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特許7354444ミクロトームブレード用の保護ハウジング、保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置、並びにミクロトームブレードホルダ
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  • 特許-ミクロトームブレード用の保護ハウジング、保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置、並びにミクロトームブレードホルダ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】ミクロトームブレード用の保護ハウジング、保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置、並びにミクロトームブレードホルダ
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/06 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
G01N1/06 G
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022527705
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2020081702
(87)【国際公開番号】W WO2021094348
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】102019130995.6
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500113648
【氏名又は名称】ライカ ビオズュステムス ヌスロッホ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター、ローラント
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202015101085(DE,U1)
【文献】特開平05-026792(JP,A)
【文献】実開平03-029298(JP,U)
【文献】特開2002-156319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロトームブレード用の保護ハウジングであって、
ミクロトームブレード(4)を保持するフレームと、前記フレームに対して旋回可能であり、前記フレーム内に受容されたミクロトームブレード(4)の切断エッジを第1位置において覆っている取手部材(2)とを有すること、及び、
前記フレームは、ミクロトームブレード(4)が挿入可能である2つの案内レール(1)を有すること、
を特徴とする保護ハウジング。
【請求項2】
前記取手部材(2)は、第2位置に旋回可能であり、前記第2位置において前記取手部材(2)は、前記フレーム内に受容されたミクロトームブレード(4)の切断エッジを覆っていないこと、
を特徴とする、請求項1に記載の保護ハウジング。
【請求項3】
前記フレーム内に受容されたミクロトームブレード(4)の切断エッジを前記第1位置において覆っている前記取手部材(2)の覆い面部は、前記第2位置においてミクロトームブレード(4)のブレード面に対して垂直方向に0.1mmから3mmまでの間隔でずらされていること、
を特徴とする、請求項2に記載の保護ハウジング。
【請求項4】
前記取手部材(2)は、第1位置及び/又は第2位置において前記フレームとロックされていること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
【請求項5】
前記取手部材(2)は、ヒンジ部(3)を用いて前記フレームに固定されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
【請求項6】
前記ヒンジ部(3)は、フィルムヒンジ部として構成されていること、
を特徴とする、請求項5に記載の保護ハウジング。
【請求項7】
2つの前記案内レール(1)は、長尺の溝部として構成されていること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
【請求項8】
前記溝部は、一方の側でミクロトームブレード(4)を挿入するために開いており、他方の側でストッパを有し、前記ストッパは、ミクロトームブレード(4)が挿入されている場合には、切断エッジが位置する側にあること、
を特徴とする、請求項に記載の保護ハウジング。
【請求項9】
2つの前記案内レール(1)の少なくとも一方は、ミクロトームブレード(4)がロック可能であるロックノーズ(11)を有すること、
を特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
【請求項10】
前記取手部材(2)は、U字形状を有すること、
を特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
