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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019197124
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2021072504
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】児玉 忠
(72)【発明者】
【氏名】樺澤 孝司
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-074332(JP,A)
【文献】特許第4581024(JP,B1)
【文献】特開2017-079410(JP,A)
【文献】特開2013-242062(JP,A)
【文献】国際公開第2011/033803(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0140061(US,A1)
【文献】特開2014-165548(JP,A)
【文献】特開2015-192387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が操作可能な操作部と、
画面を切り替え可能な表示部と、
前記操作部からの操作情報に基づいて送信指示を出力する制御部と、
前記送信指示に基づいて操作設定及び前記操作設定と排他な特殊設定を送信可能な送信
部と、
画面データ及びプログラムデータを格納する記憶部と、
を備えた遠隔操作装置であって、
前記記憶部は、前記画面毎に用意された前記プログラムデータと、前記操作情報を無効にする送信制限プログラムデータとを格納し、
前記制御部は、前記特殊設定の前記送信指示を出力した場合に、特殊設定送信中画面へ画面遷移させるように前記表示部を制御し、
前記特殊設定送信中画面にて前記送信制限プログラムデータを読み出すことで前記操作設定の前記送信指示を制限する、
遠隔操作装置。
【請求項2】
前記操作部は、直接入力部をさらに有し、
前記直接入力部は、前記制御部に前記操作設定の前記送信指示を出力させる前記操作情報を出力可能であり、
前記制御部は、前記特殊設定送信中画面にて第一の所定時間と、前記第一の所定時間より短い第二の所定時間を有し、
前記第一の所定時間中、前記特殊設定送信中画面を表示し、前記第二の所定時間中、前記送信制限プログラムデータが前記操作情報を無効にする、
請求項に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第二の所定時間経過後、前記第一の所定時間中に前記操作設定の前記送信指示を出力した場合に、
前記操作設定を送信するように前記送信部を制御し、前記特殊設定送信中画面から通常画面へ画面遷移させるように前記表示部を制御する、
請求項に記載の遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器を遠隔操作するための無線式の遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遠隔操作装置は、赤外線信号等の無線通信用の出力回路(送信手段)を備え、対象機器を操作できるものがあるが、暖房や冷房、除湿、送風に加え、風量や風向きなどの詳細設定や多機能化によって、全機能を表示できずに、複数種類の画面が用意され、画面切り替え(画面遷移)によって、各種操作設定できるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-252336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遠隔操作装置は、対象機器で特殊な動作や設定を行わせる特殊設定について、通常の操作設定と排他して送信する必要がある。
【0005】
そこで本発明の目的は、上述した課題に着目し、簡易な構成で操作設定と特殊設定を排他可能な遠隔操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遠隔操作装置は、
利用者が操作可能な操作部と、
画面を切り替え可能な表示部と、
前記操作部からの操作情報に基づいて送信指示を出力する制御部と、
前記送信指示に基づいて操作設定及び前記操作設定と排他な特殊設定を送信可能な送信部と、
画面データ及びプログラムデータを格納する記憶部と、
を備えた遠隔操作装置であって、
