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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】スキャン装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/06 20060101AFI20230925BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
A61C7/06
A61C19/04 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021566145
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 US2020031720
(87)【国際公開番号】W WO2020227439
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-02-01
(31)【優先権主張番号】62/844,694
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/711,173
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217582
【氏名又は名称】スマイルダイレクトクラブ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】SMILEDIRECTCLUB, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】ヤンシー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】カッツマン ジョーダン
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/016377(WO,A1)
【文献】特開2006-081842(JP,A)
【文献】特開2010-067272(JP,A)
【文献】特開2019-062556(JP,A)
【文献】特開2002-083060(JP,A)
【文献】特開2012-023465(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0256240(US,A1)
【文献】特表2009-523552(JP,A)
【文献】特開2010-069301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 7/06
A61C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を取得するように構成されたカメラ、
画像の取得を容易にするためにユーザーの歯に対して前記カメラを向けるように構成された向き合わせ要素
を含む、ユーザーがユーザーの歯の画像を取得している間、前記ユーザーが前記ユーザーの歯を視覚的に監視することを可能にするように構成された、ユーザーによって前記ユーザーの歯を撮像して前記ユーザーの歯の画像を取得するように操作可能な撮像システムと、
前記撮像システムによって取得された画像を受け取り、
前記受け取られた画像に基づいて前記ユーザーの口腔内状態を判定する
ように構成されたサーバーシステムと
を含む、システムであって、
前記ユーザーと関連付けられたモバイル機器にインストールされたモバイルアプリケーションが、前記ユーザーが前記ユーザーの歯の画像を取得している間、前記ユーザーが前記ユーザーの歯を視覚的に監視することを可能にするように構成され、前記モバイルアプリケーションは、取得された画像に基づいて前記口腔内状態を治療するための治療計画を表示するように構成されている、
前記システム
【請求項2】
前記向き合わせ要素が、ユーザーの歯に対して前記カメラを向けるために前記ユーザーの歯と整合するように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記撮像システムが、ユーザーと関連付けられたモバイル機器を介して画像を前記サーバーシステムに送るように構成された通信回路をさらに含み、前記モバイル機器が前記撮像システムとは別個である、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記サーバーシステムが、前記モバイル機器と無線通信し、前記サーバーシステムが、前記モバイル機器から画像を受け取って前記画像の高分解能復元を生成するように構成されている、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
口腔内状態が、ユーザーの歯の状態またはユーザーの歯列矯正の状態の少なくとも一方を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記撮像システムが、画像を取得するように構成された複数のカメラを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記ユーザーと関連付けられたモバイル機器が、ユーザーの口腔内状態に基づいてユーザーに歯科医または矯正歯科医を紹介する指示を含むユーザーインターフェースを表示するように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記撮像システムの少なくとも一部が、ユーザーの口の中に配置されるように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記カメラが、前記撮像システムの少なくとも一部がユーザーの口の中に配置されている間に画像を取得するように構成されている、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記モバイルアプリケーションが、前記画像が口腔内状態を診断するのに適していると判定するように、および、前記ユーザーに、前記画像が口腔内状態を診断するのに適していることを示す指示を表示するように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記モバイルアプリケーションが、前記画像が口腔内状態を診断するのに適していないと判定するように、および、前記ユーザーに、前記画像が口腔内状態を診断するのに適していないことを示す指示を表示するように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
ユーザーに表示される画像が撮像の進捗を示す、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記モバイルアプリケーションが、ユーザーの歯の撮像が進行するにつれて前記ユーザーの歯のモデルと置き換えられる一般的な歯のモデルを表示することによって前記ユーザーに撮像の進捗を表示するように構成されている、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記モバイルアプリケーションが、一般的な歯のモデルを表示することによってユーザーに撮像の進捗を表示するように構成され、ここで、前記一般的な歯のモデルの一部分が、前記ユーザーの歯の撮像が進行するにつれて色を変化させる、請求項12記載のシステム。
【請求項15】
前記サーバーシステムが、前記ユーザーと関連付けられた前記モバイル機器に口腔内状態を提供するように構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項16】
ユーザーの歯の画像を取得するために前記ユーザーによって保持されるように構成された本体と、
画像を取得するように構成されたカメラと、
画像の取得を容易にするために前記ユーザーの歯に対して前記カメラを向けるように構成された向き合わせ要素と、
画像を、前記画像に基づいて前記ユーザーの口腔内状態を判定するように構成されたサーバーシステムに送るように構成された、通信回路と
を含む、撮像装置であって、
前記撮像装置は、前記ユーザーが前記ユーザーの歯の画像を取得している間、前記ユーザーが前記ユーザーの歯を視覚的に監視することを可能にするように構成され
前記ユーザーと関連付けられたモバイル機器にインストールされたモバイルアプリケーションが、前記ユーザーが前記ユーザーの歯の画像を取得している間、前記ユーザーが前記ユーザーの歯を視覚的に監視することを可能にするように構成され、前記モバイルアプリケーションは、取得された画像に基づいて前記口腔内状態を治療するための治療計画を表示するように構成され、前記治療計画の表示は、前記治療計画の最終的な歯の形態を様々な角度および向きから見るために前記ユーザーにより操作されるように構成され、前記モバイルアプリケーションは、前記ユーザーに前記治療計画を購入するよう促すように構成されている、
前記撮像装置。
【請求項17】
前記口腔内状態が、ユーザーの歯の状態またはユーザーの歯列矯正の状態の少なくとも一方を含む、請求項16記載の撮像装置。
【請求項18】
前記向き合わせ要素が、ユーザーの歯に対して前記カメラを向けるために前記ユーザーの歯と整合するように構成されている、請求項16記載の撮像装置。
【請求項19】
前記撮像装置の少なくとも一部が、ユーザーの口の中に配置されるように構成されている、請求項16記載の撮像装置。
【請求項20】
前記カメラが、前記撮像装置の少なくとも一部がユーザーの口の中に配置されている間に画像を取得するように構成されている、請求項19記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月7日に出願された米国仮特許出願第62/844,694号の恩典および優先権を主張する、2019年12月11日に出願された米国特許出願第16/711,173号の恩典および優先権を主張し、両出願の内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
歯科用アライナーは、歯を所望の位置に強制的に移動させるために、ユーザーの歯の上にぴったりと嵌合するように特注されたプラスチックトレイである。歯の三次元モデルを作成することは、歯科用アライナーを作製するのに有用である。歯の三次元モデルを作成する従来の方法は、歯の物理的印象を作ること、または歯の口腔内スキャンを行うことを含む。
【0003】
歯の物理的印象を作るためには、患者は歯列矯正専門家の診療所に行って印象を取るか、または在宅歯科印象キットを使用しなければならない。歯を口腔内でスキャンするためには、歯列矯正専門家は、歯の画像を口の内側から取り込むことができるように、患者の口にスキャン装置を挿入する。歯列矯正専門家または歯科専門家の診療所で歯をスキャンすることは、不便であり(例えば、ユーザーは診療所に移動しなければならない)、費用がかかり(例えば、ユーザーは専門家にサービスの対価を支払わなければならない)、制限がある(例えば、スキャンが不完全または破損している場合、ユーザーは、追加のスキャンを取るために時間を取って診療所に戻らなければならない)。在宅歯科印象キットを使用することは、ユーザーが適切に実行するのが困難である可能性があり、結果として、印象を繰り返すことが必要になる可能性がある。
【0004】
専門的な装置における物理的印象およびスキャンに付随する複雑さを回避するために、歯科専門家または歯列矯正専門家に診てもらう必要なくユーザーがユーザー自身の歯を正確にスキャンするためのスキャン装置が望ましい。
【発明の概要】
【0005】
概要
一態様は、ユーザーによってユーザーの歯をスキャンして歯の画像を取得するように操作可能なスキャン装置を含むシステムに関する。スキャン装置は、画像を取得するように動作するカメラと、画像の取得を容易にするために歯に対してカメラを向けるように構成されたガイドと、スキャン装置によって取得された画像を受け取るようにおよび受け取った画像に基づいてユーザーの治療計画を策定するように構成されたサーバーシステムとを含む。
【0006】
別の態様は、ユーザーの歯をスキャンして歯の画像を取得するためにユーザーによって保持されるように構成された本体を含むスキャン装置に関する。スキャン装置はまた、画像を取得するように動作するカメラと、画像の取得を容易にするために歯に対してカメラを向けるように構成されたガイドとを含む。スキャン装置はまた、ユーザーの治療計画を策定するために画像をサーバーシステムに送るように構成された通信回路を含む。
【0007】
別の態様は、ユーザーによってユーザーの歯をスキャンするように操作可能なスキャン装置をユーザーに提供する工程を含む方法に関する。スキャン装置は、ユーザーの歯の画像を取得するように構成され、スキャン装置の本体に結合された、カメラを含む。本体には、ガイド歯並みに接触するように、および、ユーザーの口の中のスキャン歯並みにおいてスキャンされている歯から実質的に一定の距離離れてカメラを維持するように構成されたガイドが結合されている。方法は、スキャン装置からユーザーのモバイル機器に画像を送る工程と、ユーザーのモバイル機器からサーバーシステムに画像を送る工程と、サーバーシステムに送られた画像に基づいて歯列矯正治療計画を生成する工程と、歯列矯正治療計画に基づいて1つまたは複数のアライナーを製造する工程とをさらに含む。
[本発明1001]
画像を取得するように構成されたカメラ、
画像の取得を容易にするために歯に対して前記カメラを向けるように構成されたガイド
を含む、ユーザーによってユーザーの歯をスキャンして歯の画像を取得するように操作可能なスキャン装置と、
前記スキャン装置によって取得された画像を受け取るように構成されたサーバーシステムと、
前記サーバーシステムによって受け取られた画像に基づいてユーザーの治療計画を策定するように構成された歯科用アライナー製造システムと
を含む、システム。
[本発明1002]
前記歯科用アライナー製造システムが、治療計画に基づいて複数の歯科用アライナーを製造するように構成され、前記複数の歯科用アライナーが、ユーザーに固有であり、かつ前記ユーザーの歯のうちの1本または複数を整復するように構成されている、本発明1001のシステム。
[本発明1003]
前記スキャン装置が、前記スキャン装置とは別個のモバイル機器を介して画像を前記サーバーシステムに送るように構成された通信回路をさらに含む、本発明1001のシステム。
[本発明1004]
前記モバイル機器が、ユーザーの機器である、本発明1003のシステム。
[本発明1005]
前記サーバーシステムが、前記モバイル機器および前記歯科用アライナー製造システムと無線通信し、前記サーバーシステムが、前記モバイル機器から画像を受け取って前記画像の高分解能復元を生成するように構成されている、本発明1004のシステム。
[本発明1006]
前記スキャン装置が、スキャンと関連付けられた信頼度を決定するように構成され、前記モバイル機器が、スキャンの精度を決定するように構成され、前記サーバーシステムが、スキャン中に取得された画像の高分解能復元を行うように構成されている、本発明1004のシステム。
[本発明1007]
前記スキャン装置が、画像を取得するように構成された複数のカメラを含む、本発明1001のシステム。
[本発明1008]
前記スキャン装置が、複数のカメラによって取得された画像を結合するように構成されたプロジェクターを含む、本発明1007のシステム。
[本発明1009]
ユーザーの歯のうちの第2の歯の画像を取り込むように前記カメラを向けるために、前記ガイドが前記ユーザーの歯のうちの第1の歯と整合するように構成されている、本発明1001のシステム。
[本発明1010]
前記カメラが、前記スキャン装置の本体と同軸である長手方向軸に対してある角度に向けられ、前記角度が、105度~170度である、本発明1001のシステム。
[本発明1011]
モバイル機器にインストールされたモバイルアプリケーションが、ユーザーがスキャンを行っている間またはその後に前記ユーザーに画像を表示するように構成されている、本発明1001のシステム。
[本発明1012]
ユーザーに表示される画像がスキャンの進捗を示す、本発明1011のシステム。
[本発明1013]
前記モバイルアプリケーションが、歯のスキャンが進行するにつれてユーザーの歯のモデルと置き換えられる一般的な歯のモデルを表示することによって前記ユーザーにスキャンの進捗を表示するように構成されている、本発明1012のシステム。
[本発明1014]
前記モバイルアプリケーションが、画像が歯科用アライナーを製造するのに適していると判定するように、および、ユーザーに、前記画像が歯科用アライナーを製造するのに適していると示す指示を表示するように構成されている、本発明1011のシステム。
[本発明1015]
前記モバイルアプリケーションが、画像が歯科用アライナーを製造するのに適していないと判定するように、および、ユーザーに、前記画像が歯科用アライナーを製造するのに適していないと示す指示を表示するように構成されている、本発明1011のシステム。
[本発明1016]
前記モバイルアプリケーションが、一般的な歯のモデルを表示することによってユーザーにスキャンの進捗を表示するように構成され、ここで、前記モデルの一部分が、前記部分に対応する画像が歯科用アライナーを製造するのに適していると判定されたことに基づいて色を変化させる、本発明1011のシステム。
[本発明1017]
ユーザーの歯をスキャンして歯の画像を取得するために前記ユーザーによって保持されるように構成された本体と、
画像を取得するように構成されたカメラと、
画像の取得を容易にするために歯に対して前記カメラを向けるように構成されたガイドと、
画像を、サーバーシステムに、および前記ユーザーの治療計画を策定するように構成された歯科用アライナー製造システムに送るように構成された、通信回路と
を含む、スキャン装置。
[本発明1018]
前記ガイドが、歯と整合するように構成されている、本発明1017のスキャン装置。
[本発明1019]
前記ガイドが、歯のうちの第2の歯の画像の取得を容易にするために前記歯のうちの第1の歯と整合するように構成されている、本発明1018のスキャン装置。
[本発明1020]
第1の歯がユーザーの第1の顎に結合しており、第2の歯が前記ユーザーの第2の顎に結合している、本発明1019のスキャン装置。
[本発明1021]
前記ガイドが、ユーザーの歯の第2の顎の前記歯の画像を取得するために前記ユーザーの前記歯の第1の顎の咬合面上を移動させられるように構成されている、本発明1017のスキャン装置。
[本発明1022]
前記ガイドが、ユーザーの歯のうちのある歯の咬合面、舌側面、および唇側面と整合するようなサイズである、本発明1017のスキャン装置。
[本発明1023]
以下の工程を含む、方法:
前記ユーザーによってユーザーの歯をスキャンするように操作可能なスキャン装置を前記ユーザーに提供する工程であって、前記スキャン装置が、
前記ユーザーの歯の画像を取得するように構成されている、前記スキャン装置の本体に結合されたカメラと、
ガイド歯並みに接触するように、および、前記ユーザーの口の中のスキャン歯並みにおいてスキャンされている歯から実質的に一定の距離離れて前記カメラを維持するように構成されている、前記本体に結合されたガイドと
を含む、工程;
前記スキャン装置から前記ユーザーのモバイル機器に画像を送る工程;
前記ユーザーの前記モバイル機器からサーバーシステムに画像を送る工程;
前記サーバーシステムに送られた画像に基づいて歯列矯正治療計画を生成する工程;ならびに
前記歯列矯正治療計画に基づいて1つまたは複数のアライナーを製造する工程。
[本発明1024]
前記サーバーシステムにより、歯の前記スキャンが1つまたは複数のアライナーを製造するのに適しているかどうかを判定する工程;および
ユーザーに、歯の前記スキャンが1つまたは複数のアライナーを製造するのに適しているかどうかに関するフィードバックを提供する工程
をさらに含む、本発明1023の方法。
[本発明1025]
前記モバイル機器によって、歯のモデルの一般的な画像を表示する工程;および
スキャンの進捗を反映するために、前記モバイル機器により、前記歯のモデルの一般的な画像を前記ユーザーの歯のモデルにリアルタイムで変化させる工程
をさらに含む、本発明1023の方法。
[本発明1026]
前記ユーザーの歯のモデルの外観を、前記歯の前記スキャンが1つまたは複数のアライナーを製造するのに適しているかどうかに基づいて変化させる、本発明1025の方法。
[本発明1027]
前記歯のモデルの外観を変化させる工程が、前記歯のスキャンが1つまたは複数のアライナーを製造するのに適しているかどうかの指示を提供することを含む、本発明1026の方法。
[本発明1028]
前記スキャン装置または前記モバイル機器によって、前記スキャンと関連付けられた信頼度を決定する工程であって、前記信頼度が、スキャンが1つまたは複数のアライナーを製造するのに適している可能性を示す、工程;および
画像が取得される際に、前記モバイル機器によって、ユーザーに前記信頼度を表示する工程
をさらに含む、本発明1023の方法。
[本発明1029]
前記ガイド歯並みが、ユーザーの口の下部に位置する1本または複数の歯を含み、前記スキャン歯並みが、前記ユーザーの口の上部に位置する1本または複数の歯を含む、本発明1023の方法。
[本発明1030]
前記ガイド歯並みが、ユーザーの口の上部に位置する1本または複数の歯を含み、前記スキャン歯並みが、前記ユーザーの口の下部に位置する1本または複数の歯を含む、本発明1023の方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】いくつかの態様による、歯の口腔外スキャンのためのシステムのブロック図である。
図1B】いくつかの態様による、図1Aのクラウドサーバーと通信する図1Aのモバイル機器の図である。
図2】いくつかの態様による、歯をスキャンするためのスキャン装置の図である。
図3】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用して歯をスキャンするためのプロセスの図である。
図4】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用して歯をスキャンするためのプロセスの図である。
図5】いくつかの態様による、患者の歯の図である。
図6】いくつかの態様による、患者の歯の高分解能復元の図である。
図7】いくつかの態様による、図6の高分解能復元に基づくコンピューター生成メッシュの図である。
図8】いくつかの態様による、アライナーの図である。
図9】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図10】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図11】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図12】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図13】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図14】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図15】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図16】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図17】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図18】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図19】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図20】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者に指示するモバイル機器アプリケーションの図である。
図21】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用して歯科用アライナーを作製するための方法の流れ図である。
図22】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用して歯科用アライナーを作製するための方法の流れ図である。
図23】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用して遠隔歯科診療目的で歯をスキャンするユーザーの図である。
図24】いくつかの態様による、患者に歯の状態を通知するモバイル機器アプリケーションの図である。
図25】いくつかの態様による、図2のスキャン装置を使用して歯の状態を診断するための方法の流れ図である。
図26A図26A~Bは、いくつかの態様による、スキャン装置の図である。
図26B図26A~Bは、いくつかの態様による、スキャン装置の図である。
図26C図26A~Bのスキャン装置の分解図である。
図27A図27A~Bは、いくつかの態様による、別のスキャン装置の図である。
図27B図27A~Bは、いくつかの態様による、別のスキャン装置の図である。
図27C図27A~Bのスキャン装置の分解図である。
図28A図28A~Bは、いくつかの態様による、別のスキャン装置の図である。
図28B図28A~Bは、いくつかの態様による、別のスキャン装置の図である。
図28C図28A~Bのスキャン装置の分解図である。
図29A図29A~Bは、いくつかの態様による、スキャン装置内の内部構成要素の配置の正面図および側面図である。
図29B図29A~Bは、いくつかの態様による、スキャン装置内の内部構成要素の配置の正面図および側面図である。
図30A図30A~Bは、いくつかの態様による、別のスキャン装置内の内部構成要素の別の配置の正面図および側面図である。
図30B図30A~Bは、いくつかの態様による、別のスキャン装置内の内部構成要素の別の配置の正面図および側面図である。
図31】いくつかの態様による、頭部が実質的に傾斜していないユーザーの顎分離の図である。
図32】いくつかの態様による、頭部が実質的に上方に傾斜しているユーザーの顎分離の図である。
図33】いくつかの態様による、頭部が実質的に下方に傾斜しているユーザーの顎分離の図である。
図34】いくつかの態様による、ユーザーの歯をスキャンするスキャン装置の図である。
図35】いくつかの態様による、スキャン装置のガイドの図である。
図36A図36A~Bは、いくつかの態様による、歯の上を移動する図35のガイドの図である。
図36B図36A~Bは、いくつかの態様による、歯の上を移動する図35のガイドの図である。
図37】いくつかの態様による、スキャン装置の別のガイドの図である。
図38A図38A~Bは、いくつかの態様による、歯の上を移動する図37のガイドの図である。
図38B図38A~Bは、いくつかの態様による、歯の上を移動する図37のガイドの図である。
図39】いくつかの態様による、スキャン装置の別のガイドの図である。
図40A図40A~Bは、いくつかの態様による、歯の上を移動する図39のガイドの図である。
図40B図40A~Bは、いくつかの態様による、歯の上を移動する図39のガイドの図である。
図41】いくつかの態様による、スキャン装置の別のガイドの図である。
図42A図42A~Bは、いくつかの態様による、歯の上を移動する図41のガイドの図である。
図42B図42A~Bは、いくつかの態様による、歯の上を移動する図41のガイドの図である。
図43】いくつかの態様による、一形態のスキャン装置用のケースの図である。
図44】いくつかの態様による、別の形態における図43のケースの図である。
図45】いくつかの態様による、ユーザーアカウントを作成するための方法の流れ図である。
図46】いくつかの態様による、ユーザーアカウントおよびスキャン装置をセットアップするための方法の流れ図である。
