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特許7354446バッテリセル、バッテリモジュール、バッテリパック、バッテリセルを電源として使用した装置とバッテリセルの組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】バッテリセル、バッテリモジュール、バッテリパック、バッテリセルを電源として使用した装置とバッテリセルの組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/586 20210101AFI20230925BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20230925BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20230925BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20230925BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20230925BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20230925BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20230925BHJP
【FI】
H01M50/586
H01M50/533
H01M50/538
H01M50/209
H01M50/176
H01M50/591
H01M50/593
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022530293
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 CN2019120642
(87)【国際公開番号】W WO2021102636
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-10-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521406710
【氏名又は名称】コンテンポラリー アンペレックス テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シャオピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ペン
(72)【発明者】
【氏名】スン,チャンユ
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209344216(CN,U)
【文献】中国実用新案第208256820(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0363316(US,A1)
【文献】特開2013-038055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/20
H01M 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極タブとセル本体とを有し、前記電極タブが前記セル本体に連結されている電極組立体と、
電極端子と蓋板とを備え、前記蓋板に前記電極端子が配置されている蓋板組立体と、
前記電極タブと前記電極端子との間に連結され、第1連結部と第2連結部とを備える連結片であって、前記第1連結部は前記電極タブに連結され、前記第2連結部は前記電極端子に連結される連結片と、
前記セル本体と前記連結片との間に配置される絶縁パレットと、
前記絶縁パレットと前記第2連結部との間に配置される絶縁保護部材と、を備え
前記絶縁パレットは本体部と前記本体部に連結する載置部とを備え、前記本体部は前記セル本体と当接し、前記載置部は前記本体部よりも前記第2連結部に近い方向に突出し、前記絶縁保護部材は前記載置部と前記第2連結部との間に配置されるバッテリセル。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁パレットと前記連結片とは共に前記絶縁保護部材に当接しているバッテリセル。
【請求項3】
請求項1に記載のバッテリセルであって、
前記第2連結部は前記第1連結部に対して前記電極端子に近づく方向に突出し、前記電極組立体に近接する前記第2連結部の一方の側に第1凹槽を備えるバッテリセル。
【請求項4】
請求項に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁保護部材は前記第1凹槽の開口端を遮蔽するバッテリセル。