前記記憶部は、前記画面毎に用意された前記プログラムデータと、前記操作情報を無効にする送信制限プログラムデータとを格納する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、簡易な構成で操作設定と特殊設定を排他可能な遠隔操作装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態による遠隔操作装置の概略図である。
図2】同実施形態における遠隔操作装置の構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態における処理状態の画面遷移を示す図である。
図4】同実施形態における記憶部のデータ格納領域の区分を示す図である。
図5】同実施形態における遠隔操作装置の特殊送信中画面における制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の遠隔操作装置の実施形態として、空気調和機用の遠隔操作装置に適用したものを例に挙げて、図面を用いて説明する。
【0010】
図1に示すように、遠隔操作装置Aの操作対象となる空気調和機Bは、室内機Cと室外機Dとを接続配管Eで接続して構成され、所望の冷房、暖房、除湿の運転により、室内の温度等を調節する。室内機Cは、熱交換機、送風ファン、受信回路などを前面パネルC1内に内蔵している。また、室内機Cの前面パネルC1には、空気の吹き出し口C2の隣に、遠隔操作装置Aとの無線通信を行うための受信回路C3と、運転状態を表示する表示部C4とを設けている。
【0011】
室内機Cは、内部の制御基板に実装された該受信回路やマイクロコンピュータを用いて、遠隔操作装置Aからの信号に従って、送風ファンや吹き出し口C2の風向きなどの駆動制御や熱交換機を有する室外機Dとの通信を行う。室外機Dは、室内機Cとの該通信に従って、内蔵する熱交換機を作動させ、室内機C内の熱交換機の作用を併せて、室内の温度や湿度を空調運転できる。
【0012】
遠隔操作装置Aは、液晶表示素子を用いた表示部(表示パネル)1と、操作部(操作ボタン)2と、これらを保持する筐体(ケース)3とを備えている。空気調和機Bの利用者は、ケース3を手元に把持した状態で、運転切替や所望の温度、風量などを、表示パネル1に表示される空気調和機Bの設定状態を確認しながら、操作ボタン2を指先で押圧操作できる。また、遠隔操作装置Aは、無線通信手段を備えており、該押圧操作に基づく信号を室内機Cの受信回路C3へ伝えることができる。
室内機Cは、冷房、暖房、除湿の運転切替や温度、風量などの設定変更を遠隔操作装置Aからの操作設定によって受け付け、フィルタ清掃や無線LAN(Local Area Network)設定を遠隔操作装置Aからの特殊設定によって受け付ける。
【0013】
次に、遠隔操作装置Aについて、説明する。
【0014】
遠隔操作装置Aは、表示パネル1と、操作ボタン2と、ケース3と、ケース3内の図示しない回路基板及び電池と、を備えている。
【0015】
表示パネル1は、ケース3の開口窓31から臨むことができるように保持され、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)を適用できる。表示パネル1は、回路基板に実装された制御回路(後述する制御部40)からの制御信号によって駆動制御され、操作ボタン2の操作に基づく、操作状態や、通信対象である空気調和機Bの設定状態、室温や現在温度、時刻などを表示できる。表示パネル1は、回路基板に対して異方性導電部材、フレキシブル配線等を用いて電気的に接続される。
【0016】
操作ボタン2は、利用者が指先で押圧操作することで、回路基板に実装されるスイッチ(接点)の通電状態を切り替えるものであり、この場合、合成ゴムやシリコンゴムを適用でき、材質や形状による弾性変形可能な電気絶縁性のシートに、該接点に対向する導電材を有する凸部を設ける形状である。この接点と操作ボタン2とによって操作部となる。
【0017】
この凸部は、回路基板の各接点に対向し、外側からの押圧操作時に対象の接点に接触することで、通電信号(操作情報)を制御回路へ出力できる。また、指先が操作ボタン2から離れた場合には、合成ゴムの形状復帰によって接点を断線(非通電)状態に戻すことができる。なお、この場合、スイッチ用に操作ボタン2に対向する銅箔パターンからなる接点を複数設ける構造であるが、復帰機能を有するタクトスイッチなどのスイッチ素子を回路基板に実装することで代替して適用することも考えられる。
【0018】
操作ボタン2は、複数の操作の組み合わせにより操作情報を出力する通常操作部21と、単独のボタン押下により即座に操作設定を出力する直接入力部22を有する。
通常操作部21は、例えば、メニュー画面を表示するMENUボタン、メニュー画面を操作し選択する矢印ボタン、決定を示すOKボタンにより構成される。