【請求項11】
前記保護ハウジング全体も、U字形状を有すること、
を特徴とする、請求項10に記載の保護ハウジング。
【請求項12】
前記保護ハウジングは、ミクロトームブレード(4)のための挿入側において開いていること、
を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
【請求項13】
前記保護ハウジングは、プラスチックから構成されていること、
を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
【請求項14】
前記保護ハウジングは、一体的な射出成形部材として構成されていること、
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
【請求項15】
ミクロトームブレード(4)と、請求項1~14のいずれか一項に記載の保護ハウジングから成る構成装置。
【請求項16】
前記ミクロトームブレード(4)は、取外し不能に前記保護ハウジングと結合されていること、
を特徴とする、請求項15に記載の構成装置。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の構成装置を受容するように構成されているミクロトームブレードホルダ。
【請求項18】
前記ミクロトームブレードホルダ(6)は、請求項15又は16に記載の構成装置が受容される場合に、前記取手部材(2)を自動的に前記第1位置から前記第2位置に押し出すように構成されている機構を有すること、
を特徴とする、請求項17に記載のミクロトームブレードホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミクロトームブレード用の保護ハウジング、保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置、並びにそのような構成装置(アセンブリ)を受容するためのミクロトームブレードホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
ミクロトームは、極めて薄い切片標本を切断するための装置である。とりわけ顕微鏡検査の準備として、薄い切片の作製が多くの場合に必要である。この際、切片厚は、典型的には0.1μmと100μmの間にある。材料としては、とりわけ、例えば生物学、医学、又はプラスチック分析に基づく、軟質の材料又は素材が用いられる。
【0003】
極めて軟質の組織試料を切断するためには、多くの場合はクリオスタットミクロトームないしクリオスタットが使用され、これらにおいて組織試料は、良好に切断可能とするために凍結される。
【0004】
通常、ミクロトームは、交換可能にブレードないしナイフを締付固定することのできるナイフブロックないしブレードキャリアを含んでいる。更にミクロトームは、試料を備えた標本ホルダを有する。切断時には、ミクロトームの形式に依存し、試料又はナイフが動かされる。それによりごく薄い層を切り取ることができる。切断厚は、設定可能である。
【0005】
自動化されたミクロトームでは、送り機構が段階的に自動的な移動をもたらし、それにより同じ厚さの切片を作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】独国実用新案第202015101085号
【文献】独国特許出願公開第4033335号
【文献】欧州特許出願公開第2282191号
【文献】米国特許出願公開第2003/070519号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ブレードは、多くの場合は手で交換される必要があるので、その際には怪我のリスクがある。通常のブレードディスペンサからは、多くの場合はブレードが個々に取り出され、ブレードキャリアに組み込まれる。この際、鋭利なブレードを指でつかむ必要がある。更に切片が取り外されるとき、又はブレードキャリアが清掃されるときには、ブレードキャリアにおいても怪我のリスクがある。多くの場合にブレードは、その際に手動でフィンガガードにより覆われる。
【0008】
フィンガガードをブレードに取り付けるのを忘れると、挟持された状態のブレードにより怪我のリスクが高くなる。
【0009】
従って、本発明の課題は、ミクロトームを用いた作業時のブレードによる怪我のリスクの低減と、ブレードホルダにはめ込まれたブレードの追加的な保護とを達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明により、独立特許請求項の特徴を有する、ミクロトームブレード用の保護ハウジング、保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置、並びにミクロトームブレードホルダが提案される。
即ち本発明の第1の視点により、
ミクロトームブレード用の保護ハウジングであって、
ミクロトームブレードを保持するフレームと、前記フレームに対して旋回可能であり、前記フレーム内に受容されたミクロトームブレードの切断エッジを第1位置において覆っている取手部材とを有すること、を特徴とする保護ハウジングが提供される。
より詳しくは、前記第1の視点において、
