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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】燃料電池スタック
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1006 20160101AFI20230926BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20230926BHJP
   H01M 8/0247 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/0254 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/0258 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/0267 20160101ALI20230926BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20230926BHJP
【FI】
H01M8/1006
H01M4/86 N
H01M8/0247
H01M8/0254
H01M8/0258
H01M8/0267
H01M8/10 101
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019184910
(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公開番号】P2021061182
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100110227
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 文夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 昌男
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-224677(JP,A)
【文献】国際公開第2000/002275(WO,A2)
【文献】特開2012-150885(JP,A)
【文献】特開2007-087860(JP,A)
【文献】特開2005-228703(JP,A)
【文献】特開2007-311089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/10
H01M 8/02
H01M 4/86
H01M 4/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成を備えた燃料電池スタック。
(1)前記燃料電池スタックは、複数個の単セルの積層体からなる。
(2)前記単セルは、
電解質膜の両面にアノード触媒層及びカソード触媒層が接合された膜電極接合体(MEA)と、
前記アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層と、
前記カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層と、
前記アノードガス拡散層の外側に配置されたアノードセパレータと、
前記カソードガス拡散層の外側に配置されたカソードセパレータと
を備えている。
(3)前記MEA、前記アノードガス拡散層、及び前記カソードガス拡散層は、反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有しており、
前記アノードガス拡散層の山部と前記アノードセパレータの表面とが接触し、かつ、
前記カソードガス拡散層の山部と前記カソードセパレータの表面とが接触している。
(4)前記燃料電池スタックは、次の式(2.4)が成り立つ。
A/L≧0.1 …(2.4)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長。
【請求項2】
前記波型形状(A)は、正弦波型形状、三角波型形状、台形波型形状、又は、矩形波型形状である請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
前記アノードガス拡散層及び/又は前記カソードガス拡散層は、金属多孔体からなる請求項1又は2に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
隣接する前記アノードセパレータと前記カソードセパレータとの間に設けられた冷却水流路をさらに備えている請求項1から3までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
前記アノードガス拡散層と前記アノードセパレータとの接触面積割合は、40%以下であり、及び/又は、
前記カソードガス拡散層と前記カソードセパレータとの接触面積割合は、40%以下である請求項1から4までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
