IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋インキSCホールディングス株式会社の特許一覧

特許7354577熱電変換部材、熱電変換素子および熱電変換デバイス
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】熱電変換部材、熱電変換素子および熱電変換デバイス
(51)【国際特許分類】
   H10N 10/13 20230101AFI20230926BHJP
   H10N 10/856 20230101ALI20230926BHJP
【FI】
H10N10/13
H10N10/856
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019082029
(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公開番号】P2020181845
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩田 貫
(72)【発明者】
【氏名】坂口 香織
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-166079(JP,A)
【文献】特開2016-092027(JP,A)
【文献】特開2014-232831(JP,A)
【文献】特開2017-214527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 10/13
H10N 10/856
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電変換層の少なくとも片方の面に基材を有する熱電変換部材であり、前記基材が、樹脂と、熱伝導率10W/m・K以上かつ放射率0.2以上である絶縁性粒子とを含んでなり、前記基材が、-40℃以上25℃未満の範囲における弾性率が10GPa以下であり、25℃以上200℃未満の範囲における弾性率が1GPa以下であることを特徴とする、熱電変換部材。
【請求項2】
前記熱電変換層が、有機熱電変換材料を含有することを特徴とする請求項1記載の熱電変換部材。
【請求項3】
請求項1または2記載の熱電変換部材と、電極とが電気的に接続されている熱電変換素子。
【請求項4】
請求項記載の熱電変換素子を具備してなる温度センサ。
【請求項5】
請求項記載の熱電変換素子を具備してなる熱電発電デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率良く熱源から熱電変換材料に熱を伝えると同時に素子外部に効率的に熱を逃がすことで熱電変換に必要な温度差を維持することが可能であり、柔軟性を有し熱源へのフィット性にも優れる、熱電変換部材、熱電変換素子、及び熱電変換デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
熱電変換材料を用いて熱を電気に変換する熱電変換技術は、自然界における様々な熱に加え、工場・車・家庭から排出される排熱や体温等の微小熱エネルギーを電気として有効活用できるクリーンエネルギーとして注目されている。熱電効果の一つとしては、熱電変換材料に2つの異なる温度を与えた際、その温度差により熱電変換材料内に生じた電子勾配により起電力が発生するゼーベック効果を活用したシステムが主流であるが、そのほか、異常ネルンスト効果や焦電効果を用いたシステムなど開発が進められている。
【0003】
近年では、電池交換が困難な用途での電力源としても注目され、IoT分野におけるセンサ用自立電源としてのニーズも高まっているほか、得られた起電圧を温度情報として活用するセンサ材料としても活用が進んでいる。実用化にあたっては、様々な使用環境に適用できるフレキシブル性、大面積化に加え、熱電変換効率の向上が課題となっている。変換効率向上には、材料開発だけでなく、熱源からの熱の取出し効率向上や温度差の維持が重要となる。
【0004】
例えば、特許文献1には、熱電変換層がセラミックと黒鉛粒子とを含む熱伝導シートと、中空シリカを含む断熱シートの一方の面に形成された熱電変換デバイスが開示されている。熱伝導シートは熱電変換層に熱源からの熱を効率良く伝える目的で熱電変換層の両面に配置され、断熱シートは熱電変換層と外気とを遮断し、熱伝導層内に熱を溜める目的で熱伝導層を取り囲むように配置されていることで熱電変換効率を向上させている。
【0005】
