IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特許7354359情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20230925BHJP
   G06Q 10/30 20230101ALI20230925BHJP
【FI】
G06Q30/08
G06Q10/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022098934
(22)【出願日】2022-06-20
【審査請求日】2022-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 桂
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-222588(JP,A)
【文献】特開2008-097230(JP,A)
【文献】特開2019-008426(JP,A)
【文献】特開2011-242935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子商取引においてユーザが出品する商品の状態に関する出品情報を取得する取得部と、
前記出品情報を入力した際に他のユーザが継続使用する場合の社会貢献に関する貢献度を出力するように学習されたモデルに前記取得部によって取得された前記出品情報を入力し、前記貢献度を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記貢献度に応じて、出品の取りやめを提案する提案部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記他のユーザが前記商品を継続使用した場合の環境負荷と、前記商品を処分した場合の環境負荷との差分に関する情報を前記貢献度として出力するように学習された前記モデルに前記出品情報を入力し、前記貢献度を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提案部は、
前記出品の取りやめを提案する場合に、出品者である利用者の住所に基づいて前記商品を処分する処分業者を提案すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記出品情報として前記商品の性能、使用期間、劣化状況を含む学習データを用いて学習された前記モデルに前記出品情報を入力することで、前記貢献度を推定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
電子商取引においてユーザが出品する商品の状態に関する出品情報を取得する取得工程と、
前記出品情報を入力した際に他のユーザが継続使用する場合の社会貢献に関する貢献度を出力するように学習されたモデルに前記取得工程によって取得された前記出品情報を入力し、前記貢献度を推定する推定工程と、
前記推定工程によって推定された前記貢献度に応じて、出品の取りやめを提案する提案工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
電子商取引においてユーザが出品する商品の状態に関する出品情報を取得する取得手順と、
前記出品情報を入力した際に他のユーザが継続使用する場合の社会貢献に関する貢献度を出力するように学習されたモデルに前記取得手順によって取得された前記出品情報を入力し、前記貢献度を推定する推定手順と、
前記推定手順によって推定された前記貢献度に応じて、出品の取りやめを提案する提案手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子商取引(EC:Electronic Commerce)において、ユーザ間で物品を売買するオークションサイトを運営する情報処理装置がある。かかる情報処理装置においては、例えば、所定条件を満たすユーザに対しクーポンを配布することで、活発な入札を図る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7001664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、社会問題を解決するための電子商取引サービスを提供するうえで改善の余地があった。具体的には、近年では、持続可能な開発目標(SDGs;Sustainable Development Goals)に関する意識が高まってきているものの、これらを解決するための電子商取引に関するサービスは提供されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、社会問題を解決するための電子商取引サービスを提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、電子商取引におけるユーザの出品情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記出品情報に基づき、出品物を他のユーザが継続使用する場合の社会貢献に関する貢献度を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記貢献度に応じて、出品の取りやめを提案する提案部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、社会問題を解決するための電子商取引サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るユーザ情報データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る社会貢献情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る通知画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る付与処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【0011】
図1に示す実施形態に係る情報処理装置100は、電子商取引サービスにおけるユーザの売買行動に応じて、各電子商取引サービスで使用可能なポイント等をユーザに対して付与する情報処理装置である。
【0012】
図1に示すように、電子商取引サービスは、電子商店街を運営するECサイト、ネットワーク上でオークションを運営するオークションサイト、ネットワーク上でフリーマーケットを運営するフリマサイトなどが含まれる。なお、図1に示す電子商取引サービスは、一例であって、例えば、クラウドファンディングサイト、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信等のサービスなど、その他のサービスを含むようにしてもよい。
