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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】固体撮像素子及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20230925BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20230925BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20230925BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20230925BHJP
   H04N 25/74 20230101ALI20230925BHJP
   H10K 39/32 20230101ALI20230925BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 E
H01L21/88 J
H01L21/88 Z
H04N25/74
H10K39/32
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022014697
(22)【出願日】2022-02-02
(62)【分割の表示】P 2018554888の分割
【原出願日】2017-11-14
(65)【公開番号】P2022058832
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2016239152
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】河合 信宏
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-009207(JP,A)
【文献】特開2015-177323(JP,A)
【文献】国際公開第2013/179597(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/006052(WO,A1)
【文献】特開2016-111425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H10K 39/32
H01L 21/3205
H04N 25/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素内に、光電変換部で光電変換された電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷蓄積部に対して選択的にリセット電圧を与えるリセットトランジスタ、前記電荷蓄積部にゲート電極が電気的に接続された増幅トランジスタ、及び、前記増幅トランジスタに対して直列に接続された選択トランジスタが配置されて成り、
前記電荷蓄積部と前記増幅トランジスタのゲート電極との間を電気的に接続する第1の配線、
前記第1の配線に沿って形成された第2の配線、及び、
前記増幅トランジスタの第1の拡散層と前記選択トランジスタの第2の拡散層との間を電気的に接続する第3の配線、
を備え、
前記第2の配線は、前記増幅トランジスタの第1の拡散層に接続される
固体撮像素子。
【請求項2】
前記第1の拡散層は、前記増幅トランジスタのソースであり、前記第2の拡散層は、前記選択トランジスタのドレインである、
または、
前記第1の拡散層は、前記増幅トランジスタのドレインであり、前記第2の拡散層は、前記選択トランジスタのソースである、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記電荷蓄積部が正孔を蓄積するとき、前記リセット電圧はGNDレベルである、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記電荷蓄積部が電子を蓄積するとき、前記リセット電圧は電源電圧又は電源電圧よりも電圧値が高い昇圧電圧である、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記第1の配線及び前記第2の配線は、異なる配線層に並行して形成されている、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記第1の配線及び前記第2の配線は、同じ配線層に並行して形成されている、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記第1の配線、前記第2の配線及び前記第3の配線のいずれか1つの配線は、他の配線と異なる配線材料から成る、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記光電変換部は、有機光電変換膜を有する、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
画素が形成される半導体基板内において、少なくとも2つの光電変換領域が光入射方向に積層されている、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
画素は、裏面照射型の画素構造を有する、
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項11】
画素内に、光電変換部で光電変換された電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷蓄積部に対して選択的にリセット電圧を与えるリセットトランジスタ、前記電荷蓄積部にゲート電極が電気的に接続された増幅トランジスタ、及び、前記増幅トランジスタに対して直列に接続された選択トランジスタが配置されて成り、
前記電荷蓄積部と前記増幅トランジスタのゲート電極との間を電気的に接続する第1の配線、
前記第1の配線に沿って形成された第2の配線、及び、
前記増幅トランジスタの第1の拡散層と前記選択トランジスタの第2の拡散層との間を電気的に接続する第3の配線、
を備え、
前記第2の配線は、前記増幅トランジスタの第1の拡散層に接続される
固体撮像素子を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像素子及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子の一例であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサにおいて、フローティングディフュージョン部(以下、「FD部」と記述する)のリセット後にリセットパルスを非アクティブ状態に戻す際に、FD部がフローティング状態になっている。そのため、容量カップリングに応じたフィードスルーが、FD部の電圧を降下させる。
【0003】
また、リセットパルスを非アクティブ状態に戻す際に、リセットトランジスタのチャネル内に存在する電子がFD部に注入されるチャージインジェクションも発生し、同様にFD部の電圧(以下、「FD電圧」と記述する)を降下させる。FD電圧が下がると、光電変換部からの電子の読出しを悪化させるため、FD電圧の降下分を考慮した画素設計が必要となっている。
【0004】