次の式(3.3)が成り立つ請求項1から5までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
A/L2≦σmax/(2π2Et) …(3.3)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長、
σmaxは、前記電解質膜の降伏応力、
Eは、前記電解質膜のヤング率、
tは、前記電解質膜の厚さ。
【請求項7】
次の式(4.2)が成り立つ請求項1から6までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
RL2 2≦0.1×4×3V/I …(4.2)
但し、
2は、前記波型形状(A)の一周期分の曲線に沿った長さ、
Rは、前記ガス拡散層の面内電子抵抗、
Vは、最大出力時の電圧、
Iは、最大出力時の電流密度。
【請求項8】
前記アノードガス拡散層と前記アノードセパレータとの間の隙間、及び/又は、前記カソードガス拡散層と前記カソードセパレータとの間の隙間には、多孔質材料からなる充填部材が挿入されている請求項1から7までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
前記アノードセパレータ及び前記カソードセパレータの少なくとも一方は、前記反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(B)を有しており、
前記波型形状(A)の山部と前記波型形状(B)の山部又は谷部とが接触している
請求項1から8までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項10】
前記波型形状(B)は、正弦波型形状、三角波型形状、台形波型形状、又は、矩形波型形状である請求項9に記載の燃料電池スタック。
【請求項11】
前記アノードセパレータ及び前記カソードセパレータの少なくとも一方は、平板型形状を有している請求項1から8までのいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックに関し、さらに詳しくは、セルの幾何学的面積当たりの発電電力が大きい燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
固体高分子形燃料電池は、電解質膜の両面に触媒層が接合された膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly,MEA)を備えている。通常、触媒層の外側には、さらにガス拡散層が配置される。ガス拡散層の両面には、さらに、ガス流路を備えたセパレータ(集電体ともいう)が配置される。固体高分子形燃料電池は、通常、このようなMEA、ガス拡散層、及びセパレータを含む単セルが複数個積層された構造(燃料電池スタック)を備えている。
【0003】
燃料電池スタックにおいて、各単セルを構成するMEAは、通常、平面である。また、積層された単セルは、電気的に直列に接続されている。そのため、単セルの積層数が多くなるほど、燃料電池スタックの総電圧は大きくなる。また、単セルの積層数及び/又は単セルの幾何学的面積が大きくなるほど、燃料電池スタックの総発電電力は大きくなる。
しかしながら、単セルの積層数が多くなるほど、燃料電池スタックの高さが高くなる。また、積層された多数の単セルにそれぞれ、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給する必要があるため、燃料電池スタックの周辺部品も大型化・複雑化しやすい。さらに、単セルの幾何学的面積が大きくなるほど、燃料電池スタックの幾何学的面積も大きくなる。
【0004】
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(a)三角波状に屈曲している膜電極接合体と、膜電極接合体の両面に配置された一対のセパレータとを備え、
(b)一方のセパレータの断面は、平坦部とV字状部とを交互に繰り返す形態をなし、
(c)他方のセパレータの断面は、平坦部と逆V字状部とを交互に繰り返す形態をなし、
(d)V字状部の斜辺と逆V字状部の斜辺との間に膜電極接合体が挟持されている
燃料電池が開示されている。
【0005】
同文献には、このような構造にすることによって、
(A)膜電極接合体と流体とをより大きな面積で接触させることができる点、
(B)同程度の容積を持つ従来型の燃料電池に比べて高出力となる点、及び、
(C)同程度の出力を持つ従来形の燃料電池に比べて小型化することができる点、
が記載されている。
【0006】
MEAを波型に屈曲させると、平板状のMEAに比べて、幾何学的面積当たり(すなわち、MEAの投影面積当たり)の反応面積を増大させることができる。