特許文献2には、両面に電極を配した熱電変換層がフレキシブル基板の上に設けられた熱電モジュールが記載されており、フレキシブル基板の熱電変換層と反対側の面に熱電変換層側に凹に反った応力緩和層を取り付けることで配管等に貼り付けた際の密着性を高めている。
【0006】
特許文献3には、P型熱電素子とN型熱電素子とが交互に隣接してフレキシブル基材上に配置された熱電変換モジュールが示されている。ここでは、フレキシブル基板の熱電変換素子と反対側の面側の一部に、銅やステンレスからなる高熱伝導層を設けることで熱源からの熱の取り入れ効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-166079号公報
【文献】特開2015-92557号公報
【文献】国際公開第2018/139475号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の発明での実施の形態は、熱伝導層および放熱層に黒鉛とアルミナを含むため、十分な絶縁性が得られず、熱電変換材料内の温度勾配で発生した電位差を電気として取り出す際、電流の損失に繋がる恐れがあるほか、断熱シートが熱電変換層を取り囲むように配置された場合に素子の内部に熱がこもり、長時間温度差を保つことが難しい課題があった。
【0009】
特許文献2では、モジュール全体が熱電変換素子側に反っているため、使用場所が配管のように曲面になっている場合など、使われる限定されるほか、熱電変換素子の放熱側にフレキシブル基板と応力緩和層を有するため、効率良く熱をモジュール外に逃がすことができず熱電変換素子内に熱がたまって温度差が小さくなり、変換効率が下がる恐れがある。また、フレキシブル基板と応力緩和層とが2層になっているため、モジュールを形成する際にも工程が煩雑であった。
【0010】
特許文献3においては、フレキシブル基板と高熱伝導層とが複数の層に分かれているため、素子を作成する際のプロセスが煩雑になる。また、金属を高熱伝導層として使用しているため、素子全体が重くなるほか、十分なフレキシブル性が得られず、特に表面に凹凸があるような場合において熱源から効率良く熱電変換素子に熱を伝えることが難しかった。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、熱エネルギーをロス(損失)することなく熱電変換層に伝えることができ、かつ、熱電変換層に生じる温度勾配を保ち、熱電変換性能を長時間にわたって維持することが可能な熱電変換部材、熱電変換素子及び熱電変換デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の実施態様は、熱電変換層の少なくとも片方の面に基材を有する熱電変換部材であり、上記基材が、樹脂と、熱伝導率10W/m・K以上かつ放射率0.2以上である絶縁性粒子とを含んでなることを特徴とする熱電変換部材である。
【0013】
また、本発明の実施態様は、上記基材が、-40℃以上25℃未満の範囲における弾性率が10GPa以下であり、25℃以上200℃未満の範囲における弾性率が1GPa以下であることを特徴とする上記熱電変換部材である。
【0014】
また、本発明の実施態様は、上記熱電変換層が、有機熱電変換材料を含有することを特徴とする上記熱電変換部材である。
【0015】
また、本発明の実施態様は、上記熱電変換部材と、電極とが電気的に接続されている熱電変換素子である。
【0016】
また、本発明の実施態様は、上記熱電変換素子を具備してなる温度センサである。
【0017】
また、本発明の実施態様は、上記熱電変換素子を具備してなる熱電発電デバイスである。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、低弾性であることから熱源への密着性が良く、凹凸のある熱源であっても熱エネルギーを効率的に熱電変換層に伝えることができ、更に、熱電変換部材から熱を大気中に速やかに逃がし、長時間にわたり熱電変換性能を維持することが可能な熱電変換部材及び、熱電変換デバイスを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<熱電変換部材>
本発明の熱電変換部材は、熱電変換層の少なくとも片方の面に基材を有する熱電変換部材であり、前記基材が、樹脂と、熱伝導率10W/m・K以上かつ放射率0.2以上である絶縁性粒子とを含んでなることを特徴とする。
【0020】
<熱電変換層>
熱電変換層は、ゼーベック効果を発現し、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する能力を有するものを指す。熱電変換層は、一般に熱電変換材料を含む。
【0021】
