(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】副流煙除去装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
A24F 13/06 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
A24F13/06 D
A24F13/06 Z
(21)【出願番号】P 2022502888
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(86)【国際出願番号】 KR2021012548
(87)【国際公開番号】W WO2022092561
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0140213
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン、セウン キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ ホン
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5529078(US,A)
【文献】国際公開第2005/020726(WO,A1)
【文献】中国実用新案第208540742(CN,U)
【文献】特表2015-513922(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0050348(KR,A)
【文献】特表2018-515078(JP,A)
【文献】米国特許第4066088(US,A)
【文献】特表2009-521950(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0130689(KR,A)
【文献】特開2000-245430(JP,A)
【文献】特表2020-516267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/00-17/00
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に喫煙空間が形成されているハウジングと、
前記ハウジングの一端に位置し、前記喫煙空間に喫煙物品が挿入されるための開口を形成している物品挿入部と、
前記喫煙物品が前記物品挿入部を通じて挿入されるにつれて前記喫煙物品の上流末端を弾性的に支持するように配置された弾性支持部と、
前記喫煙空間内に挿入された喫煙物品を点火する点火部と、
前記喫煙空間内に挿入された喫煙物品から発生する副流煙を処理
し、前記副流煙が排気されるようにする排気ファンを含む副流煙処理部と、
前記ハウジング内に形成された、外気が流入するベントと、
前記ベントの開閉程度及び前記排気ファンの動作を調整する制御部と、を含
み、
前記制御部は、
喫煙中にパフがないことが感知されることに応答して、前記ベントを少なく開放し、前記排気ファンを正方向に回転し、
喫煙中にパフが感知されることに応答して、前記ベントをさらに開放し、前記排気ファンを逆方向に回転し、
喫煙終了が感知されることに応答して、前記ベントを閉鎖し、
前記正方向は、前記副流煙がフィルター構造物に吸入されるようにする回転方向であり、前記逆方向は、反対の回転方向である、副流煙除去装置。
【請求項2】
前記弾性支持部は、伸張状態で前記上流末端を支持することによって前記喫煙物品の挿入方向に収縮するように配置される、請求項1に記載の副流煙除去装置。
【請求項3】
前記点火部は、前記弾性支持部と結合されており、前記喫煙物品が挿入されるにつれて前記喫煙物品の上流末端に密着するように配置される、請求項1又は2に記載の副流煙除去装置。
【請求項4】
前記上流末端に密着する前記点火部の部分は、前記上流末端を貫通するように突出した形状からなる、請求項3に記載の副流煙除去装置。
【請求項5】
前記喫煙空間内で前記挿入された喫煙物品の側面を支持するように配置された支持部をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【請求項6】
前記副流煙処理部は、前記副流煙をろ過するフィルター構造
物をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【請求項7】
前記喫煙空間内に配置された前記喫煙物品を切断する切断部をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【請求項8】
前記挿入された喫煙物品を構成する喫煙物質部の下流末端付近の温度を測定するように配置された温度センサー
をさらに含み、
前記制御部は、前記温度センサーの測定温度に基づいて喫煙の終了を感知す
る、請求項1から7のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【請求項9】
前記制御部は、喫煙終了が感知されることに応答して
、前記排気ファンの動作を停止させ
る、請求項1から8のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、副流煙除去装置およびその制御方法に関する。より詳細には、喫煙物品に対する支持安定性と点火安定性が向上した副流煙除去装置および当該装置で行われる制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
副流煙除去装置は、手の臭いの低減、副流煙(sidestream smoke)除去(浄化)などを目的に考案された一種の喫煙補助具である。副流煙除去装置は、通常、内部に密閉された喫煙空間と副流煙除去手段を具備し、ユーザは、副流煙除去装置内部の喫煙空間にシガレットを挿入して喫煙できる。
【0003】
ところが、通常、シガレットは、細長型からなるので、喫煙空間内でシガレットの上流部分が揺れる現象が頻繁に発生し、このような揺れる現象によって喫煙物品が良好に点火しない問題が発生することがある。
【0004】
また、今まで提案された多くの副流煙除去装置は、特定長さのシガレットに合うように設計および製造されたので、多様な長さのシガレットに普遍的に活用できず、これによって、ユーザが多数の副流煙除去装置を購入しなければならない負担が存在した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の幾つかの実施形態を通じて解決しようとする技術的課題は、喫煙物品に対する支持安定性と点火安定性が向上した副流煙除去装置および当該装置で行われる制御方法を提供することにある。
【0006】
本開示の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、下記の記載から本開示の技術分野における通常の技術者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するための、本開示の幾つかの実施形態に係る副流煙除去装置は、内部に喫煙空間が形成されているハウジングと、前記ハウジングの一端に位置し、前記喫煙空間に喫煙物品が挿入されるための開口を形成している物品挿入部と、前記喫煙物品が前記物品挿入部を通じて挿入されるにつれて前記喫煙物品の上流末端を弾性的に支持するように配置された弾性支持部と、前記喫煙空間内に挿入された喫煙物品を点火する点火部と、前記喫煙空間内に挿入された喫煙物品から発生する副流煙を処理する副流煙処理部と、を含んでもよい。
