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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230926BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G06F3/12 354
G06F3/12 308
G06F3/12 344
G06F3/12 351
H04N1/00 127B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019140885
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021026267
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒川 英治
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-263290(JP,A)
【文献】特開2001-047684(JP,A)
【文献】特開2011-108138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
H04N 1/00
B41J 5/00-5/52;21/00-21/18
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34;15/00;15/36;21/00;21/02;21/14;21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
用紙種の設定に従って前記情報処理装置に組み込まれた印刷管理プログラムに受け取らせる用紙サイズを出力する出力処理を実行させ、前記印刷管理プログラムは、印刷設定と画像データとを受け取り、受け取った前記画像データによって示される画像に基づく印刷データをプリンタに出力し、さらに前記印刷管理プログラムは、受け取った前記印刷設定に含まれる用紙サイズの長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係が、受け取った前記画像データに示される前記画像の前記用紙サイズの長さ方向に対応する第1方向のサイズと前記用紙サイズの幅方向に対応する第2方向のサイズとの大小関係と異なる場合に、前記画像を90度あるいは270度回転させる場合があり、
さらに前記コンピュータに、前記出力処理において、
前記印刷管理プログラムに受け取らせる前記画像データを取得する取得処理を実行させ、
前記用紙種の設定がロール紙を示す設定であった場合に、前記印刷管理プログラムに受け取らせる前記用紙サイズとして、前記用紙サイズの長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係と、前記取得処理にて取得された前記画像データによって示される画像の前記第1方向のサイズと前記第2方向のサイズとの大小関係と、が一致する特定サイズを出力させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
さらに前記コンピュータに、前記出力処理において、
前記用紙種の設定がロール紙を示す設定であった場合に、前記用紙サイズのうち長さ方向のサイズを調整させることで、前記特定サイズの長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係を、前記画像の前記第1方向のサイズと前記第2方向のサイズとの大小関係と一致させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
さらに前記コンピュータに、前記出力処理において、
前記用紙サイズのうち前記長さ方向のサイズを、前記画像の短手方向のサイズ以上であって、前記ロール紙の幅よりも短いサイズに調整させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
さらに前記コンピュータに、前記出力処理において、
前記用紙種の設定が前記ロール紙のうち長尺テープを示す設定であった場合、前記特定サイズを出力させ、前記ロール紙のうち前記長尺テープを示す設定でなかった場合、前記特定サイズを出力させない、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
さらに前記コンピュータに、前記出力処理において、
前記用紙種の設定がロール紙を示す設定であった場合に、前記取得処理にて取得された前記画像データによって示される前記画像の長手方向のサイズが前記ロール紙の幅以下の場合に、前記特定サイズを出力させ、前記取得処理にて取得された前記画像データによって示される前記画像の長手方向のサイズが前記ロール紙の幅よりも長い場合に、前記特定サイズを出力させない、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
さらに前記コンピュータに、前記取得処理において、
画像データを読み出す読み出し指示を前記情報処理装置の入力インタフェースを介して受け付けさせ、前記読み出し指示での読み出し対象となった前記画像データを取得させ、
さらに前記コンピュータに、前記出力処理において、
前記用紙種の設定がロール紙を示す設定であった場合に、用紙サイズが定義された用紙情報を記憶するデータベースに前記特定サイズを出力させて、前記特定サイズを前記データベースに記憶させ、前記データベースに記憶されている前記特定サイズは、前記情報処理装置に組み込まれているアプリケーションプログラムにて印刷設定として受け付けることが可能であり、前記印刷管理プログラムは、前記アプリケーションプログラムから前記印刷設定を受け取る、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