【請求項5】
請求項に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁パレットは前記第2連結部の方向に向かって突出する載置部を備え、前記載置部と前記第1連結部とは共に前記絶縁保護部材の位置を規制するバッテリセル。
【請求項6】
請求項に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁保護部材は前記第1凹槽の中に配置されているバッテリセル。
【請求項7】
請求項に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁パレットは前記第2連結部の方向に向かって突出する載置部を備え、前記載置部は前記第1凹槽の中に向かって延在して前記第1凹槽の底部と共に前記絶縁保護部材の位置を規制するバッテリセル。
【請求項8】
請求項1に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁保護部材は、発泡素材、ゴム布、固体膠類状素材であるバッテリセル。
【請求項9】
請求項1に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁保護部材は、固体ゴム状細長片を、または前記絶縁パレットに塗布されて固化形成された膠類状素材を、備えるバッテリセル。
【請求項10】
請求項に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁保護部材は、前記絶縁パレットに塗布されて固化形成された膠類状素材を備え、複数の第2孔は、前記絶縁保護部材と接触する前記絶縁パレットの領域に配置され、膠類の溢れを防ぐようになっているバッテリセル。
【請求項11】
請求項に記載のバッテリセルであって、
前記絶縁パレットはさらに挿接部を備え、前記挿接部は前記本体部の側部と連結し、前記挿接部は前記本体部に対して前記セル本体よりも遠くに位置し、前記電極タブの少なくとも一部は前記挿接部と前記セル本体との間に位置するバッテリセル。
【請求項12】
請求項1記載のバッテリセルを備えるバッテリモジュール。
【請求項13】
請求項1に記載のバッテリモジュールを備えるバッテリパック。
【請求項14】
バッテリセルを電源として使用した装置であって、
前記バッテリセルは、請求項1記載のバッテリセルである装置。
【請求項15】
請求項1に記載のバッテリセルの組立方法であって、前記組立方法は、
連結片と電極組立体とを提供し、そして前記連結片の前記第1連結部を前記電極組立体の前記電極タブと連結し、
蓋板組立体を提供し、そして前記連結片の第2連結部を前記蓋板組立体の電極端子と連結し、
絶縁保護部材を提供し、前記絶縁保護部材を前記第2連結部の一方の側に配置し、
絶縁パレットを提供し、前記絶縁保護部材を前記セル本体と前記連結片との間に配置する、組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリの分野に関し、特には、バッテリセル、バッテリモジュール、バッテリパック、バッテリセルを電源として使用した装置とバッテリセルの組立方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
連結片と頂蓋とを溶接する過程において金属屑が発生する。金属屑が電極組立体の内部に落下しないように、通常使う方法では溶接する位置の上に膠類が塗布される。しかし、目下のところ、この発明の業種において、電解液に完全に耐えうる膠類はまだ無い。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本願の開示の一の実施の形態の一の態様に基づくと、バッテリセルは、電極タブとセル本体とを有し、前記電極タブが前記セル本体に連結されている電極組立体と、電極端子と蓋板とを備え、前記蓋板に前記電極端子が配置されている蓋板組立体と、前記電極タブと前記電極端子との間に連結され、第1連結部と第2連結部とを備える連結片であって、前記第1連結部は前記電極タブに連結され、前記第2連結部は前記電極端子に連結される連結片と、前記セル本体と前記連結片との間に配置される絶縁パレットと、前記絶縁パレットと前記第2連結部との間に配置される絶縁保護部材と、を備える。
【0004】
一の実施の形態においては、前記絶縁パレットと前記連結片とは共に前記絶縁保護部材に当接している。
【0005】
一の実施の形態においては、前記絶縁パレットは本体部と前記本体部に連結する載置部とを備え、前記本体部は前記セル本体と当接し、前記載置部は前記本体部に対して前記第2連結部に近づく方向に突出し、前記絶縁保護部材は前記載置部と前記第2連結部との間に配置される。
【0006】
一の実施の形態においては、前記第2連結部は前記第1連結部に対して前記電極端子に近づく方向に突出し、前記電極組立体に近接する前記第2連結部の一方の側に第1凹槽を備える。
