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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】流路切り換え装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
A61M1/36 100
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019547015
(86)(22)【出願日】2018-10-04
(86)【国際出願番号】 JP2018037219
(87)【国際公開番号】W WO2019070028
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-08-11
(31)【優先権主張番号】P 2017196110
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017196111
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中神 裕之
(72)【発明者】
【氏名】川邉 美浪
(72)【発明者】
【氏名】森田 友恵
(72)【発明者】
【氏名】亀井 一成
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-274537(JP,A)
【文献】特開平04-138136(JP,A)
【文献】特開平03-061774(JP,A)
【文献】実開平02-058176(JP,U)
【文献】特開平08-210245(JP,A)
【文献】特開昭61-282676(JP,A)
【文献】特開平08-141072(JP,A)
【文献】特開2017-046991(JP,A)
【文献】特開2009-268922(JP,A)
【文献】米国特許第5058416(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/36
F16K 11/08-11/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に沿って等間隔に設けられたポートである、第1のポート部、第2のポート部、第3のポート部及び第4のポート部を有する外筒部と、前記外筒部に摺動回転可能に収容され、側面に等間隔に設けられた4つの開口部のうちの隣接する2つを接続する互いに独立した2つの弧状のトンネル状の流路を有するプラグ部と、を含む本体部を備え、
前記プラグ部は、把持部を有し、前記第1のポート部と前記第2のポート部とを一方の前記流路が接続し、前記第3のポート部と前記第4のポート部とを他方の前記流路が接続する第1の位置と、前記第1のポート部と前記第4のポート部とを一方の前記流路が接続し、前記第2のポート部と前記第3のポート部とを他方の前記流路が接続する第2の位置との間を前記把持部により回転可能であり、
前記外筒部の内周面における前記ポートの端部と、前記プラグ部の外周面における前記流路の端部とは、液密に接続され
前記第1のポート部は、患者の上流側のブラッドアクセスと接続され、
前記第2のポート部は、ポンプの上流側と接続され、
前記第3のポート部は、前記患者の下流側のブラッドアクセスと接続され、
前記第4のポート部は、前記ポンプの下流側と接続され、
前記第1の位置において前記第1のポート部に血液が流入し、
前記第2の位置において前記第1のポート部から血液が流出し、
前記プラグ部は、上面に設けられた視認用凹部を有し、
前記視認用凹部内において、前記流路の部分は立体的に盛り上がった形状をなしており、
独立した2つの前記流路は、前記視認用凹部から、4つの前記開口部のうちの1つと、隣接する2つの開口部のどちらとを接続しているかを視認可能である、流路切り換え装置。
【請求項2】
前記外筒部は、前記プラグ部を圧縮している、請求項1に記載の流路切り換え装置。
【請求項3】
前記プラグ部を、前記第1の位置から前記第2の位置に向かって回転させ、前記第2の位置に達した際、及び前記第2の位置から前記第1の位置に向かって回転させ、前記第1の位置に達した際に、操作者にクリック感を感知させるクリック機構をさらに備えている、請求項1又は2に記載の流路切り換え装置。
【請求項4】
前記プラグ部の回転範囲を、前記第1の位置と、前記第2の位置との間の90°の範囲に制限する、回転制限機構をさらに備えている、請求項1~3のいずれか1項に記載の流路切り換え装置。
【請求項5】
記第1のポート部に接続された第1チューブ、前記第2のポート部に接続された第2チューブ、前記第3のポート部に接続された第3チューブ、及び前記第4のポート部に接続された第4チューブと、
少なくとも一部の前記チューブを、前記ポートから引き出される方向を変えて保持するチューブ固定部とをさらに備え、
前記チューブ固定部は、前記第1チューブと、前記第3チューブとが平面視において同じ側に引き出され、前記第2チューブと、前記第4チューブとが平面視において同じ側で且つ前記第1チューブ及び前記第3チューブとは反対側に引き出されるように前記チューブを固定する、請求項1に記載の流路切り換え装置。
【請求項6】
前記チューブ固定部は、前記本体部と独立して、前記第2チューブ及び前記第3チューブを互いに反対方向に向かうように保持するチューブ保持部を有している、請求項5に記載の流路切り換え装置。
【請求項7】
前記チューブ固定部は、前記本体部が固定されたプレートに設けられている、請求項5又は6に記載の流路切り換え装置。
【請求項8】
前記チューブ固定部は、前記プレートに設けられ、前記第2チューブ及び前記第3チューブを保持するチューブ保持部と、前記第2チューブ及び前記第3チューブを前記チューブ保持部に導くガイド凸部とを含むチューブガイドを有している、請求項7に記載の流路切り換え装置。
【請求項9】
記プラグ部は、4つの凸部を有する平面十字状の把持部を有し
前記第1の位置及び前記第2の位置において、前記把持部の4つの凸部はそれぞれ、4つのポート部と重なる位置に設けられ、
前記第1のポート部、前記第1のポート部に接続されたチューブ、及び前記第1のポート部又は前記チューブに取り付けられたカバー部材の少なくとも1つは、表示部を有し、
前記4つの凸部の内、前記第1の位置において前記第1のポート部と重なる位置となる凸部は、インジケータを有し、
前記表示部と前記インジケータとは、前記第1の位置において、前記上流側のブラッドアクセスと接続された患者側チューブから脱血される順方向であるのか、前記下流側のブラッドアクセスと接続された患者側チューブから脱血される逆方向であるのかを視覚的に示す表示である、請求項1に記載の流路切り換え装置。
【請求項10】
前記第1のポート部は前記表示部として第1の色による表示を有し、
前記第1の位置において前記第1のポート部と重なる位置となる凸部は、前記インジケータとして、前記第1の色と同じ色による表示を有する、請求項9に記載の流路切り換え装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流路切り換え装置に関し、特に体外循環回路の流路を切り換える流路切り換え装置に関する。
【背景技術】
【0002】
種々のチューブセットを用いて、血液等の流体を患者から抜き取ったり、患者に投与したりする、様々な医学的処置が存在する。このような処置の一例として血液透析が挙げられる。血液透析においては、患者の血液は、ブラッドアクセスから体外へ抜き出され、透析器により浄化された後、患者に戻される。血液透析の間、一般的にブラッドアクセスの上流位置から血液が抜き出され、ブラッドアクセスの下流位置へ浄化後の血液が戻される。しかし、ブラッドアクセスの下流位置から血液を抜き出し、ブラッドアクセスにおける上流位置に血液を戻す場合がある。このように逆方向に血液を流すことにより、バスキュラーアクセス流量等の種々の情報を得ることができる。このようにして得られた情報を用いることにより、例えばブラッドアクセスの状態を評価したり、アクセスのトラブルといった他の健康問題に関する事前の警告を得たりすることができる。これにより、数年間透析が行われた患者のブラッドアクセスの修復又は交換等の処置をすることができる。
