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特許7354468幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステム
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  • 特許-幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
G01B11/24 R
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023052412
(22)【出願日】2023-03-28
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】202211099365.5
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521162399
【氏名又は名称】之江実験室
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲項▼ 森▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 安桓
(72)【発明者】
【氏名】孔 令雨
(72)【発明者】
【氏名】叶 敏翔
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲芸▼菲
(72)【発明者】
【氏名】汪 ▲ティン▼
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-319979(JP,A)
【文献】特開平11-153418(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102914270(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114926440(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0335639(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
C30B 15/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法であって、以下のステップS1~ステップS7を含み、
前記ステップS1では、入力された単結晶シリコン結晶引上画像に対して前処理を行い、検出対象の不完全な単結晶シリコン楕円輪郭を抽出し、
前記ステップS2では、不完全な単結晶シリコン楕円輪郭において2クラスタの平行弦を作って、各本の前記平行弦の中点を計算し、
前記ステップS3では、各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングして2本の中心線を形成し、且つ2本の前記中心線の交点座標(x,y)を計算し、前記交点が単結晶シリコン楕円円心であって、点Oとして記され、
前記ステップS4では、不完全な単結晶シリコン楕円輪郭における各点から前記単結晶シリコン楕円円心までの距離を計算し、且つ前記単結晶シリコン楕円円心までの距離が等しく且つ前記単結晶シリコン楕円円心と同一直線上に位置しない2つのエッジ点をランダムに選択して点A及び点Bとして記し、前記点Aの座標を(x,y)とし、前記点Bの座標を(x,y)とし、
前記ステップS5では、前記単結晶シリコン楕円円心O、前記点Aの座標(x,y)及び前記点Bの座標(x,y)に基づいて線分OA及び線分OBの傾斜角を計算して、それぞれ傾斜角α及び傾斜角βとして記し、楕円が長半径又は短半径に関して対称である幾何学的特性によって単結晶シリコン楕円回転角度θと前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの関係を分析し、単結晶シリコン楕円の回転角度候補値θ′を計算し、
前記回転角度候補値θ′と前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの間に線形関係があり、且つ前記回転角度候補値θ′の値が前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの和に関連し、
【数4】
であり、
前記ステップS6では、前記単結晶シリコン楕円の円心座標(x,y)、前記回転角度候補値θ′、前記点Aの座標(x,y)及び前記点Bの座標(x,y)を標準楕円方程式に代入して、長半径候補値a′及び短半径候補値b′を計算し、
前記長半径候補値a′及び前記短半径候補値b′は具体的に、
【数8】
であり
ここで、(x,y)が前記点Aの座標であり、(x,y)が前記点Bの座標であり、
前記ステップS7では、前記長半径候補値a′と前記短半径候補値b′との大きさの制約関係に基づいて最終的な楕円回転角度θ、長半径a及び短半径bを決定し、楕円の5つのパラメータの認識を完了し、