直接入力部22は、例えば、氷の結晶を模した絵が描かれた冷房機能を示すボタンと、水滴を模した絵が描かれた除湿機能を示すボタンと、太陽を模した絵が描かれた暖房機能を示すボタンにより構成される。直接入力部22は、これらのボタンのいずれかが押下された場合に、表示している画面に関わらず、当該機能を有効にする操作情報を出力する。
なお、通常操作部21の一部は、表示している画面に応じて直接入力部22として機能してもよく、例えば、上矢印ボタン又は下矢印ボタンの押下により温度設定変更の操作情報を出力してもよい。
【0019】
ケース3は、合成樹脂材からなる複数の部品が組み付けられることで、内部に回路基板や電池収容部などの部品を収容する空間を形成する。
【0020】
ケース3は、表示パネル1及び操作ボタン2を臨む開口窓31を複数有し、この開口窓31の縁部分によって、表示パネル1及び操作ボタン2を位置決めできる。また、ケース3は、表示パネル1や操作ボタン2を挟み込むようにして保持する。回路基板は、ケース3に対して図示しないビスによって固定される。
【0021】
この表示パネル1の裏側や側面側には、赤外光線を透過可能な透光性の合成樹脂材からなる透光部32を備え、この場合、透光部32は、透明材に暗色の顔料を混入してから樹脂成形した所謂スモーク部材であり、裏側のケースに圧入して嵌め込まれる。裏側のケースには、電池を着脱可能なようにケース3内を臨む貫通孔が設けられ、この貫通孔を覆い塞ぐようにフックによる係合部を有し、着脱可能な蓋が設けられる。
【0022】
回路基板は、紙フェノールやガラスエポキシ樹脂等を用いた基材に、銅箔パターンを形成した硬質のプリント基板を適用でき、後述する制御部40や、発光ダイオード、コンデンサや抵抗素子などの電子部品、スイッチ用の接点、これらを接続する配線パターンが設けられる。また、回路基板は、接触端子や該配線パターンを介して、電池からの電力を制御部40や発光ダイオードなどの電子部品に供給できる。
【0023】
なお、この場合、空気調和機Bとの通信手段として、赤外光を適用し、後述する送信部50となる発光ダイオードの点灯/消灯からなる規格化された発光パターンによって識別可能な信号をやり取りするが、この他に、例えば、送受信アンテナや送受信回路等からなる送信部及び受信部を遠隔操作装置Aと空気調和機Bのそれぞれに用意して、近距離無線通信を利用した通信手段に置き換えることもできる。
【0024】
次に空気調和機Bを遠隔操作するための制御処理に関する構成を図2を用いて説明する。
【0025】
操作部2は、利用者の押圧操作に基づく操作情報を制御部40に出力する。なお、表示パネル1の表面にタッチパネルを積層することによって、操作部とすることも考えられる。
【0026】
制御部40は、例えば、マイクロコンピュータを適用でき、演算処理するためのCPUと、この演算処理用のプログラムデータやイメージデータ、演算結果等を格納する記憶部41を備えている。なお、記憶部41は、RAMやROMを適用できる。制御部40は、回路基板に実装されており、操作部2と、表示パネル1と、送信部50と、に接続されている。制御部40は、操作部2からの操作情報や、記憶部41に格納されたプログラムデータに従って演算処理を行い、表示パネル1や送信部50を制御する。
【0027】
表示パネル1は、制御部40からの制御信号に基づいて、表示画面を生成し出力できる。なお、制御部40は、記憶部41に格納された画面毎のプログラムデータ11a~11fとイメージデータ12a~12fとに基づいて、表示パネル1に表示するための描画処理を繰り返し実行し、操作部2からの操作情報を待ち受ける。例えば、図3に示すように、制御部40は、通常画面10a用のプログラムデータ11aとこの画面に関連するイメージデータ12aとから、描画処理を行い、現在の設定値などを表示するための表示画面データを描画処理し、表示パネル1へ出力できる。
【0028】
送信部50は、赤外光を発する発光ダイオードを適用でき、制御部40からの送信指示に基づいて点灯/消灯を切り替え、空気調和機Bに操作設定や特殊設定を送信する。
制御部40は、操作設定と排他な特殊設定の送信指示を行う際に、所定時間操作設定の送信指示を行わないように、記憶部41に格納された送信制限プログラムデータ13によって制御する。
【0029】
記憶部41は、図4に示すように、プログラムデータ格納領域41aと、イメージデータ格納領域41bとが区画され、さらに、画面10a~10f毎のプログラムデータ11a~11fや送信制限プログラムデータ13、イメージデータ12a~12fが区画されて別々に格納されている。これらデータを制御部40が読みだして、表示パネル1の表示制御及び送信部50の通信制御を行う。なお、記憶部41は、作業データや情報を一時保存するための所定格納領域41cをさらに備えていてもよい。
【0030】