【0003】
逆方向に血液を流すためには、ブラッドアクセスに接続されたチューブをつなぎ替えればよい。しかし、チューブのつなぎ替えは煩雑であり、医療事故の原因となりやすい。チューブをつなぎ替えることなく、血液の流れを切り換える方法として、4本のチューブと4個のクランプとが設けられた切り換え装置を設ける方法が提案されている(例えば、非特許文献1を参照。)。このような切り換え装置を設けることにより、チューブをつなぎ替えることなく、通常方向の体外循環と、逆方向の体外循環とを切り換えることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】P. G. Sakiewicz他, "Introduction of a Switch that Can Reverse Blood Flow Direction On-Line during Hemodialysis", ASAIO Journal, 46巻, p464-468, 2000年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の切り換え装置は、4つのクランプを正しく操作しなければならず、操作が複雑であり操作ミスが生じやすい。また、切り換えに手間がかかるという問題もある。
【0006】
本開示の課題は、操作が容易な流路切り換え装置を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の流路切り換え装置の第1の態様は、外周に沿って等間隔に設けられた第1のポート部、第2のポート部、第3のポート部及び第4のポート部を有する外筒部と、外筒部に摺動回転可能に収容され、側面に等間隔に設けられた4つの開口部のうちの隣接する2つを接続する互いに独立した2つの弧状のトンネル状の流路を有するプラグ部と、を含む本体部を備え、プラグ部は、第1のポート部と第2のポート部とを一方の流路が接続し、第3のポート部と第4のポート部とを他方の流路が接続する第1の位置と、第1のポート部と第4のポート部とを一方の流路が接続し、第2のポート部と第3のポート部とを他方の流路が接続する第2の位置との間を回転可能である。
【0008】
このような構成とすることにより、体外循環回路等の流路の向きをワンタッチで切り換えることができる。従って、誤操作による医療事故を低減できる。また、トンネル状の流路がプラグ部の側面に設けられた開口部を接続しており、プラグ部の側面に形成された溝や切欠きを流路とする場合と比べて、血液をスムーズに流すことができると共に、プラグ部の側面と血液とが接触する範囲を減らすことができる。
【0009】
流路切り換え装置の第1の態様において、流路は、曲率半径が、3.5mm以上、20mm以下とすることができる。このような構成とすることにより、血液がスムーズに流れる流路とすることができる。
【0010】
流路切り換え装置の第1の態様において、外筒部は、プラグ部を圧縮するようにできる。このような構成とすることにより、液漏れを生じにくくすることができる。
【0011】
流路切り換え装置の第1の態様は、プラグ部を、第1の位置から第2の位置に向かって回転させ、第2の位置に達した際、及び第2の位置から第1の位置に向かって回転させ、第1の位置に達した際に、操作者にクリック感を感知させる、クリック機構をさらに備えていてもよい。このような構成とすることにより、操作中に手から伝わる感覚により、操作者に流路が切り換えられたことを明確に認識させることができ、操作ミスを生じにくくすることができる。
【0012】
流路切り換え装置の第1の態様は、プラグ部の回転範囲を、第1の位置と、第2の位置との間の90°の範囲に制限する、回転制限機構をさらに備えていてもよい。このようにすれば、停止する位置まで操作すれば切り換えができるため、操作ミスをより低減することができる。
【0013】
流路切り換え装置の第1の態様は、プラグ部が第1の位置に位置するか、第2の位置に位置するかを、操作者に視覚的に感知させる、視覚表示機構をさらに備えていてもよい。このような構成とすれば、操作者は切り換え操作が完了したことを視覚的に容易に認識することができる。また、現状の流路がどの方向になっているかを容易に確認することもできる。
【0014】
流路切り換え装置の第1の態様において、プラグ部は、上面に設けられた視認用凹部を有し、流路は、視認用凹部から形状が視認可能とすることができる。このような構成とすることにより、プラグ部が第1の位置、第2の位置及びその間の位置のいずれかにあるのかを容易に確認することが可能となる。
【0015】
流路切り換え装置の第1の態様において、プラグ部は、4つの凸部を有する平面十字状の把持部を有し、第1の位置及び第2の位置において、把持部の4つの凸部と4つのポート部とは同じ方向に延びるようにできる。このような構成とすることにより、把持部の凸部の位置とポート部の位置とによって、第1の位置及び第2の位置とその間の位置とを直感的に認識することが可能となる。
【0016】
流路切り換え装置の第1の態様は、第1のポート部に接続された第1チューブ、第2のポート部に接続された第2チューブ、第3のポート部に接続された第3チューブ、及び第4のポート部に接続された第4チューブと、第1のポート部に接続された第1チューブと、第3のポート部に接続された第3チューブとが平面視において同じ側に引き出され、第2のポート部に接続された第2チューブと、第4のポート部に接続された第4チューブとが平面視において同じ側で且つ第1チューブ及び第3チューブとは反対側に引き出されるようにチューブを固定する、チューブ固定部とを備えていてもよい。このような構成とすることにより、隣接していない2本のチューブが同じ方向に引き出され、残りの2本のチューブが反対側に引き出されるようにできる。このため、使用者がチューブを誤接続してしまう事態を低減することができる。
【0017】
本開示の流路切り換え装置の第2の態様は、90°ずつずれて設けられた第1のポート部、第2のポート部、第3のポート部及び第4のポート部を有し、第1のポート部と第2のポート部とが接続され、第3のポート部と第4のポート部とが接続される第1の状態と、第1のポート部と第4のポート部とが接続され、第3のポート部と第2のポート部とが接続される第2の状態とを切り換え可能な、本体部と、第1のポート部に接続された第1チューブ、第2のポート部に接続された第2チューブ、第3のポート部に接続された第3チューブ、及び第4のポート部に接続された第4チューブと、第1のポート部に接続された第1チューブと、第3のポート部に接続された第3チューブとが平面視において同じ側に引き出され、第2のポート部に接続された第2チューブと、第4のポート部に接続された第4チューブとが平面視において同じ側で且つ第1チューブ及び第3チューブとは反対側に引き出されるようにチューブを固定する、チューブ固定部とを備えている。
【0018】
流路切り換え装置の第2の態様によれば、チューブ固定部により、隣接していない2本のチューブが同じ方向に引き出され、残りの2本のチューブが反対側に引き出されるようにできる。このため、使用者がチューブを誤接続してしまう事態を低減することができる。
【0019】
流路切り換え装置の第2の態様は、本体部が第1の状態及び第2の状態のいずれであるのかを視覚的に表示する、視覚表示部を有していてもよい。このような構成とすることにより、切り換え状態が目視により確認でき、操作ミスを低減することができる。
【0020】
流路切り換え装置の第2の態様において、チューブ固定部は、本体部と独立して、第2チューブ及び第3チューブを互いに反対方向に向かうように保持するチューブ保持部を有していてもよい。このような構成とすることすれば、チューブ固定部を簡単な構成で実現できる。
【0021】
流路切り換え装置の第2の態様は、本体部が固定されたプレートに設けられている。このような構成とすることにより、チューブ固定部と本体部とを一体にすることができ、使用部品数を少なくすることができる。
【0022】
