IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大塚製薬株式会社の特許一覧

特許7354470エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品
<>
  • 特許-エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 図1
  • 特許-エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 図2
  • 特許-エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 図3
  • 特許-エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 図4
  • 特許-エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 図5
  • 特許-エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 図6
  • 特許-エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 図7
  • 特許-エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20230925BHJP
   C12P 7/22 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
A23L33/105
C12P7/22
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023072112
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2023032405の分割
【原出願日】2008-06-13
(65)【公開番号】P2023093697
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】P 2007156822
(32)【優先日】2007-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2007156825
(32)【優先日】2007-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2007156833
(32)【優先日】2007-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000206956
【氏名又は名称】大塚製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨永 道明
(72)【発明者】
【氏名】瀧 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】松本 敏明
(72)【発明者】
【氏名】半谷 いづみ
(72)【発明者】
【氏名】今田 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】松岡 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】岸本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】内山 悠子
(72)【発明者】
【氏名】常石 博正
(72)【発明者】
【氏名】辻 真知子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルデス-ゴンザレス タニア
(72)【発明者】
【氏名】只野 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】亀田 京子
【審査官】市島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/000042(WO,A1)
【文献】特許第7271804(JP,B1)
【文献】国際公開第99/007392(WO,A1)
【文献】特開2004-290012(JP,A)
【文献】特開昭63-243013(JP,A)
【文献】特表2006-504409(JP,A)
【文献】特開2006-069898(JP,A)
【文献】特表2004-533831(JP,A)
【文献】国際公開第03/097037(WO,A1)
【文献】日本食品保蔵科学会誌,2003年,Vol.29, No.3,165-172
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 1/00-41/00
A23L 2/00-35/00
C12N 1/00-7/08
C12N 9/00-9/99
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エクオール及びオルニチンを含有する組成物の製造方法であって、
エクオール及びオルニチン産生能を有する微生物を用いて、栄養成分(ただし、BHIブロスを除く)及びアルギニンの存在下において、ダイゼイン類を含有する大豆胚軸及び/又は大豆胚軸抽出物を含む発酵原料(ただし、豆乳を除く)を発酵すること、
前記発酵により前記ダイゼイン類をエクオールに変換すること、
前記発酵により前記アルギニンをオルニチンに変換すること、及び
前記発酵により、発酵後のイソフラボン組成を、前記大豆胚軸及び/又は大豆胚軸抽出物におけるイソフラボン組成とは異なるものに変更すること
を含み、
前記アルギニンを添加する工程をさらに含み、
前記ダイゼイン類が、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインよりなる群から選択される少なくとも1種のダイゼイン類であり、
前記発酵原料は、前記ダイゼイン類以外のイソフラボンをさらに含有するものである、
方法。
【請求項2】
エクオール及びオルニチンを含有する組成物の製造方法であって、
エクオール及びオルニチン産生能を有する微生物を用いて、栄養成分(ただし、BHIブロスを除く)及びアルギニンの存在下において、ダイゼイン類を含有する大豆胚軸及び/又は大豆胚軸抽出物を含む発酵原料(ただし、豆乳を除く)を発酵すること、
前記発酵により前記ダイゼイン類をエクオールに変換すること、
前記発酵により前記アルギニンをオルニチンに変換すること、及び
前記発酵により、発酵後のイソフラボン組成を、前記大豆胚軸及び/又は大豆胚軸抽出物におけるイソフラボン組成とは異なるものに変更すること
を含み、
前記アルギニンが、定量され添加されたものであり、
前記ダイゼイン類が、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン及びジヒドロダイゼインよりなる群から選択される少なくとも1種のダイゼイン類であり、
前記発酵原料は、前記ダイゼイン類以外のイソフラボンをさらに含有するものである、
方法。
【請求項3】
前記組成物が、機能性食品素材である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、機能性食品素材である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記栄養成分が、窒素源、炭素源、無機塩、ビタミン類、及びアミノ酸類よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか1に記載の方法。
【請求項6】
前記栄養成分がアミノ酸類を含む、請求項1~4のいずれか1に記載の方法。
【請求項7】
前記栄養成分がグルコースを含む、請求項1~4のいずれか1に記載の方法。
【請求項8】
前記発酵後に得られた生成物をろ過又は遠心分離により処理することをさらに含む、請求項1~のいずれか1に記載の方法。
【請求項9】
粉末化処理により粉末状の前記組成物を得ることをさらに含む、請求項1~のいずれか1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物から有用成分が抽出されたエクオール含有抽出物、及びその製造方法に関する。また、本発明は、エクオール含有物から高純度のエクオールを効率的に精製する方法に関する。更に、本発明は、エクオール含有食品素材、及びエクオール含有食品に関する。
【背景技術】
【0002】
大豆中に含まれるイソフラボン(大豆イソフラボン;ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン)はエストラジオールと構造が類似しており、エストロゲンレセプター(以下、ERと表記する)への結合に伴う抗エストロゲン作用及びエストロゲン様作用を有している。これまでの大豆イソフラボンの疫学研究や介入研究からは、抗エストロゲン作用による乳癌、前立腺癌等のホルモン依存性の癌の予防効果や、エストロゲン様作用による更年期障害、閉経後の骨粗鬆症、高脂血症の改善効果が示唆されている。
【0003】
近年、これら大豆イソフラボンの生理作用の活性本体がダイゼインの代謝物のエクオールである可能性が指摘されている。即ち、エクオールは大豆イソフラボンと比較してERとの結合能(特に、ERβとの結合)が強く、乳房や前立腺組織などの標的臓器への移行性が顕著に高いことが報告されている(非特許文献1-4参照)。また、患者-対照研究では、乳癌、前立腺癌患者でエクオール産生者が有意に少ないことが報告され、閉経後の骨密度、脂質代謝に対する大豆イソフラボンの改善効果をエクオール産生者と非産生者に分けて解析するとエクオール産生者で有意に改善されたことも報告されている。
【0004】
エクオールは、ダイゼインより腸内細菌の代謝を経て産生されるが、エクオール産生能には個人差があり、日本人のエクオール産生者の割合は、約50%と報告されている。つまり、日本人の約50%がエクオールを産生できないヒト(エクオール非産生者)であり、このようなヒトにおいては、大豆や大豆加工食品を摂取しても、エクオールの作用に基づく有用生理効果が享受できない。従って、エクオール非産生者に、エクオールの作用に基づく有用生理効果を発現させるには、エクオール自体を摂取させることが有効であると考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Morito K, HiroseT, Kinjo J, Hirakawa T, Okawa M, Nohara T, Ogawa S, Inoue S, Muramatsu M, Masamune Y. Interaction of phytoestrogens with estrogen receptors αand β. Biol Pharm Bull 24(4):351-356, 2001
【文献】Maubach J, Bracke ME, Heyerick A, Depypere HT, Serreyn RF, Mareel MM, Keukeleire DD. Quantitation of soy-derived phytoestrogens in human breast tissue and biological fluids by high-performance liquid chromatography. J Chromatography B 784:137-144, 2003
【文献】Morton MS, Chan PSF, Cheng C, Blacklock N, Matos-Ferreira A, Abranches-Monteiro L, Correia R, Lloyd S, Griffiths K. Lignans and isoflavonoids in plasma and prostatic fluid in men : Samples from Portugal, Hong Kong, and the United Kingdom. Prostate 32:122-128, 1997
【文献】Tammy EH, Paul DM, Paul GF, Robert D, Stephen B, Kenneth J, Ray M, Lorraine GO, Kristiina W, Holly MS, Karen JG. Long-term dietary habits affect soy isoflavone metabolism and accumulation in prostatic fluid in caucasian men. J Nutr 135:1400-1406, 2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでに、本発明者等は、エクオールを含有する食品素材として、大豆胚軸をエクオール産生微生物で発酵させることにより得られる大豆胚軸発酵物を見出した。当該大豆胚軸発酵物には、エクオールのみならず、イソフラボンやサポニン等の大豆由来の有用成分を含み、これによって有用生理効果を発現できるので、機能性素材として有用であることが明らかにされている。更に、当該大豆胚軸発酵物は、大豆胚軸由来のアレルゲンが低減されており、低アレルゲン素材としても有用であることが確認されている。このように、本発明者等が見出した上記大豆胚軸発酵物は、含有成分に基づく有用生理活性を示し、低アレルギー性であるので、機能性食品素材として有用であることが分かっている。
【0007】
一方、上記大豆胚軸発酵物中のエクオールの含有量は、製造に使用した大豆胚軸の種類、エクオール産生微生物の種類等によって異なるが、1重量%程度であることが多い。そこで、エクオール含有割合をより高めた素材が提供できれば、食品形態の多様化等に対応でき、様々なタイプのエクオール含有食品を容易に提供することが可能になる。しかしながら、これまでに、上記大豆胚軸発酵物自体、公知でなく、また上記大豆胚軸発酵物から効率的にエクオールを含む有用成分を抽出するには如何なる手法が有効であるかについても、明らかにされていない。
【0008】
また、上記大豆胚軸発酵物のような発酵法により得られるエクオール含有物は、化学的合成方法に比べて安全性が高く、工業的製造に適しているという利点がある。しかしながら、発酵法によって得られるエクオール含有物には、エクオール以外の代謝産物も含まれ、更には原料由来の多種の成分も残存する。また、発酵に使用した原料の種類によっては、発酵法によって得られるエクオール含有物には、アレルゲンとなり得る物質が混在している場合もある。そこで、エクオールを食品や医薬品に使用される添加剤として応用するには、エクオールを製造する技術のみならず、エクオールを高純度で精製する技術の開発も不可欠である。しかしながら、従来、エクオールを精製する方法に関しては殆ど報告がないため、工業的な応用が可能で、効率的且つ簡便にエクオールを高純度に精製できる技術の確立が望まれている。
【0009】
更に、上記大豆胚軸発酵物には、大豆胚軸に由来する苦味やエクオールに由来する苦味を持ち合わせており、食品素材として利用する場合には、風味の点に十分に十分な注意を払うことが求められる。しかしながら、上記大豆胚軸発酵物は、従来報告されていない新規食品素材であり、その風味の改善には如何なる方法が有効であるかについては分かっていない。特に、上記大豆胚軸発酵物を焼き菓子に利用する場合には、製造時に焼成工程に供されることにより風味劣化が生じ易くなるため、上記大豆胚軸発酵物を配合した焼き菓子において良好な風味を呈させることは、非常に困難な技術的な課題である。
【0010】
そこで、本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物から、エクオールを含む有用成分が抽出された抽出物、及びこれを製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、エクオール含有物から高純度のエクオールを効率的に精製する方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、エクオール産生微生物で大豆胚軸を発酵させることにより得られるエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含み、その風味が改善されている食品素材を提供することを目的とする。また、本発明は、当該エクオール含有大豆胚軸発酵物を含み、良好な風味を呈する食品(特に、焼き菓子)を提供することを目的とする。そして更に、本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含む各種形態の食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、驚くべきことに、エクオール含有大豆胚軸発酵物に対して、抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽出処理することにより、該大豆胚軸発酵物からエクオールを含む有用成分を効率的に抽出できることを見出した。更に、エクオール含有大豆胚軸発酵物に対して、エタノール水溶液を用いた抽出処理及びエタノールを用いた抽出処理を順次実施することにより、エクオール及びグリシテインを効率的に抽出しながら、渋み、苦み、えぐみといった不快味の原因となるサポニンの含有量を低減させることができることをも見出した。
【0012】
更に、本発明者らは、エクオール含有大豆胚軸発酵物を、pH2~6の水溶液中に懸濁させて不溶物を回収し、斯くして得られた不溶物に対して抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽出処理することにより、エクオールが高濃度に濃縮されたエクオール含有抽出物を製造できることを見出した。
【0013】
また、本発明者等は、以下の(1)~(5)の操作を経ることによって、高純度のエクオールを効率的且つ簡便に精製できることを見出した:(1)エクオール含有物をエタノール水溶
液を用いて抽出処理する、(2)得られた抽出物を更にエタノールを用いて抽出処理する、(3)得られた抽出物をヘキサンを用いて抽出処理する、(4)得られた不溶性画分をヘキサン
及びエーテルの混合液を用いて抽出処理する、(5)得られた抽出液をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに供し、エクオール含有画分を得る。
【0014】
更に、本発明者らは、以下の(i)~(iii)の操作を経ることによっても、高純度のエクオールを効率的且つ簡便に精製できることを見出した:(i)エクオール含有物を特定の有機
溶媒又はその含水有機溶媒を用いて抽出処理し、得られた抽出液を濃縮する、(ii)得られた濃縮物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、エクオール含有画分を得る、(iii)得られたエクオール含有画分から溶媒を除去し、得られた残留物に対して再結晶化
処理する。
【0015】
更に、本発明者らは、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を、カカオマスに分散させた食品素材によれば、エクオール含有大豆胚軸発酵物に由来する苦味が抑制され、良好な風味が呈されることを見出した。また、当該食品素材は、風味を損ねることなく、焼き菓子を初めとする様々な食品に利用できることをも見出した。
【0016】
そして更に、本発明者らは、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を配合した各種形態の食品の開発に成功した。
【0017】
本発明は、これらの知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。
【0018】
本発明は、下記に掲げるエクオール含有抽出物の製造方法を提供する。
項1-1. エクオール含有大豆胚軸発酵物を抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽
出処理し、抽出液を回収する第I-1工程を含む、エクオール含有抽出物の製造方法。
項1-2. 更に、第I-1工程で得られた抽出液から抽出溶媒を除去した後、これを抽出溶媒としてエタノールを用いて抽出処理し、抽出液を回収する第I-2工程を含む、項1-1に記載の製造方法。
項1-3. 第I-1工程で使用されるエタノール水溶液におけるエタノール濃度が20~98容量%である、項1-1に記載の製造方法。
項1-4. エクオール含有大豆胚軸発酵物が、エクオール産生微生物で大豆胚軸を発酵さ
せて得られるものである、項1-1乃至1-3のいずれかに記載の製造方法。
項1-5. 下記第II-1工程及び第II-2工程を含む、エクオール含有大豆胚軸発酵物からエ
クオール含有抽出物を製造する方法:
エクオール含有大豆胚軸発酵物を水に懸濁させて酸を加えてpH2~6に調整し、不溶物を回収する第II-1工程、及び
前記第II-1工程で得られた不溶物に対して、抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽出処理し、抽出液を回収する第II-2工程。
項1-6. 第II-1工程で使用される酸が酢酸である、項1-5に記載の製造方法。
【0019】
また、本発明は、下記に掲げるエクオール含有抽出物を提供する。
項2-1. エクオール含有大豆胚軸発酵物を抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽
出処理することにより得られる、エクオール含有抽出物。
項2-2. エクオール含有大豆胚軸発酵物に対して、エタノール水溶液を用いた抽出処理
及びエタノールを用いた抽出処理を順次実施することにより得られる、エクオール含有抽出物。
項2-3. 項1-1乃至1-6のいずれかに記載の製造方法により得られる、エクオール含有抽
出物。
【0020】
また、本発明は、下記に掲げるエクオールの精製方法を提供する。
項3-1. 下記第1-1工程~第1-5工程を含む、エクオール含有物からエクオールを精製す
る方法:
エクオール含有物を抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽出処理し、抽出液を回収する第1-1工程、
前記第1-1工程で得られた抽出液から溶媒を除去した後、得られた残留物に対して抽出
溶媒としてエタノールを用いて抽出処理し、抽出液を回収する第1-2工程、
前記第1-2工程で得られた抽出液から溶媒を除去した後、得られた残留物にをヘキサン
に懸濁し、不溶物を回収する第1-3工程、
前記第1-3工程で得られた不溶物に対して、抽出溶媒としてヘキサン及びエーテルの混
合液を用いて抽出処理し、抽出液を回収する第1-4工程、及び
前記第1-4工程で得られた抽出液をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、エクオール
含有画分を回収する第1-5工程。
項3-2. エクオール含有物が、エクオールを含む発酵物である、項3-1に記載の精製方法。
項3-3. エクオールを含む発酵物が、エクオール産生微生物で大豆胚軸を発酵させるこ
とにより得られるエクオール含有大豆胚軸発酵物である、項3-2に記載の精製方法。
項3-4. 第1-4工程で使用する抽出溶媒が、ヘキサンとジエチルエーテルの混合液である、項3-1乃至3-3のいずれかに記載の精製方法。
項3-5. 第1-4工程で使用する抽出溶媒が、ヘキサンとエーテルが10:90~20:80の容量比の混合液である、項3-1乃至3-4のいずれかに記載の精製方法。
項3-6. 第1-1工程で使用されるエタノール水溶液におけるエタノール濃度が20~98容量%である、項3-1乃至3-5いずれかに記載の製造方法。
項3-7. 下記第2-1工程~第2-3工程を含む、エクオール含有物からエクオールを精製す
る方法:
エクオール含有物に対して、抽出溶媒として、酢酸エチル、アルコール、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、及びトルエンよりなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒、又はその含水有機溶媒を用いて抽出処理し、抽出液を回収す
る第2-1工程、
前記第2-1工程で得られた抽出液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、エ
クオール含有画分を得る第2-2工程、及び
前記第2-2工程で得られたエクオール含有画分から溶媒を除去し、得られた残留物に対
して再結晶化処理を行い、析出する結晶を回収する第2-3工程。
項3-8. 前記第2-3工程において、酢酸エチルとヘキサンの混合液を用いた再結晶処理を
行った後に、更にアルコール水溶液を用いた再結晶処理が行われる、項3-7に記載の精製
方法。
【0021】
更に、本発明は、下記に掲げる食品素材及びそれを利用した食品に関する発明を提供する。
項4-1. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物が、カカオマスに分散されてな
る、食品素材。
項4-2. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物100重量部に対して、カカオ
マスが10~2000重量部の比率で含まれる、項4-1に記載の食品素材。
項4-3. エクオール含有大豆胚軸発酵物が、エクオール産生微生物で大豆胚軸を発酵さ
せて得られるものである、項4-1又は4-2に記載の食品素材。
項4-4. エクオール産生微生物が、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン、及びジヒドロダイ
ゼインよりなる群から選択される少なくとも1種のダイゼイン類を資化してエクオールを産生する能力を有する微生物である、項4-3に記載の食品素材。
項4-5. 粒状、チップ状、又はプレート状である、項4-1乃至4-4のいずれかに記載の食
品素材。
項4-6. 項4-1乃至4-5のいずれかに記載の食品素材を含有する、エクオール含有食品。
項4-7. 焼き菓子である、項4-6に記載のエクオール含有食品。
【0022】
そして更に、本発明は、下記に掲げる食品を提供する。
