(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】接続モジュール
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20230926BHJP
H01R 13/04 20060101ALI20230926BHJP
H01R 13/506 20060101ALI20230926BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20230926BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20230926BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20230926BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R13/04 B
H01R13/506
H01M50/209
H01M50/296
H01M50/50 101
(21)【出願番号】P 2020086464
(22)【出願日】2020-05-18
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 優介
(72)【発明者】
【氏名】竹田 仁司
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0025663(US,A1)
【文献】特開2008-147082(JP,A)
【文献】中国実用新案第202076428(CN,U)
【文献】実開平6-26165(JP,U)
【文献】実公昭36-11642(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/631
H01R 13/04
H01R 13/506
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部ケースと下部ケースとを備えたケーシングの内部に収容される接続モジュールであって、
前記ケーシングの内部の前記上部ケース側に配された機器と前記ケーシングの内部の前記下部ケース側に配されたコネクタとを電気的に接続する複数のバスバと、
前記複数のバスバを保持するバスバ保持部を有する複数のホルダと、
前記複数のホルダを係止可能となっているブラケットと、を備え、
前記複数のバスバを保持する前記複数のホルダが前記ブラケットに係止された状態で、前記複数のバスバは、上下方向に直交する第1方向に並列するように配され、
上下方向に直交するとともに前記第1方向に交差する方向は、第2方向とされており、
前記複数のバスバは、前記第2方向に延びて前記機器に接続される上部接続部と、前記第2方向に延びて前記コネクタに接続される下部接続部と、上下方向に延びて前記上部接続部及び前記下部接続部を接続する連結部と、を備え、
前記バスバと前記ホルダの間には、前記第2方向にクリアランスが設定され、
前記ホルダと前記ブラケットの間には、上下方向及び前記第1方向にクリアランスが設定されている、接続モジュール。
【請求項2】
前記複数のホルダのそれぞれは、ロック部とロック受け部とを備え、
前記複数のホルダのうち隣り合う前記ホルダ同士は、一方の前記ホルダの前記ロック部と他方の前記ホルダの前記ロック受け部とが係止することにより、互いに前記第1方向にクリアランスをもって係止されている、請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項3】
前記複数のホルダは、中間ホルダと、端部ホルダと、を有し、
前記複数のホルダが前記ブラケットに係止された状態で、前記第1方向に沿って前記中間ホルダの両側には前記ホルダが配されており、前記第1方向に沿って前記端部ホルダのいずれか一方の側にのみ前記ホルダが配されており、
前記中間ホルダは、ロック部およびロック受け部の双方を備え、
前記端部ホルダの一方は、前記ロック部および前記ロック受け部のうち少なくとも前記ロック部を備え、
前記端部ホルダの他方は、前記ロック部および前記ロック受け部のうち前記ロック受け部のみを備え、
前記複数のホルダのうち隣り合う前記ホルダ同士は、一方の前記ホルダの前記ロック部と他方の前記ホルダの前記ロック受け部とが係止することにより、互いに前記第1方向にクリアランスをもって係止されている、請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項4】
前記ホルダにおいて、前記ロック部の近傍にはホルダ側ガイドが設けられ、前記ロック受け部の近傍にはホルダ側ガイド受け部が設けられ、
前記ホルダ側ガイドは、前記第1方向に沿って外側に突出し、
前記ホルダ側ガイド受け部は、前記ホルダ側ガイドを受け入れる、請求項2または請求項3に記載の接続モジュール。
【請求項5】
前記ブラケットには、前記第1方向に延びるレールが設けられ、
前記ホルダには、前記レールに嵌まるレール側ガイドが設けられている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の接続モジュール。
【請求項6】
前記レール及び前記レール側ガイドは、前記第2方向に間隔を空けて複数設けられている、請求項5に記載の接続モジュール。
【請求項7】
前記複数のホルダのそれぞれには、下方に突出する係合部が設けられており、
前記ブラケットには、前記係合部が下方から係合する係合受け部が形成されている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の接続モジュール。
【請求項8】
前記バスバ及び前記ホルダを上方から覆って、前記ブラケットに固定されるカバーを
更に備えている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の接続モジュール