熱電変換層の厚さは、特に限定されるものではないが、後述するように、熱電変換層の厚さ方向又は面方向に温度差を生じ、かつ伝達できるように、一定以上の厚みを有するように形成されることが好ましい。一実施形態において、熱電特性の点から、熱電変換層の厚さは、0.1~200μmの範囲が好ましく、1~100μmの範囲が好ましく、1~50μmの範囲がさらに好ましい。
【0022】
熱電変換層は、基材上に熱電変換材料を塗布して得られる膜であってよい。熱電変換材料は優れた成形性を有するため、塗布法によって良好な膜を得ることが容易である。熱電変換膜の形成には、特に制限はないが、主に湿式製膜法が用いられる。具体的には、スピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、ロールコート法、カーテンコート法、バーコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷等の各種手段を用いた方法が挙げられる。塗布する厚み、及び材料の粘度等に応じて、上記方法から適宜選択することができる。
【0023】
(熱電変換材料)
熱電変換材料は、無機熱電変換材料および有機熱電変換材料に大別されるが、使用温度領域や用途に応じて適宜選択することができる。熱電変換材料は、単独で用いても良く、また複数の熱電変換材料を組み合わせて用いても良い。
【0024】
(無機熱電変換材料)
無機熱電変換材料としては、特に限定されないが、例えば、Bi-Te化合物、Pb-Te化合物、Sb-Te化合物等のテルル系化合物;Co-Sb化合物、Fe-Sb化合物、Zn-Sb化合物、スクッテルダイト化合物等のアンチモン系化合物;Fe-Si化合物、Ge-Si化合物、Mn-Si化合物、Mg-Si化合物等のシリコン系化合物;六ホウ化物等のホウ素化合物、クラスレート化合物等のガリウム系化合物;ホイスラー化合物、Alクラスレート化合物等のアルミニウム系化合物;ハーフホイスラー金属間化合物等の錫系・希土類系化合物;Co酸化物、Ti酸化物、V酸化物、Zn酸化物等の金属酸化物系;等が挙げられる。
上記無機熱電変換材料は、不純物を加えて、極性(p型、n型)や導電率を制御して利用しても良い。
【0025】
(有機熱電変換材料)
有機熱電変換材料としては、特に制限されないが、例えば、カーボンナノチューブやフラーレン等の炭素材料、有機低分子材料、有機導電性高分子を含む有機導電性材料、高分子複合材料等の有機熱電変換材料、及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0026】
有機導電性材料としては、例えば、チオフェン及びその誘導体を骨格に持つポリマー、フェニレンビニレン及びその誘導体を骨格に持つポリマー、アニリン及びその誘導体を骨格に持つポリマー、ピロール及びその誘導体を骨格に持つポリマー、ヘプタジエン及びその誘導体を骨格に持つポリマー、フタロシアニン類及びそれらの誘導体、ジアミン類、フェニルジアミン類及びそれらの誘導体、ペンタセン及びそれらの誘導体、ポルフィリン及びそれらの誘導体、シアニン、キノン、ナフトキノンなどの低分子材料を用いることができる。製造性ならびに大気下での安定性、また電荷移動度等の観点から、ポリチオフェン及びその誘導体や炭素材料が特に有利に使用できる。
【0027】
炭素材料としては、例えば、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェンナノプレート及びグラフェン等を用いることができる。ゼーベック係数と導電率との両立を考慮すると、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェンナノプレート及びグラフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、より好ましくはカーボンナノチューブであり、特に好ましくは単層ナノチューブである。これらの炭素材料は、必要に応じて置換基を導入して変性したり、電荷移動を促進し得る化合物を共存させて使用したりすることもできる。
【0028】
中でも、大面積用途やフレキシブル用途に用いる場合には、フレキシブル性及び製造容易性の観点から、印刷や塗布が可能であることが好ましく、有機熱電変換材料が好ましく用いられる。
【0029】
(その他成分)
熱電変換層は、その特性を向上させる観点から、必要に応じて、その他成分を含んでよい。例えば、以下に例示する助剤を添加することによって、塗工性、導電性及び熱電特性のさらなる向上が可能となる。
【0030】
(溶剤)