項5-1. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、食品。
項5-2. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、飲料。
項5-3. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、サプリメント。
項5-4. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、クリーム状食品。
項5-5. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、デザート。
項5-6. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、菓子。
項5-7. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、調味料。
項5-8. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、レトルト食品。
項5-9. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、食肉加工食品。
項5-10. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、練り食品。
項5-11. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、玉子加工食品。
項5-12. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、缶詰又は缶入り食品。
項5-13. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、パン。
項5-14. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、冷菓。
項5-15. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、大豆加工食品。
項5-16. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、米飯食品。
項5-17. エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する、スープ。
項5-18. エクオール含有大豆胚軸発酵物が、エクオール産生微生物で大豆胚軸を発酵させて得られるものである、項5-1乃至5-18のいずれかに記載の食品。
項5-19. エクオール産生微生物が、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン、及びジヒドロダイゼインよりなる群から選択される少なくとも1種のダイゼイン類を資化してエクオールを産生する能力を有する微生物である、項5-18に記載の食品。
【発明の効果】
【0023】
本発明のエクオール含有抽出物の製造方法によれば、エクオール含有大豆胚軸発酵物から、エクオールを含む有用成分を効率的に抽出して、機能性食品素材として有用なエクオール含有抽出物を製造することができる。また、エクオール含有大豆胚軸発酵物に対して、エタノール水溶液を用いた抽出処理及びエタノールを用いた抽出処理を順次実施することによって、エクオール及びグリシテインを高濃度で含みながら、不快味の原因となるサ
ポニンが低減されているエクオール含有抽出物が得られる。従って、当該エクオール含有抽出物には、呈味に悪影響を及ぼすことなく、食品に配合できるという利点がある。
【0024】
また、本発明の精製方法によれば、エクオール含有物から、簡便且つ効率的に高純度のエクオールを得ることが可能になる。特に、本発明の精製方法は、エクオール含有物に、エクオールと構造が類似するイソフラボンが混在していても、これらのイソフラボンを除去して、エクオールを高純度に精製することができる。それ故、本発明の精製方法は、イソフラボンを多く含むエクオール含有発酵物から、エクオールを精製するために好適に使用できる。
【0025】
更に、エクオール含有大豆胚軸発酵又はその抽出物がカカオマスに分散されてなる本発明の食品素材は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含みながら、苦味が抑制されており、良好な風味を有している。また、本発明の食品素材は、風味の劣悪化を伴うことなく、様々な食品に利用することができるという利点がある。また、焼き菓子の中に、従来の食品素材を粒状乃至チップ状で配合していても、焼成工程によって食品素材に含まれる成分が焼き菓子全体に拡散する傾向があり、所望の風味が得られないことがある。これに対して、本発明の食品素材によれば、カカオマスによりエクオール含有大豆胚軸発酵物が包まれた状態にあるので、粒状乃至チップ状で焼き菓子に利用しても、食品素材に含まれる有効成分の拡散を抑制でき、所期の風味を呈することができる。
【0026】
そして更に、本発明の各種形態の食品によれば、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物に基づく有用生理作用を享受することができる。
【0027】
また、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物には、大豆胚軸に含まれるアレルゲンが低減されているので、本発明の食品素材及び各種形態の食品は、大豆アレルギーを持つ人にとっても安全に摂取できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】参考例1-1で得られたエクオール含有大豆胚軸発酵物、大豆子葉、及び大豆胚軸に含まれる総タンパク質を検出した結果(電気泳動図)を示す図である。
図2】参考例1-1で得られたエクオール含有大豆胚軸発酵物、大豆子葉、及び大豆胚軸に含まれる主要アレルゲン(Gym4、Gm30K、Gm28K)を検出した結果(電気泳動図)を示す図である。
図3】参考例1-1で得られたエクオール含有大豆胚軸発酵物、大豆子葉、及び大豆胚軸に含まれる主要アレルゲン(7Sグロブリンmix、オレオシン、トリプシンインヒビター)を検出した結果(電気泳動図)を示す図である。
図4】実施例1-1において、抽出液1-2及び2-2中のエクオール含量をTLC分析した結果を示す。
図5】実施例1-1において、抽出液1-2及び2-2中のサポニン含量をTLC分析した結果を示す。
図6】実施例1-1において、抽出液1-2及び残渣2中のエクオール含量をTLC分析した結果を示す。
図7】実施例1-1において、抽出液1-2及び残渣2中のサポニン含量をTLC分析した結果を示す。
図8】実施例2-1において、シリカゲルクロマトグラフィーにより溶出した溶出液をTLC(薄層クロマトグラフィー)に供して分析した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明について説明する
1.エクオール含有抽出物の製造方法
本発明は、のの製造方法は、エクオール含有大豆胚軸発酵物を原料として用いて、エクオール含有抽出物を製造する方法を提供する。具体的には、本発明のエクオール含有抽出物の製造方法は、後述する第I法及び第II法の2つの手法に大別される。以下、本発明の
製造方法において原料として使用されるエクオール含有大豆胚軸発酵物、並びに第I法及
び第II法の具体的内容についてについて詳述する。
エクオール含有大豆胚軸発酵物
本発明のエクオール含有抽出物の製造方法は、エクオール含有大豆胚軸発酵物を原料として使用する。以下、エクオール含有大豆胚軸発酵物について説明する。
【0030】
エクオール含有大豆胚軸発酵物とは、エクオール産生微生物で大豆胚軸を発酵させて得られる大豆胚軸発酵物である。
【0031】
当該エクオール含有大豆胚軸発酵物の製造に使用されるエクオール産生微生物としては、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン、及びジヒドロダイゼインよりなる群から選択される少なくとも1種のダイゼイン類を資化してエクオールを産生する能力(代謝活性)を有する微生物が使用される。ここで、ダイゼイン配糖体としては、具体的には、ダイジン、マロニルダイジン、アセチルダイジン等が挙げられる。
【0032】
上記エクオール産生微生物としては、食品衛生上許容され、上記能力を有する限り特に制限されず、従来公知のもの、或いは通常の方法でスクリーニングしたものを使用できる。例えば、ラクトコッカス・ガルビエ(Lactococcus garvieae)等のラクトコッカス属に属する微生物;ストレプトコッカス・インターメディアス(Streptococcus intermedius)
、ストレプトコッカス・コンステラータス(Streptococcus constellatus)等のストレプトコッカス属に属する微生物;バクテロイデス・オバタス(Bacteroides ovatus)等のバクテロイデス属に属する微生物の中にエクオール産生能を有する微生物が存在していることが分かっている。エクオール産生微生物の中で、好ましくは、ラクトコッカス属、及びストレプトコッカス属等の乳酸菌であり、更に好ましくはラクトコッカス属に属する乳酸菌であり、特に好ましくはラクトコッカス・ガルビエが挙げられる。エクオール産生微生物は、例えば、ヒト糞便中からエクオールの産生能の有無を指標として単離することができる。上記エクオール産生微生物については、本発明者等により、ヒト糞便から単離同定された菌、即ち、ラクトコッカス20-92(FERM BP-10036号)、ストレプトコッカスE-23-17(FERM BP-6436号)、ストレプトコッカスA6G225(FERM BP-6437号)、及びバクテロイデスE-23-15(FERM BP-6435号)が寄託されており、本発明ではこれらの寄託菌を使用できる。これらの寄託菌の中でも、ラクトコッカス20-92が好適に使用される。
【0033】
当該エクオール含有大豆胚軸発酵物は、発酵原料として大豆胚軸を用いて製造される。大豆胚軸とは、大豆の発芽時に幼芽、幼根となる部分であり、ダイゼイン配糖体やダイゼイン等のダイゼイン類が多く含まれていることが知られている。本発明に使用される大豆胚軸は、含有されているダイゼイン類が著しく損失されていないことを限度として、大豆の産地や加工の有無については制限されない。例えば、生の状態のもの;加熱処理、乾燥処理、蒸煮処理等に供された大豆から分離したもの;未加工の大豆から分離した胚軸を加熱処理、乾燥処理又は蒸煮処理等に供したもの等のいずれであってもよい。また、使用される大豆胚軸は、脱脂処理や脱タンパク処理に供したものであってもよい。また、使用される大豆胚軸の形状については、特に制限されるものではなく、粉末状であっても、粉砕又は破砕された粒状又は塊状であってもよい。より効率的にエクオールを生成させるという観点からは、粉末状の大豆胚軸を使用することが望ましい。
【0034】
大豆胚軸の発酵処理は、適量の水を大豆胚軸に加えて水分含量を調整し、これに上記エクオール産生微生物を接種することにより行われる。
【0035】
大豆胚軸に添加される水の量は、使用するエクオール産生微生物の種類や発酵槽の種類等によって応じて適宜設定される。通常、発酵開始時に、大豆胚軸と水が以下の割合で共存していればよい:大豆胚軸(乾燥重量換算)100重量部に対して、水が400~4000重量部、好ましくは500~2000重量部、更に好ましくは600~1000重量部。
【0036】
また、大豆胚軸の発酵において、発酵原料となる大豆胚軸には、必要に応じて、発酵効率の促進や発酵物の風味向上等を目的として、酵母エキス、ポリペプトン、肉エキス等の窒素源;グルコース、シュクロース等の炭素源;リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩等の無機塩;ビタミン類;アミノ酸等の栄養成分を添加してもよい。特に、エクオール産生微生物として、アルギニンをオルニチンに変換する能力を有するもの(以下、「オルニチン・エクオール産生微生物」と表記する)を使用する場合には、大豆胚軸にアルギニンを添加して発酵を行うことによって、得られる発酵物中にオルニチンを含有させることができる。この場合、アルギニンの添加量については、例えば、大豆胚軸(乾燥重量換算)100重量部に対して、アルギニンが0.5~3重量部程度が例示される。なお、オルニチン・エクオール産生微生物としては、エクオール産生能とアルギニンからオルニチンへの変換能を指標として公知のスクリーニング方法により得ることができる。オルニチン・エクオール産生微生物は、例えばラクトコッカス・ガルビエから選択することができ、その具体例としてラクトコッカス20-92(FERM BP-10036号)が挙げられる。
【0037】
更に、使用する発酵原料(大豆胚軸含有物)のpHについては、エクオール産生微生物が生育可能である限り特に制限されないが、エクオール産生微生物を良好に増殖させるという観点からは、発酵原料のpHを6~7程度、好ましくは6.3~6.8程度に調整しておくことが望ましい。
【0038】
また、使用する発酵原料(大豆胚軸含有物)には、更に、前記ダイゼイン類を含むイソフラボンを添加しておいてもよい。このようにイソフラボンを発酵原料に別途添加しておくことにより、得られる大豆胚軸発酵物中のエクオール含量をより高めることが可能になり、その有用性を一層向上させることができる。
【0039】
大豆胚軸の発酵は、使用するエクオール産生微生物の生育特性に応じた環境条件下で実施される。例えば、上記で具体的に列挙したエクオール産生微生物を使用する場合であれば、大豆胚軸の発酵は嫌気性条件下で行われる。
【0040】
また、発酵温度としては、エクオール産生微生物の生育に好適な条件であればよく、例えば、20~40℃、好ましくは35~40℃、更に好ましくは36~38℃が挙げられる。
【0041】
発酵時間については、エクオールの生成量、ダイゼイン類の残存量、エクオール産生微生物の種類等に応じて適宜設定できるが、通常1~10日間、好ましくは2~7日間、更に好ましくは3~5日間とすることができる。
【0042】
上記の条件で発酵処理されて得られる大豆胚軸発酵物には、エクオールが生成されて蓄積されており、エクオールの有用生理作用を発現することができる。大豆胚軸発酵物中のエクオール含量については、使用するエクオール産生微生物や発酵条件等によって異なるが、通常、大豆胚軸発酵物の乾燥重量当たり(大豆胚軸発酵物の乾燥重量を1gとした場合)、エクオールが1~20mg、好ましくは2~12mg、更に好ましくは5~8mg含まれている。
【0043】
当該エクオール含有大豆胚軸発酵物には、エクオール以外に、ダイジン、マロニルダイ
ジン、アセチルダイジン、ダイゼイン、ジハイドロダイゼイン等のダイゼイン類(以下、これらの成分を「ダイゼイン類」と表記する);ゲニスチン、マロニルゲニスチン、アセチルゲニスチン、ゲニステイン、ジハイドロゲニステイン等のゲニステイン類(以下、これらの成分を「ゲニステイン類」と表記する);グリシチン、マロニルグリシチン、アセチルグリシチン、グリシテイン、ジハイドログリシテイン等のグリシテイン類(以下、これらの成分を「グリシテイン類」と表記する)等の各種イソフラボンも含まれており、これらのイソフラボンの有用生理活性をも発現することができる。エクオール含有大豆胚軸発酵物中のイソフラボン(エクオールを含む)含有量については、使用するエクオール産生微生物や発酵条件等によって異なるが、通常、エクオール含有大豆胚軸発酵物の乾燥重量1g当たり、イソフラボンが5~20mg、好ましくは5~15mg、更に好ましくは8~15mg程度が例示される。
【0044】
また、エクオール含有大豆胚軸発酵物は、エクオール以外のイソフラボンの組成の点でも、大豆胚軸とは異なる組成を有している。特に、エクオール含有大豆胚軸発酵物には、ゲニステイン類の総和の含有比率が、エクオール含有大豆胚軸発酵物のイソフラボンの総量当たり、好ましくは15重量%以下、更に好ましくは12重量%以下と低くなっており、イソフラボンの組成の観点からも、発酵前の大豆胚軸に比べて有利である。なお、ゲニステイン類は、内分泌攪乱物質として作用することが懸念されているイソフラボンであり、食品素材中の濃度が、できる限り低減されていることが望まれている(Young HJ, Jodi
F, Kimberly FA, Daniel RD, William GH. Effects of dietary daidzein and its metabolite, equol, at physiological concentrations on the growth of estrogen-dependent human breast cancer(MCF-7) tumors implanted in ovariectomized athymic mice. Carcinogenesis 127(4):856-863, 2006参照)。
【0045】
エクオール含有大豆胚軸発酵物として、具体的には、以下のイソフラボンの組成のものが例示される(以下の単位「mg」は、大豆胚軸発酵物1g(乾燥重量)当たりの各イソフラボンの総量を示す):
エクオール:1~20mg、好ましくは2~12mg
ダイゼイン類:0.1~30mg、好ましくは0.1~1.5mg
ゲニステイン類:0.05~2.5mg、好ましくは0.05~2mg
グリシテイン類:0.1~4mg、好ましくは2~3.5mg。
【0046】
また、エクオール含有豆胚軸発酵物に含まれる各イソフラボンの組成比率としては、以下に示す範囲が例示される(以下の単位「重量%」は、エクオール含有大豆胚軸発酵物に含まれる全イソフラボンの合計量に対する割合を示す):
エクオール:30~75重量%、好ましくは40~70重量%、更に好ましくは45~70重量%
ダイゼイン類:1~20重量%、好ましくは2~15重量%、更に好ましくは4~12重量%
ゲニステイン類:0.1~20重量%、好ましくは1~15重量%、更に好ましくは1~10重量%
グリシテイン類:10~50重量%、好ましくは15~35重量%、更に好ましくは25~35重量%。
【0047】
当該エクオール含有大豆胚軸発酵物は、従来技術では実現できていない組成のイソフラボンを含んでいるので、上記イソフラボン組成を備えるイソフラボン含有物質と言い換えることもできる。
【0048】
上記のような組成のイソフラボンを有するエクオール含有大豆胚軸発酵物の製造には、エクオール産生微生物としてラクトコッカス20-92(FERM BP-10036号)が特に好適に使用
される。
【0049】
更に、エクオール含有大豆胚軸発酵物には、大豆胚軸に由来するサポニンをも有している。エクオール含有大豆胚軸発酵物中のサポニンは、エクオール含有大豆胚軸発酵物の乾燥重量1g当たり、サポニンが10~80mg、好ましくは20~50mg、更に好ましくは30~40mg含まれている。
【0050】
また、前述するように、オルニチン・エクオール産生微生物を使用し、且つアルギニンを大豆胚軸に添加して発酵させることにより得られるエクオール含有大豆胚軸発酵物には、オルニチンが含有されている。このようなエクオール含有大豆胚軸発酵物に含まれるオルニチンの含有量として具体的には、エクオール含有大豆胚軸発酵物の乾燥重量1g当たりオルニチンが5~20mg、好ましくは8~15mg、更に好ましくは9~12mg程度が例示される。
【0051】
上記の条件で発酵処理されて得られるエクオール含有大豆胚軸発酵物は、発酵後の状態のまま、本発明の製造方法に供してもよいが、必要に応じて乾燥処理に供して乾燥固形物状にして本発明の製造方法に供することもできる。
【0052】
また、上記の条件で発酵処理されて得られるエクオール含有大豆胚軸発酵物は、後述する第I-1工程に先立って、脱脂処理等の前処理に供してもよい。脱脂処理は、ヘキサンを
抽出溶媒として用いた処理により行うことができる。
【0053】
1-1.第I法の製造方法
第I法の製造方法では、以下に示す第I-1工程を行うことによって、エクオール含有抽出物の製造が行われる。以下、第I法の製造方法について詳述する。
第I-1工程
本第I法のエクオール含有抽出物の製造方法は、エクオール含有大豆胚軸発酵物を、抽
出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽出処理し、抽出液を回収する第I-1工程を含む
【0054】
本第I-1工程で使用されるエタノール水溶液(エタノールと水の混合液)としては、例
えば、エタノール濃度が20~98容量%、好ましくは95~45容量%、更に好ましくは85~65容量%が挙げられる。このような濃度範囲を満たすことによって、エクオール含有大豆胚軸発酵物中から、エクオールを含む有用成分を効率的に抽出することが可能になる。
【0055】
第I-1工程における抽出処理は、エクオール含有大豆胚軸発酵物(乾燥重量換算)1重
量部当たり、エタノール水溶液を例えば1~1000重量部、好ましくは2~500重量部、更に好ましくは5~20重量部を用いて行うことができる。
【0056】
第I-1工程における抽出処理における処理条件については、特に制限されないが、冷浸
、温浸等の浸漬法、パーコレーション法等により行うことができる。具体的には、エクオール含有大豆胚軸発酵物にエタノール水溶液を加え、常温で1分以上、好ましくは常温で5分~48時間、静置又は撹拌を行えばよい。
【0057】
斯くして抽出処理を行った後に、抽出液を回収することによってエクオール含有抽出物を得ることができる。抽出液の回収は、具体的には、ろ過や遠心分離等の公知の方法が採用される。
【0058】
斯くして第I-1工程で回収された抽出液は、エクオール及びグリシテイン類を含む有用
成分が含まれ、エクオール含有大豆胚軸発酵物に含まれる油分が低減されている。斯くして第1I-1工程で得られた抽出液は、そのまま液状で又は抽出溶媒を除去して固形状にし
て、エクオール含有抽出物として、食品や医薬品に配合することができる。また、斯くして第I-1工程で得られた抽出液は、そのまま液状で又は抽出溶媒を除去して固形状にして
、エクオールの精製に供することもできる。
【0059】
第I-1工程で回収された抽出液には、エクオール及びグリシテイン類と共に、渋み、苦
み、えぐみといった不快味の原因となるサポニンが含まれている。このサポニンを除去して、エクオールを含む有用成分の濃度を高めるために、第I-1工程で回収された抽出液を
更に後述する第I-2工程に供することが望ましい。
【0060】
第I-2工程
第I-2工程では、第I-1工程で得られた抽出液から抽出溶媒を除去した後、これを抽出溶媒としてエタノールを用いて抽出処理し、抽出液を回収する。
【0061】
第I-2工程において、第I-1工程で得られた抽出液から抽出溶媒の除去は、乾燥処理等の公知の方法によって行うことができる。
【0062】
第I-1工程で得られた抽出液から抽出溶媒を除去して得られる固形物(以下、これを「
原料固形物」と表記することもある)を、抽出溶媒としてエタノールを用いて抽出処理を行う。第I-2工程で抽出溶媒として使用されるエタノールとは、水が添加されていないエ
タノールであり、水蒸気を不可避的に吸収しているものであってもよい。
【0063】
第I-2工程における抽出処理は、原料固形物(乾燥重量換算)1重量部当たり、エタノ
ールを例えば1~1000重量部、好ましくは5~500重量部、更に好ましくは5~20重量部を用いて行うことができる。
【0064】
第I-2工程における抽出処理における処理条件についても、特に制限されず、冷浸、温
浸等の浸漬法、パーコレーション法等により行うことができる。具体的には、原料固形物にエタノールを加え、常温で1分以上、好ましくは常温で5分~48時間、静置又は撹拌を行えばよい。また、第I-2工程における抽出処理中に、超音波処理を行ってもよく、こ
れによってエクオールの回収率を高めることが可能になる。
【0065】
斯くして抽出処理を行った後に、抽出液を回収することによって、更にエクオール含有抽出物を得ることができる。抽出液の回収は、具体的には、ろ過や遠心分離等の公知の方法が採用される。
【0066】
斯くして第I-2工程で回収された抽出液は、エクオール及びグリシテイン類を含む有用
成分の割合が高められ、サポニン含量が低減されているので、第I-1工程で得られる抽出
液よりも、その有用性が高められている。斯くして第I-2工程で得られた抽出液は、その
まま液状で又は抽出溶媒を除去して固形状にして、エクオール含有抽出物として、食品や医薬品に配合することができる。また、斯くして第I-1工程で得られた抽出液は、そのま
ま液状で又は抽出溶媒を除去して固形状にして、エクオールの精製に供することもできる。なお、エクオール含有抽出物の保存安定性の向上という観点から、第I-2工程で得られ
た抽出液は抽出溶媒を除去して固形状にすることが望ましい。
【0067】
第I法により得られるエクオール含有抽出物の組成及び用途
上記第I-1工程又は第I-2工程で得られる抽出液には、その乾燥固形分の総量(100重量%)当たり、エクオールが0.2~40重量%、好ましくは0.4~24重量%、更に好ましくは1~16重量%含まれている。また、上記第I-1工程又は第I-2工程で得られる
抽出液には、その乾燥固形分の総量当たり、グリシテイン類が0.01~8重量%、好ましくは0.08~5重量%、更に好ましくは0.2~3重量%含まれている。
【0068】
上記第I-1工程又は第I-2工程で得られるエクオール含有抽出物は、エクオールを高濃度で含み、エクオールに基づく有用活性を発現できる。具体的には、上記第I-1工程又は第I-2工程で得られるエクオール含有抽出物は、更年期障害、骨粗鬆症、前立腺肥大、メタボリックシンドローム等の疾患や症状の予防乃至改善、血中コレステロール値の低減、美白、にきびの改善、整腸、肥満改善、利尿等に有用である。かかる有用活性が発現されるので、上記第I-1工程又は第I-2工程で得られるエクオール含有抽出物は、食品や医薬品に配合して使用することができる。
【0069】
上記第I-1工程又は第I-2工程得られるエクオール含有抽出物を食品に添加して使用する場合には、該エクオール含有抽出物は、例えば、飲料、顆粒、細粒、カプセル、錠剤、粉末、乳製品、ガム、グミ、プディング、バー、その他固形食品等に配合される。該エクオール含有抽出物が配合された食品は、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等として使用できる。特に、本発明の大豆胚軸発酵物を含有する食品は、栄養補助食品として有用である。なお、上記第I-1工程又は第I-2工程で得られるエクオール含有抽出物を含む食品の具体例については、後述する。
