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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】車両用センサ取り付け構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/048 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
B60R9/048
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020216868
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102245
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【弁理士】
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】東町 直哉
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】出原 毅史
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-060680(JP,A)
【文献】特開2021-154765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0257582(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフ上に前記車両の外部状況を検出するための複数種類の外部センサを取り付ける車両用センサ取り付け構造であって、
前記車両のルーフに対して固定され、少なくとも一種類の前記外部センサが取り付けられた共通センサユニットと、
前記共通センサユニットに対して車両左側、車両右側、車両上側、車両前側、車両後側のうち少なくとも二方向で取り付け可能であり、前記共通センサユニットに対して取り外し可能に取り付けられると共に少なくとも一種類の前記外部センサが取り付けられたオプションセンサユニットと、
を備え
前記共通センサユニットは共通フレーム体を有し、前記共通フレーム体には、前記共通フレーム体の内側から前記外部センサが取り付けられている、車両用センサ取り付け構造。
【請求項2】
前記オプションセンサユニットには、前記共通センサユニットの車両左側に取り付けられた第一オプションセンサユニットと、前記共通センサユニットの車両右側に取り付けられた第二オプションセンサユニットとが含まれる、請求項1に記載の車両用センサ取り付け構造。
【請求項3】
前記オプションセンサユニットは、前記共通フレーム体と連結するオプションフレーム体を有している、請求項1又は2に記載の車両用センサ取り付け構造。
【請求項4】
前記オプションセンサユニットには、前記共通センサユニットの車両上側に対して取り付けられ、前記共通センサユニットの左右いずれかに突出するようにオフセット配置された第三オプションセンサユニットが含まれる、請求項1~3のうち何れか一項に記載の車両用センサ取り付け構造。
【請求項5】
前記共通センサユニットは、前記共通フレーム体の少なくとも一部を覆うカバー部材を有する、請求項1~4のうち何れか一項に記載の車両用センサ取り付け構造。
【請求項6】
車両のルーフ上に前記車両の外部状況を検出するための複数種類の外部センサを取り付ける車両用センサ取り付け構造であって、
前記車両のルーフに対して固定され、少なくとも一種類の前記外部センサが取り付けられた共通センサユニットと、
前記共通センサユニットに対して車両左側、車両右側、車両上側、車両前側、車両後側のうち少なくとも二方向で取り付け可能であり、前記共通センサユニットに対して取り外し可能に取り付けられると共に少なくとも一種類の前記外部センサが取り付けられたオプションセンサユニットと、
を備え、
前記オプションセンサユニットは、オプションフレーム体を有し、
前記オプションフレーム体には、前記オプションフレーム体に取り付けられ、少なくとも前記外部センサの上方を覆うカバー部材が取り付けられている、車両用センサ取り付け構造。
【請求項7】
前記オプションフレーム体には、前記オプションフレーム体の内側から前記外部センサが取り付けられている、請求項6に記載の車両用センサ取り付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用センサ取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用センサ取り付け構造に関する技術文献として、米国特許出願公報第2016/0334790号明細書が知られている。この文献には、車両の外部状況を検出する各種のセンサがルーフ中央に一体のユニットとして取り付けられた車両が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公報第2016/0334790号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ルーフ上の全てのセンサを取り外し不能の一体的なユニットとすると、センサ故障時などにメンテナンスが困難となると言う問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、車両のルーフ上に車両の外部状況を検出するための複数種類の外部センサを取り付ける車両用センサ取り付け構造であって、車両のルーフに対して固定され、少なくとも一種類の外部センサが取り付けられた共通センサユニットと、共通センサユニットに対して車両左側、車両右側、車両上側、車両前側、車両後側のうち少なくとも二方向で取り付け可能であり、共通センサユニットに対して取り外し可能に取り付けられると共に少なくとも一種類の外部センサが取り付けられたオプションセンサユニットと、を備え、共通センサユニットは共通フレーム体を有し、共通フレーム体には、共通フレーム体の内側から外部センサが取り付けられている