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接続モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用バッテリーパック等のケーシングとして、上部ケースと下部ケースからなるものがある。このようなバッテリーパック等の製造工程には、ケーシングの内部に搭載される機器を電気的に接続する工程と、下部ケースに上部ケースを被せてそれらの隙間をシールする工程が含まれる。ケーシングの設計においては、ケーシングの内部の上部ケース側に配置された機器を外部出力用のコネクタに接続することが要請されることがある。このような場合、特開2019-186043号公報(下記特許文献1)に記載の組電池のように、上部ケース側に外部出力用のコネクタを設けることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような構成では、ケース内(本願におけるケーシングに相当)のすべての機器を接続する工程を終えてから、上部ケースと下部ケースとの隙間をシールする工程を終えても、バッテリーパック等の製造工程を完了することができない。なぜならば、上部ケースと下部ケースとの隙間をシールする工程を行った後に、別途、外部出力用のコネクタの接続を行う必要が生じるからである。このため、バッテリーパック等の製造工程が複雑になるおそれがある。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ケーシングの内部において上部ケース側に配された機器と下部ケース側に配されたコネクタとを電気的に接続でき、容易に組み付けられる接続モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の接続モジュールは、上部ケースと下部ケースとを備えたケーシングの内部に収容される接続モジュールであって、前記ケーシングの内部の前記上部ケース側に配された機器と前記ケーシングの内部の前記下部ケース側に配されたコネクタとを電気的に接続する複数のバスバと、前記複数のバスバを保持するバスバ保持部を有する複数のホルダと、前記複数のホルダを係止可能となっているブラケットと、を備え、前記複数のバスバを保持する前記複数のホルダが前記ブラケットに係止された状態で、前記複数のバスバは、上下方向に直交する第1方向に並列するように配され、上下方向に直交するとともに前記第1方向に交差する方向は、第2方向とされており、前記複数のバスバは、前記第2方向に延びて前記機器に接続される上部接続部と、前記第2方向に延びて前記コネクタに接続される下部接続部と、上下方向に延びて前記上部接続部及び前記下部接続部を接続する連結部と、を備え、前記バスバと前記ホルダの間には、前記第2方向にクリアランスが設定され、前記ホルダと前記ブラケットの間には、上下方向及び前記第1方向にクリアランスが設定されている、接続モジュールである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ケーシングの内部において上部ケース側に配された機器と下部ケース側に配されたコネクタとを電気的に接続でき、容易に組み付けられる接続モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1にかかる接続モジュールがバッテリーパックに適用された例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、バッテリーパックに適用された接続モジュールの側面図である。
【
図3】
図3は、
図2のA-A断面において右端ホルダ周辺を示す図である。
【
図4】
図4は、カバーを固定する前の接続モジュールの平面図である。
【
図5】
図5は、カバーを固定する前の接続モジュールの斜視図である。
【
図7】
図7は、
図4のC-C断面においてホルダ周辺を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態2にかかるブラケットのロック受け部とホルダのロック部との係止を示す平面図である。
【
図18】
図18は、実施形態3にかかるブラケットの平面図である。
【
図19】
図19は、カバーを固定する前の接続モジュールの平面図である。
【
図21】
図21は、
図19のG-G断面においてホルダとブラケットの組み付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0010】
(1)本開示の接続モジュールは、上部ケースと下部ケースとを備えたケーシングの内部に収容される接続モジュールであって、前記ケーシングの内部の前記上部ケース側に配された機器と前記ケーシングの内部の前記下部ケース側に配されたコネクタとを電気的に接続する複数のバスバと、前記複数のバスバを保持するバスバ保持部を有する複数のホルダと、前記複数のホルダを係止可能となっているブラケットと、を備え、前記複数のバスバを保持する前記複数のホルダが前記ブラケットに係止された状態で、前記複数のバスバは、上下方向に直交する第1方向に並列するように配され、上下方向に直交するとともに前記第1方向に交差する方向は、第2方向とされており、前記複数のバスバは、前記第2方向に延びて前記機器に接続される上部接続部と、前記第2方向に延びて前記コネクタに接続される下部接続部と、上下方向に延びて前記上部接続部及び前記下部接続部を接続する連結部と、を備え、前記バスバと前記ホルダの間には、前記第2方向にクリアランスが設定され、前記ホルダと前記ブラケットの間には、上下方向及び前記第1方向にクリアランスが設定されている、接続モジュールである。本明細書において直交とは、直交する場合を含むとともに、直交しない場合であっても、交差する角度が85°から95°程度である実質的に直交と認めうる場合も含まれるものとする。