【0070】
第I-1工程又は第I-2工程で得られるエクオール含有抽出物を食品に配合する場合、該食品中の該エクオール含有抽出物の配合割合については、該食品の種類、エクオールの含量、摂取対象者の年齢や性別、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、上記食品100gに対して、エクオール含有抽出物(乾燥重量換算)が総量で0.1~90gとなる割合を挙げることができる。
【0071】
また、第I-1工程又は第I-2工程で得られるエクオール含有抽出物を医薬品に配合する場合には、該エクオール含有抽出物は、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、座剤等の形態の医薬品に調製される。該エクオール含有抽出物が配合された医薬品は、更年期障害(更年期不定愁訴、骨粗鬆症、高脂血症)、骨粗鬆症、前立腺肥大、メタボリックシンドローム等の疾患や症状の予防乃至改善剤、血中コレステロール値の低減剤、整腸剤、肥満改善剤、利尿剤等として有用である。特に、該エクオール含有抽出物を含有する医薬品は、中高年女性における不定愁訴乃至閉経に伴う症状(例えば、骨粗鬆症、更年期障害等)の予防又は治療に好適に使用される。
【0072】
第I-1工程又は第I-2工程で得られるエクオール含有抽出物が配合された医薬品の投与量については、エクオール含有抽出物中のエクオール含量、投与対象者の年齢や体重、症状、投与回数等によって異なり一律に規定することはできないが、例えば、成人1日当たりの投与量としてエクオール含有抽出物が乾燥重量換算で1~2000mg、好ましくは5~1000mg、更に好ましくは40~50mgに相当する量を挙げることができる。特に、1日当たり2~30mgのエクオール量が投与されるように、エクオール含有抽出物の投与量を設定することが望ましい。
【0073】
1-2.第II法の製造方法
第II法の製造方法では、以下に示す第II-1工程及び第II-2工程を行うことによって、エクオール含有抽出物の製造が行われる。以下、第II法の製造方法について詳述する。
【0074】
第II-1工程
本第II法の製造方法では、まず、エクオール含有大豆胚軸発酵物を水に懸濁させて酸を加えてpH2~6に調整し、不溶物を回収する(第II-1工程)。換言すれば、本第II-1工程では、酸を含む水溶液(pH2~6)中で、エクオール含有大豆胚軸発酵物を懸濁させて、不溶
物を回収する。
【0075】
本第II-1工程において、エクオール含有大豆胚軸発酵物を水懸濁させて、酸を加えてpH2~6に調整する。
【0076】
本第II-1工程において添加される酸としては、有機酸及び無機酸のいずれであってもよい。有機酸の種類については、上記pH範囲に調整可能であることを限度として、特に制限されないが、例えば、クエン酸、L-酒石酸、フマル酸、L-アスコルビン酸、グルコン酸、酢酸、乳酸、DL-リンゴ酸、蓚酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、メタンスルフォン酸等が挙げられる。また、無機酸の種類についても、上記pH範囲に調整可能であることを限度として、特に制限されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。これらの酸の中でも、好ましくは酢酸、塩酸、硫酸である。
【0077】
第II-1工程において、エクオール含有大豆胚軸発酵物の懸濁に使用される水の量は、エクオール含有大豆胚軸発酵物(乾燥重量換算)1重量部に対して、水を例えば3~30重量部、好ましくは5~20重量部が挙げられる。
【0078】
第II-1工程において、H2~6の水溶液中でエクオール含有大豆胚軸発酵物を混合し、室
温で30分以上、好ましくは常温で2時間~24時間、静置又は撹拌すればよい。
【0079】
斯くして処理した後に、エクオールが不溶物に残存するので、不溶物を回収することによって、エクオールを回収することができる。不溶物の回収は、具体的には、ろ過や遠心分離等の公知の方法で行うことができる。
【0080】
斯くして第II-1工程で得られた不溶物は、以下の第II-2工程に供される。
第II-2工程
前記第II-1工程で得られた不溶物に対して、抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽出処理し、抽出液を回収する(第II-2工程)。
【0081】
前記第II-1工程で得られた不溶物は、乾燥物又は未乾燥物のどちらであっても、本第II-2工程に供することができる。但し、不溶物の未乾燥物を使用する場合には、水分含量を測定し、その水分量を考慮して、後述するエタノール水溶液の水分量を調整することが望ましい。
【0082】
本第II-2工程で使用されるエタノール水溶液(エタノールと水の混合液)としては、例えば、エタノール濃度が50~95容量%、好ましくは70~90容量%が挙げられる。このような濃度範囲を満たすことによって、前記第II-2工程で得られた不溶物から、効率的にエクオールを含む有用成分を抽出することが可能になる。
【0083】
第II-2工程における抽出処理は、前記第II-1工程で得られた不溶物(乾燥重量換算)1重量部当たり、エタノール水溶液を例えば2~30重量部、好ましくは4~10重量部を用いて行うことができる。
【0084】
第II-2工程で実施される抽出処理における処理条件については、特に制限されないが、冷浸、温浸等の浸漬法、パーコレーション法等により行うことができる。具体的には、前記第II-1工程で得られた不溶物にエタノール水溶液を加え、常温で30分以上、好ましくは常温で1~50時間、静置又は撹拌を行えばよい。
【0085】
斯くして抽出処理を行った後に、抽出液を回収することによってエクオールを含有する画分を得ることができる。抽出液の回収は、具体的には、ろ過や遠心分離等の公知の方法
で行うことができる。
【0086】
斯くして第II-2工程で回収された抽出液は、エクオールが高濃度に濃縮されており、更にグリシテイン類等の有用成分が含まれているので、エクオール含有大豆胚軸発酵物よりも有用性が高められている。斯くして第II-2工程で得られた抽出液は、そのまま液状で又は抽出溶媒を除去して粉末状にして、エクオール含有抽出物として、食品や医薬品に配合することができる。また、斯くして第II-2工程で得られた抽出液は、そのまま液状で又は抽出溶媒を除去して粉末状にして、更にエクオールの精製に供することもできる。なお、エクオール含有抽出物の保存安定性の向上という観点から、第II-2工程で得られた抽出液は抽出溶媒を除去して粉末状にすることが望ましい。なお、第II-2工程で得られた抽出液から抽出溶媒の除去は、前記第I法の第I-2工程における溶媒の除去と同条件で実施できるが、好ましくはスプレードライにより行われる。
【0087】
第II法により得られるエクオール含有粉末の組成及び用途
上記第II法により得られた抽出液(前記工程第II-2工程で得られる抽出液)を乾燥させることによって、エクオールが90%以上の回収率で回収され、エクオール含有大豆胚軸発酵物に対してエクオールを10倍量程度の濃度で含むエクオール含有粉末を得ることができる。斯くして得られるエクオール含有粉末は、エクオールの濃度が高められているので、エクオールに基づく有用活性をより有効に発現できるという利点がある。上記第II法で得られるエクオール含有粉末の用途、使用方法等については、上記第I法で得られるエクオ
ール含有抽出物と同様である。
【0088】
2.エクオールの精製方法
また、本発明は、エクオール含有物からエクオールを精製する方法を提供する。具体的には、本発明のエクオールの精製方法は、後述する第1法及び第2法の2つの手法に大別される。以下、本発明の精製方法に供されるエクオール含有物、並びに第1法及び第2法の具体的内容についてについて詳述する。
【0089】
エクオール含有物
本発明の精製方法において、精製処理に供されるエクオール含有物は、エクオールを含有する限り、特に制限されるものではなく、化学合成法によってエクオールが合成された反応産物であっても、また発酵法によってエクオールが産生された発酵物であってもよい。発酵法により得られるエクオール含有発酵物には、エクオールと構造が類似するイソフラボンが多種含まれるが、本発明の精製方法には、これらのイソフラボンからエクオールを効率的に分離できるという利点がある。かかる利点を鑑みれば、本発明の精製方法に供されるエクオール含有物の好ましい一例として、エクオールを含有する発酵物が挙げられる。
【0090】
以下、エクオールを含有する発酵物について説明する。
【0091】
エクオールを含む発酵物は、エクオール産生微生物を用いて公知の方法に従って発酵することにより製造される。具体的には、エクオール産生微生物を、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン、及びジヒドロダイゼインよりなる群から選択される少なくとも1種のダイゼイン類を資化してエクオールを産生する能力(代謝活性)を有する微生物を、該ダイゼイン類を含む発酵原料(発酵に供される原料)に接種し、該微生物の生育環境下で発酵(培養)させることにより、エクオールを含む発酵物を得ることができる。
【0092】
上記エクオール産生微生物としては、前記「1.エクオール含有抽出物の製造方法」の「エクオール含有大豆胚軸発酵物」の欄に記載するエクオール産生微生物が使用される。
【0093】
また、ダイゼイン類を含む発酵原料としては、ダイゼイン類を含む限り、特に制限されるものではないが、安全性の観点から、食品素材としても利用可能なものが好適である。ダイゼイン類を含む発酵原料としては、具体的には、大豆、大豆胚軸、大豆胚軸の抽出物、豆腐、油揚げ、豆乳、納豆、醤油、味噌、テンペ、レッドクローブ又はその抽出物、アルファルファ又はその抽出物等が挙げられる。これらの中でも、大豆胚軸は、ダイゼイン類を豊富に含んでいるので、ダイゼイン類を含む発酵原料として好ましい。
【0094】
また、ダイゼイン類を含む発酵原料には、更に、前記ダイゼイン類を含むイソフラボンを添加しておいてもよい。このようにイソフラボンを発酵原料に別途添加しておくことにより、得られる発酵物中のエクオール含量をより高めることが可能になる。
【0095】
更に、ダイゼイン類を含む発酵原料には、必要に応じて、発酵効率の促進等を目的として、酵母エキス、ポリペプトン、肉エキス等の窒素源;グルコース、シュクロース等の炭素源;リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩等の無機塩;ビタミン類;アミノ酸等の栄養成分を添加してもよい。
【0096】
エクオールを含む発酵物の製造において、発酵原料の水分量、醗酵時間、発酵温度、発酵雰囲気等の発酵条件については、エクオール産生微生物の種類、発酵原料の種類、エクオールの産生量、ダイゼイン類の残存量等に応じて適宜設定すればよい。
【0097】
本発明の精製方法において使用されるエクオール含有物としては、前記「1.エクオール含有抽出物の製造方法」の欄に記載のエクオール含有大豆胚軸発酵物が好適である。
【0098】
2-1.第1法の精製方法
第1法の精製方法では、以下に示す第1-1工程~第1-5工程を行うことによって、エクオールの精製が行われる。以下、第1法の精製方法について詳述する。
【0099】
第1-1工程
本第1法の精製方法では、まず、エクオール含有物を抽出溶媒としてエタノール水溶液を用いて抽出処理し、抽出液を回収する(第1-1工程)。
【0100】
本第1-1工程で使用されるエタノール水溶液としては、例えば、エタノール濃度が20
~98容量%、好ましくは45~95容量%、更に好ましくは45~60容量%が挙げられる。このような濃度範囲を満たすことによって、エクオール含有物中から、エクオールを効率的に抽出することが可能になる。
【0101】
第1-1工程における抽出処理は、エクオール含有物(乾燥重量換算)1重量部当たり、
エタノール水溶液を例えば1~1000重量部、好ましくは2~500重量部、更に好ましくは5~20重量部を用いて行うことができる。
【0102】
第1-1工程で実施される抽出処理における処理条件については、特に制限されないが、
冷浸、温浸等の浸漬法、パーコレーション法等により行うことができる。具体的には、エクオール含有物にエタノール水溶液を加え、常温で1分以上、好ましくは常温で5分~48時間、静置又は撹拌を行えばよい。
【0103】
斯くして抽出処理を行った後に、抽出液を回収することによってエクオールを含有する画分を得ることができる。抽出液の回収は、具体的には、ろ過や遠心分離等の公知の方法で行うことができる。
【0104】
斯くして第1-1工程で回収された抽出液は、エクオール含有物に含まれる油分が低減さ
れており、エクオールと共に、更にグリシテイン類等のイソフラボンやサポニンが含まれている。
【0105】
斯くして第1-1工程で得られた抽出液は、以下の第1-2工程に供される。
第1-2工程
前記第1-1工程で得られた抽出液から抽出溶媒を除去した後、得られた残留物に対して
抽出溶媒としてエタノールを用いて抽出処理し、抽出液を回収する(第1-2工程)。
【0106】
本第1-2工程において、第1-1工程で得られた抽出液から抽出溶媒の除去、得られた残留物に対するエタノールでの抽出処理、及び抽出液の回収は、前記「1.エクオール含有抽出物の製造方法」の第I法における第I-2工程と同条件で実施される。
【0107】
斯くして第1-2工程で回収された抽出液は、サポニン含量が低減されているが、エクオ
ールと共に、グリシテイン類等のイソフラボンが含まれている。
【0108】
斯くして第1-2工程で得られた抽出液は、以下の第1-3工程に供される。
第1-3工程
前記第1-2工程で得られた抽出液から抽出溶媒を除去した後、得られた残留物をヘキサ
ンに懸濁し、不溶物を回収する(第1-3工程)。
【0109】
第1-3工程において、第1-2工程で得られた抽出液から抽出溶媒の除去は、減圧蒸留、乾燥等の公知の方法によって行うことができる。
【0110】
第1-2工程で得られた抽出液から抽出溶媒を除去して得られる残留物(以下、これを「
第2原料残留物」と表記することもある)に対して、ヘキサンを添加し、懸濁する。
【0111】
第1-3工程におけるヘキサンの添加量は、第2原料残留物(乾燥重量換算)1重量部当
たり、ヘキサンを例えば1~50重量部、好ましくは5~10重量部添加することにより行うことができる。
【0112】
第1-3工程において、第2原料残留物をキサンに懸濁する処理条件についても、特に制
限されず、例えば、冷浸、温浸等の浸漬法等により行うことができる。具体的には、第2原料残留物にヘキサンを加え、常温で5分以上、好ましくは常温で3分~1時間、静置又は撹拌を行えばよい。
【0113】
斯くしてヘキサン中で懸濁を行った後に、エクオールが不溶化するので、不溶物を回収することによって、エクオールを含む固形分を得ることができる。不溶物の回収は、具体的には、ろ過や遠心分離等の公知の方法で行うことができる。
【0114】
斯くして第1-3工程を実施することにより、第1-2工程で得られた抽出液から脂溶性の夾雑物質が除去される。第1-3工程で得られた不溶物は、以下の第1-4工程に供される。
第1-4工程
前記第1-3工程で得られた不溶物に対して、抽出溶媒としてヘキサン及びエーテルの混
合液を用いて抽出処理し、抽出液を回収する(第1-4工程)。
【0115】
第1-4工程において、抽出溶媒の一成分として使用されるエーテルについては、その種
類について特に制限されるものではないが、例えば、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等が挙げられる。これらのエーテルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。エクオールを効率的に精製するという観点から、上記エーテルの内、ジエチルエーテルが好ましい。
【0116】
また、第1-4工程で使用されるヘキサン及びエーテルの混合液において、ヘキサンとエ
ーテルの混合比については特に制限されないが、精製されるエクオールの純度を高めるという観点から、ヘキサンとエーテルが容量比で10:90~20:80、好ましくは30
:70~25:75が例示される。
【0117】
第1-4工程における抽出処理は、前記第1-3工程で得られた不溶物(乾燥重量換算)1重量部当たり、ヘキサン及びエーテルの混合液を例えば50~5000重量部、好ましくは200~1000重量部を用いて行うことができる。
【0118】
第1-4工程で実施される抽出処理における処理条件についても、特に制限されず、例え
ば、冷浸、温浸等の浸漬法、パーコレーション法等により行うことができる。具体的には、前記第1-3工程で得られた不溶物にヘキサン及びエーテルの混合液を加え、常温で10
分以上、好ましくは常温で15分~30時間程度、静置又は撹拌を行えばよい。
【0119】
斯くして抽出処理を行った後に、抽出液を回収することによって、更にエクオールを得ることができる。抽出液の回収は、具体的には、ろ過や遠心分離等の公知の方法が採用される。
第1-5工程
前記第1-4工程で得られた抽出液をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、エクオール
含有画分を回収する(第1-5工程)。
【0120】
本第1-5工程におけるシリカゲルカラムクロマトグラフィーとしては、充填剤としてシ
リカゲルを用いたカラムを分離床とするクロマトグラフィーであれば、いずれの様式のものであってもよい。当該シリカゲルカラムクロマトグラフィーとして、具体的には、溶媒を重力落下で送流させるオープンカラムクロマトグラフィー、溶媒をポンプで送流させるフラッシュカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等が挙げられる。これらの中でも、オープンカラムクロマトグラフィー及びフラッシュカラムクロマトグラフィーは、工業的な実施が容易であり好ましい。
【0121】
本第1-5工程のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて用いられる移動層(展開
溶媒)としては、エクオールの精製度を一層向上せしめるとの観点から、ヘキサン及びエーテルの混合液を用いることが望ましい。ここで、移動層に使用されるエーテルについては、その種類について特に制限されるものではないが、例えば、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等が挙げられる。これらのエーテルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。エクオールの精製度を高めるという観点から、上記エーテルは、前記第1-4工程で使用したヘキサン及びエーテル
混合液に用いられているエーテルと同じものが好ましい。本第1-5工程におけるシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによるエクオールの溶出は、前記第1-4工程で使用したヘキ
サン及びエーテルの混合液と同組成のものをスタート時の移動層として用い、当該混合液のエーテルの比率を高めていくグラジエント法により行うことが望ましい。このように移動層中のエーテルの比率を高めていくことにより、ヘキサンとエーテルの比率が40:60~20:80、好ましくは30:70~25:50の移動層と共に、エクオールが他の夾雑物と分離されて溶出される。従って、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより溶出されるエクオールを含む画分を回収することによって、高度に精製されたエクオールを得ることができる。斯くして第1-5工程で回収されたエクオール含有画分から、減圧蒸留
、乾燥等の公知の方法によって抽出溶媒を除去することによって、夾雑物がほぼ除去されて高純度に精製された固形状のエクオールが得られる。
【0122】
2-2.第2法の精製方法
第2-1工程
本第2法の精製方法では、まず、エクオール含有物に対して、抽出溶媒として、酢酸エチル、アルコール、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、及びトルエンよりなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒又はその含水有機溶媒を用い
て抽出処理し、得られた抽出液を濃縮する(第2-1工程)。
【0123】
第2-1工程において、抽出溶媒としては、酢酸エチル、アルコール、アセトン、ジオキ
サン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、及びトルエンよりなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒自体を使用できるが、エクオールの効率的に抽出するとの観点から
、当該有機溶媒に水を添加した含水有機溶媒を使用することが望ましい。
【0124】
ここで、抽出溶媒として使用される記アルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール等が例示される。
【0125】
上記含水有機溶媒における有機溶媒の濃度としては、例えば80~99容量%、好ましくは90~97量%が挙げられる。このような濃度範囲を満たすことによって、エクオールの含有率が高い抽出液を得ることが可能になる。
【0126】
本第2-1工程で使用される抽出溶媒として、好ましくは含水酢酸エチルが挙げられる。
【0127】
抽出の処理条件についても、特に制限されず、例えば、冷浸、温浸等の浸漬法等により行うことができる。具体的には、エクオール含有物に、抽出溶媒を加えて、常温で30分以上、好ましくは常温で1時間~50時間、静置又は撹拌を行えばよい。
【0128】
第2-1工程で実施される抽出処理における処理条件についても、特に制限されず、例え
ば、冷浸、温浸等の浸漬法、パーコレーション法等により行うことができる。
【0129】
斯くして抽出処理を行った後に、エクオールが抽出液に抽出されるので、ろ過や遠心分離等の固液分離に供することより抽出液を回収する。次いで、得られた抽出液を、減圧濃縮等の濃縮に供するにより、エクオール濃縮物を得る。得られたエクオール濃縮物は、以下の第2-2工程に供する。
【0130】
第2-2工程
前記第2-1工程で得られたエクオール濃縮物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
に供し、エクオール含有画分を得る(第2-2工程)。
【0131】
本第2-2工程において、前記第2-1工程で得られたエクオール濃縮物は、そのままシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供することができる。
【0132】
また、前記第2-1工程でアルコールを含む水溶性の溶媒で抽出処理を行った場合には、
抽出液を濃縮した後、更にその濃縮物に対して、5-10容量倍の酢酸エチルと等量の水を加えて混合した後に、酢酸エチル分画を分取し濃縮したものをカラムクロマトグラフィーに供することが望ましい。
【0133】
本第2-2工程におけるシリカゲルカラムクロマトグラフィーとしては、充填剤としてシ
リカゲルを用いたカラムを分離床とするクロマトグラフィーであれば、いずれの様式のものであってもよい。当該シリカゲルカラムクロマトグラフィーとして、具体的には、溶媒を重力落下で送流させるオープンカラムクロマトグラフィー、溶媒をポンプで送流させるフラッシュカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等が挙げられる。これらの中でも、オープンカラムクロマトグラフィー及びフラッシュカラムクロマ
トグラフィーは、工業的な実施が容易であり好ましい。
【0134】
本第2-2工程のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて用いられる移動層として
は、エチルエーテル又は酢酸エチルからなる溶液(以下、溶液Aと表記する)と、n-ヘキ
サン、石油エーテル又はn-ヘプタンからなる溶液(以下、溶液Bと表記する)との混合溶
液が好適に使用される。当該混合液における溶液Aに対する溶液Bの混合比としては、溶液A 1容量部当たり、溶液B 2~50容量部、好ましくは3~10容量部を例示できる。
【0135】
斯くして、前記第2-1工程で得られた抽出液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
供することによって、エクオール含有画分を回収する。
【0136】
斯くして第2-2工程で得られたエクオール含有画分は、以下の第2-3工程に供される。
【0137】
第2-3工程
前記第2-2工程で得られたエクオール含有画分から溶媒を除去し、得られた残留物に対
して再結晶化処理を行い、析出する結晶を回収する(第2-4工程)。
【0138】
前記第2-2工程で得られたエクオール含有画分から溶媒を除去するには、減圧濃縮等の
公知の溶媒除去方法により行うことができる。
【0139】
本第2-3工程の再結晶化処理に使用される溶媒としては、エクオールの再結晶化に使用
できる限り特に制限されないが、エタノールと水の混合液(エタノール水溶液)、酢酸エチル、酢酸エチルとヘキサンの混合液、エタノールとヘキサンの混合液が使用できる。これらの中でも、好ましい溶媒として、酢酸エチルとヘキサンの混合液、エタノール水溶液が挙げられる。再結晶処理に使用される酢酸エチルとヘキサンの混合液としては、具体的には、酢酸エチル:ヘキサンの容量比が10:1~1:10である混合液が例示される。また、再結晶処理に使用されるエタノール水溶液のエタノール濃度としては、例えば、30~90容量%、好ましくは40~70容量%が挙げられる。このような濃度範囲の酢酸エチルとヘキサンの混合液、或いはエタノール水溶液を使用して再結晶化させることによって、より一層高純度のエクオールを得ることが可能になる。
【0140】