ミクロトームブレード用の保護ハウジングであって、
ミクロトームブレードを保持するフレームと、前記フレームに対して旋回可能であり、前記フレーム内に受容されたミクロトームブレードの切断エッジを第1位置において覆っている取手部材とを有すること、及び、
前記フレームは、ミクロトームブレードが挿入可能である2つの案内レールを有すること、
を特徴とする。
更に本発明の第2の視点により、
ミクロトームブレードと前記保護ハウジングから成る構成装置が提供される。
更に本発明の第3の視点により、
前記構成装置を受容するように構成されているミクロトームブレードホルダが提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【0011】
有利な構成は、下位請求項並びに以下の説明の対象である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
ミクロトームブレード用の保護ハウジングであって、
ミクロトームブレードを保持するフレームと、前記フレームに対して旋回可能であり、前記フレーム内に受容されたミクロトームブレードの切断エッジを第1位置において覆っている取手部材とを有すること。
(形態2)
前記取手部材は、第2位置に旋回可能であり、前記第2位置において前記取手部材は、前記フレーム内に受容されたミクロトームブレードの切断エッジを覆っていないこと、が好ましい。
(形態3)
前記フレーム内に受容されたミクロトームブレードの切断エッジを前記第1位置において覆っている前記取手部材の覆い面部は、前記第2位置においてミクロトームブレードのブレード面に対して垂直方向に0.1mmから3mmまでの間隔でずらされていること、が好ましい。
(形態4)
前記取手部材は、第1位置及び/又は第2位置において前記フレームとロックされていること、が好ましい。
(形態5)
前記取手部材は、好ましくはフィルムヒンジ部として構成されているヒンジ部を用いて前記フレームに固定されていること、が好ましい。
(形態6)
前記フレームは、ミクロトームブレードが挿入可能である2つの案内レールを有すること、が好ましい。
(形態7)
2つの前記案内レールは、長尺の溝部として構成されており、これらの溝部は、好ましくは、一方の側でミクロトームブレードを挿入するために開いており、他方の側でストッパを有し、前記ストッパは、ミクロトームブレードが挿入されている場合には、切断エッジが位置する側にあること、が好ましい。
(形態8)
2つの前記案内レールの少なくとも一方は、ミクロトームブレードがロック可能であるロックノーズを有すること、が好ましい。
(形態9)
前記取手部材は、U字形状を有し、好ましくは保護ハウジング全体もU字形状を有すること、が好ましい。
(形態10)
前記保護ハウジングは、ミクロトームブレードのための挿入側において開いていること、が好ましい。
(形態11)
前記保護ハウジングは、プラスチックから構成されていること、が好ましい。
(形態12)
前記保護ハウジングは、一体的な射出成形部材として構成されていること、が好ましい。
(形態13)
ミクロトームブレードと、形態1~12のいずれか1つに記載の保護ハウジングから成る構成装置。
(形態14)。
前記ミクロトームブレードは、取外し不能に前記保護ハウジングと結合されていること、が好ましい。
(形態15)
形態13又は14に記載の構成装置を受容するように構成されているミクロトームブレードホルダ。
(形態16)
前記ミクロトームブレードホルダは、形態13又は14に記載の構成装置が受容される場合に、前記取手部材を自動的に前記第1位置から前記第2位置に押し出すように構成されている機構を有すること、が好ましい。

【0013】
本発明は、ミクロトームブレード用として、ミクロトームブレードを受容するためのフレームと、該フレームに対して旋回可能であり、ミクロトームブレードの切断エッジ(刃先)を第1位置において覆うための取手部材(グリップ部材)とを有する保護ハウジングを提供するという措置を用いる。
【0014】
このようにして、ブレードを取り扱うときには刃を覆っている可動の取手部材が提供される。それによりミクロトームブレードを備えた保護ハウジングをブレードホルダに挿入するときや、オブジェクトヘッド(試料を配置するところ)を操作するとき、切片を取り出すとき、或いはブレードホルダを清掃するときの怪我のリスクが最小化される。
【0015】
有利な一実施形態において、取手部材は、第2位置に旋回可能であり、この第2位置において取手部材は、ミクロトームブレードがフレーム内に受容されている場合には、切断エッジを覆っていない。このようにして、保護ハウジングを取り外す必要なく、保護ハウジングをミクロトームブレードと共に有利には切断過程のために使用することができる。
【0016】
好ましくは、ミクロトームブレードが挿入されている場合にミクロトームブレードを第1位置において覆っている取手部材の覆い面部は、第2位置においてブレード面に対して垂直方向に0.1mmから3mmまでの間隔でずらされている。この間隔は有利であり、なぜなら、この間隔は、切断エッジが切断過程にとって使用可能であるために十分であり、しかし取手部材が(例えば指を)切断エッジでの怪我から保護できるためにも依然として十分に小さいからである。更に取手部材は、この位置において、切断された材料の巻き上がりを防ぐことができる。
