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特許7354363提供装置、提供方法および提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法および提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230925BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20230925BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
G06Q30/0207 346
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022101434
(22)【出願日】2022-06-23
(62)【分割の表示】P 2020179876の分割
【原出願日】2018-12-20
(65)【公開番号】P2022123132
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 務
(72)【発明者】
【氏名】小澤 隆生
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6280272(JP,B1)
【文献】特開2018-067288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0144800(US,A1)
【文献】大竹秀明,Amazon個人輸入 はじめる&儲ける 超実践テク,初版,株式会社技術評論社,2015年07月25日,p.70~73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報として、過去の販売履歴において取引対象が購入されてから当該取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた割合を示す出荷遅延率と、取引対象が注文されてから取引対象が到着するまでの期間である配送期間とを少なくともを含む複数の種別の評価情報を取得する取得部と、
前記評価情報の種別ごとに、それぞれ個別に設定された所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記所定の条件を満たすと判定された評価情報の種別の数に応じて、前記取引対象の購入を契機として前記販売者から電子商店街の運営者に対して支払われる販売促進費用の前記取引対象の販売価格に対する割合であって、前記取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度の指標となる割合である販促割合の値を、仮想的に変動させ、仮想的に変動させた販促割合の値に基づいて、前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する優先度を、検索クエリと対応する取引対象ごとに算出し、算出した優先度で、当該取引対象に関する情報を提供する提供部と、
を有することを特徴とする提供装置。
【請求項2】
前記提供部は、第1販売者によって販売される取引対象に関する情報を、前記評価情報が示す評価が当該第1販売者よりも低い第2販売者によって販売される取引対象に関する情報よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記評価情報が示す評価が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部
を有し、
前記提供部は、前記判定部により前記評価が所定の条件を満たすと判定された販売者により販売される取引対象に関する情報を、前記評価が前記所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の提供装置。
【請求項4】
前記提供部は、前記判定部による判定結果に基づいて、前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を提供する優先度を算出し、算出された優先度に応じて、前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する
ことを特徴とする請求項3に記載の提供装置。
【請求項5】
前記提供部は、前記判定部により前記評価が所定の条件を満たすと判定された場合は、前記取引対象の購入を契機として前記販売者から電子商店街の運営者に対して支払われる販売促進費用の前記取引対象の販売価格に対する割合であって、前記取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度の指標となる割合である販促割合の値を、仮想的に増加させ、仮想的に増加させた販促割合の値に基づいて、前記優先度を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の提供装置。
【請求項6】
前記取引対象が購入された場合は、仮想的に増加させる前の前記販促割合の値に基づいた販売促進費用を設定する設定部
を有することを特徴とする請求項5に記載の提供装置。
【請求項7】
前記提供部は、前記販売者による販売履歴が所定の条件を満たし、かつ、前記評価情報が所定の条件を満たす場合は、前記販促割合の値を仮想的に増加させる
ことを特徴とする請求項5または6に記載の提供装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記販売者と関連する複数種別の評価を示す評価情報を取得し、
前記提供部は、前記評価情報が示す評価のうち、所定の条件を満たすと判定された評価の種別に応じた割合で、前記販促割合の値を仮想的に増加させる
ことを特徴とする請求項5~7のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記販売者と関連する複数種別の評価を示す評価情報を取得し、
前記提供部は、前記評価情報が示す評価のうち、所定の条件を満たすと判定された評価の数に応じた割合で、前記販促割合の値を仮想的に増加させる
ことを特徴とする請求項5~8のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記取引対象の配送に関する評価を示す評価情報を取得する
ことを特徴とする請求項1~9のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項11】
前記提供部は、前記取引対象が購入されてから当該取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた回数に基づく評価が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、当該評価が当該所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項10に記載の提供装置。
【請求項12】
前記提供部は、前記取引対象が購入されてから当該取引対象が配送先に配送されるまでの期間が所定の期間を超えた回数に基づく評価が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、当該評価が当該所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項10または11に記載の提供装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記販売者により販売された取引対象に関する評価を取得する
ことを特徴とする請求項1~12のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項14】
前記提供部は、前記取引対象に対して所定の閾値よりも低い値の評価値が付与された回数に基づく評価が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、当該評価が当該所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項13に記載の提供装置。
【請求項15】
前記提供部は、前記取引対象に対する評価値の平均値が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、当該評価値の平均値が当該所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項13または14に記載の提供装置。
【請求項16】
前記取得部は、前記販売者に対する評価を取得する
ことを特徴とする請求項1~15のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項17】
前記提供部は、前記販売者に対して所定の閾値よりも低い値の評価値が付与された回数に基づく評価が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、当該評価が当該所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項16に記載の提供装置。
【請求項18】
前記提供部は、前記販売者に対する評価値の平均値が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、当該評価値の平均値が当該所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項16または17に記載の提供装置。
【請求項19】
前記提供部は、前記取引対象の販売を取りやめた回数に基づく評価値が所定の条件を満たすと判定された販売者により販売される取引対象に関する情報を、前記取引対象の販売を取りやめた回数に基づく評価値が所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売される取引対象に関する情報よりも優先的に提供する
ことを特徴とする請求項1~18のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項20】
前記評価情報が示す評価が所定の増加条件と所定の減少条件とを満たすか否かを判定する判定部
を有し、
前記提供部は、前記判定部により前記評価が所定の増加条件を満たすと判定された場合は、前記販売者により販売される取引対象に関する情報を表示する優先度を増加させ、前記判定部により前記評価が所定の減少条件を満たすと判定された場合は、前記販売者により販売される取引対象に関する情報を表示する優先度を減少させ、各販売者によって販売される取引対象に関する情報を、優先度に応じた順序で前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項1~19のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項21】
提供装置が実行する提供方法であって、
電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報として、過去の販売履歴において取引対象が購入されてから当該取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた割合を示す出荷遅延率と、取引対象が注文されてから取引対象が到着するまでの期間である配送期間とを少なくともを含む複数の種別の評価情報を取得する取得工程と、