図47】いくつかの態様による、図46の流れ図の続きである。
図48】いくつかの態様による、スキャン画像を受け取るための方法の流れ図である。
図49】いくつかの態様による、ゲストがスキャンを完了するための方法の流れ図である。
図50】いくつかの態様による、歯列矯正治療計画を生成するための方法の流れ図である。
図51図51A~Dは、いくつかの態様による、スキャン装置を保管および使用するための構成の図である。
図52図52A~Dは、いくつかの態様による、スキャン装置を保管および使用するための追加の構成の図である。
図53図53A~Dは、いくつかの態様による、スキャン装置を保管および使用するためのさらなる構成の図である。
図54】いくつかの態様による、歯をスキャンするための別のスキャン装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
特定の例示的な態様を詳細に示す図面を参照する前に、本開示は、説明に記載されたまたは図面に示された詳細または方法論に限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、説明のみを目的としており、限定とみなされるべきではないことも理解されたい。
【0010】
患者が歯科用アライナーを使用して治療計画を開始するためには、患者の歯の三次元(「3D」)モデルを作成することが有益である。上述のように、3Dモデルは、従来の印象技術またはスキャン装置を使用して生成することができる。しかしながら、患者は、歯列矯正専門家にかかって、印象を取ってもらうかまたは歯をスキャン装置でスキャンしてもらう必要があり得る。場合によっては、患者は、スキャンプロセスの訓練を受けた専門家(例えば、歯科専門家や歯列矯正専門家ではない専門家)によってスキャンが行われる別の場所を訪問する必要があり得る。別の例では、スキャンプロセスの訓練を受けた専門家が、スキャンを行うために患者のところにスキャナーを持参することもある。従来のスキャナーは一般に大きく、かなりの構造的支持(例えば、車両やローリングカートへの取り付けなど)を必要とする可能性がある。いずれの場合も、スキャナーの使用の訓練を受けた専門家(例えば、歯科専門家や歯列矯正専門家、特定の訓練を受けた個人など)が患者のスキャンを行うことができるようにスキャンの予定を決める必要がある。したがって、患者は、歯をスキャンするためにユーザーが(例えば、訓練された専門家からの支援および/または指図なしで)操作することができる携帯型装置(例えば、構造的支持を必要とせず、装置全体を患者の手に保持することができるように従来の装置よりも著しく軽量な装置)を用いて歯をスキャンすることにより関心がある場合がある。そのような装置は、患者が望むように患者の歯をスキャンする能力を患者に提供する。例えば、最初のスキャンを行った後、患者が次のスキャンを行いたい場合がある。従来のスキャナーでは、患者は別のスキャンの予定を決定し、スキャンを行うために予定された日時まで待たなければならないであろう。携帯型装置では、患者は、患者が望む回数だけ次のスキャンを行うことができる。
【0011】
本明細書で使用される場合、「口腔外スキャン」という用語は、スキャナーのレンズが患者の口に入らない患者の歯のスキャンを指す。本明細書で使用される場合、「口腔内スキャン」という用語は、歯の画像を取り込むために口にスキャン装置(例えば、カメラ、3Dスキャナー、または歯の画像を取り込むことができる任意の他のスキャン装置)のレンズを挿入することによって歯をスキャンすることを指す。本明細書で使用される場合、「ユーザー」および「患者」という用語は、ユーザーが患者であり得、患者がユーザーであり得るように交換可能に使用され得る。本明細書で使用される場合、「歯科用アライナー」という用語は、任意のタイプの歯科装置を範囲とすることを意図されており、患者の1本または複数の歯を整復するための歯科用アライナー、義歯、マウスガード、またはリテーナーを含むがこれらに限定されない、任意の歯列矯正装置または患者の口で使用することを意図された装置を指すことができる。
【0012】
図1Aを参照すると、いくつかの態様による、歯(例えば、口腔内または口腔外)をスキャンするためのシステム100のブロック図が示されている。システム100は、スキャン装置102と、モバイル機器122と、クラウドサーバー142と、アライナー製造センター162とを含む。
【0013】
スキャン装置102は、3D表面をスキャンするように構成された任意の装置とすることができる。スキャン装置102の例には、非接触アクティブ3Dスキャナー(例えば、飛行時間、三角測量、コノスコープホログラフィ、または任意の他の種類の非接触アクティブ3Dスキャナー)、ハンドヘルドレーザー3Dスキャナー、構造化光3Dスキャナー、変調光3Dスキャナー、および非接触パッシブ3Dスキャナー(例えば、立体、測光、シルエット、または任意の他の種類の非接触パッシブ3Dスキャナー)が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
スキャン装置102は、処理回路104と、スキャン回路110と、通信回路112と、機械学習回路114と、解析回路116とを含む。処理回路104は、プロセッサ106とメモリ108とを含むようにさらに示されている。プロセッサ106は、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプのプロセッサとすることができる。プロセッサ106は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラー、または他のプロセッサもしくは処理/制御回路であり得る。同様に、メモリ108は、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプの揮発性もしくは不揮発性のメモリまたはデータストレージとすることができる。動作に際して、メモリ108は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、およびドライバなど、スキャン装置102の動作中に使用される様々なデータおよびソフトウェアを格納し得る。メモリ108は、プロセッサ106がメモリ108内に位置するファイルを実行することができるように、プロセッサ106に通信可能に結合されている。
【0015】
スキャン回路110は、プロセッサ106に通信可能に結合され、1つまたは複数の物体のスキャンを行うように構成されている。これに関して、スキャン回路110は、データをスキャン装置102内の他の回路(例えば、解析回路116や機械学習回路114)に提供することができるように、スキャンされている物体の画像(例えば、サイズ、形状、色、深さ、追跡距離、および他の物理的特性)を収集する。対象物を適切にスキャンするために、スキャン回路110は、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、慣性計測装置(「IMU」)、深度センサー、およびカラーセンサーを含むがこれらに限定されない多種多様なセンサーを含むことができる。
【0016】
通信回路112は、スキャン回路110、機械学習回路114、および解析回路116に通信可能に結合され、モバイル機器122に通信を送り、モバイル機器から通信を受け取るように構成されている。例えば、通信回路112は、モバイル機器122がスキャンを行う患者に情報を表示することができるように、スキャンの十分性に関する情報をモバイル機器122に送ることができる。別の例として、通信回路112は、スキャン中にモバイル機器122が患者に表示するために、スキャンの画像をモバイル機器122にリアルタイムで提供することができる。通信回路112は、Bluetooth、WiFiネットワーク、有線ローカルエリアネットワーク(LAN)、Zigbee、または装置が情報を交換するための任意の他の適切な方法を含むがこれらに限定されない様々な方法でモバイル機器122と通信することができる。
【0017】
機械学習回路114は、スキャン中にスキャン回路110によって収集された画像を受け取り、スキャンの特性を決定するように構成されている。例えば、機械学習回路114は、受け取った画像に基づいて、患者が正しい位置からスキャンを開始したかどうか、またはスキャン中に患者がスキャン装置102を正しい向きに保持したかどうかを判定することができる。機械学習回路114はまた、通信回路112に通信可能に結合され、機械学習回路114の能力を向上させるために更新を受け取るようにさらに構成されている。
【0018】
解析回路116は、スキャン回路110および機械学習回路114から情報を受け取り、その情報を解析するように構成されている。例えば、解析回路116は、スキャン回路110から画像データを受け取り、患者によって行われているスキャンが許容可能であるという信頼度を決定することができる。別の例として、解析回路116は、スキャンの許容可能な部分が結合されて許容可能なスキャンを生成するように、複数のスキャンをマージすることができる。解析回路116は、解析の結果を機械学習回路114および通信回路112に提供することができる。
【0019】
モバイル機器122は、モバイルアプリケーション(「アプリケーション」)を実行するように構成された任意のタイプの携帯型装置とすることができる。本明細書で使用される場合、「アプリケーション」という用語は、ハードウェア(例えば、モバイル機器122)にロードすることができるソフトウェアを指し、ソフトウェアは、ハードウェアとサーバーの両方と通信して所望の機能を行う。モバイル機器122の例には、携帯電話、タブレットコンピューター、ラップトップコンピューター、スマートウォッチ、フィットネストラッカー、およびアプリケーションを実行することができる任意の他のインターネット接続デバイスが含まれるが、これらに限定されない。モバイル機器122は、患者のパーソナルモバイル機器122とすることができる。例えば、モバイル機器122は、患者自身の携帯電話とすることができる。
【0020】
モバイル機器122は、処理回路124と、解析回路130と、通信回路132と、表示回路134とを含むように示されている。処理回路124は、プロセッサ126とメモリ128とを含むようにさらに示されている。プロセッサ126は、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプのプロセッサとすることができる。プロセッサ126は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラー、または他のプロセッサもしくは処理/制御回路であり得る。同様に、メモリ128は、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプの揮発性もしくは不揮発性のメモリまたはデータストレージとすることができる。動作に際して、メモリ128は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、およびドライバなど、モバイル機器122の動作中に使用される様々なデータおよびソフトウェアを格納し得る。メモリ128は、プロセッサ126がメモリ128内に位置するファイルを実行することができるように、プロセッサ126に通信可能に結合されている。
【0021】
通信回路132は、解析回路130および表示回路134に通信可能に結合され、モバイル機器122に通信を送り、モバイル機器122から通信を受け取り、クラウドサーバー142に通信を送り、クラウドサーバー142から通信を受け取るように構成されている。例えば、通信回路132は、クラウドサーバー142がさらなる動作を行うことができるように、スキャン装置102から受け取った画像に関する情報をクラウドサーバー142に送ることができる。通信回路132は、Bluetooth、WiFiネットワーク、有線ローカルエリアネットワーク(LAN)、Zigbee、または装置が情報を交換するための任意の他の適切な方法を含むがこれらに限定されない様々な方法で、モバイル機器122およびクラウドサーバー142と通信することができる。いくつかの態様では、通信回路132は、電波を使用して情報を送りかつ/または受け取るために1つまたは複数の無線タワーと通信する無線周波数トランシーバーを含む。いくつかの態様では、無線周波数トランシーバーは、単一バンドトランシーバーを含む。いくつかの態様では、無線周波数トランシーバーは、デュアルバンドトランシーバーを含む。
【0022】
解析回路130は、通信回路132から情報を受け取り、その情報を解析するように構成されている。例えば、通信回路132は、スキャン装置102から信頼度データを受け取り、そのデータを解析回路130に提供することができる。信頼度データは、現在のスキャンの精度と平均的なユーザーのスキャンの精度との比較に基づくものとすることができる。解析回路130は、患者がスキャン全体を通してある程度正確にスキャンしているかどうかを判定することができ、解析の結果を表示回路134およびクラウドサーバー142に提供することができる。加えて、解析回路130は、スキャン装置102によって記録された画像を使用して追加の動作を行うように動作する。例えば、解析回路130は、スキャン装置102によって提供された情報に基づいてスキャンの深さを決定することができる。
【0023】
表示回路134は、スキャン装置102および解析回路116から情報を受け取り、その情報を患者に表示するように構成されている。例えば、表示回路134は、行われているスキャンの精度に関する情報を受け取ることができる。表示回路134は、スキャン精度情報をモバイル機器122のディスプレイに表示することによって、患者にスキャン精度情報を提供することができる。精度情報は、色分けされた情報として提供することができ、スキャンに成功した歯は緑色として表示され、欠けているかまたはスキャンに失敗した歯は赤色として表示される。別の例として、表示回路134は、スキャン装置102から患者の歯の画像を受け取ることができ、表示回路134は、患者が歯をスキャンするときにリアルタイムで患者の歯の画像をモバイル機器122のディスプレイに表示することができる。
【0024】
クラウドサーバー142は、モバイル機器122およびアライナー製造センター162に通信可能に結合されている。クラウドサーバー142は、モバイル機器122に通信可能に結合されることに加えて、複数のモバイル機器に通信可能に結合されることもでき、複数のモバイル機器の各々が、別個のスキャン装置に通信可能に結合される。クラウドサーバー142は、モバイル機器122からスキャンデータを受け取り、アライナー製造センター162に送るスキャンデータを準備するためにデータに対して追加の操作を行うように構成されている。クラウドサーバー142が行うことができる追加の操作には、スキャン画像の高分解能復元およびスキャン画像の1つまたは複数の3D画像への変換が含まれるが、これらに限定されない。クラウドサーバー142は、追加の操作の結果をアライナー製造センター162に通信することができる。
【0025】
加えて、クラウドサーバー142は、クラウドサーバー142が通信可能に結合された複数のモバイル機器から受け取ったデータを解析し、モバイル機器122を介して機械学習回路114に解析の出力を提供するように構成されている。例えば、クラウドサーバー142は、様々なスキャンからの複数のスキャンデータの解析に基づいて、患者が特定の角度公差内でスキャン装置102を保持しなければならないと判定し得る。クラウドサーバー142は、スキャン装置102が、患者がスキャン装置102を適切な向きにしてスキャンを開始することを確実にできるように、その情報を機械学習回路114(およびクラウドサーバー142に接続された複数のモバイル機器と関連付けられた他の機械学習回路)に提供することができる。
【0026】
アライナー製造センター162は、クラウドサーバー142に通信可能に結合され、クラウドサーバー142から3D画像を受け取り、3D画像に基づいて1本または複数の歯列矯正アライナーを生成するように構成されている。アライナー製造センター162は、アライナー製造コンピューターシステム164とアライナー製造システム174とを含むように示されている。アライナー製造コンピューティングシステム164は、3D画像に基づいて、患者の歯を第1の形態から第2の形態に整復する最適な方法を決定するように構成されている。アライナー製造コンピューティングシステム164は、通信回路166と、画像認識回路168と、画像ステッチング回路170と、3Dモデル作成回路172とを含む。アライナー製造システム174は、1つまたは複数の物理的3Dモデルに基づいて、患者の歯を整復するために使用することができる1つまたは複数のアライナーを作製するように構成されている。
【0027】
通信回路166は、クラウドサーバー142が通信回路166を介してアライナー製造コンピューターシステム164に画像データを提供するように、クラウドサーバー142に通信可能に結合されている。通信回路166はまた、クラウドサーバー142に、クラウドサーバー142がモバイル機器122を介して機械学習回路114に提供するための情報を送ることができる。例えば、アライナー製造コンピューターシステム164に提供された画像が実行可能なアライナーを生成するのに十分でなかった場合、通信回路166はクラウドサーバー142にその欠陥を通知し、クラウドサーバー142は機械学習回路114を更新し、機械学習回路114は、将来のスキャンで同様の欠陥が受け入れられるのを防ぐ。
【0028】
画像認識回路168は、通信回路166から画像データを受け取ってさらなる処理のために画像の位置を決定するように、動作する。例えば、画像認識回路は、患者の口の4つの画像を受け取ることができ、4つの画像は口全体のスキャンを表す。画像認識回路168は、画像認識回路168が、画像を互いに繋ぎ合わせることができるように画像を編成するように、どの画像が口の右下象限、口の左下象限、口の右上象限、および口の左上象限を表すかを決定することができる。
【0029】
画像ステッチング回路170は、画像認識回路168から認識された画像を受け取り、それらの画像を繋ぎ合わせて、上下の歯の画像を作成する。いくつかの態様では、画像ステッチング回路170は、上歯の1つの画像および下歯の1つの画像を作成する。いくつかの態様では、画像ステッチング回路は、上歯と下歯の両方を含む単一の画像を作成する。画像ステッチング回路170は、画像を繋ぎ合わせるためのステッチングの任意の公知の方法を実施することができる。例えば、画像ステッチング回路170は、キーポイント検出(例えば、画像を互いに一致させるために使用される画像内の異なる領域を見つけること)、重ね合せ(例えば、重なり合う画素間の絶対差の合計を最小化する画像内の特徴を一致させること)、または任意の他の公知のステッチング方法を使用して、画像を繋ぎ合わせることができる。繋ぎ合わされた画像は、さらなる処理のために3Dモデル作成回路172に提供される。
【0030】
3Dモデル作成回路172は、繋ぎ合わされた画像を受け取り、繋ぎ合わされた画像から3Dモデルを作成する。3Dモデル作成回路172は、深さベースの変換、動きからの深度、焦点からの深度、視点からの深度、または任意の他の公知の方法を含むがこれらに限定されない、3Dモデルを生成する任意の公知の方法を使用することができる。3Dモデル作成回路172は、患者の歯の3Dモデルに基づいて治療計画を生成する。治療計画は、歯の3Dモデルに基づく第1の歯の形態と、最適な歯の形態に基づく第2の歯の形態とを含む(例えば、治療計画は、歯を曲がった形態から真っ直ぐな形態に移動させることを含むことができる)。3Dモデル作成回路172は、歯を第1の形態から第2の形態に移動させるために必要な治療計画の工程数を決定し、治療計画の工程ごとに歯の3Dモデルを生成する。3Dモデル作成回路172はまた、3D印刷、機械加工、成形、または物理的3Dモデルを作成することができる任意の他の方法を含む任意の公知の方法によって、3Dモデルの物理表現を作成することができる。3Dモデル作成回路172は、物理的3Dモデルをアライナー製造システム174に送る。
【0031】
アライナー製造システム174は、3Dモデル作成回路172から物理的3Dモデルを受け取り、患者の歯を整復するためのアライナーを生成する。アライナー製造システム174は、熱成形機176と、切断機178と、レーザーエッチング機180とを含む。熱成形機は、1つまたは複数の3Dモデルの上にポリマー材料のシートを配置することによって、アライナーを作製するように操作可能である。ポリマー材料は加熱され、(例えば、真空システム、プレス、または任意の他の公知の方法によって)3Dモデル上にぴったりと引き付けられる。ポリマー材料が冷却され、熱成形されたポリマー材料が3Dモデルから取り外される。
【0032】
切断機178は、熱成形機176から熱成形されたポリマー材料を受け取り、熱成形されたポリマー材料から余分なポリマー材料を切り取るように動作する。余分な材料は、アライナーを生成するために切断システムで(例えば、レーザー、機械的方法、または他の公知の切断方法を使用して)切り取られる。
【0033】
レーザーエッチング機180は、レーザーエッチングプロセスを介してアライナー上に識別マークを含めるように動作する。識別マークは、患者固有の番号、そのアライナーが他のアライナーと順番にどのようにして装着されるべきかを示すシーケンス番号、または識別特徴を提供することができる任意の他のタイプのマークを含むことができる。
【0034】
上述のように、スキャン装置102によって記録された画像を、スキャン装置102、モバイル機器122、クラウドサーバー142、および/またはアライナー製造センター162によって処理および修正することができる。いくつかの態様では、スキャン装置102によって記録された画像を、部分的な処理の組み合わせが完全に処理され修正された画像をもたらすように、スキャン装置102、モバイル機器122、クラウドサーバー142、またはアライナー製造センター162のうちの少なくとも2つ以上の組み合わせによって少なくとも部分的に処理することができる。
【0035】
図1Bを参照すると、いくつかの態様による、図1Aのクラウドサーバー142と通信する図1Aのモバイル機器122の図が示されている。タワーネットワーク181は、複数のタワー(例えば、タワー182~186)を含む。タワー182~186は、セルラータワー、無線タワー、基地局、無線基地局などと呼ばれ、セルラー通信用の設備を含む。例えば、タワー182~186は、様々なアンテナ、送信機、受信機、トランシーバー、デジタル信号プロセッサ、制御電子回路、全地球測位受信機、および電源を含むことができる。タワー182~186は、タワー182~186の各々が指定のエリア(例えば、セル)内で信号を送信および受信することができるように構成されている。典型的には、タワー182~186の各々が信号を送信および受信することができるエリアは、ほぼ六角形のような形状である。例えば、タワー182はエリア192内で信号(例えば、データ)を送信および受信することができ、タワー183はエリア193内で信号を送信および受信することができ、タワー184はエリア194内で信号を送信および受信することができ、タワー185はエリア195内で信号を送信および受信することができ、タワー186はエリア196内で信号を送信および受信することができる。
【0036】
発信位置から宛先位置に信号を送信するために、各タワーは、隣接するエリア内のタワーに信号を送信することができる。例えば、エリア193はエリア192に隣接しているので、タワー182はタワー183に信号を送信することができる。加えて、エリア195はエリア192に隣接しているので、タワー182はタワー185に信号を送信することができる。
【0037】
図1Aを参照して説明されたように、モバイル機器122の通信回路132は、クラウドサーバー142と通信するためにモバイル機器122から信号(例えば、スキャンに関連するデータを含む無線信号)を送信する。例示的な一態様では、信号はモバイル機器122の通信回路132から発信される。モバイル機器122はエリア192内にあるので、信号はタワー182に到達する。タワー182からは、エリア193がエリア192に隣接しているので、信号がタワー183に送信され、タワー183からは、エリア194がエリア193に隣接しているので、信号がタワー184に送信される。クラウドサーバー142がエリア194内に位置しているので、信号は次いで、タワー184からクラウドサーバー142に送信される。
【0038】
いくつかの態様では、モバイル機器122によって送信される信号は、複数のデジタル信号、複数のアナログ信号、または複数のデジタル信号とアナログ信号との組み合わせを含む。そのような態様では、信号を送信するのに必要なリソースを低減するために、多重化プロトコルを使用して複数の信号が1つの信号に結合される。例示的な一態様では、周波数分割多重化(FDM)を使用して信号を結合することができる。FDMでは、すべての周波数が同時に移動できるように、各ユーザーに完全な周波数スペクトルから異なる周波数が割り当てられる。別の例示的な態様では、時分割多重化(TDM)を使用して信号を結合することができる。TDMでは、複数のユーザーを同時にサポートすることができるように、単一の無線周波数が複数のスロットに分割され、各スロットが異なるユーザーに割り当てられる。さらに別の例示的な態様では、符号分割多重化(CDMA)を使用して信号を結合することができる。CDMAでは、いくつかのユーザーが同じ周波数スペクトルを同時に共用し、各ユーザーに割り当てられた固有のコードを介して区別される。受信機には、受信機がユーザーを識別できるように固有のキーが供給される。
【0039】
いくつかの態様では、信号はパケット交換プロセスを介して送信される。パケット交換プロセスでは、信号(例えば、送信されているデータ)がパケットと呼ばれる小さな部分に分割される。パケットは次いで、送信元(例えば、モバイル機器122)から宛先(例えば、クラウドサーバー142)に個別に送信される。いくつかの態様では、各パケットは宛先まで異なる経路を辿ることができ、パケットは宛先に順不同に到着することができ、そこでパケットは順番に組み立てられる(例えば、データグラム方式)。いくつかの態様では、各パケットは宛先まで同じ経路を辿り、パケットは正しい順序で到着する(例えば、仮想回路方式)。
【0040】
したがって、スキャン装置102によって取得された任意のデータを、タワーネットワーク181を使用してクラウドサーバー142に、またはクラウドサーバー142を介して、もしくはクラウドサーバー142を介さずにアライナー製造センター162に送ることができる。いくつかの態様では、スキャン装置102によって取得された任意のデータを、タワーネットワーク181の1つまたは複数のタワー182~186を使用して送ることができる。例えば、スキャン装置102によって取り込まれたユーザーの歯の3D画像を、タワーネットワーク181の1つまたは複数のタワー182~186を介してクラウドサーバー142またはアライナー製造センター162に送ることができる。加えて、スキャン装置102によって取り込まれたユーザーの歯の3D画像を、診断目的、治療目的、または任意の他の目的で、タワー182~186のうちの1つまたは複数を介して他の場所(例えば、歯科専門家の診療所など)に直接送ることができる。場合によっては、タワーネットワーク181上で3D画像データを送ることは、他の通信方法よりも有利である。例えば、3D画像データは、他の通信方法を使用する場合に大きなファイルサイズまたはより大きなパケットで送られるのではなく、より小さいサイズのパケットまたはより小さいファイルサイズに分割され、タワーネットワーク181上で別々に送られる場合、より効率的に送ることができる。
【0041】