【0008】
幾つかの実施形態において、前記弾性支持部は、伸張状態で前記上流末端を支持することによって前記喫煙物品の挿入方向に収縮するように配置されてもよい。
【0009】
幾つかの実施形態において、前記点火部は、前記弾性支持部と結合されており、前記喫煙物品が挿入されるにつれて前記喫煙物品の上流末端に密着するように配置されてもよい。
【0010】
幾つかの実施形態において、前記喫煙空間内で前記挿入された喫煙物品の側面を支持するように配置された支持部をさらに含んでもよい。
【0011】
幾つかの実施形態において、前記副流煙処理部は、前記副流煙をろ過するフィルター構造物と、前記ろ過した副流煙が排気されるようにする排気ファンと、を含んでもよい。
【0012】
幾つかの実施形態において、前記ハウジングには、外気が流入するベントホールが形成されていてもよい。
【0013】
幾つかの実施形態において、前記挿入された喫煙物品を構成する喫煙物質部の下流末端付近の温度を測定するように配置された温度センサーと、前記温度センサーの測定温度に基づいて喫煙の終了を感知する制御部と、をさらに含んでもよい。
【0014】
幾つかの実施形態において、前記ハウジングには、外気が流入するベントホールが形成されており、前記副流煙処理部は、前記副流煙が排気されるようにする排気ファンを含み、喫煙終了が感知されることに応答して、前記ベントホールを閉鎖し、前記排気ファンの動作を停止させる制御部をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
上述した本開示の幾つかの実施形態によれば、喫煙空間内に挿入される喫煙物品を弾性的に支持できる弾性支持部が配置されてもよい。これによって、喫煙物品に対する支持安定性が向上し、点火時に喫煙物品の揺れる現象が防止されて、点火安定性も向上することができる。
【0016】
また、長さ方向に伸張および収縮が可能な弾性体で弾性支持部を構成することによって、多様な長さの喫煙物品を収容できる。これによって、ユーザが多数の副流煙除去装置を購入する必要がないので、ユーザの購買費用を節減できる。
【0017】
また、点火部が弾性支持部と結合され、点火部が突出した形状を有することができる。これによって、喫煙物品が挿入されるにつれて点火部が喫煙物品の上流末端を貫通する形態で密着することができ、点火安定性と点火性能が大きく向上することができる。
【0018】
また、喫煙物品の側面を支持する支持部が喫煙空間内に配置されることによって、喫煙物品に対する支持安定性がさらに向上することができる。
【0019】
また、喫煙進行状況によってベントホールと排気ファンを適切に制御でき、これによって、ユーザの喫煙満足度が向上することができる。
【0020】
また、喫煙の終了が感知されるにつれて自動消火機能が行われ得る。これによって、ユーザの不注意による火災の危険性と火傷の危険性を最小化できる。
【0021】
本開示の技術的思想による効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、下記の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の幾つかの実施形態に係る副流煙除去装置と多様な変形例を説明するための例示図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施形態に係る副流煙除去装置と多様な変形例を説明するための例示図である。
【
図3】本開示の幾つかの実施形態に係る副流煙除去装置と多様な変形例を説明するための例示図である。
【
図4】本開示の第1実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置を説明するための例示図である。
【
図5】本開示の第1実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置を説明するための例示図である。
【
図6】本開示の第2実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置を説明するための例示図である。
【
図7】本開示の第3実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置を説明するための例示図である。
【
図8】本開示の幾つかの実施形態に係る副流煙除去装置の制御方法を示す例示的なフローチャートである。
【
図9】本開示の他の幾つかの実施形態に係る副流煙除去装置の制御方法を示す例示的なフローチャートである。
【
図10】本開示の幾つかの実施形態に係る現在喫煙位置判断方式を説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本開示の好ましい実施形態を詳細に説明する。本開示のメリットおよび特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すれば明確になるだろう。しかしながら、本開示の技術的思想は、以下の実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形状に具現でき、単に以下の実施形態は、本開示の技術的思想が完全になるようにし、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に本開示の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示の技術的思想は、請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0024】
各図面の構成要素に参照符号を付加するに際して、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本開示を説明するに際して、関連した公知構成または機能に関する具体的な説明が本開示の要旨を不明にすることができると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0025】
別途の定義がない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使用され得る。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解析されない。以下の実施形態において使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本開示を制限しようとするものではない。以下の実施形態において、単数型は、文章において特に言及しない限り、複数型も含む。
【0026】
また、本開示の構成要素を説明するに際して、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用できる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。任意の構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、当該他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」され得ると理解しなければならない。
【0027】
