(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】煤煙が固定化された材料及びその製造方法並びに道路の下地材
(51)【国際特許分類】
B09B 3/25 20220101AFI20230926BHJP
E01C 5/06 20060101ALI20230926BHJP
C04B 28/02 20060101ALI20230926BHJP
C04B 18/06 20060101ALI20230926BHJP
C04B 18/08 20060101ALI20230926BHJP
C04B 18/10 20060101ALI20230926BHJP
C04B 18/24 20060101ALI20230926BHJP
C04B 18/26 20060101ALI20230926BHJP
C04B 24/20 20060101ALI20230926BHJP
C04B 24/06 20060101ALI20230926BHJP
C04B 24/32 20060101ALI20230926BHJP
C04B 22/12 20060101ALI20230926BHJP
B09B 101/30 20220101ALN20230926BHJP
【FI】
B09B3/25
E01C5/06
C04B28/02
C04B18/06
C04B18/08 Z
C04B18/10 A
C04B18/24 Z
C04B18/26
C04B24/20
C04B24/06
C04B24/32 A
C04B22/12
B09B101:30
(21)【出願番号】P 2023031833
(22)【出願日】2023-03-02
【審査請求日】2023-03-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】308000034
【氏名又は名称】吉村 政宏
(72)【発明者】
【氏名】吉村 政宏
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-070940(JP,A)
【文献】特開2019-039214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00-5/00
E01C 5/06
C04B 18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)煤煙、フライ
アッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
(2)前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を経て、燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料を製造するために用いるための、キレート薬剤
の使用。
【請求項2】
前記煤煙には、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、窒素酸化物、硫黄酸化物、及びフライアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載のキレート薬剤
の使用。
【請求項3】
前記キレート薬剤は、さらに、塩化カルシウムを含む、請求項1に記載のキレート薬剤
の使用。
【請求項4】
前記燃焼炉生成物
及び食品廃棄物が固定化された固形材料は、埋め立て土、道路の下地、又は、防草材料に用い
るためのものである、請求項2に記載のキレート薬剤
の使用。
【請求項5】
(1)煤煙、フライ
アッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
(2)前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を備える、
燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料の製造方法。
【請求項6】
煤煙、フライ
アッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、
水を含む煤煙吸収剤と、
コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物と、
無機性土と、
セメントと、
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤と
を含有する燃焼炉生成物
及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
【請求項7】
前記煤煙には、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、窒素酸化物、硫黄酸化物、及びフライアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
【請求項8】
前記キレート薬剤は、さらに、塩化カルシウムを含む、請求項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
【請求項9】
前記燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料は、埋め立て土、道路の下地、又は、防草材料に用い
るためのものである、請求項6に記載の燃焼炉生成物
及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煤煙が固定化された材料及びその製造方法並びに道路の下地材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の防草舗装は、固化対象資材とカルシウム系組成物とに対し、リグニン系組成物及び珪酸ナトリウムを主成分として調整された溶液Aと、リグニン系組成物及び塩化カルシウムを主成分として調整された溶液Bとを添加し、固化対象資材を固化するというものであった(特許文献1参照)。
近年、地球温暖化等の環境問題として、二酸化炭素等のガスの排出が問題となっており、特に、火力発電所から排出される二酸化炭素が膨大な量であることから、その排出量の低減又はその排出方法並びに利用方法が検討されているが、未だに、その有効な方法は見出されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、地球温暖化対策に貢献するものであり、火力発電所等から排出する煤煙等の燃焼炉生成物を取り除き、かつ、食品廃棄物を含む、燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料の製造方法に用いるための、キレート薬剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、煤煙等の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料、及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、煤煙と、水とを混合し、煤煙混合物を得て、その煤煙混合物と、食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得て、さらに、前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、次いで、キレート薬剤とを混合することで、煤煙等の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料を製造できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1.
(1)煤煙、フライアッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
(2)前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を経て、燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料を製造するために用いるための、キレート薬剤。
項2.
前記煤煙には、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、窒素酸化物、硫黄酸化物、及びフライアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、項1に記載のキレート薬剤。
項3.
前記キレート薬剤は、さらに、塩化カルシウムを含む、項1に記載のキレート薬剤。
項4.