さらに前記コンピュータに、前記取得処理において、
前記情報処理装置に組み込まれているアプリケーションプログラムが印刷指示を受け付け、前記印刷管理プログラムが前記印刷指示によって印刷対象となった画像を含む前記画像データを前記アプリケーションプログラムから受け取った場合に、前記印刷管理プログラムが前記アプリケーションプログラムから受け取った前記画像データを前記印刷管理プログラムから取得させ、
さらに前記コンピュータに、前記出力処理において、
前記印刷管理プログラムに前記特定サイズを出力させ、前記印刷管理プログラムは、前記出力処理によって出力された前記特定サイズを用いて、前記画像を回転させるか否かを決定する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
通信インタフェースと、
コンピュータと、
を備える情報処理装置であって、
前記コンピュータは、
用紙種の設定に従って前記情報処理装置に組み込まれた印刷管理プログラムに受け取らせる用紙サイズを出力する出力処理を実行し、前記印刷管理プログラムは、印刷設定と画像データとを受け取り、受け取った前記画像データによって示される画像に基づく印刷データを、前記通信インタフェースを介してプリンタに出力し、さらに前記印刷管理プログラムは、受け取った前記印刷設定に含まれる用紙サイズの長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係が、受け取った前記画像データに示される前記画像の前記用紙サイズの長さ方向に対応する第1方向のサイズと前記用紙サイズの幅方向に対応する第2方向のサイズとの大小関係と異なる場合に、前記画像を90度あるいは270度回転させる場合があり、
さらに前記コンピュータは、前記出力処理において、
前記印刷管理プログラムに受け取らせる前記画像データを取得する取得処理を実行し、
前記用紙種の設定がロール紙を示す設定であった場合に、前記印刷管理プログラムに受け取らせる前記用紙サイズとして、前記用紙サイズの長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係と、前記取得処理にて取得された前記画像データによって示される画像の前記第1方向のサイズと前記第2方向のサイズとの大小関係と、が一致する特定サイズを出力する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、用紙サイズを出力するプログラムおよび情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に印刷管理プログラムが組み込まれた印刷システムにおいて、アプリケーションプログラムが印刷指示を受け付けた際、印刷管理プログラムがそのアプリケーションプログラムから画像データを受け取り、その画像データに基づく印刷データをプリンタに出力する技術が知られている。例えば、特許文献1には、印刷管理プログラムとしてCUPS(Common Unix Printing System)(登録商標)を用いた技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-53398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷管理プログラムによっては、画像データによって示される画像のサイズと、印刷設定に含まれる用紙サイズとに基づいて、自動的に画像を回転させる場合がある。例えば縦長になる用紙サイズが設定され、画像が横長であった場合、印刷管理プログラムが画像を90度回転させ、用紙サイズと画像とで縦横の大小関係を揃える場合がある。このように横長の画像が縦長に回転されてしまうと、ロール紙に印刷する場合に不都合が起きる可能性がある。例えば、フィード量が多くなり、シートの消費量が多くなる可能性がある。また例えば、ユーザが所望していない向きで印刷されてしまう可能性がある。
【0005】
本明細書は、自動的に画像を回転させる可能性がある印刷管理プログラムを用いて印刷を行う際の不具合を低減する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされたプログラムは、情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、用紙種の設定に従って前記情報処理装置に組み込まれた印刷管理プログラムに受け取らせる用紙サイズを出力する出力処理を実行させ、前記印刷管理プログラムは、印刷設定と画像データとを受け取り、受け取った前記画像データによって示される画像に基づく印刷データをプリンタに出力し、さらに前記印刷管理プログラムは、受け取った前記印刷設定に含まれる用紙サイズの長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係が、受け取った前記画像データに示される前記画像の前記用紙サイズの長さ方向に対応する第1方向のサイズと前記用紙サイズの幅方向に対応する第2方向のサイズとの大小関係と異なる場合に、前記画像を90度あるいは270度回転させる場合があり、さらに前記コンピュータに、前記出力処理において、前記印刷管理プログラムに受け取らせる前記画像データを取得する取得処理を実行させ、前記用紙種の設定がロール紙を示す設定であった場合に、前記印刷管理プログラムに受け取らせる前記用紙サイズとして、前記用紙サイズの長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係と、前記取得処理にて取得された前記画像データによって示される画像の前記第1方向のサイズと前記第2方向のサイズとの大小関係と、が一致する特定サイズを出力させる、ことを特徴としている。