本開示において使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0028】
まず、本開示の多様な実施形態において使用される幾つかの用語について明確にする。
【0029】
以下の実施形態において、「喫煙物品」(smoking article)とは、タバコ、タバコ派生物、膨化処理タバコ(expanded tobacco)、再生タバコ(reconstituted tobacco)またはタバコ代用物に基づくかに関係なく喫煙可能な任意の製品または喫煙体験を提供できる任意の製品を意味する。例えば、喫煙物品は、シガレット、葉巻(cigar)および細かい葉巻(cigarillo)などのような喫煙可能製品を含んでもよい。
【0030】
以下の実施形態において、「喫煙物質」(smoking material)とは、煙(smoke)および/またはエアロゾル(aerosol)を発生させたり喫煙に用いられる物質を意味する。例えば、喫煙物質は、タバコ物質を含んでもよい。タバコ物質は、例えばタバコ葉細片、タバコ幹またはこれらから加工された物質などを含んでもよい。より具体的な例として、タバコ物質は、粉砕されたタバコの葉、粉砕された再生タバコ、膨化刻み、膨化主脈および板状葉などを含んでもよい。しかしながら、これらに限定されるものではない。
【0031】
以下の実施形態において、「上流」(upstream)または「上流方向」は、ユーザの口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」(downstream)または「下流方向」は、ユーザの口部から近づく方向を意味する。上流および下流という用語は、喫煙物品を構成する要素の相対的位置を説明するために用いられる。例えば、
図1などに例示された喫煙物品30において、フィルター部は、喫煙物質部の下流または下流方向に位置し、喫煙物質部は、フィルター部の上流または上流方向に位置する。
【0032】
以下の実施形態において、「長さ方向」(longitudinal direction)は、喫煙物品の長さ方向の軸に相当する方向を意味する。
【0033】
以下の実施形態において、「パフ(puff)」は、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内または肺に引き寄せる状況を意味する。
【0034】
以下では、本開示の多様な実施形態について添付の図面により詳細に説明する。
【0035】
図1は、本開示の幾つかの実施形態に係る副流煙除去装置1の構造を説明するための例示図である。特に、
図1などの図面は、喫煙物品30が挿入されている状態を例示している。
【0036】
図1に示されたように、副流煙除去装置1は、ハウジング11、物品挿入部12、バックカバー13、断熱部14、温度センサー20、点火部15、副流煙処理部16、メッシュ網17、ディスプレー部19および制御部18を含んでもよい。ただし、
図1には、本開示の実施形態と関連する構成要素のみが示されている。したがって、本開示の属する技術分野における通常の技術者なら
図1に示された構成要素の他に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれてもよいことが分かる。例えば、副流煙除去装置1は、電気的構成要素(例えば、制御部18、ディスプレー部19など)に電力を供給するためのバッテリー(不図示)をさらに含んでもよい。また、
図1に示された構成要素の一部は、副流煙除去装置1の必須の構成要素でなくてもよい。すなわち、副流煙除去装置1は、図示された構成要素の一部が省略された形態で具現されてもよい。例えば、副流煙除去装置1は、温度センサー20、ディスプレー部19などの構成要素が省略された形態で具現されてもよい。以下、副流煙除去装置1の各構成要素について説明する。
【0037】
ハウジング11は、副流煙除去装置1の内部に喫煙空間を形成でき、副流煙除去装置1の外観の少なくとも一部を形成できる。
図1は、ハウジング11が副流煙除去装置1の側壁を指すように図示しているが、ハウジング11は、物品挿入部12、バックカバー13および断熱部14を含む外観形成構造物の全部を指すものであってもよい。副流煙除去装置1の耐久性を保証し、破損の危険性を最小化するために、ハウジング11は、堅固な素材からなることが好ましい。
【0038】
幾つかの実施形態において、喫煙空間内に外気が円滑に流入できるようにハウジング11にベントホール111が形成されていてもよい。ベントホール111は、喫煙中に外気が流入するようにすることによって、喫煙物品30の燃焼を促進でき、これによって、副流煙除去装置1の喫煙機能が大きく向上することができる。
図1は、ハウジング11に1個のベントホール111が形成されていることを例示しているが、ベントホール111の個数は複数個であってもよい。また、ベントホール111の形成位置、サイズ、間隔なども多様に設計可能である。ベントホール111の開閉可否および/または開閉程度は、制御部18により制御でき、これと関連しては、
図8を参照して後述する。
【0039】
次に、物品挿入部12は、ハウジング11の一端(例えば、上端)に位置し、喫煙物品30が挿入されるための開口を形成できる。ユーザは、物品挿入部12を通じて副流煙除去装置1内の喫煙空間に喫煙物品30を挿入できる。喫煙空間内部の熱が外部に放出されることを遮断するために、物品挿入部12は、断熱性素材からなることが好ましい。また、挿入された喫煙物品30が揺れるのを防止するために、物品挿入部12は、喫煙物品30を保持できるホルダー構造からなることが好ましい。
【0040】
幾つかの実施形態において、物品挿入部12が開口のサイズを調節できる構造からなってもよい。例えば、物品挿入部12は、手動操作を通じて開口を引き締めたり、緩く拡張できる構造からなってもよい。他の例として、物品挿入部12は、喫煙物品30に合うように自動で開口を引き締めるように構成されてもよい。より具体的な例として、物品挿入部12が制御部18により制御され、制御部18がセンサーを通じて喫煙物品30が挿入されることを感知したり、ユーザ入力(例えば、ボタンプッシー)が受信されるとき、物品挿入部12の開口を引き締めるように制御することもできる。本実施形態によれば、開口のサイズが喫煙物品30に合うように調節されることによって、喫煙物品30の揺れる現象が防止され、支持安定性が向上することができる。ひいては、多様なサイズの喫煙物品が挿入され得るようになって、副流煙除去装置1の活用性も向上することができる。
【0041】
喫煙物品30は、下流に位置するフィルター部と、フィルター部の上流末端に当接する喫煙物質部とから構成されてもよい。ただし、喫煙物品30の細部構造は、いくらでも変更可能である。フィルター部は、煙をろ過できるフィルター物質を含んでもよく、喫煙物質部は、喫煙物質を含んでもよい。喫煙物品30の例としては、燃焼式シガレットが挙げられるが、これに限定されるものではなく、喫煙物品30は、喫煙時に副流煙が発生する任意の物品を含んでもよい。
【0042】
次に、バックカバー13は、ハウジング11の他端(例えば、下端)に位置し、副流煙除去装置1のカバーとして機能することができる。副流煙処理部16を通じて処理された(浄化された)副流煙が外部に排出されうるように、バックカバー13には、気体排出通路が形成されていてもよい。例えば、バックカバー13には、微細ホールなどのような気体排出通路が形成されていてもよい。
【0043】