前記燃焼炉生成物が固定化された固形材料は、埋め立て土、道路の下地、又は、防草材料に用いためのものである、項2に記載のキレート薬剤。
項5.
(1)煤煙、フライッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
(2)前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を備える、
燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料の製造方法。
項6.
煤煙、フライッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、
水を含む煤煙吸収剤と、
コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物と、
無機性土と、
セメントと、
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤と
を含有する燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
項7.
前記煤煙には、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、窒素酸化物、硫黄酸化物、及びフライアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
項8.
前記キレート薬剤は、さらに、塩化カルシウムを含む、項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
項9.
前記燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料は、埋め立て土、道路の下地、又は、防草材料に用いためのものである、項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、地球温暖化対策に貢献するものであり、火力発電所等から排出する煤煙等の燃焼炉生成物を取り除き、かつ、食品廃棄物を含む、燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料の製造方法に用いるための、キレート薬剤を提供できる。
また、本発明によれば、煤煙等の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料、及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、既設の石炭発電所の石炭ボイラーよりの煤煙の流れを示す図である。
【
図2】
図2は、石炭ボイラーより排出する煤煙より二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア等(以下、大気汚染物項と言う)を取り除き、フライアッシュとともに処理をする方法を示す図である(実施例1)。
【
図3】
図3は、キレート薬剤原液を製造する方法を示す図である。
【
図4】
図4は、無機性真砂土、セメント、クリンカアッシュ、吸収材料、キレート薬剤の養生後の混合物を製生することを示す図である。
【
図5】
図5は、石炭ボイラーより排出する煤煙を洗浄吸収液で煤煙より大気汚染物項を洗浄吸収し、大気汚染物項を吸収した洗浄吸収液を海へ戻し処理することを示す図である。(実施例2)
【
図6】
図6は、円筒型羽式回転式スクリューコンベア式洗浄機械の仕組みを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.キレート薬剤
本発明のキレート薬剤は、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及び、ポリオキシエチレントリデシルエーテルを含んでいる。このキレート薬剤は、セメントの固化促進剤として利用できる。キレート薬剤が含まれた固化材料は、例えば、埋め立て土、道路の下地、防草材料等に用いた場合、道路の表面温度が下がるという効果を有する。例えば、この固化材料を防草材料として用いた道路の表面は、夏場において、5~7℃程度下がることが分かった。
さらに、本発明のキレート薬剤は、道路の下地用の場合は、塩化カルシウムを含んでいてもよい。塩化カルシウムは、草をからす役割を担っている。
キレート薬剤は、液体キレート薬剤、又は固化促進材料と言い換えることができる。
【0010】
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩としては、ナフタレンスルホン酸又はその塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物等が挙げられる。
塩としては、ナトリウム(ソーダ)、カリウム、アンモニウム等の塩が挙げられる。