【0006】
本発明の一態様に係る車両用センサ取り付け構造によれば、共通センサユニットに対して取り外し可能にオプションセンサユニットを取り付ける構造とすることで、オプションセンサユニットの外部センサの交換が必要となったときにはオプションセンサユニットごと交換することで、全てのセンサを取り外し不能の一体的なユニットとなっている場合と比べてメンテナンスを容易にすることができる。
【0007】
上述した車両用センサ取り付け構造において、オプションセンサユニットには、共通センサユニットの車両左側に取り付けられた第一オプションセンサユニットと、共通センサユニットの車両右側に取り付けられた第二オプションセンサユニットとが含まれていてもよい。
この車両用センサ取り付け構造によれば、共通センサユニットの左右それぞれに第一オプションセンサユニット及び第二オプションセンサユニットを取り付ける構造とすることで、第一オプションセンサユニット及び第二オプションセンサユニットのいずれの外部センサの交換が必要になってもユニットごと交換することで、メンテナンスを容易にすることができる。
【0008】
上述した車両用センサ取り付け構造において、オプションセンサユニットは、共通フレーム体と連結するオプションフレーム体を有していてもよい。
この車両用センサ取り付け構造によれば、共通フレーム体と連結するオプションフレーム体を採用することで、比較的軽量でありながら十分な剛性を確保することができる。
【0009】
上述した車両用センサ取り付け構造において、オプションセンサユニットには、共通センサユニットの車両上側に対して取り付けられ、共通センサユニットの左右いずれかに突出するようにオフセット配置された第三オプションセンサユニットが含まれていてもよい。
この車両用センサ取り付け構造によれば、車両の幅などが足りずに共通センサユニットの左右にオプションセンサユニットを追加できない場合であっても、共通センサユニットの車両上側から左右に突出するようにオプションセンサユニットをオフセット配置することで、車両の左右に対するセンサ追加を容易に実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、車両のルーフ上に取り付ける外部センサのメンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る車両用センサ取り付け構造を有する車両を示す図である。
図2】車両用センサ取り付け構造の一例を示す斜視図である。
図3】共通センサユニットに対する第一オプションセンサユニットの取り付けの一例を示す図である。
図4】第一オプションフレーム体のセンサ取り付けの一例を示す図である。
図5】第一オプションフレーム体に対するカバー部材の取り付けの一例を示す図である。
図6】共通フレーム体に対する他のオプションフレーム体の取り付けの例を示す図である。
図7】オプションセンサユニットの車両取り付けの他の例を示す図である。
図8】共通センサユニットを有する車両の参考例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。各図において車両前後方向をX軸、車幅方向をY軸、車両の高さ方向をZ軸とするXYZ直交座標系を示す。
【0013】
図1は、一実施形態に係る車両用センサ取り付け構造を有する車両を示す図である。図2は、車両用センサ取り付け構造の一例を示す斜視図である。図1及び図2に示す車両1は、一例として小型バス形状の車両である。車両1の車種や形状は、本実施形態の車両用センサ取り付け構造を採用できれば特に限定されない。
【0014】
車両1のルーフ2の前側には、ルーフ前方センサ群10が搭載されている。車両1の車種や形状は、ルーフ前方センサ群10が搭載可能であれば特に限定されない。なお、車両1のルーフ2の後方には、ルーフ前方センサ群10と同じ構成のルーフ後方センサユニットが設けられていてもよい。
【0015】
ルーフ前方センサ群10には、車両1の外部状況(他車両などの物体の状況など)を検出するための外部センサが複数搭載されている。外部センサとは、車両の外部状況を検出するための検出機器である。外部センサは、少なくとも二種類のセンサであるカメラ及びLiDARが含まれる。カメラは、車両の外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。LiDARは、光を利用して車両の周囲の物体を検出する検出機器である。LiDARは、光を車両の周囲に送信し、物体で反射された光を受信することで物体を検出する。外部センサには、ミリ波レーダが含まれてもよい。外部センサの具体例については後述する。
【0016】
図1及び図2に示すように、ルーフ前方センサ群10には、一例として、共通センサユニット11、第一オプションセンサユニット12、及び第二オプションセンサユニット13が含まれている。