前記評価情報の種別ごとに、それぞれ個別に設定された所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記所定の条件を満たすと判定された評価情報の種別の数に応じて、前記取引対象の購入を契機として前記販売者から電子商店街の運営者に対して支払われる販売促進費用の前記取引対象の販売価格に対する割合であって、前記取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度の指標となる割合である販促割合の値を、仮想的に変動させ、仮想的に変動させた販促割合の値に基づいて、前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する優先度を、検索クエリと対応する取引対象ごとに算出し、算出した優先度で、当該取引対象に関する情報を提供する提供工程と、
を含むことを特徴とする提供方法。
【請求項22】
電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報として、過去の販売履歴において取引対象が購入されてから当該取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた割合を示す出荷遅延率と、取引対象が注文されてから取引対象が到着するまでの期間である配送期間とを少なくともを含む複数の種別の評価情報を取得する取得手順と、
前記評価情報の種別ごとに、それぞれ個別に設定された所定の条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記所定の条件を満たすと判定された評価情報の種別の数に応じて、前記取引対象の購入を契機として前記販売者から電子商店街の運営者に対して支払われる販売促進費用の前記取引対象の販売価格に対する割合であって、前記取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度の指標となる割合である販促割合の値を、仮想的に変動させ、仮想的に変動させた販促割合の値に基づいて、前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する優先度を、検索クエリと対応する取引対象ごとに算出し、算出した優先度で、当該取引対象に関する情報を提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させるための提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法および提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種商品や役務等の取引対象を販売する販売者から取引対象の販売に関するコンテンツの登録を受付けると、受付けたコンテンツを利用者に提供し、利用者から取引対象の購入を受付ける電子商店街の技術が知られている。このような技術の一例として、利用者が入力した検索クエリと対応する取引対象のうち、販売者が予め設定する費用の額に応じた優先度で、取引対象の販売に関するコンテンツを配信する技術等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-067288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、利用者にとって有用な取引対象の情報を提供しているとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述した技術では、予め設定された費用の額によっては、利用者からの評価があまり高くないが予め設定された費用の額が多い店舗の取引対象の情報を、利用者からの評価が高いが予め設定された費用の額が少ない店舗の取引対象の情報よりも優先的に提供する場合がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者にとって有用な取引対象の情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る提供装置は、電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報を取得する取得部と、前記評価情報に基づく順序で、前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する提供部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者にとって有用な取引対象の情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報提供装置の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る取引対象データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る店舗データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る条件データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る提示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
[実施形態]
〔1-1.情報提供装置の一例について〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る提供装置の一例である情報提供装置10の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報提供装置の一例を示す図である。なお、図1では、情報提供装置10が実行する処理の一例として、電子商店街の店舗に対して電子商店街における利益に関する情報を提供する提示処理と、電子商店街の利用者に対して取引対象に関する情報を提供する提供処理の一例について示した。
【0012】
図1に示す情報提供装置10は、提示処理及び提供処理(以下、「提供処理」と総称する場合がある。)を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報提供装置10は、電子商店街に関するサービスを利用者や店舗に対して提供する機能を有し、電子商店街に関するサービスの一環として、提供処理の実行を行う。例えば、情報提供装置10は、4G(Generation)、5G、LTE(Long Term Evolution)、Wifi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークN(例えば、図2参照)を介して、利用者が使用する利用者端末200や店舗が利用する店舗端末100との間で通信を行う。なお、情報提供装置10は、任意の数の利用者に対し、任意の数の店舗が販売する取引対象の情報を提供し、各利用者および各店舗間における取引対象の電子商取引を実現する各種の機能を有するものとする。
【0013】
店舗端末100は、情報提供装置10が提供する電子商店街のサービスを介して、取引対象を利用者に対して販売する店舗が利用する端末装置であり、例えばPCやサーバ装置により実現される。すなわち、店舗端末100は、電子商店街において取引対象を販売する販売者が利用する端末装置である。例えば、店舗端末100は、電子商店街に取引対象を出品した店舗等に配置される。そして、店舗端末100は、販売対象となる取引対象に関する各種の情報を情報提供装置10に対して登録する。なお、取引対象を販売する販売者は、電子商店街における仮想的な店舗を有していてもよく、有していなくともよい。また、販売者は、実際の店舗を有していてもよく、有していなくともよい。
【0014】
利用者端末200は、利用者により利用されるPC(Personal Computer)やスマートフォン等の情報処理端末である。例えば、利用者端末200は、インターネット等のネットワークN(例えば、図2参照)を介して、情報提供装置10と通信可能である。なお、図1での図示は省略しているが、情報提供装置10は、さらに任意の数の利用者端末200と通信可能であってもよい。
【0015】
例えば、店舗端末100は、販売者による操作に従い、電子商店街で販売する取引対象の情報(例えば、画像、価格、送料、在庫数等)の登録を受付ける。そして、情報提供装置10は、利用者から取引対象の検索クエリを受付けた場合は、出品された取引対象のうち、検索クエリと対応する取引対象を抽出し、抽出した取引対象の画像や価格等を示す取引対象コンテンツを利用者に対して配信する。そして、情報提供装置10は、利用者がいずれかの取引対象コンテンツを選択した場合は、選択された取引対象と対応する取引対象を購入するためのコンテンツである購入コンテンツを利用者に対して配信する。
【0016】
また、情報提供装置10は、購入コンテンツを介して利用者が取引対象を購入した場合は、取引対象の発送先となる住所や受取人の氏名、希望の配達日時等の登録を受付ける。なお、情報提供装置10は、このような配送先となる利用者に関する情報(以下、「配送先情報」と記載する場合がある。)の登録をあらかじめ受付けておき、利用者の認証が行われた場合は、予め登録された配送先情報を用いて、以下の処理を実行してもよい。そして、情報提供装置10は、配送先情報を店舗端末100に送信し、利用者に対して取引対象の配送等を実行させる。
【0017】
〔1-2.電子商取引の一例について〕
ここで、情報提供装置10が提供する電子商店街のサービスの一例について説明する。例えば、情報提供装置10は、取引対象を販売する販売者から、販売対象となる取引対象の取引対象情報を受付ける。このような場合、情報提供装置10は、取引対象情報を所定のデータベースに登録する。
【0018】
ここで、情報提供装置10が提供する電子商店街においては、取引対象の管理や配送を各店舗が独自に行ってもよく、複数の店舗が共用する所定の倉庫から配送を行ってもよい。例えば、販売者は、取引対象の管理や配送を店舗で行う場合、取引対象情報として、配送元となる店舗の住所や在庫数を登録する。一方、販売者は、取引対象の管理や配送を所定の倉庫で行う場合は、取引対象を所定の倉庫へ納品するとともに、納品先となる倉庫を示す情報を取引対象情報として登録する。
【0019】
一方、情報提供装置10は、利用者端末200から所望する取引対象と対応する検索クエリの入力や選択を受付ける。例えば、情報提供装置10は、利用者から、検索クエリとして、取引対象名や取引対象の属性等を受付ける。このような場合、情報提供装置10は、データベースを参照し、販売対象として登録された取引対象、すなわち、出品された取引対象の中から受付けた検索クエリと対応する取引対象を検索する。
【0020】
また、情報提供装置10は、検索クエリと対応する取引対象に関する各種の情報や、検索を行った利用者の属性等に基づいて、各取引対象の取引対象コンテンツを表示する優先度(例えば、各取引対象コンテンツを並べる順番)を決定する。例えば、情報提供装置10は、取引対象の価格、送料等に基づいて、各取引対象コンテンツを表示するスコア(以下、「優先度」と記載する。)を優先度として算出する。そして、情報提供装置10は、優先度が高い順に取引対象コンテンツを並べた検索結果を生成し、生成した検索結果を利用者端末200へと送信する。
【0021】