流路切り換え装置の第2の態様において、チューブ固定部は、プレートに設けられ、第2チューブ及び第3チューブを保持するチューブ保持部と、第2チューブ及び第3チューブをチューブ保持部へ導くガイド凸部とを含むチューブガイドを有していてもよい。このような構成とすることにより、チューブのキンクを防止できる。
【0023】
流路切り換え装置の第2の態様において、チューブガイドは、プレートの本体部が固定された面において、本体部とチューブ保持部との間に設けられ、第2チューブ及び第3チューブをチューブ保持部へ曲線に沿って導くガイド凸部を有していてもよい。また、ガイド凸部は、第2チューブと接する第1凸部と、第3チューブと接する第2凸部とを含んでいてもよい。このような構成とすることにより、交差させるチューブが折れ曲がりにくくすることができる。
【0024】
流路切り換え装置の第2の態様において、本体部は、外筒部と、外筒部に摺動回転可能に収容され、側面に等間隔に設けられた4つの開口部のうちの隣接する2つを接続する互いに独立した2つの弧状のトンネル状の流路を有するプラグ部とを含み、プラグ部は、第1の状態において、第1のポート部と第2のポート部とを流路の一方が接続し、第3のポート部と第4のポート部とを流路の他方が接続し、第2の状態において、第1のポート部と第4のポート部とを流路の一方が接続し、第2のポート部と第3のポート部とを流路の他方が接続するように回転可能とすることができる。
【0025】
このような構成とすることにより、トンネル状の流路によりプラグ部の側面に設けられた開口部が接続され、プラグ部の側面に形成された溝や切欠きを流路とする場合と比べて、血液をスムーズに流すことができると共に、プラグ部の側面と血液とが接触する範囲を減らすことができる。
【0026】
流路切り換え装置の第3の態様は、外周に沿って等間隔に設けられたた第1のポート部、第2のポート部、第3のポート部及び第4のポート部を有する外筒部と、外筒部に摺動回転可能に収容され、側面に等間隔に設けられた4つの開口部のうちの隣接する2つを接続する互いに独立した2つの弧状のトンネル状の流路を有するプラグ部と、を含む本体部を備え、プラグ部は、上面に設けられた視認用凹部を有し、流路は、視認用凹部から形状が視認可能である。
【0027】
このような構成とすることにより、流路の状態を視覚的に確認できる視覚表示機構を容易に実現することができる。
【0028】
流路切り換え装置の第4の態様において、外周に沿って等間隔に設けられたた第1のポート部、第2のポート部、第3のポート部及び第4のポート部を有する外筒部と、外筒部に摺動回転可能に収容され、側面に等間隔に設けられた4つの開口部のうちの隣接する2つを接続する互いに独立した2つの弧状のトンネル状の流路を有するプラグ部と、を含む本体部を備え、プラグ部は、4つの凸部を有する平面十字状の把持部を有し、第1のポート部と第2のポート部とを一方の流路が接続し、第3のポート部と第4のポート部とを他方の流路が接続する第1の位置と、第1のポート部と第4のポート部とを一方の流路が接続し、第2のポート部と第3のポート部とを他方の流路が接続する第2の位置との間を回転可能であり、第1の位置及び第2の位置において、把持部の4つの凸部と4つのポート部とは同じ方向に延びるようにできる。このような構成とすれば、把持部の凸部の位置とポート部の位置とによって、第1の位置及び第2の位置とその間の位置とを直感的に認識することが可能となる。
【0029】
本開示の流路切り換え装置の各態様において、第1のポート部と第2のポート部とは、第1の色による表示を有し、第3のポート部と第4のポート部とは、第1の色とは異なる第2の色による表示を有するようにできる。このような構成とすることにより、順方向の接続がなされているのか、逆方向の接続がなされているのかを容易に認識することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本開示の流路切り換え装置によれば、体外循環回路等の流路の方向を単純な操作で容易に切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は一実施形態の流路切り換え装置を示す分解斜視図である。
図2図2は一実施形態の流路切り換え装置を示す側面図である。
図3図3図2のIII-III線における断面図であり、プラグ部が第1の位置である場合を示す。
図4図4図2のIII-III線における断面図であり、プラグ部が第2の位置である場合を示す。
図5図5は流路切り換え装置の使用例を示す図である。
図6図6は一実施形態に係る流路切り換え装置のチューブ固定部を示す平面図である。
図7図7は第1変形例に係る流路切り換え装置のチューブ固定部を示す平面図である。
図8図8は第2変形例に係る流路切り換え装置のチューブ固定部を示す平面図である。
図9図9は第3変形例に係る流路切り換え装置のチューブ固定部を示す平面図である。
図10図10は第4変形例に係る流路切り換え装置のチューブ固定部を示す平面図である。
図11図11は第5変形例に係る流路切り換え装置のチューブ固定部を示す平面図である。
図12図12は第6変形例に係る流路切り換え装置のチューブ固定部を示す平面図である。
図13図13は第7変形例に係る流路切り換え装置のチューブ固定部を示す平面図である。
図14図14はプラグ部が第2の位置である場合を示す、平面図である。
図15図15はプラグ部を示す断面図である。
図16図16はプラグ部が第1の位置である場合を示す、底面図である。
図17図17図2のXVII-XVII線における断面図であり、プラグ部が第1の位置である場合を示す。
図18図18は第7変形例に係る流路切り換え装置を示す斜視図である。
図19図19は第7変形例に係る流路切り換え装置においてプラグ部が第1の位置である場合を示す、平面図である。
図20図20は第7変形例に係る流路切り換え装置においてプラグ部が第2の位置である場合を示す、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1図4に示すように、本実施形態の流路切り換え装置は、外筒部101と、プラグ部102と、抜け止め104とを含む本体部100を備えている。外筒部101は、外周に沿って等間隔に設けられた4つのポート部111を有している。各ポート部111は、チューブが接続可能であり、外筒部101の壁面を貫通して内壁面に開口する。プラグ部102は、円柱状であり外筒部101に摺動回転可能に収容され、2つの独立した弧状のトンネル状の流路121を有している。プラグ部102の2つの流路121は、4つのポート部111に対応して外周に等間隔に設けられた4つの開口部102aのうちの互いに隣接する2つを接続する。
【0033】
本実施形態の流路切り換え装置は、どのような向きで使用してもよいが、以下においては、プラグ部102の把持部125側を上側として説明する。
【0034】
外筒部101のポート部111は90度ごとに設けられており、プラグ部102の開口部102aも90度ごとに設けられているため、プラグ部102を90度回転させるごとにポート部111と開口部102aの位置が一致し、隣接する2つのポート部111が流路121により接続される。
【0035】
具体的に図3に示すように、プラグ部102を第1の位置とすることにより、第1のポート部111Aと第2のポート部111Bとが第1の流路121Aにより接続され、第3のポート部111Cと第4のポート部111Dとが第2の流路121Bにより接続される。図4に示すように、第1の位置からプラグ部102を90°回転させた第2の位置とすることにより、第1のポート部111Aと第4のポート部111Dとが第1の流路121Aにより接続され、第3のポート部111Cと第2のポート部111Bとが第2の流路121Bにより接続される。
【0036】