次に、断熱部14は、熱伝導率が低い素材からなり、喫煙空間内部の熱が外部に放出されることを遮断できる。断熱部14は、ハウジング11の外面に配置されることによって、ユーザの身体が副流煙除去装置1に接触するとき(例えば、喫煙のために装置1を把持する場合)、内部の熱による火傷の危険をあらかじめ防止する役割をすることができる。
【0044】
次に、温度センサー20は、喫煙空間内に配置され、喫煙空間内に挿入された喫煙物品30の温度を測定できる。温度センサー20の個数、形状、配置位置、配置間隔などは多様に設計可能であり、これは、実施形態によって変わることができる。
【0045】
幾つかの実施形態において、
図1に示されたように、温度センサー20が喫煙物質部の下流末端付近の温度を測定するように配置されてもよい。このような場合、さらなるモニタリングモジュールを設けることなく、温度センサー20のみを用いて喫煙の終了可否を正確に判断できるが、これは、通常、喫煙物質部が完全に燃焼した場合に喫煙が終了するという点を利用したものと理解できる。たとえば、制御部18は、温度センサー20の測定温度が基準値以上であるか(例えば、現在喫煙位置が喫煙物質部の下流末端に到達した場合)、温度センサー20の測定温度が増加してから基準値以下に減少する場合(例えば、喫煙物質部の下流末端で燃焼力が弱くなる場合)に喫煙が終了したと判断できる。
【0046】
他の幾つかの実施形態において、複数個の温度センサー20が喫煙空間内に互いに異なる位置に配置されてもよい。たとえば、
図2に例示されたように、複数個の温度センサー20-1、20-2が喫煙物品30の長さ方向に配置されてもよい。または、複数個の温度センサー20が互いに対向する位置に配置されてもよい。
図2は、2個の温度センサー20-1、20-2が配置されたことを例示しているが、温度センサー20の個数は、3個以上であってもよい。この際、温度センサー20の配置間隔は、同じでも異なっていてもよい。複数個の温度センサー20を利用すると、喫煙進行状況(例えば、喫煙進行程度)をより正確にモニタリングすることができ、下記のように多様なモニタリング情報を獲得できる。
【0047】
幾つかの例において、喫煙物質部の上流末端付近に配置された温度センサー(例えば、20-2)を通じて喫煙の開始を感知(判断)できる。たとえば、制御部18は、前記温度センサー(例えば、20-2)の測定温度が基準値以上の場合、喫煙が始まったと判断できる。
【0048】
幾つかの例において、長さ方向に配置された複数個の温度センサー(例えば、20-1、20-2)の測定温度を比較して、喫煙物品30の喫煙進行程度(例えば、現在喫煙(燃焼)位置)を判断できる。本例については、
図9および
図10を参照してより詳細に後述する。
【0049】
幾つかの例において、複数個の温度センサー20が挿入された喫煙物品30を基準として互いに対向する位置に配置されたり、喫煙空間内で喫煙物品30の円周方向に配置(例えば、90度間隔で4個の温度センサー20が配置)されてもよい。このような場合、複数個の温度センサー20の測定温度を比較して、喫煙物品30の傾き(揺動)程度を判断できる。たとえば、特定の温度センサーの測定温度が他の温度センサーより高い場合、制御部18は、前記特定の温度センサー方向に挿入された喫煙物品30が傾いていると判断できる。または、複数の温度センサー20の測定温度が基準値以上に変動する場合、制御部18は、挿入された喫煙物品30が揺れていると判断できる。
【0050】
さらに他の幾つかの実施形態において、細長型のボディを有する温度センサー20が喫煙空間内に配置されてもよい。たとえば、細長型の温度センサー20が喫煙物品30の長さ方向に配置されてもよい。本実施形態に係る温度センサー20は、細長型ボディの第1部分が喫煙物品30を構成する喫煙物質部の第1対応部位の温度を測定でき、第2部分が喫煙物質部の第2対応部位の温度を測定できるように具現されたものであってもよい。具体的な具現方式は、いかなる方式であっても関係ない。このような場合、前記細長型ボディの特定部分の測定温度に基づいて喫煙進行状況をモニタリングすることができる。たとえば、制御部18は、前記細長型ボディの各部分の測定温度を比較して、喫煙物品30の喫煙進行程度を判断できる。
【0051】
さらに他の幾つかの実施形態において、前述した実施形態の組み合わせに基づいて温度センサー20が配置されてもよい。
【0052】
次に、点火部15は、喫煙空間内に配置され、喫煙空間内に挿入された喫煙物品30を点火できる。点火部15は、制御部18により制御でき、ユーザの手動操作によって点火機能を行うこともできる。点火部15の個数、形状、配置形態などは多様に設計可能であり、これは、実施形態によって変わることができる。
【0053】
幾つかの実施形態において、点火部15は、固定された位置に配置されてもよい。具体的に、
図1などに示されたように、点火部15は、挿入された喫煙物品30の上流末端付近を点火できるように配置されてもよい。このような場合、副流煙除去装置1の構造が簡素化されて、製造時の不良率を最小化できる。
【0054】
他の幾つかの実施形態において、点火部15は、移動可能に設計および具現されてもよい。具体的な具現方式は、いかなる方式であっても関係ない。たとえば、点火部15は、ユーザの手動操作または制御部18の制御によって長さ方向に移動するように具現されてもよい。幾つかの例において、制御部18が喫煙物品30の挿入を感知することに応答して点火部15を喫煙物品30の上流末端に移動させることもできる。本実施形態によれば、副流煙除去装置1が多様な長さの喫煙物品に普遍的に適用可能になって、副流煙除去装置1の活用性が大きく向上することができる。
【0055】
次に、副流煙処理部16は、喫煙空間内に配置され、挿入された喫煙物品30から発生する副流煙に対する各種処理を行うことができる。例えば、副流煙処理部16は、挿入された喫煙物品30とバックカバー13との間に位置し、副流煙に対する浄化機能を行うことができる。また、副流煙処理部16は、浄化された副流煙が外部に良好に排出されるようにする排気機能をさらに行うこともできる。ただし、副流煙処理部16の細部構造および動作方式は多様に設計可能であり、これは、実施形態によって変わることができる。
【0056】
幾つかの実施形態において、図示のように、副流煙処理部16がフィルター構造物161と排気ファン162を含むように構成されてもよい。フィルター構造物161は、副流煙に対する浄化機能を行い、排気ファン162は、副流煙に対する排気機能を行うことができる。たとえば、排気ファン162は、回転を通じて副流煙をフィルター構造物161側に吸い込み、フィルター構造物161を通過した副流煙が外部に円滑に排出されるようにすることができる。排気ファン162の動作は、制御部18により制御でき、これと関連しては、
図8などの図面を参照して後述する。
【0057】
次に、メッシュ網17は、副流煙処理部16とバックカバー13との間に配置され、安全網の役割を行うことができる。たとえば、メッシュ網17は、喫煙空間内部の特定物体(例えば、フィルター部161の一部の細片など)がバックカバー13の方向に離脱するのを防止できる。
【0058】
