(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】見守り装置および見守りプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20230926BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20230926BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230926BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20230926BHJP
H04M 3/53 20060101ALI20230926BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/10 D
G08B25/00 510M
G08B21/02
H04M3/53
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2019020927
(22)【出願日】2019-02-07
【審査請求日】2021-09-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西角 雅史
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 一隆
(72)【発明者】
【氏名】重田 明里
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-156786(JP,A)
【文献】特開2018-005364(JP,A)
【文献】特開2004-133601(JP,A)
【文献】国際公開第2017/026219(WO,A1)
【文献】特開2015-106282(JP,A)
【文献】特開2017-151755(JP,A)
【文献】特開2016-146150(JP,A)
【文献】特開2018-094242(JP,A)
【文献】特開2018-185729(JP,A)
【文献】中国実用新案第204562129(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/033 - G06F 3/039
G06F 3/048 - G06F 3/04895
G06T 1/00
G06T 11/60 - G06T 13/80
G06T 17/05
G06T 19/00 - G06T 19/20
G06V 30/00 - G06V 30/12
G06V 30/18 - G06V 30/222
G06V 30/226 - G06V 30/32
G06V 30/42 - G06V 30/424
G08B 19/00 - G08B 31/00
H03J 9/00 - H03J 9/06
H04M 3/00
H04M 3/16 - H04M 3/20
H04M 3/38 - H04M 3/58
H04M 7/00 - H04M 7/16
H04M 11/00 - H04M 11/10
H04Q 9/00 - H04Q 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と見守り装置とを有する見守りシステムであって、
前記端末は、
ユーザーによる、見守りの対象者に関する連絡帳に記載する連絡事項の入力を受け付ける受付部と、
前記見守り装置と無線により通信するための第1インターフェイスと、
前記受付部により受付けられた前記連絡事項を含む前記連絡帳のデータを、第1インターフェイスにより前記見守り装置へ送信する第1制御部と、を有し、
前記見守り装置は、
所定の撮影領域を撮影する撮影部と、
所定の照射領域にマイクロ波を照射するとともに、反射波を検出することで前記照射領域内の対象者の体動を検出する体動検出部と、
前記端末と無線により通信するための第2インターフェイスと、
ネットワークを介して送信先の装置へデータを送信するルーターと、
前記撮影部により撮影された、前記所定の撮影領域内の前記対象者を含む撮影画像、および前記体動検出部により検出された、前記対象者の前記体動の少なくともいずれかに基づいて、前記対象者の所定のイベントを検出し、かつ前記端末から前記第2インターフェイスにより前記連絡帳のデータを受信するとともに、前記撮影部、前記体動検出部、前記第2インターフェイス、および前記ルーターとともに一体化され、前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータ、ならびに、前記連絡帳のデータを、ルーターによりネットワークを介して前記送信先の装置へ送信する第2制御部と、を有
し、
前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面は、前記連絡事項を共有事項として選択するための選択部を有し、
前記第1制御部は、前記入力画面に前記連絡事項が入力され、かつ前記選択部が選択された状態になった場合に、入力された前記連絡事項を共有事項として、その後の前記端末の起動後に最初に前記端末に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する、見守りシステム。
【請求項2】
端末と、見守り装置とを有する見守りシステムであって、
前記見守り装置は、
所定の撮影領域を撮影する撮影部と、
所定の照射領域にマイクロ波を照射するとともに、反射波を検出することで前記照射領域内の対象者の体動を検出する体動検出部と、
前記端末と無線により通信するための第2インターフェイスと、
前記撮影部により撮影された、前記所定の撮影領域内の前記対象者を含む撮影画像、および前記体動検出部により検出された、前記対象者の前記体動の少なくともいずれかに基づいて、前記対象者の所定のイベントを検出するとともに、前記撮影部、前記体動検出部、および前記第2インターフェイスとともに一体化され、前記撮影部により撮影された前記撮影画像、前記体動検出部により検出された前記対象者の体動、および検出した前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータを、前記第2インターフェイスにより前記端末へ送信する第2制御部と、を有し、
前記端末は、
ユーザーによる、前記対象者に関する連絡帳に記載する連絡事項の入力を受け付ける受付部と、
前記見守り装置との間で無線により通信するための第1インターフェイスと、
ネットワークを介して送信先の装置へデータを送信するルーターと、
前記第1インターフェイスにより前記見守り装置から前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータを受信するとともに、受信した前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータ、ならびに、前記受付部により受付けられた前記連絡事項を含む連絡帳のデータを、ルーターによりネットワークを介して送信先の装置へ送信する第1制御部と、を有
し、
前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面は、前記連絡事項を共有事項として選択するための選択部を有し、
前記第1制御部は、前記入力画面に前記連絡事項が入力され、かつ前記選択部が選択された状態になった場合に、入力された前記連絡事項を共有事項として、その後の前記端末の起動後に最初に前記端末に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する、見守りシステム。
【請求項3】
前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面上でのユーザーの手書きによる線の軌跡を前記連絡事項として受け付け、
前記第1制御部は、前記端末の起動後、最初に前記連絡事項が未記入の前記入力画面を表示させる、
請求項1または2に記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記端末は、カメラをさらに有し、
前記第1制御部は、前記カメラにより撮影された前記対象者の画像を前記連絡事項の一部として挿入する請求項1~3のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項5】
前記第1制御部は、前記連絡帳のデータを、所定のタイミングで前記見守り装置へ送信する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項6】
前記端末は記憶部をさらに有し、
前記第1制御部は、前記受付部により受付けられた前記連絡事項を含む前記連絡帳のデータを、所定のタイミングで前記記憶部に記憶させる、請求項1~
5のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項7】
ユーザーにより、見守りの対象者に関する連絡事項が入力される受付部と、無線により見守り装置と通信するための第1インターフェイスと、を有する端末に実行させるプログラムであって、
前記受付部により前記対象者に関する連絡帳に記載する前記連絡事項の入力を受け付ける手順(a)と、