例えば、情報提供装置10は、取引対象の価格、送料、人気度(例えば、販売数やアクセス数、コンテンツのCTR(Click Through Rate)やCVR(Conversion Rate)等に基づいて、優先度を算出する。また、例えば、情報提供装置10は、取引対象に対して販売者があらかじめ付与していたタグ情報と検索クエリとの関連性や、タグ情報と利用者との間の関連性に基づいて、優先度を算出してもよい。また、例えば、情報提供装置10は、利用者の住所等といった配送先と、店舗が取引対象を発送する発送元との距離に基づいて、優先度を算出してもよい。
【0022】
また、情報提供装置10は、検索クエリと各取引対象との関連度、検索クエリを入力した利用者の属性(例えば、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性)と取引対象の属性とのマッチング結果、検索クエリを入力した時刻や利用者端末200の位置等、各種の情報に基づいて、取引対象コンテンツを表示する優先度を算出してもよい。
【0023】
なお、情報提供装置10は、各取引対象または各取引対象コンテンツのコンバージョンに応じた優先度を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、取引対象の販売総数、購入コンテンツのCTR(Click Through Rate)、CPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)、取引対象を購入するためのウェブコンテンツの閲覧回数、取引対象コンテンツの選択回数等、取引対象について所定のコンバージョンを示す各種の数値に基づいて、優先度を算出する。
【0024】
なお、上述した指標以外にも、情報提供装置10は、任意の指標に基づいて、優先度を算出してよい。例えば、情報提供装置10は、価格が安い取引対象ほど高い値の優先度を算出してもよい。また、情報提供装置10は、配送料が無料の取引対象ほど高い値の優先度を算出してもよい。
【0025】
ここで、情報提供装置10は、取引対象の販売を促進するために販売者に対して課金される費用である販売促進費や、価格に対する販売促進費の割合である販促割合に関する情報に基づいて、優先度を算出する場合がある。例えば、情報提供装置10は、各取引対象ごと若しくは店舗ごとに、価格に対する販売促進費の割合である販促割合の登録を受付ける。
【0026】
ここで、販売促進費とは、取引対象が実際に購入された際に、取引対象の販売者から電子商店街を運営する運営者に対して提供される報酬である。例えば、情報提供装置10は、取引対象が販売された場合は、あらかじめ登録された販売価格から販売促進費を減算した額を店舗へと提供する。すなわち、販売促進費とは、取引対象の購入を契機として、購入された取引対象を販売する販売者から電子商店街の運営者に対して支払われる費用である。また、販促割合とは、前記取引対象の販売価格に対する販促費用の割合である。なお、情報提供装置10は、電子商店街を運営する運営者の主導により、販売促進費の範囲内で取引対象のセールやクーポンの発行を自動的に行ってもよい。すなわち、販売促進費とは、広告費用としての性質のみならず、電子商店街における店舗の出店料や、電子商店街における各種運営において用いられる費用としての側面を有する。
【0027】
情報提供装置10は、このような販売促進費や販促割合の値を指標として、取引対象コンテンツを表示するための優先度を算出する。情報提供装置10は、販促割合の値や販売促進費の値が大きい程、より高い値の優先度を算出する。そして、情報提供装置10は、優先度の値が高い方から順に取引対象コンテンツを並べた検索結果を生成する。
【0028】
また、情報提供装置10は、利用者が検索結果からいずれかの取引対象コンテンツを選択した場合は、取引対象コンテンツと対応する取引対象に関する情報が配置されるとともに、その取引対象の購入を受付けるための購入コンテンツを配信する。そして、情報提供装置10は、利用者端末200から取引対象の購入操作を受付けた場合は、その取引対象を販売した販売者に対して取引対象を販売した旨の通知を行うとともに、各種の課金処理を実行する。
【0029】
例えば、情報提供装置10は、所定の課金処理を行う課金サーバ(図示は、省略)等と連携し、購入された取引対象の価格を請求する。また、情報提供装置10は、取引対象の価格に対して販促割合を積算した額、すなわち、販売促進費用の額を算出し、購入された取引対象の価格から算出された販売促進費用の額を減算した額を販売者に対して提供する。
【0030】
なお、情報提供装置10は、電子商店街における取引対象の価値に基づいて、優先度を算出してもよい。例えば、同一の取引対象が異なる店舗から出品されていたとしても、いずれかの店舗が出品した取引対象の評価やその店舗の評価が高い場合には、他の店舗が出品した取引対象よりもその取引対象の価値が高いと考えられる。また、ある店舗が出品した取引対象について、その取引対象の販売数、取引対象と関連する検索クエリの入力回数、購入コンテンツのインプレッション数や選択数、他の取引対象との価格差、取引対象が出品されてから経過した日数、他の店舗が出品した取引対象の販売数等は、その取引対象の価値の指標となる。そこで、情報提供装置10は、上述した各種の情報に基づいて、取引対象の価値を示す価値スコアを算出し、算出した価値スコアに基づいて、購入コンテンツを表示する優先度を算出してもよい。
【0031】
また、情報提供装置10は、検索結果を表示する際において最初に画面内に表示される範囲や、検索結果が複数のコンテンツにより構成される際において最初に表示されるコンテンツ等、検索結果のうち視認性が所定の閾値を超える領域に、所定の優先領域を設定する。そして、情報提供装置10は、販売促進費や販促割合の値が所定の閾値を超える取引対象の取引対象コンテンツを、販売促進費や販促割合の値に応じた順序で優先領域内に配置して表示してもよい。また、情報提供装置10は、優先領域以外の領域に、販売促進費や販促割合以外の指標に基づいて算出された優先度順に、取引対象コンテンツを並べて表示してもよい。
【0032】
〔1-3.各処理の概要について〕
以下、情報提供装置10が実行する提示処理および提供処理について説明する。以下の説明では、情報提供装置10が取引対象コンテンツを利用者に対して提供する際に実行する提供処理を先に説明し、その後、取引対象コンテンツを提供する際に販売者に対して提供される利益の情報を販売者に対して提供する提示処理について説明する。
【0033】
〔1-3-1.提供処理の概要〕
例えば、販売促進費や販促割合に基づいた優先度で取引対象コンテンツを配信した場合、利用者にとって有用な取引対象の情報を提供しているとは言えない場合がある。例えば、利用者からの評価があまり高くない第1店舗が、利用者からの評価が高い第2店舗よりも高い販売促進費を設定していた場合、第1店舗の取引対象コンテンツが、第2店舗の取引対象よりも優先的に表示されてしまう。このため、利用者が、同じ取引対象を出品する複数の店舗のうち、あまり評判が良くない店舗の取引対象を購入してしまい、取引対象や電子商店街に対する印象が悪化する恐れがある。
【0034】
そこで、情報提供装置10は、取引対象コンテンツの配信を行う際に、以下の提供処理を実行する。まず、情報提供装置10は、電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報を取得する。そして、情報提供装置10は、評価情報に基づく順序で、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する。
【0035】
すなわち、情報提供装置10は、第1販売者によって販売される取引対象に関する情報を、評価情報が示す評価が第1販売者よりも低い第2販売者によって販売される取引対象に関する情報よりも優先的に提供する。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、評価情報が示す評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、評価が所定の条件を満たすと判定された販売者により販売される取引対象に関する情報を、評価が所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。例えば、情報提供装置10は、判定結果に基づいて、販売者によって販売される取引対象に関する情報を提供する優先度を算出し、算出された優先度に応じて、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する。
【0036】
このように、利用者からの評価がより高い販売者により販売される取引対象の取引対象コンテンツを優先的に表示するため、情報提供装置10は、以下の処理を実行する。例えば、情報提供装置10は、評価が所定の条件を満たすと判定された場合は、販促費用の割合を仮想的に増加させ、仮想的に増加させた販促割合の値に基づいて、優先度の算出を行う。すなわち、情報提供装置10は、評価が高い販売者により販売される取引対象については、優先度の指標となる販促割合の値をかさ上げした状態で優先度の算出を行う。
【0037】
ここで、販促割合の値を仮想的に増加させるとは、実際に販促割合の値を増加させるのではなく、優先度の算出においてのみ販促割合の値を増加させる処理を示すものとする。すなわち、情報提供装置10は、ある取引対象について販促割合の値を仮想的に増加させた状態で取引対象コンテンツを表示し、その後、その取引対象が購入された場合は、仮想的に増加させる前の販促割合の値、すなわち、販売者が実際に登録した販促割合の値に基づいた販売促進費用を、販売者に対して課金する。
【0038】
このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者からの評判がよい店舗の取引対象コンテンツを優先的に提供することができる。このため、情報提供装置10は、利用者に対して適切な情報を提供することができる。また、情報提供装置10は、単に評判が良い店舗の取引対象コンテンツを優先的に提供するのではなく、販促割合や販売促進費の額をかさ上げすることにより、利用者からの評判がよい店舗の取引対象コンテンツを優先的に提供するように、優先度を調整する。このような処理の結果、情報提供装置10は、販促割合や販売促進費の額を考慮しつつ、各店舗に対する利用者からの評価に応じた優先度で、各取引対象コンテンツを提供することができる。
【0039】
〔1-3-2.提示処理の概要〕
続いて、提示処理の概要について説明する。上述したように、販売促進費や販促割合に基づいた優先度で取引対象コンテンツを配信した場合、より高い値の販売促進費や販促割合を登録した販売者の取引対象コンテンツが優先的に提供されてしまう。このため、各販売者に対し、単純に販売促進費や販促割合の額を増加させようとする動機づけを与えてしまい、利用者からの評価を改善させる動機づけを与えているとは言えない。
【0040】
そこで、情報提供装置10は、以下の提示処理を実行する。まず、情報提供装置10は、電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価が、電子商店街において販売者に対して所定の利益を提供するための条件を満たすか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、販売者と関連する評価と共に、判定結果を販売者に対して提供する。
【0041】