次に図2を参照すると、いくつかの態様による、歯をスキャンするためのスキャン装置102の図が示されている。スキャン装置102は、3Dモデルを作成する目的で3D物体の画像を取り込むことができる任意の公知の装置とすることができる。例示的な一態様では、スキャン装置102は、「ステレオからの深度」の概念(例えば、3D物体の深度は、3D物体に対してある角度で配置された少なくとも2つのカメラから得られた画像を比較することによって決定される)に基づいて3D物体の画像を取り込むように構成されている。スキャン装置102は、本体202と、前方部分204と、第1のカメラ206と、第2のカメラ208と、プロジェクター207と、ガイドバー210と、ガイドチップ212とを含む。本体202は、患者の歯のスキャン中に患者の手に保持されるようなサイズおよび構成とされる。別の態様では、歯がスキャンされる患者以外の人が、患者の歯をスキャンするためにスキャン装置102を保持して操作することができる。本体202は、プラスチック材料(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、もしくは任意の他の適切なプラスチック)、金属材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、もしくは任意の他の適切な金属)、または用途に適した任意の他の材料から製造することができる。
【0042】
第1のカメラ206および第2のカメラ208は、第1のカメラ206のレンズおよび第2のカメラ208のレンズが前方部分204を越えて延在するように離間されて本体202に固定されている。いくつかの態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208を同等のカメラとすることができる。例えば、第1のカメラ206および第2のカメラ208を、何らかの深度情報と共に二次元画像を取り込む二次元カメラとすることができる。いくつかの態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208を異なるカメラとすることができる。例えば、第1のカメラ206は深度情報を取り込む二次元カメラとすることができ、第2のカメラ208は3Dカメラとすることができる。
【0043】
プロジェクター207は、第1のカメラ206と第2のカメラ208との間に位置するように示されているが、プロジェクター207は、本体202上のどこにでも配置することができる。プロジェクター207は、第1のカメラ206および第2のカメラ208から画像を受け取り、第1のカメラ206および第2のカメラ208から画像を重ね合わせる。重ね合わされた画像は解析回路116に提供され、解析回路116は、第1のカメラ206および第2のカメラ208からの画像の深度を立体的に計算することができる。いくつかの態様では、プロジェクター207は光源を含み、プロジェクター207は光源からスキャンされる物体に向かって光を投影する。光源は、例えば、近赤外光、可視スペクトルの光(例えば、約400ナノメートル~約700ナノメートルの波長を有する光)とすることができる。いくつかの態様では、光源は、約380ナノメートル~500ナノメートルの波長を有する光である。
【0044】
スキャン装置102はまた、スキャンするために表面に光を投影する光源214も含み得る。いくつかの態様では、光源214は、スキャンするために表面に可視光を投影することができる(例えば、青色光や任意の他のタイプの可視光)。いくつかの態様では、光源214は、スキャンのために表面に赤外光(または他の非可視光、例えば近赤外光)を投影することができる。光源214は、スキャン手順の前に、ユーザーが(例えば、ボタン、スイッチ、もしくは光源214に結合された回路を開閉することができる他のタイプのアクチュエーターを介して)、または自動的にオンにすることができる。
【0045】
いくつかの態様では、スキャン装置102は、スキャンされている表面から反射された光を受光するセンサー216を含む。いくつかの態様では、センサー216は、スキャンされている表面から反射された赤外光(または他の非可視光)を受光するように構成されている。いくつかの態様では、センサー216は、スキャンされる表面から反射された可視光(例えば、青色光や任意の他のタイプの可視光)を受光するように構成されている。光源214が自動的にオンにされる態様では、センサー216を、スキャン装置102の動きおよび/または向きを検出するように構成することができる。センサー216がスキャン手順を示す動き(例えば、スキャン装置102が特定の角度に向けられる、スキャン装置102が特定のパターンに従って移動させられるなど)を検出すると、センサー216は、光源214がオンになるように光源214に信号を送信する。
【0046】
いくつかの態様では、スキャン装置102は、骨スキャン技術を含み得る。骨スキャン技術は、骨の外部および内部をスキャンするための様々なシステムおよび方法を含み得る。例えば、歯科環境では、骨スキャンは、歯の内部の健康に関する情報を提供し得る。骨スキャンはまた、歯の歯根、または従来のスキャン装置でスキャンできないような目に見えない可能性がある歯の他の部分の健康に関する情報も提供し得る。いくつかの態様では、骨スキャン技術は、歯根の形状および歯根相互、ユーザーの歯、またはユーザーの顎骨に対する歯根の位置の取得を可能にする。
【0047】
ガイド210は、前方部分204から延在し、ガイドチップ212を画定し、ガイドチップ212は、前方部分204の反対側のガイド210の端部に位置する。ガイド210は本体202と同じ材料から構築することができるが、ガイド210を異なる材料から構築することもできる。ガイド210は、患者の歯のスキャン中に患者の歯と本体202との間に延在するように操作可能であり、したがって、ガイド210は、本体202をスキャン中に患者の歯から実質的に一定の距離(例えば、2~6センチメートル(cm)、約3cm、約4cmなど)に維持することができるように実質的に剛性である。
【0048】
ガイドチップ212は、スキャン中に本体202を患者の歯から実質的に一定の距離に維持することができるように、スキャン全体を通して患者の歯に接触するように操作可能である。図示のように、ガイドチップ212は平坦面であるが、ガイドチップ212は、スキャン中にガイドチップ212と歯との間の接触を維持するよう患者を誘導する任意の形状とすることができる。例えば、ガイドチップ212は、スキャン全体を通して接触を維持するために歯を「V字」に挿入できるように、「V字」のような形状とすることができる。別の例として、ガイドチップ212は、スキャン全体を通して接触を維持するために歯を「U字」に挿入できるように、「U字」のような形状とすることができる。正確なスキャンを促進するためにガイドチップ212を任意の形態で方向づけることができる。例えば、ガイドチップ212が「V字」形状である態様では、「V字」を、「V字」の開口部が下を向く(例えば、第1のカメラ206および第2のカメラ208に背を向ける)ように方向づけることができる。別の例として、ガイドチップ212が「U字」形状である態様では、「U字」を、「U字」の開口部が上(例えば、第1のカメラ206および第2のカメラ208の方)を向くように方向づけることができる。
【0049】
スキャン装置102が口の内側の構造(例えば、歯、歯茎など)をスキャンする態様では、スキャン装置102は、個々の歯をスキャンするときに約100ミクロンの分解能でスキャンすることができることが好ましい。さらに、スキャン装置102は、クロスアーチスキャンを行う(例えば、すべての上顎歯またはすべての下顎歯をスキャンする)場合、約300ミクロンの分解能が可能であることが好ましい。いくつかの態様では、スキャン分解能は、より大きい(例えば、個々の歯をスキャンする場合は約50~100ミクロン、クロスアーチスキャンを行う場合は約100~300ミクロン)ことが好ましい。
【0050】
図3図4を参照すると、いくつかの態様による、図2のスキャン装置102を使用して歯をスキャンするためのプロセスの図が示されている。図に示されるように、患者302は、上顎歯306および下顎歯308を有し、患者302は、上顎歯306および下顎歯308がより真っ直ぐに見えるように上顎歯306および下顎歯308を移動させるアライナーを受け取って使用したいと希望する。アライナー作成プロセスを開始するために、患者302に、上顎歯306および下顎歯308をスキャンするスキャン装置102が送られる。患者302はまた、モバイル機器122(図示されず)にアプリケーションをダウンロードするように指示される。モバイル機器122は患者302に、どのようにして歯のスキャンを適切に行うかに関する指示を提供する。患者302への指示については、図9図20を参照してより詳細に説明する。
【0051】
歯のスキャンを生成するために、患者302は、指示されたように、口の特定の部分にガイドチップ212を配置する。例えば、ガイドチップ212は、スキャンを開始するために、下顎歯308の右側の大臼歯に配置され得る。ガイドチップ212を下顎歯308上に配置することにより、歯のスキャンは、スキャン装置102がガイドチップ212をスキャンされる歯と混同するのを防ぐために、スキャンエリア310(例えば、上顎歯306)をスキャンすることから開始する。スキャンが開始した後、患者302は、ガイドチップ212を下顎歯308と接触させたまま、スキャン装置102を口の周りで矢印312の方向に移動させる。患者302がスキャン装置102を口の周りで移動させる際に、第1のカメラ206および第2のカメラ208は上顎歯306の画像を記録する。患者302は、ガイドチップ212が下顎歯308の左側の大臼歯に接触するまでスキャン装置102を移動させる。上顎歯306のスキャンが完了する。
【0052】
患者は、指示されたように、スキャン装置を180度回転させ、ガイドチップ212を口の特定の部分に配置する。例えば、ガイドチップ212は、下顎歯308のスキャンを開始するために、上顎歯306の右側の大臼歯上に配置され得る。スキャン装置102がこのように向けられると、スキャンエリア310は下顎歯308に焦点を合わせられる。患者302は、ガイドチップ212を上顎歯306と接触させたまま、スキャン装置102を口の周りで矢印312の方向に移動させる。患者302がスキャン装置102を口の周りで移動させる際に、第1のカメラ206および第2のカメラ208は下顎歯308の画像を記録する。患者302は、ガイドチップ212が上顎歯306の左側の大臼歯に接触するまでスキャン装置102を移動させる。下顎歯308のスキャンが完了する。
【0053】
いくつかの態様では、ガイド210はスキャン装置102上に含まれない。そのような態様では、スキャン装置102は、スキャンするようカメラ206およびカメラ208を歯に近づけるために口に挿入され得る。いくつかの態様では、ガイド210はスキャン装置102上に含まれるが、ユーザーは、ガイド210を使用するか、それとも歯をスキャンするためにスキャン装置102を口に挿入するかを決定することができる。
【0054】
いくつかの態様では、下顎歯308および上顎歯306のスキャンが完了した後、画像はさらなる処理のためにクラウドサーバー142に送られる。いくつかの態様では、画像は、クラウドサーバー142にバッチで送られる。例えば、上顎歯306の右象限をスキャンした後、上顎歯306の右象限の画像はクラウドサーバー142に送られる。さらに、上顎歯306の左象限をスキャンした後、上顎歯306の左象限の画像はクラウドサーバー142に送られる。画像がクラウドサーバー142にバッチで送られる態様では、患者302は、画像がクラウドサーバー142に送られることを可能にするために、特定の時点でスキャンを停止するように指示され得る。例えば、上顎歯306の右象限をスキャンした後、患者302は、スキャンを停止して画像をクラウドサーバー142に送るよう指示され、次いで、画像が送られた後にスキャンを再び開始するように指示され得る。
【0055】
図5を参照すると、いくつかの態様による、患者302の上顎歯306の図が示されている。上顎歯306は、右上象限402および左上象限404を含む。患者が歯をバッチでスキャンする態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、スキャンの第1の部分の間に右上象限402の二次元画像を記録し、スキャンの第2の部分の間に左上象限404の二次元画像を記録することができる。上述のように、プロジェクター207は、第1のカメラ206および第2のカメラ208からの画像を結合して、右上象限402および左上象限404の3D画像を作成することができ、右上象限402および左上象限404の3D画像は、高分解能復元のためにクラウドサーバー142に提供される。
【0056】
図6を参照すると、いくつかの態様による、患者302の歯の高分解能復元420の図が示されている。例えば、高分解能復元420は、図5の右上象限402の一部分であり得る。高分解能復元420は、第1の歯422、第2の歯424、および第3の歯426を含む。クラウドサーバー142が右上象限402の3D画像を受け取った後、クラウドサーバー142は、各歯の形状、深さ、および角度のような属性をアライナーの作製のための3Dモデルに変換することができるように、第1の歯422、第2の歯424、および第3の歯426の高分解能復元420を生成する。
【0057】
図7を参照すると、いくつかの態様による、図6の高分解能復元420に基づくコンピューター生成メッシュ440の図が示されている。クラウドサーバー142は、1つまたは複数のアライナーを作製するために高分解能復元420をアライナー製造センター162に提供する。アライナー製造センター162は、画像認識回路168および画像ステッチング回路170が完全な歯並み(例えば、上歯306)の3D画像を作成できるように、(高分解能復元420を含む)複数の高分解能復元を受け取ることができる。3D画像は、歯の3Dモデルを作成するために3Dモデル作成回路172に提供される。3Dモデル作成回路172は、3D画像を解析し、第1の歯のメッシュ442、第2の歯のメッシュ444および第3の歯のメッシュ446を含むコンピューター生成メッシュ440を生成する。第1の歯のメッシュ442、第2の歯のメッシュ444、および第3の歯のメッシュ446は、歯の表面上の特徴(例えば、隆起、角、隆線など)に対応する複数のノードを含む。コンピューター生成メッシュ440は、歯の3Dモデルを生成するために使用され、歯の3Dモデルは次いで、物理的3Dモデルを生成するために3D印刷される。コンピューター生成メッシュ440は、図示のように、例示目的で3本の歯のみを含んでいる。歯の完全な3D画像を使用して、歯の完全なコンピューター生成メッシュを生成することができ、これを使用して歯の完全な3Dモデルを生成することができる。
【0058】
図8を参照すると、いくつかの態様による、アライナー500の図が示されている。アライナー500は、図5の右上象限402に対応する右上象限502と、図5の左上象限404に対応する左上象限504とを含む。歯の物理的3Dモデルが3Dモデル作成回路172によって印刷された後、物理的3Dモデルは、アライナー製造システム174によって受け取られる。上述のように、熱成形機176、切断機178、およびレーザーエッチング機180を使用してアライナー500を作製するために、ポリマー材料のシートが使用される。
【0059】
いくつかの態様では、複数のアライナーが作製され、各アライナーは、アライナーが歯を徐々に整復されるよう強いるようにわずかに異なる幾何学的形状を含む。複数のアライナーが作製される態様では、右上象限502および左上象限504は、右上象限402および左上象限404とはわずかに異なる形状を有し得る。患者302が、例えば、上顎歯306をアライナー500に挿入すると、アライナー500は上顎歯306に上顎歯306を移動させる力を働かせ得る。
【0060】
図9図20を参照すると、いくつかの態様による、図2のスキャン装置102を使用してどのようにして歯をスキャンするかを患者302に指示するモバイル機器アプリケーション600の図が示されている。上述のように、患者302は、アプリケーション600をモバイル機器122にダウンロードするように指示される。モバイル機器122は、スキャンの前、スキャン中、およびスキャン後に患者302へのメッセージを表示することができるディスプレイ602を含む。
【0061】
患者302がモバイル機器122にアプリケーション600をインストールした後、患者302は、アプリケーション600を起動してスキャンプロセスを開始する。アプリケーション600を起動すると、アプリケーション600はディスプレイ602にメッセージ604を表示し、患者302に患者302がスキャンプロセスになる準備ができているかどうかを尋ねる。患者302がいいえのボタン606を選択すると、アプリケーション600は閉じるか、または患者302にスキャンを開始する準備ができたときにアプリケーション600を再び開始するよう患者302に指図し得る。患者302がはいのボタン608を選択すると、モバイルアプリケーション600は次の画面に移る。
【0062】
モバイルアプリケーション600は、患者302の歯に対するスキャン装置102の初期位置に関するメッセージ608を表示する。図10の画像610に示されるように、いくつかの態様では、患者302は、スキャンを開始するために唇を広げるための装置を使用する必要はない。図11の画像614に示されるように、いくつかの態様では、ユーザーは、スキャンを開始するために口に装置を挿入して唇を広げる必要がある。患者302にスキャンを開始する準備ができたときに、患者302は、患者302がスキャン装置102でスキャンを行いながらディスプレイ602を見ることができるように、一方の手にスキャン装置102を保持し、他方の手にモバイル機器122を保持している。
【0063】
図示のように、患者302は、ガイド210を使用して歯のスキャンを行うことができるので、カメラ206およびカメラ208は口に入らない。しかしながら、患者はまた、上述のように、歯をスキャンするためにスキャン装置102を口に挿入することによって歯のスキャンを行うこともできる。
【0064】
モバイルアプリケーション600は、患者302に開始ボタン618を押してスキャンを開始するよう促すメッセージ616を表示する。開始ボタン618を押すと、メッセージ620が表示されて、患者302に、どのようにしてスキャンを行うかに関する指示を提供する。スキャン中に患者302を誘導するためにディスプレイ上に画像622も示される。いくつかの態様では、画像622は、患者302にどのようにしてスキャンを行うかを示す短いビデオである。いくつかの態様では、スキャン装置102は、ディスプレイ602がスキャン装置102の画像を画像622に重ね合わせることができ、患者302が画像上の位置を一致させてより正確なスキャンを提供しようと試みることができるように、その位置をモバイルアプリケーション600にリアルタイムで送る。いくつかの構成では、ディスプレイ602に信頼度が示される。信頼度はユーザーに、スキャンの精度に関するリアルタイムのフィードバックを提供する。例えば、ディスプレイ602は、スキャン中の信頼度が40%であることを示し得る。さらに、メッセージは、正確なスキャンについての信頼度が低いことを示すために赤色で強調表示され得る。別の例として、ディスプレイ602は、スキャン中の信頼度が95%であることを示し得、メッセージは、正確なスキャンについての信頼度が高いことを示すために緑色で強調表示され得る。スキャン装置102またはアプリケーションは、信頼度が閾値を満たさないときにスキャナーに警告し得る(例えば、信頼度が95%未満である場合の音声、視覚、または触覚による警告)。
【0065】
第1の歯並みのスキャンが完了した後、アプリケーションは患者302に、他方の歯並みをスキャンするためにスキャン装置102を向けるよう患者302に指示するメッセージ624を提供する。メッセージ628は、患者302にどのようにしてスキャンを行うかに関する指示を提供するために表示される。スキャン中に患者302を誘導するためにディスプレイ上に画像630も示される。いくつかの態様では、画像630は、患者302にどのようにしてスキャンを行うかを示す短いビデオである。いくつかの態様では、スキャン装置102は、患者302が画像上の位置を一致させてより正確なスキャンを提供しようと試みることができるよう、ディスプレイ602がスキャン装置102の画像を画像630に重ね合わせることができるように、その位置をモバイルアプリケーション600にリアルタイムで送る。上述のように、信頼度情報は、スキャン中にリアルタイムで表示することもできる。
【0066】
いくつかの態様では、スキャンが成功しない場合がある。そのような態様では、スキャン装置102はアプリケーション600に、スキャンの失敗した部分に関するデータを提供し、アプリケーション600は患者302に、スキャンが失敗したことを示すメッセージ632を提供する。画像634は、失敗したスキャンの特定の部分をユーザーに示すために強調表示部分636を提供する。患者302は次いで、欠陥を修正しようとして新しいスキャンを開始することができる。
【0067】
いくつかの構成では、図17に示されるように、スキャン装置102はモバイルアプリケーション600に、患者302によってスキャンされている歯の外観に関連するデータをリアルタイムで提供することができる。そのような構成では、モバイルアプリケーション600は、例えば、図5の画像630に示されるような一般的な歯の代わりに、患者302の歯642を含む画像640を表示することができる。加えて、画像640は、歯の特定の部分のスキャンが成功したかどうかをリアルタイムで示すことができる強調表示部分642を含むことができる。例えば、いくつかの態様では、強調表示部分642を、スキャンが成功したことを示す緑色とすることができる。いくつかの態様では、強調表示部分642を、スキャンが失敗したことを示す赤色とすることができる。いくつかの態様では、強調表示部分642は、スキャンのある部分は許容可能であり、スキャンのある部分は許容不可能であることを示す、赤色と緑色の組み合わせを含むことができる。
【0068】
スキャンが完了すると、スキャンが許容可能か許容不可能かを判定するためにスキャンが評価されていることを患者に知らせるために、メッセージ646が患者302に提供される。この間に、スキャンデータは、スキャンが許容可能であるかどうかを検証するためにクラウドサーバー142に送られ得る。
【0069】
患者302は、スキャンが成功したことを示すメッセージ648を受け取るか、または患者302は、スキャンが失敗し、スキャン開始ボタン652を押して新しいスキャンが開始されるべきであることを示すメッセージ650を受け取る。
【0070】
図21を参照すると、いくつかの態様による、図2のスキャン装置102を使用して歯科用アライナーを作製するための方法700の流れ図が示されている。702で、歯のスキャン装置がモバイル機器とペアリングされる。例えば、スキャン装置102がモバイル機器122とペアリングされる。いくつかの態様では、スキャン装置102とモバイル機器122とは、Bluetooth技術を使用してペアリングされる。いくつかの態様では、スキャン装置102とモバイル機器122との間の通信を提供する他の公知のペアリング方法を使用することができる。
【0071】
704で、モバイル機器122上で歯のスキャン用アプリケーションが開かれる。例えば、アプリケーション600をモバイル機器122にダウンロードした後、患者302は、モバイル機器122上でアプリケーション600を開く。
【0072】
706で、ガイド210が、口の片側の下歯の上に配置される。例えば、図3に示されるように、患者302は、スキャンに備えてガイド210のガイドチップ212を下顎歯308上に配置する。
【0073】
708で、スキャンが開始される。例えば、図12に示されるように、ガイド210を下顎歯30上8に配置することによってスキャン装置102を適切に位置決めした後、患者302は、モバイル機器122のスキャン開始ボタン618を押してスキャンを開始することができる。
【0074】
710で、スキャン装置102が、口の片側から反対側に移動させられる。例えば、図4に示されるように、スキャン装置102は、スキャン装置102が上顎歯306をスキャンするように矢印312の方向に移動させられる。
【0075】
712で、スキャン装置102が反転され、ガイド210が上顎歯306上に配置される。例えば、患者302は、ガイド210のガイドチップ212を口の片側の上顎歯306上に配置する。
【0076】
714で、スキャン装置102が、口の片側から反対側に移動させられる。例えば、図4に示されるように、スキャン装置102は、スキャン装置102が下顎歯308をスキャンするように矢印312の方向に移動させられる。
【0077】
716で、スキャンが許容可能であるかどうかに関する判定が行われる。この判定は、スキャン装置102またはクラウドサーバー142のどちらかが行うことができる。どちらの場合も、スキャンが許容可能でない場合、718で、スキャンに関するフィードバックが提供される。例えば、図16に示されるように、患者302の歯の1つまたは複数の特定のエリアが、スキャンに成功しなかった1つまたは複数のエリアとして強調表示され得る。スキャンが許容可能である場合、720で、スキャンが、さらなる解析のためにアライナー製造センター162に送られる。例えば、画像認識回路168は、スキャンからの画像が口の正しい部分に対応する(例えば、口の右上象限の画像が実際に口の右上象限である)ことを判定および/または検証する。
【0078】
722で、単一の画像を作成するために画像が互いに繋ぎ合わされる。例えば、画像ステッチング回路170は、歯の複数の画像を互いに繋ぎ合わせて、スキャンから上歯の1つの3D画像および下歯の1つの3D画像を作成する。いくつかの態様では、上歯と下歯の両方を含む単一の3D画像が作成される。いくつかの態様では、咬合位置にある上歯および下歯を用いて行われた1回または複数回のスキャンに基づいて、上歯と下歯とが接触している(例えば、咬合の)単一の3D画像が作成される。
【0079】
724で、歯の3D画像に基づいて治療計画が作成される。例えば、患者302の歯の3D画像は、真っ直ぐに矯正された歯の3D画像と比較され、アライナー製造コンピューターシステム164は、歯を初期形態から真っ直ぐに矯正された形態に移動させるのに必要なアライナーの数を決定する。
【0080】
726で、歯の1つまたは複数の3Dモデルが作成される。例えば、3Dモデル作成回路172は、歯の物理的3Dモデルを任意の公知の方法(例えば、3D印刷、成形など)によって作成できるように、図7のメッシュ440と同様のメッシュを生成する。治療計画の工程ごとに物理的3Dモデルが作成される。
【0081】
728で、3Dモデルからアライナーが製造される。例えば、アライナーは、上述のように、熱成形機176、切断機178、およびレーザーエッチング機180を使用して製造される。アライナーは、単独で、またはバッチで製造することができる。バッチで製造される場合、複数の物理的3Dモデルが、ポリマー材料の大きなシートがすべての物理的3Dモデルに嵌合するように配置される。ポリマー材料は、上述のように、加熱され、アライナーを作製するために物理的3Dモデル合わせて形成される。
【0082】
図22を参照すると、いくつかの態様による、図2のスキャン装置102を使用して歯科用アライナーを作製するための方法800の流れ図が示されている。802で、スキャン装置が患者に送られる。例えば、スキャン装置102が患者302に送られる。
【0083】
804で、モバイルアプリケーションが患者302に提供される。例えば、患者302がスキャン装置102を受け取ると、患者は、スキャン装置102を適切に使用するためにモバイルアプリケーション600をダウンロードするよう指示される。
【0084】
806で、患者が、スキャン装置102をモバイルアプリケーション600と共に使用するよう指図される。例えば、図9図20に示されるように、モバイルアプリケーション600は患者302に、どのようにして歯を適切にスキャンするかに関する段階的な指示を提供する。モバイルアプリケーション600はまた、スキャンの許容可能性に関するスキャン装置102からのフィードバックも提供する。