次に、ディスプレー部19は、ハウジング11の外面に位置し、制御部18の制御によって各種情報をディスプレーすることができる。例えば、ディスプレー部19は、喫煙進行状況に関する情報、装置情報、喫煙履歴情報、ユーザ情報などをディスプレーすることができる。ここで、喫煙進行状況に関する情報は、例えば喫煙進行情報(例えば、喫煙進行程度、現在喫煙位置、残余パフ回数、喫煙時間、残余喫煙時間などのように喫煙進行に関連したすべての情報)、パフ情報(例えば、パフ回数、パフ長さ、パフ間隔、パフ強度、パフ中であるか否かのようなパフイベントと関連したすべての情報)などを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。装置情報は、例えば電源状態、故障の有無、バッテリー状態(例えば、バッテリー残量、充電必要の有無など)などのような情報を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。喫煙履歴情報は、累積喫煙回数などを含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0059】
ディスプレー部19は、LEDディスプレーのように視覚的なディスプレー手段を具備することによって、前記各種情報を視覚的にディスプレーすることができる。ただし、その具体的なディスプレー手段は、いくらでも変更可能である。
【0060】
次に、制御部18は、副流煙除去装置1の動作を全般的に制御することができる。例えば、制御部18は、排気ファン162の動作を制御することができ、ディスプレー部19の動作を制御することもでき、副流煙除去装置1に含まれた他の構成要素の動作を制御することもできる。また、制御部18は、喫煙物品30に対する喫煙進行状況を判断することができ、副流煙除去装置1の構成それぞれの状態を確認して副流煙除去装置1が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。制御部18の具体的な動作方法に関しては、
図8~
図10を参照して詳細に後述する。
【0061】
制御部18は、少なくとも一つのプロセッサ(processor)により具現されてもよい。前記プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行できるプログラムが保存されたメモリーの組み合わせで具現されてもよい。また、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者なら、制御部18が他の形態のハードウェアで具現されてもよいことが自明に理解できる。
【0062】
図1は、制御部18が副流煙除去装置1のハウジング11の外部に位置するように図示しているが、これは、理解の便宜のためのものに過ぎず、制御部18の配置位置は、いくらでも変更可能である。たとえば、外部衝撃による故障を防止するために、制御部18は、ハウジング11内の特定位置に配置されてもよい。
【0063】
一方、本開示の幾つかの実施形態において、副流煙除去装置1が聴覚的および/または触覚的な出力を提供するモジュールをさらに含んでもよい。例えば、副流煙除去装置1がスピーカー、振動モジュールなどをさらに含んでもよい。このような場合、制御部18は、前記例示されたモジュールをさらに利用して各種情報をユーザに提供できる。
【0064】
また、本開示の幾つかの実施形態において、
図3に示されたように、喫煙空間内に切断部23がさらに配置されてもよい。切断部23は、燃焼中の喫煙物品30を切断してさらなる燃焼を防止することによって、ユーザの希望時点に安全な消火機能を提供でき、ユーザの不注意によって発生できる火傷の危険性(例えば、直接消火時に不注意による火傷の危険性)と火災の危険性を最小化できる。ただし、切断部23の具現方式は多様に設計可能である。
【0065】
幾つかの例において、切断部23は、固定された位置に配置され、挿入された喫煙物品30の特定部位を切断するように構成されてもよい。たとえば、切断部23は、フィルター部と喫煙物質部の間を切断できる位置に固定的に配置されてもよい。このような場合、喫煙物品30の現在喫煙(燃焼)位置に関係なく、安全な消火機能を保証でき、副流煙除去装置1の構造を簡素化できる。
【0066】
他の幾つかの例において、切断部23は、移動可能に構成されてもよい。たとえば、切断部23は、ユーザの外力(手動操作)により移動するように構成されてもよく、制御部18の制御によって移動するように構成されてもよい。より具体的な例として、切断部23は、制御部18により喫煙物品30の現在喫煙(燃焼)位置付近に自動で移動することもできる。制御部18が喫煙物品30の現在喫煙(燃焼)位置を判断する方式は、
図10の説明内容を参照する。
【0067】
また、幾つかの例において、切断部23は、ユーザがハウジング11の外面に具備されたプッシー型ボタン(不図示)を押す動作、ハウジング11を捻る動作、ハウジング11を長さ方向に伸張または収縮させる動作などによって作動できる。切断部23は、前記例示された動作により作動するようにハウジング11と機械的に連動する構造からなってもよく、前記例示された動作により制御部18が切断部23を作動させるように具現されてもよい。
【0068】
以上では、
図1~
図3を参照して本開示の幾つかの実施形態に係る副流煙除去装置1の構造と多様な変形例について説明した。上述したところによれば、複数の温度センサー20とディスプレー部19を通じて喫煙進行状況に関する情報を提供でき、切断部23を通じて安全な消火機能を提供できる。これによって、副流煙除去装置1の使用便宜性と安全性が向上することができる。
【0069】
ただし、
図1~
図3に例示された副流煙除去装置1の場合、物品挿入部12により喫煙物品30の下流部分のみを支持できるので、喫煙中に喫煙物品30が揺れる問題があり得、点火時に喫煙物品30が揺れる場合には点火の安定性が低下するおそれがある。以下では、このような問題を解決するために考案された副流煙除去装置1について
図4以降の図面を参照して説明する。本開示の明瞭さのために、
図1~
図3と重複する内容に関する説明は省略し、差異点を中心に説明を継続する。
【0070】
図4および
図5は、本開示の第1実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置1を説明するための例示図である。
【0071】
図4および
図5に示されたように、第1実施形態に係る副流煙除去装置1は、挿入された喫煙物品30の上流末端を弾性的に支持するように配置された弾性支持部21を含んでもよい。弾性支持部21は、スプリングなどのように伸張および収縮が可能な弾性体を含んでもよく、喫煙物品30が挿入されるにつれて挿入方向に収縮するように配置されてもよい。たとえば、弾性支持部21は、喫煙空間内に長さ方向に配置され、喫煙物品30の挿入力により収縮することによって喫煙物品30を支持できる。これによって、喫煙物品30の支持安定性と点火安定性が向上することができる。
【0072】
点火部15と弾性支持部21の結合可否および/または配置形態は多様に設計可能である。
【0073】
幾つかの例において、図示のように、点火部15が弾性支持部21と結合されており、喫煙物品30が挿入されるにつれて点火部15が喫煙物品30の上流末端に密着するように配置されてもよい。このような場合、点火部15が弾性支持部21とともに喫煙物品30の上流末端を支持しつつ点火機能を行うので、点火安定性がさらに向上することができる。ひいては、点火部15が喫煙物品30の上流末端に密着した状態で点火が行われるので、点火性能も向上することができる。
【0074】