例えば、情報提供装置10は、販売者と関連する評価が、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度を増加させるための条件を満たすか否かを判定し、判定結果を販売者に対して提供する。より具体的には、情報提供装置10は、優先度の指標となる販促割合の値を仮想的に増加させるための条件を満たすか否かを判定し、判定結果を販売者に対して提供する。すなわち、情報提供装置10は、提示処理として、提供処理において販促割合の値を仮想的に増加させるというインセンティブを得るための条件を満たすか否かの判定結果を販売者に対して提供する。
【0042】
このような処理を実行した場合、情報提供装置10は、各販売者に対し、電子商店街における所定の利益を得るために利用者からの評価を改善しようとする動機づけを与えることができる。より具体的には、情報提供装置10は、販促割合や販売促進費の額を増加させようとする動機づけのみならず、利用者からの評価を向上させようとする動機づけを与えることができる。この結果、情報提供装置10は、各販売者による取引行為の態様を改善させることができる結果、利用者にとって有用な取引対象の情報を提供することができる。
【0043】
〔1-4.提示処理および提供処理の一例〕
以下、図1を用いて、情報提供装置10が実行する提供処理の流れの一例について説明する。まず、情報提供装置10は、店舗端末100を介して取引対象の出品等を受付けるとともに、販促割合の設定要求を受付ける(ステップS1)。このような場合、情報提供装置10は、提示処理を実行することで、販促割合に対するインセンティブの条件を示す条件情報を店舗端末100に提示する(ステップS2)。
【0044】
なお、図1に示す例では、店舗端末100から販促割合の設定要求を受付けた際に条件情報を提供する処理の一例について説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、店舗端末100から条件情報の提示要求を受付けた場合に条件情報を提示してもよく、所定のタイミングで条件情報を店舗端末100にプッシュ通知してもよい。
【0045】
〔1-4-1.提示処理の一例〕
例えば、情報提供装置10は、店舗端末100を利用する販売者(すなわち、店舗)を特定し、特定した販売者に対する各種の評価を特定する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、特定した販売者により販売された取引対象の配送に関する評価(以下、「配送評価」と記載する場合がある。)を特定し、特定した評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。より具体的には、情報提供装置10は、特定した評価が、販促割合を仮想的に増加させるための所定の条件(以下、「増加条件」と記載する。)、もしくは、販促割合を仮想的に減少させるための所定の条件(以下、「減少条件」と記載する。)を満たすか否かを判定する。
【0046】
例えば、電子商店街に出品された取引対象には、注文の翌日に到着する「あすつく」の対象になるものも存在する。このような「あすつく」の対象となる商品について、発想が遅れた場合には、利用者からの評価が低下すると予測される。そこで、情報提供装置10は、取引対象が購入されてから、購入された取引対象を発送するまでの期間(以下、「発送期間」と記載する場合がある。)が所定の期間を超えた回数を特定する。そして、情報提供装置10は、特定した回数に基づく配送評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0047】
例えば、情報提供装置10は、発送期間が24時間を超えた回数を、販売者が取引対象を発送した全回数で除算した値を出荷遅延率として算出する。そして、情報提供装置10は、算出した出荷遅延率が所定の閾値を下回る場合は、配送評価が所定の条件を満たすと判定する。例えば、情報提供装置10は、出荷遅延率が「1パーセント」を下回る場合は、出荷遅延率が増加条件を満たすと判定する。また、情報提供装置10は、出荷遅延率が「10%」を上回る場合は、出荷遅延率が減少条件を満たすと判定する。
【0048】
なお、情報提供装置10は、発送期間が24時間を超えた回数を特定し、特定した回数が所定の閾値を下回る場合は、配送評価が所定の条件を満たすと判定してもよい。また、情報提供装置10は、出荷遅延率が所定の閾値を超える場合や、発送期間が所定の閾値を超えた回数が所定の回数を超える場合は、配送評価が所定の条件を満たさないと判定してもよい。
【0049】
また、取引対象を購入してから到着までの時間が長い場合には、利用者の印象が低下すると考えられる。そこで、情報提供装置10は、取引対象が購入されてから取引対象が配送先に配送されるまでの期間(以下、「配送期間」と記載する場合がある。)に基づく評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0050】
例えば、情報提供装置10は、配送期間の平均値を平均配送期間として算出し、算出した平均配送期間が5日を下回る場合は、平均配送期間が増加条件を満たすと判定し、平均配送期間が10日を上回る場合は、平均配送期間が減少条件を満たすと判定してもよい。また、情報提供装置10は、配送期間が所定の閾値を超える回数を算出し、算出した回数が所定の閾値を下回る場合や、配送期間が所定の閾値を超える回数の割合が所定の閾値を下回る場合は、配送評価が所定の増加条件を満たすと判定してもよい。また、情報提供装置10は、平均配送期間が所定の閾値を超える場合や、配送期間が所定の閾値を超えた回数が所定の回数を超える場合は、平均配送期間が減少条件を満たすと判定してもよい。
【0051】
また、取引対象のそのもに対する評価は、その取引対象を販売した販売者に対する評価であると考えられる。そこで、情報提供装置10は、販売者により販売された取引対象に関する評価(以下、「取引対象評価」と記載する場合がある。)が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0052】
例えば、電子商店街においては、購入した取引対象に関する段階的な評価を受付ける機能を有する場合がある。そこで、情報提供装置10は、取引対象に対して付与された評価値の平均値に基づく評価(以下、「平均レビュー」と記載する場合がある。)が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、平均レビューの値が4以上となる場合は、平均レビューが増加条件を満たすと判定し、平均レビューの値が2を下回る場合は、平均レビューが減少条件を満たすと判定してもよい。
【0053】
ここで、評価値の平均値に基づく評価を行った場合、販売者や販売者と関連する利用者によって高い評価値が付与されることにより、不正な評価値の操作が行われる結果、インセンティブが付与されてしまう恐れがある。そこで、情報提供装置10は、取引対象に対して所定の閾値よりも低い値の評価値(以下、「低評価レビュー」と記載する場合がある。)が付与された回数に基づく評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0054】
例えば、情報提供装置10は、低評価レビューの割合が1パーセントを下回る場合は、低評価レビューが増加条件を満たすと判定し、低評価レビューの割合が10パーセントを超える場合は、低評価レビューが減少条件を満たすと判定する。なお、情報提供装置10は、低評価レビューの回数が所定の閾値を下回るか否かを判定してもよい。
【0055】
また、電子商店街においては、各店舗に対する段階的な評価を受付ける場合がある。そこで、情報提供装置10は、販売者に対する評価(以下、「店舗評価」と記載する場合がある。)が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0056】
例えば、情報提供装置10は、店舗に対して付与された評価値の平均値に基づく評価(以下、「平均ストア評価」と記載する場合がある。)が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、平均ストア評価の値が4を上回る場合は、平均ストア評価が増加条件を満たすと判定し、平均ストア評価の値が2を下回る場合は、平均ストア評価が減少条件を満たすと判定する。
【0057】
また、情報提供装置10は、店舗に対して所定の閾値よりも低い値の評価値(以下、「低ストア評価」と記載する場合がある。)が付与された回数に基づく評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、低ストア評価の割合が1パーセント下回る場合は、低ストア評価が増加条件を満たすと判定し、低ストア評価の割合が10パーセントを超える場合は、低ストア評価が減少条件を満たすと判定する。なお、情報提供装置10は、低ストア評価の数が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0058】
また、情報提供装置10は、販売者側の都合により購入後に取引対象の販売がキャンセルされた回数に基づく評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、販売者側の都合により購入後に取引対象の販売がキャンセルされた割合をストア都合キャンセル率として算出する。そして、情報提供装置10は、ストア都合キャンセル率が1パーセントを下回る場合は、ストア都合キャンセル率が所定の増加条件を満たすと判定し、ストア都合キャンセル率が0パーセントを上回る場合は、ストア都合キャンセル率が減少条件を満たすと判定する。
【0059】
なお、上述した各種の評価以外にも、情報提供装置10は、各販売者による販売履歴が各種の条件を満たすか否かを判定してもよい。また、情報提供装置10は、発送期間や配送期間がどのような期間を超えた場合に遅延が生じたと見做すか、各評価がどのような閾値を超えた場合、あるいは、どのような閾値を下回る場合に条件を満たすと判定するかについては、任意の閾値が採用可能である。
【0060】
そして、情報提供装置10は、販売者の各評価内容と、各評価が所定の条件を満たすか否かを示す情報をまとめたコンテンツC10を生成する。例えば、情報提供装置10は、店舗端末100を利用する店舗である店舗AへのコンテンツC10として、図1に示すように、「店舗A様のインセンティブ情報」といったコンテンツC10を生成する。そして、情報提供装置10は、コンテンツC10内に、店舗Aにおける出荷遅延率、平均配送期間、低評価レビューの割合、平均レビューの値、低ストア評価の割合、平均ストア評価の値、ストア都合キャンセル率の値等を配置する。さらに、情報提供装置10は、各評価項目が増加条件を満たすか否か、および、各評価項目が減少条件を満たすか否かを示す情報をコンテンツC10内に配置する。すなわち、情報提供装置10は、各評価項目が所定の条件を満たした場合に店舗Aに対して付与される利益、すなわち、インセンティブを示す情報やペナルティを示す情報をコンテンツC10内に配置する。
【0061】
例えば、図1に示す例では、情報提供装置10は、店舗Aの出荷遅延率「1.2パーセント」をコンテンツC10内に配置する。ここで、提示処理においては、出荷遅延率が「1パーセント」以下の場合に、販促割合が仮想的に増加され、出荷遅延率が「10パーセント」以上の場合に、販促割合が仮想的に減少されるものとする。このような場合、情報提供装置10は、出荷遅延率「1.2パーセント」が増加条件および減少条件のいずれも満たさないと判定する。そして、情報提供装置10は、増加条件および減少条件のいずれも満たさない旨の表示をコンテンツC10中に配置する。