【0085】
808で、スキャン装置102からのデータがモバイル機器122を介して受け取られる。例えば、スキャンが完了すると、スキャン装置102は画像データをモバイル機器122に提供し、モバイル機器122はその画像データをクラウドサーバー142に提供する。いくつかの態様では、画像データは、すべての歯がスキャンされた後ではなく、(例えば、歯の1つの象限がスキャンされた後に)バッチでクラウドサーバー142に提供される。
【0086】
810で、画像データに基づいて治療計画が決定される。例えば、アライナー製造コンピューターシステム164は、スキャン画像を理想的な笑顔の画像と比較し、理想的な笑顔に一致するように患者302の歯を移動させるのに必要なアライナーの数を決定する。アライナー製造コンピューターシステム164は、それらのアライナーを製造することができるように、各アライナーの幾何学的形状をさらに決定する。
【0087】
812で、アライナーが製造される。例えば、3Dモデル作成回路172は、アライナー製造コンピューターシステム164によって決定されたアライナーごとの物理的3Dモデルを生成し、アライナーは、上述のように、熱成形機176、切断機178、およびレーザーエッチング機180によって作製される。
【0088】
図23を参照すると、いくつかの態様による、図2のスキャン装置102を使用して遠隔歯科診療目的で歯をスキャンするユーザーの図が示されている。本明細書で使用される場合、「遠隔歯科診療」という用語は、歯科相談、診断、および治療計画のための情報技術および遠隔通信の使用を指す。図示のように、ユーザー902は、上顎歯906および下顎歯908を有する。上顎歯908は、虫歯910を含む。ユーザー902は、デンタルケアへのアクセスが困難なエリアに位置している可能性もあり、またはユーザー902は、検査のために歯科医のところに行くことができない可能性もあり、またはユーザー902は、それ以外の理由で、歯科医に直接診てもらうことが困難または不可能であると感じる可能性もある。そのような場合、ユーザー902は、上述のようにスキャン装置102を使用して、上顎歯906および下顎歯908をスキャンし、そのデータを、スキャン装置102に無線で結合されたモバイル機器122を使用して歯科医に提供することができる。
【0089】
スキャン中、スキャン装置102は、上顎歯906または下顎歯908が、介入または追加のケアを必要とする歯の状態を含むと判定し得る。例えば、スキャン装置102は、ユーザー902が上顎歯906に虫歯910を有することを発見し得る。虫歯910を発見することに加えて、スキャン装置102は、これらに限定されないが、亀裂歯、破損した歯冠、歯肉炎、および介入または追加のケアを必要とし得る他の歯の問題を含む他の歯の状態を発見および診断することができる。
【0090】
いくつかの態様では、スキャン装置102は、上述のように、介入またはケアを必要とする歯の状態に関する判定を行う。いくつかの態様では、スキャン装置102は、スキャンデータをモバイル機器122に提供し、モバイル機器は、介入またはケアを必要とする歯の状態に関する判定を行う。いくつかの態様では、モバイル機器122は、遠隔歯科診療センターと通信するクラウドサーバー142と通信し、クラウドサーバー142または遠隔歯科診療センターは、介入またはケアを必要とする歯の状態に関する判定を行う。いくつかの態様では、スキャン装置102、モバイル機器122、クラウドサーバー142、および遠隔歯科診療センターのうちの2つ以上の組み合わせで、介入またはケアを必要とする歯の状態に関する判定を行う。
【0091】
図24を参照すると、いくつかの態様による、患者に歯の状態を通知するモバイル機器アプリケーション600の図が示されている。歯の状態の判定が判定された後、ユーザー902はモバイル機器122のディスプレイ602上で状態を通知される。ユーザー902が虫歯を有する場合には、ディスプレイ602は、ユーザー902が虫歯を有することを示すメッセージ1002を表示する。虫歯の位置は、空洞が位置する場所を示す強調表示部分1006を示す画像1004に示されている。いくつかの態様では、ユーザー902を、ユーザー902に追加の支援を提供することができる歯科医に直接接続することができる。例えば、歯科医はユーザー902に、ユーザー902が歯科医に行って虫歯を治すことができるまでどのようにして虫歯を管理するかに関する情報を提供することができる。介入が直ちに必要ではない場合には、ディスプレイ602は、ユーザーが歯の状態を管理するのに役立つ他のメッセージを提供し得る。例えば、ユーザー902の歯茎が後退していると判定された場合、ディスプレイ602はユーザー902に、状態が悪化するのを防ぐためにどのようにして歯茎の後退をケアするかに関するメッセージを表示し得る。ユーザーはまた、状態の管理に関する追加の支援を提供する歯科医に接続することもできる。
【0092】
図25を参照すると、いくつかの態様による、図2のスキャン装置102を使用して歯の状態を診断するための方法1100の流れ図が示されている。1102で、スキャン装置がユーザーに送られる。例えば、スキャン装置102がユーザー902に送られる。
【0093】
1104で、モバイルアプリケーションがユーザー902に提供される。例えば、ユーザー902がスキャン装置102を受け取ると、患者は、スキャン装置102を適切に使用するためにモバイルアプリケーション600をダウンロードするように指示される。
【0094】
1106で、患者が、スキャン装置102をモバイルアプリケーション600と共に使用するよう指図される。例えば、図9図20に示されるように、モバイルアプリケーション600は患者302に、どのようにして歯を適切にスキャンするかに関する段階的な指示を提供する。モバイルアプリケーション600はまた、スキャンの許容可能性に関するスキャン装置102からのフィードバックも提供する。図9図20の説明は、スキャン装置102を使用してアライナーを作製することに焦点を当てているが、遠隔歯科診療目的でのスキャンプロセスは、アライナーを作製するためのプロセスと同じである。
【0095】
1108で、スキャン装置102からのデータがモバイル機器122を介して受け取られる。例えば、スキャンが完了すると、スキャン装置102は画像データをモバイル機器122に提供し、モバイル機器122はその画像データを解析のためにクラウドサーバー142に提供する。上述のように、いくつかの態様では、スキャン画像の解析は、スキャン装置102、モバイル機器122、クラウドサーバー142、および遠隔歯科診療センターのうちの1つまたは複数によって完了される。
【0096】
1110で、データから歯の状態が診断される。例えば、スキャンからの画像データを受け取った後、ユーザー902が虫歯または他の何らかの歯の状態(例えば、歯肉線の後退、歯肉炎、折れた歯など)を有すると判定される。
【0097】
1112で、歯の状態に基づいて治療計画が決定される。例えば、ユーザー902は、歯肉線の後退を有し得る。ディスプレイ602はユーザーに、どのようにして歯肉線の後退が悪化するのを防ぐかに関する指示を提供し得る。ユーザー902はまた、歯科医がユーザー902に、どのようにして歯の状態をケアするかに関するアドバイスを提供することができるように、モバイルアプリケーション600を介して歯科医に接続されてもよい。別の例として、ユーザー902は、亀裂歯を有し得る。ディスプレイ602はユーザー902に、どのようにして応急処置を行うかに関する指示を提供し、また、歯科医がより恒久的に問題を解決することができるように、ユーザー902をユーザー902の近くの歯科医に接続し得る。
【0098】
本明細書に記載される態様は、歯列矯正治療用のアライナーを構築するための3Dモデルを提供するために歯をスキャンすることに言及している。他の態様では、スキャン装置102を、他の歯科または歯列矯正目的に使用することができる。例えば、スキャン装置102を使用して、患者の口腔保健を判定する(例えば、歯周病、虫歯、亀裂歯または亀裂歯冠、および他の歯の健康上の懸念を検出する)ための画像を提供することができる。加えて、スキャン装置102を歯列矯正治療中に使用して、例えば、アライナーが適切に嵌合するかどうか、治療を開始してから歯列矯正変化が発生したかどうか、患者が退行したかどうか、および他の歯列矯正の懸念を判定することもできる。さらに、スキャン装置102を使用して、ユーザーが治療計画に従っている間に歯列矯正修正(例えば、中間修正および/またはリファインメント)が必要かどうかを判定することができる。またスキャン装置102を使用して、定期検診のために歯科医および/または歯列矯正専門家に情報を提供することもできる。場合によっては、歯科医および/または歯列矯正専門家は、スキャン装置102からの情報を使用して、ユーザーが追加のケアのために歯科医および/または歯列矯正専門家の診療所に来る必要があるかどうかを判定することができる。
【0099】
図26A図26Bを参照すると、いくつかの態様による、スキャン装置2600の様々な図が示されている。スキャン装置2600は、スキャン装置102と同様とすることができる。例えば、スキャン装置2600は、非接触アクティブ3Dスキャナー(例えば、飛行時間、三角測量、コノスコープホログラフィ、または任意の他の種類の非接触アクティブ3Dスキャナー)、ハンドヘルドレーザー3Dスキャナー、構造化光3Dスキャナー、変調光3Dスキャナー、および非接触パッシブ3Dスキャナー(例えば、立体、測光、シルエット、または任意の他の種類の非接触パッシブ3Dスキャナー)を含むことができる。
【0100】
加えて、スキャン装置2600は、処理回路104と実質的に同様の処理回路と、スキャン回路110と実質的に同様のスキャン回路と、通信回路112と実質的に同様の通信回路と、機械学習回路114と実質的に同様の機械学習回路と、解析回路116と実質的に同様の解析回路とを含むことができる。
【0101】
スキャン装置2600は、本体2602と、ガイド部分2604とを含む。本体2602は、第1の本体部分2606と、第2の本体部分2608と、基部本体部分2610と、ボタン2612と、電気接続部2614と、レンズ2616とを含む。ガイド部分2604は、柄2618と、ガイド2620と、結合器2622とを含む。
【0102】
第1の本体部分2606、第2の本体部分2608および基部本体部分2610は、スキャン装置での使用に適した任意の材料から製造することができる。適切な材料の例には、プラスチック(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン、ポリカーボネートなど)、金属(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼など)、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、基部本体部分2610と第2の本体部分2608とは一体構造である。いくつかの態様では、基部本体部分2610と第2の本体部分2608とは別個の構成要素である。第2の本体部分2608、第1の本体部分2606、および基部本体部分2610を、本体2602を形成するために任意の適切な方法によって結合することができる。適切な方法には、物理的接続(例えば、ねじ、リベット、ボルトなど)、化学的接続(例えば、接着剤など)、および設計による接続(例えば、プレス嵌め、スナップ嵌めなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0103】
本体2602は、上述の各構成要素(例えば、処理回路、スキャン回路、通信回路、機械学習回路、および解析回路)を含むように構成されている。いくつかの態様では、上述の構成要素は、プリント回路基板(PCB)上に含まれ得る。いくつかの態様では、上述の構成要素は、別個の構成要素として含まれ得る。本体2602はまた、追加の構成要素を含むようにも構成され得る。例えば、本体2602は、触覚モーター、電池、封止構成要素、および図26Cを参照してさらに説明される光学系を含むように構成され得る。
【0104】
基部本体部分2610は、第2の本体部分2608および第1の本体部分2606と同じ材料から構築され得、電気接続部2614を含む。電気接続部2614は、基部本体部分2610内に凹んでおり、電気接続部2614が電源に結合されたときに電池を再充電することができるように電池に電気的に結合された電気部品を含む。電気接続部2614は、任意のタイプの従来の電気接続部とすることができる。例えば、電気接続部2614は、USB接続部(例えば、USB-A、USB-B、USB-C、mini-USB、micro-USB、ライトニング)とすることができる。電気接続部2614はまた、電源に結合し、電池を充電するために電力を受け取るように構成された任意の他のタイプの接続部とすることもできる。
【0105】
ボタン2612は、第2の本体部分2608の上または内部に配置されている。いくつかの態様では、ボタン2612は、第2の本体部分2608の外面と同一平面上にある。いくつかの態様では、ボタン2612は、第2の本体部分2608の外面よりも上方に突出している。いくつかの態様では、ボタン2612は、第2の本体部分2608の外面の下に凹んでいる。ボタン2612は、電池と本体2602内に配置されたその他の構成要素との間の電気接続を作動させるように構成されている。例えば、スキャン装置2600がオフであるとき、電池とその他の構成要素との間の電気接続は開いている。ユーザーがスキャン装置2600をオンにしたい場合、ユーザーはボタン2612を押し下げ、これにより、その他の構成要素が電池から電力を取るように電池とその他の構成要素との間の接続が閉じられ、スキャン装置2600はオンになる。
【0106】
レンズ2616は、第2の本体部分2608の上または内部に配置されており、光学系とスキャン対象物との間に置かれる。例えば、スキャン対象物は、歯並みであり得る。スキャン装置2600が、光学系が歯並みを指し示すように向けられると、レンズは光学系と歯並みとの間に配置される。いくつかの態様では、レンズは、研削プロセス、研磨プロセス、または成形プロセスによって所望の形状に形成され得る。いくつかの態様では、レンズ2616は、スキャン対象物の画像が鮮明になるように光学系の焦点をスキャン対象物に合わせるように構成されている。いくつかの態様では、レンズ2616は、異物(例えば、塵埃、粒子など)がスキャン装置2600に入るのを防ぐように構成されており、光学系を集束させない。そのような態様では、レンズ2616は、特定の形状を含まず、透明または半透明のバリア(例えば、プラスチック、ガラスなど)であり得る。レンズは、ガラスおよびプラスチックを含む任意の適切な材料から製造することができる。
【0107】
ガイド部分2604は、本体2602に取り外し可能に結合され、柄2618、ガイド2620、および結合器2622を含む。ガイド部分2604は、任意のタイプの取り外し可能な接続によって本体2602に結合され得る。取り外し可能な接続の例には、磁気接続、ねじ接続、および差込み接続が含まれるが、これらに限定されない。
【0108】
図26Cを参照すると、図26A図26Bのスキャン装置2600の分解図が示されている。図示のように、柄2618は、本体2602から延在し、柄2618を本体2602の第2の本体部分2608に取り外し可能に結合するように構成されたコネクタ2624を含む。いくつかの態様では、柄2618を、本体2602の材料と実質的に同様の材料から製造することができる。いくつかの態様では、柄2618を、異なる材料から製造することができる。柄2618は、結合器2622が組み付けられる凹部を含む。結合器2622を、柄2618の材料と実質的に同様の材料から製造することができる。結合器2622を、異なる材料から製造することもできる。いくつかの態様では、結合器2622は、柄2618に対して自由に回転する。いくつかの態様では、結合器2622は、柄2618に対して固定されている。結合器2622は、ガイド2620を柄2618に固定するように構成されている。ガイド2620は、ユーザーがスキャンを行っているときにユーザーの歯を受け入れるように構成されている。結合器2622が柄2618に対して自由に回転する態様では、ガイド2620は、結合器2622が回転する際にガイド2620が回転するように結合器2622にしっかりと結合され得る。結合器2622が柄2618にしっかりと結合される態様では、ガイド2620は、結合器2622に対して自由に回転し得る。ガイド2620は、対象物のスキャンを助けるように構成された様々な特徴を含み得る。ガイドの様々な設計については、図33図40を参照してさらに説明する。
【0109】
第2の本体部分2608はまた、レンズ穴2626とボタン穴2628とを含む。レンズ穴2626は、レンズ2616を受け入れるようなサイズおよび構成とされる。レンズ2616は、レンズ2616がレンズ穴2626にしっかりと結合されるように、任意の適切な結合機構(例えば、接着剤、機械的など)によってレンズ穴2626に結合される。ボタン穴2628は、ボタン2612を受け入れるようなサイズおよび構成とされる。いくつかの態様では、ボタン2612は、ボタン2612がボタン穴2628に対して移動可能であるように、ボタン穴2628に結合される。いくつかの態様では、ボタン2612は、ボタン2612がボタン穴2628にしっかりと接続されるように、ボタン穴2628に結合される。
【0110】
本体2602は、光学系2630、マザーボード2632、ドーターボード2634、電池2636、および触覚モーター2638を固定するように構成されている。本体2602はまた、第2の本体部分2608と第1の本体部分2606との間に配置された封止構成要素(図示されず)も含み得る。光学系2630は、第1のカメラ206、第2のカメラ208、およびプロジェクター207を含み得る。いくつかの態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、レンズによって画定される焦点距離も固定されるように固定されたレンズを含み得る。他の態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、レンズによって画定される焦点距離も移動可能であるように移動可能なレンズを含み得る。
【0111】
いくつかの態様では、スキャン装置2600はまた、スキャンのために表面に光を投影するための光源(図示されず)も含み得る。いくつかの態様では、光源は、スキャンのために表面に可視光を投影することができる。いくつかの態様では、光源は、スキャンのために表面に赤外光(または他の非可視光)を投影することができる。
【0112】
いくつかの態様では、スキャン装置2600は、スキャンされる表面から反射された光を受光するセンサー(図示されず)を含む。いくつかの態様では、センサーは、スキャンされる表面から反射された赤外光(または他の非可視光)を受光するように構成されている。いくつかの態様では、センサーは、スキャンされる表面から反射された可視光を受光するように構成されている。
【0113】
いくつかの態様では、スキャン装置2600は、骨スキャン技術を含み得る。骨スキャン技術は、骨の外部および内部をスキャンする様々な方法を含み得る。例えば、歯科環境では、骨スキャンは、歯の内部の健康に関する情報を提供し得る。骨スキャンはまた、歯の歯根、または従来のスキャン装置でスキャンできるような目に見えない可能性がある歯の他の部分の健康に関する情報も提供し得る。いくつかの態様では、骨スキャン技術は、歯根の形状および歯根相互、ユーザーの歯、またはユーザーの顎骨に対する歯根の位置の取得を可能にする。
【0114】
マザーボード2632は、ドーターボード2634、電池2636、光学系2630、および触覚モーター2638に電気的に結合される。マザーボード2632は、プロセッサおよびメモリを含み得る。いくつかの態様では、プロセッサは、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプのプロセッサとすることができる。プロセッサは、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラー、または他のプロセッサもしくは処理/制御回路であり得る。同様に、メモリは、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプの揮発性もしくは不揮発性のメモリまたはデータストレージとすることができる。動作に際して、メモリは、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、およびドライバなど、スキャン装置2600の動作中に使用される様々なデータおよびソフトウェアを格納し得る。メモリは、プロセッサがメモリ内に位置するファイルを実行することができるように、プロセッサに通信可能に結合されている。
【0115】
ドーターボード2634は、マザーボードに電気的に結合され、マザーボード2632の機能を拡張するように構成されている。いくつかの態様では、ドーターボード2634は、光学系2630、ボタン2612、および触覚モーター2638に接続する部分を含む。このように配置されたドーターボード2634は、本体2602内に配置された構成要素の実装面積を低減して、スキャン装置2602の全体サイズを縮小するのに役立つ。
【0116】
電池2636は、マザーボード2632、ドーターボード2634、光学系2630、および触覚モーター2638に電気的に結合され、スキャン装置2600が動作することを可能にする電力を供給するように動作する。いくつかの態様では、電池2636はアルカリ電池(例えば、単3電池、単4電池など)である。電池2636がアルカリ電池である態様では、電池2636は、第2の本体部分2608を第1の本体部分2606から分離することによって必要に応じて交換され得る。いくつかの態様では、電池2636は充電式電池(例えば、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池など)である。そのような態様では、電気接続部2614を電源に接続することによって電池2636を再充電することができる。電気接続部2614は、電池2636に電気的に結合される。いくつかの態様では、電池2636は、ユーザーが電池2636を充電する必要が生じる前に何回かのスキャン(例えば、6回のスキャン、12回のスキャン、18回のスキャンなど)を完了することができるように、一部充電されて提供される。いくつかの態様では、電池2636は、ユーザーが電池2636を充電する必要が生じる前により多くのスキャン(例えば、20回のスキャン、25回のスキャン、30回のスキャンなど)を完了することができるように、完全に充電されて提供される。
【0117】
触覚モーター2638は、電池2636、マザーボード2632、およびドーターボード2634に電気的に結合され、ユーザーに、スキャナーの使用に関する触覚フィードバックを提供するように構成されている。例えば、触覚モーターは、ユーザーがスキャン装置2600を保持しているときにユーザーにイベントを通知するためにスキャン装置2600に振動を誘発し得る。イベントは、スキャンの開始、スキャンの完了、スキャン中のエラー、またはスキャン装置2600と関連付けられる他のイベントを含み得る。
【0118】
封止構成要素は、流体が本体2602に入るのを封止構成要素が防止するように、第2の本体部分2608と第1の本体部分2606との間に配置され得る。基部本体部分2610が第2の本体部分2608および第1の本体部分2606とは別個の構成要素である態様では、封止構成要素は、流体が本体2602に入るのを防止するように、第2の本体部分2608と第1の本体部分2606と基部本体部分2610との間に複数の封止構成要素を含み得る。
【0119】
柄2618の長さおよびスキャン装置2600に含まれる他の特徴に応じて、スキャン装置2600は、口腔内または口腔外のどちらかで歯をスキャンすることができる。例えば、歯とレンズ2616と歯との間の距離は、柄2618の長さに少なくとも部分的に依存する。柄2618が比較的短いと、レンズはスキャン中に少なくとも部分的に口内にあることになり得る(例えば、口腔内スキャン)。柄2618が比較的長いと、レンズはスキャン中に口の外側にあることになり得る(例えば、口腔外スキャン)。
【0120】
図27A図27Bを参照すると、いくつかの態様による、別のスキャン装置2700の様々な図が示されている。スキャン装置2700は、スキャン装置102と同様とすることができる。例えば、スキャン装置2700は、非接触アクティブ3Dスキャナー(例えば、飛行時間、三角測量、コノスコープホログラフィ、または任意の他の種類の非接触アクティブ3Dスキャナー)、ハンドヘルドレーザー3Dスキャナー、構造化光3Dスキャナー、変調光3Dスキャナー、および非接触パッシブ3Dスキャナー(例えば、立体、測光、シルエット、または任意の他の種類の非接触パッシブ3Dスキャナー)を含むことができる。
【0121】
加えて、スキャン装置2700は、処理回路104と実質的に同様の処理回路と、スキャン回路110と実質的に同様のスキャン回路と、通信回路112と実質的に同様の通信回路と、機械学習回路114と実質的に同様の機械学習回路と、解析回路116と実質的に同様の解析回路とを含むことができる。
【0122】
スキャン装置2700は、本体2702と、ガイド部分2704とを含む。本体2702は、第1の本体部分2706と、第2の本体部分2708と、基部本体部分2710と、ボタン2712と、電気接続部2714と、レンズ2716とを含む。ガイド部分2704は、柄2718と、ガイド2720と、結合器2722とを含む。
【0123】
第1の本体部分2706、第2の本体部分2708および基部本体部分2710は、スキャン装置での使用に適した任意の材料から製造することができる。適切な材料の例には、プラスチック(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン、ポリカーボネートなど)、金属(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼など)、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、基部本体部分2710と第2の本体部分2708とは一体構造である。いくつかの態様では、基部本体部分2710と第2の本体部分2708とは別個の構成要素である。第2の本体部分2708、第1の本体部分2706、および基部本体部分2710を、本体2702を形成するために任意の適切な方法によって結合することができる。適切な方法には、物理的接続(例えば、ねじ、リベット、ボルトなど)、化学的接続(例えば、接着剤など)、および設計による接続(例えば、プレス嵌め、スナップ嵌めなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0124】
本体2702は、上述の各構成要素(例えば、実質的に処理回路、スキャン回路、通信回路、機械学習回路、および解析回路)を含むように構成されている。いくつかの態様では、上述の構成要素は、プリント回路基板(PCB)上に含まれ得る。いくつかの態様では、上述の構成要素は、別個の構成要素として含まれ得る。本体2702はまた、追加の構成要素を含むようにも構成され得る。例えば、本体2702は、触覚モーター、電池、封止構成要素、および図27Cを参照してさらに説明される光学系を含むように構成され得る。
【0125】
基部本体部分2710は、第2の本体部分2708および第1の本体部分2706と同じ材料から構築され得、電気接続部2714を含む。電気接続部2714は、基部本体部分2710内に凹んでおり、電気接続部2714が電源に結合されたときに電池を再充電することができるように電池に電気的に結合された電気部品を含む。電気接続部2714は、任意のタイプの従来の電気接続部とすることができる。例えば、電気接続部2614は、USB接続部(例えば、USB-A、USB-B、USB-C、mini-USB、micro-USB、ライトニング)とすることができる。電気接続部2714はまた、電源に結合し、電池を充電するために電力を受け取るように構成された任意の他のタイプの接続部とすることもできる。