FD電圧の降下分を考慮した画素設計として、画素内の配線の引き回しを工夫し、配線の電位変化に伴うカップリングを利用することが考えられる。従来、画素内の配線の引き回しを工夫した技術として、FD配線よりも下層にシールド配線を形成し、当該シールド配線をソースフォロワ増幅器の出力端に導通接続した技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2012-502469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般的なCMOSイメージセンサでは、FD部のリセット後に電圧降下の影響を受けるのは、リセットパルスのフィードスルーとリセットトランジスタにおけるチャージインジェクションのみであることと、FD部に信号電荷が滞留するのは数μ秒であることから、接合リークなど電界性の暗電流の影響を受けにくい。
【0007】
一方で、電荷蓄積部を空乏化できない場合、例えば光電変換部に有機光電変換膜を用いてそれに付随する電極の片方をFD部に接続する場合は、FD部に信号電荷を蓄積する必要があるため、信号電荷を蓄積すると同時にFD部の暗電流も蓄積することになる。また、有機膜を用いる構成においては、蓄積前後の信号のCDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)処理の時間間隔が信号の蓄積時間と等しくなるため、蓄積前のレベルを読み出した後に選択パルスを非アクティブ状態にして長時間の蓄積フェーズに入る。
【0008】
ところで、FD部に信号電荷を蓄積する場合に暗電流を低減させるために、FD部をGNDでリセットすることができる。これにより、暗時におけるFD部の電圧と半導体基板との電圧差がなくなり、電界が弱くなることで暗電流を低減することができる。しかし、上述のリセットパルスによるフィードスルー及びリセットトランジスタにおけるチャネルチャージインジェクションに加えて、選択パルスによるフィードスルーはいずれもFD電圧を降下させるため、FD部と半導体基板との電圧差を生じさせ、その電界によりFD部の暗電流は増加する。これらフィードスルー及びチャネルチャージインジェクションの影響を回避するには、フィードスルー量を見越してリセット電圧を調整することが考えられるが、バイアス電圧や電源数が増えるなどのコスト増や消費電力増の影響がある。
【0009】
先述した特許文献1に記載の従来技術によれば、ソースフォロワ増幅器の出力でバイアスされているシールド配線により、FD配線を遮蔽することにより、電圧電荷変換比を上昇できる。しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、リセットパルスによるフィードスルー、リセットトランジスタにおけるチャネルチャージインジェクション、及び、選択パルスによるフィードスルーの影響を回避することについては考慮されていない。
【0010】
本開示は、リセットパルスによるフィードスルー、リセットトランジスタにおけるチャネルチャージインジェクション、及び、選択パルスによるフィードスルーの影響を回避することができる固体撮像素子及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本開示の固体撮像素子は、
画素内に、光電変換部で光電変換された電荷を蓄積する電荷蓄積部、前記電荷蓄積部に対して選択的にリセット電圧を与えるリセットトランジスタ、前記電荷蓄積部にゲート電極が電気的に接続された増幅トランジスタ、及び、前記増幅トランジスタに対して直列に接続された選択トランジスタが配置されて成り、
前記電荷蓄積部と前記増幅トランジスタのゲート電極との間を電気的に接続する第1の配線、
前記第1の配線に沿って形成された第2の配線、及び、
前記増幅トランジスタの第1の拡散層と前記選択トランジスタの第2の拡散層との間を電気的に接続する第3の配線、
を備え
前記第2の配線は、前記増幅トランジスタの第1の拡散層に接続される。また、上記の目的を達成するための本開示の電子機器は、上記の構成の固体撮像素子を有する。
【0012】
上記の構成の固体撮像素子あるいは当該固体撮像素子を有する電子機器において、第2の配線が増幅トランジスタの第1の拡散層に接続され、第1の配線に沿って形成されていることで、第1の配線と第2の配線との間の寄生容量を介しての容量カップリングを増やすことができる。そして第1の配線と第2の配線との間の容量カップリングによってFD電圧を昇圧し、電荷蓄積部の電圧を適正値に調整することができる。また、増幅トランジスタと選択トランジスタとの間を、拡散層を共有することによって接続するのではなく、第3の配線で接続していることで、選択トランジスタのレイアウトの自由度が上がる。そして、選択トランジスタを電荷蓄積部から離れた位置に配置することで、拡散層を共有する場合に比べて、選択パルスによるフィードスルーの影響による電荷蓄積部の電圧降下を抑えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、リセットパルスによるフィードスルー、リセットトランジスタにおけるチャネルチャージインジェクション、及び、選択パルスによるフィードスルーの影響を回避できるため、電荷蓄積部の電圧を適正値に調整できる。
【0014】
尚、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、これに限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本開示の技術が適用される固体撮像素子の基本的な構成を示すシステム構成図である。
図2図2A及び図2Bは、光電変換部に有機光電変換膜を用いる画素の回路構成例を示す回路図である。
図3図3は、一般的なCMOSイメージセンサの画素駆動のタイミング関係を示すタイミング波形図である。
図4図4は、光電変換部に有機光電変換膜を用いてFD部に電荷を蓄積する場合の画素駆動のタイミング関係を示すタイミング波形図である。
図5図5A及び図5Bは、フローティングディフュージョン部の電圧を降下させる要因及び昇圧させる作用について説明する図である。
図6図6Aは、実施例1に係る配線構造の概略を示す平面パターン図であり、図6Bは、図6AのA-A線に沿った矢視断面図である。
図7図7Aは、実施例2に係る配線構造の概略を示す平面パターン図であり、図7Bは、図7AのB-B線に沿った矢視断面図である。
図8図8Aは、実施例3に係る配線構造の概略を示す平面パターン図であり、図8Bは、図8AのC-C線に沿った矢視断面図である。
図9図9は、縦方向分光型の画素構造の一例を示す断面図である。
図10図10は、本開示の電子機器の一例である撮像装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本開示の技術は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の材料などは例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.本開示の固体撮像素子、信号処理回路、及び、電子機器、全般に関する説明
2.本開示の技術が適用される固体撮像素子
2-1.基本的なシステム構成
2-2.画素回路(光電変換部に有機光電変換膜を用いる例)
2-3.フローティングディフュージョン部の電圧降下について
3.本開示の実施形態
3-1.実施例1(第1の配線と第2の配線とを異なる層に重ねて配置した例)
3-2.実施例2(第1の配線と第2の配線とを同じ層に並行して配置した例)
3-3.実施例3(第1の配線と第2の配線とを異なる層に並行して配置した例)
3-4.実施例4(第1の配線、第2の配線及び第3の配線の配線材料の例)
4.縦方向分光型の画素構造
5.本開示の電子機器(撮像装置の例)
6.本開示がとることができる構成
【0017】
<本開示の固体撮像素子及び電子機器、全般に関する説明>
本開示の固体撮像素子及び電子機器にあっては、電荷蓄積部が正孔を蓄積するとき、リセット電圧がGNDレベルである、あるいは又、電荷蓄積部が電子を蓄積するとき、リセット電圧が電源電圧又は電源電圧よりも電圧値が高い昇圧電圧である構成とすることができる。