例えば、図5に示すように、本実施形態の流路切り換え装置には、患者251のブラッドアクセスの上流側に接続された第1チューブ(患者側上流チューブ)201Aが、第1のポート部111Aに接続され、ブラッドアクセスの下流側に接続された第3チューブ(患者側下流チューブ)201Cが、第3のポート部111Cに接続され、透析器253の動脈側ポートに接続された第2チューブ(機械側動脈チューブ)201Bがポンプ252を介して第2のポート部111Bに接続され、透析器253の静脈側ポートに接続された第4チューブ(機械側静脈チューブ)201Dが第4のポート部111Dに接続される。この状態で、プラグ部102を第1の位置とすることにより、ブラッドアクセスの上流側から血液が抜き出され、浄化済の血液が下流側に返血される通常方向の体外循環回路が形成される。一方、プラグ部102を第2の位置とすることにより、ブラッドアクセスの下流側から血液が抜き出され、上流側に返血される逆方向の体外循環回路が形成される。このように、本実施形態の流路切り換え装置を用いることにより、通常方向の体外循環と、逆方向の体外循環とを非常に容易に切り換えることができる。
【0037】
プラグ部102に設ける流路121は、隣接する2つの開口部102aの間を接続するトンネル状であり、角部が無い弧状である。トンネル状の流路が、例えば直線状部でのみ構成された(3つの直線状の流路が組み合わされて形成された)角部を有する流路(例えばコの字状)である場合には血液が角部で滞留しやすく、凝集等が生じる原因となる。流路121を曲線状部で構成された弧状とすることにより、血液の滞留及び凝集を生じにくくすることができる。なお、弧状は、円の一部である円弧状及び楕円の一部である楕円弧状を含む。また、2つの直線状の部分の間が曲線状の部分により接続されている形状(例えばUの字状)も含む。
【0038】
滞留の原因となる段差が生じないように、流路121とポート部111とが滑らかに接続されるようにする観点から、弧状に形成された流路121の曲率半径は、プラグ部102の直径及び流路121となる空洞の直径にもよるが、好ましくは3.5mm以上、より好ましくは4.5mm以上、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。また、プライミングボリュームを抑えつつ、流量を確保する観点から、弧状に形成された流路121の曲率半径は、プラグ部102の半径の、好ましくは0.8倍以上、より好ましくは0.9倍以上で、好ましくは1.2倍以下、より好ましくは1.1倍以下であり、最も好ましくは1.0倍である。なお、流路121の曲率半径とは、流路121であるトンネル状の空洞の中心を通る曲線の曲率半径であり、開口部102a間における曲率半径が一定でない場合には、その最小値である。
【0039】
流路121は、2つの開口部102aをできるだけ滑らかに接続し、血液の滞留を生じにくくする観点から、プラグ部102の中心と2つの開口部102aの中間位置とを結ぶ直線を対称軸として左右対称に形成されていることが好ましい。しかし、流路121が弧状になっていれば、左右対称でなくてもよい。
【0040】
また、本実施形態の流路切り換え装置は、流路121がプラグ部102の内部に形成されたトンネル状である。プラグ部102の表面に形成された溝や、表面を切り欠いた部分を流路とする場合と比べ、血液の流れ性が良い流路を容易に形成することができる。例えば、断面積が一定の局所滞留が生じにくい流路を容易に形成することができる。また、開口部102aの部分を除いて流路121と外筒部101の内面との間にはプラグ部102の側面が存在している。このため、外筒部101の内面とプラグ部102の側面との接触面積を大きくすることができ、シール面積を広く確保できる。また、外筒部101によりプラグ部102に適度な圧縮を加え、血液を漏れにくくすることが容易となる。
【0041】
プラグ部102に設けられた2つの流路121は、プラグ部102の中心を対称中心とする点対称となるように設けることができる。このようにすれば、流路を切り換えた際に血液の流れが変化しにくくすることができる。但し、曲率半径が互いに異なる2つの流路を設け、流路を切り換えた際に血液の流れが変化するようにすることもできる。
【0042】
流路121は、血液の凝集を生じにくくする観点から、断面形状は略円形状であることが好ましく、なかでも断面形状が真円状であることが好ましい。また、流路121は断面積が一定であることが好ましい。トンネル状の流路121の断面積を一定の円形とすることにより、血液がよりスムーズに流れやすくなり、凝集等をさらに生じにくくすることができる。但し、流路121の断面積は一定でなくてもよい。さらに、流路を切り換えた際の変化を生じにくくする観点から、2つの流路121の断面形状が同一で、断面積も等しいことが好ましい。但し、2つの流路121の断面形状が互いに異なっていたり、断面積が互いに異なっていたりしてもよい。
【0043】
第1の位置及び第2の位置において、流路121とポート部111とは、段差無く接続されていることが好ましい。このようにすることにより、流路121とポート部111との接続部において、さらに血液の凝集を生じにくくすることができる。また、ポート部111に接続されているチューブ201の断面積と、流路121の断面積とが等しいことが好ましい。このようにすることにより、チューブ201の部分と、流路121の部分とにおける、流量や圧力の変化を生じにくくし、血液をスムーズに流すことができる。さらに、ポートの内流路の断面積と、チューブ201の断面積と、流路121の断面積とが等しいことが好ましい。
【0044】
ポート部111は、チューブ201が接続できればどのような構成としてもよい。例えば、チューブ201を外嵌できる直管又はテーパ管等とすることができるし、溶剤接着等を用いてチューブを接着することもできる。チューブ201を外嵌する管の表面に抜け止めの凹凸を設けることもできる。また、本実施形態においてはチューブとポートは脱着不可能に接着しているが、ポート部111をルアーコネクタ等の着脱可能なコネクタとすることもできる。
【0045】
プラグ部102が圧縮されるように、外筒部101は、内径がプラグ部102の外径よりも若干小さくなっていることが好ましい。外筒部101がプラグ部102を適度に圧縮することにより、液漏れを生じにくくすることができる。なお、プラグ部102の外周面全体が圧縮されるようにすることができるが、高さ方向(軸方向)の開口部が存在しない高さ位置に周面が圧縮されていない部分を設けることができる。例えば、プラグ部102の開口部102aが存在する中間部は圧縮されるようにし、中間部以外の上端部又は下端部に圧縮されていない部分を設けることができる。このようにすれば、液漏れを生じにくくすると共に、プラグ部102を回転させやすくすることができる。
【0046】
外筒部101によりプラグ部102を圧縮する際には、回転させ易くするために、外筒部101の内面及びプラグ部102の外面の少なくとも一方に滑剤を塗布したり、潤滑性のコーティングを設けたりすることが好ましい。滑剤又はコーティングとしては、シリコン系又はフッ素系のものを用いることができる。なお、プラグ部102を圧縮しない場合にも、滑剤の塗布や潤滑性コーティングを設けることができる。
【0047】
本実施形態の流路切り替え装置は、トンネル状の流路を有しており、外筒部101の内面やプラグ部102の外面に滑剤等を塗布しても、プラグ側面が流路となっている場合と比べて、血液と滑剤とが接触しにくいという利点も有している。
【0048】
外筒部101及びプラグ部102の材質は特に限定されない。例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン及び塩化ビニル等を用いることができる。外筒部101とプラグ部102とは同じ材質により形成することも異なる材質により形成することもできる。プラグ部102を圧縮する場合、プラグ部102を外筒部101よりも硬度が低い材料により形成することにより、プラグ部102の圧縮効果を向上させることができる。例えば、プラグ部102を塩化ビニル等の少し硬度が低い材料により形成すれば、圧縮効果を高めつつ、プラグをスムーズに摺動回転させることも可能となる。但し、プラグ部102の摩耗を生じにくくする観点から外筒部101とプラグ部102とを同硬度の材料により形成することもできる。
【0049】
本実施形態の流路切り換え装置は、図1に示すように、プラグ部102と一体になった把手124を有している。把手124は、把持部125と、把持部125よりも下方に設けられ外筒部101の上部を取り囲むカバー部126とを有している。把持部125を掴んで回転させることにより、プラグ部102をスムーズに摺動回転させることができる。