【0062】
また、情報提供装置10は、店舗Aの平均配送期間「3日」をコンテンツC10内に配置する。ここで、提示処理においては、平均配送期間が「5日」以下の場合に、販促割合が仮想的に増加させ、平均配送期間が「10日」以上の場合に、販促割合が仮想的に減少されるものとする。このような場合、情報提供装置10は、平均配送期間が増加条件を満たすと判定し、平均配送期間が増加条件を満たす旨の表示をコンテンツC10内に配置する。
【0063】
また、情報提供装置10は、店舗Aの低評価レビュー、平均レビュー、低ストア評価、平均ストア評価、およびストア都合キャンセル率のそれぞれの値をコンテンツC10内に配置するとともに、各評価項目に対する増加条件や減少条件、各評価項目が増加条件を満たすか否か、および、減少条件を満たすかいなかを示す情報をコンテンツC10内に配置する。
【0064】
さらに、情報提供装置10は、店舗に対する各評価項目のうち、所定の条件を満たす評価項目の数に応じたインセンティブの内容をコンテンツC10内に配置する。例えば、提示処理においては、増加条件を満たす項目の数から減少条件を満たす項目の数を減算した値が2つ以上で、販促割合を仮想的に1.5倍にするものとする。このような場合、情報提供装置10は、店舗Aの各評価項目のうち、増加条件を満たす項目が3つであり、減少条件を満たす項目が2つであるので、店舗Aのインセンティブとして販促割合が1.5倍となる旨を配置する。
【0065】
そして、情報提供装置10は、コンテンツC10を販売者となる店舗に提示する。このようなコンテンツC10を提示された店舗は、販促割合を増加させるというインセンティブ、すなわち、取引対象コンテンツを優先的に提示するというインセンティブを得るために、条件情報に応じた施策を実行することとなる(ステップS3)。例えば、店舗Aは、販促割合をさらに向上させるため、出荷遅延率や平均配送期間の改善を行う。そして、情報提供装置10は、店舗情報の更新を行うことで(ステップS4)、改善結果を得ることができる。
【0066】
〔1-4-2.提供処理の一例〕
続いて、提供処理の一例について説明する。例えば、情報提供装置10は、利用者端末200から検索クエリを受付ける(ステップS5)。このような場合、情報提供装置10は、販売されている取引対象の中から検索クエリと関連する取引対象を検索し、検索された取引対象の販促割合を特定する(ステップS6)。例えば、情報提供装置10は、検索クエリと対応する取引対象#A~#Cを特定する。そして、情報提供装置10は、取引対象#A~#Cを販売する店舗と、取引対象の価格と、販促割合とを特定する。
【0067】
例えば、情報提供装置10は、取引対象#Aを販売する店舗#A、取引対象#Aの価格「1500円」、および取引対象#Aの販促割合「10パーセント」を特定する。また、情報提供装置10は、取引対象#Bを販売する店舗#B、取引対象#Bの価格「1400円」、および取引対象#Bの販促割合「12パーセント」を特定する。また、情報提供装置10は、取引対象#Cを販売する店舗#C、取引対象#Cの価格「1500円」、および取引対象#Cの販促割合「12パーセント」を特定する。
【0068】
ここで、単純に各取引対象#A~#Cに対する販売促進費を算出した場合、取引対象#Aの販売促進費は「150円」となり、取引対象#Bの販売促進費は「168円」となり、取引対象#Cの販売促進費は「180」円となる。この結果、単純に各販売促進費の値を優先度とすると、取引対象#C、取引対象#B、取引対象#Aの順番で、取引対象コンテンツが提供されることとなる。
【0069】
しかしながら、例えば、店舗#Bや店舗#Cよりも店舗#Aの方が評価が高い場合、取引対象#Aの取引対象コンテンツを優先的に提示した方がよいと考えられる。そこで、情報提供装置10は、評価が高い店舗の販促割合を仮想的に上乗せした状態で、販売促進費を算出する(ステップS7)。
【0070】
例えば、情報提供装置10は、店舗#A~#Cの配送履歴等から、出荷遅延率、平均配送期間、低評価レビュー、平均レビュー、低ストア評価、、平均ストア評価、およびストア都合キャンセル率のそれぞれが、所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、各評価項目が所定の増加条件および減少条件を満たすか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、各評価項目のうち各条件を満たすと判定された項目や、条件を満たす項目の数に応じて、販促割合の値を調整する。すなわち、情報提供装置10は、評価が所定の増加条件を満たすと判定された場合は、取引対象コンテンツを表示する優先度を増加させ、評価が所定の減少条件を満たすと判定された場合は、取引対象コンテンツを表示する優先度を低下させる。
【0071】
例えば、図1に示す例では、店舗#Aについては、平均配送期間、低ストア評価、および平均ストア評価が増加条件をみたし、ストア都合キャンセル率が減少条件を満たしている。この結果、情報提供装置10は、店舗#Aにおいては、販促割合「10パーセント」を「1.5倍」にした値「15パーセント」を適用割合として算出する。そして、情報提供装置10は、適用割合と価格との積である「225」を販促スコアとして算出する。
【0072】
一方、情報提供装置10は、店舗#Bおよび店舗#Cが各評価項目を満たさなかった場合、販促割合の値をそのまま適用割合とすることで、販促スコアの値を算出する。例えば、情報提供装置10は、店舗#Bの取引対象#Bについては、販促スコア「168」を算出し、店舗#Cの取引対象#Cについては、販促スコア「180」を算出する。
【0073】
そして、情報提供装置10は、販促スコアに応じた順序でコンテンツを並べた検索結果を生成する(ステップS8)。例えば、情報提供装置10は、取引対象#A、取引対象#C、および取引対象#Bの順で取引対象コンテンツを並べた検索結果SRを生成する。そして、情報提供装置10は、検索結果SRを利用者端末200に送信することで、価値が高い店舗の取引対象を優先的に提示する(ステップS9)。また、情報提供装置10は、取引対象が購入された場合は、設定された販促割合に応じた販売促進費を販売者に対して課金する(ステップS10)。例えば、情報提供装置10は、取引対象#Aが購入された場合は、適用割合に係わらず、店舗#Aが設定した販売促進費「150円」を販売者に対して課金する。
【0074】
〔1-5.評価項目について〕
なお、情報提供装置10は、提示処理における評価項目と同一の評価項目について、店舗が各評価項目を満たすか否かの判定結果を提供するのであれば、任意の内容の評価項目を採用してよい。また、情報提供装置10は、任意の内容の評価項目について、各店舗が評価項目を満たすか否かを判定し、判定結果に応じて、販促割合の値を調整すればよい。
【0075】
なお、情報提供装置10は、上述した各種評価項目のうち、一部のみを採用してもよい。また、情報提供装置10は、上述した評価項目以外にも、電子商店街において各店舗に対する評価を示すと考えられる任意の評価項目を満たすか否かを判定してもよい。
【0076】
〔1-6.インセンティブについて〕
また、上述した説明では、情報提供装置10は、検索結果の提供時における販促割合の値を仮想的に増加させることをインセンティブとし、販促割合の値の仮想的に減少させることをペナルティとした。ここで、情報提供装置10は、任意の手法により販促割合の値を増加あるいは減少させてもよい。
【0077】
例えば、情報提供装置10は、増加条件を満たす度に、販促割合の値を1以上の値で定数倍し、減少条件を満たす度に販促割合の値を1以下の値で定数倍してもよい。また、情報提供装置10は、増加条件を満たす項目数だけ、販促割合に加算を行い、減少条件を満たす項目数だけ、販促割合からの減算を行ってもよい。すなわち、情報提供装置10は、所定の条件を満たすと判定された評価項目の数に応じたインセンティブを採用してもよい。例えば、情報提供装置10は、評価項目のうち所定の増加条件を満たす項目の数が多ければ多い程、販促割合の値をより高い値に増加させてもよい。
【0078】
また、情報提供装置10は、販売促進費や販促割合の値以外にも、各種の指標に基づいて優先度を算出し、各販売者の評価に応じて、算出した優先度を調整してもよい。例えば、情報提供装置10は、評価が良いほどより高い値となるように優先度の調整を行ってもよい。
【0079】
また、情報提供装置10は、販売者と関連する複数種別の評価を示す評価情報を取得し、評価情報が示す評価のうち、所定の条件を満たすと判定された評価の種別に応じた割合で、販促割合の値を仮想的に増加させてもよい。例えば、情報提供装置10は、出荷遅延率のみが所定の条件を満たす場合、販促割合を1.2倍にした値を適用割合とし、出荷遅延率と平均配送期間とが所定の条件を満たす場合、販促割合を1.5倍にした値を適用割合としてもよい。また、情報提供装置10は、評価項目ごとに異なるインセンティブを採用してもよい。平均レビューの値が所定の条件を満たす場合は、販促割合を1.1倍にし、低ストア評価の値が所定の条件を満たす場合、販促割合を1.2倍にしてもよい。
【0080】
また、情報提供装置10は、各評価項目が所定の条件を満たすか否かではなく、各評価項目の値そのものに応じた内容のインセンティブを設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、出荷遅延率の値が低ければ低い程、販促割合の値をより高い値に仮想的に増加させてもよい。また、情報提供装置10は、低評価レビューの件数や低ストア評価の件数が少なければ少ない程、販促割合の値をより高い値に仮想的に増加させてもよい。
【0081】
また、情報提供装置10は、各評価項目のうち、対応する増加条件を満たす項目の数に応じて、販促割合の値を増加させてもよい。例えば、情報提供装置10は、各評価項目のうち増加条件を満たす項目の数を、販促割合に加算した値を適用割合としてもよい。また、情報提供装置10は、各評価項目のうち減少条件を満たす項目の数を、販促割合に減算した値を適用割合としてもよい。
【0082】
〔1-7.インセンティブの付与条件について〕
なお、情報提供装置10は、提示処理や提供処理を実行するか否かに条件を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、販売者による販売履歴が所定の条件を満たし、かつ、評価情報が所定の条件を満たす場合は、販促割合の値を仮想的に増加させてもよい。例えば、情報提供装置10は、販売者による売上の総額が所定の閾値を超える場合にのみ、販売者に対する評価が所定の条件を満たすか否かを判定し、評価が所定の条件を満たす場合にのみ、販促割合の値を仮想的に増加させてもよい。
【0083】
また、情報提供装置10は、販売者による売り上げの総額が所定の閾値を超える場合にのみ、販売者に対する評価が所定の条件を満たすか否かの判定結果を提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、売上総額が所定の閾値を超える場合は、図1に示すコンテンツC10を提供し、売上総額が所定の閾値を超えない場合は、コンテンツC10に、各評価項目の現状のみを配置し、各評価項目が所定の条件を満たすか否か等の情報は、配置せずともよい。
【0084】
〔1-8.条件情報の提示条件について〕