【0007】
本明細書に開示されるプログラムを実行することで、情報処理装置は、印刷管理プログラムに受け取らせる画像データを取得し、用紙種がロール紙である場合、長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係が画像データの縦サイズと横サイズとの大小関係と一致する用紙サイズである特定サイズを出力する。例えば、横長の画像データが取得された場合には、情報処理装置は、特定サイズとして横長の用紙サイズを出力する。これにより、印刷管理プログラムが、用紙サイズの長さ方向のサイズと幅方向のサイズとの大小関係に合わせて、画像データを自動的に回転させるものであっても、用紙サイズとして特定サイズを用いることで画像の自動回転が回避され、ロール紙に印刷する場合の不具合の低減が期待できる。
【0008】
上記プログラムの機能を実現する情報処理装置、プログラムの機能を実現するための制御方法、プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、自動的に画像を回転させる可能性がある印刷管理プログラムを用いて印刷を行う際の不具合を低減する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる印刷システムの概略構成図である。
図2】用紙登録処理の手順を示すフローチャートである。
図3】用紙登録画面の例を示す説明図である。
図4】印刷手順の例を示す説明図である。
図5】画像を回転する例を示す説明図である。
図6】画像を回転しない例を示す説明図である。
図7】印刷手順の例を示すシーケンス図である。
図8】サイズ決定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」とする)を具体化した第1の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、連続した帯状の印刷媒体、いわゆるロール紙に印刷するプリンタに接続されるPCを開示するものである。
【0012】
本形態の印刷システムは、図1に示すように、互いに通信可能に接続されたPC1とプリンタ2とを含む。PC1は、プリンタ2に印刷させるための各種のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」とする)を実行可能な装置である。PC1は、情報処理装置の一例である。PC1に代えて、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータであっても良い。
【0013】
PC1は、図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含む制御基板10を備えている。さらに、PC1は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)20と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)30と、を備え、これらが制御基板10に電気的に接続されている。なお、図1中の制御基板10は、PC1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際にPC1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0014】
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。CPU11は、コンピュータの一例である。メモリ12は、ROM、RAMを含み、さらにHDD、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含み、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0015】
メモリ12は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0016】
ユーザIF20は、ユーザによる入力操作を受け付けるキーボードやマウス等と、情報を表示するディスプレイ等と、のハードウェアを含む。ユーザIF20は、入力インタフェースの一例である。ユーザIF20は、操作受付機能と表示機能との両方を備えたタッチパネル等を含んでいても良い。
【0017】
通信IF30は、プリンタ2等の外部装置との通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF30の通信方式は、無線でも有線でもよく、また、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB等、どのような規格の方式でもよい。
【0018】
本形態のPC1のメモリ12には、図1に示すように、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)41と、コンテンツアプリ42と、印刷管理プログラム43と、用紙登録アプリ44と、が組み込まれている。コンテンツアプリ42は、印刷対象の画像を作成および編集するプログラム群である。コンテンツアプリ42は、ユーザの指示に基づいて、文書コンテンツ、図表コンテンツ、プレゼンテーションコンテンツなどのコンテンツを作成し編集する。コンテンツアプリ42は、さらに、作成したコンテンツの印刷指示を受け付ける。コンテンツアプリ42は、アプリケーションプログラムの一例である。
【0019】