しかしながら、特許文献1においては、一対のセパレータのV字状部の斜辺と逆V字状部の斜辺との間にMEAが狭持されているため、当該部分には反応ガスが供給されにくくなる。その結果、実質的に有効な発電面積が低下し、セルの幾何学的面積当たりの発電性能が低下する場合がある。また、MEAの屈曲部の曲率が大きいため、MEAの耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-150885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、幾何学的面積当たりの反応面積が大きい新規な燃料電池スタックを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、セパレータとガス拡散層との接触面積の増大に起因する発電性能の低下を抑制することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、このような燃料電池スタックにおいて、MEAの耐久性の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池スタックは、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記燃料電池スタックは、複数個の単セルの積層体からなる。
(2)前記単セルは、
電解質膜の両面にアノード触媒層及びカソード触媒層が接合された膜電極接合体(MEA)と、
前記アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層と、
前記カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層と、
前記アノードガス拡散層の外側に配置されたアノードセパレータと、
前記カソードガス拡散層の外側に配置されたカソードセパレータと
を備えている。
(3)前記MEA、前記アノードガス拡散層、及び前記カソードガス拡散層は、反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有しており、
前記アノードガス拡散層の山部と前記アノードセパレータの表面とが接触し、かつ、
前記カソードガス拡散層の山部と前記カソードセパレータの表面とが接触している。
【発明の効果】
【0010】
MEAを波型に湾曲させると、幾何学的面積当たりの反応面積を増大させることができる。また、MEAを波型に湾曲させ、平板型形状又は波型形状を持つセパレータを接触させると、MEAとセパレータとの接触面積を相対的に小さくすることができる。そのため、有効な発電面積の低下、及びこれに起因する発電性能の低下を抑制することができる。
さらに、MEAを波型形状に湾曲させると、三角波状に屈曲させる場合に比べて、湾曲部の曲率を小さくすることができる。そのため、MEAの耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図である。
図2】本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図である。
図3】本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図である。
図4】本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図である。
図5】従来の燃料電池スタックの断面模式図である。
【0012】
図6】接触面積割合と酸素輸送に起因する電極面積増加率との関係を示す図である。
図7】MEAの断面を正弦波で近似した時の、断面の位置とMEAの高さとの関係を示す図である。
図8】A/Lとkとの関係を示す図である。
図9】A/LとLmin、Lmaxとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 燃料電池スタック(1)]
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図を示す。図1において、燃料電池スタック10aは、複数個の単セル20、20の積層体からなる。
【0014】
[1.1. 単セル]
単セル20は、それぞれ、
電解質膜(図示せず)の両面にアノード触媒層(図示せず)及びカソード触媒層(図示せず)が接合された膜電極接合体(MEA)28と、
アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層30と、
カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層32と、
アノードガス拡散層30の外側に配置されたアノードセパレータ34と、
カソードガス拡散層32の外側に配置されたカソードセパレータ36と
を備えている。
なお、図1に示す例では、2個の単セル20が記載されているが、これは単なる例示である。単セル20の個数は、3個以上であっても良い。
【0015】
[1.2. MEA]
[1.2.1. 電解質膜]
本発明において、電解質膜の材料は、特に限定されない。電解質膜の材料としては、例えば、固体高分子電解質、イオン伝導セラミックスなどがある。
【0016】
[1.2.2. アノード触媒層及びカソード触媒層]
電解質膜の一方の面にはアノード触媒層が接合され、他方の面にはカソード触媒層が接合されている。アノード触媒層及びカソード触媒層は、電極反応の反応場となる部分である。アノード触媒層及びカソード触媒層の材料は、電極反応を進行させることが可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
例えば、電解質膜が固体高分子電解質からなる場合、一般に、アノード触媒層及びカソード触媒層には、それぞれ、白金又は白金合金を含む電極触媒と、触媒層アイオノマとの複合体が用いられる。