上述した例示において、喫煙物品30の上流末端に密着する点火部15の部分は、尖った突出形状(例えば、針状)からなってもよい。このような場合、喫煙物品30が挿入されるにつれて点火部15が喫煙物品30の上流末端を貫通するので、点火時に喫煙物品30をさらに強く支持できる。もちろん、これによって、副流煙除去装置1の支持安定性と点火安定性がさらに向上することができる。
【0075】
他の幾つかの例において、点火部15が弾性支持部21と異なる位置に配置され、点火部15が移動可能に具現されてもよい。このような場合、弾性支持部21を通じて喫煙物品30を支持でき、点火部15は、手動または自動で喫煙物品30の上流末端付近に移動して点火機能を行うことができる。
【0076】
一方、
図4に示してはいないが、喫煙物品30の挿入によって弾性支持部21が収縮した以後、弾性力により弾性支持部21がさらに伸張するのを防ぐための構造が副流煙除去装置1に導入されていてもよく、このような構造は、いかなる方式で具現されても関係ない。
【0077】
以上で説明したところによれば、弾性支持部21を通じて喫煙物品30に対する支持安定性と点火安定性が向上することができる。また、弾性支持部21が長さ方向に伸張および収縮可能に配置されることによって、多様な長さの喫煙物品30を喫煙空間内に安定的に収容できる。例えば、
図4および
図5に示されたように、弾性支持部21を通じて第1の長さL1と第2の長さL2(L1>L2)の喫煙物品30を全部喫煙空間内に安定的に収容できる。これによって、互いに異なる長さの喫煙物品30に対して多数の副流煙除去装置を製造する必要がなく、製造費用を節減でき、ユーザの装置購買費用も節減できる。
【0078】
以下では、
図6を参照して本開示の第2実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置1について説明する。
【0079】
図6は、本開示の第2実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置1を説明するための例示図である。
【0080】
図6に示されたように、本実施形態において、弾性支持部21が喫煙物品30の長さ方向(挿入方向)に垂直に配置されてもよい。すなわち、喫煙物品30が副流煙除去装置1の縦方向に挿入される場合、弾性支持部21は、横方向に配置されてもよい。そして、点火部15は、弾性支持部21と結合されていてもよく、喫煙物品30が挿入されるにつれて喫煙物品30の上流末端に密着することができる。このような場合にも、弾性支持部21が喫煙物品30を支持できるので、支持安定性と点火安定性が向上することができる。
【0081】
以前の実施形態と同様に、点火部15の密着部分は、突出形状からなってもよく、このような場合、支持安定性と点火安定性がさらに向上することができる。
【0082】
以下では、
図7を参照して本開示の第3実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置1について説明する。
【0083】
図7は、本開示の第3実施形態によって支持安定性および点火安定性が向上した副流煙除去装置1を説明するための例示図である。
【0084】
図7に示されたように、本実施形態において、副流煙除去装置1の喫煙空間内に喫煙物品30の側面を支持する支持部22がさらに配置されてもよい。たとえば、図示のように、喫煙物品30の第1地点の側面と第2地点の側面を支持するように複数の支持部22が配置されてもよい。喫煙物品30の特定地点を支持するために、喫煙物品30の円周方向に複数個の支持部22が配置(例えば、90度間隔で4個の支持部22が配置)されてもよく、リング形状からなる1個の支持部22が配置されてもよい。このように、支持部22の個数、配置形態、形状などは多様に設計および具現可能である。
【0085】
支持部22が喫煙物品30の側面を支持する場合、喫煙中にも持続的に喫煙物品30に対する支持安定性を保証できる。具体的に、弾性支持部21は、喫煙初期まで喫煙物品30を支持できるが、喫煙が進行されるほど支持能力が弱化する。喫煙によって喫煙物品30の長さが次第に短くなるためである。このような場合、支持部22が適切な位置に配置されると、喫煙終了時まで喫煙物品30を安定的に支持できる。もちろん、支持部22が配置されると、喫煙初期の支持安定性もさらに向上することができる。
【0086】
一方、
図7は、弾性支持部21が長さ方向に配置されている場合を例示しているが、場合によって弾性支持部21は省略されてもよく、長さ方向に垂直に配置されてもよい。
【0087】
以上では、
図4~
図7を参照して本開示の幾つかの実施形態によって支持安定性および点火安定性が改善された副流煙除去装置1について説明した。上述したところによれば、喫煙空間内に挿入される喫煙物品30を弾性的に支持できる弾性支持部21が配置されることによって、喫煙物品30に対する支持安定性が向上することができる。また、点火時に喫煙物品30の揺れる現象が防止されることによって、点火安定性も向上することができる。また、喫煙物品30の側面を支持する支持部22が喫煙空間内にさらに配置されることによって、喫煙物品30に対する支持安定性がさらに向上することができる。
【0088】
以下では、
図8以降の図面を参照して本開示の幾つかの実施形態に係る制御方法について説明する。
【0089】
以下で後述する制御方法の各段階は、副流煙除去装置(例えば、1)の制御部(例えば、18)により行われ得る。また、前記制御方法の各段階は、制御部により実行される一つ以上のインストラクションで具現されてもよい。前記制御方法は、多様な類型の副流煙除去装置に適用できるが、理解の便宜を提供するために
図1~
図7に例示された副流煙除去装置1で行われることを仮定して説明を継続する。したがって、以下の説明において特定動作の主語が省略された場合、前記例示された装置1の制御部18により行われると理解できる。
【0090】
図8は、本開示の幾つかの実施形態に係る制御方法を示す例示的なフローチャートである。ただし、これは、本開示の目的を達成するための好ましい実施例に過ぎず、必要に応じて一部の段階が追加されたり削除されてもよいことはもちろんである。
【0091】
図8に示されたように、前記制御方法は、喫煙の開始を感知する段階S10から始まることができる。本段階で喫煙開始を感知する方式は多様化できる。
【0092】
幾つかの実施形態において、制御部18は、点火部15を動作させるユーザ入力(例えば、ボタン入力など)を通じて喫煙の開始を感知できる。または、制御部18は、喫煙開始を要請するユーザ入力(例えば、ボタン入力など)を通じて喫煙の開始を認知し、点火部15を動作させることもできる。
【0093】
他の幾つかの実施形態において、制御部18は、温度センサー20の測定温度が基準値以上という判断に応答して喫煙の開始を感知できる。この際、温度センサー20は、例えば喫煙空間内で喫煙物品30の上流末端付近の温度を測定するように配置されたものであってもよい。
【0094】
段階S20で、喫煙の開始が感知されることに応答して、制御部18は、ベントホール111を開放(例えば、一部開放、全部開放)できる。これは、ベントホール111を通じて流入した外気が喫煙物品30の燃焼を促進させることができるためである。また、制御部18は、排気ファン162を稼動させることができる。これは、排気ファン162が動作するにつれて喫煙中に発生する副流煙を円滑に排気できるためである。
【0095】
