次形状モデルである。これは、グローバルループの第2の反復を完了する。総コスト値は、グローバルループの第2の反復の場合、推定形状モデルと2次形状との間の距離および向きと、解剖学的構造の内方化に関する制約と、パラメータの重み付けとに基づき得る。
【0116】
[0132]たとえば、S2は、処理回路102がグローバルループの第2の反復においてERループを使用して決定することになっている2次形状モデルであると仮定する。ERループの場合、処理回路102は、S21、S22、S23などを生成し得、ここで、S21、S22、S23などの各々は、形状モデル106および/または1次形状モデルの変形バージョンであり、S21、S22、S23などはそれぞれ、推定形状モデルの一例である。S21、S22、S23などのうちの1つの各々について、処理回路102は、総コスト値(たとえば、S21_総コスト値、S22_総コスト値、S23_総コスト値など)を決定し得る。処理回路102は、総コスト値のうちのどれがしきい値未満であるのか(たとえば、最小化されたのか)を決定し得る。しきい値を下回る(たとえば、最小化された)総コスト値を有する推定形状モデル(たとえば、S21、S22、S23などのうちの1つ)は、S2(たとえば、2次登録形状モデル)である。これの後に、グローバルループの第2の反復が完了する。
【0117】
[0133]上記の例では、処理回路102は、グローバルループの第1の反復のためにS11、S12、S13など(たとえば、推定形状モデルの第1のセット)を生成し、グローバルループの第2の反復のためにS21、S22、S23など(たとえば、推定形状モデルの第2のセット)を生成した。いくつかの例では、推定形状モデルの第1のセットと第2のセットとの中にいくつかの推定形状モデルは、同じであり得る。いくつかの例では、推定形状モデルの第1のセットと第2のセットとの中のいくつかの推定形状モデルは異なり得る(たとえば、推定形状モデルの第1のセット中の6つの推定形状モデルおよび推定形状モデルの第2のセット中の14個の推定形状モデル)。グローバルループの異なる反復において異なる数の推定形状モデルを有することの1つの理由は、グローバルループの後続の反復における推定形状モデルの数を増加させることによって、同じまたはより少ない数の推定形状モデルが使用される場合と比較してグローバル最小値をより正確に決定することが可能であり得る。すなわち、処理回路102は、複数のERループを通して推定形状モデルを生成するために使用される未知数(たとえば、モードおよびスケールファクタ)の数を徐々に増加させ得る。
【0118】
[0134]このプロセスは、総コスト値がしきい値を下回る(たとえば最小化される)まで繰り返し続ける。しきい値を下回る(たとえば、最小化された)総コスト値を与える登録形状モデル(たとえば、N次登録形状モデル)が、患者の解剖学的構造の発病前特性化を与える。患者の座標系に発病前特性化を戻すためにいくつかの追加の処理が必要とされ得る。
【0119】
[0135]上記で説明されたように、発病前特性化を決定するために、ICPループとERループとを含むグローバルループがある。以下は、ICPループの一例について説明する。ICPループでは、ソース点クラウトとターゲット点群とがある。ターゲット点群は固定されたままであり、処理回路102は、変換された点群がターゲットの点群に一致するようなソース点群を修正する(たとえば、変換する)。変換された点群とターゲットの点群との間の差は、変換された点群がソースクラウドにどのくらい良好に一致しているのかを示す。1つまたは複数の例では、処理回路102は、差がしきい値を下回るまでソース点群を変換し続ける。たとえば、処理回路102は、差が最小化されるまでソース点群を変換し続ける。
【0120】
[0136]1つまたは複数の例では、グローバルループの第1の反復において、ICPループの場合、ターゲット点群は、形状モデル106であり、ソース点群は、整列形状140である。処理回路102は、整列形状140上の点と形状モデル106上の対応する点との間の距離を決定し得る。使用される整列形状140上の点は、病理学的でない(たとえば、数個の非限定的な例として、内側関節窩円蓋、肩峰、および烏喙骨である)と知られている点であり得る。他の例は、走査108の画像データ中に存在する肩甲骨上の様々な他の点を含む。処理回路102は、形状モデル106上の同じ解剖学的構造のための点を発見し得る。
【0121】
[0137]
図14は、ICPアルゴリズムのための差分値を決定するための一例を示す概念図である。たとえば、処理回路102は、ターゲット点群(たとえば、形状モデル106)上の点(p)を決定し得る。処理回路102は、次いで、整列形状140上の点pに最も近接した点を決定し得、これは、
図14の例では、点p
ppである。処理回路102は、
図14に示されるp
ctなどの整列形状140上の点p
ppに近接している点の設定された数(たとえば、10個の点)を決定し得る。
【0122】
[0138]形状モデル106上の点pおよびこれらの点の各々(たとえば、整列形状140上の最も近接した点および近接した点)について、処理回路102は法線ベクトルを決定し得る。たとえば、ベクトルnsは、点pのための法線ベクトルであり、ベクトルnppは、点pppのための法線ベクトルであり、ベクトルnjは、点pctのための法線ベクトルである。法線ベクトルを決定するための1つの方法は、点に対する接線平面に直交するベクトルに基づく。点の法線を計算する別の方法は、その点を共有する各三角形の法線を計算し、次いで、平均法線の結果とすることである。ローカル雑音を克服するために、法線は、特定の近傍内の点の平均法線を計算することによって平滑化される。
【0123】
[0139]処理回路102は、以下の式に基づいて形状モデル106上の点pと整列形状140上の点との間の向きと距離との差を決定し得る。
【0124】
【0125】
[0140]上式において、p
sは、ソース点(たとえば、形状モデル106上の点p)であり、ptは、整列形状140上の点(たとえば、点p
ppまたはp
ctなどの最も近接した点および近接した点)であり、nsは、点psの法線ベクトル(たとえば、
図14に示されているns)であり、ntは、整列形状140上の点の法線ベクトル(たとえば、nppおよびnj)であり、wは、事前プログラムされた重み付け係数である。一般に、wは、距離と向きとの間で等しい重みを与えるために1に等しい。いくつかの例では、高い/低い曲率領域が、より高い/より低い値の「w」を必要とし得る。「w」の値は、経験的に定義され得る。
【0126】
[0141]処理回路102は、差分値のうちのどれが最小の差分値を生じたのかを決定し得る。たとえば、第1の差分値は、p、ns、ppp、およびnppに基づき、第2の差分値は、p、ns、pct、およびnjに基づくと仮定する。この例では、第2の差分値は、第1の差分値よりも小さくなり得る。処理回路102は、形状モデル106上の点pに対応する点として整列形状140上のpctを決定し得る。
【0127】
[0142]
図14は、形状モデル106上の1つの点pを示すが、形状モデル106上に複数(たとえば、N個)の点があり得、処理サーキュイティ102は、形状モデル106上のN個の点の各々について整列形状140上のN個の対応する点を識別するために上記で説明された動作と同様の動作を実行し得る。したがって、N個の差分値があり得る。処理回路102は、N個の差分値を一緒に加算し、結果をNで除算し得る。(たとえば、得られた値が最小化されない例を含む)得られた値がしきい値よりも大きい場合、処理回路102は、ICPループを続け得る。
【0128】
[0143]形状モデル106上のN個の点と整列形状上のN個の点とを用いて、処理回路102は、回転行列Rと並進ベクトルtとを決定し得る。回転行列と並進ベクトルとに基づいて、処理回路102は、整列形状140上の点を回転し、並進し得る(たとえば、-R×(整列形状上の点)+並進ベクトル)。結果は、第1の中間の1次形状である。回転行列Rと並進ベクトルtとを生成する1つの例示的な方法は、Berthold K.P.Horn(1987)、Closed-form solution of absolute orientation using unit quaternions、https://pdfs.semanticscholar.org/3120/a0e44d325c477397afcf94ea7f285a29684a.pdfに記載されている。
【0129】
[0144]これは、ICPループの1つのインスタンスを完結し得る。処理回路102は、次いで、これらの動作を繰り返し得、ここで、処理回路102は、整列形状140と形状モデル106との代わりに第1の中間1次形状を使用する。処理回路102は、形状モデル106上のN個の点と中間1次形状上のN個の点の各々のためのN個の差分値を決定し得る。処理回路102は、N個の差分値を一緒に加算し、Nで除算し得る。得られた値が、しきい値よりも大きい(または最小化されない)場合、処理回路102は、回転行列と並進ベクトルとを決定し、第2の中間1次形状を決定し得る。これは、ICPループを通る第2の反復を完結し得る。
【0130】
[0145]処理回路102は、処理回路102が、形状モデル106上のN個の点と第Xの中間1次形状上のN個の点との間のN個の差分値の和がNで除算されて生じた値を決定するまでこれらの動作を繰り返し続け得、ここで、値は、(値が最小化されるときなどに)しきい値を満たす。この場合、ICPループは完結され、処理回路102は、第Xの中間1次形状が1次形状であると決定する。
【0131】
[0146]1次形状は、弾性登録(ER)ループへの入力になる。ERループ中への別の入力は、形状モデル106である。ERループでは、処理回路102は、形状モデル106に基づいて複数の推定形状モデルを決定し得る。たとえば、処理回路102は、以下の式に基づいて新しい形状モデル(si)を決定し得る。
【0132】
【0133】
[0147]上式では、s’は、形状モデル106(たとえば、一例として平均形状の点群、ここで、点群は、形状モデル106を形成するプリミティブの頂点などの形状モデル106内の点の座標を定義する)である。式中で、λiは、固有値であり、viは、(変動のモードとも呼ばれる)それぞれ共分散行列の固有ベクトルである。共分散行列は、データセット中の分散を表す。i,jの位置中の要素は、データセットアレイのi番目とj番目との要素との間の共分散である。
【0134】
[0148]処理回路102は、異なる値のbiを選択することによって複数の推定形状モデルを決定し得る。上記では、biは、固有値または固有ベクトルをスケーリングするためのスケーリングファクタである。固有値(λi)固有ベクトル(vi)は、形状モデル106(たとえば、s’)の生成からわかる。説明しやすいように、処理回路102がbiの10個の選択された(たとえば、ランダムにまたは事前プログラムされた)値に基づいて10個の推定形状モデルを決定したと仮定する。10個よりも多いまたは10個よりも少ない推定形状モデルがあり得る。
【0135】
[0149]ERループでは、処理回路102は、推定形状モデルに対して以下の動作を実行し得る。ERループの一部として、処理回路102は、推定形状モデルのうちのどれがしきい値を下回る(たとえば、最小化された)コスト関数値を生成するのかを決定し得る。3つよりも多いまたは3つよりも少ないサブコスト関数値が可能であるが、コスト関数値は3つのサブコスト関数値に基づき得る。たとえば、第1のサブコスト関数値がCf1であると仮定すると、第2のサブコスト関数値はCf2であり、第3のサブコスト関数値はCf3である。いくつかの例では、コスト関数値(Cf)は、Cf1+Cf2+Cf3に等しくなる。いくつかの例では、重みが適用され得、したがって、Cf=w1*Cf1+w2*Cf2+w3*Cf3となり、0<wi<1および0<Cfi<1である。重み(wi)は、事前プログラムされ得る。ERループを完了するために、処理回路102は、推定形状モデルのうちのどれがしきい値(たとえば、最小化されることを含むしきい値未満)を満たすCf値を生成するのかを決定し得る。
【0136】
[0150]第1のサブコスト関数値(Cf1)は、(たとえば異なる値のbiに基づいて生成された)推定形状モデルとICPループによって生成された1次形状との間の距離と向きとに基づく。たとえば、推定形状モデルの各々のために、処理回路102は、Cf1値を決定し得る。Cf1のための式は、ICPループのために使用される式と同じ得る。
【0137】
[0151]たとえば、Cf1=Σnorm(ps-pt)2+w*norm(ns-nt)2/Nである。ただし、この場合、psおよびnsは、推定形状モデルの各々の上の点およびそれらの点のベクトルのためのものであり、ptおよびntは、1次形状上の点およびそれらの点のベクトルのためのものである。Nは、1次形状上と推定形状モデルの各々との上の点の数を指す。
【0138】
[0152]処理回路102は、ICPループについて説明した上記の例示的な技法を使用してCf1の値を決定し得る。たとえば、第1の推定形状モデルについて、処理回路102は、Cf1(たとえば、第1のCf1)の値を決定し得、第2の推定形状モデルについて、処理回路102は、Cf1(たとえば、第2のCf1)の値を決定し、以下同様に行い得る。この場合、処理回路102は、推定形状モデルのいずれの並進も回転も実行しないことがあるが、推定形状モデルのうちの1つを選択するために推定形状モデルの各々のためのCf1の計算を利用し得る。
【0139】
[0153]Cf1の値は、ERループのコスト関数値を決定するために使用されるサブコスト関数値のうちの1つである。いくつかの例では、Cf1値を最小化する推定形状モデルを決定し、ERループを終了することが可能であり得る。しかしながら、単に、ICPループの出力と形状モデル106から生成された推定形状との間の差(たとえば、点の距離)を最小化することは、患者の解剖学的構造の発病前特性化を決定するのに十分でないことがある。たとえば、患者の体に対するICPループによって生成された形状(たとえば、ICPループの最初の完結後の1次形状)のロケーションに対する論理制約があり得、1次形状と推定形状との間の差(たとえば、距離)を最小化することは、場合によってはそのような論理制約に違反し得る。たとえば、サブコスト関数値、Cf1は、いくつかの事例では、非凸状であり得、したがって、不正確である極小値につながり得る。追加のサブコスト関数値を用いて、処理回路102は、総コスト関数値Cfの非凸状を補正し得る。
【0140】
[0154]たとえば、関節窩の発病前特性化を予測するとき、推定形状モデルの関節窩は、現在の患者の関節窩よりも内方化されてはならない。本開示では、内方化または内側は、患者の体の中心に向けた方向を意味する。患者が関節窩に損傷または疾患を受けるとき、骨浸食が、病理学的関節窩を損傷または病気より前よりもより内側にあらせる(たとえば、患者の体の中心により近くに偏移させる)ことがあり得る。したがって、現在の関節窩よりも内側にある推定形状モデルのうちの1つのインスタンス上の関節窩は、発病前の患者の解剖学的構造の適切な推定でない可能性が高い。この場合も、損傷または疾患が、関節窩をより内側にあらせていることがあり、したがって、推定形状モデルのうちの1つが、関節窩の現在の位置よりも内側にある関節窩を含む場合、推定形状モデルのインスタンスは、患者の解剖学的構造の発病前特性を有しないことがある。