所定の撮影領域を撮影する撮影部と、所定の照射領域にマイクロ波を照射するとともに、反射波を検出することで前記照射領域内の前記対象者の体動を検出する体動検出部と、無線により前記端末と通信するための第2インターフェイスと、前記撮影部により撮影された撮影画像、前記体動検出部により検出された前記体動の少なくともいずれかに基づいて、前記対象者の所定のイベントを検出する制御部と、ネットワークを介して送信先の装置へ前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータ、ならびに、前記端末から受信された前記連絡帳のデータを、ネットワークを介して送信先の装置へ送信するルーターと、が一体化された前記見守り装置の前記第2インターフェイスと前記第1インターフェイスとの間で無線により通信することで、前記手順(a)において入力が受け付けられた前記連絡事項を含む前記連絡帳のデータを前記見守り装置へ送信する手順(b)と、を有
し、
前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面は、前記連絡事項を共有事項として選択するための選択部を有し、
前記入力画面に前記連絡事項が入力され、かつ前記選択部が選択された状態になった場合に、入力された前記連絡事項を共有事項として、その後の前記端末の起動後に最初に前記端末に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する手順(c)をさらに有する処理を、コンピューターに実行させるための見守りプログラム。
【請求項8】
ユーザーにより、見守りの対象者に関する連絡事項が入力される受付部と、無線により見守り装置と通信するための第1インターフェイスと、ルーターと、を有する端末に実行させるプログラムであって、
前記受付部により前記対象者に関する連絡帳に記載する前記連絡事項の入力を受け付ける手順(a)と、
所定の撮影領域を撮影する撮影部と、所定の照射領域にマイクロ波を照射するとともに、反射波を検出することで前記照射領域内の前記対象者の体動を検出する体動検出部と、無線により前記端末と通信するための第2インターフェイスと、前記撮影部により撮影された撮影画像、前記体動検出部により検出された前記体動の少なくともいずれかに基づいて、前記対象者の所定のイベントを検出する制御部と、が一体化された前記見守り装置の前記第2インターフェイスと前記第1インターフェイスとの間で無線により通信することで、前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータを前記見守り装置から受信する手順(b)と、
前記手順(a)において入力が受け付けられた前記連絡事項を含む前記連絡帳のデータ、ならびに、前記手順(b)において受信された、前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータを、前記ルーターによりネットワークを介して送信先の装置へ送信する手順(c)と、を有
し、
前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面は、前記連絡事項を共有事項として選択するための選択部を有し、
前記入力画面に前記連絡事項が入力され、かつ前記選択部が選択された状態になった場合に、入力された前記連絡事項を共有事項として、その後の前記端末の起動後に最初に前記端末に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する手順(c)をさらに有する処理を、コンピューターに実行させるための見守りプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守り装置および見守りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国は、戦後の高度経済成長に伴う生活水準の向上、衛生環境の改善、および医療水準の向上等により、長寿命化が顕著になっている。このため、出生率の低下と相まって、高齢化率が高い高齢化社会になっている。このような高齢化社会では、病気、怪我、および加齢などにより、介護や支援等のケアを必要とする対象者の増加が想定される。
【0003】
対象者は、自宅、または、病院や老人福祉施設等の施設において、歩行中に転倒したり、ベッドから転落したりして怪我をするおそれがある。そのため、対象者がこのような状態になったときに介護士や看護師等がすぐに駆けつけられるようにするために、対象者の状態を検知し、検知結果をネットワークを介して関係者によりアクセス可能なサーバーへ送信するためのシステムの開発が進められている。
【0004】
このようなシステムに関連し、下記特許文献1には、次の技術が開示されている。見守り対象となる住居者の住居に設置した人感センサーにより検出された人感センサーデータと、居住者が装着している加速度センサーにより検出された加速度センサーデータとを、それぞれアクセスポイントを介して住居内または居室外のサーバーPCへ送信する。そして、サーバーPCにおいて、人感センサーデータから推定した居住者の居場所と、加速度センサーデータから推定した居住者の行動等とに基づいて居住者の転倒等のイベントを判断し、居住者のイベントの情報として保存する。これにより、インターネット等を介してサーバーPCに接続可能な端末から、介護担当者等による居住者のイベントの情報の閲覧等を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
介護等の業務においては、介護士等が、対象者の自宅等に連絡用のノートを置いておき、対象者に関する連絡事項を当該ノートに記載し、かつ記載された連絡事項を確認することで、互いに連絡事項を共有することが一般的に行われる。しかし、この方法では、対象者の自宅等まで行って当該ノートを見た者しか連絡事項を確認できないという問題がある。上記先行技術は、このような問題に対応できない。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。すなわち、対象者に関する連絡事項を、対象者の自宅等以外の場所からでも速やかかつ容易に確認可能な見守りシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0009】
(1)端末と見守り装置とを有する見守りシステムであって、前記端末は、ユーザーによる、見守りの対象者に関する連絡帳に記載する連絡事項の入力を受け付ける受付部と、前記見守り装置と無線により通信するための第1インターフェイスと、前記受付部により受付けられた前記連絡事項を含む前記連絡帳のデータを、第1インターフェイスにより前記見守り装置へ送信する第1制御部と、を有し、前記見守り装置は、所定の撮影領域を撮影する撮影部と、所定の照射領域にマイクロ波を照射するとともに、反射波を検出することで前記照射領域内の対象者の体動を検出する体動検出部と、前記端末と無線により通信するための第2インターフェイスと、ネットワークを介して送信先の装置へデータを送信するルーターと、前記撮影部により撮影された、前記所定の撮影領域内の前記対象者を含む撮影画像、および前記体動検出部により検出された、前記対象者の前記体動の少なくともいずれかに基づいて、前記対象者の所定のイベントを検出し、かつ前記端末から前記第2インターフェイスにより前記連絡帳のデータを受信するとともに、前記撮影部、前記体動検出部、前記第2インターフェイス、および前記ルーターとともに一体化され、前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータ、ならびに、前記連絡帳のデータを、ルーターによりネットワークを介して前記送信先の装置へ送信する第2制御部と、を有し、前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面は、前記連絡事項を共有事項として選択するための選択部を有し、前記第1制御部は、前記入力画面に前記連絡事項が入力され、かつ前記選択部が選択された状態になった場合に、入力された前記連絡事項を共有事項として、その後の前記端末の起動後に最初に前記端末に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する、見守りシステム。
【0010】
(2)端末と、見守り装置とを有する見守りシステムであって、前記見守り装置は、所定の撮影領域を撮影する撮影部と、所定の照射領域にマイクロ波を照射するとともに、反射波を検出することで前記照射領域内の対象者の体動を検出する体動検出部と、前記端末と無線により通信するための第2インターフェイスと、前記撮影部により撮影された、前記所定の撮影領域内の前記対象者を含む撮影画像、および前記体動検出部により検出された、前記対象者の前記体動の少なくともいずれかに基づいて、前記対象者の所定のイベントを検出するとともに、前記撮影部、前記体動検出部、および前記第2インターフェイスとともに一体化され、前記撮影部により撮影された前記撮影画像、前記体動検出部により検出された前記対象者の体動、および検出した前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータを、前記第2インターフェイスにより前記端末へ送信する第2制御部と、を有し、前記端末は、ユーザーによる、前記対象者に関する連絡帳に記載する連絡事項の入力を受け付ける受付部と、前記見守り装置との間で無線により通信するための第1インターフェイスと、ネットワークを介して送信先の装置へデータを送信するルーターと、前記第1インターフェイスにより前記見守り装置から前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータを受信するとともに、受信した前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータ、ならびに、前記受付部により受付けられた前記連絡事項を含む連絡帳のデータを、ルーターによりネットワークを介して送信先の装置へ送信する第1制御部と、を有し、前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面は、前記連絡事項を共有事項として選択するための選択部を有し、前記第1制御部は、前記入力画面に前記連絡事項が入力され、かつ前記選択部が選択された状態になった場合に、入力された前記連絡事項を共有事項として、その後の前記端末の起動後に最初に前記端末に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する、見守りシステム。