【0126】
ボタン2712は、第2の本体部分2708の上または内部に配置されている。いくつかの態様では、ボタン2712は、第2の本体部分2708の外面と同一平面上にある。いくつかの態様では、ボタン2712は、第2の本体部分2708の外面よりも上方に突出している。いくつかの態様では、ボタン2712は、第2の本体部分2708の外面の下に凹んでいる。ボタン2712は、電池と本体2702内に配置されたその他の構成要素との間の電気接続を作動させるように構成されている。例えば、スキャン装置2700がオフであるとき、電池とその他の構成要素との間の電気接続は開いている。ユーザーがスキャン装置2700をオンにしたい場合、ユーザーはボタン2712を押し下げ、これにより、その他の構成要素が電池から電力を取るように電池とその他の構成要素との間の接続が閉じられ、スキャン装置2700はオンになる。
【0127】
レンズ2716は、第2の本体部分2708の上または内部に配置されており、光学系とスキャン対象物との間に置かれる。例えば、スキャン対象物は、歯並みであり得る。スキャン装置2700が、光学系が歯並みを指し示すように向けられると、レンズは光学系と歯並みとの間に配置される。いくつかの態様では、レンズは、研削プロセス、研磨プロセス、または成形プロセスによって所望の形状に形成され得る。いくつかの態様では、レンズ2716は、スキャン対象物の画像が鮮明になるように光学系の焦点をスキャン対象物に合わせるように構成されている。いくつかの態様では、レンズ2716は、異物(例えば、塵埃、粒子など)がスキャン装置2700に入るのを防ぐように構成されており、光学系を集束させない。そのような態様では、レンズ2616は、特定の形状を含まず、透明または半透明のバリア(例えば、プラスチック、ガラスなど)であり得る。レンズは、ガラスおよびプラスチックを含む任意の適切な材料から製造することができる。
【0128】
ガイド部分2704は、本体2702に取り外し可能に結合され、柄2718、ガイド2720、および結合器2722を含む。ガイド部分2704は、任意のタイプの取り外し可能な接続によって本体2702に結合され得る。取り外し可能な接続の例には、磁気接続、ねじ接続、および差込み接続が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
図27Cを参照すると、図27A図27Bのスキャン装置2700の分解図が示されている。図示のように、柄2718は、本体2702から延在し、柄2718を本体2702に取り外し可能に結合するように構成されたロッド2724を含む。いくつかの態様では、柄2718を、本体2702の材料と実質的に同様の材料から製造することができる。いくつかの態様では、柄2718を、異なる材料から製造することができる。柄2718は、結合器2722が組み付けられる凹部(図示されず)を含む。結合器2722を、柄2718の材料と実質的に同様の材料から製造することができる。結合器2722を、異なる材料から製造することもできる。いくつかの態様では、結合器2722は、柄2718に対して自由に回転する。いくつかの態様では、結合器2722は、柄2718に対して固定されている。ガイド2720は、ユーザーがスキャンを行っているときにユーザーの歯を受け入れるように構成されている。結合器2722が柄2718に対して自由に回転する態様では、ガイド2720は、結合器2722が回転する際にガイド2720が回転するように結合器2722にしっかりと結合され得る。結合器2722が柄2718にしっかりと結合される態様では、ガイド2720は、結合器2722に対して自由に回転し得る。ガイド2720は、対象物のスキャンを助けるように構成された様々な特徴を含み得る。ガイドの様々な設計については、図33図40を参照してさらに説明する。
【0130】
第2の本体部分2708はまた、レンズ穴2726とボタン穴2728とを含む。レンズ穴2726は、レンズ2716を受け入れるようなサイズおよび構成とされる。レンズ2716は、レンズ2716がレンズ穴2726にしっかりと結合されるように、任意の適切な結合機構(例えば、接着剤、機械的など)によってレンズ穴2726に結合される。ボタン穴2728は、ボタン2712を受け入れるようなサイズおよび構成とされる。いくつかの態様では、ボタン2712は、ボタン2712がボタン穴2728に対して移動可能であるように、ボタン穴2728に結合される。いくつかの態様では、ボタン2712は、ボタン2712がボタン穴2728にしっかりと接続されるように、ボタン穴2728に結合される。
【0131】
本体2702は、光学系2730、マザーボード2732、ドーターボード2734、電池2736、および触覚モーター2738を固定するように構成されている。本体2702はまた、第2の本体部分2708と第1の本体部分2706との間に配置された封止構成要素2740も含み得る。光学系2730は、第1のカメラ206、第2のカメラ208、およびプロジェクター207を含み得る。いくつかの態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、レンズによって画定される焦点距離も固定されるように固定されたレンズを含み得る。他の態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、レンズによって画定される焦点距離も移動可能であるように移動可能なレンズを含み得る。
【0132】
いくつかの態様では、スキャン装置2700はまた、スキャンされる表面に光を投影する光源(図示されず)も含み得る。いくつかの態様では、光源は、スキャンされる表面に可視光を投影することができる。いくつかの態様では、光源は、スキャンされる表面に赤外光(または他の非可視光)を投影することができる。
【0133】
いくつかの態様では、スキャン装置2700は、スキャンされる表面から反射された光を受光するセンサー(図示されず)を含む。いくつかの態様では、センサーは、スキャンされる表面から反射された赤外光(または他の非可視光)を受光するように構成されている。いくつかの態様では、センサーは、スキャンされる表面から反射された可視光を受光するように構成されている。
【0134】
いくつかの態様では、スキャン装置2700は、骨スキャン技術を含み得る。骨スキャン技術は、骨の外部および内部をスキャンする様々な方法を含み得る。例えば、歯科環境では、骨スキャンは、歯の内部の健康に関する情報を提供し得る。骨スキャンはまた、歯の歯根、または従来のスキャン装置でスキャンできるような目に見えない可能性がある歯の他の部分の健康に関する情報も提供し得る。いくつかの態様では、骨スキャン技術は、歯根の形状および歯根相互、ユーザーの歯、またはユーザーの顎骨に対する歯根の位置の取得を可能にする。
【0135】
マザーボード2732は、ドーターボード2734、電池2736、光学系2730、および触覚モーター2738に電気的に結合される。マザーボード2732は、プロセッサおよびメモリを含み得る。いくつかの態様では、プロセッサは、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプのプロセッサとすることができる。プロセッサは、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラー、または他のプロセッサもしくは処理/制御回路であり得る。同様に、メモリは、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプの揮発性もしくは不揮発性のメモリまたはデータストレージとすることができる。動作に際して、メモリは、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、およびドライバなど、スキャン装置2700の動作中に使用される様々なデータおよびソフトウェアを格納し得る。メモリは、プロセッサがメモリ内に位置するファイルを実行することができるように、プロセッサに通信可能に結合されている。
【0136】
ドーターボード2734は、マザーボードに電気的に結合され、マザーボード2732の機能を拡張するように構成されている。いくつかの態様では、ドーターボード2734は、光学系2730、ボタン2712、および触覚モーター2738に接続する部分を含む。このように配置されたドーターボード2734は、本体2702内に配置された構成要素の実装面積を低減して、スキャン装置2702の全体サイズを縮小するのに役立つ。
【0137】
電池2736は、マザーボード2732、ドーターボード2734、光学系2730、および触覚モーター2738に電気的に結合され、スキャン装置2700が動作することを可能にする電力を供給するように動作する。いくつかの態様では、電池2736はアルカリ電池(例えば、単3電池、単4電池など)である。電池2736がアルカリ電池である態様では、電池2736は、第2の本体部分2708を第1の本体部分2706から分離することによって必要に応じて交換され得る。いくつかの態様では、電池2736は充電式電池(例えば、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池など)である。そのような態様では、電気接続部2714を電源に接続することによって電池2736を再充電することができる。電気接続部2714は、電池2736に電気的に結合される。いくつかの態様では、電池2736は、ユーザーが電池2736を充電する必要が生じる前に何回かのスキャン(例えば、6回のスキャン、12回のスキャン、18回のスキャンなど)を完了することができるように、一部充電されて提供される。いくつかの態様では、電池2736は、ユーザーが電池2736を充電する必要が生じる前により多くのスキャン(例えば、20回のスキャン、25回のスキャン、30回のスキャンなど)を完了することができるように、完全に充電されて提供される。
【0138】
触覚モーター2738は、電池2736、マザーボード2732、およびドーターボード2734に電気的に結合され、ユーザーに、スキャナーの使用に関する触覚フィードバックを提供するように構成されている。例えば、触覚モーターは、ユーザーがスキャン装置2700を保持しているときにユーザーにイベントを通知するためにスキャン装置2700に振動を誘発し得る。イベントは、スキャンの開始、スキャンの完了、スキャン中のエラー、またはスキャン装置2700と関連付けられる他のイベントを含み得る。
【0139】
封止構成要素2740は、流体が本体2702に入るのを封止構成要素が防止するように、第2の本体部分2708と第1の本体部分2706との間に配置され得る。基部本体部分2710が第2の本体部分2708および第1の本体部分2706とは別個の構成要素である態様では、封止構成要素は、流体が本体2702に入るのを防止するように、第2の本体部分2708と第1の本体部分2706と基部本体部分2710との間に複数の封止構成要素2740を含み得る。
【0140】
柄2718の長さおよびスキャン装置2700に含まれる他の特徴に応じて、スキャン装置2700は、口腔内または口腔外のどちらかで歯をスキャンすることができる。例えば、歯とレンズ2716と歯との間の距離は、柄2718の長さに少なくとも部分的に依存する。柄2718が比較的短いと、レンズはスキャン中に少なくとも部分的に口内にあることになり得る(例えば、口腔内スキャン)。柄2718が比較的長いと、レンズはスキャン中に口の外側にあることになり得る(例えば、口腔外スキャン)。
【0141】
図28A図28Bを参照すると、いくつかの態様による、別のスキャン装置2800の様々な図が示されている。スキャン装置2800は、スキャン装置102と同様とすることができる。例えば、スキャン装置2800は、非接触アクティブ3Dスキャナー(例えば、飛行時間、三角測量、コノスコープホログラフィ、または任意の他の種類の非接触アクティブ3Dスキャナー)、ハンドヘルドレーザー3Dスキャナー、構造化光3Dスキャナー、変調光3Dスキャナー、および非接触パッシブ3Dスキャナー(例えば、立体、測光、シルエット、または任意の他の種類の非接触パッシブ3Dスキャナー)を含むことができる。
【0142】
加えて、スキャン装置2800は、処理回路104と実質的に同様の処理回路と、スキャン回路110と実質的に同様のスキャン回路と、通信回路112と実質的に同様の通信回路と、機械学習回路114と実質的に同様の機械学習回路と、解析回路116と実質的に同様の解析回路とを含むことができる。
【0143】
スキャン装置2800は、本体2802と、ガイド部分2804とを含む。本体2802は、第1の本体部分2806と、第2の本体部分2808と、基部本体部分2810と、ボタン2812と、電気接続部2814と、レンズ2816とを含む。ガイド部分2804は、柄2818と、ガイド2820と、結合器2822とを含む。
【0144】
第1の本体部分2806、第2の本体部分2808および基部本体部分2810は、スキャン装置での使用に適した任意の材料から製造することができる。適切な材料の例には、プラスチック(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン、ポリカーボネートなど)、金属(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼など)、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、基部本体部分2810と第2の本体部分2808とは一体構造である。いくつかの態様では、基部本体部分2810と第2の本体部分2808とは別個の構成要素である。第2の本体部分2808、第1の本体部分2806、および基部本体部分2810を、本体2802を形成するために任意の適切な方法によって結合することができる。適切な方法には、物理的接続(例えば、ねじ、リベット、ボルトなど)、化学的接続(例えば、接着剤など)、および設計による接続(例えば、プレス嵌め、スナップ嵌めなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0145】
本体2802は、上述の各構成要素(例えば、実質的に処理回路、スキャン回路、通信回路、機械学習回路、および解析回路)を含むように構成されている。いくつかの態様では、上述の構成要素は、プリント回路基板(PCB)上に含まれ得る。いくつかの態様では、上述の構成要素は、別個の構成要素として含まれ得る。本体2802はまた、追加の構成要素を含むようにも構成され得る。例えば、本体2802は、触覚モーター、電池、封止構成要素、および図28Cを参照してさらに説明される光学系を含むように構成され得る。
【0146】
触覚モーターは、ユーザーに、スキャナーの使用に関する触覚フィードバックを提供するように構成され得る。例えば、触覚モーターは、ユーザーがスキャン装置2800を保持しているときにユーザーにイベントを通知するためにスキャン装置2800に振動を誘発し得る。イベントは、スキャンの開始、スキャンの完了、スキャン中のエラー、またはスキャン装置2800と関連付けられる他のイベントを含み得る。
【0147】
電池は、スキャン装置2800に電力を供給するように構成されている。いくつかの態様では、電池は、スキャン装置2800が電源に結合されたときに再充電するように構成された充電式電池である。いくつかの態様では、電池は、電池を露出させ、取り外して新しい電池と交換することができるように第2の本体部分2808と第1の本体部分2806とを分離することによって交換することができる使い捨て電池である。
【0148】
封止構成要素は、流体が本体2802に入るのを封止構成要素が防止するように、第2の本体部分2808と第1の本体部分2806との間に配置され得る。基部本体部分2810が第2の本体部分2808および第1の本体部分2806とは別個の構成要素である態様では、封止構成要素は、流体が本体2802に入るのを防止するように、第2の本体部分2808と第1の本体部分2806と基部本体部分2810との間に複数の封止構成要素を含み得る。
【0149】
いくつかの態様では、光学部品は、第1のカメラ206、第2のカメラ208、およびプロジェクター207を含み得る。いくつかの態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、レンズによって画定される焦点距離も固定されるように固定されたレンズを含み得る。他の態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、レンズによって画定される焦点距離も移動可能であるように移動可能なレンズを含み得る。
【0150】
基部本体部分2810は、第2の本体部分2808および第1の本体部分2806と同じ材料から構築され得、電気接続部2814を含む。電気接続部2814は、基部本体部分2810内に凹んでおり、電気接続部2814が電源に結合されたときに電池を再充電することができるように電池に電気的に結合された電気部品を含む。電気接続部2814は、任意のタイプの従来の電気接続部とすることができる。例えば、電気接続部2814は、USB接続部(例えば、USB-A、USB-B、USB-C、mini-USB、micro-USB、ライトニング)とすることができる。電気接続部2814はまた、電源に結合し、電池を充電するために電力を受け取るように構成された任意の他のタイプの接続部とすることもできる。
【0151】
ボタン2812は、第2の本体部分2808の上または内部に配置されている。いくつかの態様では、ボタン2812は、第2の本体部分2808の外面と同一平面上にある。いくつかの態様では、ボタン2812は、第2の本体部分2808の外面よりも上方に突出している。いくつかの態様では、ボタン2812は、第2の本体部分2808の外面の下に凹んでいる。ボタン2812は、電池と本体2802内に配置されたその他の構成要素との間の電気接続を作動させるように構成されている。例えば、スキャン装置2800がオフであるとき、電池とその他の構成要素との間の電気接続は開いている。ユーザーがスキャン装置2800をオンにしたい場合、ユーザーはボタン2812を押し下げ、これにより、その他の構成要素が電池から電力を取るように電池とその他の構成要素との間の接続が閉じられ、スキャン装置2800はオンになる。
【0152】
レンズ2816は、第2の本体部分2808の上または内部に配置されており、光学系とスキャン対象物との間に置かれる。例えば、スキャン対象物は、歯並みであり得る。スキャン装置2800が、光学系が歯並みを指し示すように向けられると、レンズは光学系と歯並みとの間に配置される。いくつかの態様では、レンズは、研削プロセス、研磨プロセス、または成形プロセスによって所望の形状に形成され得る。いくつかの態様では、レンズ2816は、スキャン対象物の画像が鮮明になるように光学系の焦点をスキャン対象物に合わせるように構成されている。いくつかの態様では、レンズ2816は、異物(例えば、塵埃、粒子など)がスキャン装置2800に入るのを防ぐように構成されており、光学系を集束させない。そのような態様では、レンズ2816は、特定の形状を含まず、透明または半透明のバリア(例えば、プラスチック、ガラスなど)であり得る。レンズは、ガラスおよびプラスチックを含む任意の適切な材料から製造することができる。
【0153】
ガイド部分2804は、本体2802に取り外し可能に結合され、柄2818、ガイド2820、および結合器2822を含む。ガイド部分2804は、任意のタイプの取り外し可能な接続によって本体2802に結合され得る。取り外し可能な接続の例には、磁気接続、ねじ接続、および差込み接続が含まれるが、これらに限定されない。
【0154】
図28Cを参照すると、図28A図28Bのスキャン装置2800の分解図が示されている。図示のように、柄2818は、本体2802から延在し、本体2802に取り外し可能に結合するように構成されたロッド2824を含む。いくつかの態様では、柄2818を、本体2802の材料と実質的に同様の材料から製造することができる。いくつかの態様では、柄2818を、異なる材料から製造することができる。柄2818は、結合器2822が組み付けられる凹部(図示されず)を含む。結合器2822を、柄2818の材料と実質的に同様の材料から製造することができる。結合器2822を、異なる材料から製造することもできる。いくつかの態様では、結合器2822は、柄2818に対して自由に回転する。いくつかの態様では、結合器2822は、柄2818に対して固定されている。ガイド2820は、ユーザーがスキャンを行っているときにユーザーの歯を受け入れるように構成されている。結合器2822が柄2818に対して自由に回転する態様では、ガイド2820は、結合器2822が回転する際にガイド2820が回転するように結合器2822にしっかりと結合され得る。結合器2822が柄2818にしっかりと結合される態様では、ガイド2820は、結合器2822に対して自由に回転し得る。ガイド2820は、対象物のスキャンを助けるように構成された様々な特徴を含み得る。ガイドの様々な設計については、図33図40を参照してさらに説明する。
【0155】
第2の本体部分2808はまた、レンズ穴2826とボタン穴2828とを含む。レンズ穴2826は、レンズ2816を受け入れるようなサイズおよび構成とされる。レンズ2816は、レンズ2816がレンズ穴2826にしっかりと結合されるように、任意の適切な結合機構(例えば、接着剤、機械的など)によってレンズ穴2826に結合される。ボタン穴2828は、ボタン2812を受け入れるようなサイズおよび構成とされる。いくつかの態様では、ボタン2812は、ボタン2812がボタン穴2828に対して移動可能であるように、ボタン穴2828に結合される。いくつかの態様では、ボタン2812は、ボタン2812がボタン穴2828にしっかりと接続されるように、ボタン穴2828に結合される。
【0156】
本体2802は、光学系2830、マザーボード2832、ドーターボード2834、電池2836、および触覚モーター2838を固定するように構成されている。本体2802はまた、第2の本体部分2808と第1の本体部分2806との間に配置されたディスク2840も含み得る。光学系2830は、第1のカメラ206、第2のカメラ208、およびプロジェクター207を含み得る。いくつかの態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、レンズによって画定される焦点距離も固定されるように固定されたレンズを含み得る。他の態様では、第1のカメラ206および第2のカメラ208は、レンズによって画定される焦点距離も移動可能であるように移動可能なレンズを含み得る。
【0157】
いくつかの態様では、スキャン装置2800はまた、スキャンされる表面に光を投影する光源(図示されず)も含み得る。いくつかの態様では、光源は、スキャンされる表面に可視光を投影することができる。いくつかの態様では、光源は、スキャンされる表面に赤外光(または他の非可視光)を投影することができる。
【0158】
いくつかの態様では、スキャン装置2800は、スキャンされる表面から反射された光を受光するセンサー(図示されず)を含む。いくつかの態様では、センサーは、スキャンされる表面から反射された赤外光(または他の非可視光)を受光するように構成されている。いくつかの態様では、センサーは、スキャンされる表面から反射された可視光を受光するように構成されている。
【0159】
いくつかの態様では、スキャン装置2800は、骨スキャン技術を含み得る。骨スキャン技術は、骨の外部および内部をスキャンする様々な方法を含み得る。例えば、歯科環境では、骨スキャンは、歯の内部の健康に関する情報を提供し得る。骨スキャンはまた、歯の歯根、または従来のスキャン装置でスキャンできるような目に見えない可能性がある歯の他の部分の健康に関する情報も提供し得る。いくつかの態様では、骨スキャン技術は、歯根の形状および歯根相互、ユーザーの歯、またはユーザーの顎骨に対する歯根の位置の取得を可能にする。
【0160】
マザーボード2832は、ドーターボード2834、電池2836、光学系2830、および触覚モーター2838に電気的に結合される。マザーボード2832は、プロセッサおよびメモリを含み得る。いくつかの態様では、プロセッサは、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプのプロセッサとすることができる。プロセッサは、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラー、または他のプロセッサもしくは処理/制御回路であり得る。同様に、メモリは、本明細書に記載される機能を行うことができる任意のタイプの揮発性もしくは不揮発性のメモリまたはデータストレージとすることができる。動作に際して、メモリは、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、およびドライバなど、スキャン装置2800の動作中に使用される様々なデータおよびソフトウェアを格納し得る。メモリは、プロセッサがメモリ内に位置するファイルを実行することができるように、プロセッサに通信可能に結合されている。
【0161】
ドーターボード2834は、マザーボードに電気的に結合され、マザーボード2832の機能を拡張するように構成されている。いくつかの態様では、ドーターボード2834は、光学系2830、ボタン2812、および触覚モーター2838に接続する部分を含む。このように配置されたドーターボード2834は、本体2802内に配置された構成要素の実装面積を低減して、スキャン装置2802の全体サイズを縮小するのに役立つ。
【0162】
電池2836は、マザーボード2832、ドーターボード2834、光学系2830、および触覚モーター2838に電気的に結合され、スキャン装置2800が動作することを可能にする電力を供給するように動作する。いくつかの態様では、電池2836はアルカリ電池(例えば、単3電池、単4電池など)である。電池2836がアルカリ電池である態様では、電池2836は、第2の本体部分2808を第1の本体部分2806から分離することによって必要に応じて交換され得る。いくつかの態様では、電池2836は充電式電池(例えば、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池など)である。そのような態様では、電気接続部2814を電源に接続することによって電池2836を再充電することができる。電気接続部2814は、電池2836に電気的に結合される。いくつかの態様では、電池2836は、ユーザーが電池2836を充電する必要が生じる前に何回かのスキャン(例えば、6回のスキャン、12回のスキャン、18回のスキャンなど)を完了することができるように、一部充電されて提供される。いくつかの態様では、電池2836は、ユーザーが電池2836を充電する必要が生じる前により多くのスキャン(例えば、20回のスキャン、25回のスキャン、30回のスキャンなど)を完了することができるように、完全に充電されて提供される。
【0163】
触覚モーター2838は、電池2836、マザーボード2832、およびドーターボード2834に電気的に結合され、ユーザーに、スキャナーの使用に関する触覚フィードバックを提供するように構成されている。例えば、触覚モーターは、ユーザーがスキャン装置2800を保持しているときにユーザーにイベントを通知するためにスキャン装置2800に振動を誘発し得る。イベントは、スキャンの開始、スキャンの完了、スキャン中のエラー、またはスキャン装置2800と関連付けられる他のイベントを含み得る。
【0164】