本第2-3工程の再結晶化処理における再結晶化処理は、一般的な方法に従って実施する
ことができる。例えば、前記第2-2工程で得られたエクオール含有画分から溶媒を除去す
ることにより得られる残留物に再結晶用の溶媒を加えて加温下で溶解させ、その後に冷却させることにより、エクオールの結晶を析出させることができる。更に、エクオールの結晶の析出を円滑かつ効率的に行うために、エクオールの結晶種を播種してもよい。
【0141】
再結晶化処理の温度条件は、使用する溶媒の沸点及び凝固点により適宜決定することができ、一般には、溶媒の沸点温度付近で原料を溶解させ、0~25℃程度で結晶を析出させ
ることができる。
【0142】
3.食品素材
更に、本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物が、カカオマスに分散されている食品素材を提供する。以下、本発明の食品素材について、含有成分等に分けて説明する。
【0143】
エクオール含有大豆胚軸発酵物及びその抽出
本発明の食品素材に用いられるエクオール含有大豆胚軸発酵物は、前記「1.エクオール含有抽出物の製造方法」の欄に記載のエクオール含有大豆胚軸発酵物と同様である。
【0144】
エクオール含有大豆胚軸発酵物は、発酵後の状態のまま、本発明の食品素材に使用してもよく、また、必要に応じて乾燥処理に供して乾燥固形物状にして本発明の食品素材に使用することもできる。エクオール含有大豆胚軸発酵物の保存安定性の向上という観点から、エクオール含有大豆胚軸発酵物は、加熱乾燥処理により固形状にしておくことが望ましい。また、加熱乾燥処理されたエクオール含有大豆胚軸発酵物は、必要に応じて粉末化処理に供して、粉末状にしてもよい。
【0145】
エクオール含有大豆胚軸発酵物の抽出物とは、上記エクオール含有大豆胚軸発酵物を溶媒抽出することにより得られ、エクオールを含有する抽出物である。
【0146】
エクオール含有大豆胚軸発酵物の抽出物としては特に制限されるものではないが、好ましくは、前記「1.エクオール含有抽出物の製造方法」の欄に記載の製造方法によって得られるエクオール含有抽出物、更に好ましくは上記第I法の製造方法で製造されるエクオ
ール含有抽出物である。
【0147】
本発明では、エクオール含有大豆胚軸発酵物の抽出物は、液状のままで使用することもできるが、溶媒を除去して固形状にして使用することが望ましい。
【0148】
本発明の食品素材において、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物のいずれを使用してもよいが、栄養学的観点からは、好ましくはエクオール含有大豆胚軸発酵物である。
【0149】
カカオマス
カカオマスは、カカオ豆を発酵工程、焙炒工程、及び磨砕工程に供することにより得ることができる食品原料であり、チョコレートの原料として使用されている。本発明の食品素材に用いられるカカオマスは、食品原料として使用できるものであることを限度として、特に制限されない。
【0150】
エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物とカカオマスとの配合割合
本発明の食品素材において、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物とカカオマスとの配合比については、特に制限されないが、より一層良好な風味を備えさせるという観点から、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)100重量部に
対して、カカオマスが10~2000重量部、好ましくは20~900重量部、更に好ましくは20~400重量部が挙げられる。特にエクオール含有大豆胚軸発酵物を使用する場合であれば、エクオール含有大豆胚軸発酵物(乾燥重量換算)100重量部に対して、カカオマスが100~2000重量部、好ましくは200~900重量部、更に好ましくは200~400重量部が挙げられる。
【0151】
また、本発明の食品素材は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物、及びカカオマスのみからなるものであってもよいが、これらの成分に加えて、後述するように、他の配合成分が含まれていてもよい。これらの両成分の配合割合としては、本発明の食品素材の総量に対して、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物とカカオマスとの合計量が40~100重量%、好ましくは60~95重量%、更に好ましくは70~95重量%を占めてい
ることが望ましい。このような割合でエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物、及びカカオマスを含むことにより、良好な風味を備えながら、エクオール含有大豆胚軸発酵物に基づく有用生理活性を効果的に発現させることができる。
【0152】
任意配合成分
本発明の食品素材には、(A)エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物、及び(B)カカオマス以外に、本発明の効果を妨げないことを限度として、他の配合成分が含まれていてもよい。
【0153】
本発明の食品素材に配合可能な成分としては、例えば、砂糖、トレハロース、アセスルファムK、キシリトール、スクラロース、エリスリトール、アスパラテーム、水飴等の甘味料;カカオバター、植物性油脂等の油脂;大豆レシチン等の乳化剤、香料;香料製剤;ミルク;水等が挙げられる。
【0154】
食品素材の形状
本発明の食品素材の形状については、特に制限されず、粉末状、粒状、チップ状、プレート状等のいずれであってもよく、使用される食品の種類に応じて適宜設定される。食品中で本発明の食品素材の食感を活かすという観点からは、好ましくは粒状又はチップ状であり、特に好ましくは1粒又は1チップ当たり30~1000mg程度の粒状又はチップ状である。
【0155】
本発明の食品素材の製造方法
本発明の食品素材は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物、カカオマス、及び必要に応じて他の配合成分を、カカオマスに含まれるカカオバターが溶融する温度(好ましくは30~50℃)条件下で混合し、次いで冷却固化させることにより調製される。斯くして、カカオマス中にエクオール含有大豆胚軸発酵物が分散されてなる本発明の食品素材が調製される。
【0156】
本発明の食品素材は、必要に応じて、破砕、粉砕、整粒等の処理に供して、所望の形状に成形される。また、本発明の食品素材は、製造時に押出造粒により成形することもできる。
【0157】
上記食品素材の用途
本発明の上記食品素材は、エクオール含有食品の製造原料、或いは食品添加剤として使用され、様々な食品に配合される。即ち、本発明は、更に、上記食品素材を含有するエクオール含有食品を提供する。
【0158】
当該エクオール含有食品としては、特に限定されるものではないが、例えば、焼き菓子、冷菓等の食品形態が挙げられる。
【0159】
上記焼き菓子としては、あられ、おかき等の米菓類;ウェハース、ワッフル等の小麦煎餅類;ビスケット;クッキー;クラッカー;パイ;ケーキ;ドーナツ;パン等が挙げられる。また、上記冷菓としては、アイスクリーム、かき氷、アイスキャンディー等が挙げられる。
【0160】
上記のエクオール含有食品の中でも、好適な形態の例として焼き菓子が挙げられる。特に、大豆粉末を原料として製造された焼き菓子によれば、エクオールに加えて大豆由来の有用成分が総合的に含有されているので、有用性が高く、より優れた健保効果を奏させることができる。
【0161】
大豆粉末を原料として製造された焼き菓子の好適な一例として、小麦粉を含まず、大豆粉末、卵、バター等を配合して製造される焼き菓子が挙げられる。このようなクッキーに使用される大豆粉末は、加熱処理等に供することによって、リポキシゲナーゼが失活又は減弱化され、更に大豆臭が消失又は軽減されているものが望ましい。このような焼き菓子は、例えば、大豆粉末100重量部当たり、卵0~35重量部、バター10~65重量部、所望の形状の本発明の食品素材0.1~50重量部、その他配合成分の適量を、適当量の水に混合した混合原料(生地)を作り、これを所定の形状に成形して、2~60分間、60~250℃程度で焼成することにより製造される。
【0162】
当該エクオール含有食品に含まれる本発明の食品素材の配合割合については、特に制限されず、本発明の食品素材中のエクオール含量、当該エクオール含有食品の形態等に応じて適宜設定される。一例として、当該エクオール含有食品の原料の総量当たり、本発明の食品素材が3~30重量%、好ましくは5~20重量%、更に好ましくは5~8重量%となる割合が例示される。また、当該エクオール含有食品に含まれるエクオールの割合としては、当該エクオール含有食品の原料の総量当たり、エクオールが0.002~0.1重量%、好ましくは0.004~0.05重量%、更に好ましくは0.005~0.03重量%となる範囲が例示される。このような割合で、本発明の食品素材を含有することにより、エクオール含有食品の良好な風味を保持しながら、エクオール含有大豆胚軸発酵物に基づく有用生理活性を有効に享受させることができる。
【0163】
当該エクオール含有食品は、本発明の食品素材と共に、該食品の他の原料を所定量混合し、該食品の種類に応じて、成形、焼成、冷却等の工程に適宜供することによって製造される。
【0164】
当該エクオール含有食品は、エクオール含有大豆胚軸発酵物を含み、エクオールを初めとして、種々の有用生理活性物質を含有しているので様々な生理活性や薬理活性を発現することができる。それ故、当該エクオール含有食品は、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等として使用できる。特に、本発明の大豆胚軸発酵物を含有する食品は、栄養補助食品として栄養補助食品として有用である。
【0165】
例えば、当該エクオール含有食品は、更年期障害、骨粗鬆症、前立腺肥大、メタボリックシンドローム等の疾患や症状の予防乃至改善、血中コレステロール値の低減、美白、にきびの改善、整腸、肥満改善、利尿等に有用である。中でも、当該エクオール含有食品は、特に、中高年女性における不定愁訴乃至閉経に伴う症状(例えば、骨粗鬆症、更年期障害等)の予防乃至改善に有用である。
【0166】
当該エクオール含有食品の一日当たりの摂取量については、該食品中のエクオール含量、摂取者の年齢や体重、摂取回数等に応じて適宜設定される。
【0167】
4.各種形態の食品
また、本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含む各種形態の食品を提供する。本発明により提供される具体的食品形態は、飲料、サプリメント、クリーム状食品、デザート、菓子、調味料、レトルト食品、食肉加工食品、練り食品、玉子加工食品、缶詰又は缶入り食品、パン、冷菓、大豆加工食品、米飯食品、及びスープが挙げられる。
【0168】
以下、本発明で使用されるエクオール含有大豆胚軸発酵物、その抽出物、本発明の食品形態について、詳述する。
エクオール含有大豆胚軸発酵物及びその抽出物
本発明に使用されるエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物は、前記「3.食品素材」で使用されるものと同様である。
【0169】
本発明の食品は、上記エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物のいずれを含むものであってもよいが、好ましくはエクオール含有大豆胚軸発酵物を含むものである。
【0170】
食品形態
エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物は、更年期障害、骨粗鬆症、前立腺肥大、メタボリックシンドローム等の疾患や症状の予防乃至改善、血中コレステロール値の低
減、美白、にきびの改善、整腸、肥満改善、利尿等の用途に有用であり、特に、中高年女性における不定愁訴乃至閉経に伴う症状(例えば、骨粗鬆症、更年期障害等)の予防乃至改善の用途に有用である。従って、本発明の各種形態の食品は、上記用途を目的とした機能性食品としても提供することができる。即ち、本発明の大豆胚軸発酵物を含有する食品は、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等として使用できる。特に、本発明の大豆胚軸発酵物を含有する食品は、栄養補助食品として有用である。
【0171】
以下、本発明により提供される具体的食品形態について、具体的に説明する。
【0172】
(1) 飲料
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する飲料を提供する。
【0173】
本発明の飲料の種類については、特に制限されないが、例えば、果汁飲料;野菜ジュース;スパークリングウォーター、コーラ、果汁入り炭酸飲料、ジンジャーエール、サイダー、ソーダ等の炭酸飲料;スポーツドリンク等の清涼飲料水;コーヒー、コーヒー牛乳等のコーヒー飲料;紅茶、緑茶、ウーロン茶等の茶飲料;ココア;乳酸菌飲料;牛乳、フルーツ牛乳、酸乳飲料等の乳飲料;ビール、焼酎、ウイスキー、カクテル、酎ハイ等のアルコール飲料等が挙げられる。
【0174】
本発明の飲料中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、飲料の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、飲料中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.02~15重量%、好ましくは0.1~1重量%、更に好ましくは0.2~0.5重量%となる割合が例示される。
【0175】
(2) サプリメント
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有するサプリメントを提供する。
【0176】
本発明のサプリメントの種類については、特に制限されないが、例えば、ソフトゲル、錠剤、粉末剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはソフトゲルが挙げられる。ソフトゲル及び粉末剤の場合には、その所定量をカプセルに収容された状態で提供することが望ましい。
【0177】
本発明のソフトゲルの好適な一実施態様としては、ゼラチン、水、及びグリセリン含むソフトゲル中に、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を添加したものが例示される。また、ソフトゲルには、上記成分の他に、大豆油、ミツロウ、レシチン、βカロチン等の添加剤が含まれていてもよい。
【0178】
本発明のサプリメント中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、サプリメントの種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、サプリメント中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば2~100重量%となる割合が例示される。
【0179】
(3) クリーム状食品
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有するクリーム状食品を提供する。
【0180】
本発明のクリーム状食品の種類については、特に制限されないが、例えば、ホイップクリーム、カスタードクリーム、バタークリーム、生クリーム、コーヒーホワイトナー等が挙げられる。
【0181】
本発明のクリーム状食品中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、クリーム状食品の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、クリーム状食品中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.03~5重量%、好ましくは0.15~1重量%、更に好ましくは0.3~0.5重量%となる割合が例示される。
【0182】
(4) デザート
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有するデザートを提供する。
【0183】
本発明のデザートの種類については、特に制限されないが、例えば、ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース等が挙げられる。
【0184】
本発明のデザート中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、デザートの種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、デザート中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.03~5重量%、好ましくは0.15~1重量%、更に好ましくは0.3~0.5重量%となる割合が例示される。
【0185】
(5) 菓子
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する菓子を提供する。
【0186】
本発明の菓子は、洋菓子や和菓子の別を問わず、焼菓子や蒸菓子を含むあらゆる菓子が包含される。本発明の菓子として、具体的には、キャンディー、飴、キャラメル、ブレッツェル、タブレット、ガム、チョコレート、クッキー、豆菓子、ウェハース、チーズクラッカー、グミ、煎餅、すはま、千菓子、ようかん、饅頭、わらびもち、パウンドケーキ、アップルパイフィリング、スナック菓子、おかき等が例示される。これらの菓子の中でも、好適な一実施態様として、大豆粉を含む焼き菓子が挙げられる。
【0187】
本発明の菓子中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、菓子の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、菓子中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.01~99重量%、好ましくは0.04~36重量%、更に好ましくは0.08~18重量%となる割合が例示される。
【0188】
(6) 調味料
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する調味料を提供する。
【0189】
本発明の調味料の種類については、特に制限されないが、例えば、焼き肉のたれ、蒲焼きのたれ、イカ珍味の調味料、トマトケチャップ、つゆ、ドレッシング、ごまだれ、スナックシーズニング、醤油等が挙げられる。
【0190】
本発明の調味料中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合について
は、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、調味料の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、調味料中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.04~40重量%、好ましくは0.2~8重量%、更に好ましくは0.4~4重量%となる割合が例示される。
【0191】
(7) レトルト食品
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有するレトルト食品(レトルトパウチ食品)を提供する。
【0192】
本発明のレトルト食品の種類については、特に制限されないが、例えば、カレー、ハヤシ、シチュー、ミートソース、ホワイトソース等のソースの素;中華丼、牛丼、親子丼等のどんぶりの素;マーボー豆腐の素、釜飯の素等の調味料材料等が挙げられる。
【0193】
本発明のレトルト食品中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、レトルト食品の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、レトルト食品中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.003~4重量%、好ましくは0.01~0.8重量%、更に好ましくは0.03~0.4重量%となる割合が例示される。
【0194】
(8) 食肉加工食品
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する食肉加工食品を提供する。
【0195】
本発明の食肉加工食品の種類については、特に制限されないが、例えば、ソーセージ(ドライ、セミドライ、ボロニア、フランクフルト、ウインナー、スモーク)、レバーペースト、ベーコン、ショルダーベーコン、ハム、ハンバーグ、ミートボール等が挙げられる。
【0196】
本発明の食肉加工食品中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、食肉加工食品の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、食肉加工食品中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.02~0.4重量%、好ましくは0.1~0.8重量%、更に好ましくは0.2~0.4重量%となる割合が例示される。
【0197】
(9) 練り食品
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する練り食品を提供する。
【0198】
本発明の練り食品の種類については、特に制限されないが、例えば、蒲鉾、竹輪等が挙げられる。
【0199】
本発明の練り食品中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、練り食品の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、練り食品中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.03~5重量%、好ましくは0.1~1重量%、更に好ましくは0.3~0.5重量%となる割合が例示される。
【0200】
(10) 玉子加工食品
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する玉子加工食品を提供する。
【0201】
本発明の玉子加工食品の種類については、特に制限されないが、例えば、だし巻き、厚焼き玉子、オムレツ、炒り卵等が挙げられる。
【0202】
本発明の玉子加工食品中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、玉子加工食品の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、玉子加工食品中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.03~5重量%、好ましくは0.1~1重量%、更に好ましくは0.3~0.5重量%となる割合が例示される。
【0203】
(11) 缶詰又は缶入り食品
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する缶詰又は缶入り食品を提供する。
【0204】
本発明の缶詰又は缶入り食品の種類については、特に制限されないが、例えば、みかん、桃等の果物の缶詰;シーチキン、鰯等の海産物の缶詰;ジャム等の缶詰;スープ等の缶詰;ソース等の缶詰等が例示される。
【0205】
本発明の缶詰又は缶入り食品中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、缶詰又は缶入り食品の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、缶詰又は缶入り食品中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.03~5重量%、好ましくは0.1~1重量%、更に好ましくは0.3~0.5重量%となる割合が例示される。
【0206】
(12) パン
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有するパンを提供する。
【0207】
本発明のパンの種類については、特に制限されないが、例えば、食パン、フランスパン、調理パン、メロンパン、あんパン、クリームパン、ジャムパン、ロールパン、クロワッサン等が挙げられる。
【0208】
本発明のパン中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、パンの種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、パン中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.01~50重量%、好ましくは0.05~0.6重量%、更に好ましくは0.1~0.3重量%となる割合が例示される。
【0209】
(13) 冷菓
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する冷菓を提供する。
【0210】
本発明の冷菓の種類については、特に制限されないが、例えば、アイスクリーム、シャーベット等が挙げられる。
【0211】
本発明の冷菓中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については
、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、冷菓の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、冷菓中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.03~5重量%、好ましくは0.1~1重量%、更に好ましくは0.3~0.5重量%となる割合が例示される。