【0018】
上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子及び電子機器にあっては、第1の配線及び第2の配線について、異なる配線層に並行して形成されている、あるいは又、同じ配線層に並行して形成されている構成とすることができる。また、第1の配線、第2の配線及び第3の配線のいずれか1つの配線が、他の配線と異なる配線材料から成る構成とすることができる。
【0019】
更に、上述した好ましい構成を含む本開示の固体撮像素子及び電子機器にあっては、画素が形成される半導体基板内において、少なくとも2つの光電変換領域が光入射方向に積層されている、所謂、縦方向分光型の画素構造とすることができる。また、当該画素構造について、裏面照射型の画素構造を有する構成とすることができる。
【0020】
<本開示の技術が適用される固体撮像素子>
本開示の技術が適用される固体撮像素子について、図1を用いて説明する。図1は、本開示の技術が適用される固体撮像素子の基本的な構成を示すシステム構成図である。ここでは、本適用例に係る固体撮像素子として、X-Yアドレス方式の固体撮像素子の一種であるCMOSイメージセンサを例に挙げて説明することとする。
【0021】
[基本的なシステム構成]
本適用例に係る固体撮像素子10は、図示せぬ半導体基板(半導体チップ)上に形成された画素アレイ部11と、当該画素アレイ部11と同じ半導体基板上に集積された周辺回路部とを有する構成となっている。周辺回路部は、例えば、垂直駆動部12、カラム処理部13、水平駆動部14、及び、システム制御部15から構成されている。
【0022】
固体撮像素子10は更に、信号処理部18及びデータ格納部19を備えている。信号処理部18及びデータ格納部19については、固体撮像素子10と同じ基板上に搭載しても構わないし、固体撮像素子10とは別の基板上に配置するようにしても構わない。また、信号処理部18及びデータ格納部19の各処理については、固体撮像素子10とは別の基板に設けられる外部信号処理部、例えば、DSP(Digital Signal Processor)回路やソフトウェアによる処理でも構わない。
【0023】
画素アレイ部11は、光電変換を行うことで、受光した入射光の光量に応じた光電荷を生成し、かつ、蓄積する光電変換部を含む画素(単位画素)20が行方向及び列方向に、即ち、行列状に2次元配置された構成となっている。ここで、行方向とは画素行の画素の配列方向(即ち、水平方向)を言い、列方向とは画素列の画素の配列方向(即ち、垂直方向)を言う。
【0024】
画素アレイ部11において、行列状の画素配列に対して、画素行毎に画素駆動線16(161~16m)が行方向に沿って配線され、画素列毎に垂直信号線17(171~17n)が列方向に沿って配線されている。画素駆動線16は、画素20を駆動する際に、垂直駆動部12から出力される駆動信号を伝送する。図1では、画素駆動線16について1本の配線として示しているが、1本に限られるものではない。画素駆動線16の一端は、垂直駆動部12の各行に対応した出力端に接続されている。
【0025】
垂直駆動部12は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部11の各画素20を全画素同時あるいは行単位等で駆動する。すなわち、垂直駆動部12は、当該垂直駆動部12を制御するシステム制御部15と共に、画素アレイ部11の各画素20を駆動する駆動部を構成している。この垂直駆動部12はその具体的な構成については図示を省略するが、一般的に、読出し走査系と掃出し走査系の2つの走査系を有する構成となっている。
【0026】
読出し走査系は、画素20から信号を読み出すために、画素アレイ部11の画素20を行単位で順に選択走査する。画素20から読み出される信号はアナログ信号である。掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対し、その読出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行して掃出し走査を行う。
【0027】
この掃出し走査系による掃出し走査により、読出し行の画素20の光電変換部から不要な電荷が掃き出されることによって当該光電変換部がリセットされる。そして、この掃出し走査系による不要電荷の掃き出す(リセットする)ことにより、所謂電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換部の光電荷を捨てて、新たに露光を開始する(光電荷の蓄積を開始する)動作のことを言う。
【0028】
読出し走査系による読出し動作によって読み出される信号は、その直前の読出し動作または電子シャッタ動作以降に受光した光量に対応するものである。そして、直前の読出し動作による読出しタイミングまたは電子シャッタ動作による掃出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、画素20における光電荷の露光期間となる。
【0029】
垂直駆動部12によって選択走査された画素行の各画素20から出力される信号は、画素列毎に垂直信号線17の各々を通してカラム処理部13に入力される。カラム処理部13は、画素アレイ部11の画素列毎に、選択行の各画素20から垂直信号線17を通して出力される信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持する。
【0030】
具体的には、カラム処理部13は、信号処理として少なくとも、ノイズ除去処理、例えばCDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)処理や、DDS(Double Data Sampling)処理を行う。例えば、CDS処理により、リセットノイズや画素20内の増幅トランジスタの閾値ばらつき等の画素固有の固定パターンノイズが除去される。カラム処理部13にノイズ除去処理以外に、例えば、AD(アナログ-デジタル)変換機能を持たせ、アナログの画素信号をデジタル信号に変換して出力することも可能である。
【0031】
水平駆動部14は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、カラム処理部13の画素列に対応する単位回路を順番に選択する。この水平駆動部14による選択走査により、カラム処理部13において単位回路毎に信号処理された画素信号が順番に出力される。
【0032】
システム制御部15は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータなどによって構成され、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミングを基に、垂直駆動部12、カラム処理部13、及び、水平駆動部14などの駆動制御を行う。
【0033】
信号処理部18は、少なくとも演算処理機能を有し、カラム処理部13から出力される画素信号に対して演算処理等の種々の信号処理を行う。信号処理部18は、本開示の信号処理回路の一例であり、その詳細については後述する。データ格納部19は、信号処理部18での信号処理に当たって、その処理に必要なデータを一時的に格納する。
【0034】
尚、上記のシステム構成は、一例であって、これに限られるものではない。例えば、データ格納部19をカラム処理部13の後段に配置し、カラム処理部13から出力される画素信号を、データ格納部19を経由して信号処理部18に供給するシステム構成であってもよい。あるいは又、画素アレイ部11の列毎あるいは複数の列毎にAD変換するAD変換機能をカラム処理部13に持たせるとともに、当該カラム処理部13に対してデータ格納部19及び信号処理部18を並列的に設けるシステム構成であってもよい。