ナフタレンスルホン酸系化合物(以下、「NSF」という場合もある。)又はその塩として具体的には、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物等を用いることができる。ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩は、固体微粒子を水系にて分散させる際に高性能を発揮する界面活性剤であり、耐酸及び耐アルカリ性に優れ、温度変化に対しても安定した物性を保つことができ、セメント分散能力を有する。ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の市販品としては、例えば、セルフロー(登録商標)120(第一工業製薬製)等が挙げられる。
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の含有量は、オキシカルボン酸又はその塩100質量部に対して、通常1~30000質量部、好ましくは10~10000質量部、より好ましくは800~8000質量部である。
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の含有量は、ポリオキシエチレントリデシルエーテル100質量部に対して、通常10~50000質量部、好ましくは1000~20000質量部、より好ましくは5000~15000質量部である。
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の含有量は、キレート薬剤100質量%に対して、通常1~50質量%、好ましくは5~50質量%、より好ましくは10~30質量%である。
塩化カルシウムを含む場合、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の含有量は、塩化カルシウム100質量部に対して、通常1~10000質量部、好ましくは10~2000質量部、より好ましくは100~1000質量部である。
【0011】
オキシカルボン酸又はその塩
オキシカルボン酸又はその塩としては、コンクリート、セメントの分野で用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、乳酸、リンゴ酸等が挙げられる。
塩としては、ナトリウム(ソーダ)、カリウム、アンモニウム等の塩が挙げられる。
オキシカルボン酸という用語は、当該コンクリート及びセメントの分野では通常用いられる用語である。オキシカルボン酸は、減水能力、流動化促進、固化促進能力等を有する。
オキシカルボン酸又はその塩の含有量は、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩100質量部に対して、通常0.01~1000質量部、好ましくは0.1~100質量部、より好ましくは1~10質量部である。
オキシカルボン酸又はその塩の含有量は、ポリオキシエチレントリデシルエーテル100質量部に対して、通常1~5000質量部、好ましくは10~1000質量部、より好ましくは50~500質量部である。
オキシカルボン酸又はその塩の含有量は、キレート薬剤100質量%に対して、通常0.001~15質量%、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.01~5質量%である。
塩化カルシウムを含む場合、オキシカルボン酸又はその塩の含有量は、塩化カルシウム100質量部に対して、通常1~1000質量部、好ましくは0.1~100質量部、より好ましくは1~50質量部である。
【0012】
ポリオキシエチレン系界面活性剤
ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等が挙げられる。ポリオキシエチレントリデシルエーテルは、界面活性効果を有する。
ポリオキシエチレン系界面活性剤の含有量は、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩100質量部に対して、通常0.001~100質量部、好ましくは0.01~10質量部、より好ましくは0.1~5質量部である。
ポリオキシエチレン系界面活性剤の含有量は、オキシカルボン酸又はその塩100質量部に対して、通常0.1~5000質量部、好ましくは1~1000質量部、より好ましくは10~100質量部である。
ポリオキシエチレン系界面活性剤の含有量は、キレート薬剤100質量%に対して、通常0.001~15質量%、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.01~5質量%である。
塩化カルシウムを含む場合、ポリオキシエチレン系界面活性剤の含有量は、塩化カルシウム100質量部に対して、通常1~1000質量部、好ましくは0.1~100質量部、より好ましくは1~50質量部である。
【0013】
塩化カルシウム
塩化カルシウムとしては、特に限定はなく、例えば、粒状、粉状、顆粒状等の固形状の塩化カルシウム等が挙げられる。この塩化カルシウムは、塩化カルシウムのみの純粋な無機物だけでなく、その他の無機成分等の不純物を含むものでもよい。
ここでいう、塩化カルシウムは、車道舗装の下道に固化混合物を使用する時、下道の使用する下より雑草の発生を抑える効果を有する。
塩化カルシウムを含む場合、塩化カルシウムの含有量は、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩100質量部に対して、通常0.01~1000質量部、好ましくは0.1~100質量部、より好ましくは1~50質量部である。