【0212】
(14) 大豆加工食品
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する大豆加工食品を提供する。
【0213】
本発明の大豆加工食品の種類については、特に制限されないが、例えば、豆腐、厚揚げ、がんもどき、湯葉、納豆、豆乳等が挙げられる。
【0214】
本発明の大豆加工食品中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、大豆加工食品の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、大豆加工食品中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.03~0.5重量%、好ましくは0.1~1重量%、更に好ましくは0.3~0.5重量%となる割合が例示される。
【0215】
(15) 大豆加工食品
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有する米飯食品を提供する。
【0216】
本発明の米飯食品の種類については、特に制限されないが、例えば、チャーハン、ピラフ、おかゆ、栗おこわ、白飯、赤飯、五目飯等が挙げられる。
【0217】
本発明の米飯食品中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、米飯食品の種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、米飯食品中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.01~2.5重量%、好ましくは0.02~0.5重量%、更に好ましくは0.04~0.25重量%となる割合が例示される。
【0218】
(16) スープ
本発明は、エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含有するスープを提供する。
【0219】
本発明のスープの種類については、特に制限されないが、例えば、コーンクリームスープ、コンソメスープ、ミネストローネスープ、オニオンスープ、ポタージュスープ等が挙げられる。
【0220】
本発明のスープ中のエクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物の含有割合については、特に制限されず、該大豆胚軸発酵物又はその抽出物中のエクオール含量、スープの種類、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。一例として、スープ中に、大豆胚軸発酵物又はその抽出物(乾燥重量換算)が、例えば0.02~15重量%、好ましくは0.1~1重量%、更に好ましくは0.2~0.5重量%となる割合が例示される。
【実施例
【0221】
以下に、参考例、実施例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによ
って限定されるものではない。
【0222】
参考例1-1~1-3 エクオール含有大豆胚軸発酵物の製造
表1に示す組成となるように、粉末状大豆胚軸、アルギニン、及び水を混合して、大豆胚軸溶液(原料)を調製した。この大豆胚軸溶液5mlに、ラクトコッカス20-92株(FERM
BP-10036号)を植菌し、嫌気条件下で、37℃で96時間静置培養を行った。培養後、得ら
れた発酵液(培養液)を100℃、1分間の条件で加熱殺菌した後、80℃の条件での乾燥処理し、更にホモゲナイダーにより粉末化処理することにより、粉末状の大豆胚軸発酵物を得た。
【0223】
表1に、培養96時間後の培養液における生菌数及びpH、粉末状の大豆胚軸発酵物の取得量、及び粉末状の大豆胚軸発酵物中のエクオール濃度を示す。この結果から、エクオール産生菌を用いて粉末状大豆胚軸を発酵させることにより、高効率でエクオールが生成されることが確認された。
【0224】
【表1】
【0225】
参考例1-4 エクオール含有大豆胚軸発酵物の製造
粉末状大豆胚軸10重量%及びL-アルギニン0.1重量%を含む大豆胚軸溶液5mlに、ラクトコッカス20-92株(FERM BP-10036号)を植菌し、嫌気条件下で、37℃で96時間静置培養することにより発酵処理を行った。培養後、得られた発酵液(培養液)を100℃、1分間の条件で加熱殺菌した後、80℃の条件での乾燥処理し、更にホモゲナイダーにより粉末化処理することにより、粉末状の大豆胚軸発酵物を得た。
【0226】
原料として使用した粉末状大豆胚軸(表2及び3中、発酵前と表記する)及び得られた粉末状大豆胚軸発酵物(表2及び3中、発酵後と表記する)の含有成分の分析を行った。大豆イソフラボン類の分析結果を表2に、栄養成分の分析結果を表3に示す。この結果からも、ラクトコッカス20-92株によって大豆胚軸を発酵させることにより、高含量のエク
オールを含む大豆胚軸発酵物が製造されることが確認された。また、ラフィノースやスタキオース等のオリゴ糖は、発酵前後でその含量が同程度であり、発酵による影響を殆ど受
けないことが明らかとなった。一方、アルギニンについては、発酵処理によりオルニチンに変換されることが確認された。従って、大豆胚軸にアルギニンを添加してラクトコッカス20-92株で発酵処理することにより、エクオールのみならず、オルニチンをも生成させ
得ることが明らかとなった。
【0227】
【表2】
【0228】
【表3】
【0229】
参考例1-5~1-11 エクオール含有大豆胚軸発酵物の製造
上記参考例1-3とは異なる7種のロットの粉末状大豆胚軸を使用すること以外は、上記
参考例1-3と同様の条件で、粉末状の大豆胚軸発酵物(参考例1-5~1-11)を製造した。得
られた大豆胚軸発酵物に含まれるイソフラボンの組成を分析した。結果を表4に示す。この結果からも、参考例1-5~1-11の大豆胚軸発酵物は、エクオール含量が高く、従来技術
では実現できていない組成のイソフラボンを含んでいることが確認された。
【0230】
【表4】
【0231】
参考試験例1 アレルゲンの確認試験
大豆胚軸には、Gym4、Gm30K、Gm28K、7Sグロブリンmix(β-コングリシン)、オレオ
シン、トリプシンインヒビター等のアレルゲンが含まれていることが分かっている。そこで、上記参考例1-1で製造したエクオール含有大豆胚軸発酵物中にアレルゲンの存否を以
下の試験により判定した。
【0232】
先ず、参考例1-1で得られたエクオール含有大豆胚軸発酵物の適当量を、抽出バッファ
ー(Tris HCl pH 7.5、1M EDTA含有、タンパク質分解酵素阻害剤の適量含有)に添加し、十分に撹拌して、水溶性成分を抽出した。次いで、濾過により、固形分を除去し、抽出液を得た。斯くして得られた抽出液に含まれる総タンパク質を、バイオラッド社製のプロテインアッセイシステムを用いて検出した。更に、得られた抽出液に含まれる主要アレルゲン(Gym4、Gm30K、Gm28K、7Sグロブリンmix、オレオシン、トリプシンインヒビター)に
ついても、ウエスタンブロッティング法により検出した。また、比較として、大豆胚軸発酵物の代わりに、大豆の子葉の粉末、及び大豆胚軸の粉末を用いて、同様の方法により総タンパク質及びアレルゲンの検出を行った。
【0233】
結果を図1~3に示す。図1には、総タンパク質の検出結果を;図2には、Gym4、Gm30K、及びGm28Kの検出結果を;図3には、7Sグロブリンmix、オレオシン、及びトリプシン
インヒビターの検出結果を、それぞれ示す。
【0234】
この結果から、エクオール含有大豆胚軸発酵物には、大豆又は大豆胚軸に含まれる主要
アレルゲンが低減していることが確認された。
【0235】
実施例1:エクオール含有抽出物の製造
実施例1-1 第I法によるエクオール含有抽出物の製造
参考例1-3と同条件で製造した粉末状のエクオール含有大豆胚軸発酵物1gを表5に示
す抽出溶媒20mlに添加して、室温にて120分間、振盪した。その後、遠心分離にて残渣
(以下、残渣1と表記する)を除去して、抽出液(以下、抽出液1-1と表記する)を回収
した。次いで、得られた抽出液1-1をエバポレーターを用いて乾固した後に、5mlのエタ
ノールを添加して、室温にて10分間、振盪した。その後、遠心分離にて残渣(以下、残渣2と表記する)を除去して、抽出液(以下、抽出液1-2と表記する)を回収した。得られ
た抽出液1-2をエバポレーターを用いて乾固し、固形状の抽出物を得た。
【0236】
また、残渣1に対して、再度、同組成の抽出溶媒20mlを添加して、室温にて120分間
、振盪した。その後、遠心分離にて残渣を除去して、抽出液(以下、抽出液2-1と表記す
る)を回収した。得られた抽出液2-1をエバポレーターを用いて乾固した後に、5mlのエタノールを添加して、室温にて10分間、振盪した。その後、遠心分離にて残渣を除去して、抽出液(以下、抽出液2-2と表記する)を回収した。得られた抽出液2-2をエバポレーターを用いて乾固し、固形状の抽出物を得た。
【0237】
【表5】
【0238】
抽出液1-1及び1-2、抽出液2-1及び2-2、並びに残渣2を、薄層クロマトグラフィー(TLC)分析(移動相として、エクオール検出にはヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=1:
1:1(容量比)、またサポニン検出には酢酸エチル:プロパノール:クロロホルム:メタ
ノール:0.9%KCl=25:25:25:10:9(容量比)を使用)に供して、サポニン含量とエクオー
ル含量を測定した。また、抽出液1-2から得られた固形状の抽出物の重量及びこれに含ま
れるエクオール濃度を測定した。結果を図4~7及び表6に示す。図4には、抽出液1-2
及び2-2中のエクオール含量をTLC分析した結果;図5には、抽出液1-2及び2-2中のサポニン含量をTLC分析した結果;図6には、抽出液1-2及び残渣2中のエクオール含量をTLC分
析した結果;図7には、抽出液1-2及び残渣2中のサポニン含量をTLC分析した結果を示す。
【0239】
この結果、エクオール含有大豆胚軸発酵物をエタノールで抽出すると、多量の油分が含まれ、更にエクオールの回収率が低くなることが分かった。一方、エクオール含有大豆胚軸発酵物をエタノール水溶液で抽出すると、油分の混入を抑制し、高い回収率でエクオールが得られることが確認された。特に、エタノール濃度が75容量%であるエタノール水溶液によれば、エクオールの回収率が顕著に向上することも明らかとなった。また75容量%エタノール抽出では脂肪分の抽出を最小限に抑えることができることが分かった。
【0240】
また、残渣2中に高濃度のサポニンが検出されたことから、抽出液1-1の溶媒除去物を
エタノールによる抽出処理に供することにより、エクオール量を減じることなく、サポニンの除去が可能になることが確認された。
【0241】
【表6】
【0242】
実施例1-2 第I法によるエクオール含有抽出物の製造
上記参考例1-3とは異なるロットの粉末状大豆胚軸を使用すること以外は、上記参考例1-3と同様の条件で、粉末状のエクオール含有大豆胚軸発酵物を製造した。
【0243】
この粉末状のエクオール含有大豆胚軸発酵物30gを、70容量%エタノール水溶液(水30mlにエタノールを加えて100mlとした)又は90容量%エタノール水溶液(水10mlに
エタノールを加えて100mlとした)150mlに添加して、室温にて8時間、撹拌した。そ
の後、濾過にて残渣を除去した後、更に残渣を抽出溶媒と同組成のエタノール水溶液約20mlで洗浄し、ろ液及び洗浄液を回収して抽出液を得た。
【0244】
次いで、得られた抽出液を減圧濃縮し固形状の抽出物を得た。
【0245】
得られた固形状の抽出物の重量及びこれに含まれるエクオール、ダイゼイン、ジヒドロダイゼイン、ゲニステイン、ジヒドロゲニステイン、グリステイン、ジヒドログリステインの濃度を測定した。結果を表7及び8に示す。
【0246】
【表7】
【0247】
【表8】
【0248】
この結果から、エクオール含有大豆胚軸発酵物をエタノール水溶液で抽出すると、エクオールが高い回収率で得られると共に、グリステインも得られることが分かった。一方、他のイソフラボンについては抽出物中では非常に低濃度であった。
【0249】
実施例1-3 第I法によるエクオール含有抽出物の製造
上記参考例1-3とは異なるロットの粉末状大豆胚軸を使用すること以外は、上記参考例1-3と同様の条件で、粉末状のエクオール含有大豆胚軸発酵物を製造した。
【0250】
この粉末状のエクオール含有大豆胚軸発酵物50gに精製水7mlを加えて混合した後、
更にn-ヘキサン250mlを加えて室温にて7時間撹拌した。不溶物を濾過にて回収し、さらに60℃で7時間乾燥を行って、エクオール含有大豆胚軸発酵物の脱脂粉末46.6gを得た
【0251】
上記脱脂粉末20gを、80容量%エタノール水溶液(水20mlにエタノールを加えて100
mlとした)、又は90容量%エタノール水溶液(水10mlにエタノールを加えて100ml
とした)100mlに添加して、室温にて14時間、撹拌した。その後、濾過にて残渣を除去
した後、更に残渣を抽出溶媒と同組成のエタノール水溶液約10mlで洗浄し、ろ液及び洗浄液を回収して抽出液を得た。
【0252】
次いで、得られた抽出液を60℃で6時間乾燥させて、固形状の抽出物を得た。
【0253】
得られた固形状の抽出物の重量及びこれに含まれるエクオール、ダイゼイン、ジヒドロダイゼイン、ゲニステイン、ジヒドロゲニステイン、グリステイン、ジヒドログリステインの濃度を測定した。結果を表9及び10に示す。
【0254】
【表9】
【0255】
【表10】
【0256】
この結果から、エクオール含有大豆胚軸発酵物を予め脱脂処理しても、上記実施例1-2
と同様、エクオールが高い回収率で得られることが分かった。
【0257】
実施例1-4 第II法によるエクオール含有抽出物の製造
上記参考例1-3とは異なるロットの粉末状大豆胚軸を使用すること以外は、上記参考例1-3と同様の条件で、粉末状のエクオール含有大豆胚軸発酵物(エクオール濃度:6.2 mg/g)を製造した。このエクオール含有大豆胚軸発酵物80gを、水900mlに懸濁させ攪拌しな
がら酢酸約5mlを加え、pHが約4.0調整した後、室温にて24時間静置した。その後、遠
心分離にて不溶物を回収し、これを乾燥させて、不溶物50.33gを得た。
【0258】
次いで、上記不溶物50.33gにエタノール水溶液(エタノール濃度75容量%)250mlを添加し、室温で2日間攪拌を行った。その後、減圧濾過にて残渣を除去して、ろ液を回収し
た。次いで、得られたろ液をエバポレーターを用いて乾固して、エクオール含有粉末7.53gを得た。
【0259】
斯くして得られたエクオール含有粉末には、出発原料であるエクオール含有大豆胚軸発酵物が6.2 mg/gのエクオール含有量であったのに対して約10倍量のエクオールが60.0mg/gの濃度で含まれており、エクオールの回収率は91%であった。
【0260】
実施例2:エクオールの精製
実施例2-1:第1法によるエクオールの精製
上記参考例1-3とは異なるロットの粉末状大豆胚軸を使用すること以外は、上記参考例1-3と同様の条件で、粉末状のエクオール含有大豆胚軸発酵物(エクオール濃度:6.2 mg/g)を製造した。このエクオール含有大豆胚軸発酵物10gを、50容量%エタノール水溶液50mlに添加して、室温にて2時間振盪した。その後、遠心分離(2500rpm、25分間)にて残渣(以下、残渣1と表記する)を除去して、抽出液(以下、抽出液A-1と表記する)を回
収した。次いで、残渣1に対して50容量%エタノール水溶液50mlに添加して、室温にて1時間振盪した。その後、遠心分離(2500rpm、25分間)にて残渣を除去して、抽出液(以
下、抽出液A-2と表記する)を回収した。次いで、抽出液A-1と抽出液A-2を混合し、これ
をエバポレーターを用いて乾固して、残留物(以下、残留物1と表記する)を得た。
【0261】
上記で得られた残留物1に約50mlのエタノールを添加して、室温に超音波処理を行いながら振盪した。その後、遠心分離(1000rpm、10分間)にて残渣を除去して、抽出液(以
下、抽出液Bと表記する)を回収した。得られた抽出液Bをエバポレーターを用いて乾固し、残留物(以下、残留物2と表記する)約1gを得た。
【0262】
次いで、残留物2の1gにヘキサンを10ml添加して、室温にて30分間振盪した。その後、遠心分離(1000rpm、10分間)にて抽出液を除去して、不溶物0.3gを回収した。
【0263】
得られた不溶物0.3gに、ヘキサンとジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチル
エーテル=2:3;容量比)2mlを添加して、室温にて30分間振盪した。その後、遠心
分離(1000rpm、10分間)にて残渣を除去して、抽出液を回収した。得られた抽出液を下
記条件下でシリカゲルクロマトグラフィーに供した。
カラム:内径2cmのカラムにシリカゲルを充填した。
移動層:
ヘキサンとジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチルエーテル=40:60;容量比)200mL、
ヘキサンとジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチルエーテル=30:70;容量比)200mL、
ヘキサンとジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチルエーテル=25:75;容量比)200mL、
ヘキサンとジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチルエーテル=20:80;容量比)200mL、及び
ヘキサン200mLを順次流した。
【0264】
カラムから溶出される溶液を50mL毎に回収した。ヘキサンとジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチルエーテル=30:70;容量比)とヘキサンとジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチルエーテル=25:75;容量比)によって溶出される画分には、合計で約40mgのエクオール(回収率80%)が含まれており、その乾燥固形分当たりのエクオールの純度は99.9%であった。また、本シリカゲルクロマトグラフィーにより溶出された画分を、TLCにて分析した結果を図8に示す。図8に示されるように、ヘキサン
とジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチルエーテル=30:70;容量比)とヘキサンとジエチルエーテルの混合液(ヘキサン:ジエチルエーテル=25:75;容量比)によって溶出される画分にエクオールが含まれており、その精製度が高いことも確認された。なお、図8中の各レーンに供した試料は、表11に示す通りである。
【0265】
【表11】
【0266】
実施例2-2:第2法によるエクオールの精製
上記参考例1-3とは異なるロットの粉末状大豆胚軸を使用すること以外は、上記参考例1-3と同様の条件で、粉末状のエクオール含有大豆胚軸発酵物(エクオール濃度:6.2 mg/g)を製造した。このエクオール含有大豆胚軸発酵物100gを、95容量%酢酸エチル水溶液500mlに添加して、室温にて4時間攪拌した。その後、不溶物をろ別し、更にこの不溶物を80mlの酢酸エチルで洗浄した。得られた洗浄液をロ液と合わせて減圧濃縮し12gの油状物
を回収した。得られた油状物12gを下記条件下でシリカゲルクロマトグラフィーに供した

カラム:内径2cmのカラムに、シリカゲル70gをヘキサンを使用して充填した。
移動層:ヘキサン500mlを流した後、酢酸エチルとヘキサンの混合液(酢酸エチル:ヘキ
サン=1:5(容量比))を流した。
【0267】
斯くして回収したエクオール含有溶出液から溶媒を留去することにより、黄色結晶状の固形物630mgを得た。
【0268】
得られた黄色結晶状の固形物を、酢酸エチル2mlに添加して約80℃に加熱し溶解させ、
更にヘキサン8mlを添加して混合した後、氷冷下で30分間攪拌を行い、エクオールの結晶
を析出させた。析出したエクオールの結晶は、濾過にて回収し、これをヘキサンで洗浄を行った後に、乾燥してエクオール含有固形分530mg(淡黄結晶)を得た。
【0269】
更に、上記淡黄結晶530mgをの4mlのエタノール水溶液(エタノール濃度62.5容量%)に加えて約80℃に加熱溶解させ、10℃で12時間静置することにより、エクオールの再結晶化を行い、ろ過及び乾燥を行って、白色針状のエクオール結晶390mgが得られた。
【0270】
得られたエクオールの結晶はエタノール25℃の旋光度[α]D 25は-21.6°、融点は188-190℃であり、ほぼ100%に近い純度のエクオールが精製されたことが確認された。
【0271】
実施例3:エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含む食品素材及びこれを含む食品
実施例3-1 エクオール含有大豆胚軸発酵物とカカオマスを含む食品素材の製造
カカオマスを加熱溶融させた状態で、参考例1-3と同条件で製造されたエクオール含有
大豆胚軸発酵物と、カカオマスとを1:3(重量比)の比率で混合した後に、冷却するこ
とによって、エクオール含有大豆胚軸発酵物がカカオマスに分散された食品素材を製造した。
【0272】
斯くして製造された食品素材の呈味について、10人のパネラーにより評価したところ、全てのパネラーにおいて、エクオール含有大豆胚軸発酵物に由来する苦味が抑制され、風味が良好であると評価された。
【0273】
実施例3-2 エクオール含有大豆胚軸発酵物の抽出物を含む食品素材
カカオマスを加熱溶融させた状態で、実施例1-1において75Etを用いて得られた抽出液2-1を乾固した固形状の抽出物(以下、75Et抽出物と表記する)と、カカオマスと1:24(重量比)の比率で混合した後に、冷却することによって、75Et抽出物がカカオマスに分散された食品素材を製造した。
【0274】
斯くして製造された食品素材の呈味について、10人のパネラーにより評価したところ、全てのパネラーにおいて、75Et抽出物に由来する苦味が抑制され、風味が良好であると評価された。
【0275】
実施例3-3 焼き菓子
表12に示す原料を混合し、得られた混合原料を成型機により、直方形(約1.5cm×1.5cm×10cm)に成形し、オーブンで180℃で焼成して、焼き菓子を製造した。
【0276】
得られた焼き菓子の呈味について、10人のパネラーにより評価したところ、全てのパネラーにおいて、エクオール含有大豆胚軸発酵物に由来する苦味が抑制され、良好なチョコレートの風味が感じられ、焼き菓子本来の良好な呈味が感じられると評価された。
【0277】
【表12】
【0278】
比較例3-1 焼き菓子
チップ状の実施例3-1で得られた食品素材の代わりに、チョコレートチップ5gと実施
例1-3と同条件で製造されたエクオール含有大豆胚軸発酵物1gをそれぞれで添加するこ
と以外は、上記実施例3-3と同条件で焼き菓子を製造した。
【0279】
得られた焼き菓子の呈味について、10人のパネラーにより評価したところ、全てのパネラーにおいて、呈味が損なわれ、エクオール含有大豆胚軸発酵物に由来する苦味が全体に広がっていると評価された。
【0280】
実施例3-4 焼き菓子
チップ状の実施例3-1で得られた食品素材の代わりに、同量のチップ状の実施例3-2で得られた食品素材を添加すること以外は、上記実施例3-3と同条件で焼き菓子を製造した。
【0281】
得られた焼き菓子の呈味について、10人のパネラーにより評価したところ、75Et抽出物に由来する苦味が抑制され、良好なチョコレートの風味が感じられ、焼き菓子本来の良好な呈味が感じられると評価された。
【0282】
実施例4:エクオール含有大豆胚軸発酵物又はその抽出物を含む各種食品
実施例4-A 飲料
以下、本発明の飲料の製造例について具体例を挙げる。
実施例4-A-1 スパークリングウォーター
下記組成のミント風味シロップ液を調製し、このミント風味シロップ液と炭酸水を3:1の容量比で混合することにより、スパークリングウォーターを得た。
【0283】
ミント風味シロップ液の組成
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.27 (Kg)
砂糖 0.60
クエン酸(結晶) 0.01
食塩 0.012
塩化カリウム 0.005
乳酸カルシウム 0.008
ペパーミントエキストラクト 0.03
ペパーミントフレーバー 0.20
水 残部
合計 100.00 L
【0284】
実施例4-A-2 スパークリングウォーター
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.034Kg配合してミント風味シロップ液を
調製すること以外は、上記実施例4-A-1と同条件でスパークリングウォーターを製造した
【0285】
実施例4-A-3 無果汁オレンジ炭酸飲料
下記組成のオレンジ風味シロップ液を調製し、このオレンジ風味シロップ液と炭酸水を9:11の容量比で混合することにより、無果汁オレンジ炭酸飲料を得た。
【0286】
オレンジ風味シロップ液の組成
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.20 (Kg)
砂糖 10.00
クエン酸(結晶) 0.03
DL-リンゴ酸 0.07
着色料 0.05
香料 0.10
水 残部
合計 45.00 L
【0287】
実施例4-A-4 無果汁オレンジ炭酸飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.025Kg配合してオレンジ風味シロップ液
を調製すること以外は、上記実施例4-A-3と同条件で無果汁オレンジ炭酸飲料を製造した
【0288】
実施例4-A-5 低カロリーコーラ
下記組成のコーラシロップ液を調製し、このコーラシロップ液と炭酸水を8:12の容量比で混合することにより、シュガーレスコーラを得た。
【0289】
コーラシロップ液の組成
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.20 (Kg)
スクラロース 0.02
リン酸 0.05