【0011】
このような構成によると、複数のバスバがケーシングの内部の上部ケース側に配された機器とケーシングの内部の下部ケース側に配されたコネクタとを電気的に接続するため、ケーシングの内部に搭載されるすべての機器の電気的接続を終えてから、上部ケースを下部ケースに被せてそれらの隙間をシールすることでバッテリーパック等の製造工程を完了させることが可能になる。また、バスバとホルダの間には、前後方向にクリアランスが設定され、ホルダとブラケットの間には、上下方向及び左右方向にクリアランスが設定されているため、それぞれの方向について各部材及び搭載機器の位置ずれや寸法のばらつきを吸収することができる。
【0012】
(2)前記複数のホルダのそれぞれは、ロック部とロック受け部とを備え、前記複数のホルダのうち隣り合う前記ホルダ同士は、一方の前記ホルダの前記ロック部と他方の前記ホルダの前記ロック受け部とが係止することにより、互いに前記第1方向にクリアランスをもって係止されていることが好ましい。
【0013】
このような構成によると、ホルダは、ロック部とロック受け部とを備えているため、隣接するホルダを連結することができ、ホルダ同士の組み付けが容易になる。また、ロック部を備えていないホルダを別途形成しなくてよい。複数のホルダは、互いに左右方向にクリアランスをもって係止されているため、左右方向について各部材及び搭載機器の位置ずれや寸法のばらつきを吸収することができる。
【0014】
(3)前記複数のホルダは、中間ホルダと、端部ホルダと、を有し、前記複数のホルダが前記ブラケットに係止された状態で、前記第1方向に沿って前記中間ホルダの両側には前記ホルダが配されており、前記第1方向に沿って前記端部ホルダのいずれか一方の側にのみ前記ホルダが配されており、前記中間ホルダは、ロック部およびロック受け部の双方を備え、前記端部ホルダの一方は、前記ロック部および前記ロック受け部のうち少なくとも前記ロック部を備え、前記端部ホルダの他方は、前記ロック部および前記ロック受け部のうち前記ロック受け部のみを備え、前記複数のホルダのうち隣り合う前記ホルダ同士は、一方の前記ホルダの前記ロック部と他方の前記ホルダの前記ロック受け部とが係止することにより、互いに前記第1方向にクリアランスをもって係止されていることが好ましい。
【0015】
このような構成によると、隣接するホルダを連結することができ、ホルダ同士の組み付けが容易になる。また、ロック部を備えていない端部のホルダが含まれる構成であるため、ブラケットの左右方向の寸法を小さくすることができる。複数のホルダは、互いに左右方向にクリアランスをもって係止されているため、左右方向について各部材及び搭載機器の位置ずれや寸法のばらつきを吸収することができる。
【0016】
(4)前記ホルダにおいて、前記ロック部の近傍にはホルダ側ガイドが設けられ、前記ロック受け部の近傍にはホルダ側ガイド受け部が設けられ、前記ホルダ側ガイドは、前記第1方向に沿って外側に突出し、前記ホルダ側ガイド受け部は、前記ホルダ側ガイドを受け入れることが好ましい。
【0017】
このような構成によると、ホルダ同士の組み付けが容易になる。
【0018】
(5)前記ブラケットには、前記第1方向に延びるレールが設けられ、前記ホルダには、前記レールに嵌まるレール側ガイドが設けられていることが好ましい。
【0019】
このような構成によると、ホルダをブラケットに組み付けることが容易になる。
【0020】
(6)前記レール及び前記レール側ガイドは、前記第2方向に間隔を空けて複数設けられていることが好ましい。
【0021】
このような構成によると、ブラケットによるホルダの係止力を向上できる。また、ブラケットに組み付けられたホルダのがたつきを抑制できる。
【0022】
(7)前記複数のホルダのそれぞれには、下方に突出する係合部が設けられており、前記ブラケットには、前記係合部が下方から係合する係合受け部が形成されていることが好ましい。
【0023】
このような構成によると、ホルダを上方からブラケットに組み付けることができるので、ホルダのブラケットへの組み付け作業性が向上する。
【0024】
(8)前記バスバ及び前記ホルダを上方から覆って、前記ブラケットに固定されるカバーを備えていることが好ましい。
【0025】
このような構成によると、バスバ及びホルダがブラケットから外れることを抑制できる。
【0026】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0027】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、
図1から
図14を参照しつつ説明する。以下の説明においては、矢線Zで示される方向を上方、矢線Xで示される方向を前方、矢線Yで示される方向を左方として説明する。ここで、左右方向は第1方向の一例であり、前後方向は第2方向の一例である。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0028】
[接続モジュール]
実施形態1の接続モジュール10は、
図5に示すように、複数のバスバ20と、複数のバスバ20を保持する複数のホルダ30と、複数のホルダ30と係止するブラケット50と、を備える。接続モジュール10は、
図2に示すように、バッテリーパック1(ケーシングの一例)の内部に収容される。後述するように、接続モジュール10は、バッテリーパック1の内部において、端子台3に載置され、機器4(図示せず)の機器側接続部4Aとコネクタ5のコネクタ側接続部7Bとを電気的に接続する。
【0029】
[バッテリーパック、上部ケース、下部ケース]
バッテリーパック1は、
図2に示すように、上方に開口した上部ケース1Uと、下方に開口した下部ケース1Lと、を備えている。上部ケース1Uの開口縁部と下部ケース1Lの開口縁部との間には、図示しない公知のシール部材が介されている。開口を塞ぐように下部ケース1Lに上部ケース1Uを被せて、それらの隙間をシール部材により液密にシールすることにより、バッテリーパック1は防水性を発揮する。