【0141】
[0155]すなわち、形状モデル106から生成された第1の推定形状モデルが第1の推定形状モデルとICPループによって生成された1次形状との間の距離と向きとに基づいてCf1の値を最小化したと仮定する。この例では、第1の推定形状モデルの関節窩が関節窩の現在の位置よりも内側にある場合、第1の推定形状モデルは、病理学的解剖学的構造の発病前形状の正しいまたは最良の推定でないことがある。
【0142】
[0156]推定形状モデルの内方化されたインスタンスが発病前特性化を決定するために使用されないことを保証するために、処理回路102は、Cf2の値を決定し得る。Cf2の値は、推定形状モデルが患者の解剖学的構造よりも内側にあるのか外側にあるのかを示す。すなわち、第2の例示的なサブコスト関数値はCf2である。Cf2の値は、解剖学的構造の内方化に関する制約の測度である。
【0143】
[0157]Cf2の値を決定するために、処理回路102は、患者の解剖学的構造(たとえば、病理学的肩甲骨)の横軸134上のしきい値点(p
th)を決定し得る。点p
thは、発病前特性化を決定するために使用される中間形状モデルのインスタンスによって交差されなければならない関節窩内方化のしきい値を表す。
図15Aおよび
図15Bは、p
thを決定するための例示的な方法を示す。たとえば、処理回路102は、関節窩の走査108からの画像データを注目する4分の1部分(たとえば、上部、後部、下部、および前部)に分割し得る。
【0144】
[0158]
図15Aおよび
図15Bは、患者の解剖学的構造の発病前形状を決定するために使用されるコスト関数のパラメータを決定するための関節窩の部分を示す概念図である。より詳細に説明されるように、
図15Aおよび
図15Bにおける関節窩の図示された部分を用いて、処理回路102は、p
thの値を決定し得る。処理回路102はまた、(たとえば、上記で説明されたように、biの値を使用して、固有値および固有ベクトルに基づいて形状モデル106から生成された)推定形状モデルの各々のための内方化値を決定し得る。p
thの値と内方化値とに基づいて、処理サーキュイティ102は、Cf2のサブコスト値を決定し得る。
【0145】
[0159]
図15Aは、関節窩表面を前側142と後側144とに分割する(たとえば、上記で説明された)横軸134を示す。
図15Bは、関節窩表面を上側150と下側152とに分割する横軸134を示す。たとえば、再び
図6を参照すると、処理回路102は、横軸134を決定した。次いで、処理回路102は、肩甲骨118を通る軸断または矢状断に基づいて前側142、後側144、上側150、および下側152を決定し得る。結果は、
図15Aおよび
図15Bに示されている例であり得る。
【0146】
[0160]処理回路102は、部分(たとえば、
図15Aの前側および後側と
図15Bの上側および下側と)の各々のための関節窩表面上の点を横軸134に投影し、各部分の投影された点の重心を決定し得る。線上への点の投影は、その線上の最も近接した点である。点とそれの投影とによって定義された線とベクトルとは直角である。これは、投影される点とともに斜辺を形成する線上のランダムな点を選定することによって計算され得る。三角法を使用して、投影は、斜辺と線とによって定義される角度のコサインを乗算した斜辺の長さである。重心は、その線上の投影された点の平均点であり、質量中心とも見なされ得る。
【0147】
[0161]たとえば、
図15Aにおける点146は、前側142のための投影された点の重心の一例である。
図15Aにおける点148は、後側144のための投影された点の重心の一例である。
図15Bにおける点154は、上側150のための投影された点の重心の一例である。
図15Bにおける点156は、下側152のための投影された点の重心の一例である。
【0148】
[0162]1つまたは複数の例では、処理回路102は、点146、148、154、および156から最も外側にある重心点(たとえば、患者の体の中心から最も遠く離れた点)を決定し得る。処理回路102は、しきい値点pthとして最も外側にある重心点を設定し得る。処理回路102はまた、最も外側にある4分の1部分をQthとして決定し得る。いくつかの例では、最も外側にある重心点は、必ずしも最も外側にある4分の1部分中にある必要はない。たとえば、点156が最も外側にある重心点(たとえば、しきい値点pth)であると仮定する。この例では、最も外側にある重心点が最も外側にある4分の1部分中にあった場合、最も外側にある4分の1部分(Qth)は下側152であり得る。しかしながら、最も外側にある重心点が最も外側にある4分の1部分中にない可能性がある。
【0149】
[0163]処理回路102は、Qth4分の1部分(たとえば、最も外側にある4分の1部分)をもつ推定形状モデルのインスタンス中の対応する4分の1部分を決定し得る。処理回路102は、推定形状モデルのインスタンスの4分の1部分の点を横軸134に投影し得る。たとえば、推定形状モデルの各々について、処理回路102は、推定形状モデルの各々のための点146、148、154、および156のような点を決定し得る。しかしながら、(たとえば、推定形状モデルを生成するために使用される異なる値のbiによる)推定形状モデルの異なる内方化のために、それぞれの投影された点は、横軸134上の異なるロケーションにあり得る。
【0150】
[0164]たとえば、処理回路102は、横軸134上のアンカーポイントを決定し得る。このアンカーポイントは、推定形状モデルの各々について横軸134上の同じロケーションにある。処理回路102は、アンカーポイントまでの投影された点の距離を決定し得る。いくつかの例では、pthがアンカーポイントであり得る。
【0151】
[0165]処理回路102は、pthまでの投影された点の距離を決定し得る。処理回路102は、dmedに等しい値として投影された点の距離の平均を決定し得る。
【0152】
[0166]dmedの値が0または正である場合、推定形状モデルのインスタンスが、現在の患者の解剖学的構造(たとえば、関節窩および肩甲骨)よりも内側にあり、したがって、患者の解剖学的構造の発病前特性のための良好な予測子でないことを意味する。dmedの値が負である場合、推定形状モデルのインスタンスが、現在の患者の解剖学的構造よりも外側にあり、したがって、患者の解剖学的構造の発病前特性のための可能な予測子であり得ることを意味する。
【0153】
[0167]いくつかの例では、処理回路102は、Cf2をdmedに基づく値に等しく設定し得る(たとえば、Cf2はdmedと相関している)。たとえば、dmedに基づいてCf2を計算するために使用される関数は、0よりも大きいdmedの値のための増加関数であり、0よりも小さいdmedの値のための減少関数であり得る。一例として、dmedが0以上である場合、処理回路102は、Cf2をdmedに等しく設定し、dmedが0よりも小さい場合、Cf2を0に等しく設定し得る。このようにして、推定形状モデルのインスタンスが現在の患者の解剖学的構造よりも内側にある場合、Cf2の値は、正数であり、コスト関数の全体的なコスト値が増加することになる。この場合も、コスト関数(Cf)は、Cf1+Cf2+Cf3に等しくなり(場合によっては、重みw1、w2、およびw3で更新され)、Cf2が正数である場合、Cfの値は、Cf2の値が0である場合と比較して増加することになる。処理回路102がしきい値を満たす(たとえば、コスト関数を最小化する)コスト値を決定しているので、正値のCf2を有することにより、処理回路102は、発病前特性を決定するために現在の患者の解剖学的構造よりも内側にある推定形状モデルのインスタンスを使用しない。
【0154】
[0168]いくつかの例では、コスト関数値(Cf)は、Cf1とCf2とのみに基づき得る。たとえば、ERループの場合、処理回路102は、どの推定形状モデルがCfを最小化することに結果するのかを決定し得る。しかしながら、推定形状モデルが高い変化をもつ(たとえば、一般的な集団における発病前特性を表すより低い確率を有する)モデルである場合が可能であり得る。したがって、いくつかの例では、ERループの場合、処理回路102は、パラメータ重み付け値(たとえば、Cf3)を決定し得る。パラメータの重み付け値は、発病前解剖学的構造の表現であることのより高い確率を有するものとしてより可能性がある推定形状モデルを重み付けし、発病前解剖学的構造の表現であることのより低い確率を有するものとしてレスライクな推定形状モデルを重み付けする。
【0155】
[0169]たとえば、いくつかの例では、処理回路102はまた、データエラー中の増加する分散内のより複雑な解に対してペナルティーを課すために使用されるサブコスト関数値Cf3を決定し得る。たとえば、処理回路102は、以下の式に従って変動の関与モードにペナルティーを課すために固有値を使用して勾配平滑化項を決定し得る。
【0156】
【0157】
[0170]上式で、Nは、推定形状モデルのインスタンスを構築するために使用されるモードの数である。Cf3は、すべての例において必要がないことがある。たとえば、式において、Cf3について、推定形状モデルのインスタンスが多くのモードを有する場合、推定形状モデルのインスタンスがより少数のモードを有する場合と比較して、一緒に加算するより多数の値があることになる。したがって、加算の結果(たとえば、Cf3の値)は、より少数のモードを有する推定形状モデルより多数のモードを有する推定形状モデルについて大きくなることになる。したがって、より大きい値のCf3は、コスト関数値Cfをより小さい値のCf3よりも大きくさせることになる。処理回路102がCfの値を最小化していることがあるので、より大きい値のCf3を有する推定形状モデルは、より小さい値のCf3を有する推定形状モデルと比較して患者の解剖学的構造の発病前形状として決定される可能性が低い。
【0158】
[0171]概して、Cf3は、粗または雑項と微細または平滑項とから構成される。固有値は、分解行列の対角正値である。それらの順序は、データベースへの対応する固有ベクトルの発生を反映する。第1の固有値が、データベース中の最も「重要な」または最も頻度の高い変動を表し、一方、最後の固有値が、(通常、雑音を表す)最も頻度の低い変動を表すことを意味する。Cf3の粗項では、処理回路102は、最も重要でないK%のデータベース分散に関与する固有ベクトルをドロップし得る(すなわち、lambda(i)>qである場合、bi=0であり、ここで、i≦qの場合のviは、(100-K)%のデータベース分散を表す)。Cf3の精細項では、処理回路102は、より高い固有ベクトルを徐々に不利にし得る。したがって、アルゴリズムは、複雑なまたは雑音の多い解を回避する。概して、「平滑」という用語は、最適化方法へのア正則化項の追加を示すために使用される。
【0159】
[0172]処理回路102は、w1*Cf1+w2*Cf2+w3*Cf3がしきい値よりも小さい(たとえば、最小化される)推定形状モデルを決定し得る。この推定形状モデルは、グローバルループを通る第1の反復のための1次形状モデルである。
【0160】
[0173]たとえば、グローバルループを通る第1の反復について、ERループの場合、処理回路102が、形状モデル106と異なる値のbiとに基づいて以下の推定形状モデルを決定すると仮定する。たとえば、第1の推定形状モデルは、s11であり得、ここで、s11は、
【0161】
【0162】
に等しく、ここで、s’は、形状モデル106であり、λiは、形状モデル106を決定するために使用される固有値であり、viは、形状モデル106を決定するために使用される固有ベクトルである。この例では、b11iは、第1の重み付けパラメータである。処理回路102は、第2の推定形状モデル(たとえば、s12)を決定し得、ここで、s12は、
【0163】
【0164】
に等しく、ここで、b12iは、第2の重み付けパラメータである。このようにして、処理回路102は、複数の推定形状モデル(たとえば、s11、s12、s13など)を決定し得る。
【0165】
[0174]推定形状モデルの各々について、処理回路102は、Cf1、Cf2、およびCf3の値を決定し得る。この場合も、Cf1、Cf2、およびCf3のすべてが必要とされるわけではない。たとえば、処理回路102は、推定形状モデルs11とICPループによって生成された1次形状とに基づいてs11_Cf1を決定し得る。処理回路102は、推定形状モデルs12とICPループによって生成された1次形状とに基づいてs12_Cf1を決定し、以下同様に行い得る。処理回路102は、Cf2を決定するために例示的な技法について上記で説明されたようにs11_Cf2、s12_Cf3などを決定し得る。同様に、処理回路102は、Cf3を決定するために例示的な技法について上記で説明されたようにs11_Cf3、s12_Cf3などを決定し得る。
【0166】
[0175]処理回路102は、w1*s11_Cf1+w2*s11_Cf2+w3*s11_Cf3のようにs11_Cfを決定し得、w1*s12_Cf1+w2*s12_Cf2+w3*s13_Cf3のようにs12_Cfを決定し得、以下同様に行う。Cf1、Cf2、およびCf3に適用される重みはs11、s12、s13などの各々で異なり得るか、または重みは同じであり得る。処理回路102は、s11_Cf、s12_Cf、s13_Cfなどのうちのどれが最小値であるのか(または場合によってはしきい値よりも小さいのか)を決定し得る。s12_Cfが最小値であると仮定する。この例では、処理回路102は、ERループの結果として、グローバルループの第1の反復では、1次形状モデルである推定形状モデルs12を決定し得る。
【0167】
[0176]これは、グローバルループの第1の反復を完結し得る。たとえば、グローバルループの第1の反復では、ICPループは、1次形状を生成し、ERループは、1次形状モデルを生成した。次いで、グローバルループの第2の反復の場合、ICPループへの入力は、前のERループから生成された1次形状モデルと、前のICPループから生成された1次形状とである。ICPループでは、グローバルループの第2の反復の場合、処理回路102は、1次形状モデルと1次形状とに基づいて、2次形状を生成する。2次形状は、グローバルループの第2の反復におけるERループへの入力である。また、ERループでは、グローバルループの第2の反復において、処理回路102は、形状モデル106に基づいておよび/または1次形状モデル(たとえば、この例ではs12)に基づいて推定形状モデル(たとえば、s21、s22、s23など)を決定し得る。ERループの出力は、2次形状モデルであり得、これは、グローバルループの第2の反復を完結し得る。
【0168】