【0017】
[1.2.3. MEAの形状]
本発明において、MEA28は、反応ガスが流れる方向(図1のy軸方向)に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有している。MEA28に隣接して配置されるアノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32もまた、反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有している。この点が従来とは、異なる。
【0018】
ここで、「波型形状(A)」とは、表面(隣接する他の部材に対向している面)に山部と谷部が周期的に形成されている形状をいう。
「山部」とは、板状部材の裏面から表面(隣接する他の部材に対向している面)に向かって凸になっている領域をいう。
「谷部」とは、板状部材の裏面から表面(隣接する他の部材に対向している面)に向かって凹になっている領域をいう。
【0019】
波型形状(A)の波形は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な形状を選択することができる。波型形状(A)としては、例えば、正弦波型形状、三角波型形状、台形波型形状、矩形波型形状などがある。図1において、MEA28は、正弦波型形状を呈している。
ここで、「正弦波型形状」とは、完全な正弦波だけでなく、歪んだ正弦波を含む形状をいう。この点は、三角波型形状、台形波型形状、矩形波型形状も同様である。波型形状(A)の片振幅、周期長、及び曲率は、単セル20の性能や耐久性に影響を及ぼす。この点は、後述する。
【0020】
[1.3. アノードガス拡散層及びカソードガス拡散層]
アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32は、それぞれ、アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36から供給される反応ガスをアノード触媒層24及びカソード触媒層26に供給するためのものである。
また、上述したように、アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32もまた、反応ガスが流れる方向に対して垂直方向の断面形状が波型形状(A)を有している。
【0021】
本発明において、アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32の材料は、反応ガスを触媒層に供給可能であり、かつ、波型形状(A)を形成可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32の材料としては、例えば、金属多孔体、炭素繊維不織布などがある。
アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32の材料は、特に、金属多孔体が好ましい。金属多孔体は面内電気抵抗が小さいため、これをガス拡散層に用いると、ガス拡散層の面内方向に電流が流れる時の抵抗による損失を小さくすることができる。また、金属多孔体は、プレス成形が可能であり、波型形状(A)の形成も容易である。
【0022】
[1.4. アノードセパレータ及びカソードセパレータ]
[1.4.1. 構造]
アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36は、それぞれ、反応ガスをアノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32に供給するためのものである。
隣接するアノードセパレータ34とカソードセパレータ36との間の隙間には、冷却水路46が設けられていても良い。
【0023】
MEA28、アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32は、波型形状(A)を呈している。そのため、これらの構成要素を積層して単セル20を作製した時には、アノードガス拡散層30の山部とアノードセパレータ34の表面とが接触し、かつ、カソードガス拡散層32の山部とカソードセパレータ36の表面とが接触する。
【0024】
アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36の形状は、特に限定されない。
本実施の形態において、アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36は、いずれも、反応ガスが流れる方向(y軸方向)に対して垂直方向の断面形状が波型形状(B)からなる。なお、図1では、アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36の双方が波型形状(B)を呈しているが、いずれか一方が波型形状(B)を呈していても良い。
ここで、「波型形状(B)」とは、表面(隣接する他の部材に対向している面)に山部と谷部が周期的に形成されている形状をいう。波型形状(B)の詳細については、波型形状(A)と同様であるので、説明を省略する。
【0025】