【0030】
図1に示すように、下部ケース1Lの内部には直方体形状をなす電池セルBが載置されている。電池セルBは、上方に向かって突出する凸型に形成された電池用ブラケット2により、上方、前方、及び後方を覆われ、下部ケース1Lに固定されている。電池用ブラケット2には、平面視矩形状の端子台3が取り付けられ、固定されている。端子台3の左右方向の幅は、電池用ブラケット2の左右方向の幅より小さく形成されている。端子台3は、電池用ブラケット2の上面に取り付けられ、後方に延びる後側端子台3Rと、電池用ブラケット2の前面に取り付けられ、後側端子台3Rの前端から下方及び前方に延びる前側端子台3Fと、を備えている。
図2に示すように、後側端子台3Rは、下部ケース1Lに取り付けられた状態で、下部ケース1Lの上縁部よりも上方に突出している。これにより、下部ケース1Lと上部ケース1Uとが組み付けられた状態では、後側端子台3Rは、バッテリーパック1の内部において、上部ケース1U側に配されている。
【0031】
下部ケース1Lと上部ケース1Uとが組み付けられた状態において、バッテリーパック1の内部の上部ケース1U側には、機器4(図示せず)が配されており、
図1に示すように、機器4から前方に機器側接続部4Aが延びている。機器側接続部4Aは、後側端子台3Rの後方に設けられ、上方に突出している係止片3Bにより保持されている。後側端子台3Rの係止片3Bの前方には、ボルトBT1を受け入れるボルト固定部3Aが上方に突出して形成されており、ボルト固定部3Aの上には機器側接続部4Aの前端部に形成されたボルト締結孔(図示せず)が配されている。後側端子台3Rにおいてボルト固定部3Aの前方には、接続モジュール10が載置され、接続モジュール10のバスバ20が機器側接続部4Aと接続されるようになっている。後側端子台3Rにおける接続モジュール10が載置される位置の右端及び左端には、
図3に示すように、後述するボルトBT3と締結されるナットNを収容するナット収容部3Cが設けられている。図示しないが、右側のナット収容部3Cの前方と、左端のナット収容部3Cの後方には、後述するブラケット50の突起部59を受ける突起受け部が設けられており、突起部59と突起受け部との係止により、接続モジュール10は端子台3に固定される。
【0032】
図1及び
図2に示すように、下部ケース1Lの前側には、外部出力用のコネクタ5が配されている。
図1に示すように、コネクタ5は、下部ケース1Lの前側の側面を前後方向に貫通するように形成されている。コネクタ5は、前方に開口したフード部6と、端子金具7と、フード部6の後方に延出され、端子金具7を左右に並列して収容する端子収容部8と、を備えている。端子収容部8の後端部は、前側端子台3Fにより固定されている。
図2に示すように、端子金具7は、フード部6の内部において前方に突出するタブ7Aを有する。端子金具7の後端部は、コネクタ側接続部7Bとされ、コネクタ側接続部7Bには、ボルト締結孔(図示せず)が形成されている。
図1に示すように、端子収容部8は、上方及び後方に開口しており、接続モジュール10のバスバ20を上方から受け入れて、コネクタ側接続部7Bと接続できるようになっている。端子収容部8の後端部には、ボルト固定部(図示せず)が上方に突出し、ボルトBT2を受け入れるように設けられている。図示しないボルト締結孔が、ボルト固定部の上に配されている。
【0033】
[バスバ、上部接続部、下部接続部、連結部]
バスバ20は、銅等の導電性金属からなり、
図12に示すように、クランク状に折れ曲がった細長い板状をなしている。バスバ20は、上部接続部21と、下部接続部22と、上部接続部21及び下部接続部22を接続する連結部23と、を備えている。連結部23は上下方向に延びており、前後方向が板厚方向に対応している。上部接続部21は、連結部23の上端から連続して後方に延びており、上下方向が板厚方向に対応している。下部接続部22は、連結部23の下端から連続して前方に延びており、上下方向が板厚方向に対応している。上部接続部21の後側及び下部接続部22の前側には、それぞれボルト締結孔21A,22Aが形成されている。上部接続部21の左右の端部には、一対の凹部24が設けられている。凹部24は、上部接続部21の前側に配されている。バスバ20の板厚方向及び幅方向の寸法は、接続する相手側の部材の幅や要求される強度等に応じて変更される。複数(本実施形態では8つ)のバスバ20は、同一形状であってもよいし、また、異なる形状であってもよい。本実施形態にかかるバスバ20には、3種類の異なる寸法のものが採用されている。
【0034】
[ホルダ、中間ホルダ、右端ホルダ、左端ホルダ]
複数のホルダ30は、中間ホルダ30Mと、右端ホルダ30R(端部ホルダの一例)と、左端ホルダ30L(端部ホルダの一例)と、から構成されている。詳細は後述するが、
図5に示すように、接続モジュール10において、複数のホルダ30は互いに左右方向に連結された形態をなしている。右端ホルダ30Rは右端に配置され、左端ホルダ30Lは左端に配置されている。中間ホルダ30Mは、右端ホルダ30Rと左端ホルダ30Lの間に配置されている。以下では、中間ホルダ30M、右端ホルダ30R、左端ホルダ30Lを区別しない場合には、ホルダ30なる文言を用いる。
【0035】
ホルダ30は、絶縁性の合成樹脂からなり、
図8に示すように、上方に開口した矩形枠状をなしている。1つのホルダ30は1つのバスバ20を保持するようになっている。各ホルダ30は、各バスバ20の寸法に対応して形成されている。本実施形態では、バスバ20の寸法に合わせて、バスバ20を保持するホルダ30として3種類の異なる寸法のものが採用されている。ホルダ30は、左右に一対の側壁31A,31Bを有している。一対の側壁31A,31Bは、前端で前壁32により、後端で後壁33により接続されている。一対の側壁31A,31B、前壁32、及び後壁33の下端は、底壁34により接続されている。