印刷管理プログラム43は、コンテンツアプリ42等のアプリにて受け付けた印刷指示に基づいて、印刷データの生成や生成した印刷データのプリンタ2への送信を行うプログラム群である。印刷管理プログラム43には、印刷設定に用いるための各種の情報を記憶する設定情報431が含まれる。
【0020】
設定情報431には、PC1に接続されている各プリンタに固有の情報が含まれ、例えば、プリンタ2にて選択可能な用紙に関する用紙情報が記憶される。設定情報431は、データベースの一例である。設定情報431に記憶される用紙情報には用紙サイズの情報や用紙種類の情報が含まれる。用紙情報によって定義される用紙サイズは、A4やB5等の定型サイズであってもよいし、幅と長さとを含むユーザ定義サイズであっても良い。
【0021】
用紙登録アプリ44は、プリンタ2にて使用する各種の用紙の登録指示を受け付け、受け付けた指示に基づいて設定情報431を更新するプログラムである。用紙登録アプリ44は、プログラムの一例である。
【0022】
コンテンツアプリ42は、印刷実行の指示を受け付ける前に、例えば、用紙情報を含む印刷設定のユーザによる指定を受け付ける。コンテンツアプリ42は、印刷管理プログラム43に登録されている用紙の用紙情報を設定情報431から取得し、取得した情報に基づいて、例えば、用紙の選択肢を表示することで、用紙の選択を受け付ける。さらに、コンテンツアプリ42は、印刷実行の指示を受け付けた場合、選択された用紙の用紙情報を含む印刷設定の情報と印刷対象の画像の情報とを印刷管理プログラム43に渡す。
【0023】
コンテンツアプリ42と印刷管理プログラム43とは、OS41の種類に応じたものが使用可能である。例えば、OS41としてLinux(登録商標)を使用するPC1では、コンテンツアプリ42としては、例えば、LibreOfficeが使用可能であり、印刷管理プログラム43としては、例えば、CUPSが使用可能である。CUPSは、OS41の一部として組み込まれている。そして、CUPSは、設定情報431として、ファイル形式のPPD(PostScript Printer Description)を含む。
【0024】
なお、OS41は、Linuxに限らず、例えば、Windows(登録商標)、MacOS(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)でも良い。その場合、コンテンツアプリ42は、例えば、MicrosoftOffice(登録商標)でも良い。また、設定情報431は、ファイル形式でなくても良く、コンテンツアプリ42や印刷管理プログラム43から参照可能な情報であればよい。
【0025】
本形態のプリンタ2は、例えば、熱転写方式の印刷ヘッドを備え、ロール状に巻き取られたラベル紙を収容し、ラベル紙を巻き出しつつ印刷を行う、いわゆるラベルプリンタである。ラベル紙は、ロール紙の一例である。プリンタ2にて印刷に用いられるラベル紙の種類としては、例えば、長尺テープ、ダイカットラベル、マーク付きメディアがある。長尺テープは、連続した剥離紙の一面に、剥離紙と同様に連続した帯状の用紙が貼着されているものである。ダイカットラベルは、所定の形状に予め整形された用紙が、連続した剥離紙の一面に所定の間隔を空けて貼着されているものである。マーク付きメディアは、ラベル紙の搬送方向に所定の間隔で、予め所定のマークが設けられている用紙である。
【0026】
プリンタ2にて受け付ける印刷ジョブの印刷設定には、用紙情報として、用紙の種類の情報と用紙サイズの情報とが含まれる。プリンタ2による印刷対象の用紙はラベル紙であることから、用紙サイズの情報には、ラベル幅とラベル長さとに対応する幅と長さの情報が含まれる。ラベル幅は、剥離紙に貼着されている用紙のうち、ラベル紙の搬送される方向に直交する方向、すなわち幅方向のサイズであり、ラベル紙ごとに特定されている。ラベル長さは、作成されるラベルのうち、ラベル紙の搬送される方向、すなわち長さ方向のサイズである。用紙が長尺テープであれば、基本的にラベル長さは特定されていない。用紙がダイカットラベルまたはマーク付きメディアであれば、ラベル長さはラベル紙に応じて特定されている。
【0027】
そして、プリンタ2は、収容されているラベル紙のラベル幅を検出する機能を有する。さらに、プリンタ2は、収容されているラベル紙のラベル幅と、印刷設定に含まれる用紙サイズの幅とが合致していない場合に、用紙エラーを出力して印刷しない。つまり、プリンタ2に送信する印刷ジョブにおける用紙サイズの幅は、印刷対象のラベル紙に応じて特定される。
【0028】
続いて、本形態の用紙登録アプリ44による処理について説明する。なお、以下の処理およびフローチャートの各処理ステップは、基本的に、各プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU11の処理を表している。CPU11による処理は、PC1のOS41のAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OS41の記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOS41のAPIを用いてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU11が行う」、「プログラムが行う」のように記載することがある。
【0029】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU11が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU11がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0030】