【0017】
目的に適い、取手部材は、第1位置及び/又は第2位置においてフレームとロックされている。このことは、第1位置及び/又は第2位置をこのようにして正確に設定することができるので、有利である。
【0018】
特に、取手部材は、好ましくはフィルムヒンジ部として構成されているヒンジ部を用いてフレームに固定されている。このことは、そのようにして簡単にフレームに対する取手部材の旋回可能性を提供することができるので、有利である。
【0019】
ミクロトームブレードは、取外し不能に保護ハウジングと結合されていることができ、例えばミクロトームブレードは、保護ハウジングにインサート成形(包囲射出成形)されていることができる。
【0020】
好ましくは、保護ハウジングないしフレームは、ミクロトームブレードのための挿入側においても開いている。このようにしてミクロトームブレードを有利には簡単に保護ハウジング内に挿入させることができる。
【0021】
目的に適い、フレームは、ミクロトームブレードが挿入可能である2つの案内レールを有する。これらの両方の案内レールを通りミクロトームブレードを簡単に保護ハウジング内に挿入し、又は保護ハウジングから取り出すことができる。
【0022】
好ましくは、案内レールは、長尺のスリット部ないし溝部として構成されており、この際、該スリット部ないし溝部は、好ましくは、一方の側でミクロトームブレードを挿入するために開いており、他方の側でストッパを有し、該ストッパは、ミクロトームブレードが挿入されている場合には、切断エッジが位置する側にある。このようにしてミクロトームブレードを簡単ではあるが極めて正確に保護ハウジング内に挿入することができる。更なる利点は、切断エッジと取手部材の間の間隔が正確に規定されていることであり、それにより保護ハウジングは、異なるブレード面幅のブレードのためにも適している。(つまり異なるブレード面幅のブレードに対しても、案内レール内のストッパによりミクロトームブレードの切断エッジ(前側エッジ)は案内レール内で常に同じ位置にあるので、切断エッジと取手部材の間の間隔も常に同じである。)
【0023】
目的に適い、案内レールの少なくとも一方は、ミクロトームブレードがロック可能であるロックノーズ(突起部)を有する。そのためにミクロトームブレードは、好ましくは、ロックノーズがロック可能である対応の窪み部又は切欠き部を有する。このようにして有利には、保護ハウジング内のミクロトームブレードの意図しない滑りによる位置ずれが回避される。
【0024】
特に、取手部材は、U字形状を有し、この際、好ましくはフレームないし保護ハウジング全体もU字形状を有する。この形状は、切断エッジを覆うことと、最小の大きさとを同時に保証するために、特に有利な形状である。
【0025】
目的に適い、保護ハウジングは、プラスチックから構成されている。このことは、プラスチックが低コストで容易に加工できるので、有利である。
【0026】
特に、保護ハウジングは、一体的な射出成形部材として構成されている。このようにして保護ハウジングを特に容易に低コストで製造することができる。
【0027】
本発明の更なる一視点により、本発明による保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置を受容するように構成されているミクロトームブレードホルダが提案される。特にこのミクロトームブレードホルダは、本発明による保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置が受容されるときに、取手部材を自動的に第1位置から第2位置に押し出すように構成されている例えばロックノーズのような機構を有する。このようにして保護ハウジングを取手部材が第1位置にある状態で提供することができ、保護ハウジングをミクロトームブレードホルダ内に挿入する際には、自動的に取手部材が第2位置に旋回されることになる。
【0028】
本発明の更なる利点及び構成は、以下の説明及び添付の図面から明らかである。
【0029】
上記の特徴、及び以下で更に説明すべき特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、それぞれ記載された組み合わせに限らず、他の組み合わせでも又は単独でも使用可能であることは自明である。
【0030】
本発明について実施例が図面に模式的に図示されており、以下、図面に関連して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明による保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置の好ましい一実施形態を斜視図として示す図であり、ここで取手部材は、第1位置にある。
図2図1の実施形態を斜視図として示す図であり、ここで取手部材は、第2位置にある。
図3図1図2の実施形態の一部分の拡大図を示す図である。
図4】ミクロトームブレードと保護ハウジングを備えた本発明によるミクロトームブレードホルダの好ましい一実施形態を、第1目視点から、斜視図として示す図である。