溶剤は、熱電変換材料の分散媒として使用され、インキ化による塗工性向上が可能とする。使用できる溶剤としては、熱電変換材料を溶解又は分散できれば特に限定されず、有機溶剤や水を挙げることができ、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1、3-ブチレングリコール、イソボルニルシクロヘキサノール、N-メチルピロリドン等から、必要に応じて適宜選択することができる。
熱電変換材料を分散する溶剤としては、N-メチルピロリドンが特に好ましい。
【0031】
(樹脂)
本発明の熱電変換材料は、成膜性や膜強度の調整等を目的として、導電性及び熱電特性に影響しない範囲で、樹脂を含んでもよい。樹脂は、熱電変換材料の各成分に相溶又は混合分散するものであればよく、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれを用いても良い。使用可能な樹脂の具体例として、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、及びこれらの共重合樹脂等が挙げられる。
【0032】
<基材>
本発明で用いられる基材は、樹脂と、熱伝導率10W/m・K以上かつ放射率0.2以上である絶縁性粒子とを含むことを特徴とする。
【0033】
(絶縁性粒子)
本発明で用いられる絶縁性粒子は、熱伝導率10W/m・K以上かつ放射率0.2以上である粒子である。ここで、熱伝導率(W/m・K)とは、熱伝導による物質内の熱の移動のしやすさを示す指標であり、熱抵抗から逆算することもできるが、例えば、絶縁性粒子中を熱が伝導する速度を表す熱拡散率(mm2/s)に、絶縁性粒子の比熱容量(J/(g・K))と密度(g/cm3)とを乗じた下記式(1)で求めることができる。

熱伝導率(W/m・K)=熱拡散率(mm2/s)×比熱容量(J/(g・K))×密度(g/cm3)・・・式(1)
【0034】
熱拡散率の測定は、絶縁性粒子の形状等に応じて、例えば、周期加熱法、ホットディスク法、温度波分析法、またはフラッシュ法等を選択することができ、例えば、フラッシュ法であれば、キセノンフラッシュアナライザLFA447 NanoFlash(NETZSCH社製)を用いて熱拡散率を測定することができる。
【0035】
絶縁性粒子の熱伝導率は、10W/m・K以上である。好ましくは10~300W/m・Kであり、更に好ましくは20~250W/m・Kである。
【0036】
放射率とは、物体が熱放射で放出する光のエネルギーを、同温の黒体が放出する光のエネルギーを1としたときの比であり、0~1の値を取り、その値が大きいほど熱放射によって放出されるエネルギーが多くなる。放射率の測定方法は特に制限はなく、日本工業規格JIS Z8117に準拠した方法で測定することができる。
【0037】
絶縁性粒子の放射率は、基材としての放熱性を考慮すると0.2以上である。熱伝導性と放熱性のバランスの観点から、より好ましくは0.2~0.95であり、更に好ましくは0.3~0.95である。
【0038】
基材が絶縁性粒子を含有することによって、基材の絶縁性が高まり、熱電変換層と基材とが接した際に、熱電変換層内の電荷移動の阻害とならず、電気の取出し効率を高めることができる。特に基材中に熱伝導率10W/m・K以上かつ放射率0.2以上の絶縁性粒子を含むことで、熱源と基材が接する部分においては、熱源の熱を速やかに熱電変換層の高温部に伝えることができ、更に、基材と大気とが接する部分においては、熱電変換層の低温側から熱を効率よく大気中に逃がすことができるため、ヒートシンク等の冷却機構を配置することなく、熱電変換層の高温側と低温側の温度差を維持することが可能となり、高い熱電変換能を長時間にわたり発現することができる。
【0039】
前記、熱伝導率10W/m・K以上かつ放射率0.2以上の絶縁性粒子は、前記性能を満たすものであれば特に制限はないが、例えば、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム等が挙げられる。中でも熱伝導率と放射率の観点から、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が好適に用いられる。これらは一次粒子として単独に存在するものであっても、一次粒子が集合した造粒体または凝集体であっても良い。絶縁性粒子は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。
【0040】
絶縁性粒子の平均一次粒子径は特に制限されず、基材の厚さに応じて適宜選択することができるが、熱伝導性および塗液中の分散性等の観点から、好ましくは1~100μm、より好ましくは5~100μm、特に好ましくは5~50μmである。