一方、本開示の幾つかの実施形態によれば、制御部18は、喫煙中にユーザのパフイベントに基づいてベントホール111と排気ファン162に対する制御を行うことができる。ただし、その具体的な制御方式は多様化である。
【0096】
幾つかの例において、制御部18は、パフイベントに基づいてベントホール111の開閉程度を調節できる。具体的に、制御部18は、パフ時にベントホール111をさらに開放させ、非パフ時にベントホール111を少なく開放させることができる。このような場合、パフ時にさらにスムーズに外気が流入して喫煙物品30の燃焼をさらに促進させることができる。そして、非パフ時に浄化しない副流煙がベントホール111を通じて漏れ出る問題を緩和できる。参考として、パフ時には、副流煙が多く発生せず、ベントホール111を通じて気体が流入する気流パスが形成されるので、ベントホール111が開放されても、副流煙が漏れ出る問題が発生しない。
【0097】
他の幾つかの例において、制御部18は、パフ時に逆方向に排気ファン162を動作(回転)させ、非パフ時に正方向に排気ファン162を動作(回転)させることができる。ここで、正方向は、副流煙がフィルター構造物161側に吸入されるようにする回転方向を意味し、逆方向は、その反対の回転方向を意味する。このような場合、パフ時に喫煙物品30の上流末端側に気流が集中して燃焼を促進でき、非パフ時には、副流煙がフィルター構造物161方向に吸入されて副流煙を円滑に排気できる。
【0098】
さらに他の幾つかの例において、制御部18は、パフイベントに関する情報(例えば、パフ強度、パフ間隔、パフ長さなど)に基づいてベントホール111の開閉程度および/または排気ファン162の回転速度を調節できる。たとえば、パフ強度が増加したり、パフ長さが長くなったり、パフ間隔が短くなる場合、制御部18は、ベントホール111をさらに開放させることができる。反対の場合なら、制御部18は、ベントホール111を少なく開放させることができる。喫煙物品30の燃焼が円滑に行われない場合、パフ強度が増加する可能性が高いためである。または、パフ強度が増加したり、パフ長さが長くなったり、パフ間隔が短くなる場合、制御部18は、パフ時に排気ファン162の回転速度(すなわち、逆方向の回転速度)を増加させることができる。反対の場合なら、制御部18は、排気ファン162の回転速度を減少させることができる。
【0099】
さらに他の幾つかの例において、制御部18は、前述した例示の組み合わせに基づいて制御を行うこともできる。
【0100】
以前の実施形態において、制御部18がパフを感知する方式は多様化できる。例えば制御部18は、温度センサー20により測定された温度の変化に基づいてパフを感知できる。具体的に、制御部18は、温度変化程度が基準値以上の場合(例えば、喫煙物品30の燃焼温度が瞬間的に上昇する場合)、パフが発生したと認識できる。これは、パフ時に喫煙物品30の上流末端で燃焼が加速化する現象を利用したものと理解できる。また、制御部18は、温度変化程度に基づいてパフ強度を判断することもできる。たとえば、制御部18は、温度変化程度が大きいほどパフ強度が強く、温度変化程度が小さいほどパフ強度が弱いと判断できる。
【0101】
段階S30で、制御部18は、喫煙の終了を感知できる。本段階で、制御部18が喫煙終了を感知する方式は多様化でき、これは、実施形態によって変わることができる。
【0102】
幾つかの実施形態において、制御部18は、温度センサー20の測定温度に基づいて喫煙の終了を感知できる。この際、温度センサー20は、例えば喫煙物品30の喫煙物質部の下流末端付近に配置されたものであってもよい。たとえば、制御部18は、温度センサー20の測定温度が基準値以上であるか、測定温度が増加してから減少する場合、喫煙が終了したと判断できる。
【0103】
他の幾つかの実施形態において、制御部18は、喫煙開始後の経過時間、パフイベントなどを基礎として喫煙の終了を感知することもできる。たとえば、制御部18は、喫煙開始後に一定時間が経過したり、パフ回数が基準値以上の場合、または最近パフ後に一定時間以上パフが感知されない場合、喫煙が終了したと判断できる。
【0104】
さらに他の幾つかの実施形態において、喫煙終了条件が設定されていてもよい。たとえば、パフ回数、喫煙経過時間などに基づいて喫煙終了条件が設定されていてもよい。このような場合、制御部18は、あらかじめ設定された喫煙終了条件が満足されることに応答して喫煙の終了を決定できる。
【0105】
段階S40で、喫煙終了の感知に応答して、制御部18は、自動消火機能を行うことができる。本段階で、制御部18が自動消火機能を行う方式は多様化できる。
【0106】
幾つかの実施形態において、制御部18は、ベントホール111を閉鎖し、排気ファン162の動作を停止させることができる。このような場合、ベントホール111の閉鎖によって外気の流入が中断されることによって、酸素の不足によって自然に喫煙物品30が消火される。
【0107】
他の幾つかの実施形態において、制御部18は、ベントホール111を閉鎖し、排気ファン162を一定時間の間動作後に停止させたり、持続的に動作させることができる。このような場合、ベントホール111の閉鎖によって外気の流入が中断され、排気ファン162を通じて内部の空気が外部に排気されることによって、自然に喫煙物品30が消火される。
【0108】
さらに他の幾つかの実施形態において、制御部18は、切断部23を動作させることによって自動消火機能を行うこともできる。
【0109】
さらに他の幾つかの実施形態において、制御部18は、上述した実施形態の組み合わせに基づいて自動消火機能を行うことができる。たとえば、制御部18は、ベントホール111を閉鎖し、排気ファン162の動作を停止させる第1消火プロセスと、挿入された喫煙物品30を切断部23を通じて切断する第2消火プロセスを通じて、自動消火機能を行うこともできる。この際、第1消火プロセスと第2消火プロセスは、順序に関係なく行われ得る。
【0110】
一方、本開示の幾つかの実施形態によれば、制御部18は、喫煙終了が感知されることに応答して一定時間の間排気ファン162を正方向(すなわち、吸い込む方向)に動作させることができる。このような場合、排気ファン162によりタバコの灰のような喫煙副産物がフィルター構造物161の付近に集まることになって、副流煙除去装置1の内部清掃をより容易に行うことができる。幾つかの例において、制御部18が喫煙物品30の消尽程度に基づいて排気ファン162の回転速度を調節することもできる。たとえば、喫煙物品30が完全消尽した場合には、副産物がさらに多いことであるから、制御部18は、排気ファン162をさらに速く回転させることができ、反対の場合には、さらに遅く回転させることができる。喫煙物品30の消尽程度は、パフ回数、喫煙経過時間、現在喫煙位置(
図10参照)などに基づいて判断できる。
【0111】
以上では、
図8を参照して本開示の幾つかの実施形態に係る制御方法について説明した。上述した方法によれば、喫煙進行状況によってベントホール111と排気ファン162を適切に制御できるので、装置に対するユーザの満足度が向上することができる。また、喫煙終了時に自動消火機能が行われて、ユーザの不注意による火災危険性と火傷危険性を最小化できる。
【0112】
以下では、
図9を参照して本開示の他の幾つかの実施形態に係る制御方法について説明する。ただし、本開示の明瞭さのために、
図8に例示された制御方法と重複する内容に関する説明は省略する。
【0113】