【0017】
共通センサユニット11は、車両1のルーフ2に対して固定され、少なくとも一種類の外部センサが取り付けられたユニットである。共通センサユニット11のルーフ2に対する固定方法は特に限定されない。共通センサユニット11は、ボルト止めにより固定されていてもよく、接着により固定されていてもよく、ルーフ2側に形成された嵌合部に嵌合することで機械的に固定されていてもよい。第一オプションセンサユニット12は共通センサユニット11に対して車両右側に設けられ、第二オプションセンサユニット13は共通センサユニット11に対して車両左側に設けられている。
【0018】
図3は、共通センサユニット11に対する第一オプションセンサユニット12の取り付けの一例を示す図である。図3に示すように、共通センサユニット11は、共通フレーム体110を有している。共通フレーム体110とは、共通センサユニット11のベースとなる枠体である。なお、共通センサユニット11は共通フレーム体110の少なくとも一部を覆うカバー部材(図示せず)を有している。カバー部材は必須ではない。
【0019】
共通フレーム体110は、一例として、アングル部材から構成された直方体のフレーム構造とすることができる。アングル部材とは、断面L字形状の長尺部材である。共通フレーム体110の材質は適切な硬度を有していれば特に限定されない。共通フレーム体110は、例えばアルミ材、鋳造部材、樹脂(繊維強化樹脂など)を用いることができる。共通フレーム体110の形状も直方体に限定されず、曲線部分を有していてもよく、一部のアングル部材の延在方向の端部が突出していてもよい。
【0020】
共通フレーム体110には、外部センサであるカメラ20とLiDAR21が取り付けられている。カメラ20とLiDAR21は車両前側を向くように取り付けられ、車両1の前方の外部状況を検出する。共通フレーム体110には、更に多くの外部センサが取り付けられていてもよい。共通フレーム体110のLiDAR21は、比較的大きい大型LiDARとすることができる。
【0021】
共通フレーム体110におけるカメラ20とLiDAR21の前面(車両前側の面)は、ガラス窓となっていてもよく、カメラ20がLiDAR21露出していてもよい。この点は、第一オプションセンサユニット12及び第二オプションセンサユニット13などにおいても同様である。
【0022】
共通フレーム体110には、第一オプションセンサユニット12及び第二オプションセンサユニット13などが取り付けられるためのボルト孔が形成されている。図3では、共通フレーム体110の車両左側に設けられた左側面ボルト孔111a~111dを用いて第一オプションセンサユニット12が取り付けられる。共通フレーム体110には、前面ボルト孔112a~112d、上面ボルト孔113a~113dなどが形成されている。共通フレーム体110には、上下左右の全ての面にボルト孔が形成されていてもよく、二つの面のみにボルト孔が形成されていてもよい。
【0023】
第一オプションセンサユニット12は、第一オプションフレーム体120を有している。第一オプションフレーム体120は、一例として、共通フレーム体110と同様のアングル部材から構成された直方体のフレーム構造とすることができる。第一オプションフレーム体120は、例えば車幅方向で共通フレーム体110より短い幅を有し、車両前後方向(X軸方向)で共通フレーム体110と同じ奥行を有している。
【0024】
第一オプションフレーム体120の右側面には、共通フレーム体110の左側面ボルト孔111a~111dと対向する右側面ボルト孔121a~121dが形成されている。第一オプションフレーム体120は、その右側面ボルト孔121a~121dと共通フレーム体110の左側面ボルト孔111a~111dとを貫通するように四本のボルトで連結されることで、共通フレーム体110に対して連結されている。
【0025】
また、第一オプションフレーム体120には、別な方向から共通フレーム体110に取り付けられるための前面ボルト孔122a~122d、上面ボルト孔123a~123d、及び右側面ボルト孔124a~124dが形成されている。なお、第一オプションフレーム体120には少なくとも一つの面にボルト孔が形成されていればよい。
【0026】
なお、共通フレーム体110に対する第一オプションフレーム体120の取り付け方法(連結方法)は、ボルト固定に限られない。取り付け方法は取り外し可能な方法であればよい。共通フレーム体110及び第一オプションフレーム体120は、アングル部材同士をステンレスバンドなどの締結金具により締結してもよく、ブラケットを介して取り付けられてもよい。この点は、共通フレーム体110と他のオプションフレーム体との取り付け方法においても同様である。第一オプションセンサユニット12は、例えば共通センサユニット11に対して車両左側、車両右側、車両上側、車両前側、車両後側のうち少なくとも二方向で取り付け可能に構成されていてもよい。
【0027】
第一オプションフレーム体120には、車両左側を向くように設けられた外部センサである左側LiDAR30が取り付けられている。第一オプションフレーム体120に取り付けられる左側LiDAR30は、比較的小さい小型LiDARとしてもよい。第一オプションフレーム体120には、左側LiDAR30の他に複数の外部センサが設けられていてもよい。
【0028】