【0041】
前記、基材中の絶縁性粒子の含有量は特に制限されるものではないが、熱伝導性や熱放射性を考慮すると、基材中40vol(体積)%以上含むことが好ましく、更に好ましくは50vol%以上である。
【0042】
<樹脂>
本発明の基材に用いられる樹脂は、特に制限されないが、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、スチレン樹脂、ニトロセルロース、ベンジルセルロース、セルロース(トリ)アセテート、カゼイン、シェラック、ギルソナイト、ゼラチン、スチレン-無水マレイン酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン、ロジンエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルニトロセルロース等のセルロース系樹脂、エチレン/ビニルアルコール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ポリオレフィン樹脂、変性塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリウレタン樹脂等が挙げられる。樹脂は1種または2種以上を用いることもできる。
【0043】
上記の中でも、柔軟性の観点からポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂が好適に用いられる。
【0044】
樹脂としては、樹脂自体が硬化するか、もしくは適当な硬化剤との反応により硬化するものを用いても良い。このような形態を取ることにより、基材の耐久性を向上させることができるほか、基材に接着機能を持たせることができるため、熱電変換部材を熱源に直接貼付することも可能となる。
【0045】
樹脂に反応性基としてカルボキシル基、アミノ基、フェノール性水酸基等を有する場合、これと反応し得る硬化剤を含んでも良い。硬化剤としては、2官能以上の、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、金属キレート、金属アルコキシド、金属アシレート等が挙げられる。
【0046】
上記基材は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、更に難燃剤、充填剤、およびその他各種添加剤を含むことができる。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、およびリン酸化合物等が挙げられる。他の添加剤としては、例えば、基材密着性を高めるためのカップリング剤、吸湿時または高温時の信頼性を高めるためのイオン捕捉剤及び酸化防止剤、レベリング剤等が挙げられる。
【0047】
上記基材は、例えば、以下のような方法で得ることができる。
絶縁性粒子、樹脂、溶剤、及び必要に応じて他の任意成分を含有する塗液(熱電変換層形成用塗料)を調製し、これを剥離性シート上に塗工した後、溶剤を揮発乾燥させることで、剥離性シート付きの基材を得ることができる。なお、剥離性シートは基材を使用する際に剥離される。
【0048】
塗液は、絶縁性粒子、樹脂、溶剤、及び必要に応じて他の任意成分を撹拌混合することで製造することができる。撹拌混合機としては特に限定されず、例えば、ディスパー、ミキサー、混練機、スキャンデックス、ペイントコンディショナー、サンドミル、らいかい機、メディアレス分散機、三本ロール、およびビーズミル等が挙げられる。撹拌混合機は、塗液から気泡を除去するために、脱泡工程を実施することが好ましい。脱泡方法としては特に制限されず、例えば、真空脱泡および超音波脱泡等が挙げられる。
【0049】
剥離性シートとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムの表面に離型処理したもの等が挙げられる。
【0050】
剥離性シートへの塗液の塗工方法としては特に限定されず、例えば、ナイフコート、ブレードコート、コンマコート、ダイコート、リップコート、ロールコート、カーテンコート、バーコート、グラビアコート、フレキソコート、ディップコート、スプレーコート、スクリーンコート、スピンコート、ディスペンサーを用いる方法、及びインクジェット印刷等が挙げられる。
【0051】
上記方法にて得られる複数種の単層構造の基材を重ね、完全硬化しない温度で加圧することで、絶縁性粒子の種類および/または濃度、および/または、樹脂の種類および/または濃度が厚み方向に変化した積層構造の基材を得ることも可能である。
【0052】