図9は、本開示の他の幾つかの実施形態に係る制御方法を示す例示的なフローチャートである。ただし、これは、本開示の目的を達成するための好ましい実施例に過ぎず、必要に応じて一部の段階が追加されたり削除されてもよいことはもちろんである。
【0114】
図9に示されたように、前記制御方法は、喫煙の開始を感知する段階S110から始まることができる。本段階で、制御部18は、喫煙の開始を知らせる表示をディスプレー部19を通じてディスプレーすることもできる。本段階に関するさらなる説明は、
図8に例示された段階S10を参照する。
【0115】
段階S120で、制御部18は、喫煙進行状況をモニタリングすることができる。ここで、喫煙進行状況は、喫煙進行程度、パフイベントなどのように喫煙に関連したすべての状況を含んでもよい。
【0116】
幾つかの実施形態において、制御部18は、互いに異なる位置に配置された複数の温度センサー20の測定温度を比較して、喫煙物品30の喫煙進行程度(または現在喫煙(燃焼)位置)を正確に判断できる。具体的に、
図10に示されたように、複数の温度センサー20-1、20-2、20-3が副流煙除去装置1内部の喫煙空間に長さ方向に配置されていると仮定しよう。すると、制御部18は、第1温度センサー20-1、第2温度センサー20-2および第3温度センサー20-3の測定温度を比較して、喫煙物品30の現在喫煙位置と喫煙進行程度を判断できる。たとえば、第1温度センサー20-1の測定温度が最も低く、第2温度センサー20-2の測定温度が第3温度センサー20-3より低く、第3温度センサー20-3の測定温度が最も高い場合、制御部18は、喫煙物品30の現在喫煙位置が第2温度センサー20-2と第3温度センサー20-3との間にあり、第3温度センサー20-3にさらに近くあると判断できる。この際、制御部18は、第2温度センサー20-2と第3温度センサー20-3との間に温度差が大きいほど第3温度センサー20-3にさらに多く近くあると判断できる。
【0117】
段階S130で、制御部18は、ディスプレー部19を通じてモニタリング情報をディスプレーすることができる。ただし、モニタリング情報の種類とそれに関する具体的なディスプレー方式は多様に設計可能である。
【0118】
幾つかの実施形態において、制御部18は、喫煙進行程度に関する情報をディスプレー部19を通じてディスプレーすることができる。例えば、制御部18は、喫煙物品30(または喫煙進行程度)を示す表示(例えば、シガレット形状のオブジェクト)をディスプレーし、喫煙が進行されるにつれて前記表示の長さが減少するようにディスプレー部19を制御できる。他の例として、制御部18は、喫煙進行程度を示す表示領域(例えば、LED点灯領域/区間)をディスプレー部19を通じてディスプレーし、喫煙が進行されるにつれて前記表示領域のサイズ(例えば、LED点灯領域/区間の個数)が変わるようにディスプレー部19を制御できる。この際、喫煙が進行されるにつれて表示領域のサイズが増加してもよく、減少してもよい。
【0119】
他の幾つかの実施形態において、制御部18は、パフイベントに関する情報をディスプレー部19を通じてディスプレーすることができる。例えば、制御部18は、パフ回数をディスプレーすることができる。他の例として、制御部18は、パフが感知されることに応答して、パフ中であることを示す表示をディスプレーすることができる。
【0120】
段階S140で、制御部18は、喫煙の終了を感知できる。本段階で、制御部18は、喫煙終了を示す表示をディスプレー部19を通じてディスプレーすることもできる。本段階に関するさらなる説明は、
図8に例示された段階S40を参照する。
【0121】
一方、喫煙終了が感知された場合、制御部18は、自動消火機能を行い、自動消火を示す表示をディスプレー部19を通じてディスプレーすることもでき、自動消火が完了した場合、自動消火完了を示す表示をディスプレーすることもできる。
【0122】
以上では
図9および
図10を参照して本開示の他の幾つかの実施形態に係る制御方法について説明した。上述した方法によれば、ディスプレー部19を通じて喫煙進行状況に関する情報をディスプレーすることができる。これによって、ユーザは、ディスプレー部19を通じて喫煙進行状況をリアルタイムで確認でき、副流煙除去装置1の使用便宜性が大きく向上することができる。
【0123】
以上では
図1~
図10を参照して説明された本開示の技術的思想のうち少なくとも一部は、コンピュータで読み取り可能な媒体上にコンピュータで読み取り可能なコードで具現されてもよい。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、例えば移動型記録媒体(CD、DVD、ブルーレイディスク、USB保存装置、移動式ハードディスク)であるか、固定式記録媒体(ROM,RAM、コンピュータ具備タイプハードディスク)であってもよい。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録された前記コンピュータプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して他のコンピューティング装置に転送されて前記他のコンピューティング装置に設置されてもよく、これによって、前記他のコンピューティング装置において使用できる。
【0124】
以上で本開示の実施形態を構成するすべての構成要素が一つに結合されるか、結合されて動作するものと説明されたといって、本開示の技術的思想が必ずこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示の目的範囲内で、すべての構成要素を一つ以上選択的に結合して動作することもできる。
【0125】
図面において動作が特定の順序に図示されているが、必ず動作が図示された特定の順序にまたは順次的順序に実行されなければならないかまたはすべての図示された動作が実行される場合にのみ所望の結果を得ることができるものと理解すべきものではない。特定状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利になることができる。しかも、上記に説明した実施形態において多様な構成の分離は、当該分離が必ず必要なものと理解すべきものではなく、説明されたプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般的に単一ソフトウェア製品に一緒に統合されたり、多数のソフトウェア製品にパッケージされうることを理解しなければならない。
【0126】
以上、添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明したが、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須の特徴を変更することなく、本開示が他の具体的な形態で実施可能であることが理解できる。したがって、以上で記述した実施形態は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものでないことを理解しなければならない。本開示の保護範囲は、下記の請求範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本開示により定義される技術的思想の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。