塩化カルシウム剤の含有量は、オキシカルボン酸又はその塩100質量部に対して、通常1~50000質量部、好ましくは10~10000質量部、より好ましくは100~3000質量部である。
塩化カルシウムを含む場合、塩化カルシウムの含有量は、ポリオキシエチレン系界面活性剤100質量部に対して、通常10~10000質量部、好ましくは100~5000質量部、より好ましくは300~3000質量部である。
塩化カルシウムの含有量は、キレート薬剤100質量%に対して、通常0.001~30質量%、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.1~10質量%である。
【0014】
さらに、前記キレート薬剤には、その他の成分を加えることができる。その他の成分としては、例えば、水、有機溶媒(エタノール等)、公知の界面活性剤(アニオン系界面活性材、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤)、増粘剤、賦形剤等が挙げられる。
水を含む場合は、水の含有量としては、特に限定はない。水を含む場合、水は、例えば、キレート剤中に、通常1~99質量%、好ましくは30~90質量%、より好ましくは50~85質量%程度配合することもできる。
【0015】
煤煙
煤煙としては、特に限定はなく、例えば、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、NOx(窒素酸化物)、SОx(硫黄酸化物)等のガス(ガスは、気化物、気体等ということもある。);フライアッシュ、クリンカアッシュ等が含まれている。ここでいう煤煙が発生する施設としては、火力発電所等の大型施設から家庭で使う小規模施設まで特に限定はない。
クリンカアッシュとは、微粉炭を燃焼させた場合に発生する石炭灰のうち、石炭ボイラー(燃焼ボイラ)の底部に落下した塊状の石炭灰をいう。
また、フライアッシュとは、微粉炭を燃焼させた場合に発生する石炭灰のうち、燃焼ガス(排ガス)と共に吹き上げられて、節炭器(C)、空気予熱器(D)、電気集塵器(F)、排気通路(バイパス(J))側に流通する程度の粒径(粒径200μm程度以下)の球状の石炭灰をいう。
【0016】
水を含む燃焼炉生成物吸収剤
燃焼炉生成物吸収剤としては、水を含んでいれば特に限定はない。水としては、水道水、蒸留水等が挙げられる。燃焼炉生成物吸収剤の量としては、特に限定はなく、例えば、1時間あたり、水を1~1000リットル程度噴霧又はシャワー式で煙突又は配管内で、燃焼炉生成物と接触させることができる。例えば、水を過剰(多量)に使用した場合、その水を加熱して、濃縮物にすることができる。
【0017】
食品廃棄物
食品廃棄物としては、特に限定はなく、例えば、コーヒー滓、茶殻、前記コーヒー滓及び茶殻以外の食品粕、農水産廃棄物、汚泥、パルプスラッジ、廃木材、生ゴミ系廃棄物等が挙げられる。
食品粕としては、ビール粕、酢粕、酒粕等が挙げられる。農水産廃棄物としては、麦わら、籾殻、サトウキビ搾り粕、ビート搾り粕、柑橘類搾汁粕、海草屑、魚屑が挙げられる。生ゴミ系廃棄物としては、家庭生ゴミ、一般生ゴミ、残飯等が挙げられる。食品廃棄物は、脱水、乾燥をしているものが好ましく、自然乾燥だけでなく、乾留、加熱処理等強制的に乾燥させたものでもよい。これら食品廃棄物は、再利用が促進されておらず、本発明は、これら食品廃棄物のSDGs(Sustainable Development Goals;持続可能な開発目標)、リユース、リサイクル(再利用)の観点からも、極めて重要な役割を担うものである。食品廃棄物の含有量は、燃焼炉生成物と燃焼炉生成物吸収剤とを含む混合物100質量部に対して、通常5~90質量部、好ましくは10~30質量部である。
【0018】
無機性土
無機性土としては、特に限定はなく、例えば、真砂土(山砂)、赤玉土、鹿沼土等が挙げられる。
【0019】
セメント
セメントとしては、特に限定はなく、例えば、高炉スラグをポルトランドセメントに均一に混合した高炉セメント等、公知のセメントを用いることができる。
【0020】
用途
本発明のキレート薬剤、及び、固形材料は、埋め立て土、道路の下地、防草材料等に用いることができる。道路には、車道、歩道等が含まれる。これら以外にも、舗装材料、ブロック等の土木建築材料等に用いることができる。
【0021】
固形材料の製造方法
本発明の固形材料の製造方法としては、下記の工程(1)~(4)を備えている。
工程(1):
煤煙、フライッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
工程(2):
前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
工程(3):
前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
工程(4):
前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程。
【0022】