【0036】
[バスバ保持部、レール側ガイド]
ホルダ30は、
図8に示すように、一対の側壁31A,31Bに一対のバスバ保持部35A,35Bを備える。バスバ保持部35A,35Bは、ホルダ30の前後方向の中央部に配されている。バスバ保持部35A,35Bは、それぞれ対向する側壁31B,31Aに向かって突出して形成されている。バスバ保持部35A,35Bの前方及び後方の側壁31B,31Aには、切り欠き部36が形成されている。これにより、バスバ保持部35A,35Bを有する中央の側壁31A,31Bは、左右方向に撓み変形可能となっている。バスバ保持部35A,35Bの上側には、上方に向かうほど側壁31A,31Bに近づくように傾斜しているテーパ面37が設けられている。
図6に示すように、バスバ保持部35A,35Bの下端は、切り立った形状をなす下面35Cとされている。
図7に示すように、前壁32及び後壁33の上面32A,33Aは、バスバ保持部35A,35Bの下面35Cより下方に設けられており、バスバ保持部35A,35Bの下面35Cと前壁32及び後壁33の上面32A,33Aとの上下方向の間隔は、上部接続部21の厚みと同じかやや大きく設定されている。
図8に示すように、前壁32の左右の端部には、一対の凸部38が一対の側壁31A,31Bから連続して設けられている。凸部38は、前壁32の上面32Aよりも上方に配されている。
図4に示すように、凸部38の前後方向の厚みは、凹部24の前後方向の寸法に比べて小さく設定されている。
図9に示すように、底壁34には、前側及び後側に一対のレール側ガイド39が下方に延びて設けられている。一対のレール側ガイド39の下端は、互いに遠ざかるように前後に延びている。
【0037】
[ロック部、第1ホルダ側ガイド、第2ホルダ側ガイド]
中間ホルダ30Mの側壁31Aには、
図8に示すように、ロック片40と、第1ホルダ側ガイド41(ホルダ側ガイドの一例)と、第2ホルダ側ガイド42(ホルダ側ガイドの一例)と、が設けられている。ロック片40は、中間ホルダ30Mの前後方向の中央部に配され、側壁31Aの左方に突出している。ロック片40の先端には、ロック部40Aが上方に突出して設けられている。ロック部40Aの左側は、右方に向かうほど上方に向かうテーパ面40Bとなっている。ロック部40Aの右端は、切り立った形状をなしている。第1ホルダ側ガイド41及び第2ホルダ側ガイド42は、側壁31Aの左方に突出しており、それらの突出寸法はロック片40の突出寸法より小さくなっている。第2ホルダ側ガイド42は、側壁31Aの前側及び後側に一対設けられている。第2ホルダ側ガイド42は、上下方向に比べて前後方向の寸法が大きくなっている。第1ホルダ側ガイド41は、前後方向においてロック片40と第2ホルダ側ガイド42の間に一対配されている。第1ホルダ側ガイド41は、前後方向に比べて上下方向の寸法が大きくなっている。右端ホルダ30Rも中間ホルダ30Mと同様に、ロック片40と、第1ホルダ側ガイド41と、第2ホルダ側ガイド42と、を備えている。
【0038】
[ロック受け部、第1ホルダ側ガイド受け部、第2ホルダ側ガイド受け部]
ホルダ30の底壁34には、
図8に示すように、前後方向の中央部にロック受け部43が形成されている。ロック受け部43は、底壁34の右側に位置する。
図6に示すように、ロック受け部43は、右に隣接する別のホルダ30のロック部40Aと係止するようになっている。このロック部40Aとロック受け部43との係止には、左右方向のクリアランスCL4が設定されている。
図8に示すように、底壁34の側壁31B側であって前側及び後側には、一対の第2ホルダ側ガイド受け部44(ホルダ側ガイド受け部の一例)が設けられている。第2ホルダ側ガイド受け部44は、ロック受け部43のある底壁34の高さよりも下方に凹んで形成されている。一対の第2ホルダ側ガイド受け部44は、前壁32あるいは後壁33と接続しているが、側壁31Bとは接続しておらず、右方に開口している。これにより、
図11に示すように、一対の第2ホルダ側ガイド受け部44は、右に隣接する別のホルダ30の一対の第2ホルダ側ガイド42を受け入れるようになっている。第1ホルダ側ガイド41は、底壁34の一部から構成される第1ホルダ側ガイド受け部45(ホルダ側ガイド受け部の一例)に係合可能となっている。
【0039】
複数のホルダ30は、上記のように、ロック部40Aとロック受け部43との係止により、互いに左右方向に連結された状態で、接続モジュール10に組み付けられている。このとき、左右方向に沿って中間ホルダ30Mの両側にはホルダ30が配されている。一方、
図6及び
図10に示すように、左端ホルダ30Lの左側にはホルダ30は配されていないため、ロック部40Aを含むロック片40、第1ホルダ側ガイド41、及び第2ホルダ側ガイド42は設けられていない。同様に、
図3に示すように、右端ホルダ30Rの右側にはホルダ30は配されていない。このため、右端ホルダ30Rは、ロック受け部43、第1ホルダ側ガイド受け部45、及び第2ホルダ側ガイド受け部44を備えていてもよく、また、備えていなくてもよい。なお、実施形態1では、ロック受け部43、第1ホルダ側ガイド受け部45、及び第2ホルダ側ガイド受け部44を備えた中間ホルダ30Mが右端ホルダ30Rとして流用されている。
【0040】
[ブラケット、レール]
ブラケット50は、絶縁性の合成樹脂からなり、
図13に示すように、ホルダ台部51と、バスバ収容部52と、を備えている。ホルダ台部51は、左右に延びる枠状をなしている。ホルダ台部51には、ホルダ台部51を上下方向に貫通する一対のレール53が左右に延びてスリット状に形成されている。一対のレール53は、前後に間隔を空けて並列して設けられている。