【0011】
(3)前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面上でのユーザーの手書きによる線の軌跡を前記連絡事項として受け付け、前記第1制御部は、前記端末の起動後、最初に前記連絡事項が未記入の前記入力画面を表示させる、上記(1)または(2)に記載の見守りシステム。
【0012】
(4)前記端末は、カメラをさらに有し、前記第1制御部は、前記カメラにより撮影された前記対象者の画像を前記連絡事項の一部として挿入する上記(1)~(3)のいずれかに記載の見守りシステム。
【0014】
(5)前記第1制御部は、前記連絡帳のデータを、所定のタイミングで前記見守り装置へ送信する、上記(1)~(4)のいずれかに記載の見守りシステム。
【0015】
(6)前記端末は記憶部をさらに有し、前記第1制御部は、前記受付部により受付けられた前記連絡事項を含む前記連絡帳のデータを、所定のタイミングで前記記憶部に記憶させる、上記(1)~(5)のいずれかに記載の見守りシステム。
【0016】
(7)ユーザーにより、見守りの対象者に関する連絡事項が入力される受付部と、無線により見守り装置と通信するための第1インターフェイスと、を有する端末に実行させるプログラムであって、前記受付部により前記対象者に関する連絡帳に記載する前記連絡事項の入力を受け付ける手順(a)と、所定の撮影領域を撮影する撮影部と、所定の照射領域にマイクロ波を照射するとともに、反射波を検出することで前記照射領域内の前記対象者の体動を検出する体動検出部と、無線により前記端末と通信するための第2インターフェイスと、前記撮影部により撮影された撮影画像、前記体動検出部により検出された前記体動の少なくともいずれかに基づいて、前記対象者の所定のイベントを検出する制御部と、ネットワークを介して送信先の装置へ前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータ、ならびに、前記端末から受信された前記連絡帳のデータを、ネットワークを介して送信先の装置へ送信するルーターと、が一体化された前記見守り装置の前記第2インターフェイスと前記第1インターフェイスとの間で無線により通信することで、前記手順(a)において入力が受け付けられた前記連絡事項を含む前記連絡帳のデータを前記見守り装置へ送信する手順(b)と、を有し、前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面は、前記連絡事項を共有事項として選択するための選択部を有し、前記入力画面に前記連絡事項が入力され、かつ前記選択部が選択された状態になった場合に、入力された前記連絡事項を共有事項として、その後の前記端末の起動後に最初に前記端末に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する手順(c)をさらに有する処理を、コンピューターに実行させるための見守りプログラム。
【0017】
(8)ユーザーにより、見守りの対象者に関する連絡事項が入力される受付部と、無線により見守り装置と通信するための第1インターフェイスと、ルーターと、を有する端末に実行させるプログラムであって、前記受付部により前記対象者に関する連絡帳に記載する前記連絡事項の入力を受け付ける手順(a)と、所定の撮影領域を撮影する撮影部と、所定の照射領域にマイクロ波を照射するとともに、反射波を検出することで前記照射領域内の前記対象者の体動を検出する体動検出部と、無線により前記端末と通信するための第2インターフェイスと、前記撮影部により撮影された撮影画像、前記体動検出部により検出された前記体動の少なくともいずれかに基づいて、前記対象者の所定のイベントを検出する制御部と、が一体化された前記見守り装置の前記第2インターフェイスと前記第1インターフェイスとの間で無線により通信することで、前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータを前記見守り装置から受信する手順(b)と、前記手順(a)において入力が受け付けられた前記連絡事項を含む前記連絡帳のデータ、ならびに、前記手順(b)において受信された、前記撮影画像、前記体動、および前記所定のイベントの少なくともいずれかのデータを、前記ルーターによりネットワークを介して送信先の装置へ送信する手順(c)と、を有し、前記受付部は入力画面を有し、前記入力画面は、前記連絡事項を共有事項として選択するための選択部を有し、前記入力画面に前記連絡事項が入力され、かつ前記選択部が選択された状態になった場合に、入力された前記連絡事項を共有事項として、その後の前記端末の起動後に最初に前記端末に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する手順(c)をさらに有する処理を、コンピューターに実行させるための見守りプログラム。
【発明の効果】
【0018】
対象者の撮影画像を撮影する撮影部や体動を検出する体動検出部が、ルーターとともに一体化された見守り装置へ、端末において入力された連絡事項を含む連絡帳のデータを送信し、ルーターからネットワークを介して送信先の装置へ送信させる。これにより、当該送信先の装置にアクセスすることで、対象者に関する連絡事項を、対象者の自宅等以外の場所からでも速やかかつ容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】対象者の部屋のベッド周辺に設置された検出部の例を示す図である。
【
図3】検出部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】検出部が居室の天井等に設置するための設置部を示す図である。
【
図5】スタッフ端末に表示された伝言板の画面を示す図である。
【
図6】タブレット端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】タブレット端末に表示された連絡帳の入力画面の例を示す図である。
【
図8】タブレット端末に表示された連絡帳の入力画面の他の例を示す図である。
【
図9】サーバーのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図10】サーバーに記憶されたバイタルデータが、スタッフ端末において表示された画面の例を示す図である。
【
図11】サーバーに記憶されたバイタルデータが、スタッフ端末において表示された画面の他の例を示す図である。
【
図12】サーバーに記憶されたバイタルデータが、スタッフ端末において表示された画面のさらに他の例を示す図である。
【
図13】管理者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図14】スタッフ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図15】見守りシステムのネットワーク構成と、ネットワークを通じて送受信されるデータを示す説明図である。
【
図16】タブレット端末の動作を示すフローチャートである。
【
図17】検出部の動作を示すフローチャートである。
【
図18】検出部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図19】タブレット端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図20】検出部の動作を示すフローチャートである。
【
図21】タブレット端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0021】
(第1実施形態)
[全体構成]
図1は見守りシステム1の全体構成を示す図であり、
図2は対象者70の部屋のベッド60周辺に設置された検出部10の例を示す図である。
【0022】
図1に示すように、見守りシステム1は、複数の検出部10、サーバー20、管理者端末30、および1つ以上のスタッフ端末40、および1つ以上のタブレット端末100を備える。検出部10は見守り装置を構成する。タブレット端末100は端末を構成する。検出部10、サーバー20、管理者端末30、およびスタッフ端末40は、有線または無線によって、ネットワーク50を介して、相互に通信可能に接続される。ネットワーク50は、通信信号を中継するリピーター、ブリッジ、ルーターまたはクロスコネクト等の中継機を備えてもよい。
