(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】車両用構成部品
(51)【国際特許分類】
B60R 13/02 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
B60R13/02 Z
(21)【出願番号】P 2020061130
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】加藤 明範
(72)【発明者】
【氏名】安井 善彦
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-208173(JP,A)
【文献】実開平06-043311(JP,U)
【文献】特開2018-083329(JP,A)
【文献】特開平07-032491(JP,A)
【文献】特開平09-277380(JP,A)
【文献】特開2003-305774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボス部を有する第1部材と、前記第1部材に固定され、前記ボス部が挿通する挿通孔を有する第2部材とを備えた車両用構成部品において、
前記ボス部の先端部には、前記ボス部の熱カシメにより形成されたカシメ部が設けられており、
前記第2部材は、前記ボス部の熱カシメにより前記第1部材と接合された接合部を有し、
前記挿通孔は、前記接合部に設けられており、
前記接合部
は、前記カシメ部が接触する接合面を有し、
前記接合面には、溝部が設けられており、
前記溝部の少なくとも一部は、前記接合部へのせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在して
おり、
前記カシメ部は、前記挿通孔に対して前記溝部を超えて前記溝部よりも前記挿通孔の反対側まで設けられるように形成されている車両用構成部品。
【請求項2】
前記溝部の数は、2つであり、
前記2つの溝部は、前記せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に一直線状に前記接合部の両端部まで延在している請求項1記載の車両用構成部品。
【請求項3】
前記2つの溝部は、前記せん断荷重の入力方向に沿って前記挿通孔を挟むように前記せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在している請求項2記載の車両用構成部品。
【請求項4】
前記溝部の少なくとも一部は、前記せん断荷重の入力方向に対して垂直な方向に延在している請求項1
~3の何れか一項記載の車両用構成部品。
【請求項5】
前記溝部の少なくとも一部は、前記せん断荷重の入力方向に沿って前記挿通孔を挟むように前記せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在している請求項
1記載の車両用構成部品。
【請求項6】
前記溝部の少なくとも一部は、前記せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に一直線状に延在している請求項1
または5記載の車両用構成部品。
【請求項7】
前記溝部には、前記ボス部の熱カシメによって前記ボス部の一部が入り込んでいる請求項1
~6の何れか一項記載の車両用構成部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用構成部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用構成部品としては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載の車両用構成部品では、熱カシメ等により2つの樹脂部品が接合されている。一方の樹脂部品には、取付け用ボスが突出形成されている。他方の樹脂部品には、取付け用ボスを挿通させる挿入孔が設けられている。工具ホーンを使用して、取付け用ボスの先端部分を熱溶着等により加締めて加締め部を形成することによって、加締め部のアンカー作用により2つの樹脂部品が相互に接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、車両用構成部品を構成する2つの樹脂部品の接合部分に大きなせん断荷重(せん断方向の力)が加わると、2つの樹脂部品が破断しやすくなる。従って、2つの部材の破断強度を上げることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、車両用構成部品を構成する2つの部材の破断強度を向上させることができる車両用構成部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ボス部を有する第1部材と、第1部材に固定され、ボス部が挿通する挿通孔を有する第2部材とを備えた車両用構成部品において、第2部材は、ボス部の熱カシメにより第1部材と接合された接合部を有し、接合部の接合面には、溝部が設けられており、溝部の少なくとも一部は、接合部へのせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在している。
【0007】
このような車両用構成部品においては、第1部材のボス部を第2部材の挿通孔に挿通させた状態で、ボス部の先端部分の熱カシメを実施することで、第1部材と第2部材の接合部とが接合される。ここで、接合部の接合面には、溝部が設けられている。溝部の少なくとも一部は、接合部へのせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在している。このため、接合部にせん断荷重が入力されても、溝部によりせん断荷重が効果的に受け止められる。これにより、車両用構成部品を構成する第1部材及び第2部材の破断強度が向上する。