【0050】
把手124と反対側には、プラグ部102が外筒部101から抜け落ちないようにする、抜け止め104が設けられている。図1において、抜け止め104はプラグ部102と接続される接続部141と、外筒部101の内径よりも大きいフランジ部142とを有している。
【0051】
抜け止め104は、必要に応じて設ければよく、例えば、プラグ部102の下端部に爪又は突起等を設けてプラグ部102が外筒部101から抜け落ちないようにすることもできる。
【0052】
本実施形態の流路切り換え装置は、プレート103を有しており、本体部100はプレート103に固定されている。プレート103を設けることにより、プレート103を把持して操作できるようになるため、流路切り換え装置の操作性を向上することができる。また、後に説明するように、プレート103にチューブ201を取り回す機能を持たせることにより、チューブ201の折れ曲がり等を生じにくくすることができる。
【0053】
プレート103は、特に限定されないが、角部が面取りされた平面略長方形状、平面楕円形状又は平面長円形状とすることができる。平面略長方形状等とすることにより、プレート103上に本体部100と、チューブガイド132とを効率良く配置することができる。また、角部が面取りされた形状とすることにより、操作者や患者が角部に触れることにより不快に感じたり、怪我をしたりすることを抑えることができる。さらに、中央部に把持を容易にするためのくびれを設けることができる。
【0054】
プレート103に設けられた取り付け孔131に本体部100を挿入することにより、本体部100をプレート103に固定することができる。また、本体部100に雄ねじを設け、取り付け孔131に雌ねじを設けて、本体部100を取り付け孔131にねじ込む構成とすることもできる。これに限らず、本体部100はどのような方法でプレート103に固定してもよい。本体部100とプレート103とは接着されていてもよい。本体部100が、プレート103を貫通して固定されている例を示したが、本体部100はプレート103を貫通していなくてもよい。
【0055】
本実施形態の流路切り換え装置は、例えば図5に示すように、第1のポート部111A及び第3のポート部111Cに接続された第1チューブ201A及び第3チューブ201Cが患者側に向かい、第2のポート部111B及び第4のポート部111Dに接続された第2チューブ201B及び第4チューブ201Dが透析器側に向かう。この場合、チューブ201の交差が生じる。
【0056】
本実施形態の流路切り換え装置は、チューブ固定部105を有している。これにより、4つのポート部111のうち、互いに隣接していない2つのポート部111に接続された2本のチューブ201を、平面視において同じ側に引き出すことが容易となる。本実施形態において、本体部100はプレート103に固定されており、チューブ固定部105は、プレート103に設けられたチューブガイド132を有している。チューブガイド132は、図6に示すように、第1のポート部111Aに接続された第1チューブ201Aと、第3のポート部111Cに接続された第3チューブ201Cとが平面視において同じ側に引き出され、第2のポート部111Bに接続された第2チューブ201Bと、第4のポート部111Dに接続された第4チューブ201Dとが平面視において同じ側で且つ第1チューブ201A及び第3チューブ201Cとは反対側に引き出されるようにする。すなわち、第2チューブ201Bと第3チューブ201Cとが平面視において交差するように固定されている。これにより、例えば図5に示すように、第1チューブ201A及び第3チューブ201Cを患者側に接続し、第2チューブ201B及び第4チューブ201Dを透析器側に接続することが容易となる。
【0057】
チューブガイド132は、ガイド凸部133とチューブ保持部134とを有している。チューブ保持部134は、両端に開口を有するトンネル状であり、2本のチューブを上下に並べて保持することができる。2本のチューブ201を互いに反対側の開口からチューブ保持部134に挿入することにより、2本のチューブ201が互いに反対側に向かうようにして保持することができる。
【0058】
チューブ保持部134は、プレート103の本体部100が取り付けられた面(表面)において、例えば第2のポート部111Bと第3のポート部111Cとの中間の位置に設けることができる。これにより、プレート103を簡易な構造とすることができ、第2のポート部111Bに接続された第2チューブ201Bを、第3のポート部111C側に向かうように保持できる。また、第3のポート部111Cに接続された第3チューブ201Cを第2のポート部111B側に向かうように保持することができる。これにより、第1チューブ201Aと第3チューブ201Cとを同じ側に引き出し、第2チューブ201Bと第4チューブ201Dと同じ側に引き出すことが容易となる。
【0059】
なお、チューブ保持部134は、第2のポート部111Bと第3のポート部111Cとの中間位置に設けることが好ましいが、第2のポート部111Bと第3のポート部111Cとの間であれば、中間位置からずれていてもよい。
【0060】
チューブ保持部134と本体部100との間にガイド凸部133を設けることができる。ガイド凸部133は、例えば平面略長方形状でチューブ保持部134と平行に設けることができる。ガイド凸部133の長手方向の端面は、それぞれ第2チューブ201B及び第3チューブ201Cと接しており、第2チューブ201B及び第3チューブ201Cをチューブ保持部134へ曲線状に導く曲面となっている。
【0061】
ガイド凸部133の第2チューブ201B及び第3チューブ201Cをガイドするガイド曲面は、それぞれ第2のポート部111B及び第3のポート部111Cの先端部よりも外側に位置していることが好ましい。このようなガイド凸部133を設けることにより、第2チューブ201B及び第3チューブ201Cが、チューブ保持部134側へ急角度で折れ曲がることを防ぐことができる。但し、ガイド曲面が本体部から十分に離れた位置にある場合は、ガイド曲面が2つのポート部の先端部同士の間に位置していてもよい。なお、ポート部の先端側とは、ポートにおけるチューブ側を指す。また、ガイド凸部133の高さを把手124の高さよりも低くすることにより、把手124を回転させる際に邪魔にならないようにすることができる。
【0062】
チューブガイド132は、必要に応じて設ければよく、チューブ201が折れ曲がらないように向きを変えることができれば、他の構成とすることもできる。例えば、トンネル状のチューブ保持部134に代えて、2つの柱又は壁等の間にチューブを挟み込むような構成としたり、断面C字状のクリップを上下2段に設けた構成としたりすることができる。この他2本のチューブを上下に保持できればどのような構成とすることもできる。また、2本のチューブを上下に重ねて保持するのではなく、平面に並べて保持する構成とすることもできる。
【0063】
平面略長方形状のガイド凸部133を設ける例を示したが、チューブ201を沿わせることができる大きなRを有する円柱状又は半円柱状のガイド凸部を設けることもできる。この場合、ガイド凸部の側面に一体となったチューブ保持部134を設けることもできる。
【0064】
また、図7に示す第1変形例のように、間隔を置いて設けられた2つのガイド凸部133A及び133Bを有するチューブガイド132Aを含むチューブ固定部105Aとすることもできる。この場合、チューブが急角度で折れ曲がらないように、それぞれのガイド凸部のガイド曲面が、対応するポート部の延長線上付近に設けられていることが好ましい。
【0065】
さらに、ガイド凸部133A及び133Bに代えて、1本のチューブを保持するチューブ保持部を2つ設けることもできる。例えば、図8に示す第2変形例のように、ガイド凸部133A及び133Bの位置にそれぞれ1本のチューブを保持するチューブ保持部134A及び134Bが設けられたチューブガイド132Bを含むチューブ固定部105Bとすることができる。この場合、チューブ保持部134Aは第2のポート部111Bの先端部に対して第3のポート部111Cと反対側に位置し、チューブ保持部134Bは第3のポート部111Cの先端部に対して第2のポート部111Bと反対側に位置することが好ましい。