本発明の固形材料の製造方法には、さらに、キレート薬剤を混合する工程の後、養生する工程(自然乾燥し固化する工程)、養生後の固形材料(固形物)を製造する工程、固形材料を再利用する工程等を備えていてもよい。ここで、固形材料は、固化材料等と言い換えることができる。
ここで、工程(4)における原料混合物しては、前記工程(3)によって得られる、食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを、均一に混合した煤煙セメント材料混合物を用いることが特徴の1つである。食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとが均一に混合されていることが好ましい。
【0023】
混合物槽312
煤煙Cより気化物を取り除いた洗浄吸収液(海水)311とフライアッシュ320の混合物313は、沈静混合物槽314へ送る。送られてきた混合物313を混合物槽318より選別機械319へ適量の混合物315を送る。
【0024】
選別機械319
選別機械319に送られていた適量の混合物315を選別機械319は、煤煙を洗浄吸収液(海水)311で、煤煙を洗浄吸収した洗浄吸収液(海水)とフライアッシュ320の2つに選別する。
【0025】
再利用
選別機械319で選別した一方のフライアッシュ320は、再利用ができる。フライアッシュ320は、例えば、造粒材、埋め立て材料等に用いることができる。
【0026】
その一方の選別機械319で選別した煤煙Cより洗浄吸収した二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア等を含む混合液物321は、濃度調整槽322へ送る。
【0027】
濃度調整槽322内へは、混合液物321と外部より海水323が送られてくる。
【0028】
濃度調整槽322にて、混合液物321に含まれている二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア等を含む洗浄吸収液(海水)の安全性を図り、外部へ排出処理する。
【0029】
洗浄吸収液
洗浄吸収液は、通常の水、例えば、水道水のような水等である。
石炭ボイラだけでなく、天然ガスボイラの煤煙洗浄吸収し、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア等を取り除く洗浄吸収ができる。
【実施例】
【0030】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0031】
実施例1
実施例1は、
図1に示し、
図1は、既設の石炭発電所の石炭ボイラーよりの煤煙の流れを示す図である。
まず、石炭ボイラーAから発生する煤煙Bは、節炭器Cにより、煙道中の排ガス(煤煙B)から熱を回収し、ボイラーの給水を加熱するボイラー給水の温度(給水量)が高ければ、水蒸気を発生し、熱量が減らすことができる。
また、空気予熱器Dは、熱効率が向上し燃焼が安定し、燃焼室内温度が上昇し、低品位燃料(水分が多い)の燃焼に有効である。
電気集塵器Eは、フライアッシュ等を取り除くものである。節炭器Cと空気予熱器Dとからも、フライアッシュが出てくる。
電気集塵器Eでフライアッシュ等を取り除いた煤煙B′は、煙突Fから外気へ排出している。ここで、石炭ボイラーAから出る煤煙Bに含まれるフライアッシュLが取り除かれた煤煙B′と、取り除かれていないフライアッシュL′は、送りファンKが設けられたバイパスJを介して
図2に示すプラントへ送られる。
【0032】
図1に示す従来の石炭ボイラーA煤煙Bの中のフライアッシュは、節炭器C、空気予熱器D、電気集塵器Eで取り除いたあとの残りの煤煙又はフライアッシュLとして回収している。
【0033】
石炭ボイラーAの底部に溜まるクリンカアッシュGはクリンカホッパHを介してクリンカアッシュ容器Mに集められる。
【0034】
図2に示すプラントにおいては、石炭ボイラーAから出る煤煙Bに含まれるフライアッシュLが取り除かれた煤煙B′に含まれている二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、フライアッシュ等を洗浄吸収液(水)3と吸収材料9(乾燥コーヒーガラ)に吸着させ、次に吸着させた吸収材料9(乾燥コーヒーガラ)とフライアッシュL′と真砂土22とセメント24を混合し、固化混合物を作り再利用する事ができるようになった。
【0035】
図3は、キレート薬剤原液の生成を示す図である。
キレート薬剤原液(キレート薬剤)117は、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、及び塩化カルシウムを含むキレート薬剤の原液である。
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩113は、セメント分散能力を有する。オキシカルボン酸114は減水能力、流動化促進、固化促進能力を有する。ポリオキシエチレントリデシルエーテル115は界面活性効果を有する。また塩化カルシウム112は車道舗装の下道に固化混合物を使用する時、下道の下から雑草の発生を抑える効果を有する。これらに原水111を加え液体混合機械110で混合することにより、キレート薬剤原液117が作られる。液体用混合機械(装置)は、例えば、撹拌機、万能撹拌機(混合機)等を用いる。