また、CPU11による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPU11による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであることを示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0031】
まず、本形態の用紙登録アプリ44による用紙登録処理の手順について、図2のフローチャートを参照して説明する。用紙登録処理は、用紙登録アプリ44の実行指示を受け付けたことを契機に、PC1のCPU11にて実行される。
【0032】
用紙登録処理では、CPU11は、例えば、図3に示すように、用紙登録画面61をユーザIF20に表示させ、各欄への入力を受け付ける(S101)。用紙登録画面61は、例えば、用紙指定情報611、用紙サイズ612、余白サイズ613、の各項目への入力を受け付ける画面である。用紙登録画面61には、さらに、画像指定ボタン62と、追加ボタン63と、キャンセルボタン64と、が表示される。
【0033】
用紙指定情報611は、例えば、設定情報431に登録される用紙の名称や用紙の種類の情報を含む。用紙サイズ612は、登録される用紙のサイズであり、幅と長さの情報を含む。余白サイズ613は、用紙の四方に設定される余白のサイズである。プリンタ2は、用紙サイズ612の範囲から余白を除いた部分に画像を印刷する。
【0034】
画像指定ボタン62は、登録対象の用紙に印刷する予定の画像の指定を受け付けるボタンである。追加ボタン63は、用紙登録画面61に入力されている情報を含む用紙情報を設定情報431に登録して終了する指示を受け付けるボタンである。キャンセルボタン64は、用紙情報を登録せずに用紙登録処理を終了する指示を受け付けるボタンである。
【0035】
CPU11は、画像指定ボタン62への操作を受け付けたか否かを判断する(S102)。画像指定ボタン62への操作を受け付けたと判断した場合(S102:YES)、CPU11は、用紙登録画面61の用紙指定情報611に表示されている用紙種類が長尺テープであるか否かを判断する(S103)。なお、用紙登録画面61のデフォルトでは、用紙種類は長尺テープとなっている。
【0036】
用紙種類が長尺テープであると判断した場合(S103:YES)、CPU11は、画像選択用のダイアログをユーザIF20に表示させ、画像の選択を受け付け(S104)、選択された画像の画像データを取得する(S105)。S105は、取得処理の一例である。
【0037】
そして、CPU11は、取得した画像データに基づいて、画像の縦方向のサイズと横方向のサイズとを取得する(S106)。なお、S106にて取得する画像のサイズは、印刷設定に基づいて印刷した場合の印刷済みの用紙における画像の印刷範囲のサイズを意味している。更に詳細には、画像の縦方向のサイズと横方向のサイズとは、画像の印刷範囲を含む最小の矩形の隣接する2辺のそれぞれのサイズである。
【0038】
CPU11は、取得した画像の縦方向のサイズと横方向のサイズとのうち、長い方のサイズがラベル幅以下であるか否かを判断する(S107)。ラベル幅は、印刷対象のラベル紙の幅方向のサイズであり、ユーザによって用紙登録画面61中の用紙サイズ612の幅に設定される。以下では、画像の縦方向のサイズと横方向のサイズのうち、長手方向のサイズを「画像の長手サイズ」、短手方向のサイズを「画像の短手サイズ」とする。
【0039】
画像の長手サイズがラベル幅以下であると判断した場合(S107:YES)、CPU11は、用紙サイズ612の長さを、画像の短手サイズに設定する(S108)。画像の長手サイズがラベル幅より大きいと判断した場合(S107:NO)、CPU11は、用紙サイズ612の長さを、画像の長手サイズに設定する(S109)。S108やS109では、CPU11は、S106にて取得した画像のサイズに基づいて、用紙サイズ612の長さを調整し、調整後の長さを用紙登録画面61に表示させる。
【0040】
画像指定ボタン62の操作を受け付けていないと判断した場合(S102:NO)、または、長尺テープではないと判断した場合(S103:NO)、または、S108の後、または、S109の後、CPU11は、追加ボタン63の操作を受け付けたか否かを判断する(S110)。追加ボタン63の操作を受け付けたと判断した場合(S110:YES)、CPU11は、用紙登録画面61に表示中の用紙情報を設定情報431に登録する(S111)。S111は、出力処理の一例である。登録する用紙情報のうちの用紙サイズは、特定サイズの一例である。
【0041】
これにより、用紙登録アプリ44は、画像データが指定された後に登録指示を受け付けた場合、指定された画像データに適した用紙サイズの用紙情報を設定情報431に登録する。一方、用紙登録アプリ44は、画像データの指定や用紙サイズの長さの指定を受け付けることなく、長尺テープの用紙情報の登録指示を受け付けた場合、用紙サイズの長さの情報にデフォルトのラベル長さを設定して、用紙情報を設定情報431に登録する。デフォルトのラベル長さは、ラベル幅より大きく設定されていることが多い。例えば、幅が6.5cmの長尺テープであれば、デフォルトのラベル長さは10cmに設定されている。
【0042】
追加ボタン63の操作を受け付けていないと判断した場合(S110:NO)、CPU11は、キャンセルボタン64への操作を受け付けたか否かを判断する(S112)。キャンセルボタン64への操作を受け付けていないと判断した場合(S112:NO)、CPU11は、S101に戻って、更に入力を受け付ける。一方、S111の後、または、キャンセルボタン64への操作を受け付けたと判断した場合(S112:YES)、CPU11は、用紙登録画面61を閉じて、用紙登録処理を終了する。