図4は、第一オプションフレーム体120のセンサ取り付けの一例を示す図である。図4に示すように、第一オプションフレーム体120には、フレーム内側から車両左側を向くように左側LiDAR30が取り付けられている。左側LiDAR30には、下側取付け部31、第一上側取付け部32、及び第二上側取付け部33が設けられている。
【0029】
下側取付け部31、第一上側取付け部32、及び第二上側取付け部33は、それぞれ第一オプションフレーム体120の内側(アングル部材の内側)に接合する部位である。下側取付け部31は、左側LiDAR30の下方に突出しており、クッション材31aを介して第一オプションフレーム体120の内側に接合している。
【0030】
クッション材31aは、弾性を有する接合材であれば特に限定されない。クッション材31aは、例えばゴム製とすることができ、エチレンプロピレンジエンゴム発泡体に粘着性を持たせたものあってもよい。
【0031】
第一上側取付け部32及び第二上側取付け部33は、左側LiDAR30の上方に突出しており、それぞれクッション材32a、33aを介して第一オプションフレーム体120の内側に接合している。クッション材32a、33aの材質はクッション材31aと同じとすることができる。
【0032】
なお、下側取付け部31、第一上側取付け部32、及び第二上側取付け部33は、クッション材を介さずに第一オプションフレーム体120に対して直接接合されていてもよい。左側LiDAR30の取付け部は上下二つでもよく、四つ以上であってもよい。共通フレーム体110におけるカメラ20及びLiDAR21も同様の方法で取り付けられていてもよい。
【0033】
図5は、第一オプションフレーム体120に対するカバー部材の取り付けの一例を示す端面図である。図5では、第一オプションフレーム体120に対するカバー部材の取り付けを説明するため奥に位置するボルト200及びナット201も図示している。
【0034】
図5に示すように、第一オプションフレーム体120には、カバー部材130が取り付けられている。カバー部材130は、第一オプションフレーム体120を上から覆うように設けられた部材である。カバー部材130の材質は特に限定されないが、例えば樹脂から形成することができる。
【0035】
カバー部材130は、第一オプションフレーム体120の車両左側のアングル側面部120aを覆う側面部130aと、第一オプションフレーム体120のアングル上面部120bに対してボルト止めされた上面固定部130bと、を有している。
【0036】
カバー部材130の側面部130aは、カバー用クッション材131を介してアングル側面部120aに接合されている。カバー用クッション材131の材質は、例えばクッション材31aと同じとすることができる。
【0037】
カバー部材130の上面固定部130bは、ボルト200及びナット201によって第一オプションフレーム体120のアングル上面部120bに固定されている。金属カラーなどを追加で用いてもよい。
【0038】
なお、カバー部材130の形状は特に限定されない。カバー部材130は、第一オプションフレーム体120の全体を上から覆う形状であってもよく、第一オプションフレーム体120及び共通フレーム体110の両方を覆う形状であってもよい。カバー部材130は、第一オプションフレーム体120及び共通フレーム体110に加えて、第二オプションセンサユニット13の第二オプションフレーム体(図示せず)を覆う形状であってもよい。或いは、カバー部材130は、少なくとも第一オプションフレーム体120に取り付けられた左側LiDAR30などの外部センサの上方を覆うことができる形状であってもよい。第二オプションセンサユニット13については第一オプションセンサユニット12と同様の構成とすることができる。
【0039】
以上説明した本実施形態に係る車両用センサ取り付け構造によれば、共通センサユニット11に対して取り外し可能にオプションセンサユニット12、13を取り付ける構造とすることで、オプションセンサユニット12、13の外部センサの交換が必要となったときにはオプションセンサユニット12、13ごと交換することで、全てのセンサが取り外し不能の一体的なユニットとなっている場合と比べてメンテナンスを容易にすることができる。
【0040】
また、この車両用センサ取り付け構造によれば、共通センサユニット11の左右それぞれに第一オプションセンサユニット12及び第二オプションセンサユニット13を取り付ける構造とすることで、第一オプションセンサユニット12及び第二オプションセンサユニット13のいずれの外部センサの交換が必要になってもユニットごと交換することで、メンテナンスを容易にすることができる。
【0041】
更に、この車両用センサ取り付け構造によれば、共通フレーム体110及び第一オプションフレーム体120を採用することで、比較的軽量でありながら十分な剛性を確保することができる。
【0042】
この車両用センサ取り付け構造では、様々な種類の自動運転キットを搭載するにあたり、共通センサユニット11とオプションセンサユニット12,13を選択的に採用可能な構成とすることで、様々な型式の車両に対して設計自由度を高めてセンサ搭載の汎用性を持たせることができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0044】
ここで、図6は、共通フレーム体110に対する他のオプションフレーム体の取り付けの例を示す図である。図6では、共通センサユニット11に対して第三オプションセンサユニット14及び第四オプションセンサユニット15が取り付けられている。