図4に示すように、レール53の右端は、幅広に形成された挿入口54となっている。
図13に示すように、レール53の左端には、上方に延びる壁面状のストッパ部55が設けられている。
図6に示すように、ブラケット50に複数のホルダ30が組み付けられた状態で、ストッパ部55は、左端ホルダ30Lの側壁31Aに対面する。
図13に示すように、一対のレール53は、後側に位置する後側レール53Bと、前側に位置する前側レール53Fとを有する。後側レール53Bの後側の孔縁部には、前方に延びる後側延出部56Bが形成されている。前側レール53Fの前側の孔縁部には、後方に延びる前側延出部56Fが形成されている。後側延出部56B及び前側延出部56Fは、一括して延出部56とされている。
図7に示すように、前側延出部56F、および後側延出部56Fは、ブラケット50にホルダ30が組み付いた状態で、ホルダ30を下方から支持する。
図4に示すように、ホルダ台部51の右端及び左端には、後述するカバー60を固定するための固定孔57が形成されている。右側の固定孔57の後方と、左側の固定孔57の前方には、突起受け部59Bが設けられている。突起受け部59Bは、後述するカバー60の突起部67を受け入れるようになっている。
図13に示すように、右側の固定孔57の前方と、左側の固定孔57の後方には、突起部59Aが下方に突出して設けられている。バスバ収容部52は、ホルダ台部51の前端から下方に延びて設けられている。バスバ収容部52は、左右方向に並列する複数の仕切り板58を有している。
図5に示すように、ブラケット50に、複数のホルダ30及び複数のバスバ20が組み付いており、バスバ20同士は、仕切り板58によって隔てられ、各々接触しないようになっている。
【0041】
[カバー]
カバー60は、絶縁性の合成樹脂からなり、
図14に示すように、左右方向に延びる板状の本体部61と、本体部61の左右方向の両側に配された固定部66と、を備えている。固定部66は、本体部61に比べて下方に突出した形状となっている。固定部66の前後方向の中央部には、固定孔62が形成されている。右側の固定孔62の後方と、左側の固定孔62の前方には、突起部67が下方に突出して設けられている。本体部61の前端には、保護壁63が下方に延びて設けられている。保護壁63には、溝部64が設けられている。
図1及び
図3に示すように、カバー60は、複数のホルダ30及び複数のバスバ20が組み付いたブラケット50の上に被せられ、固定される。
図1に示すように、溝部64は、仕切り板58を受け入れるようになっている。
図3に示すように、本体部61の右端は、下方に延びる壁面状の抜け止め部65とされており、右端ホルダ30Rの側壁31Bに対面する。抜け止め部65により、複数のホルダ30がブラケット50の右方に抜けることが抑制される。
【0042】
[接続モジュールの組み付け]
ブラケット50の挿入口54に、ホルダ30のレール側ガイド39を挿入し、ホルダ30を左側に動かすことで、レール側ガイド
39がレール53に嵌った状態で、ブラケット50にホルダ30が組み付けられる(
図4参照)。このとき、左端ホルダ30Lが最初に組み付けられ、右端ホルダ30Rが最後に組み付けられる。この組み付けの過程で、隣り合うホルダ30同士は左右に連結される。ホルダ30同士を近づけると、まずホルダ30のテーパ面40Bが、左側に隣接するホルダ30の側壁31Bに当たり、さらにホルダ30同士を近づけることで、ロック片40が下方に撓みながら左側のホルダ30の底壁34の下方に入り込み、ロック受け部43に係止される(
図6参照)。この間、ホルダ30の第1ホルダ側ガイド41及び第2ホルダ側ガイド42は、左側のホルダ30の第1ホルダ側ガイド受け部45及び第2ホルダ側ガイド受け部44とそれぞれ係合し、ロック部40Aとロック受け部43との係止を補助する(
図10及び
図11参照)。ホルダ30がブラケット50に組み付けられた状態では、ホルダ30とブラケット50の間には、
図7に示すように、上下方向にクリアランスCL2が設定されており、
図6に示すように、左右方向にクリアランスCL3が設定されている。
【0043】
次に、ホルダ30にバスバ20を組み付ける。上部接続部21は、ホルダ30の上方から押し当てられ、バスバ保持部35A,35Bのテーパ面37に当たる。上部接続部21は、バスバ保持部35A,35Bを外側に撓ませながら、テーパ面37を滑り、バスバ保持部35A,35Bを乗り越える(
図6参照)。バスバ20がホルダ30に保持された状態では、バスバ20はバスバ保持部35A,35Bの下面35Cより下方に位置する。このとき、
図4に示すように、ホルダ30の凸部38が上部接続部21の凹部24に嵌まるように、ホルダ30に対してバスバ20は位置決めされる。ホルダ30とバスバ20の間には、前後方向にクリアランスCL1が設定されている。
【0044】
図3に示すように、最後にカバー60を上方からブラケット50に被せ、突起部67と突起受け部59Bとを係止させることで、接続モジュール10の組み付けは完了する。
【0045】
[接続モジュールのバッテリーパックへの取りつけ]
上記のように組み付けられた接続モジュール10は、
図1及び
図2に示すように、バッテリーパック1の内部において、端子台3に載置され、ブラケット50の突起部59と端子台3の突起受け部(図示せず)との係止により、接続モジュール10は端子台3に固定される。固定孔62,57にボルトBT3を挿入し、ナットNとボルトBT3を締結し、ブラケット50に対してカバー60をさらに固定する。上部接続部21のボルト締結孔21Aと機器側接続部4Aのボルト締結孔(図示せず)にボルトBT1を挿入し、ボルトBT3をボルト固定部3Aに締結することで、接続モジュール10と機器4とが電気的に接続される。下部接続部22のボルト締結孔22Aとコネクタ側接続部7Bのボルト締結孔(図示せず)にボルトBT2を挿入し、ボルトBT2を端子収容部8のボルト固定部に締結することで、接続モジュール10とコネクタ5とが電気的に接続される。したがって、機器4とコネクタ5とが電気的に接続される。