【0043】
なお、プリンタ2が画像の末尾の空白を削除する自動削除機能を有している場合、S108では、CPU11は、長さを、画像の短手のサイズ以上であってラベル幅より小さいサイズとすれば良い。また、S109では、CPU11は、長さを、デフォルト値などラベル幅より大きいサイズとすれば良い。プリンタ2の自動削除機能を有効とすることで、用紙サイズの長さが画像のサイズよりも大きくても、画像の後端よりも後ろの空白はプリンタ2によって自動的に削除される。
【0044】
次に、コンテンツアプリ42を用いて、プリンタ2に印刷を実行させる場合のPC1の動作について、図4を参照して説明する。ユーザは、コンテンツアプリ42を起動し、印刷対象の画像と印刷設定とを選択する。コンテンツアプリ42は、印刷設定の設定指示として、用紙の選択指示を受け付けると、設定情報431を参照して登録されている用紙情報の用紙名を読み出し(矢印A)、用紙情報の選択肢として表示させる。
【0045】
なお、設定情報431に登録されている用紙情報には、定型サイズ等の予め登録されているものの他、例えば、前述した用紙登録アプリ44による用紙登録処理にて登録されたものが含まれる(矢印B)。例えば、用紙登録処理にて、画像指定ボタン62の操作に続いて印刷対象とする画像データの指定と追加ボタン63の操作とを受け付けることで、その画像データに適した用紙サイズの用紙情報が、ユーザ指定の用紙名を付けて登録される。その後、コンテンツアプリ42で用紙の選択指示を受け付けると、登録されている用紙名が選択肢として表示される。
【0046】
コンテンツアプリ42は、表示させた選択肢から用紙名が選択された場合、選択された用紙名の用紙情報を含む印刷設定の情報を生成する。そして、コンテンツアプリ42は、画像の選択と印刷指示とを受け付けた場合、選択された画像の画像データと印刷設定とを印刷管理プログラム43に渡す(矢印C、D)。
【0047】
印刷管理プログラム43は、受け取った画像データをラスタライズして印刷データを生成する。印刷管理プログラム43は、生成した印刷データとコンテンツアプリ42から受け取った印刷設定とに基づいて印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを通信IF30を介してプリンタ2に送信する(矢印E)。これにより、プリンタ2は、印刷ジョブに基づく印刷を実行し、ラベルが作成される。
【0048】
印刷管理プログラム43によっては、ラスタライズする際に、印刷設定にて指定されている用紙の縦方向の長さと横方向の長さとの大小関係と、画像データの縦方向の長さと横方向の長さとの大小関係と、が異なる場合、これらの大小関係を合わせるために画像を回転させるものがある。本形態の印刷管理プログラム43は、この機能を有し、画像と用紙との縦横の大小関係を一致させる、すなわち、画像の長手方向を用紙の長手方向に合わせる。例えば、横長の画像を縦長の用紙に印刷する印刷指示を受け付けた場合、印刷管理プログラム43は、画像の長手方向が用紙の長手方向となるように、画像を90度あるいは270度回転させる。
【0049】
そして、前述したように、長尺テープのラベル長さのデフォルト値はラベル幅よりも大きい。つまり、長尺テープのデフォルトの用紙サイズは、例えば、図5(A)に示すように、縦長の用紙サイズPとなっている。例えば、図5(A)に示す用紙サイズPを含む用紙情報が選択された状態で、図5(B)に示すように、横長の画像の印刷が指示されると、本形態の印刷管理プログラム43は、図5(C)に示すように、画像を回転して印刷させる。具体的には、ラベル長さL>ラベル幅Wの用紙サイズの用紙に、画像の横X>画像の縦Yの画像の印刷を指示すると、画像の横Xがラベル長さLの方向となるように、画像が90度または270度回転されて印刷される。画像の縦Yは、第1方向のサイズの一例であり、画像の横Xは、第2方向のサイズの一例である。なお、図中の矢印は、ラベル紙の搬送方向を示す。
【0050】
本形態の用紙登録アプリ44は、用紙の登録時に画像データの指定を受け付けた場合、画像の長手サイズがラベル幅以下であれば、用紙サイズの長さを画像の短手サイズとする。用紙登録アプリ44は、例えば、図6(A)、(B)に示すように、画像の横X≦ラベル幅Wであれば、ラベル長さLを画像の縦Yとした用紙サイズQの用紙情報を登録する。用紙サイズQを含む用紙情報が設定されて、横長の画像の印刷指示を受け付けた場合、画像と用紙との縦横の大小関係が一致していることから、印刷管理プログラム43は、画像を回転することなく、図6(C)に示すように、横長のままで印刷させる。つまり、用紙登録アプリ44にて指定した画像データと同じサイズの画像を印刷する場合、用紙サイズQの用紙情報を選択することで、図6(C)に示すように、デフォルトの用紙サイズを用いた場合(図5(C))に比較して、ラベル紙の使用量の無駄が少ない印刷物が作成される。
【0051】
なお、ラベルは、通常、印刷済みの部分をラベル紙から切り取って使用される。そのため、印刷時の縦横は使用時の縦横とは無関係である。そこで、画像の長手サイズがラベル幅以下であれば、ラベル長さを画像の短手サイズとすることで、画像の縦横にかかわらずラベル紙の使用量を節約できる。本形態の用紙登録アプリ44は、指定された画像の長手サイズがラベル幅以下であれば、画像の短手サイズをラベル長さとした用紙サイズを登録する。例えば、縦長の画像で縦方向のサイズがラベル幅以下であれば、横方向のサイズをラベル長さとする。この用紙サイズが登録された用紙情報を用いれば、印刷管理プログラム43は、縦長の画像を自動的に90度または270度回転して横長に印刷するので、ラベル紙の使用量の無駄が少ない印刷物が作成される。