次に、制御部40の演算処理による画面遷移について、図3を用いて説明する。図3において、例えば、通常画面10aはホーム画面であり、通常画面10bはメニュー画面であり、通常画面10c、10dはメニュー画面の下位に配置される空気調和機Bの各機能の画面であり、通常画面10eは通常画面10dの下位に配置される詳細設定の画面である。
【0031】
制御部40は、電源が投入された後、通常画面10aを表示する表示制御を行う、記憶部41のプログラムデータ11aを読み出すと共に、このプログラムデータ11aに基づく描画処理に必要な画像情報からなるデータを記憶部41のイメージデータ12aの区画から読み出して描画処理を行う。また、通常画面10aの表示中、制御部40は、例えば、図1に示すように、設定温度や運転モードなど、現状の空気調和機Bの設定状況(ステータス情報)の一部や時刻なども記憶部41の所定格納領域41cにある作業データを用いながら表示されるように表示パネル1を制御できる。
【0032】
制御部40は、この通常画面10a表示中、前記プログラムデータ11aによる演算処理において、操作ボタン2の操作有無を操作情報に基づいて判定し、通常画面10aの表示を更新する、又は通常画面10bに画面遷移されるようにプログラムデータ11bへの演算処理に切り替える。
【0033】
また、制御部40は、この通常画面10a表示中、前記プログラムデータ11aによる演算処理において、操作ボタン2の操作情報が所定の条件を満たした場合(例えば、OKボタンが押下された場合)に、操作設定の送信指示を出力する。
また、制御部40は、通常画面10a~10eの表示中、直接入力部22の押下による操作情報にて操作設定の送信指示を出力し、通常画面10aへ画面遷移する。
【0034】
制御部40は、特定の画面(例えば、通常画面10d,10e)における操作情報に基づいて、特殊設定送信中画面10fへと画面遷移し、プログラムデータ11fによる演算処理において特殊設定の送信指示を出力し、送信制限プログラムデータ13によって操作部2からの操作情報を制限する。
なお、遠隔操作装置Aの特殊設定送信中画面10fにおける制御については、後述する。
【0035】
送信制限プログラムデータ13は、画面毎に用意されたプログラムデータ11a~11fとは別に、記憶部41に格納されている。このため、通常画面10d、10eのプログラムデータ11d、11eのそれぞれに送信制限プログラムデータ13を重複して設ける必要がなくなるため記憶領域を削減できる。
また、制御部40は、特殊設定送信中画面10fにて送信制限プログラムデータ13を読み出すことで、操作部2からの操作情報を制限する画面を特殊設定送信中画面10fに集約することができる。
なお、特殊設定送信中画面10fへ画面遷移する通常画面は3つ以上でもよく、この特殊設定送信中画面10fへ画面遷移する通常画面が多くなるほど記憶領域の削減量は大きくなる。
【0036】
図5を参照する。図5は、遠隔操作装置Aの特殊設定送信中画面10fにおける制御を示すフローチャートである。遠隔操作装置Aの制御部40は、特殊設定送信中画面10fにおいて、プログラムデータ11fと送信制限プログラムデータ13を読み出す。
【0037】
ステップS1において、制御部40は、第一の所定時間のタイマを開始する。
【0038】
ステップS2において、制御部40は、第一の所定時間より短い第二の所定時間のタイマを開始する。制御部40は、第二の所定時間中、送信制限プログラムデータ13が操作部2からの操作情報を無効にする。これにより、遠隔操作装置Aは、第二の所定時間中、送信制限プログラムデータ13により、操作部2の直接入力部22の押下による操作情報を受け付けず、特殊設定を確実に送信することができる。なお、第二の所定時間は、特殊設定と操作設定の排他に必要な時間であり、特殊設定の種別や対象機器に応じて適宜設定される。
【0039】
ステップS3において、制御部40は、特殊設定の送信を開始するよう送信部50を制御する。
【0040】
ステップS4において、制御部40は、操作部2の直接入力部22からの操作情報を受け付けたか判定する。受け付けた場合(Yesの場合)は、ステップS5に移行し、受け付けていない場合(Noの場合)は、ステップS6に移行する。
【0041】
ステップS5において、制御部40は、第二の所定時間を経過したか判定する。経過した場合(Yesの場合)は、ステップS7に移行し、経過していない場合(Noの場合)は、ステップS6に移行する。
【0042】
ステップS6において、制御部40は、第一の所定時間を経過したか判定する。経過した場合(Yesの場合)は、ステップS8に移行し、経過していない場合(Noの場合)は、ステップS4に移行する。
【0043】