【0046】
[実施形態1の作用効果]
実施形態1によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態1にかかる接続モジュール10は、上部ケース1Uと下部ケース1Lとを備えたバッテリーパック1の内部に収容される接続モジュール10であって、バッテリーパック1の内部の上部ケース1U側に配された機器4とバッテリーパック1の内部の下部ケース1L側に配されたコネクタ5とを電気的に接続する複数のバスバ20と、複数のバスバ20を保持するバスバ保持部35A,35Bを有する複数のホルダ30と、複数のホルダ30を係止可能となっているブラケット50と、を備え、複数のバスバ20を保持する複数のホルダ30がブラケット50に係止された状態で、複数のバスバ20は、上下方向に直交する左右方向に並列するように配され、上下方向に直交するとともに左右方向に交差する方向は、前後方向とされており、複数のバスバ20は、前後方向に延びて機器4に接続される上部接続部21と、前後方向に延びてコネクタ5に接続される下部接続部22と、上下方向に延びて上部接続部21及び下部接続部22を接続する連結部23と、を備え、バスバ20とホルダ30の間には、前後方向にクリアランスCL1が設定され、ホルダ30とブラケット50の間には、上下方向及び左右方向にクリアランスCL2及びクリアランスCL3が設定されている。
【0047】
上記の構成によれば、複数のバスバ20がバッテリーパック1の内部の上部ケース1U側に配された機器4とバッテリーパック1の内部の下部ケース1L側に配されたコネクタ5とを電気的に接続するため、バッテリーパック1の内部に搭載されるすべての機器の電気的接続を終えてから、上部ケース1Uを下部ケース1Lに被せてそれらの隙間をシールすることでバッテリーパック1の製造工程を完了させることが可能になる。また、バスバ20とホルダ30の間には、前後方向にクリアランスCL1が設定され、ホルダ30とブラケット50の間には、上下方向及び左右方向にクリアランスCL2及びクリアランスCL3が設定されているため、それぞれの方向について各部材及び搭載機器の位置ずれや寸法のばらつきを吸収することができる。
【0048】
実施形態1では、複数のホルダ30は、中間ホルダ30Mと、右端ホルダ30Rと、左端ホルダ30Lと、を有する。複数のホルダ30がブラケット50に係止された状態で、左右方向に沿って中間ホルダ30Mの両側にはホルダ30が配されている。左右方向に沿って右端ホルダ30Rの左側にのみホルダ30が配されている。左右方向に沿って左端ホルダ30Lの右側にのみホルダ30が配されている。中間ホルダ30Mは、ロック部40Aおよびロック受け部43の双方を備えている。右端ホルダ30Rは、ロック部40Aおよびロック受け部43を備えている。左端ホルダ30Lは、ロック部40Aおよびロック受け部43のうちロック受け部43のみを備えている。複数のホルダ30のうち隣り合うホルダ30同士は、一方のホルダ30のロック部40Aと他方のホルダ30のロック受け部43とが係止することにより、互いに左右方向にクリアランスCL4をもって係止されている。
【0049】
上記の構成によれば、隣接するホルダ30を連結することができ、ホルダ30同士の組み付けが容易になる。また、ロック部40Aを備えていない左端ホルダ30Lが含まれる構成であるため、ブラケット50の左右方向の寸法を小さくすることができる。複数のホルダ30は、互いに左右方向にクリアランスCL4をもって係止されているため、左右方向について各部材及び搭載機器の位置ずれや寸法のばらつきを吸収することができる。
【0050】
実施形態1では、ホルダ30において、ロック部40Aの近傍には第1ホルダ側ガイド41及び第2ホルダ側ガイド42が設けられ、ロック受け部43の近傍には第1ホルダ側ガイド受け部45及び第2ホルダ側ガイド受け部44が設けられ、第1ホルダ側ガイド41及び第2ホルダ側ガイド42は、左右方向に沿って外側に突出し、第1ホルダ側ガイド受け部45及び第2ホルダ側ガイド受け部44は、第1ホルダ側ガイド41及び第2ホルダ側ガイド42を受け入れる。
【0051】
上記の構成によれば、ホルダ30同士の組み付けが容易になる。
【0052】
実施形態1では、ブラケット50には、左右方向に延びるレール53が設けられ、ホルダ30には、レール53に嵌まるレール側ガイド39が設けられている。
【0053】
上記の構成によれば、ホルダ30をブラケット50に組み付けることが容易になる。
【0054】
実施形態1では、レール53及びレール側ガイド39は、前後方向に間隔を空けて一対設けられている。
【0055】
上記の構成によれば、ブラケット50によるホルダ30の係止力を向上できる。また、ブラケット50に組み付けられたホルダ30のがたつきを抑制できる。
【0056】
実施形態1では、バスバ20及びホルダ30を上方から覆って、ブラケット50に固定されるカバー60を備えている。
【0057】
上記の構成によれば、バスバ20及びホルダ30がブラケット50から外れることを抑制できる。
【0058】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、
図15から
図17を参照しつつ説明する。以下の説明においては、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0059】
実施形態2の接続モジュール110は、複数のバスバ20と、複数のバスバ20を保持する複数のホルダ30と、複数のホルダ30と係止するブラケット150と、を備える。
【0060】
図15及び
図16に示すように、ブラケット150の左端には、上方に延びて壁面状をなすストッパ部155が設けられている。ストッパ部155の左方及び下方には、ホルダ30と同様のロック受け部143が設けられている。ロック受け部143は、ホルダ30のロック部40Aと係止する。