前記単結晶シリコン楕円回転角度θ、前記長半径a及び前記短半径bの決定方法は、前記ステップS6における前記長半径候補値a′が前記短半径候補値b′よりも大きい場合、前記単結晶シリコン楕円回転角度θが前記回転角度候補値θ′に等しく、前記長半径aが前記長半径候補値a′に等しく、前記短半径bが前記短半径候補値b′に等しく、前記ステップS6における前記長半径候補値a′が前記短半径候補値b′よりも小さい場合、前記楕円回転角度θが前記回転角度候補値θ′に90°を加えた値に等しく、前記長半径aが前記短半径候補値b′に等しく、前記短半径bが前記長半径候補値a′に等しい
ことを特徴とする幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法。
【請求項2】
前記ステップS1における前記前処理は画像フィルタリング、エッジ検出及び/又は仮想エッジの除去を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法。
【請求項3】
前記ステップS2における各クラスタの前記平行弦の数が2本以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法。
【請求項4】
前記ステップS3における各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングする根拠は、同一クラスタの前記平行弦の中点が同一直線上に位置し、且つ該同一直線が単結晶シリコン楕円円心を通り、2クラスタの平行弦に対応する中心線が必ず単結晶シリコン楕円円心で交差する幾何学的特性である
ことを特徴とする請求項1に記載の幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法。
【請求項5】
前記ステップS4における前記点Aと前記点Bが楕円の長半径又は楕円の短半径で対称である
ことを特徴とする請求項1に記載の幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法を実現するためのシステムであって、
以下の画像前処理モジュール、平行弦作りモジュール、単結晶シリコン楕円円心抽出モジュール、特徴点抽出モジュール、回転角度候補値抽出モジュール、長短半径候補値抽出モジュール、及び単結晶シリコン楕円パラメータ抽出モジュールを含み、
前記画像前処理モジュールは、入力された単結晶シリコン結晶引上画像に対して前処理を行い、検出対象の不完全な単結晶シリコン楕円輪郭を抽出することに用いられ、
前記平行弦作りモジュールは、不完全な単結晶シリコン楕円輪郭点において2クラスタの平行弦を作って、各本の前記平行弦の中点を計算することに用いられ、
前記単結晶シリコン楕円円心抽出モジュールは、各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングして2本の中心線を形成し、且つ2本の前記中心線の交点座標(x,y)を計算することに用いられ、前記交点が単結晶シリコン楕円円心であって、点Oとして記され、
前記特徴点抽出モジュールは、不完全な単結晶シリコン楕円輪郭における各点から前記単結晶シリコン楕円円心までの距離を計算し、且つ前記単結晶シリコン楕円円心までの距離が等しく且つ前記単結晶シリコン楕円円心と同一直線上に位置しない2つのエッジ点をランダムに選択して点A及び点Bとして記し、前記点Aの座標を(x,y)とし、前記点Bの座標を(x,y)とすることに用いられ、
前記回転角度候補値抽出モジュールは、前記単結晶シリコン楕円円心O、前記点Aの座標(x,y)、前記点Bの座標(x,y)に基づいて線分OA及び線分OBの傾斜角を計算して、それぞれ傾斜角α及び傾斜角βとして記し、楕円が長半径又は短半径に関して対称である幾何学的特性によって単結晶シリコン楕円回転角度θと前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの関係を分析し、単結晶シリコン楕円の回転角度候補値θ′を計算することに用いられ、
前記長短半径候補値抽出モジュールは、前記単結晶シリコン楕円の円心座標(x,y)、前記回転角度候補値θ′、前記点Aの座標(x,y)、前記点Bの座標(x,y)を標準楕円方程式に代入して、長半径候補値a′及び前記短半径候補値b′を計算することに用いられ、
前記単結晶シリコン楕円パラメータ抽出モジュールは、前記長半径候補値a′と前記短半径候補値b′との大きさの制約関係に基づいて最終的な単結晶シリコン楕円回転角度θ、長半径a及び短半径bを決定し、単結晶シリコン楕円の5つのパラメータの認識を完了することに用いられる
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は単結晶シリコン直径検出の画像処理技術分野に関し、特に幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