【0035】
本開示の技術が適用される固体撮像素子10は、その構造として、カラム処理部13、信号処理部18、データ格納部19等の構成要素を画素アレイ部11と共に、同一の半導体基板上に搭載する、所謂、平置構造を採ることができる。あるいは又、カラム処理部13、信号処理部18、データ格納部19等の構成要素を、画素アレイ部11が搭載された半導体基板と異なる、他の1つ以上の半導体基板に分散して搭載し、これらの半導体基板を積層した、所謂、積層構造を採ることができる。
【0036】
また、画素構造として、裏面照射型の画素構造を採ることができるし、表面照射型の画素構造を採ることができる。ここで、「裏面照射型の画素構造」とは、半導体基板の配線層が形成される側の面を基板表面とするとき、その反対側の面、即ち基板裏面側(半導体基板の裏側)から入射光を取り込む(光が照射される)画素構造を言う。逆に、「表面照射型の画素構造」とは、基板表面側から入射光を取り込む(光が照射される)画素構造を言う。
【0037】
[画素回路]
ここでは、画素20として、光電変換部に有機光電変換膜を用いる画素回路を例に挙げて説明する。図2A及び図2Bは、光電変換部に有機光電変換膜を用いる画素20の回路構成例を示す回路図である。本構成例に係る画素20は、光電変換部21に加えて、例えば、リセットトランジスタ22、増幅トランジスタ23、及び、選択トランジスタ24を有する構成となっている。
【0038】
ここでは、リセットトランジスタ22、増幅トランジスタ23、及び、選択トランジスタ24として、例えばNチャネルのMOSトランジスタを用いている。但し、ここで例示したリセットトランジスタ22、増幅トランジスタ23、及び、選択トランジスタ24の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
【0039】
光電変換部21は、有機光電変換膜211を有している。有機光電変換膜211は、上部電極212と下部電極213とによって挟まれた状態で設けられている。この光電変換部21において、少なくとも下部電極213は画素毎に分割されている。下部電極213は、FD部(フローティングディフュージョン部)25に電気的に接続されている。FD部25は、電荷を蓄積し、この蓄積した電荷を電圧に変換する電荷蓄積部/電荷電圧変換部である。上部電極212には、バイアス電源26によってバイアス電圧が印加されている。
【0040】
リセットトランジスタ22は、一方のソース/ドレイン電極が例えばGND(グランド/接地)に接続され、他方のソース/ドレイン電極がFD部25に接続されている。リセットトランジスタ22のゲート電極には、高レベルがアクティブ状態となるリセットパルスRSTが図1に示す垂直駆動部12から与えられる。リセットトランジスタ22は、リセットパルスRSTに応答して導通状態となり、FD部25の電荷をGNDに捨てることによって当該FD部25をリセットする。
【0041】
増幅トランジスタ23は、ゲート電極がFD部25に接続され、一方のソース/ドレイン電極が画素電源VAMP(例えば、電源電圧VDDの電源線)に接続されている。この増幅トランジスタ23は、光電変換部21での光電変換によって得られる信号を読み出すソースフォロワの入力部となる。すなわち、増幅トランジスタ23は、他方のソース/ドレイン電極が選択トランジスタ24を介して垂直信号線17に接続されることで、当該垂直信号線17の一端に接続される電流源(図示せず)とソースフォロワを構成する。
【0042】
選択トランジスタ24は、画素電源VAMPと垂直信号線17との間において、増幅トランジスタ23に対して直列に接続されている。具体的には、選択トランジスタ24は、例えば、一方のソース/ドレイン電極が増幅トランジスタ23の他方のソース/ドレイン電極に接続され、他方のソース/ドレイン電極が垂直信号線17に接続されている。選択トランジスタ24のゲート電極には、高レベルがアクティブ状態となる選択パルスSELが垂直駆動部12から与えられる。選択トランジスタ24は、選択パルスSELに応答して導通状態となることで、画素20を選択状態として増幅トランジスタ23から出力される信号を垂直信号線17に中継する。
【0043】
上記の構成の画素20において、光電変換部21の有機光電変換膜211で光電変換された電荷はFD部25に蓄積される。ここで、バイアス電源26から上部電極212に印加されるバイアス電圧の極性によって、FD部25に蓄積される電荷が電子となる場合もあれば正孔となる場合もある。
【0044】
具体的には、図2Aに示すように、バイアス電源26によって上部電極212に与えられるバイアス電圧の極性が正極性の場合には、有機光電変換膜211で発生した電荷のうち、正孔が下部電極213に移動し、FD部25に蓄積され、電子が上部電極212に移動する。この場合、正孔が蓄積されたFD部25をリセットするには、図2Aに示すように、リセットトランジスタ22によってFD部25をリセットする際のリセット電圧VrstをGNDレベルに設定することになる。
【0045】
逆に、図2Bに示すように、バイアス電源26によって上部電極212に与えられるバイアス電圧の極性が負極性の場合には、有機光電変換膜211で発生した電荷のうち、電子が下部電極213に移動し、FD部25に蓄積され、正孔が上部電極212に移動する。この場合、電子が蓄積されたFD部25をリセットするには、図2Bに示すように、リセットトランジスタ22によってFD部25をリセットする際のリセット電圧Vrstを電源電圧VDD(又は、電源電圧VDDよりも電圧値が高い昇圧電圧)に設定することになる。
【0046】
[FD部の電圧降下について]
ここで、FD部25の電圧(FD電圧)の降下について説明する。まず、光電変換部としてフォトダイオードを用いる一般的なCMOSイメージセンサの場合について、図3を参照して説明する。図3は、一般的なCMOSイメージセンサの画素駆動のタイミング関係を示すタイミング波形図である。
【0047】
図3のタイミング波形図において、READは、フォトダイオードから電荷を読み出す読出しトランジスタ(転送トランジスタ)を駆動する読出しパルスである。そして、時刻t11でFD部25のリセット後の信号の読出しが行われ、時刻t12でフォトダイオードからFD部25に電荷を読み出した後の信号の読出しが行われる。
【0048】
一般的なCMOSイメージセンサにおいて、FD部25のリセット後にリセットパルスRSTが非アクティブ状態(本例では、低レベル状態)に遷移する際に、FD部25がフローティング状態になっているため、容量カップリングに応じたフィードスルーが、FD部25の電圧を降下させる。
【0049】
また、リセットパルスRSTを非アクティブ状態に戻す際に、リセットトランジスタ22のチャネル内に存在する電子がFD部25に注入されるチャージインジェクションも発生し、同様にFD電圧を降下させる。図3のタイミング波形図において、(A)が、リセットパルスRSTのフィードスルー及びリセットトランジスタ22におけるチャージインジェクションの影響でFD電圧が降下する様子を示している。FD電圧が下がると、フォトダイオードからの電子の読出しを悪化させる。
【0050】
上述したように、一般的なCMOSイメージセンサでは、FD部25のリセット後に電圧降下の影響を受けるのは、リセットパルスRSTのフィードスルー及びリセットトランジスタ22におけるチャージインジェクションのみである。また、一般的なCMOSイメージセンサでは、FD部25に信号電荷が滞留するのは数μ秒であることから、接合リークなど電界性の暗電流の影響を受けにくく、暗電流の視点からはフィードスルー及びチャージインジェクション後のFD電圧をある特定の電圧に合わせ込む要求は低い。