【0008】
溝部の少なくとも一部は、せん断荷重の入力方向に対して垂直な方向に延在していてもよい。このような構成では、接合部にせん断荷重が入力されたときには、溝部はせん断荷重を垂直に受けることになる。従って、溝部によりせん断荷重が更に効果的に受け止められる。
【0009】
溝部の少なくとも一部は、せん断荷重の入力方向に沿って挿通孔を挟むようにせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在していてもよい。このような構成では、接合部にせん断荷重が入力されたときには、溝部はせん断荷重を複数箇所で受けることになる。従って、溝部によりせん断荷重が更に効果的に受け止められる。
【0010】
溝部の少なくとも一部は、せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に一直線状に延在していてもよい。このような構成では、溝部の構造が簡単になると共に、溝部を接合部に容易に形成することができる。
【0011】
溝部には、ボス部の熱カシメによってボス部の一部が入り込んでいてもよい。このような構成では、ボス部の一部が溝部に引っ掛かった状態となるため、第1部材と第2部材の接合部との接合力が高くなる。これにより、第1部材及び第2部材の破断強度が更に向上する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両用構成部品を構成する2つの部材の破断強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用構成部品であるコンソールアッシーを備えた車両の内部前側を示す図である。
【
図2】
図1に示されたコンソールアッシーの外観を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示されたコンソールアッシーの主要部を示す拡大斜視図である。
【
図4】
図3に示されたコンソールアッシーの主要部の断面図である。
【
図5】熱カシメが行われる前の第1部材及び第2部材の外観を示す分解斜視図である。
【
図6】
図5に示された第1部材及び第2部材を熱カシメにより接合する様子を示す断面図である。
【
図7】比較例としての車両用構成部品であるコンソールアッシーの主要部を示す拡大斜視図である。
【
図8】
図3に示された第2部材の接合部に回転方向の荷重が加わる場合の様子を、
図7に示された比較例と比較して示す平面図である。
【
図9】
図3に示された第2部材が樹脂成形品である場合の特有の効果を、
図7に示された比較例と比較して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用構成部品であるコンソールアッシーを備えた車両の内部前側を示す図である。
図1において、本実施形態の車両用構成部品であるコンソールアッシー1は、車両2の内部における運転席と助手席との間のスペースに配置されたセンターコンソール3の前側の両側部を構成する部品である。コンソールアッシー1の近傍には、周辺部品4が配置されている。
【0016】
車両2の内部における前席(運転席及び助手席)の正面側には、ダッシュボード5が配置されている。ダッシュボード5の下部の内部には、ニーエアバッグ6が収納されている。ニーエアバッグ6は、乗員の膝にかかる衝撃を緩和するためのエアバッグである。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係る車両用構成部品であるコンソールアッシーの外観を示す斜視図である。
図2において、本実施形態のコンソールアッシー1は、第1部材11と、この第1部材11に固定された第2部材12とを備えている。第1部材11及び第2部材12は、熱カシメにより溶着して固定されている。第1部材11は、熱可塑性樹脂からなっている。第2部材12は、金属メッキからなっている。
【0018】
第1部材11は、
図2~
図4に示されるように、本体部13と、この本体部13の一方側の側端部に設けられた複数(ここでは5つ)の円柱状のボス部14(
図5参照)とを有している。各ボス部14は、本体部13と一体成形されている。ボス部14は、本体部13の長手方向に間隔をもって配置されている。
【0019】
各ボス部14の先端部には、ボス部14の熱カシメにより形成されたドーム状のカシメ部15がそれぞれ設けられている。カシメ部15の外径は、ボス部14の外径よりも大きい。
【0020】
第2部材12は、本体部16と、この本体部16と一体化された複数(ここでは5つ)の平板状の接合部17とを有している。接合部17は、第1部材11のボス部14の熱カシメにより第1部材11と接合されている。具体的には、接合部17は、第1部材11のカシメ部15と接合されている。接合部17は、本体部16の長手方向に間隔をもって配置されている。
【0021】
各接合部17には、第1部材11の各ボス部14が挿通する断面円形状の挿通孔18がそれぞれ設けられている。挿通孔18は、接合部17の中央部に形成されている。挿通孔18の内径は、ボス部14の外径と同等である。
【0022】
接合部17の接合面17aには、2つの断面V字形の溝部20が設けられている。接合面17aは、接合部17における第1部材11のカシメ部15が接触する面である。2つの溝部20は、挿通孔18を挟むように配置されている。これらの溝部20は、一直線状に平行に形成されている。
【0023】
ここで、上記のニーエアバッグ6(