[0177]このプロセスは、処理回路102がCf値を最小化する推定形状モデルのインスタンスを決定するまで繰り返す。たとえば、グローバルループの第1の反復の後に、処理回路102が、s12_Cfのコスト値を有する推定形状モデルs12を出力したと仮定する。グローバルループの第2の反復の後に、処理回路102は、s23_Cfのコスト値を有する推定形状モデルs23を出力した。グローバルループの第3の反復の後に、処理回路102が、s36_Cfのコスト値を有する推定形状モデルs36を出力した。この例では、処理サーキュイティ102は、s12_Cf、s23_Cf、またはs36_Cfのうちのどれが最小値であるのかを決定し、患者の発病前解剖学的構造として最小Cf値に関連する推定形状を決定し得る。たとえば、s23_Cfが最小値であったと仮定する。この例では、処理サーキュイティ102は、推定形状モデルs23が患者の発病前特性を表すと決定し得る。
【0169】
[0178]上記の例では、処理回路102は、Cfの値が最小化されるまでグローバルループをループし得る。しかしながら、いくつかの例では、処理回路102は、設定された数の反復にわたってグローバルループをループするように構成され得る。処理回路102は、次いで、推定形状モデルのうちのどれがCfの最小値を生じるのかを決定し得る。いくつかの例では、処理回路102は、Cfの値がしきい値を下回るまでグローバルループをループし得る。
【0170】
[0179]上記で説明されたように、処理回路102は、コスト関数値Cfのための最小値を決定し得る。Cfの値を最小化することまたは複数のCf値から最小のCf値を決定することは、コスト関数を満たすための2つの例示的な方法である。コスト関数を満たすための他の方法があり得る。一例として、コスト関数を満たすことは、コスト関数のコスト値がしきい値よりも小さいことを意味し得る。また、コスト関数を満たすことがコスト関数を最大化することを意味するようにコスト関数を再構成することが可能であり得る。たとえば、コスト関数中のファクタのうちの1つは、推定形状モデルの点とICPループからの出力中での対応する点との間の距離であり得る。いくつかの例では、処理回路102は、推定形状モデルとICPループからの出力との間の距離を最小化し得、距離に逆相関する数を生成し得る(たとえば、距離が近くなるほど、処理回路102はより多くの数を生成する)。この例では、コスト関数を満たすために、処理回路102は、距離に逆相関するコスト値を最大化し得る。したがって、グローバルループとICPループとの一部として最小化することに関する例について説明したが、いくつかの例では、コスト関数を満たす(たとえば、最適化する)ために、処理回路102は、Cfの値を最大化し得る。そのような技法が本開示によって企図される。たとえば、しきい値を満たすコスト値は、コスト値が、しきい値よりも小さいと決定することか、ここで、しきい値よりも小さいコスト値は発病前形状を示す、またはコスト値が、しきい値よりも大きいと決定すること、ここで、しきい値よりも大きいコスト値は発病前形状を示す、を意味する。
【0171】
[0180]
図16は本開示で説明される1つまたは複数の例示的な技法による動作の例示的な方法を示すフローチャートである。たとえば、
図16は、処理回路102がERループを実行し得る例示的な方式を示す。メモリ104は、形状モデル106と、固有値および固有ベクトルなどの形状モデル106を決定するために使用される情報とを記憶し得る。いくつかの例では、処理回路102は、(たとえば、異なるスケーリングファクタ(b
i)を選択することによって推定形状モデルを決定し、メモリ104中に推定形状モデルを記憶し得る。いくつかの例では、推定形状モデルは、事前に生成され、メモリ104中に記憶され得る。
【0172】
[0181]処理回路102は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値(たとえば、Cf2)を決定し得る(160)。説明されたように、複数の推定形状モデルが形状モデル106から生成される。いくつかの例では、推定形状モデルは、ICPループの結果から生成され得る。内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す。
【0173】
[0182]処理回路102は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値(Cf2)に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値(Cf)を決定し得る(162)。いくつかの例では、Cf2だけに依拠するのではなく、処理回路102は、Cf1および場合によってはCf3を決定し得る。たとえば、処理回路102は、形状モデル106と解剖学的対象の画像データから生成された整列形状とに基づいて形状を決定し得る。この例では、形状モデル106と整列形状とに基づいて決定された形状は、ICPループの結果であり得る。処理回路102は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値(Cf1)を決定し得る。それぞれの距離および向き差分値の各々は、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との間の距離および向きの差を示す。処理回路102は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値(Cf2)とそれぞれの決定された距離および向き差分値(Cf1)とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定し得る。
【0174】
[0183]いくつかの例では、処理回路102は、それぞれの推定形状モデルの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値(Cf3)を決定し得る。そのような例では、処理回路102は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値(Cf2)とそれぞれの決定された距離および向き差分値(Cf1)とそれぞれの重み付け値(Cf3)とのうちの1つまたは複数とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値(Cf)を決定し得る。
【0175】
[0184]それぞれの重み付け値(Cf3)を決定するために、処理回路102は、
【0176】
【0177】
を実行するように構成され得る。Nは、それぞれの複数の推定形状モデルを構築するために使用されるモードの数に等しく、λは、形状モデルの固有値に等しく、bは、それぞれの複数の推定形状モデルを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい。
【0178】
[0185]複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値(Cf1)を決定するために、処理回路102は、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、デターミンなそれぞれの距離と決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することとを行うように構成され得る。
【0179】
[0186]複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するために、処理回路102は、解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの各々中の部分を決定することと、複数の推定形状モデルの各々中の決定された部分からの点を横軸に投影することと、投影された点からしきい値点までの距離を決定することと、決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することとを行うように構成され得る。
【0180】
[0187]処理回路102は、コスト値が最小化される例を含む、コスト値のための関数を満たす(たとえば、しきい値よりも小さい)それぞれのコスト値のコスト値を有する(たとえば、それに関連する)複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択するように構成され得る(164)。この例では、しきい値よりも小さいコスト値を有する推定形状モデルは、ERループの結果である。処理回路102は、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成し得る(166)。たとえば、ERループの出力は、ICPループの次の動作への入力であり得、ERループとICPループとは、コスト値がしきい値(たとえば、最小化されることを含むしきい値未満)を満たすまで繰り返し得る。
【0181】
[0188]
図17は本開示で説明される1つまたは複数の例示的な技法による動作の例示的な方法を示すフローチャートである。たとえば、
図17は、ICPループとERループとを含むグローバルループの一例を示す。処理回路102は、整列形状と形状モデル106とを受信し得る(170)。整列形状を決定する技法については、上記で
図18を用いて説明されている。
【0182】
[0189]処理回路102は、ICPループを実行する(172)。たとえば、ICPループを実行するために、処理回路102は、整列形状を修正することと、修正された整列形状を形状モデル106と比較することと、比較に基づいてコスト値を決定することとを行うように構成され得る。同じく、ICPループの部分として、処理回路102は、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正することと、比較することと、決定することとを繰り返し得る。1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える。
【0183】
[0190]処理回路102は、ERループを実行し得る(174)。ERループを実行するために、処理回路102は、1次形状と形状モデル106とを受信し得る。処理回路102は、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定し得る。複数の推定形状モデルは、形状モデル106に基づいて生成され得る。たとえば、処理回路102は、上記で説明されたように、Cf1、Cf2、および/またはCf3に基づいて推定形状モデルの各々のためのCfの値を決定し得る。処理回路102は、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定し得る。推定形状モデルは、1次形状モデルを備える。
【0184】
[0191]ERループからの1次形状モデルは、ICPループにフィードバックされ得、ICPループは、2次形状を生成するために1次形状モデルと前のICPループから生成された1次形状とを利用し得る。2次形状は、ERループに供給され、処理回路102は、ICPループにフィードバックされる2次形状モデルを生成するために2次形状と1次形状モデルおよび/または形状モデル106とを利用し、このプロセスは、ERループから生成されたCf値がしきい値を下回る(たとえば、最小化される)まで繰り返す。
【0185】
[0192]たとえば、処理回路102は、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行し得る(176)。ICPループとERループとを繰り返し実行するために、処理回路102は、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することとを行うように構成され得る。現在の推定形状モデルは、ICPループにフィードバックされるERループによって生成された現在の次数形状モデルである。
【0186】
[0193]
図18は本開示で説明される1つまたは複数の例示的な技法による動作の例示的な方法を示すフローチャートである。たとえば、
図18は、患者の座標系に基づいて最初の整列形状138と整列形状140とを決定するための例示的な方式を示す。
【0187】
[0194]処理回路102は、画像データからの解剖学的対象を通る平面130を決定し得る。平面130は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である(180)。処理回路102は、平面130の法線(たとえば、ベクトル132)を決定し得る(182)。さらに、処理回路102は、解剖学的対象を通る(たとえば、
図7A、
図7B、
図9A、および
図9Bに示された)矢状断の表現を通して横軸134を決定し得る(184)。横軸134は、法線(たとえば、ベクトル132)に直交する。
【0188】
[0195]処理回路102は、法線(たとえば、ベクトル132)と横軸134とに基づいて患者の座標系を決定し得る(186)。たとえば、処理回路102は、第3の軸を決定し得、ここで、ベクトル132と横軸134とは、上記で説明されたように、ベクトル132と横軸134とに基づいて3D空間を定義するための3つの軸のうちの2つを形成する。
【0189】
[0196]処理回路102は、画像データからの解剖学的対象を形状モデル106に最初に整列する最初の整列形状を生成し得る(188)。たとえば、処理回路102は、変換行列を生成し、形状モデル106のための座標系にある解剖学的対象のための座標を生成し得る。
【0190】
[0197]処理回路102は、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成し得る(190)。たとえば、最初の整列形状(たとえば、最初の整列形状138)を用いて、処理回路102は、整列形状140を生成するために最初の整列形状と形状モデルとの間の距離がしきい値を満たすまで最初の整列形状を回転するために最初の整列形状の座標を反復的に調整し得る。解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成するために、処理回路102は、整列形状140に基づいて発病前形状を示す情報を生成し得る。たとえば、整列形状140は、発病前形状を決定するために使用されるICPループとERループとを含むグローバルループへの入力であり得る。
【0191】
[0198]以下は、別個にまたは組合せで使用され得る1つまたは複数の例について説明する。以下の例は、限定するものと見なすべきでない。
【0192】
[0199]例1。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するための方法であって、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルから生成される、ここにおいて、内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、コスト値のための関数を満たすそれぞれのコスト値のコスト値を有する複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択することと、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを備える方法。