【0051】
次に、電荷蓄積部を空乏化できない場合、例えば光電変換部21に有機光電変換膜211を用いてFD部25に電荷を蓄積する図2A及び図2Bに示す画素構成の場合のFD部25の電圧降下について、図4を参照して説明する。図4は、光電変換部21に有機光電変換膜211を用いてFD部25に電荷を蓄積する場合の画素駆動のタイミング関係を示すタイミング波形図である。
【0052】
光電変換部21に有機光電変換膜211を用いてFD部25に信号電荷を蓄積する構成では、信号電荷を蓄積すると同時にFD部25の暗電流も蓄積することになるために、特にFD部25の電界を弱める必要がある。FD部25の電界を弱める手法の一つとして、図2Aに示すように、FD部をGND(グランド/接地)レベルでリセットして蓄積電荷を正孔とすることが挙げられる。これにより、特に暗時におけるFD部25の電界を弱めることができる。
【0053】
しかしながら、上述したリセットパルスRSTのフィードスルー及びリセットトランジスタ22におけるチャージインジェクションにより、FD電圧がGNDレベルから降下することによって電界が生じるために、FD部25の暗電流を増加させる。また、有機光電変換膜211を用いてFD部25に信号電荷を蓄積する構成においては、図4のタイミング波形図に示すように、電荷蓄積前後の信号のCDS処理の時間間隔(t22-t21の間隔)が信号の蓄積時間と等しくなる。
【0054】
ここで、時刻t21は、FD部25のリセット後の信号(リセットレベル)の読出しを行うタイミングであり、時刻t22は、FD部25に蓄積された電荷を読み出した後の信号(信号レベル)の読出しを行うタイミングである。また、CDS処理は、画素20から出力されるリセットレベルと信号レベルとを取り込み、これらのレベルの差を取ることによって画素20のリセットノイズを除去する処理(ノイズ除去処理)である。
【0055】
このように、有機光電変換膜211を用いてFD部25に信号電荷を蓄積する構成の場合、CDS処理の時間間隔が信号の蓄積時間と等しくなるため、図4のタイミング波形図に示すように、蓄積前のリセットレベルを読み出した後に選択パルスSELを非アクティブ状態(本例では、低レベル状態)にして長時間の蓄積フェーズ(蓄積期間)に入る。
【0056】
これにより、有機光電変換膜211を用いてFD部25に信号電荷を蓄積する構成の場合、上述のリセットパルスRSTによるフィードスルー及びリセットトランジスタ22におけるチャネルチャージインジェクションに加えて、選択パルスSELによるフィードスルーが影響することになる。これらはいずれもFD電圧を降下させるため、FD部25の暗電流の影響はより一層深刻となる。
【0057】
図4のタイミング波形図において、(A)が、リセットパルスRSTのフィードスルー及びリセットトランジスタ22におけるチャージインジェクションの影響でFD電圧が降下することを示している。また、(B)が、選択パルスSELによるフィードスルーの影響でFD電圧が更に降下することを示している。これらの影響を回避するには、フィードスルー量を見越してリセット電圧Vrstの電圧値を調整することが考えられるが、バイアス電圧や電源数が増えるなどのコスト増や消費電力増の影響がある。
【0058】
<本開示の実施形態>
そこで、本開示の実施形態では、選択パルスSELが非アクティブ状態になった後の時点で、FD電圧が降下していることが問題であったのに対して、FD電圧を昇圧させる効果を積極的に利用するようにする。具体的には、電荷蓄積部であるFD部25と増幅トランジスタ23のゲート電極との間を電気的に接続する第1の配線の近傍に、当該第1の配線に沿って第2の配線を形成する。そして、第2の配線を増幅トランジスタ23及び選択トランジスタ24の共通接続ノード(増幅トランジスタ23のソースと選択トランジスタ24のドレインとの間の接続部)に電気的に接続する。
【0059】
また、増幅トランジスタ23と選択トランジスタ24との間を第3の配線で電気的に接続する。より具体的には、増幅トランジスタ23のソース領域(拡散層)と選択トランジスタ24のドレイン領域(拡散層)とを分離し、増幅トランジスタ23のソース領域と選択トランジスタ24のドレイン領域との間を第3の配線によって電気的に接続する。第1の配線、第2の配線、及び、第3の配線はいずれも金属配線から成る。
【0060】
図5Aに示す画素回路(図2Aの画素回路と同じ)において、(1)~(3)は、FD電圧を降下させる要因を示している。すなわち、(1)はリセットパルスRSTによるフィードスルーを示し、(2)はリセットトランジスタ22におけるチャネルチャージインジェクションを示し、(3)は選択パルスSELによるフィードスルーを示している。Nは、増幅トランジスタ23及び選択トランジスタ24の共通接続ノードである。以下、単に「ノードN」と記述する場合がある。
【0061】
そして、図5Bのタイミング波形図に示すように、FD部25のリセット後にリセットパルスRSTが非アクティブ状態に遷移する際に、リセットパルスRSTによるフィードスルー(1)及びリセットトランジスタ22におけるチャネルチャージインジェクション(2)の影響によってFD電圧が降下する。また、リセットレベルを読み出した後、選択パルスSELが非アクティブ状態に遷移して蓄積フェーズ(蓄積期間)に入る際に、選択パルスSELによるフィードスルー(3)の影響によってFD電圧が更に降下する。
【0062】
これに対して、本開示の実施形態では、FD部25と増幅トランジスタ23のゲート電極とを接続する第1の配線(FD配線)の近傍に、ノードNに接続された第2の配線を、第1の配線に沿って形成するようにしている。これにより、第1の配線と第2の配線との間の寄生容量を介しての容量カップリングを増やすことができるため、当該容量カップリングによって、要因(1)~(3)によって降下したFD電圧を昇圧し、FD電圧を適正値に調整することができる。
【0063】
より具体的には、図5Aに示す画素回路において、選択パルスSELの非アクティブ状態への遷移後の上記の容量カップリングによる昇圧効果(4)、及び、当該非アクティブ状態への遷移後の増幅トランジスタ23のチャネルによる昇圧効果(5)により、FD電圧を昇圧し、適正値に調整することができる。そして、FD電圧を適正値に調整できることで、光電変換部21からの電荷の読出しを良好に行うことができるため、撮像画像の高画質化を図ることができる。
【0064】
また、増幅トランジスタ23と選択トランジスタ24との間を、拡散層を共有することによって接続するのではなく、第3の配線で接続するようにしたことにより、選択トランジスタ24の配置の自由度が上がり、選択トランジスタ24をFD部25から離れた位置に配置することができる。これにより、拡散層を共有することによって接続する場合に比べて、選択パルスSELによるフィードスルー(3)の影響によるFD電圧の降下を抑えることができる。
【0065】
ここで、昇圧効果(4),(5)によるFD電圧の昇圧について、より具体的に説明する。選択パルスSELのアクティブ状態(本例では、高レベル状態)の期間中は、増幅トランジスタ23の他方のソース/ドレイン電極(本例では、ソース電極)から選択トランジスタ24を経て垂直信号線17に至る経路は、FD電圧を入力とするソースフォロワの出力としてバイアスされている。従って、増幅トランジスタ23及び選択トランジスタ24の共通接続ノード、即ちノードNの電圧は電源電圧VDDよりも低い電圧である。
【0066】