楕円は、生活・生産における基本的な幾何要素として、多くの画像処理分野に広く応用されている。例えば、アイトラッキング分野において、楕円形の瞳孔を検出することにより眼球の回転状態を追跡することができる。顔識別分野において、楕円検出技術によって顔輪郭を背景から分離することができる。天文学において、楕円検出は天体の形状パラメータ及び運動軌跡を計算することに用いられる。生物医学において、楕円検出によって細胞分割を実現することができる。自動化生産ラインにおいて、楕円検出は常に円形物体のカウントに応用される。チョクラルスキー型単結晶シリコン生産において、カメラが結晶引上炉の観察窓に取り付けられるため、斜め下向きの撮影角度によって円形の結晶棒の断面を画像上で楕円形にする。また、複雑な環境は撮影視点を遮ることとなり、多くの工業自動化検出シーンにおいて取得された画像は楕円の輪郭の一部即ち不完全な楕円である。
【0003】
いずれか1つの楕円はいずれも5つのパラメータで構成され、それらがそれぞれ円心座標x及びy、回転角度θ、長半径a及び短半径bである。楕円パラメータ認識の目的は画像における楕円エッジを利用して上記5つのパラメータを求めることである。パラメータが比較的多いため、楕円検出は常に画像処理分野における1つの難点であり、広く注目されている。よく見られる楕円検出アルゴリズムは以下の2種類に分けられてもよい。
【0004】
(1)ハフ変換に基づく楕円検出アルゴリズム
ハフ変換(HT、Hough Transform)は画像処理における幾何形状を識別する基本的な方法の1つであり、本質的に「クラスタ」(又は、「投票」)方法に属し、その原理は、画像空間とパラメータ空間との対応関係によって画像空間における各前景画素点をある解析形式でパラメータ空間に変換し、パラメータ空間において簡単な累加統計を行って、累加値が最も大きなカウンタに表示されるパラメータで検出タスクを完了することである。標準ハフ変換は2つのパラメータのみを検出でき、多すぎるパラメータがパラメータ空間の次元を増加させて、アルゴリズムの時間複雑度及び空間複雑度を大幅に増加させることとなる。楕円のパラメータは5つあり、標準のハフ変換方法を使用すれば、5次元パラメータ空間を必要とし、消費した内部記憶及び時間が莫大なものであり、実際の検出に応用できない。このために、中国国内外の研究者も次々と改良されたHough変換アルゴリズムを提案し、例えば、Xu Lはランダムハフ変換アルゴリズム(Xu L . Randomized Hough Transform (RHT): Basic Mechanisms, Algorithms, and Computational Complexities[J]. CVGIP: Image Understanding, 1993, 57(2):131-154.)を提案した。標準ハフ変換がエッジにおける各点をパラメータ空間における複数の点にマッピングすることと異なって、ランダムハフ変換は原図における複数の点をパラメータ空間における1つの点にマッピングし、計算量を大幅に減少させることができる。しかしながら、該方法は候補エッジ点の数が比較的多く又はエッジが騒音からの干渉を受ける場合、無効サンプリングを導入することとなり、このため、アルゴリズムの演算量及び記憶量が増加してしまう。この問題に応用するために、登録番号CN1256696Cの中国発明特許には制限ランダムハフ変換によって楕円検出を行う画像処理方法が提案されており、該方法は任意の楕円曲線に対して3つの点をランダムに選択し、まず楕円接線の制限条件によって選択された3つの点が楕円方程式を満足するかどうかを判断し、楕円方程式を満足しない点を除去する。楕円方程式を満足する3つの点については、まず接線中心線原理に基づいて楕円中心を決定し、次に3つの点の座標によって長半径、短半径及び回転角度を求める。該方法はランダムハフ変換を行う前に、楕円検証ステップを追加し、無効点サンプリングを効果的に減少させて、検出効率を更に向上させることができる。
【0005】
(2)最小二乗に基づく楕円フィッティングアルゴリズム
このような方法は楕円を下記公式(9)に示し、
【数9】
(9)
ここで、a、b、c、d、e及びfが係数である。ベクトル

を導入して、公式(9)を下記公式(10)に書き直し、
【数10】
(10)
騒音が存在するため、F(a,x)が点(x,y)で0に等しくなく、従って、F(a,x)を点(x,y)から曲線F(a,x)=0までの代数距離として見なしてもよい。最小二乗原理に基づいて各点の代数距離の二乗和の最小値を求めることにより楕円曲線フィッティングを完了することができ、公式(11)に示され、
【数11】
(11)
登録番号CN110402849B及び登録番号CN113793309Aの中国発明特許はいずれも最小二乗法によって楕円をフィッティングすることに言及する。
【0006】
総体的には、従来のハフ変換に基づく楕円検出アルゴリズムはロバスト性が高く、騒音及び不完全な楕円にいずれも敏感ではないが、計算量が大きく、楕円を迅速に検出することに適しない。最小二乗法に基づく楕円検出アルゴリズムは原理が簡単であるが、騒音に比較的敏感であり、このような2種類の方法は直接に精度及び即時性への要求がいずれも比較的高い単結晶シリコン直径検出分野に応用されにくい。