【0007】
一の実施の形態においては、前記絶縁保護部材は前記第1凹槽の開口端を遮蔽する。
【0008】
一の実施の形態においては、前記絶縁パレットは前記第2連結部の方向に向かって突出する載置部を備え、前記載置部と前記第1連結部とは共に前記絶縁保護部材の位置を規制する。
【0009】
一の実施の形態においては、前記絶縁保護部材は前記第1凹槽の中に配置されている。
【0010】
一の実施の形態においては、前記絶縁パレットは前記第2連結部の方向に向かって突出する載置部を備え、前記載置部は前記第1凹槽の中に向かって延在して前記第1凹槽の底部と共に前記絶縁保護部材の位置を規制する。
【0011】
一の実施の形態においては、前記絶縁保護部材は、発泡素材、ゴム布、固体膠類状素材である。
【0012】
一の実施の形態においては、前記絶縁保護部材は、固体ゴム状細長片を、または前記絶縁パレットに塗布されて固化形成された膠類状素材を、備える。
【0013】
一の実施の形態においては、前記絶縁保護部材は、前記絶縁パレットに塗布されて固化形成された膠類状素材を備え、複数の第2孔は、前記絶縁保護部材と接触する前記絶縁パレットの領域に配置され、膠類の溢れを防ぐ。
【0014】
一の実施の形態においては、前記絶縁パレットはさらに挿接部を備え、前記挿接部は前記本体部の側部と連結し、前記挿接部は前記本体部に対して前記セル本体よりも遠くに位置し、前記電極タブの少なくとも一部は前記挿接部と前記セル本体との間に位置する。
【0015】
本願の開示の一の実施の形態の一の態様に基づくと、前記バッテリセルを備えるバッテリモジュールである。
【0016】
本願の開示の一の実施の形態の一の態様に基づくと、前記バッテリモジュールを備えるバッテリパックである。
【0017】
本願の開示の一の実施の形態の一の態様に基づくと、前記バッテリセルを備えてバッテリセルを電源として使用した装置である。
【0018】
本願の開示の一の実施の形態の一の態様に基づくと、前記バッテリセルの組立方法であって、前記組立方法は、連結片と電極組立体とを提供し、そして前記連結片の前記第1連結部を前記電極組立体の前記電極タブと連結し、蓋板組立体を提供し、そして前記連結片の第2連結部を前記蓋板組立体の電極端子と連結し、絶縁保護部材を提供し、前記絶縁保護部材を前記第2連結部の一方の側に配置し、絶縁パレットを提供し、前記絶縁保護部材を前記セル本体と前記連結片との間に配置する組み立て方法である。
【0019】
本願の開示の一の実施の形態の一の態様に基づくと、電極組立体、蓋板組立体、連結片、絶縁パレットおよび絶縁保護部材を備えるバッテリセルであり、絶縁保護部材は絶縁パレットと連結片の第2連結部との間に配置され、絶縁保護部材は第2連結部から落ちる不純物を受けるようになっていて、不純物が電極組立体の中へ侵入して短絡が発生することを防止し、バッテリセルの安全性能を高める。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願で開示される実施の形態に応じたバッテリセルの分解概略図である。
図2】本願で開示される実施の形態に応じたバッテリセルの概略断面図である。
図3】本願で開示される他の実施の形態に応じたバッテリセルの概略断面図である。
図4】本願で開示される実施の形態に応じた絶縁パレットの概略図である。
図5】本願で開示される実施の形態に応じたバッテリセルの組立ての際の展開概略図である。
図6】本願で開示される実施の形態に応じた絶縁パレットの部分的に拡大した概略図である。
図7】本願で開示される実施の形態に応じた蓋板の概略図である。
図8】本願で開示される実施の形態に応じたバッテリモジュールの概略図である。
図9】本願で開示される実施の形態に応じたバッテリパックの概略図である。
図10】本願で開示される実施の形態に応じた車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
続いて本願で開示される実施の形態の中の添付図面を参照すると、実施の形態の技術的解決手段は明確になり、完全に説明される。言うまでもなく、説明された実施の形態は本願で開示される実施の形態の一部分にすぎず、実施の形態の全部ではない。本願で開示される実施の形態に基づいて、本技術領域のいわゆる当業者が、創造的な活動をすることない前提下で得られる他の実施の形態も、本願で開示される保護範囲に属する。
【0022】
本願で開示される説明において、理解されなければならないことは、用語「中心」、「縦向」、「横向」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等で指示される方向または位置関係は添付される図面の方向または位置関係に基づくことであって、本願の開示を説明し、説明を容易化するため方法としたにすぎず、示している装置または部品が必須的に具備する特定の方向を実際に示したもの、または暗に示したものではなく、特定の方向、構造および操作をもって、しかるに本願で開示される保護範囲を限定するものとして理解してはならない。