その後、選択パルスSELがアクティブ状態から非アクティブ状態に遷移すると、増幅トランジスタ23のチャネル内の電子、及び、ノードNの電子が電源電圧VDD側へ抜けていくため、ノードNの電圧は上昇する。このうち、増幅トランジスタ23のチャネル内の電子が電源電圧VDD側へ抜ける効果(4)については、増幅トランジスタ23のゲート酸化膜の容量カップリングにより、FD電圧を昇圧させることができる。
【0067】
また、増幅トランジスタ23と選択トランジスタ24との間を、第3の配線である金属配線で接続する、又は、金属配線を引き出すことにより、FD部25との容量カップリングを強めることができるため設計自由度が高い。また、通常、FD部25の容量を増やすことで、FD部25での電荷電圧変換効率が低下するが、ノードNは、ソースフォロワの出力ノードであり、そのミラー効果により容量は(1-α)倍にしかならない。ここで、αは、ソースフォロワのゲインである。更に、他ノードとカップリングしていた分をノードNとカップリングさせることにより、トータルの容量を減少させるシールドの効果を得ることができるため、FD部25での電荷電圧変換効率の向上を図ることもできる。
【0068】
以上の効果は、FD部25に電荷(正孔)を蓄積し、FD部25をGNDレベルでリセットを行う、図2Aに示す固体撮像素子10に対して特に有効である。それに加えて、一般的なCMOSイメージセンサのように、FD部25で電荷の蓄積を行わず、選択パルスSELの非アクティブ状態への遷移時の昇圧効果が得られない場合においても、FD部25での電荷電圧変換効率の改善の効果を期待できるため、固体撮像素子全般に対して有効な手段であると言える。
【0069】
以下に、第1の配線、第2の配線、及び、第3の配線の配線構造の具体的な実施例について説明する。
【0070】
[実施例1]
実施例1は、第1の配線と第2の配線とを異なる層に重ねて配置した例である。実施例1に係る配線構造の平面パターン図を図6Aに示し、図6AのA-A線に沿った矢視断面図を図6Bに示す。ここでは、FD部25のリセット電圧VrstをGNDレベルとする図2Aに示す画素回路の場合を例示するが、リセット電圧Vrstを電源電圧VDDとする図2Bに示す画素回路の場合も、基本的に同様の配線構造となる。以下の実施例においても同様である。
【0071】
リセットトランジスタ22において、一方の拡散層(ソース/ドレイン領域)22-1は、FD部25となり、他方の拡散層(ソース/ドレイン領域)22-2には、コンタクト部41を介してGNDレベルが与えられる。図2Bに示す画素回路の場合には、電源電圧VDDが他方の拡散層22-2に与えられる。そして、FD部25である一方の拡散層22-1には、コンタクト部42を介して第1の配線31の一端が電気的に接続されている。
【0072】
第1の配線31は、例えば1層目の配線層に形成されており、その他端がコンタクト部43を介して増幅トランジスタ23のゲート電極23Gに電気的に接続されている。増幅トランジスタ23のゲート電極23Gは、半導体基板51上にゲート酸化膜52を介して形成されている。
【0073】
増幅トランジスタ23において、一方の拡散層(ソース/ドレイン領域)23-1には、コンタクト部44を介して電源電圧VDDが与えられる。また、他方の拡散層(ソース/ドレイン領域)23-2には、コンタクト部45を介して第2の配線32の一端が電気的に接続されている。第2の配線32は、その他端部側が第1の配線31に沿って延在するように、例えば2層目の配線層に平面視でL字状に形成されている。また、増幅トランジスタ23の他方の拡散層23-2には、コンタクト部45を介して第3の配線33の一端が電気的に接続されている。
【0074】
第3の配線33は、例えば1層目の配線層に形成されており、その他端がコンタクト部46を介して選択トランジスタ24の一方の拡散層(ソース/ドレイン領域)24-1に電気的に接続されている。すなわち、増幅トランジスタ23と選択トランジスタ24とは、拡散層23-2及び拡散層24-1を共通にするのではなく、第3の配線33によって電気的に接続されている。選択トランジスタ24の他方の拡散層(ソース/ドレイン領域)24-2は、コンタクト部47を介して垂直信号線17に電気的に接続されている。
【0075】
図6Aに示す画素構造では、配線の違いを明確にするために、1層目の配線である第1の配線31及び第3の配線33については一点鎖線で図示し、2層目の配線である第2の配線32及び信号線17については実線で図示している。
【0076】
上述したように、実施例1に係る配線構造では、異なる配線層間において、増幅トランジスタ23の他方の拡散層23-2に接続された第2の配線32が、FD部25と増幅トランジスタ23のゲート電極23Gとを接続する第1の配線31に沿って重ねて形成された配線構造となっている。これにより、第1の配線31と第2の配線32との間の寄生容量を介しての容量カップリングを増やすことができるため、当該容量カップリングによってFD電圧を昇圧することができる。
【0077】
また、増幅トランジスタ23と選択トランジスタ24との間を、拡散層(拡散層23-2及び拡散層24-1)を共有することによって接続するのではなく、第3の配線33で接続する配線構造となっている。これにより、選択トランジスタ24のレイアウトの自由度が上がり、選択トランジスタ24をFD部25から離れた位置に配置することができるため、選択パルスSELによるフィードスルーの影響によるFD部25の電圧降下を抑えることができる。
【0078】
[実施例2]
実施例2は、第1の配線と第2の配線とを同じ層に並行して配置した例である。実施例2に係る配線構造の平面パターン図を図7Aに示し、図7AのB-B線に沿った矢視断面図を図7Bに示す。
【0079】
実施例2に係る配線構造では、第2の配線32及び第3の配線33が共に、第1の配線31と同じ1層目の配線層に形成されている。具体的には、第1の配線31は、1層目の配線層に形成されており、その一端がコンタクト部42を介してFD部25に電気的に接続され、その他端がコンタクト部43を介して増幅トランジスタ23のゲート電極23Gに電気的に接続されている。
【0080】
第2の配線32は、1層目の配線層に第1の配線31と並行して形成され、その一端がコンタクト部45を介して増幅トランジスタ23の他方の拡散層23-2に電気的に接続されている。また、第3の配線33は、1層目の配線層に形成され、その他端がコンタクト部46を介して選択トランジスタ24の一方の拡散層24-1に電気的に接続されている。
【0081】
図7Aに示す画素構造では、配線の違いを明確にするために、1層目の配線である第1の配線31、第2の配線32、及び、第3の配線33については一点鎖線で図示し、2層目の配線である信号線17については実線で図示している。
【0082】
上述したように、実施例2に係る配線構造では、同じ配線層において、増幅トランジスタ23の他方の拡散層23-2に接続された第2の配線32が、FD部25と増幅トランジスタ23のゲート電極23Gとを接続する第1の配線31に沿って並行して形成された配線構造となっている。この配線構造の場合、第1の配線31と第2の配線32とが側面で対向することになるため、上面/下面で対向する実施例1に係る配線構造に比べて第1の配線31と第2の配線32との間の寄生容量が若干小さくなるものの、当該寄生容量を介しての容量カップリングによってFD電圧を昇圧することができる。
【0083】
[実施例3]
実施例3は、実施例1の変形例であり、第1の配線と第2の配線とを異なる層に並行して配置した例である。実施例3に係る配線構造の平面パターン図を図8Aに示し、図8AのC-C線に沿った矢視断面図を図8Bに示す。
【0084】
実施例1に係る配線構造では、第1の配線31と第2の配線32とが、異なる配線層に上下に重ねて形成された配線構造となっている。これに対して、実施例3に係る配線構造では、第1の配線31と第2の配線32とが、異なる配線層に並行して形成された配線構造、換言すれば、斜め方向において隣接して並行する位置関係に形成された配線構造となっている。