【0036】
キレート薬剤は、固形材料(固化混合物)の製造に極めて重要な役割を果たす。車道用道路の下地用に利用するとき、下地の下方より雑草が生えにくくする点で、塩化カルシウムを投入し、所定量の塩化カルシウム、ナフタレンスルホン酸、オキシカルボン酸、及び、ポリオキシエチレントリデシルエーテルを含有するキレート薬剤を用いることができる。また、雑草の生えない下地の時に再利用するときは、塩化カルシウムを含まないで、所定量のナフタレンスルフォン酸、オキシカルボン酸、及び、ポリオキシエチレントリデシルエーテルのみからなるキレート薬剤を用いることができる。
また、水を含む吸収剤(洗浄吸収液3)は、煤煙の中に含まれている二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア等のガスが吸収しやすくなる。洗浄吸収液としては、安価である点で、水又は海水を利用することができる。なお、公知のガス吸収液を用いることもできる。
【0037】
図1、及び
図2において、
図1に示す石炭火力発電機用の石炭ボイラーAから排出される煤煙Bは、節炭器C、空気予熱器D、及び、電気集塵機Eの働きによりフライアッシュLが取り除かれ、取り除かれた煤煙B′は送りファンKによりバイパスJを介して、
図2に示す円筒型羽根式回転式スクリューコンベア式洗浄機械4へ送られる。
【0038】
煤煙B′は円筒型羽根式回転式スクリューコンベア式洗浄機械4において、外部からの原水をポンプ洗浄吸収液(水)槽2に貯められた後の洗浄吸収液(水)3と混合状態となり、煤煙B′に含まれている二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、フライアッシュ等は洗浄吸収液(水)3と攪拌される。円筒型羽根式回転式スクリューコンベア式洗浄機械4から混合物槽5へは混合物6として送られる。
【0039】
混合物槽5から送られた混合物6は、混合槽7へ送られるとともに、この混合槽7へは吸収材料槽8から吸収材料9(乾燥コーヒーガラ)が回転状態で投入される。混合槽7で攪拌混合された混合物10は、混合物沈静槽12へ送られる。
【0040】
混合物沈静槽12に入った混合物10は、混合物沈静槽12内に沈静された混合物と、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア等が取り除かれた綺麗な煤煙11に分けられ、この綺麗な煤煙11は煙突Fから外気へ排出される。
【0041】
混合物沈静槽12内に沈静された沈静済み混合物13は、選別機械14に送られる。沈静済み混合物13は、フライアッシュと吸収材料9(コーヒーガラ)からなる混合物である。また選別機械14は遠心分離機を用いることができ、分離洗浄液15と混合物17に分離される。 分離洗浄液15は洗浄吸収液槽16に溜められた後、外部へ排出される。混合物17は混合物槽18へ送られる。
【0042】
混合物槽18から第一混合機19へは、一定量の定量混合物20が送られる。また第一混合機19へは、無機性真砂土槽21から真砂土22が送られると共に、セメント槽23からセメント24が送られて第一混合機19で混合される。
【0043】
第一混合機19で混合された混合物25は、第二混合機26へ送られる。また第二混合槽26へは、ポンプで送られた外部よりの源水と、キレート薬剤原液槽116から送られたキレート薬剤原液117が、キレート薬剤液槽A27で混合され、混合されたキレート薬剤28がキレート薬剤液槽B29を介して定量キレート薬剤30となって送られる。
【0044】
第二混合機26から送られる混合物31は、混合物の養生場所32にて自然乾燥される。
【0045】
混合物の養生場所32で半固化状態に乾燥した固化混合物33は、固化混合物溜め場所34に移される。
【0046】
ここで
図2におけるキレート薬剤28について、
図3に基づいて説明する。
【0047】
キレート薬剤原液117は他の工場にて生成する。原水111は水道水等を使用し、定量の原水111を液体用混合機械110に投入する。
【0048】
定量の原水111が投入した液体用混合機械110へは、各定量の塩化カルシウム112、ナフタレンスルホン酸(NSF)113、オキシカルボン酸(乳酸)114、ポリオキシエチレントリデシルエーテル115、を投入してよく混合し、キレート薬剤原液117を生成し、キレート薬剤原液槽116へ投入する。また、キレート薬剤原液117状態にすることで保存及び運搬に費用が少なくなる。
【0049】
塩化カルシウム112を入れるのは、養生固化後再利用する時、および車道歩道等の下地に使用する時、下地に使用する土から雑草が生えにくくするためである。下地に使用した部分から雑草が生えにくくする必要がないときには、塩化カルシウムを入れないこともある。
【0050】
キレート薬剤原液117は、無機性土に使用する目的で作成している。
【0051】
図4に基づいて、