図1に示す例では、スタッフ端末40は、検出部10、サーバー20、および管理者端末30と、アクセスポイント51を含む無線LAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN)を含むネットワーク50によって、相互に通信可能に接続されている。タブレット端末100は、後述するように、例えばWi-Fi(登録商標)により検出部10と相互に無線通信する。
【0023】
対象者70(見守り対象者)は、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする患者、高齢による身体能力の低下等によって介護を必要とする被介護者、一人暮らしの独居者、または病院施設に入院している患者等である。特に、早期発見および早期対処を可能にする観点から、対象者70は、例えば異常状態等の所定の不具合な事象がその者に生じた場合に、その発見を必要としている者であり得る。
【0024】
検出部10は、対象者70の観察領域であるそれぞれの自宅の居室に配置され得る。
図1に示す例では、4つの検出部10が対象者70であるAさん、Bさん、CさんおよびDさんの自宅の居室にそれぞれ配置されている。検出部10の観察領域にはベッド60が含まれている。対象者70に対して、業務に応じて、介護または看護等の対応(例えば、ケア)を行うスタッフ80は、それぞれ携帯端末であるスタッフ端末40を持ち歩いている。
【0025】
管理者端末30は、管理者90用の端末である。管理者90は、例えば、複数のスタッフ80を統括するマネージャーである。
【0026】
見守りシステム1が備える各構成の位置や個数等は、
図1に示す例に限定されない。
【0027】
[検出部10]
図3は、検出部10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4は、検出部10が居室の天井等に設置するための設置部10aを示す図である。
図3に示すように、検出部10は、制御部11、記憶部12、カメラ13、体動センサー14、マイク15、スピーカー16、ルーター17、Wi-Fi(登録商標)インターフェイス18、およびブルートゥース(Bluetooth(登録商標))インターフェイス19を備え、これらはバスによって、相互に接続されている。制御部11は、第2制御部を構成する。カメラ13は撮影部を構成する。体動センサー14は体動検出部を構成する。Wi-Fi(登録商標)インターフェイス18は第2インターフェイスを構成する。
図4に示すように、検出部10は、少なくとも一部が平面になっていることで構成される設置部10aを有し、当該平面が居室の天井と接するように固定配置され得る。設置部10aは、居室の天井に検出部10を固定するためのボルトを通す穴が設けられた止め板を、検出部10の側面等の一部分に固定することにより構成されてもよい。
【0028】
なお、検出部10は、上記構成要素以外の構成要素を含んでもよく、上記構成要素の一部を含まなくてもよい。例えば、検出部10は、温度センサーをさらに含み得る。
【0029】
検出部10の各構成要素は物理的に一体化される。一体化には、一つの筐体に複数の構成要素が配置されることや、一つの基板に複数の構成要素が実装されることや、複数の構成要素の位置が相対的に一定の距離(距離が0の場合も含む)を保って固定されていること等が広く含まれる。
【0030】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)により構成され、プログラムにしたがって検出部10の各部の制御および演算処理を行う。制御部11の具体的な作用については後述する。
【0031】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびHDD(Hard Disk Drive)等を備え、各種プログラムおよび各種データを記憶する。
【0032】
カメラ13は、検出部10が居室の天井、固定されたスタンドの上部、壁の上部等に固定配置されることで、対象者70のベッド60を含む領域を俯瞰可能な位置に配置される。これにより、カメラ13は、所定の撮影領域(観察領域)として対象者70のベッド60を含む領域を撮影し、撮影画像(画像データ)を出力する。以下、カメラ13により撮影された画像を、単に「撮影画像」とも称する。撮影画像には対象者70を含む画像が含まれる。撮影画像には、静止画および動画(映像)が含まれる。カメラ13は近赤外線カメラであるが、これに換えて可視光カメラを用いてもよく、これらを併用してもよい。
【0033】
体動センサー14は、所定の照射領域にマイクロ波を送信し、反射波を受信することにより、対象者70の体動(例えば呼吸動)によって生じたマイクロ波のドップラシフトを体動として検出する。所定の照射領域は、対象者70に対しマイクロ波の照射が可能な領域であり、例えば、ベッド60の一部または全部を含む領域とし得る。体動センサー14により、対象者70の呼吸動作に伴う胸部の体動(胸部の上下動)を検出し、その胸部の体動における周期の乱れや予め設定された閾値以下である胸部の体動における振幅を検知することで、微体動異常を検出する。
【0034】
マイク15は、音声を電気信号に変換して出力する。
【0035】
スピーカー16は、電気信号を音声(音波)に変換して出力する。
【0036】
ルーター17は、撮影画像、体動を含むバイタルデータ、および後述する所定のイベントの少なくともいずれかのデータ(以下、「検出データ等」と称する)に、送信元である自身を特定するためのアドレス(例えば、グローバルIPアドレス)と、送信先であるサーバー20を特定するためのアドレス(例えば、グローバルIPアドレス)とを付加して、ネットワーク50を介してサーバー20へ送信する。さらに、ルーター17は、タブレット端末100から受信される、後述する、対象者700に関する連絡事項を含む連絡帳のデータを、同様に、サーバー20へ送信する。
【0037】
なお、カメラ13からは、撮影画像(画像データ)にカメラ13を特定するためのアドレス(ローカルIPアドレス)が付加されて出力され得る。また、体動センサー14からは、体動(マイクロ波のデータ)に体動センサー14を特定するためのアドレス(ローカルIPアドレス)が付加されて出力され得る。これらの場合、ルーター17は、カメラ13のローカルIPアドレスおよび体動センサー14のローカルIPアドレスをルーター17のグローバルIPアドレス等に統一的に変換(ローカルIPアドレスを削除し、グローバルIPアドレス等を付加)して検出データをサーバー20へ送信する。同様に、タブレット端末100からは、連絡帳のデータにタブレット端末100を特定するためのアドレス(ローカルIPアドレス)が付加されて出力され得る。この場合も、ルーター17は、タブレット端末100のローカルIPアドレスをルーター17のグローバルIPアドレス等に統一的に変換して連絡帳のデータをサーバー20へ送信する。
【0038】
カメラ13や体動センサー14から出力される検出データには、カメラ13や体動センサー14を特定するためのアドレスが付加されなくてもよい。この場合、ルーター17は、検出データにグローバルIPアドレス等を単に付加してサーバー20へ送信する。同様に、タブレット端末100から受信される連絡帳のデータには、タブレット端末100を特定するためのアドレスが付加されなくてもよい。この場合、ルーター17は、連絡帳のデータにグローバルIPアドレス等を単に付加してサーバー20へ送信する。
【0039】
ルーター17には、無線アンテナおよびSIMカード等を用い、無線でデータのやり取りをする無線ルーターと、ケーブル等の差込口を有し、有線でデータのやり取りをする有線ルーターとが含まれる。
【0040】
ルーター17が無線ルーターである場合は、ルーター17は、SIMカードに記憶された、SIMカードの識別番号を基地局へ送信することで、基地局から動的にSIMカードに割り当てられたグローバルIPアドレスを取得して、ルーター17を特定するためのアドレスとして用い得る。ルーター17のグローバルIPアドレスは、予め専用のグローバルIPアドレスとして設定されてもよい。
【0041】
ルーター17が無線ルーターである場合は、ルーター17は、SIMカードに記憶された、SIMカードの識別番号と結び付けられた電話番号を着信先とする電話の音声信号を受信し、スピーカー16へ送信して音声として出力させる。ルーター17は、着信した電話の応答として対象者70等が発した音声がマイク15により変換された電気信号を音声データとしてネットワーク50(具体的には、公衆電話回線53(
図13参照))を介して、着信した電話の発信元の端末(例えば、家族の端末92(
図13参照))へ送信する。なお、ルーター17は、予め着信可能な端末の電話番号が設定されることで、設定された電話番号以外の端末を発信元とする電話の着信を拒否し得る。
【0042】
ルーター17が有線ルーターである場合は、ルーター17は、差込口に差し込まれたケーブル等を介して検出データ等を送信する。この場合は、予め、ルーター17を特定するためのアドレス(例えば、グローバルIPアドレス)がルーター17に設定され得る。また、ルーター17が有線ルーターである場合は、ルーター17は、光信号と電気信号との相互の変換、およびデジタル信号とアナログ信号との相互の変換の少なくともいずれかの変換を行う変換部が一体化されることでさらに含み得る。
【0043】