基材の厚さは特に制限されず、適宜決定することができるが、ハンドリング性、フレキシブル性等の観点から、例えば、10~300μm、好ましくは30~200μmの範囲で好適に用いられる。但し、用いられる形態によっては、300μm以上、場合によっては1mm程度の厚さとすることもできる。
【0053】
基材は、-40℃以上25℃未満の範囲における弾性率が10GPa以下であることが好ましく、25℃以上200℃未満の範囲における弾性率が1GPa以下であることが好ましい。弾性率の下限値は、-40℃以上25℃未満、25℃以上200℃未満の範囲を通じて0.1MPa以上であることが好ましい。
【0054】
基材の弾性率が上記範囲であることにより、十分な柔軟性を有し、様々な形の熱源に密着することができるほか、熱による熱源の膨張や収縮から生じるひずみや応力を緩和することが可能となり、部材としての耐久性も向上する。また、基材の弾性率が上記範囲であることで、表面に凹凸があるような熱電であっても熱源表面の形状に追従することが可能となり、熱源と熱電変換部材との間に断熱層となる隙間を作ることなく密着できるため、熱エネルギーをロスなく熱電変換層に伝え、また、熱電変換層からの熱を効率良く大気中に逃がすことが可能となる。
【0055】
本明細書における弾性率は、JIS-K7161:1994に準拠した数値であり、例えば、オリエンテック社製テンシロンRTE-1210を用いて測定することができる。
【0056】
<熱電変換素子>
本発明の熱電変換素子とは、本発明の熱電変換部材と、電極とが電気的に接続されているものを指す。ここで、「電気的に接続する」とは、互いに接合しているか、または、ワイヤ等の他の構成部材を介して通電できる状態であることを意味する。
熱電変換部材の少なくとも片方の面に基材を有し、熱源と接し熱を受け取る高温側と、熱源と接していない低温側において、熱電変換部材と電極とが電気的に接続され、熱電変換部材の高温側と低温側とが電気的に接続されることで、熱電変換部材内で生じた温度差を起電力として取り出すことができる。
【0057】
熱電変換部材の両面など、基材を複数有する場合、基材は同一のものを用いても良く、また厚みや組成、材質等の異なるものを組み合わせて使用することもできる。
【0058】
電極の材料は、炭素材料、金属、合金、及び半導体から選択することができる。導電率が高いこと、熱電変換変換材料との接触抵抗が低いことから、金属及び合金が好ましい。金属及び合金の種類は特に制限されないが、例えば、金、銀、白金、銅、ニッケル、及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、銀、銅、白金、ニッケルを含むことが特に好ましい。
【0059】
電極は、真空蒸着法、電極材料箔や電極材料膜を有するフィルムの熱圧着、電極材料の微粒子を分散したペーストの塗布等の方法によって形成することができる。プロセスが簡便な観点で、電極材料箔や電極材料膜を有するフィルムの熱圧着、電極材料の微粒子を分散したペーストの塗布による形成方法が好ましい。
【0060】
熱電変換素子は、放熱性を有するため、特に冷却機能を必要とせずに素子内の温度差を増大させることができるが、更に発電効率を上げる目的で、低温側にヒートシンク機能を持たせても良い。ヒートシンク機能を持たせる方法について特に制限はないが、伝熱特性の良いアルミニウム、鉄、銅等の金属を用いたフィン等の空冷構造を有する部材や、水冷部材を接触もしくは貼り付ける方法などが挙げられる。
【0061】
また、熱電変換素子は、直列に接続することで高い電圧を発生させることが可能となり、並列に接続することで大きな電流を発生させることが可能となる。
【0062】
本発明の熱電変換素子は、得られた起電圧を温度差情報、もしくは温度情報として活用する温度センサとして使用することも可能である。
熱電変換材料から取り出せる電圧は、ゼーベック係数S(V/K)、温度差ΔT(K)を用いて、下記式(2)から算出することができる。

V(V)=S(V/K)×ΔT(K)・・・式(2)

式(2)に示すように、熱電変換材料から取り出せる電圧は、同じ熱電変換材料であれば熱電変換材料の両端に生じる温度差ΔTに比例して高くなる。そのため、熱電変換素子の両端の電圧差を測定することで温度差ΔTを算出することができる。また、例えば、熱電変換材料の低温側を基準とした場合に、低温側の温度を一定にしておくことで、得られた起電圧から高温側の実温度を算出することも可能である。
熱電変換素子を温度センサとして使用する場合には、熱電変換素子を単独で用いることもでき、熱電変換素子を同一面上に複数個配置し、各素子の電圧差を読み取ることで、面内の温度分布情報を得ることも可能となる。
【0063】