【0023】
本願の開示は、バッテリセル、バッテリモジュール、バッテリパック、バッテリセルを電源として使用した装置およびバッテリセルの組立方法を提供するものであって、電極組立体内に不純物が落下する問題を改善するように使用されるものである。
【0024】
図1に示すように、提供される一の実施の形態として、バッテリセルは、筐体1と、電極組立体2と、蓋板組立体3と、連結片4と、絶縁パレット5および絶縁保護部材6と、を備える。
【0025】
筐体1には空洞部11が形成され、筐体1は開口端を備えている。電極組立体2は空洞部11内に配置され、蓋板組立体3が筐体1の開口端に位置し、電極組立体2を覆っていて、電極組立体2を筐体1内に封入している。連結片4は電極組立体2と蓋板組立体3との間に配置され、電極組立体2で生じる電気を蓋板組立体3へと導出する。絶縁パレット5は蓋板組立体3と電極組立体2との間に位置するように配置される部分を有し、絶縁パレット5は連結片4と電極組立体2との間に位置するように配置される部分をも有している。絶縁保護部材6は、絶縁パレット5と連結片4との間に配置される。
【0026】
電極組立体2は電極タブ21とセル本体22とを備え、電極タブ21はセル本体22に連結されている。
【0027】
セル本体22は正極片、負極片、および隔膜を備える。正極片と負極片はともに塗布領域を有している。正極片の塗布領域には正極片の活性物質が塗布されており、負極片の塗布領域には負極片の活性物質が塗布されている。絶縁体としての隔膜は、正極片と負極片との間に配置されていて、隔膜は正極片の塗布領域と負極片の塗布領域とを隔絶するように用いられる。正極片と、隔膜と、負極片とは、この順で重ねて巻き付けられて、セル本体22を形成がされる。
【0028】
電極タブ21は正極電極タブと負極電極タブとを備えている。正極片の端部には正極活性物質が塗布されていない空白領域を有し、正極片の複数の空白部は連結されて、一緒に電極組立体2の正極電極タブを形成する。負極片の端部には負極活性物質が塗布されていない空白領域を有し、負極片の複数の空白部は連結されて、一緒に電極組立体2の負極電極タブを形成する。
【0029】
選択的には、正極片の材質として銀箔を含む。負極片の材質として銅箔を含む。
【0030】
選択的には、正極片の活性物質はリチウムコバルト酸を含む。負極片の材質としてはシリコンを含む。
【0031】
蓋板組立体3は筐体1の開口端に配置され、電極組立体2を覆っており、電極組立体2は筐体1内に封入される。蓋板組立体3は電極端子31と蓋板32とを備え、電極端子31は蓋板32に配置される。蓋板32は筐体1と連結密閉され、電極組立体2は筐体1内に封入される。
【0032】
図7に示すように、蓋板32上には、間隔をあけて、2個の第1孔321を有している。電極端子31は正電極端子と負電極端子とを備えており、正電極端子は2個の第1孔321のうちの一方に貫通配置され、負電極端子は2個の第1孔321のうちの他方に貫通配置される。正電極端子と正極電極タブとは対応するように導通し、負電極端子と負極電極タブとは対応するように導通する。
【0033】
図1に示すように、蓋板32上には防爆バルブ33も有しており、選択的には、防爆バルブ33は正電極端子と負電極端子との間に配置される。
【0034】
バッテリセルの筐体1内には電解質のような化学物質が注入されているので、充放電過程において発生する大量の混合気体と液体などで、筐体1内部の圧力が連続的に蓄積されて、極端に爆発しやすくなり、本願の開示における蓋板32上に防爆バルブ33が配置され、バッテリセルの内部圧力が過剰に大きくなったときには、防爆バルブ33が開いて充放電時に発生した混合気体と液体などは防爆バルブ33を通して迅速に排出され、それによりバッテリセルの内部圧力が過大になることで発生する爆発を防止する。
【0035】
選択的には、蓋板32は平板形状を呈している。
【0036】
一の実施例において、図5図7に示すように、蓋板組立体3は絶縁部材34も有しており、絶縁部材34は蓋板32とセル本体22との間に設置され、蓋板32とセル本体22とが接触して短絡することを防止する。
【0037】
図1から図3に示すように、連結片4は電極タブ21と電極端子31との間を連結し、連結片4には導電性材料が採用され、電極タブ21と電極端子31とが連結して導通するようになっている。
【0038】
連結片4は、第1連結部41と第2連結部42とを備え、第1連結部41と電極タブ21とが連結しており、第2連結部42と電極端子31とが連結している。
【0039】