なお、情報提供装置10は、販売者と関連する評価が条件を満たし、かつ、販売者により販促割合の値が登録されていない場合は、判定結果とともに、販促割合の登録を促すための情報を提示してもよい。例えば、情報提供装置10は、販促割合の登録を行っていない場合にのみ、図1に示す様なコンテンツC10を提示してもよい。すなわち、情報提供装置10は、販促割合の登録を行ってない場合にのみ、各評価項目や各評価項目を満たすか否かの判定結果、評価項目を満たす場合のインセンティブ等を提示してもよい。このような処理を実行することで、情報提供装置10は、各販売者に対して販促割合を登録した場合の利益を提示することができるので、販促割合の設定を促進することができる。
【0085】
なお、情報提供装置10は、各評価項目が増加条件や減少条件を満たすか否かや、増加条件や減少条件の閾値以外にも、任意の情報を利用者に対して提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、他の販売者と比較した場合の出荷の速さや出荷遅延率を示す情報を提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、平均配送期間や平均的な発送期間が全ストア中で何位であるか、出荷遅延率が全ストア中で何位であるかを示すグラフを表示してもよい。
【0086】
また、情報提供装置10は、各種評価項目を改善するために一般的に用いられる施策を示すテキストや、このような施策を示すコンテンツへのリンクが設定された情報をコンテンツC10内に配置して表示してもよい。このように、情報提供装置10は、販売者と関連する評価が条件を満たしていない場合は、評価が条件を満たすための施策を示す情報をさらに提供するので、各販売者に対して評価を改善させる動機づけをさらに提供することができる。
【0087】
〔2.情報提供装置の構成〕
以下、上記した情報提供装置10が有する機能構成の一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0088】
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、店舗端末100や利用者端末200との間で情報の送受信を行う。
【0089】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、取引対象データベース31、店舗データベース32、および条件データベース33を記憶する。
【0090】
取引対象データベース31には、電子商店街に出品された取引対象に関する情報が登録される。例えば、図3は、実施形態に係る取引対象データベースの一例を示す図である。図3に示す例では、取引対象データベース31には、「店舗ID(Identifier)」、「取引対象ID」、「カテゴリ情報」、「価格情報」、「送料」、および「販促割合」が対応付けて登録されている。なお、図3に示す情報以外にも、取引対象データベース31には、例えば、取引対象の画像や説明文となる取引対象コンテンツ、購入コンテンツ、取引対象コンテンツのCTR、CVR等といった取引対象に関する各種の情報が登録されていてよい。
【0091】
ここで、「店舗ID」とは、取引対象を出品した店舗を示す識別子、すなわち、販売者を示す識別子である。また、「取引対象ID」とは、取引対象を示す識別子である。また、「カテゴリ情報」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象が属するカテゴリを示す情報である。また、「価格情報」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象の価格を示す情報である。また、「送料」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象を配送する際の総量を示す情報である。また、「販促割合」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象に対して設定された販促割合の値である。
【0092】
例えば、図3に示す例では、店舗ID「店舗#1」、取引対象ID「取引対象#1-1」、カテゴリ情報「カテゴリ#A-B-C」、価格情報「価格情報#1-1」、送料「送料#1-1」、および販促割合「販促割合#1-1」といった情報が登録されている。このような情報は、店舗ID「店舗#1」が示す店舗に関する情報が店舗情報「店舗情報#1」であり、この店舗により出品された取引対象であって、取引対象ID「取引対象#1-1」が示す取引対象が、カテゴリ情報「カテゴリ#A-B-C」が示すカテゴリに属している旨を示す。また、このような情報は、取引対象ID「取引対象#1-1」が示す取引対象の価格が価格情報「価格情報#1-1」が示す価格であり、送料が送料「送料#1-1」が示す送料である旨を示す。また、このような情報は、取引対象ID「取引対象#1-1」が示す取引対象に対し、販促割合「販促割合#1-1」が設定されている旨を示す。
【0093】
なお、図3に示す例では、各項目に対応する情報として、「店舗#1」、「取引対象#1-1」、「カテゴリ#A-B-C」、「価格情報#1-1」、「送料#1-1」、および「販促割合#1-1」といった概念的な値を記載した。ここで、取引対象データベース31には、実際には、店舗や取引対象を識別するための数値や文字列、取引対象が属するカテゴリの階層を示す数値や文字列、価格や送料を示す数値、販促割合を示す数値等が登録される。
【0094】
図2に戻り、説明を続ける。店舗データベース32には、店舗に関する各種の情報が登録される。例えば、図4は、実施形態に係る店舗データベースに登録される情報の一例を示す図である。図4に示すように、店舗データベース32には、「店舗ID」、「販売履歴」、「評価情報」、「発送態様情報」、「配送結果履歴」、「販売総額」、および「インセンティブ」といった情報が対応付けて登録されている。
【0095】
ここで、「販売履歴」とは、対応付けられた店舗IDが示す店舗による取引対象の販売履歴を示す情報である、また、「評価情報」とは、対応付けられた店舗IDが示す店舗や、店舗が販売した取引対象対する評価を示す情報である。また、「発送態様情報」とは、対応付けられた店舗IDが示す店舗による発送の態様を示す情報である。また、「配送結果履歴」とは、対応付けられた店舗IDが示す店舗による配送の結果を示す情報である。また、「販売総額」とは、対応付けられた店舗IDが示す店舗における取引対象の販売総額である。また、「インセンティブ」とは、対応付けられた店舗IDが示す店舗に対して付与されるインセンティブの内容を示す情報である。
【0096】
例えば、図4に示す例では、店舗ID「店舗#1」、販売履歴「販売履歴#1」、評価情報「評価#1」、発送態様情報「発送態様#1」、配送結果履歴「配送結果#1」、販売総額「販売総額#1」、およびインセンティブ「1.3」が対応付けて登録されている。このような情報は、店舗ID「店舗#1」が示す店舗の販売履歴が「販売履歴#1」であり、評価情報が「評価#1」であり、発送態様情報が「発送態様#1」であり、配送結果履歴が「配送結果#1」であり、販売総額が「販売総額#1」であり、およびインセンティブが「1.3倍」となる旨を示す。
【0097】
なお、図4に示す例では、「店舗#1」、「販売履歴#1」、「評価#1」、「発送態様#1」、「配送結果#1」、および「販売総額#1」といった概念的な値を記載したが、実際には、各店舗を示す文字列や数値、販売履歴を示すデータ、各利用者からの評価を示す数値、発送期間の履歴を示すデータ、配送期間の履歴を示すデータ、および販売総額を示す数値等が登録されることとなる。
【0098】
図2に戻り、説明を続ける。条件データベース33には、各種の増加条件および減少条件が登録される。例えば、図5は、実施形態に係る条件データベースに登録される情報の一例を示す図である。図5に示すように、条件データベース33には、「条件ID」、「条件内容」、および「対応処理」といった項目を有する情報が登録される。
【0099】
ここで、「条件ID」とは、各条件を示す識別子である。また、「条件内容」とは、どの評価項目がどのような条件を満たすか否かを示す情報、すなわち、条件の内容である。また、「対応処理」とは、対応付けらられた条件の内容が満たされた場合に、どのような処理を実行するかを示す情報である。
【0100】
例えば、図5に示す例では、条件データベース33には、条件ID「条件#1」、条件内容「出荷遅延率<閾値#1」、および対応処理「販促割合×1.2」が対応付けて登録されている。このような情報は、条件ID「条件#1」が示す条件が、「出荷遅延率が閾値#1未満となる」か否かという内容の条件であり、条件が満たされた場合に、販促割合の値が「1.2倍」される旨を示す。なお、図5に示す例では、各評価項目と比較される閾値を「閾値#1」といった概念的な表示で示したが、実際には、閾値をとなる数値が登録されることとなる。
【0101】
図2に戻って説明を続ける。制御部40は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(通知プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0102】
図2に示すように、制御部40は、取得部41、判定部42、提示部43、検索部44、提供部45、および設定部46を有する。
【0103】
取得部41は、電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報を取得する。例えば、取得部41は、店舗端末100から条件情報の提示要求を受付けた場合は、利用者端末200から検索クエリを受付けた場合等は、各店舗の販売履歴や発送に関する履歴、配送に関する履歴、各店舗や各店舗により販売された取引対象に対する評価等を取得する。そして、取得部41は、取得した情報に基づいて、各種の評価項目の値を生成する。例えば、取得部41は、出荷遅延率、平均配送期間、低評価レビュー、平均レビュー、低ストア評価、平均ストア評価、およびストア都合キャンセル率の算出を行う。
【0104】
判定部42は、評価情報が示す評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。より具体的には、判定部42は、評価情報が示す評価が所定の増加条件と所定の減少条件とを満たすか否かを判定する。例えば、判定部42は、取得部41により算出された各評価項目の値を取得するとともに、取得した各評価項目の値が、条件データベース33に登録された各条件を満たすか否かを判定する。
【0105】
例えば、判定部42は、提示処理および提供処理において、電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価が、電子商店街において販売者に対して所定の利益を提供するための条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部42は、販売者と関連する評価が、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度を増加させるための条件、すなわち、増加条件を満たすか否かを判定する。
【0106】
より具体的には、判定部42は、取引対象の購入を契機として販売者から電子商店街の運営者に対して支払われる費用の取引対象の販売価格に対する割合であって、取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度の指標となる割合である販促割合の値を、仮想的に増加させるための増加条件を満たすか否かを判定する。また、判定部42は、所定の条件として、電子商店街において当該販売者に対して所定のペナルティを提供するための条件、すなわち、販促割合の値を仮想的に減少させるための減少条件を満たすか否かを判定する。