ルーター17が有線ルーターである場合は、予めルーター17に電話番号が設定され、当該電話番号を着信先とする電話の音声信号を受信し、スピーカー16へ送信して音声として出力させる。ルーター17は、着信した電話の応答として対象者70等が発した音声がマイク15により変換された電気信号を音声データとしてケーブルからネットワーク50(具体的には、公衆電話回線53)を介して、着信した電話の発信元の端末(例えば、家族の端末92)へ送信する。なお、ルーター17は、固定電話に利用される4芯または2芯のモジュラーケーブルの差込口を有し得る。この場合は、電気通信事業者の設備である電話交換機等により、検出部10が設置された対象者70の自宅の電話番号を発信先とする電話の発信元の端末と、当該モジュラーケーブルに接続される電話回線とが接続される。これにより、ルーター17と当該発信元の端末とが接続されて通話可能になる。
【0044】
Wi-Fiインターフェイス18は、Wi-Fiモジュール(半導体チップ)を含み、タブレット端末100、スタッフ端末40、およびPC等と検出部10とをWi-Fi(登録商標)により相互に無線通信可能に接続する。
【0045】
ブルートゥースインターフェイス19は、ブルートゥース用のSoC(System-on-a-Chip)を含み、対象者70のバイタルデータを取得する測定機器(図示せず)と、ブルートゥース(登録商標)により相互に無線通信可能に接続する。
【0046】
制御部11の作用について説明する。
【0047】
制御部11は、カメラ13が撮影した撮影画像から、対象者70の行動を認識する。この認識する行動には、ベッド60から起き上がる「起床」、ベッド60から離れる「離床」、ベッド60から落ちる「転落」、および床面等に転倒する「転倒」が含まれる。
【0048】
制御部11は、複数の撮影画像(動画像)から画像のシルエット(以下、「人シルエット」と称する)を検出する。人シルエットは、例えば、撮影時刻が前後する画像の差分を抽出する時間差分法により差分が相対的に大きい画素の範囲を抽出することで検出され得る。人シルエットは、撮影画像と背景画像との差分を抽出する背景差分法により検出されてもよい。起床、離床、転倒、転落は、検出した人シルエットから対象者70の姿勢(例えば立位、座位および横臥等)、およびベッド60等の居室内の設置物との相対的な位置から検出する。これらの検出は、制御部11のCPUが処理するプログラムにより行ってもよく、組み込み型の処理回路により行うようにしてもよい。また、これに限られずサーバー20側でこれらの認識の全部またはほとんどの処理を行うようにし、制御部11ではサーバー20への撮影画像の送信のみを行うようにしてもよい。制御部11は、いずれかの行動を認識した場合、その行動が発生した旨の通知を、所定のイベントを検出した旨を通知するイベント通知(アラート)として、サーバー20等に送信する。イベント通知には、対象者70の氏名、部屋番号、およびイベントの内容が含まれる。イベント通知により通知される所定のイベントには、体動センサー14により検出される体動に基づいて検出される入眠や微体動異常等が含まれる。制御部11は、ナースコール部(図示せず)のボタンが押されることで出力されるナースコール部から出力されるナースコール信号や、マイク15により電気信号に変換された音声信号に基づいて、ナースコールを検出し得る。このように検出されたナースコールも所定のイベントに含まれ得る。
【0049】
制御部11は、ルーター17により、検出データ等に、送信元である自身を特定するためのアドレスと、送信先であるサーバー20を特定するためのアドレスとを付加して、ネットワーク50を介して、サーバー20へ送信する。
【0050】
制御部11は、最新の所定時間の撮影画像を継続的に記憶部12に記憶させることで、記憶部12の一部をリングバッファとして機能させる。所定時間は、例えば、5分間とし得る。制御部11は、撮影画像に基づいてイベントを検出した場合、リングバッファに記憶された所定時間の撮影画像のうち、イベントを検出した時間の、例えば前後1分間の撮影画像を、当該イベントを通知するイベント通知に含めてサーバー20へ送信し得る。
【0051】
制御部11は、Wi-Fiインターフェイス18により、対象者70の居室ごとに備えられたタブレット端末100から、連絡帳のデータを受信する。制御部11は、受信した連絡帳のデータを、ルーター17により、サーバー20へ送信する。なお、タブレット端末100はPC(personal Computer)等により代替され得る。タブレット端末100については後述する。
【0052】
制御部11は、ブルートゥースインターフェイス19により、対象者70のバイタルデータを取得する測定機器からバイタルデータを受信する。制御部11は、受信したバイタルデータを、検出データ等としてサーバー20へ送信する。
【0053】
制御部11は、予め登録されたメンバーがサーバー20にアクセスすることで閲覧および投稿可能な、検出部10ごとの伝言板のうち、当該制御部11を備える検出部10に関する伝言板に対象者70宛の投稿がされた場合、ルーター17により、当該投稿の内容をサーバー20からネットワーク50を介して受信する。制御部11は、受信した投稿の内容を、例えば、検出部10が備えるプロジェクター(図示せず)により、居室の壁に設けられたスクリーン等に対象者70に視認可能に投影する。
【0054】
図5は、スタッフ端末40に表示された伝言板の画面を示す図である。予めメンバーとして登録されたスタッフ80のスタッフ端末40からサーバー20にアクセスすることで、スタッフ端末40に伝言板の画面を表示できる。
【0055】
図5のAには、サーバー20がイベント通知を検出部10から受信することでイベントが表示された伝言板の画面が示されている。
図6の例においては、Aさんの「起床」のイベント通知をサーバー20が受信したことで、Aさんに関する伝言板のスレッドに「起床」のイベントが表示されている。伝言入力欄には、当該伝言入力欄に投稿された伝言を通知する宛先を選択するためのチェックボックスが表示される。宛先の候補としては、対象者70本人、医療スタッフ、介護スタッフ、家族等の任意のカテゴリーやグループが予め設定され得る。なお、
図5においては、Aさんに対応する検出部10に関連付けて1つの伝言板のスレッドが作成されるものとして説明したが、Aさんに関する各イベントや各投稿に関連付けて伝言板のスレッドが作成されるようにしてもよい。
【0056】
図5のBには、スタッフBおよびスタッフCが、それぞれAさんの伝言板のスレッドにおいて、「起床」のイベントに対応してスタッフ端末40から投稿したときの伝言板の画面が示されている。スタッフBにより投稿された伝言入力欄に表示されたチェックボックスのうち対象者70、介護スタッフ、および家族のチェックボックスには選択のためのチェックが入力されている。このため、当該伝言入力欄に投稿された伝言内容は、上述したように、サーバー20から検出部10のルーター17へ送信され、検出部10が備えるプロジェクターにより、居室の壁に設けられたスクリーン等に投影される。介護スタッフおよび家族の端末に対しては、例えばメール等が送信され、当該メールに、伝言板にアクセスするためのURLが記載されることで、伝言板へのアクセスが誘導され得る。
【0057】
制御部11は、ルーター17により受信した電話の音声信号を、スピーカー16へ送信して音声として出力させる。制御部11は、ルーター17により受信した電話の応答として対象者70等が発した音声がマイク15により変換された電気信号を、音声データとしてルーター17によりネットワーク50を介して、着信した電話の発信元の端末へ送信する。
【0058】
制御部11は、撮影画像の明度を、カメラ13を構成するイメージセンサーの出力に基づいて調整する。制御部11は、撮影画像の明度の調整量に基づいて、カメラ13周辺の明るさを測定することで、就寝時間帯における消灯忘れ等を検出する。制御部11は、消灯忘れ等を検出した場合は、ルーター17により、消灯忘れ等の通知を、ネットワーク50を介してスタッフ端末40等へ送信し得る。
【0059】
制御部11は、検出部10に含まれる温度センサー(図示せず)により対象者70の居室の気温を測定し、測定した気温が所定値以上となった場合、ルーター17により、対象者70が熱中症になる可能性を示唆する通知を、ネットワーク50を介してスタッフ端末40等へ送信し得る。
【0060】
制御部11は、対象者70の居宅の庭を撮影範囲とするカメラ(図示せず)により撮影された庭の映像を、当該カメラからWi-Fiインターフェイス18を介して受信し、検出部10が備えるプロジェクター(図示せず)により、居室の壁に設けられたスクリーン等に対象者70に視認可能に投影する。
【0061】
スタッフ80が行う業務には、医療業務、介護業務を含み得る。ここで、スタッフ80の業務が、対象者70に対する介護業務である場合に、各イベントに関する対応内容について説明する。イベントとして「起床」を判定し、その判定が所定時間内(施設で設定された起床時間(例えば午前7~8時))であれば、モーニングケアを行う。このモーニングケアには、洗顔、歯磨き介助、義歯装着、着替え介助等が含まれる。また、「離床」のイベントであれば、車椅子移乗、歩行介助が必要となる場合がある。また、検出部10が判定したイベント以外の定期的(定時)なイベントとして、飲料、および食事介助、排泄介助、車椅子移乗、歩行介助、体位変換(褥瘡予防)がある。これらの定期的なイベントは、ナースコール部等により、定時になるとアラートを発生させるようにしてもよい。なお、飲料、および食事介助、排泄介助において、対象者70の水分摂取量、排尿量、および排泄量等がスタッフ80により把握され、対応記録に記録されてサーバー20において記憶され得る。対応記録は、スタッフ端末40において入力され、スタッフ端末40からサーバー20へ送信される。