第2連結部42は第1連結部41に対して電極端子31に近づく方向に突出し、電極組立体2に近接する第2連結部42の一方の側に第1凹槽421を備える。
【0040】
選択的には、第1連結部41は平板形状を呈している。
【0041】
連結片4の第1連結部41は電極タブ21と連結し、連結片4の第1連結部41以外の部位とセル本体22との間は絶縁パレット5を介して離間され、短絡が発生することを防止する。連結片4の第2連結部42は電極端子31と連結されている。
【0042】
電極タブ21は正極電極タブと負極電極タブとを備え、電極端子31は正極電極端子と負極電極端子とを備えるので、これにより、正極電極端子と正極電極タブとの間に一の連結片4を配置することで、正極電極端子と正極電極タブとが導通し、負極電極端子と負極電極タブとの間に他の連結片4を配置することで、負極電極端子と負極電極タブとが導通する。
【0043】
絶縁パレット5はセル本体22と連結片4との間に位置するように配置される部分を有する。絶縁パレット5は連結片4とセル本体22とを離間し、連結片4はセル本体22とが直接連結するのではなく、連結片4は電極タブ21を介してセル本体22と連結することで、連結片4とセル本体22とが直接連結して短絡することを防止している。
【0044】
絶縁パレット5は蓋板組立体3とセル本体22との間に位置するように配置される部分を有し、蓋板組立体3とセル本体22との隔離を実現するようになっていて、蓋板組立体3がセル本体22と直接連結するのではなく、蓋板組立体3は電極端子31を介して連結片4と電極タブ21およびセル本体22とに連結されていて、蓋板組立体3がセル本体22と連結して短絡することを防止している。
【0045】
絶縁保護部材6は絶縁パレット5と連結片4の第2連結部42との間に配置される。
【0046】
バッテリセルの組立過程において、レーザ溶接を行う必要があるので、レーザ溶接の過程において不純物(たとえば金属屑)が発生する可能性があり、同時に組立過程中に、外部環境の不純物が第2連結部42の第1凹槽421に落下する可能性もある。バッテリセルの振動時には、第2連結部42上の不純物が電極組立体2の中に落下する可能性があり、回路の短絡の危険を引き起こす。そのため、絶縁保護部材6は絶縁パレット5と連結片4の第2連結部42との間に配置され、仮に第2連結部42の不純物が落下しても、絶縁保護部材6に受容されて、不純物が電極組立体2に侵入して短絡が発生することを防いで、バッテリセルの安全性能を高める。
【0047】
バッテリセルが正常に載置されている状況下においては、絶縁保護部材6は重力作用で絶縁パレット5上に押圧されていて、連結片4と絶縁保護部材6との間に隙間を形成することが可能であり、絶縁保護部材6は、バッテリセルの振動により生じる揺動または移動を防いで、絶縁保護部材6の位置の安定性を高め、絶縁パレット5と連結片4とが共に絶縁保護部材6と当接する。
【0048】
図2図3に示すように、絶縁パレット5は、本体部51と、本体部51と連結する載置部52とを備え、本体部51はセル本体22と当接し、載置部52は本体部51に対して第2連結部42に近づく方向に向かって突出する。絶縁保護部材6は載置部52と第2連結部42との間に配置される。第2連結部42の不純物が落下すれば絶縁保護部材6の受容することが可能であって、不純物が電極組立体2に侵入して短絡が発生することを防いで、バッテリセルの安全性能を高める。
【0049】
選択的には、本体部51は平板形状を呈している。
【0050】
一の実施の形態では、図2に示すように、絶縁保護部材6は第1凹槽421の開口端を覆う。載置部52と第1連結部41と共に絶縁保護部材6の位置を規制する。
【0051】
選択的には、載置部52と第1連結部41とは共に絶縁保護部材6と当接する。さらに言えば、第1連結部41と第1凹槽421の周側面とが連結する領域は絶縁保護部材6と当接する。
【0052】
他の実施の形態中、図3に示すように、絶縁保護部材6は第1凹槽421の中に配置される。載置部52は第1凹槽421内まで延在し、載置部52と第1凹槽421の底部は共に絶縁保護部材6の位置を規制する。
【0053】
選択的には、載置部52と第1凹槽421の底部は共に絶縁保護部材6と当接する。
【0054】
一の実施の形態では、図2および図3に示すように、絶縁パレット5は挿接部53をも具備し、挿接部53は本体部51の側部と連結し、挿接部53は本体部51に対してセル本体22から離れており、電極タブ21の少なくとも一部分が挿接部53とセル本体22との間に位置し、挿接部53が設置されることを通して電極タブ21がセル本体22内に挿入されて短絡に至ることを防止する。
【0055】
選択的には、挿接部53は遷移部を介して本体部51と連結し、挿接部53の表面と本体部51の表面と平行である。さらに言えば、挿接部53の表面、本体部51の表面、並びに載置部52の表面は共に互いに平行である。