【0107】
例えば、判定部42は、販売者と関連する複数の評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。より具体的には、判定部42は、取引対象の配送に関する評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部42は、取引対象が購入されてから取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた回数に基づく評価、すなわち、出荷遅延率が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、例えば、判定部42は、取引対象が購入されてから取引対象が配送先に配送されるまでの期間に基づく評価、すなわち、平均配送期間が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0108】
また、判定部42は、販売者により販売された取引対象に関する評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部42は、取引対象に対して所定の閾値よりも低い値の評価値が付与された回数に基づく評価、すなわち、低評価レビューが所定の条件を満たすか否かを判定する。また、判定部42は、取引対象に対する評価値の平均値、すなわち、平均レビューが所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0109】
また、判定部42は、販売者に対する評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部42は、販売者に対して所定の閾値よりも低い値の評価値が付与された回数に基づく評価、すなわち、低ストア評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、判定部42は、販売者に対する評価値の平均値、すなわち、平均ストア評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、判定部42は、取引対象の販売を取りやめた回数に基づく評価値、すなわち、ストア都合キャンセル率が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0110】
提示部43は、販売者と関連する評価と共に、判定結果を販売者に対して提示する。例えば、提示部43は、取得部41により取得された各評価項目の値と、判定部42による判定結果を示すコンテンツC10を生成する。また、提示部43は、判定部42による判定結果に基づいて、店舗に対するインセンティブやペナルティの内容を特定する。そして、提示部43は、特定したインセンティブの内容やペナルティの内容をコンテンツC10中に配置し、コンテンツC10を店舗に対して提示する。
【0111】
なお、提示部43は、販売者と関連する評価が条件を満たし、かつ、販売者により販促割合の値が登録されていない場合は、販促割合の登録を促すための情報を提示してもよい。例えば、提示部43は、販売者により販促割合の値が登録されていない場合は、コンテンツC10を生成し、生成したコンテンツC10の提供を行ってもよい。また、提示部43は、販売者の販売総額が所定の閾値を超える場合にのみ、各評価項目が増加条件や減少条件を満たすか否かの判定結果を店舗に提示してもよい。
【0112】
検索部44は、検索クエリと対応する取引対象を検索する。例えば、検索部44は、利用者端末200から検索クエリを受付けた場合は、検索クエリと対応する取引対象を取引対象データベース31から検索する。そして、検索された取引対象を提供部45に通知する。
【0113】
提供部45、評価情報に基づく順序で、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する。例えば、提供部45は、検索された取引対象を販売する店舗について判定部42による各評価項目の判定結果を取得する。そして、提供部45は、判定結果に応じて、各取引対象の取引対象コンテンツを表示するための優先度を算出する。
【0114】
例えば、提供部45は、第1販売者によって販売される取引対象に関する情報を、評価情報が示す評価が第1販売者よりも低い第2販売者によって販売される取引対象に関する情報よりも優先的に提供する。例えば、提供部45は、評価が所定の条件を満たすと判定された販売者により販売される取引対象に関する情報を、評価が所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。
【0115】
例えば、提供部45は、判定結果に基づいて、販売者によって販売される取引対象に関する情報を提供する優先度を算出し、算出された優先度に応じて、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する。より具体的には、提供部45は、評価が所定の条件を満たすと判定された場合は、取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度の指標となる割合である販促割合の値を、仮想的に増加させ、仮想的に増加させた販促割合の値に基づいて、優先度を算出する。
【0116】
例えば、提供部45は、出荷遅延率、平均配送期間、低評価レビュー、平均レビュー、低ストア評価、平均ストア評価、若しくはストア都合キャンセル率といった各評価項目が所定の増加条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、各評価項目が所定の増加条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。また、提供部45は、各評価項目が所定の減少条件を満たさない販売者により販売される取引対象に関する情報を、各評価項目が所定の減少条件を満たすと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。
【0117】
すなわち、提供部45は、評価が所定の増加条件を満たすと判定された場合は、販売者により販売される取引対象に関する情報を表示する優先度を増加させ、評価が所定の減少条件を満たすと判定された場合は、販売者により販売される取引対象に関する情報を表示する優先度を減少させる。例えば、提供部45は、増加条件を満たす評価項目の数に応じて値だけ、販促割合を仮想的に増加させ、減少条件を満たす評価項目の数に応じて値だけ、販促割合を仮想的に減少させる。そして、提供部45は、仮想的に増加あるいは減少させた販促割合の値に基づいて、販促スコアを算出し、販促スコアの順に取引対象コンテンツを並べた検索結果SRを生成する。そして、提供部45は、生成した検索結果SRを利用者端末200に配信する。
【0118】
なお、提供部45は、販売者による販売履歴が所定の条件を満たし、かつ、評価情報が所定の条件を満たす場合は、販促割合の値を仮想的に増加させてもよい。例えば、提供部45は、販売者による販売総額が所定の閾値を超える場合にのみ、販促割合の値を仮想的に増加もしくは減少させてもよい。また、提供部45は、評価情報が示す評価のうち、所定の条件を満たすと判定された評価の種別に応じた割合で、販促割合の値を仮想的に増加させてもよい。例えば、提供部45は、増加条件や減少条件を満たす評価項目の組み合わせや数に応じた値だけ、販促割合の値を増加もしくは減少させてもよい。
【0119】
設定部46は、取引対象が購入された場合は、仮想的に増加させる前の販促割合の値に基づいた販売促進費用を設定する。例えば、設定部46は、ある取引対象が購入された場合は、その取引対象の取引対象購入する際に増加あるいは減少させた販促割合の値によらず、あらかじめ店舗が設定した販促割合の値に基づいて、販売促進費を算出する。そして、設定部46は、図示を省略した外部の決済サーバ等と連携して、算出された販売促進費を販売者に対して課金する。
【0120】
〔3.処理手順〕
次に、図6図7を用いて、実施形態に係る情報提供装置10による処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る提示処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図7は、実施形態に係る提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0121】
まず、図6を用いて、提示処理の流れの一例を説明する。まず、情報提供装置10は、店舗の情報を取得する(ステップS101)。そして、情報提供装置10は、店舗の情報に基づいて、店舗の価値に関する各評価項目が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)、その後、情報提供装置10は、判定結果を、各条件を満たした際のインセンティブとともに、店舗に対して提示し(ステップS103)、処理を終了する。
【0122】
続いて、図7を用いて、提供処理の流れの一例を説明する。まず、情報提供装置10は、検索クエリを受付ける(ステップS201)、そして、情報提供装置10は、検索クエリと対応する取引対象を検索する(ステップS202)。その後、情報提供装置10は、インセンティブに関する条件を満たしているか否かに応じて、取引対象コンテンツを提供する優先度を算出する(ステップS203)。例えば、情報提供装置10は、各増加条件や減少条件に応じて、販促割合の値を調整し、調整後の値に基づいて、各取引対象コンテンツを表示する優先度を算出する。そして、情報提供装置10は、算出した優先度で取引対象の情報を提供し(ステップS204)、処理を終了する。
【0123】
〔4.変形例〕
上述した情報提供装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてもよい。そこで、以下では、情報提供装置10の他の実施形態について説明する。
【0124】
〔4-1.処理態様について〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0125】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0126】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0127】
〔4-2.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報提供装置10は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0128】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0129】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0130】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0131】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0132】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0133】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