【0052】
以上、詳細に説明したように、第1の形態の用紙登録アプリ44によれば、画像データの指定を受け付けた場合、指定された画像データによって示される画像と用紙との縦横の大小関係が一致するように、用紙サイズの長さが決定される。従って、ラベル紙への印刷において、縦横の大小関係が揃うように画像を回転させる印刷管理プログラム43を用いる場合に、画像と縦横の大小関係が一致する用紙サイズを用いることで、印刷管理プログラム43による画像の自動回転が回避される。ロール紙において横長の画像が横長に印刷されれば、縦長に自動的に回転されて印刷されるよりも、ロール紙のフィード量を低減でき、不具合が低減される。
【0053】
次に、第2の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、第1の実施の形態と同様の構成のPCであって、用紙登録アプリ44と印刷管理プログラム43との処理の一部が第1の実施の形態とは異なるPCを開示するものである。第1の実施の形態と同じ構成や動作については、第1の実施の形態と同じ符号を付して、説明を省略する。
【0054】
本形態の印刷管理プログラム43は、コンテンツアプリ42から受け取った印刷実行指示に基づいて、印刷を実行させるプリンタを特定する。さらに、本形態の印刷管理プログラム43は、特定されたプリンタに対応するプログラムの処理が登録されていれば、ラスタライズを実行する前に、そのプログラムの処理の実行命令を出力するものとする。そして、本形態では、印刷指示にて指定されたプリンタがプリンタ2である場合に実行させる処理として用紙登録アプリ44のサイズ決定処理が登録されている。従って、本形態の印刷管理プログラム43は、コンテンツアプリ42からプリンタ2に印刷させる印刷指示を受け取った場合、ラスタライズの実行前に用紙登録アプリ44によるサイズ決定処理を実行する。
【0055】
本形態の各プログラムを用いてプリンタ2に印刷させる動作の手順を、図7を参照して説明する。第1の形態と同様に、コンテンツアプリ42は、ユーザの印刷指示を受け付ける(矢印F)と、印刷指示とともに、選択された画像の画像データと選択されている印刷設定とを印刷管理プログラム43に渡す(矢印G)。本形態の印刷管理プログラム43は、コンテンツアプリ42からプリンタ2に印刷させる印刷指示を渡された場合、用紙登録アプリ44を起動し(矢印H)、用紙登録アプリ44のサイズ決定処理を実行する(矢印I)。
【0056】
用紙登録アプリ44によるサイズ決定処理の手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。サイズ決定処理は、印刷管理プログラム43からの実行指示に基づいて、PC1のCPU11にて実行される。なお、図8のサイズ決定処理では、図2に示した用紙登録処理と同じ手順については、同じ符号を付している。
【0057】
本形態では、用紙登録アプリ44は、サイズ決定処理の実行開始時に印刷管理プログラム43から画像データと印刷設定とを渡される。用紙登録アプリ44が印刷管理プログラム43から画像データを受け取る処理は、取得処理の一例である。
【0058】
サイズ決定処理では、CPU11は、印刷管理プログラム43から受け取った印刷設定に基づいて、長尺テープが設定されているか否かを判断する(S103)。長尺テープであると判断した場合(S103:YES)、CPU11は、印刷管理プログラム43から受け取った画像データに基づいて、画像の縦と横とのサイズを取得する(S106)。
【0059】
そして、CPU11は、画像の長手サイズが用紙のラベル幅以下であるか否かを判断する(S107)。ラベル幅以下であると判断した場合(S107:YES)、CPU11は、ラベル長さを、画像の短手サイズに設定する(S108)。ラベル幅より大きいと判断した場合(S107:NO)、CPU11は、ラベル長さを、画像の長手サイズに設定する(S109)。なお、CPU11は、印刷設定からラベル幅の情報を取得できる。
【0060】
CPU11は、決定したラベル長さを含む用紙サイズの情報を印刷管理プログラム43に返して(S201)、サイズ決定処理を終了する。S201は、出力処理の一例である。S201にて印刷管理プログラム43に返す用紙サイズは、特定サイズの一例である。なお、本形態の用紙登録アプリ44は、設定情報431を更新しない。つまり、S201にて印刷管理プログラム43に返される用紙サイズは、設定情報431に登録されない。
【0061】
図7の説明に戻る。用紙登録アプリ44は、サイズ決定処理(矢印I)が終了したら、用紙サイズの情報を印刷管理プログラム43に渡す(矢印J)。用紙サイズの情報は、ラベル長さの情報のみでも良いし、ラベル幅の情報とラベル長さの情報とを含む用紙サイズの情報でも良い。印刷管理プログラム43は、用紙登録アプリ44から受け取った用紙サイズの情報と、矢印Gにてコンテンツアプリ42から受け取った画像データと、を用いて、ラスタライズを実行し(矢印K)、印刷データを生成する。
【0062】
さらに、印刷管理プログラム43は、生成した印刷データを含む印刷ジョブをプリンタ2に送信する(矢印L)。これにより、プリンタ2は、コンテンツアプリ42にて選択された画像に基づく印刷を実行し、印刷物を生成する。
【0063】
本形態でも、画像データに基づいて、画像の用紙との縦横の大小関係が一致するように用紙サイズが決定され、決定された用紙サイズを含む印刷設定での印刷が実行される。つまり、第1の形態にて図6で示した例と同様に、横長の画像が横長に印刷される。なお、本形態の用紙登録アプリ44によるサイズ決定処理では、第1の形態の用紙登録画面61のような入力画面を表示することはない。すなわち、本形態では、ユーザに入力を求めることなく、自動的にサイズが決定される。