封止構成要素(図示されず)は、流体が本体2802に入るのを封止構成要素が防止するように、第2の本体部分2808と第1の本体部分2806との間に配置され得る。基部本体部分2810が第2の本体部分2808および第1の本体部分2806とは別個の構成要素である態様では、封止構成要素は、流体が本体2802に入るのを防止するように、第2の本体部分2808と第1の本体部分2806と基部本体部分2810との間に複数の封止構成要素を含み得る。
【0165】
ディスク2840は、柄2818と本体2802との間に配置され得る。いくつかの態様では、ディスク2840は、柄2818(いくつかの態様では、やはり磁気を帯びていてもよい)をディスク2840に取り外し可能に結合することができるように磁気を帯びていてもよい。ディスク2840は、柄2818がディスク2840から取り外されたときにディスク2840が本体2802に結合されたままであるように、本体2802にしっかりと結合され得る。
【0166】
柄2818の長さおよびスキャン装置2800に含まれる他の特徴に応じて、スキャン装置2800は、口腔内または口腔外のどちらかで歯をスキャンすることができる。例えば、歯とレンズ2816と歯との間の距離は、柄2818の長さに少なくとも部分的に依存する。柄2818が比較的短いと、レンズはスキャン中に少なくとも部分的に口内にあることになり得る(例えば、口腔内スキャン)。柄2718が比較的長いと、レンズはスキャン中に口の外側にあることになり得る(例えば、口腔外スキャン)。
【0167】
図29A図29Bを参照すると、いくつかの態様による、スキャン装置2920内の内部構成要素の配置の正面図と側面図とがそれぞれ示されている。スキャン装置2920は、代表的なスキャン装置である(例えば、スキャン装置2920は、様々な態様における、スキャン装置102、スキャン装置2600、スキャン装置2700、またはスキャン装置2800のいずれかからの特徴であり得るか、それらを含み得る)。スキャン装置2920は、本体2922と、ガイド部分2924とを含む。本体2922は、代表的な本体である(例えば、本体2922は、様々な態様における、本体202、本体2602、本体2702、または本体2802のいずれかであり得る)。ガイド部分2924は、代表的なガイド部分である(例えば、ガイド部分2924は、様々な態様における、ガイド部分212、ガイド部分2604、ガイド部分2704、またはガイド部分2804のいずれかであり得る)。図示のように、スキャン装置2920は垂直方向を向いている。したがって、スキャン装置2920の「上部」は、スキャン装置2920のガイド部分2924に近い部分を指し、スキャン装置2920の「下部」は、スキャン装置2920のガイド部分2924から遠い部分を指す。
【0168】
本体2922は、光学系2926と、マザーボード2928と、ドーターボード2930と、電池2932とを囲むように示されている。光学系2926、マザーボード2928、ドーターボード2930、および電池2932は、図26A図26C図27A図27C、および図28A図28Cの同様の名前の構成要素と実質的に同様である。例えば、光学系2926は、光学系2630、光学系2730、および光学系2830と実質的に同様である。光学系2926は、本体2922の上部寄りに配置されており、本体2922と同軸の垂直軸に対して角度2934で配置されている。角度2934は、ガイド部分2924が患者の歯と接触している歯のスキャン中に光学系2926が患者の歯(例えば、上顎歯または下顎歯)の方に向けられることを可能にする。いくつかの態様では、角度2934は120°~170°である。いくつかの態様では、角度2934は130°~160°である。いくつかの態様では、角度2934は140°~150°である。いくつかの態様では、角度2934は、少なくとも100°、少なくとも110°、または少なくとも120°である。
【0169】
電池2932は、電池2932と本体2922の底部との間に他の構成要素が配置されないように、本体2922の底部寄りに配置されている。マザーボード2928およびドーターボード2930は、電池2932と光学系2926との間に配置されている。マザーボード2928とドーターボード2930とは、マザーボード2928とドーターボード2930とが互いに隣接するように配置されている。
【0170】
図30A図30Bを参照すると、いくつかの態様による、別のスキャン装置内の内部構成要素の別の配置の正面図と側面図とがそれぞれ示されている。スキャン装置2950は、代表的なスキャン装置である(例えば、スキャン装置2950は、様々な態様における、スキャン装置102、スキャン装置2600、スキャン装置2700、またはスキャン装置2800のいずれかであり得る)。スキャン装置2950は、本体2952と、ガイド部分2954とを含む。本体2952は、代表的な本体である(例えば、本体2952は、様々な態様における、本体202、本体2602、本体2702、または本体2802のいずれかであり得る)。ガイド部分2954は、代表的なガイド部分である(例えば、ガイド部分2954は、様々な態様における、ガイド部分212、ガイド部分2604、ガイド部分2704、またはガイド部分2804のいずれかであり得る)。図示のように、スキャン装置2950は垂直方向を向いている。したがって、スキャン装置2950の「上部」は、スキャン装置2950のガイド部分2954に近い部分を指し、スキャン装置2950の「下部」は、スキャン装置2950のガイド部分2954から遠い部分を指す。
【0171】
本体2952は、光学系2956と、マザーボード2958と、ドーターボード2960と、電池2962と、ボタン2964と、触覚モーター2968とを囲むように示されている。光学系2956、マザーボード2958、ドーターボード2960、電池2962、ボタン2964、および触覚モーター2968は、図26A図26C図27A図27C、および図28A図28Cの同様の名前の構成要素と実質的に同様である。例えば、光学系2956は、光学系2630、光学系2730、および光学系2830と実質的に同様である。光学系2956は、本体2952の上部寄りに配置されており、本体2952と同軸の垂直軸に対して角度2966で配置されている。角度2966は、ガイド部分2954が患者の歯と接触している歯のスキャン中に光学系2956が患者の歯(例えば、上顎歯または下顎歯)の方に向けられることを可能にする。いくつかの態様では、角度2966は105°~155°である。いくつかの態様では、角度2954は115°~145°である。いくつかの態様では、角度2954は125°~135°である。
【0172】
マザーボード2958は、マザーボード2958と本体2922の底部との間に他の構成要素が配置されないように、本体2952の底部寄りに配置されている。触覚モーター2968は、本体2952の底部寄りにマザーボード2958に隣接して配置されている。電池2962は、マザーボード2958と光学系2956との間に配置されており、ドーターボード2960に隣接している。ボタン2964は、ボタン2964がユーザーからアクセス可能であるようにドーターボード2960から延在している。いくつかの態様では、ボタン2964は、ユーザーアクセスのために本体2952を通って延在している。いくつかの態様では、ボタン2964は、ユーザーアクセスのために本体2952の外面と同一平面上にある。
【0173】
図31を参照すると、いくつかの態様による、頭部が実質的に傾斜していないユーザーの顎分離の図が示されている。ユーザーの頭部2902は、実質的に傾斜していない(例えば、頭部2902は、-5°~5°傾斜している)。ユーザーは、上顎2904と下顎2906とが可能な限り分離されるように口を開けているように示されている。頭部2902を実質的に傾斜させない場合、奥歯(例えば、臼歯)間の距離はaであり、前歯(例えば、門歯)間の距離はAであり、Aはaよりも大きい。例えば、いくつかの態様では、aは23~33ミリメートル(mm)であり得、Aは45~55mmであり得る。
【0174】
図32を参照すると、いくつかの態様による、頭部が実質的に上方に傾斜しているユーザーの顎分離の図が示されている。ユーザーの頭部2902は、実質的に上方に傾斜している(例えば、頭部は、45°~55°上方に傾斜している)。ユーザーは、上顎2904と下顎2906とが可能な限り分離されるように口を開けているように示されている。この位置では、奥歯間の距離はbであり、前歯間の距離はBであり、Bはbよりも大きい。例えば、いくつかの態様では、bは25~35mmであり得、Bは50~60mmであり得る。
【0175】
図33を参照すると、いくつかの態様による、頭部が実質的に下方に傾斜しているユーザーの顎分離の図が示されている。ユーザーの頭部2902は、実質的に下方に傾斜している(例えば、頭部は20°~30°下方に傾斜している)。ユーザーは、上顎2904と下顎2906とが可能な限り分離されるように口を開けているように示されている。この位置では、奥歯間の距離はcであり、前歯間の距離はCであり、Cはcよりも大きい。例えば、いくつかの態様では、cは18~28mmであり得、Cは33~43mmであり得る。
【0176】
図34を参照すると、いくつかの態様による、ユーザーの歯をスキャンするスキャン装置2700の図が示されている。スキャン装置2700は、例示的な態様として示されている。他の態様では、スキャン装置2600またはスキャン装置2800が使用され得る。ガイド2720は、ユーザーの下顎歯3204上に配置されている。この位置において、スキャン装置は、スキャン装置2700内の光学系が上顎歯3202をスキャンするように上顎歯3202をスキャンする。レンズ2716と柄2718との間の角度によって角度3204が画定される。角度3204は、図29A図29Bの角度2934または図30A図30Bの角度2966と実質的に同様であり得る。例えば、角度3204は、いくつかの態様では、140°~150°であり得る。いくつかの態様では、ユーザーは、図21を参照して説明したのと同様の方法で、下顎歯3204に沿ってガイド2720を移動させることによって上顎歯3202をスキャンし、次いで上顎歯3202に沿ってガイド2720を移動させることによって下顎歯3204をスキャンする。
【0177】
図35を参照すると、いくつかの態様による、スキャン装置のガイド3300の図が示されている。ガイド3300は、様々な態様における、ガイド2620、ガイド2720、またはガイド2820のいずれかとすることができる。したがって、ガイド3300の説明における柄2618への言及は、説明のみを目的としており、限定することを意図されたものではない。ガイド3300は、ガイド3300が柄2618に対して回転することができるように、結合器2622を介して柄2618に結合される。ガイド3300は、ユーザーの歯に接触し、歯のスキャン中にユーザーの歯と接触したままであるように構成されている。したがって、ガイド3300を、ユーザーの歯に接触するのに適した任意の材料から製造することができる。適切な材料の例には、様々なプラスチック(例えば、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))ゴム、およびシリコーンが含まれるが、これらに限定されない。
【0178】
ガイド3300は、基部3302と、基部3302から突出するボス3308とを含む。基部3302は、基部頂部3310と基部底部3312とを含み、基部3302は基部頂部3310から基部底部3312まで延在している。基部3302からは第1の側部分3304が突出し、基部頂部3310から基部底部3312まで延在している。第1の側部分3304は、第1の側部分が基部頂部3310からボス3308に向かって延在するにつれてボス3308の方に湾曲しかつ第1の側部分がボス3308から基部底部3312に向かって延在するにつれてボス3308から離れる方に湾曲するような、凹形状を画定する。第2の側部分3306は、第2の側部分が基部頂部3310からボス3308に向かって延在するにつれてボス3308の方に湾曲しかつ第2の側部分がボス3308から基部底部3312に向かって延在するにつれてボス3308から離れる方に湾曲するような、凹形状を画定する。
【0179】
ボス3308は、第1の突出部3314と、第2の突出部3316と、第3の突出部3318と、第4の突出部3320とを含む。第1の突出部3314は、基部3302および第2の側部分3306から突出している。第2の突出部3316は、基部3302および第2の側部分3306から突出している。第1の突出部3314と第2の突出部3316とは、基部頂部3310と基部底部3312との間のほぼ中間で基部3302を横切って延びる軸線において交わる。第3の突出部3318は、基部3302および第1の側部分3304から突出している。第4の突出部3320は、基部3302および第1の側部分3304から突出している。第3の突出部3318と第4の突出部3320とは、基部頂部3310と基部底部3312との間のほぼ中間で基部3302を横切って延びる軸線において交わる。第1の突出部3314と、第2の突出部3316と、第3の突出部3318と、第4の突出部3320とは、基部頂部3310と基部底部3312とのほぼ中間で基部3302を横切って延びる軸線と、第1の側部分3304と第2の側部分3306とのほぼ中間で基部3302を横切って延びる軸線との交点で交わる。したがって、ボス3308の形状は、「蝶ネクタイ」形状として記述され得る。
【0180】
図36A図36Bを参照すると、いくつかの態様による、歯の上を移動する図35のガイド3300の図が示されている。ガイド3300は、図36Aにおいて非臼歯3402(例えば、門歯、犬歯または小臼歯)上を移動しているものとして示されており、ガイド3300が非臼歯3402上を移動しているときにボス3308の中央部分(例えば、「蝶ネクタイ」形状の中心)は非臼歯に接触する。ボス3308の形状により、ガイド3300がその上を通過する各歯がボス3308の中央部分に接触するように、ガイド3300内で歯が方向づけられる。
【0181】
ガイド3300は、図36Bにおいて臼歯3404上を移動しているものとして示されており、ガイド3300が臼歯3404上を移動しているときに第1の側部分3304および第2の側部分3306は臼歯3404に接触する。第1の側部分3304および第2の側部分3306は、スキャン中に臼歯3404が第1の側部分3304と第2の側部分3306との間の中央に位置するような形状である。
【0182】
図37を参照すると、いくつかの態様による、スキャン装置の別のガイド3500の図が示されている。ガイド3500は、様々な態様における、ガイド2620、ガイド2720、またはガイド2820のいずれかとすることができる。したがって、ガイド3300の説明における柄2618への言及は、説明のみを目的としており、限定することを意図されたものではない。ガイド3500は、ガイド3500が柄2618に対して回転することができるように、結合器2622を介して柄2618に結合される。ガイド3500は、ユーザーの歯に接触し、歯のスキャン中にユーザーの歯と接触したままであるように構成されている。したがって、ガイド3500を、ユーザーの歯に接触するのに適した任意の材料から製造することができる。適切な材料の例には、様々なプラスチック(例えば、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))ゴム、およびシリコーンが含まれるが、これらに限定されない。
【0183】
ガイド3500は、基部3502と、基部3502から突出するボス3508とを含む。基部3502は、基部頂部3510と基部底部3512とを含み、基部3502は基部頂部3510から基部底部3512まで延在している。基部3502からは第1の側部分3504が突出し、基部頂部3510から基部底部3512まで延在している。第1の側部分3504は、第1の側部分が基部頂部3510からボス3508に向かって延在するにつれてボス3508の方に湾曲し、第1の側部分は、第1の側部分がボス3508から基部底部3512に向かって延在するにつれてボス3508から離れる方に湾曲するような凹形状を画定する。第2の側部分3506は、第2の側部分が基部頂部3510からボス3508に向かって延在するにつれてボス3508の方に湾曲し、第2の側部分は、第2の側部分がボス3508から基部底部3512に向かって延在するにつれてボス3508から離れる方に湾曲するような凹形状を画定する。
【0184】
ボス3508は、第1の突出部3514と、第2の突出部3516と、第3の突出部3518と、第4の突出部3520とを含む。第1の突出部3514は、基部3502から突出し、基部3502の中点に向かって延びている。第2の突出部3516は、基部3502から突出し、基部3502の中点に向かって延びている。第3の突出部3518は、基部3502から突出して基部3502の中点に向かって延びており、第4の突出部3520は、基部3502から突出して基部3502の中点に向かって延びている。第1の突出部3514と、第2の突出部3516と、第3の突出部3518と、第4の突出部3520とは、基部頂部3510と基部底部3512とのほぼ中間で基部3502を横切って延びる軸線と、第1の側部分3504と第2の側部分3506とのほぼ中間で基部を横切って延びる軸線との交点で交わる。したがって、ボス3508の形状は、「ダイヤモンド」形状または「ピラミッド」形状として説明され得、頂点は基部3502のほぼ中心と同軸の軸に沿って位置する。
【0185】
図38A図38Bを参照すると、いくつかの態様による、歯の上を移動する図37のガイド3500の図が示されている。ガイド3500は、図38Aにおいて非臼歯3402(例えば、門歯、犬歯または小臼歯)上を移動しているものとして示されており、ガイド3500が非臼歯3402上を移動しているときにボス3508の頂点(例えば、「ダイヤモンド」形状または「ピラミッド」形状の中心)は、非臼歯3402に接触する。ボス3508の形状により、ガイド3500がその上を通過する各歯がボス3508の頂点に接触するように、ガイド3500内で歯が方向づけられる。
【0186】
ガイド3500は、図37Bにおいて臼歯3404上を移動しているものとして示されており、ガイド3500が臼歯3404上を移動しているときに第1の側部分3504および第2の側部分3506は臼歯3404に接触する。第1の側部分3504および第2の側部分3506は、スキャン中に臼歯3404が第1の側部分3504と第2の側部分3506との間の中央に位置するような形状である。
【0187】
図39を参照すると、いくつかの態様による、スキャン装置の別のガイド3700の図が示されている。ガイド3700は、様々な態様における、ガイド2620、ガイド2720、またはガイド2820のいずれかとすることができる。したがって、ガイド3300の説明における柄2618への言及は、説明のみを目的としており、限定することを意図されたものではない。ガイド3700は、ガイド3500が柄2618に対して回転することができるように、結合器2622を介して柄2618に結合される。ガイド3700は、ユーザーの歯に接触し、歯のスキャン中にユーザーの歯と接触したままであるように構成されている。したがって、ガイド3700は、ユーザーの歯に接触するのに適した任意の材料から製造することができる。適切な材料の例には、様々なプラスチック(例えば、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))ゴム、およびシリコーンが含まれるが、これらに限定されない。
【0188】
ガイド3700は、柄2618に回転可能に結合された基部3702(図示されず)と、ボス3708とを含む。第1の側部分3704は、ある角度(例えば、30度、40度、50度など)で基部3702から離れる方に延びている。第2の側部分3706は、第1の側部分3704の角度とは反対の角度(例えば、-30度、-40度、-50度など)で基部3702から離れる方に延びている。第1の側部分3704と第2の側部分3706との長さは、第1の側部分3704および第2の側部分3706が二等辺三角形の二辺を形成し、第3の辺がガイド3700が歯を受け入れるように開いていることを可能にするように、実質的に同様である。
【0189】
ボス3708は、第1の突出部3714と、第2の突出部3716とを含む。第1の突出部3714は、柄2618から離れる方に、第1の側部分3704から延びている。第2の突出部3718は、柄2618から離れる方に、第2の側部分3706から延びている。第1の突出部3714および第2の突出部3716が、第1の突出部3714が第2の突出部3716と交わるところで(例えば、ガイド3700のほぼ中心で)最も厚くなるように、第1の突出部3714と第2の突出部3718の両方が、それぞれ、第1の側部分3704と第2の側部分3706とから延びている。第1の突出部3714の厚さは、第1の突出部3714がガイド3700のほぼ中心から離れる方に延在するにつれて、減少する。第2の突出部3716の厚さも、第2の突出部3716がガイド3700のほぼ中心から離れる方に延在するにつれて、減少する。いくつかの態様では、第1の突出部3714および第2の突出部3716は、基部3702の中央部分から第1の側部分3704および第2の側部分3706に沿って延びる1つの連続した突出部である。
【0190】
図40A図40Bを参照すると、いくつかの態様による、歯の上を移動する図39のガイド3700の図が示されている。ガイド3700は、図40Aにおいて非臼歯3402(例えば、門歯、犬歯または小臼歯)上を移動しているものとして示されており、ガイド3700が非臼歯3402上を移動しているときに第1の側部分3704および第2の側部分3706は非臼歯3402に接触する。第1の側部分3704および第2の側部分3706は、非臼歯3402を受け入れるときに非臼歯3402が実質的に基部3702の下を中心とするように、非臼歯3402を受け入れるようなサイズである。
【0191】
ガイド3700は、図40Bにおいて臼歯3404上を移動しているものとして示されており、ガイド3700が臼歯3402上を移動しているときに第1の側部分3704および第2の側部分3706は臼歯3404に接触する。第1の側部分3704および第2の側部分3706は、臼歯3404を受け入れるときに、臼歯3402が実質的に基部3702の下を中心とするように、臼歯3404を受け入れるようなサイズである。
【0192】
図41を参照すると、いくつかの態様による、スキャン装置の別のガイド3900の図が示されている。ガイド3900は、様々な態様における、ガイド2620、ガイド2720、またはガイド2820のいずれかとすることができる。したがって、ガイド3300の説明における柄2618への言及は、説明のみを目的としており、限定することを意図されたものではない。ガイド3900は、ガイド3900が柄2618に対して回転することができるように、結合器2622を介して柄2618に結合される。ガイド3900は、ユーザーの歯に接触し、歯のスキャン中にユーザーの歯と接触したままであるように構成されている。したがって、ガイド3900は、ユーザーの歯に接触するのに適した任意の材料から製造することができる。適切な材料の例には、様々なプラスチック(例えば、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))ゴム、およびシリコーンが含まれるが、これらに限定されない。
【0193】
ガイド3900は、基部3902と、第1の側部分3904と、第2の側部分3908とを含む。基部3902は、基部3902を通って延在するスピンドル3924を介して結合器2622に結合される。いくつかの態様では、スピンドル3924は、結合器2622に回転可能に結合され、基部3902が柄2618に対して回転するように、基部3902にしっかりと結合される。いくつかの態様では、スピンドル3924は、結合器2622にしっかりと結合され、基部3902がスピンドル3924および柄2618に対して回転するように、基部3902に回転可能に結合される。基部3902は、第1の空洞部3904と、第2の空洞部3906とを含む。第1の空洞部3904および第2の空洞部3906は、基部3902を貫通して延在する基部3902の開口部である。第1の空洞部3904は、第1の側部分3908が結合される1つまたは複数の表面を提供し、第2の空洞部3906は、第2の側部分3910が結合される1つまたは複数の表面を提供する。
【0194】
第1の側部分3908は、第1の延在部3912と、第1のフランジ3916と、第1の歯接触面3920とを含む。第1の延在部3912は、基部3902にしっかりと結合され、第1の延在部3912が基部3902に対して実質的に垂直(例えば、80°~100°)になるように基部3902から延在している。第1のフランジ3916は、第1のフランジ3916が第1の延在部3912に対して実質的に垂直(例えば、80°~100°)になるように第1の延在部3912から延在している。第1の歯接触面3920は、第1の延在部3912の反対側の第1のフランジ3916上に配置された凹面である。第1の歯接触面3920は、スキャン中に1本または複数の歯に接触するように構成されている。
【0195】
第2の側部分3910は、第2の延在部3914と、第2のフランジ3918と、第2の歯接触面3922とを含む。第2の延在部3914は、基部3902にしっかりと結合され、第2の延在部3914が基部3902に対して実質的に垂直(例えば、80°~100°)になるように基部3902から延在している。第2のフランジ3918は、第2のフランジ3918が第2の延在部3914に対して実質的に垂直(例えば、80°~100°)になるように第2の延在部3914から延在している。第2の歯接触面3922は、第2の延在部3914の反対側の第2のフランジ3918上に配置された凹面である。第2の歯接触面3922は、スキャン中に1本または複数の歯に接触するように構成されている。第1の歯接触面3920および第2の歯接触面3922は、スキャン中に1本または複数の歯の対向する側面に接触するように互いに対向して配置されている。
【0196】
図42A図42Bを参照すると、いくつかの態様による、歯の上を移動する図41のガイド3900の図が示されている。ガイド3900は、図42Aにおいて非臼歯3402(例えば、門歯、犬歯または小臼歯)上を移動しているものとして示されており、ガイド3900が非臼歯3402上を移動しているときに第1の歯接触面3920および第2の歯接触面3922は非臼歯3402に接触する。第1の歯接触面3920および第2の歯接触面3922が非臼歯3402に接触する際に、第1の延在部3912および第2の延在部3914は、非臼歯3402のサイズおよび形状に基づいて屈曲する。第1の歯接触面3920および第2の歯接触面3922は、非臼歯3402を受け入れるときに非臼歯3402が実質的に基部3902の下を中心とするように、非臼歯3402を受け入れるようなサイズである。
【0197】
ガイド3900は、図42Bにおいて臼歯3404上を移動しているものとして示されており、ガイド3900が臼歯3404上を移動しているときに第1の歯接触面3920および第2の歯接触面3922は臼歯3404に接触する。第1の歯接触面3920および第2の歯接触面3922が臼歯3404に接触する際に、第1の延在部3912および第2の延在部3914は、臼歯3404のサイズおよび形状に基づいて屈曲する。第1の歯接触面3920および第2の歯接触面3922は、臼歯3404を受け入れるときに、臼歯3404が実質的に基部3902の下を中心とするように、臼歯3404を受け入れるようなサイズである。
【0198】
図43を参照すると、いくつかの態様による、一形態のスキャン装置用のケース4100の図が示されている。ケース4100は、スキャン装置2700がユーザーによって運ばれているとき(例えば、ユーザーが移動しているとき)にスキャン装置2700が保護されるように、スキャン装置2700をその構成部品(例えば、本体2702およびガイド部分2704)単位で保管するように構成されている。スキャン装置2700は、例示目的のみに使用される。いくつかの態様では、スキャン装置2600、スキャン装置2800、または任意の他のスキャン装置を使用することができる。ケース4100は、上部4102と、下部4104と、上部ラッチ4106と、下部ラッチ4108と、インサート4110とを含む。