【0056】
図4図6に示すように、絶縁パレット5上には蓋板組立体3に向かう方向に延在する係止爪54も配置されている。図7に示すように、蓋板32上には締結受部322が配置され、蓋板32と筐体1とは密閉するように連結し、絶縁パレット5上の係止爪54は蓋板32上の締結受部322と連結している。
【0057】
選択的には、係止爪54は、本体部51に配置され、かつ絶縁パレット5の端部に位置し、本体部51は載置部52および挿接部53に対してセル本体22に近いので、本体部51には蓋板組立体3に向かう方向に延在する係止爪54が配置され、絶縁パレット5の本体部51と蓋板組立体3との間の空間を上手く利用することで、絶縁パレット5の厚さを増加させることなく、また、絶縁パレット5と蓋板組立体3とを連結する連結部材を単独で配置する必要もなく、構造も簡単で、取り付けも便利である。
【0058】
絶縁パレット5の挿接部53は電極タブ21とセル本体22とを隔離し、併せて蓋板組立体3と固定し、電極タブ21とセル本体22とを十分に隔離することを保証し、電極タブ21はセル本体22の内部に挿入されて短絡を引き起こす危険を防止する。
【0059】
図4に示すように、絶縁パレット5上には、排気孔55も配置されており、排気孔55は電極組立体2で発生する気体と液体とを排出するようになっていて、電極組立体2内に向けて電解液を注入するようにも使用され、絶縁パレット5の重量の作用をも軽減させる。
【0060】
一の実施の形態において、絶縁パレット5上には、少なくとも2列の排気孔55が配置され、各列の排気孔55の数量は少なくとも2個である。
【0061】
図5に示す通り、バッテリセルが2個のセル本体22を備える状況では、2個のセル本体22は絶縁パレット5の両側にそれぞれ配置され、セル本体22のそれぞれは共に電極タブ21と連結し、絶縁パレット5の両側には共に挿接部53が配置される。その中の一方のセル本体22に対応する少なくとも一部の電極タブ21は一方の側の挿接部53とセル本体22との間に位置し、他方のセル本体22に対応する少なくとも一部の電極タブ21は他方の側の挿接部53とセル本体22との間に位置している。
【0062】
絶縁パレット5の本体部51とセル本体22とは当接し、2個の挿接部53が本体部51の相対する2個の側部にそれぞれ配置され、翼に似た形状を形成し、本体部51が電極タブ21を押圧することを防止し、絶縁パレット5の厚さが厚くなることを避けることができる。
【0063】
一の実施の形態において、図4に示すように、絶縁パレット5の本体部51は細長形状であって、本体部51の長手方向に間隔をもって2個の載置部52が配置される。載置部52のそれぞれが対応する位置上には、一の連結片4が配置されている。2個の載置部52が配置される位置に対応する本体部51の両側にはそれぞれ挿接部53が配置される。本体部51の長手方向の両端には共に蓋板組立体3と連結する係止爪54が配置される。2個の載置部52の間には排気孔55が配置されている。
【0064】
一の実施の形態において、絶縁保護部材6は、発泡素材、ゴム布、固体膠類状素材を含む。
【0065】
一の実施の形態において、絶縁保護部材6は、固体ゴム状細長片を含む。
【0066】
一の実施の形態において、絶縁保護部材6は、絶縁パレット5に塗布されて固化形成された膠類状素材を含む。
【0067】
絶縁パレット5の絶縁保護部材6と接触する領域は、絶縁パレット5の塗布領域であって、複数の第2孔522が配置され、膠類の溢れを防止する。
【0068】
さらに言えば、図6に示すように、複数の第2孔522は載置部52に配置され、載置部52に膠類を塗布するときに膠類の溢れの発生を防止する。
【0069】
絶縁保護部材6は軟らかい材料でできていて、実装される空間形状に基づいて適応するように変形することが可能であって、バッテリセルの内部の狭小な空間に適用される。
【0070】
一の実施の形態では前記のバッテリセルの組立方法を提供するものであって、その方法は、連結片4と電極組立体2とを提供し、そして連結片4の第1連結部41を電極組立体2の前記電極タブ21と連結し、蓋板組立体3を提供し、そして連結片4の第2連結部42を蓋板組立体3の電極端子31と連結し、絶縁保護部材6を提供し、絶縁保護部材6を第2連結部42の蓋板組立体3から離れた一方の側に配置し、絶縁パレット5を提供し、絶縁保護部材6をセル本体22と連結片4との間に配置するものである。
【0071】
一の実施の形態において、連結片4と電極組立体2とを提供するものであって、電極タブ21が連結片4の第1の側に配置されるように電極組立体2は連結片4と位置決めされる。
【0072】
蓋板組立体3を提供するものであって、電極端子31が連結片4の第2の側に配置されるように蓋板組立体3は連結片4に位置決めされる。
【0073】
その中で、絶縁保護部材6の第1の側と第2の側とは対向するように配置される。