【0013】
ユーザ端末50は、ユーザUによる操作に基づき、電子商取引サービスが提供する各種サービスをユーザUに対して提供する。例えば、ユーザUは、ユーザ端末50を介して、電子商取引サービスが提供するWebサービスを介して、商品を売買することができる。
【0014】
例えば、ユーザUは、ユーザ端末50を介して、ECサイトに出店中のリサイクル業者へ商品の買い取りを希望する、あるいは、オークションサイトあるいはフリマサイトに商品を出品することができる。
【0015】
ところで、近年では、社会全体でSDGs(Sustainable Development Goals)に関する興味あるいは活動が盛んになりつつある。電子商取引サービスにおいても、これらの活動を加速させることが求められる。
【0016】
実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザUが出品を希望する商品に関し、他のユーザUが購入し、継続使用する場合よりも廃棄する場合の方が社会貢献になるようなケースにおいて、出品の取りやめを提案することとした。
【0017】
具体的には、図1に示すように、ユーザUが電子商取引サービスにおいて商品を出品すると(ステップS1)、情報処理装置100は、各電子商取引サービスからユーザUの出品情報を取得する(ステップS2)。
【0018】
例えば、出品情報には、出品した商品、希望売買価格、使用期間、劣化状況、使用頻度等に関する情報が含まれる。つづいて、情報処理装置100は、ステップS2にて取得した出品情報に基づき、社会貢献に関する貢献度を推定する(ステップS3)。なお、ここでの貢献度とは、例えば、SDGsの観点からその出品物を継続使用した場合の社会貢献に寄与する度合い、出品物を廃棄した場合の社会貢献に寄与する度合いの差によって求まる。
【0019】
すなわち、例えば、継続使用した方が、廃棄するよりも社会貢献に寄与する場合、例えば、二酸化炭素の排出量削減につながる場合においては、出品物を出品して他のユーザUに利用してもらう方が社会貢献に寄与することになる。他方、社会貢献の観点から、廃棄する方が社会貢献に寄与する場合には、出品自体が社会貢献に対して負の影響を与えかねない。特に、近年では、電化製品の製品性能の向上により、消費電力が低くなってきている。そのため、例えば、旧式の電化製品においては、他のユーザUが継続利用するよりも、廃棄する方が社会貢献に寄与する場合もある。
【0020】
後述するように、情報処理装置100は、出品物と、貢献度との関係性を学習したモデルを予め生成しておき、当該モデルに対して取得した出品情報を入力することで、ユーザUの売買に伴う貢献度を推定する。
【0021】
ここでのモデルは、例えば、出品物の性能、使用期間、劣化状況、使用頻度等を入力すると、貢献度が出力されるモデルである。例えば、正の貢献度は、継続利用した方が良く、負の貢献度は、廃棄した方が良いことを指すものとし、数値が大きいほど、その傾向が高いものとする。
【0022】
また、情報処理装置100は、例えば、電子商取引サービスにおけるレビューや口コミ等のUGC(User Generated Contents)に基づき、貢献度を推定するようにしてもよい。
【0023】
さらに、情報処理装置100は、例えば、電子商店街に出店するストアのユーザレビューの評価に基づき、環境意識が高いストアか否かを推定し、環境意識が高いストアの貢献度を高くするようにしてもよい。一例として、情報処理装置100は、環境に意識した梱包を行うストアか否かに基づき、環境意識が高いストアか否かを推定するようにしてもよい。
【0024】
また、情報処理装置100は、例えば、オークションの取引相手に対し、売り手からの評価が高い場合には、貢献度を高く推定するようにしてもよい。一例として、情報処理装置100は、オークションの取引において、売り手による簡易包装に関する問い合わせに対して快諾して、簡易包装による取引を行った結果、売り手からの評価が高い買い手について高い貢献度を推定するようにしてもよい。
【0025】
そして、実施形態に係る情報処理装置100は、ステップS3にて推定した貢献度に応じて、ユーザUに対して出品の取りやめを提案する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、ステップS3にて推定した貢献度が「負」である場合に、ユーザUに対して出品の取りやめを提案する。この際、後述するように、情報処理装置100は、処分方法を提案するようにしてもよい。
【0026】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザUが出品した出品物を他のユーザUが継続利用する場合の社会貢献に関する貢献度に応じて、ユーザUに対し出品の取りやめを提案する。
【0027】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100では、社会貢献に関する貢献度の低い出品取りやめを促すことができるので、社会問題を解決するための電子商取引サービスを提供することができる。
【0028】
〔2.情報処理装置の構成例〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0029】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークと有線又は無線で接続される。
【0030】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部120は、ユーザ情報データベース121と、製品情報データベース122と、モデルデータベース123とを有する。
【0031】
(ユーザ情報データベース121)
ユーザ情報データベース121は、ユーザ情報を格納するデータベースである。ユーザ情報は、各ユーザUに関する情報である。図3は、実施形態に係るユーザ情報データベース121の一例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、実施形態に係るユーザ情報データベース121は、「ユーザID」、「登録情報」および「出品履歴」といった項目を有する。「ユーザID」は、ユーザUを識別するための識別子であり、例えば、各ユーザUには、それぞれの電子商取引サービスで共通のIDが付与される。
【0033】