【0193】
[0200]例2。 形状モデルと解剖学的対象の画像データから生成される整列形状とに基づいて形状を決定することと、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、それぞれの距離および向き差分値の各々は、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との間の距離および向きの差を示す、ここにおいて、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することは、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値とそれぞれの決定された距離および向き差分値とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを備える、をさらに備える、例1に記載の方法。
【0194】
[0201]例3。 それぞれの推定形状モデルの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、ここにおいて、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することは、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値とそれぞれの決定された距離および向き差分値とそれぞれの重み付け値とのうちの1つまたは複数とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを備える、をさらに備える、例1および2のいずれかに記載の方法。
【0195】
[0202]例4。 それぞれの重み付け値を決定することは、
【0196】
【0197】
を実行することを備える、ここにおいて、Nは、それぞれの複数の推定形状モデルを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、形状モデルの固有値に等しく、bは、それぞれの複数の推定形状モデルを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、例3に記載の方法。
【0198】
[0203]例5。 複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することは、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、デターミンなそれぞれの距離と決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することとを備える、例2~4のいずれかに記載の方法。
【0199】
[0204]例6。 複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することは、解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの各々中の部分を決定することと、複数の推定形状モデルの各々中の決定された部分からの点を横軸に投影することと、投影された点からしきい値点までの距離を決定することと、決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することとを備える、例1~5のいずれかに記載の方法。
【0200】
[0205]例7。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのデバイスであって、形状モデルと複数の推定形状モデルとのうちの1つまたは複数を記憶するように構成されたメモリと、処理回路とを備え、処理回路が、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルから生成される、ここにおいて、内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、コスト値のための関数を満たすそれぞれのコスト値のコスト値を有する複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択することと、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを行うように構成された、デバイス。
【0201】
[0206]例8。 処理回路は、形状モデルと解剖学的対象の画像データから生成される整列形状とに基づいて形状を決定することと、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、それぞれの距離および向き差分値の各々は、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との間の距離および向きの差を示す、ここにおいて、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するために、処理回路は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値とそれぞれの決定された距離および向き差分値とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するように構成された、を行うようにさらに構成された、例7に記載のデバイス。
【0202】
[0207]例9。 処理回路は、それぞれの推定形状モデルの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、ここにおいて、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するために、処理回路は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値とそれぞれの決定された距離および向き差分値とそれぞれの重み付け値とのうちの1つまたは複数とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するように構成された、を行うように構成された、例7および8のいずれかに記載のデバイス。
【0203】
[0208]例10。 それぞれの重み付け値を決定するために、処理回路は、
【0204】
【0205】
を実行するように構成された、ここにおいて、Nは、それぞれの複数の推定形状モデルを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、形状モデルの固有値に等しく、bは、それぞれの複数の推定形状モデルを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、例9に記載のデバイス。
【0206】
[0209]例11。 複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定するために、処理回路は、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、デターミンなそれぞれの距離と決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することとを行うように構成された、例8~10のいずれかに記載のデバイス。
【0207】
[0210]例12。 複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するために、処理回路は、解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの各々中の部分を決定することと、複数の推定形状モデルの各々中の決定された部分からの点を横軸に投影することと、投影された点からしきい値点までの距離を決定することと、決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することとを行うように構成された、例7~11のいずれかに記載のデバイス。
【0208】
[0211]例13。 命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルから生成される、ここにおいて、内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、コスト値のための関数を満たすそれぞれのコスト値のコスト値を有する複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択することと、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを行わせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【0209】
[0212]例14。 1つまたは複数のプロセッサに、形状モデルと解剖学的対象の画像データから生成される整列形状とに基づいて形状を決定することと、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、それぞれの距離および向き差分値の各々は、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との間の距離および向きの差を示す、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値とそれぞれの決定された距離および向き差分値とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを行わせる命令を備える、を行わせる命令をさらに備える、例13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0210】
[0213]例15。 1つまたは複数のプロセッサに、それぞれの推定形状モデルの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値とそれぞれの決定された距離および向き差分値とそれぞれの重み付け値とのうちの1つまたは複数とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを行わせる命令を備える、を行わせる命令をさらに備える、例13および14のいずれかに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0211】
[0214]例16。 1つまたは複数のプロセッサにそれぞれの重み付け値を決定させる命令が、1つまたは複数のプロセッサに、
【0212】
【0213】
を実行させる命令を備える、ここにおいて、Nは、それぞれの複数の推定形状モデルを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、形状モデルの固有値に等しく、bは、それぞれの複数の推定形状モデルを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、例15に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0214】
[0215]例17。 1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、デターミンなそれぞれの距離と決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することとを行わせる命令を備える、例14~16のいずれかに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0215】
[0216]例18。 1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの各々中の部分を決定することと、複数の推定形状モデルの各々中の決定された部分からの点を横軸に投影することと、投影された点からしきい値点までの距離を決定することと、決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することとを行わせる命令を備える、例13~17のいずれかに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0216】
[0217]例19。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのシステムであって、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するための手段と、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルから生成される、ここにおいて、内方化値の各々は、推定形状モデルのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値に少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、コスト値のための関数を満たすそれぞれのコスト値のコスト値を有する複数の推定形状モデルから推定形状モデルを選択するための手段と、選択された推定形状モデルに基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成するための手段とを備えるシステム。
【0217】
[0218]例20。 形状モデルと解剖学的対象の画像データから生成される整列形状とのうちの1つに基づいて形状を決定するための手段と、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定するための手段と、ここにおいて、それぞれの距離および向き差分値の各々は、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との間の距離および向きの差を示す、ここにおいて、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値とそれぞれの決定された距離および向き差分値とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段を備える、をさらに備える、例19に記載のシステム。
【0218】
[0219]例21。 それぞれの推定形状モデルの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定するための手段、ここにおいて、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段は、複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの決定された内方化値とそれぞれの決定された距離および向き差分値とそれぞれの重み付け値とのうちの1つまたは複数とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段を備える、をさらに備える、例19および20のいずれかに記載のシステム。