図17に示すように、ブラケット150には、ホルダ30と同様の第1ホルダ側ガイド受け部145及び第2ホルダ側ガイド受け部144が設けられている。第1ホルダ側ガイド受け部145及び第2ホルダ側ガイド受け部144は、ホルダ30の第1ホルダ側ガイド41、及び第2ホルダ側ガイド42にそれぞれ係合する。
【0061】
[実施形態2の作用効果]
実施形態2によれば、以下の作用、効果を奏する。
図16に示すように、複数のホルダ30のそれぞれは、ロック部40Aとロック受け部43とを備え、複数のホルダ30のうち隣り合うホルダ30同士は、一方のホルダ30のロック部40Aと他方のホルダ30のロック受け部43とが係止することにより、互いに左右方向にクリアランスCL4をもって係止されている
【0062】
上記の構成によれば、ホルダ30は、ロック部40Aとロック受け部43とを備えているため、隣接するホルダ30を連結することができ、ホルダ30同士の組み付けが容易になる。また、実施形態1の左端ホルダ30Lのように、ロック部40Aを備えていないホルダ30を別途形成しなくてよい。複数のホルダ30は、互いに左右方向にクリアランスCL4をもって係止されているため、左右方向について各部材及び搭載機器の位置ずれや寸法のばらつきを吸収することができる。
【0063】
<実施形態3>
本開示の実施形態3について、
図18から
図21を参照しつつ説明する。以下の説明においては、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0064】
実施形態3の接続モジュール210は、複数のバスバ20と、複数のバスバ20を保持する複数のホルダ30と、複数のホルダ30と係止するブラケット250と、を備える。
【0065】
[実施形態3の作用効果]
図18に示すように、ブラケット250の挿入口254は、延出部256に複数形成されている。
図20に示すように、挿入口254は、各々のホルダ30の正規の係止位置の右側に配されている。延出部256のうち挿入口254の左方に位置する係合受け部256Aに、レール側ガイド
39(係合部の一例)が下方から係合することにより、各ホルダ30が上方に抜け止め状態で保持されるようになっている。これにより、実施形態1のように、ブラケット50の右端の挿入口54からホルダ30のレール側ガイド39を挿入し、1個ずつホルダ30をブラケット50に組み付けるのではなく(
図4参照)、
図21に示すように、あらかじめ連結された複数のホルダ30の各々のレール側ガイド39を、各々の挿入口254に上方から挿入した後、連結された複数のホルダ30を左方に移動させることで、複数のホルダ30とブラケット250とを組み付けることができる。
【0066】
また、実施形態1では挿入口54はブラケット50の右端に設けられたが(
図4参照)、
図19に示すように、接続モジュール210において挿入口254は延出部256に設けられているため、ブラケット250はブラケット50より左右方向に小さく形成可能となっている。
【0067】
<他の実施形態>
(1)実施形態1から実施形態3では、接続モジュール10,110,210がバッテリーパック1に適用される場合を説明したが、これに限られることはなく、接続モジュールはバッテリーパック以外のケーシングにも適用可能である。
(2)実施形態1から実施形態3では、バスバ20の連結部23を収容するバスバ収容部52はブラケット50,150,250に設けられる構成としたが、これに限られることはなく、ホルダ1個分のバスバ収容部がそれぞれのホルダに設けられる構成としてもよい。
(3)実施形態1から実施形態3では、バスバ20と機器4との電気的接続、及びバスバ20とコネクタ5との電気的接続は、ボルト締結によりなされる構成としたが、これに限られることはなく、例えば、これらは溶接によりなされる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1: バッテリーパック
1L: 下部ケース
1U: 上部ケース
2: 電池用ブラケット
3: 端子台
3A: ボルト固定部
3C: ナット収容部
3B: 係止片
59B: 突起受け部
3F: 前側端子台
3R: 後側端子台
4: 機器
4A: 機器側接続部
5: コネクタ
6: フード部
7: 端子金具
7A: タブ
7B: コネクタ側接続部
8: 端子収容部
10,110,210: 接続モジュール
20: バスバ
21: 上部接続部
22: 下部接続部
21A,22A: ボルト締結孔
23: 連結部
24: 凹部
30: ホルダ
30L: 左端ホルダ
30M: 中間ホルダ
30R: 右端ホルダ
31A,31B: 側壁
32: 前壁
32A,33A: 上面
33: 後壁
34: 底壁
35A,35B: バスバ保持部
35C: 下面
36: 切り欠き部
37,40B: テーパ面
38: 凸部
39: レール側ガイド(係合部の一例)
40: ロック片
40A: ロック部
41: 第1ホルダ側ガイド
42: 第2ホルダ側ガイド
43,143: ロック受け部
44,144: 第2ホルダ側ガイド受け部
45,145: 第1ホルダ側ガイド受け部
50,150,250: ブラケット
51: ホルダ台部
52: バスバ収容部
53: レール
53F: 前側レール
53B: 後側レール
54,254: 挿入口
55,155: ストッパ部
56,256: 延出部
56F: 前側延出部
56B: 後側延出部
57,62: 固定孔
58: 仕切り板
59A,67: 突起部
60: カバー
61: 本体部
63: 保護壁
64: 溝部
65: 抜け止め部
66: 固定部
256A:係合受け部
B: 電池セル
BT1,BT2,BT3: ボルト
CL1,CL2,CL3,CL4: クリアランス
N: ナット