本実施の形態においては、波型形状(A)を呈するアノードガス拡散層30の山部と、波型形状(B)を呈するアノードセパレータ34の山部とが接している。同様に、波型形状(A)を呈するカソードガス拡散層32の山部と、波型形状(B)を呈するアノードセパレータ36の山部とが接している。そのため、セパレータとガス拡散層との間には、比較的広い空間が形成されている。
【0026】
さらに、アノードセパレータ34及び/又はカソードセパレータ36が波型形状(B)を呈している場合において、波型形状(B)の振幅及び/又は周期長を最適化すると、図1に示すように、両者を重ね合わせた時に、両者の間に隙間を形成することができる。そのため、この隙間を冷却水路46として利用することができ、冷却水路46を別途形成する必要がないという利点がある。
【0027】
[1.4.2. 材料]
アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36の材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36の材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などがある。
【0028】
[1.5. 各部のサイズ]
[1.5.1. 接触面積割合]
「接触面積割合」とは、ガス拡散層の総表面積に対する、ガス拡散層とセパレータとの接触面積の割合をいう。
一般に、アノードガス拡散層30とアノードセパレータ34との接触面積、及び/又は、カソードガス拡散層32とカソードセパレータ36との接触面積が小さくなるほど、実質的に有効な発電面積が大きくなる。特に、アノードセパレータ34及び/又はカソードセパレータ36の断面を波型形状(B)とすると、接触面積を小さくすることができる。
【0029】
発電面積を大きくするためには、アノードガス拡散層30とアノードセパレータ34との接触面積割合は、40%以下が好ましい。接触面積割合は、好ましくは、30%以下、さらに好ましくは、20%以下、さらに好ましくは、10%以下である。
同様に、カソードガス拡散層32とカソードセパレータ36との接触面積割合は、40%以下が好ましい。接触面積割合は、好ましくは、30%以下、さらに好ましくは、20%以下、さらに好ましくは、10%以下である。
【0030】
[1.5.2. A/L比]
燃料電池スタック10aは、次の式(2.4)が成り立つものが好ましい。
A/L≧0.1 …(2.4)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長。
【0031】
MEA28を波型形状(A)にしたことによる発電面積の増大率kは、A/Lと相関がある。一般に、A/Lが大きくなるほど、kは大きくなる。相対的に大きな増大率kを得るためには、A/Lは0.1以上が好ましい。A/Lは、好ましくは、0.2以上、さらに好ましくは、0.3以上である。
【0032】
[1.5.3. A/L2比]
燃料電池スタック10aは、次の式(3.3)が成り立つものが好ましい。
A/L2≦σmax/(2π2Et) …(3.3)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長、
σmaxは、前記電解質膜の降伏応力、
Eは、前記電解質膜のヤング率、
tは、前記電解質膜の厚さ。
【0033】
A/L2は、後述する計算から求められるパラメータであって、電解質膜の耐久性を向上させるための条件(電解質膜の曲率の条件)を表す。
例えば、E=100MPa、t=10μm、σmax=3MPaである場合、式(3.3)の右辺は、152(1/m)となる。すなわち、式(3.2)は、E=100MPa、t=10μm、σmax=3MPaである場合、A/L2≦152(1/m)となるように、波型形状(A)のA及びLを選択すると、電解質膜に加わる曲げ応力σがσmaxを超えないことことを表す
【0034】
E、t、σmaxが上記の値とは異なる場合であっても、RL2を152(1/m)以下にすることは、相対的に電解質膜の耐久性を向上させることに相当する。AL2は、好ましくは、140(1/m)以下、さらに好ましくは、130(1/m)以下である。
【0035】
[1.4.4. RL2 2
燃料電池スタック10aは、次の式(4.2)が成り立つものが好ましい。
RL2 2≦0.1×4×3V/I …(4.2)
但し、
2は、前記波型形状(A)の一周期分の曲線に沿った長さ、
Rは、前記ガス拡散層の面内電子抵抗、
Vは、最大出力時の電圧、
Iは、最大出力時の電流密度。
【0036】
式(4.2)は、後述する計算から求められるパラメータであって、損失(ηloss)を10%以下にするためのL2とRの条件を表す。ここで、「損失(ηloss)」とは、発電エネルギーに対する、ガス拡散層の面内方向に電流が流れる時の抵抗による損失エネルギーの比率をいう。
例えば、I=2×104A/cm2、V=0.6Vである場合、式(4.2)の右辺は、360mΩcm2となる。すなわち、式(4.2)は、最大出力時の電流密度が2×104A/cm2、電圧が0.6Vである場合にL2 2×R≦360mΩcm2となるように、ガス拡散層のL2及びRを選択すると、ηlossを10%以下にできることを表す。
【0037】