クエン酸(結晶) 0.07
カフェイン 0.10
カラメル色素 0.20
香料(コーラフレーバー) 0.10
水 残部
合計 40.00 L
【0290】
実施例4-A-6 低カロリーコーラ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.03Kg配合してコーラシロップ液を調製す
ること以外は、上記実施例4-A-5と同条件で低カロリーコーラを製造した。
【0291】
実施例4-A-7 アップル炭酸飲料
下記組成のアップル風味シロップ液を調製し、このアップル風味シロップ液と炭酸水を13:7の容量比で混合することにより、アップル炭酸飲料を得た。
【0292】
アップル風味シロップ液の組成
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.20 (Kg)
5倍濃縮リンゴ果汁 11.00
果糖ブドウ糖液 5.00
クエン酸(結晶) 0.10
着色料 0.05
香料 0.10
水 残部
合計 65.00 L
【0293】
実施例4-A-8 アップル炭酸飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.03Kg配合してアップル風味シロップ液を
調製すること以外は、上記実施例4-A-7と同条件でアップル炭酸飲料を製造した。
【0294】
実施例4-A-9 グレープ炭酸飲料
下記組成のグレープ風味シロップ液を調製し、このグレープ風味シロップ液と炭酸水を9:11の容量比で混合することにより、グレープ炭酸飲料を得た。
【0295】
グレープ風味シロップ液の組成
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.20 (Kg)
5倍濃縮グレープ透明果汁 4.40
クエン酸(結晶) 0.25
着色料 0.05
香料 0.20
水 残部
合計 45.00 L
【0296】
実施例4-A-10 グレープ炭酸飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.03Kg配合してグレープ風味シロップ液を
調製すること以外は、上記実施例4-A-9と同条件でグレープ炭酸飲料を製造した。
【0297】
実施例4-A-11 アップル果汁飲料
下記組成のアップル果汁飲料を製造した。
【0298】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
5倍濃縮アップル果汁 22.00
香料 0.05
水 残部
合計 100.00 L
【0299】
実施例4-A-12 アップル果汁飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-11と同条件でアップル果汁飲料を製造した。
【0300】
実施例4-A-13 オレンジ果汁飲料
下記組成のオレンジ果汁飲料を製造した。
【0301】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
濃縮バレシアオレンジ果汁(ブリックス55°) 4.40
砂糖 5.00
クエン酸(結晶) 0.16
ネイティブジェランガム 0.025
ビタミンC 0.03
ペクチン 0.0025
オレンジ香料 0.25
水 残部
合計 100.00 L
【0302】
実施例4-A-14 オレンジ果汁飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A
-13と同条件でオレンジ果汁飲料を製造した。
【0303】
実施例4-A-15 低カロリー果汁飲料
下記組成の低カロリー果汁飲料を製造した。
【0304】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (Kg)
5倍濃縮柑橘果汁 4.40
スクラロース 0.009
クエン酸(結晶) 0.18
L-アスコルビン酸 0.03
ジェランガム 0.024
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0305】
実施例4-A-16 低カロリー果汁飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-15と同条件で低カロリー果汁飲料を製造した。
実施例4-A-17 シュガーレスニアウォーター
下記組成のシュガーレスニアウォーターを製造した。
【0306】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
スクラロース 0.008
ポリデキストロース 2.20
5倍濃縮グレープフルーツ濃縮果汁 0.44
クエン酸(結晶) 0.53
乳酸カルシウム 0.06
塩化カリウム 0.01
L-アスコルビン酸 0.03
ジベンゾイルチアミン塩酸塩 0.0002
ピリドキシン塩酸塩 0.00015
ニコチン酸アミド 0.0015
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0307】
実施例4-A-18 シュガーレスニアウォーター
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-17と同条件でシュガーレスニアウォーターを製造した。
【0308】
実施例4-A-19 スポーツ飲料
下記組成のスポーツ飲料を製造した。
【0309】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (Kg)
レモン透明果汁 0.50
スクラロース 0.02
乳性ミネラル 1.00
ビタミンミックス 0.25
L-アスコルビン酸ナトリウム 0.05
クエン酸 0.125
水 残部
合計 100.00 L
【0310】
実施例4-A-20 スポーツ飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-19と同条件でスポーツ飲料を製造した。
【0311】
実施例4-A-21 抹茶乳飲料
下記組成の抹茶乳飲料を製造した。
【0312】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (Kg)
牛乳 10.00
脱脂粉乳 3.50
抹茶((株)伊藤園製RS-20) 0.50
砂糖 7.00
乳化剤 0.70
着色料 0.03
香料 0.20
炭酸水素ナトリウム pH6.8に調整
水 残部
合計 100.00 L
【0313】
実施例4-A-22 抹茶乳飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-21と同条件で抹茶乳飲料を製造した。
【0314】
実施例4-A-23 無糖ドリンクヨーグルト
下記組成の無糖ドリンクヨーグルトを製造した。
【0315】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
発酵乳(SNF20%) 40.00
水溶性大豆多糖類 0.20
ペクチン 0.20
香料 0.20
乳酸 pH4.2に調整
水 残部
合計 100.00 L
【0316】
実施例4-A-24 無糖ドリンクヨーグルト
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-23と同条件で無糖ドリンクヨーグルトを製造した。
【0317】
実施例4-A-25 殺菌乳酸菌飲料
下記組成の殺菌乳酸菌飲料を製造した。
【0318】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
発酵乳(SNF20%) 15.00
水溶性大豆多糖類 0.40
砂糖 8.00
香料 0.10
乳酸 pH3.8に調整
水 残部
合計 100.00 L
【0319】
実施例4-A-26 殺菌乳酸菌飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-25と同条件で殺菌乳酸菌飲料を製造した。
【0320】
実施例4-A-27 低カロリー酸乳飲料
下記組成の低カロリー酸乳飲料を製造した。
【0321】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
脱脂粉乳 3.50
水溶性大豆多糖類 0.40
砂糖 5.00
スクラロース 0.0006
果糖ブドウ糖液(75%) 5.00
クエン酸(結晶) 0.45
香料 0.10
乳酸 pH3.8に調整
水 残部
合計 100.00 L
【0322】
実施例4-A-28 低カロリー酸乳飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-27と同条件で低カロリー酸乳飲料を製造した。
【0323】
実施例4-A-29 ストロベリー乳飲料
下記組成のストロベリー乳飲料を製造した。
【0324】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
脱脂粉乳 2.80
全脂粉乳 3.00
砂糖 12.00
乳化剤 0.06
着色料 0.05
香料(ストロベリーフレーバー) 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0325】
実施例4-A-30 ストロベリー乳飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A
-29と同条件でストロベリー乳飲料を製造した。
【0326】
実施例4-A-31 ノンファット加工乳
下記組成のノンファット加工乳を製造した。
【0327】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (Kg)
脱脂粉乳 12.00
卵カルシウム 1.00
乳化剤 0.06
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0328】
実施例4-A-32 ノンファット加工乳
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-31と同条件でノンファット加工乳を製造した。
【0329】
実施例4-A-33 クリームソーダ
下記組成のクリームソーダを製造した。
【0330】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.20 (Kg)
脱脂加糖練乳 3.00
クエン酸(結晶) 0.04
砂糖 15.00
着色料 0.60
香料 0.10
水 残部
合計 40.00 L
【0331】
実施例4-A-34 クリームソーダ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.025Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-33と同条件でクリームソーダを製造した。
【0332】
実施例4-A-35 抹茶乳飲料
下記組成の抹茶乳飲料を製造した。
【0333】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (Kg)
脱脂粉乳 3.50
牛乳 10.00
乳化剤 0.70
砂糖 6.00
水 残部
合計 100.00 L
【0334】
実施例4-A-36 抹茶乳飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-35と同条件で抹茶乳飲料を製造した。
【0335】
実施例4-A-37 ストレートティー
下記組成のストレートティーを製造した。
【0336】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (Kg)
ダージリン紅茶40倍抽出液 20.00
砂糖 5.00
香料 0.05
水 残部
合計 100.00 L
【0337】
実施例4-A-38 ストレートティー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-37と同条件でストレートティーを製造した。
【0338】
実施例4-A-39 アップル果汁飲料
下記組成のアップル果汁飲料を製造した。
【0339】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
5倍濃縮アップル透明果汁 2.20
オリゴ糖 1.00
還元麦芽糖水飴 1.50
ビタミンC 0.05
クエン酸 0.10
水溶性食物繊維 8.00
水 残部
合計 100.00 L
【0340】
実施例4-A-40 アップル果汁飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-39と同条件でアップル果汁飲料を製造した。
【0341】
実施例4-A-41 清涼飲料
下記組成の清涼飲料を製造した。
【0342】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
果糖 3.70
果糖ブドウ糖液 8.00
砂糖 0.30
DL-リンゴ酸 0.07
クエン酸ナトリウム 0.03
乳化剤 0.052
香料 0.22
水 残部
合計 100.00 L
【0343】
実施例4-A-42 清涼飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-41と同条件で清涼飲料を製造した。
【0344】
実施例4-A-43 オレンジ果汁飲料
下記組成のオレンジ果汁飲料を製造した。
【0345】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
果糖ブドウ糖液 2.50
ビートオリゴ糖 0.026
砂糖 4.00
オレンジ濃縮果汁 4.40
クエン酸 0.026
クエン酸ナトリウム 0.003
L-アスコルビン酸 0.01
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0346】
実施例4-A-44 オレンジ果汁飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-43と同条件でオレンジ果汁飲料を製造した。
【0347】
実施例4-A-45 アップル果汁飲料
下記組成のアップル果汁飲料を製造した。
【0348】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
アップル濃縮果汁 4.40
砂糖 8.00
クエン酸 0.15
香料 0.12
水 残部
合計 100.00 L
【0349】
実施例4-A-46 アップル果汁飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-45と同条件でアップル果汁飲料を製造した。
【0350】
実施例4-A-47-1 野菜ジュース
下記組成の野菜ジュースを製造した。
【0351】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (Kg)
野菜果汁 20.00
水 残部
合計 100.00 L
【0352】
実施例4-A-47-2 野菜ジュース
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A
-47-1と同条件で野菜ジュースを製造した。
【0353】
実施例4-A-48-1 スポーツ飲料
下記組成のスポーツ飲料を製造した。
【0354】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (Kg)
乳性ミネラル 1.00
ビタミンミックス 0.25
クエン酸 0.125
L-アスコルビン酸ナトリウム 0.05
レモン果汁 0.50
砂糖 12.00
水 残部
合計 100.00 L
【0355】
実施例4-A-48-2 スポーツ飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-48-1と同条件でスポーツ飲料を製造した。
【0356】
実施例4-A-49 ウーロン茶
下記組成のウーロン茶を製造した。
【0357】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
ウーロン茶エキス 3.00
L-アスコルビン酸ナトリウム 0.01
香料 0.20
水 残部
合計 100.00 L
【0358】
実施例4-A-50 ウーロン茶
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-49と同条件でウーロン茶を製造した。
【0359】
実施例4-A-51 レモンティー
下記組成のレモンティーを製造した。
【0360】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
ブラックティーエキス 6.00
粉末還元麦芽糖水飴 3.00
砂糖 3.00
レモン果汁 0.50
L-アスコルビン酸 0.02
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0361】
実施例4-A-52 レモンティー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-51と同条件でレモンティーを製造した。
【0362】
実施例4-A-53 ミルクティー
下記組成のミルクティーを製造した。
【0363】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
牛乳 7.00
全脂粉乳 0.25
砂糖 4.00
紅茶エキス 35.00
乳化剤 0.05
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0364】
実施例4-A-54 ミルクティー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-53と同条件でミルクティーを製造した。
【0365】
実施例4-A-55 コーヒー飲料
下記組成のコーヒー飲料を製造した。
【0366】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (Kg)
コーヒーエキス 30.00
牛乳 25.00
乳化剤 0.10
重曹 0.12
ステビア 0.01
砂糖 3.00
L-ラムノース 0.01
香料 0.05
水 残部
合計 100.00 L
【0367】
実施例4-A-56 コーヒー飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-55と同条件でコーヒー飲料を製造した。
【0368】
実施例4-A-57 ココア乳飲料
下記組成のココア乳飲料を製造した。
【0369】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (Kg)
牛乳 10.00
脱脂粉乳 3.50
果糖 5.50
砂糖 0.40
ココアパウダー 1.00
乳化剤 0.45
香料 0.08
水 残部
合計 100.00 L
【0370】
実施例4-A-58 ココア乳飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-57と同条件でココア乳飲料を製造した。
【0371】
実施例4-A-59 抹茶乳飲料
下記組成の抹茶乳飲料を製造した。
【0372】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (Kg)
牛乳 10.00
脱脂粉乳 3.50
果糖 5.80
砂糖 0.40
抹茶 0.90
乳化剤 0.48
香料 0.27
着色料 0.03
水 残部
合計 100.00 L
【0373】
実施例4-A-60 抹茶乳飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-59と同条件で抹茶乳飲料を製造した。
【0374】
実施例4-A-61 酸乳飲料
下記組成の酸乳飲料を製造した。
【0375】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
脱脂粉乳 1.50
果糖 2.50
砂糖 0.50
イチゴ濃縮果汁 0.22
クエン酸ナトリウム 0.32
乳化剤 0.40
香料 0.12
水 残部
合計 100.00 L
【0376】
実施例4-A-62 酸乳飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-61と同条件で酸乳飲料を製造した。
【0377】
実施例4-A-63 ビタミン入り飲料
下記組成のビタミン入り飲料を製造した。
【0378】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
砂糖 24.00
クエン酸 0.20
L-アスコルビン酸 0.30
ビタミンミックス 0.06
香料 0.10
炭酸水 残部
合計 100.00 L
【0379】
実施例4-A-64 ビタミン入り飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-63と同条件でビタミン入り飲料を製造した。
【0380】
実施例4-A-65 しるこ
下記組成のしるこを製造した。
【0381】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
生あん 10.00
糖アルコール 6.50
砂糖 24.00
食塩 0.10
乳化剤 0.60
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0382】
実施例4-A-66 しるこ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-65と同条件でしるこを製造した。
【0383】
実施例4-A-67 緑茶
下記組成の緑茶を製造した。
【0384】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (Kg)
緑茶エキス 3.00
L-アスコルビン酸ナトリウム 0.01
香料 0.20
水 残部
合計 100.00 L
【0385】
実施例4-A-68 緑茶
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-67と同条件で緑茶を製造した。
【0386】
実施例4-A-69 オレンジ果汁粉末飲料
下記組成のオレンジ果汁粉末飲料を製造した。
【0387】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (Kg)
果糖ブドウ糖液糖 2.50
ビートオリゴ糖 0.026
砂糖 4.00
オレンジ粉末果汁 2.00
クエン酸 0.026
クエン酸ナトリウム 0.003
L-アスコルビン酸 0.01
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0388】
実施例4-A-70 オレンジ果汁粉末飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-69と同条件でオレンジ果汁粉末飲料を製造した。
【0389】
実施例4-A-71 アミノ酸飲料
下記組成のアミノ酸飲料を製造した。
【0390】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
砂糖 15.00
果糖 15.00
クエン酸 4.00
クエン酸ナトリウム 1.00
L-バリン 2.00
L-ロイシン 4.00
L-イソロイシン 2.00
L-アルギニン 2.00
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0391】
実施例4-A-72 アミノ酸飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-71と同条件でアミノ酸飲料を製造した。
【0392】
実施例4-A-73 豆乳飲料
下記組成の豆乳飲料を製造した。
【0393】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
豆乳 100.00
【0394】
実施例4-A-74 豆乳飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-A-73と同条件で豆乳飲料を製造した。
【0395】
実施例4-A-75 栄養ドリンク
下記組成の栄養ドリンクを製造した。
【0396】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
タウリン 1.00
ニコチン酸アミド 0.02
ビタミンB1 0.005
ビタミンB2 0.005
ビタミンB6 0.005
カフェイン 0.05
砂糖 15.00
果糖 15.00
クエン酸 0.10
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 L
【0397】
実施例4-A-76 アミノ酸飲料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-A-71と同条件で栄養ドリンクを製造した。
【0398】
実施例4-B サプリメント
以下、本発明のサプリメントの製造例について具体例を挙げる。
【0399】
実施例4-B-1 ソフトゲル
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3)、ゼラチン、グリセリン、クエン酸、大
豆油、ミツロウ、レシチン、βカロチン及び水を用いて、常法に従ってソフトゲルを製造した。
【0400】
実施例4-B-2 ソフトゲル
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を配合すること以外は、上記実施例4-B-1と同条件でソフトゲルを製造した。
【0401】
実施例4-C クリーム状食品
以下、本発明のクリーム状食品の製造例について具体例を挙げる。
【0402】
実施例4-C-1 ホイップクリーム
下記組成のホイップクリームを製造した。
【0403】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (g)
ヤシ油(mp 35℃) 27.00
グリセリン脂肪酸エステル 0.10