【0219】
[0220]例22。 それぞれの重み付け値を決定するための手段は、
【0220】
【0221】
を実行するための手段を備える、ここにおいて、Nは、それぞれの複数の推定形状モデルを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、形状モデルの固有値に等しく、bは、それぞれの複数の推定形状モデルを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、例21に記載のシステム。
【0222】
[0221]例23。 複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定するための手段は、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定するための手段と、それぞれの推定形状モデルと決定された形状との上の対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定するための手段と、デターミンなそれぞれの距離と決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定するための手段とを備える、例20~22のいずれかに記載のシステム。
【0223】
[0222]例24。 複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するための手段は、解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割するための手段と、複数の部分の各々からの点を横軸に投影するための手段と、投影された点のうちの1つからしきい値点を決定するための手段と、複数の部分から最も外側にある部分を決定するための手段と、決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの各々中の部分を決定するための手段と、複数の推定形状モデルの各々中の決定された部分からの点を横軸に投影するための手段と、投影された点からしきい値点までの距離を決定するための手段と、決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するための手段とを備える、例19~23のいずれかに記載のシステム。
【0224】
[0223]例25。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するための方法であって、整列形状と形状モデルとを受信することと、反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、ICPループを実行することは、整列形状を修正することと、修正された整列形状を形状モデルと比較することと、比較に基づいてコスト値を決定することと、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える、を備える、弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、ERループを実行することは、1次形状と形状モデルとを受信することと、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルに基づいて生成される、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、を備える、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行することとを備える、ここにおいて、ICPループとERループとを繰り返し実行することは、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、現在の推定形状モデルは、ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、を備える、方法。
【0225】
[0224]例26。 複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することは、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと現在の次数形状との間の距離および向きの差を示す、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの第2のセットのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、それぞれの距離および向き差分値とそれぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定することとを備える、例25に記載の方法。
【0226】
[0225]例27。 複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、ここにおいて、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することは、それぞれの距離および向き差分値と、それぞれの内方化値と、それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを備える、をさらに備える、例26に記載の方法。
【0227】
[0226]例28。 例1~6の任意の組合せをさらに備える、例25~27のいずれかに記載の方法。
【0228】
[0227]例29。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのデバイスであって、形状モデルを記憶するように構成されたメモリと、処理回路とを備え、処理回路が、整列形状と形状モデルとを受信することと、反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、ICPループを実行するために、処理回路が、整列形状を修正することと、修正された整列形状を形状モデルと比較することと、比較に基づいてコスト値を決定することと、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える、を行うように構成される、弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、ERループを実行するために、処理回路は、1次形状と形状モデルとを受信することと、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルに基づいて生成される、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、を行うように構成される、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行することとを行うように構成される、ここにおいて、ICPループとERループとを繰り返し実行するために、処理回路が、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、現在の推定形状モデルは、ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、を行うように構成された、デバイス。
【0229】
[0228]例30。 複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するために、処理回路は、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと現在の次数形状との間の距離および向きの差を示す、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの第2のセットのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、それぞれの距離および向き差分値とそれぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定することとを行うように構成された、例29に記載のデバイス。
【0230】
[0229]例31。 処理回路は、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、ここにおいて、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するために、処理回路は、それぞれの距離および向き差分値と、それぞれの内方化値と、それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを行うように構成された、を行うように構成された、例30に記載のデバイス。
【0231】
[0230]例32。 処理回路は、例7~12のいずれかに記載の特徴を実行するように構成された、例29~31のいずれかに記載のデバイス。
【0232】
[0231]例33。 命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、整列形状と形状モデルとを受信することと、反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサにICPループを実行させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、整列形状を修正することと、修正された整列形状を形状モデルと比較することと、比較に基づいてコスト値を決定することと、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える、を行わせる命令を備える、弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサにERループを実行させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、1次形状と形状モデルとを受信することと、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルに基づいて生成される、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、を行わせる命令を備える、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行することとを行わせる、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサにICPループとERループとを繰り返し実行させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、現在の推定形状モデルは、ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、を行わせる命令を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【0233】
[0232]例34。 1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと現在の次数形状との間の距離および向きの差を示す、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの第2のセットのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、それぞれの距離および向き差分値とそれぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定することとを行わせる命令を備える、例33に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0234】
[0233]例35。 1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、それぞれの距離および向き差分値と、それぞれの内方化値と、それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定させる命令を備える、を行わせる命令をさらに備える、例34に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0235】
[0234]例36。 1つまたは複数のプロセッサに、例13~18の任意の組合せに記載の特徴を実行させる命令をさらに備える、例33~35のいずれかに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0236】
[0235]例37。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのシステムであって、整列形状と形状モデルとを受信するための手段と、反復最接近点(ICP)ループを実行するための手段と、ここにおいて、ICPループを実行するための手段は、整列形状を修正するための手段と、修正された整列形状を形状モデルと比較するための手段と、比較に基づいてコスト値を決定するための手段と、1次形状を生成するためにコスト値がしきい値を満たすまで修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すための手段と、ここにおいて、1次形状は、しきい値を満たすコスト値に関連する修正された整列形状を備える、を備える、弾性登録(ER)ループを実行するための手段と、ここにおいて、ERループを実行するための手段は、1次形状と形状モデルとを受信するための手段と、1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、ここにおいて、複数の推定形状モデルは、形状モデルに基づいて生成される、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定するための手段と、ここにおいて、推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、を備える、解剖学的対象の発病前形状を決定するためにERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまでICPループとERループとを繰り返し実行するための手段とを備える、ここにおいて、ICPループとERループとを繰り返し実行するための手段は、ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信するための手段と、ICPループによって、次数形状モデルと次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成するための手段と、ERループについて、現在の次数形状と形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信するための手段と、形状モデルまたは前のERループによって生成された次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成するための手段と、現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、第1のしきい値を満たすそれぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの第2のセットの現在の推定形状モデルを決定するための手段と、ここにおいて、現在の推定形状モデルは、ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、を備える、システム。