【0199】
上部4102と下部4104とは、上部4102と下部4104とを分離することができないように結合されており、上部4102と下部4104とは互いに枢動可能に結合されている。例えば、上部4102および下部4104は、上部4102と下部4104との間の枢動運動を提供する一体成形ヒンジを有する単一の成形部品とすることができる。別の例として、上部4102および下部4104は、上部4102と下部4104との間の枢動運動を提供するヒンジによって結合された別々の成形部品とすることができる。さらに別の例では、上部4102および下部4104は、上部4102と下部4104との間の枢動運動を提供するスナップ嵌め接続を組み込むことによって結合された別々の成形部品とすることができる。上部4102および下部4104は、スキャン装置2700を保護するための所望の特性を提供する任意のタイプのプラスチックから製造することができる。例えば、上部4102および下部4104は、ABS、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレン、または所望の特性を提供する任意の他のタイプの材料から製造することができる。
【0200】
上部ラッチ4106は、上部4102と一体化されており、下部ラッチ4108(下部4104と一体化されている)と嵌合してケース4100を閉位置に固定するように構成されている。いくつかの態様では、上部ラッチ4106および下部ラッチ4108は、それらが互いに近接しているときに引き付け合う磁石である。例えば、ケース4100を閉じるとき、上部ラッチ4106および下部ラッチ4108は、上部ラッチ4106および下部ラッチ4108が互いに閾値距離(例えば、6mm、8mm、4mmなど)内にあるときにケース4100を強制的に閉じさせ得る。いくつかの態様では、上部ラッチ4104はタブを含み、下部ラッチ4106はタブを受け入れるように構成されたスロットを含む。そのような態様では、ユーザーは、ケース4100が不用意に開くのを防止するために、上部ラッチ4104が下部ラッチ4106と係合するようにケース4100を閉じなければならない。
【0201】
インサート4110は、下部4104内に嵌合し、様々な構成要素に安全な保管エリアを提供するように構成されている。インサート4110は、第1の空洞部4112と、第2の空洞部4114と、第3の空洞部4116とを含む。第1の空洞部4112は、インサート4110の凹んだ部分であり、スキャン装置2700の本体2702を受け入れるようなサイズである。様々な他の態様では、第1の空洞部4112は、スキャン装置2600の本体2602、スキャン装置2800の本体2802、または別のスキャン装置の任意の他の本体を受け入れるようなサイズおよび構成とされる。第2の空洞部4114および第3の空洞部4116は、様々なガイド部分(例えば、ガイド部分2604、ガイド部分2704、ガイド部分2804など)または他のガイド(例えば、ガイド3300、ガイド3500、ガイド3700、ガイド3900など)を受け入れるようなサイズおよび構成とされる。いくつかの態様では、第2の空洞部4114および第3の空洞部4116に保管されたガイド部分またはガイドは、同じガイドであり得る(例えば、第2の空洞部4114および第3の空洞部4116は各々ガイド部分2704を収容し得る)。いくつかの態様では、第2の空洞部4114および第3の空洞部4116に保管されたガイド部分またはガイドは、異なるガイドであり得る(例えば、第2の空洞部4114はガイド部分2704を収容し得、第3の空洞部4116はガイド3300を収容し得る)。
【0202】
いくつかの態様では、ケース4100は、ケース4100内に保管された1つまたは複数の構成要素に電力を供給するためにケース4100を標準的なコンセントに差し込むことができるように電気接続部を含む。
【0203】
図44を参照すると、いくつかの態様による、図43のケース4100の図が別の形態で示されている。インサート4110は、モバイル機器空洞4202、スキャン装置空洞4204、および背部分4206を含むようにさらに示されている。モバイル機器空洞4202およびスキャン装置空洞4204は、モバイル機器空洞4202がモバイル機器(例えば、モバイル機器4208)を受け入れるように構成され、スキャン装置空洞がスキャン装置(例えば、スキャン装置2600、スキャン装置2700、スキャン装置2800、または任意の他のスキャン装置)を受け入れるように構成されるように、第1の空洞部4112内でさらに凹んでいる。
【0204】
モバイル機器空洞4206は、モバイル機器の背面が背部分4206に接触して、モバイル機器4208を実質的に直立位置(例えば、水平に対して45°~90°)に維持するように、モバイル機器4208の底部がモバイル機器空洞内に載置され得るように配置されている。いくつかの態様では、第1の空洞部4112はモバイル機器空洞4202を含まず、モバイル機器4208は、モバイル機器4208の背面が背部分4206に接触してモバイル機器4208を実質的に直立位置に維持するように、第1の空洞部4112内に載置される。
【0205】
スキャン装置空洞4204は、スキャン装置の基部(例えば、基部本体部分2610、基部本体部分2710、基部本体部分2810など)がスキャン装置空洞4204内に嵌合するようなサイズおよび構成とされる。スキャン装置空洞4204はまた、スキャン装置の電気接続部(例えば、電気接続部2614、電気接続部2714、電気接続部2814など)と嵌合する電気充電器も含み得る。例えば、スキャン装置2700がスキャン装置空洞4204内に固定されると、電気充電器は、ケース4100が電源に接続されたときにスキャン装置2700が充電するように電気接続部2714と嵌合する。
【0206】
図45を参照すると、いくつかの態様による、ユーザーアカウントを作成するための方法4300の流れ図が示されている。4302で、ユーザー情報が受け取られる。例えば、ユーザーは、ユーザーの歯を真っ直ぐにするために歯列矯正治療を開始することを望み得る。ユーザーは、インターネット検索(または任意の他の方法)によって歯列矯正治療提供者を探し出し、歯列矯正治療提供者のウェブサイトを介して治療提供者に情報(例えば、名前、年齢、住所、電子メールアドレス、他の連絡先情報など)を提供し得る。
【0207】
4304で、ユーザーにモバイルアプリケーションが提供される。例えば、ユーザーの電子メールアドレスを提供した後、治療提供者は、ユーザーに電子メールを送信し、ユーザーに、モバイル機器(例えば、携帯電話、タブレットコンピューターなど)で使用するためのモバイルアプリケーションをダウンロードするよう促し得る。モバイルアプリケーションは、治療提供者と関連付けられ得、治療計画を策定するために治療提供者にデータを提供し得る。モバイルアプリケーションはまた、治療計画に従ってユーザーの進捗に関する情報をユーザーに提供してもよい。
【0208】
4306で、歯列矯正治療に関する情報がユーザーに提供される。例えば、ユーザーがモバイルアプリケーションをダウンロードし、モバイルアプリケーションを開いた後、モバイルアプリケーションはユーザーに歯列矯正治療に関する情報を提供し得る。モバイルアプリケーションは、ユーザーにワイヤおよびブラケットシステム(例えば、ブレース)と、アライナーシステムとを含む異なる歯列矯正治療オプションを示し、ユーザーに各システムがどのように機能するかを示し得る。モバイルアプリケーションはまた、ユーザーに各システムの利点および欠点も示し得る。
【0209】
4308で、ユーザーが、スキャン装置を購入するよう促される。例えば、モバイルアプリケーションは、ユーザーに、アライナーを用いた歯列矯正治療を開始するためにスキャン装置を注文してスキャンを行うオプションを提供し得る。ユーザーは、その時点でスキャン装置を購入することを選択してもよく、またはユーザーは、スキャン装置の購入を後日に延ばすことを選択してもよい。ユーザーがその時点でスキャン装置を購入することを選択した場合、ユーザーは、スキャナーを購入するために支払い情報を入力するよう促される。
【0210】
4310で、ユーザーが、治療提供者とのアカウントを作成するよう促される。例えば、ユーザーは、追加情報を入力し、ユーザー名およびパスワードを作成することによって、モバイルアプリケーションを介してアカウントを作成することができる。別の例として、ユーザーは、追加情報を入力し、ログインおよびパスワードを作成することによって、治療提供者のウェブサイトを介してアカウントを作成することができる。
【0211】
方法4300の工程は特定の順序で示されているが、これらの工程は任意の順序で行うことができる。例えば、ユーザーは、治療提供者がユーザーから情報を受け取る前、およびユーザーがモバイルアプリケーションを提供される前に、歯列矯正治療に関する情報を提供されてもよい。加えて、ユーザーは、アカウントを作成した後、またはモバイルアプリケーションをユーザーに提供する前に、スキャン装置を購入するよう促されてもよい。方法4300の工程の他の順序も可能であり、上記の例は限定することを意図されていない。
【0212】
図46図47を参照すると、いくつかの態様による、ユーザーアカウントおよびスキャン装置をセットアップするための方法4400の流れ図が示されている。4402で、モバイル機器上でモバイルアプリケーションを開くためのコマンドが受け取られる。例えば、モバイルアプリケーションをダウンロードした後、ユーザーはモバイル機器上のモバイルアプリケーション用のアイコンを選択し、モバイル機器はモバイルアプリケーションを開くためのコマンドを受け取る。
【0213】
4404で、ユーザーがアカウントを持っているかどうかに関する判定が行われる。ユーザーがアカウントを持っている場合には、4406で、ユーザーアカウントが完全なアカウントであるかどうかの判定が行われる。例えば、ユーザーは、アカウントを最初に設定するときに最低限の情報を入力している可能性があり、したがって、ユーザーは部分的なアカウントしか持っていない。別の例として、ユーザーは、必要な情報すべてを入力している可能性があり、したがって、ユーザーは完全なアカウントを持っている。ユーザーが完全なアカウントを持っていると判定された場合、4408で、ユーザーからの確認情報が受け取られる。例えば、ユーザーは、完全なアカウントを確認し、モバイルアプリケーションにサインインするためにユーザー名およびパスワードを入力し得る。別の例として、ユーザーは、完全なアカウントを確認し、モバイルアプリケーションにサインインするために生体認証マーカー(例えば、指紋、網膜スキャン、顔スキャンなど)を提供し得る。
【0214】
4418で、スキャンが既に完了しているかどうかに関する判定が行われる。例えば、スキャンが既に完了している場合、4430で、ユーザーはモバイルアプリケーションによって、スキャン画像が処理されていることを通知される。画像処理については、図50を参照してさらに説明する。スキャンがまだ完了していない場合、4420で、ユーザーがスキャン装置を持っているかどうかの判定が行われる。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、ユーザーがスキャン装置を持っているかどうかをユーザーに尋ねる質問を表示し得る。ユーザーがスキャン装置を持っていない場合、4422で、ユーザーは次いで、スキャン装置を購入するよう促される。ユーザーは次いで、スキャン装置を購入するために必要な情報(支払い情報、発送先など)を入力し、購入を治療提供者に提出する。
【0215】
治療提供者は、スキャン装置の注文を受け取り、スキャン装置をユーザーに発送する。スキャン装置を発送すると、モバイルアプリケーションは、スキャン装置が発送されたというユーザーへの通知を、配達予定日と共に提供し得る。モバイルアプリケーションはまた、スキャン装置が配達されるときにもユーザーに通知を送り得る。
【0216】
4420に戻って、ユーザーがスキャン装置を持っている場合(例えば、ユーザーが以前にスキャン装置を購入した場合や、ユーザーがモバイルアプリケーションプロンプトからスキャン装置を注文した後にスキャン装置を受け取った場合)、ユーザーは、スキャン装置に関する質問に応答して、ユーザーがスキャン装置を有することを示す。ユーザーは次いで、4424でスキャン装置に導入される。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、どのようにして装置をオンにするかを指示し得る。モバイルアプリケーションはまた、ユーザーにスキャン装置の様々な部品を示すことによって、ユーザーにスキャン装置の概要を提供し得る。
【0217】
4426で、スキャン装置がモバイル機器に接続される。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、どのようにしてBluetoothまたは他の短距離接続機構を介してスキャン装置とモバイル機器とのペアリングを開始するかを指示し得る。加えて、モバイルアプリケーションはユーザーに、どのようにしてインターネット接続(例えば、WiFi接続や有線インターネット接続)を介してスキャン装置とモバイル機器とのペアリングを開始するかも指示し得る。スキャン装置とモバイル機器がペアリングされると、モバイルアプリケーションは、デバイスがペアリングされていることを示すためにユーザーにフィードバックを提供し得る。スキャン装置はまた、スキャン装置がモバイル機器とペアリングされているというフィードバックも(例えば、振動、音、光などによって)提供し得る。
【0218】
4428で、モバイルアプリケーションがユーザーに、どのようにしてスキャン装置を使用するかに関するトレーニングを提供する。例えば、モバイルアプリケーションは、スキャンプロセスの詳細な概要を提供するビデオを再生し得る。モバイルアプリケーションはまた、ユーザーがモバイル機器の画面をスワイプして各工程を進めたり戻したりしてユーザーがスキャン装置の操作の各工程を学習することができる段階的な指示(例えば、写真、イラスト、およびテキストの組み合わせ)も提供し得る。モバイルアプリケーションはまた、ユーザーをトレーニングビデオに組み込む拡張現実トレーニングビデオも提供し得る。例えば、モバイル機器の前向きカメラは、ユーザーがモバイル機器上でトレーニングビデオを視聴するときにユーザーの画像を記録することができる。ユーザーがユーザーの顔および/または口に対してスキャン装置をどのようにして使用するかを確認できるように、ユーザーの画像をトレーニングビデオに含めることができる。
【0219】
4406に戻って、アカウントが完全なアカウントではない場合、4410で、ユーザーは、モバイルアプリケーションを介して追加情報を入力することによってアカウントを完了するよう促される。追加情報を入力した後、上述のように、4420で、ユーザーがスキャン装置を持っているかどうかの判定が行われる。
【0220】
4404に戻って、ユーザーがアカウントを持っていないと判定された場合、次いで4412で、ユーザーがスキャン装置を持っているかどうかに関する判定が行われる。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、ユーザーがスキャン装置を持っているかどうかをユーザーに尋ねる質問を表示し得る。ユーザーがスキャン装置を持っていない場合、4416で、ユーザーは次いで、スキャン装置を購入するよう促される。ユーザーは次いで、スキャン装置を購入するために必要な情報(支払い情報、発送先など)を入力し、購入を治療提供者に提出する。ユーザーがスキャン装置を受け取った後、ユーザーは4414でアカウント設定を完了するよう促される。ユーザーは次いで、上述のように、4424でスキャン装置に導入される。ユーザーが既にスキャン装置を持っている場合、ユーザーは4414でアカウント設定を完了するよう促され、次いでユーザーは4424でスキャン装置に導入される。
【0221】
図48を参照すると、いくつかの態様による、スキャン画像を受け取るための方法4600の流れ図が示されている。4602で、モバイルアプリケーションが、スキャンを開始するためにユーザーからの入力を受け取る。例えば、モバイルアプリケーションのホーム画面は、ユーザーに、ホーム画面上のアイコン(例えば、アイコンは、「スキャンを行う」、「スキャンを開始する」などとラベル付けされ得る)を選択することによってスキャンを開始するオプションを提供し得る。アイコンを選択した後、スキャンプロセスがモバイルアプリケーションによって開始される。
【0222】
4604で、どのようにして許容可能なスキャンを行うかに関する情報が表示される。いくつかの態様では、ユーザーは、スキャンが行われる空間を準備するよう促され得る。例えば、ユーザーは、図44を参照して説明されたように、ケース4100を配置することができるエリアを片付け、モバイル機器がユーザーに見えるようにモバイル機器をケースに配置するよう促され得る。ユーザーはまた、スキャンを開始する前に特定の準備工程を行うようにも促され得る。例えば、モバイルアプリケーションは、ユーザーに、ユーザーの歯をブラッシングする、ユーザーの手を洗浄する、ユーザーの手に手袋を装着するなどを促し得る。いくつかの態様では、唇がスキャンに影響を与えないようにするために、ユーザーの唇を広げる装置が使用され得る。そのような態様では、モバイルアプリケーションはまた、ユーザーに、スキャンに備えてユーザーの唇を広げるために装置を挿入するよう促し得る。モバイルアプリケーションはまたユーザーに、スキャンを開始する前にスキャンプロセスを示す追加のビデオも提供し得る。いくつかの態様では、スキャンを開始する前に、モバイルアプリケーションは、ユーザーに、歯列矯正治療を開始する前のユーザーの歯の位置を記憶するために自撮り写真を撮るように促し得る。
【0223】
4606で、モバイルアプリケーションがスキャン画像を受け取る。例えば、ユーザーは、スキャン装置上のボタンを押すことによってスキャンを開始し得る。いくつかの態様では、ユーザーは、スキャン装置と通信してスキャンを開始するモバイル機器上のアイコンを押すことによってスキャンを開始し得る。いくつかの態様では、スキャン装置は、その位置を検出し、スキャン装置がスキャンを開始するために向けられたときにモバイルアプリケーションと通信することができる(例えば、ユーザーは、スキャン装置を実質的に水平な位置に保持する)。ユーザーは続いて、スキャン装置を使用してユーザーの歯をスキャンする。例えば、ユーザーは、スキャン装置2600を使用してユーザーの歯をスキャンし得る。ユーザーは、スキャン装置が上顎歯をスキャンする際に、ガイド2620を下顎歯上に配置し、下顎歯の周りでガイドを移動させる。ユーザーは次いで、スキャン装置が下顎歯をスキャンする際に、ガイド2620を上顎歯上に配置し、上顎歯の周りでガイドを移動させる。次いで画像が、さらなる解析のためにモバイルアプリケーションに提供される。
【0224】
4608で、モバイルアプリケーションが、スキャンが有効であるかどうかを判定する。いくつかの態様では、スキャナーからのデータは、BluetoothやWiFiなどの近距離無線通信を介してスキャン装置からモバイル機器に転送される。データがスキャン装置からモバイル機器に転送されている間、スキャン装置は、転送が行われているという指示を提供し得る。例えば、スキャン装置は、転送が行われていることを示すために振動するか、または(スキャン装置が光を備えている態様では)光を点滅させ得る。モバイル機器はまた、転送が行われていることおよび転送の状態(例えば、25%完了、50%完了、75%完了)も示し得る。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、データ転送が行われているというメッセージを表示し、ユーザーが追加のスキャンを行う前に指定された期間待機しなければならない可能性があることを説明し得る。
【0225】
モバイルアプリケーションがデータを受け取った後、モバイルアプリケーションは、スキャン装置によって取得された画像を解析し、データが歯の3Dモデルを作成するのに十分であるかどうかを判定する。スキャンが有効でない(例えば、スキャンが、3Dモデルを作成できないようなデータが欠落したエリアを含む)場合、ユーザーは再度スキャンを行うよう指示される。スキャンが有効である場合、モバイルアプリケーションは、4610ですべてのスキャンが完了したかどうかを判定する。例えば、スキャンプロセスは、上顎歯のスキャンを行うこと、および下顎歯をスキャンする前にスキャンの有効性を判定すること、またはその逆を含み得る。すべてのスキャンが完了していないとモバイルアプリケーションが判定した場合、ユーザーは次のスキャンを行うように指示され、どのようにして許容可能なスキャンを行うかに関する追加情報を提供され得る。すべてのスキャンが完了したとモバイルアプリケーションが判定した場合、4612で、スキャンデータがサーバー(例えば、サーバー142)に転送される。いくつかの態様では、スキャンデータは有線接続を介して転送される。いくつかの態様では、スキャンデータは無線接続を介して転送される。
【0226】
4614で、サーバーが、スキャンが有効であるかどうかを判定する。例えば、サーバー(例えば、サーバー142)は、ユーザーの上顎歯および下顎歯のスキャンデータを解析し、提供されたスキャンデータから3Dモデルを作成できるかどうかを判定する。3Dモデルを作成できない場合、サーバーはモバイルアプリケーションに通知し、モバイルアプリケーションはユーザーに再スキャンを促す。例えば、サーバー142は、スキャンによってすべての歯(例えば、犬歯(canine)、臼歯、犬歯(cuspid)、小臼歯など)を識別できるわけではなく、よって再スキャンが必要であると判定し得る。さらに、サーバー142は、上顎歯と下顎歯とを適切に区別することができない(例えば、上顎歯および/または下顎歯の境界を適切に決定することができない)ため、再スキャンが必要であると判定し得る。加えて、サーバー142は、スキャナーによってスキャンされ、歯として識別された表面が、実際には歯ではなく、よって再スキャンを必要とすると判定し得る。3Dモデルを作成できる場合、サーバーはモバイルアプリケーションに通知し、モバイルアプリケーションはユーザーに成功メッセージを表示する。いくつかの態様では、サーバーがスキャンを検証しようと試みている間、モバイルアプリケーションはユーザーに、スキャン検証プロセスの進捗をユーザーに示す進捗バーを提供する。モバイルアプリケーションはまた、ユーザーに、歯列矯正治療を開始する前にユーザーの歯の写真を提供するためにユーザーの歯の自撮り写真を撮るよう促し得る。例えば、モバイルアプリケーションは、ユーザーに、ユーザーのすべての歯を含む自撮り写真を撮るよう促し得る。いくつかの態様では、モバイルアプリケーションは、ユーザーに、上顎歯または下顎歯のみの写真を撮るよう促し得る。加えて、モバイルアプリケーションは、スキャン検証プロセス中に、使用に、追加の医療上の質問(例えば、病歴、歯科治療歴など)に回答するよう促してもよい。
【0227】
図49を参照すると、いくつかの態様による、ゲストがスキャンを完了するための方法4700の流れ図が示されている。4702で、ゲストスキャンを求める要求が受け取られる。例えば、ユーザーが友人にスキャンプロセスを示したいと望む場合があり、または友人が歯列矯正治療を開始するために友人の歯をスキャンしたいと望む場合がある。モバイルアプリケーションは、ユーザーのアカウントのホーム画面上でゲストスキャンを提供し得る(例えば、ホーム画面上のアイコンが「ゲストスキャン」とラベル付けされ得る)。ユーザーはゲストスキャンを行うオプションを選択し得、モバイルアプリケーションによってゲストスキャンが開始され得る。
【0228】
4704で、ゲストから識別情報が受け取られる。例えば、ゲストによって提供される識別情報のタイプは、アカウントを作成するためにユーザーによって提供される識別情報のタイプと実質的に同様であり得る。例えば、ゲストは、ゲストの名前、住所、電話番号、電子メールアドレスなどを提供するよう促され得る。
【0229】
4706で、ゲストがスキャン装置に導入される。ゲストは、図47の工程4424でユーザーがスキャン装置に導入されたのと実質的に同じ方法でスキャン装置に導入され得る。
【0230】
4708で、スキャンが行われる。例えば、ゲストは、図48でユーザーがスキャンを行ったのと実質的に同様の方法でスキャンを行い得る。
【0231】
4710で、スキャンが転送され、検証される。例えば、ゲストスキャンは、図48の工程4606~4614と実質的に同様の方法で転送および検証され得る。
【0232】
4712で、ゲストスキャンが完了する。例えば、モバイルアプリケーションは、ゲストスキャンが完了したことを示すメッセージをゲストに提供し得る。
【0233】
4714で、ゲストがダウンロードするためにモバイルアプリケーションがゲストに提供される。例えば、ゲストスキャンが完了した後、モバイルアプリケーションはゲストに、ゲストの機器にアプリケーションをダウンロードするようゲストに促す通信(例えば、ゲストの電子メールアカウントへの電子メール、ユーザーの携帯電話へのテキストなど)を送り得る。
【0234】
4716で、ゲストに歯列矯正治療に関する情報が提供される。例えば、モバイルアプリケーションはゲストに、ワイヤおよびブラケットシステム(例えば、ブレース)と、アライナーシステムとを含む異なる歯列矯正治療オプションに関する情報を提供し、各システムがどのように機能するかをユーザーに示し得る。モバイルアプリケーションはまた、ユーザーに各システムの利点および欠点も示し得る。
【0235】
4718で、ゲストがアカウントの作成するよう促され得る。例えば、ユーザーのモバイル機器上のモバイルアプリケーションは、ゲストがモバイルアプリケーションをダウンロードしたときにゲストのモバイル機器上のログインプロセスがゲストにとってより速くなるように、ゲストにアカウントを作成するよう促し得る。ゲストによって作成されたアカウントは、図46の工程4410で説明された完全なアカウントと実質的に同様であり得る。
【0236】
4720で、ゲストのデータがゲストアカウントにリンクされる。例えば、ゲストがゲストのモバイル機器上でモバイルアプリケーションをダウンロードし、ユーザーのモバイル機器上に作成されたログイン資格情報を使用してモバイルアプリケーションにログインすると、モバイルアプリケーションは、ユーザーのスキャンデータが、ゲストのモバイル機器ではなくユーザーのモバイル機器にリンクされていると判定し得る。モバイルアプリケーションは次いで、ゲストに、ゲストのスキャンデータをゲストのモバイル機器にリンクするよう促し、それによってゲストのスキャンデータとユーザーのモバイル機器との間のリンクを排除し得る。
【0237】
図50を参照すると、いくつかの態様による、歯列矯正治療計画を生成するための方法4800の流れ図が示されている。4802で、画像処理に関する情報がユーザーに表示される。例えば、ユーザーがスキャンを完了し、スキャンが検証された後、モバイルアプリケーションはユーザーに、スキャン画像が処理されている間(例えば、画像がさらに検証され、次いで3D画像またはモデルに変換されている間)に期待すべきことに関するメッセージを提供し得る。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、画像処理工程にかかる時間(例えば、5分、10分、15分など)に関するメッセージを提供し得る。モバイルアプリケーションはまたユーザーに、ユーザーが歯列矯正治療キット(例えば、歯列矯正アライナー)を受け取ったときに何が起こるかを示すビデオも提供し得る。例えば、ビデオは、歯列矯正治療キットが郵便で届き、キットが箱から出され、ユーザーが治療計画に従って1つまたは複数のアライナーを挿入することを示し得る。いくつかの態様では、モバイルアプリケーションはユーザーに、支払い情報を入力して歯列矯正治療のための取引を完了するよう促し得る。