脱脂粉乳 3.30
スクラロース 0.012
還元澱粉糖化物 25.00
レシチン 0.15
乳化剤 0.70
メタリン酸ナトリウム 0.10
水 残部
合計 100.00 g
【0404】
実施例4-C-2 ホイップクリーム
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05g配合すること以外は、上記実施例4-C-1と同条件でホイップクリームを製造した。
【0405】
実施例4-C-3 コーヒーホワイトナー
下記組成のコーヒーホワイトナーを製造した。
【0406】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (g)
精製ヤシ油 36.00
カゼインナトリウム 4.50
脱脂粉乳 5.00
レシチン 0.05
クエン酸三ナトリウム 0.20
ショ糖脂肪酸エステル 0.40
ミルクフレーバー 0.10
水 残部
合計 100.00 g
【0407】
実施例4-C-4 コーヒーホワイトナー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05g配合すること以外は、上記実施例4-C-3と同条件でコーヒーホワイトナーを製造した。
【0408】
実施例4-C-5 カスタードクリーム
下記組成のカスタードクリームを製造した。
【0409】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
マーガリン 20.00
水飴 5.00
全卵 3.00
コーンスターチ 4.00
加工澱粉 6.00
乳性蛋白 2.00
砂糖 30.00
水 残部
合計 100.00 Kg
実施例4-C-6 カスタードクリーム
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-C-5と同条件でカスタードクリームを製造した。
【0410】
実施例4-C-7 カスタードクリーム
下記組成のカスタードクリームを製造した。
【0411】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
カラギーナン 0.40
ゼラチン 0.50
コーンスターチ 4.00
粉飴 3.00
グラニュー糖 10.00
ブドウ糖 7.00
脱脂粉乳 4.00
全卵 3.50
異性化糖 7.00
脱脂加糖練乳 3.00
無縁バター 6.50
水 50.00
【0412】
実施例4-C-8 カスタードクリーム
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-C-7と同条件でカスタードクリームを製造した。
【0413】
実施例4-D デザート
以下、本発明のデザートの製造例について具体例を挙げる。
【0414】
実施例4-D-1 ハードヨーグルト
下記組成の原料を均質化した後、スターターヨーグルトを添加して発酵させハードヨーグルトを製造した。
【0415】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
脱脂粉乳 9.00
無塩バター 5.00
砂糖 6.50
ゲル化剤 0.60
水 残部
合計 100.00 Kg
【0416】
実施例4-D-2 ハードヨーグルト
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-D-1と同条件でハードヨーグルトを製造した。
【0417】
実施例4-D-3 ソフトヨーグルト
下記組成の原料を均質化した後、スターターヨーグルトを添加して発酵させソフトヨーグルを製造した。
【0418】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
脱脂粉乳 9.00
バター 5.25
砂糖 6.50
ローカストビーンガム 0.30
水 残部
合計 100.00 Kg
【0419】
実施例4-D-4 ソフトヨーグルト
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-D-3と同条件でソフトヨーグルトを製造した。
【0420】
実施例4-D-5 白桃ゼリー
下記の成分を原料として用いて、ゼリーの一般的な製造方法に従って、白桃ゼリーを製造した。
【0421】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
砂糖 14.40
κ-カラギーナン 0.60
白桃ピューレ 20.00
水 残部
合計 100.00 重量部
【0422】
実施例4-D-6 白桃ゼリー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-D-5と同条件で白桃ゼリーを製造した。
【0423】
実施例4-D-7 グレープフルーツゼリー
下記の成分を原料として用いて、ゼリーの一般的な製造方法に従って、グレープフルーツゼリーを製造した。
【0424】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (重量部)
砂糖 18.00
ジェランガム 0.25
グレープフルーツ果汁 20.00
乳酸カルシウム 0.10
クエン酸 0.20
香料 0.10
水 残部
合計 100.00 重量部
【0425】
実施例4-D-8 グレープフルーツゼリー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-D-7と同条件でグレープフルーツゼリーを製造した。
【0426】
実施例4-D-9 コーヒーゼリー
下記の成分を原料として用いて、ゼリーの一般的な製造方法に従って、コーヒーゼリーを製造した。
【0427】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (重量部)
還元水飴 10.00
キシリトール 5.00
κ-カラギーナン 0.50
寒天 0.20
ローカストビーンガム 0.20
砂糖 3.00
香料 0.15
水 残部
合計 100.00 重量部
【0428】
実施例4-D-10 コーヒーゼリー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-D-9と同条件でコーヒーゼリーを製造した。
【0429】
実施例4-D-11 イチゴミルクゼリー
下記の成分を原料として用いて、ゼリーの一般的な製造方法に従って、イチゴミルクゼリーを製造した。
【0430】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (重量部)
精製ヤシ油 30.00
乳化剤 0.25
脱脂粉乳 3.30
砂糖 3.50
還元水飴 20.00
ラクチトール 8.00
安定化剤 0.70
キシリトール 5.00
ゼラチン 0.90
イチゴピューレ 5.00
イチゴ濃縮果汁 5.00
クエン酸 0.10
水 残部
合計 100.00 重量部
【0431】
実施例4-D-12 イチゴミルクゼリー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-D-11と同条件でイチゴミルクゼリーを製造した。
【0432】
実施例4-E 菓子
以下、本発明の菓子の製造例について具体例を挙げる。
【0433】
実施例4-E-1 ハードキャンディー
下記の成分を原料として用いて、ハードキャンディーの一般的な製造方法に従って、ハードキャンディーを製造した。
【0434】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (g)
砂糖 70.00
水飴 40.00
水 20.00
【0435】
実施例4-E-2 ハードキャンディー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g配合すること以外は、上記実施例4-E-1と
同条件でハードキャンディーを製造した。
【0436】
実施例4-E-3 生姜飴
下記の成分を原料として用いて、飴の一般的な製造方法に従って、生姜飴を製造した。
【0437】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 4.00 (g)
生姜ペースト 1.50
還元乳糖 60.00
還元麦芽糖水飴 56.00
スクラロース 0.03
香料 0.075
水 30.00
【0438】
実施例4-E-4 生姜飴
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-3と同条件で生姜飴を製造した。
【0439】
実施例4-E-5 ハーブのど飴
下記の成分を原料として用いて、飴の一般的な製造方法に従って、ハーブのど飴を製造した。
【0440】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 4.00 (g)
ミックスハーブエキス 0.60
砂糖 40.00
還元麦芽糖水飴 56.00
ペパーミント香料 0.20
カラメル色素 0.20
水 20.00
【0441】
実施例4-E-6 ハーブのど飴
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-5と同条件でハーブのど飴を製造した。
【0442】
実施例4-E-7 レモングミキャンディー
下記の成分を原料として用いて、グミキャンディーの一般的な製造方法に従って、レモングミキャンディーを製造した。
【0443】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 4.00 (g)
酸性ゼラチン(250ブルーム) 7.00
還元水飴 100.00
4倍濃縮レモン果汁 1.25
クエン酸(結晶) 1.00
スクラロース 0.02
着色料 0.02
香料 0.02
水 12.00
【0444】
実施例4-E-8 レモングミキャンディー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-7と同条件でレモングミキャンディーを製造した。
【0445】
実施例4-E-9 キャラメル
下記の成分を原料として用いて、キャラメルの一般的な製造方法に従って、キャラメルを製造した。
【0446】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 4.00 (g)
加糖練乳 45.00
水飴 45.00
植物油脂 3.50
レシチン 0.20
フォンダン 5.00
香料(キャラメルフレーバー) 0.10
【0447】
実施例4-E-10 キャラメル
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-9と同条件でキャラメルを製造した。
【0448】
実施例4-E-11 ブレッツェル
下記の成分を混合して生地を調製し、これをオーブンで焼成することによってブレッツェルを製造した。
【0449】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 4.00 (g)
強力粉 100.00
ベーキングパウダー 1.35
無塩バター 25.00
食塩 2.00
砂糖 17.50
大豆食物繊維 0.80
ショ糖脂肪酸エステル 0.30
香料 0.20
水 40.00
【0450】
実施例4-E-12 ブレッツェル
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-11
と同条件でブレッツェルを製造した。
【0451】
実施例4-E-13 ミントタブレット
下記の成分を原料として用いて、タブレットの一般的な製造方法に従って、ミントタブレットを製造した。
【0452】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (g)
ソルビトール 90.00
スクラロース 0.15
ペパーミントフレーバー 5.00
ショ糖脂肪酸エステル 1.00
【0453】
実施例4-E-14 ミントタブレットル
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-13
と同条件でミントタブレットを製造した。
【0454】
実施例4-E-15 ヨーグルトタブレット
下記の成分を原料として用いて、タブレットの一般的な製造方法に従って、ヨーグルトタブレットを製造した。
【0455】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 4.00 (g)
トレハロース(造粒) 88.60
スクラロース 0.08
粉末発酵乳 5.00
無水クエン酸 1.00
ヨーグルトフレーバー 0.20
ショ糖脂肪酸エステル 1.50
【0456】
実施例4-E-16 ヨーグルトタブレット
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-15
と同条件でヨーグルトタブレットを製造した。
【0457】
実施例4-E-17 レモンタブレット
下記の成分を原料として用いて、タブレットの一般的な製造方法に従って、レモンタブレットを製造した。
【0458】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 4.00 (g)
砂糖(造粒) 89.50
粉末レモン果汁 2.00
L-アスコルビン酸 3.00
無水クエン酸 1.00
ショ糖脂肪酸エステル 1.00
【0459】
実施例4-E-18 レモンタブレット
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-17
と同条件でレモンタブレットを製造した。
【0460】
実施例4-E-19 ミントガム
下記の成分を原料として用いて、ガムの一般的な製造方法に従って、ミントガムを製造した。
【0461】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 4.00 (g)
ガムベース 25.00
ラクチトール 63.20
糖アルコール 5.00
スクラロース 0.13
グリセリン 0.50
ペパーミントオイル 1.50
ミント香料 0.50
着色料 0.20
【0462】
実施例4-E-20 ミントガム
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-19
と同条件でミントガムを製造した。
【0463】
実施例4-E-21 アップル風船ガム
下記の成分を原料として用いて、ガムの一般的な製造方法に従ってアップル風船ガムを製造した。
【0464】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 4.00 (g)
ガムベース 30.00
パラチニット 70.00
スクラロース 0.084
グリセリン 0.50
クエン酸(結晶) 1.00
アップルフレーバー 0.80
【0465】
実施例4-E-22 アップル風船ガム
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-21
と同条件でアップル風船ガムを製造した。
【0466】
実施例4-E-23 ストロベリーガム
下記の成分を原料として用いて、ガムの一般的な製造方法に従ってストロベリーガムを製造した。
【0467】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (g)
ガムベース 23.00
粉糖 62.00
水飴 5.00
スクラロース 0.001
クエン酸(結晶) 1.20
赤キャベツ色素 0.20
ストロベリーフレーバー 0.20
【0468】
実施例4-E-24 ストロベリーガム
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-23
と同条件でストロベリーガムを製造した。
【0469】
実施例4-E-25 チョコレート
下記の成分を原料として用いて、チョコレートの一般的な製造方法に従ってチョコレートを製造した。
【0470】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (g)
カカオマス 40.00
ココアバター 25.00
還元粉糖 50.00
スクラロース 0.03
レシチン 0.40
バニリン 0.05
【0471】
実施例4-E-26 チョコレート
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-25
と同条件でチョコレートを製造した。
【0472】
実施例4-E-27 ストロベリー風味チョコレート
下記の成分を原料として用いて、チョコレートの一般的な製造方法に従ってストロベリー風味チョコレートを製造した。
【0473】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (g)
ココアバター 25.00
ハードバター 7.00
全脂粉乳 27.00
砂糖 41.00
ストロベリーフレーバー 0.20
ビートレット 0.50
スクラロース 0.001
レシチン 0.30
バニリン 0.02
【0474】
実施例4-E-28 ストロベリー風味チョコレート
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5g使用すること以外は、上記実施例4-E-27
と同条件でストロベリー風味チョコレートを製造した。
【0475】
実施例4-E-29 クッキー
下記の成分を混合して生地を調製し、これをオーブンで焼成することによってクッキーを製造した。
【0476】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
薄力粉 48.50
ベーキングパウダー 0.30
無塩マーガリン 24.00
食塩 0.20
砂糖 12.00
卵黄 4.70
トレハロース 22.00
香料 0.20
水 40.00
【0477】
実施例4-E-30 クッキー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-29と同条件でクッキーを製造した。
【0478】
実施例4-E-31 餡饅の皮
下記の成分を用いて、餡饅の皮の一般的な製造方法に従って、餡饅の皮を製造した。
【0479】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 4.00 (重量部)
薄力粉 500.00
ベーキングパウダー 2.50
キサンタンガム 1.00
食塩 6.00
砂糖 30.00
トレハロース 30.00
ドライイースト 7.50
ラード 15.00
水 200.00
【0480】
実施例4-E-32 餡饅の皮
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-31と同条件で餡饅の皮を製造した。
【0481】
実施例4-E-33 アップルパイフィリング
下記の成分を用いて、アップルパイフィリングを製造した。
【0482】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (重量部)
リンゴ 200.00
麦芽糖 150.00
スクラロース 0.10
レモン果汁 10.00
クルミ 60.00
レーズン 60.00
アップル香料 0.20
【0483】
実施例4-E-34 アップルパイフィリング
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-33と同条件でアップルパイフィリングを製造した。
【0484】
実施例4-E-35 パウンドケーキ
下記の成分を混合して生地を調製し、これをオーブンで焼成することによってパウンドケーキを製造した。
【0485】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (重量部)
バター 100.00
還元麦芽水飴 100.00
スクラロース 0.03
ステビア 0.03
全卵 100.00
香料 0.22
薄力粉 120.00
膨張剤 1.50
【0486】
実施例4-E-36 パウンドケーキ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-35と同条件でパウンドケーキを製造した。
【0487】
実施例4-E-37 わらび餅
下記の成分を用いて、わらび餅を製造した。
【0488】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 0.40 (重量部)
米澱粉 20.00
甘藷澱粉 40.00
砂糖 6.00
水 残部
合計 100.00 重量部
【0489】
実施例4-E-38 わらび餅
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-37と同条件でわらび餅を製造した。
【0490】
実施例4-E-39 豆菓子
下記の成分を用いて、豆菓子を製造した。
【0491】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 6.00 (重量部)
寒梅粉 7.00
砂糖 53.00
きなこ 34.00
膨張剤 適量
香料 適量
甘味料 適量
合計 100.00 重量部
【0492】
実施例4-E-40 豆菓子
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.75重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-39と同条件で豆菓子を製造した。
【0493】
実施例4-E-41 豆菓子
下記の成分を用いて、豆菓子を製造した。
【0494】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 12.00 (重量部)
もち粉 13.00
砂糖 45.00
きなこ 15.00
抹茶 15.00
膨張剤 適量
香料 適量
甘味料 適量
合計 100.00 重量部
【0495】
実施例4-E-42 豆菓子
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を1.5重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-41と同条件で豆菓子を製造した。
【0496】
実施例4-E-43 豆菓子
下記の成分を用いて、豆菓子を製造した。
【0497】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-1) 18.00 (重量部)
寒梅粉 15.00
砂糖 52.00
きなこ 15.00
抹茶 12.00
膨張剤 適量
香料 適量
甘味料 適量
合計 100.00 重量部
【0498】
実施例4-E-44 豆菓子
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を2.25重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-43と同条件で豆菓子を製造した。
【0499】
実施例4-E-45 豆菓子
下記の成分を用いて、豆菓子を製造した。
【0500】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 6.00 (重量部)
澱粉 20.00
砂糖 32.00
きなこ 10.00
黒ごま 20.00
膨張剤 適量
香料 適量
甘味料 適量
合計 100.00 重量部
【0501】
実施例4-E-46 豆菓子
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.75重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-45と同条件で豆菓子を製造した。
【0502】
実施例4-E-47 生麩菓子
下記の成分を用いて、生麩菓子を製造した。
【0503】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 10.00 (重量部)
グルテン 20.00
もち粉 15.00
きなこ 適量
乳化剤 適量
蜂蜜 適量
ソルビトール 20.00
チョコレート 30.00
実施例4-E-48 生麩菓子
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を1.25重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-47と同条件で生麩菓子を製造した。
【0504】
実施例4-E-49 ウエハース(濃厚タイプ)
下記の成分を用いて、ウエハースの一般的な製造方法に従って、ウエハース(濃厚タイプ)を製造した。
【0505】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
小麦粉 100.00
砂糖 2.00
油脂 3.00
全卵 3.00
脱脂粉乳 2.00
重曹 0.30
牛乳 50.00
水 100.00
【0506】
実施例4-E-50 ウエハース(濃厚タイプ)
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-49と同条件でウエハース(濃厚タイプ)を製造した。
【0507】
実施例4-E-51 ウエハース(プレーン)
下記の成分を用いて、ウエハースの一般的な製造方法に従って、ウエハース(プレーン)を製造した。
【0508】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
小麦粉 100.00
油脂 2.50
全卵 0.30
炭酸アンモニウム 0.40
重曹 0.30
レシチン 0.05
水 150.00
【0509】
実施例4-E-52 ウエハース(プレーン)
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-51と同条件でウエハース(プレーン)を製造した。
【0510】
実施例4-E-53 チーズクラッカー
下記の成分を用いて、一般的な製造方法に従って、チーズクラッカーを製造した。
【0511】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