【0007】
このために、本発明は幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステムを提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステムを提供することにあり、従来の単結晶シリコン直径検出応用において楕円検出計算量が大きく、記憶量が大きいという問題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明が採用した技術案は以下のとおりである。
【0010】
幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステムであって、
入力された単結晶シリコン結晶引上画像を処理して、検出対象の不完全な単結晶シリコン楕円輪郭を抽出するステップS1と、
不完全な単結晶シリコン楕円輪郭において2クラスタの平行弦を作って、各本の前記平行弦の中点を計算するステップS2と、
各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングして2本の中心線を形成し、且つ2本の前記中心線の交点座標(x,y)を計算し、前記交点が楕円円心であって、点Oとして記されるステップS3と、
不完全な単結晶シリコン楕円輪郭における各点から前記楕円円心までの距離を計算し、且つ前記楕円円心までの距離が等しく且つ前記楕円円心と同一直線上に位置しない2つのエッジ点をランダムに選択して点A及び点Bとして記し、前記点Aの座標を(x,y)とし、前記点Bの座標を(x,y)とするステップS4と、
前記単結晶シリコン楕円円心O、前記点Aの座標(x,y)及び前記点Bの座標(x,y)に基づいて線分OA及び線分OBの傾斜角を計算して、それぞれ傾斜角α及び傾斜角βとして記し、楕円が長半径又は短半径に関して対称である幾何学的特性によって単結晶シリコン楕円回転角度θと前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの関係を分析し、単結晶シリコン楕円の回転角度候補値θ′を計算するステップS5と、
単結晶シリコンの円心座標(x,y)、前記回転角度候補値θ′、前記点Aの座標(x,y)及び前記点Bの座標(x,y)を標準楕円方程式に代入して、長半径候補値a′及び短半径候補値b′を計算するステップS6と、
前記長半径候補値a′と前記短半径候補値b′との大きさの制約関係に基づいて最終的な単結晶シリコン楕円回転角度θ、長半径a及び短半径bを決定し、単結晶シリコン楕円の5つのパラメータの認識を完了するステップS7と、を含む。
【0011】
更に、前記ステップS1における前記前処理は画像フィルタリング、エッジ検出及び/又は仮想エッジの除去を含む。
【0012】
更に、前記ステップS2における各クラスタの前記平行弦の数が2本以上である。
【0013】
更に、前記ステップS3における各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングする根拠は、同一クラスタの前記平行弦の中点が同一直線上に位置し、且つ該直線が単結晶シリコン楕円円心を通り、2クラスタの平行弦に対応する中心線が必ず単結晶シリコン楕円円心で交差する幾何学的特性である。
【0014】
更に、前記ステップS4における前記点Aと前記点Bは楕円の長半径又は楕円の短半径で対称である。
【0015】
更に、前記ステップS5における前記回転角度候補値θ′と前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの間に線形関係があり、且つ前記回転角度候補値θ′の値が前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの和に関連し、
更に、前記ステップS6における前記長半径候補値a′及び前記短半径候補値b′は具体的に、
【数8】
であり
ここで、(x,y)が前記点Aの座標であり、(x,y)が前記点Bの座標である。
【0016】
更に、前記ステップS7における前記単結晶シリコン楕円回転角度θ、前記長半径a及び前記短半径bの決定方法は、前記ステップS6における前記長半径候補値a′が前記短半径候補値b′よりも大きい場合、前記単結晶シリコン楕円回転角度θが前記回転角度候補値θ′に等しく、前記長半径aが前記長半径候補値a′に等しく、前記短半径bが前記短半径候補値b′に等しく、前記ステップS6における前記長半径候補値a′が前記短半径候補値b′よりも小さい場合、前記単結晶シリコン楕円回転角度θが前記回転角度候補値θ′に90°を加えた値に等しく、前記長半径aが前記短半径候補値b′に等しく、前記短半径bが前記長半径候補値a′に等しい。
【0017】
本発明は幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識システムを更に提供し、