I、V、ηlossが上記の値とは異なる場合であっても、RL2 2を小さくすることは、相対的にηlossを小さくすることに相当する。RL2 2は、好ましくは、330mΩcm2以下、さらに好ましくは、300mΩcm2以下である。
【0038】
[2. 燃料電池スタック(2)]
図2に、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図を示す。図2において、燃料電池スタック10bは、複数個の単セル20、20の積層体からなる。
また、単セル20は、それぞれ、
電解質膜(図示せず)の両面にアノード触媒層(図示せず)及びカソード触媒層(図示せず)が接合された膜電極接合体(MEA)28と、
アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層30と、
カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層32と、
アノードガス拡散層30の外側に配置されたアノードセパレータ34と、
カソードガス拡散層32の外側に配置されたカソードセパレータ36と
を備えている。
【0039】
図2において、アノードセパレータ34は、波型形状(B)を呈している。また、波型形状(A)を呈するアノードガス拡散層30の山部と、波型形状(B)を呈するアノードセパレータ34の谷部とが接している。
同様に、カソードセパレータ36は、波型形状(B)を呈している。また、波型形状(A)を呈するカソードガス拡散層32の山部と、波型形状(B)を呈するカソードセパレータ36の谷部とが接している。この点が、第1の実施の形態とは異なる。
なお、このような山部と谷部との接触方法は、アノード側又はカソード側のいずれか一方にのみ用いても良い。
【0040】
燃料電池スタック10bは、燃料電池スタック10aに比べて、ガス拡散層とセパレータとの間の空間(すなわち、アノードガス流路及びカソードガス流路)が狭くなるが、スタック全体の高さを低くすることができるという利点がある。
燃料電池スタック10bに関するその他の点については、燃料電池スタック10aと同様であるので、説明を省略する。
【0041】
[3. 燃料電池スタック(3)]
図3に、本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図を示す。図3において、燃料電池スタック10cは、複数個の単セル20、20の積層体からなる。
また、単セル20は、それぞれ、
電解質膜(図示せず)の両面にアノード触媒層(図示せず)及びカソード触媒層(図示せず)が接合された膜電極接合体(MEA)28と、
アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層30と、
カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層32と、
アノードガス拡散層30の外側に配置されたアノードセパレータ34と、
カソードガス拡散層32の外側に配置されたカソードセパレータ36と
を備えている。
【0042】
図3において、アノードセパレータ34は平板状を呈しており、かつ、カソードセパレータ36と対抗する面には隔壁48、48が立設されている。また、カソードセパレータ34は平板状を呈している。
隔壁48、48は、アノードセパレータ34とカソードセパレータ36とを重ねた時に、両者の間の隙間に冷却水路46を形成するためのものである。セパレータを平板型にすると、冷却水路46を形成するために追加の部材(隔壁48、48)が必要になるという欠点はある。しかし、セパレータを平板型にすると、セパレータの製造コストを低減できるという利点がある。
燃料電池スタック10cに関するその他の点については、燃料電池スタック10a、10bと同様であるので、説明を省略する。
【0043】
[4. 燃料電池スタック(4)]
図4に、本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池スタックの断面模式図を示す。図4において、燃料電池スタック10dは、複数個の単セル20、20の積層体からなる。
また、単セル20は、それぞれ、
電解質膜(図示せず)の両面にアノード触媒層(図示せず)及びカソード触媒層(図示せず)が接合された膜電極接合体(MEA)28と、
アノード触媒層の外側に配置されたアノードガス拡散層30と、
カソード触媒層の外側に配置されたカソードガス拡散層32と、
アノードガス拡散層30の外側に配置されたアノードセパレータ34と、
カソードガス拡散層32の外側に配置されたカソードセパレータ36と
を備えている。
【0044】
図4において、アノードガス拡散層30とアノードセパレータ34との間の隙間には、多孔質材料からなる充填部材50が挿入されている。同様に、カソードガス拡散層32とカソードセパレータ36との間の隙間には、多孔質材料からなる充填部材50が挿入されている。なお、充填部材50は、アノード側又はカソード側のいずれか一方にのみ挿入されていても良い。
【0045】
充填部材50は、ガスの輸送に支障を来さない程度の通気性と、アノードガス拡散層30又はカソードガス拡散層32に所定の締結圧を伝達することが可能な程度の強度を持つものであれば良い。充填部材50としては、例えば、金属多孔体、ポーラスカーボンなどがある。
【0046】