【0062】
[タブレット端末100]
図6は、タブレット端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。タブレット端末100は、制御部101、通信部102、記憶部103、表示部104、入力部105、およびカメラ106を備え、これらはバスにより相互に接続される。タブレット端末100の構成要素のうち検出部10の構成要素と対応するものは、検出部10の構成要素と基本構成が共通するので、重複する説明は省略する。制御部101は第1制御部を構成する。通信部102は第1インターフェイスを構成する。入力部105は制御部101とともに受付部を構成する。
【0063】
通信部102は、例えば、Wi-Fiインターフェイスであり、Wi-Fiモジュールを含み得る。通信部102は、タブレット端末100と検出部10とをWi-Fi(登録商標)により相互に無線通信可能に接続する。
【0064】
記憶部103は、各種プログラムおよび連絡帳のデータを含む各種データを記憶する。
【0065】
表示部104および入力部105は、例えば、タッチパネルであり、液晶等で構成される表示部104の表示面に、入力部105としてのタッチセンサーを重畳させたものである。表示部104および入力部105は、入力画面を表示し、入力画面における各種入力を受け付ける。入力画面は、連絡帳の内容を表示するとともに、連絡帳への連絡事項および記録者の入力を受け付ける画面である。
【0066】
カメラ106は、カラーの撮影画像の撮影が可能な一般的な可視光カメラにより構成され得る。
【0067】
図7はタブレット端末100に表示された連絡帳の入力画面の例を示す図である。
図7のAは、タブレット端末100を起動したときに表示される連絡帳の入力画面を示す図である。
図7のBは、タブレット端末100において、連絡帳の入力画面におけるスタッフ80による記入例を示す図である。
【0068】
図7のAに示すように、タブレット端末100を起動したときは、日時のみが記入された連絡帳の入力画面が初期画面として表示される。
【0069】
図7のBに示すように、スタッフ80は、連絡帳の画面の「記録者」の欄のプルダウンメニューにおいて自分の名前(氏名または名字等)を選択することで、連絡帳に、記録者(記載者)として自分の名前を記入する。なお、「記録者」の欄において名前が選択されたかった場合は、記録者は「その他」として扱われ得る。スタッフ80は、連絡帳の入力画面において、「体温」、「血圧」、および「SPO2」の欄にそれぞれ測定したバイタルデータを入力することで、連絡帳に、連絡事項としてバイタルデータを記入する。スタッフ80は、「カメラ起動」ボタンを選択することでタブレット端末100が備えるカメラ106を起動し、カメラ106で対象者70を撮影することで、対象者70画像を連絡事項の一部として連絡帳に挿入し得る。スタッフ80は、「自由記載」の欄に連絡事項を自由に記載する。
【0070】
図7のBの例においては、「自由記載」の欄に、「体調も良いようで息子さんの話を沢山されていました。スタッフA」と記載されている。「自由記載」の欄への記載は、タッチペンを用いた手書き入力により行い得る。入力部105は、「自由記載」の欄における、スタッフ80等(ユーザー)によるタッチペンを用いた手書きによる線の軌跡を、連絡帳の連絡事項として受け付ける。「自由記載」の欄への記載は、「キーボード入力」ボタンを選択することで表示されるキーボードの画面上でタッチペンによりキー入力してもよい。連絡帳への記載内容である、連絡事項、記録者、および記録時刻は、白抜きの左向き矢印または右向き矢印を選択することで、過去の記載内容に遡り、または現在の記載内容へ向かって、スクロールされて表示される。「記入者」の欄のプルダウンメニューにおいて他人または自分の名前を選択することで、選択された名前のスタッフ80を記録者とする連絡帳の記載内容が画面に表示される。
【0071】
制御部101は、連絡帳のデータを、所定のタイミングで、通信部102により検出部10へ送信する。検出部10へ送信された連絡帳のデータは、検出部10からルーター17を介してサーバー20へ送信され、サーバー20に記憶される。制御部101は、連絡帳のデータを、所定のタイミングで記憶部103に記憶させてもよい。所定のタイミングは、任意に設定でき、例えば、10秒間ごとであり得る。所定のタイミングは、入力画面への入力が10秒間途切れるごとであってもよい。制御部101は、連絡帳のデータを検出部10へ送信した日時、または記憶部103に記憶させた日時を記録時刻として連絡帳に記載し得る。
【0072】
制御部101は、予め設定されたオートパワーオフの時間に達すると、タブレット端末100の電源を切る。オートパワーオフの時間は、任意に設定でき、例えば、スタッフ80の対象者70の自宅への1回の平均滞在時間(例えば、1時間)とし得る。なお、タブレット端末100の電源が切れた後、次にタブレット端末100を起動したときには、前に対象者70の自宅に訪問したスタッフ80により連絡帳に記載された連絡事項等は、サーバー20等に既に記憶されている。従って、前に対象者70の自宅に訪問したスタッフ80により入力画面に記載された連絡事項等は、タブレット端末100の起動後に最初に表示される入力画面には表示させず、
図7のAに示すような、日時のみが記入された連絡帳の入力画面を表示させる。これにより、対象者70の自宅に訪問したスタッフ80は、タブレット端末100を起動させた直後から、入力画面において連絡帳への連絡事項等の記載ができる。すなわち、対象者70の自宅に訪問したスタッフ80がタブレット端末100を起動し、入力画面において連絡帳に連絡事項等を記載した後放置し、次に対象者70の自宅に訪問したスタッフ80がタブレット端末100を起動し、入力画面において連絡帳に連絡事項等を記載した後放置する。このような簡単な操作で、日々連絡帳に記載される連絡事項等をサーバー20に蓄積できる。
【0073】
図8はタブレット端末100に表示された連絡帳の入力画面の他の例を示す図である。
図8の例においては、入力画面に、「所定時間表示」を選択するためのチェックボックスがさらに表示されている。
図8のAは、「自由記載」の欄に連絡事項が記載され、チェックボックスが選択されていない状態の連絡帳の入力画面を示す図である。
図8のBは、
図8のAの状態から、チェックボックスが選択されることで、「所定時間表示」が選択された状態の入力画面を示す図である。
【0074】
図8のAの例においては、「自由記載」の欄に、連絡事項として、「風邪ぎみのようです。スタッフA」と記載されている。「所定時間表示」は選択されていない。この状態でオートパワーオフとなった場合、タブレット端末100の再起動後に最初に表示される入力画面は、
図7のAの例と同様に、日時のみが記入された入力画面となる。
【0075】
図8のBの例においては、「自由記載」の欄に連絡事項が記載された後に「所定時間表示」が選択され、または、「所定時間表示」が選択された状態で「自由記載」の欄に連絡事項が記載されることで、「自由記載」の欄に記載された連絡事項が「共通事項」の欄へ移動している。「自由記載」の欄に連絡事項が記載され、かつ「所定時間表示」が選択された状態になると、「自由記載」の欄に記載された連絡事項が共有事項となり、タブレット端末100の再起動後にも当該連絡事項が「共有事項」の欄に表示される。共有事項とされた連絡事項は、起動の回数にかかわらず所定時間表示される。所定時間は、任意の時間に設定でき、例えば、1週間に設定し得る。
【0076】
なお、
図8のBの例とは異なり、入力画面に「共有事項」の欄を設けず、共有事項として扱われる連絡事項を表示する共有情報画面を、タブレット端末100の起動後に最初に所定時間表示させ得る。所定時間は、任意の時間に設定でき、例えば30秒とし得る。所定時間経過後、共有情報画面から入力画面に切り替わる。
【0077】
[サーバー20]
図9は、サーバー20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0078】
サーバー20は、制御部21、通信部22、および記憶部23を備える。サーバー20は、インターネット等のネットワーク50上に配置された複数のサーバーによって仮想的に構築されるクラウドサーバーであり得る。サーバー20は、遠隔地に設けられてネットワーク50を介して接続可能な単一の専用サーバーであってもよい。各構成要素は、バスによって、相互に通信可能に接続されている。サーバー20の構成要素のうち検出部10の構成要素と対応するものは、検出部10の構成要素と基本構成が共通するので、重複する説明は省略する。
【0079】
サーバー20の上記構成要素は、プログラムに従い、制御部21により制御される。
【0080】
通信部22は、イーサネット(登録商標)等の規格による有線通信のネットワークインターフェースや、IEEE802.11等の規格による無線通信のインターフェイス等であり、ネットワーク50に接続した各端末との通信を行う。記憶部23は、各種プログラムおよび各種データを記憶する。
【0081】
記憶部23は、対象者70に関する情報、および伝言板等のデータを記憶する。対象者70に関する情報には、撮影画像、バイタルデータ、イベント、居室の気温、および連絡帳の内容等が含まれる。
【0082】
サーバー20は、検出部10からイベント通知を受信したときは、各スタッフ端末40へイベント通知を転送等することで、スタッフ80にイベントの発生を報知してイベントへの対応を指示する。