本発明の熱電変換素子は、例えば、体温、壁や構造物の内外の温度差、PCや電子機器からの排熱、空調機の排熱等の微小熱エネルギーを利用した発電、自動車排熱、工場排熱を利用した発電等の熱電発電デバイスとして組込み、IoTセンサの無線通信機用電源、センサ電源等のクリーンな熱源として使用することが可能である。
【0064】
<熱電発電デバイス>
熱電発電デバイスの形態は、特に制限されないが、例えば、熱電変換素子、キャパシタや電池からなる蓄電部、必要に応じて整流、昇圧、高圧等を行う電源管理部、マイコン、センサ、無線機等を具備してなる、無線通信センサ等の形態が挙げられる。
【実施例
【0065】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の技術的範囲を何ら制限するものではない。尚、「部」および「%」とは、特に断りがない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
【0066】
<樹脂合成例1>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、および温度計を備えた4口フラスコに、多塩基酸化合物としてプリポール1009(クローダジャパン社製)を86.8部、5-ヒドロキシイソフタル酸を27.3部、ポリアミン化合物としてプリアミン1074(クローダジャパン社製)を146.4部、イオン交換水を100部仕込み、230℃で4時間反応させた後、酸化防止剤を添加し、十分に温度が下がった段階でトルエンと2-プロパノール(質量比1/1)の混合溶剤を用いて固形分が40質量%となるように希釈し、Mw(質量平均分子量)19,000、粘度20,000mPa・sのポリアミド樹脂1を得た。
【0067】
<樹脂合成例2>
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、及び窒素導入管を備えた反応容器に、テレフタル酸とアジピン酸と3-メチルー1,5-ペンタンジオールとから得られたポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP-1011」、Mn(数平均分子量)=1006)401.9部、ジメチロールブタン酸12.7部、イソホロンジイソシアネート151.0部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃、3時間反応させた。これにトルエン300部を加えてイソシアネート基を有するプレポリマーの溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン27.8部、ジ-n-ブチルアミン3.2部、2-プロパノール342.0部、及びトルエン396.0部を混合した溶液に、得られたイソシアネート基を有するプレポリマー溶液815.1.部を添加し、70℃、3時間反応させた。反応終了後に、トルエン144.0部および2-プロパノール72.0部の混合溶剤を用いて固形分量30%となるように希釈した。以上のようにして、Mw120,000、粘度3,000mPa・sの熱硬化性のポリウレタン樹脂2の溶液を得た。
【0068】
[基材の作製]
<基材1>
絶縁性粒子としてアルミナ(アドマテックス株式会社製、アドマファインAO-509、熱伝導率30W/m・K、放射率0.5)を用いて、基材中での体積分率が55vol%となるように、樹脂1とアルミナ、及びトルエン/イソプロパノール=1/1の混合溶媒をディスパーで混合し、乾燥後の膜厚が100μmとなるように剥離性シート上に塗工し、乾燥した後、150℃で60分間加熱し、基材1を剥離性シート上に作成した。剥離性シートを剥離した後、基材1の弾性率を測定したところ、-40℃以上25℃未満における弾性率3GPa、25℃以上200℃未満における弾性率0.1GPaであった。
【0069】
<基材2>
絶縁性粒子として窒化ホウ素(スリーエムジャパン株式会社製、Agglomerates100、熱伝導率200W・m・K、放射率0.7)50vol%に変更し、樹脂を樹脂2に変更した以外は、基材1と同様にして、-40℃以上25℃未満における弾性率7GPa、25℃以上200℃未満における弾性率0.7GPaの基材2を得た。
【0070】
<基材3>
絶縁性粒子として炭化ケイ素(信濃電気製錬社製、SSC-A05、熱伝導率240W/m・K、放射率0.9)60vol%に変更した以外は、基材1と同様にして、-40℃以上25℃未満における弾性率9GPa、25℃以上200℃未満における弾性率0.9GPaの基材3を得た。
【0071】
<基材4>