【0134】
〔5.効果〕
上述してきたように、情報提供装置10は、電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報を取得する。そして、情報提供装置10は、評価情報に基づく順序で、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する。このため、情報提供装置10は、販売者の評価に応じた順序で取引対象コンテンツを利用者に提供することができるので、利用者にとって有用な取引対象の情報を提供することができる。
【0135】
また、情報提供装置10は、第1販売者によって販売される取引対象に関する情報を、評価情報が示す評価がその第1販売者よりも低い第2販売者によって販売される取引対象に関する情報よりも優先的に提供する。例えば、情報提供装置10は、評価情報が示す評価が所定の条件を満たすか否かを判定し、評価が所定の条件を満たすと判定された販売者により販売される取引対象に関する情報を、評価が所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。より具体的には、情報提供装置10は、判定結果に基づいて、販売者によって販売される取引対象に関する情報を提供する優先度を算出し、算出された優先度に応じて、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する。
【0136】
また、情報提供装置10は、評価が所定の条件を満たすと判定された場合は、取引対象の購入を契機として販売者から電子商店街の運営者に対して支払われる販売促進費用の取引対象の販売価格に対する割合であって、取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度の指標となる割合である販促割合の値を、仮想的に増加させ、仮想的に増加させた販促割合の値に基づいて、優先度を算出する。また、情報提供装置10は、取引対象が購入された場合は、仮想的に増加させる前の販促割合の値に基づいた販売促進費用を設定する。
【0137】
ここで、情報提供装置10は、販売者による販売履歴が所定の条件を満たし、かつ、評価情報が所定の条件を満たす場合は、販促割合の値を仮想的に増加させる。また、情報提供装置10は、販売者と関連する複数種別の評価を示す評価情報を取得し、評価情報が示す評価のうち、所定の条件を満たすと判定された評価の種別に応じた割合で、販促割合の値を仮想的に増加させる。また、情報提供装置10は、販売者と関連する複数種別の評価を示す評価情報を取得し、評価情報が示す評価のうち、所定の条件を満たすと判定された評価の数に応じた割合で、販促割合の値を仮想的に増加させる。
【0138】
ここで、情報提供装置10は、取引対象の配送に関する評価を示す評価情報を取得する。例えば、情報提供装置10は、取引対象が購入されてからその取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた回数に基づく評価が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、その評価がその所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。また、情報提供装置10は、取引対象が購入されてからその取引対象が配送先に配送されるまでの期間が所定の期間を超えた回数に基づく評価が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、その評価がその所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。
【0139】
また、情報提供装置10は、販売者により販売された取引対象に関する評価を取得する。例えば、情報提供装置10は、取引対象に対して所定の閾値よりも低い値の評価値が付与された回数に基づく評価が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、その評価がその所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。また、情報提供装置10は、取引対象に対する評価値の平均値が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、その評価値の平均値がその所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。
【0140】
また、情報提供装置10は、販売者に対する評価を取得する。例えば、情報提供装置10は、販売者に対して所定の閾値よりも低い値の評価値が付与された回数に基づく評価が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、その評価がその所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。また、情報提供装置10は、販売者に対する評価値の平均値が所定の条件を満たす販売者により販売される取引対象に関する情報を、その評価値の平均値がその所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売させる取引対象よりも優先的に提供する。
【0141】
また、情報提供装置10は、取引対象の販売を取りやめた回数に基づく評価値が所定の条件を満たすと判定された販売者により販売される取引対象に関する情報を、取引対象の販売を取りやめた回数に基づく評価値が所定の条件を満たさないと判定された販売者により販売される取引対象に関する情報よりも優先的に提供する。また、情報提供装置10は、評価情報が示す評価が所定の増加条件と所定の減少条件とを満たすか否かを判定し、評価が所定の増加条件を満たすと判定された場合は、販売者により販売される取引対象に関する情報を表示する優先度を増加させ、評価が所定の減少条件を満たすと判定された場合は、販売者により販売される取引対象に関する情報を表示する優先度を減少させ、各販売者によって販売される取引対象に関する情報を、優先度に応じた順序で利用者に提供する。
【0142】
上述した各種の提供処理により、情報提供装置10は、各種の評価がより高い販売者により販売される取引対象の取引対象コンテンツを利用者に対して優先的に提供するので、利用者にとって有用な情報を提供することができる。
【0143】
また、情報提供装置10は、電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価が、電子商店街においてその販売者に対して所定の利益を提供するための条件を満たすか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、販売者と関連する評価と共に、判定部による判定結果を販売者に対して提示する。このような処理の結果、情報提供装置10は、販売者に対して評価を改善しようとする動機づけを与えることができるので、電子商店街における好適なサービスの提供を促進することができる。
【0144】
また、情報提供装置10は、販売者と関連する評価が、販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度を増加させるための条件を満たすか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、取引対象の購入を契機として販売者から電子商店街の運営者に対して支払われる費用の取引対象の販売価格に対する割合であって、取引対象に関する情報を利用者に提供する際の優先度の指標となる割合である販促割合の値を、仮想的に増加させるための条件を満たすか否かを判定する。
【0145】
また、情報提供装置10は、販売者と関連する評価が条件を満たし、かつ、販売者により販促割合の値が登録されていない場合は、判定結果とともに、販促割合の登録を促すための情報を提示する。また、情報提供装置10は、所定の条件として、電子商店街においてその販売者に対して所定の利益を提供するための増加条件、および、電子商店街においてその販売者に対して所定のペナルティを提供するための減少条件を満たすか否かを判定する。
【0146】
ここで、情報提供装置10は、販売者と関連する複数の評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、取引対象の配送に関する評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、取引対象が購入されてからその取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた回数に基づく評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、情報提供装置10は、取引対象が購入されてからその取引対象が配送先に配送されるまでの期間に基づく評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0147】
また、情報提供装置10は、販売者により販売された取引対象に関する評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、取引対象に対して所定の閾値よりも低い値の評価値が付与された回数に基づく評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、情報提供装置10は、取引対象に対する評価値の平均値が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0148】
また、情報提供装置10は、販売者に対する評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、販売者に対して所定の閾値よりも低い値の評価値が付与された回数に基づく評価が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、情報提供装置10は、販売者に対する評価値の平均値が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、情報提供装置10は、取引対象の販売を取りやめた回数に基づく評価値が所定の条件を満たすか否かを判定する。
【0149】
上述した各種の提示処理により、情報提供装置10は、販売者に対するインセンティブの情報を提示することができる結果、販売者に対して評価を改善しようする動機づけを与えることができる。この結果、情報提供装置10は、電子商店街における好適なサービスの提供を促進することができる。
【0150】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0151】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0152】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 取引対象データベース
32 店舗データベース
33 条件データベース
40 制御部
41 取得部
42 判定部
43 提示部
44 検索部
45 提供部
46 設定部
100 店舗端末
200 利用者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8