図1参照)が作動して展開すると、ニーエアバッグ6の突き上げのエネルギーによって、コンソールアッシー1に車両2の下側から上側への力が加わる。このため、接合部17には、車両2の下側から上側へのせん断荷重が入力される。
【0024】
そこで、溝部20は、接合部17へのせん断荷重の入力方向(
図3中の矢印A方向)に対して交差する方向に延在している。なお、せん断荷重は、せん断方向の荷重(力)である。具体的には、溝部20は、接合部17へのせん断荷重の入力方向に対して垂直な方向に延在している。つまり、溝部20は、車両2の前後方向または左右方向(車幅方向)に延在している。
【0025】
このような溝部20を接合部17に設けることにより、接合部17に入力されるせん断荷重に対して耐えることが可能となる。なお、接合部17に入力されるせん断荷重に対して耐えたい方向は、せん断荷重の入力方向とは反対の方向(
図3中の矢印B方向)である。
【0026】
また、溝部20におけるカシメ部15に対応する領域には、ボス部14の熱カシメによってボス部14の一部が入り込んでいる。つまり、ボス部14の一部が溝部20に引っ掛かった状態となっている。
【0027】
以上のようなコンソールアッシー1を作製するときは、まず
図5に示されるように、熱カシメが行われる前の状態の第1部材11及び第2部材12を用意する。熱カシメが行われる前の状態の第1部材11では、上記のカシメ部15が形成されておらず、ボス部14が長く延びた状態となっている。
【0028】
そして、
図6(a),(b)に示されるように、第2部材12の接合部17に設けられた挿通孔18に第1部材11のボス部14を挿通させる。その状態で、
図6(b),(c)に示されるように、熱カシメ工具22を用いて、第1部材11と第2部材12の接合部17とを熱カシメにより溶着する。熱カシメ工具22の先端部には、ドーム状の凹部22aが設けられている。
【0029】
第1部材11と接合部17とを溶着するときは、熱カシメ工具22を加熱した状態で、熱カシメ工具22の凹部22aを第1部材11のボス部14の先端に押し付ける。すると、熱カシメ工具22によりボス部14の先端部が加熱されて溶融する。このため、ボス部14の先端側部分が熱カシメ工具22の凹部22aに沿って流動する。このとき、溶融したボス部14が溝部20の一部に入り込む。その後、熱カシメ工具22をボス部14から引き離すことでボス部14が固化し、接合部17の接合面17aにドーム状のカシメ部15が形成される。
【0030】
図7は、比較例としての車両用構成部品であるコンソールアッシーの主要部を示す拡大斜視図である。なお、
図7(b)は、
図7(a)において、ボス部14及びカシメ部15が省略された状態を示している。
図7において、接合部17の接合面17aにおける挿通孔18の周囲には、真円環状の溝部30が設けられている。
【0031】
このような構造では、接合部17にせん断荷重が加わる場合には、真円環状の溝部30によって、四方のどの方向(
図7中の矢印C方向)でも同等の破断強度が担保される。ただし、破断強度を超えるせん断荷重が接合部17に加わると、四方のどの方向でも接合部17とカシメ部15との破断が発生してしまう。破断強度を上げる方策としては、ボス部14の径を大きくしたり、熱カシメによるボス部14の潰し量を増やすことが挙げられる。しかし、ボス部14の径を大きくすると、第1部材11の質量が増加し、コストアップにつながる。ボス部14の潰し量を増やすと、第1部材11と周辺部品4(
図6(c)参照)とのクリアランス(隙関係)が悪化することがある。
【0032】
そのような不具合に対し、本実施形態では、第1部材11のボス部14を第2部材12の挿通孔18に挿通させた状態で、ボス部14の先端部分の熱カシメを実施することで、第1部材11と第2部材12の接合部17とが接合される。ここで、接合部17の接合面17aには、溝部20が設けられている。溝部20は、接合部17へのせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在している。このため、接合部17にせん断荷重が入力されても、溝部20によりせん断荷重が効果的に受け止められる。これにより、コンソールアッシー1を構成する第1部材11及び第2部材12の破断強度が向上する。
【0033】
従って、第1部材11と第2部材12との破断が発生しにくくなる。このため、接合部17に真円環状の溝部30が設けられた比較例の構造に比べて、ボス部14の径を小さくしたり、熱カシメによるボス部14の潰し量を減少させることができる。その結果、第1部材11の質量を小さくし、第1部材11の低コスト化を図ることができる。また、第1部材11と周辺部品4との適切なクリアランスを確保することができる。
【0034】
また、本実施形態では、溝部20は、せん断荷重の入力方向に対して垂直な方向に延在している。このため、接合部17にせん断荷重が入力されたときには、溝部20はせん断荷重を垂直に受けることになる。従って、溝部20によりせん断荷重が更に効果的に受け止められる。
【0035】
また、本実施形態では、溝部20は、せん断荷重の入力方向に沿って挿通孔18を挟むようにせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在している。このため、接合部17にせん断荷重が入力されたときには、溝部20はせん断荷重を複数箇所で受けることになる。従って、溝部20によりせん断荷重が一層効果的に受け止められる。
【0036】
また、本実施形態では、溝部20は、せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に一直線状に延在している。従って、溝部20の構造が簡単になると共に、溝部20を接合部17に容易に形成することができる。