【0045】
第三オプションセンサユニット14の第三オプションフレーム体140は、共通フレーム体110の車両前側に取り付けられている。第三オプションフレーム体140も、アングル部材からなる直方体の形状を成している。第三オプションフレーム体140は、一例として、車両前方から見て共通フレーム体110からはみ出さない幅となるように形成されている。
【0046】
第三オプションフレーム体140の後面には、共通フレーム体110の前面ボルト孔112a~112dと対向する後面ボルト孔141a~141dが形成されている。第三オプションフレーム体140は、その後面ボルト孔141a~141dと共通フレーム体110の前面ボルト孔112a~112dとを貫通するように四本のボルトで連結されることで、共通フレーム体110に対して連結されている。第三オプションフレーム体140には、他の面にもボルト孔が形成されていてもよい。
【0047】
第三オプションセンサユニット14には、一例として、車両前方を向くように左前側LiDAR40が取り付けられている。LiDARに代えてカメラその他の外部センサを採用してもよく、他の面に外部センサが取り付けられていてもよい。
【0048】
第四オプションセンサユニット15の第四オプションフレーム体150は、共通フレーム体110の車両上側に取り付けられている。第四オプションフレーム体150もアングル部材からなる直方体の形状を成している。
【0049】
第四オプションフレーム体150は、車両左側(車幅方向)に共通フレーム体110から突出するようにオフセット配置されている。オフセット配置とは、共通センサユニット11の左右何れかに突出するようにオプションセンサユニットが配置されることである。これにより、車両1のルーフ2の幅などが足りない場合であっても外部センサを車両1の外側に突出して設けることができる。
【0050】
第四オプションフレーム体150の下面には、共通フレーム体110の上面ボルト孔113a~113dと対向する後面ボルト孔151a~151dが形成されている。第四オプションフレーム体150も四本のボルトにより共通フレーム体110に対して固定されている。
【0051】
第四オプションフレーム体150には、一例として、車両前方を向くように左側LiDAR50が取り付けられている。LiDARに代えてカメラその他の外部センサを採用してもよい。LiDARに代えてカメラその他の外部センサを採用してもよく、他の面に外部センサが取り付けられていてもよい。
【0052】
その他、共通センサユニット11には、車両左側や車両後側にオプションセンサユニットが取り付けられていてもよい。車両後側のオプションセンサユニットは、共通センサユニット11の左右にオフセット配置されてもよい。第三オプションセンサユニット14及び第四オプションセンサユニット15もカバー部材に覆われていてもよい。
【0053】
以上説明した他の例の車両用センサ取り付け構造によれば、車両の幅などが足りずに共通センサユニット11の左右にオプションセンサユニット12,13を追加できない場合であっても、共通センサユニット11の車両上側から左右に突出するようにオプションセンサユニットをオフセット配置することで、車両の左右に対するセンサ追加を容易に実現することができる。
【0054】
図7は、オプションセンサユニットの車両取り付けの他の例を示す図である。図7に示すように、車両1のルーフ2上においてルーフ前方センサ群10の他に、オプションセンサユニット60を追加で独立して設けてもよい。
【0055】
オプションセンサユニット60は、例えば左側オプションセンサユニット61及び右側オプションセンサユニット62を含んで構成されている。左側オプションセンサユニット61及び右側オプションセンサユニット62は、共通センサユニットではなく車両1のルーフ2に対して直接取り付けられている。これにより、車両1のルーフ2に対する外部センサの追加を汎用的に行うことができる。
【0056】
図8は、共通センサユニット11を有する車両の参考例を示す図である。図8に示す乗用車5のルーフ2では、共通センサユニット11のみを採用している。すなわち、車種によってはオプションセンサユニットを採用しない選択肢も提供でき、設計自由度を高めることができる。
【0057】
共通フレーム体110及び各種のオプションフレーム体は必ずしもアングル部材を用いた構造である必要はない。板状部材や棒状部材を用いた構造であってもよい。なお、第一オプションセンサユニット12及び第二オプションセンサユニット13は、共通センサユニット11の他に、車両1のルーフ2に対して固定されてもよい。第四オプションフレーム体150は、車両前方に向かって突出するようにオフセット配置されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…車両、2…ルーフ、10…ルーフ前方センサ群、11…共通センサユニット、12…第一オプションセンサユニット、13…第二オプションセンサユニット、14…第三オプションセンサユニット、15…第四オプションセンサユニット、20…カメラ、21…LiDAR、110…共通フレーム体、120…第一オプションフレーム体、130…カバー部材、140…第三オプションフレーム体、150…第四オプションフレーム体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8