入力された単結晶シリコン結晶引上画像に対して前処理を行い、検出対象の不完全な単結晶シリコン楕円輪郭を抽出するための画像前処理モジュールと、
不完全な単結晶シリコン楕円輪郭点において2クラスタの平行弦を作って、各本の前記平行弦の中点を計算するための平行弦作りモジュールと、
各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングして2本の中心線を形成し、且つ2本の前記中心線の交点座標(x,y)を計算するためのものであり、前記交点が単結晶シリコン楕円円心であって、点Oとして記される単結晶シリコン楕円円心抽出モジュールと、
不完全な単結晶シリコン楕円輪郭における各点から前記単結晶シリコン楕円円心までの距離を計算し、且つ前記単結晶シリコン楕円円心までの距離が等しく且つ前記単結晶シリコン楕円円心と同一直線上に位置しない2つのエッジ点をランダムに選択して点A及び点Bとして記し、前記点Aの座標を(x,y)とし、前記点Bの座標を(x,y)とするための特徴点抽出モジュールと、
前記単結晶シリコン楕円円心O、前記点Aの座標(x,y)、前記点Bの座標(x,y)に基づいて線分OA及び線分OBの傾斜角を計算して、それぞれ傾斜角α及び傾斜角βとして記し、楕円が長半径又は短半径に関して対称である幾何学的特性によって単結晶シリコン楕円回転角度θと前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの関係を分析し、単結晶シリコン楕円の回転角度候補値θ′を計算するための回転角度候補値抽出モジュールと、
単結晶シリコンの円心座標(x,y)、前記回転角度候補値θ′、前記点Aの座標(x,y)、前記点Bの座標(x,y)を標準楕円方程式に代入して、長半径候補値a′及び前記短半径候補値b′を計算するための長短半径候補値抽出モジュールと、
前記長半径候補値a′と前記短半径候補値b′との大きさの制約関係に基づいて最終的な単結晶シリコン楕円回転角度θ、長半径a及び短半径bを決定し、単結晶シリコン楕円の5つのパラメータの認識を完了するための単結晶シリコン楕円パラメータ抽出モジュールと、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0019】
第1としては、従来技術に比べて、本発明に係る幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステムは、楕円の幾何学的特性を十分に引き出して利用して、累加の方式で楕円の5つのパラメータを段階的に求める。まず、楕円平行弦の中心線が単結晶シリコン楕円円心を通る特性によって2クラスタの平行弦を作って、2本の中心線を生成し、2本の中心線の交点を計算し、該交点が単結晶シリコン楕円円心である。次に、楕円の対称性によって、単結晶シリコン楕円エッジにおける単結晶シリコン円心までの距離が等しく且つ単結晶シリコン楕円円心と同一直線上に位置しない1対の点を見つけて、角二等分線の幾何学的特性によって単結晶シリコン楕円回転角度の候補値を計算する。ついでに、既存の単結晶シリコン楕円円心座標及び回転角度候補値に基づいて単結晶シリコン楕円エッジにおけるいずれか2つの点を選択して楕円標準方程式に代入して、楕円長半径及び短半径候補値を計算する。最後に、楕円長半径が短半径よりも大きな幾何制約によって単結晶シリコン楕円回転角度、長半径及び短半径の最終値を決定する。
【0020】
第2としては、本発明に係る幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステムは、理論が単純で、操作しやすく、過程全体が少量の距離、角度などの幾何学計算のみに関し、クラスタ又は投票演算、代数フィッティング演算を回避するのであり、従来技術に比べて、計算量及び記憶量を大幅に減少させ、楕円パラメータ認識の即時性を向上させ、計算リソースが少なく、記憶空間が小さく、即時性への要求が高い単結晶シリコン楕円検出シーンに更に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は本発明に係る幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法のフローチャートである。
図2図2は本発明に係る幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識システムの構造模式図である。
図3図3は本発明の実施例に係る汎用の楕円モデルを示す図である。
図4図4は本発明の実施例に係る単結晶シリコン楕円円心の計算方法の原理模式図である。
図5図5は本発明の実施例に係る楕円対称性の原理模式図である。
図6図6は本発明の実施例に係る単結晶シリコン楕円回転角度の計算方法の原理模式図である。
図7図7は本発明に係る方法が単結晶シリコン直径検出・楕円パラメータ認識に応用される結果模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