【0066】
図8においては、2本のチューブが交差する位置に、ガイド用の凸部136を設けている。凸部136を設けることにより、チューブの方向を容易に制御することができる。凸部136に代えて、2本のチューブをまとめて保持するチューブ保持部を設けてもよい。ガイド用の凸部等は必要に応じて設ければよく、チューブの種類等によっては設けなくてよい。
【0067】
図9に示す第3変形例のように、間隔をおいて配置された2つの曲線状の壁137からなるチューブ保持部134C及び134Dを有するチューブガイド132Cを含むチューブ固定部105Cとすることもできる。2つの壁137の間隔は、チューブの外径とほぼ一致しており、2つの壁137の間にチューブを挟むことにより、チューブを保持すると共に、曲線に沿わせて所定の方向に導くことができる。壁137は連続した壁でなくてもよく、複数の柱等に置き換えることができる。
【0068】
図9においては、壁137がチューブを曲線状にガイドすると共に、チューブを交差する方向に固定している。すなわち、壁137がチューブ保持部とガイド凸部とを兼ねており、凸部136を設けない構成としたりすることができる。
【0069】
プレート103の一方の面に2本のチューブを保持する例を示したが、図10に示す第4変形例のように、2本のチューブをプレートの互いに反対側の面に保持するチューブガイド132Dを含むチューブ固定部105Dとすることもできる。図10において、プレート103の表面には、第2チューブ201Bをガイドするガイド凸部133Cと第2チューブ201Bを保持するチューブ保持部134Eが設けられている。一方、プレート103の裏面には、第3チューブ201Cをガイドするガイド凸部133Dと第3チューブ201Cを保持するチューブ保持部134Fが設けられている。2本のチューブをプレート103の異なる面に配置することにより、チューブの取り回しをよりスムーズにすることができる。
【0070】
プレート103の裏面にチューブを配置する場合には、ガイド凸部に代えて、プレート103の外縁部に窪み等を設けることにより、チューブ201をガイドするようにすることもできる。また、2本のチューブをどちらもプレート103の裏面に設けることもできる。また、第4変形例においても、第2変形例又は第3変形例のようなチューブ保持部を用いることができる。
【0071】
チューブ固定部105がプレート103に固定されたチューブガイド132を有している例を示したが、本体部100と独立した、プレート103に固定されていないチューブガイドを用いることもできる。例えば、図11に示す第5変形例のチューブ固定部105Eは、2本のチューブをまとめて保持し、2本のチューブを互いに逆方向に向かうようにガイドするが、プレートは存在せず、本体部100からも独立している。このような構成とすることにより、チューブ同士が支え合うため、プレートに固定されていなくてもチューブを折れ曲がりにくくすることができる。チューブ固定部105Eは、例えば2本のチューブを通すことができる筒状の部材とすることができるが、これに限らず、2本のチューブを束ねて逆方向に向かうように保持できればどのような構成としてもよい。
【0072】
ポート部に接続されたチューブをガイドして、チューブを所定の方向に引き出すチューブ固定部を示したが、図12に示す第6変形例のように、ポート部の方向を変更する方向変更部113を有するチューブ固定部105Fを設けることもできる。この仕様においては、本体部100にチューブの引き出し方向を規定するチューブ固定部の機能を持たせているので、チューブ固定部105Fは本体部100から独立していない。図12においては、第2のポート部111B及び第3のポート部111Cに方向変更部113が設けられている。方向変更部113により、第2のポート部111B及び第3のポート部111Cの延びる方向が変更され、第1チューブ201A及び第3チューブ201Cは平面視において同じ方向に引き出され、第2チューブ201B及び第4チューブ201Dは平面視において同じ方向に引き出される。
【0073】
方向変更部113によるポート部の延びる方向の変更角度θは、本体部100の互いに反対側に位置するポート部に接続されたチューブを平面視において同じ方向に引き出すために135度とすることが好ましい。但し、チューブが可撓性であるため135度以下であってもよく、好ましくは60度以上、より好ましくは90度以上、さらに好ましくは120度以上とすることができる。また、135度よりも大きくてもよく、好ましくは145度以下とすることができる。なお、変更角度θを180度程度として、対応する2つのポート部を平行に引き出すこともできる。また、方向変更部113は、血液の凝集を避ける観点から、内腔を角が無い形状とすることが好ましい。
【0074】
血液の滞留を生じにくくする観点から、方向変更部113の内腔は、接続されているポート部111の内腔と段差無く接続されていることが好ましい。このため、方向変更部113は、接続するポート部111と一体に形成することが好ましい。但し、方向変更部113とポート部111とを別々に成形して組み立てることもできる。
【0075】
第2のポート部111B及び第3のポート部111Cに方向変更部113が接続されている例を示したが、一方にだけ方向変更部113が接続されており、他方のポート部に接続されたチューブは、チューブガイドにより引き出し方向を変更するようにしてもよい。例えば、図13に示す第7変形例のように、チューブ固定部105Gは、第3のポート部111Cに接続された方向変更部113と、チューブガイド132Eとを有している。チューブガイド132Eは、プレート103の裏面に設けられた、ガイド凸部133C及びチューブ保持部134Eを有し、第2チューブ201Bの引き出し方向が第3チューブ201Cと反対側になるようにする。
【0076】
チューブガイド132Eは、このような構成に限らず、1本のチューブをガイドできれば他の構成とすることができる。例えば、プレート103の表面に設けることができる。また、方向変更部113を水平方向だけでなく垂直方向にも曲がった形状として、端部がプレート103の裏面側に達するようにすることもできる。
【0077】
チューブ固定部が、第2チューブ201Bと第3チューブ201Cの引き出し方向を変える場合を示したが、第1チューブ201Aと第4チューブ201Dの引き出し方向を変えるようにすることもできる。
【0078】
本実施形態の流路切り換え装置は、プラグ部102が第1の位置又は第2の位置となったことを使用者に感知させる操作補助機構を有していることが好ましい。操作補助機構は、例えば、プラグ部102が第1の位置又は第2の位置となったことを、使用者に視覚的に感知させる視覚表示機構とすることができる。
【0079】
視覚表示機構155は、例えば図6及び図14に示すように、プラグ部102を回転させるための把持部125と、プレート103とにそれぞれ設けられた視覚的なインジケータ155A及び155Bにより構成することができる。図6及び図14においては、インジケータ155Aが記号表示であり、インジケータ155Bが文字表示である組み合わせ例を示しているが、記号、文字及び色彩等の種々の視覚表示を任意に組み合わせて使用することができる。図6及び図14において、インジケータ155Bを外筒部101が取り付けられたプレート103に設けられているが、プラグ部102の位置が特定できれば他の位置に設けることもできる。また、インジケータ155Aを把持部125以外の位置に設けることもできる。
【0080】