【0237】
[0236]例38。 複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段は、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定するための手段と、ここにおいて、それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと現在の次数形状との間の距離および向きの差を示す、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するための手段と、ここにおいて、内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの第2のセットのそれぞれ各1つが解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、それぞれの距離および向き差分値とそれぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定するための手段とを備える、例37に記載のシステム。
【0238】
[0237]例39。 複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットの各々が解剖学的対象の発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定するための手段、ここにおいて、複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段は、それぞれの距離および向き差分値と、それぞれの内方化値と、それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて複数の推定形状モデルの第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段を備える、をさらに備える、例38に記載のシステム。
【0239】
[0238]例40。 例19~24の任意の組合せを実行するための手段さらに備える、例37~39のいずれかに記載のシステム。
【0240】
[0239]例41。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するための方法であって、画像データからの解剖学的対象を通る平面を決定することと、ここにおいて、平面は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である、平面の法線を決定することと、解剖学的対象を通る矢状断の表現を通して横軸を決定することと、ここにおいて、横軸は、法線に直交する、法線と横軸とに基づいて患者の座標系を決定することと、画像データからの解剖学的対象を形状モデルに最初に整列する最初の整列形状を生成することと、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを備える方法。
【0241】
[0240]例42。 整列形状を生成するために最初の整列形状と形状モデルとの間の距離がしきい値を満たすまで最初の整列形状を回転するために最初の整列形状の座標を反復的に調整すること、ここにおいて、解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することは、整列形状に基づいて発病前形状を示す情報を生成することを備える、をさらに備える、例41に記載の方法。
【0242】
[0241]例43。 発病前形状を示す情報を生成することは、例1~6および25~28のいずれかに記載の特徴に基づいて発病前形状を示す情報を生成することを備える、例41および42のいずれかに記載の方法。
【0243】
[0242]例44。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのデバイスであって、画像データを記憶するように構成されたメモリと、処理回路とを備え、処理回路が、画像データから解剖学的対象を通る平面を決定することと、ここにおいて、平面は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である、平面の法線を決定することと、解剖学的対象を通る矢状断の表現を通して横軸を決定することと、ここにおいて、横軸は、法線に直交する、法線と横軸とに基づいて患者の座標系を決定することと、画像データから形状モデルに解剖学的対象を最初に整列する最初の整列形状を生成することと、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを行うように構成された、デバイス。
【0244】
[0243]例45。 処理回路は、整列形状を生成するために最初の整列形状と形状モデルとの間の距離がしきい値を満たすまで最初の整列形状を回転するために最初の整列形状の座標を反復的に調整すること、ここにおいて、解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成するために、処理回路は、整列形状に基づいて発病前形状を示す情報を生成することを行うように構成された、を行うように構成された、例44に記載のデバイス。
【0245】
[0244]例46。 発病前形状を示す情報を生成するために、処理回路は、例7~12および29~32のいずれかに記載の特徴に基づいて発病前形状を示す情報を生成することを行うように構成された、例44および45のいずれかに記載のデバイス。
【0246】
[0245]例47。 命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、画像データからの解剖学的対象を通る平面を決定することと、ここにおいて、平面は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である、平面の法線を決定することと、解剖学的対象を通る矢状断の表現を通して横軸を決定することと、ここにおいて、横軸は、法線に直交する、法線と横軸とに基づいて患者の座標系を決定することと、画像データからの解剖学的対象を形状モデルに最初に整列する最初の整列形状を生成することと、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成することとを行わせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【0247】
[0246]例48。 1つまたは複数のプロセッサに、整列形状を生成するために最初の整列形状と形状モデルとの間の距離がしきい値を満たすまで最初の整列形状を回転するために最初の整列形状の座標を反復的に調整すること、ここにおいて、1つまたは複数のプロセッサに、解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、整列形状に基づいて発病前形状を示す情報を生成させる命令を備える、を行わせる命令をさらに備える、例47に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0248】
[0247]例49。 1つまたは複数のプロセッサに、発病前形状を示す情報を生成させる命令は、1つまたは複数のプロセッサに、例13~18および33~36のいずれかに記載の特徴に基づいて発病前形状を示す情報を生成することを行わせる命令を備える、例47および48のいずれかに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0249】
[0248]例50。 患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのシステムであって、画像データからの解剖学的対象を通る平面を決定するための手段と、ここにおいて、平面は、解剖学的対象の中間を実質的に通る平面である、平面の法線を決定するための手段と、解剖学的対象を通る矢状断の表現を通して横軸を決定するための手段と、ここにおいて、横軸は、法線に直交する、法線と横軸とに基づいて患者の座標系を決定するための手段と、画像データからの解剖学的対象を形状モデルに最初に整列する最初の整列形状を生成するための手段と、最初の整列形状に基づいて解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成するための手段とを備えるシステム。
【0250】
[0249]例51。 整列形状を生成するために最初の整列形状と形状モデルとの間の距離がしきい値を満たすまで最初の整列形状を回転するために最初の整列形状の座標を反復的に調整するための手段、ここにおいて、解剖学的対象の発病前形状を示す情報を生成するための手段は、整列形状に基づいて発病前形状を示す情報を生成するための手段を備える、をさらに備える、例50に記載のシステム。
【0251】
[0250]例52。 発病前形状を示す情報を生成するための手段は、例19~24および37~40のいずれかに記載の特徴に基づいて発病前形状を示す情報を生成するための手段を備える、例50および51のいずれかに記載のシステム。
【0252】
[0251]限られた数の例に関する技法を開示したが、本開示の利益を有する当業者は、そこから多数の修正および変更を諒解することになる。たとえば、記載された例の任意の妥当な組合せが実行され得ることが企図される。添付の特許請求の範囲カバーそのような修正および変更が本発明の真の精神および範囲内に入るものとする。
【0253】
[0252]上記例に応じて、本明細書で説明された技法のいずれかのいくつかの行為またはイベントは、異なるシーケンスで実行され得、追加、マージ、または完全に除外され得る(たとえば、すべての説明された行為またはイベントが本技法の実践のために必要であるとは限らない)ことを認識されたい。その上、いくつかの例では、行為またはイベントは、連続的にではなく、たとえば、マルチスレッド処理、割込み処理、または複数のプロセッサを通して同時に実施され得る。
【0254】
[0253]1つまたは複数の例において、前述の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行され得る。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体などの有形媒体に対応する、コンピュータ可読記憶媒体を含み得るか、または、たとえば、通信プロトコルに従って、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を促進する任意の媒体を含む通信媒体を含み得る。このようにして、コンピュータ可読媒体は、概して、(1)非一時的である有形コンピュータ可読記憶媒体、または(2)信号もしくは搬送波などの通信媒体に、相当し得る。データ記憶媒体は、本開示において説明された技法の実装のための命令、コードおよび/またはデータ構造を取り出すために、1つもしくは複数のコンピュータまたは1つもしくは複数のプロセッサによってアクセスされ得る、任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品はコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0255】
[0254]限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、もしくは他の磁気ストレージデバイス、フラッシュメモリ、または、命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、命令が、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ可読記憶媒体およびデータ記憶媒体が、接続、搬送波、信号、または他の一時的媒体を含むのではなく、代わりに非一時的な有形の記憶媒体を対象とすることを理解されたい。本明細書において使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0256】
[0255]本開示において説明された動作は1つまたは複数のプロセッサによって実行され得、これは、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他の等価な集積回路もしくは個別論理回路などの固定機能処理回路、プログラマブル回路、またはそれらの組合せとして実装され得る。固定機能回路は、特定の機能を与える回路を指し、実施され得る動作に関してあらかじめ設定される。プログラマブル回路は、様々なタスクを実施するように、および実行され得る動作においてフレキシブルな機能を提供するようにプログラムされる回路を指す。たとえば、プログラマブル回路は、ソフトウェアまたはファームウェアの命令によって定義された方式でプログラマブル回路を動作させるソフトウェアまたはファームウェアによって指定された命令を実行し得る。固定機能回路は、(たとえば、パラメータを受信するかまたはパラメータを出力するために)ソフトウェア命令を実行し得るが、固定機能回路が実施する動作のタイプは概してイミュータブルである。したがって、本明細書において使用される「プロセッサ」および「処理サーキュイティ」という用語は、前述の構造、または本明細書において説明された技法の実装に好適な任意の他の構造のいずれかを指し得る。
【0257】
[0256]様々な例を説明した。これらおよび他の例は、次の特許請求の範囲内に入る。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するための方法であって、
整列形状と形状モデルとを受信することと、
反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、前記ICPループを実行することは、
前記整列形状を修正することと、
前記修正された整列形状を前記形状モデルと比較することと、
前記比較に基づいてコスト値を決定することと、
1次形状を生成するために前記コスト値がしきい値を満たすまで前記修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、前記1次形状は、前記しきい値を満たす前記コスト値に関連する前記修正された整列形状を備える、
を備える、
弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、前記ERループを実行することは、
前記1次形状と前記形状モデルとを受信することと、
前記1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、前記複数の推定形状モデルは、前記形状モデルに基づいて生成される、
第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する前記複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、
を備える、
前記解剖学的対象の前記発病前形状を決定するために前記ERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまで前記ICPループと前記ERループとを繰り返し実行することと
を備える、
ここにおいて、前記ICPループと前記ERループとを繰り返し実行することは、
前記ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、
前記ICPループによって、前記次数形状モデルと前記次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、
前記ERループについて、前記現在の次数形状と形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、
前記形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、
前記現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、
前記第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの前記第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記現在の推定形状モデルは、前記ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、
を備える、方法。
[C2]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することは、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、前記それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記現在の次数形状との間の距離および向きの差を示す、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、前記内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの前記第2のセットのそれぞれ各1つが前記解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、
前記それぞれの距離および向き差分値と前記それぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定することと
を備える、C1に記載の方法。
[C3]
前記複数の推定形状モデルの前記それぞれの第2のセットの各々が前記解剖学的対象の前記発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、
ここにおいて、前記複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することは、前記それぞれの距離および向き差分値と、前記それぞれの内方化値と、前記それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて前記複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを備える、
をさらに備える、C2に記載の方法。
[C4]
前記それぞれの重み付け値を決定することは、
【数12】
を実行することを備える、
ここにおいて、Nは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、前記形状モデルの固有値に等しく、bは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、C3に記載の方法。
[C5]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することは、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記決定された形状との上の前記対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、
前記決定されたそれぞれの距離と前記決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することと
を備える、C2~4のいずれかに記載の方法。
[C6]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することは、
前記解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、
前記複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、
前記投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、
前記複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、
前記決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々中の部分を決定することと、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々中の前記決定された部分からの点を前記横軸に投影することと、
前記投影された点から前記しきい値点までの距離を決定することと、
前記決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと
を備える、C2~5のいずれかに記載の方法。
[C7]
患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのデバイスであって、
形状モデルを記憶するように構成されたメモリと、
処理回路と
を備え、前記処理回路が、
整列形状と形状モデルとを受信することと、
反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、前記ICPループを実行するために、前記処理回路が、
前記整列形状を修正することと、
前記修正された整列形状を前記形状モデルと比較することと、
前記比較に基づいてコスト値を決定することと、
1次形状を生成するために前記コスト値がしきい値を満たすまで前記修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、前記1次形状は、前記しきい値を満たす前記コスト値に関連する前記修正された整列形状を備える、
を行うように構成された、
弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、前記ERループを実行するために、前記処理回路が、
前記1次形状と前記形状モデルとを受信することと、
前記1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、前記複数の推定形状モデルは、前記形状モデルに基づいて生成される、
第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する前記複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、
を行うように構成された、
前記解剖学的対象の前記発病前形状を決定するために前記ERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまで前記ICPループと前記ERループとを繰り返し実行することと
を行うように構成された、
ここにおいて、前記ICPループと前記ERループとを繰り返し実行するために、前記処理回路が、
前記ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、
前記ICPループによって、前記次数形状モデルと前記次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、
前記ERループについて、前記現在の次数形状と形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、
前記形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、
前記現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、
前記第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの前記第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記現在の推定形状モデルは、前記ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、
を行うように構成された、デバイス。
[C8]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するために、前記処理回路は、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、前記それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記現在の次数形状との間の距離および向きの差を示す、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、前記内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの前記第2のセットのそれぞれ各1つが前記解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、
前記それぞれの距離および向き差分値と前記それぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定することと
を行うように構成された、C7に記載のデバイス。
[C9]
前記処理回路は、
前記複数の推定形状モデルの前記それぞれの第2のセットの各々が前記解剖学的対象の前記発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、
ここにおいて、前記複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するために、前記処理回路は、前記それぞれの距離および向き差分値と、前記それぞれの内方化値と、前記それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて前記複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを行うように構成された、
を行うように構成された、C8に記載のデバイス。
[C10]
前記それぞれの重み付け値を決定するために、前記処理回路は、
【数13】
を実行するように構成された、
ここにおいて、Nは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、前記形状モデルの固有値に等しく、bは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、C9に記載のデバイス。
[C11]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定するために、前記処理回路は、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記決定された形状との上の前記対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、
前記決定されたそれぞれの距離と前記決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することと
を行うように構成された、C8~10のいずれかに記載のデバイス。
[C12]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するために、前記処理回路は、
前記解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、
前記複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、
前記投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、
前記複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、
前記決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々中の部分を決定することと、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々中の前記決定された部分からの点を前記横軸に投影することと、
前記投影された点から前記しきい値点までの距離を決定することと、
前記決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと
を行うように構成された、C8~11のいずれかに記載のデバイス。
[C13]
命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、
整列形状と形状モデルとを受信することと、
反復最接近点(ICP)ループを実行することと、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサに前記ICPループを実行させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記整列形状を修正することと、
前記修正された整列形状を前記形状モデルと比較することと、
前記比較に基づいてコスト値を決定することと、
1次形状を生成するために前記コスト値がしきい値を満たすまで前記修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すことと、ここにおいて、前記1次形状は、前記しきい値を満たす前記コスト値に関連する前記修正された整列形状を備える、