下記少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は実際に単に説明のためのものであり、本発明及びその応用又は使用を制限するものではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要することなく取得したすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0023】
図1を参照し、幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法であって、
入力された単結晶シリコン結晶引上画像に対して前処理を行い、検出対象の不完全な単結晶シリコン楕円輪郭を抽出し、
前記前処理が画像フィルタリング、エッジ検出及び/又は仮想エッジの除去を含むステップS1と、
不完全な単結晶シリコン楕円輪郭において2クラスタの平行弦を作って、各本の前記平行弦の中点を計算し、
各クラスタの前記平行弦の数が2本以上であるステップS2と、
各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングして2本の中心線を形成し、且つ2本の前記中心線の交点座標(x,y)を計算し、前記交点が単結晶シリコン楕円円心であって、点Oとして記され、
各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングする根拠は、同一クラスタの前記平行弦の中点が同一直線上に位置し、且つ該直線が単結晶シリコン楕円円心を通り、2クラスタの平行弦に対応する中心線が必ず単結晶シリコン楕円円心で交差する幾何学的特性であるステップS3と、
不完全な単結晶シリコン楕円輪郭における各点から前記単結晶シリコン楕円円心までの距離を計算し、且つ前記単結晶シリコン楕円円心までの距離が等しく且つ前記単結晶シリコン楕円円心と同一直線上に位置しない2つのエッジ点をランダムに選択して点A及び点Bとして記し、前記点Aの座標を(x,y)とし、前記点Bの座標を(x,y)とし、
前記点Aと前記点Bが楕円の長半径又は楕円の短半径に関して対称であるステップS4と、
前記単結晶シリコン楕円円心O、前記点Aの座標(x,y)及び前記点Bの座標(x,y)に基づいて線分OA及び線分OBの傾斜角を計算して、それぞれ傾斜角α及び傾斜角βとして記し、楕円が長半径又は短半径に関して対称である幾何学的特性によって単結晶シリコン楕円回転角度θと前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの関係を分析し、単結晶シリコン楕円の回転角度候補値θ′を計算し、
前記回転角度候補値θ′と前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの間に線形関係があり、且つ前記回転角度候補値θ′の値が前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの和に関連し、
【数4】
であるステップS5と、
単結晶シリコンの円心座標(x,y)、前記回転角度候補値θ′、前記点Aの座標(x,y)及び前記点Bの座標(x,y)を標準楕円方程式に代入して、長半径候補値a′及び短半径候補値b′を計算し、
前記ステップS6における前記長半径候補値a′及び前記短半径候補値b′は具体的に、
【数8】
であり、
ここで、(x,y)が前記点Aの座標であり、(x,y)が前記点Bの座標であるステップS6と、
前記長半径候補値a′と前記短半径候補値b′との大きさの制約関係に基づいて最終的な単結晶シリコン楕円回転角度θ、長半径a及び短半径bを決定し、単結晶シリコン楕円の5つのパラメータの認識を完了するステップS7と、を含む。
【0024】
前記ステップS7における前記単結晶シリコン楕円回転角度θ、前記長半径a及び前記短半径bの決定方法は、前記ステップS6における前記長半径候補値a′が前記短半径候補値b′よりも大きい場合、前記単結晶シリコン楕円回転角度θが前記回転角度候補値θ′に等しく、前記長半径aが前記長半径候補値a′に等しく、前記短半径bが前記短半径候補値b′に等しく、前記ステップS6における前記長半径候補値a′が前記短半径候補値b′よりも小さい場合、前記単結晶シリコン楕円回転角度θが前記回転角度候補値θ′に90°を加えた値に等しく、前記長半径aが前記短半径候補値b′に等しく、前記短半径bが前記長半径候補値a′に等しく、
【数7】
である。
【0025】
図2を参照し、幾何学的特性に基づく軽量化された単結晶シリコン楕円パラメータの認識システムであって、
入力された単結晶シリコン結晶引上画像に対して前処理を行い、検出対象の不完全な単結晶シリコン楕円輪郭を抽出するための画像前処理モジュールと、
不完全な単結晶シリコン楕円輪郭点において2クラスタの平行弦を作って、各本の前記平行弦の中点を計算するための平行弦作りモジュールと、