視覚表示機構として、把持部125の中央に視認用凹部125aを設け、肉薄とし、プラグ部102に設けられた流路121を外部から視認することができるようにすることもできる。視認用凹部125a内においてプラグ部102に設けられた流路121の部分が立体的に盛り上がって見えるように、視認用凹部125a内における流路上以外の部分をさらに深く彫り込んでいる。このようにすることにより、流路121の方向性、すなわち、現在のプラグ部102が第1位置なのか第2位置なのかその間の位置なのかが外部から判別できる操作補助機構の視覚的表示機構として用いることができる。なお、プラグ部102に設けられた流路121内を通過する血液が視認できるようにすることもできる。流路121を視認できるようにする場合は、プラグ部102及び把手124を透明又は半透明とすることもできる。流路121内を通過する血液を視認できるようすることにより、流路121内の気泡抜けの確認が容易となるという効果も得られる。
【0081】
なお、プラグ部102に設けられた流路121内を通過する血液が視認できるようにすることもできる。流路121を視認できるようにする場合は、プラグ部102及び把手124を透明又は半透明とすることもできる。プラグ部102及び把手124を透明又は半透明とした場合には凹部124aを設けなくてもよい。流路121内を通過する血液を視認できるようすることにより、流路121内の気泡抜けの確認が容易となるという効果も得られる。
【0082】
なお、抜け止め104側を肉薄として、抜け止め104の側からも流路121内の血液を視認できるようにすることもできる。また、抜け止め104とプラグが相対回転不可能に固定されている場合は、抜け止め104側に把持部125と同様の凹部を設けて抜け止め104の側からも流路121内の血液を視認できるようにすることもできる。このようにすれば、抜け止め104側からも把持部125側からも流路121の位置を確認することができる。なお、抜け止め104側から流路121内の血液を直接視認できるようにするのではなく、流路121の方向を示す表示を設けることもできる。
【0083】
例えば、図15に示すように、プラグ部102を流路121が設けられる中間部に仕切面127がある中空筒状とすればよい。流路121の部分において仕切面127の厚さを他の部分よりも厚くすることにより、流路121の周囲に流路121の形状に対応した外壁が形成される。これにより流路121の形状を外部から視認することが可能となり、流路121を視覚的表示機構として用いることができる。
【0084】
プラグ部102を中間部に仕切面127がある中空筒状とすることにより、把持部125が設けられた上面側に視認用凹部125aが形成され、抜け止め104が設けられる裏面側に視認用凹部125bが形成される。但し、裏面側から視認する必要がない場合は、裏面側に視認用凹部125bを設けなくてもよい。
【0085】
流路121の外壁の厚さは、流路121の内径、加わる圧力及びプラグ部102の材質等を考慮して決定すればよいが、通常は0.5mm~2mm程度とすることができる。
【0086】
視認用凹部125aの直径は、大きい方が流路121の視認性を向上させることができる。図15においては、視認用凹部125aの直径は流路121に近い側よりも流路121から遠い側の方が大きく形成されている。このようにすることにより、流路121の視認性をさらに向上させることができる。また、プラグ部102の壁面と流路121との間にも窪みが形成される方が、流路121の形状の視認性が向上する。
【0087】
なお、視認用凹部125aは流路121を視認できればよく、平面円形状に限らず、四角形等の平面多角形状とすることもできる。
【0088】
また、図6及び図14においては、把持部125を平面略三角形状としている。このように、把持部125を90°の位置において回転対称とならない平面形状とすることにより、把持部125自体を操作補助機構の視覚的表示として用いることもできる。把持部125を略三角形状等とすることにより、把持部125が平面円形状の場合と比べて把持がし易くなるという利点も得られる。さらに、辺を曲線状としたり、角を面取りしたりすることにより、操作性等をより向上させることができる。なお、把持部125の側面に滑り止めのリブ等を設けてもよい。
【0089】
把手124が設けられた上面に視覚表示を設ける例を示したが、図16に示すように、抜け止め104が設けられた下面にも視覚表示機構155を設けることができる。このようにすれば、どちらの面からも流路の状況が確認でき、操作性がさらに向上する。また、抜け止め104側にもプラグ部102を回転させるための把持部を設けることもできる。このようにすれば、両側から流路の切り換え操作を行うことができる。
【0090】
本実施形態の流路切り換え装置は、プラグ部102が第1の位置又は第2の位置となったことを使用者に感知させるクリック機構を設けることもできる。
【0091】
クリック機構151は、例えば、外筒部101の上部の外表面に設けられた凸部152と、把手124のカバー部126の内表面に設けられた凹部153とにより構成することができる。凸部152及び凹部153は、図17に示すように、プラグ部102を第1の位置から第2の位置へ向かって回転させて第2の位置となった際、及びプラグ部102を第2の位置から第1の位置へ向かって回転させて第1の位置となった際に係合するように設けることができる。凸部152と凹部153とが係合する際に、プラグ部102の回転に抵抗が生じ、把手124を把持する使用者にクリック感を与えることができる。
【0092】
図17においては、凸部152及び凹部153がそれぞれ4ヶ所に設けられている例を示したが、最低限凸部152及び凹部153の一方を1ヶ所、他方を2ヶ所設ければ、第1の位置及び第2の位置においてクリック感を付与することができる。この他、外筒部101側に凹部を設け、把手124側に凸部を設けることもできる。また、外筒部101及び把手124にそれぞれ凸部を設け、凸部が互いに乗り越える構成とすることもできる。なお、凸部152及び凹部153はプラグ部102の外筒部101により圧縮されていない部分に設けることもできる。
【0093】
本実施形態の流路切り換え装置には、プラグ部102の回転範囲を、第1の位置と、第2の位置との間の90°の範囲に制限する、回転制限機構157を設けることもできる。図1において、回転制限機構157は、外筒部101上部の外表面及び把手124のカバー部126にそれぞれ設けられた回転制限凸部157A及び157Bにより構成されている。把手124及びそれに連結されたプラグ部102は、回転制限凸部157Aと157Bとが当接した位置を超えてそれ以上回転できない。これに限らず、プラグ部102の回転範囲を所定の範囲に制限することができれば、どのような構成とすることもできる。回転制限機構157を設けることにより、回転が停止する位置が第1の位置又は第2の位置となるため、第1の位置又は第2の位置に達したことを使用者に感知させることができ、切り換え操作が容易となる。但し、180°の位置、270°の位置又は360°の位置まで回転可能な回転制限機構としたり、回転の制限を行わないようにしたりしてもよい。
【0094】
これらの操作補助機構は必要に応じて設ければよく、1種類又は複数種類を自由に組み合わせて設けることができる。例えば、クリック機構と、視覚表示機構と回転制限機構とを設けることにより、使用者に複数の方法で流路が切り換えられたことを感知させることができ、誤操作をより生じにくくすることができる。
【0095】
外筒部101、プラグ部102、プレート103及び抜け止め104は、樹脂成形体とすることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリル及びポリエーテルスルフォン等により成形することができる。外筒部101、プラグ部102、プレート103及び抜け止め104は、同一の材料により形成することも、異なる材料により形成することもできる。プラグ部102と把手124とは、一体成形することができるが、それぞれ成形した後で一体に組み立てることもできる。外筒部101の外形は、平面円形状に限らずどのような形状とすることもできる。例えば、平面四角形状とすることもできる。
【0096】
プレート103は、チューブガイドを含めて一体に成形することができる。ガイド凸部は、サイズによっては内部が空洞となるように成形することができる。このようにすれば、ガイド凸部が設けられたプレートを容易に成形することができ、樹脂材料を低減することもできる。但し、チューブガイドは、プレート103と別体に成形した後、組み立てて一体にすることもできる。