MEA28、アノードガス拡散層30、及びカソードガス拡散層32の断面形状を波型形状(A)とし、アノードセパレータ34及びカソードセパレータ36の断面形状を波型形状(B)又は平板型形状とし、これらを積層した場合、ガス拡散層とセパレータとの間に相対的に大きな空間があるために、MEA28とアノードガス拡散層30との間、及び/又は、MEA28とカソードガス拡散層32との間の接触が不十分となることがある。これに対し、ガス拡散層とセパレータとの間に充填部材50を挿入すると、MEA28とガス拡散層とを確実に接触させることができる。
燃料電池スタック10dに関するその他の点については、燃料電池スタック10a~10cと同様であるので、説明を省略する。
【0047】
[5. 作用]
[5.1. 発電面積の増大]
図5に、従来の燃料電池スタックの断面模式図を示す。従来の燃料電池スタック10eには、断面が平板型形状を有するMEA28’、アノードガス拡散層30’、及び、カソードガス拡散層32’が用いられている。また、アノードガス拡散層30’及びカソードガス拡散層32’の外側には、それぞれ、断面形状が波型形状(B)を呈するアノードセパレータ34及びカソードセパレータ36が配置されている。
【0048】
このような構造を備えた燃料電池スタック10eにおいて、セパレータコストやシール材コストの低減、あるいは、燃料電池スタックの小型化を図るためには、MEA28’の幾何学的面積の低減が必要である。一方、燃料電池スタック10e全体の性能を低下させることなく、MEA28’の幾何学的面積を低減するには、MEA28’の単位面積当たりの発電性能を増大させる必要がある。しかし、MEA28’の単位面積当たりの発電性能の増大には限界がある。
【0049】
これに対し、MEA28、アノードガス拡散層30及びカソードガス拡散層32の断面形状を波型形状(A)とすると、MEA28の幾何学的面積を増大させること無く、MEA28の反応面積を増大させることができる。そのため、燃料電池スタック全体の性能を低下させることなく、燃料電池スタックを小型化することができる。
【0050】
[5.2. 接触面積割合の低減]
ガス拡散層とセパレータとの接触面積割合が大きくなると、MEA28に反応ガスを供給しにくい領域が増大し、MEA28の単位面積当たりの発電出力が低下する。その結果、接触面積割合が大きくなるほど、一定の出力を得るために必要な電極面積が増加する。
【0051】
図6に、接触面積割合と酸素輸送に起因する電極面積増加率との関係を示す。「電極面積増加率」とは、次の式(1)で表される値をいう。
電極面積増加率=(A-A0)×100/A0 …(1)
但し、
0は、接触面積割合が0%である時に、一定の出力を得るのに必要な電極面積、
Aは、接触面積割合がx%である時に、一定の出力を得るのに必要な電極面積。
【0052】
図6は、接触面積割合が大きくなるほど、カソードへの酸素輸送が阻害されて電極面積当たりの発電性能が低下するために、その分、カソードの電極面積を増加させる必要があることを示している。図6より、接触面積割合が40%を超えると、電極面積増加率の傾きが急激に大きくなることが分かる。一定の出力を得るために必要な電極面積が増加すると、MEA28の断面形状を波型形状(A)としたメリットが損なわれる。従って、、接触面積割合は40%以下が好ましい。
【0053】
[5.3. 適切な締結圧の印加]
他方、接触面積割合を小さく抑えながらも、セパレータとガス拡散層との間の接触抵抗を低減する必要がある。そのため、両者の間に適切な締結圧を印加するのが好ましい。MEAの断面形状をを波型形状(A)とし、セパレータとガス拡散層とを、ガス拡散層の山部で接触させる構造にすると、接触面積割合を小さく抑えつつ、ガス拡散層とセパレータとの間に適切な締結圧を加えることができる。
【0054】
[5.4. 金属多孔体からなるガス拡散層]
例えば、カーボン不織布、カーボンペーパー等のカーボン製ガス拡散層に対して切削、プレス等の加工を施すことにより、カーボン製ガス拡散層を波型形状に成形することもできる。しかし、このような加工が施されたカーボン製ガス拡散層はファイバーが毛羽立ちやすく、ファイバーがMEAをショートさせる可能性が高まる。
【0055】
これに対し、ガス拡散層として金属多孔体を用いると、波型形状(A)への成形が容易となるだけでなく、MEAをショートさせるリスクを低減することができる。
なお、平板状のMEAを作製した後、ガス拡散層の形状に倣うようにMEAを湾曲させると、触媒層にひび割れが生じるおそれがある。従って、MEAは、ホットプレスの時点で波型形状に成形しておくのが好ましい。
【0056】
[5.5. 冷却水路]
セパレータが平板状である場合において、隣接するセパレータ間に冷却水路を形成するためには、追加の部材が必要となる。
これに対し、セパレータの断面形状を波型形状(B)とすると、両者を重ね合わせた時に両者の間に隙間が形成される。この隙間を冷却水路としてそのまま利用することができる。また、波型形状の片振幅及び周期長を最適化することにより、冷却流路の断面積を酸化剤流路や燃料流路とは独立して設定することができる。そのため、冷却水圧損や配流を適切に設定することができる。
【0057】
[5.6. 多孔質材料からなる充填部材の挿入]