を行わせる命令を備える、
弾性登録(ER)ループを実行することと、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサに前記ERループを実行させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記1次形状と前記形状モデルとを受信することと、
前記1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、ここにおいて、前記複数の推定形状モデルは、前記形状モデルに基づいて生成される、
第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する前記複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、
を行わせる命令を備える、
解剖学的対象の発病前形状を決定するために前記ERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまで前記ICPループと前記ERループとを繰り返し実行することと
を行わせる、
ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサに前記ICPループと前記ERループとを繰り返し実行させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信することと、
前記ICPループによって、前記次数形状モデルと前記次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成することと、
前記ERループについて、前記現在の次数形状と形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信することと、
前記形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成することと、
前記現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することと、
前記第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの前記第2のセットの現在の推定形状モデルを決定することと、ここにおいて、前記現在の推定形状モデルは、前記ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、
を行わせる命令を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
[C14]
前記1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定することと、ここにおいて、前記それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記現在の次数形状との間の距離および向きの差を示す、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと、ここにおいて、前記内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの前記第2のセットのそれぞれ各1つが前記解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、
前記それぞれの距離および向き差分値と前記それぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定することと
を行わせる命令を備える、C13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[C15]
前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記複数の推定形状モデルの前記それぞれの第2のセットの各々が前記解剖学的対象の前記発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定すること、
ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサに、前記複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、前記それぞれの距離および向き差分値と、前記それぞれの内方化値と、前記それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて前記複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定することを行わせる命令を備える、
を行わせる命令をさらに備える、C14に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[C16]
前記1つまたは複数のプロセッサに前記それぞれの重み付け値を決定させる前記命令が、前記1つまたは複数のプロセッサに、
【数14】
を実行させる命令を備える、
ここにおいて、Nは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、前記形状モデルの固有値に等しく、bは、それぞれの複数の推定形状モデルを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、C15に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[C17]
前記1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定することと、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記決定された形状との上の前記対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定することと、
前記決定されたそれぞれの距離と前記決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定することと
を行わせる命令を備える、C14~16のいずれかに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[C18]
前記1つまたは複数のプロセッサに、複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定させる前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割することと、
前記複数の部分の各々からの点を横軸に投影することと、
前記投影された点のうちの1つからしきい値点を決定することと、
前記複数の部分から最も外側にある部分を決定することと、
前記決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々中の部分を決定することと、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々中の前記決定された部分からの点を前記横軸に投影することと、
前記投影された点から前記しきい値点までの距離を決定することと、
前記決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定することと
を行わせる命令を備える、C14~17のいずれかに記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[C19]
患者の整形外科関節の解剖学的対象の発病前形状を決定するためのシステムであって、
整列形状と形状モデルとを受信するための手段と、
反復最接近点(ICP)ループを実行するための手段と、ここにおいて、前記ICPループを実行することは、
前記整列形状を修正するための手段と、
前記修正された整列形状を前記形状モデルと比較するための手段と、
前記比較に基づいてコスト値を決定するための手段と、
1次形状を生成するために前記コスト値がしきい値を満たすまで前記修正すること、比較すること、および決定することを繰り返すための手段と、ここにおいて、前記1次形状は、前記しきい値を満たす前記コスト値に関連する前記修正された整列形状を備える、
を備える、
弾性登録(ER)ループを実行するための手段と、ここにおいて、前記ERループを実行するための前記手段は、
前記1次形状と前記形状モデルとを受信するための手段と、
前記1次形状とそれぞれの複数の推定形状モデルとに基づいて複数の推定形状モデルの第1のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、ここにおいて、前記複数の推定形状モデルは、前記形状モデルに基づいて生成される、
第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する前記複数の推定形状モデルの第1の推定形状モデルを決定するための手段と、ここにおいて、前記推定形状モデルは、1次形状モデルを備える、
を備える、
前記解剖学的対象の前記発病前形状を決定するために前記ERループの反復から生成されるコスト値が第2のしきい値を満たすまで前記ICPループと前記ERループとを繰り返し実行するための手段と
を備える、
ここにおいて、前記ICPループと前記ERループとを繰り返し実行するための前記手段は、
前記ICPループについて、前のERループによって生成された次数形状モデルと前のICPループによって生成された次数形状とを受信するための手段と、
前記ICPループによって、前記次数形状モデルと前記次数形状とに基づいて現在の次数形状を生成するための手段と、
前記ERループについて、前記現在の次数形状と形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記次数形状モデルのうちの少なくとも1つとを受信するための手段と、
前記形状モデルまたは前記前のERループによって生成された前記次数形状モデルのうちの少なくとも1つに基づいて複数の推定形状モデルの次のセットを生成するための手段と、
前記現在の次数形状の次数形状と複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットとに基づいて複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段と、
前記第1のしきい値を満たす前記それぞれのコスト値のコスト値に関連する複数の推定形状モデルの前記第2のセットの現在の推定形状モデルを決定するための手段と、ここにおいて、前記現在の推定形状モデルは、前記ERループによって生成された現在の次数形状モデルを備える、
を備える、システム。
[C20]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための前記手段は、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定するための手段と、ここにおいて、前記それぞれの距離および向き差分値の各々は、推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記現在の次数形状との間の距離および向きの差を示す、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するための手段と、ここにおいて、前記内方化値の各々は、複数の推定形状モデルの前記第2のセットのそれぞれ各1つが前記解剖学的対象の現在の位置に対して内方化される量を示す、
前記それぞれの距離および向き差分値と前記それぞれの内方化値とに基づいてそれぞれのコスト値を決定するための手段と
を備える、C19に記載のシステム。
[C21]
前記複数の推定形状モデルの前記それぞれの第2のセットの各々が前記解剖学的対象の前記発病前形状を表す可能性に基づいてそれぞれの重み付け値を決定するための手段、
ここにおいて、前記複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための前記手段は、前記それぞれの距離および向き差分値と、前記それぞれの内方化値と、前記それぞれの重み付け値とに少なくとも部分的に基づいて前記複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれのコスト値を決定するための手段を備える、
をさらに備える、C20に記載のシステム。
[C22]
前記それぞれの重み付け値を決定するための前記手段は、
【数15】
を実行するための手段を備える、
ここにおいて、Nは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットを構築するために使用されるモードの数に等しい、ここにおいて、λは、前記形状モデルの固有値に等しく、bは、複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットを決定するために使用されるスケーリングファクタに等しい、C21に記載のシステム。
[C23]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの距離および向き差分値を決定するための前記手段は、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記決定された形状との上の対応する点の間のそれぞれの距離を決定するための手段と、
複数の推定形状モデルのそれぞれの第2のセットと前記決定された形状との上の前記対応する点のための法線ベクトルの間のそれぞれの角度差を決定するための手段と、
前記決定されたそれぞれの距離と前記決定されたそれぞれの角度差とに基づいてそれぞれの距離および向き差分値を決定するための手段と
を備える、C20~22のいずれかに記載のシステム。
[C24]
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するための前記手段は、
前記解剖学的対象の画像データを複数の部分に分割するための手段と、
前記複数の部分の各々からの点を横軸に投影するための手段と、
前記投影された点のうちの1つからしきい値点を決定するための手段と、
前記複数の部分から最も外側にある部分を決定するための手段と、
前記決定された最も外側の位置に対応する複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々中の部分を決定するための手段と、
複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々中の前記決定された部分からの点を前記横軸に投影するための手段と、
前記投影された点から前記しきい値点までの距離を決定するための手段と、
前記決定された距離に基づいて複数の推定形状モデルの前記第2のセットの各々のためのそれぞれの内方化値を決定するための手段と
を備える、C20~23のいずれかに記載のシステム。