「登録情報」は、対応するユーザUの氏名、年齢、住所、決済口座など、ユーザUが電子商取引サービスに登録している情報である。「出品履歴」は、電子商取引サービスにおけるユーザUの出品履歴である。例えば、「出品履歴」には、いつ、どの電子商取引サービスで、何をいくらで出品したかなどといった情報が随時登録される。
【0034】
(製品情報データベース122)
図2の説明に戻る。製品情報データベース122は、社会貢献情報を格納するデータベースである。図4は、実施形態に係る製品情報データベース122の一例を示す図である。
【0035】
図4に示すように、実施形態に係る製品情報データベース122は、「製品ID」、「製品性能」、「耐久年数」、「処分情報」などといった項目を有する。「製品ID」は、電子商取引サービスにおいて出品される製品を識別するための識別子であり、同一製品に対し、同一の製品IDが付与されるものとする。
【0036】
「製品性能」は、製品の性能であり、例えば、消費電力等に関する情報である。「耐久年数」は、製品の耐久年数であり、製品の劣化に伴う消費電力の変化に関する情報が含まれる。「処分情報」は、対応する製品を処分する際の情報である。例えば、処分情報には、処分方法、および、処分時に発生する二酸化炭素の排出量などに関する情報が含まれる。
【0037】
(モデルデータベース123)
モデルデータベース123は、モデルを格納するデータベースである。ここでのモデルは、出品情報に基づき、出品物と、貢献度のとの関係性を学習したモデルである。なお、モデルは、1種類である必要はなく、例えば、SDGsの項目別に複数種類に分割するようにしてもよい。
【0038】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報処理装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図2に示す例では、制御部130は、取得部131と、生成部132と、推定部133と、提案部134とを有する。
【0039】
(取得部131)
取得部131は、通信部110を介して、電子商取引サービスにおいてユーザUが出品した出品情報を取得する。例えば、取得部131は、出品情報として、出品物、使用期間、使用頻度に関する情報を取得する。なお、出品情報は、例えば、オークションサイト、あるいは、フリマサイトにおける商品の紹介文から抽出するようにしてもよい。
【0040】
また、取得部131は、例えば、各製品のホームページなどから製品情報を取得し、製品情報データベース122に登録する。また、例えば、取得部131は、各商品の処分方法に関する情報、例えば、処分業者に関する情報を取得するようにしてもよい。
【0041】
(生成部132)
生成部132は、出品物と、社会貢献に関する貢献度との関係性を学習したモデルを生成する。例えば、生成部132は、製品情報データベース122に登録された情報に基づき、出品情報と、社会貢献に関する貢献度との関係性を学習したモデルを生成する。
【0042】
例えば、生成部132は、出品物を継続使用した場合の環境負荷と、処分した場合の環境負荷との差を貢献度として出力するモデルを生成する。例えば、生成部132は、製品毎に、性能、使用期間、劣化状況を学習パラメータとして、継続使用した場合における環境負荷と、処分した場合の環境負荷との関係性を学習する。なお、劣化状況は、使用頻度に基づいて推定するようにしてもよい。
【0043】
この際、生成部132は、SDGsの各項目別に製品と、社会貢献に関する貢献度との関係性を学習したモデルを生成するようにしてもよい。また、生成部132は、例えば、製品の発送に関する輸送距離が短いほどに応じて高い貢献度が出力されるようにモデルを生成するようにしてもよい。すなわち、この場合、ユーザUが複数の店舗で販売される製品のうち、輸送距離が最も近い店舗から製品を購入した場合に、他の店舗で製品を購入する場合に比べ、高い貢献度となる。
【0044】
なお、モデルは、任意の種別のモデルが採用可能である。例えば、生成部132は、SVM(Support Vector Machine)やDNN(Deep Neural Network)をモデルとして採用してもよい。ここで、DNNは、CNN(Convolutional Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)であってもよい。また、RNNは、LSTM(Long short-term memory)等であってもよい。すなわち、モデルは、任意の形式のモデルが採用可能である。また、モデルは、例えば、CNNとRNNとを組み合わせたモデル等、複数のモデルを組み合わせることで実現されるモデルであってもよい。
【0045】
学習は、例えばディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を利用したディープラーニング(深層学習)等である。また、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用してもよい。生成部132は、上述した各種の学習手法により、モデルの学習を行う。
【0046】
(推定部133)
推定部133は、取得部131によって取得された出品情報に基づき、ユーザUが出品した出品物を他のユーザUが継続使用した場合の社会貢献に関する貢献度を推定する。例えば、推定部133は、取得部131から受け取った出品情報をモデルデータベース123に登録されたモデルに入力し、その出力値を貢献度として推定する。
【0047】
(提案部134)
提案部134は、推定部133によって推定された貢献度に応じて、出品者であるユーザUに対し、出品の取りやめを提案する。例えば、提案部134は、推定部133によって推定された貢献度が「負」である場合に、出品の取りやめを提案し、「正」である場合には、出品を推奨する。
【0048】
また、提案部134は、出品の取りやめを提案する場合、すなわち、処分した方が好ましい場合には、処分方法を提案する。例えば、処分方法は、例えば、ごみに出す、処分業者に引き取ってもらうなどのケースが考えられる。提案部134は、処分方法として処分業者による引き取りを選択する場合には、処分業者に関する情報を含む提案を行う。例えば、提案部134は、ユーザUの居住区域周辺における処分業者を選択するようにしてもよい。
【0049】
そして、提案部134は、例えば、出品の取りやめを提案する場合には、図5に示すような提案画面を出品者となるユーザUのユーザ端末50に通知し、ユーザ端末50に表示させる。図5は、実施形態に係る提案画面の一例を示す図である。
【0050】
図5に示すように、提案画面には、出品の取りやめを推奨する文言や、処分方法を提案する画面(ここでは処分方法に関するリンク)が表示される。つまり、単に、出品の取りやめを提案するのではなく、その理由を開示し、さらには、処分方法を提案することによって、ユーザUに対し出品の取りやめに関する理解を深めてもらうことができる。