絶縁性粒子として窒化アルミニウム(トクヤマ株式会社製高純度窒化アルミニウム粉末Hグレード、熱伝導率180W/m・K、放射率0.93)40vol%に変更し、樹脂1に対して硬化剤TETRAD-X(三菱瓦斯化学株式会社製、5%トルエン溶液)20%を加えた以外は(これを樹脂2’とする)、基材1と同様にして、-40℃以上25℃未満における弾性率10GPa、25℃以上200℃未満における弾性率1GPaの基材4を得た。
【0072】
<基材5>
絶縁性粒子として酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、FZO-50、熱伝導率54W/m・K、放射率0.11)に変更した以外は、基材1と同様にして-40℃以上25℃未満における弾性率3GPa、25℃以上200℃未満における弾性率0.1GPaの基材5を得た。
【0073】
<基材6>
絶縁性粒子として酸化ジルコニウム(株式会社アイテック社製、酸化ジルコニウム粉末、熱伝導率3W/m・K、放射率0.74)に変更した以外は、基材1と同様にして-40℃以上25℃未満における弾性率3GPa、25℃以上200℃未満における弾性率0.1GPaの基材6を得た。
【0074】
<基材7>
絶縁性粒子を加えないこと以外は、基材1と同様にして-40℃以上25℃未満における弾性率1.5GPa、25℃以上200℃未満における弾性率0.01GPaの基材5を得た。
【0075】
(弾性率の測定方法)
基材から幅10mm長さ50mmの短冊状の試料を切り出し、オリエンテック社製テンシロンRTE-1210を用い、一対のチャックで試料の両端部を把持し、25℃-50%RHの雰囲気下、引張強度2mm/分の条件で測定を実施した。試験開始時の一対のチャック間距離は25mmとした。得られた測定値を用い、JIS-K7161:1994に準拠して、弾性率を算出した。
【0076】
[熱電変換層形成用塗料の作製]
<熱電変換材料1>
ポリチオフェン誘導体の一種であるOrgacon EL-P 5015(SIGMA-ALDRICH社製PEDOT:PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる複合物)を入手し、熱電変換層形成用塗料である熱電変換材料1とした。
【0077】
<熱電変換材料2>
楠本化成株式会社製単層カーボンナノチューブ「TUBALL」を0.4部、下記の有機化合物Aを0.4部、N-メチルピロリドン79.2部を混合した。更にジルコニアビーズ(粒子径φ1.25mm)を140部加え、分散機で2時間振とう後、濾過してジルコニアビーズを除去し、熱電変換層形成用塗料である熱電変換材料2とした。
【0078】
【化1】
【0079】
<実施例1>
基材1の上に、熱電変換材料1をバーコータで塗工し、乾燥させることで膜厚5μmの熱電変換層を形成して熱電変換部材を得た。
次に、得られた熱電変換部材を1cm×4cmの短冊状に切出し、長手方向に対して両端に100nmの厚さで金蒸着を行った後、金蒸着を行った箇所に粘着剤付き銅箔を電極として貼り付け、熱電変換素子を得た。
ホットプレートを50℃に加熱し、素子に接続された電極のうち一方をホットプレート上に、もう片側は大気(25℃)に接するように配置した。各電極をソースメータKEITHLEY2400に接続し、短絡電流(電流)、及び開放電圧(電圧)を測定した。
測定後、そのまま静置し60分後に再び開放電圧を測定し、温度差の維持状態を評価した。評価結果を表2に示す。
【0080】
<実施例2~4、比較例1~3>
表1に示した基材、熱電変換層の組合せに変更した以外は、実施例1と同様に熱電変換部材および熱電変換素子を作成した。実施例1と同様に電流、電圧、60分放置後の電圧を測定した。評価結果を表2に示す。
【0081】
[発電性能の評価]
得られた熱電変換素子を、素子に接続された電極のうち一方を50℃に熱したホットプレートに載せ、もう一方は大気(25℃)に接するように配置した。各電極をソースメータKEITHLEY2400に接続し、初期の開放電圧を求め、以下の基準で評価した。
結果を表2に示す。
◎:500μV以上(極めて良好)
〇:50μV以上500μV未満(良好)
×:50μV未満(不良)
60分経過後の開放電圧も同様にして測定、評価した。
【0082】
更に、得られた熱電変換素子を、素子に接続された電極のうち一方を50℃に熱したホットプレートに載せ、もう一方は大気(25℃)に接するように配置した。各電極をソースメータKEITHLEY2400に接続し、初期の短絡電流を求め、以下の基準で評価した。
◎:0.5μA以上(極めて良好)
〇:0.1μA以上0.5μA未満(良好)
×:0.5μA未満(不良)
【0083】
【表1】