【0083】
サーバー20は、予め登録されたスタッフ80等のユーザーからの要求に応じて、記憶部23に記憶されたデータをスタッフ端末40等へ送信して画面に表示させる。当該データには連絡帳および伝言板のデータが含まれる。
【0084】
図10は、サーバー20に記憶されたバイタルデータが、スタッフ端末40において表示された画面の例を示す図である。
【0085】
図10に示すように、スタッフ端末40には、バイタルの詳細(測定値)と、バイタルごとの最終の更新日時が表示される。なお、「部屋の様子」アイコンを選択することで、画面に、カメラ13による撮影画像が表示される。また「利用者リスト」アイコンを選択することで、プルダウンメニュー等により、バイタルの測定対象である対象者70のリストが、選択可能に表示され、当該プルダウンメニュー等において選択された対象者70のバイタルの詳細と、バイタルごとの最終の更新日時が表示される。
【0086】
図11は、サーバー20に記憶されたバイタルデータが、スタッフ端末40において表示された画面の他の例を示す図である。
【0087】
図11に示すように、スタッフ端末40には、睡眠、覚醒、および不在(居室内に不在)のいずれかの時間帯がグラフにより視認可能に表示される。表示される期間は選択可能であり、例えば任意の1週間とし得る。なお、
図10の例と同様に、「部屋の様子」アイコンと「利用者リスト」のアイコンが表示される。
【0088】
図12は、サーバー20に記憶されたバイタルデータが、スタッフ端末40において表示された画面のさらに他の例を示す図である。
【0089】
図12に示すように、スタッフ端末40には、呼吸数の推移がグラフにより視認可能に表示される。表示される期間は選択可能であり、例えば任意の1週間とし得る。なお、
図10の例と同様に、「部屋の様子」アイコンと「利用者リスト」のアイコンが表示される。
【0090】
[管理者端末30]
図13は、管理者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。管理者端末30は、いわゆるPC(Personal Computer)であり、制御部31、通信部32、記憶部33、表示部34、および入力部35を備え、これらはバスにより相互に接続される。管理者端末30の構成要素のうちサーバー20の構成要素と対応するものは、サーバー20の構成要素と基本構成が共通するので、重複する説明は省略する。
【0091】
表示部34は、例えば液晶ディスプレイであり、各種情報を表示する。
【0092】
入力部35は、キーボード、テンキー、マウス等を備えており、各種情報の入力を行う。
【0093】
管理者端末30は、管理者90により入力部35に入力される指示に従い、記憶部33に記憶された画像等を検出部10へ送信する。当該画像には、薬の服用説明のための映像や、リハビリ説明のための映像が含まれる。
【0094】
管理者端末30は、マイク(図示せず)により取得した管理者90の音声を、ネットワーク50を介して検出部10へ送信し得る。これにより、例えば、薬の服用説明のための映像とともに、管理者90の音声を検出部10へ送信することで、検出部10が備えるプロジェクター(図示せず)により当該映像を投影させながら、音声により薬の服用について、居室内にいる対象者70に説明できる。なお、上述の映像を管理者端末30から検出部10へ予め送信して、検出部10の記憶部12に予め記憶させておき、管理者端末30から、当該映像を再生させるための制御信号を検出部10へ送信することにより、検出部10が備えるプロジェクター(図示せず)により当該映像を投影させてもよい。
【0095】
[スタッフ端末40]
図14は、スタッフ端末40のハードウェア構成を示すブロック図である。スタッフ端末40は、制御部41、無線通信部42、記憶部43、表示部44、入力部45、および音声入出力部46を備え、これらはバスにより相互に接続される。スタッフ端末40の構成要素のうちサーバー20の構成要素と対応するものは、サーバー20の構成要素と基本構成が共通するので、重複する説明は省略する。
【0096】
無線通信部42により、4G、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)等の規格を用いた無線通信が可能であり、アクセスポイント51を経由して、または直接的に各装置と無線通信する。表示部44、および入力部45は、タッチパネルであり、液晶等で構成される表示部44の表示面に、入力部45としてのタッチセンサーを重畳させたものである。表示部44および入力部45によって、スタッフ80に対して、各種指示が表示される。また、表示部44および入力部45によって、イベント通知を表示した操作画面を表示したり、操作画面を通じてイベントへの対応の意思の入力や、介護記録の入力等の各種の操作を受け付けたりする。また、表示部44は、サーバー20に要求することでサーバー20から受信した撮影画像(ライブ映像を含む)を表示する。音声入出力部46は、例えばスピーカーとマイクであり、無線通信部42を介して、他のスタッフ端末40や検出部10との間で音声通話を可能にする。スタッフ端末40は、例えば、タブレット型コンピューター、スマートフォンまたは携帯電話等の、持ち運び可能な通信端末機器によって構成できる。
【0097】
なお、サーバー20、管理者端末30、スタッフ端末40、およびタブレット端末100は、上記の構成要素以外の構成要素を含んでもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部を含まなくてもよい。
【0098】
図15は、見守りシステム1のネットワーク構成と、ネットワーク50を通じて送受信されるデータを示す説明図である。
図15に示すように、ネットワーク50には、インターネット52と公衆電話回線53が含まれる。
【0099】
撮影画像、バイタルデータ、イベント通知(アラート)、および連絡帳等のデータは、各検出部10からインターネット52を介してサーバー20へ送信される。また、これらのデータは、予め登録された、スタッフ端末40、管理者端末30、医師の端末91、および対象者70の家族の端末92の要求に応じて、これらの端末へインターネット52を介して送信される。伝言板のデータは、サーバー20と、スタッフ端末40、管理者端末30、医師の端末91、および家族の端末92との間でインターネット52を介して送受信される。伝言板へ投稿された伝言のうち対象者70宛の伝言は、当該対象者70の居室に配設された検出部10へサーバー20からインターネット52を介して送信される。
【0100】
音声信号は、公衆電話回線53を介して、検出部10と、スタッフ端末40および管理者端末30との間で送受信される。なお、IP電話により、検出部10とスタッフ端末40等との間で通話する場合は、ネットワーク50を介して音声信号が検出部10とスタッフ端末40との間で送受信される。
【0101】
見守りシステム1におけるタブレット端末100の動作について説明する。
【0102】
図16は、タブレット端末100の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、タブレット端末100の記憶部103に記憶されたプログラムに従い、制御部101により実行され得る。
【0103】
制御部101は、入力画面を表示し(S101)、連絡事項および記録者の入力を受け付ける(S102)。
【0104】
制御部101は、所定のタイミングになっていないと判断したときは(S103:NO)、所定のタイミングになるまで待機する。
【0105】
制御部101は、所定のタイミングになったと判断したときは(S103:YES)、連絡事項、記録者、および記録時刻を含む連絡帳のデータを、通信部102により検出部10へ送信する(S104)。
【0106】
見守りシステム1における検出部10の動作について説明する。
【0107】
図17は、検出部10の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、検出部10の記憶部12に記憶されたプログラムに従い、制御部11により実行され得る。
【0108】
制御部11は、撮影画像をカメラ13から取得する(S201)。
【0109】
制御部11は、体動を体動センサー14から取得する(S202)。
【0110】
制御部11は、連絡帳のデータをタブレット端末100からWi-Fiインターフェイス18により受信することで取得する(S203)。
【0111】
制御部11は、撮影画像および体動の少なくともいずれかに基づいて、対象者70の所定のイベントを検出する(S204)。
【0112】
制御部11は、連絡帳のデータおよび検出データ等を、ルーター17により、当該ルーター17を特定するためのアドレスを付加して、インターネット52を介してサーバー20へ送信する(S205)。連絡帳のデータおよび検出データ等は、サーバー20の記憶部23に記憶され、予め登録されたスタッフ80等からの要求に応じて、サーバー20からスタッフ端末40等へ送信して画面に表示される。
【0113】
本実施形態は以下の効果を奏する。
【0114】
対象者の撮影画像を撮影する撮影部や体動を検出する体動検出部が、ルーターとともに一体化された見守り装置へ、端末において入力された連絡事項を含む連絡帳のデータを送信し、ルーターからネットワークを介して送信先の装置へ送信させる。これにより、当該送信先の装置にアクセスすることで、対象者に関する連絡事項を、対象者の自宅等以外の場所からでも速やかかつ容易に確認できる。