【0085】
具体的には、第1の配線31は、1層目の配線層に形成されており、その一端がコンタクト部42を介してFD部25に電気的に接続され、その他端がコンタクト部43を介して増幅トランジスタ23のゲート電極23Gに電気的に接続されている。第2の配線32は、2層目の配線層に第1の配線31と並行して形成され、その一端がコンタクト部45を介して増幅トランジスタ23の他方の拡散層23-2に電気的に接続されている。また、第3の配線33は、1層目の配線層に形成され、その他端がコンタクト部46を介して選択トランジスタ24の一方の拡散層24-1に電気的に接続されている。
【0086】
上述したように、実施例3に係る配線構造では、第1の配線31と第2の配線32とが、互いに異なる配線層において、斜め方向で隣接し、かつ、第1の配線31に沿って並行して形成された配線構造となっている。この配線構造の場合、第1の配線31と第2の配線32とが斜め方向において互いに隣接しているために、上面/下面で対向する実施例1に係る配線構造に比べて第1の配線31と第2の配線32との間の寄生容量が若干小さくなるものの、当該寄生容量を介しての容量カップリングによってFD電圧を昇圧することができる。
【0087】
尚、上記の実施例1乃至実施例3に係る配線構造において、第1の配線31、第2の配線32及び第3の配線33として、銅(Cu)やアルミニウム(Al)などから成る金属配線を用いることができる。
【0088】
[実施例4]
実施例4は、第1の配線31、第2の配線32及び第3の配線33の配線材料の例である。実施例1乃至実施例3では、第1の配線31、第2の配線32及び第3の配線33として同じ配線材料を用いるとしたが、異なる配線材料を用いることもできる。例えば、実施例1の配線構造において、第1の配線31の配線材料として例えばタングステン(W)を用い、第2の配線32及び第3の配線33の配線材料として銅やアルミニウムなどを用いることができる。逆に、第1の配線31の銅やアルミニウムなどを用い、第2の配線32及び第3の配線33の配線材料として例えばタングステンを用いることができる。また、第2の配線32及び第3の配線33の配線材料が同じである必要はなく、異なる配線材料を用いることができる。
【0089】
<縦方向分光型の画素構造>
半導体基板の外部に、所定の波長域の光について光電変換を行う光電変換膜を設ける一方、半導体基板の内部に、光電変換膜を透過した所定の波長域以外の波長域の光について光電変換を行う少なくとも2つの光電変換領域を設けた、所謂、縦方向分光型の画素構造を有する固体撮像素子がある。
【0090】
この縦方向分光型の画素構造によれば、1画素の領域内に2色以上の感度を持つ光電変換部(光電変換膜や光電変換領域)を配置することができるため、2色以上の感度を持つ光電変換部を平面的に配置する場合に比べて、光の利用効率の向上を図ることができる利点がある。本開示の技術は、この縦方向分光型の画素構造を有する固体撮像素子にも適用することができる。
【0091】
縦方向分光型の画素構造について図9を用いて説明する。図9は、縦方向分光型の画素構造について図示している。
【0092】
図9において、半導体基板61の第1導電型(例えば、P型)の半導体領域62内に、第2導電型(例えば、N型)の半導体領域63及び半導体領域64を、基板深さ方向に積層して形成する。これにより、PN接合によるフォトダイオードPD1及びフォトダイオードPD2が、基板深さ方向に積層された状態で形成されている。半導体領域63を電荷蓄積領域とするフォトダイオードPD1は、例えば青色の光を受光して光電変換する無機光電変換部である。半導体領域64を電荷蓄積領域とするフォトダイオードPD2は、例えば赤色の光を受光して光電変換する無機光電変換部である。
【0093】
半導体基板61の表面側(図中、下側)には、フォトダイオードPD1及びフォトダイオードPD2で光電変換され、蓄積された電荷の読出し等を行う複数の画素トランジスタと、複数の配線層と層間絶縁膜とからなる多層配線層65が形成されている。尚、図9では、多層配線層65の詳細な図示は省略されている。
【0094】
半導体基板61には、後述する有機光電変換膜66(図2の有機光電変換膜211に相当)で光電変換された電荷を多層配線層65側に取り出すための導電性プラグ67が、半導体基板61内の半導体領域62を貫通して形成されている。導電性プラグ67の外周には、半導体領域62との短絡を抑制するために、SiO2もしくはSiNから成る絶縁膜68が形成されている。
【0095】
導電性プラグ67は、多層配線層65内に形成された金属配線69により、半導体基板61内に第2導電型(例えば、N型)の半導体領域で形成されたフローティングディフージョン部70と電気的に接続されている。フローティングディフージョン部70は、有機光電変換膜66で光電変換された電荷を一時的に保持し、当該電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部である。
【0096】
半導体基板61の裏面側(図中、上側/多層配線層65が形成された側と反対側)の界面には、例えば、ハフニウム酸化(HfO2)膜とシリコン酸化膜の2層又は3層の膜からなる透明絶縁膜71が形成されている。
【0097】
透明絶縁膜71の上側には、有機光電変換膜66が、その下側の下部電極72(図2の下部電極213に相当)と、上側の上部電極73(図2の上部電極212に相当)とによって挟まれた形で配置されている。有機光電変換膜66、下部電極72、及び、上部電極73は、有機光電変換部を構成している。有機光電変換膜66は、例えば緑色の波長光を光電変換する膜として、例えば、ローダーミン系色素、メラシアニン系色素、キナクリドン等を含む有機光電変換材料で形成される。下部電極72及び上部電極73は、例えば、酸化インジウム錫(ITO)膜、酸化インジウム亜鉛膜等で形成される。
【0098】
尚、有機光電変換膜66を、赤色の波長光を光電変換する膜とする場合には、例えば、フタロシアニン系色素を含む有機光電変換材料を用いることができる。また、有機光電変換膜66を、青色の波長光を光電変換する膜とする場合には、クマリン系色素、トリス-8-ヒドリキシキノリンAl(Alq3)、メラシアニン系色素等を含む有機光電変換材料を用いることができる。
【0099】
上部電極73は、全画素共通に全面に亘って形成されている。これに対して、下部電極72は、画素単位に形成されており、透明絶縁膜71を貫通する金属配線74により半導体基板61の導電性プラグ67と電気的に接続されている。金属配線74は、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の材料で形成される。金属配線74は、透明絶縁膜71の所定の深さで平面方向にも形成され、隣接画素への光の入射を抑制する画素間遮光膜75を兼用する。
【0100】
上部電極73の上面には、シリコン窒化膜(SiN)、シリコン酸窒化膜(SiON)、炭化珪素(SiC)等の無機膜によって高屈折率層76が形成されている。また、高屈折率層76の上には、オンチップレンズ77が形成されている。オンチップレンズ77の材料には、例えば、シリコン窒化膜(SiN)、又は、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル共重合系樹脂、もしくは、シロキサン系樹脂等の樹脂系材料を用いることができる。本画素構造では、有機光電変換膜66とオンチップレンズ77との間の距離が近くなるために、高屈折率層76を介在させることで、屈折角を大きくし、集光効率を高めるようにしている。