【0037】
また、本実施形態では、ボス部14の一部が溝部20に引っ掛かった状態となるため、第1部材11と第2部材12の接合部17との接合力が高くなる。これにより、第1部材11及び第2部材12の破断強度が更に向上する。
【0038】
さらに、第2部材12の接合部17に真円環状の溝部30が設けられた比較例の構造において、
図8(a)に示されるように、例えば車両2の走行動作等によって、第1部材11のボス部14を中心とした回転方向(
図8中のR方向)の荷重が接合部17に加わる場合には、溝部30が回転方向の荷重を受けず、ボス部14に直接荷重がかかることになる。従って、第1部材11と第2部材12との破断が発生しやすくなる。なお、
図8では、第1部材11は省略されている。
【0039】
一方、本実施形態では、
図8(b)に示されるように、第1部材11のボス部14を中心とした回転方向の荷重が接合部17に加わったときは、溝部20が回転方向の荷重を受けるため、荷重が分散されることになる。従って、比較例の構造に比べて、第1部材11と第2部材12との破断が発生しにくくなる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、溝部20は、接合部17へのせん断荷重の入力方向に対して垂直な方向に延在しているが、特にその形態には限られない。溝部20は、接合部17へのせん断荷重の入力方向に対して斜めに交差する方向に延在していてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、溝部20は、せん断荷重の入力方向に沿って挿通孔18を挟むようにせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在しているが、特にその形態には限られない。溝部20は、挿通孔18に対してせん断荷重の入力方向の片側のみにおいて、せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在していてもよい。また、溝部20は、挿通孔18を通り抜けるようにせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在していてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、2つの溝部20が接合部17に設けられているが、溝部20の数としては、せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在していれば、特に2つには限られず、1つでもよいし、或いは3つ以上でもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、溝部20は、せん断荷重の入力方向に対して一直線状に交差する方向に延在しているが、その形態には限られない。溝部20は、例えばせん断荷重の入力方向に対して曲線状または波状に交差する方向に延在していてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、溝部20は、全体的にせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在しているが、特にその形態には限られない。溝部20の少なくとも一部が、せん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在していればよい。従って、溝部20の一部がせん断荷重の入力方向に対して交差する方向に延在しているのであれば、溝部20の形状としては、例えば長円形状等であってもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、溝部20の一部領域に、ボス部14の熱カシメによってボス部14の一部が入り込んだ構成となっているが、特にその形態には限られない。溝部20の全体にボス部14の一部が入り込んでいてもよいし、或いは溝部20にはボス部14の一部が入り込んでいなくてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、第2部材12の接合部17に断面V字形の溝部20が設けられているが、溝部20の形状としては、特に断面V字形には限られず、断面U字形または断面半円形状等であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、第2部材12は金属メッキからなっているが、第2部材12の材料としては、特に金属には限られず、熱可塑性樹脂であってもよい。つまり、第2部材12は、樹脂成形品であってもよい。
【0048】
この場合、
図9(a)に示されるように、接合部17に真円環状の溝部30が設けられた構造では、第2部材12を挿通孔18の軸方向(
図9中のP方向)にしか成形することができない。一方、
図9(b)に示されるように、接合部17に2つの一直線状の溝部20が平行に設けられた構造では、第2部材12を挿通孔18の軸方向及び溝部20の延在方向(
図9中のQ方向)の何れにも成形することが可能となる。溝部20の延在方向は、挿通孔18の軸方向に垂直な方向である。
【0049】
また、上記実施形態は、車両用構成部品としてのコンソールアッシー1についてであるが、本発明は、そのようなコンソールアッシー1以外の内装部品等の車両用構成部品にも適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1…コンソールアッシー(車両用構成部品)、2…車両、11…第1部材、12…第2部材、14…ボス部、17…接合部、17a…接合面、18…挿通孔、20…溝部。