各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングして2本の中心線を形成し、且つ2本の前記中心線の交点座標(x,y)を計算するためのものであり、前記交点が単結晶シリコン楕円円心であって、点Oとして記される単結晶シリコン楕円円心抽出モジュールと、
不完全な単結晶シリコン楕円輪郭における各点から前記単結晶シリコン楕円円心までの距離を計算し、且つ前記単結晶シリコン楕円円心までの距離が等しく且つ前記単結晶シリコン楕円円心と同一直線上に位置しない2つのエッジ点をランダムに選択して点A及び点Bとして記し、前記点Aの座標を(x,y)とし、前記点Bの座標を(x,y)とするための特徴点抽出モジュールと、
前記単結晶シリコン楕円円心O、前記点Aの座標(x,y)、前記点Bの座標(x,y)に基づいて線分OA及び線分OBの傾斜角を計算して、それぞれ傾斜角α及び傾斜角βとして記し、楕円が長半径又は短半径に関して対称である幾何学的特性によって単結晶シリコン楕円回転角度θと前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの関係を分析し、単結晶シリコン楕円の回転角度候補値θ′を計算するための回転角度候補値抽出モジュールと、
単結晶シリコンの円心座標(x,y)、前記回転角度候補値θ′、前記点Aの座標(x,y)、前記点Bの座標(x,y)を標準楕円方程式に代入して、長半径候補値a′及び前記短半径候補値b′を計算するための長短半径候補値抽出モジュールと、
前記長半径候補値a′と前記短半径候補値b′との大きさの制約関係に基づいて最終的な単結晶シリコン楕円回転角度θ、長半径a及び短半径bを決定し、単結晶シリコン楕円の5つのパラメータの認識を完了するための単結晶シリコン楕円パラメータ抽出モジュールと、を備える。
【0026】
実施例
図3を参照し、1つの標準の楕円を示し、その方程式は下記公式(1)に示され、
【数1】
(1)
ここで、(x、y、θ、a、b)が5つの求解対象の未知数であり、順に楕円円心横座標、円心縦座標、回転角度、長半径及び短半径を示す。本実施例は楕円の幾何学的特性を十分に引き出して、下記ステップによって楕円の5つの未知パラメータを順次計算する。
【0027】
ステップS1では、入力された単結晶シリコン結晶引上画像に対して前処理を行い、検出対象の不完全な単結晶シリコン楕円輪郭を抽出し、
前記前処理が画像フィルタリング、エッジ検出及び/又は仮想エッジの除去を含み、
ステップS2では、不完全な単結晶シリコン楕円輪郭点において2クラスタの平行弦を作って、各本の前記平行弦の中点を計算し、
各クラスタの前記平行弦の数が2本以上であり、
ステップS3では、各クラスタの前記平行弦の中点に対応する中心線をフィッティングして2本の中心線を形成し、且つ2本の前記中心線の交点座標(x,y)を計算し、前記交点が単結晶シリコン楕円円心であって、点Oとして記され、
Barwickは、楕円のいずれか1クラスタの平行弦の中点が同一直線上に位置し、且つ該直線が楕円円心を通ることを提案した(Barwick,ShaneD.VeryFastBest-FitCircularandEllipticalBoundariesbyChordData.[J].IEEETransactionsonPatternAnalysis&MachineIntelligence,2009)。
【0028】
従って、2クラスタの平行弦を設定することにより、それぞれ各クラスタの平行弦に対応する中心線を求め、2本の中心線の交点が楕円円心である。
【0029】
図4を参照し、不完全な単結晶シリコン楕円輪郭において点P、P、Q、Qを選択し、P及びPは勾配が同じであって1クラスタの平行弦を構成する。P、P、Q、Qの画像座標に基づいて弦Pの中点M及び弦Pの中点Mを計算し、点Mと点Mとが特定した直線Lを更に計算する。上記幾何学的特性に基づいて、直線Lが単結晶シリコン楕円円心Oを通る。
【0030】
同様に、単結晶シリコン楕円エッジの輪郭において点S、S、T、Tを選択し続け、S及びSは勾配が同じであってPの勾配と異なり、第2クラスタの平行弦を構成する。弦Sの中点N及び弦Sの中点N2を計算し、点N及び点N2を通る直線L2を更に計算し、直線L2が同様に単結晶シリコン楕円円心Oを通る。
【0031】
従って、単結晶シリコン楕円円心Oは直線Lと直線L2との交点であり、その座標は下記公式(2)に示され、
【数2】
(2)
ここで、((x,y))が単結晶シリコン楕円円心Oの座標を示し、
がそれぞれ点M、M、N、N2の画像における座標を示す。k、kがそれぞれ直線L、L2の勾配を示す。
【0032】
ステップS4では、不完全な単結晶シリコン楕円輪郭における各点から前記単結晶シリコン楕円円心までの距離を計算し、且つ前記単結晶シリコン楕円円心までの距離が等しく且つ前記単結晶シリコン楕円円心と同一直線上に位置しない2つのエッジ点をランダムに選択して点A及び点Bとして記し、前記点Aの座標を(x,y)とし、前記点Bの座標を(x,y)とし、
前記点Aと前記点Bが楕円の長半径又は楕円の短半径に関して対称である。
【0033】