ステップS7において、制御部40は、直接入力部22からの操作情報に基づく操作設定の送信指示を行う。これにより、遠隔操作装置Aは、特殊設定送信中画面10fの表示中であっても、第二の所定時間(排他に必要な時間)経過後には、利用者が特殊設定送信中画面10fの切り替わりを待たずに、操作設定の送信指示を行うことができる。
【0044】
ステップS8において、制御部40は、通常画面10aに遷移する。なお、制御部40は、特殊設定送信中画面10fに画面遷移される前に、表示されていた画面情報を、記憶部41の所定格納領域41cに格納しておき、この画面情報に基づいて通常画面10d~10eに戻すこともできる。この場合、画面遷移が通常画面10aや通常画面10bを経由しない分だけ、操作回数を低減する効果が期待できる。
【0045】
上述の実施形態は、以下の効果をもたらす。
【0046】
遠隔操作装置Aは、
利用者が操作可能な操作部2と、
画面を切り替え可能な表示部1と、
操作部2からの操作情報に基づいて送信指示を出力する制御部40と、
前記送信指示に基づいて操作設定及び前記操作設定と排他な特殊設定を送信可能な送信部50と、
画面データ及びプログラムデータを格納する記憶部41と、
を備えた遠隔操作装置であって、
記憶部41は、前記画面毎に用意されたプログラムデータ11a~11fと、前記操作情報を無効にする送信制限プログラムデータ13とを格納する。
【0047】
遠隔操作装置Aは、画面毎に用意されたプログラムデータ11a~11fとは別に、送信制限プログラムデータ13を記憶部41に格納することで、通常画面10d、10eのプログラムデータ11d、11eのそれぞれに送信制限プログラムデータ13を重複して設ける必要がなくなるため記憶領域を削減できる。
【0048】
遠隔操作装置Aにおいて、
制御部40は、前記特殊設定の前記送信指示を出力した場合に、特殊設定送信中画面10fへ画面遷移させるように表示部1を制御し、
特殊設定送信中画面10fにて送信制限プログラムデータ13を読み出すことで前記操作設定の送信指示を制限する。
【0049】
遠隔操作装置Aは、制御部40が特殊設定送信中画面10fにて送信制限プログラムデータ13を読み出すことで、操作部2からの操作情報を制限する画面を特殊設定送信中画面10fに集約することができる。
【0050】
遠隔操作装置Aにおいて、
操作部2は、直接入力部22をさらに有し、
直接入力部22は、制御部40に前記操作設定の前記送信指示を出力させる前記操作情報を出力可能であり、
制御部40は、特殊設定送信中画面10fにて第一の所定時間と、前記第一の所定時間より短い第二の所定時間を有し、
第一の所定時間中、前記特殊設定送信中画面10fを表示し、前記第二の所定時間中、送信制限プログラムデータ13が前記操作情報を無効にする。
【0051】
遠隔操作装置Aは、第二の所定時間中、送信制限プログラムデータ13により、操作部2の直接入力部22の押下による操作情報を受け付けず、特殊設定を確実に送信することができる。
【0052】
遠隔操作装置Aにおいて、
制御部40は、前記第二の所定時間経過後、前記第一の所定時間中に前記操作設定の前記送信指示を出力した場合に、
前記操作設定を送信するように送信部50を制御し、特殊設定送信中画面10fから通常画面10aへ画面遷移させるように表示部1を制御する。
【0053】
遠隔操作装置Aは、特殊設定送信中画面10fの表示中であっても、第二の所定時間の経過後には、利用者が特殊設定送信中画面10fの切り替わりを待たずに、操作設定の送信指示を行うことができる。
【0054】
なお、上述の遠隔操作装置Aについて、利用者が把持して操作する遠隔操作装置を例に挙げたが、据え置き式の遠隔操作装置に適用してもよい。
【0055】
なお、本発明の遠隔操作装置を上述した実施の形態の構造にて例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構造においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに表示の変更が可能なことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、利用者が操作する遠隔操作装置に関して、例えば、空気調和機やテレビなどの装置を対象にした無線式の遠隔操作手段として好適である。
【符号の説明】
【0057】
1 表示部(表示パネル)
2 操作部(操作ボタン)
21 通常操作部
22 直接入力部
3 筐体(ケース)
40 制御部
41 記憶部
50 送信部
10a~10e 通常画面
10f 特殊設定送信中画面
11a~11f プログラムデータ
13 送信制限プログラムデータ
A 遠隔操作装置
B 空気調和機
図1
図2
図3
図4
図5