【0101】
上述したように、本構成例に係る画素構造は、画素トランジスタや配線等が形成される多層配線層65側を半導体基板61の表面側とするとき、その反対側の裏面側から光が入射される裏面照射型の画素構造である。また、当該画素構造は、例えば、緑色の光については半導体基板61の上方に形成された有機光電変換膜66で光電変換し、青色及び赤色の光については半導体基板61内のフォトダイオードPD1及びフォトダイオードPD2で光電変換する縦方向分光型の画素構造である。
【0102】
<本開示の電子機器>
上述した実施形態に係る固体撮像素子は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、携帯電話機などの撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に固体撮像素子を用いる複写機などの電子機器全般において、その撮像部(画像取込部)として用いることができる。尚、固体撮像素子はワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ち、カメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
【0103】
[撮像装置]
図10は、本開示の電子機器の一例である撮像装置の構成を示すブロック図である。図10に示すように、本例に係る撮像装置100は、レンズ群等を含む撮像光学系101、撮像部102、DSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、操作系107、及び、電源系108等を有している。そして、DSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、操作系107、及び、電源系108がバスライン109を介して相互に接続された構成となっている。
【0104】
撮像光学系101は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで撮像部102の撮像面上に結像する。撮像部102は、光学系101によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。DSP回路103は、一般的なカメラ信号処理、例えば、ホワイトバランス処理、ガンマ補正処理などを行う。
【0105】
フレームメモリ104は、DSP回路103での信号処理の過程で適宜データの格納に用いられる。表示装置105は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等のパネル型表示装置から成り、撮像部102で撮像された動画または静止画を表示する。記録装置106は、撮像部102で撮像された動画または静止画を、可搬型の半導体メモリや、光ディスク、HDD(Hard Disk Drive)等の記録媒体に記録する。
【0106】
操作系107は、ユーザによる操作の下に、本撮像装置100が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源系108は、DSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、及び、操作系107の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0107】
上記の構成の撮像装置100において、撮像部102として、先述した実施形態に係る固体撮像素子を用いることができる。先述した実施形態に係る固体撮像素子は、FD電圧を適正値に調整できることで、光電変換部からの電荷の読出しを良好に行うことができるため、撮像画像の高画質化を図ることができる。従って、撮像部102として、先述した実施形態に係る固体撮像素子を用いることにより、高画質化の画像を撮像することができる。
【0108】
<本開示がとることができる構成>
尚、本開示は、以下のような構成をとることができる。
[1]画素内に、光電変換部で光電変換された電荷を蓄積する電荷蓄積部、電荷蓄積部に対して選択的にリセット電圧を与えるリセットトランジスタ、電荷蓄積部にゲート電極が電気的に接続された増幅トランジスタ、及び、増幅トランジスタに対して直列に接続された選択トランジスタが配置されて成り、
電荷蓄積部と増幅トランジスタのゲート電極との間を電気的に接続する第1の配線、
増幅トランジスタ及び選択トランジスタの共通接続ノードに電気的に接続され、第1の配線に沿って形成された第2の配線、及び、
増幅トランジスタと選択トランジスタとの間を電気的に接続する第3の配線、
を備える固体撮像素子。
[2]電荷蓄積部が正孔を蓄積するとき、リセット電圧はGNDレベルである、
上記[1]に記載の固体撮像素子。
[3]電荷蓄積部が電子を蓄積するとき、リセット電圧は電源電圧又は電源電圧よりも電圧値が高い昇圧電圧である、
上記[1]に記載の固体撮像素子。
[4]第1の配線及び第2の配線は、異なる配線層に並行して形成されている、
上記[1]~[3]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[5]第1の配線及び第2の配線は、同じ配線層に並行して形成されている、
上記[1]~[3]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[6]第1の配線、第2の配線及び第3の配線のいずれか1つの配線は、他の配線と異なる配線材料から成る、
上記[1]~[5]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[7]光電変換部は、有機光電変換膜を有する、
上記[1]~[6]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[8]画素が形成される半導体基板内において、少なくとも2つの光電変換領域が光入射方向に積層されている、
上記[1]~[7]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[9]画素は、裏面照射型の画素構造を有する、
上記[1]~[8]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[10]画素内に、光電変換部で光電変換された電荷を蓄積する電荷蓄積部、電荷蓄積部に対して選択的にリセット電圧を与えるリセットトランジスタ、電荷蓄積部にゲート電極が電気的に接続された増幅トランジスタ、及び、増幅トランジスタに対して直列に接続された選択トランジスタが配置されて成り、
電荷蓄積部と増幅トランジスタのゲート電極との間を電気的に接続する第1の配線、
増幅トランジスタ及び選択トランジスタの共通接続ノードに電気的に接続され、第1の配線に沿って形成された第2の配線、及び、
増幅トランジスタと選択トランジスタとの間を電気的に接続する第3の配線、
を備える固体撮像素子を有する電子機器。
【符号の説明】
【0109】
10・・・固体撮像素子、11・・・画素アレイ部、12・・・垂直駆動部、13・・・カラム処理部、14・・・垂直駆動部、15・・・システム制御部、16(161~16m)・・・画素駆動線、17(171~17n)・・・垂直信号線、18・・・信号処理部、19・・・データ格納部、20・・・画素(単位画素)、21・・・光電変換部、22・・・リセットトランジスタ、23・・・増幅トランジスタ、24・・・選択トランジスタ、25・・・FD部(フローティングディフュージョン部)、26・・・バイアス電源、31・・・第1の配線、32・・・第2の配線、33・・・第3の配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10