図5図4の実施形態を、第2目視点から、本発明の好ましい一実施形態による保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置が受容された状態で示す図である。
【実施例
【0032】
図1には、符号100で示されたミクロトームブレード4と保護ハウジングから成る本発明による構成装置(アセンブリ)の好ましい一実施形態が示されている。
【0033】
ここで保護ハウジングは、2つの案内レール1と、これらの2つの案内レール1を連結し且つ案内レール1ないしフレームに対して旋回可能な取手部材(Buegel)2とを有する。
【0034】
この際、案内レール1は、長尺のスリット部ないし溝部を有し、該スリット部ないし溝部は、一方の側(取手部材とは反対の側)でミクロトームブレード4を挿入するために開いており、切断エッジのある他方の側(取手部材に向かう側)でストッパ(非図示の実施例)を有する。このようにしてミクロトームブレード4を簡単ではあるが極めて正確に保護ハウジング内に挿入することができる。取手部材に向かう側にあるストッパにより、取手部材2からミクロトームブレード4の切断エッジまでの間隔が、ミクロトームブレードのブレード面幅に依存せず、常に正しく設定される。
【0035】
取手部材2は、この実施形態ではヒンジ部3を用いて案内レール1に固定されており、ヒンジ部3は、ここではフィルムヒンジ部として構成されている。取手部材2は、ここではU字形状(ないしコの字形状)を有し、この際、保護ハウジング全体もU字形状を有する。この形状は、切断エッジを覆うことと、最小の大きさとを同時に保証するために、特に有利な形状である。保護ハウジングは、特に射出成形部材として、例えばプラスチックから製造されている。取手部材2は、図1では、取手部材2がミクロトームブレード4の切断エッジを覆っている第1位置において図示されている。取手部材2は、この位置において特に案内レール1の少なくとも一方とロックされていることが可能である。
【0036】
取手部材2は、図2に図示されている第2位置に旋回可能である。この位置において取手部材2は、ミクロトームブレード4の切断エッジを覆っていない。このようにして、保護ハウジングを取り外す必要なく、保護ハウジングをミクロトームブレード4と共に有利には切断過程のために使用することができる。
【0037】
ミクロトームブレード4の切断エッジを第1位置において覆っている取手部材2の覆い面部は、第2の位置においてブレード面に対して垂直方向に0.1mmから3mmまでの間隔でずらされている。この間隔は有利であり、なぜなら、この間隔は、切断エッジが切断過程にとって使用可能であるために十分であり、しかも取手部材2が(例えば指を)切断エッジでの怪我から保護できるためにも依然として十分に小さいからである。
【0038】
図3に見られるように、この実施形態において案内レール1は、ミクロトームブレード4がロック可能であるロックノーズ(突起部)11を有する。そのためにミクロトームブレード4は、ロックノーズ11がロック可能である対応の切欠き部41を有する。このようにして有利には、保護ハウジング内のミクロトームブレード4の意図しない滑りによる位置ずれが回避される。
【0039】
図4図5は、異なる方向から、ミクロトームブレードと保護ハウジングから成る構成装置100が締付固定されたミクロトームブレードホルダ6を示している。
【0040】
ミクロトームブレードホルダ6は、本発明による保護ハウジングとミクロトームブレードから成る構成装置(アセンブリ)を受容するように構成されている。
【0041】
当該構成装置をミクロトームブレードホルダ6に取り付ける際には、対応の機構、例えばミクロトームブレードホルダ6におけるばね式のノーズないしストッパにより、取手部材が自動的に第2位置に押し出され、それにより切断エッジが露出され、試料をミクロトームにおいて切断することができる。切断された材料は、取手部材の下側を滑り抜ける。取手部材は、追加的に、切断された材料の巻き上がりを防ぐことができる。
【0042】
利用者が、操作時にオブジェクトヘッド(標本ホルダ)を下方に滑らせるべき場合には、利用者は、自身の指で先ず取手部材に触れ、そして取手部材を下方に押し出す。それにより指が刃に接することはない。
【0043】
保護ハウジングは、はめ込まれた状態でミクロトームブレードホルダにおいて常に見ることができる。それにより保護ハウジングは、好ましくはシグナルカラー(例えば赤色)で構成されており、つまり利用者は、ミクロトームブレードがシステム内にはめ込まれていること及びミクロトームブレードを清掃作業の前に取り外さなくてはならないことを常に迅速に認識する。
【0044】
当該構成装置を取り外す場合には、利用者は、保護ハウジングの外側をつかみ、全ユニットをミクロトームブレードホルダから安全に取り外すことができる。それに加え、利用者は、取手部材を再びロックさせることができ、それにより刃は覆われている。それによりミクロトームブレードは、使用済の状態でも危険ではない。
【符号の説明】
【0045】
1 案内レール
2 取手部材(U字形状ないしコの字形状の部材)
3 ヒンジ部
4 ミクロトームブレード
6 ミクロトームブレードホルダ
11 ロックノーズ
41 切欠き部
100 構成装置(保護ハウジングとミクロトームブレード)
図1
図2
図3
図4
図5