【0051】
〔3.処理フロー〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する処理フローについて説明する。図6は、実施形態に係る付与処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
図6に示すように、情報処理装置100は、各電子商取引サービスからユーザUによる出品情報を取得する(ステップS101)。つづいて、情報処理装置100は、出品情報に基づき、出品物を他のユーザUが継続利用した場合の社会貢献に関する貢献度を推定する(ステップS102)。
【0053】
つづいて、情報処理装置100は、推定した貢献度が閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS103)。情報処理装置100は、貢献度が閾値よりも大きい場合には(ステップS103;Yes)、出品の取りやめを提案する(ステップS104)。
【0054】
また、情報処理装置100は、貢献度が閾値以下である場合には、(ステップS103;No)、ステップS104の処理を省略し、すなわち、出品を推奨する。そして、情報処理装置100は、処理を終了する。
【0055】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、新規に出品を申し込む場合に、貢献度を推定し、出品の取りやめを提案する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、既に出品済みの商品について、貢献を推定し、出品の取りやめを提案するようにしてもよい。
【0056】
また、ECサイトに出店しているリサイクル業者(中古品販売業者)ユーザUをと見做し、出品の取りやめを提案するようにしてもよい。
【0057】
〔5.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置100は、電子商取引におけるユーザの出品情報を取得する取得部131と、取得部131によって取得された出品情報に基づき、出品物を他のユーザが継続使用する場合の社会貢献に関する貢献度を推定する推定部133と、推定部133によって推定された貢献度に応じて、出品の取りやめを提案する提案部134と、を備える。
【0058】
また、推定部133は、他のユーザが継続使用した場合と、出品物を処分した場合との環境負荷に関する差に基づき、貢献度を推定する。また、提案部134は、出品の取りやめを提案する場合に、出品物の処分方法を提案する。
【0059】
また、情報処理装置100は、出品物と、前記貢献度との関係性を学習したモデルを生成する生成部132を備え、推定部133は、生成部132によって生成されたモデルを用い、貢献度を推定する。また、推定部133は、出品物の性能、使用期間、劣化状況の少なくともいずれかに基づいて、貢献度を推定する。
【0060】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、社会問題を解決するための電子商取引サービスを提供することができる。
【0061】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0062】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0063】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USBメモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0064】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USB等により実現される。
【0065】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0066】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0067】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0068】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0069】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0070】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0071】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0072】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0073】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0074】
例えば、上述した情報処理装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0075】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0076】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0077】
50 ユーザ端末
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 ユーザ情報データベース
122 製品情報データベース
123 モデルデータベース
130 制御部
131 取得部
132 生成部
133 推定部
134 提案部
U ユーザ
【要約】      (修正有)
【課題】社会問題を解決するための情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】電子商取引サービスにおいて、ユーザの売買行動に応じて、各電子商取引サービスで使用可能なポイント等をユーザに対して付与する情報処理装置100は、ユーザの出品情報を取得する取得部131と、取得部131が取得した出品情報に基づき、出品物を他のユーザが継続使用する場合の社会貢献に関する貢献度を推定する推定部133と、推定部133が推定した貢献度に応じて、出品の取りやめを提案する提案部134と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7