小麦粉 100.00
油脂 9.00
麦芽エキス 1.30
重曹 0.60
スパイス 0.10
チーズパウダー 13.00
砂糖 80.00
食塩 0.90
炭酸アンモニウム 0.60
レシチン 0.05
水 33.00
【0512】
実施例4-E-54 チーズクラッカー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-53と同条件でチーズクラッカーを製造した。
【0513】
実施例4-E-55 ようかん
下記の成分を用いて、一般的な製造方法に従って、ようかんを製造した。
【0514】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (重量部)
寒天 7.50
グラニュー糖 320.00
あん 620.00
水飴 50.00
水 300.00
【0515】
実施例4-E-56 ようかん
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-55と同条件でようかんを製造した。
【0516】
実施例4-E-57 ソフトクッキー
下記の成分を用いて、一般的な製造方法に従って、ソフトクッキーを製造した。
【0517】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (重量部)
小麦粉 200.00
バター 150.00
砂糖 80.00
全卵 150.00
【0518】
実施例4-E-58 ソフトクッキー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-57と同条件でソフトクッキーを製造した。
【0519】
実施例4-E-59 せんべい
下記の成分を用いて、一般的な製造方法に従って、せんべいを製造した。
【0520】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
うるち米 100.00
湯 適量
【0521】
実施例4-E-60 せんべい
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-59と同条件でせんべいを製造した。
【0522】
実施例4-E-61 すはま
下記の成分を用いて、一般的な製造方法に従って、すはまを製造した。
【0523】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (重量部)
上白糖 600.00
きな粉 400.00
水飴 130.00
水 180.00
【0524】
実施例4-E-62 すはま
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-61と同条件ですはまを製造した。
【0525】
実施例4-E-63 千菓子
下記の成分を用いて、一般的な製造方法に従って、千菓子を製造した。
【0526】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (重量部)
和三盆糖 500.00
しとり 25.00
寒梅粉 75.00
【0527】
実施例4-E-64 千菓子
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-63と同条件で千菓子を製造した。
【0528】
実施例4-E-65 フルーツグミ
下記の成分を用いて、一般的な製造方法に従って、フルーツグミを製造した。
【0529】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (重量部)
砂糖 30.00
水飴 50.00
ゼラチン 7.00
フルーツ果汁 5.00
クエン酸 1.50
香料 0.20
【0530】
実施例4-E-66 フルーツグミ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5重量部使用すること以外は、上記実施例4-E-65と同条件でフルーツグミを製造した。
【0531】
実施例4-E-67 大豆粉含有焼き菓子
1.25重量%のエクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3)及び25重量%の大豆粉と共
に、レーズン、バター、砂糖、卵、オレンジピール、パイナップル、難消化性デキストリン、カカオマス、アーモンドスライス、ココアパウダー、食塩、膨張剤、及び香料を適量混合し、得られた混合原料(100重量%)を成型機により、直方形(約1.5cm×1.5cm×10cm)に成形し、オーブンで180℃で焼成して、大豆粉含有焼き菓子を製造した。
【0532】
実施例4-E-68 大豆粉含有焼き菓子
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.25重量%となるように配合した混合原料を使用
すること以外は、上記実施例4-E-67と同条件で大豆粉含有焼き菓子を製造した。
【0533】
実施例4-F 調味料
以下、本発明の調味料の製造例について具体例を挙げる。
【0534】
実施例4-F-1 焼き肉のたれ
下記組成の焼き肉のたれを製造した。
【0535】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (Kg)
還元水飴 20.00
トレハロース 0.50
みりん 4.00
濃口醤油 24.00
アップルピューレ 19.00
ガーリックペースト 4.50
ジンジャーペースト 4.50
ごま油 0.10
キサンタンガム 0.50
レッドペッパー末 0.10
ブラックペッパー末 0.05
クエン酸(結晶) 0.20
煎りゴマ 0.40
水 残部
合計 100.00 Kg
【0536】
実施例4-F-2 焼き肉のたれ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5Kg配合すること以外は、上記実施例4-F-1と同条件で焼き肉のたれを製造した。
【0537】
実施例4-F-3 トマトケチャップ
下記組成のトマトケチャップを製造した。
【0538】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 4.00 (Kg)
トマトペースト 40.00
ワインビネガー 18.00
果糖ブドウ糖液糖 5.00
濃口醤油 24.00
食塩 2.50
ガーリックパウダー 0.07
オニオンパウダー 0.10
シナモンパウダー 0.02
クローブパウダー 0.01
水 残部
合計 100.00 Kg
【0539】
実施例4-F-4 トマトケチャップ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5Kg配合すること以外は、上記実施例4-F-3と同条件でトマトケチャップを製造した。
【0540】
実施例4-F-5 つゆ
下記組成のつゆ(天ぷらのつゆ)を製造した。
【0541】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 4.00 (Kg)
砂糖 7.00
濃口醤油 26.00
薄口醤油 10.00
魚醤 5.00
みりん 10.00
L-グルタミン酸ナトリウム 3.00
食塩 0.60
水 残部
合計 100.00 Kg
【0542】
実施例4-F-6 つゆ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5Kg配合すること以外は、上記実施例4-F-5と同条件でつゆを製造した。
【0543】
実施例4-F-7 ドレッシング
下記組成の水相と油相を7:3の重量比で混合して、ドレッシング(セパレートタイプ)を製造した。
【0544】
水相組成
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (Kg)
砂糖 6.00
濃口醤油 20.00
醸造酢(酸度10%) 8.50
魚醤 3.00
レモン果汁 2.00
食塩 2.00
L-グルタミン酸ナトリウム 0.20
レッドペッパー末 0.05
煎りゴマ 0.30
キサンタンガム 0.10
水 残部
合計 100.00 Kg
油相組成
ごま油 20.00 (Kg)
コーンサラダ油 79.00
調味香料 1.00
合計 100.00 Kg
【0545】
実施例4-F-8 ドレッシング
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5Kg配合すること以外は、上記実施例4-F-7と同条件でドレッシング(セパレートタイプ)を製造した。
【0546】
実施例4-F-9 しゃぶしゃぶのごまだれ
下記組成のしゃぶしゃぶのごまだれを製造した。
【0547】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (Kg)
薄口醤油 12.00
醸造酢 11.00
ガーリックパウダー 0.10
ジンジャーパウダー 0.10
ホワイトペッパー 0.10
チキンエキス 3.00
酵母エキス 3.00
ごま油 1.00
果糖ブドウ糖液糖 8.00
みりん 15.00
白みそ 10.00
増粘剤 3.50
砂糖 8.00
食塩 10.00
香料 0.15
水 残部
合計 100.00 Kg
実施例4-F-10 しゃぶしゃぶのごまだれ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-F-9と同条件でしゃぶしゃぶのごまだれを製造した。
【0548】
実施例4-F-11 焼き肉のたれ(味噌味)
下記組成の焼き肉のたれ(味噌味)を製造した。
【0549】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (Kg)
濃口醤油 25.00
味噌 14.00
D-ソルビトール 12.00
食塩 3.20
ガーリックパウダー 3.30
ガーリックペースト 2.00
ビーフエキス 1.00
煎りゴマ 0.50
L-グルタミン酸ナトリウム 0.50
生姜ペースト 0.40
アミノ酸調味料 0.01
増粘剤 3.50
砂糖 10.00
水 残部
合計 100.00 Kg
【0550】
実施例4-F-12 焼き肉のたれ(味噌味)
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-F-11と同条件で焼き肉のたれ(味噌味)を製造した。
【0551】
実施例4-F-13 スナックシーズニング
下記組成のスナックシーズニングを製造した。
【0552】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
食塩 14.00
リン酸三カルシウム 3.00
コハク酸二ナトリウム 0.20
L-グルタミン酸ナトリウム 7.00
粉末醤油 3.00
酵母エキス 1.50
オニオンパウダー 1.50
パプリカパウダー 1.50
ガーリックパウダー 6.00
唐辛子粉末 0.50
チキンコンソメ 21.00
ビーフコンソメ 4.00
ステビア 0.60
ブドウ糖 13.00
スパイス 0.01
コーンスターチ 23.00
砂糖 2.00
【0553】
実施例4-F-14 スナックシーズニング
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-F-13と同条件でスナックシーズニングを製造した。
【0554】
実施例4-F-15 乳化醤油
下記組成の乳化醤油を製造した。
【0555】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (重量部)
サラダ油 34.00
濃口醤油 53.00
アラビアガム 1.00
砂糖 12.00
【0556】
実施例4-F-16 乳化醤油
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-F-15と同条件で乳化醤油を製造した。
【0557】
実施例4-F-17 ドレッシング
下記組成のドレッシング(乳化タイプ)を製造した。
【0558】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (重量部)
サラダ油 35.00
食酢 10.00
砂糖 11.00
食塩 4.00
キサンタンガム 0.30
水 残部
合計 100.00 重量部
【0559】
実施例4-F-18 ドレッシング
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-F-17と同条件でドレッシング(乳化タイプ)を製造した。
【0560】
実施例4-F-19 蒲焼のたれ
下記組成の蒲焼のたれを製造した。
【0561】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
D-ソルビット 10.00
増粘剤 0.30
濃口醤油 38.00
みりん 20.00
旨味エキス 2.00
食塩 1.80
L-グルタミン酸ナトリウム 1.45
イノシン酸ナトリウム 0.025
グアニル酸ナトリウム 0.025
トレハロース 15.00
砂糖 6.00
カラメル色素 0.50
タマネギ色素 0.10
香料 0.50
水 残部
合計 100.00 重量部
【0562】
実施例4-F-20 蒲焼のたれ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-F-19と同条件で蒲焼のたれを製造した。
【0563】
実施例4-F-21 イカ珍味の調味料
下記組成のイカ珍味の調味料を製造した。
【0564】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-2) 0.40 (重量部)
濃口醤油 20.00
薄口醤油 10.00
魚醤 5.00
みりん 10.00
醸造酢 2.00
砂糖 38.00
食塩 1.00
L-グルタミン酸ナトリウム 2.00
旨味エキス 1.40
コハク酸二ナトリウム 0.20
ガーリックパウダー 0.05
水 残部
合計 100.00 重量部
【0565】
実施例4-F-22 イカ珍味の調味料
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-F-21と同条件でイカ珍味の調味料を製造した。
【0566】
実施例4-G レトルト食品
以下、本発明のレトルト食品の製造例について具体例を挙げる。
【0567】
実施例4-G-1 レトルトカレー
下記組成のレトルトカレーを常法に従って製造した。
【0568】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
カレー粉 1.80
玉葱 7.00
無塩バター 4.50
ガーリックペースト 0.60
ジンジャーペースト 0.50
小麦粉 4.50
フルーツチャツネ 3.00
トマトペースト 0.50
食塩 0.55
L-グルタミン酸ナトリウム 0.48
核酸調味料 0.015
デミグラス風味調味料 1.00
ポークエキス調味料 0.50
ブイヨンベース調味料 1.00
ジャガイモ 7.00
ニンジン 5.00
牛肉 10.00
水 残部
合計 100.00 Kg
【0569】
実施例4-G-2 レトルトカレー
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-G-1と同条件でレトルトカレーを製造した。
【0570】
実施例4-G-3 レトルト中華丼の素
下記組成のレトルト中華丼の素を常法に従って製造した。
【0571】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
薄口醤油 72.00
酒 46.00
食塩 4.00
L-グルタミン酸ナトリウム 1.30
核酸調味料 0.07
チキンエキスパウダー 1.00
砂糖 7.00
水 209.00
豚肉 200.00
いか 120.00
えび 80.00
しいたけ 70.00
茹でタケノコ 160.00
ニンジン 60.00
玉葱 240.00
【0572】
実施例4-G-4 レトルト中華丼の素
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-G-3と同条件でレトルト中華丼の素を製造した。
【0573】
実施例4-H 食肉加工食品
以下、本発明の食肉加工食品の製造例について具体例を挙げる。
【0574】
実施例4-H-1 ソーセージ
下記組成の原料を用いて、ソーセージの一般的な製造方法に従ってソーセージを製造した
肉部
ブタ腕肉5mmミンチ 70.00 (Kg)
ブタ脂5mmミンチ 10.00
氷水 20.00
合計 100.00 Kg
副原料
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
食塩 1.70
亜硝酸ナトリウム 0.012
重合リン酸塩 0.30
L-アスコルビン酸ナトリウム 1.00
カゼインナトリウム 0.50
ホワイトペッパー末 0.10
ソルビン酸カリウム 0.20
アミノ酸調味料 0.30
スパイスミックス 0.50
【0575】
実施例4-H-2 ソーセージ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-H-1と同条件でソーセージを製造した。
【0576】
実施例4-H-3 スモークソーセージ
下記組成の肉部と調味料を16:1の割合で混合し、スモークソーセージの一般的な製造方法に従ってスモークソーセージを製造した
肉部
ブタ腕肉ミンチ 85.00 (Kg)
全卵 4.00
牛乳 3.00
氷水 7.00
調味料
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
食塩 24.00
アミノ酸調味料 3.20
スパイス 8.65
玉葱ミンチ 16.00
砂糖 48.00
【0577】
実施例4-H-4 スモークソーセージ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-H-3と同条件でスモークソーセージを製造した。
【0578】
実施例4-H-5 ハンバーグ
下記組成のハンバーグを常法に従って製造した。
【0579】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
合い挽き肉 45.00
豚肉 9.00
玉葱 12.00
全卵 5.00
粒状大豆蛋白 9.00
カゼインナトリウム 5.00
カラギーナン 1.50
ローカストビーンガム 0.50
スパイス 0.30
酵母エキス 0.20
食塩 1.00
砂糖 1.20
水溶性食物繊維 1.00
水 残部
合計 100.00 重量部
【0580】
実施例4-H-6 ハンバーグ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-H-5と同条件でハンバーグを製造した。
【0581】
実施例4-I 練り食品
以下、本発明の練り食品の製造例について具体例を挙げる。
【0582】
実施例4-I-1 揚げ蒲鉾
下記組成の原料を用いて、揚げ蒲鉾の一般的な製造方法に従って、揚げ蒲鉾を製造した。
【0583】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
すり身 50.00
食塩 1.50
アミノ酸調味料 0.30
グリシン 0.50
無水酢酸ナトリウム 0.30
馬鈴薯澱粉 8.00
みりん 1.00
氷水 残部
合計 100.00 Kg
【0584】
実施例4-I-2 揚げ蒲鉾
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-I-1と同条件で揚げ蒲鉾を製造した。
【0585】
実施例4-J 玉子加工食品
以下、本発明の玉子加工食品の製造例について具体例を挙げる。
【0586】
実施例4-J-1 厚焼き玉子
下記組成の原料を用いて、厚焼き玉子の一般的な製造方法に従って、揚げ蒲鉾を製造した。
【0587】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
全卵 70.00
食塩 0.40
澱粉 2.00
だし 2.00
砂糖 1.20
酢酸ナトリウム 1.00
水 残部
合計 100.00 重量部
【0588】
実施例4-J-2 厚焼き玉子
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-J-1と同条件で厚焼き玉子を製造した。
【0589】
実施例4-K 缶詰又は缶入り食品
以下、本発明の缶詰又は缶入り食品の製造例について具体例を挙げる。
【0590】
実施例4-K-1 みかんの缶詰
下記組成のシロップと、みかん果肉を缶に詰めることにより、みかんの缶詰を製造した。
【0591】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
砂糖 10.00
果糖ブドウ糖液糖 10.00
クエン酸 0.25
クエン酸三ナトリウム 0.10
水 残部
合計 100.00 重量部
【0592】
実施例4-K-2 みかんの缶詰
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-K-1と同条件でみかんの缶詰を製造した。
【0593】
実施例4-L パン
以下、本発明のパンの製造例について具体例を挙げる。
【0594】
実施例4-L-1 食パン
下記組成の生地を用いて、食パンを製造した。
【0595】
中種
強力粉 70.00 (Kg)
イーストフード 0.10
生イースト 2.00
水 40.00
本捏
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (Kg)
強力粉 30.00
砂糖 3.00
食塩 2.00
脱脂粉乳 2.00
ショートニング 5.00
水 25.00
【0596】
実施例4-L-2 食パン
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05Kg配合すること以外は、上記実施例4-L-1と同条件で食パンを製造した。
【0597】
実施例4-M 冷菓
以下、本発明の冷菓の製造例について具体例を挙げる。
【0598】
実施例4-M-1 アイスクリーム
下記組成のアイスクリームを製造した。
【0599】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
生クリーム 8.80
バター 5.00
水飴 16.00
脱脂粉乳 6.50
トレハロース 7.00
砂糖 5.00
安定化剤 0.20
香料 0.15
水 残部
合計 100.00 重量部
実施例4-M-2 アイスクリーム
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-M-1と同条件でアイスクリームを製造した。
【0600】
実施例4-N 大豆加工食品
以下、本発明の大豆加工食品の製造例について具体例を挙げる。
【0601】
実施例4-N-1 納豆
蒸大豆99.6重量部とエクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3)0.4重量部を
混合し、これに納豆菌を接種して発酵を行い、納豆を製造した。
【0602】
実施例4-N-2 納豆
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施例4-N-1と同条件で納豆を製造した。
【0603】
実施例4-N-3 豆腐
下記組成の豆腐を製造した。
【0604】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
豆乳 99.30
塩化マグネシウム 0.20
ソルビン酸カリウム 0.10
合計 100.00 重量部
【0605】
実施例4-N-4 豆腐
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られ
た抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部使用すること以外は、上記実施
例4-N-3と同条件で豆腐を製造した。
【0606】
実施例4-O 米飯食品
以下、本発明の米飯食品の製造例について具体例を挙げる。
【0607】
実施例4-O-1 おかゆ
下記組成の原料を用いて、おかゆの一般的な製造方法に従って、おかゆを製造した。
【0608】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
米 160.00
食塩 1.00
水 900.00
【0609】
実施例4-O-2 おかゆ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-O-1と同条件でおかゆを製造した。
【0610】
実施例4-O-3 栗おこわ
下記組成の原料を用いて、一般的な製造方法に従って、栗おこわを製造した。
【0611】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 4.00 (重量部)
もち米 1000.00
むき栗 300.00
だし汁 230.00
黒ごま 30.00
食塩水 6.00
【0612】
実施例4-O-4 栗おこわ
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.5重量部配合すること以外は、上記実施例4-O-3と同条件で栗おこわを製造した。
【0613】
実施例4-P スープ
以下、本発明のスープの製造例について具体例を挙げる。
【0614】
実施例4-P-1 コーンクリーム
下記組成の原料を用いて、スープの一般的な製造方法に従って、コーンクリームを製造した。
【0615】
エクオール含有大豆胚軸発酵物(参考例1-3) 0.40 (重量部)
牛乳 180.00
コーン 190.00
コンソメ 20.00
サラダ油 15.00
食塩 適量
こしょう 適量
水 360.00
【0616】
実施例4-P-2 コーンクリーム
エクオール含有大豆胚軸発酵物の代わりに、実施例1-1において75Etを用いて得られた
抽出液1-2を乾固した固形状の抽出物を0.05重量部配合すること以外は、上記実施例4-P-1と同条件でコーンクリームを製造した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8