ガス拡散層とセパレータとの間の隙間に、多孔質材料からなる充填部材を挿入すると、セパレータと接触していないガス拡散層の領域が充填部材により押圧される。そのため、ガス拡散層とMEAとの界面の圧縮応力が高くなり、両者の間の接触抵抗を低減することができる。
【0058】
[5.7. A/L]
図7に、MEAの断面を正弦波で近似した時の、断面の位置とMEAの高さとの関係を示す。ここで、片振幅をA(m)、周期長をL(m)とする。この時、断面図における位置をx(m)とすると、MEAの高さy(m)は、次の式(2.1)で表せる。
y=Asin(2πx/L) …(2.1)
【0059】
この時、奥行き方向の長さをW(m)、周期数をnとすると、波型形状(A)にしたことで増大するMEAの面積aは、次の式(2.2)で表される。但し、X=2πx/Lとした。
【0060】
【数1】
【0061】
他方、波型形状(A)にしない場合のMEAの面積は、nLW(m2)であるから、波型形状(A)にしたことによる面積の増大率kは、次の式(2.3)で表される。式(2.3)より、kは、A/Lから一意に求まる。
【0062】
【数2】
【0063】
図8に、A/Lとkとの関係を示す。図8より、A/L≧0.1の領域からkが大きくなり始める様子が確認される。このことから、本発明の効果を顕著に得るためには、A/Lは、次の式(2.4)を満たすことが好ましい。
A/L≧0.1 …(2.4)
但し、
Aは、前記波型形状(A)の片振幅、
Lは、前記波型形状(A)の周期長。
【0064】
[5.8. A/L2
MEA28が波型形状(A)を有する場合において、電解質膜の耐久性を維持するためには、電解質膜の曲率をある一定の範囲にすることが望ましい。電解質膜のヤング率をE(MPa) 、膜厚をt(m)、曲率をc(1/m)とすると、電解質膜に加わる曲げ応力σ(MPa)は、次の式(3.1)で表される。
σ=(1/2)cEt …(3.1)
【0065】
ここで、電解質膜の降伏応力をσmax(MPa)とすると、σ≦σmaxを満たすためには、次の式(3.2)を満たす必要がある。
c≦2σmax/(Et) …(3.2)
他方、図7の正弦波の曲率cの最大値は、4π2A/L2であるから、これを式(3.2)に代入すると、次の式(3.3)が得られる。
A/L2≦σmax/(2π2Et) …(3.3)
【0066】
ここで、E=100MPa、t=10μm、σmax=3MPaとし、これらを式(3.3)に代入すると、次の式(3.4)が得られる。式(3.4)より、膜の最大曲率点での曲げ応力が降伏応力を下回るためには、A/L2≦152(1/m)とすれば良いことがわかる。
A/L2≦σmax/(2π2Et)=152(1/m) …(3.4)
なお、式(3.4)の条件は、A/Lを固定した場合、次の式(3.5)に示すように、Lの最小値Lminを与える。
min=A/152L …(3.5)
【0067】
[5.9. RL2 2
一周期分の曲線に沿った長さL2は、式(2.3)で求めたkLに等しい。MEAの面積当たりの電流密度をI(A/m2)、セル電圧をV(V)、ガス拡散層の面内電子抵抗をR(Ω)とすると、損失ηloss(=発電エネルギーに対する、ガス拡散層を面内方向に電流が流れる時の抵抗による損失エネルギーの比率)は、次の式(4.1)で表される。
ηloss=R(L2/2)2I/(3V) …(4.1)
【0068】
ηlossを10%に抑えることを考えると、式(4.1)より、次の式(4.2)が得られる。
RL2 2≦0.1×4×3V/I …(4.2)
最大出力時の電流密度が2×104A/cm2、電圧が0.6Vである場合、式(4.2)の右辺は、360mΩcm2となる。すなわち、式(4.2)は、I=2×104A/cm2、V=0.6Vである場合において、RL2 2が360mΩcm2以下となるように、ガス拡散層の材料(面内電気抵抗R)に応じてL2(すなわち、片振幅A及び周期長L)を選択すると、ηlossを10%以下にすることができることを示している。
【0069】
なお、前述の通り、L2=kLであり、kは図8に示すようにA/Lにより一意に定まることから、RとA/Lを固定すれば、この制約は、次の式(4.3)に示すように、Lの最大値Lmaxを与える。
【0070】
【数3】
【0071】
図9に、A/LとLmin、Lmaxとの関係を示す。上述したA/L、Lmin、及びLmaxの3つの制約を満たすLとA/Lの組み合わせは、図9の斜線部で表される。但し、この試算においては、R=0.2Ωとした。
なお、図9より、A/L=0.1の時のLminは、657.9μmである。従って、Aは、最小でも0.1×657.9μm=65.7μm必要である。
また、AはMEAの断面を正弦波で近似した場合の片振幅に当たるので、最小の両振幅は、2×65.7μm=131.4μmとなる。
【0072】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る燃料電池スタックは、車載動力源、定置型発電機などに用いることができる。
【符号の説明】
【0074】
10a~10d 燃料電池スタック
20 単セル
28 MEA
30 アノードガス拡散層
32 カソードガス拡散層
34 アノードセパレータ
36 カソードセパレータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9