【0097】
平面略三角形状の把持部を設けた流路切り換え装置の例を示したが、図18図20に示す第7変形例の流路切り換え装置のように、4つの凸部328を有する平面略十字状の把持部325を設けることもできる。把持部325を十字状とすることにより、把持部325の凸部の数とポート部311の数とが一致するため、第1の位置及び第2の位置において、把持部325の4つの凸部328と、4つのポート部311とが同じ方向に延び、平面視において重なり合うようにでき、切り替えの完了を視覚的に捉えることがさらに容易となる。また、把持部325の凸部328がポート部311とが同じ方向に延びていることは、平面視した場合だけでなく側方から見た場合にも容易に識別することを可能にする。このため、流路切り換え装置を横向きにした状態で操作する場合においても、切り替えの完了を視覚的に捉えることが容易となる。さらに、凸部328とポート部311とが同じ方向に延びていることは、視覚だけでなく手で触れることによっても認識できる。
【0098】
把持部325の凸部328にインジケータ355Aを設けることにより、より視覚的にプラグ部302の位置を把握できるようになる。また、ポート部311にインジケータを設けることにより、流路321の方向をさらに視覚的に捉えることが容易となる。例えば、第1の位置において動脈側となるポート部311に第1の色である赤色の表示をし、静脈側となるポート部311に第2の色である青色の表示を行う。プラグ部302に流路321の方向を示す視覚的表示を設ければ、第1の位置においては、赤色の表示のポート部311同士と、青色の表示のポート部311同士が接続されていることを、プラグ部302に設けられた視覚的表示により瞬時に認識することができる。また、第2の位置においては、赤色の表示のポート部311と青色の表示のポート部311とが接続されていることを瞬時に認識することができる。このようにすれば、流路が順方向であるのか、逆方向であるのかを目視により容易に確認することができる。
【0099】
プラグ部302に設ける流路321の方向の表示は、例えば、視認用凹部325aを設けて流路321の形状が視認できるようにすればよいが、これに限らず流路321の方向がわかればどのような表示であってもよい。
【0100】
ポート部311の色による表示は、例えばポート部311に直接チューブを接続する場合、ポート部又はチューブに着色した筒状のカバー部材を外嵌させることにより行うことができる。また、チューブ又はポート部311自体若しくはその周辺に色表示を行うこともできる。例えば、チューブの表面に、色付きのテープを貼付したり、刻印又は印刷等を施したりすることができる。さらに、ポート部311とチューブとを色付きのコネクタを用いて接続することにより色表示を行うこともできる。色表示に限らず、文字や記号による表示としたり、色、文字及び記号の2つ以上を組み合わせた表示としたりすることもできる。平面略三角形状の把持部を設けた流路切り換え装置においても同様の表示をすることができる。
【0101】
本変形例の流路切り換え装置は、外筒部301を挟んで把持部325と反対側にブロック状の裏面把持部303を有している。このような裏面把持部303を設けることにより、一方の手で把持部325を把持し、他方の手で裏面把持部303を把持すれば、プラグ部302を容易に回転させることができる。また、把持を容易にしつつ流路切り換え装置を小型化することができる。裏面把持部303は、四角柱形状であり、裏面把持部303の角部をポート部311の位置に合わせることにより、把持を容易とすると共に、小型化することができる。但し、裏面把持部303の平面形状は、四角形状に限らず例えば円形状、三角形状及び六角形状等とすることができる。但し、角がある形状の方が把持が容易となる。
【0102】
図18図20においては、裏面把持部303の側面に滑り止めの複数のリブ331を設けている。また、裏面把持部303の側面は指が載置できるように幅広な面で形成されており、具体的には裏面把持部303の側面の幅は把持部325の側面の幅より幅広に形成されている。このため、使用者は裏面把持部303の側面を正面に向けた状態で、各指(例えば親指と人差し指)をリブ331に沿えて、裏面把持部303を指でしっかり固定することができ、把持部325を他方の手で把持して裏面把持部303に対して相対回転しやすく構成されている。なお、指で把持しやすくする手段としてはリブに限らず、指が掛かるような窪みを設けることもできる。
【0103】
本変形例の流路切り換え装置は、使用者がプラグ部302を容易に回転させることができるように、第5変形例に示すような、2本のチューブをまとめて保持し、2本のチューブを互いに逆方向に向かうようにガイドするチューブ固定部を別に設けるのが好ましい。また、第6変形例に示すようなポート部の方向を変更する方向変更部を設けることもできる。さらに、裏面把持部に代えてチューブ固定部を有するプレートを設けることもできる。
【0104】
本変形例の流路切り換え装置には、他の実施形態及び変形例と同様に、プラグ部302が第1の位置又は第2の位置となったことを使用者に感知させるクリック機構や、プラグ部302の回転範囲を制限する、回転制限機構を設けることができる。
【0105】
本実施形態及び各変形例の流路切り換え装置において、各ポート部の延びる方向は目的に応じて変更することができる。例えば、111D及び111Bと111A及び111Cは一方が患者側、他方が透析装置側となることを考慮し、111D及び111Bがなす角度と111A及び111Cがなす角度を小さくしてもよい。また、111Aと111Dが同軸をなすようにポートを形成するなどして、患者、透析装置及び流路切り換え装置との適切な向きを使用者に明示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本開示の流路切り換え装置は、操作が容易であり、血液回路等の流路切り換え装置として有用である。
【符号の説明】
【0107】
100 本体部
101 外筒部
102 プラグ部
102a 開口部
103 プレート
104 抜け止め
105 チューブ固定部
105A チューブ固定部
105B チューブ固定部
105C チューブ固定部
105D チューブ固定部
105E チューブ固定部
105F チューブ固定部
105G チューブ固定部
111 ポート部
111A 第1のポート部
111B 第2のポート部
111C 第3のポート部
111D 第4のポート部
113 方向変更部
121 流路
121A 第1の流路
121B 第2の流路
124 把手
124a 凹部
125 把持部
125a 視認用凹部
125b 視認用凹部
126 カバー部
127 仕切面
131 取り付け孔
132 チューブガイド
132A チューブガイド
132B チューブガイド
132C チューブガイド
132D チューブガイド
132E チューブガイド
133 ガイド凸部
133A ガイド凸部
133B ガイド凸部
133C ガイド凸部
133D ガイド凸部
134 チューブ保持部
134A チューブ保持部
134B チューブ保持部
134C チューブ保持部
134D チューブ保持部
134E チューブ保持部
134F チューブ保持部
136 凸部
137 壁
141 接続部
142 フランジ部
151 クリック機構
152 凸部
153 凹部
155 視覚表示機構
155A インジケータ
155B インジケータ
157 回転制限機構
157A 回転制限凸部
157B 回転制限凸部
201 チューブ
201A 第1チューブ
201B 第2チューブ
201C 第3チューブ
201D 第4チューブ
251 患者
252 ポンプ
253 透析器
301 外筒部
302 プラグ部
303 裏面把持部
311 ポート部
321 流路
325 把持部
325a 視認用凹部
328 凸部
331 リブ
355A インジケータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20