【0064】
以上、詳細に説明したように、第2の形態の用紙登録アプリ44によれば、印刷管理プログラム43から画像データを受け取り、受け取った画像データによって示される画像と用紙との縦横の大小関係が一致するように、用紙サイズの長さが決定される。従って、第1の形態と同様に、印刷管理プログラム43による画像の自動回転が回避され、ロール紙のフィード量を低減でき、不具合が低減される。
【0065】
なお、第1の形態では、予め用紙登録アプリ44を実行することで用紙情報が設定情報431に登録されることから、ユーザは同じサイズの画像データであれば登録済みの用紙情報を指定すれば良い。印刷管理プログラム43は、印刷指示を受けた後に用紙登録アプリ44を実行する必要はなく、印刷時の処理負荷が小さい。一方、第2の形態では、印刷対象の画像データのサイズに基づいて用紙サイズが決定されることから、印刷対象の画像データが確実に入る用紙サイズが使用される。
【0066】
さらに、第1および第2の形態では、用紙サイズの長さを変更して幅を変更しないので、プリンタ2にて用紙エラーとなる可能性は小さい。さらに、用紙種類が長尺テープである場合に長さを変更するので、プリンタ2にて用紙エラーとなる可能性は小さい。さらに、画像の長手サイズがラベル幅以下である場合に、用紙サイズの長さを変更するので、画像がラベル紙に収まる可能性が高い。
【0067】
なお、第1および第2の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、PCやプリンタの台数は、図示の例に限らない。また、プリンタ2の印刷方式は、熱転写方式に限らず、例えば、感熱方式、インクジェット方式、電子写真方式でもよい。また、印刷媒体は、ラベル用紙に限らず、例えば、単なるロール紙でもよく、プリンタは、ラベルプリンタに限らない。
【0068】
また、PC1の用紙登録アプリ44は、第1の形態の用紙登録処理と第2の形態のサイズ決定処理との両方を含んでも良いし、いずれか一方のみでも良い。
【0069】
また、例えば、各実施の形態では、コンテンツアプリ42が印刷管理プログラム43に印刷指示を渡すことで、プリンタ2に印刷ジョブが送信されるとしたが、これに限らない。例えば、印刷管理プログラム43は、OS41に含まれていても良い。その場合、コンテンツアプリ42は、OS41に印刷指示を渡し、OS41が印刷ジョブを生成してプリンタ2に送信する。また、コンテンツアプリ42が印刷管理プログラム43の機能をも備えていても良い。その場合、コンテンツアプリ42は、自身で印刷ジョブを生成し、プリンタ2に直接印刷ジョブを送信する。上記のどの例でも、コンテンツアプリ42がプリンタ2に印刷データを出力する構成に該当する。
【0070】
また、各実施の形態では、設定情報431は印刷管理プログラム43に含まれ、用紙情報保管領域441は用紙登録アプリ44に含まれるとしたが、含まれていなくても良い。いずれも、各プログラムから参照可能な形式で記憶されているデータであればよい。
【0071】
また、第1の形態にて図3に図示した用紙登録画面61は入力を受け付ける方法の一例であり、この図のような入力を受け付けるための画面は表示されなくても良い。用紙登録アプリ44は、例えば、コマンドライン等の入力に基づいて、用紙情報の登録指示を受け付けても良い。
【0072】
また、第2の形態では、決定した用紙サイズの設定情報431への登録は行わないとしたが、登録しても良い。例えば、CPU11は、S108またはS109の後であってS201の前に、用紙サイズを決定したことを示すメッセージをユーザIF20に表示させ、用紙名の選択を受け付けて、設定情報431に登録するとしても良い。
【0073】
また、各実施の形態では、コンテンツアプリ42は、設定情報431に登録されている用紙情報に基づいて、印刷用紙の選択肢を表示するとしたが、登録されている用紙情報のみでなく、自身の備える情報に基づく用紙情報も選択肢として表示しても良い。
【0074】
また、各実施の形態では、プリンタ2は余白を除去する自動削除機能を有しているとしたが、有していなくても良い。この場合、ラベル長さが画像の長さよりも長ければ、後端に空白のある印刷物が作成されるものの、空白部分を切り取ることで所望の印刷物となる可能性が高い。あるいは、印刷管理プログラム43が空白部分を除去する機能を有していても良い。この場合、印刷管理プログラム43は、空白部分を除去した印刷データを生成し、プリンタ2に渡しても良い。
【0075】
また、例えば、プリンタ2のベンダが作成した印刷データ作成プログラムがPC1にインストールされており、印刷管理プログラム43は、その印刷データ作成プログラムに印刷データを生成させるとしても良い。その場合、その印刷データ作成プログラムは、空白部分を除去した印刷データを生成して、印刷管理プログラム43に渡すとしても良い。また、その場合、印刷管理プログラム43が、印刷データ作成プログラムが生成した印刷データが示す画像を回転して印刷させる可能性がある、としても良い。
【0076】
また、各実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0077】
また、各実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組合せで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 PC
2 プリンタ
11 CPU
20 ユーザIF
30 通信IF
44 用紙登録アプリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8