ステップS5 前記単結晶シリコン楕円円心O、前記点Aの座標(x,y)及び前記点Bの座標(x,y)に基づいて線分OA及び線分OBの傾斜角を計算して、それぞれ傾斜角α及び傾斜角βとして記し、楕円が長半径又は短半径に関して対称である幾何学的特性によって楕円回転角度θと前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの関係を分析し、楕円の回転角度候補値θ′を計算し、
前記回転角度候補値θ′と前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの間に線形関係があり、且つ前記回転角度候補値θ′の値が前記傾斜角α及び前記傾斜角βとの和に関連し、
単結晶シリコン楕円円心を求めることを完了した後、本実施例は楕円が長半径及び短半径に関して対称であることによって楕円回転角度θを計算する。図3における楕円円心をO-XY座標系の原点に平行移動し、図5に示される。点Aと点B、点Cと点Dとが長半径に関して対称であり、点Aと点C、点Bと点Dとが短半径に関して対称である。楕円の対称性に基づいて、楕円エッジの輪郭における長半径又は短半径に関して対称である点から楕円円心までの距離は等しく、即ちOA=OB=OC=ODである。
【0034】
点A、B、C、Dから長半径又は短半径に関して対称であるいずれか2つの点、例えば点A及び点Bを選択し、明らかに楕円長半径が∠AOBの角二等分線である。更に、本実施例は単結晶シリコン楕円回転角度θと線分OA、線分OBに対応する傾斜角α及び傾斜角βとの間に特定の関係があり、図6に示される。
【数3】
(3)
特に、α+β=180°の場合、単結晶シリコン楕円回転角度θ=0°又は90°であり、図6(c)に示される。
【0035】
図6から分かるように、楕円の対称特性によって単結晶シリコン楕円回転角度θの値範囲を迅速に決定するが、単結晶シリコン楕円回転角度θの値を最終的に決定することができない。このために、θ′を回転角度候補値として記し、且つ
【数4】
(4)であり、
ステップS6では、単結晶シリコンの円心座標(x,y)、前記回転角度候補値θ′、前記点Aの座標(x,y)及び前記点Bの座標(x,y)を標準楕円方程式に代入して、長半径候補値a′及び短半径候補値b′を計算し、
(x,y,θ′)を取得した後、公式(1)は、以下の公式(5)のように示され、
【数5】
(5)
ここで、f(x,y)、g(x,y)が単結晶シリコン楕円輪郭における点の横・縦座標のみに関わる。いずれか2つの点を選択してその座標を公式(5)に代入すれば、楕円長半径及び短半径の候補値a′及びb′を計算することができる。本実施例は点A座標(x,y)、点Bの座標(x,y)を利用して解を求めて、以下の公式(6)を取得することができ、
【数6】
(6)
ステップS7では、前記長半径候補値a′と前記短半径候補値b′との大きさの制約関係に基づいて最終的な単結晶シリコン楕円回転角度θ、長半径a及び短半径bを決定し、楕円の5つのパラメータの認識を完了する。
【0036】
本実施例は長半径と短半径との大きさの制約関係によって単結晶シリコン楕円回転角度、長半径、短半径の最終値[θ a b]を決定し、下記公式(7)に示され、
【数7】
(7)
これにより、単結晶シリコン楕円の5つのパラメータ(x、y、θ、a、b)の識別を完了する。
【0037】
本発明の方法を単結晶シリコン直径検出に応用する過程及び結果は図7に示される。図面から分かるように、本発明の方法によって単結晶シリコン楕円画像に対応するパラメータを段階的に良く認識することができる。本方法は完全な楕円検出に適用されるだけでなく、不完全な楕円のパラメータ認識を実現することもできる。
【0038】
以上の説明は単に本発明の好適な実施例であり、本発明を制限するためのものではなく、当業者であれば、本発明に対して種々の変更及び変化を行うことができる。本発明の趣旨及び原則内に行われたいかなる修正、等価置換、改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【要約】      (修正有)
【課題】楕円の幾何学的特性を十分に引き出して利用し、パラメータ識別過程が少量の距離、角度などの幾何学計算のみに関し、クラスタ演算、投票演算及び代数フィッティング演算を回避し、計算量及び記憶量を大幅に減少させ、楕円パラメータ認識の即時性を向上させる単結晶シリコン楕円パラメータの認識方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、S1において、入力された単結晶シリコン結晶引上画像に対して前処理を行い、S2において、平行弦の中点を計算し、S3において、楕円円心を計算し、S4において、不完全な楕円輪郭における各点から楕円円心までの距離を計算し、且つ同一直線上に位置しないエッジ点をランダムに選択し、S5において、楕円の回転角度候補値を計算し、S6において、長半径候補値及び短半径候補値を計算し、S7において、最終的な楕円回転角度、長半径及び短半径を決定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7