【0074】
一の実施の形態においては、絶縁保護部材6はセル本体22と連結片4との間に配置され、絶縁パレット5は絶縁保護部材6の第1の側に当接し、連結片4は絶縁保護部材6の第2の側に当接し、これにより絶縁保護部材6の位置が固定される。
【0075】
図5に示すように、バッテリセルの一の具体的な実施の形態において、前記のバッテリセルの組立方法は、蓋板組立体3内の蓋板32を組立平面台の上に載置し、蓋板32上の2個の電極端子31の上方のそれぞれに連結片4を配置し、連結片4の第2連結部42を電極端子31と連結し、蓋板32の両側にそれぞれ1個のセル本体22を平らに載置し、連結片4の第1連結部41を電極タブ21と連結し、絶縁保護部材6を連結片4の第2連結部42に配置し、連結片4の上方に絶縁パレット5を設置して、絶縁保護部材6をセル本体22と連結片4との間に配置する。
【0076】
蓋板32は両側のセル本体22は90度で上向きに湾曲させて一体に組合せ、電極タブ21を折り曲げて、電極タブ21の少なくとも一部が絶縁パレット5の挿接部53とセル本体22との間に位置するようにし、前記組立後の部品を組立平面台から取り外し、筐体1の空洞部11内に設置し、蓋板組立体3を筐体1の開口端に位置させて、蓋板32を筐体1と密閉連結し、電極組立体2を筐体1内に密封する。
【0077】
一の実施の形態では、図5図7に示すように、蓋板32とセル本体22との間に絶縁部材34をも配置して、蓋板32がセル本体22と接触して短絡が発生することを防止する。
【0078】
図8に示すように、一の実施の形態において、前記バッテリセル100を具備するバッテリモジュール200を提供するものである。
【0079】
複数のバッテリセル100を具備するバッテリモジュール200では、少なくとも一部のバッテリセル100は直列に接続され、また少なくとも一部のバッテリセル100は並列に接続されている。
【0080】
図9に示すように、一の実施の形態では、前記のバッテリモジュール200を備えるバッテリパック300を提供するものである。
【0081】
バッテリパック300は第1筐体蓋301と第2筐体蓋302とを備え、第1筐体蓋301と第2筐体蓋302とが連結して密閉される箱状体を形成し、バッテリモジュール200は第1筐体蓋301と第2筐体蓋302とが形成した密閉箱状体内に配置される。
【0082】
バッテリパック300は2個以上のバッテリモジュール200を備え、少なくとも一部のバッテリモジュール200は直列に接続され、また少なくとも一部は並列に接続される。
【0083】
図10に示すように、一の実施の形態では、前記バッテリセル100を備え、バッテリセルを電源として使用した装置を提供するものである。
【0084】
バッテリセルを電源として使用した装置は車両400または船舶等である。
【0085】
説明すべきこととして、本願の開示中2個の部品間の「当接」とは直接接触することを意味するものではなく、その2個の部品間に他の部品が配置されていてもよい。
【0086】
本願の開示の中で説明および示した事項において、理解されなければならないことは、「第1」、「第2」等の用語は部品を画定するものとして使用され、前記の部品を容易に区別するために使用されるものであって、特に別の言及がない限り、前記の用語は特別な意味を持たず、したがって本願の開示の範囲を限定するものとして理解してはならない。
【0087】
その他、明確に否定されていない限りは、その中の一の実施の形態の技術的特徴を他の一以上の実施の形態と互いに組み合わせることができる
【0088】
最後の説明として、上記の実施の形態は本願の開示の技術的特徴を述べるにとどまり、それに限定されるものではなく、本願の開示を行う上で、好ましい実施の形態に言及することにより詳細に説明されるものであるが、本技術分野に属するいわゆる当業者が、本願の開示の思想および範囲を超えることなく、本願の開示の具体的な実施の形態を改め、あるいは特徴的な技術的特徴の部分を等価なものと置き換えることは、本願の開示において保護が求められている技術的範囲に当然に含まれるものとして当然に理解される。
【符号の説明】
【0089】
1 筐体
11 空洞部
2 電極組立体
21 電極タブ
22 セル本体
3 蓋板組立体
31 電極端子
32 蓋板
321 第1孔
322 締結受部
33 防爆バルブ
34 絶縁部材
4 連結片
41 第1連結部
42 第2連結部
421 第1凹槽
5 絶縁パレット
51 本体部
52 載置部
521 第2凹槽
522 第2孔
53 挿接部
54 係止爪
55 排気孔
6 絶縁保護部材
100 バッテリセル
200 バッテリモジュール
300 バッテリパック
301 第1筐体蓋
302 第2筐体蓋
400 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10