【0115】
さらに、端末において入力画面上でのユーザーの手書きによる線の軌跡を連絡事項として受け付けるとともに、その後の端末の起動後、最初に連絡事項が未記入の入力画面を表示させる。これにより、ユーザーは、端末を起動して連絡事項を記載するという単純な作業のみで、連絡帳を作成して関係者と内容を共有できる。
【0116】
さらに、端末に対象者の画像を撮影するためのカメラを設け、カメラにより撮影された対象者の画像を連絡事項の一部として挿入する。これにより、端末を起動してカメラで対象者を撮影するという単純な作業のみで、連絡帳に対象者の写真を含ませることができる。
【0117】
さらに、入力画面に、連絡事項を共有事項として選択するための選択部を設ける。そして、入力画面に連絡事項が入力され、かつ選択部が選択された状態になった場合に、当該連絡事項を共有事項として、その後の端末の起動後に最初に表示される共有事項表示画面に、所定時間表示する。これにより、比較的重要度が高く、共有すべき連絡事項が、端末に、確認のために十分な時間、優先的に表示されることで、容易に注意喚起できる。
【0118】
さらに、連絡帳のデータを、所定のタイミングで見守り装置へ送信する。これにより、ユーザーに、入力画面に入力した連絡事項等を記憶するための作業を強いることなく、容易に連絡帳のデータを蓄積できる。
【0119】
さらに、連絡帳に記憶部を設け、端末で受付けられた連絡事項を含む連絡帳のデータを、所定のタイミングで記憶部に記憶する。これにより、ユーザーに、入力画面に入力した連絡事項等を記憶するための作業を強いることなく、容易に連絡帳のデータを蓄積できる。
【0120】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とで異なる点は以下の点である。第1実施形態は、検出部10の構成要素としてルーター17を含む。そして、検出部10が、タブレット端末100から連絡帳のデータを受信し、検出データ等と、連絡帳のデータとを、ルーター17によりサーバー20へ送信する。一方、本実施形態は、検出部10の構成要素としてルーター17を含めず、タブレット端末100の構成要素としてルーター107(
図18参照)を含める。そして、タブレット端末100が、検出部10から検出データ等を受信し、連絡帳のデータと、検出データ等とを、ルーター107によりサーバー20へ送信する。これ以外の点については、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複する説明は省略または簡略化する。
【0121】
図18は、検出部10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図18に示すように、検出部10は、制御部11、記憶部12、カメラ13、体動センサー14、マイク15、スピーカー16、Wi-Fiインターフェイス18、およびブルートゥースインターフェイス19を備え、これらはバスによって、相互に接続されている。第1実施形態(
図3参照)と異なり、検出部10は、ルーターは構成要素として含まれていない。
【0122】
Wi-Fiインターフェイス18は、タブレット端末100とWi-Fi(登録商標)により相互に無線通信可能に接続され、タブレット端末100へ検出データ等を送信する。
【0123】
図19は、タブレット端末100のハードウェア構成を示すブロック図である。タブレット端末100は、制御部101、通信部102、記憶部103、表示部104、入力部105、カメラ106、およびルーター107を備え、これらはバスにより相互に接続される。
【0124】
通信部102は、Wi-Fiインターフェイスであり、Wi-Fiモジュールを含み得る。通信部102は、タブレット端末100と検出部10のWi-Fiインターフェイス18とをWi-Fi(登録商標)により相互に無線通信可能に接続する。通信部102は、検出部10から検出データ等を受信する。
【0125】
記憶部103は、各種プログラム、ならびに連絡帳のデータおよび検出データ等を含む各種データを記憶する。
【0126】
ルーター107は、連絡帳のデータおよび検出データ等に、送信元である自身を特定するためのアドレス(例えば、グローバルIPアドレス)と、送信先であるサーバー20を特定するためのアドレス(例えば、グローバルIPアドレス)とを付加して、ネットワーク50を介してサーバー20へ送信する。
【0127】
見守りシステム1における検出部10の動作について説明する。
【0128】
図20は、検出部10の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、検出部10の記憶部12に記憶されたプログラムに従い、制御部11により実行され得る。
【0129】
制御部11は、撮影画像をカメラ13から取得する(S301)。
【0130】
制御部11は、体動を体動センサー14から取得する(S302)。
【0131】
制御部11は、撮影画像および体動の少なくともいずれかに基づいて、対象者70の所定のイベントを検出する(S303)。
【0132】
制御部11は、検出データ等を、Wi-Fiインターフェイス18により、タブレット端末100へ送信する(S304)。
【0133】
見守りシステム1におけるタブレット端末100の動作について説明する。
【0134】
図21は、タブレット端末100の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、タブレット端末100の記憶部103に記憶されたプログラムに従い、制御部101により実行され得る。
【0135】
制御部101は、入力画面を表示し(S401)、連絡事項および記録者の入力を受け付ける(S402)。
【0136】
制御部101は、所定のタイミングになっていないと判断したときは(S403:NO)、所定のタイミングになるまで待機する。
【0137】
制御部101は、所定のタイミングになったと判断したときは(S403:YES)、連絡事項、記録者、および記録時刻を含む連絡帳のデータを、ルーター107によりサーバー20へ送信する。連絡帳のデータは、サーバー20の記憶部23に記憶され、予め登録されたスタッフ80等からの要求に応じて、サーバー20からスタッフ端末40等へ送信されて画面に表示される。
【0138】
制御部101は、検出部10から通信部102により検出データ等を受信する(S405)。
【0139】
制御部101は、受信した検出データ等を、ルーター107によりサーバー20へ送信する。検出データ等は、サーバー20の記憶部23に記憶され、予め登録されたスタッフ80等からの要求に応じて、サーバー20からスタッフ端末40等へ送信されて画面に表示される。
【0140】
本実施形態は以下の効果を奏する。
【0141】
対象者の撮影画像を撮影する撮影部や体動を検出する体動検出部が、ルーターとともに一体化された見守り装置から端末へ送信された検出データと、端末において入力された連絡事項を含む連絡帳のデータとを、端末が備えるルーターからネットワークを介して送信先の装置へ送信する。これにより、当該送信先の装置にアクセスすることで、検出データと、対象者に関する連絡事項とを、対象者の自宅等以外の場所からでも速やかかつ容易に確認できる。
【0142】
以上に説明した見守りシステムの構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。また、一般的な見守りシステムが備える構成を排除するものではない。
【0143】
例えば、第2実施形態において、タブレット端末100は、通信部102を構成要素として含まなくてもよい。この場合、タブレット端末100は、検出部10から検出データ等を受信せず、連絡帳のデータのみをルーター107によりサーバー20へ送信する。
【0144】
また、検出部10が有する一部の機能を、サーバー20、管理者端末30、スタッフ端末40、またはタブレット端末100が備えるようにしてもよい。
【0145】
また、検出部10、サーバー20、管理者端末30、スタッフ端末40、およびタブレット端末100は、それぞれ複数の装置により構成されてもよく、いずれか複数の装置が単一の装置として構成されてもよい。
【0146】
また、上述したフローチャートは、一部のステップを省略してもよく、他のステップが追加されてもよい。各ステップの一部は同時に実行されてもよく、一つのステップが複数のステップに分割されて実行されてもよい。各ステップは実行順を変えて実行されてもよい。
【0147】
また、上述した実施形態に係る見守りシステム1における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能としてその検出部等の装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0148】
1 見守りシステム、
10 検出部、
10a 設置部、
11 制御部、
12 記憶部、
13 カメラ、
14 体動センサー、
15 マイク、
16 スピーカー、
17 ルーター、
18 Wi-Fiインターフェイス、
19 ブルートゥースインターフェイス、
20 サーバー、
30 管理者端末、
40 スタッフ端末、
50 ネットワーク、
51 インターネット、
52 公衆電話回線、
100 タブレット端末、
101 制御部、
102 通信部、
103 記憶部、
104 表示部、
105 入力部、
106 カメラ、
107 ルーター。