図2に示したシステムを実験室レベルで実証確認した結果を説明する。実験室レベルでは(1)無機性真砂土、(2)セメント、(3)クリンカアッシュ、(4)吸収材料、(5)水、(6)キレート薬剤原液を使用し、先ず、(5)水と(6)キレート薬剤原液を(7)混合機で混合した後、(8)混合機に投入し、(8)混合機へは更に(1)無機性真砂土、(2)セメント、(3)クリンカアッシュ、(4)吸収材料を投入し撹拌する。撹拌してできた混合物を(9)養生後の混合物として固化する。(9)養生後の混合物は、固形のグロック状に固まる。
【0052】
図5に基づいて本発明の他の実施例を説明する。
図5は石炭発電所が海の近傍に設置されている場合の例を示すものである。
図5において、石炭火力発電機用の石炭ボイラーから排出される煤煙は、節炭器、空気予熱器、及び、電気集塵機の働きによりフリンカアッシュが取り除かれ(図省略)、取り除かれた煤煙Cは送りファンK308によりバイパスJを介して円筒型羽根式回転式スクリューコンベア式洗浄機械309へ送られる。
【0053】
送られた煤煙Cは、円筒型羽根式回転式スクリューコンベア式洗浄機械309の中で、海よりの海水である洗浄吸収液(海水)311が貯まった洗浄吸収液槽310から送られた洗浄吸収液(海水)311と混合状態となり、煤煙Cに含まれている二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、フライアッシュ等は洗浄吸収液(海水)311と攪拌される。円筒型羽根式回転式スクリューコンベア式洗浄機械309から混合物槽312へは混合物313として送られる。
【0054】
混合物槽312から送られた混合物313は、沈静混合物槽314へ送られる。沈静混合物槽314に入った混合物313は、沈静混合物槽314内に沈静された混合物315と、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア等が取り除かれた綺麗な煤煙316に分けられ、この綺麗な煤煙316は煙突317から外気へ排出される。
【0055】
沈静混合物槽314内に沈静された混合物315は、混合物槽318へ送られる。混合物槽318の混合物315は、選別機械319に送られる。
【0056】
選別機械319に送られた混合物315は、選別機械319で混合物315よりフライアッシュ320と混合物315よりフライアッシュ320を取り除いた混合液物321に二分される。フライアッシュ320は外部へ排出され、選別機械319からの混合液物321は、濃度調整槽322へ送られる。
【0057】
濃度調整槽322へ送られた混合液物321は、外部より送られた海水323と攪拌され、外部(例えば海)に排水しても安全な基準を満足する海水に調整される。
【0058】
濃度が調整された洗浄吸収液(海水)324は、定量排水装置325へ送られる。
【0059】
定量排水装置325から外部へは、濃度が調整された洗浄吸収液(海水)324として排水される。
【0060】
図6に基づいて、円筒型羽根式回転式スクリューコンベア式洗浄機械4の構成を説明する。
投入口から入った洗浄吸収液(水)3と、煤煙B′はコンベアに入る。コンベアは、回転軸の周囲にスクリュー状のフィンが設けられた構成となっている。このコンベアで撹拌された洗浄吸収液(水)3と煤煙B′の混合物6は、出口から出る。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本願発明は、火力発電所から出る煤煙の処理方法として説明したが、大規模な工業プラントや中小企業の工場排気の処理にも利用することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
A 石炭ボイラー
B 煤煙
B′煤煙
H クリンカホッパ
G クリンカアッシュ
C 節炭器
D 空気予熱器
E 電気集塵器
L フライアッシュ
K 送りファン
4 円筒型羽根式回転スクリュー式洗浄機械
2 洗浄吸収液(水)槽
5 混合物槽
6 混合物
7 混合槽
9 吸収材料
12 混合物沈静槽
14 選別機械
18 混合物槽
19 第一混合機
22 真砂土
24 セメント
26 第二混合機
28 キレート薬剤
32 混合物の養生場所
34 固化混合物溜め場所
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、地球温暖化対策に貢献するものであり、火力発電所から排出する煤煙を取り除き、煤煙が固定化された材料の製造方法に用いるための、液体キレート薬剤を提供することを目的とする。
【解決手段】(1)煤煙と、水を含む煤煙吸収剤とを混合し、煤煙混合物を得る工程、
(2)前記煤煙混合物と、コーヒー滓、茶殻等の食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、煤煙セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記煤煙セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、及び塩化カルシウムを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を備える、
煤煙が固定化された材料の製造方法に用いるための、液体キレート薬剤。
【選択図】
図2