【0238】
4804で、スキャナーの手入れに関する情報が提供される。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、スキャン装置およびスキャン中に使用されたガイドをどのようにして洗浄するかに関する情報を提供し得る。損傷を防止するためにスキャン装置およびガイドをどのように保管するかに関する情報がユーザーに提供され得る。
【0239】
4806で、モバイルアプリケーションが、友人に勧めるためのオプションを提供する。例えば、画像処理工程中に、モバイルアプリケーションはユーザーに、ユーザーが治療を勧めたい1人または複数の友人の連絡先情報を入力するように促し得る。ユーザーが1人または複数の友人の連絡先情報を入力した後、治療に関する情報が治療提供者から1人または複数の友人に送られ、モバイルアプリケーションをダウンロードするためのリンクが提供される。友人が歯列矯正治療を希望し、モバイルアプリケーションをダウンロードすることにした場合、友人は、上述のように、スキャナーを購入してスキャンを行うよう指図される。
【0240】
4808で、スキャンが有効であるかどうかの判定が行われる。例えば、サーバーがスキャン画像から3Dモデルを作成しようと試みた後、サーバーは、スキャン画像がその目的で使用可能であるかそれとも使用不可能であるかを判定する。サーバーがスキャン画像から3Dモデルを作成できないと判定した場合、モバイルアプリケーションはユーザーに、4810でスキャンを取り直すよう促す。サーバーがスキャン画像から3Dモデルを作成できると判定した場合、モバイル機器はユーザーに、画像が許容可能であり、3Dモデルが作成されたことをユーザーに通知する確認メッセージを表示し得る。
【0241】
4812で、ユーザーの現在の3D笑顔が表示される。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、ユーザーのスキャンを表示する準備ができているというメッセージを表示し、スキャンを見るために押すボタンを提供し得る。ボタンを押すと、ユーザーのスキャンがモバイル機器に表示される。いくつかの態様では、ユーザーのスキャンは、ユーザーの歯の現在の形態の3Dモデルとして示される。ユーザーは、3Dモデルを操作(例えば、ズーム、パン、回転)して、様々な向きから3Dモデルを見ることができてもよい。
【0242】
4814で、ユーザーの治療計画が表示される。例えば、モバイルアプリケーションはユーザーに、ユーザーの治療計画を表示する準備ができているというメッセージを表示し、治療計画を見るために押すボタンを提供し得る。ボタンを押すと、ユーザーの治療計画がモバイル機器に表示される。いくつかの態様では、ユーザーの治療計画は、治療計画全体にわたるユーザーの歯の3Dモデルの推移として示される。ユーザーは、3Dモデルのより大きな画像を提供するために個々の3Dモデルのいずれかを選択することができ、ユーザーは、様々な向きから3Dモデルを見るためにその画像を操作(例えば、パン、ズーム、回転)し得る。例えば、ユーザーが、治療後のユーザーの最終的な歯の形態を表す、治療計画の最終工程の3Dモデルを見たい場合がある。ユーザーは、モバイル機器上でモデルを選択することによって最終3Dモデルを選択することができ、最終3Dモデルのより大きな画像がモバイル機器の画面に表示される。ユーザーは次いで、3Dモデルを操作して、ユーザーの歯の最終形態を様々な角度および向きから見ることができる。
【0243】
4816で、ユーザーが治療計画を購入するよう促される。例えば、ユーザーがプロセスの異なる時点で計画をまだ購入していない場合、モバイルアプリケーションはユーザーに、支払い情報を入力して治療計画を購入するよう促す。支払い情報を入力した後、ユーザーのスキャンデータは、ユーザーのアライナーを製造し、歯列矯正治療を開始するためにユーザーに送ることができるように、アライナー製造センター162に送られる。
【0244】
図51A図51Dを参照すると、いくつかの態様による、ユーザーエクスペリエンスの図が示されている。ユーザーがモバイルアプリケーションを介してスキャン装置を注文した後、ユーザーはスキャン装置を郵便で受け取る。スキャン装置は包装5102に入って届き、ユーザーは包装5102を開いて、スキャン装置5104、第1の第1のガイド5106、第2のガイド5108、および基部5110を露出させる。基部5110は、基部5110が差し込まれ、スキャン装置5104およびモバイル機器5118を充電するための電力を供給することができるように、充電装置5112(例えば、充電コード、プラグなど)を含む。基部5110はまた、充電装置5112が通って延びることができる開口部5114も含む。基部5110はまた、スキャン装置5104を受け入れるようなサイズおよび構成の凹部5116も含む。凹部5116は、充電装置5112と電気的に結合され、スキャン装置5104が凹部5116内にあるときにスキャン装置5104を充電できるようにスキャン装置上の電気コネクタと嵌合するように構成された電気接続部を含む。基部5110はまた、モバイル機器5118を受け入れるようなサイズおよび構成のスロット5120も含む。スロット5120もまた、充電装置5112と電気的に結合され、モバイル機器5118がスロット5120内にあるときにモバイル機器5118を充電できるようにモバイル機器上の電気コネクタと嵌合するように構成された電気接続部を含み得る。
【0245】
スキャン装置5104を使用するために、ユーザーは、包装5102から構成要素を取り外し、基部5110を電源に差し込む。ユーザーは、スキャン装置5104を第1のガイド5106または第2のガイド5108と組み立て、モバイル機器5118をスロット5120内に配置する。スロット5120は、図示のように、ユーザーがユーザーの歯をスキャンしているときにモバイル機器5118のディスプレイを見ることができるように配置されている。ユーザーがユーザーの歯をスキャンする際に、ユーザーはモバイル機器5118のディスプレイを追従して正確なスキャンを作成する。スキャンが完了した後、ユーザーは充電装置5112を開口部5114内に収納し、スキャン装置5104を凹部5116に配置する。ユーザーはまた、ユーザーが選択する場合には、モバイル機器5118をスロット5120内に置いたままにしてもよい。
【0246】
図52A図52Dを参照すると、いくつかの態様による、別のユーザーエクスペリエンスの図が示されている。ユーザーがモバイルアプリケーションを介してスキャン装置を注文した後、ユーザーはスキャン装置を郵便で受け取る。スキャン装置は包装5202に入って届き、ユーザーは包装5202を開いて、スキャン装置5204、第1のガイド5206、第2のガイド5208、および基部5210を露出させる。基部5210は、基部5210が差し込まれ、スキャン装置5204およびモバイル機器5218を充電するための電力を供給することができるように、充電装置5212(例えば、充電コード、プラグなど)を含む。充電装置5212はまた、基部5210が電源に差し込まれることなくモバイル機器5218およびスキャン装置5204を充電できるように、基部5210を充電するために使用され得る(例えば、基部5210は、充電式電池を含み得る)。基部5110はまた、スキャン装置5104を受け入れるようなサイズおよび構成の凹部5116も含む。基部5110はまた、モバイル機器5118を受け入れるようなサイズおよび構成のスロット5120も含む。スロット5120もまた、充電装置5112と電気的に結合され、モバイル機器5118がスロット5120内にあるときにモバイル機器5118を充電できるようにモバイル機器上の電気コネクタと嵌合するように構成された電気接続部を含み得る。
【0247】
スキャン装置5204を使用するために、ユーザーは、包装5202から構成要素を取り外し、基部5210を充電するために基部5210を電源に差し込む。基部5210が充電された後、固定装置5224(例えば、吸着カップ、接着ストリップなど)を使用して基部5210を滑らかな表面5222(例えば、壁、鏡、カウンタトップ)に結合することができる。ユーザーは、スキャン装置5204を第1のガイド5206または第2のガイド5208と組み立て、モバイル機器5218をスロット5220内に配置する。スロット5120は、図示のように、ユーザーがユーザーの歯をスキャンしているときにモバイル機器5218のディスプレイを見ることができるように配置されている。ユーザーがユーザーの歯をスキャンする際に、ユーザーはモバイル機器5218のディスプレイを追従して正確なスキャンを作成する。ユーザーはまた、スキャン中に滑らかな表面5222におけるスキャン装置5104および第1のガイド5206の配置を見ることもできる。スキャンが完了した後、ユーザーは充電装置5212を開口部5214内に収納し、スキャン装置5204を凹部5216に配置する。ユーザーはまた、ユーザーが選択する場合には、モバイル機器5218をスロット5220内に置いたままにしてもよい。
【0248】
図53A図53Dを参照すると、いくつかの態様による、さらに別のユーザーエクスペリエンスの図が示されている。ユーザーがモバイルアプリケーションを介してスキャン装置を注文した後、ユーザーはスキャン装置を郵便で受け取る。スキャン装置は包装5302に入って届き、ユーザーは包装5302を開いて基部5310および充電装置5312を露出させる。基部5310は、スキャン装置5304と、第1のガイド5306と、第2のガイド5308とを含み、充電装置5312は、基部5110が差し込まれ、スキャン装置5304およびモバイル機器5318を充電するための電力を供給することができるように、充電コード、プラグ、または他のそのような充電装置を含むことができる。基部5310はまた、スキャン装置5304を受け入れるようなサイズおよび構成の凹部5316も含む。凹部5316は、充電装置5312と電気的に結合され、スキャン装置5304が凹部5316内にあるときにスキャン装置5304を充電できるようにスキャン装置上の電気コネクタと嵌合するように構成された電気接続部を含む。基部5310はまた、モバイル機器5318を受け入れるようなサイズおよび構成のスロット5320も含む。スロット5320もまた、充電装置5312と電気的に結合され、モバイル機器5318がスロット5320内にあるときにモバイル機器5318を充電できるようにモバイル機器上の電気コネクタと嵌合するように構成された電気接続部を含み得る。
【0249】
スキャン装置5304を使用するために、ユーザーは、包装5302から構成要素を取り外し、基部5310を電源に差し込む。ユーザーは、スキャン装置5304を第1のガイド5306または第2のガイド5308と組み立て、モバイル機器5318をスロット5320内に配置する。スロット5320は、図示のように、ユーザーがユーザーの歯をスキャンしているときにモバイル機器5318のディスプレイを見ることができるように配置されている。ユーザーがユーザーの歯をスキャンする際に、ユーザーはモバイル機器5318のディスプレイを追従して正確なスキャンを作成する。スキャンが完了した後、ユーザーは充電装置5312を開口部5314内に収納し、スキャン装置5304を凹部5316に配置する。ユーザーはまた、ユーザーが選択する場合には、モバイル機器5318をスロット5320内に置いたままにしてもよい。
【0250】
図54を参照すると、いくつかの態様による、歯をスキャンするための別のスキャン装置5400の図が示されている。スキャン装置5400は、信頼できる結果を生成するためにスキャン中にユーザーに案内および安定性を提供するように構成されている。スキャン装置5400は、インサート5402とスキャン装置5420とを含む。インサート5402は、ユーザーの唇と係合し、ユーザーの唇を広げてユーザーの歯のスキャンを容易にするように構成されている。インサート5402は、中央部分5408と、第1の係合部分5404と、第2の係合部分5406とを含む。インサート5402は、インサート5402がある程度の弾性変形を受け、次いでその元の位置に戻ることを可能にするプラスチック材料から製造され得る。プラスチック材料の例には、ABS、ポリカーボネート、およびポリエチレンが含まれるが、これらに限定されない。第1の係合部分5404は、中央部分5408から一方向に延びており、第2の係合部分5406は、中央部分5408から第1の係合部分5404とは逆方向に延びている。インサート5402をユーザーの口の中に配置するために、ユーザーは、第1の係合部分5404と第2の係合部分5406とを、第1の係合部分5404と第2の係合部分5406との間の空間を狭めるように互いの方へ押し付け得る。ユーザーは次いで、第1の係合部分5404がユーザーの口の片側でユーザーの上唇および下唇の一部分と係合するように、インサート5402をユーザーの口に配置する。ユーザーはまた、第2の係合部分5406がユーザーの口の反対側のユーザーの上唇および下唇の一部分とも係合するように、インサート5402をユーザーの口に配置する。ユーザーがインサート5402にかかる力を緩めると、第1の係合部分5402および第2の係合部分5406は互いから離れ、それによってユーザーの唇を広げてスキャン装置5420により大きなアクセスを提供する。
【0251】
スキャン装置5420は、ハンドル5422と、延在部5424と、トラック5426と、第1の切り欠き5438と、第2の切り欠き5440と、スキャナー5428とを含む。スキャン装置5420は、ユーザーの歯のスキャンを容易にするのに適した任意の材料から製造され得る。適切な材料には、金属、プラスチック、および複合材料が含まれ得るが、これらに限定されない。ハンドル5422は、延在部5424に結合されており、スキャン装置5420をユーザーの口に挿入するときにユーザーが握るための表面を提供するように構成されている。延在部5424は、スキャナー5428が歯をスキャンできるようにユーザーの歯の上に配置することができる表面を提供する。トラック5426は、延在部5424に結合されており、スキャナー5428を受け入れ、スキャン中にスキャナー5428が移動することができる空間を提供するように構成されている。第1の切り欠き5438は、スキャン装置5420を適所に固定するために第1の係合部分5404と係合するように構成された、延在部5424に沿って配置された空間である。第2の切り欠き5440は、スキャン装置5420を適所に固定するために第2の係合部分5406と係合するように構成された、延在部5424に沿って配置された空間である。
【0252】
スキャナー5428は、第1のカメラ5430と、第2のカメラ5432と、上部5434と、基部5436とを含む。スキャナー5428はまた、プロジェクター(図示されず)、電源(図示されず)、およびモーター(図示されず)も含み得る。第1のカメラ5430および第2のカメラ5432は、第1のカメラ206および第2のカメラ208と実質的に同様であり得、ユーザーの歯を正確にスキャンするためにプロジェクターと通信し得る。第1のカメラ5430および第2のカメラ5432は、図示のように、スキャン装置5420がユーザーの上顎歯をスキャンできるように、上部5434に配置されている。上部5434は基部5436に結合されており、基部はトラック5426によって受け入れられるように構成されている。基部は、トラック5426に沿って配置されたスロットと係合するように構成された突出部を含み得る。スキャナー5428のモーターが作動されると、突出部は一方向に回転して、トラック5426の一端からトラック5426の他端までトラック5426に沿ってスキャナー5428を進ませ得る。
【0253】
スキャン装置5400を使用してユーザーの歯をスキャンするために、ユーザーはインサート5402をユーザーの口の中に配置し、次いでスキャン装置5420をインサート5402に結合する。ユーザーは次いで、モバイルアプリケーションと協働してスキャンを開始し得、モバイルアプリケーションは、スキャンを開始するためにスキャナー5428に信号を送信し得る。スキャナー5428は、ユーザーの上歯をスキャンするために所定の速度でトラックに沿って移動する。上歯のスキャンが完了すると、モバイルアプリケーションはユーザーに、スキャン装置5420を取り外し、スキャナーがユーザーの下歯に面するようにそれを回転させ、その向きでスキャン装置5420をインサート5402に結合するよう指示し得る。モバイル機器は、スキャンを開始するためにスキャナー5428に別の信号を送信し得、スキャナーは、ユーザーの下歯をスキャンするために所定の速度でトラックに沿って移動する。スキャンは次いで、本明細書で開示される装置5420のその他の態様に関して説明されたように、さらなる処理のためにモバイル機器およびサーバーに提供される。
【0254】
本明細書に記載されるスキャン装置(例えば、スキャン装置102、2600、2700、2800、2920、2950)は、ユーザーによって保持され、容易に運ばれるようなサイズである。例えば、本明細書に記載されるスキャン装置は、電動歯ブラシとほぼ同サイズである。いくつかの態様では、本明細書に記載されるスキャン装置は、約5インチ~12インチの長さである。いくつかの態様では、本明細書に記載されるスキャン装置は、約6インチ~10インチの長さである。いくつかの態様では、本明細書に記載されるスキャン装置の重量は0.25ポンド~3ポンドである。いくつかの態様では、本明細書に記載されるスキャン装置は、1ポンド~2ポンドである。
【0255】
さらに、本明細書に記載されるスキャン装置は、追加の大型装置(例えば、装置を移動させるためにカートまたは他の輸送装置を必要とする装置)に繋がれることなくスキャンを行うように構成されている。いくつかの態様では、本明細書に記載されるスキャン装置は、他のシステムまたは装置への有線テザーなしでスキャンを行うように構成されており、スキャンシステムの他の構成要素(例えば、モバイル機器)に無線で結合されながらスキャンを行うことができる。いくつかの態様では、本明細書に記載されるスキャン装置は、線でモバイル機器に繋がれながらスキャンを行うように構成されている。
【0256】
さらに、本明細書に記載されるスキャン装置は、歯のスキャンを行う効率的で安価な方法を提供する。本明細書に記載されるスキャン装置を用いて行われるスキャン操作は、歯科専門家や歯列矯正専門家ではないユーザーが実行することができる。本明細書に記載されるスキャン装置によって生成されたデータは、様々な目的(例えば、歯科診断および/または治療および/または検査、歯列矯正治療計画または中間修正、歯列矯正アライナー製造、歯列矯正検査など)で様々なエンティティ(例えば、歯科専門家または歯列矯正専門家、歯列矯正アライナーを製造するための製造私設など)に提供することができる。
【0257】
様々な例示的な態様に示されているシステム、装置、および方法の構成および配置は単なる例示であることに留意することが重要である。加えて、一態様に開示される任意の要素は、本明細書に開示される任意の他の態様にも組み込まれ得るか、または利用され得る。例えば、本出願に記載される例示的な態様のいずれかを、本出願に記載されるその他の例示的な態様のいずれかに組み込むことができる。別の態様に組み込むか、または利用することができる1つの態様からの要素の1つの例のみを上述したが、様々な態様の他の要素が本明細書に開示されるその他の態様のいずれかに組み込まれてもよく、または利用されてもよいことを理解されたい。
【0258】
図および説明は、方法工程の特定の順序を示している場合があるが、そのような工程の順序は、上記で特に指定されていない限り、図示および説明されているものと異なり得る。また、上記で特に指定されていない限り、2つ以上の工程が同時にまたは部分的に同時に行われてもよい。そのような変形は、例えば、選択されたソフトウェアおよびハードウェアシステムならびに設計者の選択に依存し得る。そのような変形はすべて、本開示の範囲内である。同様に、記載の方法のソフトウェア実装形態を、様々な接続工程、処理工程、比較工程、および判断工程を実現する規則ベースの論理および他の論理を用いた標準的なプログラミング技術を用いて実現することもできる。
【0259】
本明細書における要素の位置(例えば、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上方(above)」、「下方(below)」)への言及は、図中の様々な要素の向きを説明するために使用されているにすぎない。様々な要素の向きは、他の例示的な態様によれば異なる場合もあり、そのような変形は本開示に包含されることが意図されていることに留意されたい。
【0260】
「または」という用語は、本明細書で使用される場合、要素のリストを接続するために使用されるときに、「または」という用語がリスト内の要素のうちの1つ、いくつか、またはすべてを意味するように、(排他的な意味ではなく)包含的な意味で使用される。「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という句などの連言的言い回しは、特に明記されない限り、要素が、X、Y、Zのいずれか、XおよびY、XおよびZ、YおよびZ、またはX、Y、およびZ(すなわち、X、Y、およびZの任意の組み合わせ)であり得ることを伝えると理解される。よって、そのような連言的な言い回しは、別段の指示がない限り、一般に、特定の態様がXのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在することを必要とすることを示唆することを意図されたものではない。
【0261】
「結合された」という用語およびその変形は、本明細書で使用される場合、2つの部材を互いに直接的または間接的に結び合わせることを意味する。そのような結合は、固定式(例えば、恒久的もしくは固定的)または可動式(例えば、取り外し可能もしくは解放可能)であり得る。そのような結合は、互いに直接結合された2つの部材によって、別個の介在部材および相互に結合された任意の追加の中間部材を使用して互いに結合された2つの部材によって、または2つの部材のうちの1つと単一の単体として一体形成された介在部材を使用して互いに結合された2つの部材よって実現され得る。「結合された」またはその変形が追加の用語によって修飾される場合(例えば、直接結合された)、上記で与えられた「結合された」の一般的な定義は、追加の用語の明白な言語の意味によって修正され(例えば、「直接結合された」とは、別個の介在部材なしでの2つの部材の結合を意味する)、上記で与えられた「結合された」の一般的な定義よりも狭い定義をもたらす。そのような結合は、機械的、電気的、または流体的であり得る。
【0262】
本明細書で利用される場合、「実質的に」という用語および同様の用語は、本開示の主題が関係する技術分野の当業者による一般的な許容される使用と調和した広い意味を有することを意図されている。本開示を考察する当業者には、これらの用語が、記載され、特許請求される特定の特徴の説明を、これらの特徴の範囲を提供される正確な数値範囲に限定することなく可能にすることを意図されていることが理解されるはずである。したがって、これらの用語は、記載され、特許請求される主題の非実質的な、または重要ではない修正または変更が、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲内にあるとみなされるべきであることを示すものとして解釈されるべきである。
【0263】
本明細書に開示された態様に関連して説明された様々なプロセス、動作、例示的な論理、論理ブロック、モジュールおよび回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理構成要素は、汎用のシングルチップもしくはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書に記載される機能を行うように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラー、もしくは状態機械であり得る。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併用される1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成など、コンピューティングデバイスの組み合わせとして実装されてもよい。いくつかの態様では、特定のプロセスおよび方法は、所与の機能に固有の回路によって行われ得る。メモリ(例えば、メモリ、メモリユニット、記憶装置)は、本開示に記載される様々なプロセス、層、およびモジュールを完了し、または容易にするためのデータおよび/またはコンピューターコードを格納するための1つまたは複数のデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置)を含み得る。メモリは、揮発性メモリもしくは不揮発性メモリであり得るか、またはそれらを含み得、データベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、または本開示に記載される様々なアクティビティおよび情報構造をサポートするための任意の他のタイプの情報構造を含み得る。例示的な態様によれば、メモリは、処理回路を介してプロセッサに通信可能に接続され、本明細書に記載される1つまたは複数のプロセスを(例えば、処理回路またはプロセッサによって)実行するためのコンピューターコードを含む。
【0264】
本開示は、様々な動作を達成するための方法、システム、および任意の機械可読媒体上のプログラム製品を企図している。本開示の態様は、既存のコンピュータープロセッサを使用して、またはこの目的もしくは別の目的のために組み込まれた適切なシステム用の専用コンピュータープロセッサによって、またはハードワイヤードシステムによって実装され得る。本開示の範囲内の態様は、機械実行可能命令またはデータ構造を搬送または格納するための機械可読媒体を含むプログラム製品を含む。そのような機械可読媒体は、汎用または専用のコンピューターまたはプロセッサを有する他の機械がアクセスすることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。例として、そのような機械可読媒体には、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、もしくは他の光ディスク記憶、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶装置、または機械実行可能命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを搬送もしくは格納するために使用することができ、汎用もしくは専用のコンピューターもしくはプロセッサを有する他の機械がアクセスすることができる任意の他の媒体が含まれ得る。上記の組み合わせも、機械可読媒体の範囲内に含まれる。機械実行可能命令は、例えば、汎用コンピューター、専用コンピューター、または専用処理機に特定の機能または機能グループを実行させる命令およびデータを含む。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11
図12
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図15
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図26A
図26B
図26C
図27A
図27B
図27C
図28A
図28B
図28C
図29A
図29B
図30A
図30B
図31
図32
図33
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図35
図36A
図36B
図37
図38A
図38B
図39
図40A
図40B
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図42A
図42B
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図54